JP2003057822A - 電子線又はx線用ネガ型レジスト組成物 - Google Patents

電子線又はx線用ネガ型レジスト組成物

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JP2003057822A
JP2003057822A JP2001250484A JP2001250484A JP2003057822A JP 2003057822 A JP2003057822 A JP 2003057822A JP 2001250484 A JP2001250484 A JP 2001250484A JP 2001250484 A JP2001250484 A JP 2001250484A JP 2003057822 A JP2003057822 A JP 2003057822A
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chemical
acid
resist composition
alkali
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JP2001250484A
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Yutaka Adegawa
豊 阿出川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度を有し、ラフネスが改善され、PBD
安定性及びマーク検出適正に優れた電子線又はX線用ネ
ガ型レジスト組成物を提供する。 【解決手段】(a)電子線又はX線の照射により酸を発
生する化合物、(b)アルカリ可溶性樹脂、及び(c)
酸による架橋する架橋剤を含有するネガ型レジスト組成
物において、(a)成分がカチオン部に非イオン性のB
r、I、SeまたはTeを有するオニウム塩化合物、又
は、ベンゼン環上に、非イオン性のBr、I、Se又は
Te、または非イオン性のBr、I、Se又はTeを含
有する置換基を有するN−ヒドロキシイミドのスルホン
酸エステルであることを特徴とする電子線又はX線用ネ
ガ型レジスト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線又はX線用
ネガ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路はその集積度を益々高めてお
り、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフ
ミンクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が
必要とされるようになってきた。その必要性を満たすた
めにフォトリソグラフィーに用いられる照射装置の使用
波長は益々短波化し、遠紫外光やエキシマレーザー光
(XeCl、KrF、ArFなど)が検討され、更に
は、電子線またはX線により更に微細なパターン形成が
検討されるに至っている。
【0003】特に電子線またはX線は次世代もしくは次
々世代のパターン形成技術として位置づけられ、高感
度、かつラフネスの点で良好なネガ型レジスト組成物の
開発が望まれている。ラフネスとは、レジストの特性に
起因して、レジストのラインパターンと基板界面のエッ
ジが、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動した形状
を呈することを言う。このパターンを真上から観察する
とエッジが凸凹に見え、この凸凹はエッチング工程によ
り基板に転写されるため、凸凹が大きいと電気特性不良
を引き起こし、歩留まりを低下させてしまう。従って、
ラフネスが小さいことが望まれている。
【0004】また、照射装置内での、照射後の加熱処理
の後から現像を行うまでの間の経時で、パターン寸法が
変動してしまうという問題もあり、PBD安定性(Post
Bake Delay安定性)の改善も望まれている。更には、
プロセス適性上、照射装置におけるマーク検出適性が良
好であることも望まれている。特開平9−222727
号には、重原子効果をもつ原子を有する水溶性化合物を
含有する水溶性組成物が示されている。しかしながら、
化学増幅系ネガレジスト組成物においては、重原子の効
果は知られていない。また、レジスト組成物を使用した
半導体製造用あるいはマスク製造用リソグラフィーにお
いては、アルカリ現像後、水によりリンスするため、水
溶性の組成物では現像時に所望の設計寸法に対して寸法
不足を生じたり、現像時膜べりによるドライエッチング
耐性不足、さらにはマスク製造時のウエットエッチング
時の膜べり等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の諸特性を改良し、高感度を有し、ラフネスが改善さ
れ、PBD安定性及びマーク検出適正に優れた電子線又
はX線用ネガ型レジスト組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
下記の電子線又はX線用ネガ型レジスト組成物が提供さ
れて、本発明の上記目的が達成される。 (1)少なくとも(a)電子線又はX線の照射により酸
を発生する化合物、(b)アルカリ可溶性樹脂、及び
(c)酸による架橋する架橋剤を含有するネガ型レジス
ト組成物において、(a)成分がカチオン部に非イオン
性のBr、I、SeまたはTeを有するオニウム塩化合
物であることを特徴とする電子線又はX線用ネガ型レジ
スト組成物。 (2)少なくとも(a)電子線又はX線の照射により酸
を発生する化合物、(b)アルカリ可溶性樹脂、及び
(c)酸による架橋する架橋剤を含有するネガ型レジス
ト組成物において、による架橋する架橋剤を含有するネ
ガ型レジスト組成物において、(a)成分が、ベンゼン
環上に、非イオン性のBr、I、Se又はTe、または
非イオン性のBr、I、Se又はTeを含有する置換基
を有するN−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステルで
あることを特徴とする電子線又はX線用ネガ型レジスト
組成物。 (3) アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(1)で表
わされる構造単位を含み、重量平均分子量が3,000
を超え300,000以下であるアルカリ可溶性樹脂で
あることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電
子線又はX線用ネガ型レジスト組成物。
【0007】
【化4】
【0008】式(1)中、R1aは、水素原子又はメチル
基を表す。 (4) アルカリ可溶性樹脂が、重量平均分子量が3,
000を超え、300,000以下であって、下記条件
(a)および(b)を満たすアルカリ可溶性樹脂である
ことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載
の電子線用及び/又はX線用化学増幅系ネガ型レジスト
組成物。 (a)炭素数6以上20以下の芳香環及び該芳香環に直
接あるいは連結基を介して結合したエチレン性不飽和基
を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を少なく
とも一種有すること。 (b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電
子対の電子数の間に次の関係が成り立つこと。
【0009】
【数2】
【0010】(ここで、Nπは、π電子総数を表し、N
loneは該置換基としての炭素数1以上12以下の直鎖
状、分岐状、あるいは環状のアルコキシ基、アルケニル
オキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ま
たは水酸基の非共有電子対の総電子数を表す。2つ以上
のアルコキシ基または水酸基は隣り合う二つが互いに結
合して5員環以上の環構造を形成してもよい。) (5) アルカリ可溶性樹脂が、以下の一般式(3)〜
(7)で表される繰り返し単位の少なくとも一つを構成
成分として有することを特徴とする前記(4)記載の電
子線またはX線用ネガ型レジスト組成物。
【0011】
【化5】
【化6】
【0012】一般式(3)〜(7)において、 R
101は、水素原子あるいはメチル基を表す。Lは二価の
連結基を表す。Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、
Rj、Rk、Rlはそれぞれ独立に、炭素数1から12の直鎖
状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アラルキル基、あるいは水素原子を表
す。また、これらは互いに連結して炭素数24以下の5
員以上の環を形成しても良い。l,m,n,p,q,r,s,t,u,v,w,
xは0〜3までの整数を表し、l+m+n=2,3、 p+q+r=0,1,
