JP2010099723A - 厚鋼板の材質保証システム - Google Patents

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Abstract

【課題】仕上げ圧延され加速冷却された厚鋼板の材質を的確かつ迅速に判定・保証することができる厚鋼板の材質保証システムを提供する。
【解決手段】仕上げ圧延機の近傍と加速冷却装置の近傍における厚鋼板の上面全面の温度または/および下面全面の温度を測定・解析することとし、そのための温度測定手段と温度解析手段を有し、温度測定手段により測定された温度実測値から温度解析手段により当該厚鋼板の全面温度MAPを作成し、この厚鋼板全面温度MAPと、この温度MAPに対して設定された各温度計設置位置から選択される個別の温度しきい値とから、当該厚鋼板の材質の合否判定を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚鋼板の材質保証システムに関し、特に制御圧延や加速冷却される厚鋼板の上面全面または下面全面、あるいは、上面全面および下面全面に亘る材質保証用として好適なものに関する。
材料組織における結晶粒径を微細化して厚鋼板の強度・靭性を向上させるTMCP技術にとって、制御圧延の入側温度、出側温度、加速冷却の入側温度、出側温度を厳密に管理することは重要であり、厚鋼板温度を精度良く測定する方法や、温度計の配置を工夫した製造設備が採用され、これらによって材質判定が行われている。
例えば、特許文献1には、最終仕上げ圧延出側のみにおける圧延方向および幅方向の温度分布を測定し、要求値との温度差を求め、これを指標として、この温度差の指標から外れる部分を取り捨てる方法が記載されている。
しかし、厚鋼板の材質は、制御圧延や加速冷却等の条件によって、その組織が大きく変化して材質が変わり、特に、その条件の中でも鋼板の温度はその材質を大きく左右することが知られている。前記特許文献1に記載される従来の方法では、圧延途中の厚鋼板が各設備で受ける温度履歴が変化しても、最終仕上げ圧延出側のみの温度しか評価していないために、この仕上圧延出側の温度差で判定したのでは、厚鋼板の大板から部分的に採取した製品について、本来保証すべき材質から外れる場合が多々あって、十分な材質保証ができずに大きな問題であった。また、特許文献1の実施例に記載されるように、上面または下面のいずれか一方の面の温度を測定するため、板厚が厚い極厚鋼板では上面温度と下面温度との相違について評価できない場合があり、板厚方向の材質保証についても要望が強かった。
特開昭52−117857号公報
近年、熱処理材などの製造条件がわずかに変動しても敏感に材質が変化する厚鋼板について、能率向上から直接焼入れ法で製造し、合理化のためにTMCP技術を適用拡大している。また、従来は厚鋼板の材質は幅方向中央部など一部を保証すれば合格となっていたが、顧客から鋼板全面を保証する要求が出され、その厳しさが年々増している。ラインパイプ原板、造船材等においては、厚鋼板内部の強度偏差を特定の値以下に保証する従来にない要求も出ている。
これに対して、厚鋼板は、その製造過程において、連続式加熱炉、粗圧延機、仕上げ圧延機、脱スケール装置、加速冷却装置等を通過させるため、板表面や板厚方向での温度分布が不均一となりやすく、その結果、材質も不均一となりやすい。したがって、従来は、例えば、搬送ラインの上方に取り付けた放射温度計により、厚鋼板の板幅方向中央部の温度を圧延方向に連続測定し、その中央部のみの測定温度が許容温度範囲に入っている場合は厚鋼板全体の品質判定合格とし、外れている場合は品質判定不合格とすることが行われていた。
しかし、この方法では、温度を測定した面においても全長全幅(すなわち全面)の材質保証を行うことはできず、材質保証は不十分であった。
また、厚鋼板は同一製造条件で大量に製造するため、圧延方向の先端、中央、尾端の各位置から採取した試験片で各種の材質を判定する従来の方法は、厚鋼板の試験片を採取した後に数日を要する場合があり、万一判定不可となると、その期間に製造された厚鋼板は全て不合格となって大量の不具合材が発生する場合もあった。
