JP6434876B2 - 車体後部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、左右のリヤフレームの後端部にバンパビームが架け渡される車体後部構造に関する。
車体後部構造のなかには、左右のリヤフレームの車体前方側に前方座屈基準孔や折れビードが形成され、車体後方側に後方座屈基準孔や折れビードが形成されたものが知られている。車体前方側の折れビードが前方座屈基準孔の車幅方向内側に形成される。また、車体後方側の折れビードが後方座屈基準孔の車幅方向外側に形成される(例えば、特許文献1参照。)。
この車体後部構造によれば、車体前方側の折れビードと、車体後方側の折れビードとが車幅方向に互い違いに形成される。よって、リヤバンパビームに入力した衝撃荷重でリヤフレームが水平方向に折り曲げられ、リヤバンパビームに入力した衝撃荷重を吸収することが可能である。
ここで、自動車のなかには、ガソリンタンクやIPU(インテリジェントパワーユニット)などが左右のリヤフレーム間に設けられるものがある。IPUとは、ハイブリッド車両(HEV:Hybrid Electric Vehicle)に用いられ、燃費向上や排気ガスを低減する車載用のインバータをいう。
これらの自動車においては、リヤバンパビームに入力した衝撃荷重でリヤフレームが水平方向に折り曲げられる際に、折り曲げられたリヤフレームがガソリンタンクやIPUなどに接触することが考えられる。このため、接触による傷が付かないように、これらの設置箇所が限定されてしまう。
また、折り曲げられたリヤフレームによるガソリンタンクやIPUなどへの接触を防ぐため、リヤフレームの変形量を確保する妨げになる虞がある。
特開2013−233898号公報
本発明は、ガソリンタンクやIPUなどにリヤフレームが接触することを防止でき、リヤフレームの変形量を確保できる車体後部構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体後部の左右側に配置されて車体前後方向に延び、閉断面に形成されるリヤフレームと、前記リヤフレームのそれぞれの後端部に架け渡されることにより車幅方向に延びるバンパビームと、を備える車体後部構造において、前記リヤフレームは、該リヤフレームの下半部が上半部より大きな板厚寸法に形成され、前記リヤフレームに車体前方から車体後方へ順に離間するように設けられ、かつ、前記リヤフレームの他の部位より強度の低い第1ソフトゾーン、第2ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンを有し、前記第1ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーン間に第2ソフトゾーンが配置され、第2ソフトゾーンは、前記リヤフレームの全周にリング状に設けられ、前記第1ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンは、前記リヤフレームの下半部に設けられる車体後部構造を提供する。
このように、リヤフレームの下半部を上半部より大きな板厚寸法に形成した。また、中間に位置する第2ソフトゾーンをリヤフレームの全周にリング状に形成した。よって、第2ソフトゾーンにおいて下半部の剛性が低く抑えられ、上半部の強度が下半部よりさらに低く抑えられる。これにより、リヤフレームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、第2ソフトゾーンの上半部を起点にして第2ソフトゾーンを下方向へ谷折り状態に安定して折り曲げることができる。
さらに、第1ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンをリヤフレームの下半部に形成した。よって、リヤフレームの下半部において、第1ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンの剛性が低く抑えられる。これにより、リヤフレームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、第1ソフトゾーンの下半部を起点にして第1ソフトゾーンを上方向へ山折り状態に折り曲げることができる。同様に、第3ソフトゾーンの下半部を起点にして第3ソフトゾーンを上方向へ山折り状態に折り曲げることができる。
このように、第2ソフトゾーンをリヤフレームの全周にリング状に形成して第2ソフトゾーンを谷折り状態に安定して折り曲げるようにした。よって、リヤフレームを第1ソフトゾーン、第2ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンで上下方向に確実に折り曲げることができる。
これにより、左右のリヤフレーム間に設けられたガソリンタンクやIPUなどにリヤフレームが接触することを抑え、ガソリンタンクやIPUなどを保護できる。
また、ガソリンタンクやIPUなどへのリヤフレームの接触を抑えることにより、リヤフレームの変形量を確保できる。これにより、リヤフレームに車体後方から入力した衝撃荷重をリヤフレームの変形により良好に吸収できる。
さらに、第2ソフトゾーンをリヤフレームの全周にリング状に形成することにより、第2ソフトゾーンにおいて下半部の剛性が低く抑えられる。よって、リヤフレームの下半部を上半部の板厚寸法より大きく形成しても、リヤフレームを上下方向に確実に折り曲げることができる。
これにより、リヤフレームの下半部と上半部との板厚寸法を異ならせることが可能になり、リヤフレームの軽量化を図ることができる。
請求項2に係る発明では、好ましくは、前記リヤフレームは、前記下半部が下部材で形成され、前記上半部が上部材で形成されることにより、前記下部材および前記上部材に2分割され、該上部材が前記下部材に上方から設けられることにより、前記下部材および前記上部材で前記閉断面が形成される。
このように、下半部を下部材で形成し、上半部を上部材で形成することにより、第2ソフトゾーンにおいて下部材の剛性が低く抑えられ、上部材の剛性が下部材よりさらに低く抑えられる。また、第2ソフトゾーンをリヤフレームの全周にリング状に形成した。
これにより、リヤフレームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、第2ソフトゾーンの上部材を起点にして第2ソフトゾーンを下方向へ谷折り状態に安定して折り曲げることができる。
さらに、第1ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンを下部材に形成した。よって、下部材において、第1ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンの剛性が低く抑えられる。これにより、リヤフレームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、第1ソフトゾーンの下部材を起点にして第1ソフトゾーンを上方向へ山折り状態に折り曲げることができる。同様に、第3ソフトゾーンの下部材を起点にして第3ソフトゾーンを上方向へ山折り状態に折り曲げることができる。
このように、第2ソフトゾーンをリヤフレームの全周にリング状に形成して第2ソフトゾーンを谷折り状態に安定して折り曲げるようにした。よって、リヤフレームを第1ソフトゾーン、第2ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンで上下方向に確実に折り曲げることができる。
これにより、左右のリヤフレーム間に設けられたガソリンタンクやIPUなどにリヤフレームが接触することを抑え、ガソリンタンクやIPUなどを保護できる。
また、ガソリンタンクやIPUなどへのリヤフレームの接触を抑えることにより、リヤフレームの変形量を確保できる。これにより、リヤフレームに車体後方から入力した衝撃荷重をリヤフレームの変形により良好に吸収できる。
さらに、第2ソフトゾーンをリヤフレームの全周にリング状に形成することにより、第2ソフトゾーンにおいて下部材の剛性が低く抑えられる。よって、リヤフレームの下部材を上部材の板厚寸法より大きく形成しても、リヤフレームを上下方向に確実に折り曲げることができる。