2,3、s+t+u=0,1,2,3、v+w+x=0,1,2,3を満たす。
【0013】また、以下に本発明の好ましい態様を示
す。 (6) 酸により架橋する架橋剤が、分子内にベンゼン
環原子団を3〜5個含み、分子量は1200以下であ
り、ヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル基
をそのベンゼン環原子団に2個以上有するフェノール誘
導体であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいず
れかに記載の電子線またはX線用ネガ型レジスト組成
物。 (7) 有機塩基性化合物を含むことを特徴とする前記
(1)〜(6)のいずれかに記載の電子線またはX線用
ネガ型レジスト組成物。 (8) フッ素系及び/またはシリコン系界面活性剤を
含むことを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに
記載の電子線またはX線用ネガ型レジスト組成物。 (9) 前記アルカリ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/
Mn)が、1.0〜1.4であることを特徴とする前記
(1)〜(8)のいずれかに記載の電子線またはX線用
ネガ型レジスト組成物。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電子線又はX線用
ネガ型レジスト組成物について説明する。 〔1〕 本発明において、(a)成分として使用され
る、カチオン部に非イオン性のBr、I、Se、または
Teを含有する置換基を有するオニウム塩化合物(a
1)について説明する。 (a1)成分としては、下記一般式(I)〜(III)で
表される化合物からなる群から選択される少なくとも1
種のオニウム塩化合物であることが好ましい。
【化7】 (式中R1〜R53は、同一でも異なっていてもよく、水
素原子、分岐状あるいは環状となってもよいアルキル
基、分岐状あるいは環状となってもよいアルコキシ基、
ヒドロキシ基、ハロゲン原子、Se、Te、又は−S−
54基を表す。R54は分岐状あるいは環状となってもよ
いアルキル基又はアリール基を表す。尚、R1〜R15
うち少なくとも1つ、R16〜R43のうち少なくとも1
つ、及びR44〜R53のうち少なくとも1つは、Br、
I、Se又はTe、または非イオン性のBr、I、Se
又はTeを含有する基を表す。また、R1〜R15、R16
〜R43、R44〜R53のうち、2つ以上が結合して、単結
合、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から
選択される1種又は2種以上を含む環を形成してもよ
い。X-は、少なくとも1種の置換されてもよい、炭素
数1〜12個のアルカンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸、または、アントラセンスル
ホン酸のアニオンを表す。)
【0015】一般式(I)〜一般式(III)において、R1
〜R54の直鎖状、分岐状アルキル基としては、置換基を
有してもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のような炭
素数1〜4個のものが挙げられる。環状アルキル基とし
ては、置換基を有してもよい、シクロプロピル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8
個のものが挙げられる。R1 〜R53の直鎖状、分岐状ア
ルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキ
シ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブト
キシ基のような炭素数1〜4個のものが挙げられる。環
状アルコキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキ
シ基、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。R1 〜R
53のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭
素原子、沃素原子を挙げることができる。R54のアリー
ル基としては、例えば、フェニル基、トリル基、メトキ
シフェニル基、ナフチル基のような置換基を有してもよ
い炭素数6〜14個のものが挙げられる。これらの更な
る置換基として好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキ
シ基、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個
のアルケニル基等が挙げられる。
【0016】また、R1〜R15、R16〜R43、R44〜R
53のうち、2つ以上が結合して形成する、単結合、炭素
原子、酸素原子、イオウ原子、及び窒素原子から選択さ
れる1種又は2種以上を含む環としては、例えば、フラ
ン環、ジヒドロフラン環、ピラン環、トリヒドロピラン
環、チオフェン環、ピロール環等を挙げることができ
る。R1 〜R53のBr、I、Se又はTe、または非イ
オン性のBr、I、Se又はTeを含有する置換基以外
の基については、好ましいものは、直鎖状、分岐状、環
状のアルキル基である。
【0017】R1〜R15のうち少なくとも1つ、R16
43のうち少なくとも1つ、R44〜R53のうち少なくと
も1つが有する非イオン性のBr、I、Se又はTeを
含有する置換基としては、R1〜R53としての分岐状あ
るいは環状のアルキル基、及び分岐状あるいは環状とな
ってもよいアルコキシ基、及びR54としての分岐状ある
いは環状のアルキル基又はアリール基における少なくと
もひとつの水素原子が、非イオン性のBr、I、Se又
はTeで置換された基を挙げることができる。好ましく
は、−CHBr2、−CH2Br、−CBr3、−CH
2I、−CHI2、−CI3、−OCHBr2、−OCH2
Br、−OCBr3、−OCH2I、−OCHI2、−O
CI3などを挙げることができ、−CHBr2、−CH2
Br、−CBr3、−CH2I、−CHI2、−CI3が特
に好ましい。R1〜R53としてのBr、I、Se又はT
e、または非イオン性のBr、I、Se又はTeを含有
する基の中では、Br、I、または非イオン性のBr又
はIを含有する基が好ましい。
【0018】一般式(I)〜(III)において、X-は、
置換されていてもよい、メタンスルホン酸、ブタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、
又はアントラセンスルホン酸のアニオンである。好まし
くは、下記基から選択される少なくとも1種の基を有す
るベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はア
ントラセンスルホン酸のアニオンである。 少なくとも1個のフッ素原子 少なくとも1個のフッ素原子で置換された直鎖状、分岐
状あるいは環状アルキル基 少なくとも1個のフッ素原子で置換された直鎖状、分岐
状あるいは環状アルコキシ基 少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアシル基 少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアシロキシ基 少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニル基 少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニルオ
キシ基 少なくとも1個のフッ素原子で置換されたスルホニルア
ミノ基 少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアリール基 少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアラルキル基
及び少なくとも1個のフッ素原子で置換されたアルコキ
シカルボニル基
【0019】上記直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル
基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個の
フッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的に
はトリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、2,
2,2−トリフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル
基、ヘプタフロロイソプロピル基、パーフロロブチル
基、パーフロロオクチル基、パーフロロドデシル基、パ
ーフロロシクロヘキシル基等を挙げることができる。な
