JP4089393B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内の異なる複数の領域に対して1つの空調ユニットにより空調を行う車両用空調装置に関するものでである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車室内の異なる複数の領域、具体的には、車室内の前席側領域と後席側領域に対して1つの空調ユニットにより空調を行う車両用空調装置は種々提案されいる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1のものでは、前席側領域を空調する前席用空調ユニットに、後席側領域にも空調風を吹き出す機能を付加している。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−235914号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前席用空調ユニットは通常、車室内最前部の計器盤内側に配置されるので、後席側への空調風吹出のためには前席用空調ユニットの後席用吹出開口部と後席側領域に配置される吹出口との間を長い後席用ダクトにより連結する必要がある。この結果、後席側通路の通風抵抗が前席側通路に比較して非常に高くなってしまう。
【0006】
そのため、前席用空調ユニットの1つの送風機により前席側通路と後席側通路の両方に空調風を送風すると、後席側領域への吹出風量が非常に小さくなるという不具合が生じる。
【0007】
そこで、前席用空調ユニットの前席側通路の通風抵抗(圧損)を増大するとともに、送風機性能(駆動モータの出力)を向上させることにより、後席側領域への吹出風量割合を大きくするという対策が考えられるが、この対策であると、送風機消費電力が増大するのみならず、モータ作動音が増大し、更には、送風圧力が上昇するに伴って送風騒音も増大するので、実用的でない。
【0008】
また、別の対策として、後席用ダクトを太くして後席側通路の通風抵抗を低減することが考えられるが、後席用ダクトを太くすることは車室内床面等の限られたスペースへの搭載を困難とし、空調装置の車両搭載性を悪化する。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、車室内の前席側領域へ向かって空調風が流れる前席側空調通路と、車室内の後席側領域へ向かって空調風が流れる後席側空調通路とを具備し、後席側空調通路の通風抵抗が高くなっている車両用空調装置において、車室内の後席側領域の空調不足を良好に解消することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、車室内前席側領域に対して車室内後席側領域を独立に温度制御する機能を良好に実現することを他の目的とする。
【0011】
また、本発明は、車室内後席側のバイレベルモード時における上下吹出温度差を良好に設定できるようにすることを他の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気を送風する主送風機(10)と、主送風機(10)の送風空気と熱交換する空調用熱交換器(15、16)と、空調用熱交換器(15、16)と熱交換した空調風が車室内の前席側領域へ向かって流れる前席側空調通路(17、20〜23)と、空調用熱交換器(15、16)と熱交換した空調風が車室内の後席側領域へ向かって流れるとともに、前席側空調通路(17、20〜23)に比較して通風抵抗が高い後席側空調通路(18、27i、27j、28、33、34、36a、36b、37a、37b)と、前席側空調通路(17、20〜23)からの吹出空気温度を調整する前席側温度調整手段(19)と、後席側空調通路(18、…)からの吹出空気温度を調整する後席側温度調整手段(31、32、310、320)とを具備し、後席側温度調整手段(31、32、310、320)は、空調用熱交換器(15、16)を通過した温風と冷風との風量割合を調整するように構成され、後席側空調通路(18、…)のうち、後席側温度調整手段(31、32、310、320)の下流側に、空調風を送風する補助送風機(27)を配置したことを特徴とする。
【0013】
これによると、前席側空調通路(17、20〜23)からの吹出空気温度を前席側温度調整手段(19)により、また、後席側空調通路(18、…)からの吹出空気温度を後席側温度調整手段(31、32、310、320)によりそれぞれ独立に調整できる。
【0014】
そして、後席側専用の補助送風機(27)によって車室内後席側領域への吹出空気を昇圧することができるので、補助送風機(27)の送風性能を選択することにより車室内後席側領域への吹出風量を車室内前席側領域への吹出風量に対して適切な割合まで増大でき、後席側領域の空調不足を解消できる。
【0015】
しかも、主送風機(10)の性能向上を図ることなく、車室内後席側領域への吹出風量を増大できるので、主送風機(10)の送風騒音の増大といった不具合を回避できる。また、後席側空調通路(18、…)の通路面積の拡大といった対策も不要であるから、車両搭載性の悪化も回避できる。
【0016】
また、温風と冷風との風量割合を調整する後席側温度調整手段(31、32、310、320)の下流側に後席側専用の補助送風機(27)を配置しているから、温風と冷風とを補助送風機(27)の作動によって良好に混合できる。従って、補助送風機(27)の直後の部位において温度バラツキがほとんどない所望温度の空調風を取り出すことができる。
【0017】
また、後席側専用の補助送風機(27)の回転数を主送風機(10)の回転数に対して独立に制御することにより、後席側吹出風量を前席側吹出風量に対して独立に制御できる。
【0018】
また、請求項1に記載の発明では、空調用熱交換器として送風空気を加熱する暖房用熱交換器(16)を少なくとも有し、後席側空調通路(18、…)は、暖房用熱交換器(16)を通過した温風が流れる後席側温風通路(27i)と、暖房用熱交換器(16)をバイパスして冷風が流れる後席側冷風通路(18、27j)とを有し、
後席側温度調整手段は、後席側温風通路(27i)の通路面積を調整する後席側温風ドア(31、310)と、後席側冷風通路(18、27j)の通路面積を調整する後席側冷風ドア(32、320)とにより構成され、
後席側領域の最大暖房状態では、後席側温風ドア(31、310)により後席側温風通路(27i)を全開するとともに、後席側冷風ドア(32、320)により後席側冷風通路(18、27j)を全閉し、後席側領域の最大冷房状態では、後席側温風ドア(31、310)により後席側温風通路(27i)を全閉するとともに、後席側冷風ドア(32、320)により後席側冷風通路(18、27j)を全開し、最大暖房状態と最大冷房状態との間の温度制御状態では、後席側温風ドア(31、310)と後席側冷風ドア(32、320)のいずれか一方が通路面積の増加側へ操作されるときは他方のドアが通路面積の減少側へ操作されるようになっていることを特徴とする。
【0019】
これによると、後席側温風ドア(31、310)の移動により後席側温風通路(27i)の通路面積を調整するとともに、後席側冷風ドア(32、320)の移動により後席側冷風通路(18、27j)の通路面積を調整することができるので、ドア移動量の変化に対する後席側温風通路(27i)および後席側冷風通路(18、27j)の通路面積変化のリニア性を向上でき、後席側吹出温度制御のリニア性を向上できる(後述の図7、図5参照)。
さらに、請求項1に記載の発明では、後席側温風ドア(31、310)および後席側冷風ドア(32、320)を補助送風機(27)の吸入口(27g、27h)の軸方向側方に積層配置している。
これによると、補助送風機(27)の吸入口(27g、27h)へのスムーズな空気吸入のために、吸入口(27g、27h)の軸方向側方に形成される空気吸入空間を利用して、後席側温風ドア(31)および後席側冷風ドア(32)を省スペース的に配置できる。
【0020】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、後席側温風ドア(31、310)を後席側温風通路(27i)の全閉位置に操作するとともに、後席側冷風ドア(32、320)を後席側冷風通路(18、27j)の全閉位置に操作することにより後席側シャット状態を設定することを特徴とする。
【0021】
これにより、後席側温風ドア(31、310)と後席側冷風ドア(32、320)を用いて後席側シャット状態を容易に設定できる。
【0022】
ところで、後席側シャット状態を後席用補助送風機(27)の下流側に位置する後席側吹出モード−ドア(35)により設定すると、後席用補助送風機(27)内部に空調風が流入して騒音発生等の原因となるが、請求項2によると、後席用補助送風機(27)の上流側に位置する後席側温風ドア(31、310)と後席側冷風ドア(32、320)により後席側シャット状態を設定するから、後席側シャット時に後席用補助送風機(27)内に空調風が流入せず、騒音発生等の不具合を防止できる。
【0025】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2において、後席側温風ドア(31)および後席側冷風ドア(32)は回転可能な板ドアであり、補助送風機(27)の吸入口(27g、27h)の軸方向側方に、後席側温風ドア(31)および後席側冷風ドア(32)をその回転作動空間が吸入口(27g、27h)の内周側に重合するように配置したことを特徴とする。
【0026】
これによると、吸入口(27g、27h)の内周側に及ぶドア回転作動空間を設定して、板ドアからなる両ドア(31、32)をより一層省スペース的に配置できる。
【0027】
請求項4に記載の発明のように、請求項1または2において、後席側温風ドア(310)および後席側冷風ドア(320)を、後席側温風通路(27i)および後席側冷風通路(18、27j)の開口面に沿って移動するフィルムドアで構成してもよい。
【0028】
このように両ドア(310、320)を後席側温風通路(27i)および後席側冷風通路(18、27j)の開口面に沿って移動するフィルムドアで構成すると、ドア移動量の変化に対する後席側温風通路(27i)および後席側冷風通路(18、27j)の通路面積変化のリニア性を向上でき、後席側吹出温度制御のリニア性を向上できる(後述の図7、図5参照)。
