JP2003195500A - ネガ型感光性樹脂組成物 - Google Patents

ネガ型感光性樹脂組成物

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JP2003195500A
JP2003195500A JP2001394225A JP2001394225A JP2003195500A JP 2003195500 A JP2003195500 A JP 2003195500A JP 2001394225 A JP2001394225 A JP 2001394225A JP 2001394225 A JP2001394225 A JP 2001394225A JP 2003195500 A JP2003195500 A JP 2003195500A
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JP
Japan
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resin composition
photosensitive resin
meth
group
acrylate
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JP2001394225A
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Yoshihiro Takagi
良博 高木
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Fujifilm Electronic Materials Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm Electronic Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ性水溶液で現像でき、高感度であり、
しかも、平坦性、高解像性、現像性、耐熱性、耐溶剤
性、基板との密着性、透明性、絶縁性等の諸特性の優れ
たパターン状薄膜を容易に形成することができる感光性
樹脂組成物、更には、上記諸特性と同時に低誘電特性の
優れたパターン状薄膜を容易に形成することができる感
光性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】少なくともN−(4−ヒドロキシフェニ
ル)マレインイミドを含有する共重合体、酸発生剤、お
よび架橋剤を少なくとも含有することを特徴とするネガ
型感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ可溶性樹
脂およびそれを含有する感光性樹脂組成物に関し、特に
ミクロなパターン構造を形成することのできる感光性樹
脂組成物、さらに詳しくは、半導体集積回路(IC)、
液晶ディスプレイ(LCD)用薄膜トランジスタ(TF
T)回路等の回路製造用のマスクを作成するためのネガ
型レジストとして、さらには液晶表示素子、集積回路素
子、固体撮像素子等の層間絶縁膜や固体撮像素子等のマ
イクロレンズなどの永久膜形成材料としても好適なネガ
型感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示素子、集積回路素子、
固体撮像素子等の電子部品の製造においては、その劣化
や損傷を防止するための保護膜、素子表面を平坦化する
ための平坦化膜、電気的絶縁を保つための絶縁膜等が設
けられている。また、薄膜トランジスタ(以下、「TF
T」と記す。)型液晶表示素子や集積回路素子において
は、層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶
縁膜が用いられている。一般に、LCD用TFT、IC
等の電子部品の製造においては、サブミクロン以下の高
解像度を有するとともに高感度を有するレジストが強く
要望されている。
【0003】例えば、ICシリコンウェハのウェットエ
ッチング方式で形成されるレジストパターンには、基板
との密着性やエッチング液に侵されない耐薬品性が必要
とされる。またイオンインプラ工程が加わる場合には、
高温加熱に耐えうる耐熱性が要求される。さらにTFT
の絶縁材料として用いるには、透明性も必要である。し
かし、加熱処理を行うことにより変色するため、液晶カ
ラーフィルターの保護膜やマイクロレンズ等の光学材料
に使用することができないという欠点がある。
【0004】また、層間絶縁膜形成は、必要な工程数が
多く、層間絶縁膜に要求される諸特性、即ち、平坦性、
高解像性、現像性、耐熱性、耐薬品性、基板との密着
性、透明性、絶縁性等を良好に確保することが困難であ
り、これら諸特性をすべて満足する感光性樹脂組成物が
なかった。又、層間絶縁膜については、デバイスの高密
度化にともない、クロストークの発生を抑制するために
低誘電性が要望されているが、従来の感光性樹脂組成物
では、それら諸特性と低誘電性とを両立させる点で充分
満足のいくものではなかった。
【0005】特開平7−248625号には、側鎖にカ
ルボン酸とエポキシ基を含有する共重合体、エチレン性
不飽和二重結合を有する重合性化合物と光重合開始剤と
からなることを特徴とする感放射性樹脂組成物が記載さ
れている。
【0006】更に、 特開2001−242624号公
報には、スチレンとマレイン酸アミドの2成分を少なく
とも含有する共重合体、メラミン化合物、及び光酸発生
剤を含有するネガ型感光性樹脂組成物が開示されてい
る。特開平10−26829号公報には、フッ素化炭化
水素に由来する構造単位、不飽和カルボン酸エステルに
由来する構造単位、およびカルボキシル基と反応し架橋
を形成しうる構造単位を含有する共重合体、及び感放射
性酸発生剤を含有するネガ型感光性樹脂組成物が開示さ
れている。特開平10−10734号公報には、不飽和
カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と、
それ以外のラジカル重合性化合物をモノマー単位として
含む共重合体、特定の架橋剤、および感放射性酸発生剤
を含有するネガ型感光性樹脂組成物が開示されている。
【0007】しかしながら、従来の樹脂組成物ではネガ
型感光性樹脂組成物に要求される諸特性、即ち高感度
で、平坦性、高解像性、現像性、耐熱性、耐薬品性、基
板との密着性、透明性、絶縁性等において満足する組成
物は得られなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ性水溶液で現像でき、高感度であり、しかも、平坦
性、高解像性、現像性、耐熱性、耐溶剤性、基板との密
着性、透明性、絶縁性等の諸特性の優れたパターン状薄
膜を容易に形成することができる共重合体を含有する感
光性樹脂組成物、更には、従来、上記諸特性と同時に実
現することが困難であった低誘電特性の優れたパターン
状薄膜を容易に形成することができる感光性樹脂組成物
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記構
成の感光性樹脂組成物が提供されて、本発明の上記目的
が達成される。
【0010】(1)少なくともN−(4−ヒドロキシフ
ェニル)マレインイミドを含有する共重合体、酸発生
剤、および架橋剤を少なくとも含有することを特徴とす
るネガ型感光性樹脂組成物。
【0011】(2)該共重合体が、N−(4−ヒドロキ
シフェニル)マレインイミドを少なくとも50mol%
含有することが特徴とする上記(1)に記載のネガ型感
光性樹脂組成物。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光性樹脂組成物
について詳述する。まず該本発明の感光性樹脂組成物に
配合される各成分について説明する。 〔I〕少なくともN−(4−ヒドロキシフェニル)マレ
インイミドを含有する共重合体(以下、「樹脂(A)」
ともいう)
【0013】本発明の樹脂(A)は、少なくともN−
(4−ヒドロキシフェニル)マレインイミドを含有して
いればよく、好ましくは50モル%、より好ましくは6
0モル%以上、最も好ましくは65モル%以上含有する
樹脂であり、その他の共重合成分を構成単位として含有
していてもよい。その他の共重合成分は特に限定される
ものではないが、好ましい他の共重合成分としては、
(1)スチレン系単量体、(2)(メタ)アクリル酸エ
ステル類、(3)(メタ)アクリル酸系単量体、(4)
他の不飽和カルボン酸等が挙げられる。尚、他の共重合
成分は、単独で、または2種以上組合わせて用いてもよ
い。他の共重合成分としては、特に(1)スチレン系単
量体及び/又は(2)(メタ)アクリル酸エステル類が
好ましく、これらを共重合させた2元又は3元共重合体
が本発明の樹脂(A)として特に好ましい。
【0014】(1)スチレン系単量体は、α−、o−、
m−又はp−位で置換されていてもよいスチレンであ
り、その置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素
数1〜4)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜
