JP3895602B2 - 鋼板の製造方法及び鋼板の製造装置 - Google Patents

鋼板の製造方法及び鋼板の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、残留応力が制御された鋼板の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延により製造される鋼板は、元々熱応力に起因する不均一な応力分布を有している上、水冷工程によりその不均一な応力分布がより助長される傾向にある。
【0003】
従来から鋼板の残留応力を制御する技術が種々提案されているが、鋼板の製造工程に残留応力を制御する工程を追加すると、標準工期の延長や工場内における物流の混乱を招くなど、様々な操業上の問題を生じる。そのため、実際には、目視検査により特に形状の悪い鋼板に対してのみ残留応力を制御する工程を実施し、形状が良好な鋼板についてはそのまま出荷工程に送られるといった非定量的な判断が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は残留応力を鋼板の品質として定量的に評価しておらず、特に形状の悪い鋼板を除いてそのまま鋼板を出荷していたので、不均一な応力分布に起因する鋼板の形状不良について、需要家からクレームされる場合が少なくなかった。また、需要家から鋼板形状への要求が高まる中、危険防止のため、比較的形状が良好な鋼板に対しても残留応力の制御工程を追加することが望まれている。
【0005】
一方、特開昭60-261622号公報に記載された鋼板の残留応力制御方法では、熱間圧延工程において温度計を設置し、鋼板温度を測定することにより、熱間矯正時における矯正条件を演算している。しかしながら、この方法によれば、複雑な鋼板の温度分布から演算される歪み分布を相殺するほど精密なロールベンディングを実現することが不可能に近く、高精度の応力制御を行うことは困難であった。さらに、矯正実績を考慮していないので、矯正後の鋼板の応力分布を予測することもきわめて困難である。
【0006】
本発明は、上記従来例の問題点を解決するためになされたものであり、残留応力を鋼板の品質として定量的に評価しかつ管理することにより、残留応力制御の必要性の判定及び鋼板の出荷判定が可能な鋼板の製造方法及び製造装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る別の鋼板の製造方法は、熱間圧延後、加工を行う鋼板の製造方法であって、熱間圧延工程完了直後の鋼板の表面温度を測定する工程と、熱間レベラのうち矯正鋼板に最大曲率を付与するロールに設置された第1センサにより、熱間レベラによる鋼板の矯正時におけるレベリングロールの胴長方向の撓み及びロールギャップを測定する工程と、あらかじめ調査されたロールの撓み及びロールギャップの残留応力への影響を、熱間圧延後の残留応力の予測に反映する第1演算工程と、前記第1演算工程で演算された残留応力とあらかじめ設定された品質規格値とを比較することにより、鋼板に追加の残留応力制御工程を施すか否かの判定及び出荷判定を行う第1判定工程と、前記第1判定工程により鋼板に追加の残留応力制御工程を施す判定がなされた場合に、ローラレベラのうち矯正鋼板に最大曲率を付与するロールに設置された第2センサにより、ローラレベラによる鋼板の矯正時におけるレベリングロールの胴長方向の撓み及びロールギャップを測定し、矯正後の残留応力の予測に反映する第2演算工程と、前記第2演算工程で演算された残留応力とあらかじめ設定された品質規格値とを比較することにより、鋼板の出荷判定を行う第2判定工程とを具備することを特徴とする。
【0008】
上記方法において、前記第1演算工程及び第2演算工程で予測された残留応力をもとに、あらかじめ設定された切断形状に対して、切断後の鋼板の長さ方向の変形量を下記式(1)から(4)に基づいて演算し、得られた演算結果と前記品質規格値とを比較することにより、鋼板に追加の残留応力制御工程を施すか否かの判定及び/又は出荷判定を行うことを特徴とする。
【0009】
【数2】
Figure 0003895602
【0010】
また、本発明に係る鋼板の製造装置は、上記いずれかの方法を実施することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の鋼板の製造方法及び製造装置の一実施形態について説明する。
