JP2005279665A - 鋼板の冷却制御装置の異常診断および異常回避方法 - Google Patents

鋼板の冷却制御装置の異常診断および異常回避方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、熱間圧延鋼板の製造に関し、鋼材の冷却不均一によってもたらされる製品組織のばらつきに基づく品質の悪化、残留応力及び形状悪化を防止するための冷却装置の異常診断及び異常回避操業方法を提供する。
【解決手段】 厚鋼板や熱延鋼板の製造過程において、鋼板の長さ位置毎又は時間毎に、制御冷却後の鋼板の幅方向温度を鋼板全長に渡って測定し、これと共に制御冷却時の冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用有無を鋼板の長さ位置毎又は時間毎に測定し、鋼板の幅又は長手方向に温度偏差が発生したタイミングとバンク、ヘッダーおよび/またはノズルの使用開始または終了のタイミングとが一致した点を異常部位と判定する鋼板冷却装置の異常診断方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱間圧延鋼板の製造に関し、鋼材の冷却不均一によってもたらされる製品組織のばらつきに基づく品質の悪化、残留応力および形状悪化を防止するための冷却装置の異常診断および異常回避操業に関するものである。
従来、熱間圧延鋼板の製造に関しては、仕上げ圧延機後の冷却装置によって鋼材の材質をコントロールして来た。熱延鋼板であればROT冷却装置、厚鋼板であればCLC冷却装置がこれに当たる。これらの冷却制御装置は鋼板幅および長手方向に均一になるように幅方向であればエッジマスク、長手方向であれば冷却ヘッダーの個数を冷却終了後の温度計を用いてフィードバック制御または学習による初期設定によってコントロールしている。しかし、冷却設備の操業を継続していくと冷却水の異物によって経年的にヘッダー内部に異物が蓄積されたり、ノズルが詰まってしまった結果、幅方向で不均一冷却が発生したり、設計または製作上の問題で据付時から冷却不均一性を発生させることがある。このようなことが発生すれば、鋼板に対し、温度偏差発生による加工性や強度と言った品質のばらつきが発生するだけでなく、温度偏差によって発生した熱歪が常温時には残留応力となって平坦度不良やキャンバーが発生すると言う問題が発生する。
このような問題が内在していることから、これまで、不均一冷却が発生してしまった後の処理に関する方法や温度偏差が発生した場合設備の管理方法が種々提案されている。
特許文献1では、温度偏差を作り出す冷却装置の異常判定に基づく管理と言うよりは、発生してしまった温度偏差が残留応力となり、その大きさによって形状や曲がりに現れると予測し、形状の矯正を行う精整工程や熱処理工程への通板の判定を行うことが提案されている。
また、特許文献2では熱間圧延機に圧延された圧延鋼材の温度を冷却温度に到達するまで冷却する冷却設備と、この冷却設備の複数箇所に設けられ上記圧延鋼材の温度を測定する温度計と、上記冷却設備の入側で検出された上記圧延鋼材の温度と上記冷却設備の出側で検出された上記圧延鋼材の温度とに基づいて上記圧延鋼材の鋼板温度降下モデルを検索し、この検索した鋼板温度降下モデルから冷却バンク毎の温度降下量を算出する鋼板温度計算部と、上記各冷却バンクの温度降下量を合計する層別学習計算部と、この層別学習計算部で求められた上記各冷却バンクの温度降下量の合計値と上記温度計から得られる上記冷却設備の入側から出側までの実際の温度降下量との誤差を上記鋼板温度計算部で求めた冷却バンク毎の温度降下量に加えた後、この冷却バンク毎の温度降下量に基づいて冷却バンク毎の能力係数を推定する冷却バンク能力係数計算部と、冷却バンク能力係数の推移変化より上記冷却設備の冷却能力を診断する冷却バンク能力診断部とを備えた熱間圧延設備における冷却設備診断装置が提案されている。
特許第3302914号公報 特許第3199975号公報
しかしながら、特許文献1では、平坦度不良と判定した鋼板は形状や残留応力は精整工程への通板によって改善されるが、増工程になるため、コストが掛かる。また温度分布に基づく判定だけでは組織の不均一性は改善出来ず、そのため強度や加工性等の材質不均一性は生じたままである。また特許文献2の発明は異常判定の部位の区切りが冷却バンク毎になっているが、異常の判定基準が当該冷却バンクの冷却能力の変化を見て判断を行っているため、長手方向の温度不均一性に対する設備操業および管理方法について述べているものの、今回問題としている幅方向の温度偏差に関する提案では無いため、幅方向の温度偏差に関する異常判定は出来ない。また、前述の特許文献2だけでなく、従来の冷却制御においてはその基となる測定温度は鋼板センター部の温度を用いているため、幅方向に不均一温度分布が発生し、板センター部に局所的なムラがあった場合、異常判定や冷却制御そのものも冷却制御目標に対し誤差を生む原因となっている。