かでも、全てフッ素で置換された炭素数1〜4のパーフ
ロロアルキル基が好ましい。
【0020】上記直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキ
シ基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個
のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的
にはトリフロロメトキシ基、ペンタフロロエトキシ基、
ヘプタフロロイソプロピルオキシ基、パーフロロブトキ
シ基、パーフロロオクチルオキシ基、パーフロロドデシ
ルオキシ基、パーフロロシクロヘキシルオキシ基等を挙
げることができる。なかでも、全てフッ素で置換された
炭素数1〜4のパーフロロアルコキシ基が好ましい。
【0021】上記アシル基としては、炭素数が2〜12
であって、1〜23個のフッ素原子で置換されているも
のが好ましい。具体的にはトリフロロアセチル基、フロ
ロアセチル基、ペンタフロロプロピオニル基、ペンタフ
ロロベンゾイル基等を挙げることができる。
【0022】上記アシロキシ基としては、炭素数が2〜
12であって、1〜23個のフッ素原子で置換されてい
るものが好ましい。具体的にはトリフロロアセトキシ
基、フロロアセトキシ基、ペンタフロロプロピオニルオ
キシ基、ペンタフロロベンゾイルオキシ基等を挙げるこ
とができる。
【0023】上記スルホニル基としては、炭素数が1〜
12であって、1〜25個のフッ素原子で置換されてい
るものが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホ
ニル基、ペンタフロロエタンスルホニル基、パーフロロ
ブタンスルホニル基、パーフロロオクタンスルホニル
基、ペンタフロロベンゼンスルホニル基、4−トリフロ
ロメチルベンゼンスルホニル基等を挙げることができ
る。
【0024】上記スルホニルオキシ基としては、炭素数
が1〜12であって、1〜25個のフッ素原子で置換さ
れているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタン
スルホニルオキシ、パーフロロブタンスルホニルオキシ
基、4−トリフロロメチルベンゼンスルホニルオキシ基
等を挙げることができる。
【0025】上記スルホニルアミノ基としては、炭素数
が1〜12であって、1〜25個のフッ素原子で置換さ
れているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタン
スルホニルアミノ基、パーフロロブタンスルホニルアミ
ノ基、パーフロロオクタンスルホニルアミノ基、ペンタ
フロロベンゼンスルホニルアミノ基等を挙げることがで
きる。
【0026】上記アリール基としては、炭素数が6〜1
4であって、1〜9個のフッ素原子で置換されているも
のが好ましい。具体的にはペンタフロロフェニル基、4
−トリフロロメチルフェニル基、ヘプタフロロナフチル
基、ノナフロロアントラニル基、4−フロロフェニル
基、2,4−ジフロロフェニル基等を挙げることができ
る。
【0027】上記アラルキル基としては、炭素数が7〜
10であって、1〜15個のフッ素原子で置換されてい
るものが好ましい。具体的にはペンタフロロフェニルメ
チル基、ペンタフロロフェニルエチル基、パーフロロベ
ンジル基、パーフロロフェネチル基等を挙げることがで
きる。
【0028】上記アルコキシカルボニル基としては、炭
素数が2〜13であって、1〜25個のフッ素原子で置
換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメ
トキシカルボニル基、ペンタフロロエトキシカルボニル
基、ペンタフロロフェノキシカルボニル基、パーフロロ
ブトキシカルボニル基、パーフロロオクチルオキシカル
ボニル基等を挙げることができる。
【0029】最も好ましいX-としてはフッ素置換ベン
ゼンスルホン酸アニオンであり、中でもペンタフルオロ
ベンゼンスルホン酸アニオンが特に好ましい。
【0030】また、上記含フッ素置換基を有するベンゼ
ンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はアントラセ
ンスルホン酸は、さらに直鎖状、分岐状あるいは環状ア
ルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、スルホニル基、
スルホニルオキシ基、スルホニルアミノ基、アリール
基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基(これらの
炭素数範囲は前記のものと同様)、ハロゲン(フッ素を
除く)、水酸基、ニトロ基等で置換されてもよい。
【0031】一般式(I)で表される成分(a1)の具
体例を以下に示す。
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】一般式(II)で表される成分(a1)の具
体例を以下に示す。
【0057】
【化32】
【0058】
【化33】
【0059】
【化34】
【0060】
【化35】
【0061】
【化36】
【0062】
【化37】
【0063】
【化38】
【0064】
【化39】
【0065】一般式(III)で表される成分(a1)の
具体例を以下に示す。
【0066】
【化40】
【0067】
【化41】
【0068】
【化42】
【0069】
【化43】
【0070】
【化44】
【0071】
【化45】
【0072】
【化46】
【0073】
【化47】
【0074】
【化48】
【0075】
【化49】
【0076】
【化50】
【0077】
【化51】
【0078】一般式(I)、(II)の化合物は、例えば
アリールマグネシウムブロミド等のアリールグリニャー
ル試薬と、置換又は無置換のフェニルスルホキシドとを
反応させ、得られたトリアリールスルホニウムハライド
を対応するスルホン酸と塩交換する方法、置換あるいは
無置換のフェニルスルホキシドと対応する芳香族化合物
とをメタンスルホン酸/五酸化二リンあるいは塩化アル
ミニウム等の酸触媒を用いて縮合、塩交換する方法、又
はジアリールヨードニウム塩とジアリールスルフィドを
酢酸銅等の触媒を用いて縮合、塩交換する方法等によっ
て合成すること等ができる。式(III)の化合物は過ヨ
ウ素酸塩を用いて芳香族化合物を反応させること等によ
り合成することができる。また、塩交換に用いるスルホ
ン酸あるいはスルホン酸塩は、市販のスルホン酸クロリ
ドを加水分解する方法、芳香族化合物とクロロスルホン
酸とを反応する方法、芳香族化合物とスルファミン酸と
を反応する方法等によって得ることができる。
【0079】〔2〕(a)成分として使用される、ベン
ゼン環上に、非イオン性のBr、I、Se、またはT
e、又は非イオン性のBr、I、Se、またはTeを含
有する置換基を有するN−ヒドロキシイミドのスルホン
酸エステル(a2)について説明する。好ましい(a
2)成分として、下記一般式(PAG6)で表されるN
−ヒドロキシルイミドのスルホン酸エステル化合物を挙
げることができる。
【0080】
【化52】
【0081】R60は、置換基を有していてもよい、アル
キル基又はアリール基を示す。A60は、置換基を有して
いてもよい、アルキレン基、環状アルキレン基、アルケ
ニレン基、環状アルケニレン基、又はアリーレン基を示
す。但し、式(PAG6)で表される化合物は、R60
はA60で表される構造中に、少なくとも、非イオン性の
Br、I、Se、またはTe、又は非イオン性のBr、
I、Se、またはTeを含有する置換基を有するベンゼ
ン環を含有する。
【0082】上記一般式(PAG6)中、R60は、置換
基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1
〜18、具体例としては、例えば、メチル基、エチル
基、CF3、C49等が挙げられる)、又は、置換基を
有していてもよいアリール基(好ましくは炭素数6〜1
4、具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基
が挙げられる)を示す。
【0083】A60は、置換基を有していてもよい、アル
キレン基(好ましくは炭素数2〜10)、環状アルキレ
ン基(好ましくは炭素数6〜14)、アルケニレン基
(好ましくは炭素数2〜10)、環状アルケニレン基
(好ましくは炭素数6〜14)、又はアリーレン基(好
ましくは炭素数6〜14、例えばベンゼン環、ナフタレ
ン環を含む2価の基)を示す。ここで、環状アルキレン
基としては、シクロヘキサン残基、ノルボルナン残基等
が挙げられる。環状アルケニレン基としては、シクロヘ
キセン残基、ノルボルネン残基等が挙げられる。また、
上記の基中で、環状構造を有するものは、環を構成する
炭素原子の代わりに酸素原子等を含んでいてもよい。
【0084】これら基が有していてもよい置換基とし
て、好ましくは、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数
