以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「垂直」、「等しい」、「均等」等の用語や寸法、物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(第1の実施の形態)
図1〜図15を用いて、本発明の第1の実施の形態における発電素子について説明する。本実施の形態における発電素子は、振動エネルギーを電気エネルギーに変換することにより発電を行う素子である。
図1に、本発明の第1の実施の形態における発電素子を斜視図で示し、図2に、図1の発電素子を平面図で示し、図3に、図2のA−A線断面図を示す。図1〜図3に示すように、本実施の形態による発電素子1は、平面視で枠状に形成された台座10と、台座10の内側に設けられた振動可能な振動体20と、振動体20を台座10に支持させる少なくとも3つの第1橋梁支持部30A〜30D(支持部)と、を備えている。このうち、本実施の形態では、台座10は、矩形枠状に形成されており、矩形状の台座開口部11を有している。また、振動体20の第1重錘体21(後述)は、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって台座10に支持されている。ここで平面視とは、図1〜図3に示すZ軸方向において見た状態であって、発電素子1を図2のように上方から見た状態を意味する。また、説明を明瞭にするために、図2に示すように、第1重錘体21の中心Oを原点とするXYZ座標系を定義し、Z軸方向が上下方向となるように発電素子1を配置した状態で以下の説明を行う。このため、本実施の形態における発電素子1は、Z軸方向を上下方向とした姿勢で使用されることに限られることはない。
図2に示すように、各第1橋梁支持部30A〜30Dは、第1延在軸線をそれぞれ有しており、第1重錘体21から台座10に向かって(または台座10から第1重錘体21に向かって)、対応する第1延在軸線に沿って延びている。図2に示す形態では、第1橋梁支持部30A〜30Dが第1重錘体21から台座10に向かって細長状に延びており、第1延在軸線が、第1橋梁支持部30A〜30Dの長手方向に延びている。しかしながら、第1橋梁支持部30A〜30Dは、幅広に形成されていてもよい。この場合には、第1延在軸線は、第1橋梁支持部30A〜30Dの長手方向に垂直な方向に延びるようになる。
図2に示すように、平面視で振動体20を中心としたときの周方向(中心Oに対する周方向)において、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線は、所定の角度(図2に示すθ1)をなしている。所定の角度とは、0°ではない角度を意味しており、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dが離間可能な程度の角度を少なくとも有していることを意味している。これにより、各第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線は、互いに異なる方向に延びるようになる。なお、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部がなす角度と、互いに隣り合う他の一対の第1橋梁支持部がなす角度とは、等しいことが好ましいが、等しいことには限られない。
本実施の形態では、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線は、平面視で第1重錘体21に対して放射状に配置されている。ここで、放射状とは、第1重錘体21を中心としたときに、第1重錘体21から四方八方に延びるように第1延在軸線が配置されている状態を意味する用語として使用している。好ましくは、第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線は、周方向において実質的に均等に配置されている。そして、本実施の形態では、平面視において、第1重錘体21を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線がなす角度(θ1)は、等しくなっている。
より具体的には、第1橋梁支持部30Aおよび30Bの第1延在軸線はX軸方向に延びる中心軸線LX(後述)であり、平面視で、第1橋梁支持部30Aおよび30Bは、第1重錘体21のX軸方向に延びる中心軸線LX(第1軸線)上に配置されている。第1橋梁支持部30Aは、第1重錘体21に対してX軸負側に配置されており、第1橋梁支持部30Bは、第1重錘体21に対してX軸正側に配置されている。このため、第1橋梁支持部30Aおよび30Bは、平面視で、第1重錘体21のY軸方向に延びる中心軸線LY(第2軸線)に関して対称に形成されている。中心軸線LYは、中心軸線LXに直交している。
また、第1橋梁支持部30Cおよび30Dの第1延在軸線はY軸方向に延びる中心軸線LYであり、第1橋梁支持部30Cおよび30Dは、平面視で中心軸線LY上に配置されている。第1橋梁支持部30Cは、第1重錘体21に対してY軸正側に配置されており、第1橋梁支持部30Dは、第1重錘体21に対してY軸負側に配置されている。このため、第1橋梁支持部30Cおよび30Dは、平面視で、中心軸線LXに関して対称に形成されている。
このようにして、本実施の形態による第1橋梁支持部30A〜30Dは、平面視において、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、中心軸線LYに関して対称に形成されている。これにより、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dが、十字状をなすように配置されている。すなわち、平面視において、振動体20の第1重錘体21を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線がなす角度(θ1)は、いずれも90°となっている。このため、本実施の形態による発電素子1は、X軸方向およびY軸方向の各々において両持ち梁構造を有している。なお、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線がなす角度は、等しいことに限られることはない。例えば、当該角度(θ1)は、90°ではなく、80°〜100°であってもよい。この場合においても、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線は、平面視で第1重錘体21に対して放射状に配置されているとみなすことができる。
図2に示すように、第1橋梁支持部30AのX軸負側の端部31A(台座10の側の端部、根端部)は、台座10に連結され、X軸正側の端部32A(第1重錘体21の側の端部、先端部)は、振動体20の第1重錘体21に連結されている。第1橋梁支持部30BのX軸正側の端部31B(根端部)は、台座10に連結され、X軸負側の端部32B(先端部)は、第1重錘体21に連結されている。第1橋梁支持部30CのY軸正側の端部31C(根端部)は、台座10に連結され、Y軸負側の端部32C(先端部)は、第1重錘体21に連結されている。第1橋梁支持部30DのY軸負側の端部31D(根端部)は、台座10に連結され、Y軸正側の端部32D(先端部)は、第1重錘体21に連結されている。なお、X軸正側とは、図1に記されたX軸を示す矢印の向く方向を意味し、X軸負側とは、X軸正側とは反対を向く方向を意味するものとして用いている。後述するY軸正側、Y軸負側、Z軸正側、Z軸負側についても同様である。
図1〜図3に示すように、本実施の形態による振動体20は、第1重錘体21と、第1重錘体21の上面(Z軸正側の面)に設けられた第1重錘体支持部22と、を有している。このうち第1重錘体21は、平面視で矩形状(または正方形状)に形成されている。すなわち、第1重錘体21は、台座開口部11に沿うように形成されており、台座開口部11と同心状に形成されている。なお、第1重錘体21の平面形状は矩形状に限られることはなく任意である。
第1重錘体支持部22は、第1橋梁支持部30A〜30Dから第1重錘体21の上面に延びており、第1橋梁支持部30A〜30Dに連続して一体に形成されている。第1重錘体支持部22は、第1重錘体21の上面の全体に形成されており、第1重錘体21は、第1重錘体支持部22の下面(Z軸負側の面)に接合されて、第1重錘体支持部22に支持されている。このような構成により、第1重錘体21は、第1重錘体支持部22を介して、第1橋梁支持部30AのX軸正側の端部32A、第1橋梁支持部30BのX軸負側の端部32B、第1橋梁支持部30CのY軸負側の端部32Cおよび第1橋梁支持部30DのY軸正側の端部32Dに連結されている。このようにして、第1重錘体21は、第1重錘体支持部22を介して各第1橋梁支持部30A〜30Dに支持されている。
第1重錘体21の下面は、図3に示すように、台座10の下面よりも上方に位置付けられている。第1重錘体21は、後述する筐体70の底板74(図7参照)に当接するまで、下方(Z軸負側)に変位可能になっている。
図1〜図3に示すように、台座10の上面には、台座支持部12が設けられている。この台座支持部12は、第1橋梁支持部30A〜30Dに連続して一体に形成されており、台座10の上面の全体に形成されている。台座支持部12は、台座10の上面に接合されており、各第1橋梁支持部30A〜30Dは、台座支持部12を介して台座10に支持されている。
図2に示すように、本実施の形態による発電素子1は、振動体20の変位時に電荷を発生させる圧電素子40(電荷発生素子)を更に備えている。圧電素子40は、図2および図3に示すように、各第1橋梁支持部30A〜30D上に設けられた下部電極層E0(第2電極層)と、下部電極層E0上に設けられた圧電材料層42(電荷発生材料層)と、圧電材料層42上に設けられた複数の上部電極層E11〜E44(第1電極層)と、を含んでいる。すなわち、下部電極層E0は、第1橋梁支持部30A〜30Dと上部電極層E11〜E44との間に設けられ、圧電材料層42が、下部電極層E0と上部電極層E11〜E44との間に設けられている。本実施の形態では、下部電極層E0は、第1橋梁支持部30A〜30Dの上面の全体、第1重錘体支持部22の上面の全体、および台座支持部12の上面全体に設けられており、一体に形成されている。なお、台座支持部12の上面には、下部電極層E0は設けられていなくてもよい。圧電材料層42は、下部電極層E0の上面の全体に設けられている。図1では、図面を簡略化するために、圧電素子40は省略している。
上部電極層E11〜E44は、各第1橋梁支持部30A〜30Dのうち第1重錘体21の変位時に応力が発生する領域(第1橋梁支持部30A〜30D自体が変形する領域)に配置されていることが好適である。本実施の形態では、各第1橋梁支持部30A〜30Dに、4つの上部電極層E11〜E44が設けられている。これらの上部電極層E11〜E44は、電気的に互いに独立している。
図2に示す形態では、第1橋梁支持部30Aの上方(Z軸正側)に4つの上部電極層E11〜E14が配置されており、X軸方向(第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線に沿う方向)において互いに異なる位置に配置されているとともに、Y軸方向(当該第1延在軸線に垂直な方向)において互いに異なる位置に配置されている。より具体的には、上部電極層E11およびE12がX軸負側に配置され、上部電極層E13およびE14がX軸正側に配置されている。また、上部電極層E11およびE14がY軸負側に配置され、上部電極層E12およびE13がY軸正側に配置されている。そして、第1橋梁支持部30Aの上方に配置された4つの上部電極層E11〜E14は、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、第1橋梁支持部30AのX軸方向の中間点を通って中心軸線LYに沿って延びる線に関して対称に形成されている。
第1橋梁支持部30Bの上方に4つの上部電極層E21〜E24が配置されており、X軸方向(第1橋梁支持部30Bの第1延在軸線に沿う方向)において互いに異なる位置に配置されているとともに、Y軸方向(当該第1延在軸線に垂直な方向)において互いに異なる位置に配置されている。より具体的には、上部電極層E21およびE22がX軸正側に配置され、上部電極層E23およびE24がX軸負側に配置されている。また、上部電極層E21およびE24がY軸正側に配置され、上部電極層E22およびE23がY軸負側に配置されている。そして、第1橋梁支持部30Bの上方に配置された4つの上部電極層E21〜E24は、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、第1橋梁支持部30BのX軸方向における中間点を通って中心軸線LYに沿って延びる線に関して対称に形成されている。
第1橋梁支持部30Cの上方に4つの上部電極層E31〜E34が配置されており、X軸方向(第1橋梁支持部30Cの第1延在軸線に垂直な方向)において互いに異なる位置に配置されているとともに、Y軸方向(当該第1延在軸線に沿う方向)において互いに異なる位置に配置されている。より具体的には、上部電極層E31およびE32がY軸正側に配置され、上部電極層E33およびE34がY軸負側に配置されている。また、上部電極層E31およびE34がX軸負側に配置され、上部電極層E32およびE33がX軸正側に配置されている。そして、第1橋梁支持部30Cの上方に配置された4つの上部電極層E31〜E34は、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、第1橋梁支持部30CのY軸方向における中間点を通って中心軸線LYに沿って延びる線に関して対称に形成されている。
第1橋梁支持部30Dの上方に4つの上部電極層E41〜E44が配置されており、X軸方向(第1橋梁支持部30Dの第1延在軸線に垂直な方向)において互いに異なる位置に配置されているとともに、Y軸方向(当該第1延在軸線に沿う方向)において互いに異なる位置に配置されている。より具体的には、上部電極層E41およびE42がY軸負側に配置され、上部電極層E43およびE44がY軸正側に配置されている。また、上部電極層E41およびE44がX軸正側に配置され、上部電極層E42およびE43がX軸負側に配置されている。そして、第1橋梁支持部30Dの上方に配置された4つの上部電極層E41〜E44は、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、第1橋梁支持部30DのY軸方向における中間点を通って中心軸線LYに沿って延びる線に関して対称に形成されている。
このようにして、本実施の形態による上部電極層E11〜E44は、全体として、平面視において、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、中心軸線LYに関して対称に形成されている。
図4に、図1に示す発電素子の製造方法において、発電素子を製造するために用いられるSOI基板の断面図を示す。発電素子1は、例えば、図4に示すSOI基板50をエッチング処理することにより製造することができる。SOI基板50は、シリコンベース層51と、シリコンベース層51上に設けられた酸化シリコン層52と、酸化シリコン層52上に設けられたシリコン活性層53と、を備えており、3層構造を有する積層基板になっている。このようなSOI基板50は、様々な半導体デバイスを製造するための材料として用いられている。各層の厚みは特に限られることはないが、例えば、シリコンベース層51の厚みは、525〜725μmであり、酸化シリコン層52の厚みは、1μmであり、シリコン活性層53の厚みは10〜15μmである。
エッチング処理時には、SOI基板50の上方からのエッチングにより、シリコン活性層53が、第1橋梁支持部30A〜30D、第1重錘体支持部22および台座支持部12を形成する部分が残存するように、不要な部分がエッチングによって除去される。この際、酸化シリコン層52はエッチングストッパーとして機能する。
また、SOI基板50の下方からのエッチングにより、シリコンベース層51が、台座10および第1重錘体21を形成する部分が残存するように、不要な部分がエッチングによって除去される。この際においても、酸化シリコン層52はエッチングストッパーとして機能する。また、シリコンベース層51のうち第1重錘体21を形成する部分においては、シリコンベース層51を2回に分けてエッチングすることが好ましい。このことにより、第1重錘体21の下面を、台座10の下面よりも上方に位置づけることができる。
次に、シリコン活性層53およびシリコンベース層51のエッチングにより酸化シリコン層52の露出された部分がエッチングで除去される。このようにして、図5に示すような、発電素子1の構造が得られる。図5は、図1に示す発電素子の製造方法において、図4に示すSOI基板をエッチングして得られた発電素子の断面図を示している。ここでは、台座10および第1重錘体21が、シリコンベース層51および酸化シリコン層52によってそれぞれ形成されている。第1橋梁支持部30A〜30D、第1重錘体支持部22および台座支持部12は、シリコン活性層53によって形成されているが、酸化シリコン層52とシリコン活性層53とによって形成されるようにしてもよい。
その後、シリコン活性層53上に、圧電素子40を構成する下部電極層E0、圧電材料層42および上部電極層E11〜E44が、この順番で形成される。このようにして、本実施の形態による発電素子1を製造することができる。なお、発電素子1の製造方法は、上述した方法に限られることはなく、初めに、SOI基板50のシリコンベース層51上に、下部電極層E0、圧電材料層42および上部電極層E11〜E44を形成し、その後、SOI基板50の下方からのエッチングにより、シリコンベース層51、酸化シリコン層52、シリコン活性層53、下部電極層E0および圧電材料層42をエッチングして、発電素子1を製造するようにしてもよい。
図2に示すように、本実施の形態による発電素子1は、発電回路60を更に備えている。この発電回路60は、圧電素子40により発生した電荷に基づく電流を整流して電力を取り出して、負荷ZL(図6参照)に供給するように構成されている。発電回路60は、整流素子(ダイオード)、平滑用の容量素子(コンデンサ)を用いて構成することができる。
図6に、図2の発電素子1の発電回路の構成を示す。本実施の形態による発電回路60は、例えば図6に示すような構成を有することができる。図6において、P11〜P44は、圧電材料層42のうち上部電極層E11〜E44の下方に位置する部分に相当する。P11〜P44の左側に示す縦線は、共通の下部電極層E0に相当し、P11〜P44の右側に示す縦線は、対応する上部電極層E11〜E44に相当する。図6においては、図面を簡略化するために、上部電極層E14〜E43についての図示は省略されているが、これらの上部電極層E14〜E43についても、以下と同様にして電荷を取り出す回路を構成することができる。
発電回路60は、整流素子(ダイオード)と、平滑用の容量素子(コンデンサ)と、を有している。このうち整流素子D11(+)〜D44(+)は、それぞれ上部電極層E11〜E44に発生した正電荷を取り出す機能を有している。また、整流素子D11(−)〜D44(−)は、それぞれ上部電極層E11〜E44に発生した負電荷を取り出す機能を有している。
平滑用の容量素子Cfの正極端子(図6における上側の端子)に、整流素子D11(+)〜D44(+)によって取り出された正電荷が供給され、負極端子(図6における下側の端子)に、整流素子D11(−)〜D44(−)によって取り出された負電荷が供給される。この容量素子Cfは、発生した電荷の脈流を平滑化する機能を有している。また、容量素子Cfの両端子と下部電極層E0との間には、整流素子として、互いに逆方向を向いた整流素子D0(+)、D0(−)が接続されている。
容量素子Cfに並列接続されているZLは、発電素子1によって発電された電力の供給を受ける機器の負荷を示している。負荷ZLには、整流素子D11(+)〜D44(+)で取り出された正電荷と、整流素子D11(−)〜D44(−)で取り出された負電荷とが供給される。したがって、原理的には、個々の瞬間において、各上部電極層E11〜E44に発生する正電荷の総量と負電荷の総量とが等しくなるようにすれば、発電効率の向上が可能になる。
図7に、筐体70を備えた図1の発電素子1の断面図を示す。上述した台座10は、筐体70の一部を構成する部材になっている。すなわち、筐体70は、台座10と、台座10の上方に設けられた凹状の天板71と、台座10の下方に設けられた凹状の底板74と、を有している。このうち天板71は、第1重錘体支持部22の上方(第1重錘体21の側とは反対側)に設けられて、台座10に連結されている。底板74は、第1重錘体21の下方(第1重錘体支持部22の側とは反対側)に設けられて、台座10に連結されている。天板71および底板74は、台座10とは別個に作製されており、天板71は、上述した台座支持部12、下部電極層E0および圧電材料層42を介して台座10の上面に接合され、底板74は、台座10の下面に接合されている。このような構成の筐体70に、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第1重錘体21が収容されている。
筐体70の天板71は、台座10の内側の領域を上方から覆うように形成されている。天板71は、第1重錘体21が第1重錘体支持部22を介して当接可能に構成されており、第1重錘体21の上方への変位を規制するストッパーとしての機能を有している。
天板71は、第1重錘体支持部22に対向した平坦状の天板対向面72を含んでいる。天板対向面72に、複数の天板側突起部73が設けられている。この天板側突起部73には、第1重錘体21が上方(天板71の側)へ変位した場合に、第1重錘体21が第1重錘体支持部22を介して当接可能になっている。
第1重錘体21がニュートラル位置にあるときには、第1重錘体支持部22は、天板側突起部73に所定の距離d1を隔てて離間しており、第1重錘体21は、第1重錘体支持部22を介して天板71に当接するまで上方へ変位可能になっている。ここで、ニュートラル位置とは、第1重錘体21に重力を含む加速度が加えられていない状態、すなわち、第1橋梁支持部30A〜30Dが撓んでいない場合における第1重錘体21の位置を意味している。
筐体70の底板74は、台座10の内側の領域を下方から覆うように形成されている。底板74は、第1重錘体21が当接可能に構成されており、第1重錘体21の下方への変位を規制するストッパーとしての機能を有している。
底板74は、第1重錘体21に対向した平坦状の底板対向面75を含んでいる。底板対向面75に、複数の底板側突起部76が設けられている。この底板側突起部76には、第1重錘体21が下方へ変位した場合に第1重錘体21が当接可能になっている。
第1重錘体21がニュートラル位置にあるときには、第1重錘体21は、底板側突起部76に所定の距離d2を隔てて離間しており、第1重錘体21は、底板74に当接するまで下方へ変位可能になっている。
