JP2008190892A - 加速度センサおよびそれを用いた電子機器 - Google Patents

加速度センサおよびそれを用いた電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2008190892A
JP2008190892A JP2007022888A JP2007022888A JP2008190892A JP 2008190892 A JP2008190892 A JP 2008190892A JP 2007022888 A JP2007022888 A JP 2007022888A JP 2007022888 A JP2007022888 A JP 2007022888A JP 2008190892 A JP2008190892 A JP 2008190892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acceleration sensor
acceleration
weight
weight portion
detected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007022888A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoji Okada
亮二 岡田
Yoshiaki Takada
良晶 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2007022888A priority Critical patent/JP2008190892A/ja
Publication of JP2008190892A publication Critical patent/JP2008190892A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pressure Sensors (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、レベルが大きく異なる加速度を検出することができるとともに、小型かつ汎用性の高い加速度センサを提供する。
【解決手段】支持枠と、可撓性を有する第1の梁部を介して前記支持枠に保持される第1の錘部と、可撓性を有する第2の梁部を介して前記第1の錘部に保持される第2の錘部とを有し、前記第1の錘部は前記支持枠の内側に配置されるとともに前記第2の錘部は前記第1の錘部の内側に配置され、前記第1の梁部および第2の梁部に、それぞれ第1の加速度センサ部および第2の加速度センサ部が設けられた加速度センサことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、広く電子機器に用いられる加速度センサに関し、例えば携帯電話や携帯情報端末などの携帯機器、カメラやビデオカメラなどの映像機器、ゲームコントローラやペットロボットなどの玩具、パーソナルコンピュータ、車載機器等に用いられる加速度センサに関する。
加速度センサは、自動車分野におけるエアバックや車両制御などの用途の他、携帯電話などの携帯機器への応用が期待されている。これらのうち、例えば携帯機器等の用途においては、3次元的な動きを検知するために、3軸加速度センサが必要とされる。また、携帯機器においては実装スペースが限られていることから、搭載される加速度センサには特に小型であることが要求される。前記用途においては、検出される加速度は人間の手の微小変位によるものなどで、その大きさは数G程度である。このような加速度を検知するための加速度センサとしては、検出原理の違いによって、ピエゾ抵抗型(例えば特許文献1、2)、圧電型(例えば特許文献3)、静電容量型などがある。
一方、携帯機器ではその性格上、誤って落下する危険性が高い。落下の衝撃に伴う加速度は数十から数百G以上の大きなものとなる。ノート型パソコンやハードディスクドライブ内蔵携帯情報端末のように磁気ディスクを内蔵するものは、特に衝撃に対して弱く、落下したときには修理を必要とする程度の損傷に至るケースが多い。この場合、落下した機器に目立った外傷がないことが多く、また機器が受けた衝撃の大きさも確認できないのが普通である。したがって、機器に故障が生じた場合、その故障の原因が落下等の衝撃によるものか否かを事後的に分析することが困難である。このことは、製品保証の判断を困難なものとしており、落下等によって受けた大きな衝撃、すなわち加速度の履歴を確認する必要性が生じていた。このように、加速度センサに対しては、数G程度の低加速度と数百G程度の高加速度のレベルの異なる加速度を検出する要求がある。
これに対して、特許文献2には、加速度センサの駆動電圧を切り換えるなどして、高感度検出出力と低感度検出出力を出力する加速度センサ装置が開示されている。該文献では、高感度出力で落下を検知し、低感度出力に切り換えて落下の衝撃を低感度検出加速度信号としてフラッシュメモリに記憶する旨が開示されている。
特開2004−198280号公報 特開2005−241503号公報 特開平7−83667号公報
前記特許文献1の加速度センサでは、数G程度の低加速度は検出することができるが、その構成だけでは数百G以上の高い加速度を検出することはできない。また、特許文献2に記載の方法を適用する場合であっても、高感度検出出力に対する低感度検出出力のレベルにも限界があり、検出できる加速度の上限も必ずしも十分なものではなかった。また、レベルの異なる加速度を検出する加速度センサとして、落下以外の用途に適用するだけの汎用性に乏しい。これらレベルの異なる加速度を検出するためには、加速度センサを別個に2つ設けることも可能であるが、これではセンサ全体の占有部分が大きくなってしまい、小型化の要請と相容れないものとなってしまう。
特許文献3の角速度センサでは、内側ジンバルに設けた振動励起手段(圧電体薄膜)でジンバルを振動させ、外側ジンバルに発生するコリオリ力を外側ジンバルに設けた変位検出手段(圧電体薄膜)で検知する。内側ジンバルに加速度を検知するセンサ部が設けられておらず、レベルの異なる加速度を検出することはできない。
そこで本発明の目的は、レベルが大きく異なる加速度を検出することができるとともに、小型かつ汎用性の高い加速度センサを提供することを目的とする。
本発明の加速度センサは、支持枠と、可撓性を有する第1の梁部を介して前記支持枠に保持される第1の錘部と、可撓性を有する第2の梁部を介して前記第1の錘部に保持される第2の錘部とを有し、前記第1の錘部は前記支持枠の内側に配置されるとともに前記第2の錘部は前記第1の錘部の内側に配置され、前記第1の梁部および第2の梁部には、それぞれ第1の加速度センサ部および第2の加速度センサ部が設けられた加速度センサである。第1の錘部が第2の錘部に対する支持枠の機能も併せ持つので、加速度センサ全体の小型化を図ることができる。また、加速度センサ部が2つ設けられているので、レベルの異なる加速度領域を独立に検出することができる。
