JP2004020933A - ネガ型レジスト組成物 - Google Patents

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Akira Takahashi
高橋 表
Yutaka Adegawa
阿出川 豊
Shoichiro Yasunami
安波 昭一郎
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Abstract

【課題】特に電子線またはX線の使用に対して孤立性が優れるネガ型レジスト組成物を提供する。
【解決手段】(A)活性光線または放射線の照射により、酸を発生する化合物、(B)酸により架橋する架橋剤、(C)特定の繰り返し単位を有するアルカリ可溶性樹脂、および(D)ビニルフェノール由来の構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂を含有することを特徴とするネガ型レジスト組成物。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられるネガ型レジスト組成物に関するものである。さらに詳しくは、エキシマレーザー光を含む、X線、電子線等を使用して高精細化したパターン形成しうるネガ型レジスト組成物に関するものであり、特に電子線またはX線等の高エネルギー線を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いることのできるネガ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外光やエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArFなど)が検討されるまでになってきている。更に、電子線またはX線により更に微細なパターン形成が検討されるに至っている。
【0003】
電子線またはX線は、次世代もしくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感度、高解像かつ矩形なプロファイル形状を達成し得るネガ型レジストの開発が望まれている。
このうち、電子線リソグラフィーは、加速された電子線がレジスト材料を構成する原子と衝突散乱を起こす過程でエネルギーを放出し、レジスト材料を感光させるものである。高加速化した電子線を用いることで直進性が増大し、電子散乱の影響が少なくなり高解像で矩形な形状のパターン形成が可能となるが、一方では電子線の透過性が高くなり、感度が低下してしまう。この様に、電子線リソグラフィーにおいては、感度と解像性・レジスト形状がトレードオフの関係にあり、これを如何に両立し得るかが課題であった。また、X線リソグラフィーも同様の問題を有する。
【0004】
従来より、化学増幅型ネガレジストについては種々のアルカリ可溶性樹脂が提案されてきた。特開平8−152717号公報には部分アルキルエーテル化されたポリビニルフェノールが、特開平6−67431号公報、特開平10−10733号公報には、ビニルフェノールとスチレンの共重合体が、特許2505033号公報にはノボラック樹脂が、特開平7−311463号公報、特開平8−292559号公報には単分散ポリビニルフェノールがそれぞれ開示されているが、これらのアルカリ可溶性樹脂では、電子線またはX線照射下での感度と解像性、レジスト形状の特性を両立しうるものではなかった。
【0005】
更には、特開2000−122291号公報には、分子内にフェノール性水酸基、カルボキシル基及びスルホン酸基などの一種を有する、特定のスチレン系重合体が、特開2000−122291号公報には、分子量が3000〜1000000の、(a)炭素数6以上20以下の芳香環及び該芳香環に直接あるいは連結基を介して結合したエチレン性不飽和基を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を少なくとも一種有し、かつ(b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電子対の電子数の間に特定の関係を有するアルカリ可溶性樹脂がそれぞれ開示されている。
しかしならが、これらのアルカリ可溶性樹脂でも、未だ感度及び解像性が十分なものではなかった。
【0006】
架橋剤については、従来よりメチロールメラミン、レゾール樹脂、エポキシ化されたノボラック樹脂、尿素樹脂等が用いられているが、これらの架橋剤は熱に対して不安定であり、レジスト液として時の保存安定性に問題があった。
特許3000740号、特開平9−166870号、及び特開平2−15270号で提案されているレジスト組成物も、電子線またはX線照射下での高感度、高解像性及び矩形なレジスト形状の要求特性を十分満足できるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、活性光線や電子線またはX線等の放射線を使用するミクロファブリケーション本来の性能向上技術の課題を解決することであり、活性光線や放射線の使用に対して孤立性(解像性)が優れる化学増幅型ネガ型レジスト組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は以下によって達成された。
(1)(A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
(B)酸により架橋する架橋剤、
(C)一般式(I)で表される繰り返し単位を構成成分として有するアルカリ可溶性樹脂、及び
(D)ビニルフェノール由来の構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂
を含有することを特徴とするネガ型レジスト組成物。
【0009】
【化3】
Figure 2004020933
【0010】
式(I)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子あるいはアルキル基を表す。Lは単結合又は、二価の連結基を表す。R、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アシル基、水酸基、チオール基、ハロゲン原子、酸分解性基又は水素原子を表す。ただし、式(I)のベンゼン環上にはオルト位が水素原子とはならない水酸基を少なくとも1つ含有する。
【0011】
(2)(B)酸により架橋する架橋剤が、一般式(2)〜(4)で表される化合物、及びアルコキシメチル化メラミン化合物から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする前記(1)に記載のネガ型レジスト組成物。
【0012】
【化4】
Figure 2004020933
【0013】
式(2)〜(4)においてRは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
式(2)においてR〜Rは、各々独立に、水素原子、水酸基、アルキル基又はアルコキシル基を表す。Xは、単結合、メチレン基又は酸素原子を表す。
【0014】
(3)(B)酸により架橋する架橋剤が、分子内にベンゼン環を1〜6個有するフェノール誘導体であり、ヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル基を分子内全体で2個以上有し、これらの基をいずれかのベンゼン環原子団に結合している化合物であることを特徴とする前記(1)に記載のネガ型レジスト組成物。
(4)更に(E)塩基性化合物を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)の何れか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のネガ型レジスト組成物を構成する化合物について説明する。
【0016】
(1)アルカリ可溶性樹脂((C)成分)
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、水には不溶であり、アルカリ水溶液には可溶な樹脂である。
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは200Å/秒以上のものである(Åはオングストローム)。
【0017】
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、上記一般式(I)で表される繰り返しを構成成分として有する樹脂である。
以下、一般式(I)で表される各繰り返し単位について詳細に説明する。
【0018】
一般式(I)において、
は、水素原子、ハロゲン原子あるいはアルキル基を表す。
、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基(直鎖又は分岐状でもよく、好ましくは炭素数1〜8)、アルコキシ基(直鎖又は分岐状でもよく、好ましくは炭素数1〜6)、アセトキシ基、水酸基、チオール基、ハロゲン原子、酸分解性基又は水素原子を表す。ただし、式(I)のベンゼン環上にはオルト位が水素原子とはならない水酸基を少なくとも1つ含有する。
【0019】
のアルキル基としては、直鎖又は分岐状でもよく、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基が、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げることができる。
、R、R及びRの具体例としては、水素原子、水酸基、チオール基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ぺンチル基、ネオぺンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロぺンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシルオキシ基、アセトキシ基等を挙げることができる。