図8に、外装パッケージ80を備えた図7の発電素子1の断面図を示す。図8に示す発電素子1では、筐体70が、外装パッケージ80に収容されている。上述した発電回路60は、この外装パッケージ80に設けられていることが好適である。この場合、筐体70に、圧電素子40の各電極層E0、E11〜E44に電気的に接続された複数のボンディングパッド77が設けられ、外装パッケージ80に、発電素子1の外部に電気的に接続される複数のボンディングパッド81が設けられている。各ボンディングパッド77と対応するボンディングパッド81は、ボンディングワイヤ82で接続される。ここで、筐体70には、上部電極層E11〜E44の個数と下部電極層E0の個数を合計した個数のボンディングパッドが設けられている。外装パッケージ80にも、筐体70に設けられたボンディングパッド77の個数と同数のボンディングパッド81が設けられている。外装パッケージ80の内部空間は、空洞であってもよく、または樹脂等で充填されていてもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
図1および図2に示す発電素子1にある方向の外部振動が与えられると、第1重錘体21に当該方向の振動加速度が加わり、第1重錘体21が第1重錘体支持部22とともに当該方向に変位し、第1橋梁支持部30A〜30Dが撓んで変形する。
第1橋梁支持部30A〜30Dが撓んでいる間、各第1橋梁支持部30A〜30Dには応力が発生する。応力が発生すると、圧電材料層42のうち各第1橋梁支持部30A〜30Dの上方に配置された部分において、発生した応力に相応する電荷が発生する。
発生した電荷は、圧電素子40の上部電極層E11〜E44から発電回路60(図6参照)に供給され、発電回路60によって平滑化される。平滑化された電力は、負荷ZLに供給される。より具体的には、第1橋梁支持部30A〜30Dに発生した応力によって上部電極層E11〜E44において電荷が発生する。
以下、図9〜図11を用いて、特定の方向に振動加速度が加えられた場合にどのようにして電荷が発生するかについてより具体的に説明する。図9に、Z軸正側(上方)への振動加速度が加えられた場合の第1重錘体21の変位の様子を示し、図10に、X軸正側への振動加速度が加えられた場合の第1重錘体21の変位の様子を示す。図11に、X軸正側、Y軸正側、Z軸正側への振動加速度が加えられた場合における各上部電極層E11〜E44に発生する電荷の極性を示す。
Z軸正側への振動加速度が加えられた場合、図9に示すように、第1重錘体21はZ軸正側に変位し、第1橋梁支持部30A〜30Dに撓みが生じる。
第1橋梁支持部30Aに設けられた上部電極層E11およびE12は、第1橋梁支持部30Aのうち圧縮応力が発生する領域に配置されているため、図11に示すように、上部電極層E11およびE12には、負電荷が発生する。上部電極層E13およびE14は、第1橋梁支持部30Aのうち引張応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E13およびE14には、正電荷が発生する。このため、1つの上部電極層に重なる圧電材料層42の部分が圧縮応力と引張応力とを同時に受けることによって電荷がキャンセルされることを回避でき、第1橋梁支持部30Aに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。なお、圧電材料層42の材料の種類に応じて、圧縮応力から正電荷を発生させ、引張応力から負電荷を発生させるようにしてもよい。
第1橋梁支持部30Bに設けられた上部電極層E21およびE22は、第1橋梁支持部30Bのうち圧縮応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E21およびE22には、負電荷が発生する。上部電極層E23およびE24は、第1橋梁支持部30Bのうち引張応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E23およびE24には、正電荷が発生する。このようにして、第1橋梁支持部30Bに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
第1橋梁支持部30Cに設けられた上部電極層E31およびE32は、第1橋梁支持部30Cのうち圧縮応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E31およびE32には、負電荷が発生する。上部電極層E33およびE34は、第1橋梁支持部30Cのうち引張応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E33およびE34には、正電荷が発生する。このようにして、第1橋梁支持部30Cに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
第1橋梁支持部30Dに設けられた上部電極層E41およびE42は、第1橋梁支持部30Dのうち圧縮応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E41およびE42には、負電荷が発生する。上部電極層E43およびE44は、第1橋梁支持部30Dのうち引張応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E43およびE44には、正電荷が発生する。このようにして、第1橋梁支持部30Dに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
図示しないが、Z軸負側(下方)への振動加速度が加えられた場合においても同様にして、上部電極層E11〜E44によって効率良く電荷を発生させることができる。
ところで、Z軸方向に加えられた振動加速度が大きい場合には、第1重錘体21は、第1重錘体支持部22を介して天板71に当接したり、底板74に当接したりする。このうち天板71に当接する際には、第1重錘体21は、天板71の天板対向面72に設けられた天板側突起部73に当接する。底板74に当接する際には、第1重錘体21は、底板74の底板対向面75に設けられた底板側突起部76に当接する。このようにして、第1重錘体21の上下方向の変位が規制され、第1橋梁支持部30A〜30Dの塑性変形や破損の防止が図られている。
本実施の形態による発電素子1の第1重錘体21は、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって台座10に支持されている。このことにより、片持ち梁構造(第1重錘体21が1つの第1橋梁支持部によって支持されている構造)を有する発電素子や、両持ち梁構造(第1重錘体21が2つの第1橋梁支持部によって支持されている構造)を有する発電素子に比べて、振動加速度が加えられた場合の第1重錘体21の変位を小さくすることができる。このため、第1重錘体21が筐体70の天板71または底板74に当接することなく変位可能な加速度範囲を拡大することができ、より広い加速度範囲で第1重錘体21が天板71または底板74に当接することを回避できる。このため、第1重錘体21が受けた力が天板71または底板74に逃げることを抑制し、第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力を増大させることができる。この結果、第1重錘体21に与えられる振動エネルギーを効率良く電気エネルギーに変換させることができ、圧電素子40から発生する電荷を増大させることができる。
また、X軸正側への振動加速度が加えられた場合、図10に示すように、第1重錘体21が、XZ平面において回動するようになる。すなわち、第1重錘体21の下端部がX軸正側に振れるように第1重錘体21は回動する。このことにより、第1橋梁支持部30Aおよび30Bには、図10に示すような撓みが生じ、第1橋梁支持部30Aおよび30Bには、第1橋梁支持部30Cおよび30Dに発生する曲げ応力よりも大きな曲げ応力が発生する。ここで、第1橋梁支持部30Cおよび30Dにも、第1重錘体21の回動によってX軸正側への撓みが生じる。しかしながら、第1橋梁支持部30Cおよび30Dの第1延在軸線は、振動加速度の方向に対して垂直になっている。このため、第1橋梁支持部30Cおよび30Dに発生する応力は主として捻り応力になり、第1橋梁支持部30Aおよび30Bに発生する曲げ応力よりは小さくなる。
第1橋梁支持部30Aに設けられた上部電極層E11およびE12は、第1橋梁支持部30Aのうち引張応力が発生する領域に配置されているため、図11に示すように、上部電極層E11およびE12には、正電荷が発生する。上部電極層E13およびE14は、第1橋梁支持部30Aのうち圧縮応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E13およびE14には、負電荷が発生する。このため、1つの上部電極層に重なる圧電材料層42の部分が圧縮応力と引張応力とを同時に受けることによって電荷がキャンセルされることを回避でき、第1橋梁支持部30Aに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
第1橋梁支持部30Bに設けられた上部電極層E21およびE22は、第1橋梁支持部30Bのうち圧縮応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E21およびE22には、負電荷が発生する。上部電極層E23およびE24は、第1橋梁支持部30Bのうち引張応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E23およびE24には、正電荷が発生する。このようにして、第1橋梁支持部30Bに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
第1橋梁支持部30Cに設けられた上部電極層E31およびE33は、第1橋梁支持部30Cのうち引張応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E31およびE33には、正電荷が発生する。上部電極層E32およびE34は、第1橋梁支持部30Cのうち圧縮応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E32およびE34には、負電荷が発生する。このようにして、第1橋梁支持部30Cに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
第1橋梁支持部30Dに設けられた上部電極層E41およびE43は、第1橋梁支持部30Dのうち圧縮応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E41およびE43には、負電荷が発生する。上部電極層E42およびE44は、第1橋梁支持部30Dのうち引張応力が発生する領域に配置されているため、上部電極層E42およびE44には、正電荷が発生する。このようにして、第1橋梁支持部30Dに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
図示しないが、X軸負側への振動加速度が加えられた場合においても同様にして、上部電極層E11〜E44によって効率良く電荷を発生させることができる。
また、Y軸正側またはY軸負側への振動加速度が加えられる場合には、第1橋梁支持部30Aおよび第1橋梁支持部30Bが、X軸正側またはX軸負側への振動加速度が加えられた場合の第1橋梁支持部30Cおよび第1橋梁支持部30Dと同様に変形する。第1橋梁支持部30Cおよび第1橋梁支持部30Dは、X軸正側またはX軸負側への振動加速度が加えられた場合の第1橋梁支持部30Aおよび第1橋梁支持部30Bと同様に変形する。このため、Y軸正側またはY軸負側への振動加速度が加えられる場合においても、上部電極層E11〜E44によって効率良く電荷を発生させることができる。なお、第1橋梁支持部30Cおよび30Dには、第1橋梁支持部30Aおよび30Bに発生する曲げ応力よりも大きな曲げ応力が発生する。第1橋梁支持部30Aおよび30Bの第1延在軸線は、振動加速度の方向に対して垂直になっているため、第1橋梁支持部30Aおよび30Bに発生する応力は主として捻り応力になり、第1橋梁支持部30Cおよび30Dに発生する曲げ応力よりは小さくなる。
また、X軸方向およびY軸方向への振動加速度が加えられた場合においても、第1重錘体21が4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって台座10に支持されている。このため、第1重錘体21の変位を小さくすることができる。
なお、図11では、各上部電極層E11〜E44で発生した電荷を、正電荷(+)または負電荷(−)で示している。第1橋梁支持部30A〜30Dに発生した応力と、上部電極層E11〜E44に発生した電荷は、薄膜状の圧電材料層42の場合には、一義的に決められる場合が多い。ここで、一般的に、焼結によって形成される圧電セラミックでは、自発分極の向きがランダムになっているため、圧縮応力または引張応力を受けた場合であっても電荷は発生しない。しかしながら、高い電圧を印加して分極処理を行うことにより、圧電セラミックの自発分極の方向を揃えることができる。このような圧電セラミックで圧電材料層42が形成されている場合には、分極処理で圧縮応力と引張応力とで発生する電荷の正負を意図的に変えることができる。このため、上部電極層E11〜E44で発生する電荷の正負ではなく、3次元的にいずれの方向においても、全ての上部電極層E11〜E44に電荷を発生させることができるという点で、本実施の形態は有利である。このため、3軸発電を効率良く行うことが可能になっている。
このように本実施の形態によれば、第1重錘体21を中心としたときの周方向において、平面視で互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線が所定の角度をなしている。このことにより、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの各第1延在軸線が、互いに異なる方向に延びるように、第1橋梁支持部30A〜30Dを配置することができる。このため、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dのうちの2つの第1橋梁支持部30A、30Bの第1延在軸線が一直線上に配置される場合であっても、他の2つの第1橋梁支持部30A、30Bの第1延在軸線を、第1橋梁支持部30A、30Bの第1延在軸線とは異なる方向(本実施の形態では90°異なる方向)に配置することができる。このことにより、XY平面においていずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線の全てが、当該振動加速度の方向に対して垂直になることを回避できる。このため、3次元的にいずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、第1橋梁支持部30A〜30Dのうちの少なくとも1つの第1橋梁支持部に比較的大きな曲げ応力を発生させることができる。従って、上部電極層E11〜E44で発生する電荷を増大させることができる。この結果、第1重錘体21の変位によって第1橋梁支持部30A〜30Dに発生した応力から、各上部電極層E11〜E44で効率良く電荷を発生させることができ、3軸発電を効率良く行うことができる。
また、本実施の形態によれば、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線が、平面視で振動体20の第1重錘体21に対して放射状に配置されている。このことにより、第1重錘体21を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線がなす角度を均等化させることができる。このため、上部電極層E11〜E44で発生する電荷に、XY平面における振動加速度の方向に関して指向性が生じることを抑制できる。この結果、各上部電極層E11〜E44でより一層効率良く電荷を発生させることができ、3軸発電をより一層効率良く行うことができる。とりわけ、本実施の形態によれば、平面視で互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線がなす角度が等しくなっている。このことにより、上部電極層E11〜E44で発生する電荷に、振動加速度の平面方向に関連した指向性が生じることをより一層抑制でき、3軸発電をより一層効率良く行うことができる。
また、本実施の形態によれば、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって第1重錘体21が支持されている。このことにより、2つの第1橋梁支持部30Aおよび30Bの第1延在軸線と、2つの第1橋梁支持部30Cおよび30Dの第1延在軸線とを、互いに垂直にすることができる。このことにより、平面視でいずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、上部電極層E11〜E44で発生する電荷に、振動加速度の平面方向に関連した指向性が生じることをより一層抑制できる。また、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの変形状態に対称性を持たせることができる。例えば、X軸方向に振動加速度が加えられた場合、中心軸線LYに関して対称に4つの第1橋梁支持部30A〜30Dを変形させることができる。またY軸方向に振動加速度が加えられた場合に、中心軸線LXに関して対称に4つの第1橋梁支持部30A〜30Dを変形させることができる。Z軸方向に振動加速度が加えられた場合、中心軸線LXおよび中心軸線LYに関してそれぞれ対称に4つの第1橋梁支持部30A〜30Dを変形させることができる。このため、各上部電極層E11〜E44に発生する正電荷の総量と負電荷の総量とを等しくすることができ、発電効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、上述したように4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって第1重錘体21が支持されているため、振動加速度が加えられた場合の第1重錘体21の変位量を抑制することができる。このことにより、より広い加速度範囲で、第1重錘体21が筐体70の天板71や底板74に当接することを回避できる。このため、第1重錘体21が受けた力が天板71や底板74に逃げることを抑制し、第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力を増大させて、圧電素子40から発生する電荷を増大させることができる。この結果、第1重錘体21の変位を抑制することができるとともに発電量を増大させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21が4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって支持されているため、第1橋梁支持部30A〜30Dに反りが発生することを抑制できる。ここで、発電素子が片持ち梁構造を有する場合には、第1橋梁支持部上に下部電極層E0、圧電材料層42および上部電極層が積層されているために、各層の線膨張係数の相違によって第1橋梁支持部に反りが発生し得る。片持ち梁構造を有する場合には、第1橋梁支持部の第1重錘体21の側の端部は自由端になることから、この反りは大きくなる場合がある。この場合には、半導体製造装置に入らなくなり、製造工程上好ましくない。これに対して、本実施の形態による発電素子1は、上述した4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって第1重錘体21が支持されているため、第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する反りを低減することができ、製造上有利である。
また、本実施の形態によれば、各第1橋梁支持部30A〜30Dにおいて、4つの上部電極層E11〜E44が、対応する第1延在軸線に沿う方向において互いに異なる位置に配置されている。このことにより、第1橋梁支持部30A〜30Dが変形する場合に、圧縮応力が発生する部分と、引張応力が発生する部分とに、上部電極層E11〜E44をそれぞれ配置させることができる。このため、1つの上部電極層に発生する電荷が、圧縮応力に起因する負電荷と引張応力に起因する正電荷とが同時に発生してキャンセルされることを回避できる。この結果、各第1橋梁支持部30A〜30Dに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができ、3軸発電をより一層効率良く行うことができる。
また、本実施の形態によれば、各第1橋梁支持部30A〜30Dにおいて、4つの上部電極層E11〜E44が、対応する第1延在軸線に垂直な方向において互いに異なる位置に配置されている。このことにより、第1橋梁支持部30A〜30Dが変形する場合に、圧縮応力が発生する部分と、引張応力が発生する部分とに、上部電極層E11〜E44をそれぞれ配置させることができる。このため、1つの上部電極層に発生する電荷が、圧縮応力に起因する負電荷と引張応力に起因する正電荷とが同時に発生してキャンセルされることを回避できる。この結果、各第1橋梁支持部30A〜30Dに発生した応力から効率良く電荷を発生させることができ、3軸発電をより一層効率良く行うことができる。
また、本実施の形態によれば、天板71の天板対向面72に、第1重錘体21が上方へ変位した場合に当接可能な複数の天板側突起部73が設けられている。ここで、天板側突起部73が設けられていない場合には、第1重錘体支持部22が天板対向面72に近接すると、第1重錘体支持部22と天板対向面72との間の空間に存在する空気の粘性によってダンピング作用が生じて、第1重錘体21の振動が抑制される場合がある。この場合には、第1重錘体21の振動エネルギーが失われ、発電効率が低下するおそれがある。これに対して本実施の形態によれば、天板対向面72に天板側突起部73が設けられているため、第1重錘体21が第1重錘体支持部22を介して天板側突起部73に当接した場合であっても第1重錘体支持部22と天板対向面72との間にギャップを確保することができる。このため、第1重錘体支持部22と天板対向面72との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第1重錘体21の振動が抑制されることを防止できる。この結果、発電素子1の発電効率が低下することを防止できる。
さらに、本実施の形態によれば、底板74の底板対向面75に、第1重錘体21が下方へ変位した場合に当接可能な複数の底板側突起部76が設けられている。ここで、底板側突起部76が設けられていない場合には、第1重錘体21が底板対向面75に近接すると、第1重錘体21と底板対向面75との間の空間に存在する空気の粘性によってダンピング作用が生じて、第1重錘体21の振動が抑制される場合がある。この場合には、第1重錘体21の振動エネルギーが失われ、発電効率が低下するおそれがある。これに対して本実施の形態によれば、底板対向面75に底板側突起部76が設けられているため、第1重錘体21が底板側突起部76に当接した場合であっても第1重錘体21と底板対向面75との間にギャップを確保することができる。このため、第1重錘体21と底板対向面75との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第1重錘体21の振動が抑制されることを防止できる。このため、発電素子1の発電効率が低下することを防止できる。