本発明は、上記のような材質保証上の問題に鑑みて、その解決を図るためになされたものであり、仕上げ圧延され加速冷却された厚鋼板の材質を的確かつ迅速に判定・保証することができる厚鋼板の材質保証システムを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、厚鋼板製造ライン上での厚鋼板の表面全面の温度分布を測定・解析し、その測定・解析結果に基づいて、当該厚鋼板の材質を判定・保証するようにしている。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1]仕上げ圧延機と当該仕上げ圧延機の下流側に配置された加速冷却装置を備えた厚鋼板製造ラインにおいて、厚鋼板の上面全面の温度または下面全面の温度を測定・解析して当該厚鋼板の材質保証を行う厚鋼板の材質保証システムであって、
前記材質保証システムは、温度測定手段と温度解析手段を備え、
前記温度測定手段は、前記仕上げ圧延機の近傍および前記加速冷却装置の近傍に配置した温度計と、前記温度計で測定した温度を収集する温度収集手段を有し、
前記温度解析手段は、前記温度収集手段で収集した温度測定値を用いて、当該厚鋼板の上面全面の温度MAPまたは下面全面の温度MAPを作成し、この温度MAPと、この温度MAPに対して設定した各温度計設置位置から選択される個別の温度しきい値とから、当該厚鋼板の材質の合否判定を行うことを特徴とする厚鋼板の材質保証システム。
[2]仕上げ圧延機と当該仕上げ圧延機の下流側に配置された加速冷却装置を備えた厚鋼板製造ラインにおいて、厚鋼板の上面全面の温度および厚鋼板の下面全面の温度を測定・解析して当該厚鋼板の材質保証を行う厚鋼板の材質保証システムであって、
前記材質保証システムは、温度測定手段と温度解析手段を備え、
前記温度測定手段は、前記仕上げ圧延機の近傍および前記加速冷却装置の近傍に配置した温度計と、前記温度計で測定した温度を収集する温度収集手段を有し、
前記温度解析手段は、前記温度収集手段で収集した温度測定値を用いて、当該厚鋼板の上面全面の温度MAPと、下面全面の温度MAPと、板厚方向の所定位置の温度MAPとを作成し、この温度MAPと、この温度MAPに対して設定した各温度計設置位置から選択される個別の温度しきい値とから、当該厚鋼板の材質の合否判定を行うことを特徴とする厚鋼板の材質保証システム。
本発明によれば、仕上げ圧延され加速冷却された厚鋼板の材質を的確かつ迅速に判定・保証することができる。すなわち、本発明においては、厚鋼板の表面全面の温度分布に基づいて厚鋼板の材質を判定しているので、厚鋼板の板全面に亘って材質を保証することが可能になる。加えて、仕上げ圧延・加速冷却直後に、厚鋼板の板全面の温度が許容範囲に入っているか否かが判定できるため、この温度を参照して、次材以降の厚鋼板の温度を制御できる副次的効果も有しており、大量の不具合材の発生を防止することができ、厚鋼板を能率よく歩留まりも良好に製造可能であり、産業上極めて有用なものである。
前述したように、厚鋼板は、連続式加熱炉、粗圧延機、仕上げ圧延機、脱スケール装置、加速冷却装置等を通過させるため、板表面や板厚方向での温度分布が不均一となりやすい。厚鋼板の材質はその温度によって大きく左右されることから、上記通過工程での温度によって、材質も不均一となりやすい。
従って、厚鋼板の材質を保証するには、板全面に亘る温度を測定する必要があり、上面全面または下面全面に亘る温度を評価し判定することが重要となる。
また、通過位置(各設備入側または出側)ごとの板全面温度を測定・解析して、判定をするのが好ましいが、本発明者らの検討では、特に、厚鋼板の材質に影響の大きい通過工程は仕上げ圧延機入側以降であることを把握したため、本発明では、仕上げ圧延機の近傍および加速冷却装置の近傍の温度について、厚鋼板の上面全面または/および下面全面で測定・解析することにした。
これら温度の測定・解析結果は、データ量が多いため、MAP(温度分布図)化することによって判定が容易になり、また、コンピュータを活用することにより迅速にMAP化できて、その判定も迅速に行うことができる。
