JP2008164365A - 慣性センサおよびその製造方法、ならびに慣性センサを備えた電気・電子機器 - Google Patents

慣性センサおよびその製造方法、ならびに慣性センサを備えた電気・電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】加速度強度が異なる加速度を検出する素子をひとつのチップに備えることで、一つの慣性センサで2つ以上の加速度範囲に対応した加速度検出を可能にする。
【解決手段】同一基板(SOI基板20)に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子31を少なくとも2つ以上有することを特徴とする。その製造方法は、同一基板(SOI基板20)に慣性センサ素子31を少なくとも2つ以上形成する慣性センサ1の製造方法であって、前記各慣性センサ素子31を加速度強度が異なる加速度を検出するもので弾性支持体42に変位自在に支持された質量部43を有する慣性センサ素子31で形成し、前記各慣性センサ素子31を同一工程で形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、多軸方向の加速度を検出する慣性センサおよびその製造方法、ならびに慣性センサを備えた電気・電子機器に関する。
半導体装置の製造プロセスを使用して製造される加速度センサに代表される慣性センサとしては、多軸方向の加速度を検出する加速度センサ構造や半導体プロセスを使用した加速度センサと圧力センサを単一のチップ上に一体形成した構造が提案されている。
例えば、従来技術1では、高感度で超小型・薄型の半導体加速度センサを提供するために、半導体基板の中央部に形成された質量部と該半導体基板の周縁部に形成された枠部と、前記質量部及び前記枠部の上方に設けられ、これら質量部及び枠部を接続する薄肉の弾性部と該弾性部の上面側に形成された複数対のピエゾ抵抗素子とを具備し、前記質量部にその幅が前記弾性部幅より広い略直方体形状の2対の切り欠きを設け、該2対の切り欠きの上面側にて該質量部と前記2対の弾性部とを接続した構成としている(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1では、加速度センサに外部加速度が印加すると質量部が印加する外部加速度の大きさに比例して変位する。質量部の周囲に設けられた弾性部は、この質量部の変位に対応して特定方向にたわみ、同時にこの弾性部に設けられた複数対のピエゾ抵抗素子も歪む。そのため、この歪によりピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化し、X軸方向・Y軸方向・Z軸方向に各4本のピエゾ抵抗素子を用いてフルブリッジ回路からなる検出回路を構成すれば前記歪量の大きさに応じた電圧出力が得られる。したがって、3軸方向の加速度を検出する加速度センサが得られる。
また、従来技術2では、単一のチップ上に一体形成された高感度且つ小型の加速度計センサ及び圧力センサを提供するために、微小電気機械装置が、薄く形成された撓曲構造(112)を設けた加速度計(110)を含んでいる。単一のチップ(100)の上に一体形成された加速度計(110)及び圧力センサ(120)を含むこともできる。本発明の一観点では、微小機械装置が、凹部領域を画定している第一の半導体ウエハを含んでいる。半導体層が、凹部領域に対向してウエハに固定される。カンチレバー・ビームが半導体層に形成される。カンチレバー・ビームは、半導体層のアンカー領域に固定されている撓曲領域を含んでおり、また、第一の凹部領域に対向して懸吊されている慣性質量領域を含んでいる。撓曲領域は半導体層のアンカー領域よりも薄い構成としている(例えば、特許文献2参照。)。
上記特許文献2では、加速度検出部は、質量部と固定部と撓曲領域である弾性部から成る、いわゆるカンチレバー・ビーム構造の加速度センサである。上記撓曲領域である弾性部には、ピエゾ抵抗素子が形成されている。そして、加速度センサに外部加速度が印加すると、質量部が印加する外部加速度の大きさに比例して変位する。質量部と固定部の中間に設けられた弾性部は、この質量部の変位に対応して特定方向にたわみ、同時にこの弾性部に設けられた複数対のピエゾ抵抗素子も歪む。そのため、この歪によりピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化し、前記歪量の大きさに応じた電圧出力が得られる。したがって、特定の1軸方向からの加速度を検出する加速度センサが得られる。
次に、従来技術の問題点を従来技術の加速度センサを用いた以下のアプリケーションについて説明する。
ハードディスク駆動(以下、ハードディスク駆動をHDDと略して記す)装置を搭載した電子機器(例えば、ノートPC、ゲーム機、ビデオカメラ等)、携帯電話機について説明する。
HDD駆動装置を搭載した電子機器としては、近年、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、ビデオカメラ等が提案されている。
これらHDD装置を搭載した電子機器を使用中に誤って落下させてしまうと、HDD装置の磁気ディスクの記録面上に微小なギャップで浮上している読み書き用ヘッドが落下衝撃により磁気記録面に接触することにより生じる傷が原因で記録したデータを読み出せない、もしくは、データを記録できないという問題が生じる。そのため、筺体が落下状態に陥る挙動をなるべく早く低域用の加速度センサにて検知してヘッド退避を行う必要がある。
しかし、実際はハードディスクドライブ駆動装置を搭載した電機・電子機器は手の中や膝の上や車や電車や飛行機のテーブルの上など不安定な状態や常に何らかの振動を受けている状態で使用される可能性もあるため、単純な加速度の検出(ゼロG検出)だけでなく、連続的に筺体が受ける加速度を検知し解析することが必要となる。
尚、最近では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の進歩にともない数Gの加速度を検出できる加速度センサが小型かつ低価格で開発されるようになってきたため、電気・電子機器の自由落下を検知することは難しいことではなくなってきた。
また、HDD装置に外部からディスク面に垂直な方向の軸周りに数G〜数百Gの回転振動または、回転衝撃が加わると、ヘッド位置決め制御系は回転角速度の影響を受け、ヘッドが位置決めしているトラック中心から外れること(ヘッドのオフトラック)となり、HDD装置に外部から数G〜数百Gの並進振動または、並進衝撃が加わった場合でも、これらの並進加速度がヘッドを支持するヘッド支持系の質量アンバランスにより回転角速度に変換され、ヘッドのオフトラックが発生する。これらヘッドのオフトラックはディスク上に記録されたデータの破壊やパフォーマンスの低下につながり問題となる。そのため、HDD装置に加わる振動や衝撃を早く中域用の加速度センサにて検知してディスクへのライト動作の停止やヘッド退避を行う必要がある。
上記2点の問題を解決するためには、自由落下を検出するための数mG〜数Gのダイナミックレンジ(60dB)で数mGの加速度分解能を有する低域用の加速度センサと回転あるいは並進の衝撃・振動を検出するための数G〜数百Gのダイナミックレンジ(40dB)で数Gの加速度分解能を有する中域用の加速度センサが必要である。つまり、低域用と中域用を合わせた加速度範囲のダイナミックレンジは100dBとなる。
ところが、従来技術1、2は、いずれも1つの質量部を1つあるいは4つの弾性部で支持する形態上、質量部−弾性部のばね定数が一義的に一種類のみとなり、ある外部加速度が加わった際の質量部と質量部の周囲に設けられた弾性部の変位量、および、弾性部に設けられたピエゾ抵抗素子のたわみ量も一種類のみとなる。つまり、加速度を検出する弾性部上に形成したピエゾ抵抗素子のダイナミックレンジ(実現可能なダイナミックレンジはせいぜい60dB)がそのまま加速度センサの検出可能な加速度範囲となるため、低域用もしくは中域用もしくは高域用のいずれかの加速度範囲を検出する加速度センサとなり、2つ以上の加速度範囲(以下3つの組合せ)に対応する加速度センサを提供することは難しかった。例えば、低域用と中域用の組合せ(ダイナミックレンジ:100dB)、中域用と高域用の組合せ(ダイナミックレンジ:80dB)、低域用と中域用と高域用の組合せ(ダイナミックレンジ:120dB)等である。
携帯電話機の適用について説明する。携帯電話機のアプリケーションとして、ゴルフゲーム(携帯電話機をゴルフクラブに見たてて、ゴルフクラブのスウィングを加速度で代用する)や、1次元の姿勢(重力)を検出して行う表示装置の画面の方向補正や、カウンタ(歩数計等に利用)が提案されている。上記は、いずれも数Gの加速度強度を検出範囲とする加速度センサを使用することで可能となっている。
また、携帯電話機は、その使用上、落下による衝撃を受ける頻度が非常に高い。また、最近の携帯電話機は、筺体がプラスチック材料を用いており、落下による衝撃により筺体に衝撃痕が残ることなく、内部の基板やコネクタ部の破損が起きるケースがでてきた。そこで、携帯電話機内部に数千Gの加速度強度を検出範囲とする加速度センサを搭載すれば、故障に至る衝撃印加履歴が明らかになり、保障やサービス提供の情報とすることが可能となる。
しかし、アプリケーションとして搭載している数mG〜数Gのダイナミックレンジ(60dB)で数mGの加速度分解能を有する加速度センサでは落下衝撃による衝撃1000Gを検出することは上記同様にピエゾ抵抗素子のダイナミックレンジ(アンプゲインによる)上難しい。
特開2003−172745号公報 特開2005-268758号公報
解決しようとする問題点は、質量部−弾性部のばね定数が一義的に一種類のみとなり、ある外部加速度が加わった際の質量部と質量部の周囲に設けられた弾性部の変位量、および、弾性部に設けられたピエゾ抵抗素子のたわみ量も一種類のみとなる。したがって、低域用もしくは中域用もしくは高域用のいずれかの加速度範囲を検出する加速度センサとなり、2つ以上の加速度範囲に対応した加速度検出を可能にした加速度センサを提供することが難しい点である。
本発明は、加速度強度が異なる加速度を検出する素子をひとつのチップに搭載することで、一つの慣性センサで2つ以上の加速度範囲に対応した加速度検出を可能にすることを課題とする。
請求項1に係る本発明は、同一基板に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子を少なくとも2つ以上有することを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、同一基板に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子を少なくとも2つ以上有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度というように、異なる帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。また同一基板に各慣性センサ素子が形成されているので、各慣性センサ素子の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
請求項7に係る本発明は、同一基板に慣性センサ素子を少なくとも2つ以上形成する慣性センサの製造方法であって、前記各慣性センサ素子を加速度強度が異なる加速度を検出するもので弾性支持体に変位自在に支持された質量部を有する慣性センサ素子で形成し、前記各慣性センサ素子を同一工程で形成することを特徴とする。
請求項7に係る本発明では、同一基板に慣性センサ素子を少なくとも2つ以上形成し、各慣性センサ素子を加速度強度が異なる加速度を検出するもので弾性支持体に変位自在に支持された質量部を有する慣性センサ素子で形成することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度というように、異なる帯域の加速度の検出が、個々の慣性センサ素子によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる慣性センサを製造できる。また同一基板に各慣性センサ素子を同一工程で形成するので、工程数の増加なく製造でき、また、各慣性センサ素子の性能バラツキを抑えられるので、高精度な加速度センサが製造される。
請求項10に係る本発明は、電気・電子機器の動きによって生じる加速度を検出する慣性センサを搭載した電気・電子機器であって、前記慣性センサは、同一基板に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子を少なくとも2つ以上有することを特徴とする。
請求項10に係る本発明では、本発明の慣性センサを備えたことから、広い加速度範囲に対応できる高精度な加速度センサの提供が可能となるので、例えば低域の加速度で検知する自由落下と、中域の加速度で検知する振動、衝撃というような異なる事象が検知されるようになる。
請求項1に係る本発明によれば、異なる帯域の加速度の検出が、同一基板に搭載した個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子によって可能になるので、広い加速度範囲に対応して、高S/Nで加速度の検知ができるという利点がある。また個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子を同一基板に搭載したことで、高精度な加速度センサを提供できるため、加速度を高精度に検知できるという利点がある。さらに、1チップに異なる帯域の加速度の検出が可能な複数の慣性センサ素子が形成されているので、異なる帯域の加速度の検出が可能な複数の慣性センサを個々に用いるより、コストの低減が図れる。
