JP5217516B2 - 熱間圧延における冷却制御方法および熱延金属帯の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属材料を熱間圧延した後、熱延金属帯として巻き取る前に、冷却水を用いて被圧延材を冷却する際の、冷却制御方法と、それを用いた熱延金属帯の製造方法に関する。
熱間圧延とは、一般的に、連続鋳造または造塊、分塊によって製造されたスラブ状の金属材料を、加熱炉にて数百〜千数百℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、一対または複数対のロールで挟圧しつつそのロールを回転させることで、薄く延ばし、コイル状に巻き取るプロセスをいう。
図5は、従来から一般的に用いられている熱間圧延ライン100の一例を示す。加熱炉10により数百〜千数百℃に加熱された厚み140〜300mmの金属材料(以下、被圧延材。仕上圧延後は熱延金属帯ともいう。)8は、粗圧延機12、仕上圧延機18により厚み0.8〜25mmまで圧延されて金属帯状に薄く延ばされる。そして、冷却設備26にて所望の温度まで水冷された後、コイラー24にて巻き取られる。
粗圧延機12は、図5に示す熱間圧延ライン100の場合、R1からR5の5基であるが、必ずしも基数はこれに限らない。
これら基数の違いはあるが、粗圧延機12は、往復圧延あるいは一方向圧延あるいは両者により粗圧延を行なって、粗圧延後の被圧延材8を、それにつづく仕上圧延機18に向け供給する。
図5中には図示していないが、粗圧延機12のすぐ上流に幅プレスを設置したものもある。
仕上圧延機18は、数百〜千数百℃の高温の被圧延材8を複数の圧延機で同時に圧延するタンデム圧延機の形式をとるが、仕上タンデム圧延機ではなく、略して単に「仕上圧延機」と称されることが多い。19はワークロールである。
仕上圧延機18を構成する各圧延機(スタンド)の数は、図5に示す熱間圧延ライン100の場合、F1〜F7の7基であるが、6基のものもある。
このほか、熱間圧延ライン100には、仕上圧延機18の各スタンド間を除いて、その他の圧延機(スタンド)間には、図示しない多数(百以上)のテーブルロールが設置されており、被圧延材8を搬送する。
また、被圧延材8には、加熱炉10から抽出されたとき、その表裏面に酸化物の層(以下、スケール)が生成しており、圧延され薄く延ばされるとともに放熱により降温していく過程でも、被圧延材8は高温の状態で大気に曝されるため、新たなスケールが被圧延材8の表裏面に生成する。このため、粗圧延機12を構成する各圧延機の入側には、ポンプからの供給圧にして10〜30MPa内外の高圧水を被圧延材8の表裏面に吹き付けてスケールを除去するデスケーリング装置16が設置され、スケールを除去している。
14はクロップシャーであり、仕上圧延前に被圧延材8の先尾端のクロップ(被圧延材8の先尾端の、いびつな形状の部分)を切断除去し、仕上圧延機18にスムーズに噛み込みやすい略矩形の平面形状に整形する。
50は制御装置、70はプロセスコンピュータ、90はビジネスコンピュータである。
さて、近年では、熱間圧延ラインで製造される熱延金属帯全般、特に、高張力鋼などに要求される品質が高度化し、いかにその要求される品質を確保するか、そのために、製品である鋼帯上、いかに、巻き取り直前の温度を、所望の値に近づけるか、が重要になってきている。
それゆえ、先述の冷却設備26での、冷却水を用いて被圧延材8を冷却する際の、冷却制御方法が、ますます重要になってきている。
冷却設備26の一部を拡大したものを図6に示す。261は被圧延材8に冷却水を供給するためのヘッダ、262は3ヘッダ(図6中では3つであるがこれに限らない)を構成単位として冷却水の供給と停止を制御する単位であるバンクを示す。263はヘッダ261の伸びる方向すなわち被圧延材8の幅方向に列設されたノズルである。そして、264はバルブであり、ヘッダ261ごとに取り付けられており、このバルブ264の開閉により、冷却水wの供給と停止を制御する。
