JP6419342B2 - パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超LSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)や高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる、有機溶剤を含む現像液を用いたパターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及びレジスト組成物に関するものである。更に詳しくは、電子線又はEUV光(Extreme Ultra Violet、極紫外線、波長:13nm付近)を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いることができる、有機溶剤を含む現像液を用いたパターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及びレジスト組成物に関するものである。
従来、IC(Integrated Circuit、集積回路)やLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にエキシマレーザー光にというように短波長化の傾向が見られ、現在では、電子線やX線あるいはEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。
ところで、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物には、一般に、アルカリ現像液に難溶性若しくは不溶性の樹脂を用い、露光によって露光部をアルカリ現像液に対し可溶化することでパターンを形成する「ポジ型」と、アルカリ現像液に可溶性の樹脂を用い、露光によって露光部をアルカリ現像液に対して難溶化若しくは不溶化することでパターンを形成する「ネガ型」とがある。
このようなリソグラフィープロセスに適した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物としては、高感度化の観点から主に酸触媒反応を利用した化学増幅型ポジ型レジスト組成物が検討され、主成分としてアルカリ現像液には不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる性質を有する樹脂、及び酸発生剤からなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物が有効に使用されている(例えば、特許文献1〜3)。
一方、半導体素子等の製造にあたってはライン、トレンチ、ホールなど、種々の形状を有するパターン形成の要請がある。種々の形状を有するパターン形成の要請に応えるためにはポジ型だけではなく、ネガ型の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の開発も行われている。
超微細パターンの形成においては、解像力の向上、パターン形状の更なる改良のために、酸分解性樹脂をアルカリ現像液以外の現像液を用いて現像する方法も提案されている(たとえば、特許文献4〜6参照)。
特開2013−100471号公報 特開2013−100472号公報 特開2013−100473号公報 特開2013−68675号公報 特開2011−221513号公報 特開2015−31851号公報
しかしながら、上記のパターン形成方法においては、有機溶剤を含む現像液がパターンに浸透することによる膨潤により、極微細のパターン(例えば、線幅50nm以下のラインアンドスペースパターン、直径50nm以下のドットパターン)形成の際に、パターンの崩壊などが発生し、十分な解像力が得られていなかった。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、極微細のパターン(例えば、直径50nm以下のドットパターン)形成の際に、感度が高く、かつ解像力が高いパターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及びレジスト組成物を提供することにある。
本発明らは、鋭意検討した結果、高極性の繰り返し単位を有する樹脂と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、溶剤と、を組み合わせたレジスト組成物を用い、有機溶剤を含む現像液にて現像してパターンを形成する方法により、上記目的が達成されることを見出した。
即ち、以下の手段により上記課題を解決できる。
<1>
(A)下記一般式(4)で表され、ClogP値が2.2以下である繰り返し単位を含有し、酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤と、を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1)、
上記膜を活性光線又は放射線を用いて露光する工程(2)、及び
上記工程(2)において露光された膜を有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、ネガ型のパターンを形成する工程(3)を有し、
上記現像液中の上記有機溶剤の含有量が、上記現像液の全量に対して、50質量%よりも大きく100質量%以下である、パターン形成方法。

一般式(4)中、Aは単結合又は2価の連結基を表す。R は置換基を表す。n は0〜4の整数を表す。R が複数存在する場合、複数のR は同一であっても異なっていてもよい。
<2>
上記樹脂(A)が、酸分解性基を有する繰り返し単位を含む、<1>に記載のパターン形成方法。
<3>
上記一般式(4)が下記一般式(4a)で表される、<1>又は<2>に記載のパターン形成方法。

一般式(4a)中、R は置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、n は0〜4の整数を表す。R が複数存在する場合、複数のR は同一であっても異なっていてもよい。
<4>
上記R が、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、下記一般式(N1)で表される基、下記一般式(N2)で表される基、下記一般式(S1)で表される基、又は下記一般式(S2)で表される基を表す、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

一般式(N1)中、R N1 及びR N2 は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(N2)中、R N3 は置換基を表し、R N4 は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。

一般式(S1)中、R S1 は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S2)中、R S4 は置換基を表し、R S5 は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
<5>
上記R が、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、下記一般式(S1)で表される基、又は下記一般式(S2)で表される基である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

一般式(S1)中、R S1 は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S2)中、R S4 は置換基を表し、R S5 は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
<6>
上記n が0〜2の整数である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
<7>
上記化合物(B)がスルホニウム塩である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
<8>
上記化合物(B)は、発生する酸の体積が130Å 以上2000Å 以下である、<7>に記載のパターン形成方法。
<9>
上記樹脂(A)が、ラクトン基を有する繰り返し単位をさらに含む、<1>〜<8>のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
<10>
<1>〜<9>のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明は上記<1>〜<10>に関するものであるが、本明細書には参考のためその他の事項についても記載した。
[1]
(A)下記一般式(1)で表され、ClogP値が2.2以下である繰り返し単位を含有し、酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1)、
上記膜を活性光線又は放射線を用いて露光する工程(2)、及び
上記工程(2)において露光された膜を有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、ネガ型のパターンを形成する工程(3)を有する、パターン形成方法。
一般式(1)中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はカルボキシル基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。R又はRとLは、互いに連結して環を形成してもよく、その場合はR及びRのどちらか一方が2価の連結基を表し、Lは3価の連結基を表す。Arは芳香族基を表す。Rは置換基を表し、nは0以上の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[2]
上記樹脂(A)が、酸分解性基を有する繰り返し単位を含む、[1]に記載のパターン形成方法。
[3]
上記一般式(1)中のRの少なくとも一つがヒドロキシル基である、[1]又は[2]に記載のパターン形成方法。
[4]
上記一般式(1)が下記一般式(2)で表される、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
一般式(2)中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はカルボキシル基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。R又はRとLは、互いに連結して環を形成してもよく、その場合はR及びRのどちらか一方が2価の連結基を表し、Lは3価の連結基を表す。Rは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[5]
上記一般式(1)が下記一般式(3)で表される、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
一般式(3)中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。Rは置換基を表す。nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[6]
上記一般式(1)が下記一般式(4)で表される、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
一般式(4)中、Aは単結合又は2価の連結基を表す。Rは置換基を表す。nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[7]
上記一般式(4)が下記一般式(4a)で表される、[6]に記載のパターン形成方法。
一般式(4a)中、Rは置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[8]
上記Rが、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、下記一般式(N1)で表される基、下記一般式(N2)で表される基、下記一般式(S1)で表される基、又は下記一般式(S2)で表される基を表す、[1]〜[7]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
一般式(N1)中、RN1及びRN2は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(N2)中、RN3は置換基を表し、RN4は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S1)中、RS1は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S2)中、RS4は置換基を表し、RS5は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
[9]
上記Rが、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、上記一般式(S1)で表される基、又は上記一般式(S2)で表される基である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[10]
上記nが1又は2である、[4]又は[5]に記載のパターン形成方法。
[11]
上記nが0〜2の整数である、[6]又は[7]に記載のパターン形成方法。
[12]
上記化合物(B)がスルホニウム塩である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[13]
上記化合物(B)は、発生する酸の体積が130Å以上2000Å以下である、[12]に記載のパターン形成方法。
[14]
上記樹脂(A)が、ラクトン基を有する繰り返し単位をさらに含む、[1]〜[13]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[15]
[1]〜[14]のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
[16]
下記一般式(4)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含むレジスト組成物。
一般式(4)中、Aは単結合又は2価の連結基を表す。Rは置換基を表す。nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[17]
上記一般式(4)が下記一般式(4a)で表される、[16]に記載のレジスト組成物。
一般式(4a)中、Rは置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[18]
上記Rが、ヒドロキシル基、ヒドロキアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、下記一般式(N1)で表される基、下記一般式(N2)で表される基、下記一般式(S1)で表される基、又は下記一般式(S2)で表される基を表す、[16]又は[17]に記載のレジスト組成物。
一般式(N1)中、RN1及びRN2は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(N2)中、RN3は置換基を表し、RN4は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S1)中、RS1は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S2)中、RS4は置換基を表し、RS5は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
本発明により、極微細のパターン(例えば、線幅50nm以下のラインアンドスペースパターン、直径50nm以下のドットパターン)形成の際に、感度が高く、かつ解像力が高いパターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及びレジスト組成物を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態の一例を説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、電子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、極紫外線(EUV光)等による露光のみならず、EB(電子線)及びイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換又は無置換を記していない表記は、置換基を有していないものに加え置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書では、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH=CH−CO−」又は「CH=C(CH)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により測定したポリスチレン換算値である。GPCは、HLC−8120(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSK gel Multipore HXL−M (東ソー(株)製、7.8mmID×30.0cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた方法に準ずる事ができる。
[パターン形成方法]
まず、本発明のパターン形成方法を説明する。
本発明のパターン形成方法は、
(A)下記一般式(1)で表され、ClogP値が2.2以下である繰り返し単位を含有し、酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1)、
上記膜を活性光線又は放射線を用いて露光する工程(2)、及び
上記工程(2)において露光された膜を有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、ネガ型のパターンを形成する工程(3)を有する、パターン形成方法である。
一般式(1)中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はカルボキシル基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。R又はRとLは、互いに連結して環を形成してもよく、その場合はR及びRのどちらか一方が2価の連結基を表し、Lは3価の連結基を表す。Arは芳香族基を表す。Rは置換基を表し、nは0以上の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