請求項7に係る本発明によれば、広い加速度範囲に対応して、高S/Nで加速度の検知ができる慣性センサを製造できるという利点がある。また、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子を同一基板に、同一工程で形成することができるので、各慣性センサ素子を高精度に製造でき、加速度を高精度に検知できる慣性センサを製造できるという利点がある。また、工程数の増加なく製造できるという利点がある。
請求項10に係る本発明によれば、本発明の慣性センサを備えたことから、広い加速度範囲に対応できる高精度な加速度センサの提供が可能となるので、例えば、自由落下、衝突、衝撃等により生じた加速度を瞬時に検知できるため、発生した加速度による損傷を防御するような行動を電気・電子機器にとらせることができるという利点がある。
本発明の慣性センサの一実施の形態(第1実施例)を、図1に示した3面図、図2(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図2(2)の斜め下方から見た斜視図および図3に示した図1中のA−A’線断面図によって説明する。図1〜図3では、慣性センサの基本構造として、1軸の加速度を検知する慣性センサを示す。
図1〜図3に示すように、慣性センサ1は、同一の基板20に慣性センサ素子31(31−1、31−2)が形成されてなる。この基板20は、例えばシリコン基板21上に絶縁層22、シリコン層23が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板からなる。すなわち、SOI基板20からなる支持部41を備え、この支持部41の両側に上記慣性センサ素子31(31−1、31−2)が形成されている。慣性センサ素子31(31−1)は、上記支持部41の一方側にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−1)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−1)が支持されてなる。同様に、慣性センサ素子31(31−2)は、上記支持部41の他方側にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−2)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−2)が支持されてなる。
上記各質量部43の弾性支持体42に支持される側には凹部44が形成され、弾性支持体42は凹部44内で質量部43から離間させた状態で延長形成されて、質量部43を支持している。なお、図示はしていないが、各弾性支持体42の下部側にも質量部43が形成されていて、かつ質量部43は弾性支持体42によって支持部41に浮動状態に支持されていてもよい。この場合、弾性支持体42とその直下の質量部43との間隔は、加速度により質量部43と弾性支持体42が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
上記質量部43(43−1)とそれを支持する弾性支持体42(42−1)の共振周波数が他方の質量部43(43−2)とそれを支持する弾性支持体42(42−2)の共振周波数と異なるように設定されている。
上記共振周波数を異なるようにするのは、質量部43の質量に差をつける、もしくは弾性支持体42のばね定数に差をつけることで可能となる。このことは、質量部43の質量をm、弾性支持体42のばね定数をkとすれば、固有周波数(ここでは、上記の共振周波数を示す)f0が、f0=(1/2π)√(k/m){ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(1)式、およびk=4π2mf0 2{ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(2)式で表されることから明らかである。上記質量部43の質量に差をつける手段としては、例えば、質量部43の寸法(例えば、縦、横、厚み等の寸法)を変えることで実現でき、また上記弾性支持体42のばね定数に差をつける手段としては、例えば弾性支持体42の寸法(例えば、幅、長さ、厚み等の寸法)に差をつけることで実現できる。
この第1実施例では、一例として、弾性支持体42(42−1、42−2)の幅を変えることで、ばね定数の異なるものとしている。例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうち、異なる2帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子31によって可能になるように設定している。
また、各弾性支持体42には質量部43の変位を検出するための変位検出手段45が備えられている。この変位検出手段45は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向に形成された弾性支持体42(42−1、42−2)上には、支持部41側に形成されている。この変位検出手段45は、例えば、ピエゾ抵抗素子もしくは圧電素子からなる。このように、慣性センサ1は構成されている。
上記第1実施例では、同一基板20に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子31、32を有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうち、異なる2帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子31、32によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。また同一SOI基板20に各慣性センサ素子31、32が形成されているので、各慣性センサ素子31、32の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
上記慣性センサ素子31は、例えば各慣性センサ素子31の弾性支持体42のばね定数がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとしている。すなわち、ばね定数を変えることで、検出できる加速度が変化する。ばね定数が大きくなれば、弾性支持体42(例えば弾性支持体42−1)は剛性が増すので、各質量部43の質量を一定とすると、小さな加速度では変位しなくなり、より大きな加速度が与えられることで変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、ばね定数を小さくすると、支持弾性体42(例えば弾性支持体42−2)は小さな加速度にも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
また、上記慣性センサ素子31は、例えば各慣性センサ素子31の質量部43の質量がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとなる。すなわち、質量部43の質量を変えることで、検出できる加速度が変化する。質量部43の質量が軽くなれば、各弾性支持体42のばね定数を一定とすると、より大きな加速度が与えられることで、質量部43は変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、質量部43の質量を重くすると、質量部43は小さな加速度でも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
次に、本発明の慣性センサの一実施の形態(第2実施例)を、図4に示した3面図および図5(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図5(2)の斜め下方から見た斜視図によって説明する。図4〜図5では、慣性センサの基本構造として、1軸の慣性センサを示す。
図4および図5に示すように、慣性センサ2は、同一の基板20に慣性センサ素子32(32−1、32−2)が形成されてなる。この基板20は、例えばシリコン基板21上に絶縁層22、シリコン層23が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板からなる。すなわち、SOI基板20からなる枠体に形成された支持部46を備え、この支持部46の内側で、この支持部46の対向する枠部46−1、46−2に上記慣性センサ素子32(32−1、32−2)が形成されている。慣性センサ素子32(32−1)は、上記支持部46の一方側の枠部46−1にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−1)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−1)が支持されてなる。同様に、慣性センサ素子32(32−2)は、上記支持部46の他方側の枠部46−2にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−2)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−2)が支持されてなる。
上記各質量部43の弾性支持体42に支持される側には凹部44が形成され、弾性支持体42は凹部44内で質量部43から離間させた状態で延長形成されて、質量部43を支持している。なお、図示はしていないが、各弾性支持体42の下部側にも質量部43が形成されていて、かつ質量部43は弾性支持体42によって支持部46に浮動状態に支持されていてもよい。この場合、弾性支持体42とその直下の質量部43との間隔は、加速度により質量部43と弾性支持体42が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
上記質量部43(43−1)とそれを支持する弾性支持体42(42−1)の共振周波数が他方の質量部43(43−2)とそれを支持する弾性支持体42(42−2)の共振周波数と異なるように設定されている。
上記共振周波数を異なるようにするのは、質量部43の質量に差をつける、もしくは弾性支持体42のばね定数に差をつけることで可能となる。このことは、質量部43の質量をm、弾性支持体42のばね定数をkとすれば、固有周波数(ここでは、上記の共振周波数を示す)f0が、f0=(1/2π)√(k/m){ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(1)式、およびk=4π2mf0 2{ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(2)式で表されることから明らかである。上記質量部43の質量に差をつける手段としては、例えば、質量部の寸法(例えば、縦、横、厚み等の寸法)を変えることで実現でき、また上記弾性支持体42のばね定数に差をつける手段としては、例えば弾性支持体42の寸法(例えば、幅、長さ、厚み等の寸法)に差をつけることで実現できる。
この第2実施例では、一例として、弾性支持体42(42−1、42−2)の幅を変えることで、ばね定数の異なるものとしている。例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうち、異なる2帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子32によって可能になるように設定している。
また、各弾性支持体42には質量部43の変位を検出するための変位検出手段45が備えられている。この変位検出手段45は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向に形成された弾性支持体42(42−1、42−2)上には、支持部46側に形成されている。この変位検出手段45は、例えば、ピエゾ抵抗素子もしくは圧電素子からなる。このように、慣性センサ2は構成されている。
上記第2実施例では、同一基板20に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子32−1、32−2を有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうち、異なる2帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子32−1、32−2によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。また同一SOI基板20に各慣性センサ素子32−1、32−2が形成されているので、各慣性センサ素子32−1、32−2の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
上記慣性センサ素子32は、例えば各慣性センサ素子32の弾性支持体42のばね定数がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとしている。すなわち、ばね定数を変えることで、検出できる加速度が変化する。ばね定数が大きくなれば、弾性支持体42(例えば弾性支持体42−1)は剛性が増すので、各質量部43の質量を一定とすると、小さな加速度では変位しなくなり、より大きな加速度が与えられることで変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、ばね定数を小さくすると、支持弾性体42(例えば弾性支持体42−2)は小さな加速度にも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
