JPH0890036A - 熱間圧延巻取温度制御方法 - Google Patents

熱間圧延巻取温度制御方法

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JPH0890036A
JPH0890036A JP6223542A JP22354294A JPH0890036A JP H0890036 A JPH0890036 A JP H0890036A JP 6223542 A JP6223542 A JP 6223542A JP 22354294 A JP22354294 A JP 22354294A JP H0890036 A JPH0890036 A JP H0890036A
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JP
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water injection
water
fdt
amount
temperature
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JP6223542A
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English (en)
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Ichiro Maeda
一郎 前田
Ryuta Mogi
龍太 茂木
Nobuhiro Ito
伸宏 伊藤
Tomotaka Marui
智敬 丸井
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 FDTと通板速度の変動が大きいために、仮
想切板に対する注水量が急激に変化する場合でも、目標
巻取温度に高精度に制御する。 【構成】 熱間圧延プロセスで仕上圧延した圧延板Sを
冷却設備12に進入させ、該圧延板Sに冷却水を、冷却
設備内に配設された注水ヘッダから注水して所定の巻取
温度(CT)に冷却する際、冷却水の注水量を圧延板に
設定した仮想切板毎に、実測した仕上圧延機出側温度
(FDT)と予め設定してある通板速度とに基づいて推
定し、それを該仮想切板に注水する巻取温度制御方法に
おいて、FDT変動に対する修正注水量と速度変動に対
する修正注水量を別々に求め、前者の修正をFDTゾー
ン12Aで後者の修正を速度ゾーン12Bでそれぞれ行
うことにより、注水量の急激な変化に対処する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延巻取温度制御
方法、特に熱間圧延プロセスで製造される圧延鋼板等の
圧延板をコイラーに巻取る際に適用して好適な熱間圧延
巻取温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、熱間圧延では仕上圧延機で所望
の厚さに圧延された鋼板を最終的にコイラーに巻取る作
業が行われているが、その巻取りの際、製品品質を維持
する等のために所定の巻取温度に冷却することが行われ
ている。この熱間圧延プロセスにおける巻取温度の制御
は、通常、仕上圧延機とコイラーとの間に配設された冷
却設備で行われる。
【0003】図10は、これら設備の位置関係を概念的
に示したもので、仕上圧延機の最終スタンドSFと該仕
上圧延機で圧延された鋼板Sを巻取るコイラー10との
間には冷却設備12が配設され、最終スタンドSFと冷
却設備12の間には、鋼板Sの仕上圧延機出側温度(F
inishar Delivaly Temperature、以下FDTともい
う)を測定するためのFDT計14が、又、冷却設備1
2とコイラー10の間には巻取温度(Coiling Tempe
rature、以下CTともいう)を測定するためのCT計1
6が、設置されている。
【0004】上記冷却設備12の内部には、図11に斜
視図で概略を示すように、矢印方向に進行する鋼板Sに
沿って、その上方と下方のそれぞれに多数の注水ヘッダ
18(鋼板Sの幅方向に延びる直線で示した)が配設さ
れている。これら各注水ヘッダ18では、バルブ(アク
チュエータ)20を開閉することにより、複数のノズル
18A(図では鋼板Sの上面又は下面に垂直な7本の直
線で示した)から冷却水(図では網掛模様で示した)が
鋼板Sの表裏両面にそれぞれ噴射(注水)されるように
なっており、全ての注水ヘッダ18は実質的に同一の冷
却能力を有している。
【0005】上記冷却設備12で鋼板Sを冷却し、CT
計16で実測されるCTが一定になるように制御する場
合、従来は図12に示すように鋼板Sを所定の長さに仮
想的に分割した仮想切板i 、i +1、i +2、・・・を
考え、仮想切板毎にFDT計14で鋼板Sの温度を実測
(又は予測)し、そのFDTと、コイラー10による巻
取り迄のスケジュールから予測される通板速度変動とを
考慮して適切な注水量(冷却量)を推定し、その注水量
になるように仮想切板が到達するタイミングに合せてバ
ルブ20を開閉する(実際にはバルブの開閉等の応答遅