4)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ハロ
アルキル基(ハロアルキル基中のアルキルは好ましくは
炭素数1〜3)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、ヒド
ロキシ基等が挙げられる。具体的には、スチレン、α−
メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、p−
メトキシスチレン、o−、m−又はp−ヒドロキシスチ
レン、等が挙げられる。特に好ましいスチレン系単量体
は、スチレンである。
【0015】(2)(メタ)アクリル酸エステル類のエ
ステルは、非環状(直鎖状又は分岐状)のアルキルエス
テル、脂環式アルキルエステル、アリールエステル、ア
ルケニルエステルのいずれであってもよい。非環状のア
ルキルエステルの好ましい炭素数は、1〜5であり、脂
環式のアルキルエステルの好ましい炭素数は、3〜15
であり、アリールエステルの好ましい炭素数は、6〜1
6であり、アルケニルエステルの好ましい炭素数は、2
〜4である。具体的には、(メタ)アクリル酸非環状ア
ルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)
アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、
ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アク
リレート、イソアミルヘキシル(メタ)アクリレート、プ
ロパギル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリ
レート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸脂環式アル
キルエステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレ
ート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペン
タニル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレー
ト、フリル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)
アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アリ
ールエステルとしては、フェニル(メタ)アクリレート、
トリフェニルメチル(メタ)アクリレート、ナフチル
(メタ)アクリレート、アントラセニル(メタ)アクリレ
ート、アントラキノニル(メタ)アクリレート、ピペロ
ニル(メタ)アクリレート、サルチル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネシル(メタ)
アクリレート、クレシル(メタ)アクリレート、クミル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル
酸アルケニルエステルとしては、ビニル(メタ)アクリレ
ート、アリル(メタ)アクリレート、ブテニル(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0016】これらのエステルは、置換基を有していて
もよく、置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン、ア
ミノ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基等が挙げられ
る。本発明において、(メタ)アクリル酸エステル類と
しては、特にメチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが
好ましい。
【0017】(3)(メタ)アクリル酸系単量体として
は、アクリル酸及びメタクリル酸、並びに、これらのα
位がハロアルキル基(ハロアルキル基中のアルキルは好
ましくは炭素数1〜3)、アルコキシ基(好ましくは炭
素数1〜3)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、ニトロ基、シアノ基で置換された置換体が挙げら
れる。
【0018】(4)他の不飽和カルボン酸としては、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、
シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、1,4−シク
ロヘキセンジカルボン酸等が挙げられる。
【0019】また、更には、上記した(1)〜(4)の
好ましい共重合成分以外のその他の共重合成分として、
ビニルヒドロキノン、5−ビニルピロガロール、6−ビ
ニルピロガロール、1−ビニルフロログリシノール等の
ポリヒドロキシビニルフェノール類;o−、m−、p−
ビニル安息香酸またはこれらのアルキル、アルコキシ、
ハロゲン、ニトロ、シアノ、アミド、エステル置換体;
前記(4)の二価の不飽和カルボン酸のメチル、エチ
ル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブ
チル、ter−ブチル、フェニル、o−、m−、p−ト
ルイルハーフエステルまたはハーフアミド;ブタジエ
ン、イソプレン、ネオプレン等のオレフィン類;メタク
リル酸またはアクリル酸のアニリド、アミド、または
N,N−ジメチル、N,N−ジエチル、N,N−ジプロピ
ル、N,N−ジイソプロピル、アントラニルアミド、ア
クリロニトリル、アクロレイン、メタクリロニトリル、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリ
デン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、酢酸ビ
ニル、N−フェニルマレインイミド、N−メタクリロイ
ルフタルイミド、N−アクリロイルフタルイミド等を併
用してもよい。本発明においてこの樹脂(A)は、質量
平均分子量は、1,000〜100,000のものが好
ましく、より好ましくは、3,000〜70,000で
ある。質量平均分子量が低すぎると膜形成能に乏しく、
現像時に膜べりが激しくなり、一方、高すぎると現像時
間が長時間になり、基板に悪影響を及ぼすことがある。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物中のこの樹脂
(A)の配合量は、樹脂(A)、光酸発生剤、及び架橋
剤の総和100質量部中、35〜95重量部の範囲で配
合するのが好ましく、より好ましくは45〜85質量部
である。配合量が低すぎると透明性や絶縁性、塗膜性が
低下し、一方、配合量が多すぎると感度が低下し、硬化
不良を起こすので好ましくない。本発明の感光性樹脂組
成物は、上記樹脂(A)と共に他のアルカリ可溶性樹脂
を併用できる。この併用できる樹脂を樹脂(a)とも記
す。樹脂(a)としては、特開平10−307388号
公報に記載されているアルカリ可溶性環状ポリオレフィ
ン系樹脂、特開2000−327877号公報に記載さ
れている不飽和カルボン酸、エポキシ基含有(メタ)ア
クリレートおよびその他のオレフィン系不飽和化合物と
の共重合体、特願2001−158981に記載されて
いる重合性基を有するアクリル系樹脂、スチレンと(メ
タ)アクリル酸との共重合体、ベンジル(メタ)アクリ
レートと(メタ)アクリル酸との共重合体等が挙げられ
る。これらの併用可能な樹脂(a)は、酸価が30〜1
80の範囲であるのが好ましい。また、分子量は1,0
00〜100,000、より好ましくは3,000〜7
0,000である。樹脂(a)は、樹脂(A)に対し
て、通常、0〜50質量%、好ましくは0〜30質量%
用いられる。
【0021】〔II〕酸発生剤 本発明で用いられる酸発生剤としては、光により直接若
しくは間接的に酸を発生するものであれば特に限定され
るものでなく、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニ
ルスルフォニウム塩、フェニルジアゾニウム塩の如きオ
ニウム塩;イミドスルホネート誘導体、トシル化合物、
ベンジル誘導体のスルホネート化合物、ベンジル誘導体
のカルボネート化合物、トリアジン化合物、オキシムス
ルホネート化合物等が挙げられる。
【0022】上記ジフェニルヨードニウム塩を構成する
カチオンとしては、ジフェニルヨードニウム、4−メト
キシフェニル−フェニルヨードニウム、ビス(4−メト
キシフェニル)ヨードニウム、ビス(4−t−ブチルフ
ェニル)ヨードニウム等があげられ、トリフェニルスル
フォニウム塩を構成するカチオンとしては、トリフェニ
ルスルフォニウム、メトキシフェニル−ジフェニルスル
フォニウム、ビス(メトキシフェニル)−フェニルスル
フォニウム、トリス(メトキシフェニル)スルフォニウ
ム、4-メチルフェニル−ジフェニルスルフォニウム、
2,4,6−トリメチルフェニル−ジフェニルスルフォ
ニウム、4−t−ブチルフェニル−ジフェニルスルフォ