また、前記加速度センサにおいて、作用する加速度に対して前記第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさと、前記第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさが異なることが好ましい。作用する加速度に対して、第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさと第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさとが異なるので、歪の小さい方でより大きな加速度を、歪の大きい方でより小さな加速度を検出することができる。
さらに、前記第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさが、前記第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさよりも小さいことが好ましい。大きな加速度を検出するためには梁の剛性を高める必要があり、支える錘部の質量が大きくなればなるほどより高い剛性が必要とされる。第1の梁部は第1の錘部、第2の梁部および第2の錘部を合せた質量を支えるのに対し、第2の梁部は第2の錘部の質量を支える。したがって、第2の加速度センサ部に小さい歪、すなわち大加速度を検出させる構成にすることによって、同じ剛性であればより大きな加速度まで検出可能となる。
さらに、前記加速センサにおいて、前記第1の加速度センサ部が検出できる最大加速度の大きさと、前記第2の加速度センサ部が検出できる最大加速度の大きさとは、100倍以上の差があることが好ましい。かかる構成とすることで、振れや揺れに伴う数G程度の加速度と、衝突や落下に伴う数百G程度の加速度とを1つの加速度センサで検出することができる。
また、本発明の電子機器は、前記加速度センサと、前記第1の加速度センサ部と第2の加速度センサ部のうち、少なくとも、より大きな加速度を検出できる加速度センサ部の検出出力を記憶する記憶部とを有することを特徴とする。該構成によれば、電子機器が受けた加速度のデータを保存しておくことができる。受けた加速度のうち、特に、大きな加速度の履歴を保存しておくことができるため、例えば携帯機器の故障原因の究明等にも寄与しうる。
本発明によれば、レベルが大きく異なる加速度を検出することができるとともに、小型の加速度センサを提供することができる。また、本発明の電子機器によれば、受けた加速のうち特に大きな加速度のデータを記憶し、受けた加速度の履歴を事後的に利用することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照しつつ説明する。なお、これら実施形態により本発明が限定されるものではない。
(センサ概要)
本発明の第1の実施の形態について図1を用いて説明する。図1の(a)は3軸加速度センサ素子の斜視図、(b)はその上面図、(c)は(b)のA−A’線に沿った断面図である。図1では、歪の検出による加速度検出に関わる部分を示してあり、保護ケースや配線等の要素は省略してある。これらの要素は、従来から周知の構成を用いることができる。図1の加速度センサ素子1では、略正方形形状の支持枠2の内側に、4つの可撓性を有する第1の梁部3を介して第1の錘部4が保持されている。さらに、前記第1の錘部4の内側に、4つの可撓性を有する第2の梁部5を介して第2の錘部6が保持されている。すなわち、2つの錘部が、いわゆる入れ子状に配置されている。正方形形状の支持枠2、第1の錘部4および第2の錘部6は、対向する各辺の長手方向中央で梁によって連結されている。なお、支持枠2に対しては、第1の錘部4だけでなく、その内側に位置する第2の梁部5や第2の錘部6も錘としての作用を及ぼすことになるが、ここでは、図1の符号4で表される枠体の部分を狭義の錘部として第1の錘部と称する。図1(c)の断面図で明らかなように、梁部3、5の厚さは、支持枠2や錘部4,6の厚さよりも薄くしてあるため、加速度が作用したときに、梁部が撓む。第1の梁部3には第1の加速度センサ部7を、第2の梁部5には第2の加速度センサ部8が設けられている。該加速度センサ部が、梁部の歪み量を検出することによって加速度センサとしての機能を発揮する。図1の構成では、加速度センサ部が2つあるため、レベルの異なる加速度を検出することができる。さらに、1つの支持枠の内側に2つの加速度センサ部が設けらており、しかも第1の錘部が第2の錘部に対する支持枠の機能も兼ねているため、センサの大型化を回避して、小型の加速度センサを実現する。
図1の構成では、第1の梁部3の幅および厚さを第2の梁部5のそれよりも大きくすることにより、第2の梁部5の剛性よりも第1の梁部3の剛性の方が高い。該剛性との関係を加味して、作用する加速度に対して第1の加速度センサ部7が検出する第1の梁部3の歪の大きさと、第2の加速度センサ部8が検出する第2の梁部5の歪の大きさが異なったものになるように、第1の錘部3、第2の梁部5および第2の錘部6の質量の和と、第2の錘部6の質量を調整する。図1の構成であれば、同じ加速度に対し、梁部3の歪の大きさが、梁部5の歪の大きさよりも小さくなる。すなわち、第1の梁部3に設けられた第1の加速度センサ部の方が、第2の梁部5に設けられた第2の加速度センサ部よりも大きな加速度レベルまで検出することが可能となり、これによって異なるレベルの加速度を検出できる加速度センサが構成される。図1に示す実施形態では、第1の加速度センサ部7が相対的に大きな加速度を検出する低感度検出部、第2の加速度センサ部8が相対的に小さな加速度を検出する高感度検出部となる。
(梁の数・形)
図1では梁部3、5は、2対、すなわち4本の梁で構成されているが、これらの梁部はそれぞれ4対或いはそれ以上の梁で構成してもよい。また、図1の構成では、第1の錘部、第2の錘部とも正方形状のものを示しているが、細部の形状は限定するものではなく、要は図1で示したX方向、Y方向に対する対称性が確保されていればよい。対称性を確保してXの出力とYの出力を同等のレベルとすることにより、ブリッジ回路のバランスが取り易くなり、検出回路を含めた全体も小型できる。
(拘束部材)