れがあるのでその分適正に先出しする)ことにより、注
水距離(冷却設備12内で冷却水の噴射状態にあるヘッ
ダ18の数)を調整している。
【0006】ところで、一般に熱間圧延ラインにおける
仕上圧延機では、図13に示すような経時的に変化する
圧延速度で表わされる圧延スケジュールに従って速度を
変更しながら圧延を行っている。即ち、圧延開始後、鋼
板Sの先端がコイラー10に巻取られる迄は一定の低速
Aで圧延した後、圧延時間を短縮するために略一定の加
速率の加速状態Bを経て高速状態Cにし、その状態を維
持した後、コイル形状を整える等のために略一定の減速
率の減速状態Dを経て低速状態Eにし、所定時間経過後
圧延を終了する。
【0007】上記図13に示した圧延スケジュールで仕
上圧延する場合、前記冷却設備12内を通過する鋼板S
の速度も図13に示した圧延速度と実質的に同一の変動
で推移することになる。従って、前記FDT計14で実
測される仮想切板のFDTが一定である場合には、同一
のCTにするために要求される冷却量(冷却時間、仮想
切板に対する冷却水の注水時間)を一定とすればよいこ
とから、鋼板Sが冷却設備12内を通過する速度(通板
速度)の変動に合せて、即ち図13の速度変動に比例す
る注水距離となるようにバルブ20の開閉を制御すれば
よい。
【0008】ところが、実測されるFDTは、図14に
概念的に示すように、目標FDTに対して鋼板Sの温度
がその長さ方向(先端→尾端)に長周期的に変動するス
キッドマークSM、スキッドマークSMに重ねて示した
短周期変動SF、尾端側が先端側より低温になるランダ
ウンRD、逆に尾端側が先端側より高温になるランアッ
プRU等が原因となって変動している。ここで、スキッ
ドマークSMは、仕上圧延する前にスラブを加熱炉(図
示せず)でスキッド上に載置して加熱したために、スキ
ッド位置に対応して生じる周期的な温度変動であり、短
周期変動SFは、加熱炉から仕上圧延機の出側までにお
ける設備上のトラブルや不具合等の原因により、スキッ
ドマークSMより短い周期で発生する温度変動であり、
ランダウンRDは加熱炉から出したスラブを圧延する場
合に、尾端に近いほど圧延開始が遅れるために冷える程
度が大きくなることに起因する変動であり、又、ランア
ップRUは、圧延速度を加速したために、仕上圧延機で
圧延中に冷される程度が減少し、それがランダウンの程
度を超えることに起因する変動である。
【0009】このように、仕上圧延機出側で実測される
FDTは実際には変動しているため、仮想切板i 、i +
1、i +2、・・・毎に、実測したFDT及び巻取り迄
の速度変動(通板時間の違いによる空冷量の差も含む)
等に基づいて推定される注水距離は、注水タイミング t
i 、 ti+1 、 ti+2 、・・・との関係を図15に矢印の
長さで示すように、仮想切板毎に異なる場合が生じる。
【0010】図16は、前記図13に示したスケジュー
ルに従って仕上圧延を実行する際に、仮想切板毎にFD
T計14で実測されるFDTと予測される通板速度等に
基づいて推定演算して得られる注水距離(冷却設備12
でバルブを開にする注水ヘッダの数)を、経過時間に対
して、即ち仮想切板の順に概念的に示したグラフであ
る。なお、この図では、経過時間が短い程仮想切板の番
号i は若いため、番号が若い仮想切板程その注水距離は
左側に表示されている。
【0011】上述した如く、仮想切板毎に注水距離を推
定演算し、その推定結果に基づいて該当する仮想切板に
対してタイミングをとってバルブの開閉を行うことによ
り注水距離(注水量)を調整し、鋼板Sが同一の巻取温
度になるように制御する方法においては、注水距離の修
正が必要となる2大原因は通板速度とFDTの時間的変
動である。
【0012】鋼板の速度変動は、前記図13に示した圧
延スケジュールからわかるように、鋼板の長さ方向のあ
る範囲内においては、直線的な加速中(B)又は減速中
(D)のどちらかである(先端の通板性を良好にするた
めに、加減速を短時間で交互に繰返すジグザグ通板を除
く)。従って、通常の速度変動に対して修正する注水距
離は、ある期間内では一方的に増加又は減少するだけで
ある。
【0013】一方、FDT変動の原因を考えると、ラン
アップRUやランダウンRDは上記速度変動の場合と同
様に継続した増加又は減少の傾向を示すものの、スキッ
ドマークSMは、加熱炉のスキッド位置とスラブ位置の
関係と仕上圧延終了までの圧下量による周期をもった波
状の変動を示し、又、短周期変動SFの場合はスキッド
マークSMより短い周期の変動を示すため、FDT変動
に対して修正する注水距離は、スキッドマークSMや短
周期変動SFの周期に合せて増減させる必要がある。
【0014】このように速度変動とFDT変動では増減
の周期が異なっているため、鋼板上の仮想切板について
FDT変動を実測し、スケジュールから速度変動を予測
して、これら変動の合計に対応する注水距離を増減させ
て修正する従来の方式では、加速率又は減速率及びFD
T変動の傾きの組合せによっては、連続する仮想切板に
対して推定される注水距離が、経時的に見ると短時間の