ニウム、トリス(4−t−ブチルフェニル)−ジフェニ
ルスルフォニウム等のカチオンが挙げられる。
【0023】また、アニオンとしては、ナフタレン−1
−スルフォネート、ナフタレン−2−スルフォネート、
2−t−ブチル−ナフタレン−2−スルフォネート等の
ナフタレン誘導体;アントラセン−1−スルフォネー
ト、アントラセン−2−スルフォネート、9−ニトロア
ントラセン−1−スルフォネート、5,6−ジクロロア
ントラセン−3−スルフォネート、9,10−ジクロロ
アントラセン−2−スルフォネート、9,10−ジメト
キシアントラセン−2−スルフォネート、9,10−ジ
メトキシアントラセン−2,5−ジスルフォネート、
9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルフォネー
ト、ベンズ(a)アントラセン−4−スルフォネート等の
アントラセン誘導体;フェナンスレン−2−スルフォネ
ート、ピレン−スルフォネート、トリフェニレン−2−
スルフォネート、クリセン−2−スルフォネート、トリ
フルオロメタンスルフォネート、ヘキサフルオロアンチ
モネート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロフ
ォスフェート、ベンゼンスルフォネート、アントラキノ
ンスルフォネート等のアニオンが挙げられる。
【0024】また、上記イミドスルホネート誘導体とし
ては、トリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ
[2.2.2 ]−ヘプト−5−エン−ジカルボキシイミ
ド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、
フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート等が挙げ
られる。
【0025】上記他の化合物の具体例としては、ベンジ
ルトシレート、ニトロベンジルトシレート、ジニトロベ
ンジルトシレート、ベンジルスルホネート、ニトロベン
ジルスルホネート、ベンジルカルボネート、ニトロベン
ジルカルボネート、ジニトロベンジルカルボネートや、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−
フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−
フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−
フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2
−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキ
シフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビ
ス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエト
キシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−
ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプ
ロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,
4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メト
キシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリア
ジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−
(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]
−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)
−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エ
テニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロ
メチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)
−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−
6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリ
アジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−
ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、
2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−
4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、4
−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メ
トキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等のトリア
ジン化合物、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミ
ノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベン
ゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリ
ル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミ
ノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロ−2
−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミ
ノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホ
ニルオキシイミノ)−4−クロロフェニルアセトニトリ
ル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4
−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンス
ルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルア
セトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオ
キシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、
α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2−チエニ
ルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホ
ニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−
[(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メト
キシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベン
ゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニ
ル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−3
−チエニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオ
キシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、
α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘ
キセニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキ
シイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α
−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シク
ロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホ
ニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニト
リル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シ
クロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルス
ルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセト
ニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)
−1−シクロヘキセニルアセトニトリル等のオキシムス
ルホネート化合物等が挙げられる。中でも、α−(p−
トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニ
トリルなど、オキシムスルホネート化合物は、透明性に
優れ、かつ光酸発生剤としての性能が高く、溶剤を用い
る場合においても溶解性が良好であり、液晶パネル等の
層間絶縁膜に使用し、液晶組成物と隣接した場合であっ
ても、ハロゲン原子等の浸潤がなく、液晶組成物を変質
させることが少ないため好ましく用いることができる。
【0026】この酸発生剤は、共重合体100質量部に
対して通常、0.5〜20質量部、好ましくは1〜15
質量部、更に好ましくは、1〜10質量部である。配合
量が少なすぎると架橋硬化不良を起こすことがあり、一
方、配合量が多すぎると現像時の光未照射部でも架橋反
応が進行し、現像不良が起きてしまう場合がある。
【0027】〔III〕架橋剤 本発明に用いられる架橋剤は、前記樹脂(A)中の官能
基と加熱により反応し、架橋結合する機能を有するもの
であれば、特に制限されるものではなく、例えば、一価
有機基を1分子中に好ましくは2以上有する化合物が挙
げられ、好ましくは該一価有機基が窒素原子に結合する
化合物、すなわちN−メチロール基および/またはN−
アルコキシメチル基を含有する化合物である。尚、一分
子中に有機基が2つ以上あるときは、それらの基は同一
でも異なってもよい。本発明の組成物において、好まし
くは、下記式(I)で表されるメラミン系化合物が挙げら
れる。
【0028】
【化1】
【0029】式(I)中、R5は、−NR5152{R51、R
52は、各々水素又は−CH2OR53(R53は水素又は炭
素数1〜6のアルキル基またはシクロアルキル基を示
す。)を示す。}又はフェニル基を示し、R1,R2,R
3,R4は、各々水素又は−CH 2OR53(R53は水素又
は炭素数1〜6のアルキル基またはシクロアルキル基を
示す。)を示す。上記R53のアルキル基またはシクロア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基,n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基,n−アミル基、イソアミル基,n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
【0030】本発明に使用される式(I)で表される架橋
剤の具体例としては、例えば、ヘキサメチロールメラミ
ン(R1,R2,R3,R4,R51,R52は、各々−CH2
OH)及びアルキル化ヘキサメチロールメラミン
(R1,R2,R3,R4,R51,R52は、各々−CH2
53、かつR53は好ましくは炭素数1〜3)、部分メチ
ロール化メラミン(R1,R2,R3,R4,R51,R52
ら選択される1〜5個は−CH2OHでかつ非選択は水
素)及びそのアルキル化体(好ましくはR53は炭素数1
〜3)、テトラメチロールベンゾグアナミン(R1
2,R3,R4は各々−CH2OHで,R5はフェニル
基)及びアルキル化テトラメチロールベンゾグアナミン
(好ましくはR53は炭素数1〜3)、部分メチロール化
ベンゾグアナミン(R 1,R2,R3,R4から選択される
1〜3個は−CH2OHでかつ非選択は水素)及びその
アルキル化体(好ましくはR53は炭素数1〜3)、ある
いは上記化合物のオリゴマー(好ましくは、単量体2〜
5個)等を挙げることができる。
【0031】本発明で使用される他の架橋剤としては、
エポキシ系化合物、フェノール系化合物、アゾ系化合
物、イソシアネート系化合物等が挙げられ、中でもエポ
キシ系化合物が好ましい。例えば、エポキシ系硬化剤と
しては、分子中に平均して1個以上のエポキシ基をもつ
化合物であり、例えば、n−ブチルグリシジルエーテ
ル、2−エトキシヘキシルグリシジルエーテル、フェニ
ルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジル
エーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等のグ
リシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、
o−フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエス
テル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4
−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレ
ート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)アジペート、ジシクロペンタンジエンオキ
サイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エー
テルなどの脂環式エポキシ等が挙げられる。
【0032】また、分子内にベンジルアルコール基また
はそれから誘導される官能基を有する化合物も使用する
ことができ、具体的にはp−キシリレンジオール、m−
キシリレンジオール、p−キシリレンジオールジメチル
エーテル、m−キシリレンジオールジメチルエーテル、
p−キシリレンジオールジアセテート、m−キシリレン
ジオールジアセテート、テトラメチロールベンゼン、テ
トラメチロールビフェニル等が挙げられる。
【0033】架橋剤は、樹脂(A)に対して2〜50質
量部の範囲で配合するのが好ましく、より好ましくは4
〜40質量部である。配合量が少なすぎると感度が低下
し、現像不良を起こすことがあり、一方、配合量が多す
ぎると透明性、絶縁性や塗膜性が悪くなる場合がある。
【0034】〔IV〕その他添加剤 本発明のネガ型感光性樹脂組成物には上記成分の他に、
硬化促進のために光重合開始剤を含有することができ
る。本発明で用いることのできる光重合開始剤として
は、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤及び
光アミン発生剤等が挙げられる。
【0035】光ラジカル重合開始剤としては、たとえ
ば、ベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類、ベンゾ
イン等のアシロイン類、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル等のアシロインエーテル類、チオキサントン、2,
4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−ス
ルホン酸等のチオキサントン類、ベンゾフェノン、4,
4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'
−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフ
ェノン類、ミヒラーケトン類、アセトフェノン、2−
(4−トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセ
トフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,
α'−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2'−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキ
シアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベ
ンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノ
フェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類、
アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類、
フェナシルクロライド、トリハロメチルフェニルスルホ
ン、トリス(トリハロメチル)−s−トリアジン等のハ
ロゲン化合物、アシルホスフィンオキシド類、ジ−t−
ブチルパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。
【0036】また光ラジカル重合開始剤として、たとえ
ばIRGACURE−184、同261、同369、同500、
同651、同907(チバ−ガイギー社製)、Darocur
−1173、同1116、同2959、同1664、同
4043(メルクジャパン社製)、KAYACURE−DETX 、
同 MBP、同 DMBI 、同 EPA、同 OA (日本化薬(株)