【0029】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つにおいて、暖房用熱交換器(16)の下方側に後席側冷風通路(18、27j)を配置し、暖房用熱交換器(16)の上方側に、暖房用熱交換器(16)をバイパスして冷風が流れる前席側冷風通路(17)を配置し、前席側温度調整手段(19)を、空調用熱交換器(15、16)を通過した温風と前席側冷風通路(17)の冷風との風量割合を調整するように構成したことを特徴とする。
【0030】
これにより、1つの暖房用熱交換器(16)を通過した温風と、この暖房用熱交換器(16)の上下両側に配置した前席側冷風通路(17)および後席側冷風通路(18、27j)を通過した冷風との風量割合を調整して、前席側吹出空気温度および後席側吹出空気温度の独立制御を行うことができる。
【0031】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つにおいて、後席側冷風通路(18)から分岐された冷風が流れるシート用冷風通路(40)と、暖房用熱交換器(16)を通過した温風が流れるシート用温風通路(42)と、シート用冷風通路(40)の冷風とシート用温風通路(42)の温風との風量割合を調整するシート用温度調整手段(44)とを備えることを特徴とする。
【0032】
これにより、乗員着座用のシート部への吹出空気温度をも独立に制御して、シート部の空調を快適に行うことができる。
【0033】
請求項7に記載の発明では、請求項6において、後席側温風通路(27i)、後席側冷風通路(18、27j)および後席側温度調整手段(31、32、310、320)を車両左右方向において中央部寄りに配置し、シート用冷風通路(40)、シート用温風通路(42)およびシート用温度調整手段(44)を、後席側温風通路(27i)、後席側冷風通路(18、27j)および後席側温度調整手段(31、32、310、320)の左右外側に配置したことを特徴とする。
【0034】
これにより、車両左右方向の中央部側に後席側への吹出ダクトを配置し、この後席側吹出ダクトの左右外側にシート部への吹出ダクトを配置でき、両ダクトのクロスを回避でき、車室内での吹出ダクト取り回しが容易となる。
【0035】
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つにおいて、後席側空調通路(18、…)は、補助送風機(27)の下流側にて後席側フェイス通路(33、36a、36b)と、後席側フット通路(34、37a、37b)に分岐されており、後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における空調風の流れの一部を分岐して、後席側フェイス通路(33、36a、36b)および後席側フット通路(34、37a、37b)のいずれか一方に直接導入する後席側バイパス通路(50)を有することを特徴とする。
【0036】
ところで、後席側温度調整手段(31、32、310、320)の下流側に、後席用の補助送風機(27)を配置しているから、後席用補助送風機(27)の下流側では冷風と温風が十分混合され温度バラツキがほとんどない状態となる。従って、後席側吹出モードとしてバイレベルモードを設定すると、後席側フェイス吹出温度と後席側フット吹出温度が等温状態となってしまう。
【0037】
しかし、請求項8によると、後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における空調風の流れの一部を分岐して、後席側バイパス通路(50)を通して、後席側フェイス通路(33、36a、36b)および後席側フット通路(34、37a、37b)のいずれか一方に直接導入できるから、後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における冷風あるいは温風を後席用補助送風機(27)をバイパスして後席側フェイス通路(33、36a、36b)および後席側フット通路(34、37a、37b)のいずれか一方に直接導入できる。これにより、後席側バイレベルモード時に、頭寒足熱形の上下吹出温度差を設定して、快適な空調感を得ることができる。
【0038】
請求項9に記載の発明では、空気を送風する主送風機(10)と、
主送風機(10)の送風空気と熱交換する空調用熱交換器(15、16)と、
空調用熱交換器(15、16)と熱交換した空調風が車室内の前席側領域へ向かって流れる前席側空調通路(17、20〜23)と、
空調用熱交換器(15、16)と熱交換した空調風が車室内の後席側領域へ向かって流れるとともに、前席側空調通路(17、20〜23)に比較して通風抵抗が高い後席側空調通路(18、27i、27j、28、33、34、36a、36b、37a、37b)と、
前席側空調通路(17、20〜23)からの吹出空気温度を調整する前席側温度調整手段(19)と、
後席側空調通路(18、…)からの吹出空気温度を調整する後席側温度調整手段(31、32、310、320)とを具備し、
後席側温度調整手段(31、32、310、320)は、空調用熱交換器(15、16)を通過した温風と冷風との風量割合を調整するように構成され、
後席側空調通路(18、…)のうち、後席側温度調整手段(31、32、310、320)の下流側に、空調風を送風する補助送風機(27)を配置し、
後席側空調通路(18、…)は、補助送風機(27)の下流側にて後席側フェイス通路(33、36a、36b)と、後席側フット通路(34、37a、37b)に分岐されており、
後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における空調風の流れの一部を分岐して、後席側フェイス通路(33、36a、36b)および後席側フット通路(34、37a、37b)のいずれか一方に直接導入する後席側バイパス通路(50)を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によると、請求項1に記載の発明と同様に、後席側専用の補助送風機(27)によって車室内後席側領域への吹出空気を昇圧することができるので、補助送風機(27)の送風性能を選択することにより車室内後席側領域への吹出風量を車室内前席側領域への吹出風量に対して適切な割合まで増大でき、後席側領域の空調不足を解消できる。
さらに、請求項9に記載の発明によると、請求項8に記載の発明と同じ構成を有し、請求項8に記載の発明と同じ作用効果を発揮できる。
請求項10に記載の発明のように、請求項8または9において、後席側バイパス通路(50)に通路面積を変化させる後席側バイパスドア(52)を備えれば、後席側バイパス通路(50)の開閉あるいは通路面積を変化させて、後席側吹出温度の上下温度差を容易に調整できる。
【0039】
請求項11に記載の発明では、請求項8ないし10のいずれか1つにおいて、補助送風機(27)の通過風の流れによって圧力が低下する低圧部位に後席側バイパス通路(50)の出口部を合流させることを特徴とする。
【0040】
これにより、補助送風機(27)の通過風が後席側バイパス通路(50)側へ逆流することを確実に阻止できる。
【0041】
請求項12に記載の発明のように、請求項8ないし11のいずれか1つにおいて、後席側バイパス通路は、具体的には後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における冷風流れの一部を分岐して後席側フェイス通路(33、36a、36b)に直接導入する後席側冷風バイパス通路(50)として構成すればよい。
【0042】
また、請求項13に記載の発明のように、請求項8ないし11のいずれか1つにおいて、後席側バイパス通路は、具体的には後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における温風流れの一部を分岐して後席側フット通路(34、37a、37b)に直接導入する後席側温風バイパス通路として構成してもよい。
【0043】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0044】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に基づく車両用空調装置の室内空調ユニット部のうち、熱交換ユニット2部分の断面図であり、図2は送風機ユニット1部分の断面図である。図3は図1のB−B断面図で、図4は図1のC−C断面図である。
【0045】
車両用空調装置の室内空調ユニット部は、本例では送風機ユニット1と、熱交換ユニット2との2つの部分に大別され、図1〜図4において前後上下左右の各矢印は送風機ユニット1および熱交換ユニット2の車両搭載状態における方向を示す。熱交換ユニット2は車室内前部の計器盤内側のうち、車両左右方向の略中央部に配置されるセンター置きレイアウトになっている。これに反し、送風機ユニット1は熱交換ユニット2の車両左右方向の側方である助手席前方の位置にオフセット配置される。
【0046】
送風機ユニット1はその上部に内外気切替箱3を有し、この内外気切替箱3には外気導入口4と、内気導入口5と、内外気切替ドア6が備えられ、内外気切替ドア6により外気導入口4と内気導入口5を開閉して、外気と内気を切替導入する。内外気切替ドア6は内外気切替操作機構(図示せず)に連結され、回転操作される。この内外気切替操作機構は、サーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成される。そして、内外気切替箱3の下側には、内外気切替箱3に導入された空気の塵埃、悪臭等を除去して清浄化するフィルタ7が配設されている。
【0047】
送風機ユニット1においてフィルタ7の下部に主送風機10が配置されている。この送風機10は多数の翼部(ブレード部)を円環状に配置した遠心ファンからなる送風ファン11と、この送風ファン11を回転駆動するモータ12と、送風ファン11を収容している渦巻き状のスクロールケース13とを有する周知の構成である。スクロールケース13の上部にはフィルタ7を通過した空気を吸入するベルマウス状の吸入口13aが開口している。