うちに大きく増減する場合が生じるため、冷却温度の制
御性を損わないためには、その注水距離の増減の切換え
を、数百msec.のオーダーで行わなければならない場合
がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷却設
備が備えている注水系は、その応答時間が、バルブ開閉
の所要時間、注水ヘッダ内の容積、ヘッダと鋼板の間の
距離、水圧及び自由落下時間等に依存するため、1〜2
sec .程度である。
【0016】従って、従来のように鋼板上の連続する仮
想切板に対して実測FDT変動と速度変動の合計に対応
する適正な注水量を推定して、適切なタイミングでバル
ブの開閉を操作して冷却水をその注水量にしようとして
も、同一バルブに対して短時間で開指令又は閉指令が発
生する場合には、十分な制御性が得られないという問題
がある。
【0017】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、スケジュールに従って熱間圧延され
る圧延板をコイラーで巻取る際、FDTと通板速度の変
動が大きいために仮想切板に対する冷却水の修正注水量
が短時間で急激に変化する場合でも、制御性を低下させ
ることなく、高精度に目標の巻取温度に制御することが
できる熱間圧延巻取温度制御方法を提供することを課題
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱間圧延プロ
セスで仕上圧延した圧延板を冷却設備に進入させ、該圧
延板に冷却水を注水して所定の巻取温度に冷却する際、
冷却水の注水量を、圧延板に仮想的に設定した所定長さ
の仮想切板毎に、実測した仕上圧延機出側温度と予め設
定してある通板速度とに基づいて推定し、推定した注水
量の冷却水を、通板方向に沿って配設された注水手段に
より、該当する仮想切板が到達するタイミングに合せて
該仮想切板に注水する熱間圧延巻取温度制御方法におい
て、仕上圧延機出側温度の変動に対して修正する注水量
と、通板速度の変動に対して修正する注水量とを別々に
求め、且つ求められた各修正注水量の冷却水をそれぞれ
異なる注水手段から注水することにより、前記課題を解
決したものである。
【0019】本発明は、又、上記熱間圧延巻取温度制御
方法において、仕上圧延機出側温度の変動に対する修正
注水量の冷却水を、通板速度の変動に対する修正注水量
の冷却水より上流で注水するようにしたものである。
【0020】本発明は、又、上記巻取温度制御方法にお
いて、仕上圧延機出側温度の変動に対する修正注水量
を、仕上圧延機出側温度の連続的な実測値に含まれる精
度上無視できる振幅の短周期変動を除外し、残りの仕上
圧延機出側温度の変動に基づいて推定するようにしたも
のである。
【0021】本発明は、又、上記熱間圧延巻取温度制御
方法において、仕上圧延機出側温度の変動に対する修正
注水量を、仕上圧延機出側温度の連続的な実測値に含ま
れる短周期変動を除外し、残りの仕上圧延機出側温度の
変動に基づいて推定すると共に、上記残りの仕上圧延機
出側温度の変動に基づいて推定される修正注水量の冷却
水を注水した場合に発生が予測される目標巻取温度から
の誤差を、該残りの仕上圧延機出側温度の変動及び通板
速度の変動に基づく両修正注水量の冷却水を注水した後
に補償するようにしたものである。
【0022】本発明は、又、上記熱間圧延巻取温度制御
方法において、通板速度が変動中にある仮想切板に対す
る注水量を、仕上圧延機出側温度の基準値と設定通板速
度とに基づいて予め推定計算してある変動前の注水量か
ら、同様に推定計算してある変動後の注水量に向って任
意の割合で漸増又は漸減する値に簡易設定するようにし
たもである。
【0023】本発明は、又、上記熱間圧延巻取温度制御
方法において、通板速度が線形の変動中にある仮想切板
に対する注水量を、線形に漸増又は漸減する値に簡易設
定するようにしたものである。
【0024】本発明は、又、上記熱間圧延巻取温度制御
方法において、仮想切板に対する注水タイミングを、冷
却手段の最小単位である制御ユニットを単位に設定する
ようにしたものである。
【0025】
【作用】本発明においては、仕上圧延機出側温度(FD
T)の変動に対して修正する注水量と、通板速度の変動
に対して修正する注水量とを別々に求め、且つ求められ
た各修正注水量の冷却水をそれぞれ異なる注水手段から
注水するようにした。即ち、圧延板に設定した同一の仮
想切板について速度変動と実測されるFDT変動を別々
にとらえ、各変動に対応して修正する必要のある注水量
を別々の注水手段(例えば注水ヘッダ)で注水するよう
にした。
【0026】従って、速度変動に対する修正注水量とF
DT変動に対する修正注水量とを合計した形で注水して
いた従来方法によれば注水量の増減が短時間で発生した
場合でも、本発明によれば、注水系の切換えの応答時間
内に、例えば特定の注水ヘッダに対して開と閉の両方の
指令が出されることがなくなり、指令通りの注水を適切
に行うことが可能となる。又、それぞれの変動毎に注水
量を別々に修正するようにしたので、一回に修正する注
水量を減らすことができ、制御性を向上できる。