【0012】
本実施形態における鋼板の製造装置の構成を図1に示す。まず、加熱炉1によりスラブを1000〜1200℃程度に加熱し、圧延装置2により板厚が所定寸法になるまで粗圧延、冷却及び仕上圧延を行う。さらに、400〜650℃程度に急速冷却した後、熱間レベラ3により鋼板の形状を平坦化する。
【0013】
熱間レベラ3には、矯正される鋼板に最大曲率を付与するロールの近傍に、熱間レベラ3による鋼板矯正時におけるレベリングロールの胴長方向(回転軸方向)の撓み及びロールギャップを測定するための第1センサ4が設けられている。また、熱間レベラ3の直近の下流側には、熱間圧延工程完了直後の鋼板の表面温度を測定するための、例えばサーモビュアや走査型の放射温度計等の温度計5が設けられている。
【0014】
第1センサ4及び温度計5はそれぞれサーバ6に接続されており、これらによる測定結果はサーバ6を介して応力計算用コンピュータ7に入力される。応力計算用コンピュータ7は、鋼板の表面温度や応力を考慮し、残留応力を予測するための一般的なモデルを用いて熱間圧延後の鋼板の残留応力を予測し、さらに熱間レベラ3の設備状態をパラメータ化して、予測された残留応力に線形補間を行い、補間した結果を第1の残留応力予測値として出力する(第1演算工程)。そして、あらかじめ応力計算用コンピュータ7の内蔵記憶装置や外部記憶装置などに記憶されている品質規格値(残留応力規格値など)とを比較し、当該鋼板が良品(出荷可能品)か不良品(残留応力制御必要品)かの判定を行う(第1判定)。
【0015】
熱間圧延後の残留応力を予測する方法としていくつかの方法が知られているが、特に、熱間圧延直後の鋼板の表面の温度分布を測定し、熱歪みによる応力とモーメントの釣り合いから熱間圧延後の残留応力を予測する方法は、演算に要する時間が比較的短く、また高精度に予測可能であることから、本実施形態のようなオンラインシステムに採用するモデルとして最適である。
【0016】
温度計5の下流側には、熱間圧延処理が施された鋼板を良品と残留応力制御必要品とに選別するための第1選別部8が設けられている。サーバ6は第1選別部8に接続されており、応力計算用コンピュータ7による判定結果(第1判定)に基づいて、現在搬送されている鋼板を出荷工程に搬送するか、あるいは後述するローラレベラ9に搬送するかを切り替える。
【0017】
第1選別部8の2つの下流側のうち残留応力制御必要品が搬送される側には、鋼板を冷間矯正するためのローラレベラ9が設けられている。ローラレベラ9にも、矯正される鋼板に最大曲率を付与するロールの近傍に、ローラレベラ9による鋼板矯正時におけるレベリングロールの胴長方向の撓み及びロールギャップを測定するための第2センサ10が設けられている。第2センサ10もサーバ6に接続されており、これによる測定結果はサーバ6を介して応力計算用コンピュータ7に入力される。応力計算用コンピュータ7は、上記第1の残留応力予測値を初期の残留応力値としてローラレベラ9による矯正実績をパラメータ化し、演算結果を第2の残留応力予測値として出力する(第2演算工程)。そして、あらかじめ応力計算用コンピュータ7の内蔵記憶装置などに記憶されている品質規格値とを比較し、当該鋼板が良品か不良品かの判定を行う(第2判定)。
【0018】
ローラレベラ9の下流側には、熱間圧延処理が施された鋼板を良品(出荷可能品)と不良品(廃棄品又は再残留応力制御必要品)とに選別するための第2選別部11が設けられている。サーバ6は第2選別部11に接続されており、応力計算用コンピュータ7による判定結果(第2判定)に基づいて、現在搬送されている鋼板を出荷工程に搬送するか、あるいは不良処理工程に搬送するかを切り替える。
【0019】
次に、本発明の基本原理について説明する。上記のように、残留応力を鋼板の品質として定量的に評価しかつ管理することにより、残留応力制御の必要性の判定及び鋼板の出荷判定が可能な鋼板の製造方法及び製造装置を提供するという観点から、本発明者らは、種々の実験を行い、解析を試みた。その結果、熱間レベラの設備状態、例えばレベリングロールの胴長方向(回転軸方向)の撓みやロールギャップなどが熱間圧延後の鋼板の残留応力に大きく影響していることがわかった。また、ローラレベラによる矯正条件が残留応力制御後の残留応力に大きく影響していることもわかった。