【0048】
次に、熱交換ユニット2について説明すると、樹脂製のケース14を有し、このケース14は、図3、4に示すように、車両左右(幅)方向の中央部に位置する分割面14aで左右2つに分割成形された分割ケース体14b、14cを適宜のクランプ等の締結手段(図示せず)にて一体に連結したものである。このケース14内の最前部には、上記スクロールケース13の空気出口部が接続される空気入口空間14dが形成される。従って、送風機ユニット1内の送風ファン11を作動することによってケース14内の最前部の空間14dに空気が流入する。
【0049】
ケース14内を送風機ユニット1の送風空気が車両前方側から車両後方側へ向かって流れるようになっており、そして、ケース14内に、その空気上流側から順に蒸発器15、ヒータコア16が直列に配列されている。この蒸発器15は、図示しない圧縮機、凝縮器、減圧手段とともに周知の冷凍サイクルを構成するもので、ケース14内の空気を冷却する冷房用熱交換器である。蒸発器15は減圧手段により減圧された低圧冷媒が流れる偏平チューブとこの偏平チューブに接合されたコルゲートフィンとから構成される熱交換用コア部を有している。
【0050】
また、ヒータコア16は、内部を流れる温水(エンジン冷却水)を熱源としてケース14内の空気を加熱する暖房用熱交換器であって、周知のごとく温水が流れる偏平チューブとこの偏平チューブに接合されたコルゲートフィンとから構成される熱交換用コア部を有している。
【0051】
ケース14内においてヒータコア16の上方側に前席側冷風通路17が、また、ヒータコア16の下方側に後席側冷風通路18がそれぞれ形成してある。この両冷風通路17、18には、蒸発器15を通過した冷風がヒータコア16をバイパスして流れる。
【0052】
ケース14内において蒸発器15とヒータコア16との間に前席側エアミックスドア19が配置してある。この前席側エアミックスドア19は、本例ではフィルムドアにより構成している。ここで、フィルムドアは可撓性を有する薄膜状の樹脂フィルム材にて構成される。
【0053】
前席側エアミックスドア19の移動方向(上下方向)の両端部は、第1、第2巻き取り軸19a、19bに連結され、この第1、第2巻き取り軸19a、19bへの巻き取り、巻き戻しにより前席側エアミックスドア19が図3上下方向に移動するようになっている。前席側エアミックスドア19の移動方向の途中部位に空気通過用の開口部(図示せず)が開口している。この空気通過用の開口部は、ヒータコア16の通風路および前席側冷風通路17を全開するに必要な大きさに設定されている。
【0054】
そして、前席側エアミックスドア19の開口部およびフィルム膜部がヒータコア16の通風路および前席側冷風通路17を横切るように移動することにより、ヒータコア16の通風路の開度(すなわち、温風bの風量)および前席側冷風通路17の開度(すなわち、冷風aの風量)を調整でき、前席側吹出空気温度を調整できる。従って、前席側エアミックスドア19により前席側温度調整手段が構成される。
【0055】
前席側エアミックスドア19の第1、第2巻き取り軸19a、19bのいずれか一方が駆動軸となり、他方が従動軸となる。そして、第1、第2巻き取り軸19a、19bのうち駆動軸となる巻き取り軸は前席側温度調整操作機構(図示せず)に連結され、回転操作される。この前席側温度調整操作機構は、サーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成される。
【0056】
ケース14内においてヒータコア16の上方の後方側に冷風aと温風bを混合する前席側空気混合部20が形成される。ケース14において、車両後方側の上方部に複数の前席側吹出開口部21〜23が配置される。前席側吹出開口部21〜23には前席側空気混合部20からの空調風が流入する。
【0057】
開口部21〜23のうち、デフロスタ開口部21は、ケース14の上面部に開口しており、車室内フロントガラス内面に向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口(図示せず)にデフロスタダクト(図示せず)を介して連通する。デフロスタ開口部21はデフロスタドア24により開閉される。
【0058】
前席側フェイス開口部22はケース14の上面部においてデフロスタ開口部21の車両後方側部位に開口している。前席側フェイス開口部22は、前席乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す前席側フェイス吹出口(図示せず)に前席側フェイスダクト(図示せず)を介して連通する。また、前席側フェイス開口部22は前席側フェイスドア25により開閉される。
【0059】
前席側フット開口部23は、ケース14の左右の側壁部(図3、4の符号14b、14cを付した壁)のうち、前席側空気混合部20の左右側方に位置する部位に開口している。前席側フット開口部23は前席乗員の足元部に向けて空調風を吹き出す前席側フット吹出口(図示せず)に前席側フットダクト(図示せず)を介して連通する。左右両側の前席側フット開口部23は左右両側の前席側フットドア26により開閉される。
【0060】
ここで、前席側フット開口部23の開口形状および前席側フットドア26は本例ではともに扇形の形状になっており、左右両側の扇形の前席側フットドア26がケース14の左右の側壁部に沿って回転作動することにより左右両側の前席側フットドア26を開閉する。前席側フットドア26の図1実線位置は前席側フット開口部23の全閉状態を示す。
【0061】
上記ドア24、25、26は前席側吹出モードを切り替えるための前席側吹出モードドアを構成するものであって、図示しないリンク機構を介して共通の前席側吹出モード操作機構に連結され、連動操作される。この前席側吹出モード操作機構は、サーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成される。
【0062】
なお、本実施形態では、蒸発器15直後の冷風を直接、前席側フェイス開口部22側へ導入する前席側冷風バイパス通路48をケース14内の最上部に形成し、この前席側冷風バイパス通路48を前席側冷風バイパスドア47により開閉するようになっている。
【0063】
ところで、ケース14内の下方部において、ヒータコア16の下部から空気下流側(車両後方側)へ所定間隔を隔てた部位に後席用補助送風機27が配置されている。後席用補助送風機27は、図3、4に示すように2個の送風ファン27a、27bと、この2個の送風ファン27a、27bを回転駆動する駆動用モータ27cと、送風ファン27a、27bを収容している渦巻き状のスクロールケース27d,27eとを有している。
【0064】
ここで、送風ファン27a、27bは、図1に示すように多数の翼部(ブレード部)を円環状に配置した遠心ファンにより構成されている。
【0065】
左右のスクロールケース27d、27eは、左右の分割ケース体14b、14cにそれぞれ樹脂により一体成形されている。また、左右のスクロールケース27d,27eの下流側(車両後方側)には後席側吹出ダクト部28(図1)が配置されている。この後席側吹出ダクト部28は、スクロールケース27d,27eの出口部からの吹出空気を合流して車両後方側へ案内するものであって、この後席側吹出ダクト部28もスクロールケース27d、27eとともに左右の分割ケース体14b、14cに一体成形されている。
【0066】
後席用補助送風機27の駆動用モータ27cはその回転軸27fが軸方向両側に突出する両軸タイプに構成され、かつ、回転軸27fが車両左右方向に向くようにしてケース14のうち車両左右方向の中央部に配置されている。なお、駆動用モータ27cは本例ではブラシレスモータにより構成され、2枚の円形フランジ部材27c’を介して左右のスクロールケース27d、27eに固定されている。
【0067】
駆動用モータ27cの左右両側に送風ファン27a、27bが配置され、この左右の送風ファン27a、27bをそれぞれ左右の回転軸27fに連結している。左側のスクロールケース27dの左側および右側のスクロールケース27eの右側にそれぞれベルマウス形状の吸入口27g、27hが形成してある。
【0068】
上記の各吸入口27g、27hには以下述べる通路構成により冷風及び温風が吸入される。ヒータコア16直後に形成される温風通路29(図1)と、前述した後席側冷風通路18とを上下に仕切るために仕切り壁30が配置してある。この仕切り壁30は図1に示すようにヒータコア16の底部から空気下流側(車両後方側)へ突き出すように配置されている。
【0069】
図3において、仕切り壁30の配置範囲を細かい点々で図示してあり、この図3の点々範囲に示すように仕切り壁30は車両左右方向に対してケース14内の全域に及ぶように配置される。なお、仕切り壁30は左右の分割ケース体14b、14cにそれぞれ樹脂により一体成形されている。
【0070】
そして、左側の吸入口27gの左側部位および右側の吸入口27hの右側部位にはそれぞれ空気入口空間が構成され、この空気入口空間のうち仕切り壁30より上方の部位に、温風通路29から温風が矢印cのように流入する後席側温風入口27iが図3の矢印範囲に形成されている。また、上記空気入口空間のうち、仕切り壁30の略後方側部位に、後席側冷風通路18から冷風が矢印dのように流入する後席側冷風入口27jが形成されている。
【0071】
上記した左右2箇所の後席側温風入口27iにはそれぞれ温風ドア31が配置され、上記した左右2箇所の後席側冷風入口27jにはそれぞれ冷風ドア32が配置される。これらの温風ドア31および冷風ドア32は、本例では回転軸31a、32aを中心として回転可能な「くの字状」のバタフライ式板ドアにより構成され、温風ドア31および冷風ドア32の回転角度を調整することにより、後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jの通路面積を調整するようになっている。
【0072】
