以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示す空調ユニット10は、車両に搭載される車両用空調ユニットである。この空調ユニット10は、エンジンルームに配設されたコンプレッサおよびコンデンサ等から構成される冷凍サイクルを備えた車両用空調装置の一部を構成する。例えば、空調ユニット10は、車室内の前方側に設けられた不図示のインストルメントパネルの内側に配置される。
空調ユニット10は、車室内の空気である内気と車室外の空気である外気との一方または両方を吸い込むと共にその吸い込んだ空気を調温して車室内へ吹き出す。要するに、空調ユニット10は、車室内である所定の空間12内の空調を行う。また、空調ユニット10は、内気と外気とを分けて異なる吹出口から同時に吹き出すことが可能な内外気二層機能を備えている。なお、所定の空間12は図1のみに図示され、他の図では所定の空間12の図示は省略されている。
図1に示すように、空調ユニット10は、空調ケース14、内気導入ドア16、外気導入ドア18、連通ドア20、送風機22、冷却器24、加熱器26、複数の開閉装置28、30、32、および、複数の吹出口ドア341、342、361、362、363、364、381、382等を有している。
冷却器24はこの空調ユニット10に含まれると共に冷凍サイクルにも含まれる。また、空調ユニット10が有するドア類には、例えば電動アクチュエータがそれぞれ接続されており、そのドア類はその電動アクチュエータによってそれぞれ作動させられる。
なお、図1は、本実施形態の空調ユニットの概略構成を示した図であり、具体的に言えば、図2のI−I断面を示した断面図でもある。そして、図2のIc−Ic断面はそのI−I断面と同じ図になるので、図1では、そのI−I断面に表れる要素の符号の後に、Ic−Ic断面に表れる要素の符号が併記されている。
また、図1の矢印DR1、DR3、および、図2の矢印DR2は、空調ユニット10が搭載される車両の向きを示す。すなわち、矢印DR1は車両上下方向DR1を示し、矢印DR2は車両幅方向DR2(すなわち、車両左右方向DR2)を示し、矢印DR3は車両前後方向DR3を示している。これらの3方向DR1、DR2、DR3は互いに交差する方向、厳密に言えば互いに直交する方向である。
空調ケース14は空調ユニット10の筐体を成す。空調ケース14は、例えばポリプロピレンのようなある程度の弾性を有し、機械的強度に優れた樹脂にて成形されている。図1〜図3に示すように、空調ケース14には、空気を吸い込む吸込口として、内気導入口14aと外気導入口14bとが形成されている。また、空調ケース14には、空気を吹き出す吹出口として、2つのフット吹出口14c、14dと、4つのフェイス吹出口14e、14f、14g、14hと、2つのデフロスタ吹出口14i、14jとが形成されている。なお、図2および図3では、吹出口ドアの図示は省略されている。
また、図3は、図2のIII−III断面を示した断面図である。従って、吹出口14e、14f、14g、14h、14i、14jは図3に実際に表れる形状ではないが、それら吹出口の車両幅方向DR2の配置を示すために二点鎖線で図3に表示されている。
空調ケース14の内部には、空気が流れる通風路として、第1導入通路14kと第2導入通路14mと第1空気通路141と第2空気通路142と第3空気通路143と第4空気通路144と第5空気通路145と第6空気通路146と第1上流側空気通路147と第2上流側空気通路148とが形成されている。また、空調ケース14の内部には、送風機22の第1ファン221が収容される第1ファン室14nと、送風機22の第2ファン222が収容される第2ファン室14oと、内外気連通孔14pとが形成されている。
内気導入口14aは車室内へ開口している。すなわち、内気導入口14aは、内気を空調ケース14内へ導入するための開口である。内気導入口14aには内気導入ドア16が設けられており、その内気導入ドア16は内気導入口14aを開閉する。
外気導入口14bは車室外へ開口している。すなわち、外気導入口14bは、外気を空調ケース14内へ導入するための開口である。この外気と内気は、互いに異なる箇所から導入された空気である。外気導入口14bには外気導入ドア18が設けられており、その外気導入ドア18は外気導入口14bを開閉する。
第1導入通路14kは内気導入口14aと第1ファン室14nとをつなぐ通路である。その第1ファン室14nは、第1ファン室14nの車両上方側で第1導入通路14kに接続している。
また、第2導入通路14mは外気導入口14bと第2ファン室14oとをつなぐ通路である。その第2ファン室14oは、第2ファン室14oの車両下方側で第2導入通路14mに接続している。
また、内外気連通孔14pはその第1導入通路14kと第2導入通路14mとを互いに連通させる孔である。その内外気連通孔14pには連通ドア20が設けられており、その連通ドア20は内外気連通孔14pを開閉する。従って、例えば図1のように外気導入口14bが閉じられる一方で内気導入口14aが開かれ、且つ、内外気連通孔14pが開かれている場合には、内気導入口14aから導入される内気は、第1導入通路14kと第2導入通路14mとの両方へ流入する。
送風機22は、第1ファン221と第2ファン222とモータ223と回転軸224とを有している。第1ファン221および第2ファン222は何れも遠心ファンであり、回転軸224を介してモータ223へ連結されている。そして、モータ223は、第1ファン221と第2ファン222とを一体として回転駆動する。
第1上流側空気通路147は、その第1上流側空気通路147の空気流れ上流端147aにて第1ファン室14nに接続されている。また、第2上流側空気通路148は、その第2上流側空気通路148の空気流れ上流端148aにて第2ファン室14oに接続されている。
そして、送風機22は、第1ファン221の回転によって、第1導入通路14kから空気を第1ファン221内に吸い込むと共に、その吸い込んだ空気を第1上流側空気通路147へと矢印FL1のように吹き出す。それと同時に、送風機22は、第2ファン222の回転によって、第2導入通路14mから空気を第2ファン222内に吸い込むと共に、その吸い込んだ空気を第2上流側空気通路148へと矢印FL2のように吹き出す。
第2上流側空気通路148は、第1上流側空気通路147に対し第1の並び方向DL1の一方側へ並んで配置されている。本実施形態では、その第1の並び方向DL1は車両上下方向DR1に一致し、第1の並び方向DL1の一方側とは車両上下方向DR1での下方側である。従って、第1の並び方向DL1の他方側は車両上下方向DR1での上方側になる。
具体的には、空調ケース14は第1上流側空気通路147と第2上流側空気通路148とを隔てる上流側隔壁149を有している。そして、第1上流側空気通路147はその上流側隔壁149の上方側に形成され、第2上流側空気通路148はその上流側隔壁149の下方側に形成されている。
第1〜6空気通路141、142、143、144、145、146(以下、第1〜6空気通路141〜146と略することがある)は互いに並列に並んで設けられている。そして、第1〜6空気通路141〜146は何れも、車両前後方向DR3に一致する通路延伸方向DRrnへ延びるように形成されている。その第1〜6空気通路141〜146にはそれぞれ、車室内へ吹き出される空気が流れる。
詳細には図1〜図4に示すように、第1〜6空気通路141〜146は、互いの接続関係から、3つの通路群151、152、153を構成している。すなわち、第1空気通路141および第2空気通路142は第1通路群151を構成している。また、第3空気通路143および第4空気通路144は第2通路群152を構成している。また、第5空気通路145および第6空気通路146は第3通路群153を構成している。
そして、第1通路群151は、第2通路群152に対し、第1の並び方向DL1に交差する第2の並び方向DL2の一方側に並んで配置されている。逆に、第3通路群153は、その第2通路群152に対し、第2の並び方向DL2の他方側に並んで配置されている。なお、本実施形態では、その第2の並び方向DL2は車両幅方向DR2に一致する。
また、第1通路群151では、第2空気通路142は第1空気通路141に対し第1の並び方向DL1の一方側へ並んで配置されている。第2通路群152では、第4空気通路144は、第3空気通路143に対し第1の並び方向DL1の他方側へ並んで配置されている。第3通路群153では、第6空気通路146は、第5空気通路145に対し第1の並び方向DL1の一方側へ並んで配置されている。
具体的に、空調ケース14は、第1隔壁154と第2隔壁155と第3隔壁156とを有している。そして、第1隔壁154は、車両上下方向DR1を厚み方向とした平板状に構成されている。その第1隔壁154は、第1通路群151にて第1空気通路141と第2空気通路142とを隔て、第2通路群152にて第3空気通路143と第4空気通路144とを隔て、且つ、第3通路群153にて第5空気通路145と第6空気通路146とを隔てている。
すなわち、第1空気通路141、第4空気通路144、および第5空気通路145は第1隔壁154の上方側に形成されている。それと共に、第2空気通路142、第3空気通路143、および第6空気通路146は第1隔壁154の下方側に形成されている。
第2隔壁155は、車両幅方向DR2を厚み方向とした平板状に構成されている。その第2隔壁155は、第1空気通路141と第4空気通路144とを隔てると共に、第2空気通路142と第3空気通路143とを隔てている。要するに、第2隔壁155は、第1通路群151と第2通路群152とを隔てている。
すなわち、第1空気通路141および第2空気通路142は、第2隔壁155に対し第2の並び方向DL2の一方側に形成されている。それと共に、第3空気通路143および第4空気通路144は、第2隔壁155に対し第2の並び方向DL2の他方側に形成されている。
第3隔壁156は、第2隔壁155と同様に車両幅方向DR2を厚み方向とした平板状に構成されている。その第3隔壁156は、第3空気通路143と第6空気通路146とを隔てると共に、第4空気通路144と第5空気通路145とを隔てている。要するに、第2隔壁155は、第2通路群152と第3通路群153とを隔てている。
