JP3707179B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調空気の通路を内気側の第1空気通路と外気側の第2空気通路とに区画形成することにより、フット吹出開口部からは暖められた高温内気を再循環して吹き出し、一方、デフロスタ吹出開口部からは低湿度の外気を吹き出す、いわゆる内外気2層流モードを設定して、冬期における暖房能力の向上と窓ガラスの防曇性との両立を図った車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような車両用空調装置の従来技術として、特開平5−124426号公報に開示されたものがある。この従来技術の概要を説明すると、車両用空調装置の空調ケースの一端側に内気吸入口および外気吸入口が形成され、他端側にフット吹出開口部、デフロスタ吹出開口部、およびフェイス吹出開口部がそれぞれ形成されている。これら各吹出開口部に対応して、空気流れを制御する吹出モードドアが設置されている。
【0003】
そして、この空調ケース内に、上記内気吸入口から上記フェイス吹出開口部およびフット吹出開口部にかけての第1空気通路と、上記外気吸入口から上記デフロスタ吹出開口部にかけての第2空気通路とを区画形成する仕切り板が設けられている。この仕切り板のうち、上記吹出モードドアの上流部位に、第1空気通路と前記第2空気通路とを連通する連通路を設け、この連通路を連通ドアにより開閉するようにしている。
【0004】
さらに、上記両空気通路内には、暖房用熱交換器、この暖房用熱交換器をバイパスするバイパス通路、およびエアミックスドアがそれぞれ設けられた構成となっている。
そして、吹出モードとしてフェイスモード、バイレベルモード、およびフットモードのいずれかが選択されたときは、そのときの内外気モードが内気循環モードであれば、上記両空気通路内に内気を導入し、外気導入モードであれば、上記両空気通路内に外気を導入する。また、吹出モードとしてデフロスタモードが選択されたときは、上記両空気通路内に外気を導入する。これらの吹出モードのときには、上記連通路を上記連通ドアにより開くことにより、上記両空気通路内の空気を上記吹出モードドアの上流側で合流した後に、選択された所定の吹出開口部に導入する。
【0005】
一方、吹出モードとしてフットデフロスタモードが選択されたときは、上記連通路を上記連通ドアにより閉じるとともに、上記吹出モードドアによりフット吹出開口部とデフロスタ吹出開口部を開口する。さらに、第1空気通路内には内気を導入し、第2空気通路内には外気を導入して2層流モードとする。こうすることによって、既に温められている内気を第1空気通路を通してフット吹出開口部から吹き出して車室内を暖房できるので、暖房性能が向上できる。これと同時に、デフロスタ吹出開口部からは第2空気通路を通して低湿度の外気を窓ガラスへ吹き出すので、窓ガラスの防曇性能を確保できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吹出モードとしてフットデフロスタモード以外の他の吹き出しモード(フェイスモード、バイレベルモード、およびフットモード)が選択されたときは、上記両空気通路内の空気を上記吹出モードドアの上流側において仕切り板の連通路を通して合流しているが、スペース的な制約から、連通路の開口面積がどうしても小さくなるとともに、この連通路前後における流路の急激な曲がりや、流路の急激な拡大、縮小が余儀なくされ、その結果、この連通路による合流部での圧力損失が大きくなり、吹出風量の低下、送風騒音の増大等の不具合があった。
【0007】
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、内外気2層流モードを設定可能な車両用空調装置において、内外気2層流モードを設定しない場合における、第1、第2の両空気通路からの空気の合流部における圧力損失を低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、吹出モードドアの上流側の狭いスペース内に配置される連通路の存在が圧力損失増大の原因であるという点に着目して、この連通路を廃止し、そして、第1、第2の両空気通路からの空気を吹出モードドアの下流側で合流して、複数の吹出開口部のうち選択された所定の吹出開口部に導く構成とすることにより、上記目的を達成しようとするものである。
【0009】
すなわち、請求項1〜6記載の発明によれば、吹出モードドア(45)により、フット吹出開口部(27、28)とデフロスタ吹出開口部(21、22)の両方から同時に空気を吹き出す吹出モードが設定されたとき、内気吸入口(5a、5b、5c)からの内気を第1空気通路(13、14)を通してフット吹出開口部(27、28)から吹き出し、外気吸入口(4a、4b、4c)からの外気を第2空気通路(12、15)を通してデフロスタ吹出開口部(21、22)から吹き出す内外気2層流モードを設定するとともに、
フット吹出開口部(27、28)とデフロスタ吹出開口部(21、22)の両方から同時に空気を吹き出す吹出モード以外の他の吹き出しモードが設定されたときは、第1空気通路(13、14)および第2空気通路(12、15)からの空気を吹出モードドア(45)の下流側で合流して、複数の吹出開口部(21〜28)のうち選択された所定の吹出開口部に導くことを特徴としている。
【0010】
これによると、内外気2層流モードの設定により、冬期における暖房能力の向上と窓ガラスの防曇性との両立を図ることができる。しかも、内外気2層流モードを設定しない場合には、第1、第2の2つの空気通路からの空気を吹出モードドア(45)の下流側で合流することにより、従来技術のようなスペース的な制約の大きい連通路前後での急激な曲がり、急拡大、急縮小等を起こすことなく、スムーズな流れでもって、空気流れを合流できる。そのため、空気流れの合流部における圧力損失を低減でき、送風量を増大できる。
【0011】