〜Rの内の少なくとも2つが結合して環を形成してもよく、形成する環の具体例としては、ジオキソール環、メチル置換ジオキソール環、エチル置換ジオキソール環、フェニル置換ジオキソール環、ジメチル置換ジオキソール環、ジオキサン環等を挙げることができる。
〜Rのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0020】
は単結合又は、二価の連結基を表す。Lの二価の連結基の例としては、例えば、−CH−、−COO−、−COOCH−、−OCHCHO−、−OCH−、及び−CONH−などが挙げられる。
【0021】
〜Rの酸分解性基としては、tert−ブチルエーテル、tert−アミルエーテル、トリメチルシリルエーテル、tert−ブチルジメチルシリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、テトラヒドロフラニルエーテル、メトキシエチルエーテル、エトキシエチルエーテル、プロポキシエチルエーテル、ブトキシエチルエーテル、メトキシプロピルエーテル、エトキシプロピルエーテル、tert−ブチルエステル、tert−アミルエステル、トリメチルシリルエステル、tert−ブチルジメチルシリルエステル、テトラヒドロピラニルエステル、テトラヒドロフラニルエステル、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、プロポキシエチルエステル、ブトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、エトキシプロピルエステル、tert−ブトキシカルボニルエーテル、tert−アミルオキシカルボニルエーテルなどの各基があげられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちではtert−ブトキシカルボニルエーテル基が、酸分解性とアルカリ溶解抑止力のバランスがよく、レジストとして用いると、パターン形状がよくなるなどの点から好ましい。
【0022】
一般式(I)で表される繰り返し単位の好ましい具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
【化5】
Figure 2004020933
【0024】
【化6】
Figure 2004020933
【0025】
【化7】
Figure 2004020933
【0026】
【化8】
Figure 2004020933
【0027】
本発明に使用されるアルカリ可溶性樹脂(C)は、一般式(I)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含有していてもよい。
【0028】
他の繰り返し単位としては、例えば、スチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、α−メチル−o−ヒドロキシスチレン、α−メチル−m−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン、α−メチルビニルナフタレン等を挙げることができる。
【0029】
本発明に使用されるアルカリ可溶性樹脂(C)は、一般式(I)で表される繰り返し単位を、一般的に1〜100モル%、好ましくは5〜100モル%、特に好ましくは10〜100モル%含有する。
【0030】
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂(C)は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の公知の方法によって合成できる。対応するモノマーを組み合わせてラジカル重合を行うのが最も簡便であるが、モノマーによってはカチオン重合、アニオン重合を利用した場合に、より好適に合成できる。また、重合開始種によってモノマーが重合以外の反応を起こす場合には、適当な保護基を導入したモノマーを重合し、重合後に脱保護することによって望む重合体を得ることができる。また、アルコキシを有する重合体については、対応する水酸基を有する重合体の水酸基をエーテル化反応を行うことによっても望む重合体を得ることができる。重合法については、実験化学講座28高分子合成、新実験化学講座19高分子化学[I]等に記載されている。
【0031】
本発明のアルカリ可溶性樹脂(C)の質量平均分子量(Mw)は、好ましくは3,000〜1,000,000、より好ましくは3,000〜500,000、特に好ましくは3,000〜100,000である。
【0032】
上記の合成方法により合成できるアルカリ可溶性樹脂(C)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜2.5であることが好ましく、これにより、特にレジストを高感度化することができる。なお、このような分子量分布のアルカリ可溶性樹脂は、上記合成方法において、リビングアニオン重合を利用することによって合成することができる。
【0033】
本発明に於いて、これらのアルカリ可溶性樹脂(C)は2種類以上混合して使用しても良い。
【0034】
本発明の一般式(I)の繰り返し単位を有するアルカリ可溶性樹脂(C)の使用量は、レジスト組成物の全質量(溶媒を除く)を基準として20〜95質量%、好ましくは40〜90質量%である。
他のアルカリ可溶性樹脂を併用した場合も、一般式(I)の繰り返し単位を有するアルカリ可溶性樹脂を含めたアルカリ可溶性樹脂樹脂の合計量として、レジスト組成物の全質量(溶媒を除く)を基準として、通常20〜95質量%、好ましくは40〜90質量%である。
【0035】
本発明のアルカリ可溶性樹脂(C)の具体例(C−1)〜(C−16)を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。また、繰り返し単位の比率、質量平均分子量Mw、分散度も付記したが、これらに限定されるものではない。
【0036】
【化9】
Figure 2004020933
【0037】
【化10】
Figure 2004020933
【0038】
【化11】
Figure 2004020933
【0039】
(2)ビニルフェノール由来の構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂((D)成分)
本発明において(D)成分のアルカリ可溶性樹脂は、ビニルフェノール由来の構造単位を有する樹脂である。具体的には、これまでネガ化学増幅型レジストで開示されている、ポリビニルフェノール樹脂、ビニルフェノール由来の構造単位を有する共重合体、及びポリビニルフェノール樹脂を一部保護又は修飾することで得られる樹脂等のフェノール骨格を有するポリマーを広く使用することができる。
(D)成分の樹脂は、下記一般式(a)の繰り返し単位を含有する樹脂であることが好ましい。
【0040】
【化12】
Figure 2004020933
【0041】
式中、 R11は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していても良い、アルキル基又はハロアルキル基を表す。R12は水素原子、置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、あるいはアシル基を表す。R13、R14は同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又は置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、もしくはアリール基を表す。
【0042】
Aは単結合、置換基を有しても良い、2価のアルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、もしくはアリーレン基、又は−O−、−SO−、−O−CO−R15−、−CO−O−R16−、−CO−N(R17)−R18−を表す。
15、R16、R18は同じでも異なっていても良く、単結合、置換基を有しても良い、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、もしくはアリーレン基の単独、又はこれらの基とエーテル構造、エステル構造、アミド構造、ウレタン構造もしくはウレイド構造の群より選択される少なくとも1種が一緒になって形成した2価の基を表す。
17は同じでも異なっていても良く、水素原子、置換基を有していても良い、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。
nは1〜3の整数を表す。また複数のR12、又はR12とR13もしくはR14が結合して環を形成しても良い。
より好ましくは上記一般式(a)で表される繰り返し構造単位を含有するフェノール樹脂を挙げることができる。
【0043】
またR11〜R14、R17のアルキル基としては、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。 R12〜R14、R17のシクロアルキル基は単環型でも良く、多環型でも良い。単環型としては炭素数3〜8個の例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を好ましく挙げることができる。多環型としては例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、ジシクロペンチル基、a−ピネル基、トリシクロデカニル基等を好ましく挙げることができる。
13、R14のアルケニル基としては、例えば炭素数2〜8個のアルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。
【0044】
12〜R14、R17のアリール基としては、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましく挙げることができる。