本発明のパターン形成方法は、極微細のパターン(例えば、直径50nm以下のドットパターン)形成の際に、感度が高く、かつ解像力が高い。その理由は定かではないが、以下のように推定される。
極微細なパターン形成ができなくなる主要因は、パターン倒れやパターンの崩壊であり、それらの現象は、現像液がパターン内部へ浸透しパターンが膨潤することにより発生する。樹脂中に、高極性の繰り返し単位を含むことで、樹脂と有機溶剤を含む現像液との親和性が下がり、有機溶剤を含む現像液がパターンに浸透しにくくなるため、膨潤が抑制されることは考えられる。しかし、ラインアンドスペースのパターンよりも基板との接着面積が少ないドットパターンにおいては、現像液の浸透による膨潤の影響はさらに大きく、単に高極性の繰り返し単位を含む樹脂を用いるだけでは、通常解決しえない。本発明によってその課題が解決された理由は定かではないが、本発明による高極性の繰り返し単位は、特異的に基板表面との相互作用が強く、基板への密着性が強化されたと推定している。
[感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物]
以下、本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物について説明する。
本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、ネガ型の現像(露光されると現像液に対して溶解性が減少し、露光部がパターンとして残り、未露光部が除去される現像)に用いられる。また、本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、有機溶剤を含む現像液を用いた現像に用いられる有機溶剤現像用の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物である。ここで、有機溶剤現像用とは、少なくとも、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味する。
また上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、典型的にはレジスト組成物であり、好ましくは化学増幅型のレジスト組成物である。
本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で表され、ClogP値が2.2以下である繰り返し単位を含有し、酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤とを含有する。
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が含み得るさらなる成分としては、樹脂(A)以外の樹脂、塩基性化合物、架橋剤、界面活性剤、有機カルボン酸、及びカルボン酸オニウム塩が挙げられる。
以下、上述した各成分について、順に説明する。
[樹脂(A)]
本発明において、樹脂(A)は、下記一般式(1)で表され、ClogP値が2.2以下である繰り返し単位を含有し、酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂である。
一般式(1)中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はカルボキシル基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。R又はRとLは、互いに連結して環を形成してもよく、その場合はR及びRのどちらか一方が2価の連結基を表し、Lは3価の連結基を表す。Arは芳香族基を表す。Rは置換基を表し、nは0以上の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
は水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
のアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
Lは単結合または2価の連結基を表す。Lで表される2価の連結基としては、炭素数6〜18の置換基を有してもよい単環もしくは多環の芳香環、−C(=O)−、−O−C(=O)−、−CH−O−C(=O)−、チオカルボニル基、直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6)、直鎖状若しくは分岐状のアルケニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは2〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜10、より好ましくは3〜6)、スルホニル基、−O−、−NH−、−S−、環状ラクトン構造又はこれらを組み合わせた2価の連結基(好ましくは総炭素数1〜50、より好ましくは総炭素数1〜30、更に好ましくは総炭素数1〜20)が挙げられる。
Lは、単結合、−COO−、−CONH−、−O−、−OCO−、−NHCO−、−COOCH−、−COOCHCH−、−CONHCH−、または−CONHCHCH−を表すことが好ましい。
LはR又はRと、互いに連結して環を形成してもよく、その場合のLは3価の連結基を表す。この場合の3価の連結基としては、上記2価の連結基から水素原子を1つ取り除いてなる基が挙げられ、特に、−CONH−L−(Lは2価の連結基を表し、好ましくは後述する一般式(LA)で表される2価の連結基である)で表される2価の連結基から水素原子を1つ取り除いてなる基であることが好ましい。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はカルボキシル基を表す。
及びRが、アルキル基を表す場合、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
又はRとLは、互いに連結して環を形成してもよく、その場合はR又はRは2価の連結基を表す。この場合の2価の連結基としては、カルボニル基、アルキレン基、−O−、−NH−、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基が好ましく、カルボニル基、アルキレン基、−CONH−、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基がより好ましく、カルボニル基であることが更に好ましい。
及びRは、好ましくは、水素原子またはLと連結して環を形成する場合である。
Arは芳香族基を表す。Arで表される芳香族基の好ましい例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等の芳香族ヘテロ環を挙げることができる。Arはベンゼン環またはナフタレン環であることがより好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
は置換基を表し、少なくとも一つはヒドロキシル基であることが好ましい。
はヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、下記一般式(N1)で表される基、下記一般式(N2)で表される基、下記一般式(S1)で表される基、又は下記一般式(S2)で表される基を表すことが好ましく、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アルキル基、下記一般式(S1)で表される基、又は下記一般式(S2)で表される基を表すことがより好ましく、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基(好ましくはヒドロキシメチル基)、カルボキシル基、上記一般式(S1)で表される基、又は上記一般式(S2)で表される基を表すことが更に好ましく、ヒドロキシル基、カルボキシル基、又はヒドロキシメチル基を表すことが特に好ましい。
一般式(N1)中、RN1及びRN2は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(N2)中、RN3は置換基を表し、RN4は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S1)中、RS1は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S2)中、RS4は置換基を表し、RS5は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(N1)中、RN1及びRN2は各々独立に、水素原子又は置換基を表し、水素原子又はメチル基を表すことが好ましい。
一般式(N2)中、RN3は置換基を表し、メチル基を表すことが好ましい。RN4は水素原子又は置換基を表し、水素原子を表すことが好ましい。
一般式(S1)中、RS1は置換基を表し、メトキシ基又はアミノ基を表すことが好ましい。RS1がアミノ基を表す場合、一般式(S1)は下記一般式(S3)で表される。
一般式(S3)中、RS2及びRS3は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
一般式(S3)中、RS2及びRS3は各々独立に、水素原子又は置換基を表し、水素原子又はメチル基を表すことが好ましい。
一般式(S2)中、RS4は置換基を表し、メチル基を表すことが好ましい。RS5は水素原子又は置換基を表し、水素原子を表すことが好ましい。
一般式(1)におけるRとしてのアルキル基、R及びRとしてのアルキル基、R、Lとしての2価の連結基、Arは、それぞれ、置換基を有していてもよい。この置換基としては、アルキル基(直鎖又は分岐のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環のいずれであってもよく炭素数3〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜18が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル及びアリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、アルキル及びアリールオキシカルボニルアミノ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールチオ基、アミノカルボニルアミノ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、ハロゲン原子、ハロアルキル基及びアルキル及びアリールオキシスルホニル基が挙げられる。好ましい例としては、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル及びアリールオキシカルボニル基、アリール基が挙げられ、更に好ましい例としては、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基が挙げられる。ハロゲン原子としては、上記Rで挙げたものと同様のものが挙げられる。
上記置換基は、さらに置換基を有していてもよく、その置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アルコキシアルキル基、これらを組み合わせた基が挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
nは0以上の整数を表し、好ましくは1〜3の整数を表す。
上記一般式(1)は、下記一般式(2)で表されることが好ましい。
一般式(2)中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はカルボキシル基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。R又はRとLは、互いに連結して環を形成してもよく、その場合はR及びRのどちらか一方が2価の連結基を表し、Lは3価の連結基を表す。Rは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)中、R、R、R、R及びLは、一般式(1)中のR、R、R、R及びLと同義であり、具体例及び好ましい範囲も同様である。
一般式(2)中、nは0〜4の整数を表し、0〜2の整数を表すことが好ましく、1又は2を表すことがより好ましい。
一般式(1)で表される繰り返し単位は、下記一般式(3)または(4)で表されることがより好ましい。
一般式(3)中、Rは水素原子、アルキル基、又はハロゲン原子を表し、Lは単結合または2価の連結基を表す。Rは置換基を表す。nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(4)中、Aは単結合又は2価の連結基を表す。Rは置換基を表す。nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(3)中、R、R及びLは、一般式(1)中のR、R及びLと同義であり、具体例及び好ましい範囲も同様である。
一般式(3)中、nは一般式(2)中のnと同義であり、好ましくは0〜2であり、より好ましくは1又は2である。
一般式(4)中、Rは、一般式(1)中のRと同義であり、具体例及び好ましい範囲も同様である。
一般式(4)中、nは0〜4の整数を表し、好ましくは0〜2である。
一般式(4)中、Aは単結合又は2価の連結基を表し、Aは単結合又は下記一般式(LA)で表される2価の連結基であることが好ましい。
一般式(LA)中、Aはアルキレン基又はアリーレン基を表し、AはO、S、C=O、C(=O)−O、O−C(=O)、NR、C(=O)−NR、NR−C(=O)(Rは水素原子又はアルキル基を表す)、又は単結合を表し、naは1以上の整数を表す。A及びAが複数存在する場合、複数のA及びAは同一であっても異なっていてもよい。*はマレイミドの窒素原子に結合する結合手を表す。
はアルキレン基であることが好ましく、AはO、C(=O)−O、O−C(=O)、または単結合であることが好ましく、naは1〜4の整数であることが好ましい。
一般式(4)は、下記一般式(4a)で表されることが好ましい。
一般式(4a)中、Rは置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(4a)中、Rは、一般式(1)中のRと同義であり、具体例及び好ましい範囲も同様である。
一般式(4a)中、nは一般式(4)中のnと同義であり、好ましくは0〜2である。
一般式(4a)中、pは0〜4の整数を表し、0〜2の整数を表すことが好ましい。
樹脂(A)は、有機溶剤を含む現像液との親和性を下げ、パターンへの浸透を抑制するという観点で、ClogP値が2.2以下であることが必要であり、2.0以下であることが好ましく、1.8以下であることが特に好ましい。また、未露光部の現像液溶解性を向上させ、解像性を向上させるため、ClogP値が−0.2以上であることが好ましく、−0.06以上であることがより好ましい。
一般に、logP値は、n−オクタノールと水を用いて実測により求めることもできるが、本発明においては、logP値推算プログラムから算出される分配係数(ClogP値)を使用する。具体的には、本明細書における『ClogP値』は、“ChemBioDraw ultra ver.12”から求められるClogP値を指す。
本明細書における繰り返し単位のClogP値は、繰り返し単位の両末端をメチル基とした化合物について、上記方法にて計算した値とする。
一般式(1)、(2)、(3)、(4)又は(4a)で表される繰り返し単位の含有率は、ブリッジや残渣と現像液親和性との両立の観点から、樹脂(A)に含まれる全繰り返し単位に対して、2〜70モル%であることが好ましく、5〜50モル%であることがより好ましく、5〜30モル%であることが特に好ましい。
樹脂(A)に含まれる一般式(1)、(2)、(3)、(4)又は(4a)で表される繰り返し単位は、1種類であっても2種類以上であってもよい。
樹脂(A)は、未露光部において十分な現像液溶解性を確保する観点で、非イオン性であることが好ましい。
一般式(1)、(2)、(3)、(4)又は(4a)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記構造が挙げられる。なお、例には、上記方法により求めたClogP値を付記している。
樹脂(A)は、更に、ClogP値が2.2より大きい繰り返し単位を含有していてもよく、ClogP値が2.2より大きい、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
ClogP値が2.2より大きい繰り返し単位、またはClogP値が2.2より大きいフェノール性水酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、0〜50モル%が好ましく、より好ましくは0〜45モル%、更に好ましくは0〜40モル%である。
樹脂(A)は、酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂である。
樹脂(A)は、酸分解性基を有する繰り返し単位を含むことが好ましく、酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。
なお、酸の作用により分解してカルボキシル基を有する繰り返し単位を有すると、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する。
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位は、カルボキシル基の水素原子が酸の作用により分解して脱離する基で置換された基を有する繰り返し単位である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
一般式(AI)において、