特に、請求項2記載の発明では、フェイス吹出開口部(23、24、25)から空気を吹き出すフェイス吹出モードにおいて、第1空気通路(13、14)および第2空気通路(12、15)からの空気を吹出モードドア(45)の下流側で合流して、フェイス吹出開口部(23、24、25)に導くとともに、
デフロスタ吹出開口部(21、22)から空気を吹き出すデフロスタ吹出モードにおいて、第1空気通路(13、14)および第2空気通路(12、15)からの空気を吹出モードドア(45)の下流側で合流して、デフロスタ吹出開口部(21、22)に導くことを特徴としている。
【0012】
これによると、フェイス吹出モードおよびデフロスタ吹出モードにおいて、空気流れの合流部における圧力損失を低減して、送風量を増大できる。従って、フェイス吹出モード時にはクールダウン性能の向上により冷房始動時に車室内冷房温度を急速に低下でき、また、デフロスタ吹出モード時には、窓ガラスの曇り除去を急速に行うことができる。
【0013】
また、請求項3記載の発明では、吹出モードドア(45)を、複数の吹出開口部(21〜28)に対応した複数の開口部(45a〜45e)を有するフィルム状の可撓性部材から構成することを特徴としている。
このようなフィルム状の吹出モードドア(45)の使用により、吹出モード切替機構を簡略化できる。
【0014】
また、請求項4記載の発明では、内気が流れる第1空気通路(13、14)を空調ケース(2)の中央部に形成し、外気が流れる第2空気通路(12、15)を空調ケース(2)内において、第1空気通路(13、14)の両側に形成することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、第2空気通路(12、15)において、暖房用熱交換器(17)の下流側と吹出モードドア(45)の上流側との間に、車両側面窓ガラスまたは車室内側方部に向けて空気を吹き出すサイドフェイス吹出開口部(29、30)が開口していることを特徴としている。
【0015】
これによると、サイドフェイス吹出開口部(29、30)は、吹出モードドア(45)の操作位置と無関係に、全吹出モードにおいて、常時空気を吹き出して、冬期における車両側面窓ガラスの曇り止めおよび夏期における車室内側方部の冷房作用を果たすことができる。その場合、請求項4記載の発明のように、外気が流れる第2空気通路(12、15)を、内気が流れる第1空気通路(13、14)の両側に形成することにより、左右のサイドフェイス吹出開口部(29、30)を第2空気通路(12、15)に対して簡単に配置でき、空調ケースの構造が簡単となる。
【0016】
また、請求項6記載の発明では、空調ケース(2)を車室内前方の計器盤部に、車両左右方向の略中央部に位置するように設置し、空調ケース(2)内において、暖房用熱交換器(17)の上流側に空気を冷却する冷房用熱交換器(16)を設置し、空調ケース(2)内の空気通路を、冷房用熱交換器(16)および暖房用熱交換器(17)の順に、車両前方から車両後方側へ向かって空気が流れることを特徴としている。
【0017】
このような配置レイアウトにより、冷房機能部と暖房機能部とを一体化した空調ユニットを車室内中央部に一体的に搭載できる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1〜13は本発明の一実施形態を示すものであり、図1、2は全外気モード、図3、4は内外気2層流モード、図5、6は全内気モードの状態をそれぞれ示している。図1〜6において、本実施形態の空調装置通風系は、1つの一体形空調ユニット1として構成され、この空調ユニット1は車室内前方の計器盤(図示せず)下方のうち、車両左右方向の中央部に設置される。この際、空調ユニット1は車両の前後、左右、上下方向に対して図示の方向となるように配置されて、車両に搭載される。
【0019】
そして、空調ユニット1は空気通路を形成する樹脂製の空調ケース2を有し、この空調ケース2内に後述の各機器が収容される。空調ユニット1のうち、最も車両前方側の部位に、内外気切替箱3が配置されており、この内外気切替箱3には車両前方側から外気(車室外空気)を吸入する3個の外気吸入口4a、4b、4cが車両左右方向に並列に設けられている。また、この3個の外気吸入口4a、4b、4cにそれぞれ隣接して、空調ユニット1の下方側から内気(車室内空気)を吸入する3個の内気吸入口5a、5b、5cが設けられている。
【0020】
内外気切替箱3の内部には、上記した3個づつ設けた外気吸入口4a、4b、4cと内気吸入口5a、5b、5cとを切替開閉する3枚の平板状の内外気切替ドア6a、6b、6cが回動可能に配置されている。ここで、この3枚の内外気切替ドア6a、6b、6cを回動させる回転軸は、図示上は1本の回転軸として図示しているが、実際は外側の中空パイプ状の第1回転軸60の内周に、中実の第2回転軸61を摺動可能に収納した構成としている。
【0021】
そして、第1回転軸60には、左右両側の2枚の内外気切替ドア6a、6cを連結し、また、第2回転軸61には中央部の内外気切替ドア6bを連結している。第1、第2回転軸60、61は車両左右方向に延びるように配置され、内外気切替箱3に対して回動可能に支持されており、内外気切替箱3の外部に突出している第1、第2回転軸60、61の一端部にはそれぞれ第1駆動用リンク60a、第2用駆動リンク61aを連結している。この駆動用リンク60a、61aは、それぞれ図示しない操作リンク機構を介して、サーボモータのようなアクチュエータに連結され、このアクチュエータによって、内外気切替ドア6a、6b、6cは空調装置の内外気導入モード制御信号に応じて操作される。
【0022】
そして、上記外気吸入口4a、4b、4cと内気吸入口5a、5b、5cからの吸入空気を送風する送風機として、本例では、車両右側および左側に配置された2個の送風機7、8を用いている。この送風機7、8にはそれぞれ2個の送風ファン7a、7a、8a、8aを設け、これらの送風ファン7a、7a、8a、8aをそれぞれ回転軸7c、8cを介してモータ7b、8bにより回転駆動する構成となっている。