【0027】本発明を実施する際、例えば、後述する図
1に示すように、冷却設備12内の全体に亘る冷却ゾー
ンを速度ゾーン12BとFDTゾーン12Aに分割し、
速度ゾーン12Bで速度変動に対する修正注水量の注水
を行い、FDTゾーン12AでFDT変動に対する修正
注水量の注水を行うようにすることにより適切に対応す
ることができる。
【0028】これを具体的に説明すると、速度ゾーン1
2Bでは、速度変動が加速中にあるときは注水するヘッ
ダ数を増加し、減速中にあるときはその数を減少させる
だけでよいので注水量の修正を簡単に行うことができ
る。
【0029】一方、FDTゾーン12Aでは、N個飛び
に間引きしたヘッダから注水する状態を初期状態として
設定しておき、注水量(注水距離)を増やすときには、
(1)現在注水していないヘッダで且つ(2)前回バル
ブを閉にしてから注水系切換えの応答時間(1〜2se
c.)が経過したヘッダの中から必要な数だけ開にする。
逆に、注水量を減らすときは、(1)現在注水している
ヘッダで且つ(2)前回バルブを開にしてから同様に応
答時間が経過したヘッダの中から必要な数だけ閉にす
る。このように上記(1)と(2)を条件として開閉す
るヘッダを選択することにより、例えば開きっていない
ヘッダを閉じてしまったりすることを防止できるため、
ヘッダを確実に動作させ、注水量を修正することが可能
となる。なお、上記初期設定する注水ヘッダ間引き数N
は、間引くことにより圧延板に生じる温度むらが許容さ
れる範囲内で設定される。
【0030】本発明において、仕上圧延機出側温度の変
動に対する修正注水量の冷却水を、通板速度の変動に対
する修正注水量の冷却水より上流で注水する場合は、実
測FDTに差がある場合でも、FDT変動に対する修正
注水量の注水が終了した時点で略同一温度に冷却するこ
とができるため、例えば後述する図4に示すように、圧
延板の長さ方向全体に亘って物性を同一にすることがで
きる。
【0031】本発明において、仕上圧延機出側温度の変
動に対する修正注水量を、仕上圧延機出側温度の連続的
な実測値に含まれる精度上無視できる振幅の短周期変動
を除外し、残りの仕上圧延機出側温度の変動に基づいて
推定する場合には、例えばFDT計による測定信号に含
まれる短周期変動を信号処理により除去することによ
り、注水量推定の計算処理を簡単にすることができる。
【0032】本発明において、仕上圧延機出側温度の変
動に対する修正注水量を、仕上圧延機出側温度の連続的
な実測値に含まれる短周期変動を除外し、残りの仕上圧
延機出側温度の変動に基づいて推定すると共に、上記残
りの仕上圧延機出側温度の変動に基づいて推定される修
正注水量の冷却水を注水した場合に発生が予測される目
標巻取温度からの誤差を、該残りの仕上圧延機出側温度
の変動及び通板速度に基づく両修正注水量の冷却水を注
水した後に補償する場合には、実測されるFDTに精度
上無視できない短周期変動が含まれている場合にも、高
精度の制御を行うことが可能となる。
【0033】本発明において、通板速度が変動中にある
仮想切板に対する注水量を、仕上圧延機出側温度の基準
値と設定通板速度とに基づいて予め推定計算してある変
動前の注水量から、同様に推定計算してある変動後の注
水量に向って任意の割合で漸増又は漸減する値に簡易設
定する場合には、両注水量の差に加速率又減速率を乗じ
た値を変動前の注水量に加算する簡単な計算を行うだけ
で、加速中又は減速中の仮想切板に対して設定する注水
量を求めることができるため、注水制御を迅速に行うこ
とができる。
【0034】本発明において、通板速度が線形の変動中
にある仮想切板に対する注水量を、線形に漸増又は漸減
する値に簡易設定する場合には、加速中又は減速中の仮
想切板に対して設定する注水量を更に簡単に算出するこ
とができる。
【0035】本発明において、仮想切板に対する注水タ
イミングを、冷却手段の最小単位である制御ユニットを
単位に設定する場合には、各制御ユニットを最適なタイ
ミングで切換えることが可能となる。
【0036】即ち、仮想切板毎に適正な注水量を推定
し、任意の注水ヘッダの位置に仮想切板が到達するタイ
ミングで当該仮想切板に対して推定した修正注水量の冷
却水を注水する場合、仮想切板i とこれに連続する仮想
切板i +1とに設定する注水量の間に複数の制御ユニッ
ト分の差がある場合が起こり得る。この場合は、仮想切
板i と仮想切板i +1との間にも、各制御ユニットを切
換えるための最適なタイミングが存在するにも拘らず、
仮想切板i +1が到達するタイミングに合せて複数の制
御ユニット(例えば注水ヘッダ)を同時に切換えること
になり、制御精度が劣ることになるが、本発明によれ
ば、注水する制御ユニットを1つずつ適切なタイミング
で切換えることが可能となるため、高精度な巻取り温度
制御が可能となる。
【0037】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0038】図1は、本発明に係る一実施例に適用され
る冷却設備の配置を概念的に示した前記図10に相当す
る図面であり、図2は本実施例で速度変動時の仮想切板
