JP2000301220A - 鋼板、鋼板製造方法及び鋼板製造装置 - Google Patents

鋼板、鋼板製造方法及び鋼板製造装置

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JP2000301220A
JP2000301220A JP11104519A JP10451999A JP2000301220A JP 2000301220 A JP2000301220 A JP 2000301220A JP 11104519 A JP11104519 A JP 11104519A JP 10451999 A JP10451999 A JP 10451999A JP 2000301220 A JP2000301220 A JP 2000301220A
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strain
parameter
deformation
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Noritaka Tani
徳孝 谷
Kenichi Oe
憲一 大江
Yorimasa Okada
順応 岡田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B15/00Arrangements for performing additional metal-working operations specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
    • B21B15/0007Cutting or shearing the product
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D1/00Straightening, restoring form or removing local distortions of sheet metal or specific articles made therefrom; Stretching sheet metal combined with rolling
    • B21D1/05Stretching combined with rolling
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B15/00Arrangements for performing additional metal-working operations specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
    • B21B2015/0071Levelling the rolled product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 需要家において、鋼板をレーザやガス等を用
いて切断する場合における切断後の鋼板の残留応力等に
起因する変形量を予測し又は変形量を一定の許容範囲内
に管理しうる鋼板を提供する。 【解決手段】 熱間矯正装置5により熱間矯正された鋼
板8の表面の温度分布を温度計7により測定する。次
に、変形予測コンピュータ18等により鋼板8の温度分
布から残留応力分布等を演算し、残留応力分布等から所
定のパラメータを演算する。さらに、需要家の加工条件
等に応じて設定されている許容値とパラメータとを比較
する。パラメータが許容範囲内にないときは、矯正装置
10や熱処理炉9等を用いて矯正処理を行い、残留応力
等を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、残留応力分布等の
特性が一定の範囲内となるように制御された鋼板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般的な鋼板の製造方法では、例えばス
ラブを1000〜1200℃程度に加熱し、所定の寸法
になるまで熱間圧延(粗圧延及び仕上げ圧延)を行う。
さらに、TMCP(Thermo-Mechanical Control Proces
s)鋼板の場合、加速冷却又は直接焼き入れを実施した
後、熱間矯正により鋼板を平坦化し、ガス切断、プラズ
マ切断、レーザ切断又はシャー切断により所定寸法に切
断される。
【0003】上記各工程における様々な製造条件のばら
つきにより、鋼板に不均一な残留応力が発生する。例え
ば、加熱時の温度不均一(加熱ムラ)、圧延時の平坦度不
良(波や反り)や板厚偏差、表面のスケール性状(スケー
ルの成分や厚み)の不均一に起因する水冷時の冷却ム
ラ、加速冷却やデスケーリング時の不均一冷却(特に鋼
板四周部)、熱間矯正時の零点のズレやロール撓み、空
冷時の不均一冷却、熱切断時の熱影響による応力及び組
織変化・硬化、シャー切断時の切断歪、冷間矯正時の零
点のズレやロール撓み、熱処理における表面性状の違い
(手入れやショットブラスとの有無)等がその原因であ
る。
【0004】従来、需要家における加工情報、例えば加
工条件、加工方法、加工形状及び加工精度の許容値等に
応じて、鋼板の残留歪、残留応力、変位又はこれらから
演算されるパラメータ等の特性が制御された鋼板という
ものは存在していなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記残留応力
を有する従来の鋼板を需要家において切断した場合、切
断により応力が解放され、鋼板に伸張、収縮、横曲が
り、反り等が発生する。残留応力の解放による鋼板の変
形が大きい場合、切断された鋼板の形状や寸法が許容誤
差範囲を逸脱する可能性がある。その結果、需要家にお
ける鋼板の切断及び組立時の生産性が低下するという問
題点を有していた。また、鋼板の変形及び変形のばらつ
きを考慮した設計をしなければならず、設計上の制約が
大きいという問題点を有していた。
【0006】本発明は、上記従来例の問題点を解決する
ためになされたものであり、残留応力等の特性が制御さ
れた鋼板、その鋼板を製造するための鋼板製造方法及び
鋼板製造装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の鋼板は、需要家における加工情報に応じて
特性が制御されていることを特徴とする。
【0008】前記加工情報は、加工条件、加工方法、加
工形状及び加工精度の許容値の少なくとも1つであるこ
とが好ましい。
【0009】さらに、前記特性は、鋼板の残留歪、残留
応力、変位及び変形量の少なくとも1つであることが好
ましい。
【0010】さらに、前記特性は、その最大値、最小
値、平均値、総和、偏差、絶対値及び分布の少なくとも
1つが制御されていることが好ましい。
【0011】または、前記特性は、その最大値、最小
値、平均値、総和、偏差、絶対値及び分布の少なくとも
1つから演算されるパラメータが制御されていることが
好ましい。
【0012】本発明の別の鋼板は、加工後における残留
応力による変形量が所定の許容値以下となるように、未
加工状態での残留応力分布が制御されていることを特徴
とする。
【0013】前記残留応力分布は、加工条件、加工方
法、加工形状及び加工精度の許容値の少なくとも1つに
基づいて決定されることが好ましい。
【0014】本発明のさらに別の鋼板は、所定寸法の鋼
板から少なくとも1つの部位を切断した場合において、
切断条件及び製造条件に起因する不均一さを表すパラメ
ータの値が所定範囲内となるように制御されたことを特
徴とする。
【0015】前記パラメータは、切断部の形状及び鋼板
の長手方向応力、幅方向応力又は厚さ方向応力から求ま
る応力パラメータηであり、鋼板全体の面積をS、微少
領域の面積をs、微少領域での長手方向応力値又は幅方
向応力値をσ、補正総切断領域をΩとして、
【0016】
【数10】
【0017】上記の式(1)で表されることが好まし
い。
【0018】また、前記応力パラメータηと需要家の要
求精度qにより決定される許容値η c(q)との間に、
最小許容値をηc min(q)、最大許容値をηc max(q)
として、ηc min(q)≦η≦ηc max(q)が成り立つこ
とが好ましい。
【0019】さらに、前記応力パラメータηの絶対値が
0.3以下となるように制御されていることが好まし
い。
【0020】さらに、前記残留応力値σは、長手方向応
力又は幅方向応力の板厚方向における平均値(板厚方向
における複数の位置で測定し又は解析した値の平均値)
であることが好ましい。
【0021】または、前記残留応力値σは、鋼板表面に
おける応力値からの補正値であることが好ましい。
【0022】さらに、前記残留応力値σを、鋼板の板
厚、グレード及び製造方法の少なくとも1つに応じて補
正することが好ましい。
【0023】さらに、前記残留応力値σを、鋼板の圧延
処理後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処
理後のいずれかの時点において求めたことが好ましい。
【0024】さらに、前記残留応力値σを、鋼板表面の
温度分布から演算する方法、穿孔法、X線による方法及
び中性子回折による方法のいずれかの方法を用いて求め
たことが好ましい。
【0025】または、鋼板から試験片を切断し、前記試
験片の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向におけ
る複数の位置で、長手方向応力値を測定し、試験片の長
さに応じて残留応力値σを補正したことが好ましい。
【0026】また、前記試験片の長さが少なくとも8m
以上であることが好ましい。
【0027】さらに、前記試験片について、試験片の長
手方向における端部から少なくとも4m以上内側で、長
手方向応力値を測定したことが好ましい。
【0028】さらに、鋼板の切断方法に応じて、前記応
力パラメータηの値を補正したことが好ましい。
【0029】さらに、前記切断方法は、ガス切断、プラ
ズマ切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択され
たいずれかであることが好ましい。
【0030】本発明のさらに別の鋼板は、鋼板の長手方
向応力値又は幅方向応力値が所定の範囲内に制御されて
いることを特徴とする。
【0031】前記残留応力値は、鋼板の任意の位置での
所定範囲における応力値の平均値であることが好まし
い。
【0032】また、前記所定範囲は100mm×100
mmの略正方形の範囲であることが好ましい。
【0033】さらに、前記残留応力値σと需要家の要求
精度qにより決定される許容値σc(q)との間に、残
留応力の最大値をσmax、残留応力の最小値をσmin、許
容値の上限をσc max、許容値の下限をσc min、残留応力
の板内偏差の許容値をσc devとして、σc min(q)≦σ
≦σc max(q)及びσmax−σmin≦σc dev(q)の少な
くともいずれかが成り立つことを特徴とする請求項22
記載の鋼板。
【0034】また、前記残留応力値の最大値が4kg/
mm2以下であることが好ましい。
【0035】または、前記残留応力値の最小値が−4k
g/mm2以上であることが好ましい。
【0036】または、前記残留応力値の絶対値が4kg
/mm2以下であることが好ましい。
【0037】または、前記残留応力値の板内偏差が11
kg/mm2以下であることが好ましい。
【0038】さらに、前記残留応力値は、長手方向応力
又は幅方向応力の板厚方向における平均値(板厚方向に
おける複数の位置で測定又は解析した値の平均値)であ
ることが好ましい。
【0039】さらに、前記残留応力値は、鋼板表面にお
ける応力値からの補正値であることが好ましい。
【0040】さらに、前記残留応力値を、鋼板の板厚、
グレード及び製造方法の少なくとも1つに応じて補正し
たことが好ましい。
【0041】さらに、前記残留応力値を、鋼板の圧延処
理後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処理
後のいずれかの時点において求めたことが好ましい。
【0042】さらに、前記残留応力値を、鋼板表面の温
度分布から演算する方法、穿孔法、X線による方法及び
中性子回折による方法のいずれかの方法を用いて求めた
ことが好ましい。
【0043】さらに、鋼板から試験片を切断し、前記試
験片の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向におけ
る複数の位置で、長手方向応力値を測定し、試験片の長
さに応じて残留応力値を補正することが好ましい。
【0044】さらに、前記試験片の長さが少なくとも8
m以上であることが好ましい。
【0045】さらに、前記試験片について、試験片の長
手方向における端部から少なくとも4m以上内側で、長
手方向応力値を測定したことが好ましい。
【0046】さらに、鋼板の切断方法に応じて、前記残
留応力値を補正したことが好ましい。
【0047】さらに、鋼板の切断方法に応じて、残留応
力値の絶対値、最大値、最小値及び偏差の少なくとも1
つが所定の範囲内となるように制御されることが好まし
い。
【0048】さらに、前記切断方法は、ガス切断、プラ
ズマ切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択され
たいずれかであることが好ましい。
【0049】本発明のさらに別の鋼板は、所定寸法の鋼
板から少なくとも1つの部位を切断した場合において、
切断条件及び製造条件に起因する不均一さを表すパラメ
ータの値が所定範囲内となるように制御された鋼板であ
って、前記パラメータは、切断部の形状と鋼板の長手方
向変位、長手方向変形量、幅方向変位、幅方向変形量、
厚さ方向変位又は厚さ方向変形量とから求まる変形パラ
メータδであり、鋼板全体の面積をS、微少領域での長
手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位又は幅方向変
形量をΔ、補正総切断領域をΩとして、
【0050】
【数11】
【0051】上記の式(2)で表されることが好まし
い。
【0052】また、前記変形パラメータδと需要家の要
求精度qにより決定される許容値δ c(q)との間に、
最小許容値をδc min(q)、最大許容値をδc max(q)
として、δc min(q)≦δ≦δc max(q)が成り立つこ
とが好ましい。
【0053】また、前記変形パラメータδの絶対値が
1.6以下となるように制御されていることが好まし
い。
【0054】さらに、前記変形量Δを、鋼板表面の温度
分布から演算する方法により求めたことが好ましい。
【0055】または、前記変位又は変形量Δを、レーザ
ー距離計、渦流距離計、エンコーダ又はCCDカメラを
用いる方法の少なくとも1つ以上により測定したことが
好ましい。
【0056】さらに、前記変位又は変形量Δを、鋼板の
圧延処理後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び
熱処理後のいずれかの時点において求めたことが好まし
い。
【0057】さらに、鋼板の切断方法に応じて、前記変
形パラメータδの値を補正したことが好ましい。
【0058】さらに、前記切断方法は、ガス切断、プラ
ズマ切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択され
たいずれかであることが好ましい。
【0059】本発明のさらに別の鋼板は、鋼板から所定
の試験片を切断し、前記試験片又は鋼板の試験片が切断
された部分の変形歪が所定範囲内に制御されていること
を特徴とする。
【0060】前記変形歪が、試験片のサイズや形状、試
験片採取位置に応じて決定される範囲内に制御されてい
ることが好ましい。
【0061】本発明のさらに別の鋼板は、鋼板から所定
の試験片を切断し、前記切断された試験片又は鋼板の試
験片が切断された部分の変形量が所定範囲内に制御され
ていることを特徴とする。
【0062】前記変形量が、試験片のサイズや形状、試
験片採取位置に応じて決定される範囲内に制御されてい
ることが好ましい。
【0063】上記各構成において、前記試験片は500
mm×500mmの略正方形であることが好ましい。
【0064】また、前記試験片採取位置は、長さが8m
以上ある鋼板の長手方向における中央部近傍であること
が好ましい。
【0065】または、前記試験片採取位置は、幅方向に
おける中央部近傍であることが好ましい。
【0066】または、前記試験片採取位置は、幅方向に
おける端部近傍であることが好ましい。
【0067】さらに、前記切断部位の歪み値Δεを、試
験片採取する際の鋼板長手方向端部からの距離に応じて