1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、
塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール
基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロ
キシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5個のアルコキシカ
ルボニル基、ニトロ基、樟脳残基等が挙げられる。以
下、一般式(PAG6)で示される化合物の具体例を示
す。本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0085】
【化53】
【0086】
【化54】
【0087】
【化55】
【0088】
【化56】
【0089】
【化57】
【0090】これらの化合物は、例えばG.F. Jaubert
著、Ber., 28, 360(1895)、D.E. Amesら著、J. Chem. S
oc., 3518(1955)又はM.A. Stolbergら著、J. Amer. Chc
m. Soc., 79, 2615(1957)等に記載の方法により製造さ
れる。環状N−ヒドロキシイミド化合物と、R60−SO
2Cl(式中、R60は前記と同じ意味を有する。)で示
されるスルホン酸クロリドとを、塩基性条件下に、例え
ば、L. Baucrら著、J. Org. Chem., 24, 1293(1959)等
に記載の方法に従い製造することができる。
【0091】成分(a1)及び(a2)は、1種あるい
は2種以上を併用して用いてもよい。成分(a1)及び
(a2)の含有量は、本発明のポジ型電子線又はX線レ
ジスト組成物における全組成物の固形分に対し、通常
0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、
更に好ましくは1〜15重量%である。
【0092】〔3〕成分(a)以外の併用しうる酸発生
化合物 尚、本発明においては、上述した(a1)及び(a2)
成分以外の電子線又はX線の照射により酸を発生する他
の酸発生剤を併用してもよい。併用してもよい酸発生剤
の添加量は、成分(a)の100重量部に対し、通常1
00重量部以下、好ましくは70重量部以下、より好ま
しくは50重量部以下である。そのような併用可能な酸
発生化合物としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラ
ジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、
あるいはマイクロレジスト等に使用されている電子線又
はX線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれ
らの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0093】また、その他の本発明に用いられる電子線
又はX線の照射により酸を発生する化合物としては、た
とえば S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18,
387(1974)、T. S. Bal et al, Polymer, 21, 423(1980)
等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、
同4,069,056号、同 Re 27,992号、特開平3-140140号等
に記載のアンモニウム塩、D. C. Necker et al, Macrom
olecules, 17, 2468(1984)、C. S. Wen et al, Teh, Pr
oc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo,Oct(1988)、
米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホス
ホニウム塩、J. V. Crivello et al, Macromorecules,
10(6), 1307(1977)、Chem. & Eng.News, Nov. 28, p31
(1988)、欧州特許第104,143号、同339,049号、同第410,
201号、特開平2-150848号、特開平2-296514 号等に記載
のヨードニウム塩、J. V. Crivello et al, Polymer J.
17, 73(1985)、J. V. Crivello et al., J. Org. Che
m., 43, 3055(1978)、W. R. Watt et al, J. Polymer S
ci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J. V. Criv
ello et al, Polymer Bull., 14, 279(1985)、J. V. Cr
ivello et al, Macromorecules, 14(5), 1141(1981)、
J. V. Crivelloet al, J. Polymer Sci., Polymer Che
m. Ed., 17, 2877(1979)、欧州特許第370,693号、同16
1,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同
297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同
3,902,114号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,83
3,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同
3,604,581号等に記載のスルホニウム塩、J. V. Crivell
o et al, Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、J. V.
Crivello et al, J. Polymer Sci., Polymer Chem. E
d., 17, 1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C. S.
Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478
Tokyo, Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニ
ウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46-4605号、特
開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736
号、特開昭61-169835号、特開昭61-169837号、特開昭62
-58241号、特開昭62-212401号、特開昭63-70243号、特
開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K. Me
ier et al, J. Rad. Curing, 13(4), 26(1986)、T. P.
Gill et al, Inorg. Chem., 19, 3007(1980)、D. Astru
c, Acc.Chem. Res., 19(12), 377(1896)、特開平2-1614
45号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S. Hayas
e et al, J. Polymer Sci., 25, 753(1987)、E. Reichm
anis et al, J. Pholymer Sci., Polymer Chem. Ed., 2
3, 1(1985)、Q. Q. Zhuetal, J. Photochem., 36, 85,
39, 317(1987)、B. Amit et al, Tetrahedron Lett.,(2
4)2205(1973)、D. H. R. Barton et al, J. Chem Soc.,
3571(1965)、P.M. Collins et al, J. Chem. Soc., Pe
rkin I, 1695(1975)、M. Rudinstein etal, Tetrahedro
n Lett., (17), 1445(1975)、J. W. Walker et al, J.
Am. Chem. Soc., 110, 7170(1988)、S. C. Busman et a
l, J. Imaging Technol., 11(4),191(1985)、H. M. Hou
lihan et al, Macormolecules, 21, 2001(1988)、 P.