これにより、リヤフレームの下部材と上部材との板厚寸法を異ならせることが可能になり、リヤフレームの軽量化を図ることができる。
請求項3に係る発明では、好ましくは、前記リヤフレームは、前記リヤフレームの後端部から前記第3ソフトゾーンにかけて前記閉断面の断面積を連続的に小さくする。
このように、リヤフレームの後端部から第3ソフトゾーンにかけて閉断面の断面積を連続的に小さくした。よって、リヤフレームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、第3ソフトゾーンに応力を集中させることができる。
これにより、第3ソフトゾーンの折曲がりを誘発し、かつ、第3ソフトゾーンから第2ソフトゾーン、第1ソフトゾーンへ順に上下方向に折ることができる。
請求項4に係る発明では、好ましくは、前記第1ソフトゾーンは、前記第2ソフトゾーンおよび前記第3ソフトゾーンより車体前後方向の幅寸法が大きい。
このように、第1ソフトゾーンの車体前後方向の幅寸法を、第2ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンより大きくした。よって、第3ソフトゾーン、第2ソフトゾーンを折り曲げた後、第1ソフトゾーンを上方向へ山折り状態に安定して折り曲げることができる。これにより、リヤフレームに車体後方から入力した衝撃荷重をリヤフレームの変形により一層良好に吸収できる。
請求項5に係る発明では、好ましくは、前記上部材は、車体前後方向に延びる頂部と、該頂部の内辺から下方向へ張り出される上内壁と、前記頂部の外辺から下方向へ張り出される上外壁と、前記上内壁の下辺から車幅方向内側に張り出される上内フランジと、前記上外壁の下辺から車幅方向外側に張り出される上外フランジと、を有し、前記頂部、前記上内壁、前記上外壁、前記上内フランジおよび前記上外フランジで前記上部材が上方向へ膨出する断面略ハット状に形成され、前記頂部および前記上内壁の交差により車体前後方向に延びる内上稜線が形成され、前記頂部および前記上外壁の交差により車体前後方向に延びる外上稜線が形成され、該外上稜線の前記第2ソフトゾーンに、前記リヤフレームの内部へ向けて凹む上凹部が設けられる。
ここで、例えば、バンパビームの車幅方向中央に車体後方から衝撃荷重が入力した場合、上部材の内上稜線に比べて外上稜線に小さな荷重が入力する。このため、第2ソフトゾーンの外上稜線を内上稜線に比べて好適に折り曲げることが難しくなることが考えられる。
そこで、請求項5において、外上稜線の第2ソフトゾーンに上凹部を設けるようにした。よって、バンパビームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、上凹部に応力を集中させて、外上稜線の折れ曲がりを上凹部から誘発させることができる。これにより、第2ソフトゾーンの外上稜線を内上稜線と同様に好適に折り曲げることができ、第2ソフトゾーンを安定的に折り曲げることができる。
請求項6に係る発明では、好ましくは、前記下部材は、車体前後方向に延びる底部と、該底部の内辺から上方向へ張り出される下内壁と、前記底部の外辺から上方向へ張り出される下外壁と、前記下内壁の上辺から車幅方向内側に張り出される下内フランジと、前記下外壁の上辺から車幅方向外側に張り出される下外フランジと、を有し、前記底部、前記下内壁、前記下外壁、前記下内フランジおよび前記下外フランジで前記下部材が下方向へ膨出する断面略ハット状に形成され、前記下内壁および前記下内フランジの交差により車体前後方向に延びる内フランジ稜線が形成され、前記下外壁および前記下外フランジの交差により車体前後方向に延びる外フランジ稜線が形成され、前記内フランジ稜線、前記外フランジ稜線は、前記第2ソフトゾーンに、前記リヤフレームの外部へ向けて突出するフランジ凸部が設けられる。
このように、内フランジ稜線、前記外フランジ稜線の第2ソフトゾーンにフランジ凸部を設けた。よって、バンパビームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、フランジ凸部に応力を集中させて、内フランジ稜線、外フランジ稜線の折れ曲がりをフランジ凸部から誘発させることができる。これにより、第2ソフトゾーンをフランジ凸部で一層安定的に折り曲げることができる。
請求項7に係る発明では、好ましくは、前記下部材は、該下部材の底部において、前記第1ソフトゾーン、前記第2ソフトゾーン、前記第3ソフトゾーンのうち、隣接するソフトゾーン間に車体前後方向へ延びるビードが設けられる。
このように、下部材の底部で、かつ、隣接するソフトゾーン間にビードを設け、ビードを車体前後方向へ延ばした。よって、隣接するソフトゾーン間をビードで補強することができる。
これにより、バンパビームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、隣接するソフトゾーン間の折れ曲がりを防止し、第1ソフトゾーン、第2ソフトゾーン、第3ソフトゾーンでリヤフレームを確実に折り曲げることができる。
請求項8に係る発明では、好ましくは、前記下部材は、前記底部および前記下内壁の交差により車体前後方向に延びる内下稜線が形成され、前記底部および前記下外壁の交差により車体前後方向に延びる外下稜線が形成され、前記内下稜線、前記外下稜線は、前記第1ソフトゾーンに、前記リヤフレームの内部へ向けて凹む底凹部が設けられる。
このように、内下稜線、外下稜線の第1ソフトゾーンに底凹部を設けた。よって、バンパビームに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、底凹部に応力を集中させて、内下稜線、外下稜線の折れ曲がりを底凹部から誘発させることができる。これにより、第1ソフトゾーンを底凹部で安定的に折り曲げることができる。
請求項9に係る発明では、好ましくは、前記バンパビームは、車体前方に設けられるビーム前壁と、該ビーム前壁の車体後方に設けられるビーム後壁と、前記ビーム前壁および前記ビーム後壁の各上辺に設けられたビーム上部と、前記ビーム前壁および前記ビーム後壁の各下辺に設けられたビーム下部と、前記ビーム上部および前記ビーム下部間に配置され、前記ビーム前壁および前記ビーム後壁の各中央に設けられるビーム仕切部と、を有し、前記ビーム前壁、前記ビーム後壁、前記ビーム上部、前記ビーム下部および前記ビーム仕切部で前記バンパビームが断面略8の字状に形成され、前記ビーム前壁のうち前記ビーム仕切部の上方の上前壁、前記ビーム後壁のうち前記ビーム仕切部の上方の上後壁、前記ビーム上部および前記ビーム仕切部で上ビーム部が形成され、前記ビーム前壁のうち前記ビーム仕切部の下方の下前壁、前記ビーム後壁のうち前記ビーム仕切部の下方の下後壁および前記ビーム下部で下ビーム部が形成され、前記下ビーム部の板厚寸法が前記上ビーム部より小さい。
ここで、バンパビームが車高の高いSUV(Sport Utility Vehicle)などに用いられることが考えられる。SUVは車高が高いため、バンパビームが通常の自動車と比べて高い位置に配置される。このため、SUVの走行中に通常の自動車が車両後方から衝突(以下、「高速衝突」という)した場合、SUVのバンパビームの下半部に衝撃荷重が入力する。
そこで、請求項9において、バンパビームの下ビーム部の板厚寸法を上ビーム部より小さくした。よって、高速衝突により下ビーム部に衝撃荷重が入力した場合、下ビーム部を潰して衝撃荷重を好適に吸収できる。これにより、下ビーム部からリヤフレームに伝えられる荷重を下ビーム部で調整でき、リヤフレームの変形モードを調整(コントロール)できる。
また、バンパビームは車両後方からバンパで覆われている。よって、SUVを後進低速走行で車庫入れ中にバンパが壁部などに衝突(以下、「低速衝突」という)した場合、衝撃荷重がバンパを経てバンパビームの全面に入力する。
そこで、バンパビームの上ビーム部の板厚寸法を下ビーム部より大きくした。これにより、低速衝突によりバンパビームの全面に入力した衝撃荷重をバンパビームで支えることができ、リヤフレームなどの車体骨格部材の変形を防ぐことができる。