補正したことが好ましい。
【0068】さらに、前記切断部位の歪み値Δεと需要
家の要求精度qにより決定される許容値Δcε(q)と
の間に、最小許容値をΔcε-min(q)、最大許容値を
Δcε -max(q)として、Δcε-min(q)≦Δε≦Δc
ε-max(q)が成り立つことが好ましい。
【0069】また、長さが8m以上ある鋼板の長手方向
における中央部近傍でかつ幅方向における中央部近傍の
位置で500mm×500mmの略正方形の試験片を切
断した場合に、切断部位の歪み値Δεが−0.0007
以上0.0007以下の範囲内であることが好ましい。
【0070】または、長さが8m以上ある鋼板の長手方
向における中央部近傍でかつ幅方向における端部近傍の
位置で500mm×500mmの略正方形の試験片を切
断した場合に、切断部位の歪み値Δεが−0.005以
上0.005以下の範囲内であることが好ましい。
【0071】さらに、前記切断部位の変形量Δdを、試
験片採取する際の鋼板長手方向端部からの距離に応じて
補正したことが好ましい。
【0072】また、前記切断部位の変形量Δdと需要家
の要求精度qにより決定される許容値Δc d(q)との間
に、最小許容値をΔc d-min(q)、最大許容値をΔc
d-max(q)として、Δc d-min(q)≦Δd≦Δ
c d-max(q)が成り立つことが好ましい。
【0073】また、長さが8m以上ある鋼板の長手方向
における中央部近傍でかつ幅方向における中央部近傍の
位置で500mm×500mmの略正方形の試験片を切
断した場合に、切断部位の変形量Δdが−0.4以上
0.4以下の範囲内であることが好ましい。
【0074】または、長さが8m以上ある鋼板の長手方
向における中央部近傍でかつ幅方向における端部近傍の
位置で500mm×500mmの略正方形の試験片を切
断した場合に、切断部位の変形量Δdが−2.0以上
2.0以下の範囲内であることが好ましい。
【0075】さらに、前記変形歪又は変形量を、レーザ
ー距離計、渦流距離計、エンコーダ又はCCDカメラを
用いる方法の少なくとも1つ以上により測定したことが
好ましい。
【0076】さらに、鋼板の切断方法に応じて、試験片
切断時の変形歪又は変形量を補正したことが好ましい。
【0077】さらに、前記切断方法は、ガス切断、プラ
ズマ切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択され
たいずれかであることが好ましい。
【0078】本発明のさらに別の鋼板は、所定寸法の鋼
板から少なくとも1つの部位を切断した場合において、
切断条件及び製造条件に起因する不均一さを表すパラメ
ータの値が所定範囲内となるように制御された鋼板であ
って、前記パラメータは、切断部の形状及び鋼板の長手
方向、幅方向又は厚さ方向における残留歪分布から求ま
る歪みパラメータγであり、鋼板全体の面積をS、微少
領域の面積をs、微少領域での長手方向歪み値又は幅方
向歪み値をε、補正総切断領域をΩとして、
【0079】
【数12】
【0080】上記の式(3)で表されることが好まし
い。
【0081】また、前記歪みパラメータγと需要家の要
求精度qにより決定される許容値γ c(q)との間に、
最小許容値をγc min(q)、最大許容値をγc max(q)
として、γc min(q)≦γ≦γc max(q)が成り立つこ
とが好ましい。
【0082】また、前記歪みパラメータγの絶対値が
1.5×10-12以下となるように制御されていること
が好ましい。
【0083】さらに、前記残留歪み値εは、長手方向歪
み又は幅方向歪みの板厚方向における平均値(板厚方向
における複数の位置で測定し又は解析した値の平均値)
であることが好ましい。
【0084】または、前記残留歪み値εは、鋼板表面に
おける長手方向歪み値又は幅方向歪み値からの補正値で
あることが好ましい。
【0085】さらに、前記残留歪み値εを、鋼板の板
厚、グレード及び製造方法の少なくとも1つに応じて補
正したことが好ましい。
【0086】さらに、前記残留歪み値εを、鋼板の圧延
処理後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処
理後のいずれかの時点において求めたことが好ましい。
【0087】さらに、前記残留歪み値εを、鋼板表面の
温度分布から演算する方法、穿孔法、X線による方法及
び中性子回折による方法のいずれかの方法を用いて求め
たことが好ましい。
【0088】さらに、鋼板から試験片を切断し、前記試
験片の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向におけ
る複数の位置で、残留歪み値εを測定し、試験片長さに
応じての歪み値εを補正したことが好ましい。
【0089】さらに、前記試験片の長さが少なくとも8
m以上であることが好ましい。
【0090】さらに、前記の試験片について、試験片の
長手方向における端部から少なくとも4m以上内側で、
長手方向歪み値εを測定したことが好ましい。
【0091】さらに、鋼板の切断方法に応じて、前記歪
みパラメータγの値を補正したことが好ましい。
【0092】さらに、前記切断方法は、ガス切断、プラ
ズマ切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択され
たいずれかであることが好ましい。
【0093】本発明のさらに別の鋼板は、長手方向歪み
値又は幅方向歪み値が所定の範囲内に制御されているこ
と特徴とする。
【0094】前記残留歪み値は、鋼板の任意の位置での
100mm×100mmの略正方形の領域における平均
値であることが好ましい。
【0095】また、前記残留歪みεと需要家の要求精度
qにより決定される許容値εc(q)との間に、残留歪
みの最大値をεmax、残留歪みの最小値をεmin、許容値
の上限をεc max、許容値の下限をεc min、残留歪みの板
内偏差の許容値をεc devとして、εc min(q)≦ε≦ε
c max(q)及びεmax−εmin≦εc dev(q)の少なくと
もいずれかが成り立つことが好ましい。
【0096】また、長手方向歪み値又は幅方向歪み値が
1.5×10-4以下であることが好ましい。
【0097】または、長手方向歪み値又は幅方向歪み値
が−1.5×10-4以上であることが好ましい。
【0098】または、長手方向歪み値又は幅方向歪み値
の絶対値が1.5×10-4以下であることが好ましい。
【0099】または、長手方向歪み値又は幅方向歪み値
の板内偏差が5.0×10-4以内であることが好まし
い。
【0100】さらに、前記残留歪み値は、長手方向歪み
又は幅方向歪みの板厚方向における平均値(板厚方向に
おける複数の位置で測定し又は解析した値の平均値)で
あることが好ましい。
【0101】または、前記残留歪み値は、鋼板表面にお
ける歪み値からの補正値であることが好ましい。
【0102】さらに、前記残留歪み値を、鋼板の板厚、
グレード及び製造方法の少なくとも1つに応じて補正し
たことが好ましい。
【0103】さらに、前記残留歪み値を、鋼板の圧延処
理後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処理
後のいずれかの時点において求めたことが好ましい。
【0104】さらに、前記残留歪み値を、鋼板表面の温
度分布から演算する方法、穿孔法、X線による方法及び
中性子回折による方法のいずれかの方法を用いて求めた
ことが好ましい。
【0105】さらに、鋼板から試験片を切断し、前記試
験片の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向におけ
る複数点での歪み値を測定し、試験片長さに応じて残留
歪み値を補正したことが好ましい。
【0106】さらに、前記試験片の長さが少なくとも8
m以上であることが好ましい。
【0107】さらに、前記の試験片について、試験片の
長手方向における端部から少なくとも4m以上内側で、
長手方向歪み値を測定することが好ましい。
【0108】さらに、鋼板の切断方法に応じて、前記残
留歪み値を補正したことが好ましい。
【0109】さらに、鋼板の切断方法に応じて、前記残
留歪み値の絶対値、最大値、最小値及び偏差が所定の範
囲内となるように制御したことが好ましい。
【0110】さらに、前記切断方法は、ガス切断、プラ
ズマ切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択され
たいずれかであることが好ましい。
【0111】一方、本発明の鋼板製造方法は、鋼板の特
性の不均一さを表すパラメータを測定又は演算し、パラ
メータが所定範囲内にあるか否かを判断し、パラメータ
が所定範囲内にない場合は、特性の不均一さを低減する
ように鋼板を機械的又は熱的手段で矯正処理することを
特徴とする。
【0112】前記パラメータは、残留応力又は残留歪み
の最大値、最小値、平均値、総和、偏差、絶対値及び分
布の少なくとも1つであることが好ましい。
【0113】または、前記パラメータは、切断部の形状
及び鋼板の長手方向応力、幅方向応力又は厚さ方向応力
から求まる応力パラメータηであり、鋼板全体の面積を
S、微少領域の面積をs、微少領域での長手方向応力値
又は幅方向応力値をσ、補正総切断領域をΩとして、
【0114】
【数13】
【0115】上記の式(1)で表されることが好まし
い。
【0116】または、前記パラメータは、切断部の形状
と鋼板の長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位、
幅方向変形量、厚さ方向変位又は厚さ方向変形量とから
求まる変形パラメータδであり、鋼板全体の面積をS、
微少領域での長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変
位又は幅方向変形量をΔ、補正総切断領域をΩとして、
【0117】
【数14】
【0118】上記の式(2)で表されることが好まし
い。
【0119】または、前記パラメータは、切断部の形状
及び鋼板の長手方向、幅方向又は厚さ方向における残留
歪分布から求まる歪みパラメータγであり、鋼板全体の
面積をS、微少領域の面積をs、微少領域での長手方向
歪み値又は幅方向歪み値をε、補正総切断領域をΩとし
て、
【0120】
【数15】
【0121】上記の式(3)で表されることが好まし
い。
【0122】さらに、前記残留応力、残留歪み、変形歪
み又は変形量の値は、板厚方向における値の平均値(板
厚方向における複数の位置で測定し又は解析した値の平
均値)であることが好ましい。
【0123】または、前記残留応力、残留歪み、変形歪
み又は変形量の値は、鋼板表面における値からの補正値
であることが好ましい。
【0124】さらに、前記残留応力、残留歪み、変形歪
み又は変形量の値を、鋼板の板厚、グレード及び製造方
法の少なくとも1つに応じて補正することが好ましい。
【0125】さらに、前記残留応力、残留歪み、変形歪
み又は変形量の値を、鋼板の圧延処理後、加速冷却後、
熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処理後のいずれかの時点
において求めたことが好ましい。
【0126】さらに、前記残留応力、残留歪み、変形歪
み、変形量、応力パラメータη、変形パラメータδ又は
歪みパラメータγの値を、鋼板の切断方法に応じて補正
することが好ましい。
【0127】さらに、前記パラメータが所定範囲内とな
る条件を演算し、演算した条件で矯正処理を行うことが
好ましい。
【0128】さらに、矯正処理は複数段階の矯正条件の
設定が可能であり、パラメータが所定範囲内にない場
合、最も弱い矯正条件で矯正処理を行ったと仮定してパ
ラメータを再演算し、再演算したパラメータが前記所定
範囲内にあるか否かを再判断し、パラメータが前記所定
範囲内にない場合は、パラメータが前記所定範囲内に入
るまで順次矯正条件を強化してパラメータの再演算を繰
り返し、パラメータが前記所定範囲内に入った時点での
矯正条件で鋼板を矯正処理することが好ましい。
【0129】さらに、鋼板の矯正処理は、少なくともレ
ベラ矯正又は熱処理のいずれかであることが好ましい。
【0130】一方、本発明の鋼板製造装置は、圧延され
た鋼板の特性の不均一さを表すパラメータを測定又は演
算するパラメータ演算手段と、パラメータが所定範囲内
にあるか否かを判断する判断手段と、パラメータが所定
範囲内にない場合に、残留応力を低減するように鋼板を
矯正処理する矯正処理手段とを具備することを特徴とす
る。
【0131】前記パラメータ演算手段は、残留応力、残
留歪み、変形歪み又は変形量の最大値、最小値、平均
値、総和、偏差、絶対値及び分布の少なくとも1つを演
算することが好ましい。
【0132】または、前記パラメータ演算手段は、切断
部の形状及び鋼板の長手方向応力、幅方向応力又は厚さ
方向応力から求まる応力パラメータηであり、鋼板全体
の面積をS、微少領域の面積をs、微少領域での長手方
向応力値又は幅方向応力値をσ、補正総切断領域をΩと
して、
【0133】
【数16】
【0134】上記の式(1)で表されるパラメータを演
算することが好ましい。
【0135】または、前記パラメータ演算手段は、切断
部の形状と鋼板の長手方向変位、長手方向変形量、幅方
向変位、幅方向変形量、厚さ方向変位又は厚さ方向変形
量とから求まる変形パラメータδであり、鋼板全体の面
積をS、微少領域での長手方向変位、長手方向変形量、
幅方向変位又は幅方向変形量をΔ、補正総切断領域をΩ
として、
【0136】
【数17】
【0137】上記の式(2)で表されるパラメータを演
算することが好ましい。
【0138】または、前記パラメータ演算手段は、切断
部の形状及び鋼板の長手方向、幅方向又は厚さ方向にお
ける残留歪分布から求まる歪みパラメータγであり、鋼
板全体の面積をS、微少領域の面積をs、微少領域での
長手方向歪み値又は幅方向歪み値をε、補正総切断領域
をΩとして、
【0139】
【数18】
【0140】上記の式(3)で表されるパラメータを演
算することが好ましい。
【0141】さらに、前記パラメータ演算手段は、前記
残留応力、残留歪み、変形歪み又は変形量の値として、
板厚方向における値の平均値(板厚方向における複数の
位置で測定し又は解析した値の平均値)を演算すること
が好ましい。
【0142】または、前記パラメータ演算手段は、前記
残留応力、残留歪み、変形歪み又は変形量の値を、鋼板
表面における各値から補正により演算することが好まし
い。
【0143】さらに、前記パラメータ演算手段は、前記
残留応力、残留歪み、変形歪み又は変形量の値を、鋼板
の板厚、グレード及び製造方法の少なくとも1つに応じ
て補正することが好ましい。
【0144】さらに、前記パラメータ演算手段は、前記
残留応力、残留歪み、変形歪み又は変形量の値を、鋼板
の圧延処理後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及
び熱処理後のいずれかの時点において求めたことが好ま
しい。
【0145】さらに、前記パラメータ演算手段は、前記
残留応力、残留歪み、変形歪み、変形量、応力パラメー
タη、変形パラメータδ又は歪みパラメータγの値を、
鋼板の切断方法に応じて補正することが好ましい。
【0146】さらに、矯正処理手段は、少なくともロー
ラレベラ又は熱処理炉のいずれかを含むことが好まし
い。
【0147】さらに、前記ローラレベラは、インターメ
ッシュが複数段階に調節可能であり、パラメータ演算手
段は、パラメータが所定範囲内にない場合、最も弱い矯
正条件で矯正処理を行ったと仮定してパラメータを再演
算し、再演算したパラメータが前記所定範囲内にあるか
否かを再判断し、パラメータが前記所定範囲内にない場
合は、パラメータが前記所定範囲内に入るまで順次矯正
条件を強化してパラメータの再演算を繰り返し、パラメ
ータが前記所定範囲内に入った時点での矯正条件で鋼板
を矯正処理することが好ましい。
【0148】さらに、ローラレベラの最大の能力で矯正
してもパラメータが前記所定範囲内に入らない場合に、
熱処理炉により熱処理を行った後、ローラレベラにより
矯正処理することが好ましい。
【0149】または、ローラレベラの最大の能力で矯正
してもパラメータが前記所定範囲内に入らない場合に、
ローラレベラにより矯正処理を行った後、熱処理炉によ
り熱処理を行うことが好ましい。
【0150】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)本発明の鋼
板、鋼板製造装置及び鋼板製造方法に関する第1の実施
形態について説明する。第1の実施形態は、鋼板の残留
応力分布から応力パラメータηの値を演算により求め、
応力パラメータηの値が所定範囲内になるように制御す