すなわち、第3空気通路143および第4空気通路144は、第2隔壁155に対し第2の並び方向DL2の一方側に形成されている。それと共に、第5空気通路145および第6空気通路146は、第2隔壁155に対し第2の並び方向DL2の他方側に形成されている。
また、第1〜6空気通路141〜146は、第1上流側空気通路147および第2上流側空気通路148の空気流れ下流側に設けられている。また、上流側隔壁149および第1隔壁154は互いに共通の一平面上に拡がるように配置されている。
従って、第1上流側空気通路147は、第1空気通路141の空気流れ上流端141aと第4空気通路144の空気流れ上流端144aと第5空気通路145の空気流れ上流端145aとのそれぞれへ連通している。そして、第2上流側空気通路148は、第2空気通路142の空気流れ上流端142aと第3空気通路143の空気流れ上流端143aと第6空気通路146の空気流れ上流端146aとのそれぞれへ連通している。
空調ケース14内には、第1群下流連通空間157aと第2群下流連通空間157bと第3群下流連通空間157cとがそれぞれ形成されている。その第1群下流連通空間157aは、第1通路群151の空気流れ下流側に設けられている。そして、第1群下流連通空間157aは、第1空気通路141の空気流れ下流端141bと第2空気通路142の空気流れ下流端142bと互いにつないでいる。
第2群下流連通空間157bは、第2通路群152の空気流れ下流側に設けられている。そして、第2群下流連通空間157bは、第3空気通路143の空気流れ下流端143bと第4空気通路144の空気流れ下流端144bと互いにつないでいる。
第3群下流連通空間157cは、第3通路群153の空気流れ下流側に設けられている。そして、第3群下流連通空間157cは、第5空気通路145の空気流れ下流端145bと第6空気通路146の空気流れ下流端146bと互いにつないでいる。
また、第2隔壁155は第1群下流連通空間157aと第2群下流連通空間157bとの間にまで延設されている。これにより、第2隔壁155は、第1群下流連通空間157aと第2群下流連通空間157bとを車両幅方向DR2に隔てている。
第3隔壁156は第2群下流連通空間157bと第3群下流連通空間157cとの間にまで延設されている。これにより、第3隔壁156は、第2群下流連通空間157bと第3群下流連通空間157cとを車両幅方向DR2に隔てている。
フット吹出口14c、14dは、車室内において着座した乗員の足元部に向かって空調ケース14内から空気を吹き出す吹出口である。フェイス吹出口14e、14f、14g、14hは、車室内において着座した乗員の頭胸部に向かって空調ケース14内から空気を吹き出す吹出口である。デフロスタ吹出口14i、14jは、車両のフロントウインドゥの内面に向かって空調ケース14内から空気を吹き出す吹出口である。
第1群下流連通空間157aには、第1フット吹出口14cと第1フェイス吹出口14eとが接続している。その第1フット吹出口14cには第1フット吹出口ドア341が設けられており、その第1フット吹出口ドア341は第1フット吹出口14cを開閉する。第1フェイス吹出口14eには第1フェイス吹出口ドア361が設けられており、その第1フェイス吹出口ドア361は第1フェイス吹出口14eを開閉する。
第2群下流連通空間157bには、第2フェイス吹出口14fと第3フェイス吹出口14gと第1デフロスタ吹出口14iと第2デフロスタ吹出口14jとが接続している。その第2フェイス吹出口14fには第2フェイス吹出口ドア362が設けられており、その第2フェイス吹出口ドア362は第2フェイス吹出口14fを開閉する。第3フェイス吹出口14gには第3フェイス吹出口ドア363が設けられており、その第3フェイス吹出口ドア363は第3フェイス吹出口14gを開閉する。第1デフロスタ吹出口14iには第1デフロスタ吹出口ドア381が設けられており、その第1デフロスタ吹出口ドア381は第1デフロスタ吹出口14iを開閉する。第2デフロスタ吹出口14jには第2デフロスタ吹出口ドア382が設けられており、その第2デフロスタ吹出口ドア382は第2デフロスタ吹出口14jを開閉する。
第3群下流連通空間157cには、第2フット吹出口14dと第4フェイス吹出口14hとが接続している。その第2フット吹出口14dには第2フット吹出口ドア342が設けられており、その第2フット吹出口ドア342は第2フット吹出口14dを開閉する。第4フェイス吹出口14hには第4フェイス吹出口ドア364が設けられており、その第4フェイス吹出口ドア364は第4フェイス吹出口14hを開閉する。
冷却器24は、空調ケース14内に収容された空気冷却用の熱交換器である。例えば、冷却器24は蒸発器であり、冷凍サイクルを循環する冷媒と冷却器24を通過する空気とを熱交換させ、その熱交換により冷媒を蒸発気化させると共にその空気を冷却する。
詳細には、冷却器24は、一体に構成された第1冷却部241と第2冷却部242とを有している。その第1冷却部241は第1上流側空気通路147に設けられ、その第1上流側空気通路147を流れる空気を冷却する。また、第2冷却部242は第2上流側空気通路148に設けられ、その第2上流側空気通路148を流れる空気を冷却する。
また、第1上流側空気通路147は、第1冷却部241よりも空気流れ下流側に、第1連通空間147cを有している。その第1連通空間147cには、第1空気通路141の空気流れ上流端141aと第4空気通路144の空気流れ上流端144aと第5空気通路145の空気流れ上流端145aとがそれぞれ接続されている。すなわち、その第1連通空間147cは、それらの空気流れ上流端141a、144a、145aを互いにつないでいる。これにより、第1冷却部241を通過した空気は、第1空気通路141、第4空気通路144、および第5空気通路145の何れにも流入可能となっている。
また、第2上流側空気通路148は、第2冷却部242よりも空気流れ下流側に、第2連通空間148cを有している。その第2連通空間148cには、第2空気通路142の空気流れ上流端142aと第3空気通路143の空気流れ上流端143aと第6空気通路146の空気流れ上流端146aとがそれぞれ接続されている。すなわち、その第2連通空間148cは、それらの空気流れ上流端142a、143a、146aを互いにつないでいる。これにより、第2冷却部242を通過した空気は、第2空気通路142、第3空気通路143、および第6空気通路146の何れにも流入可能となっている。
このように第1連通空間147cおよび第2連通空間148cが形成されていることから判るように、通路延伸方向DRrnにおける第2隔壁155の冷却器24側の端縁155aは、その通路延伸方向DRrnにおいて冷却器24から離れている。そして、通路延伸方向DRrnにおける第3隔壁156の冷却器24側の端縁156aも、その通路延伸方向DRrnにおいて冷却器24から離れている。例えば、その第2隔壁155の端縁155aと第3隔壁156の端縁156aは何れも、通路延伸方向DRrnにおいて、加熱器26よりも冷却器24側へ突き出ないように配置されている。
加熱器26は、空調ケース14内に収容された空気加熱用の熱交換器である。例えば、加熱器26はヒータコアであり、エンジンによって加熱されるエンジン冷却水と加熱器26を通過する空気とを熱交換させ、その熱交換によってその通過する空気を加熱する。また、加熱器26は、車両幅方向DR2を長手方向とした一対のヘッダタンク26a、26bと、そのヘッダタンク26a、26bの間に配置されたコア部26cとから構成されている。そのコア部26cは、車両幅方向DR2へ積層配置され一対のヘッダタンク26a、26bの一方から他方へエンジン冷却水を流す複数のチューブから構成されている。そして、コア部26cでは、空気がコア部26cを通過しつつ加熱される。
詳細には、加熱器26は、第1加熱部261と第2加熱部262と第3加熱部263とを有している。第1加熱部261に出入りする空気と第2加熱部262に出入りする空気は第2隔壁155によって分けられ、第2加熱部262に出入りする空気と第3加熱部263に出入りする空気は第3隔壁156によって分けられている。
そして、これらの加熱部261、262、263が一体となってコア部26cが構成されている。また、これらの加熱部261、262、263は何れも、第1の並び方向DL1を厚み方向とした扁平形状を成している。
第1加熱部261は、第1の並び方向DL1において第1空気通路141と第2空気通路142との間に配置されている。
具体的に、第1加熱部261の空気が流入する空気流入側は、第1空気通路141の途中に接続している。すなわち、第1加熱部261は、その第1加熱部261の空気流入側に設けられた空気流入面261aが第1空気通路141の側方から第1空気通路141側を向くようにして、第1空気通路141に接続している。
ここで、第1加熱部261の空気流入側が第1空気通路141の途中に接続しているとは、その接続している接続範囲に第1空気通路141の途中の部分が含まれるという意味である。すなわち、その接続範囲に第1空気通路141の空気流れ上流端141aまたは空気流れ下流端141bが含まれても構わない。このことは、後述する第1加熱部261の空気流出側、第2加熱部262、および第3加熱部263についても同様である。
第1加熱部261の空気が流出する空気流出側は、第2空気通路142の途中に接続している。すなわち、第1加熱部261は、その第1加熱部261の空気流出側に設けられた空気流出面261bが第2空気通路142の側方から第2空気通路142側を向くようにして、第2空気通路142に接続している。
従って、第1加熱部261を通過する空気の経路である第1経路が開かれている場合には、第1加熱部261には、第1空気通路141の途中にて第1空気通路141から空気が図2の矢印FLaのように流入する。そして、第1加熱部261は、その流入した空気を加熱して第2空気通路142の途中へ流出させる。要するに、その第1経路が開かれている場合には、第1加熱部261は、その第1加熱部261を通過する空気を加熱しつつ第1の並び方向DL1の他方側から一方側へ流す。言い換えれば、第1加熱部261を通過する空気流れの向きは通路延伸方向DRrnと交差する。