なお、バルブ264は、図7に示すごとく、バンク262ごとに取り付けられている場合もある。
従来から、熱間圧延ラインにおける被圧延材の冷却制御では、一般的に、被圧延材8の先端が仕上圧延機18の入側に到達した時点で、直径数十mmの視野をもつ放射温度計(スポット温度計)にて、被圧延材(熱延金属帯)8上の幅中央の部分の温度を測定し、その測定の結果に基づき、冷却設備26での、冷却水を用いて被圧延材8を冷却する際の、注水バンク数の初期設定(プリセット)を行うようにするとともに、被圧延材(熱延金属帯)8の先端が仕上圧延機18の出側に到達した時点で、被圧延材(熱延金属帯)8上の幅中央の部分の温度を測定し、目標とする同温度との差に応じて、冷却設備26中、冷却水を注水するバンクやヘッダの数を増減するようダイナミック制御する場合が多い。
また、コイラー24の入側にて被圧延材(熱延金属帯)8上の幅中央の部分の巻き取り直前の温度を測定し、目標とする同温度との差に適宜なゲインを乗じて、冷却設備26中、冷却水を注水するヘッダやバンクの数を増減するようフィードバック制御する場合も多い。
あるいはまた、図8に示すように、冷却設備26を前半ゾーン5と後半ゾーン4に分け、両者の中間に中間温度計27を設けて、後半ゾーン4における冷却水の注水による被圧延材(熱延金属帯)8の温度制御にフィードフォワードしたり、前半ゾーン5における冷却水の注水による被圧延材(熱延金属帯)8の温度制御にフィードバックしたりすることで、巻き取り直前の温度を、所望の値に近づける制御の精度を向上する場合もある。
例えば、特許文献1では、放射温度計(スポット温度計)を利用して、被圧延材(鋼帯)の冷却制御を行っており、特許文献2では、さらに放射温度計(スポット温度計)による鋼帯の温度測定結果をもとに、水冷熱伝達係数の学習を行なっている。特許文献3では、冷却設備を前半ゾーンと後半ゾーンに分け、両者の中間に中間温度計を設けるとともに、水冷熱伝達係数、テーブルロールとの接触による熱伝達係数、空冷熱伝達係数の学習を、前半ゾーンと後半ゾーンに分けて行なっている。
特開平07−150230号公報 特開平09−267113号公報 特許第3170375号公報
しかしながら、特許文献1乃至特許文献3の技術によってもなお、製品である鋼帯上、いかに、巻き取り直前の温度を、所望の値に近づけるかの制御精度には改善の必要があり、鋼以外の金属も含めた熱間圧延ラインで製造される熱延金属帯全般、特に、近年の、高張力鋼などの要求品質に応える必要があった。
本発明は、従来のかような技術課題に応えるべくなされたものであり、金属材料(被圧延材)を熱間圧延した後、熱延金属帯として巻き取る前に、冷却水を用いて被圧延材を冷却するにあたり、製品である熱延金属帯上、巻き取り直前の温度を、可能な限り所望の値に近づけられる、冷却制御方法と、それを用いた熱延金属帯の製造方法を提供しようとするものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)熱間圧延ラインの仕上圧延機とコイラーの間の冷却設備における冷却水の流量を制御することで、巻き取り直前の熱延金属帯の温度を、目標とする巻き取り直前の前記熱延金属帯の温度に近づけるよう制御する熱延金属帯の冷却制御方法であって、
前記冷却設備から冷却水を注水する制御単位ごとに流量計を設けて制御単位ごとに実際に注水される冷却水の流量を測定し、
測定された流量と目標とする流量との差異から予測される、巻き取り直前の前記熱延金属帯の温度と、目標とする巻き取り直前の前記熱延金属帯の温度の差異を、縮小すべく、
前記した、冷却水を注水する制御単位の数を調整するよう、
前記冷却設備における冷却水の流量を制御する
ことを特徴とする熱延金属帯の冷却制御方法。
(2)(1)を用いた熱延金属帯の製造方法。
本発明によれば、金属材料(被圧延材)を熱間圧延した後、熱延金属帯として巻き取る前に、冷却水を用いて被圧延材を冷却するにあたり、製品である熱延金属帯上、巻き取り直前の温度を、可能な限り所望の値に近づけられる、冷却制御方法と、それを用いた熱延金属帯の製造方法を提供できる。