12〜R14、R17のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜12個のアラルキル基であって、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることができる。
【0045】
11のハロアルキル基としては、例えば炭素数1〜4個のハロアルキル基であって、具体的にはクロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、クロロブチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基等を好ましく挙げることができる。
【0046】
12のアシル基としては、例えば炭素数1〜8個のアシル基であって、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を好ましく挙げることができる。
【0047】
A、R15、R16、R18のアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良い、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
A、R15、R16、R18のアルケニレン基としては、好ましくは置換基を有していても良い、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のものが挙げられる。
【0048】
A、R15、R16、R18のシクロアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良い、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。
A、R15、R16、R18のアリーレン基としては、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜12個のものが挙げられる。
【0049】
これらの基に置換される置換基としては、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものや、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。特にアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものが好ましい。
【0050】
また、複数のR12、又はR12とR13もしくはR14が結合して形成した環としては、ベンゾフラン環、ベンゾジオキソノール環、ベンゾピラン環等の酸素原子を含有する4〜7員環が挙げられる。
【0051】
本発明のアルカリ可溶性樹脂(D)は、一般式(a)で表される繰り返し構造単位のみからなる樹脂であっても良いが、更に本発明のネガ型レジストの性能を向上させる目的で、他の重合性モノマーを共重合させても良い。
【0052】
使用することができる共重合モノマーとしては、以下に示すものが含まれる。例えば、上記以外のアクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。
【0053】
共重合モノマー中では、カルボキシスチレン、N−(カルボキシフェニル)アクリルアミド、N−(カルボキシフェニル)メタクリルアミド等のようなカルボキシル基を有するモノマー、マレイミド等、アルカリ溶解性を向上させるモノマーが共重合成分として好ましい。
本発明における樹脂中の他の重合性モノマーの含有量としては、全繰り返し単位に対して、50モル%以下が好ましく、より好ましくは30モル%以下である。
【0054】
以下に一般式(a)で表される繰り返し構造単位を有する樹脂の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0055】
【化13】
Figure 2004020933
【0056】
【化14】
Figure 2004020933
【0057】
【化15】
Figure 2004020933
【0058】
【化16】
Figure 2004020933
【0059】
【化17】
Figure 2004020933
【0060】
【化18】
Figure 2004020933
【0061】
【化19】
Figure 2004020933
【0062】
【化20】
Figure 2004020933
【0063】
【化21】
Figure 2004020933
【0064】
【化22】
Figure 2004020933
【0065】
【化23】
Figure 2004020933
【0066】
上記具体例中のnは正の整数を表す。x、y、zは樹脂組成のモル比を表し、2成分からなる樹脂では、x=10〜95、y=5〜90、好ましくはx=40〜90、y=10〜60の範囲で使用される。3成分からなる樹脂では、 x=10〜90、y=5〜85、z=5〜85、好ましくはx=40〜80、y=10〜50、z=10〜50の範囲で使用される。
【0067】
上記(D)、好ましくは一般式(a)で表される繰り返し構造単位を有する樹脂の好ましい質量平均分子量Mwは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3,000〜50,000の範囲で使用される。分子量分布は1〜10であり、好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜1.5の範囲のものが使用される。分子量分布が小さいものほど、解像度、レジスト形状、及びレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
一般式(a)で表される繰り返し構造単位の含有量は、樹脂(D)に対して、5〜100モル%、好ましくは10〜90モル%である。
【0068】
本発明で好ましく用いられる一般式(a)で表わされる構造単位を含有するアルカリ可溶性樹脂は、Macromolecules (1995), 28(11), 3787〜3789, Polym. Bull. (Berlin)(1990), 24(4), 385〜389,特開平8−286375に記載されている方法により合成することができる。即ち、ラジカル重合もしくはリビングアニオン重合法により目的のアルカリ可溶性樹脂を得ることができる。
これらの樹脂は1種で使用しても良いし、複数を混合して用いても良い。
【0069】
ここで、質量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは200Å/秒以上のものである。
【0070】
また、本発明で使用される(D)成分のアルカリ可溶性樹脂は、上記(a)で表わされる繰り返し単位の他に、更に下記一般式(b−2)又は(b−3)で表される繰返し単位のいずれかを有してもよい。
【0071】
【化24】
Figure 2004020933
【0072】
式中、RとAは、一般式(a)のR、Aとそれぞれ同義である。R101〜R 06は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、直鎖状、分岐状、あるいは環状のアルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、又はN−ジアルキルアミノ基を表す。a〜fは、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。Yは、下記縮合多環式芳香族構造から選ばれるいずれかを表す。
【0073】
【化25】
Figure 2004020933
【0074】
アルキル基及びアルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、N−アルキルアミノ基、N−ジアルキルアミノ基における直鎖状、分岐状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。また、環状アルキル基は、単環型でも良く、多環型でも良い。単環型としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を好ましく挙げることができる。多環型としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基等を好ましく挙げることができる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましく挙げることができる。
アラルキル基としては、例えば、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることができる。
【0075】
Yは、前記縮合多環式芳香族構造から選ばれるいずれかを表す。
Yで表される縮合多環式芳香族構において、主鎖に結合する結合手の位置、あるいは置換基に結合する結合手の位置は、縮合多環式芳香族構造上の結合手のいずれの位置でもよい。
【0076】
本発明における樹脂(D)中の一般式(b−2)及び/又は(b−3)で表される繰返し単位の含有量は、全繰返し単位に対して、3〜50モル%とすることが好ましく、5〜40モル%とすることがより好ましい。
【0077】
以下に、本発明で使用される縮合多環式芳香族構造を有するアルカリ可溶性樹脂(D)の例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0078】
【化26】
Figure 2004020933
【0079】
【化27】
Figure 2004020933
【0080】
樹脂(D)の添加量は組成物の全固形分に対し、30〜95質量%、好ましくは40〜90質量%、更に好ましくは50〜80質量%の範囲で使用される。
【0081】