なお、上述した本実施の形態においては、電荷発生素子として圧電素子40を用いる例について説明した。しかしながら、振動体20の変位時に電荷を発生させることができれば、圧電素子40を用いることに限られることはなく、例えば、エレクトレットなどを用いてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、各第1橋梁支持部30A〜30Dに、4つの上部電極層E11〜E44がそれぞれ設けられている例について説明した。しかしながら、各第1橋梁支持部30A〜30Dに配置される上部電極層の個数や配置などは、任意であり、例えば、図12〜図14に示すような個数や配置にしてもよい。図12〜図14はそれぞれ、図2に示す圧電素子40の上部電極の変形例を示す平面図である。
図12〜図14に示すように、各第1橋梁支持部30A〜30Dに、2つの上部電極層E1、E2を設けるようにしてもよい。ここでは代表的に、第1橋梁支持部30Aに設けられる上部電極層E1、E2を例にとって説明する。
図12に示す上部電極層E1、E2は、第1延在軸線(中心軸線LX)に垂直な方向(ここではY軸方向)において互いに異なる位置に配置されている。より具体的には、図12においては、上部電極層E1は、中心軸線LXに対してY軸正側に配置され、上部電極層E2は、中心軸線LXに対してY軸負側に配置されている。2つの上部電極層E1、E2は、第1延在軸線に沿う方向(ここでは、X軸方向)において長く形成されると、圧縮応力と引張応力とを同時に受けることによって電荷がキャンセルされる可能性がある。このため、上部電極層E1、E2は、圧縮応力と引張応力とを同時に受けないように形成されていることが好ましい。例えば、図2に示すような上部電極層E11〜E14のように、第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線に沿う方向(ここではX軸方向)における中間点を通って第1延在軸線に垂直な方向(ここではY軸方向)に延びる軸線LY’に対して、一方の側(X軸正側)または他方の側(X軸負側)に2つの上部電極層E1、E2が配置されていることが好ましい。図12においては、2つの上部電極層E1、E2がいずれも、軸線LY’に対してX軸正側に配置されている例が示されている。しかしながら、2つの上部電極層E1、E2はいずれも、軸線LY’に対してX軸負側に配置されていてもよい。また、2つの上部電極層E1、E2のうちの一方を軸線LY’に対してX軸正側に、他方を軸線LY’に対してX軸負側に形成するようにしてもよい。
図13に示す上部電極層E1、E2は、第1延在軸線(中心軸線LX)に沿う方向(ここではX軸方向)において互いに異なる位置に配置されている。より具体的には、図13においては、上部電極層E1は、軸線LY’に対してX軸負側に配置され、上部電極層E2は、軸線LY’に対してX軸正側に配置されている。図13に示す例においても、2つの上部電極層E1、E2は、圧縮応力と引張応力とを同時に受けないように配置されていることが好ましい。例えば、図2に示すような上部電極層E11〜E14のように、第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線に垂直な方向(ここではY軸方向)における中間点を通って第1延在軸線に沿って延びる軸線(中心軸線LX)に対して、一方の側(Y軸正側)または他方の側(Y軸負側)に上部電極層E1、E2が配置されていることが好ましい。図13においては、2つの上部電極層E1、E2がいずれも、中心軸線LXに対してY軸正側に配置されている例が示されている。しかしながら、2つの上部電極層E1、E2はいずれも、中心軸線LXに対してY軸負側に配置されていてもよい。また、図14に示すように、上部電極層E1、E2は、中心軸線LXに対してY軸正側からY軸負側にわたって、中心軸線LXを跨ぐように配置されていてもよい。この場合、上部電極層E1、E2は、中心軸線LX上に配置される。また、2つの上部電極層E1、E2の一方を中心軸線LXに対してY軸正側に、他方を中心軸線LXに対してY軸負側に形成するようにしてもよい。
更に言えば、圧縮応力と引張応力とを同時に受けないように配置することができれば、各第1橋梁支持部30A〜30Dに設けられる上部電極層は1つでもよい。
また、上述した本実施の形態においては、外装パッケージ80を備えた発電素子1として、図8に示すように、台座10と天板71と底板74とによって構成される筐体70が外装パッケージ80に収容されている例について説明した。しかしながら、外装パッケージ80への収容形態としては、これに限られることはない。例えば、図15に示すような収容形態としてもよい。図15は、図8に示す外装パッケージを備えた発電素子の変形例を示す図である。
図15に示す変形例においては、外装パッケージ80が、蓋83と収容体84とを有し、蓋83が天板71を含み、収容体84が底板74を含んでいる。この場合、図7に示すような筐体70は構成されておらず、台座10は、収容体84の底板74に接合されている。図15に示す形態においても、第1重錘体21がニュートラル位置にあるときには、天板71は第1重錘体支持部22に所定の距離d1を隔てて離間しており、第1重錘体21は、第1重錘体支持部22を介して天板71に当接するまで上方へ変位可能になっている。同様に、底板74は第1重錘体21に所定の距離d2を隔てて離間しており、第1重錘体21は、底板74に当接するまで下方へ変位可能になっている。圧電素子40の側のボンディングパッド77は、台座10に設けられ、外部の側のボンディングパッド81は、収容体84に設けられ、これらのボンディングパッド77、81が、ボンディングワイヤ82で接続される。
また、上述した本実施の形態においては、振動体20は、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって台座10に支持されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1橋梁支持部の個数は3つ(図20参照)でもよく、5つ以上でもよい。第1橋梁支持部の個数が3つ以上あることにより、XY平面においていずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、3つまたは5つ以上の第1橋梁支持部の第1延在軸線の全てが、当該振動加速度の方向に対して垂直になることを回避できる。このため、3次元的にいずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、第1重錘体21の変位によって第1橋梁支持部に発生した応力から、各上部電極層で効率良く電荷を発生させることができる。このため、3軸発電を効率良く行うことができる。
また、上述した本実施の形態においては、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線は、平面視で第1重錘体21に対して放射状に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、平面視で互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線が所定の角度をなしていれば、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの配置は任意である。この場合においても、平面視で互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線が所定の角度をなしていれば、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dがなす角度が等しくなくても、各第1延在軸線を互いに異なる方向に配置することができる。このことにより、XY平面においていずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線の全てが、当該振動加速度の方向に対して垂直になることを回避できる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dのうちの少なくとも1つの第1橋梁支持部に比較的大きな曲げ応力を発生させることができ、上部電極層E11〜E44で発生する電荷を増大させることができる。
また、上述した本実施の形態においては、天板71の天板対向面72に、複数の天板側突起部73が設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1重錘体21を当接させることができれば、天板対向面72に設けられる天板側突起部73の個数は複数に限られることはない。また、上述した本実施の形態においては、底板74の底板対向面75に、複数の底板側突起部76が設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1重錘体21を当接させることができれば、底板対向面75に設けられる底板側突起部76の個数は複数に限られることはない。
さらに、上述した本実施の形態においては、天板71が天板側突起部73を含み、底板74が底板側突起部76を含んでいる場合には、空気のダンピング作用によって振動体20の振動が抑制されることを防止できる旨、説明している。このような作用効果は、第1橋梁支持部の形状や配置等に関わることなく、得ることができる。すなわち、空気のダンピング作用によって振動体20の振動が抑制されることを防止するために天板側突起部73および/または底板側突起部76を設ける場合には、振動体20が台座10に支持される態様(例えば、第1橋梁支持部や後述する第2橋梁支持部の配置および形状)や、台座10および振動体20の形状等は任意である。
(第2の実施の形態)
次に、図16〜図20を用いて、本発明の第2の実施の形態における発電素子について説明する。
図16〜図20に示す第2の実施の形態においては、振動体の第1重錘体が、第1重錘体中心部と、第1重錘体中心部に連結された第1重錘体突出部と、を含んでいる点が主に異なり、他の構成は、図1〜図15に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図16〜図20において、図1〜図15に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図16に、本発明の第2の実施の形態における発電素子の平面図を示す。図17に、図16のB−B線断面を示す。図16においては、図面を明瞭にするために、圧電素子40の上部電極層の図示を省略している。図16においても、各第1橋梁支持部30A〜30Dには、図2に示すように4つの上部電極層E11〜E44が設けられるようにしてもよく、または図12〜図14に示すように2つの上部電極層E1、E2が設けられるようにしてもよい。更に言えば、上部電極層は1つでもよい。後述する図18〜図20に示す変形例においても同様である。
本実施の形態においては、図16に示すように、振動体20の第1重錘体21は、第1重錘体中心部90と、第1重錘体中心部90に連結された複数の第1重錘体突出部91A〜91Dと、を含んでいる。このうち第1重錘体突出部91A〜91Dは、第1重錘体中心部90から台座10に向かって突出している。本実施の形態では、第1重錘体中心部90は、平面視で矩形状(または正方形状)に形成されており、第1重錘体突出部91A〜91Dは、第1重錘体中心部90の角部から膨出するように形成されている。第1重錘体突出部91A〜91Dも、平面視で矩形状(または正方形状)に形成されている。このことにより、第1重錘体21の平面形状は、全体として、クローバー形状になっている。第1重錘体中心部90と第1重錘体突出部91A〜91Dは、連続して一体に形成されている。第1重錘体支持部22は、第1重錘体中心部90の上面の全体および各第1重錘体突出部91A〜91Dの上面の全体に、一体に形成されて接合されている。
第1重錘体突出部91A〜91Dは、平面視で第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向(中心Oに対する周方向)において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間に配置されている。言い換えると、周方向に隣り合う第1重錘体突出部91A〜91Dの間に、第1橋梁支持部30A〜30Dの第1重錘体中心部90の側の端部32A〜32D(図2参照)を引き込む引込凹部94A〜94Dが設けられている。この引込凹部94A〜94Dは、第1重錘体21の外縁から内周側に凹むように形成されている。そして、引込凹部94A〜94Dは、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線に沿うように細長状に延びるように形成されている。図16に示す例では、引込凹部94A〜94Dは、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの端部32A〜32Dを含む多くの部分を引き込んでいる。その結果、第1橋梁支持部30A〜30Dは、周方向に隣り合う第1重錘体突出部91A〜91Dの間に配置されている。
第1重錘体突出部91A〜91Dの台座10の側の外縁92A〜92Dは、台座10の内縁13(台座開口部11を画定する内縁13)に沿って(または平行に)形成され、第1重錘体突出部91A〜91Dの対向する第1橋梁支持部30A〜30Dの側の外縁93A〜93Dは、当該第1橋梁支持部30A〜30Dの側縁33A〜33Dに沿って(または平行に)形成されている。
より具体的には、第1橋梁支持部30Aと第1橋梁支持部30Dとの間に、1つの第1重錘体突出部91Aが配置されている。第1重錘体突出部91Aは、2つの第1橋梁支持部30Aおよび30Dと台座10とによって囲まれている。第1重錘体突出部91Aの台座10の側の外縁92Aは、台座10の内縁13に沿って形成されている。また、第1重錘体突出部91Aの対向する第1橋梁支持部30Aの側の外縁93Aは、第1橋梁支持部30Aの側縁33Aに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Dの側の外縁93Aは、第1橋梁支持部30Dの側縁33Dに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Dと第1橋梁支持部30Bとの間に、1つの第1重錘体突出部91Bが配置されている。第1重錘体突出部91Bは、2つの第1橋梁支持部30Bおよび30Dと台座10とによって囲まれている。第1重錘体突出部91Bの台座10の側の外縁92Bは、台座10の内縁13に沿って形成されている。また、第1重錘体突出部91Bの対向する第1橋梁支持部30Dの側の外縁93Bは、第1橋梁支持部30Dの側縁33Dに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Bの側の外縁93Bは、第1橋梁支持部30Bの側縁33Bに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Bと第1橋梁支持部30Cとの間に、1つの第1重錘体突出部91Cが配置されている。第1重錘体突出部91Cは、2つの第1橋梁支持部30Bおよび30Cと台座10とによって囲まれている。第1重錘体突出部91Cの台座10の側の外縁92Cは、台座10の内縁13に沿って形成されている。また、第1重錘体突出部91Cの対向する第1橋梁支持部30Bの側の外縁93Cは、第1橋梁支持部30Bの側縁33Bに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Cの側の外縁93Cは、第1橋梁支持部30Cの側縁33Cに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Cと第1橋梁支持部30Aとの間に、1つの第1重錘体突出部91Dが配置されている。第1重錘体突出部91Dは、2つの第1橋梁支持部30Aおよび30Cと台座10とによって囲まれている。第1重錘体突出部91Dの台座10の側の外縁92Dは、台座10の内縁13に沿って形成されている。また、第1重錘体突出部91Dの対向する第1橋梁支持部30Cの側の外縁93Dは、第1橋梁支持部30Cの側縁33Cに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Aの側の外縁93Dは、第1橋梁支持部30Aの側縁33Aに沿って形成されている。
図17に示すように、第1重錘体中心部90の下面は、台座10の下面よりも上方に位置付けられている。第1重錘体突出部91A〜91Dの下面は、第1重錘体中心部90の下面と面一になっている。このようにして、第1重錘体21は、上述した底板74(図7など参照)に当接するまで下方に変位可能になっている。
このように本実施の形態によれば、振動体20の第1重錘体21は、第1重錘体中心部90と、第1重錘体中心部90に連結された複数の第1重錘体突出部91A〜91Dと、を含んでいる。このことにより、第1重錘体21の平面面積を増大させて、第1重錘体21の質量を増加させることができ、振動加速度が加えられた場合における第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力を増大させることができる。このため、圧電素子40の上部電極層E11〜E44から発生させる電荷を増大させることができ、3軸発電の発電効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体突出部91A〜91Dは、平面視で第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間に配置されている。このことにより、第1重錘体21の平面面積を増大させながらも、第1橋梁支持部30A〜30Dの第1重錘体中心部90の側の端部32A〜32Dを、台座10の側の端部31A〜31Dから遠ざけることができる。このため、第1重錘体21の質量を増加させつつ、第1橋梁支持部30A〜30Dの長さを長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体突出部91A〜91Dの台座10の側の外縁92A〜92Dは、台座10の内縁13に沿って形成され、第1重錘体突出部91A〜91Dの対向する第1橋梁支持部30A〜30Dの側の外縁93A〜93Dは、当該第1橋梁支持部30A〜30Dの側縁33A〜33Dに沿って形成されている。このことにより、第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間の空間における第1重錘体突出部91A〜91Dの占有率を大きくすることができる。このため、第1重錘体突出部91A〜91Dの質量を効果的に増加させることができ、第1重錘体21の質量をより一層増加させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1橋梁支持部30Aおよび30Bの第1延在軸線が、中心軸線LXになっているとともに、第1橋梁支持部30Cおよび30Dの第1延在軸線が、中心軸線LYになっている例について説明した。しかしながら、第1橋梁支持部30A〜30Dの平面形状は、これに限られることはなく、例えば、図18に示すような平面形状にしてもよい。図18は、図16に示す発電素子1の変形例を示す平面図である。
図18に示す変形例においては、第1橋梁支持部30Aが、X軸方向(第1延在軸線に沿う方向)に延びる第1方向部分30A1と、第1方向部分30A1よりも台座10の側に設けられた第2方向部分30A2と、を有している。このうち第2方向部分30A2は、第1延在軸線とは異なる方向に延びている。図18に示す変形例においては、第2方向部分30A2が延びる方向は、第1延在軸線に垂直であるY軸方向となっており、第1橋梁支持部30Aの平面形状が、L字状になっている。同様に、第1橋梁支持部30Bも、第1方向部分30B1と第2方向部分30B2とを有しており、第1橋梁支持部30Bの平面形状もL字状になっている。図18に示す変形例によれば、第1橋梁支持部30Aおよび30Bの長さを長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、図18に示す変形例においては、第1橋梁支持部30Cが、Y軸方向(第1延在軸線に沿う方向)に延びる第1方向部分30C1と、第1延在軸線とは異なる方向に延びる第2方向部分30C2と、を有している。このうち第2方向部分30C2が延びる方向は、第1延在軸線に垂直であるX軸方向となっており、第1橋梁支持部30Cの平面形状が、T字状になっている。このため、第2方向部分30C2の両端部が、第1橋梁支持部30Cの台座10の側の端部31C(図2参照)となって台座10に連結されている。第1方向部分30C1は、第2方向部分30C2の中間位置またはその近傍に連結されている。同様に、第1橋梁支持部30Dも、第1方向部分30D1と第2方向部分30D2とを有しており、第1橋梁支持部30Dの平面形状もT字状になっている。図18に示す変形例によれば、第1橋梁支持部30Cおよび30Dの長さを長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、第1橋梁支持部30A〜30Dの平面形状は、例えば、図19に示すような平面形状にしてもよい。図19は、図16に示す発電素子1の他の変形例を示す平面図である。
図19に示す変形例においては、第1橋梁支持部30Aが、第1延在軸線に垂直な方向において互いに異なる位置に配置された振動体側部分35、中間部分36および台座側部分37を有している。振動体側部分35は、振動体20の第1重錘体21に連結された部分であって、図2に示すX軸正側の端部32Aを含む部分である。台座側部分37は、台座10に連結された部分であって、図2に示すX軸負側の端部31Aを含む部分である。中間部分36は、振動体側部分35と台座側部分37との間に配置されている。振動体側部分35、中間部分36および台座側部分37は、第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線に沿って(X軸方向)に延びており、この順番でY軸正側に向かって配置されて、互いに平行になっている。
振動体側部分35の台座10の側の端部35a(図19における左側端部)と、中間部分36の前記第1重錘体21の側の端部36a(図19における左側端部)とが、第1連結部分38によって連結されている。中間部分36の台座10の側の端部36b(図19における右側端部)と、台座側部分37の振動体20の側の端部37a(図19における右側端部)とが、第2連結部分39によって連結されている。なお、第1重錘体21の側という用語、および台座10の側という用語は、平面形状として見た場合の方向を意味しているのではなく、連結されている方向を意味するものとして用いている。