【0023】
これらの送風ファン7a、7a、8a、8aは周知の遠心多翼ファン(シロッコファン)からなるものであって、図2等に示すスクロールケース7d、8d内に配置され、ファン吸入口7e、8eから吸入した空気をスクロールケース7d、8dの渦巻き形状に沿って矢印Aのように送風する。
一方、空調ケース2内の空気通路は、本例では、車両右側の仕切り板9a、9b、9c、9dと、車両中央部の仕切り板10a、10bと、車両左側の仕切り板11a、11b、11c、11dとにより4つの空気通路12、13、14、15とに仕切られている。ここで、後述するように、図3、4の内外気2層流モード時には、車両中央側の2つの空気通路13、14が内気の流れる第1空気通路をなし、車両左右両側の空気通路12、15が外気の流れる第2空気通路をなす。上記各仕切り板は樹脂製の空調ケース2に一体成形することができる。
【0024】
空調ケース2内において、送風機7、8のスクロールケース7d、8dの出口直後の部位に蒸発器(冷房用熱交換器)16が上記空気通路12〜15の全域を横切るように配置されている。この蒸発器16は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して空調空気を冷却するものであって、本例では、蒸発器16の車両左右方向の寸法を長くした横長形状とすることより蒸発器16の上下方向の寸法を小さくしている。
【0025】
なお、蒸発器16は周知の積層型のものであって、アルミニュウム等の2枚の金属薄板を最中状に張り合わせて構成した偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。蒸発器16内部はコルゲートフィンのフィン面または偏平チューブの偏平面によって、前記各仕切り板の延長線上で空気通路を仕切ることができる。
【0026】
そして、蒸発器16の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア(暖房用熱交換器)17が隣接配置されている。このヒータコア17は、蒸発器16を通過した冷風を再加熱するものであって、その内部に高温のエンジン冷却水(温水)が流れ、この冷却水を熱源として空気を加熱するものである。このヒータコア17も蒸発器16と同様の横長形状とすることより上下方向の寸法を小さくしている。
【0027】
また、ヒータコア17は周知の構成であって、アルミニュウム等の金属薄板を溶接等により断面偏平状に接合してなる偏平チューブをコルゲートフィンを介在して多数積層配置し、一体ろう付けしたものである。ヒータコア17内部はコルゲートフィンのフィン面または偏平チューブの偏平面によって前記各仕切り板の延長線上で空気通路を仕切ることができる。
【0028】
また、本例では、ヒータコア17に流入する温水の流量(または温水の温度)を調整する温水弁18を設けて、この温水弁18の温水流量(または温水温度)調整作用により吹出空気温度を調整できるようにしてある。従って、温水弁18は本例では温度調整手段であって、図示しないリンク機構に連結されて、サーボモータのようなアクチュエータにより、空調装置の温度制御信号に応じて操作されるようになっている。
【0029】
また、空調ケース2内で、ヒータコア17の上方部位には、このヒータコア17をバイパスして空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路19が形成されており、この冷風バイパス通路19を冷風バイパスドア20により開閉する。この冷風バイパスドア20は、最大冷房時とかバイレベル吹出モード時に冷風バイパス通路19を開くことにより、冷風量を増加して冷房能力の向上を図ったり、バイレベル吹出モード時の上下の吹出空気に所定の温度差を持たせるものである。
【0030】
なお、冷風バイパス通路19および冷風バイパスドア20は図1等に平面形状を図示していないが、上記空気通路12〜15のいずれにも設けられている。
次に、本実施形態における吹出モード切替機構を説明すると、空調ケース2の空気通路下流端には複数の吹出開口部21〜30が形成されており、この各吹出開口部21〜30の下流側に、さらに、空調空気を車室内の所定場所に向けて吹き出させるための吹出ダクト31〜40が接続される。図7は空調ケース2における吹出開口部21〜30のうち、後述のフィルム状の吹出モードドア45により開閉される吹出開口部21〜28の開口パターンを示すもので、一平面上に展開して示すものである。
【0031】
このうち、デフロスタ吹出開口部21、22は図2等に示すように空調ケース2の上面部において車両前方側へ向かって開口している。図7に図示するように、右側のデフロスタ吹出開口部21は、右側の2つの空気通路12、13からの空気を導入できるように形成されており、また、左側のデフロスタ吹出開口部22は、左側の2つの空気通路14、15からの空気を導入できるように形成されている。
【0032】
そして、左右のデフロスタ吹出開口部21、22にはそれぞれデフロスタダクト39、40が接続され、このデフロスタダクト39、40の先端には車両窓ガラス内面に向けて空調空気を吹き出すためのデフロスタ吹出口(図示せず)が設置されている。
また、左右のフェイス吹出開口部23、24は空調ケース2の最も車両後方側の部位で、かつ、上方側に配置され、車両後方側へ向かって開口している。右側のフェイス吹出開口部23は右側の2つの空気通路12、13からの空気を導入できるように形成され、また、左側のフェイス吹出開口部24は左側の2つの空気通路14、15からの空気を導入できるように形成されている。そして、この左右のフェイス吹出開口部23、24には、それぞれフェイスダクト31、32が接続され、このフェイスダクト31、32の先端には乗員の頭部に向けて空調空気を吹き出すためのフェイス吹出口(図示せず)が設置されている。