2個の温風ドア31と2個の冷風ドア32は車室内後席側への吹出空気温度を調整する後席側温度調整手段を構成するものであって、本例では、2個の温風ドア31を図示しないリンク機構を介して後席温風側操作機構(図示せず)に連結して連動操作するようになっている。また、2個の冷風ドア32も図示しないリンク機構を介して後席冷風側操作機構(図示せず)に連結して連動操作するようになっている。後席温風側操作機構および後席冷風側操作機構はそれぞれ独立のサーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成される。
【0073】
このように、後席温風側操作機構および後席冷風側操作機構を独立のサーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成するのは、2個の温風ドア31により後席側温風入口27iを全閉すると同時に、2個の冷風ドア32により後席側冷風入口27jを全閉する後席側シャット状態を容易に設定するためである。
【0074】
一方、車室内後席側への吹出状態においては、車室内後席側への吹出空気温度の調整のために、後席温風側操作機構と後席冷風側操作機構は電気的に連動操作されるようになっている。より具体的に述べると、最大暖房時には、2個の温風ドア31により後席側温風入口27iを全開するとともに2個の冷風ドア32により後席側冷風入口27jを全閉する。逆に、最大冷房時には、2個の温風ドア31により後席側温風入口27iを全閉するとともに2個の冷風ドア32により後席側冷風入口27jを全開する。
【0075】
そして、最大暖房時と最大冷房時との間の中間温度制御時には、温風ドア31および冷風ドア32が最大暖房位置と最大冷房位置との間で回転位置を連続的に変化させ、後席側温風入口27iと後席側冷風入口27jの通路面積を調整する。すなわち、中間温度制御時には、温風ドア31が後席側温風入口27iの全閉側へ回転するときは冷風ドア32が後席側冷風入口27jの全開側へ回転し、両ドア31、32は後席側温風入口27iと後席側冷風入口27jの通路面積を相反的に調整する。
【0076】
後席側吹出ダクト部28の下流側は、図1に示すように上方側に位置する後席側フェイスダクト部33と下方側に位置する後席側フットダクト34とに分岐されている。そして、後席側吹出ダクト部28の内側に後席側吹出モードドア35を配置している。
【0077】
この後席側吹出モードドア35は、本例では回転軸35aを中心として回転可能な板ドアにより構成され、後席側フェイスダクト部33内の後席側フェイス開口部33aと後席側フットダクト部34内の後席側フット開口部34aを開閉する。後席側吹出モードドア35は後席側吹出モード操作機構に連結され、操作される。この後席側吹出モード操作機構は、サーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成される。
【0078】
なお、後席側フェイスダクト部33は、図3に示すように後席左側フェイスダクト部331と後席右側フェイスダクト部332に分岐され、この左右の後席フェイスダクト部331、332に別体の後席左側フェイスダクト36a、後席右側フェイスダクト36bがそれぞれ接続され、この左右の後席側フェイスダクト36a、36bの先端部に設けられた後席側フェイス吹出口(図示せず)から後席乗員の上半身側へ空調風を吹き出すようになっている。
【0079】
同様に、後席側フットダクト部34も後席左側フットダクト部341と後席右側フットダクト部342に分岐され、この左右の後席側フットダクト部341、342に別体の後席左側フットダクト37a、後席右側フットダクト37bが接続され、この後席側フットダクト37a、37bの先端部に設けられた後席側フット吹出口(図示せず)から後席乗員の足元側へ空調風を吹き出すようになっている。
【0080】
後席側フェイスダクト36a、36bおよび後席側フットダクト37a、37bは車室内の後席領域まで延びる細長いダクト形状のものであり、この細長いダクト36a、36b、37a、37bの存在によって後席側吹出通路の通風抵抗が前席側吹出通路の通風抵抗に比較して大幅に高くなる。
【0081】
本実施形態では、前席乗員の着座するシート部(図示せず)に空調風を送る吹出通路を備えているので、次に、シート用吹出通路構成について説明する。左右の分割ケース体14b、14cにおいて、ヒータコア16の左右外側の下方部位に、蒸発器15通過後の冷風が流れる後席側冷風通路18から冷風の一部を分技して矢印f(図1、図4)のように導入するシート用冷風導入通路40を形成している。
【0082】
このシート用冷風導入通路40は、車両左右方向において仕切り板41により後席側冷風通路18と仕切られ、後席側冷風通路18の左右外側に形成される。この仕切り板41は分割ケース体14b、14cの底面部と仕切り壁30との間の空間において上下方向に延びる板形状になっている。従って、仕切り板41はヒータコア16の車両左右方向に延びる面に対して垂直に配置される。
【0083】
左右両側のシート用冷風導入通路40の下流側(車両後方側)部位にそれぞれシート用温風導入通路42が配置してある。この左右両側のシート用温風導入通路42はヒータコア16下流側の温風通路29の温風、換言すると仕切り壁30上方の温風の一部を矢印e(図1)のように仕切り壁30の下方へ導入する。この左右両側のシート用温風導入通路42の車両前方側部位には仕切り板43(図1、図3)が配置されている。この仕切り板43は、シート用温風導入通路42の車両前方側を仕切って、シート用温風導入通路42がシート用冷風導入通路40に直接連通することを防止する。
【0084】
左右両側のシート用冷風導入通路40とシート用温風導入通路42が合流する部位にシート用エアミックスドア44が配置され、冷風導入通路40の通路面積、すなわち、シート用冷風の風量と、温風導入通路42の通路面積、すなわち、シート用温風の風量とを調整するようになっている。従って、シート用エアミックスドア44によりシート部へ吹き出す空調風の吹出温度を調整するシート用温度調整手段が構成される。
【0085】
なお、左右両側のシート用エアミックスドア44は、本例では、回転軸44aを中心として回転可能な「くの字状」のバタフライ式板ドアにより構成されている。
【0086】
左右両側のシート用冷風導入通路40とシート用温風導入通路42の下方部位にシート用吹出ダクト部45が配置されている。このシート用吹出ダクト部45は、左右両側のシート用エアミックスドア44の開度により温度調整された空調風を取り出すものである。左右両側のシート用吹出ダクト部45は左右の分割ケース体14b、14cの底面部から下方へ突き出すように左右の分割ケース体14b、14cに一体成形されている。
【0087】
左側のシート用吹出ダクト部45には左側のシートダクト(図示せず)が接続され、この左側のシートダクトの先端部は車室内前席の左側シート(右ハンドル車の場合は助手席)の吹出通路に接続され、空調風を左側シートの表面へ吹き出すようになっている。同様に、右側のシート用吹出ダクト部45には右側のシートダクト(図示せず)が接続され、この右側のシートダクトの先端部は車室内前席の右側シート(右ハンドル車の場合は運転席)の吹出通路に接続され、空調風を右側シートの表面へ吹き出すようになっている。
【0088】
左右両側のシート用エアミックスドア44の回転軸44aはリンク機構を介してシート用温度調整操作機構に連結され、このシート用温度調整操作機構により回転操作される。このシート用温度調整操作機構はサーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成される。
【0089】
図3、4から理解されるように、後席側温風入口27i、後席側冷風通路18、後席側冷風入口27j、後席側温風ドア31、および後席側冷風ドア32を車両左右方向において中央部寄りに配置し、これらの左右外側に、シート用冷風導入通路40、シート用温風導入通路42およびシート用エアミックスドア44を配置している。
【0090】
なお、上記した各種操作機構のアクチュエータ機構、主送風機10および補助送風機27等の作動はマイクロコンピュータを用いた周知の空調用制御装置(図示せず)により制御されるようになっている。。
【0091】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。車室内前席側のみに空調風を吹き出すときは、送風機ユニット1の主送風機10の駆動用モータ12に通電して送風ファン11を回転駆動する。一方、後席用補助送風機27の駆動用モータ27cへの通電を停止し、後席用補助送風機27の送風ファン27a、27bを停止する。
【0092】
これにより、主送風機10のみが作動して主送風機10の送風空気が蒸発器15を通過して冷却除湿され、蒸発器15通過後の冷風が次に前席側エアミックスドア19により前席側冷風通路17を通過する冷風aとヒータコア16を通過する温風bとに分岐される。そのため、この冷風aと温風bとの風量割合を前席側エアミックスドア19の移動量により調整することにより、車室内前席側への吹出空気温度を調整できる。
【0093】
冷風aと温風bは空気混合部20にて混合されて所望温度の空調風となり、この空調風は前席側吹出モードドア24、25、26により選択された前席側吹出開口部21、22、23のいずれか1つまたは複数から車室内の前席側領域に吹き出して、車室内の前席側領域を空調する。
【0094】
このとき、後席用補助送風機27の作動停止に連動して後席側シャット状態が設定される。すなわち、後席用補助送風機27の作動停止状態を空調用制御装置により判定して、空調用制御装置の制御出力により後席温風側操作機構を駆動して2個の温風ドア31を後席側温風入口27iの全閉位置(図1の斜線部位置)に操作する。これと同時に、空調用制御装置の制御出力により後席冷風側操作機構を駆動して2個の冷風ドア32を後席側冷風入口27jの全閉位置(図1の斜線部位置)に操作する。これにより、後席側シャット状態を設定することができ、車室内の後席側領域への空調風の吹出を阻止できる。
【0095】
また、左右両側のシート用エアミックスドア44をシート用温度調整操作機構により図1の斜線部回転位置に操作すると、シート用エアミックスドア44により左右両側のシート用冷風導入通路40およびシート用温風導入通路42をともに全閉状態にすることができる。これにより、シート側シャット状態を設定することができ、シート部への空調風の吹出を阻止できる。
【0096】