M.Collins et al, J. Chem. Soc., Chem. Commun., 532
(1972)、S. Hayase et al, Macromolecules, 18, 1799
(1985)、E. Reichmanis et al, J. Electrochem. Soc.,
Solid State Sci. Technol., 130(6)、F. M. Houlihan
et al, Macromolcules, 21, 2001(1988)、欧州特許第0
290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、
同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531
号、特開昭60-198538号、特開昭53-133022号等に記載の
0−ニトロベンジル型保護基を有する酸発生剤、M.TUNO
OKA et al, Polymer Preprints Japan, 35(8)、G. Bern
er etal, J. Rad. Curing, 13(4)、 W. J. Mijs et al,
Coating Technol., 55(697),45(1983), Akzo、H. Adac
hi et al, Polymer Preprints, Japan, 37(3)、欧州特
許第0199,672号、同84515号、同044,115号、同618,564
号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,7
74 号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特開平3
-140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表さ
れる分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-1
66544号等に記載のジスルホン化合物を挙げることがで
きる。
【0094】また、これらの電子線又はX線の照射によ
り酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又
は側鎖に導入した化合物、たとえば、M. E. Woodhouse
et al, J. Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S. P. P
appas et al, J. Imaging Sci., 30(5), 218(1986)、S.
Kondo et al, Makromol. Chem., Rapid Commun., 9,62
5(1988)、Y. Yamada et al, Makromol. Chem., 152, 15
3, 163(1972)、J. V.Crivello et al, J. Polymer Sc
i., Polymer Chem. Ed., 17, 3845(1979)、米国特許第
3,849,137号、獨国特許第3914407、特開昭63-26653号、
特開昭55-164824号、特開昭62-69263号、特開昭63-1460
38号、特開昭63-163452号、特開昭62-153853号、特開昭
63-146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0095】さらにV. N. R. Pillai, Synthesis, (1),
1(1980)、A. Abad et al, Tetrahedron Lett., (47)45
55(1971)、D. H. R. Barton et al, J. Chem. Soc.,
(C), 329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第1
26,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用
することができる。
【0096】上記電子線又はX線の照射により分解して
酸を発生する化合物の中で、特に有効に併用して用いら
れるものについて以下に説明する。 (1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG
1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG
2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0097】
【化58】
【0098】式中、R201は置換もしくは未置換のアリ
ール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換の
アリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3
を示す。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。具体的には
以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定され
るものではない。
【0099】
【化59】
【0100】
【化60】
【0101】
【化61】
【0102】(2)下記の一般式(PAG3)で表され
るヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表される
スルホニウム塩。
【0103】
【化62】
【0104】ここで式Ar1、Ar2は、各々独立、に置
換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基
としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メル
カプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
【0105】R203、R204、R205は、各々独立に、置
換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好
ましくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8
のアルキル基及びそれらの置換誘導体である。好ましい
置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8の
アルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、シクロアル
キル基、ニトロ基、カルボキシル基、メルカプト基、ヒ
ロドキシ基及びハロゲン原子であり、アルキル基に対し
ては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、ア
ルコシキカルボニル基である。
【0106】Z-はアニオンを表し、具体的には置換基
を有していても良いアルキルスルホン酸、シクロアルキ
ルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、アリ
ールスルホン酸(例えば置換基を有していても良いベン
ゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセン
スルホン酸)等の各アニオンが挙げられる。
【0107】またR203、R204、R205のうちの2つ及
びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又は置換基を介して
結合してもよい。
【0108】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0109】
【化63】
【0110】
【化64】
【0111】
【化65】
【0112】
【化66】
【0113】
【化67】
【0114】
【化68】
【0115】
【化69】
【0116】
【化70】
【0117】
【化71】
【0118】
【化72】
【0119】一般式(PAG3)、(PAG4)で示さ
れる上記オニウム塩は公知であり、例えばJ. W. Knapcz
yk et al, J. Am. Chem. Soc., 91, 145(1969)、A. L.
Maycok et al, J. Org. Chem., 35, 2532,(1970)、E.
Goethas et al, Bull. Soc.Chem. Belg., 73, 546,(196
4)、H. M. Leicester、J. Ame. Chem. Soc., 51, 3587
(1929)、J. V. Crivello et al, J. Polym. Chem. Ed.,
18, 2677(1980)、米国特許第2,807,648号及び同4,247,
473号、特開昭53-101331号等に記載の方法により合成す
ることができる。
【0120】(3)下記一般式(PAG5)で表される
ジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイ
ミノスルホネート誘導体。
【0121】
【化73】
【0122】式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もし
くは未置換のアリール基を示す。R 206 は置換もしくは
未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もし
くは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレ
ン基を示す。具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0123】
【化74】
【0124】
【化75】
【0125】
【化76】
【0126】
【化77】
【0127】
【化78】
【0128】(4)下記一般式(PAG7)で表される
ジアゾジスルホン誘導体。
【0129】
【化79】
【0130】ここでRは、直鎖、分岐又は環状アルキル
基、あるいは置換してもよいアリール基を表す。具体例
としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0131】
【化80】
【0132】〔4〕次に、本発明で(b)成分として使
用されるアルカリ可溶性樹脂について詳述する。本発明
におけるアルカリ可溶性樹脂は、水には不溶であり、ア
ルカリ水溶液には可溶な樹脂(アルカリ可溶性樹脂とも
いう)である。アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度
は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒
以上のものが好ましい。特に好ましくは200Å/秒以
上のものである(Åはオングストローム)。 (1)本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の好ましい態
様の1つは、上記一般式(1)で表わされる構造単位を
含有する樹脂である。一般式(1)で表わされる構造単
位以外に、他の繰返し構造単位を含んでいてもよい。
【0133】本発明に用いられる一般式(1)で表わさ
れる構造単位を含有するアルカリ可溶性樹脂は、下記モ
ノマー(8)、必要により他のモノマーをラジカル重
合、リビングアニオン重合法等により目的のアルカリ可
溶性樹脂を得ることができる。
【0134】
【化81】
【0135】上記の内、分子内に水酸基を有するモノマ
ーを使用する場合は、あらかじめ水酸基を保護しておき
重合後に保護基を外す方法が好ましい。また、酸分解性
の基で保護する場合も、ポリマー合成終了後に保護基を
導入する方法が一般的である。本発明において、前記一
般式(1)で表される繰り返し構造単位の樹脂中の含有
量としては、本発明の効果が発現できうる量であればい
ずれでもよいが、具体的には全繰り返し単位に対して好
ましくは30〜100モル%であり、より好ましくは5
0〜90モル%である。
【0136】(2)本発明におけるアルカリ可溶性樹脂
の他の好ましい態様の1つは、下記条件(a)および
(b)を満たす。 (a)炭素数6以上20以下の芳香環及び該芳香環に直
接あるいは連結基を介して結合したエチレン性不飽和基
を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を少なく
とも一種有すること。 (b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電
子対の電子数の間に式(I)の関係が成り立つこと。
【0137】ここで、Nπは、π電子総数を表し、N
loneは該置換基としての炭素数1以上12以下の直鎖
状、分岐状、あるいは環状のアルコキシ基、アルケニル
オキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ま
たは水酸基の非共有電子対の総電子数を表す。2つ以上
のアルコキシ基または水酸基は隣り合う二つが互いに結
合して5員環以上の環構造を形成してもよい。
【0138】特に、式(I)中のNπ+(1/2)N
loneは、10〜40の範囲であることが二次電子を発生
しやすい構造であるため好ましい。好ましい芳香環とし
ては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フ
ェナントレン環、ビフェニル等を挙げることができ、好
ましい芳香環上の置換基としては、水酸基、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロピル基等を挙げることができ