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂(D)は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の公知の方法によって合成できる。対応するモノマーを組み合わせてラジカル重合を行うのが最も簡便であるが、モノマーによってはカチオン重合、アニオン重合を利用した場合に、より好適に合成できる。また、重合開始種によってモノマーが重合以外の反応を起こす場合には、適当な保護基を導入したモノマーを重合し、重合後に脱保護することによって望む重合体を得ることができる。また、アルコキシを有する重合体については、対応する水酸基を有する重合体の水酸基をエーテル化反応を行うことによっても望む重合体を得ることができる。重合法については、実験化学講座28高分子合成、新実験化学講座19高分子化学[I]等に記載されている。
本発明のアルカリ可溶性樹脂(D)は、上記合成方法において、リビングアニオン重合を利用することによって合成することができる。
【0082】
本発明に於いて、これらのアルカリ可溶性樹脂(D)は2種類以上混合して使用しても良い。
【0083】
本発明のアルカリ可溶性樹脂(D)の具体例(D−1)〜(D−8)を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。また、繰り返し単位の比率、質量平均分子量Mw、分散度も付記したが、これらに限定されるものではない。
【0084】
【化28】
Figure 2004020933
【0085】
【化29】
Figure 2004020933
【0086】
また、本発明においては上記(C)及び(D)の樹脂以外に他のアルカリ可溶性樹脂を併用してもよい。
本発明に用いられる他のアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリヒドロキシスチレン、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレン共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メチル化物、O−(1−メトキシ)エチル化物、O−(1−エトキシ)エチル化物、O−2−テトラヒドロピラニル化物、O−(t−ブトキシカルボニル)メチル化物等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%のo−アセチル化物、O−(t−ブトキシ)カルボニル化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
特に好ましい他のアルカリ可溶性樹脂は、ノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体である。該ノボラック樹脂は、下記の所定のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることにより得られる。
【0088】
所定のモノマーとしては、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のクレゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3−キシレノール等のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフエノール、2,3,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール類、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノール等のアルコキシフェノール類、2−メチル−4−イソプロピルフェノール等のビスアルキルフェノール類、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ナフトール等のヒドロキシ芳香化合物を単独もしくは2種類以上混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0089】
アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラール、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール体、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール等を使用することができるが、これらの中で、ホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。
これらのアルデヒド類は、単独でもしくは2種類以上組み合わせて用いられる。酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸等を使用することができる。
【0090】
こうして得られたノボラック樹脂の質量平均分子量は、1,000〜30,000の範囲であることが好ましい。1,000未満では照射部の現像後の膜減りが大きく、30,000を越えると現像速度が小さくなってしまう。特に好適なのは2,000〜20,000の範囲である。
また、ノボラック樹脂以外の前記ポリヒドロキシスチレン、及びその誘導体、共重合体の質量平均分子量は、2000以上、好ましくは2000〜30000、より好ましくは2000〜20000である。
ここで、質量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
【0091】
(3)架橋剤((B)成分)
本発明において使用される酸により架橋する化合物(以下、適宜、酸架橋剤又は単に架橋剤と称する)は、酸、例えば放射線の照射により生じた酸の存在下で、アルカリ可溶性樹脂を架橋し得る化合物である。このような架橋剤としては、例えばアルカリ可溶性樹脂との架橋反応性を有する1種以上の置換基(以下、「架橋性置換基」という。)を有する化合物を挙げることができる。
【0092】
このような架橋性置換基の具体例としては、例えば(i)ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アセトキシアルキル基等のヒドロキシアルキル基またはその誘導体;
(ii)ホルミル基、カルボキシアルキル基等のカルボニル基またはその誘導体;
(iii)ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基等の含窒素基含有置換基;
(iv)グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基等のグリシジル基含有置換基;
(v)ベンジルオキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基等のアリルオキシアルキル基、アラルキルオキシアルキル基等の芳香族誘導体;
(vi)ビニル基、イソプロペニル基等の重合性多重結合含有置換基等を挙げることができる。本発明の架橋剤の架橋性置換基としては、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基等が好ましく、特にアルコキシメチル基が好ましい。
【0093】
前記架橋性置換基を有する架橋剤としては、例えば(i)メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有ウレア化合物、メチロール基含有グリコールウリル化合物、メチロール基含有フェノール化合物等のメチロール基含有化合物;
(ii)アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有ウレア化合物、アルコキシアルキル基含有グリコールウリル化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物等のアルコキシアルキル基含有化合物;
(iii)カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有ウレア化合物、カルボキシメチル基含有グリコールウリル化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物等のカルボキシメチル基含有化合物;
(iv)ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物等のエポキシ化合物等を挙げることができる。
【0094】
架橋剤としては、さらに、アルカリ可溶性樹脂中の酸性官能基に前記架橋性置換基を導入し、架橋剤としての性質を付与した樹脂を使用することができる。その場合の架橋性置換基の導入率は、アルカリ可溶性樹脂中の全酸性官能基に対して、通常、5〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは15〜40モル%に調節される。架橋性置換基の導入率が5モル%未満では、十分な架橋反応を生起させることが困難となり、残膜率の低下、パターンの膨潤現象や蛇行等を来たしやすくなり、また60モル%を超えると、アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性の低下を招いて、現像性が悪化する傾向がある。
【0095】
本発明のレジスト組成物において架橋剤は、アルコキシメチル化ウレア化合物またはその樹脂、またはアルコキシメチル化グリコールウリル化合物またはその樹脂が好ましい。
特に好ましい架橋剤(B1)としては、上記式(2)〜(4)で示される化合物及びアルコキシメチル化メラミン化合物を挙げることができる。
【0096】
式(2)〜(4)におけるRは、各々独立に、水素原子、アルキル基(炭素数1〜5、更に好ましくは炭素数1〜3、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)又はアシル基(好ましくは炭素数2〜6、更に好ましくは炭素数2〜4、例えばアセチル基、プロピオニル基)を表す。