次に、車室内前席側と車室内後席側の両方に同時に空調風を吹き出すときは、送風機ユニット1の主送風機10の駆動用モータ12および後席用補助送風機27の駆動用モータ27cに通電して、主送風機10と後席用補助送風機27を同時に作動させる。
【0097】
これにより、車室内の前席側領域に対しては主送風機10の送風空気が上記と同じ経路にて送風され、前席側吹出開口部21、22、23のいずれか1つまたは複数から車室内の前席側領域に空調風が吹き出して、車室内の前席側領域を空調する。
【0098】
一方、後席用補助送風機27が作動するとともに、空調用制御装置の制御出力により2個の温風ドア31を後席側温風入口27iの所定開度位置に操作すると同時に、2個の冷風ドア32を後席側冷風入口27jの所定開度位置に操作する。これによって、ヒータコア16を通過して加熱された温風のうち、ヒータコア16の熱交換コア部の下部を通過した温風が矢印cのように後席側温風入口27iを通過して送風ファン27a、27bの吸入口27g、27hに吸入される。これと同時に、ヒータコア16下方側に位置する後席側冷風通路18を通過する冷風が矢印dのように後席側冷風入口27jを通過して送風ファン27a、27bの吸入口27g、27hに吸入される。
【0099】
この温風と冷風は送風ファン27a、27bによりファン径方向の外方へ圧送され、左右のスクロールケース27d、27eの出口部から後席側吹出ダクト部28に吹き出される。温風と冷風は送風ファン27a、27bに吸入され、スクロールケース27d、27eの出口部へ向かって圧送される過程で混合され、所望温度の空調風となる。
【0100】
ところで、後席側温風ドア31の回転位置(開度)により後席側温風入口27iの通路面積を連続的に調整でき、これと連動して後席側冷風ドア32の回転位置(開度)により後席側冷風入口27jの通路面積を連続的に調整できる。ここで、後席側温風ドア31と後席側冷風ドア32は、後席側温風入口27iと後席側冷風入口27jの通路面積を相反的に変化させる。
【0101】
従って、後席側温風入口27iに吸入される温風と後席側冷風入口27jに吸入される冷風との風量割合を温風ドア31および冷風ドア32の回転位置(開度)の調整により任意に調整でき、後席側においても所望温度の空調風を得ることができる。
【0102】
そして、後席側吹出ダクト部28内に配置された後席側吹出モードドア35により後席側フェイス開口部33および後席側フット開口部34を切替開閉して、この両開口部33、34のいずれか一方のみ、あるいはこの両開口部33、34の両方を同時に開口する。これにより、所望温度の空調風が後席側フェイスダクト36a、36bまたは後席側フットダクト37a、37bを通過して、ダクト先端部に設けられた後席側フェイス吹出口(図示せず)または後席側フット吹出口(図示せず)から後席乗員の上半身側または足元側へ空調風を吹き出して、車室内の後席側領域を空調する。
【0103】
前席シート部へ空調風を吹き出すときは、左右両側のシート用エアミックスドア44をシート用温度調整操作機構により図1の回転位置から所定角度だけ時計方向へ回転することにより、左右両側のシート用冷風導入通路40およびシート用温風導入通路42のいずれか一方のみの開口状態、あるいは両方の同時開口状態を選択できる。
【0104】
これにより、シート用吹出開口部45を通して前席シート部へ空調風を吹き出すことができる。この前席シート部へ吹き出す空調風の温度もシート用エアミックスドア44の開度(回転位置)調整により、所望温度に調整できる。
【0105】
なお、後席側専用の補助送風機27は小風量高圧力型の特性を有する遠心送風機であって、送風ファン27a、27bの径寸法が比較的小さいもの(例えば、ファン径:70mm程度)が好適である。両吸い込みタイプの送風ファン27a、27bの軸方向高さは例えば、70mm程度である。
【0106】
一方、主送風機10は大風量、低圧損型の特性を有する遠心送風機であって、送風ファン11のファン径は補助送風機27に比較して十分大きな寸法、例えば、160mm程度であり、また、軸方向高さは片吸い込みタイプであっても、80mm程度の十分大きな寸法を有する。
【0107】
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
【0108】
(1)主送風機10の性能(駆動モータの出力)向上を図ることなく、後席側領域への吹出風量を増大できる。
【0109】
この効果を後席用補助送風機27を持たない通常の前席用空調ユニットと本実施形態との対比により説明すると、後席用補助送風機27を持たない通常の前席用空調ユニットでは、後席側ダクト36a、36b、37a、37bの通路面積が前席側吹出通路に比較して小さい上に、長さが大幅に長い。このため、後席側ダクト36a、36b、37a、37bの通風抵抗は前席側吹出通路の通風抵抗に対して大幅に高くなる。この結果、前席側領域への吹出風量に比較して後席側領域への吹出風量が大幅に少ない量となり、後席側領域の空調不足を引き起こす。
【0110】
この不具合を解消するため、前席側吹出通路の通風抵抗(圧損)を増大するとともに、送風機10の性能(駆動モータの出力)を向上させるという対策が考えられるが、この対策であると、前述のように送風騒音が増大する等の不具合を生じる。
【0111】
また、別の対策として、後席用ダクト36a、36b、37a、37bを太くして後席側通路の通風抵抗を低減することが考えられるが、後席用ダクト36a、36b、37a、37bを太くすることは前述のように車室内床面等の限られたスペースへの搭載を困難とし、車両搭載性を悪化する。
【0112】
これに対し、本実施形態によると、後席側領域への吹出空気を昇圧する後席側専用の補助送風機27を備えているので、上記対策を講じることなく補助送風機2の送風性能を選択することにより後席側領域への吹出風量を前席側領域への吹出風量に対して適切な割合まで増大でき、後席側領域の空調不足を解消できる。
【0113】
(2)熱交換ユニット2のケース14に補助送風機27を一体に配置し、熱交換ユニット2に補助送風機27を一体化しているから、ケース14全体の体格を補助送風機27を含めて小型にまとめることができる。
【0114】
(3)後席用補助送風機27の駆動用モータ27cの入力電圧を、主送風機10の駆動用モータ12の入力電圧に対して独立に制御することにより、後席側吹出風量を前席側吹出風量に対して独立に制御できる。すなわち、前後の吹出風量を独立制御できる。
(4)後席用補助送風機27により冷風と温風を吸い込み、補助送風機27内部で冷風と温風を良好に混合できるので、補助送風機27の直後にて後席側フェイスダクト36a、36bと後席側フットダクト37a、37bを分岐しても、両ダクト36a、36b、37a、37bに対して温度バラツキの小さい空調風を送り込むことができる。
【0115】
(5)熱交換ユニット2の車両左右方向において、後席側の冷風通路18、後席側冷風入口27jおよび後席側温風入口(温風通路)27iを中央部に配置し、この後席側の冷温風通路18、27j、27iの左右外側にシート用冷風導入通路40およびシート用温風導入通路42を配置している。このため、後席側フェイスダクト36a、36bおよび後席側フットダクト37a、37bの左右外側にシート用ダクト(図示せず)を配置できる。
【0116】
このため、シート用ダクトと後席側ダクト36a〜37bとを互いにクロスすることなく、前席シート部、後席側に向かってそれぞれ配置でき、車室内における空調ダクトの取り回しを簡素化できる。
【0117】
(6)後席側温度調整手段として後席側温風入口27iの通路面積を調整する後席側温風ドア31と後席側冷風入口27jの通路面積を調整する後席側冷風ドア32とを備え、この両ドア31、32を後席側温風入口27iと後席側冷風入口27jの通路面積が相反的に変化するように連動操作しているから、後席側温度調整手段として通常の1枚の板ドアからなるエアミックスドアを用いる場合に比して後席側吹出空気温度の制御特性を図5の実線に示すようにリニア性に優れた良好な特性にすることができる。
【0118】
図5の縦軸は後席側吹出空気温度であり、横軸は後席側温度調整手段の最大冷房位置を0%とし、後席側温度調整手段の最大暖房位置を100%とする後席側温度調整手段のドア移動量(ドア開度)の割合である。図5の破線は後席側温度調整手段として通常の1枚の板ドアからなるエアミックスドアを用いた場合の後席側吹出空気温度の制御特性であり、ドア移動量=0%〜20%付近および80%〜100%付近の範囲では後席側吹出空気温度の変化が急激となり、これに対し、ドア移動量=20%〜80%付近の範囲では後席側吹出空気温度の変化が緩慢となり、後席側吹出空気温度の制御特性のリニア性が悪化している。
【0119】
これに対し、図5の実線は後席側温風ドア31と後席側冷風ドア32とを併用する本実施形態による後席側吹出空気温度の制御特性であり、通常の1枚の板ドアからなるエアミックスドアを用いた場合に比較して温度制御特性のリニア性を顕著に改善できる。
【0120】
このように、本実施形態により温度制御特性のリニア性を改善できるのは、後席側温風ドア31と後席側冷風ドア32との併用によってドア移動量(ドア開度)の変化に対して後席側温風入口27iと後席側冷風入口27jの通路面積をともに略比例的に変化させることができるからである。この点については第2実施形態の説明後に図7により後述する。
【0121】
(7)後席側温度調整手段として後席側温風入口27iの通路面積を調整する後席側温風ドア31と後席側冷風入口27jの通路面積を調整する後席側冷風ドア32とを備え、後席側温風ドア31を後席側温風入口27iの全閉位置に操作すると同時に、後席側冷風ドア32を後席側冷風入口27jの全閉位置に操作することにより、後席側シャット状態を設定できる。
【0122】
ところで、後席側吹出モードドア35により後席側シャット状態を設定することが可能であるが、この場合には後席用補助送風機27内へ空気が流入して渦流等を形成して騒音の発生や前席側吹き出し空気温度バラツキ増大等の原因となる。しかし、本実施形態によると、後席側シャット状態では、両ドア31、32により後席用補助送風機27の上流側通路をシャットできるから、後席用補助送風機27内への空気流入を阻止でき、上記不具合の発生を回避できる。
【0123】
