JP2004338613A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フットデフロスタモードにおけるクールデフ状態の発生を抑制する。
【解決手段】暖房用熱交換器14の上方側に冷風バイパス通路20、21を形成し、冷風バイパス通路20、21の下方側に温風通路33、34を形成し、デフロスタ開口部43、44を冷風バイパス通路20、21の上方側に配置し、フット開口部55、56を、デフロスタ開口部43、44よりも温風通路33、34に近接した位置に配置し、更に、冷風バイパス通路20、21中にトンネル状枠体部57、58を上下方向に向けて配置し、トンネル状枠体部57、58の内側に、温風通路33、34の温風をデフロスタ開口部43、44側へ導く温風バイパス通路59、60を形成した。
【選択図】 図3
【解決手段】暖房用熱交換器14の上方側に冷風バイパス通路20、21を形成し、冷風バイパス通路20、21の下方側に温風通路33、34を形成し、デフロスタ開口部43、44を冷風バイパス通路20、21の上方側に配置し、フット開口部55、56を、デフロスタ開口部43、44よりも温風通路33、34に近接した位置に配置し、更に、冷風バイパス通路20、21中にトンネル状枠体部57、58を上下方向に向けて配置し、トンネル状枠体部57、58の内側に、温風通路33、34の温風をデフロスタ開口部43、44側へ導く温風バイパス通路59、60を形成した。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクールデフ状態の発生を抑制できるようにした車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置においては、暖房用熱交換器を通過する温風と暖房用熱交換器をバイパスする冷風との風量割合をエアミックスドアにより調整して、車室内吹出温度を調整するエアミックス方式が主流になっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このエアミックス方式においては、空調ケース内部のうち暖房用熱交換器の上方側に冷風バイパス通路を形成し、この冷風バイパス通路の下流側延長方向にフェイス開口部を配置することにより、冷房用熱交換器を通過した冷風がこの冷風バイパス通路を通過してフェイス開口部側へ小さい通風圧損にて流れるようにし、これにより、フェイス吹出風量を確保している。
【0004】
一方、車両窓ガラスに向かうデフロスタダクトが空調ケースの上方側に配置されるので、デフロスタ開口部は空調ケースの上面部、すなわち、冷風バイパス通路の上方側に配置される。また、フット開口部は、乗員足元側へ空調空気(主に温風)を吹き出すためのものであるため、空調ケースのうちフェイス開口部およびデフロスタ開口部の配置場所よりも下方に配置される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−30732号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、デフロスタ開口部の開口位置が冷風バイパス通路側に近接して冷風バイパス通路の冷風がデフロスタ開口部に流入しやすくなる。また、フット開口部の開口位置はデフロスタ開口部と比較して相対的に暖房用熱交換器下流側の温風通路に近接するので、暖房用熱交換器下流側の温風がフット開口部に流入しやすくなる。
【0007】
このため、吹出モードとして、デフロスタ開口部およびフット開口部の両方を同時に開口するフットデフロスタモードが設定されたときに、冷風バイパス通路の冷風が主にデフロスタ開口部に流れ、暖房用熱交換器下流側の温風が主にフット開口部に流れるという現象が発生する。この結果、デフロスタ吹出温度が過度に低下する、「クールデフ」状態が発生する。
【0008】
フットデフロスタモードは通常、冬期の寒冷時に車室内の暖房と車両窓ガラスの曇り防止を目的として選択されるので、クールデフ状態が発生すると、車両窓ガラスの防曇性能の低下および暖房フィーリングの悪化が生じる。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、フットデフロスタモードにおけるクールデフ状態の発生を効果的に抑制できる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調ケース(11)内において暖房用熱交換器(14)の上方側に、暖房用熱交換器(14)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(20、21)を形成し、空調ケース(11)内において冷風バイパス通路(20、21)の下方側に、暖房用熱交換器(14)を通過した温風が流れる温風通路(33、34)を形成し、空調ケース(11)内に暖房用熱交換器(14)を通過する温風と冷風バイパス通路(20、21)を通過する冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(20、21)を配置し、空調ケース(11)内の空気通路(16、17)の下流端部に、温風と冷風とを混合した空気を車室内へ吹き出すフェイス開口部(47、48、51、52)、フット開口部(55、56)およびデフロスタ開口部(43、44)を設ける車両用空調装置において、
デフロスタ開口部(43、44)は冷風バイパス通路(20、21)の上方側に配置し、フット開口部(55、56)は、デフロスタ開口部(43、44)よりも温風通路(33、34)に近接した位置に配置し、
更に、冷風バイパス通路(20、21)中にトンネル状枠体部(57、58)を上下方向に向けて配置し、トンネル状枠体部(57、58)の内側に、温風通路(33、34)の温風をデフロスタ開口部(43、44)側へ導く温風バイパス通路(59、60)を形成したことを特徴とする。
【0011】
これによると、フット開口部(55、56)が温風通路(33、34)に近接配置され、フット開口部(55、56)に温風が流入しやすい。一方、デフロスタ開口部(43、44)が冷風バイパス通路(20、21)の上方側に配置されデフロスタ開口部(43、44)に冷風が流入しやすい。
【0012】
従って、この開口部配置によると、デフロスタ開口部(43、44)とフット開口部(55、56)を同時に開口するフットデフロスタモードを設定したときに、デフロスタ吹出温度をフット吹出温度より低い吹出温度分布となる。その際に、温風通路(33、34)の温風を温風バイパス通路(59、60)を通してデフロスタ開口部(43、44)側へ積極的に導くことができるので、フットデフロスタモード時におけるクールデフ状態の発生を効果的に抑制できる。従って、フットデフロスタモード時に適度の上下温度差による快適な暖房フィーリングの確保と車両窓ガラスの防曇性能の向上とを実現できる。
【0013】
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、フット開口部(55、56)は、具体的には、温風通路(33、34)の上方側で、かつ、冷風バイパス通路(20、21)の幅方向の左右両側の部位に配置すればよい。ここで、冷風バイパス通路(20、21)の幅方向とは、冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向と垂直な方向であって、より具体的には、車両左右(幅)方向を言う。
【0014】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2において、フェイス開口部は、冷風バイパス通路(20、21)の略直線的下流方向に配置されたセンタフェイス開口部(51、52)と、センタフェイス開口部(51、52)の上方側に配置されたサイドフェイス開口部(47、48)とから構成されていることを特徴とする。
【0015】
ところで、このように、冷風バイパス通路(20、21)の略直線的下流方向に配置されたセンタフェイス開口部(51、52)の上方側にサイドフェイス開口部(47、48)を配置すると、空調ケースの幅方向を拡大しなくても、センタフェイス開口部(51、52)とサイドフェイス開口部(47、48)の各必要開口面積を容易に確保できる利点がある。
【0016】
しかし、その反面、サイドフェイス開口部(47、48)はセンタフェイス開口部(51、52)に比較して温風通路(33、34)の温風流れから遠ざかることになる。この結果、センタフェイス開口部(51、52)とサイドフェイス開口部(47、48)とを同時に開口するフェイスモード時に、センタフェイス吹出温度よりもサイドフェイス吹出温度が大幅に低下することが懸念されるが、本発明においてはフェイスモード時に、温風通路(33、34)の温風を温風バイパス通路(59、60)を通してサイドフェイス開口部(47、48)側へ積極的に導くことができる。よって、フェイスモード時におけるセンタフェイス吹出温度とサイドフェイス吹出温度との温度差拡大を解消できる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つにおいて、空調ケース(11)内の空気通路を車両左側通路(16)と車両右側通路(17)とに仕切る中央仕切り板(15)を有し、中央仕切り板(15)の左右両側にトンネル状枠体部(57、58)を設けることを特徴とする。
【0018】
これにより、既存の中央仕切り板(15)を有効活用してトンネル状枠体部(57、58)を空調ケース(11)内部に簡単に設けることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明のように、請求項4において、トンネル状枠体部(57、58)を中央仕切り板(15)の左右両側に一体成形すれば、トンネル状枠体部(57、58)を低コストにて形成できる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つにおいて、トンネル状枠体部(57、58)の断面形状を、冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向に沿った細長い形状としたことを特徴とする。
【0021】
これによると、トンネル状枠体部(57、58)の配置に伴う冷風バイパス通路(20、21)の圧損上昇を抑制できる。
【0022】
請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つにおいて、トンネル状枠体部(57、58)の下流側の断面形状を紡錘形状とすれば、トンネル状枠体部(57、58)の下流側部分で空気を滑らかにスムースに流すことができる。よって、空気流れの乱れに起因する圧損上昇を抑制できる。
【0023】
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つにおいて、トンネル状枠体部(57、58)の下端開口部に、トンネル状枠体部(57、58)の幅方向の左右外側へ突き出す空気ガイド部(72、73)を形成したことを特徴とする。
【0024】
ここで、トンネル状枠体部(57、58)の幅方向とは、冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向と垂直な方向であって、より具体的には、車両左右(幅)方向を言う。
【0025】
請求項8によると、空気ガイド部(72、73)により温風通路(33、34)のより広範囲の温風を温風バイパス通路(59、60)内へ積極的に導くことができる。従って、温風バイパス通路(59、60)からデフロスタ開口部(43、44)側への温風導入量をより効果的に増加できる。
【0026】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つにおいて、トンネル状枠体部(57、58)の上端開口部に、トンネル状枠体部(57、58)の幅方向の左右外側へ突き出す空気ガイド部(70、71)を形成したことを特徴とする。
【0027】
これによると、トンネル状枠体部(57、58)の上端開口部に対してデフロスタ開口部(43、44)がトンネル状枠体部(57、58)の幅方向の左右外側に配置されていても、トンネル状枠体部(57、58)の上端開口部の温風を空気ガイド部(70、71)に沿ってデフロスタ開口部(43、44)側へ効果的にガイドできる。
【0028】
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つにおいて、エアミックスドア(20、21)をフィルムドアにより構成したことを特徴とする。
【0029】
ところで、フィルムドアは薄膜状の部材が空気流れを横切るように移動するものであるから、通常の回転式板ドアのような回転作動空間を必要としない。従って、請求項10のようにエアミックスドア(20、21)をフィルムドアにより構成すると、冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向において、トンネル状枠体部(57、58)の冷風流れ方向の寸法をフィルムドアの風下側面付近まで拡大することができる。これにより、トンネル状枠体部(57、58)の断面形状を冷風流れ方向に沿った、より一層細長い形状にすることができるので、冷風バイパス通路(20、21)の圧損抑制をより一層有効に行うことができる。
【0030】
請求項11に記載の発明では、請求項10において、トンネル状枠体部(57、58)の上流側端面(57a、58a)によりフィルムドアを支持するガイド面を構成したことを特徴とする。
【0031】
これにより、トンネル状枠体部(57、58)自身にフィルムドアのガイド機能を兼務させることができる。
【0032】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態による車両用空調装置の室内ユニット部は、大別して、図1〜図4に示す空調ユニット10と、この空調ユニット10に空気を送風する送風機ユニット(図示せず)との2つの部分に分かれている。図1は空調ユニット10の概略斜視図、図2は空調ユニット10の右側ケースを取り外した状態の概略斜視図で、蒸発器よりも後方側部分のみを図示している。図3は空調ユニット10の概略断面図で、図4は図3のA−A断面図である。
【0034】