【0033】
次に、上部フェイス吹出開口部25は、空調ケース2の上面部の最も車両後方側部位に配置され、中央寄りの2つの空気通路13、14からの空気を導入できるように形成され、そして、この上部フェイス吹出開口部25には、上部フェイスダクト33が接続され、この上部フェイスダクト33の先端には、上記フェイス吹出口よりもさらに車室内上方側へ向けて空調空気を吹き出すための上部フェイス吹出口(図示せず)が設置されている。
【0034】
フット吹出開口部27、28は、空調ケース2の最も車両後方側の下方側部位に配置され、右側のフット吹出開口部27は右側の中央寄りの空気通路13のみから空気を導入できるように形成され、また、左側のフット吹出開口部28は左側の中央寄りの空気通路14のみから空気を導入できるように形成されている。そして、この左右のフット吹出開口部27、28には、それぞれフットダクト35、36が接続され、このフットダクト35、36の先端には乗員の足元部に向けて空調空気を吹き出すためのフット吹出口41、42が設置されている。
【0035】
サイドフェイス吹出開口部29、30は、空調ケース2内部のヒータコア17直後の部位に直接開口している。すなわち、右側のサイドフェイス吹出開口部29は最も右側の空気通路12からの空気を常時、導入できるように、この空気通路12においてヒータコア17直後の部位に直接開口している。左側のサイドフェイス吹出開口部30は最も左側の空気通路15からの空気を常時、導入できるように、この空気通路15においてヒータコア17直後の部位に直接開口している。このサイドフェイス吹出開口部29、30にはサイドフェイスダクト37、38が接続され、このサイドフェイスダクト37、38の先端には車両の側面窓ガラスまたは乗員の頭部側に向けて空調空気を吹き出すためのサイドフェイス吹出口(図示せず)が設置されている。
【0036】
図2等に示すように、空調ケース2内には、駆動軸43と従動軸44が、空調ケース2に対して回転自在に支持されている。この駆動軸43および従動軸44には、フィルム状の吹出モードドア45の両端が固定および巻回されている。このフィルム状の吹出モードドア45は薄膜状の可撓性材料、具体的には、ポリエチレン樹脂のごとく可撓性、強度に優れた樹脂製フィルム材にて構成された周知のものである。
【0037】
このフィルム状の吹出モードドア45は図1等に示すように空調ケース2の車両左右方向の幅寸法と略同等の幅寸法を有し、後述の所定の開口パターンの形成により、上記の各吹出開口部21〜28への空気流れを切替制御するものである。なお、サイドフェイス吹出開口部29、30はフィルム状の吹出モードドア45よりも空気流れの上流側にて空調ケース2内部に開口しているので、フィルム状の吹出モードドア45の開口パターンの操作位置と無関係に、全吹出モードにおいてサイドフェイス吹出開口部29、30に空調空気が流れる。
【0038】
そして、このフィルム状の吹出モードドア45は、駆動軸43と従動軸44と中間ガイド部46〜47とによって上記の各吹出開口部21〜28をそれぞれ横切るようにして、一定の張力が付与された状態で空調ケース2の内壁面に沿って摺動可能に張設されている。
上記駆動軸43はステップモータ等のアクチュエータ(図示せず)によって駆動され、このアクチュエータの回転量は空調装置の吹出モード制御信号により制御される。駆動軸43の回転は回転伝達機構を介して従動軸44に伝達される。従って、アクチュエータにより駆動軸43を正逆両方向に回転させることにより、従動軸44も連動して正逆両方向に回転し、これにより、フィルム状の吹出モードドア45の一端部が両軸43、44の一方から巻き戻され、他方に巻回されるという運動を行って、各吹出開口部21〜28の内壁面に沿ってフィルム状の吹出モードドア45が摺動する。
【0039】
そして、フィルム状の吹出モードドア45には、図8に示すように、空気を通過させるための5つの開口部45a〜45eが形成されており、上記アクチュエータにより駆動軸43を正逆両方向に回転させて吹出モードドア45を所定の位置で停止させることによって、この開口部45a〜45eと前記各吹出開口部21〜28との連通、遮断を切り替えることにより、吹出モードの切替を行うようになっている。ここで、5つの開口部45a〜45eのうち、右側の開口部45a、45bは右側の2つの空気通路12、13からの空気を導入できるように形成され、左側の開口部45c、45dは左側の2つの空気通路14、15からの空気を導入できるように形成され、さらに、中央部の開口部45eは中央寄りの2つの空気通路13、14からの空気を導入できるように形成されている。
【0040】
次に、上記構成において本実施形態の作動を吹出モードごとに説明する。
「フット吹出モード」
フット吹出モード時にはフィルム状の吹出モードドア45がアクチュエータにより図9の位置に操作されるため、吹出モードドア45の開口部45b、45dによりフット吹出開口部27、28は空気通路13、14に全開状態で連通する。また、デフロスタ吹出開口部21、22は吹出モードドア45の開口部45a、45cにより空気通路12、15に小開度で連通する。このとき、フェイス吹出開口部23、24および上部フェイス吹出開口部25は全閉状態にある。
【0041】
一方、暖房始動時のごとく、最大暖房状態を設定するときは、温水弁18を全開して、ヒータコア17に最大流量の温水を流すとともに、冷風バイパスドア20を図2等に示す実線位置に操作して冷風バイパス路19を閉塞する。そして、最大暖房状態を設定するときは、内外気2層流モードを設定する。すなわち、内外気切替箱3においては、図示しないアクチュエータおよびリンク機構により内外気切替ドア6a、6cが図3、4の位置に回動操作され、左右両側の内外気切替ドア6a、6cにより内気吸入口5a、5cを閉じて、外気吸入口4a、4cを開くとともに、中央部の内外気切替ドア6bにより外気吸入口4bを閉じて、内気吸入口5bを開く。