また、上記慣性センサ素子32は、例えば各慣性センサ素子32の質量部43の質量がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとなる。すなわち、質量部43の質量を変えることで、検出できる加速度が変化する。質量部43の質量が軽くなれば、各弾性支持体42のばね定数を一定とすると、より大きな加速度が与えられることで、質量部43は変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、質量部43の質量を重くすると、質量部43は小さな加速度でも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
本発明の慣性センサの一実施の形態(第3実施例)を、図6に示した3面図および図7(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図7(2)の斜め下方から見た斜視図によって説明する。図6〜図7では、慣性センサの基本構造として、1軸の慣性センサを示す。
図6および図7に示すように、慣性センサ3は、慣性センサ1は、同一の基板20に慣性センサ素子33(33−1、33−2、33−3)が形成されてなる。この基板20は、例えばシリコン基板21上に絶縁層22、シリコン層23が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板からなる。すなわち、SOI基板20からなる支持部41を備え、この支持部41の3方向の側部に上記慣性センサ素子33(33−1、33−2、33−3)がそれぞれ形成されている。慣性センサ素子33(33−1)は、上記支持部41の図面でみて左側の側部にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−1)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−1)が支持されてなる。同様に、慣性センサ素子33(33−2)は、上記支持部41の図面でみて右側の側部にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−2)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−2)が支持されてなる。同様に、慣性センサ素子33(33−3)は、上記支持部41の図面でみて上側の側部にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−3)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−3)が支持されてなる。
上記各質量部43の弾性支持体42に支持される側には凹部44が形成され、弾性支持体42は凹部44内で質量部43から離間させた状態で延長形成されて、質量部43を支持している。なお、図示はしていないが、各弾性支持体42の下部側にも質量部43が形成されていて、かつ質量部43は弾性支持体42によって支持部41に浮動状態に支持されていてもよい。この場合、弾性支持体42とその直下の質量部43との間隔は、加速度により質量部43と弾性支持体42が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
上記質量部43(43−1)とそれを支持する弾性支持体42(42−1)の共振周波数、上記質量部43(43−2)とそれを支持する弾性支持体42(42−2)の共振周波数、および上記質量部43(43−3)とそれを支持する弾性支持体42(42−3)の共振周波数はそれぞれが異なるように設定されている。
上記共振周波数を異なるようにするのは、質量部43の質量に差をつける、もしくは弾性支持体42のばね定数に差をつけることで可能となる。このことは、質量部43の質量をm、弾性支持体42のばね定数をkとすれば、固有周波数(ここでは、上記の共振周波数を示す)f0が、f0=(1/2π)√(k/m){ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(1)式、およびk=4π2mf0 2{ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(2)式で表されることから明らかである。上記質量部43の質量に差をつける手段としては、例えば、質量部43の寸法(例えば、縦、横、厚み等の寸法)を変えることで実現でき、また上記弾性支持体42のばね定数に差をつける手段としては、例えば弾性支持体42の寸法(例えば、幅、長さ、厚み等の寸法)に差をつけることで実現できる。
また、これを周波数応答特性でみると図8のようになり、慣性センサ素子33の感度の違いは共振周波数の違いでも表せることがわかる。すなわち、慣性センサ素子33−1が共振周波数fL、慣性センサ素子33−2が共振周波数fM、慣性センサ素子33−3が共振周波数fHとなり、それぞれの慣性センサ素子33−1、33−2、33−3で異なる加速度を検知できることがわかる。
この第3実施例では、一例として、弾性支持体42(42−1、42−2、42−3)の幅を変えることで、ばね定数の異なるものとしている。例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子33によって可能になるように設定している。
また、各弾性支持体42には質量部43の変位を検出するための変位検出手段45が備えられている。この変位検出手段45は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向、Y軸方向に形成された弾性支持体42(42−1、42−2、42−3)上には、支持部21側に形成されている。この変位検出手段45は、例えば、ピエゾ抵抗素子もしくは圧電素子からなる。このように、慣性センサ3は構成されている。
上記第3実施例では、同一基板20に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子33−1、33−2、33−3を有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度を検出することが、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子33−1、33−2、33−3によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。また同一SOI基板20に各慣性センサ素子33−1、33−2、33−3が形成されているので、各慣性センサ素子33−1、33−2、33−3の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
上記慣性センサ素子33は、例えば各慣性センサ素子33の弾性支持体42のばね定数がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとしている。すなわち、ばね定数を変えることで、検出できる加速度が変化する。ばね定数が大きくなれば、弾性支持体42(例えば弾性支持体42−3)は剛性が増すので、各質量部43の質量を一定とすると、小さな加速度では変位しなくなり、より大きな加速度が与えられることで変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、ばね定数を小さくすると、支持弾性体42(例えば弾性支持体42−1)は小さな加速度にも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
また、上記慣性センサ素子33は、例えば各慣性センサ素子33の質量部43の質量がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとなる。すなわち、質量部43の質量を変えることで、検出できる加速度が変化する。質量部43の質量が軽くなれば、各弾性支持体42のばね定数を一定とすると、より大きな加速度が与えられることで、質量部43は変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、質量部43の質量を重くすると、質量部43は小さな加速度でも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
次に、本発明の慣性センサの一実施の形態(第4実施例)を、図9に示した3面図および図10(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図10(2)の斜め下方から見た斜視図によって説明する。図9〜図10では、慣性センサの基本構造として、1軸の慣性センサを示す。
図9および図10に示すように、慣性センサ4は、同一の基板20に慣性センサ素子34(34−1、34−2、34−3)が形成されてなる。この基板20は、例えばシリコン基板21上に絶縁層22、シリコン層23が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板からなる。すなわち、SOI基板20からなる枠体に形成された支持部46を備え、この支持部46の内側で、この支持部46の対向する枠部46−1、46−2、46−3に上記慣性センサ素子34(34−1、34−2、34−3)が形成されている。慣性センサ素子34(34−1)は、上記支持部46の(図面の平面図において)一方側の枠部46−1にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−1)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−1)が支持されてなる。同様に、慣性センサ素子34(34−2)は、上記支持部46の一方側の枠部46−2にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−2)の一端が支持され、この弾性支持体42の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−2)が支持されてなる。同様に、慣性センサ素子34(34−3)は、上記支持部46の一方側の枠部46−3にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−3)の一端が支持され、この弾性支持体42−3の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−3)が支持されてなる。
上記各質量部43の弾性支持体42に支持される側には凹部44が形成され、弾性支持体42は凹部44内で質量部43から離間させた状態で延長形成されて、質量部43を支持している。なお、図示はしていないが、各弾性支持体42の下部側にも質量部43が形成されていて、かつ質量部43は弾性支持体42によって支持部46に浮動状態に支持されていてもよい。この場合、弾性支持体42とその直下の質量部43との間隔は、加速度により質量部43と弾性支持体42が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
上記質量部43(43−1)とそれを支持する弾性支持体42(42−1)の共振周波数、上記質量部43(43−2)とそれを支持する弾性支持体42(42−2)の共振周波数、および上記質量部43(43−3)とそれを支持する弾性支持体42(42−3)の共振周波数はそれぞれが異なるように設定されている。
上記共振周波数を異なるようにするのは、質量部43の質量に差をつける、もしくは弾性支持体42のばね定数に差をつけることで可能となる。このことは、質量部43の質量をm、弾性支持体42のばね定数をkとすれば、固有周波数(ここでは、上記の共振周波数を示す)f0が、f0=(1/2π)√(k/m){ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(1)式、およびk=4π2mf0 2{ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(2)式で表されることから明らかである。上記質量部43の質量に差をつける手段としては、例えば、質量部の寸法(例えば、縦、横、厚み等の寸法)を変えることで実現でき、また上記弾性支持体42のばね定数に差をつける手段としては、例えば弾性支持体42の寸法(例えば、幅、長さ、厚み等の寸法)に差をつけることで実現できる。
また、これを周波数応答特性でみると図8のようになり、慣性センサ素子34の感度の違いは共振周波数の違いでも表せることがわかる。すなわち、慣性センサ素子34−1が共振周波数fL、慣性センサ素子34−2が共振周波数fM、慣性センサ素子34−3が共振周波数fHとなり、それぞれの慣性センサ素子34−1、34−2、34−3で異なる加速度を検知できることがわかる。
この第4実施例では、一例として、弾性支持体42(42−1、42−2、42−3)の幅を変えることで、ばね定数の異なるものとしている。例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度を検出することが、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子34によって可能になるように設定している。