なお、第1空気通路141と第2空気通路142とのうち第1加熱部261の空気流入側が接続する空気通路を第1の一方通路と定義し、且つ第1加熱部261の空気流出側が接続する空気通路を第1の他方通路と定義したとする。その場合には、第1空気通路141は第1の一方通路に該当し、第2空気通路142は第1の他方通路に該当する。
図1〜図4に示すように、第2加熱部262は、第1の並び方向DL1において第3空気通路143と第4空気通路144との間に配置されている。
具体的に、第2加熱部262の空気流入側は、第3空気通路143の途中に接続している。すなわち、第2加熱部262は、その第2加熱部262の空気流入側に設けられた空気流入面262aが第3空気通路143の側方から第3空気通路143側を向くようにして、第3空気通路143に接続している。
そして、第2加熱部262の空気流出側は第4空気通路144の途中に接続している。すなわち、第2加熱部262は、その第2加熱部262の空気流出側に設けられた空気流出面262bが第4空気通路144の側方から第4空気通路144側を向くようにして、第4空気通路144に接続している。
従って、第2加熱部262を通過する空気の経路である第2経路が開かれている場合には、第2加熱部262には、第3空気通路143の途中にて第3空気通路141から空気が図2の矢印FLbのように流入する。そして、第2加熱部262は、その流入した空気を加熱して第4空気通路144の途中へ流出させる。要するに、その第2経路が開かれている場合には、第2加熱部262は、その第2加熱部262を通過する空気を加熱しつつ第1の並び方向DL1の一方側から他方側へ流す。言い換えれば、第2加熱部262を通過する空気流れの向きは通路延伸方向DRrnと交差する。
なお、第3空気通路143と第4空気通路144とのうち第2加熱部262の空気流入側が接続する空気通路を第2の一方通路と定義し、且つ第2加熱部262の空気流出側が接続する空気通路を第2の他方通路と定義したとする。その場合には、第3空気通路143は第2の一方通路に該当し、第4空気通路144は第2の他方通路に該当する。
第3加熱部263は、第1の並び方向DL1において第5空気通路145と第6空気通路146との間に配置されている。
具体的に、第3加熱部263の空気流入側は、第5空気通路145の途中に接続している。すなわち、第3加熱部263は、その第3加熱部263の空気流入側に設けられた空気流入面263aが第5空気通路145の側方から第5空気通路145側を向くようにして、第5空気通路145に接続している。
そして、第3加熱部263の空気流出側は第6空気通路146の途中に接続している。すなわち、第3加熱部263は、その第3加熱部263の空気流出側に設けられた空気流出面263bが第6空気通路146の側方から第6空気通路146側を向くようにして、第6空気通路146に接続している。
従って、第3加熱部263を通過する空気の経路である第3経路が開かれている場合には、第3加熱部263には、第5空気通路145の途中にて第5空気通路145から空気が図2の矢印FLcのように流入する。そして、第3加熱部263は、その流入した空気を加熱して第6空気通路146の途中へ流出させる。要するに、その第3経路が開かれている場合には、第3加熱部263は、その第3加熱部263を通過する空気を加熱しつつ第1の並び方向DL1の他方側から一方側へ流す。言い換えれば、第3加熱部263を通過する空気流れの向きは通路延伸方向DRrnと交差する。
なお、第5空気通路145と第6空気通路146とのうち第3加熱部263の空気流入側が接続する空気通路を第3の一方通路と定義し、且つ第3加熱部263の空気流出側が接続する空気通路を第3の他方通路と定義したとする。その場合には、第5空気通路145は第3の一方通路に該当し、第6空気通路146は第3の他方通路に該当する。
このような構成から、第3通路群153を第1通路群151と対比すれば、両通路群151、153は互いに同様の構成となっている。詳細に言えば、第5空気通路145は第1空気通路141に相当し、第6空気通路146は第2空気通路142に相当する。また、第3加熱部263は第1加熱部261に相当し、第3開閉装置32は第1開閉装置28に相当する。また、第2フット吹出口14dは第1フット吹出口14cに相当し、第4フェイス吹出口14hは第1フェイス吹出口14eに相当する。
図1および図5に示すように、第1開閉装置28は、第1加熱部261を通過する空気の経路である第1経路を開閉する。詳細には、第1開閉装置28は、第1通路群151から吹き出される空気の温度を調節する第1温度調節装置として機能する。すなわち、第1開閉装置28は、第1経路の開度を増減することにより、第1通路群151へ流入する空気のうち第1加熱部261で加熱される空気の割合を調節する。
具体的に、第1開閉装置28は、第1加熱部261の空気流入側を開閉する第1流入側ドア部281と、第1加熱部261の空気流出側を開閉する第1流出側ドア部282とを有している。
そして、第1流入側ドア部281が第1加熱部261の空気流入側を開くと共に第1流出側ドア部282が第1加熱部261の空気流出側を開くことによって、上記第1経路は開かれる。これにより、第1上流側空気通路147から流出した空気がその第1経路へと流れる。逆に、第1流入側ドア部281が第1加熱部261の空気流入側を閉じると共に第1流出側ドア部282が第1加熱部261の空気流出側を閉じることによって、その第1経路は閉じられる。
そして、その第1流入側ドア部281と第1流出側ドア部282は連動して開閉作動する。すなわち、第1流入側ドア部281が第1加熱部261の空気流入側を開く場合には、第1流出側ドア部282は第1加熱部261の空気流出側を開く。また、第1流入側ドア部281が第1加熱部261の空気流入側を閉じる場合には、第1流出側ドア部282が第1加熱部261の空気流出側を閉じる。
第1流入側ドア部281は、図5に示す通路閉塞状態と図1に示す加熱部閉塞状態とに切替可能となっている。第1流入側ドア部281はその通路閉塞状態では、第1空気通路141において第1加熱部261の空気流入側が接続された接続箇所141cとその接続箇所141cよりも空気流れ下流側とを隔てるように第1空気通路141を閉じる。それと共に、第1流入側ドア部281は第1加熱部261の空気流入側を開く。
その一方で、第1流入側ドア部281はその加熱部閉塞状態では、第1空気通路141を開くと共に第1加熱部261の空気流入側を閉じる。
図1および図5に示すように、その第1流入側ドア部281は、板状のドア部材281aと、そのドア部材281aの一端に連結されたドア回動軸281bとを含んで構成されている。そのドア回動軸281bは、第1空気通路141の空気流れ方向において加熱器26のコア部26cよりも下流側に配置され、そのドア回動軸281bの軸方向は車両幅方向DR2を向いている。そして、第1流入側ドア部281のドア部材281aは、第1流入側ドア部281が第1加熱部261の空気流入側を閉じる際にはその第1加熱部261の空気流入面261aを覆う。
このような構成から、そのドア部材281aは、第1流入側ドア部281の通路閉塞状態では、図5に示すようになる。すなわち、その通路閉塞状態においては、そのドア部材281aは、第1空気通路141において第1加熱部261よりも空気流れ上流側を流れる空気を第1加熱部261へ導くように通路延伸方向DRrnに対して傾斜する。
第1流出側ドア部282は、図5に示す通路閉塞状態と図1に示す加熱部閉塞状態とに切替可能となっている。第1流出側ドア部282はその通路閉塞状態では、第2空気通路142において第1加熱部261の空気流出側が接続された接続箇所142cとその接続箇所142cよりも空気流れ上流側とを隔てるように第2空気通路142を閉じる。それと共に、第1流出側ドア部282は第1加熱部261の空気流出側を開く。
その一方で、第1流出側ドア部282はその加熱部閉塞状態では、第2空気通路142を開くと共に第1加熱部261の空気流出側を閉じる。
図1および図5に示すように、第1流出側ドア部282は、板状のドア部材282aと、そのドア部材282aの一端に連結されたドア回動軸282bとを含んで構成されている。そのドア回動軸282bは、第2空気通路142の空気流れ方向において加熱器26のコア部26cよりも上流側に配置され、そのドア回動軸282bの軸方向は車両幅方向DR2を向いている。そして、第1流出側ドア部282のドア部材282aは、第1流出側ドア部282が第1加熱部261の空気流出側を閉じる際にはその第1加熱部261の空気流出面261bを覆う。
このような構成から、そのドア部材282aは、第1流出側ドア部282の通路閉塞状態では、図5に示すようになる。すなわち、その通路閉塞状態においては、そのドア部材282aは、第1加熱部261から流出する空気を第2空気通路142の空気流れ下流側へ導くように通路延伸方向DRrnに対して傾斜する。
図4および図6に示すように、第2開閉装置30は、第2加熱部262を通過する空気の経路である第2経路を開閉する。詳細には、第2開閉装置30は、第2通路群152から吹き出される空気の温度を調節する第2温度調節装置として機能する。すなわち、第2開閉装置30は、第2経路の開度を増減することにより、第2通路群152へ流入する空気のうち第2加熱部262で加熱される空気の割合を調節する。
具体的に、第2開閉装置30は、第2加熱部262の空気流入側を開閉する第2流入側ドア部301と、第2加熱部262の空気流出側を開閉する第2流出側ドア部302とを有している。
そして、第2流入側ドア部301が第2加熱部262の空気流入側を開くと共に第2流出側ドア部302が第2加熱部262の空気流出側を開くことによって、上記第2経路は開かれる。これにより、第2上流側空気通路148から流出した空気がその第2経路へと流れる。逆に、第2流入側ドア部301が第2加熱部262の空気流入側を閉じると共に第2流出側ドア部302が第2加熱部262の空気流出側を閉じることによって、その第2経路は閉じられる。
そして、その第2流入側ドア部301と第2流出側ドア部302は連動して開閉作動する。すなわち、第2流入側ドア部301が第2加熱部262の空気流入側を開く場合には、第2流出側ドア部302は第2加熱部262の空気流出側を開く。また、第2流入側ドア部301が第2加熱部262の空気流入側を閉じる場合には、第2流出側ドア部302が第2加熱部262の空気流出側を閉じる。