このように、バンパビームの下ビーム部の板厚寸法を上ビーム部より小さくして、下ビーム部と上ビーム部との剛性を変えるようにした。これにより、SUVの走行中や車庫入れ中の両衝突に対応することができる。すなわち、バンパビームに高速衝突性能と軽衝突性能との両性能を持たせることができる。
本発明によれば、リヤフレームを上下方向に変形させることによりリヤフレームがガソリンタンクやIPUなどに接触することを抑えることができる。これにより、ガソリンタンクやIPUなどを保護でき、さらに、リヤフレームの変形量を確保できる。
本発明に係る実施例1の車体後部構造を示す斜視図である。 図1の車体後部構造の左側部を示す斜視図である。 図3の車体後部構造の左側部を示す分解斜視図である。 図3の車体後部構造の左側部を車体前後方向の略中央で破断した状態を示す斜視図である。 図4の5−5線断面図である。 図3の左リヤフレームの下部材を示す平面図である。 図2の7−7線断面図である。 図2の8−8線断面図である。 図2の車体後部構造の左側部を車体後側下方から見た状態を示す斜視図である。 図9の10矢視図である。 実施例1の車体後部構造に高速衝突による衝撃荷重が入力する例を説明する図である。 実施例1のバンパビームの下ビーム部を衝撃荷重で変形する例を説明する図である。 実施例1の左リヤフレームを上下方向に変形する例を説明する図である。 実施例1の左リヤフレームを上下方向に変形させて衝撃荷重を吸収する例を説明する図である。 実施例1の車体後部構造に低速衝突により入力した衝撃荷重をバンパビームで支える例を説明する図である。 (a)は本発明に係る実施例2の左リヤフレームを示す斜視図であり、(b)は図16(a)の16b−16b線断面図である。 本発明に係る実施例3の左リヤフレームを示す断面図である。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前(Fr)」、「後(Rr)」、「左(L)」、「右(R)」は運転者から見た方向にしたがう。
実施例1に係る車体後部構造10について説明する。
図1に示すように、車体後部構造10は、車体後部11の左右側に設けられる左リヤフレーム13および右リヤフレーム13と、左リヤフレーム13の後端部13aに設けられる左連結部14と、右リヤフレーム13の後端部13aに設けられる右連結部14と、左右の連結部14に車体後方から取り付けられるバンパビーム15と、バンパビーム15を車体後方から覆うバンパ16とを備える。
左リヤフレーム13および右リヤフレーム13間に物品収納パネル(タイヤパン)17が設けられる。また、物品収納パネル17にはIPU18や高電圧バッテリ19などが設けられる。IPU18は、ハイブリッド車両に用いられ、燃費向上や排気ガスを低減するインバータである。
さらに、物品収納パネル17の下方にはガソリンタンク20が設けられている。
また、左リヤフレーム13および右リヤフレーム13にそれぞれサイドパネル21が設けられる。
この車体後部構造10は、例えば、車高の高いSUV(スポーツ用多目的車)などに用いられる。よって、バンパビーム15が通常の自動車より高い位置に配置される。
なお、車体後部構造10は左右略対称の構造である。よって、車体後部構造10の左側部材および右側部材に同じ符号を付して左側部材について詳説し、右側部材の説明を省略する。
図2、図3に示すように、左リヤフレーム13は、車体後部11の左側に配置された状態で車体前後方向に延出され、下部材22と上部材23とに2分割される。すなわち、左リヤフレーム13は、左リヤフレーム13の下半部を形成する下部材22と、左リヤフレーム13の上半部を形成する上部材23とを備える。
下部材22および上部材23は、例えば、ホットスタンプ成形で形成される。ホットスタンプ成形は、WO2015/001114号公報に開示されているように一般的に知られた技術である。
左リヤフレーム13に第1ソフトゾーン24、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26が車体前方から車体後方へ向けて順に離間するように設けられる。
第1ソフトゾーン24が車体前方側に形成され、第3ソフトゾーン26が車体後方側に形成される。さらに、第1ソフトゾーン24および第3ソフトゾーン26間に第2ソフトゾーン25が形成される。
第1ソフトゾーン24の前側および後側に隣接して第1ソフト移行ゾーン27が設けられる。第2ソフトゾーン25の前側および後側に隣接して第2ソフト移行ゾーン28が設けられる。第3ソフトゾーン26の前側および後側に隣接して第3ソフト移行ゾーン29が設けられる。
ここで、左リヤフレーム13のうち、第1〜第3ソフトゾーン24〜26および第1〜第3ソフト移行ゾーン27〜29を除いた部位は、引張強度1400MPaを超える超高強度部(リヤフレームの他の部位)31である。
第1ソフトゾーン24、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26は、引張強度500〜1000MPaに抑えられ、超高強度部31より強度の低い高強度部である。
第1ソフト移行ゾーン27、第2ソフト移行ゾーン28および第3ソフト移行ゾーン29は、引張強度(1400MPa)と引張強度(500〜1000MPa)との間で強度が緩やかに移行する強度移行部である。
図4、図5に示すように、下部材22は、底部33、下内壁34、下外壁35、下内フランジ36および下外フランジ37を有する。下部材22は板厚寸法T1に形成される。下部材22の板厚寸法T1は、上部材23の板厚寸法T2より大きい。
底部33は、水平に配置された状態で車体前後方向へ延出され、後端部33aの近傍に底傾斜部38(図9も参照)を有する。底傾斜部38は、底部33の後端部33aから第3ソフトゾーン26にかけて上り勾配に形成される。
下内壁34は、底部33の内辺から上方向へ張り出されることにより車幅方向内側に立ち上げられる。下外壁35は、底部33の外辺から上方向へ張り出されることにより車幅方向外側に立ち上げられる。
下内フランジ36は、下内壁34の上辺から車幅方向内側へ略水平に張り出される。下外フランジ37は、下外壁35の上辺から車幅方向外側へ略水平に張り出される。
底部33、下内壁34、下外壁35、下内フランジ36および下外フランジ37で下部材22が下方向へ膨出する断面略ハット状に形成される。
また、底部33および下内壁34の交差により内下稜線41が車体前後方向に延びるように形成される。同様に、底部33および下外壁35の交差により外下稜線42が車体前後方向に延びるように形成される。
さらに、下内壁34および下内フランジ36の交差により下内フランジ稜線(内フランジ稜線)44が車体前後方向に延びるように形成される。同様に、下外壁35および下外フランジ37の交差により下外フランジ稜線(外フランジ稜線)45が車体前後方向に延びるように形成される。
上部材23は、板厚寸法T2に形成され、頂部51、上内壁52、上外壁53、上内フランジ54および上外フランジ55を有する。頂部51は、水平に配置された状態で車体前後方向へ延出される。上内壁52は、頂部51の内辺から下方向へ張り出される車幅方向内側に垂下される。上外壁53は、頂部51の外辺から下方向へ張り出されることにより車幅方向外側に垂下される。
上内フランジ54は、上内壁52の下辺から車幅方向内側に略水平に張り出される。上外フランジ55は、上外壁53の下辺から車幅方向外側に略水平に張り出される。
頂部51、上内壁52、上外壁53、上内フランジ54および上外フランジ55で上部材23が上方向へ膨出する断面略ハット状に形成される。
また、頂部51および上内壁52の交差により内上稜線57が車体前後方向に延びるように形成される。同様に、頂部51および上外壁53の交差により外上稜線58が車体前後方向に延びるように形成される。
さらに、上内壁52および上内フランジ54の交差により上内フランジ稜線61が車体前後方向に延びるように形成される。同様に、上外壁53および上外フランジ55の交差により上外フランジ稜線62が車体前後方向に延びるように形成される。
上部材23が下部材22に上方から重ね合わされる。上内フランジ54および下内フランジ36が、上下の内フランジ54,36間に物品収納パネル17のフランジ17aが介在された状態においてスポット溶接などで接合される。