第1連結部分38および第2連結部分39は、第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線とは異なる方向に延びている。図19に示す変形例においては、第1連結部分38および第2連結部分39は、第1延在軸線に垂直な方向(Y軸方向)に延びている。
第1橋梁支持部30B〜30Dも、第1橋梁支持部30Aと同様に形成されているため、ここでは詳細な説明は省略する。
図19に示す変形例によれば、第1橋梁支持部30A〜30Dの長さを長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、上述した本実施の形態においては、振動体20の第1重錘体21が、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって台座10に支持されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図20に示すように、第1重錘体21は、3つの第1橋梁支持部30E〜30Gによって台座10に支持されるようにしてもよい。図20は、図16に示す発電素子1の他の変形例を示す平面図である。
図20に示す変形例においても、平面視で互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30E〜30Gの第1延在軸線は、所定の角度(図20に示すθ2)をなしている。このようにして、各第1橋梁支持部30E〜30Gの第1延在軸線は、互いに異なる方向に延びている。また、3つの第1橋梁支持部30E〜30Gの第1延在軸線は、平面視で第1重錘体21に対して放射状に配置されており、第1橋梁支持部30E〜30Gは、第1重錘体21を中心としたときの周方向において均等に配置されている。図20においては、第1橋梁支持部30Eの第1延在軸線が、LEで示されており、第1橋梁支持部30Fの第1延在軸線が、LFで示されている。第1橋梁支持部30Gの第1延在軸線は、中心軸線LYになっている。
より詳細には、図20に示す変形例では、平面視において、第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30E〜30Gの第1延在軸線がなす角度(θ2)は、等しくなっており、いずれも120°となっている。なお、互いに隣り合う第1橋梁支持部30E〜30Gの第1延在軸線がなす角度は、等しいことに限られることはない。例えば、当該角度は、120°ではなく、110°〜130°であってもよい。この場合においても、3つの第1橋梁支持部30E〜30Gの第1延在軸線は、平面視で第1重錘体21に対して放射状に配置されているとみなすことができる。
また、第1重錘体中心部90の平面形状は、略三角形状になっている。この第1重錘体中心部90には3つの第1重錘体突出部91E〜91Gが連結されている。
図20に示す変形例においても、XY平面においていずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、3つの第1橋梁支持部30E〜30Gの第1延在軸線の全てが、当該振動加速度の方向に対して垂直になることを回避できる。このため、第1橋梁支持部30E〜30Gのうちの少なくとも1つの第1橋梁支持部に比較的大きな曲げ応力を発生させることができる。従って、上部電極層で発生する電荷を増大させることができる。この結果、第1重錘体21の変位によって第1橋梁支持部30E〜30Gに発生した応力から、各上部電極層で効率良く電荷を発生させることができ、3軸発電を効率良く行うことができる。
さらに、図18〜図20に示す変形例においては、第1重錘体21が、第1重錘体突出部91A〜91D、91E〜91Gを含んでいる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1重錘体21は、第1重錘体突出部91A〜91D、91E〜91Gを含んでいなくてもよい。すなわち、図18〜図20に示す第1橋梁支持部の形状を、第1の実施の形態における図2に示す発電素子1に適用してもよい。
(第3の実施の形態)
次に、図21および図22を用いて、本発明の第3の実施の形態における発電素子について説明する。
図21および図22に示す第3の実施の形態においては、第1重錘体の下面に、第1追加重錘体が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1〜図15に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図21および図22において、図1〜図15に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図21に、本発明の第3の実施の形態における発電素子の平面図を示す。図22に、図21のC−C線断面を示す。なお、図21は、図22のD−D線から見た平面図に相当する。図21においては、図面を明瞭にするために、圧電素子40の上部電極層の図示を省略している。図21においても、各第1橋梁支持部30A〜30Dには、図2に示すように4つの上部電極層E11〜E44が設けられるようにしてもよく、または図12〜図14に示すように2つの上部電極層E1、E2が設けられるようにしてもよい。更に言えば上部電極層は1つでもよい。
本実施の形態においては、図21および図22に示すように、第1重錘体21の下面(第1重錘体支持部22の側とは反対側)に、第1追加重錘体100が設けられている。これにより、第1橋梁支持部30A〜30Dの先端部に、第1重錘体21と第1追加重錘体100とが連結されることになり、第1橋梁支持部30A〜30Dに連結された振動体20の質量が増加している。また、第1追加重錘体100が設けられていない場合(図1〜図3参照)の第1重錘体21の重心位置よりも、第1重錘体21および第1追加重錘体100の合成重心位置(第1重錘体21と第1追加重錘体100とで構成される振動体20の重心位置)が下がっている。
図22に示すように、第1追加重錘体100は、第1重錘体21の変位を規制する第1ストッパー部101を有している。この第1ストッパー部101は、第1重錘体21が上方(第1重錘体支持部22の側、Z軸正側)へ変位した場合に、台座10の第1座部111(後述)に当接可能になっている。第1追加重錘体100は、平面視で、第1重錘体21よりも台座10に向かって外側に延びるように形成されており、第1ストッパー部101は、第1追加重錘体100の外周側部に形成されている。より具体的には、第1追加重錘体100は、第1重錘体21に接合された第1本体部102と、第1本体部102よりも外周側に配置された第1ストッパー部101と、を有している。
台座10の下面には、追加台座110が設けられている。追加台座110は、平面視で矩形枠状に形成されており、その内側に第1追加重錘体100が配置されるように形成されている。これにより、追加台座110は、第1追加重錘体100の第1ストッパー部101に対向している。第1追加重錘体100の下面は、追加台座110の下面よりも上方に位置付けられている。
台座10の下面には、第1ストッパー部101が当接する第1座部111が設けられている。この第1座部111は、平面視で、台座10の内周側部に形成されている。追加台座110の内面は、第1座部111を下方に露出させるように、台座10の内面よりも外側に後退している。
追加台座110の内面には、第1ストッパー部101が当接可能な第2座部112が設けられている。この第2座部112には、第1重錘体21がXY平面(各第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線を含む平面)に沿う方向で変位した場合に第1ストッパー部101が当接する。
上述した底板74は、追加台座110を介して台座10に連結されている。これにより、第1重錘体21および第1追加重錘体100は、底板74に当接するまで、下方に変位可能になっている。底板74は、第1重錘体21が下方へ変位した場合に第1ストッパー部101が当接可能な第3座部113を含んでいる。この第3座部113は、図7に示す底板対向面75と複数の底板側突起部76とによって構成されている。本実施の形態では、底板対向面75は、第1追加重錘体100に対向している。底板側突起部76には、第1重錘体21が下方へ変位した場合に第1追加重錘体100が当接可能になっている。
一方、図22に示すように、本実施の形態においては、図7と同様な天板71が設けられていてもよい。この天板71は、第1重錘体支持部22に対向した天板対向面72と複数の天板側突起部73とを含んでいる。第1重錘体21がニュートラル位置にあるときには、第1重錘体支持部22は、天板側突起部73に所定の距離d1を隔てて離間している。なお、上述したように、第1追加重錘体100が、第1重錘体21の変位を規制する第1ストッパー部101を有している場合には、図22に示す天板71は設けられていなくてもよい。
第1ストッパー部101の上面101Uは、第1本体部102の上面102Uよりも下方に位置付けられている。例えば、第1追加重錘体100を製造する際に、エッチングや機械加工などによって、第1追加重錘体100の上面を部分的に除去することにより、このような第1ストッパー部101の上面101Uを形成することができる。このようにして、第1ストッパー部101は、第1重錘体21がニュートラル位置にあるときに、台座10の第1座部111に所定の距離d3を隔てて離間している。このことにより、第1重錘体21は、第1ストッパー部101が第1座部111に当接するまで上方へ変位可能になっている。この距離d3は、距離d1と等しくてもよく、または距離d1よりも小さくてもよい。このことにより、第1ストッパー部101が、第1重錘体21の上方への変位のストッパーとして機能することができる。なお、第1重錘体21の下面は、台座10の下面と面一になっている。
第1追加重錘体100は、第1重錘体21と同一の材料(シリコン)により第1重錘体21とは別個に作製されていてもよい。この場合、第1追加重錘体100は、第1重錘体21の下面に、直接接合技術を用いて接合してもよい。あるいは、第1追加重錘体100がガラスや金属で作製されていてもよい。この場合、シリコンで作製された第1重錘体21の下面に、陽極接合技術を用いて接合してもよい。追加台座110についても同様にして、台座10の下面に接合することができる。第1追加重錘体100の厚みは、例えば1mm〜2mmである。
このように本実施の形態によれば、第1重錘体21の下面に第1追加重錘体100が設けられている。このことにより、第1追加重錘体100が設けられていない場合の第1重錘体21の重心位置よりも、第1重錘体21および第1追加重錘体100の合成重心位置を下げることができる。このため、X軸方向およびY軸方向への振動加速度がそれぞれ加えられた場合における各第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力を増大させることができる。また、各第1橋梁支持部30A〜30Dに連結された重錘体(第1重錘体21と第1追加重錘体100)の質量を増加させることができ、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向への振動加速度がそれぞれ加えられた場合における各第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力を増大させることができる。この結果、圧電素子40から発生させる電荷を増大させることができ、3軸発電の発電効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1追加重錘体100が、台座10の第1座部111に当接可能に設けられた第1ストッパー部101を有している。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第1重錘体21の上方への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21がXY平面に沿う方向で変位した場合に、第1ストッパー部101が、追加台座110に設けられた第2座部112に当接する。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第1重錘体21のXY平面に沿う方向への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21が下方へ変位した場合に、第1追加重錘体100が、底板74に設けられた第3座部113に当接する。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第1重錘体21の下方への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第3座部113が底板側突起部76を含んでいるため、第1追加重錘体100が底板側突起部76に当接した場合であっても第1追加重錘体100と底板対向面75との間にギャップを確保することができる。このため、第1追加重錘体100と底板対向面75との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第1追加重錘体100の振動が抑制されることを防止できる。このため、発電素子1の発電効率が低下することを防止できる。
(第4の実施の形態)
次に、図23〜図25を用いて、本発明の第4の実施の形態における発電素子について説明する。
図23〜図25に示す第4の実施の形態においては、振動体が、第1重錘体と、第2重錘体と、第1重錘体と第2重錘体とを連結した第2橋梁支持部と、を有している点が主に異なり、他の構成は、図1〜図15に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図23〜図25において、図1〜図15に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図23に、本発明の第4の実施の形態における発電素子の平面図を示す。図24に、図23のE−E線断面を示す。
本実施の形態においては、図23に示すように、振動体20は、第1重錘体21と、第2重錘体121と、第1重錘体21と第2重錘体121とを連結した第2橋梁支持部130A〜130Dと、を有している。このうち、第2重錘体121は、平面視において矩形枠状に形成されており、第2重錘体121の内側に第1重錘体21が配置されている。第1重錘体21と第2重錘体121とは、互いに離間している。第1橋梁支持部30A〜30Dは、第2重錘体121と台座10とを連結している。
第1重錘体21と第2重錘体121は、第1橋梁支持部30A〜30Dと同数の第2橋梁支持部130A〜130Dによって連結されている。すなわち、本実施の形態では、第1重錘体21と第2重錘体121は、4つの第2橋梁支持部130A〜130Dによって連結されている。第2橋梁支持部130A〜130Dは、第2延在軸線をそれぞれ有しており、第1重錘体21から第2重錘体121に向かって(または第2重錘体121から第1重錘体21に向かって)、対応する第2延在軸線に沿って延びている。本実施の形態では、第2橋梁支持部130A〜130Dは、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dに沿って整列されており、第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線は、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線に沿っている。すなわち、第2橋梁支持部130Aおよび130Bの第2延在軸線は、中心軸線LXであり、第2橋梁支持部130Cおよび130Dの第2延在軸線は、中心軸線LYになっている。なお、図23に示す形態では、第2橋梁支持部130A〜130Dが第1重錘体21から第2重錘体121に向かって細長状に延びており、第2延在軸線が、第2橋梁支持部130A〜130Dの長手方向に延びている。しかしながら、第2橋梁支持部130A〜130Dは、幅広に形成されていてもよい。この場合には、第2延在軸線は、第2橋梁支持部130A〜130Dに垂直な方向に延びるようになる。
このようにして、4つの第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線は、平面視で第1重錘体21に対して放射状に配置されている。そして、第1重錘体21を中心としたときの周方向(中心Oに対する周方向)において、互いに隣り合う一対の第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線がなす角度は等しくなっている。
より具体的には、第2橋梁支持部130Aの第2延在軸線は、第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線に沿っており、第2橋梁支持部130Bの第2延在軸線は、第1橋梁支持部30Bの第1延在軸線に沿っている。このため、第1橋梁支持部30Aおよび30B並びに第2橋梁支持部130Aおよび130Bは、平面視において、第1重錘体21のX軸方向に延びる中心軸線LX上に配置されている。第2橋梁支持部130Aは、第1重錘体21に対してX軸負側に配置されており、第2橋梁支持部130Bは、第1重錘体21に対してX軸正側に配置されている。このため、第2橋梁支持部130Aおよび130Bは、平面視で中心軸線LYに関して対称に形成されている。
また、第2橋梁支持部130Cの第2延在軸線は、第1橋梁支持部30Cの第1延在軸線に沿っており、第2橋梁支持部130Dの第2延在軸線は、第1橋梁支持部30Dの第1延在軸線に沿っている。このため、第1橋梁支持部30Cおよび30D並びに第2橋梁支持部130Cおよび130Dは、平面視において、第1重錘体21のY軸方向に延びる中心軸線LY上に配置されている。第2橋梁支持部130Cは、第1重錘体21に対してY軸正側に配置されており、第2橋梁支持部130Dは、第1重錘体21に対してY軸負側に配置されている。このため、第2橋梁支持部130Cおよび130Dは、平面視で中心軸線LXに関して対称に形成されている。
このようにして、本実施の形態による第2橋梁支持部130A〜130Dは、平面視において、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、中心軸線LYに関して対称に形成されている。これにより、4つの第2橋梁支持部130A〜130Dが、十字状をなすように配置されている。このため、本実施の形態による発電素子1は、X軸方向およびY軸方向の各々において両持ち梁構造を有している。
本実施の形態では、第2重錘体121に、第1橋梁支持部30AのX軸正側の端部32A、第1橋梁支持部30BのX軸負側の端部32B、第1橋梁支持部30CのY軸負側の端部32C、および第1橋梁支持部30DのY軸正側の端部32Dが、それぞれ連結されている。
本実施の形態による振動体20は、図23および図24に示すように、第2重錘体121の上面(Z軸正側の面)に設けられた第2重錘体支持部122を更に有している。第2重錘体支持部122は、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dから第2重錘体121の上面に延びており、これらの橋梁支持部30A〜30Dおよび130A〜130Dに連続して一体に形成されている。第2重錘体支持部122は、第2重錘体121の上面の全体に形成されており、第2重錘体121は、第2重錘体支持部122の下面(Z軸負側の面)に接合されて、第2重錘体支持部122に支持されている。このような構成により、第2重錘体121は、第2重錘体支持部122を介して、第1橋梁支持部30AのX軸正側の端部32A、第1橋梁支持部30BのX軸負側の端部32B、第1橋梁支持部30CのY軸負側の端部32Cおよび第1橋梁支持部30DのY軸正側の端部32Dに連結されている。このようにして、第2重錘体121は、第2重錘体支持部122を介して各第1橋梁支持部30A〜30Dに支持されている。
また、第2橋梁支持部130AのX軸負側の端部131Aは、第2重錘体121に連結され、X軸正側の端部132Aは、第1重錘体21に連結されている。第2橋梁支持部130BのX軸正側の端部131Bは、第2重錘体121に連結され、X軸負側の端部132Bは、第1重錘体21に連結されている。第2橋梁支持部130CのY軸正側の端部131Cは、第2重錘体121に連結され、Y軸負側の端部132Cは、第1重錘体21に連結されている。第2橋梁支持部130DのY軸負側の端部131Dは、第2重錘体121に連結され、Y軸正側の端部132Dは、第1重錘体21に連結されている。
第1重錘体21の上面に設けられた第1重錘体支持部22は、第2橋梁支持部130A〜130Dから第1重錘体21の上面に延びており、第2橋梁支持部130A〜130Dに連続して一体に形成されている。第1重錘体21は、第1重錘体支持部22を介して、第2橋梁支持部130AのX軸正側の端部132A、第2橋梁支持部130BのX軸負側の端部132B、第2橋梁支持部130CのY軸負側の端部132Cおよび第2橋梁支持部130DのY軸正側の端部132Dに連結されている。このようにして、第1重錘体21は、第1重錘体支持部22、第2橋梁支持部130A〜130Dおよび第2重錘体支持部122を介して、各第1橋梁支持部30A〜30Dに支持されている。
図24に示すように、第1重錘体21の下面および第2重錘体121の下面はそれぞれ、台座10の下面よりも上方に位置付けられている。第1重錘体21および第2重錘体121は、図25に示すように、底板74に当接するまで、Z軸負側(下方)に変位可能になっている。第1重錘体21の下面と第2重錘体121の下面は面一になっている。
図23においては、圧電素子40の上部電極層の図示を省略している。図23においても、各第1橋梁支持部30A〜30Dには、図2に示すように4つの上部電極層E11〜E44が設けられるようにしてもよく、または図12〜図14に示すように2つの上部電極層E1、E2が設けられるようにしてもよい。更に言えば、上部電極層は1つでもよい。
また、図示しないが、各第2橋梁支持部130A〜130Dにも、第1橋梁支持部30A〜30D上に設けられた上部電極層と同様に、4つの上部電極層が設けられるようにしてもよく、または図12〜図14に示すように2つの上部電極層E1、E2が設けられるようにしてもよい。更に言えば、上部電極層は1つでもよい。第2橋梁支持部130A〜130Dに設けられる上部電極層は、各第2橋梁支持部130A〜130Dのうち第1重錘体21および第2重錘体121の変位時に応力が発生する領域(第2橋梁支持部130A〜130D自体が変形する領域)に配置されていることが好適である。第2橋梁支持部130A〜130D上の上部電極層も電気的に互いに独立している。
本実施の形態による発電回路60は、図6に示す発電回路60と同様に構成することができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
