JP4221002B2 - 冷却制御方法、冷却制御装置及び冷却水量計算装置 - Google Patents
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Description
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1には、本発明が適用される鋼板製造ラインの一例を示す。
図1に示すように、不図示の加熱炉や粗圧延機を経て粗形成された鋼板1を目標板厚まで圧延する仕上圧延機2と、仕上圧延後の鋼板1の形状を矯正する矯正機3と、矯正後の鋼板1を加速冷却する冷却装置4とが順次配設されており、加速冷却後の鋼板1が所望の形状及び材質を有する製品となる。
ステップS401では、予定冷却スケジュール設定部101は、冷却装置4による鋼板1の予定冷却スケジュールを設定する。具体的には、冷却入側温度計7により計測される鋼板1の表面温度を測定し、冷却直前の時点の各セグメントでの板厚方向の温度分布を求める処理を行なう。
ΔT=33.8−3.63h(−0.0371+0.00528h)・TF・・・(1)
但し、ΔT:上表面と板温最高点との温度差、h:板厚で与える。
下表面温度TLは、下式(2)
TL=TF+K1ξ(ΔTScon+ΔTSclass)+K2・・・(2)
但し、ξ:学習により得た温度変換係数、ΔTS:学習により得た入側温度上下面温度差、K1,K2:調整要素により決定する。以上の条件を満たす放射線状の温度分布を決定し、板厚方向の温度分布を決定する。
Q(j)t+Δt
=Q(j)t+Δt・(λj+1−2λj+λj-1)/ρ・Δx2 (j=1〜11)、
ΔQs
=4.88[[(Tg+273)/100]4−[(T(j)+273)/100]4]
(j=1、11)
=0 (j=2〜10)・・・(3)
但し、Q(j)t:時刻tでの要素jの含熱量、T(j):同温表示、Δt:差分計算の刻み時間(=const,150msec)、ρ:密度、λ:要素jの熱伝導率、Tg:気温、ΔQs:境界条件、Δx:板厚分割厚を解く。この場合に、板温度Tから含熱量Qへの変換を、
T>880であれば、Q=3.333+0.16T、
T≦880であれば、Q=−149.05+0.481・T−1.68×10-4・T2とし、含熱量Qから温度Tへの変換(含熱量:比熱を0℃からTまで積分した値)を、
Q>144.13であれば、T=−20.8+6.25×Q、
0<Q≦144.13であれば、T=1431.5−√(1.162×106−5.95×103×Q)とする。
次に、先端、中央、末端部の水冷時間tt、tm、tbは下式で求められる。
0≦x≦L+lzone+Δlc2、
L:板長、lzone:有効冷却ゾーン長、Δlc2:余複代(=const)。
図10に示すように、鋼板裏面温度(TLi)は、例えば、ゾーン1Z内の1イタレーションにおける入側裏面温度を示している。鋼板裏面温度(TLi)を計算する際には、冷却予測温度(Tsk)を初期値として熱伝導差分計算を行い、それぞれのイタレーションで鋼板裏面温度(TLi)を計算する。
下部熱伝達係数(αLi)を計算する方法については、図5を参照しながら後で詳細に説明する。
Log(α) = A+B*Log(WD)+C*Ts+D・・・・(4)
熱伝達係数(α)は水の沸騰形態の違いによって異なることから、(4)式における係数A、B、C、Dについては、以下のように前記(4)式を表面温度で係数分けをするのが一般的である。
Ts ≧ K1→ A1、B1、C1、D1、
Ts < K1→ A2、B2、C2、D2、
また、上表面と下表面とでは、冷却水の滞留状態の差が生じるのが一般的なので、係数分けするのが通例である。したがって、前記(4)の基本式を採用する例では、次の係数セットを使い分けて、熱伝達係数を計算することとなる。例えば、上部熱伝達係数計算用の係数については、
TsU ≧ K1U→ A1U、B1U、C1U、D1U、
TsU < K1U→ A2U、B2U、C2U、D2U、
とする。また、下部熱伝達係数計算用の係数については、
TsL ≧ K1L→ A1L、B1L、C1L、D1L、
TsL < K1L→ A2L、B2L、C2L、D2L、
とする。前述した考え方に基づいて、図5について説明する。
図5においては、WDLi=0.3、0.8、2.0の場合における鋼板裏面温度と熱伝達係数との関係を示す曲線が示されている。
図6は、本実施形態において、鋼板表面温度(TUi)と上部熱伝達係数(αUi)との関係を示す図である。
本実施形態においては、鋼板表面温度(TUi)=鋼板裏面温度(TLi)、上部熱伝達係数(αUi)=下部熱伝達係数(αLi)となるような座標601を通過する曲線を探索して、冷却上部水量密度(WDUi)を取得するようにしている。冷却下部水量密度(WDLi)の曲線パターンと同様に、冷却上部水量密度(WDUi)の曲線パターンも複数記憶されているが、対応する曲線パターンが記憶されていない場合は、冷却上部水量密度(WDUi)を直接計算する。
図9は、本実施形態において、冷却上部水量密度(WDUi)を探索する方法を示す図である。
図9に示すように、冷却水量密度WDUを変化させながら、上部熱伝達係数(αUi)が下部熱伝達係数(αLi)と同一となる冷却上部水量密度(WDUi)を探索計算する。
ステップS1101において、上部標準熱伝達係数(α0)が下部熱伝達係数(αLi)と一致しているか否かを判定する。ここで、上部標準熱伝達係数(α0)とは、標準水量密度(WDU*)に対応する非基準面熱伝達係数であり、前述の(4)式により計算される。また、標準水量密度(WDU*)は、あらかじめデータとして記憶されている。
ΔWk=|WDUk−WDUk-1|/2 (k≧1)、
WDU0=WDU*、ΔW0=S(S:定数)、
とする。