また、各弾性支持体42には質量部43の変位を検出するための変位検出手段45が備えられている。この変位検出手段45は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向、Y軸方向に形成された弾性支持体42(42−1、42−2、42−3)上には、支持部46側に形成されている。この変位検出手段45は、例えば、ピエゾ抵抗素子もしくは圧電素子からなる。このように、慣性センサ4は構成されている。
上記第4実施例では、同一基板20に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子34−1、34−2、34−3を有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうち、異なる2帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子34−1、34−2、34−3によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。また同一SOI基板20に各慣性センサ素子34−1、34−2、34−3が形成されているので、各慣性センサ素子34−1、34−2、34−3の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
上記慣性センサ素子34は、例えば各慣性センサ素子32の弾性支持体42のばね定数がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとしている。すなわち、ばね定数を変えることで、検出できる加速度が変化する。ばね定数が大きくなれば、弾性支持体42(例えば弾性支持体42−3)は剛性が増すので、各質量部43の質量を一定とすると、小さな加速度では変位しなくなり、より大きな加速度が与えられることで変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、ばね定数を小さくすると、支持弾性体42(例えば弾性支持体42−1)は小さな加速度にも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
また、上記慣性センサ素子34は、例えば各慣性センサ素子34の質量部43の質量がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとなる。すなわち、質量部43の質量を変えることで、検出できる加速度が変化する。質量部43の質量が軽くなれば、各弾性支持体42のばね定数を一定とすると、より大きな加速度が与えられることで、質量部43は変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、質量部43の質量を重くすると、質量部43は小さな加速度でも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
次に、本発明の慣性センサの一実施の形態(第5実施例)を、図11に示した3面図、図12(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図12(2)に示した斜め下方から見た斜視図および図13に示した図11中のB−B’線断面図によって説明する。図11〜図13では、慣性センサの基本構造として、3軸の慣性センサを示す。
図11、図12および図13に示すように、慣性センサ5は、同一の基板20に慣性センサ素子35(35−1、35−2)が形成されてなる。この基板20は、例えばシリコン基板21上に絶縁層22、シリコン層23が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板からなる。すなわち、SOI基板20からなる枠体に形成された支持部46を備え、この支持部46に形成された開口部47−1、47−2の内側に上記慣性センサ素子35(35−1、35−2)が形成されている。慣性センサ素子35(35−1)は、上記開口部47−1の周囲の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−1)の一端が支持され、各弾性支持体42−1の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−1)が支持されてなる。同様に、慣性センサ素子35(35−2)は、上記開口部47−2の周囲の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−2)の一端が支持され、各弾性支持体42−2の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−2)が支持されてなる。したがって、各質量部43は、それぞれ、弾性支持体42によって四方より浮遊状態に支持されている。
上記各質量部43の弾性支持体42に支持される側には凹部44が形成され、弾性支持体42は凹部44内で質量部43から離間させた状態で延長形成されて、質量部43を支持している。なお、図示はしていないが、各弾性支持体42の下部側にも質量部43が形成されていて、かつ質量部43は弾性支持体42によって支持部46に浮動状態に支持されていてもよい。この場合、弾性支持体42とその直下の質量部43との間隔は、加速度により質量部43と弾性支持体42が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
上記質量部43(43−1)とそれを支持する弾性支持体42(42−1)の共振周波数と、上記質量部43(43−2)とそれを支持する弾性支持体42(42−2)の共振周波数とは異なるように設定されている。
上記共振周波数を異なるようにするのは、質量部43の質量に差をつける、もしくは弾性支持体42のばね定数に差をつけることで可能となる。このことは、質量部43の質量をm、弾性支持体42のばね定数をkとすれば、固有周波数(ここでは、上記の共振周波数を示す)f0が、f0=(1/2π)√(k/m){ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(1)式、およびk=4π2mf0 2{ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(2)式で表されることから明らかである。上記質量部43の質量に差をつける手段としては、例えば、質量部の寸法(例えば、縦、横、厚み等の寸法)を変えることで実現でき、また上記弾性支持体42のばね定数に差をつける手段としては、例えば弾性支持体42の寸法(例えば、幅、長さ、厚み等の寸法)に差をつけることで実現できる。
また、これを周波数応答特性でみると図8のようになり、慣性センサ素子35の感度の違いは共振周波数の違いでも表せることがわかる。すなわち、慣性センサ素子35−1、35−2を、共振周波数fL、共振周波数fM、共振周波数fHのいずれかに適宜対応させた設定(例えば弾性支持体42のばね定数の設定、もしくは質量部43の質量の設定)とすることで、慣性センサ素子35−1、35−2で異なる加速度を検知できることがわかる。
この第5実施例では、一例として、弾性支持体42(42−1、42−2)の幅を変えることで、ばね定数の異なるものとしている。例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度を検出することが、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子35によって可能になるように設定している。
また、各弾性支持体42には質量部43の変位を検出するための変位検出手段45が備えられている。この変位検出手段45は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向、Y軸方向に形成された弾性支持体42(42−1、42−2)上に形成されている。この変位検出手段45は、例えば、ピエゾ抵抗素子もしくは圧電素子からなる。このように、慣性センサ5は構成されている。
上記第5実施例では、同一基板20に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子35−1、35−2を有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうち、異なる2帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子35−1、35−2によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。また同一SOI基板20に各慣性センサ素子35−1、35−2が形成されているので、各慣性センサ素子35−1、35−2の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
上記慣性センサ素子35は、例えば各慣性センサ素子35の弾性支持体42のばね定数がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとしている。すなわち、ばね定数を変えることで、検出できる加速度が変化する。ばね定数が大きくなれば、弾性支持体42(例えば弾性支持体42−3)は剛性が増すので、各質量部43の質量を一定とすると、小さな加速度では変位しなくなり、より大きな加速度が与えられることで変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、ばね定数を小さくすると、支持弾性体42(例えば弾性支持体42−1)は小さな加速度にも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
また、上記慣性センサ素子35は、例えば各慣性センサ素子35の質量部43の質量がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとなる。すなわち、質量部43の質量を変えることで、検出できる加速度が変化する。質量部43の質量が軽くなれば、各弾性支持体42のばね定数を一定とすると、より大きな加速度が与えられることで、質量部43は変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、質量部43の質量を重くすると、質量部43は小さな加速度でも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
次に、本発明の慣性センサの一実施の形態(第6実施例)を、図14に示した3面図および図15(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図15(2)に示した斜め下方から見た斜視図によって説明する。図14〜図15では、慣性センサの基本構造として、3軸の慣性センサを示す。
図14および図15に示すように、慣性センサ6は、シリコン基板21上に絶縁層22、シリコン層23が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板20−1に、慣性センサ素子36(36−1)が形成され、別のSOI(Silicon on insulator)基板20−2に、慣性センサ素子36(36−2)が形成されて、二つのSOI基板20−1と20−2とを接合したものである。すなわち、SOI基板20−1からなる枠体に形成された支持部46(46−1)を備え、この支持部46−1に形成された開口部47−4の内側に上記慣性センサ素子36(36−1)が形成されている。慣性センサ素子36(36−1)は、上記開口部47−4の四方の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−1)の一端が支持され、各弾性支持体42−1の他端側には、SOI基板20−1からなる質量部43(43−1)が支持されてなる。同様に、SOI基板20−2からなる枠体に形成された支持部46(46−2)を備え、この支持部46−2に形成された開口部47−5の内側に上記慣性センサ素子36(36−2)が形成されている。慣性センサ素子36(36−2)は、上記開口部47−5の四方の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−2)の一端が支持され、各弾性支持体42−2の他端側には、SOI基板20−2からなる質量部43(43−2)が支持されてなる。したがって、各質量部43は、それぞれ、弾性支持体42によって四方より浮遊状態に支持されている。
慣性センサ6は、別々のSOI基板(20−1、20−2)で慣性センサ素子(36−1、36−2)を形成したものをZ方向に接合した後に切り出すことで作製される。接合法としては、Au−Au接合法、Au−Sn接合法、常温接合法等による接合が可能となる。また、支持部46がガラス基板で形成されている場合、例えば陽極接合法による接合が可能となる。
上記各質量部43の弾性支持体42に支持される側には凹部44が形成され、弾性支持体42は凹部44内で質量部43から離間させた状態で延長形成されて、質量部43を支持している。なお、図示はしていないが、各弾性支持体42の下部側にも質量部43が形成されていて、かつ質量部43は弾性支持体42によって支持部46に浮動状態に支持されていてもよい。この場合、弾性支持体42とその直下の質量部43との間隔は、加速度により質量部43と弾性支持体42が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