図25に、筐体70を備えた図23の発電素子1の断面図を示す。天板71は、第1重錘体支持部22に対向した平坦状の第1天板対向面140と、第2重錘体支持部122に対向した平坦状の第2天板対向面141と、を含んでいる。第1天板対向面140は、第2天板対向面141よりも上方に位置づけられている。第1天板対向面140には、複数の第1天板側突起部142が設けられている。この第1天板側突起部142には、第1重錘体21が上方へ変位した場合に第1重錘体支持部22を介して当接可能になっている。第2天板対向面141には、複数の第2天板側突起部143が設けられている。この第2天板側突起部143には、第2重錘体121が上方へ変位した場合に第2重錘体支持部122を介して当接可能になっている。
振動体20がニュートラル位置にあるときには、第1重錘体支持部22は、第1天板側突起部142に所定の距離d4を隔てて離間しており、第1重錘体21は、天板71に当接するまで上方へ変位可能になっている。また、第2重錘体支持部122は、第2天板側突起部143に所定の距離d5を隔てて離間しており、第2重錘体121は、天板71に当接するまで上方へ変位可能になっている。振動体20がニュートラル位置にあるときには、第1重錘体支持部22と第1天板側突起部142との間の距離d4は、第2重錘体支持部122と第2天板側突起部143との間の距離d5よりも大きくなっている。図25に示す形態では、第1天板側突起部142の高さと第2天板側突起部143の高さとが等しくなっており、第1天板対向面140と第1重錘体支持部22との間の距離が、第2天板対向面141と第2重錘体支持部122との間の距離よりも大きくなっている。
底板74は、第1重錘体21に対向した平坦状の第1底板対向面144と、第2重錘体121に対向した平坦状の第2底板対向面145と、を含んでいる。第1底板対向面144は、第2底板対向面145よりも下方に位置づけられている。第1底板対向面144には、複数の第1底板側突起部146が設けられている。この第1底板側突起部146には、第1重錘体21が下方へ変位した場合に第1重錘体21が当接可能になっている。第2底板対向面145には、複数の第2底板側突起部147が設けられている。この第2底板側突起部147には、第2重錘体121が下方へ変位した場合に第2重錘体121が当接可能になっている。
振動体20がニュートラル位置にあるときには、第1重錘体21は、第1底板側突起部146に所定の距離d6を隔てて離間しており、第1重錘体21は、第1底板側突起部146に当接するまで下方へ変位可能になっている。また、第2重錘体121は、第2底板側突起部147に所定の距離d7を隔てて離間しており、第2重錘体121は、第2底板側突起部147に当接するまで下方へ変位可能になっている。振動体20がニュートラル位置にあるときには、第1重錘体21と第1底板側突起部146との間の距離d6は、第2重錘体121と第2底板側突起部147との間の距離d7よりも大きくなっている。図25に示す形態では、第1底板側突起部146の高さと第2底板側突起部147の高さとが等しくなっており、第1底板対向面144と第1重錘体21との間の距離が、第2底板対向面145と第2重錘体121との間の距離よりも大きくなっている。
ところで、振動エネルギーを電気エネルギーに変換することにより発電を行う発電素子においては、その構造に応じて固有の共振周波数が定められており、外部振動の周波数がこの共振周波数である場合、または共振周波数に近い値である場合に、重錘体を効率良く振動させることができる。しかしながら、外部振動の周波数がこの共振周波数から離れた値である場合には、振動体20を十分に振動させることが困難になるという問題がある。
これに対して、本実施の形態による発電素子1の振動体20は、第1重錘体21と第2重錘体121とを有しているため、この発電素子1は、共振系Iと共振系IIとを含む合成振動系を構成している。このうち共振系Iは、主として第1重錘体21と第2橋梁支持部130A〜130Dとに基づいて規定される共振系であり、固有の共振周波数Iを有している。共振系IIは、主として第2重錘体121と第1橋梁支持部30A〜30Dとに基づいて規定される共振系であり、共振周波数Iとは異なる固有の共振周波数IIを有している。共振周波数Iと共振周波数IIとを異ならせる場合には、例えば、第1重錘体21の質量と第2重錘体121の質量を異ならせてもよく、または第1橋梁支持部30A〜30Dのバネ定数と第2橋梁支持部130A〜130Dのバネ定数(より詳細には、幅、厚み、弾性率)を異ならせてもよく、質量とバネ定数の両者を異ならせるようにしてもよい。
このような共振系Iと共振系IIとを含む合成振動系を構成することにより、発電可能な振動の周波数帯域を広げることができる。この場合、各共振系の固有の共振周波数を調整することにより、発電可能な周波数帯域を広げたり、狭めたりすることが可能になる。
このように本実施の形態によれば、振動体20は、第1重錘体21と、第2重錘体121と、第1重錘体21と第2重錘体121とを連結した第2橋梁支持部130A〜130Dと、を有している。このことにより、第1重錘体21および第2橋梁支持部130A〜130Dに基づいて規定される共振系Iと、第2重錘体121および第1橋梁支持部30A〜30Dに基づいて規定される共振系IIと、を含む合成振動系の発電素子1を得ることができる。このため、発電可能な振動の周波数帯域を広げることができ、様々な利用環境において効率良い発電を行うことができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第1重錘体21と第2橋梁支持部130A〜130Dとに基づいて規定される共振系Iの共振周波数と、第2重錘体121と第1橋梁支持部30A〜30Dとに基づいて規定される共振系IIの共振周波数とが異なっている。このことにより、発電可能な振動の周波数帯域をより一層広げることができる。
また、本実施の形態によれば、天板71の第1天板対向面140に、第1重錘体21が上方へ変位した場合に当接可能な複数の第1天板側突起部142が設けられている。このことにより、第1重錘体支持部22が第1天板側突起部142に当接した場合であっても第1重錘体支持部22と第1天板対向面140との間にギャップを確保することができる。このため、第1重錘体支持部22と第1天板対向面140との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第1重錘体21の振動が抑制されることを防止できる。また、天板71の第2天板対向面141に、第2重錘体121が上方へ変位した場合に当接可能な複数の第2天板側突起部143が設けられている。このことにより、第2重錘体支持部122が第2天板側突起部143に当接した場合であっても第2重錘体支持部122と第2天板対向面141との間にギャップを確保することができる。このため、第2重錘体支持部122と第2天板対向面141との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第2重錘体121の振動が抑制されることを防止できる。この結果、発電素子1の発電効率が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、振動体20がニュートラル位置にあるときに、第1重錘体支持部22と第1天板側突起部142との間の距離d4が、第2重錘体支持部122と第2天板側突起部143との間の距離d5よりも大きくなっている。このことにより、第2重錘体121よりも変位が大きくなり得る第1重錘体21の変位が制限されることを防止でき、より広い加速度範囲で第1重錘体21が天板71に当接することを回避できる。このため、第1重錘体21が受けた力が天板71に逃げることを抑制し、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dに発生する応力を増大させることができる。この結果、第1重錘体21に与えられる振動エネルギーを効率良く電気エネルギーに変換させることができ、圧電素子40から発生する電荷を増大させることができる。
また、本実施の形態によれば、底板74の第1底板対向面144に、第1重錘体21が下方へ変位した場合に当接可能な複数の第1底板側突起部146が設けられている。このことにより、第1重錘体21が第1底板側突起部146に当接した場合であっても第1重錘体21と第1底板対向面144との間にギャップを確保することができる。このため、第1重錘体21と第1底板対向面144との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第1重錘体21の振動が抑制されることを防止できる。また、底板74の第2底板対向面145に、第2重錘体121が下方へ変位した場合に当接可能な複数の第2底板側突起部147が設けられている。このことにより、第2重錘体121が第2底板側突起部147に当接した場合であっても第2重錘体121と第2底板対向面145との間にギャップを確保することができる。このため、第2重錘体121と第2底板対向面145との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第2重錘体121の振動が抑制されることを防止できる。この結果、発電素子1の発電効率が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、振動体20がニュートラル位置にあるときに、第1重錘体21と第1底板側突起部146との間の距離d6が、第2重錘体121と第2底板側突起部147との間の距離d7よりも大きくなっている。このことにより、第2重錘体121よりも変位が大きくなり得る第1重錘体21の変位が制限されることを防止でき、より広い加速度範囲で第1重錘体21が底板74に当接することを回避できる。このため、第1重錘体21が受けた力が底板74に逃げることを抑制し、第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力を増大させることができる。この結果、第1重錘体21に与えられる振動エネルギーを効率良く電気エネルギーに変換させることができ、圧電素子40から発生する電荷を増大させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1天板対向面140に第1天板側突起部142が設けられるとともに、第2天板対向面141に第2天板側突起部143が設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1天板側突起部142および第2天板側突起部143の一方は、設けられていなくてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、第1底板対向面144に第1底板側突起部146が設けられるとともに、第2底板対向面145に第2底板側突起部147が設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1底板側突起部146および第2底板側突起部147の一方は、設けられていなくてもよい。
(第5の実施の形態)
次に、図26を用いて、本発明の第5の実施の形態における発電素子について説明する。
図26に示す第5の実施の形態においては、振動体の第1重錘体が、第1重錘体中心部と、第1重錘体中心部に連結された第1重錘体突出部と、を含むとともに、第2重錘体が、第2重錘体枠体部と、第2重錘体枠体部に連結された第2重錘体突出部と、を含んでいる点が主に異なり、他の構成は、図23〜図25に示す第4の実施の形態と略同一である。なお、図26において、図23〜図25に示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図26に、本発明の第5の実施の形態における発電素子の平面図を示す。なお、図26においては、図面を簡略化するために圧電素子40の図示は省略するが、第4の実施の形態と同様にして圧電素子40を構成してもよい。
本実施の形態においては、図26に示すように、第1重錘体21は、図16に示す第2の実施の形態と同様に、第1重錘体中心部90と、第1重錘体中心部90に連結された複数の第1重錘体突出部91A〜91Dと、を含んでいる。このうち第1重錘体突出部91A〜91Dは、第1重錘体中心部90から第2重錘体121に向かって突出している。本実施の形態では、第1重錘体中心部90は、平面視で矩形状(または正方形状)に形成されており、第1重錘体突出部91A〜91Dは、第1重錘体中心部90の角部から膨出するように形成されている。第1重錘体突出部91A〜91Dも、平面視で矩形状(または正方形状)に形成されている。このことにより、第1重錘体21の平面形状は、全体として、クローバー形状になっている。第1重錘体中心部90と第1重錘体突出部91A〜91Dは、連続して一体に形成されている。第1重錘体支持部22は、第1重錘体中心部90の上面の全体および各第1重錘体突出部91A〜91Dの上面の全体に、一体に形成されて接合されている。
第1重錘体突出部91A〜91Dは、平面視で第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向(中心Oに対する周方向)において、互いに隣り合う第2橋梁支持部130A〜130Dの間に配置されている。言い換えると、周方向に隣り合う第1重錘体突出部91A〜91Dの間に、第2橋梁支持部130A〜130Dの第1重錘体中心部90の側の端部132A〜132D(図23参照)を引き込む引込凹部95A〜95Dが設けられている。この引込凹部95A〜95Dは、第1重錘体21の外縁から内周側に凹むように形成されている。そして、引込凹部95A〜95Dは、対応する第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線に沿うように延びるように形成されている。図26に示す例では、引込凹部95A〜95Dは、対応する第2橋梁支持部130A〜130Dの端部132A〜132Dを含む多くの部分を引き込んでいる。その結果、第2橋梁支持部130A〜130Dは、周方向に隣り合う第1重錘体突出部91A〜91Dの間に配置されている。
第1重錘体突出部91A〜91Dの第2重錘体121の側の外縁92A〜92Dは、第2重錘体121の内縁123(第2重錘体開口部124を画定する内縁123)に沿って(または平行に)形成され、第1重錘体突出部91A〜91Dの対向する第2橋梁支持部130A〜130Dの側の外縁93A〜93Dは、当該第2橋梁支持部130A〜130Dの側縁133A〜133Dに沿って(または平行に)形成されている。
より具体的には、第2橋梁支持部130Aと第2橋梁支持部130Dとの間に、1つの第1重錘体突出部91Aが配置されている。第1重錘体突出部91Aは、2つの第2橋梁支持部130Aおよび130Dと第2重錘体121とによって囲まれている。第1重錘体突出部91Aの第2重錘体121の側の外縁92Aは、第2重錘体121の内縁123に沿って形成されている。また、第1重錘体突出部91Aの対向する第2橋梁支持部130Aの側の外縁93Aは、第2橋梁支持部130Aの側縁133Aに沿って形成され、対向する第2橋梁支持部130Dの側の外縁93Aは、第2橋梁支持部130Dの側縁133Dに沿って形成されている。
第2橋梁支持部130Dと第2橋梁支持部130Bとの間に、1つの第1重錘体突出部91Bが配置されている。第1重錘体突出部91Bは、2つの第2橋梁支持部130Bおよび130Dと第2重錘体121とによって囲まれている。第1重錘体突出部91Bの第2重錘体121の側の外縁92Bは、第2重錘体121の内縁123に沿って形成されている。また、第1重錘体突出部91Bの対向する第2橋梁支持部130Dの側の外縁93Bは、第2橋梁支持部130Dの側縁133Dに沿って形成され、対向する第2橋梁支持部130Bの側の外縁93Bは、第2橋梁支持部130Bの側縁133Bに沿って形成されている。
第2橋梁支持部130Bと第2橋梁支持部130Cとの間に、1つの第1重錘体突出部91Cが配置されている。第1重錘体突出部91Cは、2つの第2橋梁支持部130Bおよび130Cと第2重錘体121とによって囲まれている。当該第1重錘体突出部91Cの第2重錘体121の側の外縁92Cは、第2重錘体121の内縁123に沿って形成されている。また、第1重錘体突出部91Cの対向する第2橋梁支持部130Bの側の外縁93Cは、第2橋梁支持部130Bの側縁133Bに沿って形成され、対向する第2橋梁支持部130Cの側の外縁93Cは、第2橋梁支持部130Cの側縁133Cに沿って形成されている。
第2橋梁支持部130Cと第2橋梁支持部130Aとの間に、1つの第1重錘体突出部91Dが配置されている。第1重錘体突出部91Dは、2つの第2橋梁支持部130Aおよび130Cと第2重錘体121とによって囲まれている。第1重錘体突出部91Dの第2重錘体121の側の外縁92Dは、第2重錘体121の内縁123に沿って形成されている。また、第1重錘体突出部91Dの対向する第2橋梁支持部130Cの側の外縁93Dは、第2橋梁支持部130Cの側縁133Cに沿って形成され、対向する第2橋梁支持部130Aの側の外縁93Dは、第2橋梁支持部130Aの側縁133Aに沿って形成されている。
図示しないが、第1重錘体中心部90の下面は、台座10の下面よりも上方に位置付けられている。第1重錘体突出部91A〜91Dの下面は、第1重錘体中心部90の下面と面一になっている。このようにして、第1重錘体21は、上述した底板74に当接するまで下方に変位可能になっている。
また、図26に示すように、第2重錘体121は、第2重錘体枠体部150と、第2重錘体枠体部150に連結された複数の第2重錘体突出部151A〜151Dと、を含んでいる。第2重錘体突出部151A〜151Dは、第2重錘体枠体部150から台座10に向かって突出している。第2重錘体枠体部150は、平面視で矩形枠状に形成されており、第2重錘体突出部151A〜151Dは、第2重錘体枠体部150の角部から膨出するように形成されている。第2重錘体突出部151A〜151Dは、平面視で矩形状(または正方形状の一部をなすように)に形成されている。このことにより、第2重錘体121の平面形状は、全体として、第1重錘体21が内側に配置された第2重錘体開口部124を有するクローバー形状になっている。第2重錘体開口部124は、平面視で矩形状に形成されている。第2重錘体枠体部150と第2重錘体突出部151A〜151Dは、連続して一体に形成されている。第2重錘体支持部122は、第2重錘体枠体部150の上面の全体および各第2重錘体突出部151A〜151Dの上面の全体に、一体に形成されて接合されている。
第2重錘体突出部151A〜151Dは、平面視で第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間に配置されている。言い換えると、周方向に隣り合う第2重錘体突出部151A〜151Dの間に、第1橋梁支持部30A〜30Dの第1重錘体中心部90の側の端部32A〜32D(図23参照)を引き込む引込凹部125A〜125Dが設けられている。この引込凹部125A〜125Dは、第2重錘体121の外縁から内周側に凹むように形成されている。そして、引込凹部125A〜125Dは、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線に沿うように延びるように形成されている。図26に示す例では、引込凹部125A〜125Dは、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの端部32A〜32Dを含む多くの部分を引き込んでいる。その結果、第1橋梁支持部30A〜30Dは、周方向に隣り合う第2重錘体突出部151A〜151Dの間に配置されている。
第2重錘体突出部151A〜151Dの台座10の側の外縁152A〜152Dは、台座10の内縁13に沿って(または平行に)形成され、第2重錘体突出部151A〜151Dの対向する第1橋梁支持部30A〜30Dの側の外縁153A〜153Dは、当該第1橋梁支持部30A〜30Dの側縁33A〜33Dに沿って(または平行に)形成されている。
より具体的には、第1橋梁支持部30Aと第1橋梁支持部30Dとの間に、1つの第2重錘体突出部151Aが配置されている。第2重錘体突出部151Aは、2つの第1橋梁支持部30Aおよび30Dと台座10とによって囲まれている。当該第2重錘体突出部151Aの台座10の側の外縁152Aは、台座10の内縁13に沿って形成されている。また、第2重錘体突出部151Aの対向する第1橋梁支持部30Aの側の外縁153Aは、第1橋梁支持部30Aの側縁33Aに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Dの側の外縁153Aは、第1橋梁支持部30Dの側縁33Dに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Dと第1橋梁支持部30Bとの間に、1つの第2重錘体突出部151Bが配置されている。第2重錘体突出部151Bは、2つの第1橋梁支持部30Bおよび30Dと台座10とによって囲まれている。第2重錘体突出部151Bの台座10の側の外縁152Bは、台座10の内縁13に沿って形成されている。また、第2重錘体突出部151Bの対向する第1橋梁支持部30Dの側の外縁153Bは、第1橋梁支持部30Dの側縁33Dに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Bの側の外縁153Bは、第1橋梁支持部30Bの側縁33Bに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Bと第1橋梁支持部30Cとの間に、1つの第2重錘体突出部151Cが配置されている。第2重錘体突出部151Cは、2つの第1橋梁支持部30Bおよび30Cと台座10とによって囲まれている。第2重錘体突出部151Cの台座10の側の外縁152Cは、台座10の内縁13に沿って形成されている。また、第2重錘体突出部151Cの対向する第1橋梁支持部30Bの側の外縁153Cは、第1橋梁支持部30Bの側縁33Bに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Cの側の外縁153Cは、第1橋梁支持部30Cの側縁33Cに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Cと第1橋梁支持部30Aとの間に、1つの第2重錘体突出部151Dが配置されている。第2重錘体突出部151Dは、2つの第1橋梁支持部30Aおよび30Cと台座10とによって囲まれている。第2重錘体突出部151Dの台座10の側の外縁152Dは、台座10の内縁13に沿って形成されている。また、第2重錘体突出部151Dの対向する第1橋梁支持部30Cの側の外縁153Dは、第1橋梁支持部30Cの側縁33Cに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Aの側の外縁153Dは、第1橋梁支持部30Aの側縁33Aに沿って形成されている。
図示しないが、第2重錘体枠体部150の下面は、台座10の下面よりも上方に位置付けられている。第2重錘体突出部151A〜151Dの下面は、第2重錘体枠体部150の下面と面一になっている。このようにして、第2重錘体121は、上述した底板74に当接するまで下方に変位可能になっている。第1重錘体21の下面と第2重錘体121の下面も面一になっていてもよい。