に対する注水量の設定方法の特徴を概念的に示した図面
である。
【0039】本実施例に適用される冷却設備12は、従
来の場合と同様に、その内部には前記図11に示したよ
うに多数の注水ヘッダ18が鋼板Sの進行方向に配設さ
れ、バルブ20を開閉することにより、注水ヘッダ18
からの冷却水の注水距離(注水量)を修正できるように
なっている。又、この冷却設備12は、その長さ方向全
体に亘る冷却ゾーンが、上流側のFDTゾーン12Aと
下流側の速度ゾーン12Bとに分離され、各ゾーンにお
ける注水距離の調整が独立してなされるようなってい
る。
【0040】本実施例では、上記FDTゾーン12Aに
おいて、FDT計14による実測FDTの変動に対する
修正注水量(修正注水距離)の冷却水を注水し、上記速
度ゾーン12Bにおいて、予め設定されている通板速度
の変動に対する修正注水距離の冷却水を注水する。
【0041】便宜上、上記速度ゾーン12Bにおいて設
定する注水距離の推定方法を初めに説明する。なお、本
実施例は、FDTの実測値に含まれる短周期変動SF
が、スキッドマークSMより1桁以上小さい周期で、し
かも振幅が制御精度上無視できる大きさの場合を対象と
する。
【0042】設定通板速度に基づいて注水距離を推定演
算するに当り、計算の基準値とするFDTの一定値(例
えば目標値)を設定し、該基準FDTと圧延スケジュー
ルから予測される通板速度とに基づいて後述する方法に
より注水距離を推定演算し、得られた注水距離を速度ゾ
ーン12Bに設定する。その際、前記図13に示した圧
延スケジュールのように直線的に加速又は減速する速度
変動が存在する場合には、速度変動中にある仮想切板に
ついては注水距離の簡易設定を行う。
【0043】この注水距離の簡易設定の方法の特徴を、
図2に示すグラフ1(前記図13の前半のスケジュール
に相当する)のように、通板速度が一定の低速状態Aか
ら、加速状態Bを経て一定の高速状態Cに変動する場合
を例にして説明する。
【0044】図2に示すグラフ2は、グラフ1のように
変化する通板速度に対応させて設定する注水距離を経時
的に示したのである。加速前に設定する低速時の注水距
離WAを、前述した基準FDTとスケジュールから決ま
る通板速度VAに基づいて予め正確に推定演算し、且つ
加速完了後に設定する高速時の注水距離WAを、同じく
基準FDTと通板速度VCに基づいて予め正確に推定演
算しておき、通板速度を加速中に設定する注水距離WB
を、加速開始時点1Sと同時刻の始点2Sから終点2E
にかけて線形に変化する値として算出する。
【0045】即ち、基準FDTの仮想切板について、加
速する前の速度VAと加速を完了した速度VCで全冷却
ゾーンを通板する場合の注水距離WA、WCをそれぞれ
高精度な処理により予め求め、次いで加速前と後の各注
水距離を適用できる時間範囲をそれぞれ求めると共に、
両注水距離の間を線形に結合する簡易計算により算出さ
れる注水距離WBを設定する時間範囲を決定する。この
簡易方式により設定する注水距離を、前記図15に対応
させて図3に示すと、速度ゾーン12Bにおける矢印の
ようになる。この推定演算は、図4のブロック図に示し
たフローに従って、モデル式(複雑なので省略する)
に、鋼板仕様(厚さ等)、FDT、任意の注水距離から
決定される注水ヘッダのON/OFFの組合せ及び冷却
設備内移動時間等を適用して温度計算して目標地点の温
度Tを算出し、その計算温度Tと目標温度T0 とを比較
し、その差δの絶対値が許容誤差δ0 より小さい値に収
束するまで注水距離を増減させながら温度計算を繰り返
し、収束した時の注水距離を推定値とすることで行うこ
とができる。
【0046】図2に示すように、注水距離の変更を開始
する時点2Sは、通板速度の加速を開始する時点1Sと
同時点に設定するが、注水距離の変更を終了する時点2
Eは通板速度の加速完了時点1Eより時間ΔEの経過後
に設定される。この時間ΔEは、加速終了時に冷却ゾー
ンへ突入した部位が冷却ゾーンを出る迄に要する時間で
ある。
【0047】上記図2に示した速度変動中の注水距離W
Bは、上述した方法で簡単に求めることができ、しかも
同一種の圧延板については一度算出し、決定しておけば
繰返し用いることができる。なお、減速中の場合は上述
した加速の場合と逆の処理を行うとにより同様に取扱う
ことができる。
【0048】次に、FDTゾーン12Aにおいて、実測
FDTの変動に対する修正注水量の冷却水を注水する方
法(注水量の修正方法)について説明する。
【0049】このFDTゾーン12Aでは、上述した速
度ゾーン12Bで設定する注水距離の推定演算の基礎に
した基準FDTに対応する注水距離を注水する状態を初
期捷態として設定し、実測FDTに該基準FDTから外
れる変動が生じた場合、そのFDT変動分に見合う注水
距離を推定演算し、その分の修正を行うことにより、目
標CTが得られるように注水制御する。
【0050】具体的には、上記基準FDT(目標値)に
対して設定する注水距離(注水ヘッダの数)を算出し、
その数の注水ヘッダをFDTゾーン12A内においてN
個飛びに間引いて設定し、初期状態(実測FDTが目標