空調ユニット10は車室内前部の計器盤(図示せず)内側のうち、車両左右(幅)方向の略中央部に配置されている。その際、空調ユニット10部は、計器盤内側の略中央部にて車両の前後、上下および左右の各方向に対して、図示の矢印で示す搭載方向で配置されている。
【0035】
これに対し、図示しない送風機ユニットは車室内前部の計器盤(図示せず)内側のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されている。送風機ユニットは周知のごとく外気(車室外空気)と内気(車室内空気)を切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱を通して吸入した空気を送風する遠心式の電動送風機とを有している。
【0036】
空調ユニット10は車室内へ向かって送風される空気通路を構成する樹脂製の空調ケース11を有している。この空調ケース11は具体的には、車両左右方向の左側に位置する左側ケース11aと車両左右方向の右側に位置する右側ケース11bとに分割され、この左右のケース11a、11bを図示しない金属ばねクリック、ねじ等の締結手段を用いて一体に締結することにより空調ケース11を構成している。
【0037】
図3に示すように、空調ケース11内の、最も車両前方側の部位には空気入口空間12が形成されている。この空気入口空間12には送風機ユニットの遠心式送風機の送風空気が流入する。空調ケース11内において空気入口空間12直後の部位に蒸発器13が略垂直に配置されている。この蒸発器13は周知のごとく冷凍サイクルの低圧冷媒の蒸発潜熱を送風空気から吸熱して送風空気を冷却する冷房用熱交換器である。
【0038】
そして、蒸発器13の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア14が配置されている。ここで、ヒータコア14の上部が蒸発器13側(車両前方側)に傾くようにヒータコア14は傾斜配置されている。このヒータコア14は、蒸発器13を通過した冷風を再加熱する暖房用熱交換器であって、その内部に、図示しない車両エンジンから高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱する。
【0039】
蒸発器13およびヒータコア14は周知のごとく冷媒または温水が通過する偏平チューブとこれに接合されたコルゲートフィンとからなる熱交換用コア部を有し、この熱交換用コア部の偏平チューブ相互間の空隙を空気が通過するようになっている。なお、図1において、11cは蒸発器13の収容部であり、11dはヒータコア14の収容部である。
【0040】
図4に示すように、空調ケース11内において、蒸発器13の下流側(車両後方側)通路の左右方向中央部に中央仕切り板15が配置されている。この中央仕切り板15は、空調ケース11の左右の分割ケース11a、11bとは別体で成形された樹脂製の板部材であり、左右の分割ケース11a、11bの結合端面の間に挟まれて固定される。
【0041】
この中央仕切り板15は空調ケース11内の蒸発器13下流側通路を車両左側通路16と車両右側通路17とに仕切る。但し、中央仕切り板15にはヒータコア14の嵌合穴部(図示せず)が設けてあるので、ヒータコア14はこの中央仕切り板15の嵌合穴部を貫通して車両左側通路16と車両右側通路17の両方にわたって配置されている。
【0042】
車両左側通路16および車両右側通路17において蒸発器13とヒータコア14との中間部位には、前席用左側エアミックスドア18および前席用右側エアミックスドア19が配置されている。この前席用の左右の両エアミックスドア18、19は可撓性を有するフィルムドアにより構成されている。
【0043】
図1、図4に示すように、空調ケース11の内部においてヒータコア14の上方側に前席用の車両左側冷風バイパス通路20および車両右側冷風バイパス通路21が形成されている。この左右の前席用冷風バイパス通路20、21は、蒸発器13通過後の冷風がヒータコア14をバイパスして流れるものである。
【0044】
一方、ヒータコア14の上流側(車両前方側)において上下方向の中間部位には仕切り部材22(図3)が配置されている。この仕切り部材22は空調ケース11内部空間の車両左右方向(図3の紙面垂直方向)の全長にわたって延びるように配置されている。それにより、仕切り部材22はヒータコア14の熱交換用コア部の空気通路を上側の前席用通路23、24と下側の後席用通路25、26とに仕切っている。
【0045】
この前席用通路23、24および下側の後席用通路25、26も中央仕切り板15により左右に仕切られている。なお、仕切り部材22は空調ケース11の左右の分割ケース11a、11bに樹脂の一体成形にて形成することができる。
【0046】
前述したフィルムドアにより構成される前席用の左右の両エアミックスドア18、19は、それぞれ、車両左側通路16および車両右側通路17における左右の冷風バイパス通路20、21とヒータコア14の前席用通路23、24との開度を調整して、冷風と温風の風量割合を調整するものである。
【0047】
ここで、左右の両エアミックスドア18、19についてより具体的に説明すると、この両エアミックスドア18、19を構成するフィルムドアは、ポリエチレン樹脂のごとく可撓性、強度に優れた樹脂製フィルム状の膜状部材にて長尺状の長方形に構成される。そして、左右のフィルムドアの長手方向を上下方向(ドア移動方向)に向けて、左右のフィルムドアの長手方向の一端部(上端部)を左右の第1巻き取り軸27、28に固定し、左右のフィルムドアの長手方向の他端部(下端部)を左右の第2巻き取り軸29、30に固定する。
【0048】
また、左右のフィルムドアの長手方向(ドア移動方向)の途中部位には空気を通過させるための開口部18a、19a(図4)が形成されている。この開口部18a、19aは本例ではフィルム状膜状部材の強度確保のために車両左右方向に複数に分割して形成されている。なお、図3では開口部18a、19aの形成部位を破線にて図示している。
【0049】
左右の第1巻き取り軸27、28は冷風バイパス通路20、21の上方部にて車両左右方向に延びるように配置され、それぞれ独立に回転可能になっている。また、左右の第2巻き取り軸29、30は、ヒータコア14上流側の仕切り部材22近傍位置にて車両左右方向に延びるように配置され、それぞれ独立に回転可能になっている。
【0050】
左右のエアミックスドア操作機構をより具体的に説明すると、左側の前席用エアミックスドア18を構成する左側のフィルムドアに対応する左側の第1、第2巻き取り軸27、29のうちいずれか一方、例えば、第1巻き取り軸27にサーボモータ(ステップモータ等)により構成されるアクチュエータ(図示せず)を連結し、このアクチュエータにより第1巻き取り軸27を正逆両方向に回転駆動する。
【0051】
左側の第1巻き取り軸27の回転は図示しない回転伝達機構を介して左側の第2巻き取り軸29にも伝達されるので、左側の第1巻き取り軸27に連動して左側の第2巻き取り軸29が正逆両方向に回転するようになっている。これにより、左側の第1、第2巻き取り軸27、29に対する左側フィルムドアの巻き取り、巻き戻しを実行できる。
【0052】
右側の前席用エアミックスドア19を構成する右側のフィルムドアの操作機構も左側フィルムドアの操作機構と同一構成であり、右側のフィルムドアのための専用のアクチュエータおよび回転伝達機構を設けて、右側の第1、第2巻き取り軸28、30を連動して回転することにより、右側フィルムドアの巻き取り、巻き戻しを実行できる。なお、左側の第1、第2巻き取り軸27、29間および右側の第1、第2巻き取り軸28、30間の回転伝達機構は周知の機構であるので、その説明は省略する。
【0053】
左右のフィルムドア両端部を左右の第1巻き取り軸27、28および左右の第2巻き取り軸29、30に巻き取ったり、左右の第1巻き取り軸27、28および左右の第2巻き取り軸29、30から巻き戻す(送り出す)ことにより、フィルムドアが上下方向に移動する。これにより、開口部18a、19aが上下方向に移動して、冷風バイパス通路20、21とヒータコア14の前席用通路23、24の開度を調整できるようにしている。
【0054】
そして、開口部18a、19aが左右の冷風バイパス通路20、21又はヒータコア14の左右の前席用通路23、24上に全面的に重合する位置に移動すると、冷風バイパス通路20、21又はヒータコア14の前席用通路23、24を全開するようになっている。
【0055】
冷風バイパス通路20、21とヒータコア14の前席用通路23、24の開度を調整することにより、ヒータコア14の熱交換用コア部の左右の前席用通路23、24で加熱される温風と、左右の前席用冷風バイパス通路20、21を通過する冷風との風量割合を任意に調整できる。
【0056】
なお、空調ケース11および中央仕切り板15には、前席用エアミックスドア18、19を構成するフィルムドアの風下側の部位にフィルムドアの移動をガイドするガイド面11e、11f、15a、15b(図4)が形成されている。
【0057】
ヒータコア14の直後の部位には左右の電気ヒータ31、32(図3)を設けて、ヒータコア14に流入する温水の温度が低いときに電気ヒータ31、32を発熱させることにより即効暖房効果を発揮できるようにしている。なお、図2では電気ヒータ31、32の図示を省略している。そして、ヒータコア14および電気ヒータ31、32の下流側(車両後方側)には温風が流れる左右の温風通路33、34(図3)が形成される。
【0058】
一方、ヒータコア14の下方部位にはヒータコア14をバイパスして空気(冷風)が流れる左右の後席用冷風バイパス通路35、36が形成されている。前席用の左右のエアミックスドア18、19の下方部に左右の後席用エアミックスドア37、38を設けている。この左右の後席用エアミックスドア37、38は回転可能な板ドアにより構成され、ヒータコア14の左右の後席用通路25、26の開度と左右の後席用冷風バイパス通路35、36の開度を調整する。
【0059】
上記した左右の温風通路33、34の上方部は前席用の冷風バイパス通路20、21の下流側に合流し、下方部は後席用の冷風バイパス通路35、36下流側に合流する。この温風通路33、34には左右の温風通路切替ドア39、40が配置される。
【0060】
この左右の温風通路切替ドア39、40も回転可能な板ドアにより構成され、温風通路切替ドア39、40が図3の実線位置に操作されると、温風通路33、34を上側の前席用通路部と下側の後席用通路部とに仕切る。これに対し、左右の温風通路切替ドア39、40を図3の破線位置に操作すると、温風通路33、34の左右の後席用温風出口41、42が閉塞状態となり、後席側への温風吹出が停止される。このため、温風通路33、34の全体が前席用温風通路として作用する。
【0061】
次に、車室内前席側への吹出開口部の配置について説明すると、図1に示すように、空調ケース11の上面部において前方寄りの部位、換言すると、前席用の冷風バイパス通路20、21の上方部に左右のデフロスタ開口部43、44が開口している。この左右のデフロスタ開口部43、44は、回転可能な板ドアにより構成された左右のデフロスタドア45、46により開閉される。
【0062】
空調ケース11の上面部において、デフロスタ開口部43、44よりも車両後方側部位に左右のサイドフェイス開口部47、48が開口している。この左右のサイドフェイス開口部47、48も回転可能な板ドアにより構成された左右のサイドフェイスドア49、50により開閉される。
【0063】
空調ケース11のうち、サイドフェイス開口部47、48より更に車両後方側の下方部位に左右のセンタフェイス開口部51、52が開口している。この左右のセンタフェイス開口部51、52も回転可能な板ドアにより構成された左右のセンタフェイスドア53、54により開閉される。なお、サイドフェイスドア49、50とセンタフェイスドア53、54は板ドアの中央部に回転軸を配置したバタフライドアにより構成されている。
【0064】
次に、空調ケース11の左右の側面壁部において、ヒータコア14の上方部に左右のフット開口部55、56が開口している。この左右のフット開口部55、56は図示しない左右のフットドアにより開閉される。この左右のフットドアは、空調ケース11の左右の側面壁部の内面に沿って回転作動する板ドアにより構成される。
【0065】
そして、左右のデフロスタ開口部43、44には図示しない左右のデフロスタダクトが接続され、このデフロスタダクトの先端部のデフロスタ吹出口から車両前面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出すようになっている。
【0066】
また、左右のサイドフェイス開口部47、48には図示しない左右のサイドフェイスダクトが接続され、この左右のサイドフェイスデダクトの先端部は車両計器盤の左右両端部付近に配置され、この左右のサイドフェイスデダクト先端部のサイドフェイス吹出口から乗員の上半身側又は車両側面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出すようになっている。
【0067】
また、左右のフット開口部55、56には図示しない左右のフットダクトが接続され、このフットダクトの先端部(下端部)のフット吹出口から乗員足元部に向けて空調風を吹き出すようになっている。
【0068】
なお、左側のデフロスタドア45、左側のサイドフェイスドア49、左側のセンタフェイスドア53および左側のフットドア(図示せず)は、左側の前席用吹出モードドア手段であって、図示しない共通の左側前席用吹出モード操作機構により連動操作されるようになっている。
【0069】
同様に、右側のデフロスタドア46、右側のサイドフェイスドア50、右側のセンタフェイスドア54および右側のフットドア(図示せず)は、右側の前席用吹出モードドア手段であって、図示しない共通の右側前席用吹出モード操作機構により連動操作されるようになっている。
【0070】
次に、中央仕切り板15における温風バイパス通路構成を説明すると、図4に示すように中央仕切り板15の左右両側にトンネル状枠体部57、58を一体成形している。この左右のトンネル状枠体部57、58の内側に左右の温風バイパス通路59、60を形成する。
【0071】
ここで、左右のトンネル状枠体部57、58の断面形状は矩形状であり、より具体的には冷風バイパス通路20、21hの冷風流れに沿った細長い形状、すなわち、長方形である。
【0072】