式(2)におけるR〜Rは、各々独立に、水素原子、水酸基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5、更に好ましくは炭素数1〜3、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)又はアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜5、更に好ましくは炭素数1〜3、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基)を表す。Xは、単結合、メチレン基又は酸素原子を表す。Xは、単結合メチレン基又は酸素原子であり、単結合又はメチレン基が好ましい。
尚、これらの基は、更にメチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。
【0097】
式(2)〜(4)で表される化合物及びアルコキシメチル化メラミン化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0098】
【化30】
Figure 2004020933
【0099】
【化31】
Figure 2004020933
【0100】
前記架橋剤は、例えば尿素化合物やグリコールウリル化合物とホルマリンを縮合反応させてメチロール基を導入した後、さらにメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール類でエーテル化し、次いで反応液を冷却して析出する化合物またはその樹脂を回収することで得られる。また前記架橋剤は、CYMEL(商品名、三井サイアナミッド製)、ニカラッド(三和ケミカル製)のような市販品としても入手することができる。
【0101】
また、特に好ましい架橋剤(B2)として、更に、分子内にベンゼン環を1〜6個有するフェノール誘導体であり、ヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル基を分子内全体で2個以上有し、それを少なくともいずれかのベンゼン環に結合している化合物を挙げることができる。
好ましくは、分子量が1500以下、分子内にベンゼン環を1個から6個有し、さらにヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、そのヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基をその内の少なくともいずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるフェノール誘導体を挙げることができる。
【0102】
ベンゼン環に結合するアルコキシメチル基としては、炭素数6個以下のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、i−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基が好ましい。さらに、2−メトキシエトキシ基及び、2−メトキシ−1−プロピル基の様に、アルコキシ置換されたアルコキシ基も好ましい。これらのフェノール誘導体の内、特に好ましいものを以下に挙げる。
【0103】
【化32】
Figure 2004020933
【0104】
【化33】
Figure 2004020933
【0105】
【化34】
Figure 2004020933
【0106】
【化35】
Figure 2004020933
【0107】
【化36】
Figure 2004020933
【0108】
【化37】
Figure 2004020933
【0109】
(式中、L〜Lは、同じであっても異なっていてもよく、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。)
ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物(上記式においてL〜Lが水素原子である化合物)とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具体的には、特開平6−282067号公報、特開平7−64285号公報等に記載されている方法にて合成することができる。
【0110】
アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具体的には、欧州特許EP632003A1等に記載されている方法にて合成することができる。
【0111】
このようにして合成されたヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、保存時の安定性の点で好ましいが、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は保存時の安定性の観点から特に好ましい。ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、いずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるこのようなフェノール誘導体は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0112】
本発明において架橋剤は、全レジスト組成物固形分中、3〜70質量%、好ましくは5〜50質量%の添加量で用いられる。架橋剤の添加量が3質量%未満であると残膜率が低下し、また、70質量%を越えると解像力が低下し、更にレジスト液の保存時の安定性の点で余り好ましくない。
【0113】
上記のN−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物と、ヒドロキシメチル基若しくはアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0114】
(4)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)((A)成分)
本発明で使用される酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物で、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線(g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光))、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物の中で、適宜に選択して使用することができる。
尚、本発明においては、活性光線又は放射線として、F及びEUVを含む。
【0115】
また、その他の本発明に用いられる酸発生剤としては、たとえばジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物等を挙げることができる。
また、これらの酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物を用いることができる。
【0116】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の酸を発生する化合物も使用することができる。
【0117】
上記酸発生剤の中で、有効に用いられるものの一例として、アニオンがフッ素原子を有している酸発生剤が挙げられる。例えば、カチオン部がヨードニウム又はスルホニウムで構成され、アニオン部がRSO (式中、上記Rは、炭素数1〜10のフッ素置換されたアルキル基を表す)で示されるアニオンで構成されているスルホン酸塩から選択された酸発生剤が用いられる。
で表されるフッ素置換されたアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状いずれであってもよい。好ましいRとしては、CF(CF)yで表され、yが0〜9の整数であるフッ素置換直鎖状アルキル基である。
酸発生剤のカチオン部は、好ましくは下記一般式(I)〜(III)で表される。
【0118】
【化38】
Figure 2004020933
【0119】
上記一般式(I)〜(III)において、R〜R37は、各々独立に、水素原子、直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子又は−S−R38基を表す。
38は、直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基又はアリール基を表す。R〜R15、R16〜R27、R28〜R37のうち、2つ以上が結合して、単結合、炭素原子、酸素原子、イオウ原子及び窒素原子から選択される1種又は2種以上を含む環を形成してもよい。
【0120】
一般式(I)〜(III)において、R〜R38の直鎖状、分岐状アルキル基としては、置換基を有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基としては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個のものが挙げられる。
〜R37の直鎖状、分岐状アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。
環状アルコキシ基としては、シクロペンチルオキシ基、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0121】
〜R37のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
38のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基のような置換基を有してもよい炭素数6〜14個のものが挙げられる。
これらの置換基として好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