「原初的な被圧延材(熱延金属帯)の冷却制御方法」
原初的に、巻き取り直前の、熱延金属帯の温度の制御は、概略、以下に述べるようにして行われる。
図5中に示した、粗圧延機12で粗圧延された被圧延材8が搬送されてきて、その先端が仕上入側温度計15の真下に到達すると、被圧延材8の先端の温度は仕上入側温度計15からプロセスコンピュータ70に伝送される。
プロセスコンピュータ70内では、被圧延材8の先端の温度がある一定の閾値以上、例えば、700℃以上であるか否かを判断し、被圧延材8の先端の温度がある一定の閾値以上の場合には、被圧延材8の先端が仕上入側温度計15の真下に到達したと判定する。
そして、以下、図2を用いて説明すると、プロセスコンピュータ70内では、被圧延材8の先端が仕上入側温度計15の真下に到達した、と判定したことをトリガー信号として、プロセスコンピュータ70よりも上位のビジネスコンピュータ90から、目標とする被圧延材8の巻き取り直前の温度の長手方向パターンを設定し、それを達成するための被圧延材8の長手方向についての注水バンクのスプレーパターンの計算が起動される。
この注水バンクのスプレーパターンの計算は、同じくビジネスコンピュータ90から伝送される、目標とする被圧延材8の巻き取り直前の温度の長手方向パターン、目標とする被圧延材8の仕上圧延後の温度の長手方向パターン、仕上圧延後の被圧延材(熱延金属帯)8の厚み、被圧延材8のスレッディング速度、及び被圧延材8のトップ速度に基づいて、仕上入側温度計15で測定した被圧延材8の仕上圧延機18の入側での長手方向温度分布の実績をもとに、プロセスコンピュータ70内で計算される。
ここで、目標とする被圧延材8の巻き取り直前の温度の長手方向パターンは、ビジネスコンピュータ90内に設定テーブルを設け、被圧延材8の材質や仕上圧延後の厚み、幅等のデータをキーとし、被圧延材8の先端、中間、尾端ごとに設定される。しかし、これに限らず、プロセスコンピュータ70内に設定テーブルを設けて、設定してもよい。
また、被圧延材8のスレッディング速度及びトップ速度とは、図3に示すように、被圧延材8を仕上圧延する際の加減速パターン中でいえば、被圧延材8の先端が次々と仕上圧延機18の各スタンドに噛み込んでいくときの突っ掛け防止のための低い速度を、スレッディング速度、また、さらに被圧延材8の先端が進行し、コイラー24に巻き付いた直後に加速を開始するのであるが、製品熱延金属帯の材質確保を目的とした、温度降下補償を行うための高い速度を、トップ速度と称す。
図3においては、被圧延材8の先端が仕上圧延機18のF1スタンドにオンしたとき(a)から前記先端がコイラー24に巻き付いたとき(b)までスレッディング速度で通板し、先端がコイラー24に巻き付いた直後に加速し、そして、トップ速度を、被圧延材8の尾端がF1スタンドからオフするとき(c)まで維持し、さらに尾端の巻取りが完了する(d)までにクリーピング速度と呼ばれる速度まで減速して通板している。
さて、ここで、プロセスコンピュータ70内での、注水バンクのスプレーパターンの計算の話に戻ると、注水バンクのスプレーパターンは、全バンク注水、全バンク無注水、半数のバンクにて注水ほかの、何かある一つの例に、まず、仮に決められる。
そして、その仮に決められた注水バンクのスプレーパターンに従った場合の、注水開始バンクの開始する位置から注水終了バンクの終了する位置までの距離(注水長L)も仮に決められる。
さらに、その仮に決められた注水バンクのスプレーパターンに従った場合に、被圧延材8の巻き取り直前の温度がいくらになるか、が次に計算される。
まず、図2(b)に示すように被圧延材(熱延金属帯)8を長手方向に仮想的に分割した切板8aの連続したものと考え、ある一つの切板8aを取り上げた場合に、その切板8aが、被圧延材8中の長手方向のどこに位置するか、そして仕上圧延開始前の被圧延材8の状態ではどの位置に相当し、該位置での粗出側被圧延材温度実績はいくらだったのか(仕上入側温度計15により測定される)、のデータをもとに以降の計算が行われる。