製)、VICURE−10、同55(STAUFFER Co.LTD 製)、
TRIGONALP1(AKZO Co.LTD 製)、SANDORAY 1000
(SANDOZ Co.LTD 製)、DEAP(APJOHN Co.LTD 製)、QU
ANTACURE−PDO、同 ITX、同 EPD(WARD BLEKINSOP Co.L
TD 製)等の市販品を用いることもできる。
【0037】また光カチオン重合開始剤としては、ジア
ゾニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、メタロ
セン化合物類、ジアリールヨードニウム塩類、ニトロベ
ンジルスルホナート類、α−スルホニロキシケトン類、
ジフェニルジスルホン類、イミジルスルホナート類が挙
げられる。光カチオン重合開始剤として、アデカウルト
ラセットPP−33、OPTMER SP−150 、同
170 (旭電化工業(株)製)(ジアゾニウム塩)、
OPTOMER SP−150、170(旭電化工業
(株)製)(スルホニウム塩)、IRGACURE 2
61(チバ−ガイギー(株)製)(メタロセン化合物)
等の市販品を用いることもできる。
【0038】光アミン発生剤としては、ニトロベンジカ
ーバミメート類、イミノスルホナート類が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、露光条件(たとえば酸素雰囲
気下であるか、無酸素雰囲気下であるか)等によって適
宜選択され用いられる。またこれらの光重合開始剤は、
2種以上組合わせて用いることもできる。
【0039】光重合開始剤は、本発明の感光性樹脂組成
物の固形分100質量部に対して、好ましくは0〜5質
量部、より好ましくは0〜2質量部の量で配合される。
光重合開始剤の量が5質量部を超えると、本発明の感光
性樹脂組成物から形成される塗膜表面から光重合開始剤
がブリードアウトしたり、加熱処理が低下したりするこ
とがある。
【0040】また、本発明のネガ型感光性樹脂組成物
は、光重合性単量体を含むことができこの量及び種類を
選定することによりポジ像の物性を調整する手段に用い
ることができる。光重合性単量体は、露光により重合す
る成分である。具体的には、単官能性又は多官能性のメ
タクリレート又はアクリレート(以下、(メタ)アクリ
レートと記す。)が好ましく挙げられる。また、光重合
性単量体はフッ素を含んでいてもよい。
【0041】単官能性(メタ)アクリレートとしては、
たとえばアロニックスM−101、同M−111、同M
−114(東亜合成化学工業(株)製)、KAYARA
DTC−110S、同TC−120S(日本化薬(株)
製)、V−158、V−2311(大阪有機化学工業
(株)製)(市販品)等が挙げられる。
【0042】2官能性(メタ)アクリレートとしては、
たとえばアロニックスM−210、同M−240、同M
−6200(東亜合成化学工業(株)製)、KAYAR
ADDDDA、同HX−220、同R−604(日本化
薬(株)製)、V260、V312、V335HP(大
阪有機化学工業(株)製)(市販品)等が挙げられる。
【0043】3官能性以上の(メタ)アクリレートとし
ては、たとえばトリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、トリスアクリロイルオキシエチルホスフェー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト等が挙げられ、具体的に、アロニックスM−309、
同M−400、同M−405、同M−450、同M−7
100、同M−8030、同M−8060(東亜合成化
学工業(株)製)、KAYARAD DPHA、同TM
PTA、同DPCA−20、同−30、同−60、同−
120(日本化薬(株)製)、V−295、同−30
0、同−360、同−GPT、同−3PA、同−400
(大阪有機化学工業(株)製)、PPZ(出光石油化学
(株)製)等の市販品が挙げられる。
【0044】これらのうち、アロニックスM−400、
KAYARAD DPHA等の3官能性以上の多官能性
(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。これらの
単量体は、2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0045】光重合性単量体は、アルカリ可溶性樹脂
(A)100質量部に対して好ましくは0〜10質量
部、より好ましくは0〜3質量部配合される。また本発
明に係る感光性樹脂組成物は、シランカップリング剤を
含むことにより基板との密着性を向上させることができ
る。シランカップリング剤としては、好ましくは、官能
性シランカップリング剤などが挙げられる。官能性シラ
ンカップリング剤としては、下記のものが例示される
が、中でもS3及びS4が好ましい。 S1.ビニルトリエトキシシラン:CH2=CHSi
(OC253 S2.ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン:
CH2=CHSi(OCH24OCH33 S3.γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:
【0046】
【化2】
【0047】S4.γ−メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン:
【0048】
【化3】
【0049】S5.γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン:HSC36Si(OCH33 シランカップリング剤は、アルカリ可溶性樹脂(A)に
対して、0.01〜5質量部用いられることが好まし
い。これらは2種以上用いることもできる。このような
シランカップリング剤は、感光性樹脂組成物中の全量を
100質量部とするとき、2質量部以下好ましくは1質
量部以下の量で含有していてもよい。
【0050】本発明の感光性樹脂組成物は、その硬化膜
中にフッ素原子が含有されるように、好ましくは本発明
の感光性樹脂組成物の固形分中にフッ素原子を3質量%
以上、より好ましくは5〜30質量%含有させることに
より、他の諸特性に加え低誘電特性の優れたパターン状
薄膜をより容易に形成することができる。このような低
誘電特性の優れたパターン状薄膜を与え得るフッ素原子
源としてフッ素化合物が用いられる。本発明において用
いられるフッ素化合物は、感光時や加熱時に樹脂(A)
に含まれるカルボキシル基に結合されてもよいし、ある
いは架橋剤に結合されてもよく、さらにはフッ素化合物
同士で重合されてもよいし、これらと反応することなく
感光性樹脂組成物の混合物として存在していてもよい。
フッ素化合物の典型的な例は、下記(1)〜(8)に示
される含フッ素基が結合した化合物である。
【0051】(1)F(CF2)n− (2)(CF3)2CF(CF2)n-2− (3)H(CF2)n− (4)CF3CHFCF2− (5)(CF3)2CH− (6)−(CF2CClF)−
【0052】
【化4】
【0053】ここで、nは通常、1〜10、好ましくは
5〜8である。また、式(7)及び(8)において、ベ
ンゼン環の水素は、フッ素その他の置換基で置換されて
いてもよいし、ベンゼン環は脂環式化されてもよい。
【0054】フッ素化合物として、アルコール類、カル
ボン酸類、エポキシ化合物類、オレフィン類、ハロゲン
化化合物、アクリレート類、メタクリレート類、エステ
ル類、エーテル類、アミン類等を挙げることができる。
なかでも、エポキシ化合物類、アクリレート類、メタク
リレート類、アミン類が好ましい。
【0055】これらフッ素原子を含有するエポキシ化合
物類、アクリレート類、メタクリレート類、アミン類の
具体例として、下記に示される基と上記(1)〜(8)
に示される含フッ素基とが結合した化合物を挙げること
ができる。
【0056】
【表1】
【0057】上記表1の枠のなかに、例えばエポキシ化
合物類としてエポキシを含む基が記載されているが、そ
のエポキシ化合物類とは、その基と上記(1)〜(8)
に記載されている含フッ素基等とが結合して形成される
種々のエポキシ化合物を意味する。その他の化合物類に
ついても同様である。フッ素化合物としては、中でもエ
ポキシ化合物類及びアミン類が好ましく、特に上記
(7)及び(8)などの芳香族系の含フッ素基を有した
フッ素化芳香族エポキシ化合物、上記(1)などの脂肪
族の含フッ素基を有したフッ化脂肪族化合物が好まし
い。フッ素化芳香族エポキシ化合物の好ましい例として
は、
【0058】
【化5】
【0059】2,2′−[1,3−フェニレンビス
[[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチ
ル)エチリデン]オキシメチレン]]ビス−オキシラン
【0060】
【化6】
【0061】2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプ
ロポキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが挙げら
れ、フッ化脂肪族化合物の好ましい例としては、下記の