るものである。
【0151】第1の実施形態における鋼板製造装置の構
成を図1に示す。まず、加熱炉1によりスラブを100
0〜1200℃程度に加熱し、第1圧延装置2により板
厚が第1所定寸法になるまで粗圧延を行う。次に、冷却
装置3により、例えば40キロ鋼板の場合800〜11
00℃、TMCP鋼板の場合700〜1100℃程度に
冷却し、第2圧延装置4により板厚が第2所定寸法にな
るまで仕上圧延を行う。さらに、加速冷却装置5により
400〜650℃程度に急速冷却した後、熱間矯正装置
6により鋼板の形状を平坦化する。
【0152】熱間矯正装置6の上部には、搬送されてく
る鋼板の先端を検出し、一定間隔でパルス信号を発生す
るパルス発生装置(以下、PLG(Pulse Length Gener
ator)と称する)11が設けられている。PLG11か
らのパルス信号をカウントし、カウントしたパルス数に
一定の長さ(1パルスを発生する間の鋼板の移動量)を
かけることにより、鋼板の先端からの現在位置がわか
る。
【0153】また、熱間矯正装置6の下流側には、例え
ばサーモビュアや走査型の放射温度計等の温度計7が設
けられている。PLG11と温度計7の距離を固定し、
鋼板8の搬送速度を一定とすることにより、熱間矯正さ
れた鋼板8の表面の温度分布を測定することができる。
【0154】温度計7による温度測定データ及びPLG
11による鋼板の長手方向の位置情報は、それぞれディ
ジタルダイレクトコントローラ(以下、DDCと称す
る)12及びプロセスコンピュータ13を介してサーバ
コンピュータ15に転送される。
【0155】一方、鋼板8の圧延サイズ、製品サイズ、
製品採取位置、条切断幅、鋼板グレード等の情報がホス
トコンピュータ19から入力され、ラインコンピュータ
14及びプロセスコンピュータ13を介してサーバコン
ピュータ15に転送される。これらの情報は、サーバコ
ンピュータ15から、さらにキャンバ(横曲がり)予測
コンピュータ16、座屈予測コンピュータ17、変形予
測コンピュータ18に転送される。
【0156】キャンバ予測コンピュータ16では、温度
測定データ及び位置情報を用いて、例えば本出願人によ
る特公平4−8128号公報に記載された演算方法等に
より鋼板8の残留応力分布を演算する。演算された残留
応力分布データは、サーバコンピュータ15を経由し
て、座屈予測コンピュータ17及び変形予測コンピュー
タ18に転送される。これらのコンピュータ16〜18
により、それぞれ条切断後のキャンバ予測値、座屈予測
値、切断時の変形予測値が演算される。なお、キャンバ
予測値と座屈予測値の演算方法の詳細に関しては、例え
ば本出願人による特開平10−56500号公報に記載
されているので、ここでは省略する。
【0157】切断時の変形予測値の一例として、鋼板サ
イズ、材質、残留応力分布の演算値、需要家での切断形
状や切断方法等にもとづいて、変形予測コンピュータ1
8により、鋼板の特性(残留応力分布等)の不均一さを
表すパラメータを演算し、パラメータが所定の許容範囲
内にあるか否かを判断する。
【0158】広義のパラメータとしては、鋼板自体の残
留応力や残留歪み、鋼板を切断した場合の変位や変形量
等の最大値、最小値、平均値、総和、偏差、絶対値及び
分布等が挙げられる。さらに、狭義のパラメータとして
は、残留応力分布から演算により求めた応力パラメータ
η、変位又は変形量から演算により求めた変形パラメー
タδ、残留歪み分布から演算により求めた歪みパラメー
タγ等が考えられる。
【0159】第1の実施形態では、パラメータとして、
以下の式(1)で表される応力パラメータηを演算す
る。但し、鋼板全体の面積をS、微少領域の面積をs、
微少領域での長手方向応力値又は幅方向応力値をσ、補
正総切断領域をΩとする。
【0160】
【数19】
【0161】応力パラメータηと需要家の要求精度qに
より決定される許容値ηc(q)との間には、最小許容
値をηc min(q)、最大許容値をηc max(q)として、
ηc m in(q)≦η≦ηc max(q)が成り立つ。
【0162】応力パラメータηを演算すると、変形予測
コンピュータ18は、ホストコンピュータ19から転送
されてきた需要家や用途に応じてあらかじめ決められた
許容範囲の上限値及び下限値との大小比較を行う。比較
の結果、応力パラメータηが許容範囲内にない場合、矯
正装置(ローラレベラ)10や熱処理炉9により鋼板8
の残留応力を低減するための矯正条件を設定する。な
お、ローラレベラによる矯正の残留応力低減効果は、例
えば本出願人による特開平9−57348号公報に記載
されているので、参照されたい。また、矯正条件の設定
については後述する。
【0163】通常は、設定された矯正条件に従って、矯
正装置(ローラレベラ)10のインターメッシュを調節
して矯正(冷間矯正)を行う。また、矯正装置10の能
力から決定される最大矯正条件で矯正したと仮定した場
合における鋼板の応力分布から演算される応力パラメー
タηが許容値を超える場合は、熱処理後の残留応力分布
から演算される応力パラメータηが許容値を満たす必要
最小限の熱処理条件(熱処理温度及び時間)を設定し、
矯正の前処理として熱処理炉9を用いて残留応力の低減
を行い、その後矯正装置10による矯正を行う。熱処理
による残留応力の低減については、例えば本出願人によ
る特開平9−78145号公報に記載されているので、
参照されたい。
【0164】なお、熱処理条件の設定に際し、熱処理に
より鋼板の強度や降伏応力等の材質が変化するので、材
質変化を考慮した上で、熱処理の可否についてあらかじ
め決定しておく必要がある。本実施形態の鋼板製造装置
では、変形予測コンピュータ18のメモリ等に、鋼板の
グレードに応じたクリープ係数や熱処理可否のテーブル
を設けている。変形予測コンピュータ18は、各鋼板8
について、それぞれ以下のような矯正コードを付与す
る。例えば、応力パラメータηが所定値以下の場合、矯
正不要であるので、合格を表す矯正コードK=0を付与
する。また、矯正装置10による軽圧下矯正の場合、矯
正コードK=1を付与する。同様に、中圧下矯正の場
合、矯正コードK=2を付与する。強圧下矯正の場合、
矯正コードK=3を付与する。また、熱処理を実施する
場合、矯正コードK=4を付与する。さらに、矯正や熱
処理によっても応力パラメータηが所定値以下になる見
込みがない場合は、不良を表す矯正コードK=5を付与
する。
【0165】変形予測コンピュータ18による演算結果
及び判定結果(応力パラメータ、矯正コード)は、サーバ
コンピュータ15に転送され、保存される。さらに、上
位のプロセスコンピュータ13やラインコンピュータ1
4にも転送される。ラインコンピュータ14は、矯正コ
ードにもとづいて次工程を決定する。例えば、矯正コー
ドK=0の場合、矯正及び熱処理を行わずそのまま出荷
する。一方、矯正コードK=1〜3の場合、鋼板8を矯
正装置10に搬送し、設定された矯正コードに従って矯
正を行う。さらに、矯正コードK=4の場合、まず鋼板
8を熱処理炉9に搬送して熱処理を行った後、さらに鋼
板8を矯正装置10に搬送し、強圧下で矯正を行う。な
お、矯正コードK=5の場合、製造工程から除去する。
【0166】これと並行して、ラインコンピュータ14
は、当該鋼板8の矯正及び熱処理条件(演算矯正条件及
び演算熱処理条件)を矯正装置10及び熱処理炉9にそ
れぞれ転送する。矯正装置10及び熱処理炉9は、ライ
ンコンピュータ14からの条件に従って矯正及び熱処理
を実施し、実施した矯正及び熱処理の条件(実績矯正条
件及び実績熱処理条件)をラインコンピュータ14に転
送する。
【0167】変形予測値(例えば応力パラメータηの
値)、矯正コード、熱処理コード、演算矯正条件、演算
熱処理条件、実績矯正条件、実績熱処理条件、平坦度測
定定結果等は、ラインコンピュータ14からホストコン
ピュータ19に転送され、品質解析システムに蓄積され
る。このようにして、鋼板8の残留応力分布が一定範囲
内に制御され、需要家での切断加工時の変形が許容範囲
内であることが保証される。
【0168】次に、変形予測コンピュータ18による矯
正条件設定プログラムについて、図2及び図3に示すフ
ローチャートを参照しつつ説明する。矯正条件の設定を
開始すると、キャンバ予測コンピュータ16は、温度測
定データ及び位置情報を用いて鋼板の残留応力を演算す
る(ステップ#100)。演算された残留応力データは
変形予測コンピュータ18に転送され、これを用いて応
力パラメータηの初期値η0が演算される(ステップ#
105)。さらに、変形予測コンピュータ18は、演算
した応力パラメータη0が所定の範囲内(ηc min(q)
とηc max(q)の間)にあるか否かを判断する(ステッ
プ#110)。
【0169】応力パラメータη0が所定の範囲内にある
場合(ηc min(q)≦η0≦ηc max(q):ステップ#
110でYES)、当該鋼板8は残留応力が十分に小さ
く、矯正処理を行う必要がない。そこで、変形予測コン
ピュータ18は、矯正コードK=0及び応力パラメータ
η=η0を設定する(ステップ#115)。
【0170】一方、応力パラメータη0が所定の範囲内
にない場合(η0<ηc min(q)又はηc max(q)<
η0:ステップ#110でNO)、当該鋼板8は残留応
力が大きく、矯正処理を必要とする。そこで、変形予測
コンピュータ18は、矯正条件1、すなわち矯正装置1
0により軽圧条件下で矯正を行ったと仮定した場合の残
留応力を演算する(ステップ#120)。さらに、変形
予測コンピュータ18は、矯正後の残留応力を用いて応
力パラメータη1の演算を行い(ステップ#125)、
演算した応力パラメータη1が所定の範囲内(η
c min(q)とηc max(q)の間)にあるか否かを判断す
る(ステップ#130)。
【0171】応力パラメータη1が所定の範囲内にある
場合(ηc min(q)≦η1≦ηc max(q):ステップ#
130でYES)、当該鋼板8は、矯正条件1により矯
正することにより残留応力を所定範囲内に低減可能であ
る。そこで、変形予測コンピュータ18は、矯正コード
K=1及び応力パラメータη=η1を設定する(ステッ
プ#135)。
【0172】応力パラメータη1が所定の範囲内にない
場合(η1<ηc min(q)又はηc max(q)<η1:ステ
ップ#130でNO)、当該鋼板8は矯正条件1で矯正
してもなお残留応力が大きく、さらに強力な矯正処理を
必要とする。そこで、変形予測コンピュータ18は、矯
正条件2、すなわち矯正装置10により中圧条件下で矯
正を行ったと仮定した場合の残留応力を演算する(ステ
ップ#140)。さらに、変形予測コンピュータ18
は、矯正後の残留応力を用いて応力パラメータη 2の演
算を行い(ステップ#145)、演算した応力パラメー
タη2が所定の範囲内(ηc min(q)とηc max(q)の
間)にあるか否かを判断する(ステップ#150)。
【0173】応力パラメータη2が所定の範囲内にある
場合(ηc min(q)≦η2≦ηc max(q):ステップ#
150でYES)、当該鋼板8は、矯正条件2により矯
正することにより残留応力を所定範囲内に低減可能であ
る。そこで、変形予測コンピュータ18は、矯正コード
K=2及び応力パラメータη=η2を設定する(ステッ
プ#155)。
【0174】応力パラメータη2が所定の範囲内にない
場合(η2<ηc min(q)又はηc max(q)<η2:ステ
ップ#150でNO)、当該鋼板8は矯正条件2で矯正
してもなお残留応力が大きく、矯正装置10の有する能
力を最大にして矯正処理する必要がある。そこで、変形
予測コンピュータ18は、矯正条件3、すなわち矯正装
置10により強圧下条件下で矯正を行ったと仮定した場
合の残留応力を演算する(ステップ#160)。さら
に、変形予測コンピュータ18は、矯正後の残留応力を
用いて応力パラメータη3の演算を行い(ステップ#1
65)、演算した応力パラメータη3が所定の範囲内
(ηc min(q)とηc max(q)の間)にあるか否かを判
断する(ステップ#170)。
【0175】応力パラメータη3が所定の範囲内にある
場合(ηc min(q)≦η3≦ηc max(q):ステップ#
170でYES)、当該鋼板8は、矯正条件3により矯
正することにより残留応力を所定範囲内に低減可能であ
る。そこで、変形予測コンピュータ18は、矯正コード
K=3及び応力パラメータη=η3を設定する(ステッ
プ#175)。
【0176】応力パラメータη3が所定の範囲内にない
場合(η3<ηc min(q)又はηc max(q)<η3:ステ
ップ#170でNO)、当該鋼板8の残留応力が大き
く、矯正装置10の能力を最大にしても矯正不十分であ
る。
【0177】前述のように、鋼板8の材質変化を考慮し
た上で、熱処理の可否についてあらかじめ決定されてい
る。そこで、変形予測コンピュータ18は、鋼板8の熱
処理可否のテーブルを検索し、当該鋼板8が熱処理可能
なものか否かを判断する(ステップ#180)。
【0178】鋼板8が熱処理不可能である場合(ステッ
プ#180でNO)、当該鋼板8は矯正装置10の能力
を持ってしても、その残留応力を所定範囲内に低減でき
ないので、変形予測コンピュータ18は、不良品を表す
矯正コードK=5及び応力パラメータη=η3を設定す
る(ステップ#185)。
【0179】鋼板8が熱処理可能な場合(ステップ#1
80でYES)、変形予測コンピュータ18は、熱処理
炉9で熱処理を行った後、さらに矯正条件3、すなわち
矯正装置10により強圧下条件下で矯正を行ったと仮定
した場合の残留応力を演算する(ステップ#190)。
さらに、変形予測コンピュータ18は、矯正後の残留応
力を用いて応力パラメータη4の演算を行い(ステップ
#195)、演算した応力パラメータη4が所定の範囲
内(ηc min(q)とηc max(q)の間)にあるか否かを
判断する(ステップ#200)。
【0180】応力パラメータη4が所定の範囲内にない
場合(η4<ηc min(q)又はηc max(q)<η4:ステ
ップ#200でNO)、当該鋼板8の残留応力が大き
く、熱処理炉9により熱処理を行い、かつ矯正装置10
の能力を最大にしても矯正不十分である。そこで、変形
予測コンピュータ18は、不良品を表す矯正コードK=
5及び応力パラメータη=η4を設定する(ステップ#
205)。
【0181】応力パラメータη4が所定の範囲内にある
場合(ηc min(q)≦η4≦ηc max(q):ステップ#
200でYES)、当該鋼板8は、熱処理後、矯正条件
3により矯正することにより残留応力を所定範囲内に低
減可能である。そこで、変形予測コンピュータ18は、
熱処理を表す矯正コードK=4及び応力パラメータη=
η4を設定し(ステップ#210)、矯正条件設定プロ
グラムを終了する。
【0182】次に、上記鋼板製造装置又は鋼板製造方法
により製造された鋼板の評価方法について説明する。
【0183】従来の鋼板製造方法により製造された鋼板
は、残留応力分布が制御されておらず、また測定もされ
ていない。従って鋼板の残留応力が大きい場合、需要家
において当該鋼板を切断すると、許容値を超えて鋼板が
伸長したり、収縮したり、横曲がりが発生したり、ある
いは反りが発生する可能性がある。
【0184】そこで、本発明者らは、切断加工時に変形
の少ない鋼板を開発すべく、鋼板の残留応力や残留歪み
に関して鋭意研究を重ねた。その過程において、上記式
(1)で表される応力パラメータηの値を制御すること
により、鋼板の切断後の変形量を予測できるとの知見を
得た。様々な鋼板サイズ、応力分布、切断形状の鋼板に
ついて、有限要素法(以下、FEM:Finite Element M
ethodと称する)解析を行い、切断後の鋼板の変形量と
応力パラメータηの関係を求めた結果を図4に示す。図
4において、横軸は応力パラメータηの値(単位無次
元)を表し、縦軸は所定長さ当たりの変形量(単位mm
/mm、すなわち無次元)を表す。
【0185】このように、あらかじめ切断形状、切断方
法、切断サイズ、鋼板全体における切断位置等の切断情
報が与えられれば、実際に鋼板を切断することなしに、
鋼板の残留応力分布と切断情報から、切断時の変形を予
測することができる。さらに、応力パラメータηを制御
することにより、目標とする許容値以内に変形量を制御
することも可能である。
【0186】近年、鋼板切断時の変形に関する要求が厳
格化しており、切断時における鋼板の収縮や伸長等の変
形が長さ10,000mm当たり1.5mm以下の鋼板
が求められている。この要求を満足するため、図4か
ら、応力パラメータηの値の絶対値を0.3以下に制御
することが好ましい。
【0187】なお、上記式(1)における補正切断領域
Ωとは、切断される部位のすべての領域を意味する。ま
た、図5(a)に示すように切断領域の形状がT字型の