さて、ここで、各切板8aが仕上出側温度計21の直下に達したときに、目標とする被圧延材8の仕上圧延後の温度の長手方向パターンの通りになるものと仮に決める。
そして、先述のスレッディング速度、トップ速度、それに各構成設備間の機械的な距離をもとに、主要構成設備(F1、F7、ランナウトテーブル23の入側及び出側)への到達までに要する時間を計算し、次にその所要時間をもとにランナウトテーブル23中、実質的に冷却に寄与する、冷却設備26の伸びるゾーンの直下(冷却ゾーン)の入側へ到達するまでの放冷や空冷による被圧延材8の温度降下、デスケーリング装置16によるデスケーリング水や仕上圧延機18を構成する各圧延機間に設置された冷却装置(図示せず)からの冷却水の注水による被圧延材8の温度降下、仕上圧延中の加工発熱による被圧延材8の温度上昇などの温度変動をその切板8aごとに計算し、その切板8aがランナウトテーブル23中、実質的に冷却に寄与する、冷却設備26の伸びるゾーンの直下(冷却ゾーン)の入側に到達したときに何℃の温度になるか、を詳説しない計算により予測する。
さらに、各切板8aが、冷却設備26の存在する直下のゾーンにて、先述の仮に決められた注水バンクのスプレーパターンに従った場合に、何℃まで冷却されるか、を概略以下に述べる計算ロジックにより予測する。
熱延金属帯(被圧延材)8の温度は、下記式(1)に示す板厚方向一次元熱伝導方程式により表される。
Figure 0005217516
熱延金属帯(被圧延材)8の表面および板厚方向中心における境界条件は、上面および下面の冷却は対称であるとして、下記式(2)により与える。
Figure 0005217516
ここで、Tは熱延金属帯(被圧延材)8の温度、Twは冷却水の水温、cは比熱、ρは密度、λは熱伝導率、Qtransは変態発熱、hは熱伝達率、dは板厚、xは板厚方向座標、tは時間である。
熱延金属帯(被圧延材)8の表面における熱伝達率hは、輻射、対流、水冷各項の和として下記式(3)にて求める。
Figure 0005217516
ここで、heは輻射による熱伝達率、haは対流による熱伝達率、hwtおよびhwbは上面水冷および下面水冷による熱伝達率である。熱伝達率hwtおよびhwbについては、冷却水の水流密度W、水温Tw、熱延金属帯(被圧延材)8の表面温度Ts、熱延金属帯(被圧延材)8の搬送速度Vの関数として下記式(4)のように与えられる。
Figure 0005217516
冷却過程におけるフェライト、パーライト、ベイナイトなどの変態相の体積率を計算することにより、変態速度の推定を行って下記式(5)のように変態発熱Qtransを計算する。
Figure 0005217516
ここで、ξは変態潜熱、Xは変態率である。
さて、ランナウトテーブル23を通過する際にどこどこのバンクについて冷却水を注水すれば、その切板8aを目標とする巻き取り直前の温度まで冷却できるかは、図4のフローチャートに示す収束計算により求める。
すなわち、先述の仮に決められた注水バンクのスプレーパターンに従った場合(図4中の冷却バンクの初期設定)に、その仮に決められた注水バンクのスプレーパターンに従った場合の、注水バンク合計数分の冷却水の流量と、その注水バンク合計数分に相当するゾーンをその切板8aが通過するのに要する時間を前述のスレッディング速度、トップ速度、それに各構成設備間の機械的な距離をもとに予測計算(図4中の各バンクでの冷却時間の予測)した結果とから、その時間でその切板8aが巻き取り直前に何℃まで冷却されるかを、前述の式(1)〜(5)の計算により求め(図4中の巻取温度の予測)、それがまだ目標とする巻き取り直前の温度に比べ、ある一定の値(例えば±5℃)を超えて外れている場合、そのすぐ下流側のバンクを注水した場合、あるいはそのすぐ上流側のバンクを注水停止した場合はどうか、を次に計算する、という一連の計算プロセスを繰り返す収束計算により求める。求めた結果が図4中のバンク選択のプリセットに相当する。