【0122】
また、R〜R15、R16〜R27、R28〜R37のうち、2つ以上が結合して形成する、単結合、炭素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される1種又は2種以上を含む環としては、例えば、フラン環、ジヒドロフラン環、ピラン環、トリヒドロピラン環、チオフェン環、ピロール環等を挙げることができる。
本発明で用いることができる酸発生剤の具体例(A1−1)〜(A1−64
)を以下に示す。
【0123】
【化39】
Figure 2004020933
【0124】
【化40】
Figure 2004020933
【0125】
【化41】
Figure 2004020933
【0126】
【化42】
Figure 2004020933
【0127】
【化43】
Figure 2004020933
【0128】
【化44】
Figure 2004020933
【0129】
【化45】
Figure 2004020933
【0130】
【化46】
Figure 2004020933
【0131】
更に以下の酸発生剤も好ましく使用できる。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0132】
【化47】
Figure 2004020933
【0133】
式中、R201は、置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)を示す。Yは、塩素原子又は臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0134】
【化48】
Figure 2004020933
【0135】
【化49】
Figure 2004020933
【0136】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0137】
【化50】
Figure 2004020933
【0138】
ここで式中、Ar、Arは、各々独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示す。
203、R204、R205は、各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。
は、対アニオンを示し、例えばBF 、AsF 、PF 、SbF 、SiF 2−、ClO 、CFSO 等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0139】
またR203、R204、R205のうちの2つ及びAr、Arはそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0140】
【化51】
Figure 2004020933
【0141】
【化52】
Figure 2004020933
【0142】
【化53】
Figure 2004020933
【0143】
【化54】
Figure 2004020933
【0144】
【化55】
Figure 2004020933
【0145】
【化56】
Figure 2004020933
【0146】
【化57】
Figure 2004020933
【0147】
【化58】
Figure 2004020933
【0148】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、例えば、米国特許第2,807,648 号及び同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0149】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0150】
【化59】
Figure 2004020933
【0151】
式中、Ar、Arは、各々独立に、置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0152】
【化60】
Figure 2004020933
【0153】
【化61】
Figure 2004020933
【0154】
【化62】
Figure 2004020933
【0155】
【化63】
Figure 2004020933
【0156】
【化64】
Figure 2004020933
【0157】
(4)下記一般式(PAG7)で表されるジアゾジスルホン誘導体。
【0158】
【化65】
Figure 2004020933
【0159】
ここでRは、直鎖、分岐又は環状アルキル基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0160】
【化66】
Figure 2004020933
【0161】
これらの酸発生剤の添加量は、組成物中の固形分を基準として、通常0.001〜40質量%の範囲で用いられ、好ましくは0.01〜20質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%の範囲で使用される。酸発生剤の添加量が、0.001質量%より少ないと感度が低くなり、また添加量が40質量%より多いとプロファイルの悪化や、プロセス(特にベーク)マージンが狭くなり好ましくない。
【0162】
その他の活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物としては、カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物およびそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0163】
たとえば S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056号、同 Re 27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988) 、欧州特許第104,143 号、同第339,049 号、同第410,201 号、特開平2−150,848 号、特開平2−296,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985) 、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978) 、W.R.Watt etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984) 、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693 号、同161,811 号、同410,201 号、同339,049 号、同233,567 号、同297,443 号、同297,442 号、米国特許第3,902,114 号、同第4,933,377 号、同4,760,013 号、同4,734,444 号、同2,833,827 号、獨国特許第2,904,626 号、同3,604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10 (6),1307(1977) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国 特許第3,905,815 号、特公昭46−4605 号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736 号、特開昭61−169835 号、特開昭61−169837 号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401 号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339 号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier etal,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill etal,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896) 、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、 E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、 Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、 B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton etal,J.Chem Soc.,3571(1965)、 P.M.Collins etal,J.Chem.SoC.,Perkin I,1695(1975)、 M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、 J.W.Walker etalJ.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、 S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、 H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、 E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851 号、同0,388,343 号、 米国特許第3,901,710 号、同4,181,531 号、特開昭60−198538 号、特開昭53−133022 号等に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、 W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo 、 H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515 号、同044,115 号、同618,564 号、、同0101,122号、米国特許第4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544 号等に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0164】