トンネル状枠体部57、58の形成部位は、図3に示すように車両上下方向に対してはヒータコア14の上方部に位置している。そのため、左右の温風バイパス通路59、60の下端開口部はヒータコア14下流側の左右の温風通路33、34に連通し、この左右の温風通路33、34の温風が左右の温風バイパス通路59、60内に流入するようになっている。
【0073】
トンネル状枠体部57、58は、車両前後方向に向いている左右の冷風バイパス通路20、21中を所定高さhでもって上下方向に向くように配置されている。従って、トンネル状枠体部57、58の内側に形成される左右の温風バイパス通路59、60は左右の冷風バイパス通路20、21と交差するように形成される。
【0074】
そして、左右の温風バイパス通路59、60の上端開口部は、図1、図3に示すように車両前後方向に対してはデフロスタ開口部43、44とほぼ同一位置に配置されている。また、車両左右方向に対しては左右のデフロスタ開口部43、44の内側位置(中央寄りの位置)に左右の温風バイパス通路59、60の上端開口部が位置している。
【0075】
従って、左右の温風バイパス通路59、60の上端開口部は空調ケース11の上面壁面に所定間隔を介して対向している。また、左右の温風バイパス通路59、60の上端開口部が、図3に示すようにセンタフェイス開口部51、52の上端位置と同等以上の高さに位置するように、トンネル状枠体部57、58の高さhを設定してある。
【0076】
次に、車室内車室内後席側への吹出開口部の配置について説明すると、図1〜図3に示すように、空調ケース11の車両後方側の壁面の最下部付近に左右の後席側センタフェイス開口部61、62が開口している。この左右の後席側センタフェイス開口部61、62は回転可能な板ドアにより構成された左右の後席側センタフェイスドア63、64により開閉される。
【0077】
空調ケース11の底面部において温風通路33、34の左右の後席用温風出口41、42の下方部位に左右の後席側フット開口部65a、65bが開口している。この左右の後席側フット開口部65a、65bは回転可能な板ドアにより構成された左右の後席側フットドア66、67により開閉される。なお、左右の後席側フット開口部65a、65bおよび左右の後席側フットドア66、67は、空調ケース11の底面部の左右方向の全域ではなく、ケース底面部において左右両側部位に偏って配置されている。
【0078】
また、空調ケース11の左右の側面壁部において最も車両後方側の底面付近に左右の後席側サイドフェイス開口部68、69が開口している。この左右の後席側サイドフェイス開口部68、69については開閉ドアを設置せず、常開構造にしている。
【0079】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。本実施形態では、前席側の吹出モードドア45、46、49、50、53、54の開閉により車室内前席側の吹出モードとして、フェイスモード、フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードを設定するようになっている。
【0080】
先ず、車室内前席側の吹出モードとしてフェイスモードが設定された場合は、前席側センタフェイス開口部51、52および前席側サイドフェイス開口部47、48が前席側センタフェイスドア53、54および前席側サイドフェイスドア49、50により全開状態となる。これに対し、前席側フット開口部55、56およびデフロスタ開口部43、44は図示しないフットドアおよびデフロスタドア45、46により全閉状態となる。
【0081】
一方、温風通路切替ドア39、40は、前席側の吹出モードがデフロスタモード以外の通常時は実線位置に操作されて温風通路33、34を上側の前席用通路部と下側の後席用通路部とに仕切っている。従って、フェイスモード時は温風通路切替ドア39、40が実線で示す仕切り位置に操作されている。
【0082】
そして、前席側の温度制御が最大冷房状態になっている場合は、前席用エアミックスドア18、19を構成するフィルムドアの開口部18a、19aが前席用冷風バイパス通路20、21と全面的に重合して前席用冷風バイパス通路20、21を全開するとともにフィルムドアの膜部がヒータコア14の前席用通路23、24を全閉する。
【0083】
この状態において、図示しない送風機ユニットの送風機および冷凍サイクルが運転されると、送風機ユニットからの送風空気がケース11の最前部の空気入口空間12に流入した後、蒸発器13で冷却されて冷風となる。
【0084】
最大冷房状態ではこの冷風がそのまま、前席用冷風バイパス通路20、21を通過して、前席側センタフェイス開口部51、52および前席側サイドフェイス開口部47、48から前席乗員の上半身に向けて冷風が吹き出す。これにより、車室内前席側領域に対する最大冷房性能を発揮できる。
【0085】
一方、前席側の吹出モードがフェイスモードであるときに、前席側の温度制御が中間温度制御状態になった場合は、前席用エアミックスドア18、19を構成するフィルムドアの開口部18a、19aが下方へ移動して前席用冷風バイパス通路20、21およびヒータコア14の前席用通路23、24の双方と重合する。これにより、前席用冷風バイパス通路20、21およびヒータコア14の前席用通路23、24がそれぞれ開口部18a、19aの移動位置に対応した所定開度にて開口する。
【0086】
従って、前席用冷風バイパス通路20、21を通過する冷風と、ヒータコア14の前席用通路23、24を通過する温風とを所定の風量割合にて混合することができ、空調風の温度を所望温度に調整できる。前席用の左右のエアミックスドア18、19の操作位置をそれぞれ独立に調整することにより、車室内の前席左側領域および前席右側領域への吹出温度を独立に調整できる。
【0087】
ところで、前席側センタフェイス開口部51、52は、前席用冷風バイパス通路20、21の下流側の直線的な延長方向に配置されているので、前席用冷風バイパス通路20、21の冷風は、前席側センタフェイス開口部51、52に向かってほぼ直線的に流れる。しかも、前席側センタフェイス開口部51、52は温風通路33、34に隣接しているので、温風通路33、34の温風は前席側センタフェイス開口部51、52に流入しやすい。
【0088】
一方、前席側サイドフェイス開口部47、48は、前席用冷風バイパス通路20、21の冷風流れの上側に位置しており、温風通路33、34の温風流れから離れているので、前席側サイドフェイス開口部47、48に温風通路33、34の温風が流入しにくい。
【0089】
このため、中央仕切り板15の左右両側に、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を形成していない場合には、前席側フェイスモードに前席側サイドフェイス吹出温度が前席側センタフェイス吹出温度に比較して過度に低下するという不具合が生じる。
【0090】
しかし、本実施形態では、中央仕切り板15の左右両側に、トンネル状枠体部57、58によって温風バイパス通路59、60を前席用冷風バイパス通路20、21と交差するように形成しているので、温風通路33、34の温風がトンネル状枠体部57、58内の温風バイパス通路59、60を通過して冷風バイパス通路20、21の上側まで容易に到達でき、前席側サイドフェイス開口部47、48に容易に流入できる。
【0091】
これにより、前席側フェイスモード時に前席側サイドフェイス吹出温度を前席側センタフェイス吹出温度とほぼ同一温度に調整できるので、運転席および助手席の各乗員に対して左右両側の吹出温度バラツキを解消して快適に空調できる。
【0092】
なお、図5(a)は、本実施形態による空調ユニット10から、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を除去した場合の前席側サイドフェイス吹出温度および前席側センタフェイス吹出温度を示すものである。これに対し、図5(b)は、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を形成した本実施形態における前席側サイドフェイス吹出温度および前席側センタフェイス吹出温度を示す。
【0093】
図5の横軸は前席用エアミックスドア18、19の開度(%)であり、このエアミックスドア開度(%)は、前席用冷風バイパス通路20、21を全開し、ヒータコア14の前席用通路23、24を全閉する最大冷房位置を0%とし、前席用冷風バイパス通路20、21を全閉し、ヒータコア14の前席用通路23、24を全開する最大暖房位置を100%として表している。また、図5の縦軸は、空調ユニット10の吹出空気温度であり、空調ユニット10の各開口部での吹出空気温度の測定値である。
【0094】
図5(a)に示すように、温風バイパス通路59、60を形成しない比較例の場合には、エアミックスドア開度(%)を20%〜80%の中間開度域に調整すると、前席側サイドフェイス吹出温度が前席側センタフェイス吹出温度に対して8℃〜20℃程度低い結果となり、左右フェイス吹出温度の大ききなバラツキが生じる。
【0095】
これに対し、温風バイパス通路59、60を形成した本実施形態の場合には図5(b)に示すように、エアミックスドア開度(%)の全領域において前席側サイドフェイス吹出温度を前席側センタフェイス吹出温度と略同等の温度に調整でき、左右フェイス吹出温度のバラツキを僅少値に抑制できることを確認している。
【0096】
次に、前席側のフットモードについて説明すると、フットモード時には図示しない前席側フットドアにより前席側フット開口部55、56が全開され、前席側センタフェイスドア53、54により前席側センタフェイス開口部51、52が全閉される。一方、前席側サイドフェイス開口部47、48とデフロスタ開口部43、44は、前席側サイドフェイスドア49、50とデフロスタドア45、46によりそれぞれ所定の小開度にて開口する。
【0097】
これにより、前席用エアミックスドア18、19の開度により所望温度に温度調整された空調風(温風)の大部分を前席側フット開口部55、56から前席乗員の足元側に吹き出して前席乗員の足元部を暖房する。
【0098】
一方、空調風(温風)の一部は、デフロスタ開口部43、44から車両前面窓ガラス側へ吹き出して車両前面窓ガラスの防曇性能を発揮する。更に、空調風(温風)の一部は前席側サイドフェイス開口部47、48を通過してサイドフェイスダクト先端部のサイドフェイス吹出口から車両の側面窓ガラス側または前席乗員の上半身側へ吹き出して、車両側面窓ガラスの防曇性能または前席乗員の上半身側の暖房作用を発揮する。
【0099】
次に、前席側のフットデフロスタモードについて説明すると、フットデフロスタモード時には図示しない前席側フットドアにより前席側フット開口部55、56が全開または所定開度にて開口する。また、デフロスタドア45、46によりデフロスタ開口部43、44が上記フットモード時よりも大きい開度にて開口する。ここで、デフロスタ開口部43、44をデフロスタドア45、46により全開状態にしてもよい。
【0100】
また、前席側サイドフェイス開口部47、48は、前席側サイドフェイスドア49、50により所定開度にて開口する。この前席側サイドフェイス開口部47、48の開度は上記フットモード時と同一開度であっても、また、上記フットモード時よりも大きい開度であってもよい。一方、前席側センタフェイスドア53、54により前席側センタフェイス開口部51、52が全閉される。
【0101】
前席側のフットデフロスタモード時では、デフロスタ開口部43、44の開度をフットモード時よりも大きくすることによりデフロスタ吹出風量をフットモード時よりも増加できる。従って、フットモード時よりも車両前面窓ガラスの防曇性能を向上できる。
【0102】
ところで、前席側のフットデフロスタモードにおいては、デフロスタ開口部43、44、前席側サイドフェイス開口部47、48およびフット開口部55、56のうち、フット開口部55、56が温風通路33、34の出口部に最も近接しているので、温風通路33、34の温風はフット開口部55、56に最も流入しやすくなるとともに、デフロスタ開口部43、44および前席側サイドフェイス開口部47、48への温風流入は冷風バイパス通路20、21の冷風流れによって阻害される。
【0103】
この結果、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を形成しない場合には、前席側サイドフェイス開口部47、48からのサイドフェイス吹出温度およびデフロスタ開口部43、44からのデフロスタ吹出温度が、前席側フット開口部55、56からのフット吹出温度に比較して大幅に低下する「クールデフ」の現象が発生する。
【0104】
しかし、本実施形態では、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を形成しているので、温風通路33、34の温風を温風バイパス通路59、60を通して容易にデフロスタ開口部43、44および前席側サイドフェイス開口部47、48側へ導くことができる。この温風の積極的な導入によりサイドフェイス吹出温度およびデフロスタ吹出温度を引き上げてフット吹出温度に近づけることができる。すなわち、上下吹出温度差が過度に増大することを抑制して、「クールデフ」の現象を抑制できる。
【0105】
図6は前述の図5と同様の吹出空気温度とエアミックスドア開度(%)との関係を示す実験結果であり、温風バイパス通路59、60を形成しない比較例の場合には、図6(a)に示すようにエアミックスドア開度(%)を20%〜80%の中間開度域に調整すると、前席側サイドフェイス吹出温度およびデフロスタ吹出温度が前席側フット吹出温度に対して大きく低下する。特に、デフロスタ吹出温度は、エアミックスドア開度(%)=40%〜80%付近の最も使用頻度の高い領域において、前席側フット吹出温度に比較して40℃〜50℃程度も低い結果となり、「クールデフ」現象を発生している。
【0106】
これに対し、温風バイパス通路59、60を形成した本実施形態の場合には図6(b)に示すように、デフロスタ吹出温度を前席側フット吹出温度に近い温度に引き上げることができ、エアミックスドア開度(%)=70%付近の最大温度差が発生する領域においても、デフロスタ吹出温度は前席側フット吹出温度から僅か10℃程度低いだけであり、「クールデフ」現象を防止できる。
【0107】