場合、T字の縦線部分の周りに残された材料は変形後の
曲げ、収縮(引っ張り)に寄与しないため、図5(b)
に示す切断領域の形状が矩形の場合と同等と考えられ
る。
【0188】上記式(1)における残留応力値σは、板
厚方向における平均値(板厚方向における複数の位置で
測定し又は解析した値の平均値)である。しかしなが
ら、実際に鋼板の板厚方向における複数の位置で残留応
力値を測定したり、あるいは解析することは非常に複雑
かつ困難である。そこで、鋼板の表面の残留応力値を測
定し、板厚方向における平均値に補正することができれ
ば、残留応力値の測定又は解析が簡単かつ容易になる。
【0189】一般に、鋼板表面での残留応力値は、必ず
しも板厚方向における平均値とは一致せず、鋼板の板
厚、グレード、製造方法等によって大きく異なる。長手
方向応力の板厚方向の平均値が零である鋼板について、
長手方向応力の板厚方向の分布を図6に示す。また、こ
の鋼板の詳細を表1に示す。
【0190】
【表1】
【0191】図6において、横軸は板厚方向における測
定点の位置(全体に対する割合:単位は無次元)を表
し、縦軸は各測定点における鋼板の長手方向応力値(単
位kg/mm2)を表す。図6から明らかなように、鋼
板の表面及び裏面では、残留応力値が圧縮であり、平均
値から大きくずれている。また、鋼板の板厚方向の中央
部近傍では、残留応力値が引張であり、また平均値から
大きくずれている。一方、鋼板の板厚方向の表面又は裏
面から板厚の1/4の位置近傍では、残留応力値が平均
値に比較的近い値を示している。すなわち、鋼板表面の
残留応力値は板厚方向の平均値とは一致していない。そ
こで、鋼板表面の残留応力が板厚方向の平均値とほぼ等
しくなるように、板厚、グレード又は製造方法に応じて
換算又は補正を行うことが好ましい。
【0192】次に、長手方向応力の板厚方向の平均値が
零である鋼板(圧延したままの40kg/mm2鋼板)
について、板厚と鋼板表面の長手方向応力の関係を図7
に示す。図7において、横軸はサンプルとした各鋼板の
板厚(単位mm)を表し、縦軸は鋼板の表面における残
留応力値(単位kg/mm2)を表す。図7から明らか
なように、板厚が厚くなるに応じて、鋼板表面の残留応
力の絶対値が大きくなる。従って、鋼板表面の残留応力
の測定値から、板厚に応じて図7から求まる値を減じる
ことにより、板厚方向平均値へ補正することができる。
【0193】さらに、板厚と製造方法及び鋼板のグレー
ドに応じた表面の残留応力の補正値の関係を図8に示
す。図8において、横軸はサンプルとした各鋼板の板厚
(単位mm)を表し、縦軸は鋼板の表面における残留応
力の補正値(単位kg/mm2)を表す。また、図中
「▲」は圧延したままの鋼板の値を表し、「●」は加速
冷却型鋼板の値を示し、「◆」は熱処理及び/又は矯正
処理した鋼板の値を表す。図8から明らかなように、熱
処理や矯正を施したグレードの高い鋼板は、圧延したま
まの鋼板や加速冷却した鋼板に比べて、板厚方向応力の
変化が小さく、板厚による補正値の変化は小さい。ま
た、圧延したままの鋼板と加速冷却した鋼板のように製
造方法の違いによっても、板厚方向応力の変化が異な
る。従って、これら鋼板の製造方法やグレード等の条件
に応じて、それぞれ異なった補正値を用いて表面の残留
応力測定値から板厚方向の平均値への補正を行うことが
好ましい。
【0194】次に、鋼板の表面の温度分布の測定時点に
ついて検討する。図1に示す鋼板製造装置では、熱間矯
正装置6による熱間矯正後に、温度計7により鋼板8の
表面の温度分布を測定するように構成しているが、これ
に限定されるものではなく、第2圧延装置4による圧延
後や、加速冷却装置5による加速冷却後に測定してもよ
いが、計測値の補正の要否を考慮すると、熱間矯正後の
測定が望ましい。
【0195】幅方向における端部近傍に過冷却された温
度分布(長手方向の温度分布は一様とする)を有する鋼板
(製品長さを20mとする)に対して、FEM解析によ
り冷却後の長手方向応力を演算し、その鋼板から様々な
サイズ(例えば、長さ3m及び8m)の試験片を切断し
た場合の残留応力分布の変化を解析した。鋼板の詳細を
表2に示す。また、試験片の長手方向における中央位置
近傍でかつ幅方向における複数の位置で測定した長手方
向応力分布を図9に示す。
【0196】
【表2】
【0197】図9において、横軸は、鋼板の幅方向にお
ける測定点の位置を表し(幅3000mmの対する位
置:単位mm)、縦軸は各測定点における鋼板の長手方
向応力の値(単位kg/mm2)を表す。図9から明ら
かなように、試験片長さに応じて鋼板の拘束状態が異な
り、長手方向応力の分布が変化していることがわかる。
すなわち、長さ3mの試験片に着目すると、切断前は同
一の応力分布であったにもかかわらず、切断された試験
片の長手方向応力が変化している。しかも、鋼板の側部
近傍では残留応力の値が増加し、鋼板の中央部近傍では
残留応力の値は低減している。これに対して、長さ8m
の試験片の場合、長手方向応力分布が切断前の製品(長
さ20mm)のそれとほぼ一致している。このことか
ら、試験片の長さが短い場合には、測定した残留応力の
値を、需要家で加工される長さに補正して、応力パラメ
ータηを演算する必要がある。逆に、試験片の長さが少
なくとも8m以上となるよう切断することにより、試験
片の長さによる影響を受けないことがわかる。
【0198】以上のことから、試験片が短い場合は、測
定した残留応力の補正が必要となる。試験片長さと残留
応力の補正係数の関係を図10に示す。図10におい
て、横軸は鋼板(例えば長さ20mの製品)を切断した
試験片の長さ(単位m)を表し、縦軸は補正係数を表
す。また、「▲」は鋼板の幅方向における中央部近傍で
の残留応力の補正計数(単位無次元)を表し、「●」は
鋼板の幅方向における端部近傍での残留応力の補正値を
表す。なお、補正係数は、切断前の鋼板の幅方向におけ
る中央部及び端部から所定の位置での残留応力値に対す
る切断後の試験片の幅方向における同じ位置での残留応
力値の割合(比)である。図9及び図10から明らかな
ように、試験片長さが短い場合には、幅方向における端
部近傍や幅方向における中央近傍のいずれの位置でも補
正が必要となり、しかも補正量が異なる。従って、試験
片長さに応じて、図10から求めた補正係数の逆数を乗
じることにより残留応力の補正を行うことが好ましい。
【0199】周知のように、切断加工時の切断方法によ
り鋼板が変形する場合がある。例えば、ガス切断、プラ
ズマ切断、レーザー切断といった熱切断においては、切
断時の入熱により鋼板の変形量が異なる。板厚16mm
の鋼板を切断した場合における切断方法による変形量の
違いを熱弾塑性FEMにより解析した結果を図11に示
す。図11において、横軸は切断方法を表し、縦軸は切
断時の収縮量(単位mm)を表す。なお、図11では、
シャー切断の場合も表示している。
【0200】図11から明らかなように、切断方法によ
り切断入熱量が異なり、切断後の変形量が異なるので、
変形量が許容範囲内となるように、切断方法及び切断入
熱に応じて鋼板の応力パラメータηを補正することが好
ましい。応力パラメータηの補正値を図12に示す。図
12において、横軸は切断方法を表し、縦軸は応力パラ
メータηの補正値(単位無次元)を表す。具体的には、
応力パラメータηの値から、切断方法に応じて図12か
ら求めた補正値を減算して補正する。なお、この補正値
は、例えば図13に示す形状に鋼板を切断する場合の値
であるが、補正値は切断形状及び板厚により異なるの
で、切断形状や板厚に応じて数水準用意しておくことが
好ましい。
【0201】このように、第1の実施形態によれば、需
要家における加工情報、例えば加工条件、加工方法、加
工形状又は加工精度の許容値に応じて、加工後における
残留応力による変形量が所定の許容値以下となるよう
に、未加工状態での残留応力分布が制御された鋼板が得
られる。
【0202】また、鋼板の表面の温度分布から鋼板表面
の残留応力値又は残留応力分布を演算し、残留応力から
応力パラメータηの値を演算し、応力パラメータηの値
が所定範囲内にあるか否かを判断することにより、実際
に鋼板を切断加工するまでもなく、切断加工後の鋼板の
変形量を予測することができる。
【0203】また、鋼板の表面を測定して求めた残留応
力の値を板厚方向の平均値に換算又は補正することによ
り、残留応力の測定又は解析が容易になる。さらに、鋼
板の板厚、グレード、製造方法に応じて補正することに
より、鋼板の表面の残留応力から換算又は補正した板厚
方向の平均値の値をより正確に求めることが可能とな
る。さらに、鋼板の幅方向における測定位置に応じて残
留応力値を補正することにより、測定データが少ない場
合であっても、より正確に板厚方向における残留応力の
平均値を求めることが可能となる。さらに、鋼板(製
品)から切断した試験片の大きさに応じて、残留応力の
値を補正することにより、小さな試験片からでもより正
確に板厚方向における残留応力の平均値を求めることが
可能となる。あるいは、試験片を一定以上の大きさ(例
えば長さ8m以上)とすることにより、試験片の大きさ
や測定位置による残留応力値の変化をなくすことが可能
となり、補正が不要となる。
【0204】(第2の実施形態)次に、本発明の鋼板、
鋼板製造方法及び鋼板製造装置に関する第2の実施形態
ついて説明する。第2の実施形態は、基本的に上記第1
の実施形態の場合と同様であり、応力パラメータηの代
わりに、残留応力値が一定の範囲内となるように制御さ
れている。
【0205】残留応力値σと需要家の要求精度qにより
決定される許容値σc(q)との間に、残留応力の最大
値をσmax、残留応力の最小値をσmin、許容値の上限を
σc m ax、許容値の下限をσc min、残留応力値の板内偏差
の許容値をσc devとして、σ c min(q)≦σ≦σ
c max(q)及びσmax−σmin≦σc dev(q)の少なくと
もいずれかの関係がが成り立つ。
【0206】図1における変形予測コンピュータ18
は、残留応力の最大値、最小値、平均値、総和、偏差、
絶対値又は分布が一定の範囲内となるように制御する。
その他、特に記載しない部分は上記第1の実施形態の場
合と同様である。
【0207】上記応力パラメータηと同様に、残留応力
値自体も切断加工時の変形に影響を及ぼす。鋼板の残留
応力値と切断加工時の変形の関係を弾性解析により求め
た結果を図14に示す。図14において、横軸は鋼板の
長手方向応力値の絶対値(単位kg/mm2)を表し、
縦軸は所定長さの鋼板を切断した後の変形量の絶対値
(単位mm/mm、すなわち無次元)を表す。
【0208】ここでの残留応力値は、100mm×10
0mmの略正方形の領域での長手方向応力の平均値であ
る。切断条件として、鋼板切断時の変形の絶対値が最大
となる条件を想定して解析した。残留応力値の絶対値が
大きくなると、鋼板を切断した時の変形の絶対値も大き
くなるので、変形量が目標値となるように残留応力値を
制御する必要がある。
【0209】図14から明らかなように、一般的には、
残留応力値の絶対値が4kg/mm 2以下程度であれば
よい。特に、切断後の変形の絶対値が長さ10,000
mm当たり1.5mm以下とする場合、残留応力値の絶
対値は3.14kg/mm2以下が好ましい。
【0210】また、様々なサイズ及び残留応力分布の鋼
板に対して、任意の100mm×100mmの正方形領
域の応力偏差(最大値−最小値)と切断後の変形量の関
係を図15に示す。板厚方向の平均値を考えた場合、板
面内の残留応力値の偏差は11kg/mm2以下、より
好ましくは10.5kg/mm2以下に規制することが
好ましい。
【0211】また、第1の実施形態と同様に、残留応力
値の絶対値、最大値、最小値、平均値、偏差等について
も、鋼板の板厚、グレード、切断方法等に応じた補正を
加えることが好ましい。切断方法に応じた残留応力値の
補正値を図16に示す。図16において、横軸は切断方
法を表し、縦軸は残留応力値の補正値(単位kg/mm
2)を表す。具体的には、残留応力値から、切断方法に
応じて図12から求めた補正値を減算して補正する。こ
の補正値も、例えば図13に示す形状に鋼板を切断する
場合の値であり、切断形状に応じて数水準用意しておく
ことが好ましい。
【0212】(第3の実施形態)次に、本発明の鋼板、
鋼板製造方法及び鋼板製造装置に関する第3の実施形態
ついて説明する。第3の実施形態は、基本的に上記第1
又は第2の実施形態の場合と同様であり、応力パラメー
タηの代わりに、鋼板の切断部の形状及び鋼板の長手方
向変位又は長手方向変形量から求まる変形パラメータδ
の値が一定の範囲内となるように制御されたものであ
る。図1における変形予測コンピュータ18は、以下の
式(2)で表される変形パラメータδの値が所定の範囲
内となるように制御する。その他、特に記載しない部分
は上記第1又は第2の実施形態の場合と同様である。
【0213】
【数20】
【0214】但し、鋼板全体の面積をS、微少領域での
長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位又は幅方向
変形量をΔ、補正総切断領域をΩとする。
【0215】変形パラメータδと需要家の要求精度qに
より決定される許容値δc(q)との間には、最小許容
値をδc min(q)、最大許容値をδc max(q)として、
δc min(q)≦δ≦δc max(q)の関係が成り立つ。
【0216】第1の実施形態の場合と同様に、様々な鋼
板サイズ、応力分布、切断形状の鋼板について、FEM
解析を行い、切断後の鋼板の変形量と変形パラメータδ
の関係を求めた結果を図17に示す。図17において、
横軸は変形パラメータδの値(単位無次元)を表し、縦
軸は所定長さ当たりの変形量(単位mm/mm、すなわ
ち無次元)を表す。変形パラメータδの値を制御するこ
とにより、鋼板の切断後の変形量を予測することができ
る。
【0217】図17から明らかなように、切断時におけ
る鋼板の収縮や伸長等の変形量が長さ10,000mm
当たり1.5mm以下の要求を満足するため、変形パラ
メータδの値の絶対値を1.6以下に制御することが好
ましい。
【0218】実際に変形パラメータδを求める方法とし
ては、第1の実施形態の場合と同様に、加速冷却後の鋼
板表面温度分布から長手方向応力を演算し、需要家での
加工情報及び当該残留応力から変形パラメータδを演算
する。
【0219】上記図1に示す鋼板製造装置では、製造途
中の鋼板を全数検査するためにPLG11等を用いた
が、本実施形態では、製造された鋼板を抜き取り、試験
片を切断して検査する。切断時の切断部位の変形量の測
定については、長さ10,000mmの鋼板に対しての
0.1mm単位の変位又は変形量Δの測定精度が必要で
あり、測定には高度な技術が必要である。そのため、本
実施形態では、鋼板の裏面にマグネットで治具をとりつ
け、テーブルにつけた渦流距離計により相対的な変位を
測定した。また、CCDカメラ(ディジタルカメラやビ
デオカメラでの代用可)を3台用意し、それぞれ鋼板の
長手方法トップ、ミドル、ボトムのターゲットを測定
し、画像処理により変位を演算した。そのほか、レーザ
ー距離計やエンコーダ等を用いて変位又は変形量を測定
してもよい。
【0220】また、切断方法による変形量の違いを補正
するための変形パラメータδの補正値を図18に示す。
図18において、横軸は切断方法を表し、縦軸は変形パ
ラメータδの補正値(単位無次元)を表す。具体的に
は、変形パラメータδの値から、切断方法に応じて図1
8から求めた補正値を減算して補正する。なお、この補
正値は、例えば図13に示す形状に鋼板を切断する場合
の値であるが、補正値は切断形状により異なるので、切
断形状に応じて数水準用意しておくことが好ましい。
【0221】(第4の実施形態)次に、本発明の鋼板、
鋼板製造方法及び鋼板製造装置に関する第4の実施形態
ついて説明する。第4の実施形態は、基本的に上記第1
から第3の実施形態の場合と同様であり、変形パラメー
タδの代わりに、変形歪み値が一定の範囲内となるよう
に制御されている。図1における変形予測コンピュータ
18は、変形歪みの最大値、最小値、平均値、総和、偏
差、絶対値又は分布が一定の範囲内となるように制御す
る。その他、特に記載しない部分は上記第1から第3の
実施形態の場合と同様である。
【0222】切断部位の歪み値Δεと需要家の要求精度
qにより決定される許容値Δcε(q)との間には、最
小許容値をΔcε-min(q)、最大許容値をΔcε
-max(q)として、Δcε-min(q)≦Δε≦Δcε-max
(q)の関係が成り立つ。
【0223】本実施形態では、鋼板(好ましくは長さ8
m以上)から、複数のさらに小さい試験片(500mm
×500mmの略正方形の試験片)を切断し、切断部位