【0042】
これにより、送風機7、8を作動させると、左右両側の送風ファン7a、8aは外気吸入口4a、4cから外気を吸入して左右両側の空気通路12、15に送風する。また、中央寄りの送風ファン7a、8aは、内気吸入口5bから内気を吸入して中央寄りの空気通路13、14に送風する。
従って、内気は、中央寄りの空気通路13、14の蒸発器16を通過した後、ヒータコア17にて加熱されて、温風となる。この温風は吹出モードドア45の開口部45b、45dによりフット吹出開口部27、28に流入し、フットダクト35、36を経てフット吹出口41、42から車室内の乗員足元に吹き出す。
【0043】
これと同時に、外気は、左右両側の空気通路12、15の蒸発器16を通過した後、ヒータコア17にて加熱されて、温風となる。この温風は吹出モードドア45の開口部45a、45cによりデフロスタ吹出開口部21、22に流入し、デフロスタダクト39、40を経てデフロスタ吹出口から車両窓ガラス内面に吹き出す。
【0044】
また、左右両側の空気通路12、15において、ヒータコア17直後の部位にサイドフェイス吹出開口部29、30が直接開口しているので、空気通路12、15の温風の一部はサイドフェイス吹出開口部29、30を経てサイドフェイスダクト37、38に流入し、このサイドフェイスダクト37、38の先端のサイドフェイス吹出口から車両の側面窓ガラスに向けて吹き出す。
【0045】
ここで、フット吹出口41、42から車室内の乗員足元に吹き出す温風は、車室内の温度の高い内気を再循環して加熱しているので、温風温度が十分高くなり、暖房効果を向上できる。しかも、デフロスタ吹出口およびサイドフェイス吹出口から車両窓ガラスに向けて吹き出す温風は低湿度の外気を加熱した温風であるので、窓ガラスの防曇性を十分確保できる。
【0046】
また、前述した通り、デフロスタ吹出開口部21、22は吹出モードドア45の開口部45a、45cにより空気通路12、15に小開度で連通するので、フット吹出モードにおける、デフロスタ吹出開口部21、22からの吹出風量を少量に抑制して、乗員の頭部が火照るのを防止している。ここで、デフロスタ吹出開口部21、22およびサイドフェイス吹出開口部29、30からの吹出風量と、フット吹出開口部27、28からの吹出風量との風量割合は例えば、2:8程度である。
【0047】
次に、車室内温度が上昇して、暖房負荷が減少すると、吹出空気温度制御のため、温水弁18を全開位置(最大暖房状態)から中間開度位置に操作し、ヒータコア17に流入する温水流量を減少させる。
中間温度制御域では、最大暖房能力を必要としないため、内外気吸入モードは、通常、3個の内外気切替ドア6a、6b、6cにより内気吸入口5a、5b、5c、2aを全て閉塞し、外気吸入口4a、4b、4cを全て開放する全外気モードに設定する。図1、2はこの全外気モードが設定された状態を示す。
【0048】
しかし、乗員の手動操作よる設定にて、3個の内外気切替ドア6a、6b、6cにより外気吸入口4a、4b、4cを全て閉塞して、内気吸入口5a、5b、5c、2aを全て開放する全内気モード(図5、6参照)としたり、前述のように内気と外気とを同時に導入する内外気2層流モードとすることもできる。
なお、冬期の暖房時には外気温度が低いため、蒸発器16を有する冷凍サイクルは停止している。
【0049】
「フットデフロスタ吹出モード」
フットデフロスタ吹出モードでは、フィルム状の吹出モードドア45がアクチュエータにより図10の位置に操作されるため、吹出モードドア45の開口部45b、45dによりフット吹出開口部27、28は空気通路13、14にそれぞれ略半分の開度で連通する。また、デフロスタ吹出開口部21、22は吹出モードドア45の開口部45a、45cにより空気通路12、15にそれぞれ略半分の開度で連通する。このとき、フェイス吹出開口部23、24および上部フェイス吹出開口部25は全閉状態にある。
【0050】
そして、温水弁18を全開して、最大暖房状態を設定するときは、内外気切替ドア6a、6b、6cにより図3、4に示す内外気2層流モードを設定する。従って、内気が中央寄りの空気通路13、14を通過して、ヒータコア17にて加熱されて温風となり、この温風がフット吹出開口部27、28に流入し、フットダクト35、36を経てフット吹出口41、42から車室内の乗員足元に吹き出す。
【0051】
これと同時に、外気が左右両側の空気通路12、15を通過して、ヒータコア17にて加熱されて温風となり、この温風がデフロスタ吹出開口部21、22に流入し、デフロスタダクト39、40を経てデフロスタ吹出口から車両窓ガラス内面に吹き出す。また、左右両側の空気通路12、15において、ヒータコア17直後の部位から温風の一部がサイドフェイス吹出開口部29、30、サイドフェイスダクト37、38を経てサイドフェイス吹出口から車両の側面窓ガラスに向かって吹き出す。
【0052】
従って、フットデフロスタ吹出モードにおいても内外気2層流モードの設定により、温度の高い内気の再循環により乗員足元に吹き出す温風の温度を高めて暖房効果を向上できる。これと同時に、デフロスタ吹出口およびサイドフェイス吹出口からは低湿度の外気を加熱した温風を車両窓ガラスに向けて吹き出すことにより、窓ガラスの防曇性を十分確保できる。
【0053】
また、前述した通り、デフロスタ吹出開口部21、22と空気通路12、15との開度、およびフット吹出開口部27、28と空気通路13、14との開度をともに略半分程度として、デフロスタ吹出開口部21、22およびサイドフェイス吹出開口部29、30からの吹出風量と、フット吹出開口部27、28からの吹出風量との風量割合を例えば、5:5程度にすることができる。
【0054】
次に、車室内温度が上昇して、暖房負荷が減少すると、吹出空気温度制御のため、温水弁18を全開位置(最大暖房状態)から中間開度位置に操作し、ヒータコア17に流入する温水流量を減少させる。