【0020】
すなわち、熱間レベラ3やローラレベラ9により鋼板を矯正する際に、レベリングロール及びバックアップロールの摩耗、矯正荷重の変化、突発的な設備トラブルなどにより、鋼板が目的通りの条件で矯正されているとは限らない。熱間レベラ3やローラレベラ9などの矯正装置の設備状態や矯正条件が変化すると、鋼板の形状に影響を及ぼすことはもちろんのこと、鋼板内部の残留応力状態に大きく影響を及ぼす。
【0021】
そこで、熱間レベラ3やローラレベラ9により実際に鋼板を矯正する際の設備状態や矯正条件を測定し、設備状態や矯正条件の変化が残留応力に及ぼす影響をパラメータ化して定量的に評価することにより、矯正処理後の残留応力を高精度に予測することができる。さらに、矯正後の鋼板の残留応力を高精度に予測することにより、鋼板切断後の変形量をも予測することができ、需要家における残留応力に起因する形状不良の発生を予測し又は発生を防止することができる。
【0022】
次に、上記鋼板の製造装置による鋼板製造工程について、図2に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0023】
まず、温度計5により、熱間レベラ3により平坦化された熱間圧延工程完了直後の鋼板表面の温度が測定される(ステップS1)。温度計5により測定された鋼板表面の温度情報は、サーバ6を介して応力計算用コンピュータ7に入力される。応力計算用コンピュータ7は、測定した温度情報を用いて、熱間圧延後の鋼板の残留応力を演算する(ステップS2)。
【0024】
これと並行して、熱間レベラ3に設けられた第1センサ4により、当該鋼板が熱間矯正される際の熱間レベラ3の設備状態が測定され、測定結果はサーバ6を介して応力計算用コンピュータ7に入力される。応力計算用コンピュータ7は、測定した設備状態をパラメータ化する(ステップS3)。
【0025】
さらに、応力計算用コンピュータ7は、パラメータ化された熱間レベラ3の設備状態を考慮に入れて、熱間処理後の鋼板の残留応力σini及び切断変形量を演算する(ステップS4)。ここで、熱間処理後の鋼板の残留応力σiniは、
σini=g(T,H,RH,ΛH,P2
で表される。但し、Tは圧延後の鋼板の温度分布、Hは鋼板のサイズ及び強度クラス、Rは実際の矯正条件、Λは目的とする矯正条件、Pは残留応力パターンを表す。また、添え字Hは熱間処理を表す。
【0026】
切断後の鋼板の長さ方向の変形量Y(x,y)は、以下の式(1)から(4)に基づいて演算する。
【0027】
【数3】
Figure 0003895602
【0028】
熱間処理後の残留応力σini及び切断変形量が演算されると、演算された残留応力σini及び/又は切断変形量と、あらかじめ設定されている品質規格値(残留応力規格値など)とを比較する(ステップS5)。なお、この品質規格値は、例えば応力計算用コンピュータ7の内蔵記憶装置や外部記憶装置などに記憶しておく。比較後、1次品質判定を行い(ステップS6)、演算された残留応力σini及び/又は切断変形量が品質規格値を下回る場合は、それ以上残留応力制御が不要なので、その鋼板を良品と判定し、出荷工程に搬送する(ステップS6でYES)。また、演算された残留応力σini及び/又は切断変形量が品質規格値を上回る場合は、追加の残留応力制御が必要なので、その鋼板を不良品又は残留応力制御必要品と判定し、ローラレベラ9に搬送する(ステップS6でNO)。
【0029】
ステップS6で追加の残留応力制御が必要と判定された鋼板に対しては、ローラレベラ9により冷間矯正、すなわち追加の残留応力制御が施されるが、その際、第2センサ10により、ローラレベラ9による矯正条件が測定される。測定結果はサーバ6を介して応力計算用コンピュータ7に入力される。応力計算用コンピュータ7は、測定した設備状態をパラメータ化する(ステップS7)。
【0030】
さらに、応力計算用コンピュータ7は、パラメータ化されたローラレベラ9による矯正条件を考慮に入れて、冷間処理後の鋼板の残留応力σfni及び切断変形量を演算する(ステップS8)。ここで、熱間処理後の鋼板の残留応力σfniは、
σfni=f(σini,H,Rc,Λc,P1
で表される。但し、添え字Cは冷間処理を表す。また、切断後の鋼板の長さ方向の変形量は、上記式(1)から(4)に基づいて演算する。