(8)後席用補助送風機27の送風ファン27a、27bに空気をスムーズに吸入させるためには、送風ファン27a、27bの吸入口27g、27hの軸方向側方に隣接して空気吸入空間(吸入口27g、27hの左右外側の空間)を設定する必要がある。本実施形態では、この空気吸入空間の存在に着目して、この空気吸入空間を利用して、後席側温風ドア31および席側冷風ドア32の回転作動空間を確保しているから、両ドア31、32を後席用補助送風機27の必要スペース内にコンパクトに配置できる。
【0124】
ここで、第1実施形態における構成要素と、本発明の構成要素との対応関係を説明すると、第1実施形態における前席側冷風通路17、前席側空気混合部20、および前席側吹出開口部21〜23により本発明の前席側空調通路を構成し、そして、第1実施形態における後席側冷風通路18、後席側温風入口27i、後席側冷風入口27j、後席側吹出ダクト部28、33、34および後席側フェイスダクト36a、36b、後席側フットダクト37a、37bにより本発明の後席側空調通路を構成している。
【0125】
更に、後席側温風入口27iは本発明の後席側空調通路における温風通路を構成し、また、後席側冷風入口27jは本発明の後席側空調通路における冷風通路を構成している。
(第2実施形態)
第1実施形態では、後席側温度調整手段としてバタフライ状の板ドアからなる後席側温風ドア31と後席側冷風ドア32とを併用する例について説明したが、第2実施形態では、図6に示すように、後席側温度調整手段として後席側温風ドア310と後席側冷風ドア320とを併用するとともに、この両ドア310、320をフィルムドア(膜状部材)により構成している。この温風フィルムドア310および冷風フィルムドア320は可撓性を有する樹脂フィルム材からなり、開口部を持たない膜形状のみで構成されている。
【0126】
第2実施形態による両フィルムドア310、320の一端部310a、320aはそれぞれ、後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jを区画するケース壁面部に固定してある。これに対し、両フィルムドア310、320の他端部は巻き取り軸310b、320bに連結している。
【0127】
この巻き取り軸310b、320bは図示しないドア操作機構により連動操作され、一端部310a、320aに対して開離、接近する方向に回転しながら移動するようになっている。ここで、後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jは、後席用補助送風機27の送風ファン27a、27bのベルマウス状吸入口27g、27hの外周側に円弧状に形成されるから、巻き取り軸310b、320bの移動軌跡は後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jの円弧状に沿う円弧状となる。
【0128】
次に、第2実施形態の作動を説明すると、温風フィルムドア310の巻き取り軸310bが一端部310aから開離する方向gに回転しながら移動するときは、巻き取り軸310bから温風フィルムドア310の他端部側を巻き戻して後席側温風入口27iの通路面積を減少させる。これに連動して、冷風フィルムドア320の巻き取り軸320bは逆に一端部320aに接近する方向hに回転しながら移動して、冷風フィルムドア320の他端部側を巻き取り軸320bに巻き取り、これにより、後席側冷風入口27jの通路面積を増加させる。
【0129】
すなわち、後席側温風入口27iの通路面積の減少に連動して後席側冷風入口27jの通路面積を増加させるから、後席側吹出温度を低下させることができる。
【0130】
逆に、温風フィルムドア310の巻き取り軸310bが一端部310aに接近する方向iに移動するときは巻き取り軸310bが上記と逆方向に回転して温風フィルムドア310の他端部側を巻き取り軸310bに巻き取り、これにより、後席側温風入口27iの通路面積を増加させる。これに連動して、冷風フィルムドア320の巻き取り軸320bは一端部320aから開離する方向jに回転しながら移動する。このとき、巻き取り軸320bの回転方向も上記と逆になり、冷風フィルムドア320の他端部側を巻き取り軸320bから巻き戻し、これにより、後席側冷風入口27jの通路面積を減少させる。
【0131】
すなわち、後席側温風入口27iの通路面積の増加に連動して後席側冷風入口27jの通路面積を減少させるから、後席側吹出温度を上昇させることができる。
【0132】
そして、後席側の最大冷房状態では、温風フィルムドア310により温風入口27iを全閉すると同時に、冷風フィルムドア320により後席側冷風入口27jを全開する。また、後席側の最大暖房状態では、温風フィルムドア310により温風入口27iを全開すると同時に、冷風フィルムドア320により後席側冷風入口27jを全閉する。
【0133】
次に、第2実施形態による作用効果を図7により説明する。図7の横軸は図5と同様に後席側温度調整手段の最大冷房位置を0%とし、後席側温度調整手段の最大暖房位置を100%とする後席側温度調整手段のドア移動量(ドア開度)の割合である。図7の縦軸は後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jの通路面積割合(%)である。この通路面積割合(%)は、後席側温度調整手段により調整された後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jの実通路面積と最大通路面積との割合(実通路面積/最大通路面積)である。
【0134】
図7において、実線▲1▼は前述のバタフライ状の2枚板ドア31、32を併用した第1実施形態による後席側温風入口27iの通路面積割合の変化を示し、実線▲2▼は2枚のフィルムドア310、320を併用した第2実施形態による後席側温風入口27iの通路面積割合の変化を示し、実線▲3▼は前述した通常の1枚の板ドアを使用した比較例による後席側温風入口27iの通路面積割合の変化を示す。
【0135】
そして、破線▲4▼は第1実施形態による後席側冷風入口27jの通路面積割合の変化を示し、破線▲5▼は第2実施形態による後席側冷風入口27jの通路面積割合の変化を示し、破線▲6▼は比較例による後席側冷風入口27jの通路面積割合の変化を示す。
【0136】
図6の実線▲1▼、▲2▼および破線▲4▼、▲5▼の特性から理解されるように、第1実施形態および第2実施形態によると、後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jの通路面積割合を比較例の特性▲3▼、▲6▼に比較してほぼ直線的に変化させて、通路面積割合の変化にほぼリニア性を持たせることができる。
【0137】
第1実施形態と第2実施形態とを比較すると、第2実施形態では、フィルムドア310、320が後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jの開口面に沿ってスライド移動するので、第2実施形態の方が通路面積割合の変化のリニア性をより一層向上できる。従って、第1実施形態よりも第2実施形態の方が後席側吹出空気温度制御のリニア性をより一層向上できる。
【0138】
なお、第2実施形態では、2枚のフィルムドア310、320の一端部310a、320aを固定し、他端部をこの固定端部に対して接近、解離する方向に移動させるようにしているが、後席側温度調整手段として前席側エアミックスドア19と同様に、空気通過用の開口部を有する1枚のフィルムドアを用い、この1枚のフィルムドアの開口部の移動により後席側温風入口27iおよび後席側冷風入口27jの通路面積を相反的に変化させるようにしてもよい。このようなフィルムドアにおいても、第2実施形態のフィルムドア310、320と同様に後席側吹出空気温度制御のリニア性を発揮できる。
(第3実施形態)
第1、第2実施形態では、後席側温風入口27iからの温風、および後席側冷風入口27jからの冷風を後席用補助送風機27の送風ファン27a、27bにより吸入し、後席側吹出ダクト部28に送風しているので、温風と冷風が送風ファン27a、27bを通過する過程で良好に混合され、温度バラツキの非常に小さい空気を後席側吹出ダクト部28に送風できるが、その反面、後席側吹出モードとしてバイレベルモードを設定する時には、後席側フェイス吹出温度と後席側フット吹出温度がほぼ同温になってしまう。その結果、後席側バイレベルモード時に頭寒足熱形の上下吹出温度差を設定できず、後席側バイレベルモードの空調フィーリングを悪化させる。
【0139】
上記点に鑑みて、第3実施形態では後席側冷風バイパス通路を形成して、後席側バイレベルモード時に頭寒足熱形の上下吹出温度差を設定できるようにするものである。
【0140】
図8、9は第3実施形態であり、左右両側の後席側冷風ドア32の上流部(車両前方側部位)に後席側冷風通路18の冷風流れの分岐部を設定して、この左右両側の分岐部に左右両側の後席側冷風バイパス通路50の冷風導入口50a(図9)を配置している。
【0141】
この左右両側の後席側冷風バイパス通路50は後席用補助送風機27の送風ファン27a、27bをバイパスして、スクロールケース27d、27eの出口側に直接合流するものである。より具体的に説明すると、左右両側の後席側冷風バイパス通路50は図8の矢印kに示すように後席側冷風ドア32および送風ファン27a、27bの下方側を通って、後席側吹出ダクト部28の後席側フェイスダクト部33、すなわち、後席側吹出ダクト部28の後席側フェイス開口部33aより下流部位に直接連通する空気通路を形成する。
【0142】
なお、図8の断面位置は車両左右方向において送風ファン27a、27bの配置位置であるので、図8では後席側冷風バイパス通路50の出口部のみを図示することができ、後席側冷風バイパス通路50全体を図示できない。図8において、スクロールケース27d,27e(送風ファン27a、27b)の出口通路51の車両左右方向(紙面垂直方向)の左右両側に形成される。
【0143】
後席側冷風バイパス通路50の途中には後席側冷風バイパスドア52が配置され、後席側冷風バイパス通路50を開閉するようになっている。この後席側冷風バイパスドア52は本例では回転軸52aを中心として回転する板ドアであり、回転軸52aを、サーボモータを用いたアクチュエータ機構からなるドア操作機構に連結して、後席側冷風バイパスドア52を回転操作するようになっている。