これに基づいて、本発明に係る材質保証システムは、仕上げ圧延機の近傍と加速冷却装置の近傍における厚鋼板の上面全面の温度または/および下面全面の温度を測定・解析することとし、そのための温度測定手段と温度解析手段を有し、温度測定手段により測定された厚鋼板温度から温度解析手段により厚鋼板全面温度MAPを作成し、この厚鋼板全面温度MAPと、この厚鋼板全面温度MAPに対して設定した各温度計設置位置から選択される個別の温度しきい値(以降、温度しきい値と称す)とから、当該厚鋼板の材質の合否判定を行うようにしている。
本発明の詳細を以下に説明する。
まず、製造する圧延鋼板が全面材質保証対象材かどうかを判定する。全面に亘り材質保証を要求される対象材とは、例えば、ラインパイプ原板、高強度鋼(造船用、DQ材、タンク材、ペンストック、建産機用、建築橋梁用など)で、製造条件により材質が左右されやすい鋼板である。
全面材質保証材の場合は、厚鋼板の上面全面または/および下面全面に亘る温度を測定・解析する手段(温度測定手段と温度解析手段)を用いて、全面温度を測定・解析する。本発明に係る材質保証システムでは、温度測定手段と温度解析手段は特に規定しないが、以下に述べる構成のものが適当である。
例えば、厚鋼板製造ラインにおいて厚鋼板の上面全面または/および下面全面に亘る温度を全て実測することは難しいため、搬送ラインの上方には、スポット型放射温度計と幅方向の走査可能な走査型放射温度計を、下方には、光ファイバーを用いたスポット型放射温度計(以降、光ファイバー放射温度計)を幅方向に少なくとも1ヶ所以上設置して用いるとよい。また、プロセスコンピュータを活用して、これら複数の温度計で測定した温度を収集し、さらにこれら測定結果に基づいて厚鋼板の上面全面または/および下面全面に亘る温度を解析してMAP化するとよい。
温度測定手段では、上記温度計を適宜組み合わせて、製造ライン上で上面または下面それぞれの温度履歴を保証するために最低限必要な温度測定位置として、仕上げ圧延機の前後面および加速冷却装置の前後面に温度計を配置する。なお、板厚が厚くなるなど厚鋼板の上下面の温度差が大きいことが予想される場合、上下面の材質特性が異なるため、温度は上面全面および下面全面でそれぞれ測定する必要がある。
なお、例えば、仕上げ圧延機前面に温度計を設置するとは、仕上げ圧延機の前方直近に、他の装置より仕上げ圧延機に近い場所に温度計を配置することを意味する。また、仕上げ圧延機後面に温度計を設置するとは、仕上げ圧延機の後方直近に、他の装置より仕上げ圧延機に近い場所に温度計を配置することを意味する。加速冷却装置の場合も同様である。
また、例えばスポット型放射温度計は、搬送ラインの上方で、仕上げ圧延機の前後面と、冷却装置の前後面に配置するとよい。
仕上げ圧延機の前後面に配置するスポット型放射温度計は、複数台とするとよい。これは温度計が1台の場合、温度計が異常を来たした場合に圧延を停止せざるを得なくなるため、複数であれば、一方の正常な温度計をそのまま活用できて、大量に生産する厚鋼板の製造において、大量の不具合材を出さないようにトラブルを回避できるためである。複数台の配置位置は特に規定しないが、厚鋼板の搬送方向に並べることが望ましい。
加速冷却装置の前後面に配置するスポット型放射温度計は、前面を単数、後面は高温測定用と低温測定用の2仕様の複数台とするとよい。
加速冷却装置出側の鋼板温度は、600℃前後から室温レベルと、低温から高温までの広範囲に変動するため、温度測定も広範囲の測定が必要となるからである。
しかし、現存する温度計では1台で低温から高温(室温〜700℃程度)までの広範囲の温度測定を精度よい分解能(できれば±5℃以下)で測定することができない。そのため、少なくとも、高温測定用と低温測定用の少なくとも2種類の温度計を設置するとよい。また、加速冷却装置に近い側には高温測定用、離れた側には低温測定用を配置するとよい。
幅方向温度分布を測定する走査型放射温度計は、搬送ラインの上面側で、かつ、仕上げ圧延機の後面と、加速冷却装置の前後面に配置するとよい。なお、好ましくは、スポット型放射温度計と近接して配置すると、相互の温度計の値を比較参照できて、精度よい測定が可能である。
幅方向温度計を仕上げ圧延機の後面と、加速冷却装置の前後面に設置する理由は、これらの領域が材質が大きく変化する温度域であり、かつ、幅方向に温度分布を生じやすいためであり、そのため、厚鋼板全面に亘る材質均一化を図るには、幅方向に測定する必要があることによる。