なお、温風バイパス通路59、60の上端開口部(温風出口部)は、前席側サイドフェイス開口部47、48よりもデフロスタ開口部43、44の方に近接しているので、温風バイパス通路59、60の温風は前席側サイドフェイス開口部47、48よりもデフロスタ開口部43、44に流入しやすい。
【0108】
このため、前席側のフットデフロスタモードにおいて、エアミックスドア開度(%)が所定開度以上、具体的には40%付近以上の領域では、前席側フット吹出温度>デフロスタ吹出温度>前席側サイドフェイス吹出温度の順に吹出温度が低下する。
【0109】
一方、エアミックスドア開度(%)が所定開度未満、具体的には40%付近未満の最大冷房側の領域では、デフロスタ吹出温度>前席側フット吹出温度>前席側サイドフェイス吹出温度の順に吹出温度が低下する。
【0110】
すなわち、最大冷房側の領域では、冷風バイパス通路20、21の冷風風量が増大するとともに、前席側フット開口部55、56がこの冷風バイパス通路20、21の冷風流れに面するようにして空調ケース11の左右の側壁部に開口しているので、前席側フット開口部55、56に冷風が流入しやすくなる。この結果、デフロスタ吹出温度よりも前席側フット吹出温度の方が低下する現象が発生する。しかし、フットデフロスタモードは冬期の暖房時に選択される吹出モードであるから、エアミックスドア開度(%)は通常、上記の所定開度、具体的には40%付近以上に設定して使用されるから、エアミックスドア開度(%)が最大冷房側の小開度となった場合における「デフロスタ吹出温度>前席側フット吹出温度」という吹出温度差は実用上問題とならない。
【0111】
なお、図6は前席側のフットデフロスタモード時におけるデフロスタ吹出温度、前席側フット吹出温度および前席側サイドフェイス吹出温度の関係について説明したが、前述した前席側のフットモード時においても温風バイパス通路59、60による温風ガイド作用によって同様の作用効果を発揮できる。
【0112】
次に、デフロスタモード時について説明すると、デフロスタモード時にはデフロスタドア45、46によりデフロスタ開口部43、44を全開し、図示しない前席側フットドアにより前席側フット開口部55、56を全閉するとともに、前席側センタフェイスドア53、54により前席側センタフェイス開口部51、52を全閉する。一方、前席側サイドフェイス開口部47、48は、前席側サイドフェイスドア49、50により所定開度にて開口する。ここで、前席側サイドフェイス開口部47、48の開度は上記フットデフロスタモード時と同一開度であっても、また、上記フットデフロスタモード時の開度より増加、減少した開度であってもよい。
【0113】
以上により、デフロスタ開口部43、44を通して車両前面窓ガラス側へ空調風(温風)を吹き出すとともに、前席側サイドフェイス開口部47、48を通して車両側面窓ガラス側へ空調風(温風)を吹き出して、車両窓ガラスの防曇性能を発揮する。
【0114】
なお、車室内前席側の吹出モードとして、デフロスタモードが設定された場合は、図示しない空調制御装置によって温風通路切替ドア39、40を自動的に図3の破線位置に操作して後席用温風出口41、42を閉塞する。これに連動して、後席用エアミックスドア37、38を自動的に図3の実線で示す最大暖房位置に操作する。これにより、ヒータコア14の前席用通路部23、24を通過した温風のみならず後席用通路部25、26を通過した温風もデフロスタ開口部43、44側へ送り込むことができる。よって、デフロスタ吹出風量を増加して車両窓ガラスの防曇性能を最大限発揮できる。。
【0115】
以上、車室内前席側の各吹出モードごとに、その作動を説明したが、車室内後席領域に対しても、後席側のセンタフェイスドア63、64および後席側のフットドア66、67の開閉を切り替えることにより、後席側のフェイスモード、後席側のフットモード等を設定して車室内後席領域を空調できる。
【0116】
車室内前席側への吹出空気温度および車室内後席側への吹出空気温度もともに、前席用の左右のエアミックスドア18、19および後席用の左右のエアミックスドア37、38によって独立に調整できる。
【0117】
(第2実施形態)
第1実施形態では、中央仕切り板15のトンネル状枠体部57、58により温風バイパス通路59、60を形成するに際して、トンネル状枠体部57、58の上端開口部(温風出口部)に特別の空気ガイド部を形成していないが、第2実施形態では、図7に示すようにトンネル状枠体部57、58の上端開口部に空気ガイド部70、71を形成している。
【0118】
図7は図3のB−B断面図であり、中央仕切り板15の左右のトンネル状枠体部57、58の上端面からそれぞれ幅方向の左右外側へ向かって突き出す矩形状の突き出し板形状(リブ形状)をトンネル状枠体部57、58に一体成形し、この矩形状の突き出し板形状により空気ガイド部70、71を形成している。
【0119】
第2実施形態によると、トンネル状枠体部57、58(温風バイパス通路59、60)の上端開口部に到達した温風を空気ガイド部70、71の表面に沿って矢印a,bのように左右のデフロスタドア45、46側により直接的にガイドできる。従って、フットデフロスタモード時に左右のデフロスタ開口部43、44側への温風流入割合を高めて、デフロスタ吹出温度をより一層高めることができる。
【0120】
(第3実施形態)
第1実施形態では、中央仕切り板15のトンネル状枠体部57、58の冷風流れ上流側端面(車両前方側端面)とドアガイド面15a、15bとの間に所定間隔L(図4参照)を設定する構成としているが、第3実施形態では、図8、図9に示すように所定間隔Lを廃止して、トンネル状枠体部57、58の冷風流れ上流側端面57a、58aを、前席用のエアミックスドア18、19を構成するフィルムドアの風下側直後の部位に配置している。
【0121】
これにより、トンネル状枠体部57、58の冷風流れ上流側端面57a、58a自身にてフィルムドアの風下側面を支持することができるので、トンネル状枠体部57、58にてドアガイド面15a、15bを構成できる。よって、中央仕切り板15の形状を簡素化できる。
【0122】
更に、第3実施形態によると、トンネル状枠体部57、58の車両前後方向の寸法が第1、第2実施形態よりも拡大するので、その分だけ、トンネル状枠体部57、58の幅寸法(車両左右方向の寸法)を縮小しても、温風バイパス通路59、60の必要通路面積を確保できる。
【0123】
従って、第3実施形態によるトンネル状枠体部57、58は、第1、第2実施形態に比較してトンネル状枠体部57、58の幅寸法を縮小して、より一層、冷風流れに沿った細長い形状にできる。そのため、トンネル状枠体部57、58の形成に伴う冷風バイパス通路20、21の圧損上昇をより一層効果的に低減できる。
【0124】
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態では、中央仕切り板15のトンネル状枠体部57、58を冷風流れ方向(車両前後方向)に沿った長方形に形成しているが、第4実施形態では、図10に示すように、トンネル状枠体部57、58の冷風流れ下流側端面57b、58bを冷風流れに沿って徐々に断面積が減少する円滑な紡錘形状に形成している。なお、図10は図3のA−A断面図である。
【0125】
第4実施形態によると、トンネル状枠体部57、58の冷風流れ下流側端面57b、58bの紡錘形状に沿って冷風を円滑に流すことができる。そのため、トンネル状枠体部57、58の下流側における冷風流れに乱れ(渦流等)が生じることを抑制して、トンネル状枠体部57、58による圧損上昇を抑制できる。
【0126】
なお、第4実施形態によるトンネル状枠体部57、58の冷風流れ下流側端面57b、58bの紡錘形状を、図8、図9に示す第3実施形態のトンネル状枠体部57、58に適用してもよいことはもちろんである。
【0127】
(第5実施形態)
図11は第5実施形態を示すもので、図3のB−B断面図である。第5実施形態では、トンネル状枠体部57、58(温風バイパス通路59、60)の下端開口部に空気ガイド部72、73を形成している。
【0128】
より具体的には、中央仕切り板15の左右のトンネル状枠体部57、58の下端面からそれぞれ幅方向の左右外側へ向かって突き出す矩形状の突き出し板形状(リブ形状)をトンネル状枠体部57、58に一体成形し、この矩形状の突き出し板形状により空気ガイド部72、73を形成している。
【0129】
第5実施形態によると、温風通路33、34の温風を空気ガイド部72、73の表面に沿って矢印c、dのように温風バイパス通路59、60内にガイドできる。このため、温風バイパス通路59、60への導入温風量を増加できるので、フットデフロスタモード時に左右のデフロスタ開口部43、44側への温風流入割合を高めて、デフロスタ吹出温度をより一層高めることができる。
【0130】
また、温風バイパス通路59、60の通路面積を拡大することなく、温風バイパス通路59、60への導入温風量を増加できるので、トンネル状枠体部57、58による冷風側の圧損上昇を抑制できる。
【0131】
なお、第5実施形態では、トンネル状枠体部57、58の下端開口部に位置する空気ガイド部72、73を単独に形成しているが、この第5実施形態による空気ガイド部72、73を、第2実施形態によるトンネル状枠体部57、58の上端開口部に位置する空気ガイド部70、71と組み合わせて実施してもよい。
【0132】
(他の実施形態)
なお、上記の各実施形態では、後席側の空調機構部を備える空調ユニット10について説明したが、後席側の空調機構部を廃止し、前席側の空調機構部のみを備える空調ユニット10に対して本発明を適用してもよい。
【0133】
上記の各実施形態では、空調ケース11内の空気通路を車両左側通路16と車両右側通路17とに仕切る中央仕切り板15にトンネル状枠体部57、58を一体成形する場合について説明したが、空調ケース11内の空気通路を車両左側通路16と車両右側通路17とに仕切らず、空調ケース11内に単一の空気通路を形成する空調ユニット10に本発明を適用してもよい。この場合は、空調ケース11内に中央仕切り板15を設けないから、トンネル状枠体部を専用部品として設置することになる。また、この場合は単一のトンネル状枠体部の内側に単一の温風バイパス通路を形成すればよい。
【0134】
また、第1実施形態では前席側の吹出モードとして、フェイスモード、フットモード、フットデフロスタモードおよびデフロスタモードを説明したが、これらの吹出モードの他に、前席側センタフェイス開口部51、52および前席側サイドフェイス開口部47、48と、前席側フット開口部55、56を同時に開口する前席側バイレベルモードを設定するようにしてもよい。
【0135】
また、第1実施形態では、前席側のフットモード時に、前席側フット開口部55、56を全開するととともに、前席側サイドフェイス開口部47、48およびデフロスタ開口部43、44を所定の小開度にて開口しているが、前席側のフットモード時に前席側サイドフェイス開口部47、48およびデフロスタ開口部43、44の一方又は両方を閉塞するようにしてもよい。
【0136】
また、第1実施形態では、前席側のフットデフロスタモード時に前席側フット開口部55、56およびデフロスタ開口部43、44を開口するとともに、前席側サイドフェイス開口部47、48も開口しているが、前席側のフットデフロスタモード時に前席側サイドフェイス開口部47、48を閉塞して、前席側フット開口部55、56およびデフロスタ開口部43、44だけを開口するようにしてもよい。
【0137】
また、各実施形態では、前席用エアミックスドア18、19をフィルムドアにより構成する場合について説明したが、前席用エアミックスドア18、19を後席用エアミックスドア37、38のような板ドアにより構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による空調ユニットの概略斜視図である。
【図2】図1の空調ユニットの右側ケース部を取り外した状態を示す概略斜視図である。
【図3】図1の空調ユニットの概略縦断面図である。
【図4】図1のA−A矢視断面図である。
【図5】比較例および第1実施形態によるフェイスモード時の吹出温度特性図である。
【図6】比較例および第1実施形態によるフットデフロスタモード時の吹出温度特性図である。
【図7】第2実施形態による要部断面図で、図1のB−B矢視断面図である。
【図8】第3実施形態による空調ユニットの概略断面図である。
【図9】図8のA−A矢視断面図である。
【図10】第4実施形態による要部断面図で、図3のA−A矢視断面図である。
【図11】第5実施形態による要部断面図で、図3のB−B矢視断面図である。
【符号の説明】
11…ケース、14…ヒータコア(暖房用熱交換器)、
18、19…前席用エアミックスドア、20、21…前席用冷風バイパス通路、
33、34…温風通路、43、44…デフロスタ開口部、
47、48…前席用サイドフェイス開口部、
51、52…前席用センタフェイス開口部、55、56…前席用フット開口部、
57、58…トンネル状枠体部、59、60…温風バイパス通路。
【発明の属する技術分野】
本発明はクールデフ状態の発生を抑制できるようにした車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置においては、暖房用熱交換器を通過する温風と暖房用熱交換器をバイパスする冷風との風量割合をエアミックスドアにより調整して、車室内吹出温度を調整するエアミックス方式が主流になっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このエアミックス方式においては、空調ケース内部のうち暖房用熱交換器の上方側に冷風バイパス通路を形成し、この冷風バイパス通路の下流側延長方向にフェイス開口部を配置することにより、冷房用熱交換器を通過した冷風がこの冷風バイパス通路を通過してフェイス開口部側へ小さい通風圧損にて流れるようにし、これにより、フェイス吹出風量を確保している。
【0004】