上記質量部43(43−1)とそれを支持する弾性支持体42(42−1)の共振周波数と、上記質量部43(43−2)とそれを支持する弾性支持体42(42−2)の共振周波数とは異なるように設定されている。
上記共振周波数を異なるようにするのは、質量部43の質量に差をつける、もしくは弾性支持体42のばね定数に差をつけることで可能となる。このことは、質量部43の質量をm、弾性支持体42のばね定数をkとすれば、固有周波数(ここでは、上記の共振周波数を示す)f0が、f0=(1/2π)√(k/m){ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(1)式、およびk=4π2mf0 2{ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(2)式で表されることから明らかである。上記質量部43の質量に差をつける手段としては、例えば、質量部の寸法(例えば、縦、横、厚み等の寸法)を変えることで実現でき、また上記弾性支持体42のばね定数に差をつける手段としては、例えば弾性支持体42の寸法(例えば、幅、長さ、厚み等の寸法)に差をつけることで実現できる。
また、これを周波数応答特性でみると図8のようになり、慣性センサ素子36の感度の違いは共振周波数の違いでも表せることがわかる。すなわち、慣性センサ素子36−1、36−2を、共振周波数fL、共振周波数fM、共振周波数fHのいずれかに適宜対応させた設定(例えば弾性支持体42のばね定数の設定、もしくは質量部43の質量の設定)とすることで、慣性センサ素子36−1、36−2で異なる加速度を検知できることがわかる。
この第6実施例では、一例として、弾性支持体42(42−1、42−2)の幅を変えることで、ばね定数の異なるものとしている。例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうち、異なる2帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子36によって可能になるように設定している。
また、各弾性支持体42には質量部43の変位を検出するための変位検出手段45が備えられている。この変位検出手段45は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向、Y軸方向に形成された弾性支持体42(42−1、42−2)上に形成されている。この変位検出手段45は、例えば、ピエゾ抵抗素子もしくは圧電素子からなる。このように、慣性センサ6は構成されている。
上記第6実施例では、基板20に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子36−1、36−2を有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうち、異なる2帯域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子36−1、36−2によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。またSOI基板20に各慣性センサ素子36−1、36−2が形成され、そして接合しているので、各慣性センサ素子36−1、36−2の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
上記慣性センサ素子36は、例えば各慣性センサ素子36の弾性支持体42のばね定数がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとしている。すなわち、ばね定数を変えることで、検出できる加速度が変化する。ばね定数が大きくなれば、弾性支持体42(例えば弾性支持体42−1)は剛性が増すので、各質量部43の質量を一定とすると、小さな加速度では変位しなくなり、より大きな加速度が与えられることで変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、ばね定数を小さくすると、支持弾性体42(例えば弾性支持体42−2)は小さな加速度にも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
また、上記慣性センサ素子36は、例えば各慣性センサ素子36の質量部43の質量がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとなる。すなわち、質量部43の質量を変えることで、検出できる加速度が変化する。質量部43の質量が軽くなれば、各弾性支持体42のばね定数を一定とすると、より大きな加速度が与えられることで、質量部43は変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、質量部43の質量を重くすると、質量部43は小さな加速度でも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
次に、本発明の慣性センサの一実施の形態(第7実施例)を、図16に示した3面図および図17(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図17(2)に示した斜め下方から見た斜視図よって説明する。図16〜図17では、慣性センサの基本構造として、3軸の慣性センサを示す。
図16および図17に示すように、慣性センサ6は、同一の基板20に慣性センサ素子35(37−1、37−2、37−3)が形成されてなる。この基板20は、例えばシリコン基板21上に絶縁層22、シリコン層23が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板からなる。すなわち、SOI基板20からなる枠体に形成された支持部46を備え、この支持部46に形成された3つの開口部47−1、47−2、47−3の内側に上記慣性センサ素子37(37−1、37−2、37−3)が形成されている。この開口部47−1、47−2、47−3は、例えば直列に配置されている。
上記慣性センサ素子37(37−1)は、上記開口部47−1の周囲の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−1)の一端が支持され、各弾性支持体42−1の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−1)が支持されてなる。同様に、上記慣性センサ素子37(37−2)は、上記開口部47−2の周囲の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−2)の一端が支持され、各弾性支持体42−2の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−2)が支持されてなる。同様に、上記慣性センサ素子37(37−3)は、上記開口部47−3の周囲の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−3)の一端が支持され、各弾性支持体42−3の他端側には、SOI基板20からなる質量部43(43−3)が支持されてなる。したがって、各質量部43は、それぞれ、弾性支持体42によって四方より浮遊状態に支持されている。
上記各質量部43の弾性支持体42に支持される側には凹部44が形成され、弾性支持体42は凹部44内で質量部43から離間させた状態で延長形成されて、質量部43を支持している。なお、図示はしていないが、各弾性支持体42の下部側にも質量部43が形成されていて、かつ質量部43は弾性支持体42によって支持部46に浮動状態に支持されていてもよい。この場合、弾性支持体42とその直下の質量部43との間隔は、加速度により質量部43と弾性支持体42が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
上記質量部43(43−1)とそれを支持する弾性支持体42(42−1)の共振周波数と、上記質量部43(43−2)とそれを支持する弾性支持体42(42−2)の共振周波数と、上記質量部43(43−3)とそれを支持する弾性支持体42(42−3)の共振周波数とは異なるように設定されている。
上記共振周波数を異なるようにするのは、質量部43の質量に差をつける、もしくは弾性支持体42のばね定数に差をつけることで可能となる。このことは、質量部43の質量をm、弾性支持体42のばね定数をkとすれば、固有周波数(ここでは、上記の共振周波数を示す)f0が、f0=(1/2π)√(k/m){ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(1)式、およびk=4π2mf0 2{ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(2)式で表されることから明らかである。上記質量部43の質量に差をつける手段としては、例えば、質量部の寸法(例えば、縦、横、厚み等の寸法)を変えることで実現でき、また上記弾性支持体42のばね定数に差をつける手段としては、例えば弾性支持体42の寸法(例えば、幅、長さ、厚み等の寸法)に差をつけることで実現できる。
また、これを周波数応答特性でみると図8のようになり、慣性センサ素子37の感度の違いは共振周波数の違いでも表せることがわかる。すなわち、慣性センサ素子37−1、37−2、37−3を、共振周波数fL、共振周波数fM、共振周波数fHのいずれかに適宜対応させた設定(例えば弾性支持体42のばね定数の設定、もしくは質量部43の質量の設定)とすることで、慣性センサ素子37−1、37−2、37−3で異なる加速度を検知できることがわかる。
この第7実施例では、一例として、弾性支持体42(42−1、42−2、42−3)の幅を変えることで、ばね定数の異なるものとしている。例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度の検出が、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子37によって可能になるように設定している。
また、各弾性支持体42には質量部43の変位を検出するための変位検出手段45が備えられている。この変位検出手段45は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向、Y軸方向に形成された弾性支持体42(42−1、42−2、42−3)上に形成されている。この変位検出手段45は、例えば、ピエゾ抵抗素子もしくは圧電素子からなる。このように、慣性センサ7は構成されている。
上記第7実施例では、同一基板20に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子37−1、37−2、37−3を有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度を検出することが、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子37−1、37−2、37−3によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。また同一SOI基板20に各慣性センサ素子37−1、37−2、37−3が形成されているので、各慣性センサ素子37−1、37−2、37−3の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
上記慣性センサ素子37は、例えば各慣性センサ素子37の弾性支持体42のばね定数がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとしている。すなわち、ばね定数を変えることで、検出できる加速度が変化する。ばね定数が大きくなれば、弾性支持体42(例えば弾性支持体42−3)は剛性が増すので、各質量部43の質量を一定とすると、小さな加速度では変位しなくなり、より大きな加速度が与えられることで変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、ばね定数を小さくすると、支持弾性体42(例えば弾性支持体42−1)は小さな加速度にも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
また、上記慣性センサ素子37は、例えば各慣性センサ素子37の質量部43の質量がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとなる。すなわち、質量部43の質量を変えることで、検出できる加速度が変化する。質量部43の質量が軽くなれば、各弾性支持体42のばね定数を一定とすると、より大きな加速度が与えられることで、質量部43は変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、質量部43の質量を重くすると、質量部43は小さな加速度でも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
次に、本発明の慣性センサの一実施の形態(第8実施例)を、図18に示した3面図および図19(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図19(2)に示した斜め下方から見た斜視図によって説明する。図18および図19では、慣性センサの基本構造として、3軸の慣性センサを示す。
図18および図19に示すように、慣性センサ8は、前記慣性センサ7において、慣性センサ素子37(37−1、37−2、37−3)をSOI基板20にL字型に配置したもので、その他の構成は、前記第7実施例の慣性センサ7と同様である。したがって、前記第7実施例と同様なる作用、効果が得られる。