なお、幅方向に測定可能な走査型放射温度計の代替として、輝度を捉えて面として温度測定可能な赤外線サーモグラフィ装置を用いてもよい。
光ファイバー放射温度計は、製造ラインの下方に配置するとよい。製造ラインの下方は、特に水及び水蒸気等により温度測定環境が悪く、下面全面の温度を測定する走査型の放射温度計を設置することが著しく難しい。特に仕上げ圧延機の直近では、冷却水を大量に供給しており、温度計測の環境は著しく悪化する。また、製造ラインには搬送ローラが多数設置されており、温度計を挿入する空間が狭いことも、光ファイバー放射温度計を適用する理由である。
光ファイバー放射温度計は、仕上げ圧延機の前後面や冷却装置の前後面で、かつ、搬送ラインの下方で、搬送ラインを挟んで、上面に配置するスポット型放射温度計と対向する位置に配置するとよい。これは、上面の温度と下面の温度との相違について、幅方向同一箇所で把握できることから、板厚方向の材質を推定できて、材質保証に役立つからである。
また、搬送ラインの下方で、搬送ラインを挟んで、仕上げ圧延機の後面や冷却装置の前後面に配置する走査型放射温度計と対向する位置に、走査型放射温度計の走査方向に沿って、光ファイバー放射温度計を複数台配置してもよい。これによって、板厚方向の温度分布が2次元的に把握できて、厚鋼板の上面全面から下面全面に亘る温度測定および解析が可能になる。
なお、下面の幅方向温度を測定するためには、光ファイバー放射温度計は数が多いほど、詳細を定量的に把握できるが、コスト及びメンテナンスの観点より、幅方向に1箇所/m程度の間隔とするとよい。
これらの温度計によって測定された実測温度データをプロセスコンピュータに取り入れて、実測温度データと、その実測温度データに基づいて解析・算出した解析温度データとにより、上面全面および下面全面の温度分布をMAP化する。これにより、各装置(仕上げ圧延機と加速冷却装置)の入側および出側における厚鋼板全体の温度が一目で把握できる。
そして、このMAP化した温度分布を用いて材質判定する際には、材料試験の実績値等に基づいて、例えば、各装置入側または出側各々における許容温度範囲の上下限値、すなわち温度しきい値を設けることによって、その許容温度範囲に収まった厚鋼板の部分を良品として判定し、切断して出荷することができる。
例えば、仕上げ圧延機入側、仕上げ圧延機出側、加速冷却装置入側、加速冷却装置出側について、温度分布をMAP化し、厚鋼板の製品ごとの材質要求によって、それぞれのMAPに対して温度しきい値を設定して、そのMAPと温度しきい値を活用して合否判定し、該当する製品を採取するとよい。
さらに詳細に説明すると、要求の厳しい材料の場合には、仕上げ圧延機と加速冷却装置おける入側および出側の温度が温度しきい値に収まる厚鋼板の部分から製品を採取するとよく、その製品は確実に材質を保証されたものになる。また、製品の要求が厳しくない場合には、例えば、仕上げ圧延機出側および加速冷却装置出側の温度がそれぞれの温度しきい値に収まる厚鋼板の部分から製品を採取するなど、製品の材質要求に従って、仕上げ圧延機出側および加速冷却装置の入側および/または出側における温度しきい値に基づいて、その温度しきい値に収まる厚鋼板の部分から該当する製品を採取することもできる。
さらに、板厚が厚い極厚鋼板や材質の厳しい厚鋼板においては、上面全面または下面全面のみの温度測定・解析では、板厚方向の温度分布が不明であり、これによって材質判定ができない場合もある。この場合は、厚鋼板の板厚方向の所定位置の温度を解析して温度MAPを作成し、厚鋼板の板長手方向、板幅方向、板厚方向の全てにおける温度の変化(温度分布)について、仕上げ圧延機と加速冷却装置の入側および出側で把握するとともに、その温度しきい値を設定するとよい。
上記のような本発明の一実施形態を図面に基づいて以下に説明する。