化合物が挙げられる。
【0062】
【化7】
【0063】また、本発明の感光性樹脂組成物の放射線
感応性を向上させる目的で、上記酸発生剤と共に増感剤
を添加することができる。該増感剤としては、例えば、
ベンゾフェノン誘導体;アントラセン、9−ヒドロキシ
メチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−ク
ロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、
9,10−ジクロロアントラセン、2−エチルアントラ
セン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル
−9,10−ジメトキシアントラセン等のアントラセン
誘導体;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサン
トン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘
導体を挙げることができる。これらのうち、アントラセ
ン誘導体およびチオキサントン誘導体が好ましく、これ
らの増感剤から選ばれた少なくとも1種の増感剤を、前
述の酸発生剤のうちのジフェニルヨードニウム塩、トリ
フェニルスルフォニウム塩およびイミドスルフォネート
誘導体から選ばれた少なくとも1種の酸発生剤と組み合
わせることにより、特に優れた放射線感応性を発現させ
ることができる。
【0064】これらの増感剤の使用割合は、共重合体
(A)100重量部に対して、通常0.5〜20重量部
でよく、好ましくは1〜10重量部、特に好ましくは1
〜5重量部である。
【0065】本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂
(A)、酸発生剤及び架橋剤、他に必要に応じて、上記
した他の成分である光重合開始剤、シランカップリング
剤、フッ素化合物等を溶媒に溶解して調製される。
【0066】本発明の感光性樹脂組成物を溶解するため
の溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレン
グリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル
アセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエ
ーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3
−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセ
テート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、
3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチ
ル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチ
ルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プ
ロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセ
テート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキ
シペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペン
チルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルア
セテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテー
ト、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、ア
セトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル
シソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、テトラヒ
ドロフラン、シクロヘキサノン、プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオ
ン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチ
ル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキ
シ−2−メチル、メチル−3−メトキシプロピオネー
ト、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3
−エトキシプロピオネート、エチル−3−プロポキシプ
ロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネー
ト、イソプロピル−3−メトキシプロピオネート、エト
キシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−
3−メチルブタン酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソアミル、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭
酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピル
ビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチ
ル、アセト酢酸エチル、ベンジルメチルエーテル、ベン
ジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、酢酸ベンジ
ル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジ
エチル、γ−ブチロラクトン、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキ
サノール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン等を挙げることができる。
【0067】また本発明では、感光性樹脂組成物の塗布
性の向上たとえばストリエーション(塗布すじあと)の
防止、また塗膜の現像性を向上させるために界面活性剤
を配合することもできる。界面活性剤としては、たとえ
ば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリ
オキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレ
ンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートな
どのポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノ
ニオン系界面活性剤、エフトップEF301、同30
3、同352(新秋田化成(株)製)、メガファックF
171、同F172、同F173、同F177(大日本
インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−430、
同FC−431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガ
ードAG710、サーフロンS−382、同SC−10
1、同SC−102、同SC−103、同SC−10
4、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)
製)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤、
オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業
(株)製)、(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフロー
No. 57、95(共栄社油脂化学工業(株)製)など
が挙げられる。
【0068】これらは2種以上用いることもできる。こ
のような界面活性剤は、感光性樹脂組成物中の全量を1
00質量部とするとき、2質量部以下好ましくは1質量
部以下の量で含有していてもよい。
【0069】また、感光性樹脂組成物の耐熱性、基板と
の密着性を向上させるために、分子内に少なくとも2個
のエポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。この
ようなエポキシ基含有化合物としては、たとえば、エピ
コート1001、同1002、同1003、同100
4、同1007、同1009、同1010、同828
(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、エピコート807(商品