次に、本発明の慣性センサの一実施の形態(第9実施例)を、図20に示した3面図および図21(1)に示した斜め上方から見た斜視図および図21(2)に示した斜め下方から見た斜視図によって説明する。図20および図21では、慣性センサの基本構造として、3軸の慣性センサを示す。
図20および図21に示すように、慣性センサ9は、前記慣性センサ6の構成を三層に形成したものである。すなわち、シリコン基板21上に絶縁層22、シリコン層23が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板20−1に慣性センサ素子39(39−1)が形成され、SOI(Silicon on insulator)基板20−2に慣性センサ素子39(39−2)が形成され、SOI(Silicon on insulator)基板20−3に慣性センサ素子39(39−3)が形成されて、三つのSOI基板20−1、20−2、20−3とを順にZ軸方向に接合したものである。
すなわち、SOI基板20−1からなる枠体に形成された支持部46(46−1)を備え、この支持部46−1に形成された開口部47−4の内側に上記慣性センサ素子39(39−1)が形成されている。慣性センサ素子39(39−1)は、上記開口部47−4の四方の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−1)の一端が支持され、各弾性支持体42−1の他端側には、SOI基板20−1からなる質量部43(43−1)が支持されてなる。同様に、SOI基板20−2からなる枠体に形成された支持部46(46−2)を備え、この支持部46−2に形成された開口部47−5の内側に上記慣性センサ素子39(39−2)が形成されている。慣性センサ素子39(39−2)は、上記開口部47−5の四方の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−2)の一端が支持され、各弾性支持体42−2の他端側には、SOI基板20−2からなる質量部43(43−2)が支持されてなる。さらに、SOI基板20−3からなる枠体に形成された支持部46(46−3)を備え、この支持部46−3に形成された開口部47−6の内側に上記慣性センサ素子39(39−3)が形成されている。慣性センサ素子39(39−3)は、上記開口部47−6の四方の支持部46にシリコン層23からなる弾性支持体42(42−3)の一端が支持され、各弾性支持体42−3の他端側には、SOI基板20−3からなる質量部43(43−3)が支持されてなる。
したがって、各質量部43は、それぞれ、弾性支持体42によって四方より浮遊状態に支持されている。
慣性センサ9は、別々のSOI基板(20−1、20−2、20−3)で慣性センサ素子(39−1、39−2、39−3)を形成したものをZ方向に順に接合した後に切り出すことで作製される。接合法としては、Au−Au接合法、Au−Sn接合法、常温接合法等による接合が可能となる。また、支持部46がガラス基板で形成されている場合、例えば陽極接合法による接合が可能となる。
上記各質量部43の弾性支持体42に支持される側には凹部44が形成され、弾性支持体42は凹部44内で質量部43から離間させた状態で延長形成されて、質量部43を支持している。なお、図示はしていないが、各弾性支持体42の下部側にも質量部43が形成されていて、かつ質量部43は弾性支持体42によって支持部46に浮動状態に支持されていてもよい。この場合、弾性支持体42とその直下の質量部43との間隔は、加速度により質量部43と弾性支持体42が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
上記質量部43(43−1)とそれを支持する弾性支持体42(42−1)の共振周波数と、上記質量部43(43−2)とそれを支持する弾性支持体42(42−2)の共振周波数と、上記質量部43(43−3)とそれを支持する弾性支持体42(42−3)の共振周波数とは異なるように設定されている。
上記共振周波数を異なるようにするのは、質量部43の質量に差をつける、もしくは弾性支持体42のばね定数に差をつけることで可能となる。このことは、質量部43の質量をm、弾性支持体42のばね定数をkとすれば、固有周波数(ここでは、上記の共振周波数を示す)f0が、f0=(1/2π)√(k/m){ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(1)式、およびk=4π2mf0 2{ SHAPE \* MERGEFORMAT ,}…(2)式で表されることから明らかである。上記質量部43の質量に差をつける手段としては、例えば、質量部43の寸法(例えば、縦、横、厚み等の寸法)を変えることで実現でき、また上記弾性支持体42のばね定数に差をつける手段としては、例えば弾性支持体42の寸法(例えば、幅、長さ、厚み等の寸法)に差をつけることで実現できる。
また、これを周波数応答特性でみると図8のようになり、慣性センサ素子39の感度の違いは共振周波数の違いでも表せることがわかる。すなわち、慣性センサ素子39−1、39−2、39−3を、共振周波数fL、共振周波数fM、共振周波数fHのいずれかに適宜対応させた設定(例えば弾性支持体42のばね定数の設定、もしくは質量部43の質量の設定)とすることで、慣性センサ素子39−1、39−2、39−3で異なる加速度を検知できることがわかる。
この第9実施例では、一例として、弾性支持体42(42−1、42−2、42−3)の幅を変えることで、ばね定数の異なるものとしている。例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度を検出する慣性センサ素子39によって可能になるように設定している。
また、各弾性支持体42には質量部43の変位を検出するための変位検出手段45が備えられている。この変位検出手段45は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向、Y軸方向に形成された弾性支持体42(42−1、42−2、42−3)上に形成されている。この変位検出手段45は、例えば、ピエゾ抵抗素子もしくは圧電素子からなる。このように、慣性センサ9は構成されている。
上記第9実施例では、基板20に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子39−1、39−2、39−3を有することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度を検出することが、個々の異なる加速度を検出する慣性センサ素子39−1、39−2、39−3によって可能になるので、広い加速度範囲に対応できる。またSOI基板20に各慣性センサ素子39−1、39−2、39−3が形成され、そして接合しているので、各慣性センサ素子39−1、39−2、39−3の性能バラツキを抑えることができるので、高精度な加速度センサが提供される。
上記慣性センサ素子39は、例えば各慣性センサ素子39の弾性支持体42のばね定数がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとしている。すなわち、ばね定数を変えることで、検出できる加速度が変化する。ばね定数が大きくなれば、弾性支持体42(例えば弾性支持体42−1)は剛性が増すので、各質量部43の質量を一定とすると、小さな加速度では変位しなくなり、より大きな加速度が与えられることで変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、ばね定数を小さくすると、支持弾性体42(例えば弾性支持体42−3)は小さな加速度にも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
また、上記慣性センサ素子39は、例えば各慣性センサ素子39の質量部43の質量がそれぞれ異なるように形成されることで、加速度強度が異なる加速度を検出するものとなる。すなわち、質量部43の質量を変えることで、検出できる加速度が変化する。質量部43の質量が軽くなれば、各弾性支持体42のばね定数を一定とすると、より大きな加速度が与えられることで、質量部43は変位するようになる。したがって、大きな加速度の検出が可能になる。逆に、質量部43の質量を重くすると、質量部43は小さな加速度でも変位するようになるので、小さな加速度の検出が可能になる。
次に、慣性センサの動作原理について、図22に示した信号ブロック図および図23に示したフローチャートによって説明する。まず、1軸の慣性センサについて説明する。
上記第1実施例〜第4実施例で説明した1軸の慣性センサの動作原理を、図22および図23によって説明する。以下の説明では、代表して慣性センサ1について述べるが、他の慣性センサ2〜4についても、慣性センサ1と同様になる。
1軸の慣性センサ1に加速度が作用すると、基板20に形成された質量部43が加速度に比例した力を受けて変位することで弾性支持体42にたわみを生じ、弾性支持体42の上面側に形成された変位検出手段45、例えば、ピエゾ抵抗素子または圧電素子の抵抗値が変化し、弾性支持体42のたわみの大きさに応じた電圧出力が得られることで1軸方向の加速度を検出する。質量部43とそれを支持する弾性支持体42のばね定数を異なるようにしているため、外部からある加速度が作用すると、弾性支持体のたわみに差が生じる。つまり、小さい加速度をS/N良く測定するためには、小さい加速度で大きなたわみを生じるようにすればよく(ばね定数を小さく)、大きい加速度をS/N良く測定するためには、小さい加速度で大きなたわみを生じないようにすればよい(ばね定数を大きくする)。この際の信号ブロック図を図22に示す。
図22に示すように、各慣性センサ素子(低域の加速度を検知する慣性センサ素子、中域の加速度を検知する慣性センサ素子、もしくは高域の加速度を検知する慣性センサ素子)で得られた信号を増幅するアンプ、温度補正回路、フィルタが各1系統ずつ設けられている。このため、同時に加速度範囲の異なる1軸方向の加速度を高精度に測定することが可能となる。上記低域の加速度とは、例えば±5Gの加速度とし、上記中域の加速度とは、例えば±100Gの加速度とし、上記高域の加速度とは、例えば±2000Gの加速度とする。なお、用途に応じ、低域の加速度を検知する慣性センサ素子と中域の加速度を検知する慣性センサ素子との組合せ、中域の加速度を検知する慣性センサ素子と高域の加速度を検知する慣性センサ素子との組合せ、低域の加速度を検知する慣性センサ素子と中域の加速度を検知する慣性センサ素子と高域の加速度を検知する慣性センサ素子との組合せ、等が可能である。
次に、上記慣性センサ素子31における加速度の検出方法を図23示したフローチャートによって説明する。このフローチャートは、一つの慣性センサ素子における加速度の検出および処理について示している。
図23に示すように、慣性センサ素子31が「加速度検出」で加速度を検出を検出すると、「しきい値範囲」で、検出した加速度が予め慣性センサ素子31に設定された検出可能な加速度か否かを判定する。この判定部において、検出した加速度がしきい値範囲であれば「yes」と判定し、所定の処理を実行する。一方、判定部において、検出した加速度がしきい値範囲でない「no」と判定した場合は、再度、慣性センサ素子で加速度の検出を行う。本発明の慣性センサでは、異なる加速度範囲を検出できる慣性センサ素子を二つ以上、搭載しているので、例えば、落下を検知する±5G程度の低域加速度と、衝撃を検知する±100G程度の中域加速度とを検出することができる。もちろん、慣性センサ素子31が±2000G程度の高域加速度を検知できるものを用いていれば、強い衝撃を検知することができる。
次に、上記第5実施例〜第9実施例で説明した3軸の慣性センサの動作原理を、前記図22および図23によって説明する。以下の説明では、代表して慣性センサ5について述べるが、他の慣性センサ6〜9についても、慣性センサ5と同様になる。
3軸の慣性センサ5に加速度が作用すると、基板20に形成された質量部43が加速度に比例した力を受けて変位することで弾性支持体42にたわみを生じ、弾性支持体42の上面側に形成された各12ヶ所(計24ヵ所)の変位検出手段45、例えば、ピエゾ抵抗素子または圧電素子が、弾性支持体42上にある2つの直行する検出軸(X軸とY軸)および弾性支持体42に垂直な1つの検出軸(Z軸)に対応して、各軸それぞれ4ヶ所のピエゾ抵抗素子、または、圧電素子で構成されたホイートストンブリッジ回路(図示せず)を用いて3軸方向の加速度を検出する。質量部43とそれを支持する弾性支持体42のばね定数を異なるようにしてあるため、外部からある加速度が作用すると、各慣性センサ素子31の弾性支持体42のたわみに差が生じる。つまり、小さい加速度をS/N良く測定するためには、小さい加速度で大きなたわみを生じるようにすればよく(ばね定数を小さく)、大きい加速度をS/N良く測定するためには、小さい加速度で大きなたわみを生じないようにすればよい(ばね定数を大きくする)。
この際の信号ブロック図は、前記図22に示したとおりであり、3軸の慣性センサ5の場合も、各慣性センサ素子で得られた信号を増幅するアンプ、温度補正回路、フィルタが各1系統ずつ設けられている。このため、同時に加速度の異なる各軸方向の加速度を高精度に測定することが可能となる。例えば各慣性センサ素子を、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度に対応させることで、用途に応じた加速度測定が可能になる。例えば、低域の加速度を検知する慣性センサ素子と中域の加速度を検知する慣性センサ素子との組合せ、中域の加速度を検知する慣性センサ素子と高域の加速度を検知する慣性センサ素子との組合せ、低域の加速度を検知する慣性センサ素子と中域の加速度を検知する慣性センサ素子と高域の加速度を検知する慣性センサ素子との組合せ、等が可能である。