図3は、この実施形態における、厚鋼板の温度測定手段(温度計と温度収集手段)と温度解析手段を備えた材質保証システム例の概要を示し、図4は、その温度測定手段の構成の一部の例を示す。これらの図において、1は加熱炉、2は仕上げ圧延機、3は厚鋼板、4は圧延パス間の冷却装置(制御圧延用冷却装置)、5は加速冷却装置、6、6a、6b、6c、6dは走査型放射温度計で、6cは高温測定用、6dは低温測定用、7、7a、7b、7c、7dは光ファイバー放射温度計で7cは高温測定用、7dは低温測定用、8は制御圧延開始温度・仕上温度収集プロセスコンピュータ、9は冷却開始温度収集プロセスコンピュータ、10は冷却停止温度収集プロセスコンピュータ、11は温度実績解析プロセスコンピュータ、12は下面温度収集プロセスコンピュータ、13は上面温度収集プロセスコンピュータを示す。但し、図では、粗圧延機、スポット型放射温度計は省略した。
仕上げ圧延機2の前後面に配置されたスポット型放射温度計(図では略)、後面に配置された走査型放射温度計6aと光ファイバー放射温度計7aで構成された厚鋼板温度測定手段で測定された温度は、制御圧延開始温度・仕上温度収集プロセスコンピュータ8に取り込まれる。
加速冷却装置5の前面に配置されたスポット型放射温度計(図では略)と走査型放射温度計6bと光ファイバー放射温度計7bで測定された温度は、冷却開始温度収集プロセスコンピュータ9に取り込まれる。
加速冷却装置5の後面に配置されたスポット型放射温度計(図では略)と走査型放射温度計6c、6dと光ファイバー放射温度計7c、7dで構成された温度測定手段で測定された温度は、冷却停止温度収集プロセスコンピュータ10に取り込まれる。
温度収集手段は、仕上温度収集プロセスコンピュータ8、冷却開始温度収集プロセスコンピュータ9および冷却停止温度収集プロセスコンピュータ10で構成され、各々は上面温度収集プロセスコンピュータ13と下面温度収集プロセスコンピュータ12で構成され、収集された厚鋼板上面温度と下面温度のそれぞれが、温度解析手段である温度実績解析プロセスコンピュータ11に取り込まれる。
温度実績解析プロセスコンピュータ11では、仕上温度収集プロセスコンピュータ8、冷却開始温度収集プロセスコンピュータ9および冷却停止温度収集プロセスコンピュータ10で取り込まれた実測温度データと、その実測温度データに基づいて解析・算出した解析温度データとにより、上面全面または/および下面全面の温度分布をMAP化し、そのMAPと装置ごとの温度しきい値(仕上げ圧延機入側温度、仕上げ圧延機出側温度、加速冷却装置入側温度、加速冷却装置出側温度などの温度しきい値)と比較し、製品ごとに該当するそれぞれの装置における温度しきい値内であれば、その厚鋼板の大板から製品採寸を行う。
この実施形態に係る厚鋼板の材質保証システムの処理フローを図1に示す。ここでは、温度実績解析プロセスコンピュータ11に取り込まれて解析された温度測定・解析結果(温度MAP)とそれに対して設定した温度しきい値とを比較して、製品出荷の適否判断を行うようにしている。なお、図2は、当該処理を視覚表示するためのプロセスコンピュータ画面である。
まず、上述した温度測定手段と温度解析手段で厚鋼板の上面全面温度または下面全面温度を測定・解析し(S1)、温度解析手段で厚鋼板(大板14)の上面全面温度MAPまたは下面全面温度MAPを作成する(S2)。ここで、温度MAPのメッシュの大きさは用途によって適宜選定するが、できれば50〜1000mmの範囲が好ましい。ちなみに、温度MAPのメッシュとは、鋼板全面温度MAP作成するために、鋼板の全面を小領域に分割した際の一つの小領域のことを指す。
なお、板厚が厚い極厚鋼板等のように板厚方向の温度分布が必要な場合は、上記(S2)において、上面全面温度MAPと、下面全面温度MAPと、板厚方向特定位置の温度MAPを作成する。その際には、上記(S1)において、厚鋼板の上面全面温度および下面全面温度を測定・解析する。
次に、図2に示すように、当該大板14に対して、材料試験用先端採取材15、材料試験用中央部採取材16、材料試験用尾端採取材17、製品(小板18、19、20、21)の板取りの割り付けを行う(S3)。
なお、材料試験用採取位置の温度を温度MAPより算出し、材料試験結果と温度MAPを相関づけることで、厚鋼板の品質設計及び材質予測の精度を向上させることが可能となる。