Xaは、水素原子、又はアルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。ただし、Rx〜Rxの全てがアルキル基(直鎖若しくは分岐)である場合、Rx〜Rxのうち少なくとも2つはメチル基であることが好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Xaにより表される、アルキル基としては、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基又は−CH−R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子など)、ヒドロキシル基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、炭素数5以下のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xaは、一態様において、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基等である。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基がより好ましい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位は、例えば、Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位としては、好ましくは、酸分解性(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル系繰り返し単位(Xaが水素原子又はメチル基を表し、かつ、Tが単結合を表す繰り返し単位)である。より好ましくは、Rx〜Rxが各々独立に、直鎖又は分岐のアルキル基を表す繰り返し単位であり、さらに好ましくは、Rx〜Rxが各々独立に、直鎖のアルキル基を表す繰り返し単位である。
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rxは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbは各々炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは0又は正の整数を表す。Zにより表される極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基を有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。
酸の作用により分解してカルボキシル基を生じる基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、20〜90モル%が好ましく、より好ましくは25〜80モル%、更に好ましくは30〜75モル%である。
また、樹脂(A)は、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
一般式(VI)中、
61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子、又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
酸の作用により脱離する基Yとしては、下記一般式(VI−A)で表される構造がより好ましい。
ここで、L及びLは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアルキレン基とアリール基とを組み合わせた基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
Q、M、Lの少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員若しくは6員環)を形成してもよい。
上記一般式(VI)で表される繰り返し単位は、下記一般式(13)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(13)において、
Arは、芳香環基を表す。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アシル基又はヘテロ環基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
、M及びRの少なくとも二つが結合して環を形成してもよい。
Arが表す芳香環基は、上記一般式(VI)におけるnが1である場合の、上記一般式(VI)におけるArと同様であり、より好ましくはフェニレン基、ナフチレン基であり、更に好ましくはフェニレン基である。
以下に一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂(A)は、下記一般式(15)で表される繰り返し単位を含むことも好ましい。
一般式(15)中、
41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R42はLと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42はアルキレン基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表し、R42と環を形成する場合には3価の連結基を表す。
44およびR45は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アシル基又はヘテロ環基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
、M及びR44の少なくとも二つが結合して環を形成してもよい。
41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。R42はLと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42はアルキレン基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表し、R42と環を形成する場合には3価の連結基を表す。
44およびR45は、前述の一般式(13)中のRと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
は、前述の一般式(13)中のMと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
は、前述の一般式(13)中のQと同義であり、また好ましい範囲も同様である。Q、M及びR44の少なくとも二つが結合して形成される環としては、Q、M及びRの少なくとも二つが結合して形成される環があげられ、また好ましい範囲も同様である。
一般式(15)におけるR41〜R43のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、特に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41〜R43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
シクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよい。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜10個で単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
またR42がアルキレン基でありLと環を形成する場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基が特に好ましい。R42とLとが結合して形成する環は、5又は6員環であることが特に好ましい。
41及びR43としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF)、ヒドロキシメチル基(−CH−OH)、クロロメチル基(−CH−Cl)、フッ素原子(−F)が特に好ましい。R42としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルキレン基(Lと環を形成)がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF)、ヒドロキシメチル基(−CH−OH)、クロロメチル基(−CH−Cl)、フッ素原子(−F)、メチレン基(Lと環を形成)、エチレン基(Lと環を形成)が特に好ましい。
で表される2価の連結基としては、アルキレン基、2価の芳香環基、−COO−L−、−O−L−、これらの2つ以上を組み合わせて形成される基等が挙げられる。ここで、Lはアルキレン基、シクロアルキレン基、2価の芳香環基、アルキレン基と2価の芳香環基を組み合わせた基を表す。
は、単結合、−COO−L−で表される基又は2価の芳香環基が好ましい。Lは炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン、プロピレン基がより好ましい。2価の芳香環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,4−ナフチレン基が好ましく、1,4−フェニレン基がより好ましい。
がR42と結合して環を形成する場合における、Lで表される3価の連結基としては、Lで表される2価の連結基の上記した具体例から1個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
以下に一般式(15)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、樹脂(A)は、下記一般式(BZ)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
一般式(BZ)中、ARは、アリール基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとARとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
以下に、一般式(BZ)により表される繰り返し単位の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
上記酸分解性基を有する繰り返し単位は、1種類であってもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)における酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量(複数種類含有する場合はその合計)は、上記樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して20モル%以上90モル%以下であることが好ましく、25モル%以上80モル%以下であることがより好ましく、25モル%以上75モル%以下であることが更に好ましい。
樹脂(A)は、さらにラクトン基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
ラクトン基としては、ラクトン構造を含有していればいずれの基でも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造を含有する基であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては一般式(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)で表される基である。
ラクトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在するRbは、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在するRb同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
一般式(AI)中、Rbは、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Rbのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。
Rbのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rbは、水素原子又はメチル基が好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂環炭化水素構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボキシル基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。好ましくは、単結合、−Ab−CO−で表される連結基である。Abは、直鎖、分岐アルキレン基、単環または多環のシクロアルキレン基であり、好ましくは、メチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のうちのいずれかで示される基を表す。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位は、通常、光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
ラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
ラクトン基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
樹脂(A)は、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位、特に、極性基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位をさらに有していてもよい。これにより現像液の浸透性が更に低下し、パターンの膨潤を更に抑制することができる。極性基で置換された脂環炭化水素構造の脂環炭化水素構造としてはアダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。極性基としては水酸基、シアノ基が好ましい。
極性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
樹脂(A)が、極性基を有する有機基を含有する繰り返し単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜30モル%が好ましく、より好ましくは5〜25モル%、更に好ましくは5〜20モル%である。
更に、上記以外の繰り返し単位として、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基(光酸発生基)を有する繰り返し単位を含むこともできる。この場合、この光酸発生基を有する繰り返し単位が、後述する活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)にあたると考えることができる。
このような繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(14)で表される繰り返し単位が挙げられる。
41は、水素原子又はメチル基を表す。L41は、単結合又は2価の連結基を表す。L42は、2価の連結基を表す。R40は、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。
以下に、一般式(14)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
そのほか、一般式(14)で表される繰り返し単位としては、例えば、特開2014−041327号公報の段落[0094]〜[0105]に記載された繰り返し単位が挙げられる。
樹脂(A)が光酸発生基を有する繰り返し単位を含有する場合、光酸発生基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは5〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
樹脂(A)は、下記一般式(V−1)又は下記一般式(V−2)で表される繰り返し単位を含有してもよい。
式中、
及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
は0〜6の整数を表す。
は0〜4の整数を表す。
はメチレン基、酸素原子又は硫黄原子である。
一般式(V−1)又は(V−2)で表される繰り返し単位の具体例を下記に示すが、これらに限定されない。
一般式(1)で表される繰り返し単位を含有する樹脂(A)は、例えば、『第5版 実験化学講座』42ページ、『マクロモレキュールズ(Macromolecules)』,46, (2013年),8882−8887ページ、または『バイオオーガニックアンドメディシナルケミストリーレターズ(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters)』,20,(2010年)74−77ページに記載されている手法を参考に合成できる。
樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種および開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
反応溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤;後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンなどの本発明における感活性光線性又は感放射線性組成物を溶解する溶媒;等が挙げられる。より好ましくは本発明の感活性光線性又は感放射線性組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液液抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈殿法や、濾別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜30,000、最も好ましくは5,000〜20,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化したりすることを防ぐことができる。
樹脂(A)の重量平均分子量の特に好ましい別の形態は、GPC法によるポリスチレン換算値で5,000〜15,000である。重量平均分子量を5,000〜15,000にすることにより、特にレジスト残渣(以降、「スカム」ともいう)が抑制され、より良好なパターンを形成することができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜5であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1.2〜3.0、特に好ましくは1.2〜2.0の範囲のものが使用される。分散度の小さいものほど、解像度、パターン形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明における感活性光線性又は感放射線性組成物において、樹脂(A)の含有量は、全固形分中50〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは60〜99.0質量%である。