る。また、π電子総数Nπが10以上となる芳香環(例
えばナフタレン環、アントラセン環またはフェナントレ
ン環、ビフェニルのような芳香環)であれば、この芳香
環上の置換基は非共有電子対を有さない基(Nlone=0
となる基)であっても良く、例えば、水素、飽和アルキ
ル基などを挙げることができる。
【0139】より具体的には、本発明のアルカリ可溶性
樹脂は、一般式(3)〜(7)で表される繰り返し単位
を構成成分として有することが好ましい。
【0140】一般式(3)〜(7)において、 R
101は、水素原子あるいはメチル基を表す。Lは二価の
連結基を表す。Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、
Rj、Rk、Rlはそれぞれ独立に、炭素数1から12の直鎖
状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アラルキル基、あるいは水素原子を表
す。また、これらは互いに連結して炭素数24以下の5
員以上の環を形成しても良い。l,m,n,p,q,r,s,t,u,v,w,
xは0〜3までの整数を表し、l+m+n=2,3、 p+q+r=0,1,
2,3、 s+t+u=0,1,2,3、 v+w+x=0,1,2,3を満たす。
【0141】Ra、Rb、Rcの例としては、水素、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペ
ンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、アリル基、ベンジル基、フ
ェニル基、クミル基などが挙げられる。また、互いに連
結して、メチル置換ジオキソール環、エチル置換ジオキ
ソール環、フェニル置換ジオキソール環、ジメチル置換
ジオキソール環、ジオキサン環を形成するものも例とし
て挙げられる。
【0142】Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlの例
としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロ
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、アリ
ル基、ベンジル基、フェニル基、クミル基などが挙げら
れる。Rd〜Rf、Rg〜Ri又はRj〜Rlは、ジオキソール環、
メチル置換ジオキソール環、エチル置換ジソキソール
環、フェニル置換ジオキソール環、ジメチル置換ジオキ
ソール環、ジオキサン環を形成するものも例として挙げ
られる。
【0143】Lの例としては、単結合、−CH2−、−
COO−、−COOCH2−、−OCH2CH2O−、−
OCH2−、−CONH−などが挙げられる。
【0144】Yの表す各芳香環における、主鎖に結合す
る結合手、あるいは置換基に結合する結合手の位置は芳
香環上のいずれでも良い。
【0145】これらは(9)〜(12)のモノマーの重
合、必要により他のモノマーの共重合によって得ること
ができる。
【0146】
【化82】
【0147】
【化83】 上記において、R1a、R101、Ra〜Rl、l、m、n、p、
q、r、s、t、u、v、w、xは、前記と同義である。上記の
内、分子内に水酸基を有するモノマーを使用する場合
は、あらかじめ水酸基を保護しておき重合後に保護基を
外す方法が好ましい。また、酸分解性の基で保護する場
合も、ポリマー合成終了後に保護基を導入する方法が一
般的である。
【0148】これらの構造の好ましい具体例を以下に挙
げるがこれらに限定されるものではない。
【0149】
【化84】
【0150】
【化85】
【0151】
【化86】
【0152】
【化87】
【0153】
【化88】
【0154】
【化89】
【0155】
【化90】
【0156】
【化91】
【0157】
【化92】
【0158】
【化93】
【0159】
【化94】
【0160】
【化95】
【0161】
【化96】
【0162】
【化97】
【0163】
【化98】
【0164】
【化99】
【0165】
【化100】
【0166】
【化101】
【0167】本発明における、アルカリ可溶性樹脂は、
ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の公知の
方法によって合成できる。対応するモノマーを組み合わ
せてラジカル重合を行うのが最も簡便であるが、モノマ
ーによってはカチオン重合、アニオン重合を利用した場
合に、より好適に合成できる。また、重合開始種によっ
てモノマーが重合以外の反応を起こす場合には、適当な
保護基を導入したモノマーを重合し、重合後に脱保護す
ることによって望む重合体を得ることができる。また、
アルコキシを有する重合体については、対応する水酸基
を有する重合体の水酸基をエーテル化反応を行うことに
よっても望む重合体を得ることができる。重合法につい
ては、実験化学講座28高分子合成、新実験化学講座1
9高分子化学[I]等に記載されている。
【0168】また、本発明のアルカリ可溶性樹脂(1)
及び(2)は、分子量が3、000を超え、300,0
00以下である。好ましくは、重量平均分子量が3,0
00を越え、100,000以下である。より好ましく
は、重量平均分子量が3,000を越え、50,000
以下である。
【0169】上記の合成方法により合成できるアルカリ
可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜
1.5であることが好ましく、これにより、特にレジス
トを高感度化することができる。なお、このような分子
量分布のアルカリ可溶性樹脂は、上記合成方法におい
て、リビングアニオン重合を利用することによって合成
することができる。
【0170】(3)上記(1)、(2)以外の本発明に
おいて用いることができる他のアルカリ可溶性樹脂。本
発明において用いることができる他のアルカリ可溶性樹
脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク
樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−ポリヒドロキ
シスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリ
ヒドロキシスチレン、ハロゲンもしくはアルキル置換ポ
リヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換
マレイミド共重合体、o/p−ヒドロキシスチレン共重
合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一部O
−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メチル
化物、O−(1−メトキシ)エチル化物、O−(1−エ
トキシ)エチル化物、O−2−テトラヒドロピラニル化
物、O−(t−ブトキシカルボニル)メチル化物等)も
しくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%のo−
アセチル化物、O−(t−ブトキシ)カルボニル化物
等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒ
ドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メタク
リル系樹脂及びその誘導体を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0171】特に好ましい他のアルカリ可溶性樹脂は、
ノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、p−
ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキ
ル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレ
ンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、ス
チレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチ
レン−ヒドロキシスチレン共重合体である。該ノボラッ
ク樹脂は、下記の所定のモノマーを主成分として、酸性
触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることによ
り得られる。
【0172】所定のモノマーとしては、フェノール、m
−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のク
レゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノ
ール、3,4−キシレノール、2,3−キシレノール等
のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチル
フェノール、o−エチルフェノール、p−t−ブチルフ
ェノール、p−オクチルフエノール、2,3,5−トリ
メチルフェノール等のアルキルフェノール類、p−メト
キシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジ
メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノ
ール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノー
ル、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノ
ール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノー
ル等のアルコキシフェノール類、2−メチル−4−イソ
プロピルフェノール等のビスアルキルフェノール類、m
−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロ
ロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノー
ルA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ナフトー
ル等のヒドロキシ芳香化合物を単独もしくは2種類以上
混合して使用することができるが、これらに限定される
ものではない。
【0173】アルデヒド類としては、例えばホルムアル
デヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセ
トアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−
フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズア
ルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒド
ロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒ
ド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズア
ルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベ
ンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メ
チルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、
p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデ
ヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラー
ル、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール
体、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール
等を使用することができるが、これらの中で、ホルムア
ルデヒドを使用するのが好ましい。これらのアルデヒド
類は、単独でもしくは2種類以上組み合わせて用いられ
る。酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ
酸等を使用することができる。
【0174】こうして得られたノボラック樹脂の重量平
均分子量は、1,000〜30,000の範囲であるこ
とが好ましい。1,000未満では露光部の現像後の膜
減りが大きく、30,000を越えると現像速度が小さ
くなってしまう。特に好適なのは2,000〜20,0
00の範囲である。また、ノボラック樹脂以外の前記ポ
リヒドロキシスチレン、及びその誘導体、共重合体の重
量平均分子量は、2000以上、好ましくは2000〜
30000、より好ましくは2000〜20000であ
る。ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義さ
れる。
【0175】こうして得られたアルカリ可溶性樹脂の重
量平均分子量は、1,000〜30,000の範囲であ
ることが好ましい。1,000未満では露光部の現像後
の膜減りが大きく、30,000を越えると現像速度が
小さくなってしまう。さらに好適なのは2,000〜2