値にあるとき)には、このN個飛びの注水ヘッダから注
水する。
【0051】そして、FDT計14で実測したFDT
に、上記基準FDTから外れる変動が生じた場合には、
その都度その変動分に見合う注水量を推定し、FDT変
動が上昇の場合には、注水するヘッダの数を初期状態よ
り増やし、下降の場合には逆に注水するヘッダの数を減
らすことにより、注水距離(注水量)を修正する。
【0052】本実施例においては、以上詳述した注水距
離の推定計算の手順とは逆になるが、鋼板Sは仮想切板
毎にFDT計14により順次FDTが実測された後FD
Tゾーン12Aに導入され、該FDTゾーン12Aにお
いて実測FDT変動に対する修正注水量を注水するため
に注水ヘッダ18の切換えが行われる。
【0053】今、実測FDTに低下する変動が生じてい
る場合を考えると、図3にFDTゾーン12Aで実行す
る仮想切板i 〜i +3に対する注水タイミング ti 〜 t
i+3と、これらのタイミングで注水される注水距離(矢
印の長さ)との関係を示したように、仮想切板i につい
ての実測FDTが基準値で、FDTゾーン12Aにおい
てタイミング ti で該仮想切板i に注水する注水距離L
i が初期状態の値とすると、仮想切板i +1〜i +3に
向って次第に実測FDTが低下する場合には、タイミン
グ ti+1 〜 ti+3 に向ってLi より短い注水距離に修正
する。
【0054】又、図示は省略するが、実測FDTが基準
値を維持する場合は、注水距離も初期状態の値Li のま
まにし、逆に基準値より上昇する場合には注水距離をL
i よりも長くする修正を行う。そして、注水距離の修正
を行う際には、前述したように前回の指令時から注水系
切換えの応答時間が経過したヘッダのバルブを開閉す
る。
【0055】本実施例においては、上述したFDTゾー
ン12Aにおける注水がなされた後の鋼板Sが、その後
方に設けられた速度ゾーン12Bで前述した通板速度に
基づいて推定される注水距離の注水が実行される。一般
には、速度ゾーン12Bの方がFDTゾーン12Aより
注水距離の修正量は多い。
【0056】この速度ゾーン12Bでは、前述した如
く、前記図2に示したグラフ2のように、グラフ1のB
のように直線的な速度変動に対しては注水距離がWBと
なるように設定するので、速度ゾーン12Bで、各仮想
切板i 〜i +3に対して注水する注水距離は、同じく図
3に矢印の長さで示すように、直線的に増加する値に設
定される。図示は省略するが、減速する速度変動の場合
は、これとは逆になる。
【0057】本実施例によれば、仮想切板毎に、FDT
ゾーン12Aで実測したFDTに変動がある場合にはそ
の変動に応じた注水距離の修正を適切に実行するので、
各仮想切板が速度ゾーン12Bに導入される時点では、
前述した基準FDTと設定通板速度とから予め推定演算
した注水距離になるようにバルブ20を操作するタイミ
ングを決め、そのタイミングに合せてバルブ20を開い
て各仮想切板を注水することにより、CT計16で実測
されるCTを正確に目標値に一致させることが可能とな
る。
【0058】又、本発明によれば、実測FDTに変動が
生じている場合は、始めにその変動分の注水距離を修正
するため、仮想切板について実測FDTが異なっている
場合でも、図5に冷却履歴を示すように早い時点で略同
一温度に冷却制御することができる。
【0059】即ち、図5では、F1、F2で示すように
実測FDTが異なる仮想切板が存在する場合でも、始め
は緩かな傾斜で示すように空冷され、次いで、FDTゾ
ーン12Aで上述した水冷が行われるため、速度ゾーン
12Bに導入されるVt 時点では両者が同一温度にな
り、該速度ゾーン12Bで前述した冷却が行われ、その
後更に空冷され、CT計16では正確なCTが実測され
ている様子が示してある。
【0060】従って、鋼板Sの温度が、太い実線3で示
す鉄のフェライト変態開始曲線に達し、結晶変態を開始
する時点では、FDT計14による実測FDTが場所に
よって異なっている場合でも、略同一温度にすることが
できるため、鋼板Sの強度等の機械的特性(物性)のば
らつきをより減少できる。
【0061】図6は、FDT変動と速度変動の合計に基
づいて注水距離を修正する従来方法を適用した場合の鋼
板の冷却履歴を示す上記図5に相当する図面である。こ
の図6から明らかなように、従来法では、CTを目標温
度に制御できたとしても、鋼板Sが結晶変態を開始する
時点で温度が大きく異なったままであるため、機械的特
性のばらつきが大きくなることが判る。
【0062】図7は、本発明に係る第2実施例の巻取温
度制御方法に適用する冷却設備12の特徴を示す前記図
1に相当する図面で、図8は前記図2に相当する図面で
ある。本実施例は、FDT計14で実測したFDTに精
度上無視できない、前記図14に示した短周期変動SF
が含まれている場合を適用対象としている。
【0063】本実施例に適用される冷却設備12は、そ
の内部の速度ゾーン12Bの後方に、更に補償ゾーン1
2Cを設け、該補償ゾーン12Cで以下に詳述する冷却
制御を行うようにした以外は、前記第1実施例に適用し