また、本発明における感活性光線性又は感放射線性組成物において、樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
[活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B)]
本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(「光酸発生剤《PAG:Photo Acid Generator》」、又は「化合物(B)」ともいう)を含有する。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であっても良く、重合体の一部に組み込まれた形態であっても良い。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用しても良い。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、樹脂(A)の一部に組み込まれても良く、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれても良い。
本発明においては、光酸発生剤が、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤としては、公知のものであれば特に限定されないが、活性光線又は放射線、好ましくは電子線又は極紫外線の照射により、有機酸、例えば、スルホン酸、ビス(アルキルスルホニル)イミド、又はトリス(アルキルスルホニル)メチドの少なくともいずれかを発生する化合物が好ましい。
光酸発生剤としてはスルホニウム塩であることが好ましい。
光酸発生剤としては、より好ましくは下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐(例えば、PF )、弗素化硼素(例えば、BF )、弗素化アンチモン(例えば、SbF )等を挙げることができる。
非求核性アニオンとしては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
また、非求核性アニオンとしては、以下の一般式(AN1)で表されるアニオンも好ましい態様として挙げられる。
式中、
Xfは、それぞれ独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は、アルキル基を表し、複数存在する場合のR、Rは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
一般式(AN1)について、更に詳細に説明する。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜4である。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfとして好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。Xfの具体的としては、フッ素原子、CF、C、C、C、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、CHCHが挙げられ、中でもフッ素原子、CFが好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
、Rのアルキル基は、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよく、炭素数1〜4のものが好ましい。更に好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。R、Rの置換基を有するアルキル基の具体例としては、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH、CHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
、Rとしては、好ましくはフッ素原子又はCFである。
xは1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。
zは0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
Lの2価の連結基としては特に限定されず、―COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S―、−SO―、―SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はこれらの複数が連結した連結基などを挙げることができ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。このなかでも―COO−、−OCO−、−CO−、−O−が好ましく、―COO−、−OCO−がより好ましい。
Aの環状の有機基としては、環状構造を有するものであれば特に限定されず、脂環基、アリール基、複素環基(芳香族性を有するものだけでなく、芳香族性を有さないものも含む)等が挙げられる。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF向上の観点から好ましい。
アリール基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、アントラセン環が挙げられる。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環由来のものが挙げられる。中でもフラン環、チオフェン環、ピリジン環由来のものが好ましい。
また、環状の有機基としては、ラクトン構造も挙げることができ、具体例としては、前述の一般式(LC1−1)〜(LC1−17)で表されるラクトン構造を挙げることができる。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよく、上記置換基としては、アルキル基(直鎖、分岐、環状のいずれであっても良く、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、スピロ環のいずれであっても良く、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、スルホン酸エステル基等が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であっても良い。
201、R202及びR203の有機基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基などが挙げられる。
201、R202及びR203のうち、少なくとも1つがアリール基であることが好ましく、三つ全てがアリール基であることがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などの他に、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基も可能である。R201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基等を挙げることができる。これらの基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式(ZII)、(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
本発明においては、上記光酸発生剤は、露光で発生した酸の非露光部への拡散を抑制し解像性を良好にする観点から、電子線又は極紫外線の照射により、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更に好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。ただし、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は、2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることが更に好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算することができる。
本発明においては、活性光線又は放射線の照射により以下に例示する酸を発生する光酸発生剤が好ましい。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å)。なお、ここで求めた計算値は、アニオン部にプロトンが結合した酸の体積値である。
1Åは1×10−10mである。
光酸発生剤としては、特開2014−41328号公報段落[0368]〜[0377]、特開2013−228681号公報段落[0240]〜[0262](対応する米国特許出願公開第2015/004533号明細書の[0339])が援用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、好ましい具体例として以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤の感活性光線性又は感放射線性組成物中の含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは8〜40質量%である。特に、電子線や極紫外線露光の際に高感度化、高解像性を両立するには光酸発生剤の含有率は高いほうが好ましく、更に好ましくは10〜40質量%、最も好ましくは10〜35質量%である。
[溶剤(C)]
本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物は、溶剤(C)を含む。この溶剤は、(M1)プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートと、(M2)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、及びアルキレンカーボネートからなる群より選択される少なくとも1つとの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。なお、この溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。
成分(M1)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、及び、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される少なくとも1つが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
成分(M2)としては、以下のものが好ましい。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル、乳酸ブチル、又は乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、又は酢酸3−メトキシブチルが好ましい。
酪酸ブチルも好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、又は、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、又はメチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、又はシクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。
成分(M2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、γ−ブチロラクトン又はプロピレンカーボネートがより好ましい。
上記成分の他、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10がさらに好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
成分(M2)としては、引火点(以下、fpともいう)が37℃以上であるものを用いることが好ましい。このような成分(M2)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(fp:47℃)、乳酸エチル(fp:53℃)、3−エトキシプロピオン酸エチル(fp:49℃)、メチルアミルケトン(fp:42℃)、シクロヘキサノン(fp:44℃)、酢酸ペンチル(fp:45℃)、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(fp:45℃)、γ−ブチロラクトン(fp:101℃)又はプロピレンカーボネート(fp:132℃)が好ましい。これらのうち、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、酢酸ペンチル、又はシクロヘキサノンが更に好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル又は乳酸エチルが特に好ましい。なお、ここで「引火点」とは、東京化成工業株式会社又はシグマアルドリッチ社の試薬カタログに記載されている値を意味している。
溶剤は、成分(M1)を含んでいることが好ましい。溶剤は、実質的に成分(M1)のみからなるか、又は、成分(M1)と他の成分との混合溶剤であることがより好ましい。後者の場合、溶剤は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいることが更に好ましい。
成分(M1)と成分(M2)との質量比は、100:0乃至15:85の範囲内にあることが好ましく、100:0乃至40:60の範囲内にあることがより好ましく、100:0乃至60:40の範囲内にあることが更に好ましい。即ち、溶剤は、成分(M1)のみからなるか、又は、成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでおり且つそれらの質量比が以下の通りであることが好ましい。即ち、後者の場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、15/85以上であることが好ましく、40/60以上であることよりが好ましく、60/40以上であることが更に好ましい。このような構成を採用すると、現像欠陥数を更に減少させることが可能となる。
なお、溶剤が成分(M1)と成分(M2)との双方を含んでいる場合、成分(M2)に対する成分(M1)の質量比は、例えば、99/1以下とする。
上述した通り、溶剤は、成分(M1)及び(M2)以外の成分を更に含んでいてもよい。この場合、成分(M1)及び(M2)以外の成分の含有量は、溶剤の全量に対して、5質量%乃至30質量%の範囲内にあることが好ましい。
感活性光線性又は感放射線性組成物に占める溶剤の含有量は、全成分の固形分濃度が0.5〜30質量%となるように定めることが好ましく、1〜20質量%となるように定めることがより好ましい。こうすると、感活性光線性又は感放射線性組成物の塗布性を更に向上させることができる。
<塩基性化合物>
本発明の感活性光線性又は感放射線性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するために、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物としては、好ましくは、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物を挙げることができる。
一般式(A)及び(E)中、R200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜20)を表し、ここで、R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、または炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20個のアルキル基を表す。
これら一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジン等を挙げることができ、更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等が挙げられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン等が挙げられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、トリス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシド等が挙げられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタン−1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等が挙げられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
好ましい塩基性化合物として、更に、フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物を挙げることができる。
アミン化合物は、1級、2級、3級のアミン化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアミン化合物が好ましい。アミン化合物は、3級アミン化合物であることがより好ましい。アミン化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
また、アミン化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物は、1級、2級、3級、4級のアンモニウム塩化合物を使用することができ、少なくとも1つのアルキル基が窒素原子に結合しているアンモニウム塩化合物が好ましい。アンモニウム塩化合物は、少なくとも1つのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)が窒素原子に結合していれば、アルキル基の他に、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(好ましくは炭素数6〜12)が窒素原子に結合していてもよい。