本発明は、上述した従来技術が有する問題点を解決するもので、熱延鋼板または厚鋼板の制御冷却装置の不均一冷却を監視し、不均一冷却が発生した場合は原因を精度良く特定し、補修や操業を改善することによって安定して材質および平坦度が良い鋼板を製造する方法および装置を提供することを課題とする。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)厚鋼板および熱延鋼板の製造過程において、鋼板の長さ位置毎または時間毎に、制御冷却後の鋼板の幅方向温度を鋼板全長に渡って測定し、これと共に制御冷却時の冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用有無を測定し、鋼板の幅または長手方向に温度偏差が発生したタイミングと冷却バンク、ノズルおよび/またはヘッダーの使用開始または終了のタイミングとが一致した点を異常部位と判定することを特徴とする鋼板冷却装置の異常診断方法。
(2)厚鋼板および熱延鋼板の製造過程において、鋼板の長さ位置毎または時間毎に、制御冷却前後の鋼板の幅方向温度を鋼板全長に渡って測定し、これと共に制御冷却時の冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用開始および終了のタイミングを鋼板の長さ位置毎または時間毎に測定し、鋼板の幅または長手方向に温度偏差が発生したタイミングと冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用開始または終了のタイミングとが一致した点を異常部位と判定することを特徴とする鋼板冷却装置の異常診断方法。
(3)鋼板の長さ位置および幅位置に測定した温度データをローパスフィルターによって信号処理し、加えて、蛇行および鋼板の幅広がりによるデータへの影響を除く補正をすることを特徴とする(1)または(2)記載の鋼板冷却装置の異常診断方法。
(4)前述の請求項(1)乃至(3)のいずれかに記載の異常診断方法に基づいて特定した異常のある冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用を停止し、これまで使用していなかった他の正常なバンク、ヘッダーおよび/またはノズルで代用して操業を行うことを特徴とする鋼板の冷却装置の異常回避方法。
(5)制御冷却装置の前後に所定の時刻に測定する幅方向温度計データの記録と共に時刻に対して冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用有無を記録する記録装置、冷却前後の温度をコイル位置毎に換算すると共に、使用有無をコイル位置毎に換算し、コイル位置毎に幅方向温度分布と使用有無と比較して異常を検出する演算装置、並びに、警報を出力する警報装置からなることを特徴とした鋼板冷却装置の異常診断装置。
以上説明した本発明により、下記の効果が期待できる。
・ 請求項1記載の鋼板冷却装置の異常診断方法によって、冷却終了後の鋼板全幅に渡った温度分布が時系列および鋼板長毎に測定することで板長手および幅方向の異常冷却を検知が可能となる、併せて時系列および板長毎の各冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の有無を測定しているので温度偏差が発生したタイミングと同じタイミングで使用を開始した冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上が異常冷却の原因と特定出来る。加えて温度偏差が無くなったタイミングと同じタイミングで使用を止めた冷却バンク、ヘッダーおよび/またはが異常冷却の原因と特定が出来る。
・ 請求項2記載の鋼板冷却装置の異常診断方法によって、冷却装置出側の温度データを測定するだけでなく、入側の温度データを測定し、入出側の温度差を求めることによって冷却前の温度偏差の影響を除くことが出来るため、請求項1の発明に比べ更に精度の良い原因の特定が可能となる。
・ 請求項3記載の鋼板冷却装置の異常診断方法によって、温度データの測定ノイズの処理を行うことによって、局所的な温度バラツキの影響を抑えることが可能となり、異常判定の精度が向上する。