一方、車両窓ガラスに向かうデフロスタダクトが空調ケースの上方側に配置されるので、デフロスタ開口部は空調ケースの上面部、すなわち、冷風バイパス通路の上方側に配置される。また、フット開口部は、乗員足元側へ空調空気(主に温風)を吹き出すためのものであるため、空調ケースのうちフェイス開口部およびデフロスタ開口部の配置場所よりも下方に配置される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−30732号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、デフロスタ開口部の開口位置が冷風バイパス通路側に近接して冷風バイパス通路の冷風がデフロスタ開口部に流入しやすくなる。また、フット開口部の開口位置はデフロスタ開口部と比較して相対的に暖房用熱交換器下流側の温風通路に近接するので、暖房用熱交換器下流側の温風がフット開口部に流入しやすくなる。
【0007】
このため、吹出モードとして、デフロスタ開口部およびフット開口部の両方を同時に開口するフットデフロスタモードが設定されたときに、冷風バイパス通路の冷風が主にデフロスタ開口部に流れ、暖房用熱交換器下流側の温風が主にフット開口部に流れるという現象が発生する。この結果、デフロスタ吹出温度が過度に低下する、「クールデフ」状態が発生する。
【0008】
フットデフロスタモードは通常、冬期の寒冷時に車室内の暖房と車両窓ガラスの曇り防止を目的として選択されるので、クールデフ状態が発生すると、車両窓ガラスの防曇性能の低下および暖房フィーリングの悪化が生じる。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、フットデフロスタモードにおけるクールデフ状態の発生を効果的に抑制できる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調ケース(11)内において暖房用熱交換器(14)の上方側に、暖房用熱交換器(14)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(20、21)を形成し、空調ケース(11)内において冷風バイパス通路(20、21)の下方側に、暖房用熱交換器(14)を通過した温風が流れる温風通路(33、34)を形成し、空調ケース(11)内に暖房用熱交換器(14)を通過する温風と冷風バイパス通路(20、21)を通過する冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(20、21)を配置し、空調ケース(11)内の空気通路(16、17)の下流端部に、温風と冷風とを混合した空気を車室内へ吹き出すフェイス開口部(47、48、51、52)、フット開口部(55、56)およびデフロスタ開口部(43、44)を設ける車両用空調装置において、
デフロスタ開口部(43、44)は冷風バイパス通路(20、21)の上方側に配置し、フット開口部(55、56)は、デフロスタ開口部(43、44)よりも温風通路(33、34)に近接した位置に配置し、
更に、冷風バイパス通路(20、21)中にトンネル状枠体部(57、58)を上下方向に向けて配置し、トンネル状枠体部(57、58)の内側に、温風通路(33、34)の温風をデフロスタ開口部(43、44)側へ導く温風バイパス通路(59、60)を形成したことを特徴とする。
【0011】
これによると、フット開口部(55、56)が温風通路(33、34)に近接配置され、フット開口部(55、56)に温風が流入しやすい。一方、デフロスタ開口部(43、44)が冷風バイパス通路(20、21)の上方側に配置されデフロスタ開口部(43、44)に冷風が流入しやすい。
【0012】
従って、この開口部配置によると、デフロスタ開口部(43、44)とフット開口部(55、56)を同時に開口するフットデフロスタモードを設定したときに、デフロスタ吹出温度をフット吹出温度より低い吹出温度分布となる。その際に、温風通路(33、34)の温風を温風バイパス通路(59、60)を通してデフロスタ開口部(43、44)側へ積極的に導くことができるので、フットデフロスタモード時におけるクールデフ状態の発生を効果的に抑制できる。従って、フットデフロスタモード時に適度の上下温度差による快適な暖房フィーリングの確保と車両窓ガラスの防曇性能の向上とを実現できる。
【0013】
請求項2に記載の発明のように、請求項1において、フット開口部(55、56)は、具体的には、温風通路(33、34)の上方側で、かつ、冷風バイパス通路(20、21)の幅方向の左右両側の部位に配置すればよい。ここで、冷風バイパス通路(20、21)の幅方向とは、冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向と垂直な方向であって、より具体的には、車両左右(幅)方向を言う。
【0014】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2において、フェイス開口部は、冷風バイパス通路(20、21)の略直線的下流方向に配置されたセンタフェイス開口部(51、52)と、センタフェイス開口部(51、52)の上方側に配置されたサイドフェイス開口部(47、48)とから構成されていることを特徴とする。
【0015】
ところで、このように、冷風バイパス通路(20、21)の略直線的下流方向に配置されたセンタフェイス開口部(51、52)の上方側にサイドフェイス開口部(47、48)を配置すると、空調ケースの幅方向を拡大しなくても、センタフェイス開口部(51、52)とサイドフェイス開口部(47、48)の各必要開口面積を容易に確保できる利点がある。
【0016】
しかし、その反面、サイドフェイス開口部(47、48)はセンタフェイス開口部(51、52)に比較して温風通路(33、34)の温風流れから遠ざかることになる。この結果、センタフェイス開口部(51、52)とサイドフェイス開口部(47、48)とを同時に開口するフェイスモード時に、センタフェイス吹出温度よりもサイドフェイス吹出温度が大幅に低下することが懸念されるが、本発明においてはフェイスモード時に、温風通路(33、34)の温風を温風バイパス通路(59、60)を通してサイドフェイス開口部(47、48)側へ積極的に導くことができる。よって、フェイスモード時におけるセンタフェイス吹出温度とサイドフェイス吹出温度との温度差拡大を解消できる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つにおいて、空調ケース(11)内の空気通路を車両左側通路(16)と車両右側通路(17)とに仕切る中央仕切り板(15)を有し、中央仕切り板(15)の左右両側にトンネル状枠体部(57、58)を設けることを特徴とする。
【0018】
これにより、既存の中央仕切り板(15)を有効活用してトンネル状枠体部(57、58)を空調ケース(11)内部に簡単に設けることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明のように、請求項4において、トンネル状枠体部(57、58)を中央仕切り板(15)の左右両側に一体成形すれば、トンネル状枠体部(57、58)を低コストにて形成できる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つにおいて、トンネル状枠体部(57、58)の断面形状を、冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向に沿った細長い形状としたことを特徴とする。
【0021】
これによると、トンネル状枠体部(57、58)の配置に伴う冷風バイパス通路(20、21)の圧損上昇を抑制できる。
【0022】
請求項7に記載の発明のように、請求項1ないし6のいずれか1つにおいて、トンネル状枠体部(57、58)の下流側の断面形状を紡錘形状とすれば、トンネル状枠体部(57、58)の下流側部分で空気を滑らかにスムースに流すことができる。よって、空気流れの乱れに起因する圧損上昇を抑制できる。
【0023】
請求項8に記載の発明では、請求項1ないし7のいずれか1つにおいて、トンネル状枠体部(57、58)の下端開口部に、トンネル状枠体部(57、58)の幅方向の左右外側へ突き出す空気ガイド部(72、73)を形成したことを特徴とする。
【0024】
ここで、トンネル状枠体部(57、58)の幅方向とは、冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向と垂直な方向であって、より具体的には、車両左右(幅)方向を言う。
【0025】
請求項8によると、空気ガイド部(72、73)により温風通路(33、34)のより広範囲の温風を温風バイパス通路(59、60)内へ積極的に導くことができる。従って、温風バイパス通路(59、60)からデフロスタ開口部(43、44)側への温風導入量をより効果的に増加できる。
【0026】
請求項9に記載の発明では、請求項1ないし8のいずれか1つにおいて、トンネル状枠体部(57、58)の上端開口部に、トンネル状枠体部(57、58)の幅方向の左右外側へ突き出す空気ガイド部(70、71)を形成したことを特徴とする。
【0027】
これによると、トンネル状枠体部(57、58)の上端開口部に対してデフロスタ開口部(43、44)がトンネル状枠体部(57、58)の幅方向の左右外側に配置されていても、トンネル状枠体部(57、58)の上端開口部の温風を空気ガイド部(70、71)に沿ってデフロスタ開口部(43、44)側へ効果的にガイドできる。
【0028】
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つにおいて、エアミックスドア(20、21)をフィルムドアにより構成したことを特徴とする。
【0029】
ところで、フィルムドアは薄膜状の部材が空気流れを横切るように移動するものであるから、通常の回転式板ドアのような回転作動空間を必要としない。従って、請求項10のようにエアミックスドア(20、21)をフィルムドアにより構成すると、冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向において、トンネル状枠体部(57、58)の冷風流れ方向の寸法をフィルムドアの風下側面付近まで拡大することができる。これにより、トンネル状枠体部(57、58)の断面形状を冷風流れ方向に沿った、より一層細長い形状にすることができるので、冷風バイパス通路(20、21)の圧損抑制をより一層有効に行うことができる。
【0030】
請求項11に記載の発明では、請求項10において、トンネル状枠体部(57、58)の上流側端面(57a、58a)によりフィルムドアを支持するガイド面を構成したことを特徴とする。
【0031】
これにより、トンネル状枠体部(57、58)自身にフィルムドアのガイド機能を兼務させることができる。
【0032】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態による車両用空調装置の室内ユニット部は、大別して、図1〜図4に示す空調ユニット10と、この空調ユニット10に空気を送風する送風機ユニット(図示せず)との2つの部分に分かれている。図1は空調ユニット10の概略斜視図、図2は空調ユニット10の右側ケースを取り外した状態の概略斜視図で、蒸発器よりも後方側部分のみを図示している。図3は空調ユニット10の概略断面図で、図4は図3のA−A断面図である。
【0034】
空調ユニット10は車室内前部の計器盤(図示せず)内側のうち、車両左右(幅)方向の略中央部に配置されている。その際、空調ユニット10部は、計器盤内側の略中央部にて車両の前後、上下および左右の各方向に対して、図示の矢印で示す搭載方向で配置されている。
【0035】
これに対し、図示しない送風機ユニットは車室内前部の計器盤(図示せず)内側のうち、中央部から助手席側へオフセットして配置されている。送風機ユニットは周知のごとく外気(車室外空気)と内気(車室内空気)を切替導入する内外気切替箱と、この内外気切替箱を通して吸入した空気を送風する遠心式の電動送風機とを有している。
【0036】
空調ユニット10は車室内へ向かって送風される空気通路を構成する樹脂製の空調ケース11を有している。この空調ケース11は具体的には、車両左右方向の左側に位置する左側ケース11aと車両左右方向の右側に位置する右側ケース11bとに分割され、この左右のケース11a、11bを図示しない金属ばねクリック、ねじ等の締結手段を用いて一体に締結することにより空調ケース11を構成している。
【0037】
図3に示すように、空調ケース11内の、最も車両前方側の部位には空気入口空間12が形成されている。この空気入口空間12には送風機ユニットの遠心式送風機の送風空気が流入する。空調ケース11内において空気入口空間12直後の部位に蒸発器13が略垂直に配置されている。この蒸発器13は周知のごとく冷凍サイクルの低圧冷媒の蒸発潜熱を送風空気から吸熱して送風空気を冷却する冷房用熱交換器である。
【0038】
そして、蒸発器13の空気流れ下流側(車両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア14が配置されている。ここで、ヒータコア14の上部が蒸発器13側(車両前方側)に傾くようにヒータコア14は傾斜配置されている。このヒータコア14は、蒸発器13を通過した冷風を再加熱する暖房用熱交換器であって、その内部に、図示しない車両エンジンから高温の温水(エンジン冷却水)が流れ、この温水を熱源として空気を加熱する。
【0039】
蒸発器13およびヒータコア14は周知のごとく冷媒または温水が通過する偏平チューブとこれに接合されたコルゲートフィンとからなる熱交換用コア部を有し、この熱交換用コア部の偏平チューブ相互間の空隙を空気が通過するようになっている。なお、図1において、11cは蒸発器13の収容部であり、11dはヒータコア14の収容部である。
【0040】
図4に示すように、空調ケース11内において、蒸発器13の下流側(車両後方側)通路の左右方向中央部に中央仕切り板15が配置されている。この中央仕切り板15は、空調ケース11の左右の分割ケース11a、11bとは別体で成形された樹脂製の板部材であり、左右の分割ケース11a、11bの結合端面の間に挟まれて固定される。
【0041】
この中央仕切り板15は空調ケース11内の蒸発器13下流側通路を車両左側通路16と車両右側通路17とに仕切る。但し、中央仕切り板15にはヒータコア14の嵌合穴部(図示せず)が設けてあるので、ヒータコア14はこの中央仕切り板15の嵌合穴部を貫通して車両左側通路16と車両右側通路17の両方にわたって配置されている。
【0042】