第2流入側ドア部301は、図6に示す通路閉塞状態と図4に示す加熱部閉塞状態とに切替可能となっている。第2流入側ドア部301はその通路閉塞状態では、第3空気通路143において第2加熱部262の空気流入側が接続された接続箇所143cとその接続箇所143cよりも空気流れ下流側とを隔てるように第3空気通路143を閉じる。それと共に、第2流入側ドア部301は第2加熱部262の空気流入側を開く。
その一方で、第2流入側ドア部301はその加熱部閉塞状態では、第3空気通路143を開くと共に第2加熱部262の空気流入側を閉じる。
図4および図6に示すように、その第2流入側ドア部301は、板状のドア部材301aと、そのドア部材301aの一端に連結されたドア回動軸301bとを含んで構成されている。そのドア回動軸301bは、第3空気通路143の空気流れ方向において加熱器26のコア部26cよりも下流側に配置され、そのドア回動軸301bの軸方向は車両幅方向DR2を向いている。そして、第2流入側ドア部301のドア部材301aは、第2流入側ドア部301が第2加熱部262の空気流入側を閉じる際にはその第2加熱部262の空気流入面262aを覆う。
このような構成から、そのドア部材301aは、第2流入側ドア部301の通路閉塞状態では、図6に示すようになる。すなわち、その通路閉塞状態においては、そのドア部材301aは、第3空気通路143において第2加熱部262よりも空気流れ上流側を流れる空気を第2加熱部262へ導くように通路延伸方向DRrnに対して傾斜する。
第2流出側ドア部302は、図6に示す通路閉塞状態と図4に示す加熱部閉塞状態とに切替可能となっている。第2流出側ドア部302はその通路閉塞状態では、第4空気通路144において第2加熱部262の空気流出側が接続された接続箇所144cとその接続箇所144cよりも空気流れ上流側とを隔てるように第4空気通路144を閉じる。それと共に、第2流出側ドア部302は第2加熱部262の空気流出側を開く。
その一方で、第2流出側ドア部302はその加熱部閉塞状態では、第4空気通路144を開くと共に第2加熱部262の空気流出側を閉じる。
図4および図6に示すように、第2流出側ドア部302は、板状のドア部材302aと、そのドア部材302aの一端に連結されたドア回動軸302bとを含んで構成されている。そのドア回動軸302bは、第4空気通路144の空気流れ方向において加熱器26のコア部26cよりも上流側に配置され、そのドア回動軸302bの軸方向は車両幅方向DR2を向いている。そして、第2流出側ドア部302のドア部材302aは、第2流出側ドア部302が第2加熱部262の空気流出側を閉じる際にはその第2加熱部262の空気流出面262bを覆う。
このような構成から、そのドア部材302aは、第2流出側ドア部302の通路閉塞状態では、図6に示すようになる。すなわち、その通路閉塞状態においては、そのドア部材302aは、第2加熱部262から流出する空気を第4空気通路144の空気流れ下流側へ導くように通路延伸方向DRrnに対して傾斜する。
図1および図5に示すように、第3開閉装置32は、第3加熱部263を通過する空気の経路である第3経路を開閉する。この第3開閉装置32は、上述したように第1開閉装置28に相当するので、その第3経路は、第1開閉装置28に開閉される第1経路に相当する。
また、第3開閉装置32の第3流入側ドア部321は第1流入側ドア部281に相当し、ドア部材321aとドア回動軸321bとを含んで構成されている。従って、第3流入側ドア部321は、第1流入側ドア部281と同様に、図5に示す通路閉塞状態と図1に示す加熱部閉塞状態とに切替可能となっている。また、第3開閉装置32の第3流出側ドア部322は第1流出側ドア部282に相当し、ドア部材322aとドア回動軸322bとを含んで構成されている。従って、第3流入側ドア部321と第3流出側ドア部322はそれぞれ、第1流入側ドア部281および第1流出側ドア部282と同様に、図5に示す通路閉塞状態と図1に示す加熱部閉塞状態とに切替可能となっている。
また、本実施形態では、第1開閉装置28、第2開閉装置30、および第3開閉装置32は互いに連動して開閉作動する。例えば、第1開閉装置28が第1経路を開く場合には、第2開閉装置30は第2経路を開き、且つ、第3開閉装置32は第3経路を開く。第1開閉装置28が第1経路を閉じる場合には、第2開閉装置30は第2経路を閉じ、且つ、第3開閉装置32は第3経路を閉じる。
以上、説明したように、空調ユニット10のうち上流側空気通路147、148の空気流れ下流側は、第2の並び方向DL2において3層に積層された第1〜3空調層101、102、103を成している。すなわち、その3層に積層された空調層のうちの第1空調層101は、図1および図5に示すように、第1空気通路141、第2空気通路142、第1加熱部261、第1開閉装置28、第1群下流連通空間157a、吹出口14c、14e、および吹出口ドア341、361を含んで構成されている。
また、第2空調層102は、図4および図6に示すように、第3空気通路143、第4空気通路144、第2加熱部262、第2開閉装置30、第2群下流連通空間157b、吹出口14f、14g、14i、14j、および吹出口ドア362、363、381、382を含んで構成されている。
また、第3空調層103は、図1および図5に示すように、第5空気通路145、第6空気通路146、第3加熱部263、第3開閉装置32、第3群下流連通空間157c、吹出口14d、14h、および吹出口ドア342、364を含んで構成されている。
次に、本実施形態の空調ユニット10が行う空調運転について説明する。その空調ユニット10は種々の運転状態で空調運転を行う。例えば、空調ユニット10が最も強力に冷房を行う運転状態すなわち空調ユニット10の最大冷房状態(言い換えれば、MAXCOOL状態)では、送風機22は、その最大冷房状態を実現する所定の送風量で送風を行う。
そして、図1および図4に示すように、内気導入ドア16は内気導入口14aを開き、外気導入ドア18は外気導入口14bを閉じ、連通ドア20は内外気連通孔14pを開く。また、フェイス吹出口14e、14f、14g、14hは全て開かれる一方で、フット吹出口14c、14dおよびデフロスタ吹出口14i、14jは全て閉じられる。また、第1〜第3流入側ドア部281、301、321および第1〜第3流出側ドア部282、302、322は何れも加熱部閉塞状態になる。
これにより、第1および第2上流側空気通路147、148に内気が導入される。そして、第1空気通路141、第4空気通路144、および第5空気通路145には、第1冷却部241で冷却された内気が流入する。それと共に、第2空気通路142、第3空気通路143、および第6空気通路146には、第2冷却部242で冷却された内気が流入する。
その第1空気通路141へ流入した内気は、図1の矢印AC1のように第1空気通路141を通過し、第2空気通路142へ流入した内気は、矢印AC2のように第2空気通路142を通過する。そして、それらの内気は共に、第1群下流連通空間157aを通って第1フェイス吹出口14eから車室内へ吹き出される。第5空気通路145と第6空気通路146とにおける空気流れもこれと同様である。
また、第3空気通路143へ流入した内気は、図4の矢印AC3のように第3空気通路143を通過し、第4空気通路144へ流入した内気は、矢印AC4のように第4空気通路144を通過する。そして、それらの内気は共に、第2群下流連通空間157bを通って第2フェイス吹出口14fと第3フェイス吹出口14gとから車室内へ吹き出される。
このように最大冷房時においては、図1および図4に示すように、加熱器26が面する通路、すなわち、第1〜6空気通路141〜146は何れも、冷却器24で冷却された空気を加熱器26を介さずに流す冷風通路として機能する。
そして、第1空気通路141では、第1加熱部261の空気流入面261aの正面を、空気が矢印AC1のように通路延伸方向DRrnに沿って流れる。それと同時に、第2空気通路142では、第1加熱部261の空気流出面261bの正面を、空気が矢印AC2のように通路延伸方向DRrnに沿って流れる。すなわち、第1加熱部261のうち第1空気通路141側を向いた空気流入面261aは、上記第1経路が閉じられている場合における第1空気通路141の空気流れの向き(言い換えれば、空気流れ方向)に沿っている。そして、第1加熱部261のうち第2空気通路141側を向いた空気流出面261bは、上記第1経路が閉じられている場合における第2空気通路142の空気流れの向きに沿っている。このことは、第3加熱部263に関しても同様である。
また、第3空気通路143では、第2加熱部262の空気流入面262aの正面を、空気が矢印AC3のように通路延伸方向DRrnに沿って流れる。それと同時に、第4空気通路144では、第2加熱部262の空気流出面262bの正面を、空気が矢印AC3のように通路延伸方向DRrnに沿って流れる。すなわち、第2加熱部261のうち第3空気通路143側を向いた空気流入面262aは、上記第2経路が閉じられている場合における第3空気通路143の空気流れの向きに沿っている。そして、第2加熱部261のうち第4空気通路144側を向いた空気流出面262bは、上記第2経路が閉じられている場合における第4空気通路144の空気流れの向きに沿っている。
空調ユニット10は、上記の最大冷房状態とは別の運転状態として、例えば最大暖房状態(言い換えれば、MAXHOT状態)でも空調運転を行う。その空調ユニット10の最大暖房状態とは、空調ユニット10が最も強力に暖房を行う運転状態である。この最大暖房状態では、送風機22は、その最大暖房状態を実現する所定の送風量で送風を行う。
そして、図5および図6に示すように、内気導入ドア16は内気導入口14aを開き、外気導入ドア18は外気導入口14bを開き、連通ドア20は内外気連通孔14pを閉じる。また、第1フェイス吹出口14eおよび第4フェイス吹出口14hは閉じられる。その一方で、第2フェイス吹出口14fおよび第3フェイス吹出口14gは開かれ、フット吹出口14c、14dおよびデフロスタ吹出口14i、14jは全て開かれる。また、第1〜第3流入側ドア部281、301、321および第1〜第3流出側ドア部282、302、322は何れも通路閉塞状態になる。