【0144】
次に、第3実施形態の作動を説明すると、後席側吹出モードとしてバイレベルモードを設定するときは、後席側吹出モードドア35を図8に示すように後席側フェイス開口部33aと後席側フット開口部34aを同時に開口する中間開度位置に回転操作する。
【0145】
この後席側吹出モードドア35によって、後席用補助送風機27の送風ファン27a、27bにより送風される空調風を後席側フェイス開口部33a側と後席側フット開口部34a側とに分岐して、この両開口部33a,34aに同時に空調風を導入できる。
【0146】
そして、後席側バイレベルモードを設定したときは、後席側冷風バイパスドア52を後席側冷風バイパス通路50の開口位置に回転操作する。これにより、後席側冷風ドア32の上流部の冷風流れの一部を分岐して、後席側冷風バイパス通路50に導入できる。
【0147】
この冷風は後席側冷風バイパス通路50によって後席用補助送風機27の送風ファン27a、27bをバイパスして、後席側吹出ダクト部28の後席側フェイスダクト部33に直接流入する。従って、送風ファン27a、27bにより送風される空調風と後席側冷風バイパス通路50からの冷風が後席側フェイスダクト部33にて合流する。これに反し、後席側フット開口部34a側の空調風には冷風が合流しない。
【0148】
このため、後席側フェイス吹出温度を、後席側フット吹出温度に比較してバイパス冷風の合流分だけ下げることができる。従って、後席側バイレベルモード時に頭寒足熱形の快適な上下吹出温度差を設定でき、後席側バイレベルモードの空調フィーリングを良好にすることができる。
【0149】
なお、後席側バイレベルモード時における上下吹出温度差は、後席側冷風バイパスドア52によって後席側冷風バイパス通路50の通路面積を調整して冷風バイパス量を調整することにより、容易に調整できる。
【0150】
ところで、第3実施形態において、送風ファン27a、27bにより送風される空調風(ファン通過風)と後席側冷風バイパス通路50からの冷風との合流部の設定位置は非常に重要である。なぜならば、ファン通過風は当然ながら送風ファン27a、27bにより昇圧されるので、上記合流部の設定位置如何によってはファン通過風が後席側冷風バイパス通路50へ逆流する可能性があるからである。
【0151】
そこで、第3実施形態では、スクロールケース27d、27eの出口側において、後席側吹出モードドア35が後席側フェイス開口部33aを全閉する際のシール壁面53の背面側に上記合流部を設定している。ファン通過風はこのシール壁面53により流れを阻止されてシール壁面53の背面側には直接流入しないので、シール壁面53の背面側は渦流の形成される低圧部位となる。これにより、ファン通過風が後席側冷風バイパス通路50へ逆流することを防止でき、後席側冷風ドア32上流部の冷風を後席側冷風バイパス通路50を通してシール壁面53の背面側に確実に導入できる。
【0152】
(第4実施形態)
第3実施形態では、後席側吹出モードドア35のシール壁面53の背面側に、送風ファン27a、27bの送風空気(ファン通過風)と後席側冷風バイパス通路50からの冷風との合流部を設定しているが、第4実施形態では図10に示すように、スクロールケース27d,27e(送風ファン27a、27b)の出口通路51の左右側壁のうち、後席側フェイスダクト部33(フェイス開口部33a)の直前部位に開口部を設け、この出口通路51の左右側壁の開口部に後席側冷風バイパス通路50の出口部を連通させている。
【0153】
スクロールケース27d,27eの出口通路51は送風ファン27a、27bにより圧送される空気の風速(動圧)が高くなっている部分であるので、この風速の高い部分の左右側壁に後席側冷風バイパス通路50の出口部を連通させると、後席側冷風バイパス通路50の出口部に風速上昇による圧力低下作用が及ぶ。これにより、後席側冷風バイパス通路50からの冷風を出口通路51のうち後席側フェイスダクト部33の直前部位に確実に導入できる。
【0154】
第3、第4実施形態では、後席側バイレベルモード時に、後席側冷風ドア32の上流部の冷風の一部を後席側冷風バイパス通路50により後席用補助送風機27をバイパスして、後席側吹出ダクト部28の後席側フェイスダクト部33に直接流入させることにより、頭寒足熱形の上下吹出温度差を得るようにしているが、後席側冷風バイパス通路50の代わりに後席側温風バイパス通路(図示せず)を設け、後席側温風ドア31の上流部の温風の一部を後席側温風バイパス通路により後席用補助送風機27をバイパスして、後席側吹出ダクト部28の後席側フットダクト部34に直接流入させるようにして、後席側バイレベルモード時に頭寒足熱形の上下吹出温度差を得るようにしてもよい。
【0155】
この場合にも、後席側温風バイパス通路に通路面積を調整可能な後席側温風バイパスドアを設けることにより、後席側バイレベルモード時の上下吹出温度差を後席側温風バイパスドアの開度調整により調整できる。
【0156】
なお、後席側冷風バイパス通路50あるいは後席側温風バイパス通路の通路面積を実験等により予め、適切な通路面積(上下吹出温度差を適切に設定するための通路面積)に設計しておくことにより、後席側冷風バイパスドア52および後席側温風バイパスドアを後席側冷風バイパス通路50あるいは後席側温風バイパス通路を単純に開閉するだけの開閉弁にしてもよい。
【0157】
(他の実施形態)
なお、第1実施形態では、温風ドア31を後席温風側操作機構により、また、冷風ドア32を後席冷風側操作機構によりそれぞれ独立に操作する例について説明したが、温風ドア31と冷風ドア32とを同時に全閉状態にして後席側シャット状態を設定するドア操作と、後席側吹出温度制御のために両ドアドア31、32を全閉、全開側に相反的に連動操作するドア操作とを両立させるリンク機構を構成すれば、温風ドア31と冷風ドア32とを1つの共通の後席側温度調整操作機構により操作することができる。
【0158】
また、第1実施形態では、前席側温度調整手段をなす前席側エアミックスドア19を可撓性を有するフィルムドアにより構成しているが、フィルムドアの代わりに、可撓性を持たない剛体からなるスライドドアにより前席側エアミックスドア19を構成してもよい。また、ヒータコア16の上端部付近に配置された回転軸を中心として回転する板ドアにより前席側エアミックスドア19を構成してもよい。
【0159】
また、上記の各実施形態では、後席用補助送風機27および後席吹出ダクト部28をケース14に一体に設ける例について説明したが、後席吹出ダクト部28をケース14から分離して後席用ダクト36、37側に設け、このケース14とは別体の後席吹出ダクト部28に後席用補助送風機27を設ける場合にも本発明を適用できる。
【0160】
また、上記各実施形態では、前席用空調ユニットにより車室内の前席側領域と後席側領域の両方、および前席シート部を空調する例について述べたが、前席シート部の空調機能を廃止して、前席用空調ユニットにより車室内の前席側領域と後席側領域のみを空調する場合に本発明を適用してもよいことはもちろんである。
【0161】
前席用空調ユニットにより車室内の前席側領域と乗員着座用のシート部とを空調する場合にも、前席側通路に比較してシート側通路の通風抵抗が非常に大きくなるので、シート側通路専用の補助送風機27を設けて、同様の作用効果を発揮するようにしてもよい。
【0162】
また、補助送風機27により車室内の後席側領域と乗員着座用のシート部の両方に空調風を送風する場合に本発明を適用してもよい。
【0163】
また、車両のセンターピラー部(車両の前部ドアと後部ドアとの間のBピラー部)の上方部に風向を調整可能な吹出グリルを備えたフェイス吹出口を配置するとともに、前席用空調ユニットからの空調風を補助送風機27により後席側フェイスダクト36を介してこのセンターピラー部のフェイス吹出口に導入し、このフェイス吹出口から主に後席側領域に空調風を吹き出すようにしてもよい。
【0164】
ここで、センターピラー部のフェイス吹出口に風向の調整可能なグリル機構を設けることにより、センターピラー部のフェイス吹出口から空調風を前席側領域に向けて空調風を吹き出すこともできる。
【0165】
また、上記実施形態では、各種の操作機構をいずれも、サーボモータを用いたアクチュエータ機構により構成する例について説明したが、これらの操作機構を必要に応じて手動操作機構により構成してもよいことはもちろんである。
【0166】
また、上記各実施形態では、車室内の前席側領域と後席側領域への吹出空気温度をそれぞれ独立に制御できる前後独立制御方式の前席用空調ユニットについて説明したが、前席用空調ユニットの熱交換ユニット2のケース14内において、蒸発器15の下流側空気通路を車両右側空気通路(右ハンドル車であれば運転席側空気通路)と、車両左側空気通路(右ハンドル車であれば助手席側空気通路)とに仕切り、前席側の温度調整手段(19)として、前席右側の温度調整手段と前席左側の温度調整手段とを独立に操作可能に設け、また、後席側の温度調整手段(31、32、310、320)として、後席右側の温度調整手段と後席左側の温度調整手段とを独立に操作可能に設ければ、車室内の前後左右の4つの領域の吹出温度を独立に制御できる。
【0167】
この場合に、補助送風機27の左右の送風ファン27a、27bの駆動用モータ27cを左右独立に設け、この左右の駆動用モータ27cの回転数を独立に制御することにより、後席右側領域への吹出風量および後席左側領域への吹出風量を独立に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による前席用空調ユニットの熱交換ユニット部の概略断面図である。
【図2】第1実施形態による前席用空調ユニットの送風機ユニット部の概略断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】第1実施形態による作用効果を説明する後席側吹出空気温度の制御特性図である。
【図6】第2実施形態による前席用空調ユニットの熱交換ユニット部の概略断面図である。
【図7】第1、第2実施形態による後席側通路面積割合の制御特性図である。