車両左側通路16および車両右側通路17において蒸発器13とヒータコア14との中間部位には、前席用左側エアミックスドア18および前席用右側エアミックスドア19が配置されている。この前席用の左右の両エアミックスドア18、19は可撓性を有するフィルムドアにより構成されている。
【0043】
図1、図4に示すように、空調ケース11の内部においてヒータコア14の上方側に前席用の車両左側冷風バイパス通路20および車両右側冷風バイパス通路21が形成されている。この左右の前席用冷風バイパス通路20、21は、蒸発器13通過後の冷風がヒータコア14をバイパスして流れるものである。
【0044】
一方、ヒータコア14の上流側(車両前方側)において上下方向の中間部位には仕切り部材22(図3)が配置されている。この仕切り部材22は空調ケース11内部空間の車両左右方向(図3の紙面垂直方向)の全長にわたって延びるように配置されている。それにより、仕切り部材22はヒータコア14の熱交換用コア部の空気通路を上側の前席用通路23、24と下側の後席用通路25、26とに仕切っている。
【0045】
この前席用通路23、24および下側の後席用通路25、26も中央仕切り板15により左右に仕切られている。なお、仕切り部材22は空調ケース11の左右の分割ケース11a、11bに樹脂の一体成形にて形成することができる。
【0046】
前述したフィルムドアにより構成される前席用の左右の両エアミックスドア18、19は、それぞれ、車両左側通路16および車両右側通路17における左右の冷風バイパス通路20、21とヒータコア14の前席用通路23、24との開度を調整して、冷風と温風の風量割合を調整するものである。
【0047】
ここで、左右の両エアミックスドア18、19についてより具体的に説明すると、この両エアミックスドア18、19を構成するフィルムドアは、ポリエチレン樹脂のごとく可撓性、強度に優れた樹脂製フィルム状の膜状部材にて長尺状の長方形に構成される。そして、左右のフィルムドアの長手方向を上下方向(ドア移動方向)に向けて、左右のフィルムドアの長手方向の一端部(上端部)を左右の第1巻き取り軸27、28に固定し、左右のフィルムドアの長手方向の他端部(下端部)を左右の第2巻き取り軸29、30に固定する。
【0048】
また、左右のフィルムドアの長手方向(ドア移動方向)の途中部位には空気を通過させるための開口部18a、19a(図4)が形成されている。この開口部18a、19aは本例ではフィルム状膜状部材の強度確保のために車両左右方向に複数に分割して形成されている。なお、図3では開口部18a、19aの形成部位を破線にて図示している。
【0049】
左右の第1巻き取り軸27、28は冷風バイパス通路20、21の上方部にて車両左右方向に延びるように配置され、それぞれ独立に回転可能になっている。また、左右の第2巻き取り軸29、30は、ヒータコア14上流側の仕切り部材22近傍位置にて車両左右方向に延びるように配置され、それぞれ独立に回転可能になっている。
【0050】
左右のエアミックスドア操作機構をより具体的に説明すると、左側の前席用エアミックスドア18を構成する左側のフィルムドアに対応する左側の第1、第2巻き取り軸27、29のうちいずれか一方、例えば、第1巻き取り軸27にサーボモータ(ステップモータ等)により構成されるアクチュエータ(図示せず)を連結し、このアクチュエータにより第1巻き取り軸27を正逆両方向に回転駆動する。
【0051】
左側の第1巻き取り軸27の回転は図示しない回転伝達機構を介して左側の第2巻き取り軸29にも伝達されるので、左側の第1巻き取り軸27に連動して左側の第2巻き取り軸29が正逆両方向に回転するようになっている。これにより、左側の第1、第2巻き取り軸27、29に対する左側フィルムドアの巻き取り、巻き戻しを実行できる。
【0052】
右側の前席用エアミックスドア19を構成する右側のフィルムドアの操作機構も左側フィルムドアの操作機構と同一構成であり、右側のフィルムドアのための専用のアクチュエータおよび回転伝達機構を設けて、右側の第1、第2巻き取り軸28、30を連動して回転することにより、右側フィルムドアの巻き取り、巻き戻しを実行できる。なお、左側の第1、第2巻き取り軸27、29間および右側の第1、第2巻き取り軸28、30間の回転伝達機構は周知の機構であるので、その説明は省略する。
【0053】
左右のフィルムドア両端部を左右の第1巻き取り軸27、28および左右の第2巻き取り軸29、30に巻き取ったり、左右の第1巻き取り軸27、28および左右の第2巻き取り軸29、30から巻き戻す(送り出す)ことにより、フィルムドアが上下方向に移動する。これにより、開口部18a、19aが上下方向に移動して、冷風バイパス通路20、21とヒータコア14の前席用通路23、24の開度を調整できるようにしている。
【0054】
そして、開口部18a、19aが左右の冷風バイパス通路20、21又はヒータコア14の左右の前席用通路23、24上に全面的に重合する位置に移動すると、冷風バイパス通路20、21又はヒータコア14の前席用通路23、24を全開するようになっている。
【0055】
冷風バイパス通路20、21とヒータコア14の前席用通路23、24の開度を調整することにより、ヒータコア14の熱交換用コア部の左右の前席用通路23、24で加熱される温風と、左右の前席用冷風バイパス通路20、21を通過する冷風との風量割合を任意に調整できる。
【0056】
なお、空調ケース11および中央仕切り板15には、前席用エアミックスドア18、19を構成するフィルムドアの風下側の部位にフィルムドアの移動をガイドするガイド面11e、11f、15a、15b(図4)が形成されている。
【0057】
ヒータコア14の直後の部位には左右の電気ヒータ31、32(図3)を設けて、ヒータコア14に流入する温水の温度が低いときに電気ヒータ31、32を発熱させることにより即効暖房効果を発揮できるようにしている。なお、図2では電気ヒータ31、32の図示を省略している。そして、ヒータコア14および電気ヒータ31、32の下流側(車両後方側)には温風が流れる左右の温風通路33、34(図3)が形成される。
【0058】
一方、ヒータコア14の下方部位にはヒータコア14をバイパスして空気(冷風)が流れる左右の後席用冷風バイパス通路35、36が形成されている。前席用の左右のエアミックスドア18、19の下方部に左右の後席用エアミックスドア37、38を設けている。この左右の後席用エアミックスドア37、38は回転可能な板ドアにより構成され、ヒータコア14の左右の後席用通路25、26の開度と左右の後席用冷風バイパス通路35、36の開度を調整する。
【0059】
上記した左右の温風通路33、34の上方部は前席用の冷風バイパス通路20、21の下流側に合流し、下方部は後席用の冷風バイパス通路35、36下流側に合流する。この温風通路33、34には左右の温風通路切替ドア39、40が配置される。
【0060】
この左右の温風通路切替ドア39、40も回転可能な板ドアにより構成され、温風通路切替ドア39、40が図3の実線位置に操作されると、温風通路33、34を上側の前席用通路部と下側の後席用通路部とに仕切る。これに対し、左右の温風通路切替ドア39、40を図3の破線位置に操作すると、温風通路33、34の左右の後席用温風出口41、42が閉塞状態となり、後席側への温風吹出が停止される。このため、温風通路33、34の全体が前席用温風通路として作用する。
【0061】
次に、車室内前席側への吹出開口部の配置について説明すると、図1に示すように、空調ケース11の上面部において前方寄りの部位、換言すると、前席用の冷風バイパス通路20、21の上方部に左右のデフロスタ開口部43、44が開口している。この左右のデフロスタ開口部43、44は、回転可能な板ドアにより構成された左右のデフロスタドア45、46により開閉される。
【0062】
空調ケース11の上面部において、デフロスタ開口部43、44よりも車両後方側部位に左右のサイドフェイス開口部47、48が開口している。この左右のサイドフェイス開口部47、48も回転可能な板ドアにより構成された左右のサイドフェイスドア49、50により開閉される。
【0063】
空調ケース11のうち、サイドフェイス開口部47、48より更に車両後方側の下方部位に左右のセンタフェイス開口部51、52が開口している。この左右のセンタフェイス開口部51、52も回転可能な板ドアにより構成された左右のセンタフェイスドア53、54により開閉される。なお、サイドフェイスドア49、50とセンタフェイスドア53、54は板ドアの中央部に回転軸を配置したバタフライドアにより構成されている。
【0064】
次に、空調ケース11の左右の側面壁部において、ヒータコア14の上方部に左右のフット開口部55、56が開口している。この左右のフット開口部55、56は図示しない左右のフットドアにより開閉される。この左右のフットドアは、空調ケース11の左右の側面壁部の内面に沿って回転作動する板ドアにより構成される。
【0065】
そして、左右のデフロスタ開口部43、44には図示しない左右のデフロスタダクトが接続され、このデフロスタダクトの先端部のデフロスタ吹出口から車両前面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出すようになっている。
【0066】
また、左右のサイドフェイス開口部47、48には図示しない左右のサイドフェイスダクトが接続され、この左右のサイドフェイスデダクトの先端部は車両計器盤の左右両端部付近に配置され、この左右のサイドフェイスデダクト先端部のサイドフェイス吹出口から乗員の上半身側又は車両側面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出すようになっている。
【0067】
また、左右のフット開口部55、56には図示しない左右のフットダクトが接続され、このフットダクトの先端部(下端部)のフット吹出口から乗員足元部に向けて空調風を吹き出すようになっている。
【0068】
なお、左側のデフロスタドア45、左側のサイドフェイスドア49、左側のセンタフェイスドア53および左側のフットドア(図示せず)は、左側の前席用吹出モードドア手段であって、図示しない共通の左側前席用吹出モード操作機構により連動操作されるようになっている。
【0069】
同様に、右側のデフロスタドア46、右側のサイドフェイスドア50、右側のセンタフェイスドア54および右側のフットドア(図示せず)は、右側の前席用吹出モードドア手段であって、図示しない共通の右側前席用吹出モード操作機構により連動操作されるようになっている。
【0070】
次に、中央仕切り板15における温風バイパス通路構成を説明すると、図4に示すように中央仕切り板15の左右両側にトンネル状枠体部57、58を一体成形している。この左右のトンネル状枠体部57、58の内側に左右の温風バイパス通路59、60を形成する。
【0071】
ここで、左右のトンネル状枠体部57、58の断面形状は矩形状であり、より具体的には冷風バイパス通路20、21hの冷風流れに沿った細長い形状、すなわち、長方形である。
【0072】
トンネル状枠体部57、58の形成部位は、図3に示すように車両上下方向に対してはヒータコア14の上方部に位置している。そのため、左右の温風バイパス通路59、60の下端開口部はヒータコア14下流側の左右の温風通路33、34に連通し、この左右の温風通路33、34の温風が左右の温風バイパス通路59、60内に流入するようになっている。
【0073】
トンネル状枠体部57、58は、車両前後方向に向いている左右の冷風バイパス通路20、21中を所定高さhでもって上下方向に向くように配置されている。従って、トンネル状枠体部57、58の内側に形成される左右の温風バイパス通路59、60は左右の冷風バイパス通路20、21と交差するように形成される。
【0074】
そして、左右の温風バイパス通路59、60の上端開口部は、図1、図3に示すように車両前後方向に対してはデフロスタ開口部43、44とほぼ同一位置に配置されている。また、車両左右方向に対しては左右のデフロスタ開口部43、44の内側位置(中央寄りの位置)に左右の温風バイパス通路59、60の上端開口部が位置している。
【0075】
従って、左右の温風バイパス通路59、60の上端開口部は空調ケース11の上面壁面に所定間隔を介して対向している。また、左右の温風バイパス通路59、60の上端開口部が、図3に示すようにセンタフェイス開口部51、52の上端位置と同等以上の高さに位置するように、トンネル状枠体部57、58の高さhを設定してある。
【0076】
次に、車室内車室内後席側への吹出開口部の配置について説明すると、図1〜図3に示すように、空調ケース11の車両後方側の壁面の最下部付近に左右の後席側センタフェイス開口部61、62が開口している。この左右の後席側センタフェイス開口部61、62は回転可能な板ドアにより構成された左右の後席側センタフェイスドア63、64により開閉される。
【0077】
空調ケース11の底面部において温風通路33、34の左右の後席用温風出口41、42の下方部位に左右の後席側フット開口部65a、65bが開口している。この左右の後席側フット開口部65a、65bは回転可能な板ドアにより構成された左右の後席側フットドア66、67により開閉される。なお、左右の後席側フット開口部65a、65bおよび左右の後席側フットドア66、67は、空調ケース11の底面部の左右方向の全域ではなく、ケース底面部において左右両側部位に偏って配置されている。
【0078】
また、空調ケース11の左右の側面壁部において最も車両後方側の底面付近に左右の後席側サイドフェイス開口部68、69が開口している。この左右の後席側サイドフェイス開口部68、69については開閉ドアを設置せず、常開構造にしている。
【0079】
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。本実施形態では、前席側の吹出モードドア45、46、49、50、53、54の開閉により車室内前席側の吹出モードとして、フェイスモード、フットモード、フットデフロスタモード、およびデフロスタモードを設定するようになっている。
【0080】
先ず、車室内前席側の吹出モードとしてフェイスモードが設定された場合は、前席側センタフェイス開口部51、52および前席側サイドフェイス開口部47、48が前席側センタフェイスドア53、54および前席側サイドフェイスドア49、50により全開状態となる。これに対し、前席側フット開口部55、56およびデフロスタ開口部43、44は図示しないフットドアおよびデフロスタドア45、46により全閉状態となる。