・ 請求項4記載の鋼板冷却装置の異常回避方法では、冷却異常原因部位の特定に基づき、異常部位を外して品質異常や平坦度を悪化させない操業が可能となり、安定した操業が可能となる。
・ 請求項5記載の鋼板冷却装置の異常診断装置によって、温度温度計データや冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用有無データを収集し、鋼板位置または時間位置でデータを揃え、操業中常に冷却装置の異常診断を行う一連の操作をシステム化することによって、常に経年的な劣化を把握することで品質や平坦度を悪化させない操業が可能となる。
本発明は、これらの効果より、熱延鋼板または厚鋼板の制御冷却装置の不均一冷却を監視し、不均一冷却が発生した場合は原因を精度良く特定し、補修や操業を改善することによって安定して材質および平坦度が良い鋼板を製造することができるようになった。
本発明者らは、鋼板の平坦度が悪化する現象について熱延鋼板および厚鋼板の製造工程を対象に鋼板の平坦度悪化のメカニズムを把握する検討を行い、本発明に至った。本発明者らは、特に熱延鋼板の製造工程において予備検討としてFEMを用いた解析と実機実験を行い、続いて、実機において本発明を実施した。以下にこの詳細を述べる。
図1は、予備検討を行った熱延鋼板の製造工程における仕上げ圧延機以降の製造設備概要図である。熱延鋼板1は、仕上げ圧延機2を通り、所定の製造サイズに圧延され、冷却前幅方向温度計3で幅方向温度分布が測定され、ランアウトテーブル(ROT)4によって通板されながら、所定の材質に作り込むためにROT冷却装置5によって所定の板温度まで冷却され、冷却後幅方向温度計6で温度を測定し、コイラー(巻取り機)7によってコイル状に巻き取られる。
巻き取る板温度は、材質によって色々異なるがおよそ100〜800℃までの範囲であり、本発明において問題としている平坦度は、このコイル温度が室温まで下がった時点で巻き解くと、エッジ部、センター部またはエッジ部とセンター部の間に発生する波形状の急峻度のことである。また平坦度以外にも板が曲がってしまうキャンバーなども平坦度以外の問題で内在する。
図2に耳波の程度を表す急峻度の定義を示す。鋼板エッジ部の波高さHを波のピッチLで割り、100倍して、パーセント表示で表す。
板の波形状は、板C断面(圧延直角方向断面)に垂直に作用する圧縮応力に対する座屈強度と座屈した後の大たわみ問題と解釈できる。
ここでの予備検討で、ROT冷却装置出側の温度偏差が発生したまま、コイル状態で巻き取られ、最終的に常温まで冷却(多くの場合、空冷)された場合、巻き取り直前の温度偏差によって生じてしまう熱歪がそのまま常温時の残留応力にほぼ等しいことが判明した。
図4はあるコイルにおける幅方向温度分布に対し、板幅方向の平均温度に対する温度偏差に対し、線膨張係数とヤング率を掛け、残留応力として変換した例である。図5は、このように変換した残留応力分布を用いてFEMによる座屈大たわみ解析を実施し、平坦度を予測してみた結果である。これらの検討より、冷間時に測定した平坦度と温度偏差に基づく予測が一致することを確認すると共に、冷却中に発生した温度偏差が平坦度に影響を及ぼし、制御冷却の温度偏差を小さくすることが鋼板の平坦度を向上させることを発見した。
図3(a)は鋼板全長に渡った巻き取り直前(冷却終了後)の温度分布である。これと同時に各冷却バンク、ヘッダーおよび/またはの時系列のON−OFF状況を鋼板長さに変換したものが図3(b)である。図3(a)の温度偏差の発生位置と全20バンクある冷却バンクの中でON−OFFのタイミングが一致する冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上を抽出したところ、図(b)で一致する冷却バンクがNo.3バンクであることが確認された。この結果を受け、実際の冷却装置を調査したところ該冷却バンクのヘッダー内およびノズルに異物が堆積し、幅方向に設置したノズルからの冷却水の吐出流量にばらつきがあることが確認されたので、ヘッダーおよびノズルの清掃を行い、幅方向に設置したノズルの均一水量化を行った。その結果、冷却途中から発生した温度偏差は改善され、平坦度も改善された。