の長手方向変位を測定した。試験片の採取位置として
は、図19に示すように、鋼板の長手方向における中央
部で、幅方向における両端部近傍及び中央部の3カ所で
ある。また、鋼板の詳細を表3に示す。
【0224】
【表3】
【0225】鋼板の幅方向における端部近傍から試験片
(試験片A、B)を切断した場合の切断部位の長手方向
歪み(横軸)と変位の最大値(縦軸)との関係を図20
に示す。また、鋼板の幅方向における中央部近傍から試
験片(試験片C)を切断した場合の切断部位の長手方向
歪み(横軸)と変位の最大値(縦軸)との関係を図21
に示す。ここで、長手方向変位の最大値とは、切断時の
変形の絶対値が最大となる条件で切断した場合の変形量
である。また、切断部位の歪εは、ε=(L'−L)/
Lで定義される。但し、Lは500mm×500mmの
試験片の切断部位の幅方向の中央部での切断前の長手方
向の長さであり、L'は同切断後の長手方向の長さであ
る。
【0226】図20及び図21において、横軸は切断部
位の歪み(単位mm/mm、すなわち無次元)を表し、
縦軸は長手方向変位の最大値(単位mm/mm、すなわ
ち無次元)を表す。図20から明らかなように、鋼板の
長手方向における中央部近傍でかつ幅方向における端部
近傍から試験片を切断した場合、切断部位の変形歪が−
0.005以上0.005以下の範囲内であることが好
ましい。また、図21から明らかなように、鋼板の長手
方向における中央部近傍でかつ幅方向における中央部近
傍の位置から試験片を切断した場合、切断部位の変形歪
が−0.0007以上0.0007以下の範囲内である
ことが好ましい。
【0227】なお、鋼板の幅方向の端部近傍から試験片
を切断する場合、図19に示すように、長手方向の同じ
位置において、幅方向の両端部から試験片A及びBをそ
れぞれ切断する。その際、切断部位の歪及び変位(変形
量)は、2つの試験片A及びBの平均値とする。この理
由として、幅方向の片側の端部近傍からのみ試験片A又
はBを切断したのでは、鋼板に横曲がりが発生して切断
部位の歪及び変位が正確に測定できない場合もあるため
である。
【0228】図20又は図21に示すような切断部位ご
との長手方向歪みと変位の最大値との関係を求めておけ
ば、任意の鋼板から500mm×500mmの略正方形
の試験片を切断し、切断部位の変形歪を測定することに
より、切断後の鋼板の変形を予測することが可能とな
る。ここでの鋼板の変形は、切断時に最も変形の絶対値
が大きくなる条件で切断した場合を想定しているが、図
22に示すように、需要家の切断形状に応じて、あらか
じめ変形の水準を数種類用意しておいてもよい。図22
においても同様に、横軸は切断部位の歪み(単位mm/
mm、すなわち無次元)を表し、縦軸は長手方向変位の
最大値(単位mm/mm、すなわち無次元)を表す。
【0229】なお、鋼板から試験片を切断する場合にお
ける試験片の変形量は、試験片採取位置により異なる。
例えば、長手方向応力の幅方向の分布が長手方向に一様
である表2に示す鋼板を用いて、幅方向における中央で
かつ長手方向における複数の位置からそれぞれ500m
m×500mmの略正方形の試験片を切断し、切断部位
の変形量を弾塑性FEM解析により演算した。
【0230】試験片採取位置と切断部位の変形量の関係
を図23に示す。図23において、横軸は長手方向にお
ける試験片採取位置の先端からの距離(単位m)を表
し、縦軸は長手方向変位の最大値(単位mm/mm、す
なわち無次元)を表す。図23から明らかなように、同
一の鋼板であっても試験片採取位置により、切断部位の
変形量が異なる。従って、試験片の採取位置により補正
が必要となる。
【0231】試験片の長手方向における試験片採取位置
と切断部位の変形の補正係数の関係を図24に示す。図
24において、横軸は長手方向における試験片採取位置
の先端からの距離(単位m)を表し、縦軸は補正係数
(単位無次元)を表す。また、「●」は鋼板の幅方向の
端部近傍から採取した試験片によるデータを表し、
「▲」は幅方向の中央部近傍から採取した試験片による
データを表す。図24から明らかなように、鋼板の幅方
向における採取位置によっても変形量が異なり、試験片
採取位置に応じた補正係数が必要である。具体的には、
図24から求まる補正係数の逆数を乗じることにより切
断部位の変形の補正を行うことが好ましい。
【0232】また、図23から明らかなように、試験片
を鋼板の長手方向の中央部近傍から採取する場合であっ
ても、鋼板の長さが短い場合には補正が必要である。ま
た、試験片採取位置が鋼板の長手方向の先端から4m以
上の離れている場合、切断部位の変形量がほぼ一定であ
ることから、少なくとも8m以上の長さを有する鋼板を
その長さ方向の先端から4m以上離れた位置で試験片を
切断すれば、鋼板の長さによる影響はほとんどなくな
る。
【0233】さらに、図24から明らかなように、試験
片採取位置が鋼板の長手方向の先端から4m以上の離れ
ている場合、鋼板の幅方向における端部近傍から試験片
を採取した場合も、幅方向の中央部近傍から試験片を採
取した場合も、補正係数の値、すなわち切断部位の変形
量がほぼ一致していることがわかる。すなわち、少なく
とも8m以上の長さを有する鋼板をその長さ方向の先端
から4m以上離れた位置で試験片を切断すれば、鋼板の
幅方向における試験片の採取位置に関わらず、鋼板の長
さによる影響はほとんどなくなる。
【0234】さらに、切断方法の違いによる切断部位の
変形量を補正する場合、切断方法に応じて鋼板の変形歪
み値を補正することが好ましい。鋼板の長手方向におけ
る変形歪みの補正値を図25に示す。図25において、
横軸は切断方法を表し、縦軸は変形歪みの補正値(単位
mm/mm、すなわち無次元)を表す。具体的には、変
形歪みの値から、切断方法に応じて図25から求めた補
正値を減算して補正する。なお、この補正値は、例えば
図13に示す形状に鋼板を切断する場合の値であるが、
補正値は切断形状により異なるので、切断形状に応じて
数水準用意しておくことが好ましい。
【0235】このように、第4の実施形態によれば、鋼
板から試験片を切断し、試験片から変形歪みを実測し、
変形歪みの値が所定範囲内にあるか否かを判断するの
で、少なくとも試験片を採取した部分は無駄になるが、
切断加工後の鋼板の変形量を予測することができる。
【0236】(第5の実施形態)次に、本発明の鋼板、
鋼板製造方法及び鋼板製造装置に関する第5の実施形態
ついて説明する。第5の実施形態は、基本的に上記第4
の実施形態の場合と同様であり、変形歪みの代わりに、
変形量が一定の範囲内となるように制御されている。図
1における変形予測コンピュータ18は、変形量の最大
値、最小値、平均値、総和、偏差、絶対値又は分布が一
定の範囲内となるように制御する。その他、特に記載し
ない部分は上記第1から第4の実施形態の場合と同様で
ある。
【0237】切断部位の変形量Δdと需要家の要求精度
qにより決定される許容値Δc d(q)との間には、最小
許容値をΔc d-min(q)、最大許容値をΔc d-max(q)
として、Δc d-min(q)≦Δd≦Δc d-max(q)の関係
が成り立つ。
【0238】上記第4の実施形態と同様に、本実施形態
でも、鋼板(好ましくは長さ8m以上)から、複数のさ
らに小さい試験片(500mm×500mmの略正方形
の試験片)を切断し、切断部位の長手方向変形量を測定
した。試験片の採取位置としては、図19に示すよう
に、鋼板の長手方向における中央部で、幅方向における
両端部近傍及び中央部の3カ所である。また、鋼板の詳
細は表3に示すものと同様である。
【0239】鋼板の幅方向における端部近傍から試験片
(試験片A、B)を切断した場合の切断部位の長手方向
の変形量(横軸)と変位の最大値(縦軸)との関係を図
26に示す。また、鋼板の幅方向における中央部近傍か
ら試験片(試験片C)を切断した場合の切断部位の長手
方向の変形量(横軸)と変位の最大値(縦軸)との関係
を図27に示す。ここで、長手方向変位の最大値とは、
切断時の変形の絶対値が最大となる条件で切断した場合
の変形量である。また、切断部位の変形量Δは、Δ=
L'−Lで定義される。但し、Lは500mm×500
mmの試験片の切断部位の幅方向の中央部での切断前の
長手方向の長さであり、L'は同切断後の長手方向の長
さである。
【0240】図26及び図27において、横軸は切断部
位の歪み(単位mm/mm、すなわち無次元)を表し、
縦軸は長手方向の変位の最大値(単位mm/mm、すな
わち無次元)を表す。図26から明らかなように、鋼板
の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向における端
部近傍から試験片を切断した場合、切断部位の変形量Δ
が−2.0mm以上2.0mm以下の範囲内であること
が好ましい。また、図27から明らかなように、鋼板の
長手方向における中央部近傍でかつ幅方向における中央
部近傍から試験片を切断した場合、切断部位の変形量Δ
が−0.4mm以上0.4mm以下の範囲内であること
が好ましい。
【0241】図26又は図27に示すような切断部位ご
との長手方向の変形量と変位の最大値との関係を求めて
おけば、任意の鋼板から500mm×500mmの略正
方形の試験片を切断し、切断部位の変形量を測定するこ
とにより、切断後の鋼板の変形を予測することが可能と
なる。ここでの鋼板の変形は、切断時に最も変形の絶対
値が大きくなる条件で切断した場合を想定しているが、
上記第4の実施形態の場合と同様に、需要家の切断形状
に応じて、あらかじめ変形の水準を数種類用意しておい
てもよい。また、試験片切断位置による補正及び切断方
法による補正は、上記第4の実施形態の場合と同様であ
る。
【0242】(第6の実施形態)次に、本発明の鋼板、
鋼板製造方法及び鋼板製造装置に関する第6の実施形態
ついて説明する。第6の実施形態は、基本的に上記第1
又は第3の実施形態の場合と同様であり、応力パラメー
タηや変形パラメータδの代わりに、鋼板の切断部の形
状及び鋼板の長手方向歪み分布から求まる歪みパラメー
タγの値が一定の範囲内となるように制御されたもので
ある。図1における変形予測コンピュータ18は、以下
の式(3)で表される歪みパラメータγの値が所定の範
囲内となるように制御する。その他、特に記載しない部
分は上記第1又は第3の実施形態の場合と同様である。
【0243】
【数21】
【0244】但し、鋼板全体の面積をS、微少領域の面
積をs、微少領域での長手方向歪み値又は幅方向歪み値
をε、補正総切断領域をΩとする。
【0245】歪みパラメータγと需要家の要求精度qに
より決定される許容値γc(q)との間には、最小許容
値をγc min(q)、最大許容値をγc max(q)として、
γc min(q)≦γ≦γc max(q)の関係が成り立つ。
【0246】第1又は第3の実施形態の場合と同様に、
様々な鋼板サイズ、応力分布、切断形状の鋼板につい
て、FEM解析を行い、切断後の鋼板の変形量と歪みパ
ラメータγの関係を求めた結果を図28に示す。歪みパ
ラメータγの値を変化させることにより、鋼板の切断後
の変形量を制御できる。
【0247】図28において、横軸は歪みパラメータγ
の値(単位無次元)を表し、縦軸は所定長さ当たりの変
形量(単位mm/mm、すなわち無次元)を表す。図2
8から明らかなように、切断時における鋼板の収縮や伸
長等の変形量が長さ10,000mm当たり1.5mm
以下の要求を満足するためには、歪みパラメータγの絶
対値が1.5×10-12以下に制御することが好まし
い。
【0248】さらに、板厚と製造方法及び鋼板のグレー
ドに応じた表面の残留応力の補正値の関係を図29に示
す。図29において、横軸はサンプルとした各鋼板の板
厚(単位mm)を表し、縦軸は鋼板の表面における残留
応力の補正値(単位kg/mm2)を表す。また、図中
「▲」は圧延したままの鋼板の値を表し、「●」は加速
冷却型鋼板の値を示し、「◆」は熱処理及び/又は矯正
処理した鋼板の値を表す。図29から明らかなように、
熱処理や矯正を施したグレードの高い鋼板は、圧延した
ままの鋼板や加速冷却した鋼板に比べて、板厚方向にお
ける残留応力の変化が小さく、板厚による補正値の変化
は小さい。また、圧延したままの鋼板と加速冷却した鋼
板のように製造方法の違いによっても、板厚方向におけ
る残留応力の変化が異なる。従って、これら鋼板の製造
方法やグレード等の条件に応じて、それぞれ異なった補
正値を用いて表面の残留歪み測定値から板厚方向の平均
値への補正を行うことが好ましい。
【0249】試験片が短い場合は、測定又は解析した残
留歪みの補正が必要となる。試験片長さと残留歪みの補
正係数の関係を図30に示す。図30において、横軸は
鋼板(例えば長さ20mの製品)を切断した試験片の長
さ(単位m)を表し、縦軸は補正係数を表す。また、
「▲」は鋼板の幅方向における中央部近傍での残留歪み
の補正計数(単位無次元)を表し、「●」は鋼板の幅方
向における端部近傍での残留歪みの補正値を表す。な
お、補正係数は、切断前の鋼板の幅方向における中央部
及び端部から所定の位置での残留歪み値に対する切断後
の試験片の幅方向における同じ位置での残留歪み値の割
合(比)である。図29及び図30から明らかなよう
に、試験片長さが短い場合には、幅方向における端部近
傍や幅方向における中央近傍のいずれの位置でも補正が
必要となり、しかも補正量が異なる。従って、試験片長
さに応じて、図30から求めた補正係数の逆数を乗じる
ことにより残留歪みの補正を行うことが好ましい。
【0250】また、切断方法による残留歪みの違いを補
正するための歪みパラメータγの補正値を図31に示
す。図31において、横軸は切断方法を表し、縦軸は切
断時の歪みパラメータ補正量(単位無次元)を表す。具
体的には、歪みパラメータγの値から、切断方法に応じ
て図31から求めた補正値を減算して補正する。なお、
この補正値は、例えば図13に示す形状に鋼板を切断す
る場合の値であるが、補正値は切断形状により異なるの
で、切断形状に応じて数水準用意しておくことが好まし
い。
【0251】なお、残留歪みの測定については、残留応
力の測定の場合と同様に、鋼板の表面の温度分布から残
留歪みを求めることができる。また、穿孔法、X線によ
る方法、中性子回折による方法等を用いてもよい。穿孔
法による場合、試験片サイズ及び鋼板サイズ等の拘束状
態の違いにより鋼板の残留歪みが異なるため、理想的に
は、需要家で加工されるサイズの鋼板から残留歪みを測
定することにより歪みパラメータγを演算することが望
ましい。
【0252】(第7の実施形態)次に、本発明の鋼板、
鋼板製造方法及び鋼板製造装置に関する第7の実施形態
ついて説明する。第7の実施形態は、基本的に上記第6
の実施形態の場合と同様であり、歪みパラメータγの代
わりに、残留歪み値が一定の範囲内となるように制御さ
れている。図1における変形予測コンピュータ18は、
残留歪みの最大値、最小値、平均値、総和、偏差、絶対
値又は分布が一定の範囲内となるように制御する。その
他、特に記載しない部分は上記第1から第6の実施形態
の場合と同様である。
【0253】残留歪みεと需要家の要求精度qにより決
定される許容値εc(q)との間には、残留歪みの最大
値をεmax、残留歪みの最小値をεmin、許容値の上限を
εc m ax、許容値の下限をεc min、残留歪みの板内偏差の
許容値をεc devとして、εc min(q)≦ε≦ε
c max(q)及びεmax−εmin≦εc dev(q)の少なくと
もいずれかの関係が成り立つ。
【0254】上記歪みパラメータγと同様に、残留歪み
自体も切断加工時の変形に影響を及ぼす。鋼板の残留歪
みと切断加工時の変形の関係を弾性解析により求めた結
果を図32に示す。図32において、横軸は鋼板の長手
方向の残留歪みの絶対値8単位無次元)を表し、縦軸は
鋼板切断後の変形量の絶対値(単位mm/mm、すなわ
ち無次元)を表す。ここでの残留歪み値は、100mm
×100mmの略正方形の領域での長手方向歪み値の平
均値である。切断条件として、切断時の変形の絶対値が
最大となる条件を想定して解析した。残留歪み値の絶対
値が大きくなると切断時の変形の絶対値も大きくなるの
で、変形量が目標値となるように残留歪み値を制御する
必要がある。
【0255】図32から明らかなように、一般的には、
残留歪み値の絶対値が2.0×10 -4以下程度であれば
よい。特に、切断後の変形の絶対値が長さ10,000
mm当たり1.5mm以下とする場合、残留歪み値の絶
対値は1.5×10-4以下が好ましい。
【0256】また、様々なサイズ及び残留歪み分布の鋼
板に対して、任意の100mm×100mmの略正方形
領域の残留歪み偏差(最大値−最小値)と切断後の変形
量の関係を図33に示す。板面内の残留歪み偏差は5.