また、第1の錘部および第2の錘部には、過大な加速度が作用した場合に破損しないように、いわゆるストッパである拘束部材を設けて所定の範囲以上に変位しないようにする。拘束部材を設けないで、加速度センサを構成することもできるが、継続的な使用のためには拘束部材を設けることが好ましい。特に、第1の加速度センサが検出するような大加速度が作用した場合に破損しないように、少なくとも小加速度を検出する第2の加速度センサ部には、拘束部材を設けることが好ましい。例えば拘束部材は、第1の錘部および/または第2の錘部に対して、所定の間隔をあけて板状部材を設ける。拘束部材は、図1の板状の錘部の片面に設けてもよいが、破損を確実に防止するためには両面に設けることが好ましい。第1の錘部の拘束部材は支持枠に固定するなどして、第1の錘部は支持枠との関係において拘束される。一方、第2の錘部の拘束部材は前記第1の錘部の拘束部材と共通化することも可能であるが、各加速度センサ部同士の影響を抑制する観点からは、第2の錘部の拘束部材は、第1の錘部に固定して、第2の錘部は第1の錘部との関係において拘束されることが好ましい。
図4に拘束部材を設けた構成の例を示す。図4の(a)は、図1に示す加速度センサの構成、すなわち作用する同じ加速度に対し、第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさが、前記第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさよりも小さくなる加速度センサの構成を用いた例を示す。図1と共通の部材については、符号を省略してある。第1の錘部の拘束部材9は、スペーサ13を介して支持枠2に固定されている。なお、拘束部材9の固定の際に用いる接着剤の表示は省略してある。さらに、第2の錘部の拘束部材10は、第1の錘部に接着剤12を介して固定される。拘束部材10と一体となった第1の錘部と拘束部材9との間には所定の大きさのギャップGap2が形成されている。加速度が第2の加速度センサ部の検出範囲内の場合は、該ギャップの範囲内で第2の錘部が変位し、その際の梁部の歪が加速度出力として検出され、過大な加速度が作用した場合は拘束部材10によって第2の錘部が拘束され破壊が回避される。一方、拘束部材9と第1の錘部との間にも所定の大きさのギャップGap1が形成されている。加速度が第2の加速度センサ部の検出範囲を超えた場合は、第2の錘部が拘束され、第1の錘部は、拘束部材10とそれに拘束された前記第2の錘部と一体となって、該ギャップの範囲内で変位する。その際の梁部の歪が加速度出力として検出され、過大な加速度が作用した場合は拘束部材9によって第1の錘部が拘束され、破壊が回避される。すなわち、図4の(a)の構成では、各錘部毎に拘束部材が設けられているので、第2の錘部の姿勢状態の変化による第1の梁部の歪への影響が抑制される。
図4の(b)では、作用する同じ加速度に対し、第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさが、前記第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさよりも大きくなる加速度センサの構成において、第2の錘部の拘束部材と、第1の錘部の拘束部材とが、拘束部材14で共通化されている。拘束部材14は、スペーサとしての役割を備える接着剤12を介して支持枠2に固定されている。第1の錘部と拘束部材14との間には所定の大きさのギャップGap1が形成されている。一方、拘束部材14のうち、第2の錘部および第2の梁部に対向する部分は、内側が削り込み等によって、前記第1の錘部とのギャップGap1よりも、第2の錘部とのギャップGap2の方が大きくなるようにしてある。加速度が第1の加速度センサ部の検出範囲内の場合は、Gap1の範囲内で第1の錘部が変位し、その際の梁部の歪が加速度出力として検出され、過大な加速度が作用した場合は拘束部材14によって第1の錘部が拘束され破壊が回避される。加速度が第1の加速度センサ部の検出範囲を超えた場合は第1の錘部が拘束され、第2の錘部は、第1の錘部が拘束部材14に拘束された状態で、さらにGap2の範囲内で変位する。その際の梁部の歪が加速度出力として検出され、過大な加速度が作用した場合は拘束部材14によって第2の錘部が拘束され、破壊が回避される。
なお、図4(b)では、各錘部に体対向する部分の拘束部材の厚さを変えて、Gap1とGap2を異なるものとしているが、第1の錘部と第2の錘部の厚さを変えたり、他のスペーサ部材を用いてもよい。このように図4の(b)の構成は、部品点数が減らせるなど、小型化・軽量化、工程の簡略化に寄与する。なお、拘束部材は、別個の拘束部材として設ける他、保護部材やベース基板等、他の機能を果たす部材で兼用させてもよい。拘束部材の役割は、錘部の変位を抑制し、梁部の変形量を規制することである。その結果、梁部の応力が規制され、梁部の破壊が回避される。従って、Gap1、Gap2は、梁部の最大応力が破壊応力以下になる寸法で無ければならない。梁部に生じる応力は、梁剛性、すなわち厚み、幅の寸法に依存するため、普遍的なGap1、Gap2の定量規定は出来ない。定性的には、安全率を考慮して、梁部の最大応力が梁構成材料の破壊応力の1/数〜1/数十になる寸法範囲が望ましい。
(検出原理)
梁部の歪を検出する加速度センサ部には、ピエゾ抵抗、圧電効果、静電容量などを利用した素子を用いることができる。このうち、ピエゾ抵抗を利用したピエゾ抵抗素子は、半導体プロセスを用いて小型のものを簡易に製造することができるので好ましい。そこで、加速度センサ部としてピエゾ抵抗素子を用いた加速度センサについて以下説明する。まず、第1の加速度センサ部について説明する。図1では、加速度センサの中心を挟んでX軸方向に対置された一対の梁の各々に、X軸方向の加速度成分を検出するためのピエゾ抵抗素子7X1および7X2、7X3および7X4が設けられている。また、前記一対の梁には同様に、Z軸方向の加速度成分を検出するためのピエゾ抵抗素子7Z1および7Z2、7Z3および7Z4が設けられている。一方、加速度センサの中心を挟んでY軸方向に対置された一対の梁の各々に、Y軸方向の加速度成分を検出するためのピエゾ抵抗素子7Y1および7Y2、7Y3および7Y4が設けられている。各軸ともそれぞれ前記4つの素子でブリッジ回路を構成し(図2)、X軸、Y軸およびZ軸方向の加速度を下記の式で表される電圧として出力する。なお、ピエゾ抵抗素子7X1、7X2、7X3および7X4の抵抗値をRX1、RX2、RX3およびRX4とし、7Y1、7Y2、7Y3および7Y4の抵抗値をRY1、RY2、RY3およびRY4とし、7Z1、7Z2、7Z3および7Z4の抵抗値をRZ1、RZ2、RZ3およびRZ4とした。
X軸:Vout=[RX4/(RX1+RX4)―RX3/(RX2+RX3)]Vin
Y軸:Vout=[RY4/(RY1+RY4)―RY3/(RY2+RY3)]Vin
Z軸:Vout=[RZ3/(RZ1+RZ3)―RZ4/(RZ2+RZ4)]Vin
すなわち3軸方向の加速度を検出する3軸加速度センサを実現される。また、同様にして第2の加速度センサ部にもピエゾ抵抗素子8X1、8X2、8X3、8X4、8Y1、8Y2、8Y3、8Y4、8Z1、8Z2、8Z3および8Z4を設けて、ブリッジ回路を構成し、X軸、Y軸およびZ軸方向の加速度を電圧として出力する。