アンモニウム塩化合物は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン基が形成されていることが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
アンモニウム塩化合物のアニオンとしては、ハロゲン原子、スルホネート、ボレート、フォスフェート等が挙げられるが、中でもハロゲン原子、スルホネートが好ましい。ハロゲン原子としてはクロライド、ブロマイド、アイオダイドが特に好ましく、スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、炭素数1〜20のアルキルスルホネート、アリールスルホネートが挙げられる。アルキルスルホネートのアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては例えばフッ素、塩素、臭素、アルコキシ基、アシル基、アリール基等が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的にはメタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。アリールスルホネートのアリール基としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環が挙げられる。ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。直鎖若しくは分岐アルキル基、シクロアルキル基として、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル等が挙げられる。他の置換基としては炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基、アシルオキシ基等が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物、フェノキシ基を有するアンモニウム塩化合物とは、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、置換基を有していてもよい。フェノキシ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。置換基の置換位は、2〜6位のいずれであってもよい。置換基の数は、1〜5の範囲で何れであってもよい。
フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン基を有することが好ましい。オキシアルキレン基の数は、分子内に1つ以上、好ましくは3〜9個、さらに好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン基の中でもオキシエチレン基(−CHCHO−)もしくはオキシプロピレン基(−CH(CH)CHO−もしくは−CHCHCHO−)が好ましく、さらに好ましくはオキシエチレン基である。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、フェノキシ基を有する1または2級アミンとハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。または、1または2級アミンと末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルを加熱して反応させた後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得ることができる。
(プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA))
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性組成物は、塩基性化合物として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物〔以下、化合物(PA)ともいう〕を更に含んでいてもよい。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基或いは電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基や、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピリジン、イミダゾール、ピラジン構造などを挙げることができる。
化合物(PA)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここで、プロトンアクセプター性の低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(PA)とプロトンからプロトン付加体が生成する時、その化学平衡に於ける平衡定数が減少することを意味する。
化合物(PA)の具体例としては、例えば、下記化合物を挙げることができる。更に、化合物(PA)の具体例としては、例えば、特開2014−41328号公報の段落0421〜0428、特開2014−134686号公報の段落0108〜0116に記載されたものを援用することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
塩基性化合物の使用量は、感活性光線性又は感放射線性組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と塩基性化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
塩基性化合物としては、例えば、特開2013−11833号公報の段落0140〜0144に記載の化合物(アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等)を用いることができる。
<疎水性樹脂>
本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物は、上記樹脂(A)とは別に樹脂(A)とは異なる疎水性樹脂を有していてもよい。
疎水性樹脂は膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂を添加することの効果として、水に対する膜表面の静的/動的な接触角の制御、アウトガスの抑制などを挙げることができる。
疎水性樹脂は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“珪素原子”、及び、“樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”のいずれか1種以上を有することが好ましく、2種以上を有することがさらに好ましい。また、上記疎水性樹脂は、炭素数5以上の炭化水素基を含有することが好ましい。これらの基は樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。
疎水性樹脂が、フッ素原子及び/又は珪素原子を含む場合、疎水性樹脂に於ける上記フッ素原子及び/又は珪素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又は、フッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
フッ素原子を有するアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐アルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環又は多環のシクロアルキル基であり、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子を有するアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられ、更にフッ素原子以外の置換基を有していてもよい。
フッ素原子又は珪素原子を有する繰り返し単位の例としては、US2012/0251948A1の段落0519に例示されたものを挙げることが出来る。
また、上記したように、疎水性樹脂は、側鎖部分にCH部分構造を含むことも好ましい。
ここで、疎水性樹脂中の側鎖部分が有するCH部分構造には、エチル基、プロピル基等が有するCH部分構造を包含するものである。
一方、疎水性樹脂の主鎖に直接結合しているメチル基(例えば、メタクリル酸構造を有する繰り返し単位のα−メチル基)は、主鎖の影響により疎水性樹脂の表面偏在化への寄与が小さいため、本発明におけるCH部分構造に包含されないものとする。
疎水性樹脂に関しては、特開2014−010245号公報の[0348]〜[0415]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
なお、疎水性樹脂としてはこの他にも特開2011−248019号公報、特開2010−175859号公報、特開2012−032544号公報記載のものも好ましく用いることができる。
<界面活性剤>
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物は、界面活性剤を更に含んでいてもよい。界面活性剤を含有することにより、波長が250nm以下、特には220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥のより少ないパターンを形成することが可能となる。
界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤を用いることが特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。また、エフトップEF301若しくはEF303(新秋田化成(株)製);フロラードFC430、431若しくは4430(住友スリーエム(株)製);メガファックF171、F173、F176、F189、F113、F110、F177、F120若しくはR08(DIC(株)製);サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105若しくは106(旭硝子(株)製);トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製);GF−300若しくはGF−150(東亜合成化学(株)製)、サーフロンS−393(セイミケミカル(株)製);エフトップEF121、EF122A、EF122B、RF122C、EF125M、EF135M、EF351、EF352、EF801、EF802若しくはEF601((株)ジェムコ製);PF636、PF656、PF6320若しくはPF6520(OMNOVA社製);又は、FTX−204G、208G、218G、230G、204D、208D、212D、218D若しくは222D((株)ネオス製)を用いてもよい。なお、ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)も、シリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤は、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物を用いて合成してもよい。具体的には、このフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を備えた重合体を、界面活性剤として用いてもよい。このフルオロ脂肪族化合物は、例えば、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の[0280]に記載されているフッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。
これら界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物が界面活性剤を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0.0001〜2質量%、更に好ましくは0.0005〜1質量%である。
<その他の添加剤>
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物は、溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボキシ基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。
本発明において用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物は、溶解阻止化合物を更に含んでいてもよい。ここで「溶解阻止化合物」とは、酸の作用により分解して現像液中での溶解度が減少する、分子量3000以下の化合物である。
本発明の現像液は、非化学増幅系のレジスト組成物にも好適に適用することができる。
非化学増幅系のレジスト組成物としては、例えば、
g線、h線、i線、KrF、ArF、EBあるいはEUV等の照射によって主鎖が切断し、分子量が低下することにより溶解性が変化するレジスト材料(例えば特開2013−210411号公報[0025]〜[0029]、[0056]や米国特許公報2015/0008211[0032]〜[0036]、[0063]に記載のα−クロロアクリル酸エステル系化合物とα−メチルスチレン系化合物との共重合体を主成分とするレジスト材料等)、
g線、h線、i線、KrF、ArF、EBあるいはEUV等によって生じたシラノール縮合反応を伴うハイドロゲンシルセスオキサン(HSQ)、塩素置換したカリックスアレーン、
g線、h線、i線、KrF、ArF、EBあるいはEUV等の光に対して吸収を有する金属錯体(マグネシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、セシウム、ジルコニウム、ハフニウム等の錯体であり、チタン、ジルコニウム、ハフニウムがパターン形成性の観点から好ましい)を含み、配位子脱離や酸発生剤と併用して配位子交換過程を伴うレジスト材料(特開2015−075500[0017]〜[0033]、[0037]〜[0047]、特開2012−185485[0017]〜[0032]、[0043]〜[0044]、米国特許公報2012/0208125[0042]〜[0051]、[0066]等に記載のレジスト材料)等が挙げられる。
また、レジスト組成物としては、特開2008−83384号公報に記載の[0010]〜[0062]、[0129]〜[0165]に記載のレジスト組成物も用いることができる。
以下、本発明のパターン形成方法が有する各工程について説明する。
<工程(1)>
工程(1)は、上記感活性光線性又は感放射線性組成物を用いて膜を形成する工程であり、例えば次の方法により行うことができる。
感活性光線性又は感放射線性組成物を用いて基板上に膜を形成するためには、上記樹脂(A)及び化合物(B)を溶剤(C)に溶解して感活性光線性又は感放射線性組成物を調製し、必要に応じてフィルター濾過した後、基板上に塗布する。フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
本発明のパターン形成方法では、基板上に上記感活性光線性又は感放射線性組成物を用いて膜(感活性光線性又は感放射線性膜であり、典型的にはレジスト膜であり、化学増幅型のレジスト膜であることが好ましい。)を形成する。上記感活性光線性又は感放射線性膜上にトップコート組成物を用いてトップコート層を形成してもよい。この膜の膜厚は、一般的には200nm以下であり、好ましくは10〜100nmである。トップコート層の膜厚は、好ましくは10〜200nm、更に好ましくは20〜100nm、特に好ましくは40〜80nmである。
例えば線幅20nm以下の1:1ラインアンドスペースパターンを解像させるためには、形成される膜の膜厚が50nm以下であることが好ましい。膜厚が50nm以下であれば、後述する現像工程を適用した際に、パターン倒れがより起こりにくくなり、より優れた解像性能が得られる。
膜厚の範囲としてより好ましくは、15nmから45nmの範囲である。膜厚が15nm以上であれば、十分なエッチング耐性が得られる。膜厚の範囲として更に好ましくは、15nmから40nmである。膜厚がこの範囲にあると、エッチング耐性とより優れた解像性能とを同時に満足させることができる。
膜を形成する方法としては、例えば、感活性光線性又は感放射線性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、膜を形成する。なお、膜の下層に、予め公知の各種下地膜(無機膜、有機膜、反射防止膜)を塗設することもできる。
基板上に感活性光線性又は感放射線性組成物を塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
なお、本発明のパターン形成方法においては、膜の上層に、上記膜の形成方法と同様の手段によりトップコート組成物を塗布、乾燥し、トップコート層を形成することができる。トップコートは、感活性光線性又は感放射線性組成物からなる膜と混合せず、さらに膜上層に均一に塗布できることが好ましい。トップコート層の形成前には、膜を乾燥することが好ましい。
また、トップコートは、エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシル基、チオール基、カルボニル結合及びエステル結合からなる群より選択される基又は結合を少なくとも一つ含む化合物を含むことが好ましいが、これらは特に限定されず、従来公知のトップコートを、従来公知の方法によって形成でき、例えば、特開2014−059543号公報の段落0072〜0082の記載に基づいてトップコートを形成できる。
現像工程において、例えば、特開2013−61648号公報に記載されたような塩基性化合物を含有するトップコートを膜上に形成することが好ましい。トップコートが含み得る塩基性化合物の具体的な例は前述した塩基性化合物と同様である。
感活性光線性又は感放射線性組成物からなる膜及びトップコート層の乾燥方法としては、加熱して乾燥する方法が一般的に用いられる。加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。加熱温度は80〜150℃で行うことが好ましく、80〜140℃で行うことがより好ましく、80〜130℃で行うことが更に好ましい。加熱時間は30〜1000秒が好ましく、60〜800秒がより好ましく、60〜600秒が更に好ましい。
<工程(2)>
工程(2)は、膜を露光する工程であり、例えば次の方法により行うことができる。