中間温度制御域では、最大暖房能力を必要としないため、内外気吸入モードは、通常、図1、2に示す全外気モードに切り替える。しかし、乗員の手動操作よる設定にて、全内気モード(図5、6参照)としたり、内外気2層流モード(図1、2参照)とすることもできる。
【0055】
「デフロスタ吹出モード」
デフロスタ吹出モードにおいては、フィルム状の吹出モードドア45がアクチュエータにより図11の位置に操作されるため、吹出モードドア45の開口部45a、45cによりデフロスタ吹出開口部21、22が空気通路12、13、14、15にそれぞれ全開状態で連通する。このとき、フェイス吹出開口部23、24、上部フェイス吹出開口部25およびフット吹出開口部27、28は全閉状態にある。
【0056】
従って、右側の2つの空気通路12、13からの温風は吹出モードドア45の開口部45aを通過した後に、右側のデフロスタ吹出開口部21を通って右側のデフロスタダクト39にて合流する。同様に、左側の2つの空気通路14、15からの温風は吹出モードドア45の開口部45cを通過した後に、左側のデフロスタ吹出開口部22を通って左側のデフロスタダクト40にて合流する。このように、デフロスタダクト39、40にて合流した温風は、デフロスタ吹出口から窓ガラス内面に吹き出して、窓ガラスの曇り止めを行う。
【0057】
また、左右両側の空気通路12、15において、ヒータコア17直後の部位から温風の一部がサイドフェイス吹出開口部29、30、サイドフェイスダクト37、38を経てサイドフェイス吹出口から車両の側面窓ガラスに向かって吹き出す。
このデフロスタ吹出モードにおいては、窓ガラスの防曇性確保のために、内外気吸入モードを通常図1、2に示す全外気モードとする。
【0058】
また、デフロスタ吹出モードにおいて、右側の2つの空気通路12、13からの温風および左側の2つの空気通路14、15からの温風を、それぞれ、上記のごとく吹出モードドア45の開口部45a、45c、デフロスタ吹出開口部21、22を通過した後にデフロスタダクト39、40にて合流させているから、従来技術のようなスペース的な制約の大きい連通路前後での急激な曲がり、急拡大、急縮小等を起こすことなく、スムーズな流れでもって、温風を合流できる。
【0059】
従って、この温風の合流に伴う圧力損失の増大を最小限に抑制でき、温風の送風量を増加できるため、デフロスタ(防曇)能力を向上できる。
「フェイス吹出モード」
フェイス吹出モードにおいては、フィルム状の吹出モードドア45がアクチュエータにより図12の位置に操作されるため、吹出モードドア45の開口部45b、45dによりフェイス吹出開口部23、24が空気通路12、13、14、15にそれぞれ全開状態で連通する。これと同時に、吹出モードドア45の開口部45eにより上部フェイス吹出開口部25が中央寄りの空気通路13、14に全開状態で連通する。このとき、デフロスタ吹出開口部21、22およびフット吹出開口部27、28は全閉状態にある。
【0060】
ここで、フェイス吹出モードは主に夏期の冷房時に使用されるため、冷凍サイクルが運転され、蒸発器16により各空気通路12、13、14、15の送風空気は冷却されて、冷風となる。この冷風はヒータコア17により再加熱されて、所定温度に調整される。
そして、右側の2つの空気通路12、13からの冷風は吹出モードドア45の開口部45bを通過した後に、右側のフェイス吹出開口部23を通って右側のフェイスダクト31にて合流する。同様に、左側の2つの空気通路14、15からの冷風は吹出モードドア45の開口部45dを通過した後に、左側のフェイス吹出開口部24を通って左側のフェイスダクト32にて合流する。このように、フェイスダクト31、32にて合流した冷風は、フェイス吹出口から乗員の頭部に向かって吹き出して、車室内の冷房作用を行う。
【0061】
また、中央寄りの2つの空気通路13、14からの冷風の一部は吹出モードドア45の開口部45eを通過した後に、上部フェイス吹出開口部25から上部フェイスダクト33に流入し、ここで冷風は合流して上部フェイス吹出口からフェイス吹出口よりもさらに車室内上方側へ吹き出して車室内の冷房作用を行う。
また、左右両側の空気通路12、15において、ヒータコア17直後の部位から冷風の一部がサイドフェイス吹出開口部29、30、サイドフェイスダクト37、38を経てサイドフェイス吹出口から車室内の左右両サイドの上方部に向かって吹き出し、冷房作用を行う。なお、サイドフェイス吹出口は手動操作にて空気の吹出方向が調整可能なグリル機構を有しているので、夏期の冷房時には空気の吹出方向を乗員側に変更する。
【0062】
このフェイス吹出モードでも、内外気吸入モードは内外気切替ドア6a、6b、6cにより、全内気、全外気、内外気2層流のいずれも選択可能となる。
なお、最大冷房状態では、全内気吸入モードとし、また、温水弁18を全閉状態として、ヒータコア17への温水循環を遮断するとともに、冷風バイパスドア20により冷風バイパス通路19を開くので、冷風の送風量を増加でき、冷房能力が最大となる。
【0063】
しかも、右側の2つの空気通路12、13からの冷風および左側の2つの空気通路14、15からの冷風を、それぞれ、前述のごとく吹出モードドア45の開口部45b、45d、フェイス吹出開口部23、24を通過した後にフェイスダクト31、32にて合流させている。同様に、中央寄りの2つの空気通路13、14からの冷風の一部も吹出モードドア45の開口部45e、上部フェイス吹出開口部25を通過した後に、上部フェイスダクト33にて合流させている。
【0064】
このように、吹出モードドア45の下流側にて冷風を合流させているから、急激な曲がり、急拡大、急縮小等を起こすことなく、スムーズな流れでもって、冷風を合流できる。そのため、冷風の合流に伴う圧力損失の増大を最小限に抑制でき、冷風の送風量を増加できるので、より一層、冷房能力を向上できる。
「バイレベル吹出モード」