これにより、第1上流側空気通路147には内気が導入され、第2上流側空気通路148には外気が導入される。すなわち、それらの上流側空気通路147、148を流れる空気は、上流側隔壁149によって内気と外気との二層に分けられる。
そして、第1空気通路141および第5空気通路145には、第1冷却部241で冷却された内気が流入する。それと共に、第3空気通路143には、第2冷却部242で冷却された外気が流入する。すなわち、空調ユニット10は、内気と外気とが分離されて空調ユニット10内を流通する内外気二層状態になる。
その第1空気通路141へ流入した内気は、図5の矢印AH1aのように第1空気通路141を流れて第1加熱部261へ空気流入面261aから流入し、第1加熱部261を上方側から下方側へと通過しつつ第1加熱部261によって加熱される。その加熱された内気は、矢印AH1bのように空気流出面261bから流出し、第2空気通路142を通って第1フット吹出口14cから車室内へ吹き出される。第5空気通路145と第6空気通路146とにおける空気流れもこれと同様である。
なお、第2上流側空気通路148からは外気が流出するが、第2空気通路142は、上述したように、第1加熱部261の空気流出側が接続された接続箇所142cと空気流れ上流端142aとの間で第1流出側ドア部282により閉じられている。そのため、第2上流側空気通路148から流出する外気は、第2空気通路142を通過できないので、第2連通空間148cを通って第3空気通路143へ導かれる。
また、第2上流側空気通路148から第3空気通路143へ流入した外気は、図6の矢印AH2aのように第3空気通路143を流れて第2加熱部262へ空気流入面262aから流入する。その第2加熱部262へ流入した外気は、第2加熱部262を下方側から上方側へと通過しつつ第2加熱部262によって加熱される。その加熱された外気は、矢印AH2bのように空気流出面262bから流出し、第4空気通路144を通って第2、第3フェイス吹出口14f、14gおよび第1、第2デフロスタ吹出口14i、14jから車室内へ吹き出される。
ここで、第1上流側空気通路147からは内気が流出するが、第4空気通路144は、上述したように、第2加熱部262の空気流出側が接続された接続箇所144cと空気流れ上流端144aとの間で第2流出側ドア部302により閉じられている。そのため、第1上流側空気通路147から流出する内気は、第4空気通路144を通過できないので、第1連通空間147cを通って第1空気通路141と第5空気通路145とへ導かれる。
また、図5および図6に示すように、第1および第5空気通路141、145には内気が流入し、第3空気通路143には外気が流入するので、内気と外気は、加熱器26よりも空気流れ下流側では第2隔壁155と第3隔壁156とによって交互に隔てられる。すなわち、内気が流通する内気空間と外気が流通する外気空間とは、加熱器26よりも空気流れ下流側では車両幅方向DR2に並ぶ。そして、その加熱器26よりも空気流れ下流側において、内気空間と外気空間はそれぞれ、加熱器26との関係では、車両幅方向DR2を長手方向とするヘッダタンク26a、26bと交差する層形状を成す。
空調ユニット10は、上記の最大冷房状態および最大暖房状態とは別の運転状態として、例えば加熱器26の加熱部261、262、263の開度を最大冷房状態での開度と最大暖房状態での開度との中間にした運転状態でも空調運転を行う。その加熱部261、262、263の開度は、例えば、最大冷房状態での開度を0%とし且つ最大暖房状態での開度を100%として定義される。図7には、第2加熱部262の開度が50%程度とされた空調ユニット10の状態が図示されており、図7は、第2通路群152における空気流れを説明するための図である。
図7の例では、空調ユニット10の最大冷房状態と同様に、第1および第2上流側空気通路147、148に内気が導入される。そして、第2通路群152では、第3空気通路143と第4空気通路144との両方に、冷却器24で冷却された内気が流入する。
第2上流側空気通路148から第3空気通路143へ流入した内気は、図7の矢印AM1のように第2加熱部262を迂回する空気流れと、矢印AM3aのように第2加熱部262へ流入する空気流れとに分かれる。その矢印AM3aのように第2加熱部262へ流入する内気は、第2加熱部262を下方側から上方側へと通過しつつ第2加熱部262によって加熱される。
その加熱された内気は、矢印AM3bのように、第2加熱部262の空気流出面262bから第4空気通路144を通って第2、第3フェイス吹出口14f、14gおよび第1、第2デフロスタ吹出口14i、14jから車室内へ吹き出される。このとき、その矢印AM3bのように流れる加熱後の内気は、第2加熱部262を経ずに第3空気通路143を矢印AM1のように通過する内気と、第2加熱部262を経ずに第4空気通路144を矢印AM2のように通過する内気と共に車室内へ吹き出される。
従って、その矢印AM1、AM2、AM3bで示す空気流れは、第2流出側ドア部302よりも空気流れ下流側において、加熱後の内気である暖風が冷風に挟まれる空気流れになる。これにより、その暖風と冷風との混合性が良好になり、空調ユニット10が吹き出す空調空気の温度コントロール性が向上する。
上述したように、本実施形態によれば、図1、4、5、6に示すように、第1加熱部261は、その第1加熱部261の空気流入面261aが、上記第1経路が閉じられている場合における第1空気通路141の空気流れの向きに沿うように配置されている。また、第2加熱部262は、その第2加熱部262の空気流入面262aが、上記第2経路が閉じられている場合における第3空気通路143の空気流れの向きに沿うように配置されている。また、第3加熱部263は、その第31加熱部263の空気流入面263aが、上記第3経路が閉じられている場合における第5空気通路145の空気流れの向きに沿うように配置されている。
これにより、第1の並び方向DL1において、加熱部261、262、263を迂回する冷風通路と、加熱部261、262、263へ空気を流す温風通路(言い換えれば、暖風通路)とを並列に設ける必要がない。そして、第1〜6空気通路141〜146はそれぞれ、最大暖房状態では温風通路として機能し最大冷房状態では冷風通路として機能する。従って、空調ユニット10を第1の並び方向DL1に小型化することが可能である。
また、逆の見方をすれば、空調ユニット10の外形に第1の並び方向DL1の余裕があるので、第1〜6空気通路141〜146のそれぞれにおいて、冷風通路面積を大きく確保できる。その結果として、第1〜6空気通路141〜146での空気流れで圧損の低減を図ることが可能である。
例えば、本実施形態では、図1および図4〜7に示すように、空調ユニット10は、最大暖房状態でのみ、第1上流側空気通路147に内気が流れ且つ第2上流側空気通路148に外気が流れる内外気二層状態とされる。従って、そのように内外気の導入が制御されれば、最大暖房状態以外で空調運転が為されるときに、第1〜6空気通路141〜146での空気流れで圧損の低減を図ることが可能である。特に、空調ユニット10の最大冷房状態では、各開閉装置28、30、32が第1〜6空気通路141〜146を最も大きく開くので、その最大冷房状態の空気流れにおいて圧損を大幅に低減することが可能である。
また、本実施形態によれば、開閉装置28、30、32はそれぞれ、その開閉装置28、30、32が設けられた空気通路141〜146を通路途中で閉じる機能を備えている。そのため、冷却器24へ空気を導入するまでの経路では、内外気二層機能を実現するための空気通路として、第1、第2上流側空気通路147、148の2通路を設ければよい。従って、送風機22から冷却器24までの空気通路を簡潔に構成することが可能である。
また、本実施形態によれば、空調ユニット10の最大暖房状態では、図5および図6に示すように、第3空気通路143には、第1空気通路141および第5空気通路145へ流入する空気とは異なる箇所から導入された空気が流入する。要するに、第3空気通路143には外気が流入し、第1空気通路141および第5空気通路145には内気が流入する。従って、それら内気と外気とを分けて空調に用いることが可能である。
また、本実施形態によれば、図1、図4〜図6に示すように、第1〜第3閉装置28、30、32の各流入側ドア部281、301、321および各流出側ドア部282、302、322は何れも、上記の通路閉塞状態と加熱部閉塞状態とに切替可能である。従って、第1〜6空気通路141〜146と加熱器26とが第1の並び方向DL1に占めるスペースを抑えつつ、第1〜第3加熱部261、262、263の各々へ空気を流して加熱することが可能である。
また、本実施形態によれば、第1開閉装置28が、第1加熱部261を通過する空気の経路(すなわち、第1経路)を開く場合に、第2開閉装置30は、第2加熱部262を通過する空気の経路(すなわち、第2経路)を開く。また、第1開閉装置28が第1経路を閉じる場合に第2開閉装置30は第2経路を閉じる。従って、第1加熱部261を使った暖房のオンオフと第2加熱部262を使った暖房のオンオフとを連動させることができる。
また、本実施形態によれば、第1上流側空気通路147は、第1冷却部241よりも空気流れ下流側に、第1連通空間147cを有している。その第1連通空間147cは、第1空気通路141の空気流れ上流端141aと第4空気通路144の空気流れ上流端144aと第5空気通路145の空気流れ上流端145aとを互いにつないでいる。そして、第2上流側空気通路148は、第2冷却部242よりも空気流れ下流側に、第2連通空間148cを有している。その第2連通空間148cは、第2空気通路142の空気流れ上流端142aと第3空気通路143の空気流れ上流端143aと第6空気通路146の空気流れ上流端146aとを互いにつないでいる。
従って、第2空気通路142が第1流出側ドア部282によって閉じられ、且つ第6空気通路146が第3流出側ドア部322によって閉じられている場合には、第2冷却部242から流出する空気を第3空気通路143へ流すことが可能である。また、第4空気通路144が第2流出側ドア部302によって閉じられている場合には、第1冷却部241から流出する空気を第1空気通路141と第5空気通路145とへ流すことが可能である。