前述した実施形態の冷却水量計算装置100は、具体的にはCPU、RAM、ROM等を含むコンピュータ装置或いはコンピュータシステムにより構成されるものである。したがって、本発明の各機能処理を実現するために、コンピュータにインストールされるコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
2 仕上圧延機
3 矯正機
4 冷却装置
5 仕上入側温度計
6 仕上出側温度計
7 冷却入側温度計
41 ローラ群
100 冷却水量計算装置
101 予定冷却スケジュール設定部
102 熱伝達係数計算部
103 上下比計算部
200 圧延制御装置
300 生産管理装置
400 データ入出力装置
500 冷却水量制御装置
501 流量制御弁
Claims (11)
- 圧延直後の鋼板を冷却装置で冷却するための冷却制御方法であって、
前記鋼板が前記冷却装置の内部を通過する時の温度を、前記冷却装置の入側に設置されている温度計の計測値に基づいて、前記鋼板を所定の温度に冷却するまでに必要な冷却条件を前記冷却装置の内部の複数位置について演算して予定冷却スケジュールを設定する予定冷却スケジュール設定工程と、
前記予定冷却スケジュール設定工程によって設定された予定冷却スケジュールにおける温度と、前記鋼板の片面を冷却する冷却水における第1の冷却水量密度とから、熱の伝わりやすさを示す熱伝達係数を計算する熱伝達係数計算工程と、
前記熱伝達係数計算工程によって計算された熱伝達係数から、前記鋼板の逆面を冷却する冷却水における第2の冷却水量密度を計算し、前記第1の冷却水量密度と前記第2の冷却水量密度との上下比を計算する上下比計算工程と、
前記上下比計算工程によって計算された上下比に基づいて、前記冷却装置の内部を通過する鋼板を冷却する冷却水量を制御する冷却水量制御工程とを有することを特徴とする冷却制御方法。 - 前記第1の冷却水量密度は、前記鋼板の下側を冷却する冷却水の冷却水量密度であり、
前記第2の冷却水量密度は、前記鋼板の上側を冷却する冷却水の冷却水量密度であることを特徴とする請求項1に記載の冷却制御方法。 - 前記上下比計算工程は、前記予定冷却スケジュール設定工程によって設定された冷却スケジュールに基づいて、前記冷却装置の内部の複数位置における冷却水量密度の上下比を計算することを特徴とする請求項1または2に記載の冷却制御方法。
- 前記第1の冷却水量密度を、前記予定冷却スケジュール設定工程によって設定された冷却スケジュールに基づいて決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の冷却制御方法。
- 圧延直後の鋼板を冷却装置で冷却するための冷却制御装置であって、
前記鋼板が前記冷却装置の内部を通過する時の温度を、前記冷却装置の入側に設置されている温度計の計測値に基づいて、前記鋼板を所定の温度に冷却するまでに必要な冷却条件を前記冷却装置の内部の複数位置について演算して予定冷却スケジュールを設定する予定冷却スケジュール設定手段と、
前記予定冷却スケジュール設定手段によって設定された予定冷却スケジュールにおける温度と、前記鋼板の片面を冷却する冷却水における第1の冷却水量密度とから、熱の伝わりやすさを示す熱伝達係数を計算する熱伝達係数計算手段と、
前記熱伝達係数計算手段によって計算された熱伝達係数から、前記鋼板の逆面を冷却する冷却水における第2の冷却水量密度を計算し、前記第1の冷却水量密度と前記第2の冷却水量密度との上下比を計算する上下比計算手段と、
前記上下比計算手段によって計算された上下比に基づいて、前記冷却装置の内部を通過する鋼板を冷却する冷却水量を制御する冷却水量制御手段とを有することを特徴とする冷却制御装置。 - 前記第1の冷却水量密度は、前記鋼板の下側を冷却する冷却水の冷却水量密度であり、
前記第2の冷却水量密度は、前記鋼板の上側を冷却する冷却水の冷却水量密度であることを特徴とする請求項5に記載の冷却制御装置。 - 前記上下比計算手段は、前記予定冷却スケジュール設定手段によって設定された冷却スケジュールに基づいて、前記冷却装置の内部の複数位置における上下比を計算することを特徴とする請求項5または6に記載の冷却制御装置。
- 前記第1の冷却水量密度を前記予定冷却スケジュール設定手段によって設定された冷却スケジュールに基づいて決定することを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の冷却制御装置。
- 圧延直後の鋼板を冷却装置で冷却するのに必要な冷却水量を計算する冷却水量計算装置であって、
前記鋼板が前記冷却装置の内部を通過する時の温度を、前記冷却装置の入側に設置されている温度計の計測値に基づいて、前記鋼板を所定の温度に冷却するまでに必要な冷却条件を前記冷却装置の内部の複数位置について演算して予定冷却スケジュールを設定する予定冷却スケジュール設定手段と、
前記予定冷却スケジュール設定手段によって設定された予定冷却スケジュールにおける温度と、前記鋼板の片面を冷却する冷却水における第1の冷却水量密度とから、熱の伝わりやすさを示す熱伝達係数を計算する熱伝達係数計算手段と、
前記熱伝達係数計算手段によって計算された熱伝達係数から、前記鋼板の逆面を冷却する冷却水における第2の冷却水量密度を計算し、前記第1の冷却水量密度と前記第2の冷却水量密度との上下比を計算する上下比計算手段とを有することを特徴とする冷却水量計算装置。 - 前記請求項1〜4の何れか1項に記載の冷却制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- 前記請求項10に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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