また、上外フランジ55および下外フランジ37が、上下の外フランジ55,37間にサイドパネル の内辺17aが介在された状態においてスポット溶接などで接合される。
よって、上部材23が下部材22に上方から重ね合わされた状態に接合される。これにより、上部材23および下部材22で左リヤフレーム13が略矩形状の閉断面に形成される。
左リヤフレーム13に、第1ソフトゾーン24(図3参照)、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26が設けられる。
図6、図7に示すように、第1ソフトゾーン24は、下部材22のみに設けられることにより、下部材22と同様に断面略ハット状に形成される。第1ソフトゾーン24は、車体前後方向の幅寸法W1で形成される。第1ソフトゾーン24の幅寸法W1は、第2ソフトゾーン25の幅寸法W2および第3ソフトゾーン26の幅寸法W3より大きい。
第1ソフトゾーン24に隣接する第1ソフト移行ゾーン27も、第1ソフトゾーン24と同様に、下部材22のみに設けられることにより断面略ハット状に形成される。
第1ソフトゾーン24が下部材22のみに形成されることにより、左リヤフレーム13の下部材22(すなわち、下半部)において第1ソフトゾーン24の剛性が低く抑えられる。
これにより、左リヤフレーム13の後端部13a(図2参照)に車体後方から衝撃荷重が入力した場合、左リヤフレーム13が第1ソフトゾーン24を起点にして上方向へ山折り状態に折り曲げられる。
図6、図8に示すように、第2ソフトゾーン25は、下部材22および上部材23(すなわち、左リヤフレーム13の全周)に設けられることにより、左リヤフレーム13と同様にリング状に形成される。この第2ソフトゾーン25は、車体前後方向の幅寸法W2で形成される。
第2ソフトゾーン25に隣接する第2ソフト移行ゾーン28も、第2ソフトゾーン25と同様に、左リヤフレーム13の全周に設けられることによりリング状に形成される。
ここで、下部材22の板厚寸法T1が上部材23の板厚寸法T2より大きく形成されている。よって、第2ソフトゾーン25において、下部材22の剛性が低く抑えられ、下部材22の剛性より上部材23の剛性がさらに低く抑えられる。
これにより、左リヤフレーム13の後端部13a(図2参照)に車体後方から衝撃荷重が入力した場合、左リヤフレーム13が第2ソフトゾーン25の上部材23を起点にして下方向へ谷折り状態に折り曲げられる。
また、第2ソフトゾーン25がリング状に形成されることにより、下部材22の剛性が低く抑えられている。よって、第2ソフトゾーン25の上部材23を起点にして左リヤフレーム13が下方向へ谷折り状態に安定的に折り曲げられる。
図5、図6に示すように、第3ソフトゾーン26は、第1ソフトゾーン24と同様に、下部材22のみに設けられることにより、下部材22と同様に断面略ハット状に形成される。この第3ソフトゾーン26は、車体前後方向の幅寸法W3で形成される。
第3ソフトゾーン26に隣接する第3ソフト移行ゾーン29も、第3ソフトゾーン26と同様に、下部材22のみに設けられることにより断面略ハット状に形成される。
第3ソフトゾーン26が下部材22のみに形成されることにより、左リヤフレーム13の下部材22(すなわち、下半部)において第3ソフトゾーン26の剛性が低く抑えられる。
これにより、左リヤフレーム13の後端部13a(図2参照)に車体後方から衝撃荷重が入力した場合、左リヤフレーム13が第3ソフトゾーン26を起点にして上方向へ山折り状態に折り曲げられる。
このように、第2ソフトゾーン25を左リヤフレーム13の全周にリング状に形成することにより第2ソフトゾーン25を谷折り状態に安定的に折り曲げるようにした。さらに、第1ソフトゾーン24および第3ソフトゾーン26を下部材22のみに形成することにより、各ソフトゾーン24,26を山折り状態に折り曲げるようにした。
これにより、左リヤフレーム13が第1ソフトゾーン24、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26で上下方向へ確実に折り曲げることができる。
さらに、第2ソフトゾーン25を左リヤフレーム13の全周にリング状に形成することにより、第2ソフトゾーン25において下部材22の剛性が低く抑えられる。よって、下部材22の板厚寸法T1を上部材23の板厚寸法T2より大きく形成しても、左リヤフレーム13を上下方向に確実に折り曲げることができる。
これにより、左リヤフレーム13の下部材22と上部材23との板厚寸法を異ならせることが可能になり、左リヤフレーム13の軽量化を図ることができる。
ここで、図9に示すように、左リヤフレーム13の底部33には、後端部33aの近傍に底傾斜部38が形成されている。これにより、左リヤフレーム13の後端部13aから第3ソフトゾーン26にかけて左リヤフレーム13の閉断面の断面積が連続的に小さく形成される。
よって、左リヤフレーム13の後端部13aに車体後方から衝撃荷重が入力した場合、第3ソフトゾーン26に応力を集中させることができる。これにより、第3ソフトゾーン26の折曲がりを良好に誘発できる。
このように、第3ソフトゾーン26の折曲がりを良好に誘発することにより、第3ソフトゾーン26から第2ソフトゾーン25、第1ソフトゾーン24へ順に上下方向へ好適に折り曲げることができる。
第1ソフトゾーン24の幅寸法W1を第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26より大きくすることにより、第1ソフトゾーン24の曲げ代を大きく確保できる。よって、第3ソフトゾーン26、第2ソフトゾーン25を折り曲げた後、第1ソフトゾーン24を上方向へ山折り状態に安定して折り曲げることができる。
図8、図9に示すように、左リヤフレーム13は、外上稜線58に形成される上凹部65と、下内フランジ稜線44に形成される内フランジ凸部66と、下外フランジ稜線45に形成される外フランジ凸部67と、底部33に形成される前ビード68および後ビード69と、内下稜線41に形成される内底凹部71(図7も参照)と、外下稜線42に形成される外底凹部72とを有する。
図2、図8に示すように、上凹部65は、外上稜線58の第2ソフトゾーン25において、左リヤフレーム13の内部74へ向けて凹むように形成される。外上稜線58の第2ソフトゾーン25に上凹部65を形成した理由はつぎの通りである。
すなわち、左連結部14は後壁14aが車幅方向内側に向かうにつれて車体後方に傾斜されている。後壁14aが傾斜されることにより、左連結部14の内壁14bが外壁14cより車体後方に突出されている。さらに、内壁14bが内上稜線57の延長線上に配置され、外壁14cが外上稜線58の延長線上に配置される。
よって、例えば、バンパビーム15の車幅方向中央15a(図1参照)や、バンパビーム15の左端部15bに車体後方から衝撃荷重F1が入力した場合、内上稜線57に入力する荷重F2に比べて外上稜線58に入力する荷重F3が小さくなる。
なお、左連結部14の後壁14aが車幅方向に平行に配置された構成においても、バンパビーム15の車幅方向中央15aに車体後方から衝撃荷重F1が入力した場合に、内上稜線57の荷重F2に比べて外上稜線58の荷重F3が小さくなる。
このように、内上稜線57の荷重F2に比べて外上稜線58の荷重F3が小さくなるため、第2ソフトゾーン25の外上稜線58を内上稜線57に比べて好適に折り曲げることが難しくなることが考えられる。
そこで、外上稜線58の第2ソフトゾーン25に上凹部65を設けるようにした。よって、外上稜線58に荷重F3が入力した場合、上凹部65に応力を集中させて、外上稜線58の折れ曲がりを上凹部65から誘発させることができる。
これにより、第2ソフトゾーン25の外上稜線58を内上稜線57と同様に好適に折り曲げることができ、第2ソフトゾーン25を安定的に折り曲げることができる。
内フランジ凸部66は、下内フランジ稜線44の第2ソフトゾーン25において、左リヤフレーム13の外部75へ向けて突出するように形成される。
外フランジ凸部67は、内フランジ凸部66と左右対称の部位である。すなわち、外フランジ凸部67は、下外フランジ稜線45の第2ソフトゾーン25において、左リヤフレーム13の外部75へ向けて突出するように形成される。