また、本実施形態によれば、空調ケース14は、第1隔壁154と第2隔壁155と第3隔壁156とを有している。そして、第2隔壁155と第3隔壁156とは互いに平行であり、第1隔壁154は第2隔壁155と第3隔壁156とのそれぞれに交差する。従って、第1〜6空気通路141〜146を互いに近接させて配置することができ、空調ユニット10の小型化が容易になる。
また、本実施形態によれば、第1加熱部261は、図2の矢印FLaのように、その第1加熱部261を通過する空気を第1の並び方向DL1の他方側から一方側へ流す。また、第2加熱部262は、図2の矢印FLbのように、その第2加熱部262を通過する空気を第1の並び方向DL1の一方側から他方側へ流す。第3加熱部263は、図2の矢印FLcのように、その第3加熱部263を通過する空気を第1の並び方向DL1の他方側から一方側へ流す。従って、加熱器26が第1の並び方向DL1に占める幅を抑えつつ、第1上流側空気通路147から流出する空気と第2上流側空気通路148から流出する空気とを分離したまま、第1加熱部261と第2加熱部262と第3加熱部263とのそれぞれで加熱することが可能である。
また、本実施形態によれば、空調ユニット10の最大暖房状態では、図5および図6に示すように、第1上流側空気通路147には内気が導入され、第2上流側空気通路148には外気が導入される。また、第1の並び方向DL1の一方側とは車両の下方側であり、第1の並び方向DL1の他方側とは車両の上方側である。
従って、第1、第4、第5空気通路141、144、145は、第2、第3、第6空気通路142、143、146に対して上方側に配置されることになる。これにより、空調ケース14を、第1、第3加熱部261、263で加熱された内気をフット吹出口14c、14dへ導きやすい構成にすることができる。それと共に、空調ケース14を、第2加熱部262で加熱された外気をデフロスタ吹出口14i、14jへ導きやすい構成にすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の第3実施形態以降でも同様である。
図8および図9に示すように、本実施形態では、第1空調層101において第1開閉装置28の各ドア部283、284が通路延伸方向DRrnの両側各々に開く両開き構造となっている。また、第1空調層101には、第1フット吹出口14c、第1フェイス吹出口14e、および、第1デフロスタ吹出口14kがそれぞれ設けられている。
また、第1フット吹出口14cを開閉する第1フット吹出口ドア341、第1フェイス吹出口14eを開閉する第1フェイス吹出口ドア361、および、第1デフロスタ吹出口14kを開閉する第1デフロスタ吹出口ドア383も設けられている。更に、第2空調層102および第3空調層103も、この第1空調層101と同様に構成されている。従って、空調ケース14のフット吹出口とフェイス吹出口とデフロスタ吹出口との各々で、吹き出される空気を内気または外気に切り替えることが可能である。本実施形態は、このような点で、前述の第1実施形態と異なっている。
なお、第2空調層102の構成および第3空調層103の構成は上述のように第1空調層101と同様であるので、本実施形態については第1空調層101について説明し、第2空調層102および第3空調層103についてはその説明を省略する。また、図8および図9は何れも、第1空調層101を断面図示したものである。
また、図8および図9では、冷却器24よりも空気流れ上流側の図示が省略されているが、例えば、空調ユニット10のうち冷却器24よりも空気流れ上流側は、図5と同じ状態になっている。すなわち、第1上流側空気通路147には内気が導入され、第2上流側空気通路148には外気が導入されている。
また、図8および図9は、第1フェイス吹出口14eが開かれ且つ第1フット吹出口14cと第1デフロスタ吹出口14kとが閉じられたフェイス吹出モードを示している。これは、単なる吹出モードの一例であり、第1空調層101では、複数の吹出口14c、14e、14kのうちの何れを開くことも可能である。このことは、第2空調層102および第3空調層103でも同様である。また、各空調層101、102、103の吹出モードを互いに異ならせることも、同じにすることも可能である。
図8および図9に示すように、第1開閉装置28の作動に応じて、第1加熱部261には第1の並び方向DL1の一方側から他方側へ空気が通過する場合もあれば、第1の並び方向DL1の他方側から一方側へ空気が通過する場合もある。
例えば、図8に示す第1加熱部261では、第1空気通路141の途中に接続する第1加熱部261の一面261c側が空気流入側になり、第2空気通路142の途中に接続する第1加熱部261の他面261d側が空気流出側になっている。逆に、図9に示す第1加熱部261では、第1加熱部261の一面261c側が空気流出側になり、第1加熱部261の他面261d側が空気流入側になっている。
このように、第1加熱部261では、その第1加熱部261の一面261c側から流入した空気が第1加熱部261の他面261d側から流出する場合もあれば、第1加熱部261の他面261d側から流入した空気が第1加熱部261の一面261c側から流出する場合もある。
第1加熱部261の一面261cは、第1加熱部261の空気が通過する2つの面261c、261dのうち、第1空気通路141側を向いた面である。また、第1加熱部261の他面261dは、第1加熱部261の空気が通過する2つの面261c、261dのうち、第2空気通路142側を向いた面である。
第1開閉装置28は、第1加熱部261の一面261c側を開閉する一面側ドア部283と、第1加熱部261の他面261d側を開閉する他面側ドア部284とを有している。そして、第1開閉装置28は、3つの状態、すなわち、第1状態と第2状態と第3状態とに切替え可能に構成されている。
その第1状態では、第1開閉装置28は、図8に示すように、第1空気通路141と第2空気通路142とのうち第1空気通路141を、第1加熱部261の空気流入側が接続する上記第1の一方通路にする。それと共に、第1開閉装置28は、第2空気通路142を、第1加熱部261の空気流出側が接続する上記第1の他方通路にする。すなわち、第1開閉装置28の第1状態では、上述のように、第1加熱部261の一面261c側が空気流入側になり、第1加熱部261の他面261d側が空気流出側になる。
また、図9に示すように、第1開閉装置28の第2状態では、第1状態とは逆に、第1開閉装置28は、第2空気通路142を上記第1の一方通路にすると共に、第1空気通路141を上記第1の他方通路にする。すなわち、第1開閉装置28の第2状態では、上述のように、第1加熱部261の他面261d側が空気流入側になり、第1加熱部261の一面261c側が空気流出側になる。
従って、第1の一方通路と第1の他方通路とに着目して表現すれば、上記第1状態と第2状態との何れでも、第1加熱部261には、第1の一方通路の途中にて、その第1の一方通路から空気が流入する。そして、第1加熱部261は、その流入した空気を加熱して第1の他方通路へ流出させる。
また、第1開閉装置28の第3状態では、第1加熱部261を通過する空気の経路である上記第1経路が閉じられる。
具体的に図8および図9に示すように、第1開閉装置28の上記3つの状態の切替えを可能にするために、空調ケース14は、一面側第1壁401と一面側第2壁402と他面側第1壁403と他面側第2壁404とを、空調ケース14内に有している。これらの一面側第1壁401、一面側第2壁402、他面側第1壁403、および他面側第2壁404は何れも、通路延伸方向DRrnを厚み方向として形成されている。そして、一面側第1壁401および一面側第2壁402は第1空気通路141の全幅にわたって設けられ、他面側第1壁403および他面側第2壁404は第2空気通路142の全幅にわたって設けられている。
そして、一面側第1壁401および一面側第2壁402は第1加熱部261の一面261c側に設けられている。すなわち、一面側第1壁401および一面側第2壁402は、第1隔壁154に対し第1の並び方向DL1の他方側に設けられている。また、他面側第1壁403および他面側第2壁404は第1加熱部261の他面261d側に設けられている。すなわち、他面側第1壁403および他面側第2壁404は、第1隔壁154に対し第1の並び方向DL1の一方側に設けられている。
一面側第1壁401は、車両前後方向DR3と平行な第1空気通路141の空気流れ方向において加熱器26の上流側の端に設けられている。そして、その一面側第1壁401は、その加熱器26の上流側の端から第1の並び方向DL1の他方側へ向けて第1空気通路141の途中まで突き出ている。
また、一面側第2壁402は、上記空気流れ方向において加熱器26の下流側の端に設けられている。そして、その一面側第2壁402は、その加熱器26の下流側の端から第1の並び方向DL1の他方側へ向けて第1空気通路141の途中まで突き出ている。
従って、一面側第1壁401と一面側第2壁402との間には、第1空気通路141の一部としての一面側空間141dが形成されている。すなわち、第1の並び方向DL1において一面側空間141dの一方側の端は第1加熱部261の一面261c側に接続している。また、一面側空間141dの他方側の端は、第1の並び方向DL1の他方側を向いて開口した開口端となっている。
また、他面側第1壁403は、車両前後方向DR3と平行な第2空気通路142の空気流れ方向において加熱器26の上流側の端に設けられている。そして、その他面側第1壁403は、その加熱器26の上流側の端から第1の並び方向DL1の一方側へ向けて第2空気通路142の途中まで突き出ている。
また、他面側第2壁404は、上記空気流れ方向において加熱器26の下流側の端に設けられている。そして、その他面側第2壁404は、その加熱器26の下流側の端から第1の並び方向DL1の一方側へ向けて第2空気通路142の途中まで突き出ている。
従って、他面側第1壁403と他面側第2壁404との間には、第2空気通路142の一部としての他面側空間141fが形成されている。すなわち、第1の並び方向DL1において他面側空間141fの一方側の端は、第1の並び方向DL1の一方側を向いて開口した開口端となっている。また、他面側空間141fの他方側の端は、第1加熱部261の他面261d側に接続している。