本発明のポイントは、冷却操作の中で、鋼板長や材質の作り込み設計に応じて通板スピードの大小および加速および減速に伴って使用される冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上が変化するため、この時間的変動と把握すると共に結果として現れる冷却後の温度分布の変化を時間軸または板長で揃えれば、制御冷却の装置の各冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の冷却状況を掴むことが出来る点にある。
次に異常と判定される温度偏差の定義は次のように考えた。温度偏差を管理する指標としては品質のバラツキや平坦度不良があるが、品質については製造クォリティーのランクによって自動的に決定されるものである。平坦度不良については板厚や板幅によって座屈限界が変わるので問題となる鋼板の座屈限界に応じて決定される。正確にはFEM等による解析の結果を用いるべきであるが、残留応力を矩形近似し、材料力学で公知である平板の座屈の式で判断しても良い。
異常診断の精度を向上するためには、巻き取り前の温度分布には冷却開始前の温度分布の影響が加わっている。前述までの発明では冷却開始前の温度分布はほぼ均一であることを仮定しているが、実際は冷却開始以前発生した温度偏差と区別するために、冷却開始前の幅方向温度分布と冷却終了後の幅方向温度分布を測定し、鋼板長手位置毎の入側温度分布と出側の温度分布を板幅位置毎に偏差を取り、制御冷却中の板幅温度変化を求めることでさらに確信が持てる診断が可能となる。制御冷却装置以外の原因か否かは、冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上のON−OFFタイミングに一致しなければ、制御冷却以前の問題と判定は可能ではあるが、長手方向にはスキッドマークによる長手方向に周期的な温度変化が内在しており、少なからず冷却出側だけではこの外乱はノイズになる。
さらに、例えば長手方向に約40mmピッチで測定した幅方向の温度データに対し、前後1mの温度分布データに対してデーターの変動に関して調査を行ってみた。その結果、前後1mの温度分布データに対してかなりの温度偏差があった。そしてさらに各板幅位置における前後の温度変化を調べたところ、温度のバラツキは正規分布を取っており、ノイズの可能性があることが判明した。ノイズを含んでいるデータで判定を行うと判定精度が低下するので、判定時にはローパスフィルターや移動平均等の信号処理を行うことが望ましい。
異常診断によって異常部位が判ったとしても操業ラインを直ぐに停止して整備を行うことは不可能であるため、補修を行うまでは、通常の操業では異常温度偏差を解消出来ない。そこで補修タイミングまで異常温度偏差を解消するために異常のある冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上は使用せず、これまで使用していなかった正常な冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上を用いた操業を行うことで一時的に異常温度偏差を解消した操業が可能となる。
以上の取り組みを記憶装置および演算装置を持ったパソコン等によって常時判定および警報を鳴らすことによっても温度偏差が少ない安定した鋼板を製造が可能となる。
これまでの本発明の説明は対象を熱延鋼板としてきたが、厚鋼板に対してもROT冷却をCLC冷却に置き換え、その装置の前後に幅方向の温度計を設置すればそのまま適用が可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。図1の仕上げ圧延機2出側に設置した板幅方向温度計3および制御冷却終了後の幅方向温度計6を設置する。オンラインで逐次圧延中の鋼板の幅方向温度分布を測定する。同時に鋼板のトラッキング情報として鋼板の位置、通板速度、使用している冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の時系列使用履歴をプロコン8より、記憶装置9に送る。次に演算装置10にて入出力の温度データは長手方向位置毎の板幅方向の温度分布を加算平均によってノイズ処理を実施し、プロコンより入手した鋼板のトラッキング情報より測定された冷却前後の時系列幅方向温度分布データを鋼板位置毎の温度データに換算する。そして、鋼板位置毎に入出の温度分布変化を幅位置毎に求め、板幅方向に温度分布変化の平均を取る。同時に使用する冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の時系列単位の使用履歴を鋼板の位置単位に換算する。本実施例において異常判定基準は分布変化が30℃で且つ幅方向100mm、長手方向50m以上の範囲に発生した温度分布を異常温度偏差と規定し、異常判定を行った。図3(a)では板の先端から250〜600の位置で20℃ほど温度が下に外れていた。この外れがNo.3冷却バンクの冷却タイミングと一致しており、No.3冷却バンクに異常があると判定された。このような異常判定に基づき、異常のある冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上を用いない取り組みを行うことによって板幅方向での異常温度偏差が解消され、平坦度の良い鋼板が安定して製造出来るようになった。