上述のように図1の構成では、第1の梁部3に設けられた第1の加速度センサ部の方が、第2の梁部5に設けられた第2の加速度センサ部よりも大きな加速度レベルまで検出することが可能である。そこで、第1の加速度センサ部7が相対的に大きな加速度を検出する低感度検出部、第2の加速度センサ部8が相対的に小さい加速度を検出する高感度検出部として機能する態様を以下さらに詳細に説明する。例えば数G程度など、第2の加速度センサ部が検出可能な小さな加速度では、第2の錘部6の変位によって第2の梁部5が歪み、第2の加速度センサ部であるピエゾ抵抗素子に応力が働き、加速度の大きさを電圧として出力する。この場合、第1の錘部4は、それを支える第1の梁部3自体の剛性によって姿勢が保持される。第1の梁の剛性を第2の梁のそれに比べて十分大きければ、作用する加速度によって第1の梁部はほとんど歪むことなく、第2の梁部の歪みとして作用する加速度が検出される。第1の梁部の歪の大きさを検出できる場合は、その大きさを加速度の算出演算に組み込んでもよい。一方、例えば数百G程度など、第1の加速度センサ部が検出可能な大きな加速度では、第1の錘部4の変位によって第1の梁部3が歪み、第1の加速度センサ部であるピエゾ抵抗素子に応力が働き、加速度の大きさが電圧として出力される。この場合、第2の錘部には過大な加速度が作用するが、大きな第2の梁部が破壊されないように拘束部材で第2の錘部6が拘束されている。このようにして、レベルの異なる加速度を検出することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施の形態について図3を用いて説明する。なお、図1の構成と同一の部材、部位については同じ符号を用いている。図3の(a)は3軸加速度センサ素子の斜視図、(b)はその上面図、(c)は(b)のA−A’線に沿った断面図である。図3の加速度センサ素子11では、支持枠2、第1の梁部3、第1の錘部4、第2の梁部5および第2の錘部6の相互の位置関係は図1の加速度センサ素子1と同様である。
図3の構成では、第2の梁部5の幅および厚さを第1の梁部3のそれよりも大きくすることにより、第1の梁部3よりも第2の梁部5の方が剛性が高くなるようにしてある。図3の構成は、かかる点で図1の構成と異なる。該剛性との関係を加味して、作用する加速度に対して第1の加速度センサ部7が検出する第1の梁部3の歪の大きさと、第2の加速度センサ部8が検出する第2の梁部5の歪の大きさが異なったものになるように、第1の錘部3、第2の梁部5および第2の錘部6の質量の和と、第2の錘部6の質量を調整する。図3の構成であれば、作用する同じ加速度に対し、第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさが、前記第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさよりも大きくなる。すなわち、第2の梁部5に設けられた第2の加速度センサ部の方が、第1の梁部3に設けられた第1の加速度センサ部よりも大きな加速度レベルまで検出することが可能となり、これによって異なるレベルの加速度を検出できる加速度センサが構成される。図3に示す実施形態では、第1の加速度センサ部7が相対的に小さな加速度を検出する高感度検出部、第2の加速度センサ部8が相対的に大きな加速度を検出する低感度検出部となる。
さらに、図3の構成は、第1の加速度センサ部が検出する加速度レベルと、第2の加速度センサ部が検出する加速度レベルとが、大きく異なる場合の構成として好適である。大きな加速度を検出するためには、その加速度に耐えるため梁の剛性を高める必要があり、支える錘部の質量が大きくなればなるほどより高い剛性が必要とされる。一方、小さな加速度を検出するためには、錘部の質量を増やす、梁部の剛性を下げる等の手段が必要である。第1の梁部3は第1の錘部4、第2の梁部5および第2の錘部6を合せた質量を支えるのに対し、第2の梁部5は第2の錘部の質量を支える。第2の加速度センサ部は、より質量の小さい第2の錘部との関係を主に考慮すればよいので、梁部の歪の大きさも小さいものに設計しやすい。したがって、第2の加速度センサ部は低感度検出に向いている。換言すれば、第2の加速度センサ部に小さい歪、すなわち大加速度を検出させる構成にすることによって、例えば、同じ梁の剛性であればより大きな加速度まで検出可能となると言える。また、第1の加速度センサ部は、高感度検出に向いている。これは前記理由により、第1の梁部3が支える質量を大きくしやすいからである。
前記梁部と錘部の以外の構成・機能については、上述の第1の実施形態と同様とすればよい。なお、図3の構成は、拘束部材について言えば、第2の梁部5が支える質量は第2の錘部6なので、第2の加速度センサ部で大加速度を検出する場合でも、第1の錘部4の拘束状況に左右されにくいため、第2の錘部の拘束部材と前記第1の錘部の拘束部材とを共通化するうえで有利である。
上述の第1の実施形態、第2の実施形態では、梁部の幅、厚さおよび錘部等の質量等の要素を調整することにより、第1の梁部および第2の梁部の歪の大きさを変えているが、梁部の長さを変えてもよいことはもちろんである。これらの要素を変えることによって、支持枠と、可撓性を有する第1の梁部を介して前記支持枠に保持される第1の錘部と、可撓性を有する第2の梁部を介して前記第1の錘部に保持される第2の錘部とを有し、前記第1の錘部は前記支持枠の内側に配置されるとともに前記第2の錘部は前記第1の錘部の内側に配置され、前記第1の梁部および第2の梁部に、それぞれ第1の加速度センサ部および第2の加速度センサ部が設けられた加速度センサの態様の1つとして、以下の構成を採用することもできる。すなわち、作用する加速度に対して第1の加速度センサ部が検出する第1の梁の歪の大きさと、第2の加速度センサ部が検出する第2の梁の歪の大きさを等しいものとしても良い。この場合は、同じ検出加速度レベルの加速度センサ部が2つ存在することになるが、個々の各センサ部を駆動する回路の駆動電圧やアンプの倍率を変えるなどして感度を異なるものとすることによって、レベルの異なる加速度を検出することができ、また小型化の効果も併せ持つ。なお、上述の実施形態1、2は、加速度センサ部の構造自体が、異なる加速度レベルに対応しているので、レベルがより大きく異なる加速度を検出する点では、上述の実施形態1、2がより好ましい。また、上述の各センサ部を駆動する回路の駆動電圧やアンプの倍率を変えるなどして感度を変える手段は、実施形態1および2に適用できるのはもちろんであり、かかる構成は検出する加速度のレベルの差がより大きい場合に好適である。