第1開閉装置28の一面側ドア部283および他面側ドア部284はバタフライドアである。一面側ドア部283は、板状のドア部材283aと、ドア回動軸283bとを含んで構成されている。そのドア回動軸283bは、ドア部材283aの中央部分に設けられている。言い換えれば、ドア部材283aは、ドア回動軸283bの径方向の両側それぞれへ突き出るように形成されている。
また、ドア回動軸283bは、一面側空間141dの開口端の中央部分に配置され、そのドア回動軸283bの軸方向は車両幅方向DR2を向いている。そして、一面側ドア部283のドア部材283aは、一面側ドア部283が一面側空間141dの開口端を閉じる際にはその開口端を覆う。すなわち、一面側ドア部283は、一面側空間141dの開口端を閉じることにより、第1加熱部261の一面261c側を閉じる。
第1開閉装置28の他面側ドア部284は、上記の一面側ドア部283と同様の構成である。すなわち、他面側ドア部284は、板状のドア部材284aと、ドア回動軸284bとを含んで構成されている。そのドア回動軸284bは、ドア部材284aの中央部分に設けられている。言い換えれば、ドア部材284aは、ドア回動軸284bの径方向の両側それぞれへ突き出るように形成されている。
また、ドア回動軸284bは、他面側空間141fの開口端の中央部分に配置され、そのドア回動軸284bの軸方向は車両幅方向DR2を向いている。そして、他面側ドア部284のドア部材284aは、他面側ドア部284が他面側空間141fの開口端を閉じる際にはその開口端を覆う。すなわち、他面側ドア部284は、他面側空間141fの開口端を閉じることにより、第1加熱部261の他面261d側を閉じる。
このような構成から、第1開閉装置28は上記第1状態では、図8に示すように第1経路を開く。すなわち、その第1状態では、一面側ドア部283は、第1加熱部261の一面261c側を開く。それと共に、一面側ドア部283は、第1空気通路141において第1加熱部261の一面261c側が接続された一面側接続箇所141eとその一面側接続箇所141eよりも空気流れ下流側とを隔てるように第1空気通路141を閉じる。要するに、一面側ドア部283は、第1空気通路141において一面側接続箇所141eと空気流れ下流端141bとを隔てる。その一面側接続箇所141eは一面側空間141dに含まれる。
更に、その第1状態では、他面側ドア部284は、第1加熱部261の他面261d側を開く。それと共に、他面側ドア部284は、第2空気通路142において第1加熱部261の他面261d側が接続された他面側接続箇所141gとその他面側接続箇所141gよりも空気流れ上流側とを隔てるように第2空気通路142を閉じる。要するに、他面側ドア部284は、第2空気通路142において他面側接続箇所141gと空気流れ上流端142aとを隔てる。その他面側接続箇所141gは他面側空間141fに含まれる。
具体的には、第1開閉装置28の第1状態では、図8に示すように、一面側ドア部283のドア部材283aは、第1空気通路141の空気流れ方向で下流側ほど第1の並び方向DL1の一方側へずれるように、通路延伸方向DRrnに対して傾斜する。これと同様に、他面側ドア部284のドア部材284aは、第2空気通路142の空気流れ方向で下流側ほど第1の並び方向DL1の一方側へずれるように、通路延伸方向DRrnに対して傾斜する。
従って、第1上流側空気通路147から第1空気通路141へ流入した内気は、矢印AH3aのように一面側ドア部283のドア部材283aに案内されて第1加熱部261へ流入する。そして、その内気は、第1加熱部261を上方側から下方側へと通過しつつ第1加熱部261によって加熱される。第1加熱部261で加熱され第1加熱部261から流出する内気は、矢印AH3bのように他面側ドア部284のドア部材284aに案内されて第2空気通路142を下流側へと流れ、第1フェイス吹出口14eから車室内へ吹き出される。
第1開閉装置28は上記第2状態では、図9に示すように第1経路を開く。すなわち、その第2状態では、一面側ドア部283は、第1加熱部261の一面261c側を開く。それと共に、一面側ドア部283は、第1空気通路141において一面側接続箇所141eとその一面側接続箇所141eよりも空気流れ上流側とを隔てるように第1空気通路141を閉じる。要するに、一面側ドア部283は、第1空気通路141において一面側接続箇所141eと空気流れ上流端141aとを隔てる。
更に、その第2状態では、他面側ドア部284は、第1加熱部261の他面261d側を開く。それと共に、他面側ドア部284は、第2空気通路142において他面側接続箇所141gとその他面側接続箇所141gよりも空気流れ下流側とを隔てるように第2空気通路142を閉じる。要するに、他面側ドア部284は、第2空気通路142において他面側接続箇所141gと空気流れ下流端142bとを隔てる。
具体的には、第1開閉装置28の第2状態では、図9に示すように、一面側ドア部283のドア部材283aは、第1空気通路141の空気流れ方向で上流側ほど第1の並び方向DL1の一方側へずれるように、通路延伸方向DRrnに対して傾斜する。これと同様に、他面側ドア部284のドア部材284aは、第2空気通路142の空気流れ方向で上流側ほど第1の並び方向DL1の一方側へずれるように、通路延伸方向DRrnに対して傾斜する。
従って、第2上流側空気通路148から第2空気通路142へ流入した外気は、矢印AH4aのように他面側ドア部284のドア部材284aに案内されて第1加熱部261へ流入する。そして、その外気は、第1加熱部261を下方側から上方側へと通過しつつ第1加熱部261によって加熱される。第1加熱部261で加熱され第1加熱部261から流出する外気は、矢印AH4bのように一面側ドア部283のドア部材283aに案内されて第1空気通路141を下流側へと流れ、第1フェイス吹出口14eから車室内へ吹き出される。
第1開閉装置28の上記第3状態では、図8または図9から判るように、一面側ドア部283のドア部材283aおよび他面側ドア部284のドア部材284aは何れも、車両前後方向DR3に沿う向きに位置決めされる。これにより、一面側空間141dの開口端は一面側ドア部283によって閉じられ、他面側空間141fの開口端は他面側ドア部284によって閉じられる。
すなわち、その第3状態では、一面側ドア部283は第1加熱部261の一面261c側を閉じると共に、第1空気通路141を開く。そして、他面側ドア部284は第1加熱部261の他面261d側を閉じると共に、第2空気通路142を開く。
第3状態では、第1空気通路141において、第1加熱部261の一面261cの正面を、空気が通路延伸方向DRrnに沿って流れる。それと同時に、第2空気通路142では、第1加熱部261の他面261dの正面を、空気が通路延伸方向DRrnに沿って流れる。
従って、第1加熱部261は、その第1加熱部261の一面261cと他面261dとが、上記第1経路が閉じられている場合における第1空気通路141および第2空気通路142の空気流れ方向に沿うように配置されている。
すなわち、第1加熱部261の一面261c側に着目すれば、第1加熱部261は、その第1加熱部261の一面261cが、上記第1経路が閉じられている場合における第1空気通路141の空気流れ方向に沿うように配置されていると言える。また、第1加熱部261の他面261d側に着目すれば、第1加熱部261は、その第1加熱部261の他面261dが、上記第1経路が閉じられている場合における第2空気通路142の空気流れ方向に沿うように配置されていると言える。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、図8および図9に示すように、第1加熱部261は、その第1加熱部261の一面261c側と他面261d側との一方から第1加熱部261に流入した空気が一面261c側と他面261d側との他方から流出するものである。そして、第1開閉装置28は、上記第1状態と第2状態と第3状態とに切替え可能に構成されている。
従って、第1空気通路141に流入する空気を第1加熱部261で加熱して空調ケース14から吹き出させることが可能であると共に、第2空気通路142に流入する空気を第1加熱部261で加熱して空調ケース14から吹き出させることも可能である。すなわち、第1空調層101と第2空調層102と第3空調層103との各々において個別に内気または外気を吹き出させることが可能である。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図10は、空調ユニット10のうち第1空調層101の断面を表し、図11は第2空調層102を表している。図10および図11に示すように、本実施形態では、各開閉装置28、30、32の構成が第1実施形態と異なっている。
なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、第3開閉装置32を含む第3空調層103の構成は第1空調層101の構成と共通しているので、第3空調層103についての説明を省略する。
また、図10および図11では、冷却器24よりも空気流れ上流側の図示が省略されているが、例えば、空調ユニット10のうち冷却器24よりも空気流れ上流側は、図5と同じ状態になっている。すなわち、空調ユニット10は最大暖房状態であり、第1上流側空気通路147には内気が導入され、第2上流側空気通路148には外気が導入されている。
具体的には、本実施形態の第1開閉装置28は、第1実施形態の第1流入側ドア部281と第1流出側ドア部282とのうち第1流入側ドア部281を有し、第1流出側ドア部282を有していない。また、本実施形態の第2開閉装置30は、第1実施形態の第2流入側ドア部301と第2流出側ドア部302とのうち第2流入側ドア部301を有し、第2流出側ドア部302を有していない。要するに、第1開閉装置28でも第2開閉装置30でも、加熱器26の空気流れ下流側になるドア部を有していない。
その替わりに、空調ケース14は、第1流出側隔壁411と第2流出側隔壁412とを有している。その第1流出側隔壁411は第2空気通路142の一部を形成している。そして、第1流出側隔壁411は、第1加熱部261の空気流出面261bと第2上流側空気通路148とを隔てている。また、第1流出側隔壁411は、第1加熱部261の空気流出面261bから流出した空気を第2空気通路142の空気流れ下流側へ導くように、通路延伸方向DRrnに対して傾斜している。すなわち、第1流出側隔壁411は、第2空気通路142の空気流れ下流側ほど第1の並び方向DL1において空気流出面261bから離れるように、通路延伸方向DRrnに対して傾斜している。