0×10-4以下に規制することが好ましい。
【0257】また、残留歪み値の絶対値、最大値、最小
値、平均値、偏差等についても、鋼板の板厚、グレー
ド、切断方法等に応じた補正を加えることが好ましい。
切断方法に応じた残留歪み値の補正値を図34に示す。
図34において、横軸は切断方法を表し、縦軸は残留歪
み値の補正値(単位無次元)を表す。具体的には、残留
歪みの値から、切断方法に応じて図34から求めた補正
値を減算して補正する。なお、この補正値は、例えば図
13に示す形状に鋼板を切断する場合の値であるが、補
正値は切断形状により異なるので、切断形状に応じて数
水準用意しておくことが好ましい。
【0258】(その他の実施形態)なお、上記各実施形
態では、需要家ごとに切断方法や切断手段を考慮した変
形予測値の演算を行うように設定したが、これに限定さ
れるものではなく、データ転送量低減及び処理速度向上
の観点から、切断条件及び切断方法を最も厳しい条件に
固定してもよい。ここで、最も厳しい切断条件とは、切
断時のスリットの形状が想定されるもののうち最大のも
のをいう。また、最も厳しい切断方法は、鋼板の収縮に
対しては切断入熱による影響が大きいガス切断の場合を
いい、伸長する鋼板に対しては切断入熱による影響がな
い切断方法を想定して設定すればよい。さらに、変形の
許容値を最も厳しい条件に固定しても良い。
【0259】また、応力パラメータηを制御する方法と
して、上記実施形態では、鋼板を切断した後、矯正装置
(ローラレベラ)10により残留応力を直接制御する機
械的方法、及び必要に応じて熱処理炉9により熱処理に
より残留応力を直接制御する熱的方法を用いたが、これ
に限定されるものではなく、加熱、圧延、加速冷却等の
工程を厳密に管理する間接的方法によっても応力パラメ
ータηを制御することが可能である。
【0260】さらに、上記各実施形態では、鋼板の幅方
向の複数の位置で、鋼板の長手方向の残留応力や残留歪
み等を測定したが、これに限定されるものではなく、鋼
板の長手方向の複数の位置での鋼板の幅方向の残留応力
や残留歪み等を測定しても同様の効果が得られる。すな
わち、鋼板の長手方向と幅方向とを置き換えたと考えれ
ばよい。さらに、鋼板の厚さ方向応力や厚さ方向歪み等
を測定又は解析してもよい。
【0261】(実験例)次に、上記鋼板製造方法により
製造した鋼板と、従来に方法により製造した鋼板を実際
に切断し、その変形量を比較する実験を行った。実験材
の詳細を表4に示す。
【0262】
【表4】
【0263】元の圧延サイズは16tx2600Wx2
2,000L(単位mm)であり、そこから16tx25
00Wx10,000L(単位mm)の製品を切断した。
加熱炉1による加熱温度は1200℃であり、圧延完了
時の温度は780℃であった。圧延後の形状はフラット
であった。
【0264】加速冷却装置5による加速冷却条件は、冷
却前温度760℃、冷却後温度550℃、冷却速度7℃
/sであった。さらに、熱間矯正装置6による矯正条件
は、圧下設定量が入側12.0mm、出側15.0mmであっ
た。また、矯正温度は540℃であった。熱間矯正後の
平坦度もフラットであった。平坦度判定方法は、ローラ
テーブル上と角棒上でのストレッチャーによる平坦度測
定を行った。
【0265】切断した形状を図35に示す。切断方法
は、図13に示すようなレーザを用いた一筆書きによる
スリット切断である。また、変形量の測定は、切断の前
後における基準点の変位量を測定した。
【0266】従来例による鋼板は、冷却及び製品切断後
のテーブルローラ上の形状は平坦であった。一方、本発
明による鋼板は、上記実施形態による応力パラメータη
は0.35であり、矯正コードは3であった。
【0267】矯正装置(ローラレベラ)10の詳細は、
最大矯正荷重5000トン、矯正ロール径360mm×
胴長4800mm、矯正ロールの本数は上下各4本及び
下の一本は矯正ロールル径300mm×胴長4800m
mであった。矯正条件は、インターメッシュ量が1パス
目9.0mm、2パス目7.0mm、3パス目5.0m
mであり、矯正速度は20rpmであった。また、矯正
後のテーブルローラ上の形状は平坦であった。
【0268】切断実験の結果を図36に示す。図36に
おいて、横軸は鋼板の長手方向における先端からの距離
(単位mm)を表し、縦軸は鋼板の長手方向における各
測定点での変形量(単位mm/mm、すなわち無次元)
を表す。図36から明らかなように、本発明による鋼板
は、切断後にほとんど変形が発生しなかったのに対し、
従来の鋼板は大きな変形が発生した。
【0269】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の鋼板によ
れば、需要家における加工情報、例えば加工条件、加工
方法、加工形状及び加工精度の許容値に応じて、鋼板の
特性、例えば鋼板の残留歪、残留応力、変位又は変形量
の最大値、最小値、平均値、総和、偏差、絶対値又は分
布、又はこれらから演算されるパラメータの値が一定の
許容範囲内となるように制御されているので、需要家に
おける切断加工後の変形を予測することが可能となる。
【0270】一方、本発明の鋼板製造方法によれば、鋼
板の特性の不均一さを表すパラメータを測定又は演算
し、パラメータが所定範囲内にあるか否かを判断し、パ
ラメータが所定範囲内にない場合は、特性の不均一さを
低減するように鋼板を矯正処理するので、未加工状態で
の残留応力分布や残留歪み分布等が所定の許容範囲内と
なるように制御された鋼板を容易に製造することができ
る。
【0271】また、本発明の鋼板製造装置によれば、圧
延された鋼板の特性の不均一さを表すパラメータを測定
又は演算するパラメータ演算手段と、パラメータが所定
範囲内にあるか否かを判断する判断手段と、パラメータ
が所定範囲内にない場合に、残留応力を低減するように
鋼板を矯正処理する矯正処理手段とを具備するので、上
記未加工状態での残留応力分布や残留歪み分布等が所定
の許容範囲内となるように制御された鋼板を容易に製造
することができる。
【0272】さらに、矯正処理は複数段階の矯正条件の
設定が可能であり、パラメータが所定範囲内にない場
合、最も弱い矯正条件で矯正処理を行ったと仮定してパ
ラメータを再演算し、再演算したパラメータが前記所定
範囲内にあるか否かを再判断し、パラメータが前記所定
範囲内にない場合は、パラメータが前記所定範囲内に入
るまで順次矯正条件を強化してパラメータの再演算を繰
り返し、パラメータが前記所定範囲内に入った時点での
矯正条件で鋼板を矯正処理するように構成することによ
り、熱間矯正された鋼板の残留応力分布等に応じて最適
な矯正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における鋼板製造装置の
構成を示す図である。
【図2】 上記鋼板製造装置における矯正条件設定プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図3】 図2のフローチャートの続きである。
【図4】 切断後の鋼板の変形量と応力パラメータηの
関係を求めた結果を示す図である。
【図5】 (a)は切断領域の形状がT字型の場合、
(b)は切断領域の形状が矩形の場合を示す図である。
【図6】 長手方向応力の板厚方向の平均値が零である
鋼板についての、長手方向応力の板厚方向の分布を示す
図である。
【図7】 長手方向応力の板厚方向の平均値が零である
鋼板についての、板厚と鋼板表面の長手方向応力の関係
を示す図である。
【図8】 板厚と製造方法及び鋼板のグレードに応じた
表面の残留応力の補正値の関係を示す図である。
【図9】 試験片の長手方向における中央位置近傍でか
つ幅方向における複数の位置で測定した長手方向応力分
布を示す図である。
【図10】 試験片長さと残留応力の補正係数の関係を
示す図である。
【図11】 切断方法による変形量の違いを熱弾塑性F
EMにより解析した結果を示す図である。
【図12】 切断方法に応じた応力パラメータηを補正
値を示す図である。
【図13】 鋼板の切断形状の一例を示す図である。
【図14】 鋼板の残留応力値と切断加工時の変形の関
係を弾性解析により求めた結果を示す図である。
【図15】 鋼板の応力偏差(最大値−最小値)と切断
後の変形量の関係を示す図である。
【図16】 切断方法に応じた残留応力値の補正値を示
す図である。
【図17】 切断後の鋼板の変形量と変形パラメータδ
の関係を求めた結果を示す図である。
【図18】 切断方法に応じた変形パラメータδの補正
値を示す図である。
【図19】 試験片の採取位置を示す図である。
【図20】 鋼板の幅方向における端部近傍から試験片
を切断した場合の切断部位の長手方向歪みと変位の最大
値との関係を示す図である。
【図21】 鋼板の幅方向における中央部近傍から試験
片を切断した場合の切断部位の長手方向歪みと変位の最
大値との関係を示す図である。
【図22】 需要家の切断形状に応じた切断部位ごとの
長手方向歪みと変位の最大値との関係の複数の水準を示
す図である。
【図23】 試験片採取位置と切断部位の変形量の関係
を示す図である。
【図24】 試験片の長手方向における試験片採取位置
と切断部位の変形の補正係数の関係を示す図である。
【図25】 切断方法に応じた変形歪みの補正値を示す
図である。
【図26】 鋼板の幅方向における端部近傍から試験片
を切断した場合の切断部位の長手方向変形量と変位の最
大値との関係を示す図である。
【図27】 鋼板の幅方向における中央部近傍から試験
片を切断した場合の切断部位の長手方向変形量と変位の
最大値との関係を示す図である。
【図28】 切断後の鋼板の変形量と歪みパラメータγ
の関係を求めた結果を示す図である。
【図29】 板厚と製造方法及び鋼板のグレードに応じ
た表面の残留応力の補正値の関係を示す図である。
【図30】 試験片長さと残留歪みの補正係数の関係を
示す図である。
【図31】 切断方法に応じた歪みパラメータγの補正
値を示す図である。
【図32】 鋼板の残留歪みと切断加工時の変形の関係
を弾性解析により求めた結果を示す図である。
【図33】 鋼板の残留歪み偏差(最大値−最小値)と
切断後の変形量の関係を示す図である。
【図34】 切断方法に応じた残留歪み値の補正値を示
す図である。
【図35】 本発明による鋼板と従来の鋼板を比較した
際における鋼板の切断形状を示す図である。
【図36】 上記切断実験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1:加熱炉 2:第1圧延装置 3:冷却装置 4:第2圧延装置 5:加速冷却装置 6:熱間矯正装置 7:温度計 8:鋼板 9:熱処理炉 10:矯正装置(ローラレベラ) 11:パルス発生装置(PLG) 12:ディジタルダイレクトコントローラ(DDC) 13:プロセスコンピュータ 14:ラインコンピュータ 15:サーバコンピュータ 16:キャンバ予測コンピュータ 17:座屈予測コンピュータ 18:変形予測コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 順応 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 Fターム(参考) 4E003 AA01 BA11 BA22 BA26 EA01 EA02 EA03 4E024 AA02 BB02 BB20

Claims (125)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 需要家における加工情報に応じて特性が
    制御された鋼板。
  2. 【請求項2】 前記加工情報は、加工条件、加工方法、
    加工形状及び加工精度の許容値の少なくとも1つである
    ことを特徴とする請求項1記載の鋼板。
  3. 【請求項3】 前記特性は、鋼板の残留歪、残留応力、
    変位及び変形量の少なくとも1つであることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の鋼板。
  4. 【請求項4】 前記特性は、その最大値、最小値、平均
    値、総和、偏差、絶対値及び分布の少なくとも1つが制
    御されていることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載の鋼板。
  5. 【請求項5】 前記特性は、その最大値、最小値、平均
    値、総和、偏差、絶対値及び分布の少なくとも1つから
    演算されるパラメータの値が制御されていることを特徴
    とする請求項1から3のいずれかに記載の鋼板。
  6. 【請求項6】 加工後における残留応力による変形量が
    所定の許容値以下となるように、未加工状態での残留応
    力分布が制御された鋼板。
  7. 【請求項7】 前記残留応力分布は、加工条件、加工方
    法、加工形状及び加工精度の許容値の少なくとも1つに
    基づいて決定されることを特徴とする請求項6記載の鋼
    板。
  8. 【請求項8】 所定寸法の鋼板から少なくとも1つの部
    位を切断した場合において、切断条件及び製造条件に起
    因する不均一さを表すパラメータの値が所定範囲内とな
    るように制御されたことを特徴とする鋼板。
  9. 【請求項9】 前記パラメータは、切断部の形状と鋼板
    の長手方向応力、幅方向応力又は厚さ方向応力とから求
    まる応力パラメータηであり、鋼板全体の面積をS、微
    少領域の面積をs、微少領域での長手方向応力値又は幅
    方向応力値をσ、補正総切断領域をΩとして、 【数1】 上記の式(1)で表されることを特徴とする請求項8記
    載の鋼板。
  10. 【請求項10】 前記応力パラメータηと需要家の要求
    精度qにより決定される許容値ηc(q)との間に、最
    小許容値をηc min(q)、最大許容値をηc ma x(q)と
    して、ηc min(q)≦η≦ηc max(q)が成り立つこと
    を特徴とする請求項9記載の鋼板。
  11. 【請求項11】 前記応力パラメータηの絶対値が0.