このように収束計算され、補正された注水バンクのスプレーパターン(バンク選択のプリセット結果)は制御装置50に伝送され、制御装置50は、この伝送された、補正された注水バンクのスプレーパターンにより、冷却設備26から被圧延材8に向け注水する冷却水の流量を制御する。注水バンクの合計数が変われば冷却水の流量も変わる関係にある。
具体的には、冷却水を注水するバンクと対象とする切板8aの計算機設定に基づいて多くのデータを制御装置50に伝送し、制御装置50は、リアルタイムにその切板8aの冷却水を注水する各バンクへの到達を、図2(a)中に示す、メジャーリングロール28と速度計29の両者を用いたトラッキングに基づいて判定し、バルブ264の開閉から冷却水の注水開始及び注水停止までの遅延時間などを適宜考慮した上で、その到達タイミングに合わせて各バンクの各ヘッダの冷却水の注水開始及び注水停止のためのバルブ開閉を制御する。
さて、以上が、被圧延材8を構成する各切板8aが、冷却設備26からの冷却水の注水によって実際に冷却される前の、プロセスコンピュータ70での、各切板8aに対する、注水バンクのスプレーパターンの、計算による設定(プリセットあるいはセットアップなどとも称する)であるが、実際にその設定に従って、冷却設備26からの冷却水wの注水によって被圧延材8を構成する各切板8aの冷却を開始すると、誤差などの様々な要因により、最初に説明した、ビジネスコンピュータ90から伝送される、目標とする被圧延材8の巻き取り直前の温度の長手方向パターンから、被圧延材8の実際の長手方向温度分布が、外れることもある。
そこで、そのような場合に対応するため、仕上出側温度計21や、中間温度計27、そして、コイラー入側温度計25で測定する、仕上圧延後の被圧延材8の温度の実績に基づいて、先に述べた、ビジネスコンピュータ90から伝送される、目標とする被圧延材8の巻き取り直前の温度の長手方向パターンに近づけるべく、冷却設備26における冷却水の流量を調整するよう制御することで、目標とする被圧延材8の巻き取り直前の温度の長手方向パターンから、被圧延材8の実際の温度が、外れるのを補償することができる。
(仕上出側温度計を用いた被圧延材(熱延金属帯)温度のダイナミック制御)
そして、仕上圧延機18の出側に設置した、仕上出側温度計21による被圧延材(熱延金属帯)8の温度測定結果をもとに、冷却設備26における、被圧延材(熱延金属帯)8の温度を、冷却設備26における冷却水の流量を制御することで、制御するためには、仕上出側温度計21による被圧延材(熱延金属帯)8の温度測定を行った時点で、プロセスコンピュータ70内で、先述と同様な、各切板ごとの収束計算を行い、さらに補正された注水バンクのスプレーパターンを制御装置50に伝送し、制御装置50で、先述の、さらに補正された注水バンクのスプレーパターンにより、冷却設備26から被圧延材8に向け注水する冷却水の流量を制御する。
ただ、仕上出側温度計21による被圧延材(熱延金属帯)8の温度測定結果をもとに、冷却設備26における、被圧延材(熱延金属帯)8の温度を、冷却設備26における冷却水の流量を制御することで、制御するにあたっては、計算時間短縮のために以下に述べる簡略式を用いても良い。
すなわち、下記式(6)の関係が成り立てば、
Figure 0005217516
板厚方向の温度分布もほぼ無視できるので、板厚方向平均温度Tmに着目することにする。このとき、被圧延材(熱延金属帯)8の初期温度をT0とし、変態発熱がない(Qtrans=0)とすれば、先述の式(1),(2)より下記式(7)
Figure 0005217516
が成り立つ。
ここで、下記式(8)で表される冷却能Kなる値を定義し、簡単のため水温Twを無視すると、
Figure 0005217516
Figure 0005217516
が成り立つ。
いま、上記式(9)によれば、ある切板8a上の点の仕上出側温度計21または近赤外線カメラ21Aでの温度測定結果をTf、同じ点が、冷却設備26の仕上圧延機18側から搬送方向Aに向かって数えてi番目のバンクを通過するのに要する時間をti、そのi番目のバンクのK値をKiとするとき、巻き取り直前の温度Tcは、
Figure 0005217516
となる。