本発明は鋼板の制御冷却装置の異常を速やかに求めることが可能となり、判定に基づく補修や正常な冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上への使用振替操業により、安定した操業が可能となる。
本発明を成す前の予備検討および本発明の実施例で用いた熱延鋼板の製造工程を模式的に示す図である。 耳波の程度を表す急峻度の定義を説明するための図である。 (a)冷却終了後の鋼板の板幅および板長手の温度分布を測定した結果を示した図である。(b)鋼板の位置に換算した冷却バンクのON−OFF状態を示した図である。 温度偏差から熱歪を求め、ヤング率を掛けて予測した幅方向の残留応力分布の例を示した図である。 変換した残留応力分布を用いてFEMによる座屈大たわみ解析を実施し、平坦度を予測してみた結果を示す図である。
符号の説明
1 鋼板
2 仕上げ圧延機
3 冷却入側幅方向温度計
4 ホットランテーブル(ROT)
5 ROT冷却装置
5a 冷却バンク
5b ヘッダー
5c ノズル
6 冷却出側幅方向温度計
7 コイラー(巻取り機)
8 プロコン(プロセスコンピュータ)
9 記録装置
10 演算装置
11 警報装置

Claims (5)

  1. 熱間圧延で製造する鋼板の製造過程において、鋼板の長さ位置毎または時間毎に、制御冷却後の鋼板の幅方向温度分布を鋼板全長に渡って離散的に測定し、これと共に制御冷却時の冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用有無を測定し、鋼板の幅または長手方向に温度偏差が発生したタイミングと冷却バンク、ノズルおよび/またはヘッダーの使用開始または終了のタイミングとが一致した点を異常部位と判定することを特徴とする鋼板冷却装置の異常診断方法。
  2. 熱間圧延で製造する鋼板の製造過程において、鋼板の長さ位置毎または時間毎に、制御冷却前後の鋼板の幅方向温度分布を鋼板全長に渡って離散的に測定し、これと共に制御冷却時の冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用開始および終了のタイミングを鋼板の長さ位置毎または時間毎に測定し、鋼板の幅または長手方向に温度偏差が発生したタイミングと冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用開始または終了のタイミングとが一致した点を異常部位と判定することを特徴とする鋼板冷却装置の異常診断方法。
  3. 鋼板の長さ位置および幅位置に測定した温度データをローパスフィルターによって信号処理し、加えて、蛇行および鋼板の幅広がりによるデータへの外乱を除く補正をすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼板冷却装置の異常診断方法。
  4. 前述の請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の異常診断方法に基づいて特定した異常のある冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用を停止し、これまで使用していなかった他の正常なバンク、ヘッダーおよび/またはノズルで代用して操業を行うことを特徴とする鋼板の冷却装置の異常回避方法。
  5. 制御冷却装置の前後に所定の時刻に測定する幅方向温度計データの記録と共に時刻に対して冷却バンク、ヘッダー、ノズルのうちいずれか一つ以上の使用有無を記録する記録装置、冷却前後の温度をコイル位置毎に換算すると共に、使用有無をコイル位置毎に換算し、コイル位置毎に幅方向温度分布と使用有無と比較して異常を検出する演算装置、並びに、警報を出力する警報装置からなることを特徴とした鋼板冷却装置の異常診断装置。




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