このように本実施の形態によれば、第1重錘体21が、第1重錘体中心部90と、第1重錘体中心部90に連結された複数の第1重錘体突出部91A〜91Dと、を含んでいる。このことにより、第1重錘体21の平面面積を増大させて、第1重錘体21の質量を増加させることができ、振動加速度が加えられた場合における第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dに発生する応力を増大させることができる。このため、圧電素子40の上部電極から発生させる電荷を増大させることができ、3軸発電の発電効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体突出部91A〜91Dは、平面視で第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第2橋梁支持部130A〜130Dの間に配置されている。このことにより、第1重錘体21の平面面積を増大させながらも、第2橋梁支持部130A〜130Dの第1重錘体中心部90の側の端部132A〜132Dを、台座10の側の端部131A〜131Dから遠ざけることができる。このため、第1重錘体21の質量を増加させつつ、第2橋梁支持部130A〜130Dの長さを長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体突出部91A〜91Dの第2重錘体121の側の外縁92A〜92Dは、第2重錘体121の内縁123に沿って形成され、第1重錘体突出部91A〜91Dの対向する第2橋梁支持部130A〜130Dの側の外縁93A〜93Dは、当該第2橋梁支持部130A〜130Dの側縁133A〜133Dに沿って形成されている。このことにより、第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第2橋梁支持部130A〜130Dの間の空間における第1重錘体突出部91A〜91Dの占有率を大きくすることができる。このため、第1重錘体突出部91A〜91Dの質量を効果的に増加させることができ、第1重錘体21の質量をより一層増加させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2重錘体121が、第2重錘体枠体部150と、第2重錘体枠体部150に連結された複数の第2重錘体突出部151A〜151Dと、を含んでいる。このことにより、第2重錘体121の平面面積を増大させて、第2重錘体121の質量を増加させることができ、振動加速度が加えられた場合における第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力を増大させることができる。このため、圧電素子40の上部電極層E11〜E44から発生させる電荷を増大させることができ、3軸発電の発電効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2重錘体突出部151A〜151Dは、平面視で第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間に配置されている。このことにより、第2重錘体121の平面面積を増大させながらも、第1橋梁支持部30A〜30Dの第1重錘体中心部90の側の端部32A〜32Dを、台座10の側の端部31A〜31Dから遠ざけることができる。このため、第2重錘体121の質量を増加させつつ、第1橋梁支持部30A〜30Dの長さを長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、第2重錘体突出部151A〜151Dの台座10の側の外縁152A〜152Dは、台座10の内縁13に沿って形成され、第2重錘体突出部151A〜151Dの対向する第1橋梁支持部30A〜30Dの側の外縁153A〜153Dは、当該第1橋梁支持部30A〜30Dの側縁33A〜33Dに沿って形成されている。このことにより、第1重錘体中心部90を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間の空間における第2重錘体突出部151A〜151Dの占有率を大きくすることができる。このため、第2重錘体突出部151A〜151Dの質量を効果的に増加させることができ、第2重錘体121の質量をより一層増加させることができる。
(第6の実施の形態)
次に、図27〜図36を用いて、本発明の第6の実施の形態における発電素子について説明する。
図27〜図36に示す第6の実施の形態においては、振動体の第1重錘体に、第1追加重錘体が設けられるとともに、第2重錘体に、第2追加重錘体が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図23〜図25に示す第4の実施の形態と略同一である。なお、図27〜図36において、図23〜図25に示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図27に、本発明の第6の実施の形態における発電素子の平面図を示す。図28に図27のF―F線断面を示す。なお、図27は、図28のG−G線から見た平面図に相当する。図27においては、図面を簡略化するために圧電素子40の図示は省略するが、第4の実施の形態と同様にして圧電素子40を構成してもよい。後述する図29についても同様である。
本実施の形態においては、図27および図28に示すように、第1重錘体21の下面(第1重錘体支持部22の側とは反対側)に、第1追加重錘体100が設けられている。これにより、第2橋梁支持部130A〜130Dの先端部に、第1重錘体21と第1追加重錘体100とが連結されることにより、第2橋梁支持部130A〜130Dに連結された重錘体の質量が増加している。また、第1追加重錘体100が設けられていない場合(図23〜図25参照)の第1重錘体21の重心位置よりも、第1重錘体21および第1追加重錘体100の合成重心位置(第1重錘体21と第1追加重錘体100とで構成される重錘体の重心位置)が下がっている。
図28に示すように、第1追加重錘体100は、第1重錘体21の変位を規制する第1ストッパー部101を有している。この第1ストッパー部101は、第1重錘体21が上方(第1重錘体支持部22の側、Z軸正側)へ変位した場合に、第2重錘体121の第1重錘体用第1座部163(後述)に当接可能になっている。第1追加重錘体100は、平面視で、第1重錘体21よりも台座10に向かって外側に延びるように形成されており、第1ストッパー部101は、第1追加重錘体100の外周側部に形成されている。より具体的には、第1追加重錘体100は、第1重錘体21に接合された第1本体部102と、第1本体部102よりも外周側に配置された第1ストッパー部101と、を有している。
図28に示すように、第2重錘体121の下面(第2重錘体支持部122の側とは反対側)に、第2追加重錘体160が設けられている。これにより、第1橋梁支持部30A〜30Dの先端部に、第2重錘体121と第2追加重錘体160とが連結されることにより、第1橋梁支持部30A〜30Dに連結された重錘体の質量が増加している。また、第2追加重錘体160が設けられていない場合(図23〜図25参照)の第2重錘体121の重心位置よりも、第2重錘体121および第2追加重錘体160の合成重心位置(第2重錘体121と第2追加重錘体160とで構成される重錘体の重心位置)が下がっている。第2追加重錘体160は、平面視で矩形枠状に形成されており、その内側に第1追加重錘体100が配置されるように形成されている。
図28に示すように、第2追加重錘体160は、第2重錘体121の変位を規制する第2ストッパー部161を有している。この第2ストッパー部161は、第2重錘体121が上方(第2重錘体支持部122の側、Z軸正側)へ変位した場合に、台座10の第2重錘体用第1座部170(後述)に当接可能になっている。第2追加重錘体160は、平面視で、第2重錘体121よりも台座10に向かって外側に延びるように形成されており、第2ストッパー部161は、第2追加重錘体160の外周側部に形成されている。より具体的には、第2追加重錘体160は、第2重錘体121に接合された第2本体部162と、第2本体部162よりも外周側に配置された第2ストッパー部161と、を有している。
台座10の下面には、追加台座110が設けられている。追加台座110は、平面視で矩形枠状に形成されており、その内側に第2追加重錘体160が配置されるように形成されている。これにより、追加台座110は、第2追加重錘体160の第2ストッパー部161に対向している。第1追加重錘体100の下面および第2追加重錘体160の下面は、追加台座110の下面よりも上方に位置付けられている。
第2重錘体121の下面には、第1ストッパー部101が当接する第1重錘体用第1座部163が設けられている。この第1重錘体用第1座部163は、平面視で、第2重錘体121の内周側部に形成されている。第2追加重錘体160の内面は、第1重錘体用第1座部163を下方に露出させるように、第2重錘体121の内面よりも外側に後退している。
第2追加重錘体160の内面には、第1ストッパー部101が当接可能な第1重錘体用第2座部164が設けられている。この第1重錘体用第2座部164には、第1重錘体21がXY平面(各第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線を含む平面)に沿う方向で変位した場合に第1ストッパー部101が当接する。
台座10の下面には、第2ストッパー部161が当接する第2重錘体用第1座部170が設けられている。この第2重錘体用第1座部170は、平面視で、台座10の内周側部に形成されている。追加台座110の内面は、第2重錘体用第1座部170を下方に露出させるように、台座10の内面よりも外側に後退している。
追加台座110の内面には、第2ストッパー部161が当接可能な第2重錘体用第2座部171が設けられている。この第2重錘体用第2座部171には、第2重錘体121がXY平面(各第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線を含む平面)に沿う方向で変位した場合に第2ストッパー部161が当接する。
上述した底板74は、追加台座110を介して台座10に連結されている。これにより、第1重錘体21および第1追加重錘体100並びに第2重錘体121および第2追加重錘体160は、底板74に当接するまで、下方に変位可能になっている。底板74は、第1重錘体21が下方へ変位した場合に第1追加重錘体100が当接可能な第1重錘体用第3座部165と、第2重錘体121が下方へ変位した場合に第2追加重錘体160が当接可能な第2重錘体用第3座部172と、を含んでいる。
第1重錘体用第3座部165は、図25に示す第1底板対向面144と複数の第1底板側突起部146とによって構成されている。本実施の形態では、第1底板対向面144は、第1追加重錘体100に対向している。第1底板側突起部146には、第1重錘体21が下方へ変位した場合に第1追加重錘体100が当接可能になっている。
第2重錘体用第3座部172は、図25に示す第2底板対向面145と複数の第2底板側突起部147とによって構成されている。本実施の形態では、第2底板対向面145は、第2追加重錘体160に対向している。第2底板側突起部147には、第2重錘体121が下方へ変位した場合に第2追加重錘体160が当接可能になっている。
振動体20がニュートラル位置にあるときには、第1追加重錘体100は、第1底板側突起部146に所定の距離d6を隔てて離間しており、第1追加重錘体100は、第1底板側突起部146に当接するまで下方へ変位可能になっている。また、第2追加重錘体160は、第2底板側突起部147に所定の距離d7を隔てて離間しており、第2追加重錘体160は、第2底板側突起部147に当接するまで下方へ変位可能になっている。振動体20がニュートラル位置にあるときには、第1追加重錘体100と第1底板側突起部146との間の距離d6は、第2追加重錘体160と第2底板側突起部147との間の距離d7よりも大きくなっている。図28に示す形態では、第1底板側突起部146の高さと第2底板側突起部147の高さとが等しくなっており、第1底板対向面144と第1追加重錘体100との間の距離が、第2底板対向面145と第2追加重錘体160との間の距離よりも大きくなっている。
一方、図28に示すように、本実施の形態においては、図25と同様な天板71が設けられていてもよい。この天板71は、第1重錘体支持部22に対向した第1天板対向面140と、第2重錘体支持部122に対向した第2天板対向面141と、を含んでいる。このうち第1天板対向面140には、複数の第1天板側突起部142が設けられており、第2天板対向面141には、複数の第2天板側突起部143が設けられている。振動体20がニュートラル位置にあるときには、第1重錘体支持部22は、第1天板側突起部142に所定の距離d4を隔てて離間し、第2重錘体支持部122は、第2天板側突起部143に所定の距離d5を隔てて離間している。なお、上述したように、第1追加重錘体100が第1重錘体21の変位を規制する第1ストッパー部101を有している場合であって、第2追加重錘体160が第2重錘体121の変位を規制する第2ストッパー部161を有している場合には、図28に示す天板71は設けられていなくてもよい。
第1ストッパー部101の上面101Uは、第1本体部102の上面102Uよりも下方に位置付けられている。例えば、第1追加重錘体100を製造する際に、エッチングや機械加工などによって、第1追加重錘体100の上面を部分的に除去することにより、このような第1ストッパー部101の上面101Uを形成することができる。このようにして、第1ストッパー部101は、第1重錘体21がニュートラル位置にあるときに、第2重錘体121の第1重錘体用第1座部163に所定の距離d8を隔てて離間している。このことにより、第1重錘体21は、第1ストッパー部101が第1重錘体用第1座部163に当接するまで上方へ変位可能になっている。この距離d8は、距離d4と等しくてもよく、または距離d4よりも小さくてもよい。このことにより、第1ストッパー部101が、第1重錘体21の上方への変位のストッパーとして機能することができる。なお、第1重錘体21の下面は、台座10の下面と面一になっている。
第2ストッパー部161の上面161Uは、第2本体部162の上面162Uよりも下方に位置付けられている。例えば、第2追加重錘体160を製造する際に、エッチングや機械加工などによって、第2追加重錘体160の上面を部分的に除去することにより、このような第2ストッパー部161の上面161Uを形成することができる。このようにして、第2ストッパー部161は、第2重錘体121がニュートラル位置にあるときに、台座10の第2重錘体用第1座部170に所定の距離d9を隔てて離間している。このことにより、第2重錘体121は、第2ストッパー部161が第2重錘体用第1座部170に当接するまで上方へ変位可能になっている。この距離d9は、距離d5と等しくてもよく、または距離d5よりも小さくてもよい。このことにより、第2ストッパー部161が、第2重錘体121の上方への変位のストッパーとして機能することができる。なお、第2重錘体121の下面は、台座10の下面と面一になっている。また、第2重錘体用第1座部170は、全周にわたって形成されているため、第2ストッパー部161が第2重錘体用第1座部170に当接した際に、第2追加重錘体160の姿勢を安定させることができる。このため、第2重錘体121の上方への変位をより一層確実に規制することができる。
第1追加重錘体100、第2追加重錘体160および追加台座110は、第3の実施の形態における第1追加重錘体100および追加台座110と同様にして作製することができるため、ここでは詳細な説明は省略する。
このように本実施の形態によれば、第1重錘体21の下面に第1追加重錘体100が設けられている。このことにより、第1追加重錘体100が設けられていない場合の第1重錘体21の重心位置よりも、第1重錘体21および第1追加重錘体100の合成重心位置を下げることができる。このため、X軸方向およびY軸方向への振動加速度がそれぞれ加えられた場合における各第1橋梁支持部30A〜30Dおよび各第2橋梁支持部130A〜130Dに発生する応力を増大させることができる。また、各第1橋梁支持部30A〜30Dおよび各第2橋梁支持部130A〜130Dに連結された重錘体(第1重錘体21と第1追加重錘体100)の質量を増加させることができ、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向への振動加速度がそれぞれ加えられた場合における各第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dに発生する応力を増大させることができる。この結果、圧電素子40から発生させる電荷を増大させることができ、3軸発電の発電効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2重錘体121の下面に第2追加重錘体160が設けられている。このことにより、第1追加重錘体100と同様にして、各第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力をより一層増大させることができる。このため、圧電素子40から発生させる電荷をより一層増大させることができ、3軸発電の発電効率をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1追加重錘体100が、第2重錘体121の第1重錘体用第1座部163に当接可能に設けられた第1ストッパー部101を有している。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第1重錘体21の上方への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21がXY平面に沿う方向で変位した場合に、第1ストッパー部101が、第2追加重錘体160に設けられた第1重錘体用第2座部164に当接する。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第1重錘体21のXY平面に沿う方向への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21が下方へ変位した場合に、第1追加重錘体100が、底板74に設けられた第1重錘体用第3座部165に当接する。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第1重錘体21の下方への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第1重錘体用第3座部165が第1底板側突起部146を含んでいるため、第1追加重錘体100が第1底板側突起部146に当接した場合であっても第1追加重錘体100と第1底板対向面144との間にギャップを確保することができる。このため、第1追加重錘体100と第1底板対向面144との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第1追加重錘体100の振動が抑制されることを防止できる。このため、発電素子1の発電効率が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、第2追加重錘体160が、台座10の第2重錘体用第1座部170に当接可能に設けられた第2ストッパー部161を有している。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第2重錘体121の上方への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2重錘体121がXY平面に沿う方向で変位した場合に、第2ストッパー部161が、追加台座110に設けられた第2重錘体用第2座部171に当接する。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第2重錘体121のXY平面に沿う方向への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2重錘体121が下方へ変位した場合に、第2追加重錘体160が、底板74に設けられた第2重錘体用第3座部172に当接する。このことにより、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向のいずれの方向の振動加速度が与えられた場合においても、第2重錘体121の下方への変位を規制することができる。このため、第1橋梁支持部30A〜30Dの塑性変形や破損をより一層防止することができ、発電素子1の信頼性を向上させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、第2重錘体用第3座部172が第2底板側突起部147を含んでいるため、第2追加重錘体160が第2底板側突起部147に当接した場合であっても第2追加重錘体160と第2底板対向面145との間にギャップを確保することができる。このため、第2追加重錘体160と第2底板対向面145との間で空気のダンピング作用が生じることを防止でき、第2追加重錘体160の振動が抑制されることを防止できる。このため、発電素子1の発電効率が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、振動体20がニュートラル位置にあるときに、第1追加重錘体100と第1底板側突起部146との間の距離が、第2追加重錘体160と第2底板側突起部147との間の距離よりも大きくなっている。このことにより、第2重錘体121よりも変位が大きくなり得る第1重錘体21の変位が制限されることを防止でき、より広い加速度範囲で第1追加重錘体100が底板74に当接することを回避できる。このため、第1重錘体21が受けた力が底板74に逃げることを抑制し、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dに発生する応力を増大させることができる。この結果、第1重錘体21に与えられる振動エネルギーを効率良く電気エネルギーに変換させることができ、圧電素子40から発生する電荷を増大させることができる。
(第7の実施の形態)
次に、図29〜図36を用いて、本発明の第7の実施の形態における発電素子について説明する。
図29〜図36に示す第7の実施の形態においては、振動体の第1重錘体に、第1追加重錘体が設けられるとともに、第2重錘体に、第2追加重錘体が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図27および図28に示す第6の実施の形態と略同一である。なお、図29〜図36において、図27および図28に示す第6の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図29に、本発明の第7の実施の形態における発電素子の平面図を示す。図30に、台座、第1重錘体および第2重錘体の平面図を示す。図31に、図29のH−H線断面を示し、図32に、図29のI−I線断面を示し、図33に、図29のJ−J線断面を示す。なお、図29は、図31のK−K線から見た平面図に相当する。図29においては、図面を簡略化するために圧電素子40の図示は省略するが、第4の実施の形態と同様にして圧電素子40を構成してもよい。後述する図29についても同様である。