【0031】
冷間処理後の残留応力σfni及び切断変形量が演算されると、演算された残留応力σfni及び/又は切断変形量と、上記品質規格値(残留応力規格値など)とを比較する(ステップS9)。比較後、2次品質判定を行い(ステップS10)、演算された残留応力σfni及び/又は切断変形量が品質規格値を下回る場合は、その鋼板を良品と判定し、出荷工程に搬送する(ステップS10でYES)。また、演算された残留応力σfni及び/又は切断変形量が品質規格値を上回る場合は、そのまま出荷すると、需要家で切断しても残留応力による変形が大きく、所定形状にならないため、不良品と判定し不良処理工程に搬送する(ステップS10でNO)。なお、ステップ10で不良品と判定された鋼板に、再度ローラレベラ9による残留応力矯正処理を施してもよい。
【0032】
次に、熱間レベラ3の設備状態の変化が鋼板の残留応力に与える影響の一例として、熱間レベラ3のうちレベリングロールの胴長方向の撓み量と熱間矯正後の鋼板の残留応力の関係を図3に示す。横軸はレベリングロールの撓み量を表し、縦軸は熱間矯正後の鋼板の残留応力を表す。また、熱間矯正前の鋼板の残留応力を0.0MPaとしている。
【0033】
図3からわかるように、レベリングロールの撓みが大きくなるに従い、熱間矯正後の鋼板の残留応力も大きくなっている。このことから、熱間レベラ3の設備状態の変化を把握することが重要であるとともに、熱間レベラ3の設備状態の変化を測定することにより、鋼板の残留応力を予測することが可能であることがわかる。
【0034】
熱間レベラ3の設備状態を定量的に評価するために、レベリングロールの撓みのほかに、ロールギャップの零点のずれ、矯正される鋼板のサイズ及び強度レベル、残留応力パターンなどを考慮に入れてパラメータ化することが好ましい。このように複数のパラメータを用いることにより、より高精度に残留応力を予測することができる。
【0035】
同様に、ローラレベラ9による矯正条件の変化が鋼板の残留応力に与える影響の一例として、ローラレベラ9のうちレベリングロールの目標ロールギャップ設定値からのずれと冷間矯正後の鋼板の残留応力の関係を図4に示す。横軸はレベリングロールの目標ロールギャップ設定値からのずれ量を表し、縦軸は冷間矯正後の鋼板の残留応力を表す。また、冷間矯正前の鋼板の残留応力を200MPaとしている。
【0036】
図4からわかるように、矯正中に実際のレベリングロールのギャップが目標設定値からのずれが、冷間矯正後の鋼板の残留応力制御に大きく影響を及ぼしている。このことから、ローラレベラ9の矯正条件の変化を把握することが重要であるとともに、ローラレベラ9の矯正条件の変化を測定することにより、鋼板の残留応力を予測することが可能であることがわかる。
【0037】
ローラレベラ9の矯正条件を定量的に評価するために、レベリングロールのロールギャップのずれのほかに、ロールの撓み、矯正される鋼板のサイズ及び強度レベル、初期の残留応力パターンなどを考慮に入れてパラメータ化することが好ましい。このように複数のパラメータを用いることにより、より高精度に残留応力を予測することができる。
【0038】
次に、従来の方法による鋼板の残留応力予測(従来モデル)と、本発明による鋼板の残留応力予測(本モデル)と、穿孔法により実際に測定した鋼板の残留応力(測定結果)との比較結果を図5に示す。図5からわかるように、本発明のように熱間ローラ3による設備状態やローラレベラ9の矯正条件を定量的に評価して、矯正後の鋼板の残留応力の予測の際に考慮することにより、実際の鋼板の残留応力に近い高精度な予測が可能となる。
【0039】
次に、図1に示す本実施形態に係る鋼板の製造装置を用いて実際に製造した鋼板(実施例1〜15)についての品質判定結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003895602
【0041】
表1の熱間圧延後応力予測の合否判定(1次)の欄に注目すると、実施例1〜11は、熱間圧延後の残留応力及び切断変形量の少なくとも一方が品質規格値よりも大きく、追加の残留応力制御工程が必要であると判定されている。また、実施例12〜15は、熱間圧延後の残留応力及び切断変形量のいずれもが品質規格値よりも小さく、追加の残留応力制御工程が不要(良品)であると判定されている。実際の鋼板形状では、実施例1〜8が不合格であり、実施例9〜15が合格であった。実施例1〜11については、1次判定の結果を初期の残留応力としてローラレベラ9による冷間矯正を行うので、合否判定(2次)の欄では全数が良品と判定されている。