よって、バンパビーム15に車体後方から衝撃荷重F1が入力した場合、内フランジ凸部66および外フランジ凸部67に応力を集中させて、下内フランジ稜線44および下外フランジ稜線45の折れ曲がりを各フランジ凸部66,67から誘発させることができる。
これにより、第2ソフトゾーン25を内フランジ凸部66および外フランジ凸部67で一層安定的に折り曲げることができる。
図4、図9に示すように、前ビード68は、下部材22の底部33のうち、第1ソフトゾーン24および第2ソフトゾーン25間(隣接するソフトゾーン間)の車幅方向中央に形成される。具体的には、前ビード68は、底部33から左リヤフレーム13の内部74に向けて膨出するように形成され、車体前後方向へ延出される。
よって、底部33において、第1ソフトゾーン24および第2ソフトゾーン25間が前ビード68で補強される。
後ビード69は、下部材22の底部33のうち、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26間(隣接するソフトゾーン間)の車幅方向中央に形成される。具体的には、後ビード69は、前ビード68と同様に、底部33から左リヤフレーム13の内部74に向けて膨出するように形成され、車体前後方向へ延出される。
よって、底部33において、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26間が後ビード69で補強される。
すなわち、第1ソフトゾーン24および第2ソフトゾーン25間の超高強度部31が前ビード68で補強され、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26間の超高強度部31が後ビード69で補強される。よって、バンパビーム15に車体後方から衝撃荷重F1が入力した場合、第1ソフトゾーン24および第2ソフトゾーン25間の超高強度部31や第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26間の超高強度部31が折れ曲がることを防止できる。
これにより、第1ソフトゾーン24、第2ソフトゾーン25、第3ソフトゾーン26で左リヤフレーム13を確実に折り曲げることができる。
図7、図9に示すように、内底凹部71は、内下稜線41の第1ソフトゾーン24において、左リヤフレーム13の内部74へ向けて凹むように形成される。
外底凹部72は、内底凹部71と左右対称の部位である。すなわち、外底凹部72は、外下稜線42の第1ソフトゾーン24において、左リヤフレーム13の内部74へ向けて凹むように形成される。
よって、バンパビーム15に車体後方から衝撃荷重F1が入力した場合、内底凹部71および外底凹部72に応力を集中させて、内下稜線41および外下稜線42の折れ曲がりを各底凹部71,72から誘発させることができる。
これにより、第1ソフトゾーン24を内底凹部71および外底凹部72で安定的に折り曲げることができる。
図1、図10に示すように、左リヤフレーム13の後端部13aに左連結部14が設けられ、右リヤフレーム13の後端部13aに右連結部14が設けられる。左連結部14および右連結部14にバンパビーム15が設けられる。すなわち、バンパビーム15が左リヤフレーム13の後端部13aおよび右リヤフレーム13の後端部13aに左右の連結部14を介して架け渡される。
この状態において、バンパビーム15は、車幅方向に延出され、車体後方に向けて膨出するように略湾曲状に形成される。具体的には、バンパビーム15は、ビーム前壁81、ビーム後壁82、ビーム上部83、ビーム下部84およびビーム仕切部85を有する。
ビーム前壁81は、車体前方に向けて配置された状態において、左端部81aが左連結部14の後壁14aに取り付けられ、右端部81bが右連結部14の後壁14aに取り付けられる。
ビーム前壁81は、ビーム仕切部85の上方を形成する上前壁81aと、ビーム仕切部85の下方を形成する下前壁81bとを有する。上前壁81aの板厚寸法T3が3.5mm、下前壁81bの板厚寸法T4が3.0mmである。
ビーム後壁82は、ビーム前壁81の車体後方に間隔をおいて設けられる。ビーム後壁82は、ビーム仕切部85の上方を形成する上後壁82aと、ビーム仕切部85の下方を形成する下後壁82bとを有する。上後壁82aの板厚寸法T5が3.5mm、下後壁82bの板厚寸法T6が2.0mmである。
ビーム上部83は、ビーム前壁81の上辺およびビーム後壁82の上辺に設けられる。ビーム上部83の板厚寸法T7が4.0mmである。
ビーム下部84は、ビーム前壁81の下辺およびビーム後壁82の下辺に設けられる。ビーム下部84は、ビーム前壁81の下辺から車体後方へ張り出される前下部84aと、前下部84aの後端からビーム後壁82の下端まで張り出される後下部84bとを有する。
前下部84aが略水平に形成され、後下部84bが傾斜状に形成される。これにより、ビーム下部84が略V字状に形成される。ビーム下部84の板厚寸法T8が2.0mmである。
ビーム仕切部85は、ビーム上部83およびビーム下部84間に配置され、ビーム前壁81およびビーム後壁82の各中央に設けられる。ビーム仕切部85の板厚寸法T9が3.0mmである。
ビーム前壁81、ビーム後壁82、ビーム上部83、ビーム下部84およびビーム仕切部85でバンパビーム15が断面略8の字状(日の字状)に形成される。
また、ビーム前壁81の上前壁81a、ビーム後壁82の上後壁82a、ビーム上部83およびビーム仕切部85で上ビーム部87が形成される。
上ビーム部87は、上前壁81aの板厚寸法T3が3.5mm、上後壁82aの板厚寸法T5が3.5mm、ビーム上部83の板厚寸法T7が4.0mm、およびビーム仕切部85の板厚寸法T9が3.0mmである。
さらに、ビーム前壁81の下前壁81b、ビーム後壁82の下後壁82bおよびビーム下部84で下ビーム部88が形成される。
下ビーム部88は、下前壁81bの板厚寸法T4が3.0mm、下後壁82bの板厚寸法T6が2.0mm、およびビーム下部84の板厚寸法T8が2.0mmである。
このように、下後壁82bおよびビーム下部84の板厚寸法が2.0mmに抑えられることにより、下ビーム部88の板厚寸法が上ビーム部87より小さく形成される。
下ビーム部88の板厚寸法を上ビーム部87より小さく抑えた理由はつぎの通りである。 すなわち、バンパビーム15が車高の高いSUVなどに用いられる。SUVは車高が高いため、バンパビーム15が通常の自動車と比べて高い位置に配置される。このため、SUVの走行中に通常の自動車が車両後方から衝突(以下、「高速衝突」という)した場合、バンパビーム15の下ビーム部(すなわち、下半部)88に、比較的大きな衝撃荷重F4が入力する。
そこで、バンパビーム15の下ビーム部88の板厚寸法を上ビーム部87より小さくした。よって、高速衝突により下ビーム部88に衝撃荷重F2が入力した場合、下ビーム部88を潰して衝撃荷重F4を好適に吸収できる。
これにより、下ビーム部88から左リヤフレーム13に伝えられる荷重を下ビーム部88で調整でき、左リヤフレーム13の変形モードを調整(コントロール)できる。
また、バンパビーム15は車両後方からバンパ16で覆われている。よって、例えば、SUVを後進低速走行で車庫入れ中にバンパが壁部などに衝突(以下、「低速衝突」という)した場合、比較的微小な衝撃荷重F5がバンパ16を経てバンパビーム15の全面に入力する。
そこで、バンパビーム15の上ビーム部87の板厚寸法を下ビーム部88より大きくした。これにより、低速衝突によりバンパビーム15の全面に入力した衝撃荷重F5をバンパビーム15で支えることができ、左リヤフレーム13などの車体骨格部材の変形を防ぐことができる。
このように、バンパビーム15の下ビーム部88の板厚寸法を上ビーム部87より小さくして、下ビーム部88と上ビーム部87との剛性を変えるようにした。
これにより、バンパビーム15をSUVの高速衝突や低速衝突の両方に対応させることができる。すなわち、バンパビーム15に高速衝突性能と軽衝突性能との両性能を持たせることができる。