被圧延材(熱延金属帯)8の長手方向に間隔をおいて測定された仕上出側温度計21または近赤外線カメラ21Aでの温度測定結果Tfを初期値として、先述のある切板8a上の点のその後の各時点における温度Tpを下記式(11)により計算する。
Figure 0005217516
この際、各バンクの水流密度と被圧延材(熱延金属帯)8の実績の搬送速度から求められた、冷却設備26の仕上圧延機18側から搬送方向Aに向かって数えてi番目のバンクのK値(KAi)と通過に要する時間tAiが用いられる。ここで、ipは同じ点のその後の各時点にて存在するバンクが何番目かを表す番号である。
被圧延材(熱延金属帯)8の搬送速度の予定値と各バンクで注水するか否かの予定を用いて、同じ点の巻き取り直前の温度Tcを予測する。
Figure 0005217516
同じ点の予測される巻き取り直前の温度と目標とする巻き取り直前の温度との偏差により、同じ点に対しての、さらに補正された注水バンクのスプレーパターンを計算する。
Figure 0005217516
すなわち
Figure 0005217516
が成り立つようにKi(i>ip)を求める。
ここで、Tf*,Ki*,ti*は、先述の補正された注水バンクのスプレーパターンを計算した際に用いた値である。
上記の計算がランナウトテーブル上の同じ点全てについて行われ、その結果を平均することによって最終的な注水バンクを決定し、各バンクの応答遅れを考慮して注水か無注水かの指令を出力する。
(本発明の実施の形態)
図1を用いて、本発明の一つの実施の形態について、以下説明する。本発明では、冷却設備26から冷却水wを注水する制御単位ごとに流量計265を設けて制御単位(262または261)ごとに実際に注水される冷却水の流量を測定し、測定された流量と目標とする流量との差異から予測される、巻き取り直前の被圧延材(熱延金属帯)8の温度と、目標とする巻き取り直前の被圧延材(熱延金属帯)8の温度の差異を、縮小すべく、冷却水を注水する制御単位(262または261)の数を調整するよう、冷却設備26における冷却水wの流量を制御する。
図1(a)中、シャドウで示した四角は冷却水wの注水を行うバンクやヘッダなどの制御単位(262または261)である。白抜きで示した四角は冷却水wの注水を行わないバンクやヘッダなどの制御単位(262または261)である。
制御単位(262または261)ごとにとは、図1(b)に示すように、冷却水wの注水を、ヘッダ261ごとに行う場合はヘッダ261ごとに、図1(c)に示すように、バンク262ごとに行う場合はバンク262ごとに、という意味である。図1(a)に示すように19バンクあり、仮にもしも1バンクあたり5つのヘッダがあって、ヘッダごとにバルブ264と流量計265を設ければ、流量計の数は95になる、という具合であるが、1バンクあたりのヘッダ、バルブ、流量計の設置のしかたや数は、適宜調整してよい。
目標とする流量は、冷却設備26を最初に設置したときに実際に測定するか、最初に設置したときに決められた設備仕様上の冷却水供給圧と実際にバルブ264を開いたときの口径から計算により求めた値を固定的に用いるのが好ましい。
長い間冷却設備26を使用していると、流量計265を用いて実際に測定した冷却水wの流量は、配管腐食や金属塩付着堆積などの設備の経時劣化や、スケール粉による閉塞などに伴い、前記した、目標とする流量から外れてくる場合が多い。
そこで、本発明では、流量計265により制御単位ごとに実際に注水される冷却水wの流量を測定し、実際に測定した冷却水wの流量を、先述の式(4)中の水流密度Wに換算して、先述した式(1)乃至(5)あるいはさらに式(6)乃至(14)に示した一連の計算に反映する。水流密度とは、被圧延材8の単位表面積あたりに注水される冷却水wの流量である。
以上のようにすることで、結果的に、測定された流量と目標とする流量との差異から予測される、巻き取り直前の被圧延材(熱延金属帯)8の温度と、目標とする巻き取り直前の被圧延材(熱延金属帯)8の温度の差異を、縮小すべく、冷却水wを注水する制御単位262(261)の数を調整するよう、冷却設備26における冷却水wの流量を制御することになる。