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse etal,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982) 、S.P.Pappas etal,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986) 、S.Kondoetal,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada etal,Makromol.Chem.,152,153,163(1972) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,849,137 号、獨国特許第3914407 号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824 号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038 号、特開昭63−163452 号、特開昭62−153853 号、特開昭63−146029 号等に記載の化合物を用いることができる。
【0165】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970) 、米国特許第3,779,778 号、欧州特許第126,712 号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0166】
(5)本発明の組成物に使用されるその他の成分
本発明のネガ型レジスト組成物には必要に応じて、更に有機塩基性化合物、染料、界面活性剤などを含有させることができる。
【0167】
(5)−1 染料
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0168】
(5)−2 有機塩基性化合物((E)成分)
本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
【0169】
【化67】
Figure 2004020933
【0170】
ここで、R250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数1〜6個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R251 とR252 は、互いに結合して環を形成してもよい。
253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
【0171】
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
【0172】
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0173】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0174】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と有機塩基性化合物の組成物中の使用割合は、
(活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物)/(有機塩基性化合物)(モル比)=2.5〜300
であることが好ましい。該モル比が2.5未満では低感度となり、解像力が低下する場合があり、また、300を越えると照射後加熱処理までの経時でレジストパターンの太りが大きくなり、解像力も低下する場合がある。(活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物)/(有機塩基性化合物)(モル比)は、好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
【0175】
(5)−3 溶剤類
本発明のネガ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。特に好ましい溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶媒である。
【0176】
(5)−4 界面活性剤類
本発明のネガ型レジスト組成物には、好ましくはフッ素系及び/又はシリコン含有界面活性剤を含有することができる。
本発明のネガ型レジスト組成物には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明のネガ型レジスト組成物が上記成分とともに上記界面活性剤とを含有することにより、パターンの線幅が一層細い時に特に有効であり、現像欠陥が一層改良される。
これらの界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、米国特許5405720号、同5360692号、同5529881号、同5296330号、同5436098号、同5576143号、同5294511号、同5824451号記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
【0177】
上記界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分を基準として、通常0.001質量%〜2質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
上記の他に使用することのできる界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙げることができる。
これらの他の界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100質量部当たり、通常、2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。
【0178】
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上に、本発明のネガ型レジスト組成物を塗布し、次に電子線またはX線描画装置を用いて照射を行い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
【0179】
本発明のネガ型レジスト組成物に適用する現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0180】
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
【0181】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
(1)(C)成分のアルカリ可溶性樹脂の合成
(1−1)3,5−ジメトキシ−4−アセトキシスチレン22.2g(0.1mol)を乾燥THFに溶解し、窒素気流下70℃に加熱し、和光純薬製アゾ系ラジカル開始剤V−601を前記モノマー総モル数の2%加えた。8時間反応させた後、反応液をTHFで希釈し、ヘキサン中で沈殿させ、精製してポリマーを取り出した。常法により酸で分解して(C−1)を得た。GPC測定により、重量平均分子量(Mw)、分子量分散度(Mw/Mn)を決定した。
(1−2)3,5−ジメトキシ−4−アセトキシスチレン22.2g(0.1mol)、3−アセトキシスチレン16.2g(0.1mol)を乾燥THFに溶解し、封管中−78℃で1mmolのs−ブチルリチウムを用い、ガラスシールを破って反応を開始させた。大量のヘキサン中に沈殿させ粉体を集めて精製した。定法により酸で処理して(C−9)を得た。
(1−3)上記と同様の方法、及び、保護したモノマー(例:4−ベンジルオキシスチレン)を用いてBF・EtOによるカチオン重合とを使い分けて(C)成分のアルカリ可溶性樹脂を合成した。
【0182】
(2)(D)成分のアルカリ可溶性樹脂の合成
4−アセトキシスチレン3.9g(0.24モル)、3,4−ジメトキシスチレン0.98g(0.006モル)を1−メトキシ−2−プロパノール30mlに溶解し、窒素気流及び攪拌下、70℃にて重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製;商品名V−65)50mg、4−アセトキシスチレン9.1g(0.056モル)、3,4−ジメトキシスチレン2.30g(0.014モル)の1−メトキシ−2−プロパノール70ml溶液を2時間かけて滴下した。2時間後、開始剤50mgを追加し、更に2時間反応を行った。その後90℃に昇温して攪拌を1時間続けた。反応液を放冷後、イオン交換水1Lに激しく攪拌しながら投入することにより、白色樹脂を析出させた。得られた樹脂を乾燥後、メタノール100mLに溶解し、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを加え、樹脂中のアセトキシ基を加水分解した後、塩酸水溶液にて中和して白色樹脂を析出させた。イオン交換水にて水洗、減圧下で乾燥後、(D−4)11.6gを得た。GPCにて分子量を測定したところ、重量平均分子量Mw(ポリスチレン換算)9,200、分散度(Mw/Mn)2.2であった。