0,000の範囲である。感度が特に優れている点で特
に好ましいアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、
2,000〜9,000の範囲であり、より好ましくは
2,500〜9,000の範囲であり、さらに好ましく
は3,000〜9,000の範囲である。また、アルカ
リ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜
1.5となる(単分散ポリマー)ほうが現像残さが少な
くなり好ましい。感度が特に優れている点で特に好まし
いアルカリ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、
1.0〜1.4であり、より好ましくは1.0〜1.3
であり、さらに好ましくは1.0〜1.2である。ここ
で、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。す
べてのアルカリ可溶性樹脂の使用量は、レジスト組成物
の全重量(溶媒を除く)を基準として、通常30〜90
重量%、好ましくは50〜80重量%である。
【0176】〔5〕本発明で使用される架橋剤 本発明のネガ型レジスト組成物では、アルカリ可溶性樹
脂、酸発生剤とともに、酸により架橋する化合物(以
下、適宜、酸架橋剤又は単に架橋剤と称する)を使用す
る。 (5)−1 架橋剤は、フェノール誘導体を使用するこ
とができる。好ましくは、分子量が1200以下、分子
内にベンゼン環を3〜5個含み、さらにヒドロキシメチ
ル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個以上有
し、そのヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基を少
なくともいずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振
り分けて結合してなるフェノール誘導体を挙げることが
できる。このようなフェノール誘導体を用いることによ
り、本発明の効果をより顕著にすることができる。ベン
ゼン環に結合するアルコキシメチル基としては、炭素数
6個以下のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル
基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−
プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、i−ブト
キシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキ
シメチル基が好ましい。さらに、2−メトキシエトキシ
基及び、2−メトキシ−1−プロピル基の様に、アルコ
キシ置換されたアルコキシ基も好ましい。これらのフェ
ノール誘導体の内、特に好ましいものを以下に挙げる。
【0177】
【化102】
【0178】
【化103】
【0179】
【化104】
【0180】
【化105】
【0181】
【化106】
【0182】(式中、L1〜L8は、同じであっても異な
っていてもよく、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル
基又はエトキシメチル基を示す。) ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応
するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物
(上記式においてL1〜L8が水素原子である化合物)と
ホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによっ
て得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐた
めに、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具
体的には、特開平6−282067号、特開平7−64
285号等に記載されている方法にて合成することがで
きる。アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体
は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘
導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって
得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐため
に、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具
体的には、欧州特許EP632003A1等に記載され
ている方法にて合成することができる。このようにして
合成されたヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル
基を有するフェノール誘導体は、保存時の安定性の点で
好ましいが、アルコキシメチル基を有するフェノール誘
導体は保存時の安定性の観点から特に好ましい。ヒドロ
キシメチル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個
以上有し、いずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは
振り分けて結合してなるこのようなフェノール誘導体
は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。
【0183】(5)−2 上記フェノール誘導体以外に
も、下記の(i)、(ii)の化合物が架橋剤として使
用できる。 (i) N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチ
ル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合
物 (ii) エポキシ化合物 これらの架橋剤については以下に詳細に説明する。 (i) N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチ
ル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合
物としては、欧州特許公開(以下、「EP−A」と記載
する)第0,133,216号、西独特許第3,63
4,671号、同第3,711,264号に開示された
単量体及びオリゴマー−メラミン−ホルムアルデヒド縮
合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第
0,212,482号に開示されたアルコキシ置換化合
物等に開示されたベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド
縮合物等が挙げられる。更に好ましい例としては、例え
ば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N
−アルコキシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチ
ル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が挙げ
られ、中でもN−アルコキシメチル誘導体が特に好まし
い。
【0184】(ii) エポキシ化合物としては、一つ
以上のエポキシ基を含む、モノマー、ダイマー、オリゴ
マー、ポリマー状のエポキシ化合物を挙げることができ
る。例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンと
の反応生成物、低分子量フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生成物等が挙げられ
る。その他、米国特許第4,026,705号公報、英
国特許第1,539,192号公報に記載され、使用さ
れているエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0185】本発明においては、上記のフェノール誘導
体が好ましい。上記のフェノール誘導体に加え、例えば
上述のような他の架橋剤(i)、(ii)を併用するこ
ともできる。上記のフェノール誘導体に加えて併用しう
る他の架橋剤の比率は、モル比で100/0〜20/8
0、好ましくは90/10〜40/60、更に好ましく
は80/20〜50/50である。
【0186】架橋剤は、全レジスト組成物固形分中、3
〜70重量%、好ましくは5〜50重量%の添加量で用
いられる。架橋剤の添加量が3重量%未満であると残膜
率が低下し、また、70重量%を越えると解像力が低下
し、更にレジスト液の保存時の安定性の点で余り好まし
くない。
【0187】〔6〕本発明の組成物に使用されるその他
の成分 本発明のネガ型レジスト組成物には必要に応じて、更に
有機塩基性化合物、染料、界面活性剤などを含有させる
ことができる。 (6)−1 染料 好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具
体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#1
03、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オ
イルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラ
ックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−5
05(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタ
ルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレッ
ト(CI42535)、ローダミンB(CI45170
B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレ
ンブルー(CI52015)等を挙げることができる。 (6)−2 有機塩基性化合物 本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物
とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中
でも含窒素塩基性化合物が好ましい。好ましい化学的環
境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることが
できる。
【0188】
【化107】
【0189】ここで、R250 、R251 及びR252 は、同
一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜6個のア
ルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数
1〜6個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個
の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R
251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。R
253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なって
もよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。更に好ま
しい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子
を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ま
しくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含
む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基
を有する化合物である。
【0190】好ましい具体例としては、置換もしくは未
置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジ
ン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置
換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未
置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置
換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換
もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプ
リン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしく
は未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジ
ン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換も
しくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げら