つぎに、SUVの走行中に、通常の自動車が車両後方からバンパ16に高速衝突した場合に、高速衝突による衝撃荷重F6を車体後部構造10で吸収する例を図11〜図14に基づいて説明する。
図11(a)に示すように、バンパ16の車幅方向中央15aに車体後方から高速衝突による比較的大きな衝撃荷重F6が入力する。バンパ16が衝撃荷重F6で潰れ、衝撃荷重F6がバンパビーム15(具体的には、下ビーム部88)に入力する。
図11(b)に示すように、下ビーム部88の下後壁82bの板厚寸法T6やビーム下部84の板厚寸法T8が2.0mmと小さく抑えられている。この下後壁82bに衝撃荷重F6が車体後方から入力する。
図12(a)に示すように、下ビーム部88の下後壁82bやビーム下部84に衝撃荷重F6が入力することにより、下後壁82bやビーム下部84が衝撃荷重F6で変形する。
下後壁82bやビーム下部84が変形することにより、衝撃荷重F6の一部が下ビーム部88で吸収される。一部が吸収された衝撃荷重F6が下ビーム部88および左連結部14を経て左リヤフレーム13の後端部13aに入力する。
図12(b)に示すように、第1ソフトゾーン24、第3ソフトゾーン26が下部材22のみに形成されている。よって、左リヤフレーム13の下半部(すなわち、下部材22)において第1ソフトゾーン24、第3ソフトゾーン26の剛性が低く抑えられる。
また、第2ソフトゾーン25が左リヤフレーム13の全周にリング状に形成されている。
図13(a)に示すように、下部材22の板厚寸法T1が上部材23の板厚寸法T2より大きく形成されている。よって、第2ソフトゾーン25がリング状に形成されることにより、第2ソフトゾーン25において、下部材22の剛性が低く抑えられ、上部材23の剛性が下部材22よりさらに低く抑えられる。
図13(b)に示すように、左リヤフレーム13の後端部13aに入力した衝撃荷重F6で、第3ソフトゾーン26を矢印Aの如く山折り状態に折り曲げる。つぎに、第2ソフトゾーン25を矢印Bの如く谷折り状態に折り曲げる。ついで、第1ソフトゾーン24を矢印Cの如く山折り状態に折り曲げる。
図14に示すように、左リヤフレーム13が第1ソフトゾーン24、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26で上下方向に折れ曲がるように変形する。左リヤフレーム13を上下方向に変形させることにより、左リヤフレーム13の後端部13aに入力した衝撃荷重F6を左リヤフレーム13で良好に吸収できる。
ここで、図11(a)に示すように、左リヤフレーム13および右リヤフレーム13間に、ガソリンタンク20、IPU18や高電圧バッテリ19などが設けられている。
よって、左リヤフレーム13を上下方向に折れ曲げるように変形させることにより、ガソリンタンク20、IPU18や高電圧バッテリ19などに左リヤフレーム13が接触することを抑えることができる。これにより、ガソリンタンク20、IPU18や高電圧バッテリ19などを保護できる。
加えて、ガソリンタンク20、IPU18や高電圧バッテリ19などへの左リヤフレーム13の接触を抑えることにより、左リヤフレーム13の変形量を確保できる。
これにより、左リヤフレーム13に車体後方から入力した衝撃荷重F6(図14参照)を左リヤフレーム13の変形により良好に吸収できる。
ここで、図13(b)に示すように、左リヤフレーム13の後端部13aの近傍に底傾斜部38が形成されている。すなわち、左リヤフレーム13の後端部13aから第3ソフトゾーン26にかけて左リヤフレーム13の閉断面の断面積が連続的に小さく形成されている。
よって、左リヤフレーム13の後端部13aに入力した衝撃荷重F6で、第3ソフトゾーン26に応力が集中する。これにより、第3ソフトゾーン26の折曲がりを誘発させて、左リヤフレーム13を第3ソフトゾーン26で山折り状態に矢印Aの如く安定的に折り曲げることができる。
さらに、図13(a)、図13(b)に示すように、外上稜線58の第2ソフトゾーン25に上凹部65が設けられている。よって、左リヤフレーム13の後端部13aに入力した衝撃荷重F6で、上凹部65に応力を集中させて、外上稜線58の折れ曲がりを上凹部65から誘発させることができる。
これにより、前述したように、第2ソフトゾーン25の外上稜線58を内上稜線57と同様に好適に折り曲げ、第2ソフトゾーン25を安定的に折り曲げることができる。
加えて、下内フランジ稜線44の第2ソフトゾーン25に内フランジ凸部66が設けられている。また、下外フランジ稜線45の第2ソフトゾーン25に外フランジ凸部67が設けられている。よって、左リヤフレーム13の後端部13aに入力した衝撃荷重F6で、内フランジ凸部66および外フランジ凸部67に応力を集中させることができる。
これにより、下内フランジ稜線44および下外フランジ稜線45の折れ曲がりを各フランジ凸部66,67から誘発させて、第2ソフトゾーン25を内フランジ凸部66および外フランジ凸部67で安定的に折り曲げることができる。
このように、第2ソフトゾーン25に上凹部65、内フランジ凸部66および外フランジ凸部67が設けられる。これにより、左リヤフレーム13を第2ソフトゾーン25で谷折り状態に矢印Bの如く安定的に折り曲げることができる。
また、第1ソフトゾーン24の幅寸法W1が第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26より大きく形成されている。よって、第1ソフトゾーン24の曲げ代が大きく確保されている。
これにより、第3ソフトゾーン26、第2ソフトゾーン25を折り曲げた後、第1ソフトゾーン24を安定的に折り曲げることができる。
さらに、内下稜線41の第1ソフトゾーン24に内底凹部71(図7参照)が設けられている。また、外下稜線42の第1ソフトゾーン24に外底凹部72が設けられている。よって、左リヤフレーム13の後端部13aに入力した衝撃荷重F6で、内底凹部71および外底凹部72に応力を集中させることができる。
これにより、内下稜線41および外下稜線42の折れ曲がりを各底凹部71,72から誘発させて、第1ソフトゾーン24を内底凹部71および外底凹部72で安定的に折り曲げることができる。
このように、第1ソフトゾーン24の幅寸法W1が大きく形成され、第1ソフトゾーン24に内底凹部71および外底凹部72が設けられている。これにより、左リヤフレーム13を第1ソフトゾーン24で山折り状態に矢印Cの如く安定して折り曲げることができる。
加えて、図12(b)に示すように、下部材22の底部33に前ビード68、後ビード69が設けられている。よって、前ビード68で第1ソフトゾーン24および第2ソフトゾーン25間の超高強度部31が補強される。また、後ビード69で第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26間の超高強度部31が補強される。
これにより、第1ソフトゾーン24、第2ソフトゾーン25、第3ソフトゾーン26で左リヤフレーム13を安定的に折り曲げることができる。
このように、左リヤフレーム13に、底傾斜部38、上凹部65、内フランジ凸部66および外フランジ凸部67を設け、さらに、内底凹部71、外底凹部72、前ビード68および後ビード69を設けた。加えて、第1ソフトゾーン24の幅寸法W1を大きく形成した。
これにより、図14に示すように、第1ソフトゾーン24、第2ソフトゾーン25および第3ソフトゾーン26を確実に折り曲げて変形させることができる。
このように、左リヤフレーム13を上下方向に確実に変形させることにより、左リヤフレーム13の後端部13aに車体後方から入力した衝撃荷重F6を一層良好に吸収できる。
ついで、SUVの車庫入れ中にバンパ16が壁部91に低速衝突した場合に、低速衝突による衝撃荷重F7をバンパビーム15の上ビーム部87で支える例を図15に基づいて説明する。
図15(a)に示すように、バンパビーム15は車両後方からバンパ16で覆われている。よって、SUVを後進低速走行で車庫入れ中にバンパ16が壁部91などに低速衝突した場合、バンパ16に比較的微小な衝撃荷重F7が入力する。
衝撃荷重F7でバンパ16の全体が潰れ、衝撃荷重F7がバンパ16を経てバンパビーム15(特に、上ビーム部87)の全面に入力する。