上記のようにして形成した膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射する。なお、電子ビームの照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、極紫外線(EUV、Extreme Ultra Violet)、電子線(EB、Electron Beam)等であり、極紫外線又は電子線が特に好ましい。露光は液浸露光であってもよい。
<ベーク>
本発明のパターン形成方法においては、露光後、現像を行う前にベーク(加熱)を行うことが好ましい。ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターン形状がより良好となる。
加熱温度は80〜150℃が好ましく、80〜140℃がより好ましく、80〜130℃が更に好ましい。
加熱時間は30〜1000秒が好ましく、60〜800秒がより好ましく、60〜600秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
<工程(3)>
工程(3)は、工程(2)で露光された膜を有機溶剤を含む現像液によって現像する工程である。
[現像液]
本発明で用いられる現像液は有機溶剤を含有する。有機溶剤を含有する現像液を、「有機系現像液」ともいう。有機系現像液中の有機溶剤の含有量は、現像液の全量に対して、50質量%より大きく100質量%以下であることが好ましく、70質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。
現像液に含有される有機溶剤としては特に限定されないが、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤が好ましい。
エステル系溶剤とは分子内にエステル結合を有する溶剤のことであり、ケトン系溶剤とは分子内にケトン基を有する溶剤のことであり、アルコール系溶剤とは分子内にアルコール性水酸基を有する溶剤のことであり、アミド系溶剤とは分子内にアミド結合を有する溶剤のことであり、エーテル系溶剤とは分子内にエーテル結合を有する溶剤のことである。これらの中には、1分子内に上記官能基を複数種有する溶剤も存在するが、その場合は、その溶剤の有する官能基を含むいずれの溶剤種にも当てはまるものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも当てはまるものとする。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル(酢酸ペンチル)、酢酸イソアミル(酢酸イソペンチル、酢酸3−メチルブチル)、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、酢酸イソヘキシル、酢酸ヘプチル、酢酸オクチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチル、ブタン酸イソブチル、ブタン酸ペンチル、ブタン酸ヘキシル、イソブタン酸イソブチル、ペンタン酸プロピル、ペンタン酸イソプロピル、ペンタン酸ブチル、ペンタン酸ペンチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸プロピル、ヘキサン酸ブチル、ヘキサン酸イソブチル、ヘプタン酸メチル、ヘプタン酸エチル、ヘプタン酸プロピル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シクロヘプチル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸シクロペンチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等を挙げることができる。これらの中でも、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1−メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルが好ましく用いられ、酢酸イソアミルが特に好ましく用いられる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等を挙げることができ、中でも2−ヘプタノンが好ましい。
また、ケトン系溶剤は、分岐アルキル基を有していてもよい。分岐アルキル基を有する環式脂肪族ケトン系溶剤としては、例えば、2−イソプロピルシクロヘキサノン、3−イソプロピルシクロヘキサノン、4−イソプロピルシクロヘキサノン、2−イソプロピルシクロヘプタノン、3−イソプロピルシクロヘプタノン、4−イソプロピルシクロヘプタノン、2−イソプロピルシクロオクタノンが挙げられる。
分岐アルキル基を有する非環式脂肪族ケトン系溶剤としては、例えば、ジイソヘキシルケトン、メチルイソペンチルケトン、エチルイソペンチルケトン、プロピルイソペンチルケトン、ジイソペンチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、プロピルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、エチルイソプロピルケトン、メチルイソプロピルケトンなどが挙げられ、特に好ましくは、ジイソブチルケトンである。
分岐アルキル基を有する環式脂肪族エーテル系溶剤としては、例えば、シクロペンチルイソプロピルエーテル、シクロペンチルsec−ブチルエーテル、シクロペンチルtert−ブチルエーテル、シクロヘキシルイソプロピルエーテル、シクロヘキシルsec−ブチルエーテル、シクロヘキシルtert−ブチルエーテルが挙げられる。
分岐アルキル基を有する非環式脂肪族エーテル系溶剤としては、例えば、ジイソヘキシルエーテル、メチルイソペンチルエーテル、エチルイソペンチルエーテル、プロピルイソペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、プロピルイソブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテルなどが挙げられ、特に好ましくは、ジイソブチルエーテル又はジイソペンチルエーテルである。
アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−デカノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、5−メチル−2−ヘキサノール、4−メチル−2−ヘキサノール、4,5−ジチル−2−ヘキサール、6−メチル−2−ヘプタノール、7−メチル−2−オクタノール、8−メチル−2−ノナール、9−メチル−2−デカノール、3−メトキシ−1−ブタノール等のアルコール(1価のアルコール)や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;別名1−メトキシ−2−プロパノール)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等の水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。これらの中でもグリコールエーテル系溶剤を用いることが好ましい。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記水酸基を含有するグリコールエーテル系溶剤の他、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の水酸基を含有しないグリコールエーテル系溶剤、アニソール、フェネトール等の芳香族エーテル溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。好ましくは、グリコールエーテル系溶剤、又はアニソールなどの芳香族エーテル溶剤を用いる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、1−メチルプロピルベンゼン、2−メチルプロピルベンゼン、ジメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、エチルメチルベンゼン、トリメチルベンゼン、エチルジメチルベンゼン、ジプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセン、などの不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。
不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合、三重結合は複数でもよく、炭化水素鎖のどの位置に有しても良い。二重結合を有することによるCis、trans体が混合しても良い。
現像液に、他の溶剤を含有する場合、他の溶剤の含有量は現像液の全質量に対して40質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下である。他の溶剤の含有量を40質量%以下にすることで、パターン倒れ性能をさらに良化することができる。
現像液は、界面活性剤を含有することが好ましい。これにより、膜に対する濡れ性が向上して、現像性が向上し、異物の発生が抑制される傾向にある。
界面活性剤としては、後述する感活性光線又は感放射線性組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
現像液が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、現像液の全質量に対して、0.001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.005〜2質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
現像液は、酸化防止剤を含有することが好ましい。これにより、経時的な酸化剤の発生を抑制でき、酸化剤の含有量をより低下できる。
酸化防止剤としては、公知のものが使用できるが、半導体用途に用いる場合、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、p−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン等のナフチルアミン系酸化防止剤;N,N'−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジオクチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系酸化防止剤;ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、p,p'−ジ−n−ブチルジフェニルアミン、p,p'−ジ−t−ブチルジフェニルアミン、p,p'−ジ−t−ペンチルジフェニルアミン、p,p'−ジオクチルジフェニルアミン、p,p'−ジノニルジフェニルアミン、p,p'−ジデシルジフェニルアミン、p,p'−ジドデシルジフェニルアミン、p,p'−ジスチリルジフェニルアミン、p,p'−ジメトキシジフェニルアミン、4,4'−ビス(4−α,α−ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、p−イソプロポキシジフェニルアミン、ジピリジルアミン等のジフェニルアミン系酸化防止剤;フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、フェノセレナジン等のフェノチアジン系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、例えば、2,6−ジ−ターシャリブチルフェノール(以下、ターシャリブチルをt−ブチルと略記する。)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ステアリル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オレイル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ドデシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸デシル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸オクチル、テトラキス{3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニルオキシメチル}メタン、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸グリセリンモノエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸とグリセリンモノオレイルエーテルとのエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ブチレングリコールジエステル、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸チオジグリコールジエステル、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)サルファイド、トリス{(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル―オキシエチル}イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス{2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル}サルファイド、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6―ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラフタロイル―ジ(2,6−ジメチル−4−t−ブチル−3−ヒドロキシベンジルサルファイド)、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス(オクチルチオ)−1,3,5―トリアジン、2,2−チオ−{ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)}プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシナミド)、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス{3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グリコールエステル等が挙げられる。
酸化防止剤の含有量は、特に限定されないが、現像液の全質量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.0001〜0.01質量%が更に好ましい。0.0001質量%以上であるとより優れた酸化防止効果が得られ、1質量%以下であることで、現像残渣を抑制できる傾向にある。
現像液は、塩基性化合物を含有することが好ましい。塩基性化合物の具体例としては、後に述べる感活性光線性又は感放射線性組成物が含み得る塩基性化合物として例示する化合物が挙げられる。
現像液に含まれ得る塩基性化合物の中でも、含窒素化合物を好ましく用いることができる。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
また、現像を行う工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
現像時間は未露光部の樹脂が十分に溶解する時間であれば特に制限はなく、通常は10〜300秒であり、好ましくは20〜120秒である。
現像液の温度は0〜50℃が好ましく、15〜35℃がより好ましい。
現像液としては、上述した現像液を用いることが好ましい。
現像工程で用いられる現像液としては、上述の現像液を用いた現像に加えて、アルカリ現像液による現像(いわゆる二重現像)を行ってもよい。
<リンス工程>
リンス工程は、現像工程の後にリンス液によって洗浄(リンス)する工程である。
リンス工程においては、現像を行ったウエハを前述のリンス液を用いて洗浄処理する。
洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転吐出法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転吐出方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。
リンス時間には特に制限はないが、好ましくは10秒〜300秒であり、より好ましくは10秒〜180秒であり、最も好ましくは20秒〜120秒である。
リンス液の温度は0〜50℃が好ましく、15〜35℃が更に好ましい。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
さらに、現像処理又はリンス処理又は超臨界流体による処理の後、パターン中に残存する溶剤を除去するために加熱処理を行うことができる。加熱温度は、良好なレジストパターンが得られる限り特に限定されるものではなく、通常40〜160℃である。加熱温度は50〜150℃が好ましく、50〜110℃が最も好ましい。加熱時間に関しては良好なレジストパターンが得られる限り特に限定されないが、通常15〜300秒であり、好ましくは、15〜180秒である。
リンス液としては、有機溶剤を含むリンス液を用いることが好ましく、有機溶剤としては、前述の現像液に含有される有機溶剤(好ましくはエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤、及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶剤)と同様である。
リンス液が含む有機溶剤は、炭化水素系溶剤が好ましい。
リンス液に含まれる有機溶剤としては、露光工程においてEUV光(Extreme Ultra Violet)又はEB(Electron Beam)を用いる場合、上記の有機溶剤の中でも炭化水素系溶剤を用いることが好ましく、脂肪族炭化水素系溶剤を用いることがより好ましい。リンス液に用いられる脂肪族炭化水素系溶剤としては、その効果がより向上するという観点から、炭素数5以上の脂肪族炭化水素系溶剤(例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ヘキサデカン等)が好ましく、炭素原子数が8以上の脂肪族炭化水素系溶剤が好ましく、炭素原子数が10以上の脂肪族炭化水素系溶剤がより好ましい。