上述の構成を用いて、第1の加速度センサ部が検出できる最大加速度の大きさと、前記第2の加速度センサ部が検出できる最大加速度の大きさとは100倍以上の差を設けると、振れや揺れに伴うの加速度と、衝突や落下に伴う衝撃による加速度とを1つの加速度センサで検出できる加速度センサが実現できる。特に、作用する加速度に対して前記第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさと、前記第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさを異なるものとした実施形態1および2の構成の加速度センサは、検出しようとする最大加速度の差が特に大きい場合に好適であり、その差が1000倍以上とすることで、高所からの落下或いは高速での衝突の用途にも適用できる。
(製造方法・作製手順)
図3および図4の(a)の構造を用いた加速度センサを例として、本発明に係る加速度センサの組立の概要を、図5を用いて説明する。保護ケース18に、加速度センサ素子17を硬質プラスチック球(例えばφ10μm)を含有した接着剤(図示せず)で固着する。加速度センサ素子17の第1の錘部の底面と拘束部材として機能する保護ケース18の内底との間隔Gap1は、硬質プラスチック球の球径である10μm相当となる。この場合は、保護ケース18の内底が拘束部材を兼ねる。加速度センサ素子17の周辺部に形成された端子と、端子形成部19に形成された保護ケース18側の端子とはワイヤ(図示せず)で接続する。例えばφ25μmの金裸線ワイヤを用い、超音波ワイヤボンディングで接合すればよい。加速度センサ素子の上にφ10μmの硬質プラスチック球を含有した接着剤(図示せず)で拘束部材16を固着する。拘束部材16には、厚さ0.3mmの青板ガラスを用いる。保護ケース蓋15を保護ケース18にエポキシ系の樹脂で固着して加速度センサを得る。加速度センサ素子17は、図3のような形状に形成される。一方の面には複数個のピエゾ抵抗素子が形成される。配線パターンおよび端子の図示は省略した。加速度センサ素子は、支持枠、錘部、梁部を一体で形成してもよいし、錘部等の部材を別々に形成した後、それらの部材を接着して複合体を形成しても良い。
加速度センサ素子の製造方法についてさらに詳述する。例として、一体型の加速度センサ素子の製造方法を説明する。例えば、シリコン板にシリコン酸化層とシリコン層を有するSOIウェファを使用する。フォトレジストでパターニングを行い、シリコン層にボロンを例えば1〜3×1018原子/cm打ち込み、ピエゾ抵抗素子を作製する。ピエゾ抵抗素子を外部のイオンから保護するためと、シリコンと配線パターンおよび電極との絶縁を確保するため、0.2〜0.5μm厚の保護膜(SiO)を被覆する(ステップ1)。ピエゾ抵抗素子に接続する配線パターンと電極を、金属スパッタ−装置とドライエッチング装置を用いて形成する(ステップ2)。フォトリソグラフィー装置とドライエッチング装置を用いて、シリコン層に、梁部、錘部および支持枠を形成する(ステップ3)。シリコン酸化層がエッチングストッパとなるため、エッチングされるのはシリコン層のみである。ピエゾ抵抗素子面を下にしてSOIウェファをダミー基板に、熱伝導の高い金属粉末を樹脂に混練したもの等を用いて接着した。SOIウェファのシリコン板をドライエッチングするには、SFと酸素を導入したプラズマ内で行うため、被加工物の冷却が重要である。(ステップ4)ドライエッチングされるのはシリコン板のみで、シリコン酸化層は残っている。ダミー基板に付けたままウェファを弗酸溶液に浸け、シリコン酸化層を化学エッチングで除去する(ステップ5)。梁部等が形成されたSOIウェファがダミー基板に接着された状態で、SOIウェファを切断機でチップ状に分離する。さらに溶剤を用いて接着樹脂を溶かし、加速度センサ素子をダミー基板から取り外すことによって加速度センサ素子を得る(ステップ6)。
また、複合体を形成して加速度センサを製造する場合は、例えば、ピエゾ抵抗素子を形成するまでは、上述の一体型の場合と同様の工程を適用する。錘部の裏側の肉厚の部分等を別個に作製し、接着剤でウェファに接着した後、切断して加速度センサ素子を得る。複合体による加速度センサ素子の形成は、複雑な形状や異材質を適用する場合に好適である。
(履歴保存の携帯機器)
携帯機器を、前記加速度センサと、前記第1の加速度センサ部と第2の加速度センサ部のうち、少なくとも、より大きな加速度を検出できる加速度センサ部の検出出力を記憶する記憶部とを有するものとすれば、携帯機器が受けた加速度のデータを保存しておくことができる。加速度のデータの保存は、以下のように行うことができる。第1の加速度センサ部および第2の加速度センサ部のうち、より小さな加速度を検出する加速度センサ部(以下、小加速度検出部とする)の出力に基づいて、大きな加速度を検出する加速度センサ部(以下、大加速度検出部とする)の検出出力の記憶を行う。例えば、小加速度検出部の出力と予め設定された閾値に基づき落下を判定する回路部によって、落下していると判断されて落下フラグを発生される。前記落下フラグはデータ保存を制御する制御部であるマイコンに入力され、前記マイコンは、大加速度検出部から得られる各軸の加速度信号(XL,YL,ZL)を記憶部であるフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリに書き込むように制御する。これにより、落下判定は小加速度検出部の検出加速度値に基づいて行われ、フラッシュメモリへの記録は大加速度検出部の検出加速度信号によって行われる。記録される加速度のデータは機器が受けた最大加速度を更新していくようしてもよいし、所定の閾値以上の加速度の作用回数を確認できるように記録してもよい。このようにして機器が受けた加速度、特に加速度の履歴を保存しておくことができるため、携帯機器等の機器の故障原因究明等にも供することができる。
(実施例5)
なお、本発明は広範囲の加速度を検出する加速度センサ素子構造に関するものであり、その検出方法は、ピエゾ方式に限定されるものではない。第1の錘と第2の錘について各々の変位を静電容量の変化で計測する方式でも良い。その一例を図6で説明する。図6の(a)は3軸加速度センサ素子用の基板の斜視図、(b)は前記基板に電極膜を形成した様子を示す上面図、(c)は(b)に対向基板や拘束部材等を付加した3軸加速度センサ素子を(b)のA−A’線に沿ってみた断面図である。基板21の構造は、図1(a)から加速度センサ部7及び8を除いたものと同じにした。まず、図6(b)に示すように、基板21の上面には電極膜25,26,27及び28と、前記電極膜に導通する配線膜(図示を省略)とを形成した。ついで、図6(c)に示すように、スペーサ24を介して対向基板29を設け、錘側には他のスペーサ23を介して拘束部材9を設けることで、加速度センサ素子を構成した。なお、スペーサ24は電極膜に導通する配線膜の一部に跨るように設けるが、配線膜には予め酸化物保護膜を被覆しておき、前記酸化物保護膜とスペーサ24間をAuSn系ハンダで接合するようにした。