【図8】第3実施形態による前席用空調ユニットの熱交換ユニット部の概略断面図である。
【図9】図8のD−D断面図である。
【図10】第4実施形態による前席用空調ユニットの熱交換ユニット部の概略断面図である。
【符号の説明】
10…主送風機、14…ケース、15…蒸発器(空調用熱交換器)、
16…ヒータコア(空調用熱交換器)、17…前席側冷風通路、
18…後席側冷風通路、27…補助送風機、31…後席側温風ドア、
32…後席側冷風ドア。
Claims (13)
- 空気を送風する主送風機(10)と、
前記主送風機(10)の送風空気と熱交換する空調用熱交換器(15、16)と、
前記空調用熱交換器(15、16)と熱交換した空調風が車室内の前席側領域へ向かって流れる前席側空調通路(17、20〜23)と、
前記空調用熱交換器(15、16)と熱交換した空調風が車室内の後席側領域へ向かって流れるとともに、前記前席側空調通路(17、20〜23)に比較して通風抵抗が高い後席側空調通路(18、27i、27j、28、33、34、36a、36b、37a、37b)と、
前記前席側空調通路(17、20〜23)からの吹出空気温度を調整する前席側温度調整手段(19)と、
前記後席側空調通路(18、…)からの吹出空気温度を調整する後席側温度調整手段(31、32、310、320)とを具備し、
前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)は、前記空調用熱交換器(15、16)を通過した温風と冷風との風量割合を調整するように構成され、
前記後席側空調通路(18、…)のうち、前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)の下流側に、前記空調風を送風する補助送風機(27)を配置し、
前記空調用熱交換器として前記送風空気を加熱する暖房用熱交換器(16)を少なくとも有し、
前記後席側空調通路(18、…)は、前記暖房用熱交換器(16)を通過した温風が流れる後席側温風通路(27i)と、前記暖房用熱交換器(16)をバイパスして冷風が流れる後席側冷風通路(18、27j)とを有し、
前記後席側温度調整手段は、前記後席側温風通路(27i)の通路面積を調整する後席側温風ドア(31、310)と、前記後席側冷風通路(18、27j)の通路面積を調整する後席側冷風ドア(32、320)とにより構成され、
前記後席側領域の最大暖房状態では、前記後席側温風ドア(31、310)により前記後席側温風通路(27i)を全開するとともに、前記後席側冷風ドア(32、320)により前記後席側冷風通路(18、27j)を全閉し、
前記後席側領域の最大冷房状態では、前記後席側温風ドア(31、310)により前記後席側温風通路(27i)を全閉するとともに、前記後席側冷風ドア(32、320)により前記後席側冷風通路(18、27j)を全開し、
前記最大暖房状態と前記最大冷房状態との間の温度制御状態では、前記後席側温風ドア(31、310)と前記後席側冷風ドア(32、320)のいずれか一方が通路面積の増加側へ操作されるときは他方のドアが通路面積の減少側へ操作されるようになっており、
さらに、前記後席側温風ドア(31、310)および前記後席側冷風ドア(32、320)は前記補助送風機(27)の吸入口(27g、27h)の軸方向側方に積層配置されることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記後席側温風ドア(31、310)を前記後席側温風通路(27i)の全閉位置に操作するとともに、前記後席側冷風ドア(32、320)を前記後席側冷風通路(18、27j)の全閉位置に操作することにより後席側シャット状態を設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記後席側温風ドア(31)および前記後席側冷風ドア(32)は回転可能な板ドアであり、
前記補助送風機(27)の吸入口(27g、27h)の軸方向側方に、前記後席側温風ドア(31)および前記後席側冷風ドア(32)をその回転作動空間が前記吸入口(27g、27h)の内周側に重合するように配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。 - 前記後席側温風ドア(310)および前記後席側冷風ドア(320)は、前記後席側温風通路(27i)および前記後席側冷風通路(18、27j)の開口面に沿って移動するフィルムドアであることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
- 前記暖房用熱交換器(16)の下方側に前記後席側冷風通路(18、27j)を配置し、
前記暖房用熱交換器(16)の上方側に、前記暖房用熱交換器(16)をバイパスして冷風が流れる前席側冷風通路(17)を配置し、
前記前席側温度調整手段(19)を、前記空調用熱交換器(15、16)を通過した温風と前記前席側冷風通路(17)の冷風との風量割合を調整するように構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記後席側冷風通路(18j)から分岐された冷風が流れるシート用冷風通路(40)と、
前記暖房用熱交換器(16)を通過した温風が流れるシート用温風通路(42)と、
前記シート用冷風通路(40)の冷風と前記シート用温風通路(42)の温風との風量割合を調整するシート用温度調整手段(44)とを備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記後席側温風通路(27i)、前記後席側冷風通路(18、27j)および前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)を車両左右方向において中央部寄りに配置し、
前記シート用冷風通路(40)、前記シート用温風通路(42)および前記シート用温度調整手段(44)を、前記後席側温風通路(27i)、前記後席側冷風通路(18、27j)および前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)の左右外側に配置したことを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。 - 前記後席側空調通路(18、…)は、前記補助送風機(27)の下流側にて後席側フェイス通路(33、36a、36b)と、後席側フット通路(34、37a、37b)に分岐されており、
前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における空調風の流れの一部を分岐して、前記後席側フェイス通路(33、36a、36b)および前記後席側フット通路(34、37a、37b)のいずれか一方に直接導入する後席側バイパス通路(50)を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 空気を送風する主送風機(10)と、
前記主送風機(10)の送風空気と熱交換する空調用熱交換器(15、16)と、
前記空調用熱交換器(15、16)と熱交換した空調風が車室内の前席側領域へ向かって流れる前席側空調通路(17、20〜23)と、
前記空調用熱交換器(15、16)と熱交換した空調風が車室内の後席側領域へ向かって流れるとともに、前記前席側空調通路(17、20〜23)に比較して通風抵抗が高い後席側空調通路(18、27i、27j、28、33、34、36a、36b、37a、37b)と、
前記前席側空調通路(17、20〜23)からの吹出空気温度を調整する前席側温度調整手段(19)と、
前記後席側空調通路(18、…)からの吹出空気温度を調整する後席側温度調整手段(31、32、310、320)とを具備し、
前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)は、前記空調用熱交換器(15、16)を通過した温風と冷風との風量割合を調整するように構成され、
前記後席側空調通路(18、…)のうち、前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)の下流側に、前記空調風を送風する補助送風機(27)を配置し、
前記後席側空調通路(18、…)は、前記補助送風機(27)の下流側にて後席側フェイス通路(33、36a、36b)と、後席側フット通路(34、37a、37b)に分岐されており、
前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における空調風の流れの一部を分岐して、前記後席側フェイス通路(33、36a、36b)および前記後席 側フット通路(34、37a、37b)のいずれか一方に直接導入する後席側バイパス通路(50)を有することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記後席側バイパス通路(50)に通路面積を変化させる後席側バイパスドア(52)を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の車両用空調装置。
- 前記補助送風機(27)の通過風の流れによって圧力が低下する低圧部位に前記後席側バイパス通路(50)の出口部を合流させることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記後席側バイパス通路は、前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における冷風流れの一部を分岐して前記後席側フェイス通路(33、36a、36b)に直接導入する後席側冷風バイパス通路(50)であることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記後席側バイパス通路は、前記後席側温度調整手段(31、32、310、320)の上流部における温風流れの一部を分岐して前記後席側フット通路(34、37a、37b)に直接導入する後席側温風バイパス通路であることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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