なお、上記脂肪族炭化水素系溶剤の炭素原子数の上限値は特に限定されないが、例えば、16以下が挙げられ、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。
上記脂肪族炭化水素系溶剤の中でも、特に好ましくは、デカン、ウンデカン、イソデカン、ドデカンであり、さらに好ましくはウンデカンである。
尚、リンス液に含まれる炭化水素系溶剤として不飽和炭化水素系溶剤も用いることができ、例えば、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセン等の不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合、三重結合の数は特に限定されず、また、炭化水素鎖のどの位置に有してもよい。また、不飽和炭化水素溶剤が二重結合を有する場合には、cis体及びtrans体が混在していてもよい。
このようにリンス液に含まれる有機溶剤として炭化水素系溶剤(特に脂肪族炭化水素系溶剤)を用いることで、現像後にわずかに膜に染み込んでいた現像液が洗い流されて、膨潤がより抑制され、パターン倒れが抑制されるという効果が一層発揮される。
また、リンス液に含まれる有機溶剤として、上記エステル系溶剤及び上記炭化水素系溶剤の混合溶剤、又は、上記ケトン系溶剤及び上記炭化水素溶剤の混合溶剤を用いてもよい。上記のような混合溶剤とする場合には、炭化水素溶剤を主成分とすることが好ましい。
エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、エステル系溶剤として酢酸ブチル、酢酸イソアミルを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、上記効果が一層発揮されるという点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、ケトン系溶剤として2−ヘプタノンを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、上記効果が一層発揮されるという点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
また、エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合、ケトン系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、炭化水素系溶剤として不飽和炭化水素系溶剤も用いることができ、例えば、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ヘキサデセン等の不飽和炭化水素系溶剤が挙げられる。不飽和炭化水素溶剤が有する二重結合、三重結合の数は特に限定されず、また、炭化水素鎖のどの位置に有してもよい。
また、不飽和炭化水素溶剤が二重結合を有する場合には、cis体及びtrans体が混在していてもよい。
さらに、リンス液に含まれる有機溶剤としては、現像後の残渣低減に特に有効であるという観点から、上記エステル系溶剤及び上記ケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を用いる態様であってもよい。
リンス液が、エステル系溶剤及びケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合、酢酸ブチル、酢酸イソペンチル(酢酸イソアミル)、酢酸n−ペンチル、3−エトキシプロピオン酸エチル(EEP、エチル−3−エトキシプロピオネート)、及び2−ヘプタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を主成分として含有することが好ましく、酢酸ブチル及び2−ヘプタノンからなる群より選択される少なくとも1種の溶剤を主成分として含有することが特に好ましい。
また、リンス液が、エステル系溶剤及びケトン系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種を含有する場合、エステル系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤からなる群より選択される溶剤を副成分として含有することが好ましく、中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、酢酸エチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、γ−ブチロラクトン、プロパノール、3−メトキシ−1−ブタノール、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネートからなる群より選択される溶剤が好ましい。
この中でも、有機溶剤としてエステル系溶剤を用いる場合には、上記効果が一層発揮されるという点から、2種以上のエステル系溶剤を用いることが好ましい。この場合の具体例としては、エステル系溶剤(好ましくは酢酸ブチル)を主成分として、これとは化学構造が異なるエステル系溶剤(好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))を副成分として用いることが挙げられる。
また、有機溶剤としてエステル系溶剤を用いる場合には、上記効果が一層発揮されるという点から、エステル系溶剤(1種又は2種以上)に加えて、グリコールエーテル系溶剤を用いてもよい。この場合の具体例としては、エステル系溶剤(好ましくは、酢酸ブチル)を主成分として、グリコールエーテル系溶剤(好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME))を副成分として用いることが挙げられる。
有機溶剤としてケトン系溶剤を用いる場合には、上記効果が一層発揮されるという点から、ケトン系溶剤(1種又は2種以上)に加えて、エステル系溶剤及び/又はグリコールエーテル系溶剤を用いてもよい。この場合の具体例としては、ケトン系溶剤(好ましくは2−ヘプタノン)を主成分として、エステル系溶剤(好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))及び/又はグリコールエーテル系溶剤(好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME))を副成分として用いることが挙げられる。
ここで、上記の「主成分」とは、有機溶剤の全質量に対する含有量が、50〜100質量%であることをいい、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%、特に好ましくは95〜100質量%であることをいう。
また、副成分を含有する場合には、副成分の含有量は、主成分の全質量(100質量%)に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。
リンス液の蒸気圧は、20℃において0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液が複数の溶剤の混合溶剤である場合は全体としての蒸気圧が上記範囲であることが好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウエハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウエハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液は、界面活性剤を含有しても良い。リンス液が界面活性剤を含有することにより、膜に対する濡れ性が向上して、リンス性が向上し、異物の発生が抑制される傾向にある。
界面活性剤としては、後述する感活性光線または感放射線性組成物に用いられる界面活性剤と同様のものを用いることができる。
リンス液が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、リンス液の全質量に対して、0.001〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜2質量%であり、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
リンス液は酸化防止剤を含有しても良い。リンス液が含有してもよい酸化防止剤としては、前述の現像液が含有してもよい酸化防止剤と同様である。
リンス液が酸化防止剤を含有する場合、酸化防止剤の含有量は、特に限定されないが、リンス液の全質量に対して、0.0001〜1質量%が好ましく、0.0001〜0.1質量%がより好ましく、0.0001〜0.01質量%が更に好ましい。
本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物、及び、各種材料(例えば、溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、トップコート形成用組成物など)は、金属、ハロゲンを含む金属塩、酸、アルカリ等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、1ppb以下がより好ましく、100ppt以下が更に好ましく、10ppt以下が特に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が最も好ましい。
各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過を挙げることができる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、これらの材質とイオン交換メディアを組み合わせた複合材料であってもよい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用しても良い。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であっても良い。
また、各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行っても良く、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用しても良い。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材を使用することができる。
<収容容器>
現像液及びリンス液に使用し得る有機溶剤(「有機系処理液」ともいう)としては、収容部を有する、化学増幅型又は非化学増幅型膜のパターニング用有機系処理液の収容容器に保存されたものを使用することが好ましい。この収容容器としては、例えば、収容部の、有機系処理液に接触する内壁が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂のいずれとも異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成された、膜のパターニング用有機系処理液の収容容器であることが好ましい。この収容容器の上記収容部に、膜のパターニング用有機系処理液として使用される予定の有機溶剤を収容し、膜のパターニング時において、上記収容部から排出したものを使用することができる。
上記の収容容器が、更に、上記の収容部を密閉するためのシール部を有している場合、このシール部も、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂とは異なる樹脂、又は、防錆・金属溶出防止処理が施された金属から形成されることが好ましい。
ここで、シール部とは、収容部と外気とを遮断可能な部材を意味し、パッキンやOリングなどを好適に挙げることができる。
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及び、ポリエチレン−ポリプロピレン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂とは異なる樹脂は、パーフルオロ樹脂であることが好ましい。
パーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(PCTFE)、フッ化ビニル樹脂(PVF)等を挙げることができる。
特に好ましいパーフルオロ樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理が施された金属における金属としては、炭素鋼、合金鋼、ニッケルクロム鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、マンガン鋼等を挙げることができる。
防錆・金属溶出防止処理としては、皮膜技術を適用することが好ましい。
皮膜技術には、金属被覆(各種メッキ),無機被覆(各種化成処理,ガラス,コンクリート,セラミックスなど)および有機被覆(さび止め油,塗料,ゴム,プラスチックス)の3種に大別されている。
好ましい皮膜技術としては、錆止め油、錆止め剤、腐食抑制剤、キレート化合物、可剥性プラスチック、ライニング剤による表面処理が挙げられる。
中でも、各種のクロム酸塩、亜硝酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、オレイン酸、ダイマー酸、ナフテン酸等のカルボン酸、カルボン酸金属石鹸、スルホン酸塩、アミン塩、エステル(高級脂肪酸のグリセリンエステルや燐酸エステル)などの腐食抑制剤、エチレンジアンテトラ酢酸、グルコン酸、ニトリロトリ酢酸、ヒドロキシエチルエチオレンジアミン三作酸、ジエチレントリアミン五作酸などのキレート化合物及びフッ素樹脂ライニングが好ましい。特に好ましいのは、燐酸塩処理とフッ素樹脂ライニングである。
また、直接的な被覆処理と比較して、直接、錆を防ぐわけではないが、被覆処理による防錆期間の延長につながる処理方法として、防錆処理にかかる前の段階である「前処理」を採用することも好ましい。
このような前処理の具体例としては、金属表面に存在する塩化物や硫酸塩などの種々の腐食因子を、洗浄や研磨によって除去する処理を好適に挙げることができる。
収容容器としては具体的に以下を挙げることができる。
・Entegris社製 FluoroPurePFA複合ドラム(接液内面;PFA樹脂ライニング)
・JFE社製 鋼製ドラム缶(接液内面;燐酸亜鉛皮膜)
また、本発明において用いることができる収容容器としては、特開平11−021393号公報[0013]〜[0030]、及び特開平10−45961号公報[0012]〜[0024]に記載の容器も挙げることができる。
本発明の有機系処理液は、静電気の帯電、引き続き生じる静電気放電に伴う薬液配管や各種パーツ(フィルター、O−リング、チューブなど)の故障を防止する為、導電性の化合物を添加しても良い。導電性の化合物としては特に制限されないが、例えば、メタノールが挙げられる。添加良は特に制限されないが、好ましい現像特性を維持する観点で、10質量%以下が好ましく、更に好ましくは、5質量%以下である。薬液配管の部材に関しては、SUS(ステンレス鋼)、或いは帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフロオロアルコキシ樹脂など)で被膜された各種配管を用いることができる。フィルターやO−リングに関しても同様に、帯電防止処理の施されたポリエチレン、ポリプロピレン、又はフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフロオロアルコキシ樹脂など)を用いることができる。
なお、一般的に、現像液およびリンス液は、使用後に配管を通して廃液タンクに収容される。その際、リンス液として炭化水素系溶媒を使用する場合には、現像液中に溶解したレジストが析出し、ウエハ背面や、配管側面などに付着することを防ぐために、再度、レジストが溶解する溶媒を配管に通す方法がある。配管に通す方法としては、リンス液での洗浄後に基板の背面や側面などをレジストが溶解する溶媒で洗浄して流す方法や、レジストに接触させずにレジストが溶解する溶剤を配管を通るように流す方法が挙げられる。
配管に通す溶剤としては、レジストを溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば上述した有機溶媒が挙げられ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−ヘプタノン、乳酸エチル、1−プロパノール、アセトン、等を用いることができる。中でも好ましくは、PGMEA,PGME,シクロヘキサノンを用いることができる。
本発明のパターン形成方法により得られるパターンをマスクとして用い、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路、インプリント用モールド構造体、フォトマスク等を製造することができる。
上記の方法によって形成されたパターンは、DSA(Directed Self-Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4 No.8 Page4815-4823参照)にも用いることができる。また、上記の方法によって形成されたパターンは、例えば特開平3−270227及び特開2013−164509号公報に開示されたスペーサープロセスの芯材(コア)として使用できる。
なお、本発明の組成物を用いてインプリント用モールドを作成する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」に記載されている。
本発明のパターン形成方法を用いて製造されるフォトマスクは、ArFエキシマレーザー等で用いられる光透過型マスクであっても、EUV光を光源とする反射系リソグラフィーで用いられる光反射型マスクであってもよい。
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及びこの製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスの製造方法により製造される電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA(Office Appliance)・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
<レジスト組成物>
本発明は、上記一般式(4)又は(4a)で表される繰り返し単位を有する樹脂を含むレジスト組成物にも関する。本発明のレジスト組成物における一般式(4)又は(4a)で表される繰り返し単位、及びこの繰り返し単位を有する樹脂の具体例及び好ましい範囲は前述のとおりである。