応答の遅れを伴うフィードバック制御や、学習制御のような次の被圧延材からの制御精度向上を目指す制御に比べ、対象とする被圧延材から確実に、目標とする巻き取り直前の被圧延材(熱延金属帯)8の温度の差異を、縮小することができる。
「フィードバック制御を併用する好ましい実施の形態」
なお、本発明では、コイラー24の入側にて被圧延材(熱延金属帯)8上の幅中央の部分の巻き取り直前の温度を測定し、目標とする同温度との差に適宜なゲインを乗じて、冷却設備26中、冷却水を注水するヘッダやバンクの数を増減するようフィードバック制御してもよい。
「中間温度計を設けた好ましい実施の形態」
また、図8を用いて説明した、中間温度計27を設けた好ましい実施の形態の場合には、前半ゾーン5の出側およびコイラー24の入側での被圧延材(熱延金属帯)8の許容温度上限や許容温度下限を、各被圧延材(熱延金属帯)8ごとに需要家から要求される材質を確保するための属性データとして予め決めておくようにするのも好ましい。
この許容温度上限や許容温度下限は、ビジネスコンピュータ90やプロセスコンピュータ70内に設定テーブルを設け、被圧延材8の材質や仕上圧延後の厚み、幅等のデータをキーとして、被圧延材8ごと、あるいはさらに、被圧延材8の先端、中間、尾端ごとに設定されるようにするのが好ましい。
そして、中間温度計27にて被圧延材(熱延金属帯)8上の幅中央の部分の温度を測定し、目標とする同温度との差に適宜なゲインを乗じて、後半ゾーン4における冷却水の注水による被圧延材(熱延金属帯)8の温度制御にフィードフォワードしたり、前半ゾーン5における冷却水の注水による被圧延材(熱延金属帯)8の温度制御にフィードバックしたりすることで、巻き取り直前の温度を、所望の値に近づける制御の精度を向上するのも好ましい。
本発明の実施の形態について説明するための線図 本発明の実施の形態について説明するための線図 本発明の実施の形態について説明するための線図 本発明の実施の形態について説明するための線図 本発明の適用対象となる熱間圧延ラインの一例について説明するための線図 従来技術について説明するための線図 従来技術について説明するための線図 従来技術について説明するための線図
符号の説明
4 後半ゾーン
5 前半ゾーン
8 被圧延材
8a 切板
10 加熱炉
12 粗圧延機
135 エッジャーロール
14 クロップシャー
15 仕上入側温度計
16 デスケーリング装置
18 仕上圧延機
19 ワークロール
20 バックアップロール
21 仕上出側温度計
22 仕上出側板厚計
23 ランナウトテーブル
24 コイラー
25 コイラー入側温度計
26 冷却設備
261 ヘッダ
262 バンク
263 ノズル
264 バルブ
265 流量計
27 中間温度計
28 メジャーリングロール
29 速度計
50 制御装置
70 プロセスコンピュータ
90 ビジネスコンピュータ
100 熱間圧延ライン
A 搬送方向
w 冷却水

Claims (2)

  1. 熱間圧延ラインの仕上圧延機とコイラーの間の冷却設備における冷却水の流量を制御することで、巻き取り直前の熱延金属帯の温度を、目標とする巻き取り直前の前記熱延金属帯の温度に近づけるよう制御する熱延金属帯の冷却制御方法であって、
    前記冷却設備から冷却水を注水するノズルヘッダごとに流量計を設けて前記ノズルヘッダごとに実際に注水される冷却水の流量を測定し、
    測定された流量と目標とする流量との差異から予測される、巻き取り直前の前記熱延金属帯の温度と、目標とする巻き取り直前の前記熱延金属帯の温度の差異を、縮小すべく、
    前記した、冷却水を注水するノズルヘッダの数を調整するよう、
    前記冷却設備における冷却水の流量を制御する
    ことを特徴とする熱延金属帯の冷却制御方法。
  2. 請求項1の熱延金属帯の冷却制御方法を用いた熱延金属帯の製造方法。
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