    3以下となるように制御されていることを特徴とする請
    求項9記載の鋼板。
  12. 【請求項12】 前記残留応力値σは、長手方向応力又
    は幅方向応力の板厚方向における平均値(板厚方向にお
    ける複数の位置で測定し又は解析した値の平均値)であ
    ることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載
    の鋼板。
  13. 【請求項13】 前記残留応力値σは、鋼板表面におけ
    る応力値からの補正値であることを特徴とする請求項9
    から11のいずれかに記載の鋼板。
  14. 【請求項14】 前記残留応力値σを、鋼板の板厚、グ
    レード及び製造方法の少なくとも1つに応じて補正する
    ことを特徴とする請求項13記載の鋼板。
  15. 【請求項15】 前記残留応力値σを、鋼板の圧延処理
    後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処理後
    のいずれかの時点において求めたことを特徴とする請求
    項9から14のいずれかに記載の鋼板。
  16. 【請求項16】 前記残留応力値σを、鋼板表面の温度
    分布から演算する方法、穿孔法、X線による方法及び中
    性子回折による方法のいずれかの方法を用いて求めたこ
    とを特徴とする請求項9から15のいずれかに記載の鋼
    板。
  17. 【請求項17】 鋼板から試験片を切断し、前記試験片
    の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向における複
    数の位置で、長手方向応力値を測定し、試験片の長さに
    応じて残留応力値σを補正したことを特徴とする請求項
    9から15のいずれかに記載の鋼板。
  18. 【請求項18】 前記試験片の長さが少なくとも8m以
    上であることを特徴とする請求項17記載の鋼板。
  19. 【請求項19】 前記試験片について、試験片の長手方
    向における端部から少なくとも4m以上内側で、長手方
    向応力値を測定したことを特徴とする請求項18記載の
    鋼板。
  20. 【請求項20】 鋼板の切断方法に応じて、前記応力パ
    ラメータηの値を補正したことを特徴とする請求項9か
    ら19のいずれかに記載の鋼板。
  21. 【請求項21】 前記切断方法は、ガス切断、プラズマ
    切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択されたい
    ずれかであることを特徴とする請求項20記載の鋼板。
  22. 【請求項22】 鋼板の長手方向応力値又は幅方向応力
    値が所定の範囲内に制御されていることを特徴とする鋼
    板。
  23. 【請求項23】 前記残留応力値は、鋼板の任意の位置
    での所定範囲における応力値の平均値であることを特徴
    とする請求項22記載の鋼板。
  24. 【請求項24】 前記所定範囲は100mm×100m
    mの略正方形の範囲であることを特徴とする請求項23
    記載の鋼板。
  25. 【請求項25】 前記残留応力値σと需要家の要求精度
    qにより決定される許容値σc(q)との間に、残留応
    力の最大値をσmax、残留応力の最小値をσmi n、許容値
    の上限をσc max、許容値の下限をσc min、残留応力の板
    内偏差の許容値をσc devとして、 σc min(q)≦σ≦σc max(q) 及び σmax−σmin≦σc dev(q) の少なくともいずれかが成り立つことを特徴とする請求
    項24記載の鋼板。
  26. 【請求項26】 前記残留応力値の最大値が4kg/m
    2以下であることを特徴とする請求項24又は25記
    載の鋼板。
  27. 【請求項27】 前記残留応力値の最小値が−4kg/
    mm2以上であることを特徴とする請求項24又は25
    記載の鋼板。
  28. 【請求項28】 前記残留応力値の絶対値が4kg/m
    2以下であることを特徴とする請求項24又は25記
    載の鋼板。
  29. 【請求項29】 前記残留応力値の板内偏差が11kg
    /mm2以下であることを特徴とする請求項24又は2
    5記載の鋼板。
  30. 【請求項30】 前記残留応力値は、長手方向応力又は
    幅方向応力の板厚方向における平均値(板厚方向におけ
    る複数の位置で測定又は解析した値の平均値)であるこ
    とを特徴とする請求項22から29のいずれかに記載の
    鋼板。
  31. 【請求項31】 前記残留応力値は、鋼板表面における
    応力値からの補正値であることを特徴とする請求項22
    から29のいずれかに記載の鋼板。
  32. 【請求項32】 前記残留応力値を、鋼板の板厚、グレ
    ード及び製造方法の少なくとも1つに応じて補正したこ
    とを特徴とする請求項31記載の鋼板。
  33. 【請求項33】 前記残留応力値を、鋼板の圧延処理
    後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処理後
    のいずれかの時点において求めたことを特徴とする請求
    項22から32のいずれかに記載の鋼板。
  34. 【請求項34】 前記残留応力値を、鋼板表面の温度分
    布から演算する方法、穿孔法、X線による方法及び中性
    子回折による方法のいずれかの方法を用いて求めたこと
    を特徴とする請求項22から33のいずれかに記載の鋼
    板。
  35. 【請求項35】 鋼板から試験片を切断し、前記試験片
    の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向における複
    数の位置で、長手方向応力値を測定し、試験片の長さに
    応じて残留応力値を補正することを特徴とする請求項2
    2から33のいずれかに記載の鋼板。
  36. 【請求項36】 前記試験片の長さが少なくとも8m以
    上であることを特徴とする請求項35記載の鋼板。
  37. 【請求項37】 前記試験片について、試験片の長手方
    向における端部から少なくとも4m以上内側で、長手方
    向応力値を測定したことを特徴とする請求項36記載の
    鋼板。
  38. 【請求項38】 鋼板の切断方法に応じて、前記残留応
    力値を補正したことを特徴とする請求項22から37の
    いずれかに記載の鋼板。
  39. 【請求項39】 鋼板の切断方法に応じて、残留応力値
    の絶対値、最大値、最小値及び偏差の少なくとも1つが
    所定の範囲内となるように制御されたことを特徴とする
    請求項22記載の鋼板。
  40. 【請求項40】 前記切断方法は、ガス切断、プラズマ
    切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択されたい
    ずれかであることを特徴とする請求項38又は39記載
    の鋼板。
  41. 【請求項41】 前記パラメータは、切断部の形状と鋼
    板の長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位、幅方
    向変形量、厚さ方向変位又は厚さ方向変形量とから求ま
    る変形パラメータδであり、鋼板全体の面積をS、微少
    領域での長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位又
    は幅方向変形量をΔ、補正総切断領域をΩとして、 【数2】 上記の式(2)で表されることを特徴とする請求項8記
    載の鋼板。
  42. 【請求項42】 前記変形パラメータδと需要家の要求
    精度qにより決定される許容値δc(q)との間に、最
    小許容値をδc min(q)、最大許容値をδc ma x(q)と
    して、δc min(q)≦δ≦δc max(q)が成り立つこと
    を特徴とする請求項41記載の鋼板。
  43. 【請求項43】 前記変形パラメータδの絶対値が1.
    6以下となるように制御されていることを特徴とする請
    求項41記載の鋼板。
  44. 【請求項44】 前記変位又は変形量Δを、鋼板表面の
    温度分布から演算する方法により求めたことを特徴とす
    る請求項41から43のいずれかに記載の鋼板。
  45. 【請求項45】 前記変位又は変形量Δを、レーザー距
    離計、渦流距離計、エンコーダ又はCCDカメラを用い
    る方法の少なくとも1つ以上により測定したことを特徴
    とする請求項41から43のいずれかに記載の鋼板。
  46. 【請求項46】 前記変位又は変形量Δを、鋼板の圧延
    処理後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処
    理後のいずれかの時点において求めたことを特徴とする
    請求項41から45のいずれかに記載の鋼板。
  47. 【請求項47】 鋼板の切断方法に応じて、前記変形パ
    ラメータδの値を補正したことを特徴とする請求項41
    から46のいずれかに記載の鋼板。
  48. 【請求項48】 前記切断方法は、ガス切断、プラズマ
    切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択されたい
    ずれかであることを特徴とする請求項47記載の鋼板。
  49. 【請求項49】 鋼板から所定の試験片を切断し、前記
    試験片又は鋼板の試験片が切断された部分の変形歪が所
    定範囲内に制御されていることを特徴とする鋼板。
  50. 【請求項50】 前記変形歪が、試験片のサイズや形
    状、試験片採取位置に応じて決定される範囲内に制御さ
    れていることを特徴とする請求項49記載の鋼板。
  51. 【請求項51】 鋼板から所定の試験片を切断し、前記
    切断された試験片又は鋼板の試験片が切断された部分の
    変形量が所定範囲内に制御されていることを特徴とする
    鋼板。
  52. 【請求項52】 前記変形量が、試験片のサイズや形
    状、試験片採取位置に応じて決定される範囲内に制御さ
    れていることを特徴とする請求項51記載の鋼板。
  53. 【請求項53】 前記試験片は500mm×500mm
    の略正方形であることを特徴とする請求項49から52
    のいずれかに記載の鋼板。
  54. 【請求項54】 前記試験片採取位置は、長さが8m以
    上ある鋼板の長手方向における中央部近傍であることを
    特徴とする請求項49から53のいずれかに記載の鋼
    板。
  55. 【請求項55】 前記試験片採取位置は、幅方向におけ
    る中央部近傍であることを特徴とする請求項49から5
    4のいずれかに記載の鋼板。
  56. 【請求項56】 前記試験片採取位置は、幅方向におけ
    る端部近傍であることを特徴とする請求項49から54
    のいずれかに記載の鋼板。
  57. 【請求項57】 前記切断部位の歪み値Δεを、試験片
    採取する際の鋼板長手方向端部からの距離に応じて補正
    したことを特徴とする請求項49、50及び53から5
    6のいずれかに記載の鋼板。
  58. 【請求項58】 前記切断部位の歪み値Δεと需要家の
    要求精度qにより決定される許容値Δcε(q)との間
    に、最小許容値をΔcε-min(q)、最大許容値をΔcε
    -max(q)として、Δcε-min(q)≦Δε≦Δcε-max
    (q)が成り立つことを特徴とする請求項57記載の鋼
    板。
  59. 【請求項59】 長さが8m以上ある鋼板の長手方向に
    おける中央部近傍でかつ幅方向における中央部近傍の位
    置で500mm×500mmの略正方形の試験片を切断
    した場合に、切断部位の歪み値Δεが−0.0007以
    上0.0007以下の範囲内であることを特徴とする請
    求項49、50、57及び58のいずれかに記載の鋼
    板。
  60. 【請求項60】 長さが8m以上ある鋼板の長手方向に
    おける中央部近傍でかつ幅方向における端部近傍の位置
    で500mm×500mmの略正方形の試験片を切断し
    た場合に、切断部位の歪み値Δεが−0.005以上
    0.005以下の範囲内であることを特徴とする請求項
    49、50、57及び58のいずれかに記載の鋼板。
  61. 【請求項61】 前記切断部位の変形量Δdを、試験片
    採取する際の鋼板長手方向端部からの距離に応じて補正
    したことを特徴とする請求項50から56のいずれかに
    記載の鋼板。
  62. 【請求項62】 前記切断部位の変形量Δdと需要家の
    要求精度qにより決定される許容値Δc d(q)との間
    に、最小許容値をΔc d-min(q)、最大許容値をΔc
    d-max(q)として、Δc d-min(q)≦Δd≦Δ
    c d-max(q)が成り立つことを特徴とする請求項61記
    載の鋼板。
  63. 【請求項63】 長さが8m以上ある鋼板の長手方向に
    おける中央部近傍でかつ幅方向における中央部近傍の位
    置で500mm×500mmの略正方形の試験片を切断
    した場合に、切断部位の変形量Δdが−0.4以上0.
    4以下の範囲内であることを特徴とする請求項50、5
    2、61及び62のいずれかに記載の鋼板。
  64. 【請求項64】 長さが8m以上ある鋼板の長手方向に
    おける中央部近傍でかつ幅方向における端部近傍の位置
    で500mm×500mmの略正方形の試験片を切断し
    た場合に、切断部位の変形量Δdが−2.0以上2.0
    以下の範囲内であることを特徴とする請求項の50、5
    2、61及び62のいずれかに記載の鋼板。
  65. 【請求項65】 前記変形歪又は変形量を、レーザー距
    離計、渦流距離計、エンコーダ又はCCDカメラを用い
    る方法の少なくとも1つ以上により測定したことを特徴
    とする請求項49から64のいずれかに記載の鋼板。
  66. 【請求項66】 鋼板の切断方法に応じて、試験片切断
    時の変形歪又は変形量を補正したことを特徴とする請求
    項49から65のいずれかに記載の鋼板。
  67. 【請求項67】 前記切断方法は、ガス切断、プラズマ
    切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択されたい
    ずれかであることを特徴とする請求項66記載の鋼板。
  68. 【請求項68】 前記パラメータは、切断部の形状と鋼
    板の長手方向歪み、幅方向歪み又は厚さ方向歪とから求
    まる歪みパラメータγであり、鋼板全体の面積をS、微
    少領域の面積をs、微少領域での長手方向歪み値又は幅
    方向歪み値をε、補正総切断領域をΩとして、 【数3】 上記の式(3)で表されることを特徴とする請求項8記
    載の鋼板。
  69. 【請求項69】 前記歪みパラメータγと需要家の要求
    精度qにより決定される許容値γc(q)との間に、最
    小許容値をγc min(q)、最大許容値をγc ma x(q)と
    して、γc min(q)≦γ≦γc max(q)が成り立つこと
    を特徴とする請求項68記載の鋼板。
  70. 【請求項70】 前記歪みパラメータγの絶対値が1.