名;ジャパンエポキシレジン社製)などのビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、エピコート152、同154(商
品名;ジャパンエポキシレジン社製)、EPPN20
1、同202(商品名;日本化薬(株)製)などのフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN102、同
103S、同104S、1020、1025、1027
(商品名;日本化薬(株)製)、エピコート180S7
5(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)などのクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、CY−175、同1
77、同179、アルダライトCY−182、同19
2、184(商品名;チバ−ガイギー(株)製)、ER
L−4234、4299、4221、4206(商品
名;U.C.C社製)、ショーダイン509(商品名;
昭和電工(株)製)、エピクロン200、同400(商
品名;大日本インキ(株)製)、エピコート871、同
872(商品名;ジャパンエポキシレジン社製)、ED
−5661、同5662(商品名;セラニーズコーティ
ング(株)製)などの環状脂肪族エポキシ樹脂、エポラ
イト100MF(共栄社油脂化学工業(株)製)、エピ
オールTMP(日本油脂(株)製)などの脂肪族ポリグ
リシジルエーテルなどが挙げられる。
【0070】これらのうちでも、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテルなどが
好ましく用いられる。
【0071】上記のようなエポキシ基含有化合物の分子
量は特に限定されることはなく、高分子量であってもよ
く、またビスフェノールA(またはF)のグリシジルエ
ーテルなどのような低分子量であってもよい。
【0072】任意成分としてのエポキシ基含有化合物
は、樹脂(A)100質量部に対して、5〜50質量部
の量で必要に応じて用いられる。更に、本発明の感光性
樹脂組成物においては、必要に応じて、帯電防止剤、保
存安定剤、ハレーション防止剤、消泡剤、顔料等を添加
することもできる。
【0073】本発明の感光性樹脂組成物を用いることに
より、例えば次のようにしてパターンを形成することが
できる。先ず、各成分を、例えばその固形分の濃度が5
〜60質量%となるように溶媒に溶解して、これを孔径
0.2〜10μm程度のフィルターで濾過することによ
り本発明の感光性樹脂組成物溶液を調製する。そして、
この本発明の感光性樹脂組成物溶液をシリコンウェハー
等の基板の表面に塗布し、プリベークを行うことにより
溶剤を除去して感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。次
いで、形成された塗膜に対して光照射処理などの放射線
照射処理(第1露光)を行った後、現像処理を行って放
射線照射部分を除去することによりポジパターンが形成
される。また現像により得られたパターンの耐溶剤性、
膜強度、耐熱性等の諸特性を向上させるため、更に露光
(第2露光)してもよく、さらに露光の効果を高めるた
め、 露光前、露光中あるいは露光後のいずれかで、パ
ターンを加熱してもよい。この加熱処理は、好ましく
は、露光後に施されることが好ましく、また、第2露光
の光量が、第1露光の1〜15倍であることが好まし
い。本発明の方法では、第2露光量は、第1露光の露光
量を20〜150mJ/cm2としてその1〜15倍と
することが好ましい。また、加熱処理は、100〜24
0℃、1〜60分が好ましい。
【0074】本発明の感光性樹脂組成物溶液を基板に塗
布する方法としては、回転塗布法、流し塗布法、ロール
塗布法等の各種の方法を採用することができる。プリベ
ークの条件は、例えば加熱温度が50〜150℃、加熱
時間が30秒間〜600秒間である。放射線照射処理に
使用される放射線としては、超高圧水銀燈等からの紫外
線で、波長365nmのi線、波長405nmのh線、
436nmのg線、波長248nmのKrFエキシマレ
ーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー等の
遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子
線等の荷電粒子線が挙げられる。
【0075】現像処理に用いられる現像液としては、好
ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア
水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチ
ルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、
ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ
〔4.3.0〕−5−ノナン等が溶解されてなるアルカリ
水溶液が挙げられる。また、このアルカリ水溶液等に、
水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のア
ルコール類や、界面活性剤が適量添加されてなるものを
使用することもできる。現像処理時間は、例えば10〜
300秒間であり、現像方法としては、液盛り法、ディ
ッピング法、揺動浸漬法等を利用することができる。ア
ルカリ現像後、流水洗浄によるリンス処理を行うが、リ
ンス処理としては、超高圧マイクロジェットで水洗する
ことが好ましい。
【0076】超高圧マイクロジェットは、高圧噴射装置
から水が噴射される。超高圧マイクロジェットの印加圧
力は、通常、20〜350kgf/cm2(2.9〜3
4.3MPa)、好ましくは30〜250kgf/cm
2(4.9〜24.5MPa) のものを指す。該印加圧
力は、ノズルの形状によって選定され、本発明では、猫
目型ノズル(断面が凹レンズ状)が好ましい。超高圧マ
イクロジェットの噴射角は、水洗作用に大きな影響を及
ぼす。感光性樹脂組成物の面に対して垂直である場合
が、もっとも水洗作用は強い。一方、非感光部の組成物
の除去は、単に水洗作用が強いだけでは不十分で、機械
的な水の衝撃によって不要の組成物を基板から除去しな
ければないが、そのためには噴射方向は基板に対して垂
直方向が最も良いが、またその垂直方向と基板への噴射
方向とのなす角度が、±0〜20度ほどとして基板の進
行方向に対して前または後ろに噴射してもよい。
【0077】また、本発明の経済的な実施形態として連
続水洗を採用するのが実際的であるが、その場合に感光
性樹脂組成物層の幅方向に水が均等に行きわたるよう
に、扇型のひろがりをもって噴射する噴射ノズルを単独
または扇のひろがり方向に複数配列し、その扇面状の噴
射の方向に対して直角方向に感光性樹脂組成物を定速移
動しながら水の噴射部分を通過する方法をとって連続水
洗処理を行うことが好ましい。
【0078】この方法では、非露光部層の深部でも効果
的に除去されるので、層厚の大きな一般には除去しにく
い組成物にも使用することも可能であり、プロファイル
の良好なパターンを形成させることができる。
【0079】上記の噴射圧、衝撃角度、水流ひろがり形
状などを満たすための機能を有して特に好ましく使用で
きる高圧噴射装置は、超高圧ジェット精密洗浄システム
AFシリーズ(旭サナック(株))が挙げられる。中で
も相対的に高圧な噴射用にはAF5400Sが、相対的
に低圧な噴射用にはAF2800IIが、適している。し
かしながら、上記の噴射印加圧、衝撃角度及び水流ひろ
がり形状等を有する装置であれば、この機種に限定され
ず、本発明のパターン形成方法における現像後の水洗手
段に適用できる。
【0080】この方法では、超高圧マイクロジェットの
効果が強力でかつ深部に及ぶので、水による水洗で非パ
ターン部が実質的に除去される。
【0081】パターン化されている樹脂組成物は、上記
水洗処理の後、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾し、前
記第2露光、加熱処理を行い硬化したパターン状薄膜が
基板の上に形成される。こうして得られるパターン状薄
膜は、高解像度、平坦性、高解像性、現像性、耐熱性、
耐薬品性、基板との密着性、透明性、絶縁性等の物性に
優れる。また、感光性樹脂組成物において、フッ素化合
物を更に含むものは、上記特性に加えてその比誘電率は
3以下、好ましくは2.8以下と低いものである。した
がって、本発明の感光性樹脂組成物は電子部品の保護
膜、平坦化膜、層間絶縁膜等に有用であり、特に液晶表
示素子、集積回路素子及び固体撮像素子の層間絶縁膜、
固体撮像素子等のマイクロレンズに有用である。
【0082】
【実施例】以下、本発明の感光性樹脂組成物を実施例に
基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0083】実施例1 N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、スチレン
及びt−ブチルメタクリレートからなる3元共重合体
(共重合比 70:20:10;質量平均分子量約1.