バイレベル吹出モードにおいては、フィルム状の吹出モードドア45がアクチュエータにより図13の位置に操作されるため、吹出モードドア45の開口部45b、45dによりフェイス吹出開口部23、24とフット吹出開口部27、28が両方とも、空気通路12、13、14、15に対してそれぞれ所定の中間開度で連通する。これと同時に、吹出モードドア45の開口部45eにより上部フェイス吹出開口部25が中央寄りの空気通路13、14にそれぞれ所定の中間開度で連通する。このとき、デフロスタ吹出開口部21、22は全閉状態にある。
【0065】
ここで、バイレベル吹出モードは主に春秋の中間季節に使用されるため、冷凍サイクルが運転され、蒸発器16により各空気通路12、13、14、15の送風空気は冷却されて、冷風となった後に、この冷風はヒータコア17により再加熱されて、所定温度に調整される。
以上により、フェイス吹出開口部23、24および上部フェイス吹出開口部25を通して車室内の上方側に空気を吹き出すとともに、フット吹出開口部27、28を通して車室内の乗員足元側にも空気を吹き出すことができる。
【0066】
そして、バイレベル吹出モード時に、冷風バイパスドア20により冷風バイパス通路19を開くことにより、冷風バイパス通路19を通過した冷風を、冷風バイパス通路19の出口部に開口するフェイス吹出開口部23、24および上部フェイス吹出開口部25に直接導くことができる。これにより、フェイス吹出開口部23、24および上部フェイス吹出開口部25からの吹出空気温度をフット吹出開口部27、28からの吹出空気温度より低くすることができ、頭寒足熱型の快適な温度分布を得ることができる。
【0067】
また、バイレベル吹出モード時においても、吹出モードドア45の下流側にて冷風を合流させることにより、冷風の合流に伴う圧力損失の増大を最小限に抑制でき、冷風の送風量を増加できる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、吹出空気温度の調整手段として、ヒータコア17に循環する温水の流量または温度を調整する温水弁18を用いているが、ヒータコア17を通過する温風とヒータコア17をバイパスする冷風との風量割合を調整するエアミックスドアを用い、このエアミックスドアの開度により吹出空気温度を調整する方式の空調装置においても、本発明は実施できる。
【0068】
また、上記実施形態では、遠心多翼ファンからなる送風ファン7a、7a、8a、8aを備えた2個の送風機7、8を使用しているが、これを横長の1つのクロスフローファンを備えた送風機に置換することも可能である。
また、上記実施形態では、吹出モードドアとして、5つの開口部45a〜45eを有するフィルム状の吹出モードドア45を使用しているが、フィルム状の吹出モードドア45の代わりに、複数枚の板状の吹出モードドアを使用できる。
【0069】
また、上記実施形態では、フット吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードにおける最大暖房時のみにおいて、内外気2層流モードを設定しているが、フット吹出モードおよびフットデフロスタ吹出モードには、この吹出モードの設定と連動して常時、内外気2層流モードを設するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、車室内の右側と左側をそれぞれ独立に温度制御可能とするために、右側と左側にそれぞれ2個づつの空気通路12、13、空気通路14、15を配置する構成としているが、車室内の左右で独立に温度制御する必要がない場合には、前述の特開平5−124426号公報と同様に、内気が流れる第1空気通路と、外気が流れる第2空気通路との2つの通路に仕切るだけの構成において本発明を同様に実施できることはもちろんである。
【0070】
また、各ドア6a、6b、6c、20、45や温水弁18の操作をリンク機構を介してサーボモータのようなアクチュエータにより行う場合について説明したが、空調操作パネルに設けられた手動操作部材に加えられる手動操作力にて、上記各ドアや温水弁18等を操作するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、車両の前後方向に内外気切替箱3、送風機7、8、蒸発器16、およびヒータコア17の四者を直列的に配置し、これらを空調ユニット1内に一体的に構成しているが、蒸発器16、およびヒータコア17を収容する空調ケース2を車室内の左右方向の中央部に配置し、そして、内外気切替箱3と送風機7、8はこの中央部の空調ケース2の側方にオフセット配置する構成でもよい。
【0071】
また、空調ユニット1内に蒸発器(冷房用熱交換器)16を配設しないタイプの空調装置、あるいは上部フェイス吹出開口部25を配設しないタイプの空調装置にも同様に本発明を適用できることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全外気モード時における概略平面断面図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の内外気2層流モード時における概略平面断面図である。
【図4】図3の縦断面図である。
【図5】本発明の一実施形態の全内気モード時における概略平面断面図である。
【図6】図5の縦断面図である。
【図7】本発明の一実施形態における空調ケースの吹出開口部の開口パターンを示す展開図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるフィルム状の吹出モードドアの開口パターンを示す展開図である。
【図9】本発明の一実施形態のフット吹出モードにおける、空調ケースの吹出開口部とフィルム状吹出モードドアの開口部との位置関係を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施形態のフットデフロスタ吹出モードにおける、空調ケースの吹出開口部とフィルム状吹出モードドアの開口部との位置関係を示す説明図である。