第2流出側隔壁412は、第4空気通路144の一部を形成している。そして、第2流出側隔壁412は、第2加熱部262の空気流出面262bと第1上流側空気通路147とを隔てている。また、第2流出側隔壁412は、第2加熱部262の空気流出面262bから流出した空気を第4空気通路144の空気流れ下流側へ導くように、通路延伸方向DRrnに対して傾斜している。すなわち、第2流出側隔壁412は、第4空気通路144の空気流れ下流側ほど第1の並び方向DL1において空気流出面262bから離れるように、通路延伸方向DRrnに対して傾斜している。
本実施形態の空調ユニット10の最大冷房状態および最大暖房状態のそれぞれにおいて、第1流入側ドア部281および第2流入側ドア部301の開閉制御は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、第1開閉装置28でも第2開閉装置30でも、加熱器26の空気流れ下流側になるドア部を有していないので、その分、ドア部の数が減り、第1開閉装置28および第2開閉装置30の構造を簡素化することが可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の第1実施形態において、第1開閉装置28の第1流入側ドア部281と第1流出側ドア部282は連動して開閉作動するが、それぞれのドア部281、282が互いに独立して開閉作動しても差し支えない。このことは、第2開閉装置30と第3開閉装置32とについても同様である。そのように第1開閉装置28の各ドア部281、282が互いに独立して開閉作動する一例が図12に示され、第2開閉装置30の各ドア部301、302が互いに独立して開閉作動する一例が図13に示されている。なお、図12には、第3空調層103に関する符号も図5と同様に付記されている。
その図12では、最大冷房状態での開度を0%とし且つ最大暖房状態での開度を100%とすれば、第1流入側ドア部281の開度は、0%と100%との間の中間の開度(例えば50%程度)である。その一方で、第1流出側ドア部282の開度は100%である。また、図13では、第2流入側ドア部301の開度は、0%と100%との間の中間の開度(例えば50%程度)である。その一方で、第2流出側ドア部302の開度は100%である。
この図12および図13に示すように流入側ドア部281、301の開度と流出側ドア部282、302の開度とが調節されることで、第1通路群151では内気が図12の矢印で示すように流れ、第2通路群152では外気が図13の矢印で示すように流れる。
従って、第1空調層101からは内気を吹き出させると共に、第2空調層102からは外気を吹き出させることが可能である。すなわち、加熱器26で加熱された暖風と加熱器26をバイパスした冷風とが混合されて吹出空気の温度が調節される温度コンロール時にも、空調ユニット10を内外気二層状態とすることが可能である。
(2)上述の第2実施形態において、第1開閉装置28は、上記第1状態と第2状態と第3状態とに切替え可能に構成されているが、それ以外の状態に切替可能であっても差し支えない。例えば、第1開閉装置28は、その第1開閉装置28の各ドア部283、284によって第1加熱部261の開度が0%と100%との間の中間の開度とされる中間開度状態に切り替わってもよい。
(3)上述の各実施形態において、第1空調層101では、第1空気通路141の空気流れ下流端141bおよび第2空気通路142の空気流れ下流端142bは第1群下流連通空間157aを介して互いに連通し、その連通した状態は常に維持されている。この点に関し、例えば、その第1空気通路141の空気流れ下流端141bと第2空気通路142の空気流れ下流端142bとの間を開閉する上下連通開閉ドア157dが、図14に示すように、第1群下流連通空間157aに設けられていてもよい。
その上下連通開閉ドア157dは、空調ユニット10の最大冷房状態では、第1空気通路141の空気流れ下流端141bと第2空気通路142の空気流れ下流端142bとの間を開く。その一方で、上下連通開閉ドア157dは、空調ユニット10の最大暖房状態では、第1空気通路141の空気流れ下流端141bと第2空気通路142の空気流れ下流端142bとの間を閉じる。これらのことは、第3空調層103についても同様である。なお、図14は、図5に相当する図であり、空調ユニット10の最大暖房状態を示している。
(4)上述の各実施形態において、空調ユニット10は冷却器24を備えているが、その冷却器24が設けられていない空調ユニット10の構成も考え得る。
(5)上述の各実施形態において、加熱器26は、エンジン冷却水の熱で空気を加熱するヒータコアであるが、その空気を加熱する方法に限定はない。
(6)上述の各実施形態において、空調ユニット10は第1〜第3空調層101、102、103を有しているが、その第1空調層101と第3空調層103とのうちの一方は無くても差し支えない。
なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではない。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、第1加熱部は、その第1加熱部のうち第1空気通路と第2空気通路との何れか一の通路側を向いた面が、第1経路が閉じられている場合におけるその一の通路の空気流れ方向に沿うように配置されている。そして、第2加熱部は、その第2加熱部のうち第3空気通路と第4空気通路との何れか一の通路側を向いた面が、第2経路が閉じられている場合におけるその一の通路の空気流れ方向に沿うように配置されている。
また、第2の観点によれば、第3空気通路には、第1空気通路へ流入する空気とは異なる箇所から導入された空気が流入する。従って、例えば内気と外気のように相互に異なる箇所から導入された空気を分けて空調に用いることが可能である。
また、第3の観点によれば、第1流入側ドア部は、第1空気通路において第1加熱部の空気流入側が接続された接続箇所とその接続箇所よりも空気流れ下流側とを隔てるように第1空気通路を閉じ第1加熱部の空気流入側を開く状態と、第1空気通路を開き第1加熱部の空気流入側を閉じる状態とに切替可能である。また、第1流出側ドア部は、第2空気通路において第1加熱部の空気流出側が接続された接続箇所とその接続箇所よりも空気流れ上流側とを隔てるように第2空気通路を閉じ第1加熱部の空気流出側を開く状態と、第2空気通路を開き第1加熱部の空気流出側を閉じる状態とに切替可能である。また、第2流入側ドア部は、第3空気通路において第2加熱部の空気流入側が接続された接続箇所とその接続箇所よりも空気流れ下流側とを隔てるように第3空気通路を閉じ第2加熱部の空気流入側を開く状態と、第3空気通路を開き第2加熱部の空気流入側を閉じる状態とに切替可能である。また、第2流出側ドア部は、第4空気通路において第2加熱部の空気流出側が接続された接続箇所とその接続箇所よりも空気流れ上流側とを隔てるように第4空気通路を閉じ第2加熱部の空気流出側を開く状態と、第4空気通路を開き第2加熱部の空気流出側を閉じる状態とに切替可能である。
従って、第1〜第4空気通路と加熱器とが第1の並び方向に占めるスペースを抑えつつ、第1加熱部と第2加熱部との各々へ空気を流して加熱することが可能である。
また、第4の観点によれば、第1開閉装置が第1経路を開く場合に第2開閉装置は第2経路を開き、第1開閉装置が第1経路を閉じる場合に第2開閉装置は第2経路を閉じる。従って、第1加熱部を使った暖房のオンオフと第2加熱部を使った暖房のオンオフとを連動させることができる。
また、第5の観点によれば、第1上流側空気通路は、第1空気通路と第4空気通路とをつなぐ第1連通空間を、第1冷却部よりも空気流れ下流側に有している。そして、第2上流側空気通路は、第2空気通路と第3空気通路とをつなぐ第2連通空間を、第2冷却部よりも空気流れ下流側に有している。
従って、第2空気通路が第1流出側ドア部によって閉じられている場合には、第2冷却部から流出する空気を第3空気通路へ流すことが可能である。また、第4空気通路が第2流出側ドア部によって閉じられている場合には、第1冷却部から流出する空気を第1空気通路へ流すことが可能である。
また、第6の観点によれば、空調ケースは第1隔壁と第2隔壁とを有している。その第1隔壁は、第1空気通路と第2空気通路とを隔てると共に、第3空気通路と第4空気通路とを隔てる。また、第2隔壁は第1隔壁と交差し、第1空気通路と第4空気通路とを隔てると共に、第2空気通路と第3空気通路とを隔てる。従って、第1〜第4空気通路を近接させて配置することができ、空調ユニットの小型化が容易になる。
また、第7の観点によれば、第1加熱部は、その第1加熱部を通過する空気を第1の並び方向の他方側から一方側へ流す。また、第2加熱部は、その第2加熱部を通過する空気を第1の並び方向の一方側から他方側へ流す。従って、加熱器が第1の並び方向に占める幅を抑えつつ、第1上流側空気通路から流出する空気と第2上流側空気通路から流出する空気とを分離したまま、第1加熱部と第2加熱部とのそれぞれで加熱することが可能である。
また、第8の観点によれば、第1上流側空気通路には車室内の空気が導入され、第2上流側空気通路には車室外の空気が導入される。また、第1の並び方向の上記一方側とは車両の下方側である。従って、第1空気通路および第4空気通路は、第2空気通路および第3空気通路に対して上方側に配置されることになる。これにより、第1加熱部で加熱された車室内の空気を車室内の下方側へ吹き出させることが容易になる。そして、第2加熱部で加熱された車室外の空気を車室内の上方側へ吹き出させることが容易になる。
また、第9の観点によれば、第1加熱部は、その第1加熱部の一面側と他面側との一方から第1加熱部に流入した空気が上記一面側と上記他面側との他方から流出するものである。従って、第1空気通路に流入する空気を第1加熱部で加熱して空調ケースから吹き出させることが可能であると共に、第2空気通路に流入する空気を第1加熱部で加熱して空調ケースから吹き出させることも可能である。