また、上記慣性センサ素子31における加速度の検出方法は、前記説明したのと同様である。
次に、SIP(System in a Package)で本発明の慣性センサ1〜9を組み込んで1モジュール化した一例を、図24の概略構成斜視図によって説明する。図24では、慣性センサとして代表して慣性センサ1を示しているが、慣性センサ2〜9を搭載することもできる。
図24に示したSIPは、1つのパッケージ71内に、本発明の慣性センサ1、メモリチップ81、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)チップ91を搭載した一例である。上記チップ以外にも如何なる半導体チップも搭載することができ、それらの半導体チップと慣性センサ1とを組み合わせて、システムが構成されている。
次に、本発明の慣性センサの製造方法の一実施の形態(第1実施例)を、図25〜図28に示した製造工程断面図によって説明する。第1実施例では、慣性センサの製造方法として、変位検出手段としてピエゾ抵抗素子を用いた構成の製造方法を説明する。図25〜図28では、代表して、前記図3で示した慣性センサ素子31−1の部分の製造工程を示した。
慣性センサ1を形成するために、酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層を介してシリコン層(SOI層)が形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板を用いた。本実施例では、図25(1)に示すように、SOI基板20にシリコン基板21の厚さが300μm〜500μm、絶縁層22の厚さが0.2μm〜4μm(好ましくは0.5μm〜1μm)、シリコン層23の厚さが10μmのものを用いた。
次に、図25(2)に示すように、シリコン層23を所望の膜厚となるようにエッチングを行う。このエッチング方法は、例えばウエットエッチングにより行い、このエッチング液には、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH:tetramethylammonium hydroxide)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いる。このエッチングには、例えば化学的ドライエッチング、物理的ドライエッチングを用いることもできる。また、予め、所望の膜厚がわかっているならば、そのような厚さを有するSOI基板を用意しても良い。
次に、図26(3)に示すように、シリコン層23の表面に、フォトレジストもしくは酸化シリコン(SiO2)膜、例えば熱酸化膜などで所定形状のマスクパターン(図示せず)を形成した後、イオン打ち込みなどの不純物導入工程により、シリコン層23に例えばp型不純物(例えばボロン)を導入して、変位検出手段(以下、ピエゾ抵抗素子として説明する)45を形成する。
次に、図26(4)に示すように、ピエゾ抵抗素子45の保護を目的として、シリコン層23上に保護膜51を形成する。この保護膜51には、例えば可動イオンのゲッタリング効果を持たせたものとして、酸化シリコン(SiO2)とPSG(Phosphorous silicated glass)との多層膜を用いる。または、酸化シリコン(SiO2)と窒化シリコン(SiN)の2層膜を用いることもできる。
次に、図27(5)に示すように、ピエゾ抵抗素子45の両端部上の保護膜51に、電極接続用のスルーホール52を形成する。この加工には、例えばフッ酸蒸気を主体としたウエットエッチングを用いる。
次に、図27(6)に示すように、上記スルーホール52を通じてピエゾ抵抗素子25に接続するように、電極配線形成膜を成膜する。この電極配線形成膜は、例えばスパッタリングによって、アルミニウム合金(アルミニウム、銅、Siなど主組成)膜で形成される。次いで、通常のリソグラフィー技術によるマスク形成、そのマスクを用いたエッチングにより、上記電極配線形成膜を加工して、電極配線53を形成する。
次に、図28(7)に示すように、シリコン層23の加工を行う。通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とによって、シリコン層23を除去加工して、弾性支持体42を形成する。ここでは、支持部41の1辺上部中央に接続するように弾性支持体42が支持部41と連続した状態に形成される。その際、弾性支持体42の両側になる質量部43のシリコン層23および絶縁層22に凹部(前記図1参照)を形成する。
次に、図28(8)に示すように、例えば両面アライナー装置(図示せず)を用いて、SOI基板20の裏面側からシリコン基板21の表面に形成された弾性支持体42やピエゾ抵抗素子45との位置合わせを行い、質量部や支持部の形状にフォトレジスト膜(図示せず)を露光する。その後、現像工程を経てフォトレジスト膜からなるエッチングマスク(図示せず)を形成し、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)法のドライエッチングを行う。このエッチング工程により、シリコン基板21を除去加工して、シリコン基板21で形成される部分の支持部41と質量部43を形成する。次に、弾性支持体42下部の絶縁層22をエッチングして除去する。この除去加工は、例えばウエットエッチングにより行う。このようにして、慣性センサ素子31(31−1)が形成される。
上記説明では、慣性センサ素子31(31−1)の部分について説明したが、同様に、慣性センサ素子31(31−2)の部分についても、慣性センサ素子31−1と同一工程で形成することができる。さらに、慣性センサ素子31が3つ以上の慣性センサであっても、上記同様なプロセスで製造することができる。各慣性センサ素子31を同一工程で形成する際に、各慣性センサ素子31の弾性支持体42のばね定数をそれぞれ変えて形成する。その手段としては、各慣性センサ素子31の弾性支持体42の寸法を変えることでばね定数を変えることができる。すなわち、弾性支持体41の幅、長さを変えることでばね定数を変えることができる。
または、前記各慣性センサ素子31を同一工程で形成する際に、各慣性センサ素子31の質量部43の質量をそれぞれ変えて形成する。その手段としては、各慣性センサ素子31の質量部43の寸法を変えることで質量を変えることができる。すなわち、質量部43の長さ、幅、高さを変えることでばね定数を変えることができる。長さ、幅は、質量部を形成する際に用いるフォトマスクで調整することができ、高さを変える場合には質量部43のシリコン基板21をエッチングすることで調整することができる。
次に、本発明の慣性センサの製造方法の一実施の形態(第2実施例)を、前記図25〜図28に示した製造工程断面図によって説明する。第2実施例では、慣性センサの製造方法として、変位検出手段として圧電素子を用いた構成の製造方法を説明する。
慣性センサ1を形成するために、酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層を介してシリコン層(SOI層)が形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板を用いた。本実施例では、図25(1)に示すように、SOI基板20にシリコン基板21の厚さが300μm〜500μm、絶縁層22の厚さが0.2μm〜4μm(好ましくは0.5μm〜1μm)、シリコン層23の厚さが10μmのものを用いた。
次に、図25(2)に示すように、シリコン層23を所望の膜厚となるようにエッチングを行う。このエッチング方法は、例えばウエットエッチングにより行い、このエッチング液には、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH:tetramethylammonium hydroxide)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いる。このエッチングには、例えば化学的ドライエッチング、物理的ドライエッチングを用いることもできる。また、予め、所望の膜厚がわかっているならば、そのような厚さを有するSOI基板を用意しても良い。
次に、図26(3)に示すように、シリコン層23の表面に、フォトレジストもしくは酸化シリコン(SiO2)膜、例えば熱酸化膜などで所定形状のマスクパターン(図示せず)を形成した後、CVDやPVDにて変位検出手段(以下、圧電素子として説明する)45を形成する。
次に、図26(4)に示すように、圧電素子45の保護を目的として、シリコン層23上に保護膜51を形成する。この保護膜51には、例えば可動イオンのゲッタリング効果を持たせたものとして、酸化シリコン(SiO2)とPSG(Phosphorous silicated glass)との多層膜を用いる。または、酸化シリコン(SiO2)と窒化シリコン(SiN)の2層膜を用いることもできる。
次に、図27(5)に示すように、圧電素子45の両端部上の保護膜51に、電極接続用のスルーホール52を形成する。この加工には、例えばフッ酸蒸気を主体としたウエットエッチングを用いる。
次に、図27(6)に示すように、上記スルーホール52を通じて圧電素子45に接続するように、電極配線形成膜を成膜する。この電極配線形成膜は、例えばスパッタリングによって、アルミニウム合金(アルミニウム、銅、Siなど主組成)膜で形成される。次いで、通常のリソグラフィー技術によるマスク形成、そのマスクを用いたエッチングにより、上記電極配線形成膜を加工して、電極配線53を形成する。
次に、図28(7)に示すように、シリコン層23の加工を行う。通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とによって、シリコン層23を除去加工して、弾性支持体42を形成する。ここでは、支持部41の1辺上部中央に接続するように弾性支持体42が支持部41と連続した状態に形成される。その際、弾性支持体42の両側になる質量部43のシリコン層23および絶縁層22に凹部(前記図1参照)を形成する。
次に、図28(8)に示すように、例えば両面アライナー装置(図示せず)を用いて、SOI基板20の裏面側からシリコン基板21の表面に形成された弾性支持体42や圧電素子45との位置合わせを行い、質量部や支持部の形状にフォトレジスト膜(図示せず)を露光する。その後、現像工程を経てフォトレジスト膜からなるエッチングマスク(図示せず)を形成し、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)法のドライエッチングを行う。このエッチング工程により、シリコン基板21を除去加工して、シリコン基板21で形成される部分の支持部41と質量部43を形成する。次に、弾性支持体42下部の絶縁層22をエッチングして除去する。この除去加工は、例えばウエットエッチングにより行う。このようにして、慣性センサ素子31(31−1)が形成される。
上記説明では、慣性センサ素子31(31−1)の部分について説明したが、同様に、慣性センサ素子31(31−2)の部分についても、慣性センサ素子31−1と同一工程で形成することができる。さらに、慣性センサ素子31が3つ以上の慣性センサであっても、上記同様なプロセスで製造することができる。各慣性センサ素子31を同一工程で形成する際に、各慣性センサ素子31の弾性支持体42のばね定数をそれぞれ変えて形成する。その手段としては、各慣性センサ素子31の弾性支持体42の寸法を変えることでばね定数を変えることができる。すなわち、弾性支持体41の幅、長さを変えることでばね定数を変えることができる。
または、前記各慣性センサ素子31を同一工程で形成する際に、各慣性センサ素子31の質量部43の質量をそれぞれ変えて形成する。その手段としては、各慣性センサ素子31の質量部43の寸法を変えることで質量を変えることができる。すなわち、質量部43の長さ、幅、高さを変えることでばね定数を変えることができる。長さ、幅は、質量部を形成する際に用いるフォトマスクで調整することができ、高さを変える場合には質量部43のシリコン基板21をエッチングすることで調整することができる。
このように、本発明の製造方法では、SOI基板20に慣性センサ素子31を少なくとも2つ以上形成し、各慣性センサ素子31を加速度強度が異なる加速度を検出するもので弾性支持体42に変位自在に支持された質量部43を有する慣性センサ素子31で形成することから、例えば、±5G程度の低域の加速度、±100G程度の中域の加速度、±2000G程度の高域の加速度のうちの異なる帯域の加速度の検出が、個々の慣性センサ素子31によって可能になるので、広い加速度範囲に対応して、高S/Nで加速度の検知ができる慣性センサを製造できる。また同一の基板に各慣性センサ素子31を同一工程で形成するので、工程数の増加なく製造でき、また、各慣性センサ素子31の性能バラツキを抑えられるので、高精度な加速度センサが製造される。
以上説明した本発明に係る慣性センサは、様々な電気・電子機器に適用することが可能である。各慣性センサ1〜9の説明においても記載したように、加速度計測に使用する慣性センサの加速度計測範囲は低域用加速度、中域用加速度、高域用加速度の3タイプに大別される。