【図11】本発明の一実施形態のデフロスタ吹出モードにおける、空調ケースの吹出開口部とフィルム状吹出モードドアの開口部との位置関係を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施形態のフェイス吹出モードにおける、空調ケースの吹出開口部とフィルム状吹出モードドアの開口部との位置関係を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施形態のバイレベル吹出モードにおける、空調ケースの吹出開口部とフィルム状吹出モードドアの開口部との位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
2…空調ケース、4a、4b、4c…外気吸入口、
5a、5b、5c…内気吸入口、6a、6b、6c…内外気切替ドア、
7、8…送風機、9a〜9d、10a、10b、11a〜11d…仕切り部材、
12〜15…空気通路、21、22…デフロスタ吹出開口部、
23、24…フェイス吹出開口部、25…上部フェイス吹出開口部、
27、28…フット吹出開口部、29、30…サイドフェイス吹出開口部、
45…フィルム状吹出モードドア、45a〜45e…開口部。
Claims (6)
- 空気通路を形成する空調ケース(2)と、
前記空気通路の一端側に配置され、外気を吸入する外気吸入口(4a、4b、4c)および内気を吸入する内気吸入口(5a、5b、5c)と、
前記空気通路の他端側に配置され、車室内の乗員足元に空気を吹き出すフット吹出開口部(27、28)、車室内の乗員頭部に向かって空気を吹き出すフェイス吹出開口部(23、24、25)、および車両窓ガラスに向かって空気を吹き出すデフロスタ吹出開口部(21、22)と、
前記外気吸入口(4a、4b、4c)および前記内気吸入口(5a、5b、5c)から前記複数の吹出開口部(21、22、23、24、25、27、28)に向かって空気を送風する送風機(7、8)と、
前記空調ケース(2)内に収容され、前記送風機(7、8)の送風空気を加熱する暖房用熱交換器(17)と、
前記複数の吹出開口部(21〜28)への空気流れを制御する吹出モードドア(45)と、
前記空調ケース(2)内の空気通路を、前記内気吸入口(5a、5b、5c)からの内気が流れる第1空気通路(13、14)と前記外気吸入口(4a、4b、4c)からの外気が流れる第2空気通路(12、15)とに仕切る仕切り部材(9a、9b、9c、9d、11a、11b、11c、11d)とを備え、
前記吹出モードドア(45)により、前記フット吹出開口部(27、28)と前記デフロスタ吹出開口部(21、22)の両方から同時に空気を吹き出す吹出モードが設定されたとき、前記内気吸入口(5a、5b、5c)からの内気を前記第1空気通路(13、14)を通して前記フット吹出開口部(27、28)から吹き出し、前記外気吸入口(4a、4b、4c)からの外気を前記第2空気通路(12、15)を通して前記デフロスタ吹出開口部(21、22)から吹き出す内外気2層流モードを設定するとともに、
前記フット吹出開口部(27、28)と前記デフロスタ吹出開口部(21、22)の両方から同時に空気を吹き出す吹出モード以外の他の吹き出しモードが設定されたときは、前記第1空気通路(13、14)および前記第2空気通路(12、15)からの空気を前記吹出モードドア(45)の下流側で合流して、前記複数の吹出開口部(21〜28)のうち選択された所定の吹出開口部に導くことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記フェイス吹出開口部(23、24、25)から空気を吹き出すフェイス吹出モードにおいて、前記第1空気通路(13、14)および前記第2空気通路(12、15)からの空気を前記吹出モードドア(45)の下流側で合流して、前記フェイス吹出開口部(23、24、25)に導くとともに、
前記デフロスタ吹出開口部(21、22)から空気を吹き出すデフロスタ吹出モードにおいて、前記第1空気通路(13、14)および前記第2空気通路(12、15)からの空気を前記吹出モードドア(45)の下流側で合流して、前記デフロスタ吹出開口部(21、22)に導くことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記吹出モードドア(45)は、前記複数の吹出開口部(21〜28)に対応した複数の開口部(45a〜45e)を有するフィルム状の可撓性部材により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
- 内気が流れる前記第1空気通路(13、14)を前記空調ケース(2)の中央部に形成し、外気が流れる前記第2空気通路(12、15)を前記空調ケース(2)内において、前記第1空気通路(13、14)の両側に形成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記第2空気通路(12、15)において、前記暖房用熱交換器(17)の下流側と前記吹出モードドア(45)の上流側との間に、車両側面窓ガラスまたは車室内側方部に向けて空気を吹き出すサイドフェイス吹出開口部(29、30)が開口していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記空調ケース(2)が車室内前方の計器盤部に、車両左右方向の略中央部に位置するように設置され、
前記空調ケース(2)内において、前記暖房用熱交換器(17)の上流側に空気を冷却する冷房用熱交換器(16)が設置されており、
前記空調ケース(2)内の空気通路を、前記冷房用熱交換器(16)および前記暖房用熱交換器(17)の順に、車両前方から車両後方側へ向かって空気が流れることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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