た冷却設備12と実質的に同一である。
【0064】本実施例においては、図8に示すように、
FDTゾーン12A及び速度ゾーン12Bにおいては、
前記第1実施例と同様に注水距離の設定とその修正とを
行うと共に、実測FDTを信号処理して除外した短周期
変動SFに対して修正する注水距離を推定演算し、推定
したその注水距離になるように上記補償ゾーン12Cに
おいて注水ヘッダ18の切換えを行う。
【0065】具体的には、FDTゾーン12A及び速度
ゾーン12Bでそれぞれ注水制御した結果、未だ存在す
る実測FDTの短周期変動とスケジュールから予測され
る速度(変動を含む)から目標のCTを得るために必要
な注水距離を推定演算する。
【0066】ここでの注水距離の推定演算は、前記図4
に示したフローで、(2)の「FDT」を「現在位置で
の計算温度」に置き換えることにより、前述した計算手
順に従って同様に行うことができる。
【0067】上記のように推定演算した注水距離を補償
ゾーン12Cで修正する方法としては、補償ゾーン12
C内に存在する注水ヘッダの数がMであるとすると、
(M/2)個のヘッダから注水する状態をここでの初期
状態(FDTゾーン12A及び速度ゾーン12Bで適切
な冷却制御が行われた状態)として設定し、注水距離を
長くするときは未注水の(M/2)個のヘッダの中から
必要な数を選択して注水状態とし、逆に短くするときに
は注水中のヘッダの数を減らすようにして注水量の修正
を行う。その際、FDTゾーン12Aで行う注水距離の
修正と同様に、注水系切換え応答時間を考慮してノズル
の開閉を行うことは言うまでもない。
【0068】本実施例によれば、実測FDTから短周期
変動SFを除外し、それをなだらかな曲線にすることに
より、FDTゾーン12Aにおける注水距離の推定演算
を簡単化できると共に、この簡単化のために除外した短
周期変動SFに対しても適切に冷却温度の修正を行うこ
とが可能となるため、上記短周期変動が精度上無視でき
ない場合でも、高精度な巻取温度制御を行うことが可能
となる。
【0069】以上詳述した第1及び第2実施例において
注水距離を修正する際、FDTゾーン12A、速度ゾー
ン12B、補償ゾーン12Cのいずれにおいても、例え
ば仮想切板i から仮想切板i +1になるときに1度に2
以上の制御ユニット(注水ヘッダ)を増減する必要があ
る場合には、それを制御ユニットを単位に注水距離の修
正タイミングを切換えるようにし、更に制御精度を向上
することもできる。
【0070】これを、図9を用いて具体的に説明する
と、i →i +1→i +2の順に切換わる仮想切板に対し
て修正する注水距離が、実線矢印で示すように注水ヘッ
ダの数でそれぞれ3個、2個と増える場合には、破線矢
印で示すようにタイミング tiと ti+1 の間を3等分
(内挿)し、タイミング ti+1 と ti+2 の間を2等分し
て1つの注水ヘッダを単位に切換わるように時間タイミ
ングを設定するようにする。このタイミングは、時間を
基準に設定する場合に限らず、鋼板Sの進行長を基準に
してそれを3等分、2等分するようにしてもよい。実際
には、仮想切板を進行長で管理することが多いので、タ
イミング設定も進行長基準で行う方が望ましい。
【0071】以上、本発明について、具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0072】例えば、前記実施例では、注水量が注水距
離である場合を示したが、注水量の修正をノズル等のア
クチュエータの開度を調整して行ってもよい。
【0073】又、前記実施例では、FDTゾーンを速度
ゾーンの前に設けたが、逆にFDTゾーンを後に設けて
もよい。
【0074】又、前記FDTゾーン12Aでは、制御性
を更に高めるために、配設されているヘッダを2分し、
FDTが上昇する変動に対して注水量を増加させるため
のヘッダと、逆に下降する変動に対して注水量を減少さ
せるヘッダとに使い分けるようにしてもよい。
【0075】又、速度変動中の注水量の設定方法も、前
記図2に示した方法に限定されない。
【0076】又、冷却水の注水を可能とするためのアク
チュエータとしては、前記バルブに限定されない。
【0077】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
スケジュールに従って熱間圧延される圧延板をコイラー
で巻取る際、仮想切板に対する注水量が急激に変化する
場合でも、制御性を低下させることなく、高精度に目標
の巻取温度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に適用される熱間圧延ライ
ンにおける冷却設備の位置関係を示す説明図
【図2】第1実施例で速度変動時に設定する注水距離の
特徴を説明するための線図
【図3】第1実施例による注水制御の特徴を示す線図
【図4】注水距離の推定演算の手順を示すブロック線図
【図5】第1実施例による鋼板の冷却履歴を示す線図
【図6】従来方法による鋼板の冷却履歴を示す線図
【図7】本発明に係る第2実施例に適用される冷却設備
の特徴を示す説明図