【0081】
一方、温風通路切替ドア39、40は、前席側の吹出モードがデフロスタモード以外の通常時は実線位置に操作されて温風通路33、34を上側の前席用通路部と下側の後席用通路部とに仕切っている。従って、フェイスモード時は温風通路切替ドア39、40が実線で示す仕切り位置に操作されている。
【0082】
そして、前席側の温度制御が最大冷房状態になっている場合は、前席用エアミックスドア18、19を構成するフィルムドアの開口部18a、19aが前席用冷風バイパス通路20、21と全面的に重合して前席用冷風バイパス通路20、21を全開するとともにフィルムドアの膜部がヒータコア14の前席用通路23、24を全閉する。
【0083】
この状態において、図示しない送風機ユニットの送風機および冷凍サイクルが運転されると、送風機ユニットからの送風空気がケース11の最前部の空気入口空間12に流入した後、蒸発器13で冷却されて冷風となる。
【0084】
最大冷房状態ではこの冷風がそのまま、前席用冷風バイパス通路20、21を通過して、前席側センタフェイス開口部51、52および前席側サイドフェイス開口部47、48から前席乗員の上半身に向けて冷風が吹き出す。これにより、車室内前席側領域に対する最大冷房性能を発揮できる。
【0085】
一方、前席側の吹出モードがフェイスモードであるときに、前席側の温度制御が中間温度制御状態になった場合は、前席用エアミックスドア18、19を構成するフィルムドアの開口部18a、19aが下方へ移動して前席用冷風バイパス通路20、21およびヒータコア14の前席用通路23、24の双方と重合する。これにより、前席用冷風バイパス通路20、21およびヒータコア14の前席用通路23、24がそれぞれ開口部18a、19aの移動位置に対応した所定開度にて開口する。
【0086】
従って、前席用冷風バイパス通路20、21を通過する冷風と、ヒータコア14の前席用通路23、24を通過する温風とを所定の風量割合にて混合することができ、空調風の温度を所望温度に調整できる。前席用の左右のエアミックスドア18、19の操作位置をそれぞれ独立に調整することにより、車室内の前席左側領域および前席右側領域への吹出温度を独立に調整できる。
【0087】
ところで、前席側センタフェイス開口部51、52は、前席用冷風バイパス通路20、21の下流側の直線的な延長方向に配置されているので、前席用冷風バイパス通路20、21の冷風は、前席側センタフェイス開口部51、52に向かってほぼ直線的に流れる。しかも、前席側センタフェイス開口部51、52は温風通路33、34に隣接しているので、温風通路33、34の温風は前席側センタフェイス開口部51、52に流入しやすい。
【0088】
一方、前席側サイドフェイス開口部47、48は、前席用冷風バイパス通路20、21の冷風流れの上側に位置しており、温風通路33、34の温風流れから離れているので、前席側サイドフェイス開口部47、48に温風通路33、34の温風が流入しにくい。
【0089】
このため、中央仕切り板15の左右両側に、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を形成していない場合には、前席側フェイスモードに前席側サイドフェイス吹出温度が前席側センタフェイス吹出温度に比較して過度に低下するという不具合が生じる。
【0090】
しかし、本実施形態では、中央仕切り板15の左右両側に、トンネル状枠体部57、58によって温風バイパス通路59、60を前席用冷風バイパス通路20、21と交差するように形成しているので、温風通路33、34の温風がトンネル状枠体部57、58内の温風バイパス通路59、60を通過して冷風バイパス通路20、21の上側まで容易に到達でき、前席側サイドフェイス開口部47、48に容易に流入できる。
【0091】
これにより、前席側フェイスモード時に前席側サイドフェイス吹出温度を前席側センタフェイス吹出温度とほぼ同一温度に調整できるので、運転席および助手席の各乗員に対して左右両側の吹出温度バラツキを解消して快適に空調できる。
【0092】
なお、図5(a)は、本実施形態による空調ユニット10から、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を除去した場合の前席側サイドフェイス吹出温度および前席側センタフェイス吹出温度を示すものである。これに対し、図5(b)は、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を形成した本実施形態における前席側サイドフェイス吹出温度および前席側センタフェイス吹出温度を示す。
【0093】
図5の横軸は前席用エアミックスドア18、19の開度(%)であり、このエアミックスドア開度(%)は、前席用冷風バイパス通路20、21を全開し、ヒータコア14の前席用通路23、24を全閉する最大冷房位置を0%とし、前席用冷風バイパス通路20、21を全閉し、ヒータコア14の前席用通路23、24を全開する最大暖房位置を100%として表している。また、図5の縦軸は、空調ユニット10の吹出空気温度であり、空調ユニット10の各開口部での吹出空気温度の測定値である。
【0094】
図5(a)に示すように、温風バイパス通路59、60を形成しない比較例の場合には、エアミックスドア開度(%)を20%〜80%の中間開度域に調整すると、前席側サイドフェイス吹出温度が前席側センタフェイス吹出温度に対して8℃〜20℃程度低い結果となり、左右フェイス吹出温度の大ききなバラツキが生じる。
【0095】
これに対し、温風バイパス通路59、60を形成した本実施形態の場合には図5(b)に示すように、エアミックスドア開度(%)の全領域において前席側サイドフェイス吹出温度を前席側センタフェイス吹出温度と略同等の温度に調整でき、左右フェイス吹出温度のバラツキを僅少値に抑制できることを確認している。
【0096】
次に、前席側のフットモードについて説明すると、フットモード時には図示しない前席側フットドアにより前席側フット開口部55、56が全開され、前席側センタフェイスドア53、54により前席側センタフェイス開口部51、52が全閉される。一方、前席側サイドフェイス開口部47、48とデフロスタ開口部43、44は、前席側サイドフェイスドア49、50とデフロスタドア45、46によりそれぞれ所定の小開度にて開口する。
【0097】
これにより、前席用エアミックスドア18、19の開度により所望温度に温度調整された空調風(温風)の大部分を前席側フット開口部55、56から前席乗員の足元側に吹き出して前席乗員の足元部を暖房する。
【0098】
一方、空調風(温風)の一部は、デフロスタ開口部43、44から車両前面窓ガラス側へ吹き出して車両前面窓ガラスの防曇性能を発揮する。更に、空調風(温風)の一部は前席側サイドフェイス開口部47、48を通過してサイドフェイスダクト先端部のサイドフェイス吹出口から車両の側面窓ガラス側または前席乗員の上半身側へ吹き出して、車両側面窓ガラスの防曇性能または前席乗員の上半身側の暖房作用を発揮する。
【0099】
次に、前席側のフットデフロスタモードについて説明すると、フットデフロスタモード時には図示しない前席側フットドアにより前席側フット開口部55、56が全開または所定開度にて開口する。また、デフロスタドア45、46によりデフロスタ開口部43、44が上記フットモード時よりも大きい開度にて開口する。ここで、デフロスタ開口部43、44をデフロスタドア45、46により全開状態にしてもよい。
【0100】
また、前席側サイドフェイス開口部47、48は、前席側サイドフェイスドア49、50により所定開度にて開口する。この前席側サイドフェイス開口部47、48の開度は上記フットモード時と同一開度であっても、また、上記フットモード時よりも大きい開度であってもよい。一方、前席側センタフェイスドア53、54により前席側センタフェイス開口部51、52が全閉される。
【0101】
前席側のフットデフロスタモード時では、デフロスタ開口部43、44の開度をフットモード時よりも大きくすることによりデフロスタ吹出風量をフットモード時よりも増加できる。従って、フットモード時よりも車両前面窓ガラスの防曇性能を向上できる。
【0102】
ところで、前席側のフットデフロスタモードにおいては、デフロスタ開口部43、44、前席側サイドフェイス開口部47、48およびフット開口部55、56のうち、フット開口部55、56が温風通路33、34の出口部に最も近接しているので、温風通路33、34の温風はフット開口部55、56に最も流入しやすくなるとともに、デフロスタ開口部43、44および前席側サイドフェイス開口部47、48への温風流入は冷風バイパス通路20、21の冷風流れによって阻害される。
【0103】
この結果、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を形成しない場合には、前席側サイドフェイス開口部47、48からのサイドフェイス吹出温度およびデフロスタ開口部43、44からのデフロスタ吹出温度が、前席側フット開口部55、56からのフット吹出温度に比較して大幅に低下する「クールデフ」の現象が発生する。
【0104】
しかし、本実施形態では、トンネル状枠体部57、58による温風バイパス通路59、60を形成しているので、温風通路33、34の温風を温風バイパス通路59、60を通して容易にデフロスタ開口部43、44および前席側サイドフェイス開口部47、48側へ導くことができる。この温風の積極的な導入によりサイドフェイス吹出温度およびデフロスタ吹出温度を引き上げてフット吹出温度に近づけることができる。すなわち、上下吹出温度差が過度に増大することを抑制して、「クールデフ」の現象を抑制できる。
【0105】
図6は前述の図5と同様の吹出空気温度とエアミックスドア開度(%)との関係を示す実験結果であり、温風バイパス通路59、60を形成しない比較例の場合には、図6(a)に示すようにエアミックスドア開度(%)を20%〜80%の中間開度域に調整すると、前席側サイドフェイス吹出温度およびデフロスタ吹出温度が前席側フット吹出温度に対して大きく低下する。特に、デフロスタ吹出温度は、エアミックスドア開度(%)=40%〜80%付近の最も使用頻度の高い領域において、前席側フット吹出温度に比較して40℃〜50℃程度も低い結果となり、「クールデフ」現象を発生している。
【0106】
これに対し、温風バイパス通路59、60を形成した本実施形態の場合には図6(b)に示すように、デフロスタ吹出温度を前席側フット吹出温度に近い温度に引き上げることができ、エアミックスドア開度(%)=70%付近の最大温度差が発生する領域においても、デフロスタ吹出温度は前席側フット吹出温度から僅か10℃程度低いだけであり、「クールデフ」現象を防止できる。
【0107】
なお、温風バイパス通路59、60の上端開口部(温風出口部)は、前席側サイドフェイス開口部47、48よりもデフロスタ開口部43、44の方に近接しているので、温風バイパス通路59、60の温風は前席側サイドフェイス開口部47、48よりもデフロスタ開口部43、44に流入しやすい。
【0108】
このため、前席側のフットデフロスタモードにおいて、エアミックスドア開度(%)が所定開度以上、具体的には40%付近以上の領域では、前席側フット吹出温度>デフロスタ吹出温度>前席側サイドフェイス吹出温度の順に吹出温度が低下する。
【0109】
一方、エアミックスドア開度(%)が所定開度未満、具体的には40%付近未満の最大冷房側の領域では、デフロスタ吹出温度>前席側フット吹出温度>前席側サイドフェイス吹出温度の順に吹出温度が低下する。
【0110】
すなわち、最大冷房側の領域では、冷風バイパス通路20、21の冷風風量が増大するとともに、前席側フット開口部55、56がこの冷風バイパス通路20、21の冷風流れに面するようにして空調ケース11の左右の側壁部に開口しているので、前席側フット開口部55、56に冷風が流入しやすくなる。この結果、デフロスタ吹出温度よりも前席側フット吹出温度の方が低下する現象が発生する。しかし、フットデフロスタモードは冬期の暖房時に選択される吹出モードであるから、エアミックスドア開度(%)は通常、上記の所定開度、具体的には40%付近以上に設定して使用されるから、エアミックスドア開度(%)が最大冷房側の小開度となった場合における「デフロスタ吹出温度>前席側フット吹出温度」という吹出温度差は実用上問題とならない。
【0111】
なお、図6は前席側のフットデフロスタモード時におけるデフロスタ吹出温度、前席側フット吹出温度および前席側サイドフェイス吹出温度の関係について説明したが、前述した前席側のフットモード時においても温風バイパス通路59、60による温風ガイド作用によって同様の作用効果を発揮できる。
【0112】
次に、デフロスタモード時について説明すると、デフロスタモード時にはデフロスタドア45、46によりデフロスタ開口部43、44を全開し、図示しない前席側フットドアにより前席側フット開口部55、56を全閉するとともに、前席側センタフェイスドア53、54により前席側センタフェイス開口部51、52を全閉する。一方、前席側サイドフェイス開口部47、48は、前席側サイドフェイスドア49、50により所定開度にて開口する。ここで、前席側サイドフェイス開口部47、48の開度は上記フットデフロスタモード時と同一開度であっても、また、上記フットデフロスタモード時の開度より増加、減少した開度であってもよい。
【0113】
以上により、デフロスタ開口部43、44を通して車両前面窓ガラス側へ空調風(温風)を吹き出すとともに、前席側サイドフェイス開口部47、48を通して車両側面窓ガラス側へ空調風(温風)を吹き出して、車両窓ガラスの防曇性能を発揮する。
【0114】
なお、車室内前席側の吹出モードとして、デフロスタモードが設定された場合は、図示しない空調制御装置によって温風通路切替ドア39、40を自動的に図3の破線位置に操作して後席用温風出口41、42を閉塞する。これに連動して、後席用エアミックスドア37、38を自動的に図3の実線で示す最大暖房位置に操作する。これにより、ヒータコア14の前席用通路部23、24を通過した温風のみならず後席用通路部25、26を通過した温風もデフロスタ開口部43、44側へ送り込むことができる。よって、デフロスタ吹出風量を増加して車両窓ガラスの防曇性能を最大限発揮できる。。