また、対向基板29には、予め選択的エッチングで貫通孔を形成し、前記貫通孔に導電材を埋め込んでビア電極39を形成し、ついで各々のビア電極と導通するように対向電極膜35,36,37及び38を形成しておいた。ビア電極及び対向電極膜35,36,37及び38は、電極膜25,26,27及び28と対向させてキャパシタンスを形成するため、(b)の電極膜のパターンとは鏡像対称のパターンとなるように対向基板29に形成した。その結果、第2の錘部6には電極26と電極36による静電容量C5が形成され、第2の梁部5の各々には、電極28x1と対向する電極38による静電容量C1、電極28x2と対向する電極38による静電容量C2、電極28y1と対向する電極による静電容量C3、電極28y2と対向する電極による静電容量C4が形成され、C1〜C5の5個の静電容量で3軸を検知する第2の加速度センサ部を構成した。第1の錘部4には電極25z1,25z2,25z3及び25z4と対向する電極による静電容量C10が形成され、第1の梁部3の各々には、電極27x3と対向する電極37による静電容量C6、電極27x4と対向する電極37による静電容量C7、電極27y3と対向する電極による静電容量C8、電極27y4と対向する電極による静電容量C9が形成され、C6〜C10の5個の静電容量で3軸を検知する第1の加速度センサ部を構成した。基板21を用いると、第1の梁部の幅が狭いために電極膜28の面積を大きくすることはできない。したがって、電極膜28と電極膜38間における静電容量は、他の対向する電極膜間における静電容量よりも小さくなる。
(実施例6)
他の実施例として、第1の錘及び第2の錘について圧電体薄膜を用いて加速度を検知する方式の一例を図7に示す。図7の(a)は3軸加速度センサ素子用の基板の斜視図、(b)は前記基板に共通電極膜と圧電体薄膜と複数の電極膜を形成した様子を示す上面図、(c)は(b)の錘部側に拘束部材を付加した3軸加速度センサ素子を(b)のA−A’線に沿ってみた断面図である。基板21の構造は、図1(a)の構成から加速度センサ部7及び8を除いた基板だけの構成と同じである。ついで、図7(c)に示すように、基板21の上面には共通電極膜44を全面に形成し、支持枠2の部分よりも内側となるように前記共通電極膜44上に圧電体薄膜49を形成し、ついで前記圧電体薄膜49上に電極膜45,46,47及び48と、配線膜(図示を省略)とを形成した。さらに、基板21の錘側にはスペーサ23を介して拘束部材9を設けることで、加速度センサ素子を構成した。基板21を用いると、第1の梁部の幅が狭いため、電極膜48の面積を大きくできず、電極膜48と共通電極膜44とそれらに挟まれた部分の圧電体薄膜49によって構成される圧電体素子は、他の電極膜と共通電極膜34とそれらに挟まれた部分の圧電体薄膜44によって構成される圧電体素子よりも小さくなる。
(比較例1)
比較例1について図8を用いて説明する。図8の(a)は2軸加速度センサ素子の斜視図、(b)はその上面図、(c)は(b)のA−A’線に沿った断面図である。図8の加速度センサ素子111では、略正方形形状の支持枠102の内側に、4つの可撓性を有する第1の梁部103を介して第1の錘部104が保持されている。さらに、前記第1の錘部104の内側に、4つの可撓性を有する第2の梁部105を介して第2の錘部106が保持されている。2つの錘部が、いわゆる入れ子状に配置されている。しかしながら、比較例1は次の点で実施例1とは異なる。すなわち、第1の梁部103のうち、対向する1対の梁部は幅が細いため、加速度センサ部107が設けられていない。第2の梁部105のうち、対向する1対の梁部は幅が細いため、加速度センサ部108が設けられていない。幅の狭い梁があるため、素子面積に制限があって検知軸が2軸となり、3軸加速度センサとしては使用できない。
(比較例2)
比較例2について図9を用いて説明する。図9の(a)は3軸加速度センサ素子の斜視図、(b)はその上面図、(c)は(b)のA−A’線に沿った断面図である。図9の加速度センサ素子211では、略正方形形状の支持枠202の内側に、4つの可撓性を有する第1の梁部203を介して第1の錘部204が保持されている。さらに、前記第1の錘部204の内側に、4つの可撓性を有する第2の梁部205を介して第2の錘部206が保持されている。2つの錘部が、いわゆる入れ子状に配置されている。しかしながら、比較例2は次の点で実施例1とは異なる。すなわち、加速度センサ部207を有する第1の梁部203のうち、対向する1対の梁部は幅が細く、幅が太い方の1対の梁部とは非対称になっている。加速度センサ部208を有する第2の梁部105のうち、対向する1対の梁部は幅が細く、幅が太い方の1対の梁部とは非対称になっている。梁の幅が非対称であるため、入れ子状の形状であっても、X軸とY軸の感度が異なり、実用的な低感度出力及び高感度出力を精度よく得ることが困難である。この3軸加速度センサ素子に出力の軸方向感度を校正する回路を付加すると、装置の小型化が困難であるだけでなく、センサ素子1個づつ感度調整することが必要となり実用的ではない。
実施例1〜6と比較例1,2の違いを表1に示す。実施例のようにX軸とY軸の幅を対称にすると(梁幅の対称性=○)、低感度出力及び高感度出力ともに得ることができる(○)。これに対して、比較例1では狭い梁にピエゾ抵抗を形成できず(×)、比較例2ではX及びY軸方向で感度が異なる(△)。なお、実施例5及び6は、梁幅により素子面積が制限されるので出力信号を大きくすることが難しい。従って、十分な大きさの出力信号を得るには実施例1〜4を用いることが好ましい。
Figure 2008190892
(実施例7,8)
実施例1における梁の厚さの関係のみを変えて実施例7及び実施例8の加速度センサを作製した。実施例7は第2の梁部の厚さを第1の梁部と同じ厚さとし、実施例8は第2の梁部の厚さを第1の梁部の厚さよりも薄くした。評価結果を表2に示す。実施例1の製造工程では、厚い第2の梁部を得るエッチングと、薄い第1の梁部を得るエッチングと、梁部を設ける基板を貫通するエッチングとを要するため、エッチングの工数が多くなってしまう。エッチング毎にレジスト形成等のプロセスも付随するため、全体の工数も急激に増大する。これに対して、実施例7の製造工程では、第2及び第1の梁部を得るエッチングと、梁部を設ける基板を貫通するエッチングとを要するが、実施例1よりも工数が少なくて済む。検出する加速度のレンジに広さや低感度域と高感度域分離について、実施例7は実施例1よりも劣るが実用可能な範囲である。実施例8はレンジが狭くなり、低感度域と高感度域の明確な分離が難しくなった。なお、表2において、狭幅梁厚=広幅梁厚とは、第2の梁部と第1の梁部を1回のエッチングで同時に形成した構造であることを意味する。
Figure 2008190892