【0042】
このように、熱間圧延後、比較的残留応力レベルの低い鋼板(実施例12〜15)に対しては残留応力制御工程を追加することなく、また残留応力レベルの高い鋼板(実施例1〜11)に対しては確実に残留応力制御工程を追加することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の鋼板の製造方法及び製造装置によれば、前記第1演算工程及び第2演算工程による予測値に基づいて、鋼板に追加の残留応力制御工程を施すか否かの判定及び/又は出荷判定を行うので、熱間圧延後、比較的残留応力レベルの低い鋼板に対しては残留応力制御工程を追加することなく、また残留応力レベルの高い鋼板に対しては確実に残留応力制御工程を追加することができる。その結果、残留応力が一定の品質規格値以下に制御された鋼板が得られる。また、需要家がその鋼板を所望する形状に切断しても、その変形量を所定の誤差範囲内に押さえることができる。
【0044】
また、センサを矯正鋼板に最大曲率を付与するロールに設置し、第2センサをローラレベラのうち矯正鋼板に最大曲率を付与するロールに設置することで、前記予測値がより高精度で得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鋼板の製造装置の一実施形態の構成を示す図である。
【図2】 上記本発明の鋼板の製造装置による鋼板製造工程を示すフローチャートである。
【図3】 熱間レベラのうちレベリングロールの胴長方向の撓み量と熱間矯正後の鋼板の残留応力の関係を示す図である。
【図4】 ローラレベラのうちレベリングロールの目標ロールギャップ設定値からのずれと冷間矯正後の鋼板の残留応力の関係を示す図である。
【図5】 従来の方法による鋼板の残留応力予測と、本発明による鋼板の残留応力予測と、穿孔法により実際に測定した鋼板の残留応力との比較結果を示す図である。
【符号の説明】
1:加熱炉
2:圧延装置
3:熱間レベラ
4:第1センサ
5:温度計
6:サーバ
7:応力計算用コンピュータ
8:第1選別部
9:ローラレベラ
10:第2選別部

Claims (3)

  1. 熱間圧延後、加工を行う鋼板の製造方法であって、
    熱間圧延工程完了直後の鋼板の表面温度を測定する工程と、
    矯正鋼板に最大曲率を付与するロールに設置されたセンサにより、熱間レベラによる鋼板の矯正時におけるレベリングロールの胴長方向の撓み及びロールギャップを測定する工程と、
    あらかじめ調査されたロールの撓み及びロールギャップの残留応力への影響を、熱間圧延後の残留応力の予測に反映する第1演算工程と、
    前記第1演算工程で演算された残留応力とあらかじめ設定された品質規格値とを比較することにより、鋼板に追加の残留応力制御工程を施すか否かの判定及び出荷判定を行う第1判定工程と、
    前記第1判定工程により鋼板に追加の残留応力制御工程を施す判定がなされた場合に、ローラレベラのうち矯正鋼板に最大曲率を付与するロールに設置された第2センサにより、ローラレベラによる鋼板の矯正時におけるレベリングロールの胴長方向の撓み及びロールギャップを測定し、矯正後の残留応力の予測に反映する第2演算工程と、
    前記第2演算工程で演算された残留応力とあらかじめ設定された品質規格値とを比較することにより、鋼板の出荷判定を行う第2判定工程とを具備することを特徴とする鋼板の製造方法。
  2. 前記第1演算工程及び第2演算工程で予測された残留応力をもとに、あらかじめ設定された切断形状に対して、切断後の鋼板の長さ方向の変形量を下記式(1)から(4)に基づいて演算し、得られた演算結果と前記品質規格値とを比較することにより、鋼板に追加の残留応力制御工程を施すか否かの判定及び/又は出荷判定を行うことを特徴とする請求項1記載の鋼板の製造方法。
    Figure 0003895602
  3. 請求項1又は2に記載の鋼板の製造方法を実施することを特徴とする鋼板の製造装置。
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