【図8】第2実施例による注水制御の特徴を示す線図
【図9】制御ユニットを単位に注水するタイミングを説
明する線図
【図10】従来の冷却設備の配置関係を示す説明図
【図11】冷却設備内部の注水系の要部構成の概略を示
す斜視図
【図12】仮想切板を説明するための線図
【図13】一般的な圧延スケジュールによる速度変動を
示す線図
【図14】FDT変動の原因を説明するための線図
【図15】従来の注水制御の特徴を説明するための線図
【図16】従来の仕上圧延で仮想切板毎に設定する注水
距離を概念的に示す線図
【符号の説明】
10…コイラー 12…冷却設備 12A…FDTゾーン 12B…速度ゾーン 12C…調整ゾーン 14…FDT計 16…CT計 18…注水ヘッダ 20…バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 伸宏 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼開発・生産本部千葉製鉄所 内 (72)発明者 丸井 智敬 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼開発・生産本部技術研究本 部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱間圧延プロセスで仕上圧延した圧延板を
    冷却設備に進入させ、該圧延板に冷却水を注水して所定
    の巻取温度に冷却する際、 冷却水の注水量を、圧延板に仮想的に設定した所定長さ
    の仮想切板毎に、実測した仕上圧延機出側温度と予め設
    定してある通板速度とに基づいて推定し、 推定した注水量の冷却水を、通板方向に沿って配設され
    た注水手段により、該当する仮想切板が到達するタイミ
    ングに合せて該仮想切板に注水する熱間圧延巻取温度制
    御方法において、 仕上圧延機出側温度の変動に対して修正する注水量と、
    通板速度の変動に対して修正する注水量とを別々に求
    め、且つ求められた各修正注水量の冷却水をそれぞれ異
    なる注水手段から注水することを特徴とする熱間圧延巻
    取温度制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 仕上圧延機出側温度の変動に対する修正注水量の冷却水
    を、通板速度の変動に対する修正注水量の冷却水より上
    流で注水することを特徴とする熱間圧延巻取温度制御方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1において、 仕上圧延機出側温度の変動に対する修正注水量を、仕上
    圧延機出側温度の連続的な実測値に含まれる精度上無視
    できる振幅の短周期変動を除外し、残りの仕上圧延機出
    側温度の変動に基づいて推定することを特徴とする熱間
    圧延巻取温度制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、 仕上圧延機出側温度の変動に対する修正注水量を、仕上
    圧延機出側温度の連続的な実測値に含まれる短周期変動
    を除外し、残りの仕上圧延機出側温度の変動に基づいて
    推定すると共に、 上記残りの仕上圧延機出側温度の変動に基づいて推定さ
    れる修正注水量の冷却水を注水した場合に発生が予測さ
    れる目標巻取温度からの誤差を、該残りの仕上圧延機出
    側温度の変動及び通板速度の変動に基づく両修正注水量
    の冷却水を注水した後に補償することを特徴とする熱間
    圧延巻取温度制御方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、 通板速度が変動中にある仮想切板に対する注水量を、仕
    上圧延機出側温度の基準値と設定通板速度とに基づいて
    予め推定計算してある変動前の注水量から、同様に推定
    計算してある変動後の注水量に向って任意の割合で漸増
    又は漸減する値に簡易設定することを特徴とする熱間圧
    延巻取温度制御方法。
  6. 【請求項6】請求項4において、 通板速度が線形の変動中にある仮想切板に対する注水量
    を、線形に漸増又は漸減する値に簡易設定することを特
    徴とする熱間圧延巻取温度制御方法。
  7. 【請求項7】請求項1において、 仮想切板に対する注水タイミングを、冷却手段の最小単
    位である制御ユニットを単位に設定することを特徴とす
    る熱間圧延巻取温度制御方法。
JP6223542A 1994-09-19 1994-09-19 熱間圧延巻取温度制御方法 Pending JPH0890036A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20010019326A (ko) * 1999-08-26 2001-03-15 이구택 미니밀 공정에서의 열연 강판 후단부 권취 온도 제어방법
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