図27および図28に示す第6の実施の形態においては、第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線が、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線に沿っている例、すなわち、第1橋梁支持部30A、30Bの第1延在軸線および第2橋梁支持部130A、130Bの第2延在軸線が、中心軸線LXであり、第1橋梁支持部30C、30Dの第1延在軸線および第2橋梁支持部130C、130Dの第2延在軸線が、中心軸線LYである例について説明した。
これに対して、本実施の形態では、図29に示すように、第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線は、平面視で第1重錘体21を中心としたときの周方向(中心Oに対する周方向)において、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線の間に配置されている。ここで、図29は、本発明の第7の実施の形態における発電素子の平面図を示す。図29は、台座、第1重錘体および第2重錘体を示す平面図であって、図31のK−K線から見た平面図に相当する。図31は、図29のH−H線断面を示し、図32は、図29のI−I線断面を示し、図33は、図29のJ−J線断面を示す。
本実施の形態においては、平面視で振動体20を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線はそれぞれ、90°となっている。より具体的には、第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線は、第1重錘体21の中心OからXY座標系の第3象限に延びた線であって、中心軸線LXおよび中心軸線LYに対して45°で傾斜した線になっている。同様に、第1橋梁支持部30Bの第1延在軸線LBは、第1重錘体21の中心Oから第4象限に延びた線であって、中心軸線LXおよび中心軸線LYに対して45°で傾斜した線になっている。第1橋梁支持部30Cの第1延在軸線LCは、第1重錘体21の中心Oから第1象限に延びた線であって、中心軸線LXおよび中心軸線LYに対して45°で傾斜した線になっている。第1橋梁支持部30Dの第1延在軸線LDは、第1重錘体21の中心Oから第3象限に延びた線であって、中心軸線LXおよび中心軸線LYに対して45°で傾斜した線になっている。
一方、第2橋梁支持部130Aおよび130Bの第2延在軸線は、中心軸線LXであり、第2橋梁支持部130Cおよび130Dの第2延在軸線は、中心軸線LYになっている。
このようにして、第2橋梁支持部130Aの第2延在軸線は、周方向において第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線LAと第1橋梁支持部30Dの第1延在軸線LDとの間に配置されている。同様に、第2橋梁支持部130Bの第2延在軸線は、第1橋梁支持部30Bの第1延在軸線LBと第1橋梁支持部30Cの第1延在軸線LCとの間に配置されている。第2橋梁支持部130Cの第2延在軸線は、第1橋梁支持部30Cの第1延在軸線LCと第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線LAとの間に配置されている。第2橋梁支持部130Dの第2延在軸線は、第1橋梁支持部30Dの第1延在軸線LDと第1橋梁支持部30Bの第1延在軸線LBとの間に配置されている。
更に言えば、各第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線と、周方向において隣り合う一方の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線とがなす角度と、当該第2延在軸線と、他方の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線とがなす角度とは、等しくなっている。例えば、第2橋梁支持部130Aの第2延在軸線と、第1橋梁支持部30Aの第1延在軸線LAとがなす角度(図29に示すθ3)と、第2橋梁支持部130Aの第2延在軸線と、第1橋梁支持部30Dの第1延在軸線LDとがなす角度(図29に示すθ3)が、等しくなっている。同様に、第2橋梁支持部130B〜130Dの第2延在軸線と、隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線とがなす角度もそれぞれ、θ3になっている。本実施の形態では、角度θ3は、45°になっている。なお、第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線と、周方向で隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線とがなす角度は、等しいことに限られることはない。例えば、当該角度(θ3)は、45°ではなく、35°〜55°であってもよい。
また、図29に示す形態においては、第1重錘体21は、図26に示す第5の実施の形態と同様にして、第1重錘体中心部90と、第1重錘体中心部90に連結された4つの第1重錘体突出部91A〜91Dと、を含んでいる。図29に示す第1重錘体21は、図26に示す第1重錘体21と同様に形成されているため、ここでは詳細な説明は省略する。
図29および図30に示すように、第2重錘体121は、平面視で、第1橋梁支持部30A〜30Dの第2重錘体121の側の端部32A〜32Dを引き込む4つの第1引込凹部126A〜126Dを含んでいる。この第1引込凹部126A〜126Dは、第2重錘体121の外縁127から内周側に凹むように形成されている。そして、第1引込凹部126A〜126Dは、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線LA〜LDに沿うように細長状に延びるように形成されている。
より具体的には、第1引込凹部126Aは、外縁127から中心Oの側(第1重錘体21の側)に凹むように形成されて、第2重錘体121の側の端部32Aを引き込んでいる。本実施の形態においては、端部32Aを含む第1橋梁支持部30Aの多くの部分を引き込んでいる。これにより、第1橋梁支持部30Aの端部32Aを、台座10の側の端部31Aから遠ざけている。同様に、第1引込凹部126Bは、外縁127から中心Oの側に凹むように形成されており、第2重錘体121の側の端部32Bを引き込んでいる。これにより、第1橋梁支持部30Bの端部32Bを、台座10の側の端部31Bから遠ざけている。第1引込凹部126Cは、外縁127から中心Oの側に凹むように形成されており、第2重錘体121の側の端部32Cを引き込んでいる。これにより、第1橋梁支持部30Cの端部32Cを、台座10の側の端部31Cから遠ざけている。第1引込凹部126Dは、外縁127から中心Oの側に凹むように形成されており、第2重錘体121の側の端部32Dを引き込んでいる。これにより、第1橋梁支持部30Dの端部32Dを、台座10の側の端部31Dから遠ざけている。
また、第2重錘体121は、平面視で、第2橋梁支持部130A〜130Dの第2重錘体121の側の端部131A〜131D(図26参照)を引き込む4つの第2引込凹部128A〜128Dを含んでいる。この第2引込凹部128A〜128Dは、第2重錘体121の内縁123から外周側に凹むように形成されている。そして、第2引込凹部128A〜128Dは、対応する第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線に沿うように細長状に延びるように形成されている。
より具体的には、第2引込凹部128Aは、内縁123からX軸負側に凹むように形成されて、第2重錘体121の側の端部131Aを引き込んでいる。ここでは、端部131Aを含む第2橋梁支持部130Aの多くの部分を引き込んでいる。これにより、第2橋梁支持部130Aの端部131Aを、第1重錘体21の側の端部132A(図26参照)から遠ざけている。同様に、第2引込凹部128Bは、内縁123からX軸正側に凹むように形成されており、第2重錘体121の側の端部131Bを引き込んでいる。これにより、第2橋梁支持部130Bの端部131Bを、第1重錘体21の側の端部132Bから遠ざけている。第2引込凹部128Cは、内縁123からY軸正側に凹むように形成されており、第2重錘体121の側の端部131Cを引き込んでいる。これにより、第2橋梁支持部130Cの端部131Cを、第1重錘体21の側の端部132Cから遠ざけている。第2引込凹部128Dは、内縁123からY軸負側に凹むように形成されており、第2重錘体121の側の端部131Dを引き込んでいる。これにより、第2橋梁支持部130Dの端部131Dを、第1重錘体21の側の端部132Dから遠ざけている。
また、図29に示す形態においては、第1追加重錘体100の第1ストッパー部101が当接する第1重錘体用第1座部163は、図32に示す断面で示されている。図31に示す断面では、第2引込凹部128A〜128Dの存在により、第1重錘体用第1座部163は現れていない。また、図33に示す断面では、第1引込凹部126A〜126Dの存在により、第1重錘体用第1座部163は現れていない。すなわち、第1重錘体用第1座部163は、第2重錘体121の下面のうち、第1引込凹部126A〜126Dが存在しない領域および第2引込凹部128A〜128Dが存在しない領域に設けられている。なお、図31〜図33においては、図面を明瞭にするために、図28に示すような天板71および底板74は省略されているが、天板71および/または底板74は設けられていてもよい。
このように本実施の形態によれば、第2橋梁支持部130A〜130Dが、平面視で第1重錘体21を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線の間に配置されている。このことにより、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび第2橋梁支持部130A〜130Dが一直線上に配置されることを回避できる。このため、スペース効率を向上させながら、第1橋梁支持部30A〜30Dの長さおよび第2橋梁支持部130A〜130Dの長さを、それぞれ長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、各第2橋梁支持部130A〜130Dの第2延在軸線と、周方向において隣り合う一方の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線とがなす角度と、当該第2延在軸線と、他方の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線とがなす角度とが等しくなっている。このことにより、スペース効率をより一層向上させて、第1橋梁支持部30A〜30Dの長さを長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、第2重錘体121は、平面視で、第1橋梁支持部30A〜30Dの第2重錘体121の側の端部32A〜32Dを引き込む4つの第1引込凹部126A〜126Dを含んでいる。このことにより、第1橋梁支持部30A〜30Dの端部32A〜32Dを、台座10の側の端部31A〜31Dから遠ざけることができる。一方、第1引込凹部126A〜126Dの周囲には、第2重錘体121を形成することができるため、第2重錘体121の平面面積を増大させることができる。このため、第2重錘体121の質量を増加させつつ、第1橋梁支持部30A〜30Dの長さを長くすることができる。この結果、主として第2重錘体121と第1橋梁支持部30A〜30Dとに基づいて規定される共振系IIの共振周波数を低くすることができる。
さらに、本実施の形態によれば、第2重錘体121は、平面視で、第2橋梁支持部130A〜130Dの第2重錘体121の側の端部131A〜131Dを引き込む4つの第2引込凹部128A〜128Dを含んでいる。このことにより、第2橋梁支持部130A〜130Dの端部131A〜131Dを、第1重錘体21の側の端部132A〜132Dから遠ざけることができる。一方、第2引込凹部128A〜128Dの周囲には、第2重錘体121を形成することができるため、第2重錘体121の平面面積を増大させることができる。このため、第2重錘体121の質量を増加させつつ、第2橋梁支持部130A〜130Dの長さを長くすることができる。このため、主として第1重錘体21と第2橋梁支持部130A〜130Dとに基づいて規定される共振系Iの共振周波数を低くすることができる。
なお、本実施の形態においては、図34〜図36に示すように変形することもできる。図34は、図29のH−H線断面の変形例を示し、図35は、図29のI−I線断面の変形例を示し、図36は、図29のJ−J線断面の変形例を示す。
図34〜図36に示す変形例においては、第2追加重錘体160が、第1重錘体21が上方へ変位した場合に第1追加重錘体100の第1ストッパー部101が当接可能な第1重錘体用第4座部166を含んでいる。この第1重錘体用第4座部166は、平面視で、第2追加重錘体160の内周側部に形成されている。第2追加重錘体160の内周側部のうちの上部が、内周側に突出し、第1重錘体用第4座部166が形成されている。一方、図34〜図36においては、第1ストッパー部101は、第1追加重錘体100の外周側部のうちの下部が、外周側に突出することで形成されている。
図34〜図36に示すように、第1ストッパー部101は、第1重錘体21がニュートラル位置にあるときに、第2追加重錘体160の第1重錘体用第4座部166に所定の距離を隔てて離間している。このことにより、第1重錘体21は、第1ストッパー部101が第1重錘体用第4座部166に当接するまで上方へ変位可能になっている。
また、図34〜図36に示すように、第1追加重錘体100は、第1本体部102の上面102Uよりも下方に位置付けられた上面102U’を含んでいる。この上面102U’は、第1ストッパー部101の上面101Uよりも上方に位置付けられている。図34〜図36に示すように、この上面102U’の一部は、第2重錘体121の下面に対向しているが、ニュートラル位置にあるときの上面102U’と第2重錘体121の下面との距離は、第1ストッパー部101の上面101Uと第1重錘体用第4座部166との距離よりも大きくなっている。このようにして、第1重錘体21が上方へ変位した場合には、上面102U’が第2重錘体121に当接するのではなく、上面101Uが、第1重錘体用第4座部166に当接して、第1重錘体21の上方への変位を規制している。とりわけ、図34〜図36に示す例では、第1重錘体用第4座部166を、全周にわたって形成することができる。このことにより、第1ストッパー部101が第1重錘体用第4座部166に当接した際に、第1追加重錘体100の姿勢を安定させることができる。このため、第1重錘体21の上方への変位をより一層確実に規制することができる。
また、図34〜図36に示すように、追加台座110が、第2重錘体121が上方へ変位した場合に第2追加重錘体160の第2ストッパー部161が当接可能な第2重錘体用第4座部173を含んでいる。この第2重錘体用第4座部173は、平面視で、追加台座110の内周側部に形成されている。追加台座110の内周側部のうちの上部が、内周側に突出し、第2重錘体用第4座部173が形成されている。一方、図34〜図36においては、第2ストッパー部161は、第2追加重錘体160の外周側部のうちの下部が、外周側に突出することで形成されている。
図34〜図36に示すように、第2ストッパー部161は、第2重錘体121がニュートラル位置にあるときに、追加台座110の第2重錘体用第4座部173に所定の距離を隔てて離間している。このことにより、第2重錘体121は、第2ストッパー部161が第2重錘体用第4座部173に当接するまで上方へ変位可能になっている。また、図34〜図36に示す例では、第2重錘体121が上方へ変位した場合には、上面161Uが第2重錘体用第4座部173に当接して、第2重錘体121の上方への変位を規制している。なお、図34〜図36に示す例では、第2重錘体用第4座部173を、全周にわたって形成することができる。このことにより、第2ストッパー部161が第2重錘体用第4座部173に当接した際に、第2追加重錘体160の姿勢を安定させることができる。このため、第2重錘体121の上方への変位をより一層確実に規制することができる。
(第8の実施の形態)
次に、図37および図38を用いて、本発明の第8の実施の形態における発電素子について説明する。
図37および図38に示す第8の実施の形態においては、平面視で枠状に形成された振動体の内側に台座が設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1〜図15に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図37および図38において、図1〜図15に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図37に、本発明の第8の実施の形態における発電素子の平面図を示す。図38に、図37に示す発電素子のL−L線断面を示す。図37においては、図面を明瞭にするために、圧電素子40の上部電極層の図示を省略している。図37においても、各第1橋梁支持部30A〜30Dには、図2に示すように4つの上部電極層E11〜E44が設けられるようにしてもよく、または図12〜図14に示すように2つの上部電極層E1、E2が設けられるようにしてもよい。更に言えば、上部電極層は1つでもよい。
本実施の形態においては、図37に示すように、振動体20の第1重錘体21は、平面視で枠状に形成されている。台座10は、この振動体20の内側に配置されており、平面視で矩形状(または正方形状)に形成されている。第1重錘体21は、4つの第1橋梁支持部30A〜30Dによって台座10に支持されている。本実施の形態においても、図2に示す第1の実施の形態と同様にして、平面視において、台座10を中心としたときの周方向(中心Oに対する周方向)において、互いに隣り合う一対の第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線がなす角度は、等しくなっている。そして、第1橋梁支持部30A〜30Dは、平面視において、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、中心軸線LYに関して対称に形成されている。
図37に示すように、第1重錘体21は、第1重錘体枠体部180と、第1重錘体枠体部180に連結された複数の第1重錘体内側部181A〜181Dと、を含んでいる。このうち第1重錘体内側部181A〜181Dは、第1重錘体枠体部180から台座10に向かって突出している。第1重錘体枠体部180は、平面視で矩形枠状に形成されており、第1重錘体内側部181A〜181Dは、第1重錘体枠体部180の角部から内側に突出するように形成されている。第1重錘体枠体部180と第1重錘体内側部181A〜181Dは、連続して一体に形成されている。第1重錘体支持部22は、第1重錘体枠体部180の上面の全体および各第1重錘体内側部181A〜181Dの上面の全体に、一体に形成されて接合されている。
第1重錘体内側部181A〜181Dは、平面視で台座10を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間に配置されている。言い換えると、周方向に隣り合う第1重錘体内側部181A〜181Dの間に、第1橋梁支持部30A〜30Dの第1重錘体枠体部180の側の端部31A〜31D(図2参照)を引き込む引込凹部96A〜96Dが設けられている。この引込凹部96A〜96Dは、第1重錘体21の内縁から外周側に凹むように形成されている。そして、引込凹部96A〜96Dは、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの第1延在軸線に沿うように延びるように形成されている。図37に示す例では、引込凹部96A〜96Dは、対応する第1橋梁支持部30A〜30Dの端部31A〜31Dを含む多くの部分を引き込んでいる。その結果、第1橋梁支持部30A〜30Dは、周方向に隣り合う第1重錘体内側部181A〜181Dの間に配置されている。
第1重錘体内側部181A〜181Dの台座10の側の内縁182A〜182Dは、台座10の外縁14に沿って(または平行に)形成され、第1重錘体内側部181A〜181Dの対向する第1橋梁支持部30A〜30Dの側の内縁183A〜183Dは、当該第1橋梁支持部30A〜30Dの側縁33A〜33Dに沿って(または平行に)形成されている。
より具体的には、第1橋梁支持部30Aと第1橋梁支持部30Dとの間に、1つの第1重錘体内側部181Aが配置されている。第1重錘体内側部181Aは、2つの第1橋梁支持部30Aおよび30Dと台座10とによって囲まれている。第1重錘体内側部181Aの台座10の側の内縁182Aは、台座10の外縁14に沿って形成されている。また、第1重錘体内側部181Aの対向する第1橋梁支持部30Aの側の内縁183Aは、第1橋梁支持部30Aの側縁33Aに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Dの側の内縁183Aは、第1橋梁支持部30Dの側縁33Dに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Dと第1橋梁支持部30Bとの間に、1つの第1重錘体内側部181Bが配置されている。第1重錘体内側部181Bは、2つの第1橋梁支持部30Bおよび30Dと台座10とによって囲まれている。第1重錘体内側部181Bの台座10の側の内縁182Bは、台座10の外縁14に沿って形成されている。また、第1重錘体内側部181Bの対向する第1橋梁支持部30Dの側の内縁183Bは、第1橋梁支持部30Dの側縁33Dに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Bの側の内縁183Bは、第1橋梁支持部30Bの側縁33Bに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Bと第1橋梁支持部30Cとの間に、1つの第1重錘体内側部181Cが配置されている。第1重錘体内側部181Cは、2つの第1橋梁支持部30Bおよび30Cと台座10とによって囲まれている。第1重錘体内側部181Cの台座10の側の内縁182Cは、台座10の外縁14に沿って形成されている。また、第1重錘体内側部181Cの対向する第1橋梁支持部30Bの側の内縁183Cは、第1橋梁支持部30Bの側縁33Bに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Cの側の内縁183Cは、第1橋梁支持部30Cの側縁33Cに沿って形成されている。