以下、同様にして(D)成分のアルカリ可溶性樹脂を合成した。
【0183】
(3)架橋剤の合成
(3−1)架橋剤[HM−0]の合成
p−アミノフェノール(1mol)、酢酸ナトリウム(1mol)をアセトン(1リットル)と共にフラスコに入れ、イソ酪酸クロリド(1mol)を氷冷下、滴下する。5時間後、氷水中に投入して結晶析出させ、結晶をろ取し、HM−0−Xを収率80%で得た。
このHM−0−X(0.8mol)とKOH(0.8mol)、水500m1、37%ホルマリン水溶液(4.8mol)をフラスコに入れ、50℃で5時間加熱後酢酸で中和し、溶媒を減圧濃縮、得られた油状物を酢酸エチル/メタノール=1/1に溶解し、SiOカラムロマトグラフイーにより分離し、目的物HM−0(L=L=CHOH)を無色結晶として、全収率50%で得た。
【0184】
【化68】
Figure 2004020933
【0185】
(3−2)架橋剤〔HM−1〕の合成
1−〔α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン20g(本州化学工業(株)製Trisp−PA)を10%水酸化カリウム水溶液に加え、撹拌、溶解した。次にこの溶液を撹伴しながら、37%ホルマリン水溶液60mlを室温下で1時間かけて徐々に加えた。さらに室温下で6時間撹伴した後、希硫酸水溶液に投人した。析出物をろ過し、十分水洗した後、メタノール30mlより再結晶することにより、下記構造のヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体〔HM−1]の白色粉末20gを得た。純度は92%であった(液体クロマトグラフィー法)。
【0186】
(3−3)架橋剤〔MM−1〕の合成
上記合成例で得られたヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体〔HM−1〕20gを1リットルのメタノールに加え、加熱撹拌し、溶解した。次に、この溶液に濃硫酸1mlを加え、12時間加熱還流した。反応終了後、反応液を冷却し、炭酸カリウム2gをを加えた。この混合物を十分濃縮した後、酢酸エチル300mlを加えた。この溶液を水洗した後、濃縮乾固させることにより、下記構造のメトキシメチル基を有するフェノール誘導体〔MM−1〕の白色固体22gを得た。純度は90%であった(液体クロマトグラフィー法)。
【0187】
【化69】
Figure 2004020933
【0188】
さらに、同様にして以下に示すフェノール誘導体を合成した。
【0189】
【化70】
Figure 2004020933
【0190】
実施例1〜18及び比較例1〜8
(1)レジストの調製と塗設
表1に示す各成分を以下の添加量で溶剤総量18.0gに溶解し、レジスト組成物の溶液を調製した。表1において各成分について複数使用の場合の比は質量比である。
アルカリ可溶性樹脂(C) 1.4g
アルカリ可溶性樹脂(D) 0.6g
酸発生剤(A)の総量   0.20g
架橋剤(B)の総量    0.50g
塩基性化合物(E)    0.0080g
界面活性剤の総量     0.0040g
各試料溶液を0.1μmのフィルターで濾過したのち、スピンコーターを利用して、シリコンウェハー上に塗布し、120℃、90秒間真空吸着型のホットプレートで乾燥して、膜厚0.3μmのレジスト膜を得た。
【0191】
【表1】
Figure 2004020933
【0192】
【表2】
Figure 2004020933
【0193】
表1及び表2において使用した略号は下記の内容を示す。
塩基性化合物は以下のとおりである。
アミン(1):1,8−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノナ−5−エン、
アミン(2):2,6−ジイソプロピルアニリン、
アミン(3):4−ジメチルアミノピリジン、
アミン(4):2,4,5−トリフェニルイミダゾール、
アミン(6):1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、
アミン(7):1,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、
アミン(8):ヘキサメチレンテトラミン、
アミン(9):CHMETU、
アミン(11):ピペラジン、
アミン(12):フェニルグアニジン
【0194】
界面活性剤は以下のとおりである。
W1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)、
W2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコーン系)、
W3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)、
W4:ポリオキシエチレントリフェニルエーテル、
W5:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
【0195】
溶剤は以下のとおりである。
S1:プロビレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
S2:プロビレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、
S3:乳酸エチル、
S4:酢酸ブチル、
S5:2−ヘプタノン、
S6:プロピレングリコールモノメチルエーテル、
S7:エトキシチルプロピオネート、
S8:γ−ブチロラクトン、
S9:エチレンカーボネート、
S10:プロピレンカーボネート、
S11:シクロヘキサノン
【0196】
(2)レジストパターンの作製
このレジスト膜に電子線描画装置(加速電圧50KeV)を用いて照射を行った。照射後にそれぞれ110℃の真空吸着型ホットプレートで60秒間加熱を行い、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間水でリンスして乾燥した。得られたパターンを走査型電子顕微鏡により観察した。下記の方法で評価を行い、結果を表3に示した。
【0197】
〔孤立性能〕:0.15μmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とし、上記密集ラインパターン(ライン:スペース=1:1)で決定した感度で、孤立ラインパターン(ライン:スペース=1:10)が解像する限界の解像力を孤立性能とした。
【0198】
【表3】
Figure 2004020933
【0199】
表3の結果は、本発明の組成物が孤立性に優れていることを示している。
尚、X線照射においても同様の結果が得られた。
【0200】
実施例19〜23及び比較例9
上記実施例2、7、8、10、11及び比較例4の組成を用い、上記と同様にして作成したレジスト膜に対し、100KeVの加速電圧の条件で、電子線描画装置を用いて照射を行った。照射後に上記実施例と同様に加熱、現像、リンスを行い、得られたパターンを走査型電子顕微鏡により観察した。上記実施例と同様に孤立性能を評価し、結果を表4に示した。
【0201】
【表4】
Figure 2004020933
【0202】
これらより、本発明のネガ型レジスト組成物は特に電子線またはX線リソグラフィーに好適である事がわかる。
【0203】
【発明の効果】
本発明により、孤立性が優れるネガ型感光性組成物を提供できる。

Claims (4)

  1. (A)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、
    (B)酸により架橋する架橋剤、
    (C)一般式(I)で表される繰り返し単位を構成成分として有するアルカリ可溶性樹脂、及び
    (D)ビニルフェノール由来の構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂
    を含有することを特徴とするネガ型レジスト組成物。
    Figure 2004020933
    式(I)中、Rは、水素原子、ハロゲン原子あるいはアルキル基を表す。Lは単結合又は、二価の連結基を表す。R、R、R及びRはそれぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アシル基、水酸基、チオール基、ハロゲン原子、酸分解性基又は水素原子を表す。ただし、式(I)のベンゼン環上にはオルト位が水素原子とはならない水酸基を少なくとも1つ含有する。
  2. (B)酸により架橋する架橋剤が、一般式(2)〜(4)で表される化合物、及びアルコキシメチル化メラミン化合物から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
    Figure 2004020933
    式(2)〜(4)においてRは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
    式(2)においてR〜Rは、各々独立に、水素原子、水酸基、アルキル基又はアルコキシル基を表す。Xは、単結合、メチレン基又は酸素原子を表す。
  3. (B)酸により架橋する架橋剤が、分子内にベンゼン環を1〜6個有するフェノール誘導体であり、ヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル基を分子内全体で2個以上有し、これらの基をいずれかのベンゼン環原子団に結合している化合物であることを特徴とする請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
  4. 更に(E)塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のネガ型レジスト組成物。
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