次に、作成した温度MAPに対応するように、各装置入側または出側ごとに特定の許容温度範囲を示す温度上下限値(温度しきい値)を設定し、温度がこの温度しきい値から外れた領域は太枠22、23で囲む(S4)。
なお、許容温度範囲外の太枠部分については、他の要求の厳しくない製品への転用が可能である場合は、製品に応じた採取位置を変更して割り付けし直してもよい(S5)。
そして、温度が温度しきい値内のものを製品として採取する(S6)。
このようにして、この実施形態に係る厚鋼板の材質保証システムは、精度良く測定・解析された厚鋼板全面の温度分布をMAP化して用いて、かつ、温度実績値(温度実測値)を基に材質予測を行うので、全面材質保証された製品を出荷することが可能である。また、形状(平坦度等)も全面に亘って保証することも可能となる。
従来の材質判定・保証方法では、大板から採取した製品の中に材質不良部分がある程度(例えば0.8%程度)混入して、大板から製品を作り直さざるを得ず、再度製品を採取し直すための手間が掛かり、また、採取し直した残材はスクラップとせざるを得ず、著しく歩留まりを低下させていたが、この実施形態によれば、材質判定における材質不良部分がほぼ零と著しく低減して、かつ、採取した製品は確実に材質保証が可能になり、能率よく歩留まりも良好であって、さらに副次的に、厚鋼板の形状不良が抑止されるなどの効果が得られ、その効果が著しく大きい。
本発明の一実施形態の処理フローを示す図。 本発明の一実施形態におけるプロセスコンピュータ画面を示す図。 本発明の一実施形態に係る材質保証システムの概要を示す図。 図4に示した材質保証システムの一部を説明する図。
符号の説明
1 加熱炉
2 仕上げ圧延機
3 鋼板
4 圧延パス間冷却装置
5 加速冷却装置
6、6a、6b、6c、6d 幅方向走査型放射温度計
7、7a、7b、7c、7d 光ファイバー放射温度計
8 制御圧延開始温度・仕上げ温度収集プロセスコンピュータ
9 冷却開始温度収集プロセスコンピュータ
10 冷却停止温度収集プロセスコンピュータ
11 温度実績解析プロセスコンピュータ
12 下面温度収集プロセスコンピュータ
13 上面温度収集プロセスコンピュータ
14 大板
15、16、17 材料試験用採取材
18、19、20、21 小板
22、23 温度しきい値外の板部分(太枠表示)

Claims (2)

  1. 仕上げ圧延機と当該仕上げ圧延機の下流側に配置された加速冷却装置を備えた厚鋼板製造ラインにおいて、厚鋼板の上面全面の温度または下面全面の温度を測定・解析して当該厚鋼板の材質保証を行う厚鋼板の材質保証システムであって、
    前記材質保証システムは、温度測定手段と温度解析手段を備え、
    前記温度測定手段は、前記仕上げ圧延機の近傍および前記加速冷却装置の近傍に配置した温度計と、前記温度計で測定した温度を収集する温度収集手段を有し、
    前記温度解析手段は、前記温度収集手段で収集した温度測定値を用いて、当該厚鋼板の上面全面の温度MAPまたは下面全面の温度MAPを作成し、この温度MAPと、この温度MAPに対して設定した各温度計設置位置から選択される個別の温度しきい値とから、当該厚鋼板の材質の合否判定を行うことを特徴とする厚鋼板の材質保証システム。
  2. 仕上げ圧延機と当該仕上げ圧延機の下流側に配置された加速冷却装置を備えた厚鋼板製造ラインにおいて、厚鋼板の上面全面の温度および厚鋼板の下面全面の温度を測定・解析して当該厚鋼板の材質保証を行う厚鋼板の材質保証システムであって、
    前記材質保証システムは、温度測定手段と温度解析手段を備え、
    前記温度測定手段は、前記仕上げ圧延機の近傍および前記加速冷却装置の近傍に配置した温度計と、前記温度計で測定した温度を収集する温度収集手段を有し、
    前記温度解析手段は、前記温度収集手段で収集した温度測定値を用いて、当該厚鋼板の上面全面の温度MAPと、下面全面の温度MAPと、板厚方向の所定位置の温度MAPとを作成し、この温度MAPと、この温度MAPに対して設定した各温度計設置位置から選択される個別の温度しきい値とから、当該厚鋼板の材質の合否判定を行うことを特徴とする厚鋼板の材質保証システム。
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