図15(b)に示すように、バンパビーム15の上ビーム部87の板厚寸法が下ビーム部88より大きい。よって、低速衝突によりバンパビーム15の全面に入力した衝撃荷重F7を上ビーム部87で支えることができる。
これにより、左リヤフレーム13などの車体骨格部材の変形を防ぐことができる。
つぎに、実施例2、実施例3の左リヤフレーム100を図16、図17に基づいて説明する。なお、実施例2、実施例3の左リヤフレーム100において実施例1の左リヤフレーム13と同一・類似部材については実施例1と同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
実施例2に係る左リヤフレーム100について説明する。
図16(a)、図16(b)に示すように、左リヤフレーム100は、実施例1の左リヤフレーム13を一体形の部材に代えたもので、その他の構成は実施例1の左リヤフレーム13と略同様である。
左リヤフレーム100は、車幅方向内側に配置される内壁101と、車幅方向外側に配置される外壁102と、内壁101および外壁102の各上辺に設けられる頂部103と、内壁101および外壁102の各下辺に設けられる底部104とを備える。
内壁101、外壁102、頂部103および底部104で左リヤフレーム100が略矩形状の閉断面に形成される。
左リヤフレーム100は、実施例1の下部材22および上部材23と同様に、ホットスタンプ成形で形成される。
左リヤフレーム100には、実施例1と同様に、第1ソフトゾーン106、第2ソフトゾーン107および第3ソフトゾーン108が車体前方から車体後方へ順に離間するように形成される。
さらに、第1ソフトゾーン106の前側および後側に隣接して第1ソフト移行ゾーン111が設けられる。第2ソフトゾーン107の前側および後側に隣接して第2ソフト移行ゾーン112が設けられる。第3ソフトゾーン108の前側および後側に隣接して第3ソフト移行ゾーン113が設けられる。
ここで、左リヤフレーム100のうち、第1〜第3ソフトゾーン106〜108および第1〜第3ソフト移行ゾーン111〜113を除いた部位は、引張強度1400MPaを超える超高強度部(リヤフレームの他の部位)115である。
第1ソフトゾーン106、第2ソフトゾーン107および第3ソフトゾーン108は、引張強度500〜1000MPaに抑えられ、超高強度部115より強度の低い高強度部である。
第1ソフト移行ゾーン111、第2ソフト移行ゾーン112および第3ソフト移行ゾーン113は、引張強度(1400MPa)および引張強度(500〜1000MPa)間で強度が緩やかに移行する強度移行部である。
内壁101は、内壁101の上半部を形成して板厚寸法T10の上内壁101aと、内壁101の下半部を形成して板厚寸法T11の下内壁101bとを有する。
外壁102は、外壁102の上半部を形成して板厚寸法T10の上外壁102aと、外壁102の下半部を形成して板厚寸法T11の下外壁102bとを有する。
頂部103は、上内壁101aおよび上外壁102aと同様に、板厚寸法T10に形成される。
底部104は、下内壁101bおよび下外壁102bと同様に、板厚寸法T11に形成される。底部104は、実施例1と同様に、底部104の後端部104aの近傍に底傾斜部117を有する。底傾斜部117は、底部104の後端部104aから第3ソフトゾーン108にかけて上り勾配に形成される。
これにより、左リヤフレーム100の後端部100aから第3ソフトゾーン108にかけて左リヤフレーム100の閉断面の断面積が連続的に小さく形成される。
上内壁101a、上外壁102aおよび頂部103で左リヤフレーム100の上半部121が断面略U字状に形成される。下内壁101b、下外壁102bおよび底部104で左リヤフレーム100の下半部122が断面略U字状に形成される。
下半部122は、上半部121の表面に対して左リヤフレーム100の外側に膨出されている。すなわち、下半部122の板厚寸法T11が上半部121の板厚寸法T10より大きい。
下半部122の前端部寄りに第1ソフトゾーン106および第1ソフト移行ゾーン111が断面略U字状に形成される。第1ソフトゾーン106は、車体前後方向の幅寸法W4が第2ソフトゾーン107や第3ソフトゾーン108の幅寸法より大きく形成される。
また、下半部122の後端部寄りに第3ソフトゾーン108および第3ソフト移行ゾーン113が断面略U字状に形成される。
さらに、左リヤフレーム100(すなわち、下半部122および上半部121)の中央で、かつ左リヤフレーム100の全周に、第2ソフトゾーン107および第2ソフト移行ゾーン112がリング状に形成される。
また、内壁101および頂部103の交差により内上稜線124が車体前後方向に延びるように形成される。同様に、外壁102および頂部103の交差により外上稜線125が車体前後方向に延びるように形成される。
さらに、内壁101および底部104の交差により内下稜線127が車体前後方向に延びるように形成される。同様に、外壁102および底部104の交差により外下稜線128が車体前後方向に延びるように形成される。
外上稜線125において、第2ソフトゾーン107に上凹部131が形成される。上凹部131は、実施例1の上凹部65と同様の役割を果たす部位である。
また、内下稜線127において、第1ソフトゾーン106に内底凹部133が形成される。同様に、外下稜線128において、第1ソフトゾーン106に外底凹部134が形成される。内底凹部133および外底凹部134は、実施例1の内底凹部71および外底凹部72と同様の役割を果たす部位である。
さらに、左リヤフレーム100の底部104に前ビード136および後ビード137が形成される。前ビード136および後ビード137は、実施例1の前ビード68および後ビード69と同様の役割を果たす部位である。
実施例2の左リヤフレーム100によれば、実施例1の左リヤフレーム13と同様の効果が得られる。すなわち、左リヤフレーム100の後端部100aに衝撃荷重F8が入力した場合、入力した衝撃荷重F8で第3ソフトゾーン108を矢印Dの如く山折り状態に折り曲げる。つぎに、第2ソフトゾーン107を矢印Eの如く谷折り状態に折り曲げる。ついで、第1ソフトゾーン106を矢印Fの如く山折り状態に折り曲げる。
このように、左リヤフレーム100を上下方向に変形させることにより、左リヤフレーム100の後端部100aに入力した衝撃荷重F8を左リヤフレーム100で良好に吸収できる。
さらに、左リヤフレーム100を上下方向に変形させることにより、左リヤフレーム100がガソリンタンク20、IPU18や高電圧バッテリ19(図1参照)などに左リヤフレーム13が接触することを抑えることができる。これにより、ガソリンタンク20、IPU18や高電圧バッテリ19などを保護できる。
加えて、左リヤフレーム100に、底傾斜部117、上凹部131、内底凹部133、外底凹部134、前ビード136および後ビード137を設けた。さらに、第1ソフトゾーン106の幅寸法W4を大きく形成した。
これにより、左リヤフレーム100を、実施例1と同様に、上下方向に確実に折り曲げて変形させることができる。
また、実施例2の左リヤフレーム100によれば、左リヤフレーム100を一体形とすることにより部品点数を減らすことができ、かつ、左リヤフレーム100の組立工数を減らすことができる。
実施例3に係る左リヤフレーム140について説明する。
図17に示すように、左リヤフレーム140は、実施例2の左リヤフレーム100(具体的には、下半部122)を内側に膨出させたもので、その他の構成は実施例2の左リヤフレーム100と略同様である。
左リヤフレーム140は、下半部142が上半部121の内面に対して左リヤフレーム140の内側に膨出されている。よって、下半部142の板厚寸法T13が上半部121の板厚寸法T12より大きくなる。
実施例3の左リヤフレーム140によれば、実施例2の左リヤフレーム100と同様の効果が得られる。
加えて、下半部142を上半部121の内面から左リヤフレーム140の内側に膨出させることにより、左リヤフレーム140の内壁144および外壁145の表面を平坦にできる。これにより、左リヤフレーム140の外観性を高めることができる。