    5×10-12以下となるように制御されていることを特
    徴とする請求項68又は69記載の鋼板。
  71. 【請求項71】 前記残留歪み値εは、長手方向歪み又
    は幅方向歪みの板厚方向における平均値(板厚方向にお
    ける複数の位置で測定し又は解析した値の平均値)であ
    ることを特徴とする請求項68から70のいずれかに記
    載の鋼板。
  72. 【請求項72】 前記残留歪み値εは、鋼板表面におけ
    る長手方向歪み値又は幅方向歪み値からの補正値である
    ことを特徴とする請求項68から70のいずれかに記載
    の鋼板。
  73. 【請求項73】 前記残留歪み値εを、鋼板の板厚、グ
    レード及び製造方法のいずれか1つに応じて補正したこ
    とを特徴とする請求項72記載の鋼板。
  74. 【請求項74】 前記残留歪み値εを、鋼板の圧延処理
    後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処理後
    のいずれかの時点において求めたことを特徴とする請求
    項68から73のいずれかに記載の鋼板。
  75. 【請求項75】 前記残留歪み値εを、鋼板表面の温度
    分布から演算する方法、穿孔法、X線による方法及び中
    性子回折による方法のいずれかの方法を用いて求めたこ
    とを特徴とする請求項68から74のいずれかに記載の
    鋼板。
  76. 【請求項76】 鋼板から試験片を切断し、前記試験片
    の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向における複
    数の位置で、残留歪み値εを測定し、試験片長さに応じ
    ての残留歪み値εを補正したことを特徴とする請求項6
    8から74のいずれかに記載の鋼板。
  77. 【請求項77】 前記試験片の長さが少なくとも8m以
    上であることを特徴とする請求項68から76のいずれ
    かに記載の鋼板。
  78. 【請求項78】 前記の試験片について、試験片の長手
    方向における端部から少なくとも4m以上内側で、長手
    方向歪み値εを測定したことを特徴とする請求項77記
    載の鋼板。
  79. 【請求項79】 鋼板の切断方法に応じて、前記歪みパ
    ラメータγの値を補正したことを特徴とする請求項68
    から78のいずれかに記載の鋼板。
  80. 【請求項80】 前記切断方法は、ガス切断、プラズマ
    切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択されたい
    ずれかであることを特徴とする請求項79記載の鋼板。
  81. 【請求項81】 長手方向歪み値又は幅方向歪み値が所
    定の範囲内に制御されていること特徴とする鋼板。
  82. 【請求項82】 前記残留歪み値は、鋼板の任意の位置
    での100mm×100mmの略正方形の領域における
    平均値であることを特徴とする請求項81記載の鋼板。
  83. 【請求項83】 前記残留歪みεと需要家の要求精度q
    により決定される許容値εc(q)との間に、残留歪み
    の最大値をεmax、残留歪みの最小値をεmin、許容値の
    上限をεc max、許容値の下限をεc min、残留歪みの板内
    偏差の許容値をεc devとして、 εc min(q)≦ε≦εc max(q) 及び εmax−εmin≦εc dev(q) の少なくともいずれかが成り立つことを特徴とする請求
    項81又は82記載の鋼板。
  84. 【請求項84】 長手方向歪み値又は幅方向歪み値が
    1.5×10-4以下であることを特徴とする請求項82
    又は83記載の鋼板。
  85. 【請求項85】 長手方向歪み値又は幅方向歪み値が−
    1.5×10-4以上であることを特徴とする請求項82
    又は83記載の鋼板。
  86. 【請求項86】 長手方向歪み値又は幅方向歪み値の絶
    対値が1.5×10 -4以下であることを特徴とする請求
    項82又は83記載の鋼板。
  87. 【請求項87】 長手方向歪み値又は幅方向歪み値の板
    内偏差が5.0×10-4以内であることを特徴とする請
    求項82又は83記載の鋼板。
  88. 【請求項88】 前記残留歪み値は、長手方向歪み又は
    幅方向歪みの板厚方向における平均値(板厚方向におけ
    る複数の位置で測定し又は解析した値の平均値)である
    ことを特徴とする請求項82から87のいずれかに記載
    の鋼板。
  89. 【請求項89】 前記残留歪み値は、鋼板表面における
    歪み値からの補正値であることを特徴とする請求項82
    から87のいずれかに記載の鋼板。
  90. 【請求項90】 前記残留歪み値を、鋼板の板厚、グレ
    ード及び製造方法の少なくとも1つに応じて補正したこ
    とを特徴とする請求項89記載の鋼板。
  91. 【請求項91】 前記残留歪み値を、鋼板の圧延処理
    後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び熱処理後
    のいずれかの時点において求めたことを特徴とする請求
    項82から90のいずれかに記載の鋼板。
  92. 【請求項92】 前記残留歪み値を、鋼板表面の温度分
    布から演算する方法、穿孔法、X線による方法及び中性
    子回折による方法のいずれかの方法を用いて求めたこと
    を特徴とする請求項82から91のいずれかに記載の鋼
    板。
  93. 【請求項93】 鋼板から試験片を切断し、前記試験片
    の長手方向における中央部近傍でかつ幅方向における複
    数点での残留歪み値を測定し、試験片長さに応じて残留
    歪み値を補正したことを特徴とする請求項81から91
    のいずれかに記載の鋼板。
  94. 【請求項94】 前記試験片の長さが少なくとも8m以
    上であることを特徴とする請求項93のいずれかに記載
    の鋼板。
  95. 【請求項95】 前記の試験片について、試験片の長手
    方向における端部から少なくとも4m以上内側で、長手
    方向歪み値を測定することを特徴とする請求項94記載
    の鋼板。
  96. 【請求項96】 鋼板の切断方法に応じて、前記残留歪
    み値を補正したことを特徴とする請求項81から95の
    いずれかに記載の鋼板。
  97. 【請求項97】 鋼板の切断方法に応じて、前記残留歪
    み値の絶対値、最大値、最小値及び偏差が所定の範囲内
    となるように制御したことを特徴とする請求項81から
    96のいずれかに記載の鋼板。
  98. 【請求項98】 前記切断方法は、ガス切断、プラズマ
    切断、レーザ切断及びシャー切断の中から選択されたい
    ずれかであることを特徴とする請求項97記載の鋼板。
  99. 【請求項99】 鋼板の特性の不均一さを表すパラメー
    タを測定又は演算し、パラメータが所定範囲内にあるか
    否かを判断し、パラメータが所定範囲内にない場合は、
    特性の不均一さを低減するように鋼板を機械的又は熱的
    手段で矯正処理することを特徴とする鋼板製造方法。
  100. 【請求項100】 前記パラメータは、残留応力、残留
    歪み、変形歪み又は変形量の最大値、最小値、平均値、
    総和、偏差、絶対値及び分布の少なくとも1つであるこ
    とを特徴とする請求項99記載の鋼板製造方法。
  101. 【請求項101】 前記パラメータは、切断部の形状と
    鋼板の長手方向応力、幅方向応力又は厚さ方向応力とか
    ら求まる応力パラメータηであり、鋼板全体の面積を
    S、微少領域の面積をs、微少領域での長手方向応力値
    又は幅方向応力値をσ、補正総切断領域をΩとして、 【数4】 上記の式(1)で表されることを特徴とする請求項99
    記載の鋼板製造方法。
  102. 【請求項102】 前記パラメータは、切断部の形状と
    鋼板の長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位、幅
    方向変形量、厚さ方向変位又は厚さ方向変形量とから求
    まる変形パラメータδであり、鋼板全体の面積をS、微
    少領域での長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位
    又は幅方向変形量をΔ、補正総切断領域をΩとして、 【数5】 上記の式(2)で表されることを特徴とする請求項99
    記載の鋼板製造方法。
  103. 【請求項103】 前記パラメータは、切断部の形状と
    鋼板の長手方向歪み、幅方向歪み又は厚さ方向歪とから
    求まる歪みパラメータγであり、鋼板全体の面積をS、
    微少領域の面積をs、微少領域での長手方向歪み値又は
    幅方向歪み値をε、補正総切断領域をΩとして、 【数6】 上記の式(3)で表されることを特徴とする請求項99
    記載の鋼板製造方法。
  104. 【請求項104】 前記残留応力、残留歪み、変形歪み
    又は変形量の値は、板厚方向における平均値(板厚方向
    における複数の位置で測定し又は解析した値の平均値)
    であることを特徴とする請求項100から103のいず
    れかに記載の鋼板製造方法。
  105. 【請求項105】 前記残留応力、残留歪み、変形歪み
    又は変形量の値は、鋼板表面における値からの補正値で
    あることを特徴とする請求項100から103のいずれ
    かに記載の鋼板製造方法。
  106. 【請求項106】 前記残留応力、残留歪み、変形歪み
    又は変形量の値を、鋼板の板厚、グレード及び製造方法
    の少なくとも1つに応じて補正することを特徴とする請
    求項105記載の鋼板製造方法。
  107. 【請求項107】 前記残留応力、残留歪み、変形歪み
    又は変形量の値を、鋼板の圧延処理後、加速冷却後、熱
    間矯正後、冷間矯正後及び熱処理後のいずれかの時点に
    おいて求めたことを特徴とする請求項100から106
    のいずれかに記載の鋼板製造方法。
  108. 【請求項108】 前記残留応力、残留歪み、変形歪
    み、変形量、応力パラメータη、変形パラメータδ又は
    歪みパラメータγの値を、鋼板の切断方法に応じて補正
    することを特徴とする請求項99から107のいずれか
    に記載の鋼板製造方法。
  109. 【請求項109】 前記パラメータが所定範囲内となる
    条件を演算し、演算した条件で矯正処理を行うことを特
    徴とする請求項99から108のいずれかに記載の鋼板
    製造方法。
  110. 【請求項110】 矯正処理は複数段階の矯正条件の設
    定が可能であり、パラメータが所定範囲内にない場合、
    最も弱い矯正条件で矯正処理を行ったと仮定してパラメ
    ータを再演算し、再演算したパラメータが前記所定範囲
    内にあるか否かを再判断し、パラメータが前記所定範囲
    内にない場合は、パラメータが前記所定範囲内に入るま
    で順次矯正条件を強化してパラメータの再演算を繰り返
    し、パラメータが前記所定範囲内に入った時点での矯正
    条件で鋼板を矯正処理することを特徴とする請求項99
    から109のいずれかに記載の鋼板製造方法。
  111. 【請求項111】 鋼板の矯正処理は、少なくともレベ
    ラ矯正又は熱処理のいずれかであることを特徴とする請
    求項99から110のいずれかに記載の鋼板製造方法。
  112. 【請求項112】 圧延された鋼板の特性の不均一さを
    表すパラメータを測定又は演算するパラメータ演算手段
    と、パラメータが所定範囲内にあるか否かを判断する判
    断手段と、パラメータが所定範囲内にない場合に、残留
    応力を低減するように鋼板を矯正処理する矯正処理手段
    とを具備する鋼板製造装置。
  113. 【請求項113】 前記パラメータ演算手段は、残留応
    力、残留歪み、変形歪み又は変形量の最大値、最小値、
    平均値、総和、偏差、絶対値及び分布の少なくとも1つ
    を演算することを特徴とする請求項112記載の鋼板製
    造装置。
  114. 【請求項114】 前記パラメータ演算手段は、切断部
    の形状と鋼板の長手方向応力、幅方向応力又は厚さ方向
    応力とから求まる応力パラメータηであり、鋼板全体の
    面積をS、微少領域の面積をs、微少領域での長手方向
    応力値又は幅方向応力値をσ、補正総切断領域をΩとし
    て、 【数7】 上記の式(1)で表されるパラメータを演算することを
    特徴とする請求項112記載の鋼板製造装置。
  115. 【請求項115】 前記パラメータは、切断部の形状と
    鋼板の長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位、幅
    方向変形量、厚さ方向変位又は厚さ方向変形量とから求
    まる変形パラメータδであり、鋼板全体の面積をS、微
    少領域での長手方向変位、長手方向変形量、幅方向変位
    又は幅方向変形量をΔ、補正総切断領域をΩとして、 【数8】 上記の式(2)で表されるパラメータを演算することを
    特徴とする請求項112記載の鋼板製造装置。
  116. 【請求項116】 前記パラメータ演算手段は、切断部
    の形状と鋼板の長手方向歪み、幅方向歪み又は厚さ方向
    歪とから求まる歪みパラメータγであり、鋼板全体の面
    積をS、微少領域の面積をs、微少領域での長手方向歪
    み値又は幅方向歪み値をε、補正総切断領域をΩとし
    て、 【数9】 上記の式(3)で表されるパラメータを演算することを
    特徴とする請求項112記載の鋼板製造装置。
  117. 【請求項117】 前記パラメータ演算手段は、前記残
    留応力、残留歪み、変形歪み又は変形量の値として、板
    厚方向における値の平均値(板厚方向における複数の位
    置で測定し又は解析した値の平均値)を演算することを
    特徴とする請求項113から116のいずれかに記載の
    鋼板製造装置。
  118. 【請求項118】 前記パラメータ演算手段は、前記残
    留応力、残留歪み、変形歪み又は変形量の値を、鋼板表
    面における各値から補正により演算することを特徴とす
    る請求項113から116のいずれかに記載の鋼板製造
    装置。
  119. 【請求項119】 前記パラメータ演算手段は、前記残
    留応力、残留歪み、変形歪み又は変形量の値を、鋼板の
    板厚、グレード及び製造方法の少なくとも1つに応じて
    補正することを特徴とする請求項118記載の鋼板製造
    装置。
  120. 【請求項120】 前記パラメータ演算手段は、前記残
    留応力、残留歪み、変形歪み又は変形量の値を、鋼板の
    圧延処理後、加速冷却後、熱間矯正後、冷間矯正後及び
    熱処理後のいずれかの時点において求めたことを特徴と
    する請求項112から118のいずれかに記載の鋼板製
    造装置。
  121. 【請求項121】 前記パラメータ演算手段は、前記残
    留応力、残留歪み、変形歪み、変形量、応力パラメータ
    η、変形パラメータδ又は歪みパラメータγの値を、鋼
    板の切断方法に応じて補正することを特徴とする請求項
    113から120のいずれかに記載の鋼板製造装置。
  122. 【請求項122】 矯正処理手段は、少なくともローラ
    レベラ又は熱処理炉のいずれかを含むことを特徴とする
    請求項112から121のいずれかに記載の鋼板製造装
    置。
  123. 【請求項123】 前記ローラレベラは、インターメッ
    シュが複数段階に調節可能であり、パラメータ演算手段
    は、パラメータが所定範囲内にない場合、最も弱い矯正
    条件で矯正処理を行ったと仮定してパラメータを再演算
    し、再演算したパラメータが前記所定範囲内にあるか否
    かを再判断し、パラメータが前記所定範囲内にない場合
    は、パラメータが前記所定範囲内に入るまで順次矯正条
    件を強化してパラメータの再演算を繰り返し、パラメー
    タが前記所定範囲内に入った時点での矯正条件で鋼板を
    矯正処理することを特徴とする請求項122記載の鋼板
    製造装置。
  124. 【請求項124】 ローラレベラの最大の能力で矯正し
    てもパラメータが前記所定範囲内に入らない場合に、熱
    処理炉により熱処理を行った後、ローラレベラにより矯
    正処理することを特徴とする請求項123記載の鋼板製
    造装置。
  125. 【請求項125】 ローラレベラの最大の能力で矯正し
    てもパラメータが前記所定範囲内に入らない場合に、ロ
    ーラレベラにより矯正処理を行った後、熱処理炉により
    熱処理を行うことを特徴とする請求項123記載の鋼板
    製造装置。
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