本発明の加速度センサの実施形態を示す図である。 本発明の加速度センサの検出回路を示す図である。 本発明の加速度センサの他の実施形態を示す図である。 本発明の加速度センサの一部の断面を示す図である。 本発明の加速度センサの分解斜視図である。 本発明の加速度センサの他の実施形態を示す図である。 本発明の加速度センサの他の実施形態を示す図である。 比較例の加速度センサを示す図である。 他の比較例の加速度センサを示す図である。
符号の説明
1、11、17:加速度センサ素子
2:支持枠
3:第1の梁部
4:第1の錘部
5:第2の梁部
6:第2の錘部
7:第1の加速度センサ部
8:第2の加速度センサ部
9、10、14、16:拘束部材
12:接着剤
13:スペーサ
15:保護ケース蓋
18:保護ケース
19:端子形成部

Claims (5)

  1. 支持枠と、可撓性を有する第1の梁部を介して前記支持枠に保持される第1の錘部と、可撓性を有する第2の梁部を介して前記第1の錘部に保持される第2の錘部とを有し、前記第1の錘部は前記支持枠の内側に配置されるとともに前記第2の錘部は前記第1の錘部の内側に配置され、前記第1の梁部および第2の梁部に、それぞれ第1の加速度センサ部および第2の加速度センサ部が設けられた加速度センサ。
  2. 作用する加速度に対して前記第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさと、前記第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさが異なることを特徴とする請求項1に記載の加速度センサ。
  3. 前記第1の加速度センサ部が検出する第1の梁部の歪の大きさが、前記第2の加速度センサ部が検出する第2の梁部の歪の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の加速度センサ。
  4. 前記第1の加速度センサ部が検出できる最大加速度の大きさと、前記第2の加速度センサ部が検出できる最大加速度の大きさとは100倍以上の差があることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加速度センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の加速度センサと、前記第1の加速度センサ部と第2の加速度センサ部のうち、少なくとも、より大きな加速度を検出できる加速度センサ部の検出出力を記憶する記憶部とを有する電子機器。

JP2007022888A 2007-02-01 2007-02-01 加速度センサおよびそれを用いた電子機器 Pending JP2008190892A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007022888A JP2008190892A (ja) 2007-02-01 2007-02-01 加速度センサおよびそれを用いた電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007022888A JP2008190892A (ja) 2007-02-01 2007-02-01 加速度センサおよびそれを用いた電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008190892A true JP2008190892A (ja) 2008-08-21

Family

ID=39751144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007022888A Pending JP2008190892A (ja) 2007-02-01 2007-02-01 加速度センサおよびそれを用いた電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008190892A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011082708A1 (de) 2010-12-27 2012-06-28 Mitsubishi Electric Corp. Beschleunigungssensor
JP2013032916A (ja) * 2011-07-29 2013-02-14 Minebea Co Ltd 多軸力検出器
JP6420442B1 (ja) * 2017-10-16 2018-11-07 株式会社ワコー 発電素子
JP2019030220A (ja) * 2018-08-09 2019-02-21 株式会社トライフォース・マネジメント 発電素子
JP2019075980A (ja) * 2018-10-05 2019-05-16 株式会社ワコー 発電素子
CN112798821A (zh) * 2020-12-28 2021-05-14 武汉大学 一种双轴压电式加速度计

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04184263A (ja) * 1990-11-19 1992-07-01 Tokai Rika Co Ltd 加速度検出装置
JPH0564746B2 (ja) * 1984-11-19 1993-09-16 Hitachi Ltd
JPH0650773A (ja) * 1992-07-07 1994-02-25 Orientetsuku:Kk 記憶再生を利用した最適レンジ測定方法
JPH06347473A (ja) * 1993-06-10 1994-12-22 Canon Inc 姿勢センサ
JPH11101816A (ja) * 1997-09-29 1999-04-13 Mazda Motor Corp 角加速度センサ及び角加速度検出方法
DE19813940A1 (de) * 1998-03-28 1999-10-07 Benecke Wolfgang Mikromechanischer Beschleunigungssensor
JP2000088871A (ja) * 1998-09-11 2000-03-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 衝撃・加速度検出装置及び衝撃・加速度検出システム
JP2005241503A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Hitachi Metals Ltd 落下時加速度履歴記録装置及びそれに用いられる加速度センサ装置
WO2006073440A2 (en) * 2004-04-22 2006-07-13 Smiths Detection Inc. Autonomous monitoring method and system using sensors of different sensitivities