なお、本発明に係る車体後部構造は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施例1〜前記実施例3では、車体後部構造10をSUVに適用した例について説明したが、これに限らないで、車体後部構造10を通常の自動車に適用させることも可能である。
また、前記実施例1〜前記実施例3で示した車体後部構造、左右のリヤフレーム、バンパビーム、下部材、上部材、第1〜第3のソフトゾーン、超高強度部、底傾斜部、内下稜線、外下稜線、下内フランジ稜線、下外フランジ稜線、内上稜線、外上稜線、上凹部、内フランジ凸部、外フランジ凸部、前後のビード、内底凹部、外底凹部、上半部および下半部などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、左右のリヤフレームの後端部にバンパビームが車幅方向へ延びるように架け渡される車体後部構造を備えた自動車への適用に好適である。
10 車体後部構造
13,100,140 左右のリヤフレーム(リヤフレーム)
13a 左リヤフレームの後端部(リヤフレームの後端部)
15 バンパビーム
22 下部材
23 上部材
24,106 第1ソフトゾーン
25,107 第2ソフトゾーン
26,108 第3ソフトゾーン
31,115 超高強度部(リヤフレームの他の部位)
33,104 底部
34 下内壁
35 下外壁
36 下内フランジ
37 下外フランジ
38,117 底傾斜部
41,127 内下稜線
42,128 外下稜線
44 下内フランジ稜線(内フランジ稜線)
45 下外フランジ稜線(外フランジ稜線)
51 頂部
52 上内壁
53 上外壁
54 上内フランジ
55 上外フランジ
57,124 内上稜線
58,125 外上稜線
65,131 上凹部
66 内フランジ凸部(フランジ凸部)
67 外フランジ凸部(フランジ凸部)
68,136 前ビード(ビード)
69,137 後ビード(ビード)
71,133 内底凹部(底凹部)
72,134 外底凹部(底凹部)
74 左リヤフレームの内部
81 ビーム前壁
81a ビーム前壁の上前壁
81b ビーム前壁の下前壁
82 ビーム後壁
82a ビーム後壁の上後壁
82b ビーム後壁の下後壁
83 ビーム上部
84 ビーム下部
85 ビーム仕切部
87 上ビーム部
88 下ビーム部
121 上半部
122,142 下半部
T1 下部材の板厚寸法
T2 上部材の板厚寸法
T10,T12 上半部の板厚寸法
T11,T13 下半部の板厚寸法
W1,W4 第1ソフトゾーンの幅寸法
W2 第2ソフトゾーンの幅寸法
W3 第3ソフトゾーンの幅寸法

Claims (9)

  1. 車体後部の左右側に配置されて車体前後方向に延び、閉断面に形成されるリヤフレームと、
    前記リヤフレームのそれぞれの後端部に架け渡されることにより車幅方向に延びるバンパビームと、を備える車体後部構造において、
    前記リヤフレームは、
    該リヤフレームの下半部が上半部より大きな板厚寸法に形成され、
    前記リヤフレームに車体前方から車体後方へ順に離間するように設けられ、かつ、前記リヤフレームの他の部位より強度の低い第1ソフトゾーン、第2ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンを有し、
    前記第1ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーン間に第2ソフトゾーンが配置され、
    第2ソフトゾーンは、前記リヤフレームの全周にリング状に設けられ、
    前記第1ソフトゾーンおよび第3ソフトゾーンは、前記リヤフレームの下半部に設けられることを特徴とする車体後部構造。
  2. 前記リヤフレームは、
    前記下半部が下部材で形成され、前記上半部が上部材で形成されることにより、
    前記下部材および前記上部材に2分割され、
    該上部材が前記下部材に上方から設けられることにより、前記下部材および前記上部材で前記閉断面が形成される請求項1記載の車体後部構造。
  3. 前記リヤフレームは、
    前記リヤフレームの後端部から前記第3ソフトゾーンにかけて前記閉断面の断面積を連続的に小さくする請求項1または請求項2記載の車体後部構造。
  4. 前記第1ソフトゾーンは、
    前記第2ソフトゾーンおよび前記第3ソフトゾーンより車体前後方向の幅寸法が大きい請求項1〜3のいずれか1項記載の車体後部構造。
  5. 前記上部材は、
    車体前後方向に延びる頂部と、
    該頂部の内辺から下方向へ張り出される上内壁と、
    前記頂部の外辺から下方向へ張り出される上外壁と、
    前記上内壁の下辺から車幅方向内側に張り出される上内フランジと、
    前記上外壁の下辺から車幅方向外側に張り出される上外フランジと、を有し、
    前記頂部、前記上内壁、前記上外壁、前記上内フランジおよび前記上外フランジで前記上部材が上方向へ膨出する断面略ハット状に形成され、
    前記頂部および前記上内壁の交差により車体前後方向に延びる内上稜線が形成され、
    前記頂部および前記上外壁の交差により車体前後方向に延びる外上稜線が形成され、
    該外上稜線の前記第2ソフトゾーンに、前記リヤフレームの内部へ向けて凹む上凹部が設けられる請求項2記載の車体後部構造。
  6. 前記下部材は、
    車体前後方向に延びる底部と、
    該底部の内辺から上方向へ張り出される下内壁と、
    前記底部の外辺から上方向へ張り出される下外壁と、
    前記下内壁の上辺から車幅方向内側に張り出される下内フランジと、
    前記下外壁の上辺から車幅方向外側に張り出される下外フランジと、を有し、
    前記底部、前記下内壁、前記下外壁、前記下内フランジおよび前記下外フランジで前記下部材が下方向へ膨出する断面略ハット状に形成され、
    前記下内壁および前記下内フランジの交差により車体前後方向に延びる内フランジ稜線が形成され、
    前記下外壁および前記下外フランジの交差により車体前後方向に延びる外フランジ稜線が形成され、
    前記内フランジ稜線、前記外フランジ稜線は、
    前記第2ソフトゾーンに、前記リヤフレームの外部へ向けて突出するフランジ凸部が設けられる請求項2または請求項5記載の車体後部構造。
  7. 前記下部材は、
    該下部材の底部において、前記第1ソフトゾーン、前記第2ソフトゾーン、前記第3ソフトゾーンのうち、隣接するソフトゾーン間に車体前後方向へ延びるビードが設けられる請求項2、請求項5または請求項6記載の車体後部構造。
  8. 前記下部材は、
    前記底部および前記下内壁の交差により車体前後方向に延びる内下稜線が形成され、
    前記底部および前記下外壁の交差により車体前後方向に延びる外下稜線が形成され、
    前記内下稜線、前記外下稜線は、
    前記第1ソフトゾーンに、前記リヤフレームの内部へ向けて凹む底凹部が設けられる請求項6記載の車体後部構造。
  9. 前記バンパビームは、
    車体前方に設けられるビーム前壁と、
    該ビーム前壁の車体後方に設けられるビーム後壁と、
    前記ビーム前壁および前記ビーム後壁の各上辺に設けられたビーム上部と、
    前記ビーム前壁および前記ビーム後壁の各下辺に設けられたビーム下部と、
    前記ビーム上部および前記ビーム下部間に配置され、前記ビーム前壁および前記ビーム後壁の各中央に設けられるビーム仕切部と、を有し、
    前記ビーム前壁、前記ビーム後壁、前記ビーム上部、前記ビーム下部および前記ビーム仕切部で前記バンパビームが断面略8の字状に形成され、
    前記ビーム前壁のうち前記ビーム仕切部の上方の上前壁、前記ビーム後壁のうち前記ビーム仕切部の上方の上後壁、前記ビーム上部および前記ビーム仕切部で上ビーム部が形成され、
    前記ビーム前壁のうち前記ビーム仕切部の下方の下前壁、前記ビーム後壁のうち前記ビーム仕切部の下方の下後壁および前記ビーム下部で下ビーム部が形成され、
    前記下ビーム部の板厚寸法が前記上ビーム部より小さい請求項1〜8のいずれか1項記載の車体後部構造。
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