5万)100質量部、ヘキサメトキシメチロールメラミ
ン30質量部、光酸発生剤としてα−(p−トルエンス
ルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル5質
量部を全体の固形分濃度が30%になる様に、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ
て、ネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
【0084】これを、ガラス基板(コーニング705
9)上に膜厚が、3μmとなる様、スピン塗布した後、
ホットプレート上で、100℃、2分間乾燥させ、4μ
mのline/space(L/S)パターンマスクを
通して、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2の露
光量で露光を行い、富士フイルムアーチ(株)製現像
液、商品名CD2000を2/3に希釈した現像液に
て、25℃で60秒間現像し、水洗、乾燥して、微細パ
ターンを得た。現像残膜率は94%であった。その後、
200℃で10分間加熱処理して硬化させた。尚、現像
残膜率は、現像後の膜厚を現像前の膜厚で除して求めた
ものである。
【0085】組成物の感光性、得られたパターン状加熱
硬化膜の特性を下記方法で評価した。
【0086】(1)比誘電率の測定:上記で得られた加
熱硬化膜の比誘電率を、室温、1MHzの条件で誘電率
測定装置(ヒューレットパッカード社製)を用いて測定
した。比誘電率は、3.2であった。
【0087】(2)耐熱性の評価 上記の加熱硬化膜の膜厚を測定した後、更に240℃で
30分間加熱した。そして、加熱処理後の膜厚を測定
し、残膜率を求めた。加熱による膜厚の変化はほとんど
なかった。
【0088】(3)耐溶剤性の評価 上記の加熱硬化膜を、室温でNMP(N−メチル−2−
ピロリドン)溶液に10分間浸漬し、水洗、乾燥後膜厚
を測定した。浸漬による膜厚変化はほとんどなかった。
【0089】(4)剥離液の耐性 上記の加熱硬化膜を、80℃のジメチルスルフォキシド
とモノエタノールアミンの混合液(3:7)に15分間
浸漬し、水洗、乾燥した。膜の剥離もなく、膜厚変化も
なかった。
【0090】(5)透明性の測定 上記の加熱硬化膜をダブルビーム型分光光度計を用い
て、波長380−700nmで測定し、透過率を求め
た。膜は透明で長波長の吸収はほとんどなく、短波長で
も400nmの透過率も95%であった。
【0091】(6)パターン形状の評価 上記の加熱硬化膜を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて
断面を評価した結果、加熱によっても熱フローして丸み
を帯びた形状になることなく、矩形形状を維持したまま
硬化していた。
【0092】比較例1 実施例1における、本発明のN−(4−ヒドロキシフェ
ニル)マレイミドを含有する樹脂の代わりに、ノボラッ
ク樹脂(質量平均分子量 約1.5万)を使用した他は
実施例1と同様に感光性樹脂組成物を調製した。これ
を、実施例1と同様に、ガラス基板(コーニング705
9)上に膜厚が、3μmとなる様、スピン塗布した後、
ホットプレート上で、100℃、2分間乾燥させ、4μ
mのline/space(L/S)パターンマスクを
通して、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2の露
光量で露光を行い、富士フイルムアーチ(株)製現像
液、商品名CD2000を2/3に希釈した現像液に
て、25℃で60秒間現像し、水洗、乾燥して、微細パ
ターンを得た。現像残膜率は83%であった。その後、
200℃で10分間加熱処理して硬化させた。しかしな
がら、本発明の膜と比べて、比誘電率が高く(4.
2)、耐熱評価での膜ベリ、耐溶剤評価での膜ハガレ、
加熱処理での熱フローによる形状変化などが生じ、実用
上問題があるものであった。
【0093】比較例2 実施例1における、本発明のN−(4−ヒドロキシフェ
ニル)マレイミドを含有する樹脂の代わりに、ポリヒド
ロキシスチレン樹脂(質量平均分子量 約1.5万)を
使用して、同様に感光性樹脂組成物を調製し、実施例1
と同様に評価した。残膜率は80%であった。しかしな
がら、本発明の膜と比べて、比誘電率が高く(4.
5)、耐熱評価での膜ベリ、耐溶剤、剥離液評価での膜
ハガレ、加熱処理での熱フローによる形状変化などが生
じ、実用上問題があるものであった。
【0094】実施例2 実施例1における、3元共重合体の組成を下記表に記載
される通りに変更し、実施例1と同様に感光性樹脂組成
物を調製し、評価した。
【0095】
【表2】
【0096】いずれの組成による共重合体を用いても、
残膜率が85%以上と良好であり、また誘電率、耐溶剤
性、剥離液評価の結果は、実施例1とほぼ同様であっ
た。また、加熱処理での熱フローによる形状変化も生じ
なかった。
【0097】実施例3 実施例1における、共重合体成分のt−ブチルメタクリ
レートの代わりに、メタクリル酸を使用した以外は、実
施例1と同様に感光性樹脂組成物を調製し、評価した。
残膜率は89%であり、その他の評価についても実施例
1とほぼ同様な結果であった。
【0098】実施例4 実施例1における、共重合体成分のt−ブチルメタクリ
レートの代わりに、アクリル酸を使用した以外は、実施
例1と同様に感光性樹脂組成物を調製し、評価した。残
膜率は87%であり、その他の評価についても実施例1
とほぼ同様な結果であった。
【0099】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ
性水溶液で現像でき、高解像度、高感度であり、しかも
耐熱性、耐溶剤性、剥離耐性、透明性等の諸特性ととも
に、従来これらの特性と同時に実現することが困難であ
った低誘電特性の優れたパターン状薄膜を容易に形成す
ることができる。従って、本発明の感光性樹脂組成物
は、半導体集積回路、液晶ディスプレイ用薄膜、トラン
ジスタ回路等の回路製造用のマスクを作成するためのネ
ガ型レジストとして、さらには層間絶縁膜、カラーフィ
ルタ用保護膜、マイクロレンズ等の永久膜形成材料とし
ても好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA04 AA06 AA10 AA14 AA20 AB16 AB17 AC01 AC04 AC05 AC06 AC08 AD01 BC14 BC32 BC42 BE00 CA01 CA14 CA18 CA27 CA39 CA48 CB13 CB14 CB16 CB41 CB45 CC20 FA03 FA17 FA29 4J100 AB02Q AB04Q AB07Q AJ02Q AJ03Q AJ08Q AJ09Q AK31Q AK32Q AL03Q AL08Q AL10Q AL11Q AL75Q AM49P AR05Q BA03P BA03Q BA04Q BA05Q BA06Q BA16Q BA29Q BA35Q BA40Q BA41Q BB01Q BB03Q BB05Q BB07Q BC04Q BC07Q BC09Q BC43Q BC48Q BC49Q BC53Q CA04 JA38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともN−(4−ヒドロキシフェニ
    ル)マレインイミドを含有する共重合体、酸発生剤、お
    よび架橋剤を少なくとも含有することを特徴とするネガ
    型感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 該共重合体が、N−(4−ヒドロキシフ
    ェニル)マレインイミドを少なくとも50mol%含有
    することが特徴とする請求項1に記載のネガ型感光性樹
    脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017029891A1 (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 富士フイルム株式会社 パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及びレジスト組成物
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