第1橋梁支持部30Cと第1橋梁支持部30Aとの間に、1つの第1重錘体内側部181Dが配置されている。第1重錘体内側部181Dは、2つの第1橋梁支持部30Aおよび30Cと台座10とによって囲まれている。第1重錘体内側部181Dの台座10の側の内縁182Dは、台座10の外縁14に沿って形成されている。また、第1重錘体内側部181Dの対向する第1橋梁支持部30Cの側の内縁183Dは、第1橋梁支持部30Cの側縁33Cに沿って形成され、対向する第1橋梁支持部30Aの側の内縁183Dは、第1橋梁支持部30Aの側縁33Aに沿って形成されている。
図38に示すように、第1重錘体枠体部180の下面は、台座10の下面よりも上方に位置付けられている。第1重錘体内側部181A〜181Dの下面は、第1重錘体枠体部180の下面と面一になっている。このようにして、第1重錘体21は、後述する底板74に当接するまで下方に変位可能になっている。
図38に示すように、筐体190は、第1橋梁支持部30A〜30Dおよび台座支持部12の上方に設けられた天板191と、台座10の下方に設けられた底板192と、を有している。天板191と底板192とは、第1重錘体21の外側に配置された側板193によって連結されている。なお、図38には示していないが、天板191は、図7に示すような天板対向面72と天板側突起部73とを含んでいてもよく、同様に、底板192は、底板対向面75と底板側突起部76とを含んでいてもよい。
天板191は、第1重錘体支持部22の上方に設けられた天板開口部194を有している。台座支持部12には、圧電素子40の各電極層に電気的に接続された複数のボンディングパッド195が設けられ、天板191に、発電素子1の外部に電気的に接続される複数のボンディングパッド196が設けられている。各ボンディングパッド195と対応するボンディングパッド196が、ボンディングワイヤ197で接続される。ボンディングワイヤ197は、天板191の天板開口部194を貫通している。
図38に示すように、筐体190は、外装パッケージ198に収容されている。図38に示す外装パッケージ198は、蓋198aと基台198bとを有している。蓋198aは、基台198b上の筐体190を覆い被さるように形成されている。
このように本実施の形態によれば、平面視で枠状に形成された振動体20の第1重錘体21の内側に台座10が配置されている。このことにより、第1重錘体21の平面面積を増大させて、第1重錘体21の質量を増加させることができ、振動加速度が加えられた場合における第1橋梁支持部30A〜30Dに発生する応力を増大させることができる。この結果、圧電素子40の上部電極層E11〜E44から発生させる電荷を増大させることができ、3軸発電の発電効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、振動体20の第1重錘体21は、第1重錘体枠体部180と、第1重錘体枠体部180に連結された複数の第1重錘体内側部181A〜181Dと、を含んでいる。このことにより、第1重錘体21の平面面積をより一層増大させて、第1重錘体21の質量をより一層増加させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体内側部181A〜181Dは、平面視で台座10を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間に配置されている。このことにより、第1重錘体21の平面面積を増大させながらも、第1橋梁支持部30A〜30Dの第1重錘体枠体部180の側の端部31A〜31Dを、台座10の側の端部32A〜32Dから遠ざけることができる。このため、第1重錘体21の質量を増加させつつ、第1橋梁支持部30A〜30Dの長さを長くすることができ、共振周波数を低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体内側部181A〜181Dの台座10の側の内縁182A〜182Dは、台座10の外縁14に沿って形成され、第1重錘体内側部181A〜181Dの対向する第1橋梁支持部30A〜30Dの側の内縁183A〜183Dは、当該第1橋梁支持部30A〜30Dの側縁33A〜33Dに沿って形成されている。このことにより、台座10を中心としたときの周方向において、互いに隣り合う第1橋梁支持部30A〜30Dの間の空間における第1重錘体内側部181A〜181Dの占有率を大きくすることができる。このため、第1重錘体内側部181A〜181Dの質量を効果的に増加させることができ、第1重錘体21の質量をより一層増加させることができる。
(第9の実施の形態)
次に、図39〜図44を用いて、本発明の第9の実施の形態における発電素子について説明する。
図39〜図44に示す第9の実施の形態においては、振動体がダイアフラム支持部によって台座に支持されている点が主に異なり、他の構成は、図1〜図15に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図39〜図44において、図1〜図15に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図39に、本発明の第9の実施の形態における発電素子の平面図を示す。図40に、図39に示す発電素子のM−M線断面を示す。
本実施の形態においては、図39および図40に示すように、振動体20の第1重錘体21は、上述した第1橋梁支持部30A〜30Dの代替えの部材であるダイアフラム支持部200(支持部)によって、台座10に支持されている。
本実施の形態では、台座10が平面視で枠状に形成されており、第1重錘体21が、台座10の内側に配置されている。台座10の台座開口部11(内縁13によって画定された開口部)は、平面視で円形状に形成されており、第1重錘体21は、平面視で円形状に形成されている。台座10の台座開口部11は、第1重錘体21と同心状に形成されている。図39には、第1重錘体21の外縁を符号23で示している。
ダイアフラム支持部200は、台座10と第1重錘体21との間に配置されており、平面視でリング状に形成されている。第1重錘体21の上面に設けられた第1重錘体支持部22は、ダイアフラム支持部200に連続して一体に形成されている。また、台座10の上面に設けられた台座支持部12も、ダイアフラム支持部200に連続して一体に形成されている。
本実施の形態による圧電素子40は、8つの上部電極層E1−1〜E4−2を含んでいる。これらの上部電極層E1−1〜E4−2は、ダイアフラム支持部200に設けられている。上部電極層E1−1〜E4−2は、ダイアフラム支持部200のうち第1重錘体21の変位時に応力が発生する領域(ダイアフラム支持部200自体が変形する領域)に配置されていることが好適である。これらの上部電極層E1−1〜E4−2は、電気的に互いに独立している。
本実施の形態においては、第1重錘体21のX軸方向に延びる中心軸線LX(第1軸線)に沿う方向において、第1重錘体21の両側に上部電極層E1−1、E1−2、E2−1およびE2−2がそれぞれ配置されている。より具体的には、第1重錘体21(または中心O)に対してX軸負側(一方の側)に、2つの上部電極層E1−1およびE1−2が互いに異なる位置に配置され、第1重錘体21に対してX軸正側(他方の側)に、2つの上部電極層E2−1およびE2−2が互いに異なる位置に配置されている。そして、上部電極層E1−1が、上部電極層E1−2よりもX軸負側に配置され、上部電極層E2−1が、上部電極層E2−2よりもX軸正側に配置されている。上部電極層E1−1、E1−2、E2−1およびE2−2は、中心軸線LX上に配置されている。
また、第1重錘体21のY軸方向に延びる中心軸線LY(第2軸線)に沿う方向において、第1重錘体21の両側に上部電極層E3−1、E3−2、E4−1およびE4−2がそれぞれ配置されている。より具体的には、第1重錘体21に対してY軸正側(一方の側)に、2つの上部電極層E3−1およびE3−2が互いに異なる位置に配置され、第1重錘体21に対してY軸負側(他方の側)に、2つの上部電極層E4−1およびE4−2が配置されている。そして、上部電極層E3−1が、上部電極層E3−2よりもY軸正側に配置され、上部電極層E4−1が、上部電極層E4−2よりもY軸負側に配置されている。上部電極層E3−1、E3−2、E4−1およびE4−2は、中心軸線LY上に配置されている。
上部電極層E1−1〜E4−2は、平面視で、第1重錘体21を中心としたときの周方向(中心Oに対する周方向)に延び、第1重錘体21と同心状に形成されている。すなわち、各上部電極層E1−1〜E4−2は、第1重錘体21と同心の円弧をなすような平面形状を有している。各上部電極層E1−1、E1−2、E2−1およびE2−2は、中心軸線LXに対して対称に形成されており、各上部電極層E3−1、E3−2、E4−1およびE4−2は、中心軸線LYに対して対称に形成されている。
このようにして、本実施の形態による上部電極層E1−1〜E4−2は、全体として、平面視において、中心軸線LXに関して対称に形成されているとともに、中心軸線LYに関して対称に形成されている。
図41に、X軸正側、Y軸正側、Z軸正側への振動加速度が加えられた場合における各上部電極層E1−1〜E4−2に発生する電荷の極性を示す。
X軸正側への振動加速度が加えられた場合、上部電極層E1−1およびE2−2が配置された領域では、引張応力が発生し、上部電極層E1−1およびE2−2には、正電荷が発生する。上部電極層E1−2およびE2−1が配置された領域では、圧縮応力が発生し、上部電極層E1−2およびE2−1には、負電荷が発生する。上部電極層E3−1、E3−2、E4−1およびE4−2が配置された領域では、一部で引張応力が発生し他の一部で圧縮応力が発生する。このことにより、上部電極層E3−1、E3−2、E4−1およびE4−2には、一部で正電荷が発生し他の一部で負電荷が発生するため、電荷がキャンセルされる。このため、上部電極層E3−1、E3−2、E4−1およびE4−2に発生する電荷は、ゼロになっている。なお、図示しないが、X軸負側への振動加速度が加えられた場合には、上部電極層E1−1およびE2−2で負電荷が発生し、上部電極層E1−2およびE2−1で正電荷が発生する。
Y軸正側への振動加速度が加えられた場合、上部電極層E3−1およびE4−2が配置された領域では、圧縮応力が発生し、上部電極層E3−1およびE4−2には、負電荷が発生する。上部電極層E3−2およびE4−1が配置された領域では、引張応力が発生し、上部電極層E3−2およびE4−1には、正電荷が発生する。上部電極層E1−1、E1−2、E2−1およびE2−2が配置された領域では、一部で引張応力が発生し他の一部で圧縮応力が発生する。このことにより、上部電極層E1−1、E1−2、E2−1およびE2−2には、一部で正電荷が発生し他の一部で負電荷が発生するため、電荷がキャンセルされる。このため、上部電極層E1−1、E1−2、E2−1およびE2−2に発生する電荷はゼロになっている。なお、図示しないが、Y軸負側への振動加速度が加えられた場合には、上部電極層E3−1およびE4−2で正電荷が発生し、上部電極層E3−2およびE4−1で負電荷が発生する。
Z軸正側(上方)への振動加速度が加えられた場合、上部電極層E1−1、E2−1、E3−1およびE4−1が配置された領域では、圧縮応力が発生し、上部電極層E1−1、E2−1、E3−1およびE4−1には、負電荷が発生する。上部電極層E1−2、E2−2、E3−2およびE4−2が配置された領域では、引張応力が発生し、上部電極層E1−2、E2−2、E3−2およびE4−2には、正電荷が発生する。なお、図示しないが、Z軸負側(下方)への振動加速度が加えられた場合には、上部電極層E1−1、E2−1、E3−1およびE4−1で正電荷が発生し、上部電極層E1−2、E2−2、E3−2およびE4−2で負電荷が発生する。
このようにX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向への振動加速度が加えられた場合においても、上部電極層E1−1〜E4−2によって電荷を発生させることができ、3軸発電を行うことができる。従って、図39における上部電極層E1−1〜E4−2は、3軸発電を効果的に行うことができるように配置されていると言うことができる。
しかしながら、上部電極層の配置は、これに限られることはない。例えば、X軸方向およびZ軸方向の振動加速度で電荷が発生できればよいとする場合には、図42に示すように、ダイアフラム支持部200上に、4つの上部電極層E1−1〜E2−2を配置するようにしてもよい。この場合、各上部電極層E1−1〜E2−2は、第1重錘体21と同心の円弧をなすように周方向に延びて、両端部が中心軸線LYに対向するようになっている。
また、Y軸方向およびZ軸方向の振動加速度で電荷が発生できればよいとする場合には、図43に示すように、ダイアフラム支持部200上に、4つの上部電極層E3−1〜E4−2を配置するようにしてもよい。この場合、各上部電極層E3−1〜E4−2は、第1重錘体21と同心の円弧をなすように周方向に延びて、両端部が中心軸線LXに対向するようになっている。
さらに、Z軸方向の振動加速度で電荷が発生できればよいとする場合には、図44に示すように、ダイアフラム支持部200上に、2つの上部電極層E1、E2を配置するようにしてもよい。この場合、各上部電極層E1、E2は、第1重錘体21と同心の円弧をなすようにリング状に形成される。
なお、図41では、各上部電極層E1−1〜E4−2で発生した電荷を、正電荷(+)または負電荷(−)で示している。ダイアフラム支持部200に発生した応力と、上部電極層E1−1〜E4−2に発生した電荷は、薄膜状の圧電材料層42の場合には、一義的に決められる場合が多いが、上述したように、圧電セラミックで圧電材料層42が形成されている場合には、分極処理で圧縮応力と引張応力とで発生する電荷の正負を意図的に変えることができる。このため、上部電極層E1−1〜E4−2で発生する電荷の正負ではなく、3次元的にいずれの方向においても、上部電極層E1−1〜E4−2の全てまたは一部に電荷を発生させることができるという点で、本実施の形態は有利である。このため、3軸発電を効率良く行うことが可能になっている。
このように本実施の形態によれば、振動体20の第1重錘体21が、ダイアフラム支持部200によって台座10に支持されている。3次元的にいずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、ダイアフラム支持部200の一部に比較的大きな曲げ応力を発生させることができる。このため、いずれの方向からの振動加速度によっても、上部電極層E1−1〜E4−2で発生する電荷を増大させることができる。この結果、第1重錘体21の変位によってダイアフラム支持部200に発生した応力から、各上部電極層E1−1〜E4−2で効率良く電荷を発生させることができ、3軸発電を効率良く行うことができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21がダイアフラム支持部200によって台座10に支持されているため、3次元的にいずれの方向から振動加速度が加えられた場合においても、ダイアフラム支持部200の変形状態に対称性を持たせることができる。このため、各上部電極層E1−1〜E4−2に発生する正電荷の総量と負電荷の総量とを等しくすることができ、発電効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、振動体20の第1重錘体21が、ダイアフラム支持部200によって台座10に支持されている。このことにより、振動加速度が加えられた場合の第1重錘体21の変位量を抑制することができる。このことにより、より広い加速度範囲で、第1重錘体21が筐体70の天板71や底板74に当接することを回避できる。このため、第1重錘体21が受けた力が天板71や底板74に逃げることを抑制し、ダイアフラム支持部200に発生する応力を増大させて、圧電素子40から発生する電荷を増大させることができる。この結果、第1重錘体21の変位を抑制することができるとともに発電量を増大させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21がダイアフラム支持部200によって支持されている。このため、ダイアフラム支持部200に反りが発生することを抑制でき、製造上有利である。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21のX軸方向に延びる中心軸線LXに沿う方向において、第1重錘体21の両側に上部電極層E1−1、E1−2、E2−1およびE2−2がそれぞれ配置されている。このことにより、ダイアフラム支持部200のうち第1重錘体21の両側の部分で発生する応力によって、各上部電極層E1−1、E1−2、E2−1およびE2−2で電荷を発生させることができる。このため、ダイアフラム支持部200に発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21に対してX軸負側に、2つの上部電極層E1−1およびE1−2が互いに異なる位置に配置され、第1重錘体21に対してX軸正側に、2つの上部電極層E2−1およびE2−2が互いに異なる位置に配置されている。このことにより、ダイアフラム支持部200が変形する場合に、圧縮応力が発生する部分と、引張応力が発生する部分とに、上部電極層E1−1,E1−2、E2−1およびE2−2をそれぞれ配置させることができる。このため、1つの上部電極層に発生する電荷が、圧縮応力に起因する負電荷と引張応力に起因する正電荷とが同時に発生してキャンセルされることを回避できる。この結果、ダイアフラム支持部200に発生した応力から効率良く電荷を発生させることができ、3軸発電をより一層効率良く行うことができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21のY軸方向に延びる中心軸線LYに沿う方向において、第1重錘体21の両側に上部電極層E3−1、E3−2、E4−1およびE4−2がそれぞれ配置されている。このことにより、ダイアフラム支持部200のうち第1重錘体21の両側の部分で発生する応力によって、各上部電極層E3−1、E3−2、E4−1およびE4−2で電荷を発生させることができる。このため、ダイアフラム支持部200に発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1重錘体21に対してY軸正側に、2つの上部電極層E3−1およびE3−2が互いに異なる位置に配置され、第1重錘体21に対してY軸負側に、2つの上部電極層E4−1およびE4−2が互いに異なる位置に配置されている。このことにより、ダイアフラム支持部200が変形する場合に、圧縮応力が発生する部分と、引張応力が発生する部分とに、上部電極層E3−1,E3−2、E4−1およびE4−2をそれぞれ配置させることができる。このため、1つの上部電極層に発生する電荷が、圧縮応力に起因する負電荷と引張応力に起因する正電荷とが同時に発生してキャンセルされることを回避できる。この結果、ダイアフラム支持部200に発生した応力から効率良く電荷を発生させることができ、3軸発電をより一層効率良く行うことができる。
また、本実施の形態によれば、台座10の台座開口部11および第1重錘体21が、平面視で円形状に形成され、台座開口部11が第1重錘体21と同心状に形成されている。このことにより、ダイアフラム支持部200の変形状態により一層の対称性を持たせることができる。例えば、X軸方向に振動加速度が加えられた場合、中心軸線LYに関して対称にダイアフラム支持部200を変形させることができる。またY軸方向に振動加速度が加えられた場合に、中心軸線LXに関して対称にダイアフラム支持部200を変形させることができる。Z軸方向に振動加速度が加えられた場合、中心軸線LXおよび中心軸線LYに関してそれぞれ対称にダイアフラム支持部200を変形させることができる。このため、各上部電極層E1−1〜E4−2に発生する正電荷の総量と負電荷の総量とをより一層等しくすることができ、発電効率をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、上部電極層E1−1〜E4−2は、平面視で第1重錘体21を中心としたときの周方向に延び、第1重錘体21と同心状に形成されている。ここで、例えば、Z軸正側に振動加速度が加えられた場合、ダイアフラム支持部200のうち、台座10の側の領域(外周側領域)で圧縮応力が発生し、第1重錘体21の側の領域(内周側領域)で引張応力が発生する。Z軸負側に振動加速度が加えられた場合には、台座10の側の領域で引張応力が発生し、第1重錘体21の側の領域で圧縮応力が発生する。このことにより、Z軸方向に加えられる振動加速度によってダイアフラム支持部200が変形する場合に、ダイアフラム支持部200のうち圧縮応力が発生する領域および引張応力が発生する領域に沿って、上部電極層E1−1〜E4−2を形成することができる。このため、ダイアフラム支持部200に発生した応力から効率良く電荷を発生させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、上部電極層E1−1〜E4−2が、平面視で第1重錘体21を中心としたときの周方向に延び、第1重錘体21と同心状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、上部電極層E1−1〜E4−2は、図13に示す上部電極層E1、E2のように平面視で矩形状に形成されていてもよい。この場合、上部電極層E1−1〜E2−2は、中心軸線LX上に配置され、上部電極層E3−1〜E4−2は、中心軸線LY上に配置されることが好適である。また、ダイアフラム支持部200上の上部電極層は、図12に示すように配置してもよく、さらには、図2に示すような配置にしてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、平面視で枠状に形成された台座10の内側に第1重錘体21が配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1重錘体21を枠状に形成して、その第1重錘体21の内側に台座10を配置するようにしてもよい。この場合には、第1重錘体21の平面面積を増大させて、第1重錘体21の質量を増加させることができ、振動加速度が加えられた場合におけるダイアフラム支持部200に発生する応力を増大させることができる。この結果、圧電素子40の上部電極層E1−1〜E4−2から発生させる電荷を増大させることができ、3軸発電の発電効率を向上させることができる。
本発明は上記実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態および変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。