例えば、本発明に係る慣性センサに搭載される低域用加速度を検知する慣性センサ素子は、例えば±5Gの加速度を検出する慣性センサ素子であり、落下検知に用いられるものである。例えば、携帯型ハードディスク駆動装置(以下、ハードディスク駆動装置を略してHDDと記す)、ノート型パーソナルコンピュータ、HDD内蔵携帯型音楽再生装置、HDD内蔵携帯型音楽録音再生装置、HDD搭載型ビデオカメラ等のHDDを搭載した携帯型電気・電子機器、携帯電話等の携帯端末装置、等に適用される。
上記低域用加速度を検知する慣性センサ素子は、地震観測にも用いられるものである。例えば、地震感知器、地震受信機、等に適用される。
また低域用加速度を検知する慣性センサ素子は、姿勢制御、動作検知にも用いられるものである。例えば、携帯電話等の携帯端末装置、ユーザ・インターフェース、ゲーム機、ゲームコントローラー、等に適用される。
さらに低域用加速度を検知する慣性センサ素子は、振動制御にも用いられるものである。例えば、全自動洗濯機、自動車、振動制御装置、等に適用される。
本発明に係る慣性センサに搭載される中域用加速度を検知する慣性センサ素子は、例えば±100Gの加速度を検出する慣性センサであり、衝撃検知に用いられるものである。例えば、HDD、携帯型HDD、ノート型パーソナルコンピュータ、HDD内蔵携帯型音楽再生装置、HDD内蔵携帯型音楽録音再生装置、HDD搭載型ビデオカメラ等のHDDを搭載した携帯型電子機器、携帯電話等の携帯端末装置、等に適用される。
上記中域用加速度を検知する慣性センサ素子は、動作検知にも用いられるものである。例えば、歩数計、防犯・防災装置、盗難防止装置、等に適用される。
本発明に係る慣性センサに搭載される高域用加速度を検知する慣性センサ素子は、例えば±2000Gの加速度を検出する慣性センサであり、衝撃(衝突)検知に用いられるものである。例えば、車両用エアバッグ装置、車両・船舶・航空機等の事故記録装置、HDD、等に適用され、また携帯型HDD、ノート型パーソナルコンピュータ、HDD内蔵携帯型音楽再生装置、HDD内蔵携帯型音楽録音再生装置、HDD搭載型ビデオカメラ等のHDDを搭載した携帯型電子機器、携帯電話等の携帯端末装置、等に適用される。
このように、本発明の慣性センサ1〜9は、あらゆる分野の電気・電子機器に適用することが可能である。以下、本発明の電気・電子機器の一実施の形態を以下に説明する。ここで説明するのは一例であって、上記した電気・電子機器に適用できる。なお、以下の説明において、慣性センサは、代表して慣性センサ1を記載するが、その他の慣性センサ2〜9も同様に適用できる。
まず、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第1実施例)を、図29によって説明する。図29では、HDD装置の一例を示し、(1)図に概略構成斜視図を示し、(2)図に内部平面図を示した。
図29に示すように、本適用例に係るHDD装置110は、ベース部材111とベース部材111の内部に設置された装置を覆うカバー112を有し、上記ベース部材111の内部に設置されているベース基板113に、磁気ディスク114を駆動するモータ115、このモータに駆動される磁気ディスク114、支軸116に回動自在に設けたアクチュエータアーム117、その先端部にヘッドサスペンション118を介して形成された磁気ヘッド119等が設けられている。そして、ベース基板113上に慣性センサ1が設置されている。なお、慣性センサ1は、ベース部材111、カバー112等に設置することも可能である。
次に、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第2実施例)を、図30によって説明する。図30では、HDD装置を搭載したノート型パーソナルコンピュータの一例を示し、(1)図に表示部を開いた状態の概略構成斜視図を示し、(2)図に表示部を閉じた状態の概略構成斜視図を示した。
図30に示すように、本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータ130は、本体131に、文字等を入力するとき操作されるキーボード132、画像を表示する表示部133、HDD装置134等を含み、そのHDD装置134は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置110を用いることにより作製されている。また、慣性センサ1はノート型パーソナルコンピュータ130の基板(図示せず)や本体131や表示部133を構成する筐体の内側の空いている領域に取付けてもよい。
次に、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第3実施例)を、図31によって説明する。図31では、HDD装置を搭載したゲーム機の一例を平面図に示した。
図31に示すように、本適用例に係るHDD装置を搭載したゲーム機150は、本体151に、画面等を操作する第1操作ボタン群152、第2操作ボタン群153、画像を表示する表示部154、HDD装置155等を含み、そのHDD装置134は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置110を用いることにより作製されている。また、慣性センサ1はゲーム機150の基板(図示せず)や本体151を構成する筐体の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
次に、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第4実施例)を、図32によって説明する。図32では、HDD装置を搭載したビデオカメラ装置の一例を示し、概略構成斜視図で示した。
図32に示すように、本適用例に係るHDD装置を搭載したビデオカメラ装置170は、本体171に、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ172、撮影時のスタート/ストップスイッチ173、表示部174、ファインダー175、撮影した画像を記録するHDD装置176等を含み、そのHDD装置176は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置110を用いることにより作製されている。また、慣性センサ1はビデオカメラ装置170の基板(図示せず)や本体171を構成する筐体の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
次に、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第5実施例)を、図33によって説明する。図33では、携帯端末装置、例えば携帯電話機の一例を示し、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた除隊での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
図33に示すように、本適用例に係る携帯端末装置、例えば携帯電話機190は、上側筐体191、下側筐体192、連結部(ここではヒンジ部)193、ディスプレイ194、サブディスプレイ195、ピクチャーライト196、カメラ197、加速度センサ198等を含み、その加速度センサ198として本発明に係る慣性センサ1を用いることにより作製される。また、慣性センサ1は、携帯電話機190の上側筐体191の内部側の他の位置、下側筐体192の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
上記各電気・電子機器によれば、本発明の慣性センサ1〜9のうちの一つを備えたことから、広い加速度範囲に対応できる高精度な加速度センサの提供が可能となるので、例えば、自由落下、衝突、衝撃等により生じた加速度を瞬時に検知できるため、発生した加速度による損傷を防御するような行動を電気・電子機器にとらせることができるという利点がある。
本発明の慣性センサの一実施の形態(第1実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 図1中のA−A’線断面図である。 本発明の慣性センサの一実施の形態(第2実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 本発明の慣性センサの一実施の形態(第3実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 各慣性センサ素子の利得と共振周波数との関係図である。 本発明の慣性センサの一実施の形態(第4実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 本発明の慣性センサの一実施の形態(第5実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 図11中のB−B’線断面図である。 本発明の慣性センサの一実施の形態(第6実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 本発明の慣性センサの一実施の形態(第7実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 本発明の慣性センサの一実施の形態(第8実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 本発明の慣性センサの一実施の形態(第9実施例)を示した3面図である。 斜め上方から見た斜視図および斜め下方から見た斜視図である。 慣性センサの動作原理を説明する信号ブロック図である。 慣性センサの加速度検出処理を示したフローチャートである。 本発明の慣性センサを組み込んで1モジュール化した一例を示した概略構成斜視図である。 本発明の慣性センサの製造方法の一実施の形態(第1実施例)を示した製造工程断面図である。 本発明の慣性センサの製造方法の一実施の形態(第1実施例)を示した製造工程断面図である。 本発明の慣性センサの製造方法の一実施の形態(第1実施例)を示した製造工程断面図である。 本発明の慣性センサの製造方法の一実施の形態(第1実施例)を示した製造工程断面図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第1実施例)を示したHDD装置の概略構成斜視図および内部平面図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第2実施例)を示したノート型パーソナルコンピュータの概略構成斜視図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第3実施例)を示したビデオカメラ装置の平面図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第4実施例)を示したゲーム機の概略構成斜視図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第5実施例)を示した携帯電話機を示した図面であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
符号の説明
1…慣性センサ、20…SOI基板、31…慣性センサ素子

Claims (10)

  1. 同一基板に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子を少なくとも2つ以上有する
    ことを特徴とする慣性センサ。
  2. 前記各慣性センサ素子は弾性支持体に変位自在に支持された質量部を有し、
    前記各弾性支持体はばね定数が異なる
    ことを特徴とする請求項1記載の慣性センサ。
  3. 前記慣性センサ素子は弾性支持体に変位自在に支持された質量部を有し、
    前記各質量部は質量が異なる
    ことを特徴とする請求項1記載の慣性センサ。
  4. 前記各慣性センサ素子が少なくとも1軸方向以上の加速度を同時に測定できる
    ことを特徴とする請求項1記載の慣性センサ。
  5. 前記各慣性センサ素子で検出される加速度は同時に検出される
    ことを特徴とする請求項1記載の慣性センサ。
  6. 前記慣性センサはシステムインパッケージで1モジュール化されている慣性センサである
    ことを特徴とする請求項1記載の慣性センサ。
  7. 同一基板に慣性センサ素子を少なくとも2つ以上形成する慣性センサの製造方法であって、
    前記各慣性センサ素子を加速度強度が異なる加速度を検出するもので弾性支持体に変位自在に支持された質量部を有する慣性センサ素子で形成し、
    前記各慣性センサ素子を同一工程で形成する
    ことを特徴とする慣性センサの製造方法。
  8. 前記各慣性センサ素子を同一工程で形成する際に、前記各慣性センサ素子の前記弾性支持体のばね定数をそれぞれ変えて形成する
    ことを特徴とする請求項7記載の慣性センサの製造方法。
  9. 前記各慣性センサ素子を同一工程で形成する際に、前記各慣性センサ素子の前記質量部の質量をそれぞれ変えて形成する
    ことを特徴とする請求項7記載の慣性センサの製造方法。
  10. 電気・電子機器の動きによって生じる加速度を検出する慣性センサを備えた電気・電子機器であって、
    前記慣性センサは、同一基板に加速度強度が異なる加速度を検出する慣性センサ素子を少なくとも2つ以上有する
    ことを特徴とする慣性センサを備えた電気・電子機器。
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