【0115】
以上、車室内前席側の各吹出モードごとに、その作動を説明したが、車室内後席領域に対しても、後席側のセンタフェイスドア63、64および後席側のフットドア66、67の開閉を切り替えることにより、後席側のフェイスモード、後席側のフットモード等を設定して車室内後席領域を空調できる。
【0116】
車室内前席側への吹出空気温度および車室内後席側への吹出空気温度もともに、前席用の左右のエアミックスドア18、19および後席用の左右のエアミックスドア37、38によって独立に調整できる。
【0117】
(第2実施形態)
第1実施形態では、中央仕切り板15のトンネル状枠体部57、58により温風バイパス通路59、60を形成するに際して、トンネル状枠体部57、58の上端開口部(温風出口部)に特別の空気ガイド部を形成していないが、第2実施形態では、図7に示すようにトンネル状枠体部57、58の上端開口部に空気ガイド部70、71を形成している。
【0118】
図7は図3のB−B断面図であり、中央仕切り板15の左右のトンネル状枠体部57、58の上端面からそれぞれ幅方向の左右外側へ向かって突き出す矩形状の突き出し板形状(リブ形状)をトンネル状枠体部57、58に一体成形し、この矩形状の突き出し板形状により空気ガイド部70、71を形成している。
【0119】
第2実施形態によると、トンネル状枠体部57、58(温風バイパス通路59、60)の上端開口部に到達した温風を空気ガイド部70、71の表面に沿って矢印a,bのように左右のデフロスタドア45、46側により直接的にガイドできる。従って、フットデフロスタモード時に左右のデフロスタ開口部43、44側への温風流入割合を高めて、デフロスタ吹出温度をより一層高めることができる。
【0120】
(第3実施形態)
第1実施形態では、中央仕切り板15のトンネル状枠体部57、58の冷風流れ上流側端面(車両前方側端面)とドアガイド面15a、15bとの間に所定間隔L(図4参照)を設定する構成としているが、第3実施形態では、図8、図9に示すように所定間隔Lを廃止して、トンネル状枠体部57、58の冷風流れ上流側端面57a、58aを、前席用のエアミックスドア18、19を構成するフィルムドアの風下側直後の部位に配置している。
【0121】
これにより、トンネル状枠体部57、58の冷風流れ上流側端面57a、58a自身にてフィルムドアの風下側面を支持することができるので、トンネル状枠体部57、58にてドアガイド面15a、15bを構成できる。よって、中央仕切り板15の形状を簡素化できる。
【0122】
更に、第3実施形態によると、トンネル状枠体部57、58の車両前後方向の寸法が第1、第2実施形態よりも拡大するので、その分だけ、トンネル状枠体部57、58の幅寸法(車両左右方向の寸法)を縮小しても、温風バイパス通路59、60の必要通路面積を確保できる。
【0123】
従って、第3実施形態によるトンネル状枠体部57、58は、第1、第2実施形態に比較してトンネル状枠体部57、58の幅寸法を縮小して、より一層、冷風流れに沿った細長い形状にできる。そのため、トンネル状枠体部57、58の形成に伴う冷風バイパス通路20、21の圧損上昇をより一層効果的に低減できる。
【0124】
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態では、中央仕切り板15のトンネル状枠体部57、58を冷風流れ方向(車両前後方向)に沿った長方形に形成しているが、第4実施形態では、図10に示すように、トンネル状枠体部57、58の冷風流れ下流側端面57b、58bを冷風流れに沿って徐々に断面積が減少する円滑な紡錘形状に形成している。なお、図10は図3のA−A断面図である。
【0125】
第4実施形態によると、トンネル状枠体部57、58の冷風流れ下流側端面57b、58bの紡錘形状に沿って冷風を円滑に流すことができる。そのため、トンネル状枠体部57、58の下流側における冷風流れに乱れ(渦流等)が生じることを抑制して、トンネル状枠体部57、58による圧損上昇を抑制できる。
【0126】
なお、第4実施形態によるトンネル状枠体部57、58の冷風流れ下流側端面57b、58bの紡錘形状を、図8、図9に示す第3実施形態のトンネル状枠体部57、58に適用してもよいことはもちろんである。
【0127】
(第5実施形態)
図11は第5実施形態を示すもので、図3のB−B断面図である。第5実施形態では、トンネル状枠体部57、58(温風バイパス通路59、60)の下端開口部に空気ガイド部72、73を形成している。
【0128】
より具体的には、中央仕切り板15の左右のトンネル状枠体部57、58の下端面からそれぞれ幅方向の左右外側へ向かって突き出す矩形状の突き出し板形状(リブ形状)をトンネル状枠体部57、58に一体成形し、この矩形状の突き出し板形状により空気ガイド部72、73を形成している。
【0129】
第5実施形態によると、温風通路33、34の温風を空気ガイド部72、73の表面に沿って矢印c、dのように温風バイパス通路59、60内にガイドできる。このため、温風バイパス通路59、60への導入温風量を増加できるので、フットデフロスタモード時に左右のデフロスタ開口部43、44側への温風流入割合を高めて、デフロスタ吹出温度をより一層高めることができる。
【0130】
また、温風バイパス通路59、60の通路面積を拡大することなく、温風バイパス通路59、60への導入温風量を増加できるので、トンネル状枠体部57、58による冷風側の圧損上昇を抑制できる。
【0131】
なお、第5実施形態では、トンネル状枠体部57、58の下端開口部に位置する空気ガイド部72、73を単独に形成しているが、この第5実施形態による空気ガイド部72、73を、第2実施形態によるトンネル状枠体部57、58の上端開口部に位置する空気ガイド部70、71と組み合わせて実施してもよい。
【0132】
(他の実施形態)
なお、上記の各実施形態では、後席側の空調機構部を備える空調ユニット10について説明したが、後席側の空調機構部を廃止し、前席側の空調機構部のみを備える空調ユニット10に対して本発明を適用してもよい。
【0133】
上記の各実施形態では、空調ケース11内の空気通路を車両左側通路16と車両右側通路17とに仕切る中央仕切り板15にトンネル状枠体部57、58を一体成形する場合について説明したが、空調ケース11内の空気通路を車両左側通路16と車両右側通路17とに仕切らず、空調ケース11内に単一の空気通路を形成する空調ユニット10に本発明を適用してもよい。この場合は、空調ケース11内に中央仕切り板15を設けないから、トンネル状枠体部を専用部品として設置することになる。また、この場合は単一のトンネル状枠体部の内側に単一の温風バイパス通路を形成すればよい。
【0134】
また、第1実施形態では前席側の吹出モードとして、フェイスモード、フットモード、フットデフロスタモードおよびデフロスタモードを説明したが、これらの吹出モードの他に、前席側センタフェイス開口部51、52および前席側サイドフェイス開口部47、48と、前席側フット開口部55、56を同時に開口する前席側バイレベルモードを設定するようにしてもよい。
【0135】
また、第1実施形態では、前席側のフットモード時に、前席側フット開口部55、56を全開するととともに、前席側サイドフェイス開口部47、48およびデフロスタ開口部43、44を所定の小開度にて開口しているが、前席側のフットモード時に前席側サイドフェイス開口部47、48およびデフロスタ開口部43、44の一方又は両方を閉塞するようにしてもよい。
【0136】
また、第1実施形態では、前席側のフットデフロスタモード時に前席側フット開口部55、56およびデフロスタ開口部43、44を開口するとともに、前席側サイドフェイス開口部47、48も開口しているが、前席側のフットデフロスタモード時に前席側サイドフェイス開口部47、48を閉塞して、前席側フット開口部55、56およびデフロスタ開口部43、44だけを開口するようにしてもよい。
【0137】
また、各実施形態では、前席用エアミックスドア18、19をフィルムドアにより構成する場合について説明したが、前席用エアミックスドア18、19を後席用エアミックスドア37、38のような板ドアにより構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による空調ユニットの概略斜視図である。
【図2】図1の空調ユニットの右側ケース部を取り外した状態を示す概略斜視図である。
【図3】図1の空調ユニットの概略縦断面図である。
【図4】図1のA−A矢視断面図である。
【図5】比較例および第1実施形態によるフェイスモード時の吹出温度特性図である。
【図6】比較例および第1実施形態によるフットデフロスタモード時の吹出温度特性図である。
【図7】第2実施形態による要部断面図で、図1のB−B矢視断面図である。
【図8】第3実施形態による空調ユニットの概略断面図である。
【図9】図8のA−A矢視断面図である。
【図10】第4実施形態による要部断面図で、図3のA−A矢視断面図である。
【図11】第5実施形態による要部断面図で、図3のB−B矢視断面図である。
【符号の説明】
11…ケース、14…ヒータコア(暖房用熱交換器)、
18、19…前席用エアミックスドア、20、21…前席用冷風バイパス通路、
33、34…温風通路、43、44…デフロスタ開口部、
47、48…前席用サイドフェイス開口部、
51、52…前席用センタフェイス開口部、55、56…前席用フット開口部、
57、58…トンネル状枠体部、59、60…温風バイパス通路。
Claims (11)
- 車室内へ向かって空気が流れる空調ケース(11)と、
前記空調ケース(11)内に配置され、前記空気を加熱する暖房用熱交換器(14)と、
前記空調ケース(11)内において前記暖房用熱交換器(14)の上方側に形成され、前記暖房用熱交換器(14)をバイパスして冷風が流れる冷風バイパス通路(20、21)と、
前記空調ケース(11)内において前記冷風バイパス通路(20、21)の下方側に形成され、前記暖房用熱交換器(14)を通過した温風が流れる温風通路(33、34)と、
前記空調ケース(11)内に配置され、前記暖房用熱交換器(14)を通過する温風と前記冷風バイパス通路(20、21)を通過する冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(20、21)と、
前記空調ケース(11)内の空気通路(16、17)の下流端部に設けられ、前記温風と前記冷風とを混合した空気を車室内の乗員上半身側へ吹き出すフェイス開口部(47、48、51、52)、前記温風と前記冷風とを混合した空気を車室内の乗員足元側へ吹き出すフット開口部(55、56)、および前記温風と前記冷風とを混合した空気を車室内の窓ガラス側へ吹き出すデフロスタ開口部(43、44)とを備える車両用空調装置において、
前記デフロスタ開口部(43、44)は前記冷風バイパス通路(20、21)の上方側に配置され、
前記フット開口部(55、56)は、前記デフロスタ開口部(43、44)よりも前記温風通路(33、34)に近接した位置に配置され、
更に、前記冷風バイパス通路(20、21)中にトンネル状枠体部(57、58)を上下方向に向けて配置し、前記トンネル状枠体部(57、58)の内側に、前記温風通路(33、34)の温風を前記デフロスタ開口部(43、44)側へ導く温風バイパス通路(59、60)を形成したことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記フット開口部(55、56)は、前記温風通路(33、34)の上方側で、かつ、前記冷風バイパス通路(20、21)の幅方向の左右両側の部位に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記フェイス開口部は、前記冷風バイパス通路(20、21)の略直線的下流方向に配置されたセンタフェイス開口部(51、52)と、
前記センタフェイス開口部(51、52)の上方側に配置されたサイドフェイス開口部(47、48)とから構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。 - 前記空調ケース(11)内の空気通路を車両左側通路(16)と車両右側通路(17)とに仕切る中央仕切り板(15)を有し、
前記中央仕切り板(15)の左右両側に前記トンネル状枠体部(57、58)を設けることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記トンネル状枠体部(57、58)を前記中央仕切り板(15)の左右両側に一体成形したことを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
- 前記トンネル状枠体部(57、58)の断面形状を、前記冷風バイパス通路(20、21)の冷風流れ方向に沿った細長い形状としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記トンネル状枠体部(57、58)の下流側の断面形状を紡錘形状としたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記トンネル状枠体部(57、58)の下端開口部に、前記トンネル状枠体部(57、58)の幅方向の左右外側へ突き出す空気ガイド部(72、73)を形成したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記トンネル状枠体部(57、58)の上端開口部に、前記トンネル状枠体部(57、58)の幅方向の左右外側へ突き出す空気ガイド部(70、71)を形成したことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記エアミックスドア(20、21)をフィルムドアにより構成したことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
- 前記トンネル状枠体部(57、58)の上流側端面(57a、58a)により前記フィルムドアを支持するガイド面を構成したことを特徴とする請求項10に記載の車両用空調装置。
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