レジスト組成物は、前述の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の好ましい態様であり、前述の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物において説明した、各成分及びその含有量、並びにその他の事項をレジスト組成物においても参照できる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
なお、後述の試料21E〜32E、34E〜50E、7F〜9F、11Fについては、「実施例」とあるのを「参考例」と読み替えるものとする。
<樹脂A−1の合成>
《モノマー(a1)の合成》
(中間体a1−1の合成)
4−アミノフェノール30gをテトラヒドロフラン250mlに溶解し、この溶液に無水マレイン酸27gを過度に発熱しないよう注意深く加え、室温で3時間攪拌した。反応後、溶媒を留去し、得られた粗結晶を酢酸エチルで洗浄することにより、中間体(a1−1)56gを得た。
H−NMR(nuclear magnetic resonance)(DMSO(Dimethyl sulfoxide)―d6:ppm)δ:13.67(br)、10.38(s)、9.35(s)、7.43(d)、6.74(d)、6.48(d)、6.30(d)
(モノマー(a1)の合成)
中間体(a1−1)56gをトルエン240mlに懸濁し、パラトルエンスルホン酸3.7gとN,N−ジメチルホルムアミド28mlを加え、ディーン・スターク管を備え、5時間加熱還流させた。室温まで放冷後、水3000mlにこの反応液を加え、粉体をろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)で精製後、イソプロパノールで再結晶を行い、モノマー(a1)22gを得た。
H−NMR(DMSO―d6:ppm)δ:9.68(s)、7.13(s)、7.08(d)、6.83(d)
《樹脂A−1の合成》
5.1gのモノマー(a1)と、2.0gのモノマー(c1)と、t−ブチルメタクリレート7.7gと、0.48gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、54.5gのシクロヘキサノンに溶解させた。反応容器中に29.3gのシクロヘキサノンを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。上記反応溶液を、990gの、n−ヘプタン及び酢酸エチルの混合溶液(n−ヘプタン/酢酸エチル=9/1(質量比))中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。300gの、n−ヘプタン及び酢酸エチルの混合溶液(n−ヘプタン/酢酸エチル=9/1(質量比))を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られたポリマーをシクロヘキサノン82gに溶解し、960gの、メタノール及び水の混合溶液(メタノール/水=4/6(質量比))中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。290gの、メタノール及び水の混合溶液(メタノール/水=4/6(質量比))を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、12.3gの樹脂(A−1)を得た。GPCによる重量平均分子量は12900、分子量分散度(Mw/Mn)は1.70であった。
H−NMR(DMSO―d6:ppm)δ:9.80、7.15−6.71、4.76−4.26、2.93―0.79(ピークはいずれもブロード)
用いるモノマーを変更した以外は、上記樹脂A−1の合成例と同様の方法で、下記構造を有する樹脂を合成した。樹脂の組成比(モル比)は、H−NMRまたは13C−NMR測定により算出した。樹脂の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、分散度(Mw/Mn)はGPC(溶媒:THF)測定により算出した。なお、下記表1には、各樹脂について、繰り返し単位の組成比(モル比)、重量平均分子量、分散度、繰り返し単位のClogP値を示した。また、下記表1に記載されたClogP値は各樹脂に含まれる繰り返し単位のうち最も左に記載された繰り返し単位のClogP値である。
<酸発生剤(B)>
酸発生剤としては、以下のものを用いた。
<塩基性化合物>
塩基性化合物としては、以下のものを用いた。
<溶剤(C)>
溶剤としては、以下のものを用いた。
C1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
C2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
C3:乳酸エチル
C4:シクロヘキサノン
<現像液>
現像液としては、以下のものを用いた。
SG−1:アニソール
SG−2:メチルアミルケトン
SG−3:酢酸イソアミル
<リンス液>
リンス液としては、以下のものを用いた。
R−1:ウンデカン
R−2:イソデカン
R−3:デカン
R−4:4−メチル−2−ペンタノール
<架橋剤>
架橋剤としては、以下のものを用いた。
<レジスト組成物>
下記表2〜4に示す各成分を、表2〜4に示す溶剤に溶解させた。これを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターを用いてろ過して、レジスト組成物を得た。
<EUV露光評価 ラインアンドスペースパターン>
レジスト組成物を用いて、以下の操作によりレジストパターンを形成した。
〔レジスト組成物の塗布および塗布後ベーク(PB)〕
HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行った4インチシリコンウエハ上に、レジスト組成物を塗布し、120℃で60秒間ベークし、膜厚40nmのレジスト膜を形成した。
1インチは25.4mmである。
〔露光〕
レジスト膜を形成したウエハに、NA(レンズ開口数、Numerical Aperture)0.3、ダイポール照明でEUV露光を行った。具体的には、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを形成する為のパターンが含まれたマスクを介して、露光量を変えてEUV露光を行った。
〔露光後ベーク(PEB)〕
露光後、ウエハをEUV露光装置から取り出し、ただちに、表5に示す温度の条件で60秒間ベークした。
〔現像〕
その後、シャワー型現像装置(ACTES(株)製ADE3000S)を用いて、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表5に記載の現像液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出して現像を行った。
〔リンス〕
その後、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表5に記載のリンス液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出してリンス処理を行った。
最後に、2500回転(rpm)で120秒間高速回転してウエハを乾燥させた。
レジストパターンの評価
得られたレジストパターンについて下記の方法で、感度、解像力を評価した。レジストパターンは、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9380II)を用いて観察した。結果を下記表5に示す。
(感度)
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像する時の最適露光量を感度(Eop1)とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。
(解像力)
上記Eop1において、マスクを変更することによりハーフピッチサイズの異なるラインアンドスペースパターンを作成した。そのとき、分離している(1:1)のラインアンドスペースパターンが得られる最小のハーフピッチサイズを解像力とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。
<EUV露光評価 ドットパターン>
レジスト組成物を用いて、以下の操作によりレジストパターンを形成した。
〔レジスト組成物の塗布および塗布後ベーク(PB)〕
HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行った4インチシリコンウエハ上に、レジスト組成物を塗布し、120℃で60秒間ベークし、膜厚40nmのレジスト膜を形成した。
1インチは25.4mmである。
〔露光〕
レジスト膜を形成したウエハに、NA(レンズ開口数、Numerical Aperture)0.3、ダイポール照明でEUV露光を行った。具体的には、直径30nmのドットをピッチ100nmで形成する為のパターンが含まれたマスクを介して、露光量を変えてEUV露光を行った。
〔露光後ベーク(PEB)〕
露光後、ウエハをEUV露光装置から取り出し、ただちに、表6に示す温度の条件で60秒間ベークした。
〔現像〕
その後、シャワー型現像装置(ACTES(株)製ADE3000S)を用いて、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表6に記載の現像液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出して現像を行った。
〔リンス〕
その後、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表6に記載のリンス液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出してリンス処理を行った。
最後に、2500回転(rpm)で120秒間高速回転してウエハを乾燥させた。
レジストパターンの評価
得られたレジストパターンについて下記の方法で、解像力を評価した。レジストパターンは、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9380II)を用いて観察した。結果を下記表6に示す。
(感度)
直径30nmのドットを解像する時の最適露光量を感度(Eop2)とした。
(解像力)
上記Eop2において、マスクを変更することにより、ピッチ(ドットとドットの間隔)を100nmに維持した状態で、ドット径を30nmから小さくしていき、分離しているドットパターンの限界最小径を解像力とした。この値が小さいほど性能が良好であることを示す。
<EB露光評価 ラインアンドスペースパターン>
レジスト組成物を用いて、以下の操作によりレジストパターンを形成した。
〔レジスト組成物の塗布および塗布後ベーク(PB)〕
6インチシリコンウエハ上に有機膜DUV44(Brewer Science社製)を塗布し、200℃で60秒間ベークして、膜厚60nmの有機膜を形成した。その上にレジスト組成物を塗布し、120℃で60秒間ベークし、膜厚40nmのレジスト膜を形成した。
〔露光〕
レジスト膜を形成したウエハに、電子線照射装置((株)JEOL製 JBX6000FS/E;加速電圧50keV)を用いて、EB露光を行った。具体的には、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターン(長さ方向0.12mm、描画本数20本)を、露光量を変えて露光した。
〔露光後ベーク(PEB)〕
露光後、ウエハを電子線照射装置から取り出し、ただちに、表7に示す温度で60秒の条件でホットプレート上にて加熱した。
〔現像〕
シャワー型現像装置(ACTES(株)製ADE3000S)を用いて、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表7に記載の現像液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出して現像を行った。
〔リンス〕
その後、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表7に記載のリンス液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出してリンス処理を行った。
最後に、2500回転(rpm)で120秒間高速回転してウエハを乾燥させた。
上述した「EUV露光評価 ラインアンドスペースパターン」と同様の方法でレジストパターンの評価を行った。結果は表7に示す。なお、解像力は、描画によりハーフピッチサイズの異なるラインアンドスペースパターンを作成して評価した。
<EB露光評価 ドットパターン>
レジスト組成物を用いて、以下の操作によりレジストパターンを形成した。
〔レジスト組成物の塗布および塗布後ベーク(PB)〕
6インチシリコンウエハ上に有機膜DUV44(Brewer Science社製)を塗布し、200℃で60秒間ベークして、膜厚60nmの有機膜を形成した。その上にレジスト組成物を塗布し、120℃で60秒間ベークし、膜厚40nmのレジスト膜を形成した。
〔露光〕
レジスト膜を形成したウエハに、電子線照射装置((株)JEOL製 JBX6000FS/E;加速電圧50keV)を用いて、EB露光を行った。具体的には、直径30nmのドットをピッチ100nmで形成するように、露光量を変えてEB露光を行った。
〔露光後ベーク(PEB)〕
露光後、ウエハを電子線照射装置から取り出し、ただちに、表8に示す温度で60秒の条件でホットプレート上にて加熱した。
〔現像〕
シャワー型現像装置(ACTES(株)製ADE3000S)を用いて、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表8に記載の現像液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出して現像を行った。
〔リンス〕
その後、50回転(rpm)でウエハを回転しながら表8に記載のリンス液(23℃)を、200mL/分の流量で、所定時間スプレー吐出してリンス処理を行った。
最後に、2500回転(rpm)で120秒間高速回転してウエハを乾燥させた。
上述した「EUV露光評価 ドットパターン」と同様の方法でレジストパターンの評価を行った。結果は表8に示す。なお、解像力は、ドット径を30nmから小さくしていくように描画して評価した。
上記表5〜8に示すように、本発明のパターン形成方法により形成されたパターンは、感度及び解像力が優れたものとなった。

Claims (10)

  1. (A)下記一般式()で表され、ClogP値が2.2以下である繰り返し単位を含有し、酸の作用により有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂と、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と、(C)溶剤と、を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(1)、
    前記膜を活性光線又は放射線を用いて露光する工程(2)、及び
    前記工程(2)において露光された膜を有機溶剤を含む現像液を用いて現像し、ネガ型のパターンを形成する工程(3)を有し、
    前記現像液中の前記有機溶剤の含有量が、前記現像液の全量に対して、50質量%よりも大きく100質量%以下である、パターン形成方法。

    一般式(4)中、Aは単結合又は2価の連結基を表す。R は置換基を表す。n は0〜4の整数を表す。R が複数存在する場合、複数のR は同一であっても異なっていてもよい。
  2. 前記樹脂(A)が、酸分解性基を有する繰り返し単位を含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 前記一般式(4)が下記一般式(4a)で表される、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。

    一般式(4a)中、Rは置換基を表す。pは0〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
  4. 前記Rが、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、下記一般式(N1)で表される基、下記一般式(N2)で表される基、下記一般式(S1)で表される基、又は下記一般式(S2)で表される基を表す、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

    一般式(N1)中、RN1及びRN2は各々独立に、水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
    一般式(N2)中、RN3は置換基を表し、RN4は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。

    一般式(S1)中、RS1は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
    一般式(S2)中、RS4は置換基を表し、RS5は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
  5. 前記Rが、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、カルボキシル基、下記一般式(S1)で表される基、又は下記一般式(S2)で表される基である、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

    一般式(S1)中、RS1は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
    一般式(S2)中、RS4は置換基を表し、RS5は水素原子又は置換基を表す。*はベンゼン環に結合する結合手を表す。
  6. 前記nが0〜2の整数である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  7. 前記化合物(B)がスルホニウム塩である、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  8. 前記化合物(B)は、発生する酸の体積が130Å以上2000Å以下である、請求項に記載のパターン形成方法。
  9. 前記樹脂(A)が、ラクトン基を有する繰り返し単位をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
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