JP2008008820A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Hitachi Ltd 慣性センサおよびその製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0564746B2 (ja) * 1984-11-19 1993-09-16 Hitachi Ltd
JPH04184263A (ja) * 1990-11-19 1992-07-01 Tokai Rika Co Ltd 加速度検出装置
JPH0650773A (ja) * 1992-07-07 1994-02-25 Orientetsuku:Kk 記憶再生を利用した最適レンジ測定方法
JPH06347473A (ja) * 1993-06-10 1994-12-22 Canon Inc 姿勢センサ
JPH11101816A (ja) * 1997-09-29 1999-04-13 Mazda Motor Corp 角加速度センサ及び角加速度検出方法
DE19813940A1 (de) * 1998-03-28 1999-10-07 Benecke Wolfgang Mikromechanischer Beschleunigungssensor
JP2000088871A (ja) * 1998-09-11 2000-03-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 衝撃・加速度検出装置及び衝撃・加速度検出システム
JP2005241503A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Hitachi Metals Ltd 落下時加速度履歴記録装置及びそれに用いられる加速度センサ装置
WO2006073440A2 (en) * 2004-04-22 2006-07-13 Smiths Detection Inc. Autonomous monitoring method and system using sensors of different sensitivities
JP2008008820A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Hitachi Ltd 慣性センサおよびその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011082708A1 (de) 2010-12-27 2012-06-28 Mitsubishi Electric Corp. Beschleunigungssensor
JP2013032916A (ja) * 2011-07-29 2013-02-14 Minebea Co Ltd 多軸力検出器
JP6420442B1 (ja) * 2017-10-16 2018-11-07 株式会社ワコー 発電素子
CN109672362A (zh) * 2017-10-16 2019-04-23 株式会社和广 发电元件
JP2019075894A (ja) * 2017-10-16 2019-05-16 株式会社ワコー 発電素子
EP3471158B1 (en) * 2017-10-16 2020-07-01 Wacoh Corporation Power generating element
US10917025B2 (en) 2017-10-16 2021-02-09 Wacoh Corporation Power generating element converting vibration energy into electric energy
JP2019030220A (ja) * 2018-08-09 2019-02-21 株式会社トライフォース・マネジメント 発電素子
JP2019075980A (ja) * 2018-10-05 2019-05-16 株式会社ワコー 発電素子
CN112798821A (zh) * 2020-12-28 2021-05-14 武汉大学 一种双轴压电式加速度计
CN112798821B (zh) * 2020-12-28 2021-10-08 武汉大学 一种双轴压电式加速度计

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4687577B2 (ja) 慣性センサ
KR100879958B1 (ko) 멀티 레인지 3축 가속도 센서장치
JP5159062B2 (ja) 角速度センサ
JP2008190892A (ja) 加速度センサおよびそれを用いた電子機器
JP2013250133A (ja) 電子デバイス及びその製造方法、並びに電子機器
JP2008039664A (ja) マルチレンジ加速度センサー
US20230314469A1 (en) Mems tri-axial accelerometer with one or more decoupling elements
US20130239679A1 (en) Three-axis gyroscope
JP2010190706A (ja) 慣性力センサ
JP2008164365A (ja) 慣性センサおよびその製造方法、ならびに慣性センサを備えた電気・電子機器
JP2007003211A (ja) 加速度センサおよびその出力補正方法
JP2008008672A (ja) 加速度センサ
US20220299383A1 (en) Sensor chip and force sensor apparatus
JP2008070312A (ja) マルチレンジ加速度センサー
JP2014215294A (ja) Mems素子
JP4983107B2 (ja) 慣性センサおよび慣性センサの製造方法
JP2012112819A (ja) 振動ジャイロ
WO2013089079A1 (ja) 加速度センサ
JP2006202909A (ja) 微小構造体を有する半導体装置および微小構造体の製造方法
JP6597099B2 (ja) 物理量センサー、電子機器および移動体
US20240027489A1 (en) Physical Quantity Sensor And Inertial Measurement Unit
JP5046240B2 (ja) 加速度センサの製造方法
TWI291027B (en) Acceleration sensor
JP2004184081A (ja) 加速度センサー
JP2009079948A (ja) 半導体加速度センサ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090703

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120404