れる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル
基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールア
ミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロ
キシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水
酸基、シアノ基である。
【0191】特に好ましい化合物として、グアニジン、
1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テト
ラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダ
ゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル
イミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾー
ル、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−ア
ミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメ
チルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2
−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチル
ピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミ
ノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリ
ジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピ
リジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2
−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチ
ル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イ
ミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジ
ン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、
5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、
ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジ
ン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6
−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラ
ゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエ
チル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定され
るものではない。これらの含窒素塩基性化合物は、単独
であるいは2種以上一緒に用いられる。酸発生剤と有機
塩基性化合物の組成物中の使用割合は、(酸発生剤)/
(有機塩基性化合物)(モル比)=2.5〜300であ
ることが好ましい。該モル比が2.5未満では低感度と
なり、解像力が低下する場合があり、また、300を越
えると露光後加熱処理までの経時でレジストパターンの
太りが大きくなり、解像力も低下する場合がある。(酸
発生剤)/(有機塩基性化合物)(モル比)は、好まし
くは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150で
ある。これら含窒素塩基性化合物の添加は、レジスト膜
の引き置き経時安定性(PCD安定性及びPED安定
性)を改善する効果がある。ここで、PCD(Post Coat
ing Delay)安定性とは、基板にレジスト組成物を塗布
後、照射装置内あるいは装置外に放置した場合の塗膜安
定性であり、また、PED(Post Exposure Delay)安定
性とは、照射後に加熱操作を行うまでの間、照射装置内
あるいは装置外に放置した場合の塗膜安定性である。
【0192】(6)−3 溶剤類 本発明の組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かし
て支持体上に塗布する。ここで使用する溶媒としては、
エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペン
タノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチル
エチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メト
キシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エ
チル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオ
ン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピ
ルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒ
ドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは
混合して使用する。
【0193】(6)−4 界面活性剤類 本発明のネガ型レジスト組成物には、界面活性剤を加え
ることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノール
エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコ
ポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモ
ノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソル
ビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル
類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレ
ンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性
剤、エフトップEF301,EF303,EF352
(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F1
73 (大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC43
0,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガ
ードAG710,サーフロンS−382,SC101,
SC102,SC103,SC104,SC105,S
C106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、
オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業
(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系
(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社
油脂化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロ
イケミカル(株)製)等を挙げることができる。尚、フ
ッ素系及びシリコン系界面活性剤のうち少なくとも1種
の界面活性剤が配合されることが好ましい。また、フッ
素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤が配合され
ることも好ましい。これらの界面活性剤として、例えば
特開昭62-36663号、特開昭61-226746号、特開昭61-2267
45号、特開昭62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7
-230165号、特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開
平9-5988号、米国特許5405720号, 米国特許5360692号,
米国特許5529881号, 米国特許5296330号, 米国特許5436
098号, 米国特許5576143号, 米国特許5296143号, 米国
特許5294511号、 及び、米国特許5824451号記載の界面
活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそ
のまま用いることもできる。 市販の界面活性剤とし
て、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)
製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、
メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本イ
ンキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、10
3、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−
366(トロイケミカル社製)等のフッ素系界面活性剤
又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。また
ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)
製)もシリコン系界面活性剤として用いることができ
る。これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中
の固形分100重量部当たり、通常、0.001〜2重
量部、好ましくは0.01〜1重量部である。これらの
界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつか
の組み合わせで添加することもできる。これらの界面活
性剤の添加により、レジスト膜の面内均一性が増し、解
像力が向上する効果がある。
【0194】精密集積回路素子の製造などにおいてレジ
スト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン
/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透
明基板等)上に、本発明のネガ型フォトレジスト組成物
を塗布し、次に電子線又はX線描画装置を用いて照射を
行い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好な
レジストパターンを形成することができる。本発明のネ
ガ型フォトレジスト組成物の現像液としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナ
トリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無
機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の
第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン
等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチル
アミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、
トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、
ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ
類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカ
リ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール
類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用す
ることもできる。これらの現像液の中で好ましくは第四
アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロオキシド、コリンである。
【0195】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明の内容がこれにより限定されるものでは
ない。 1.構成素材の合成例 (1−1)アルカリ可溶性樹脂 1)3−t−ブトキシスチレン17.6gを乾燥THF
27gに加えた後、窒素気流下70℃に加熱した。反応
温度が安定したところで、和光純薬(株)製アゾ系ラジ
カル開始剤V−601を前記モノマーの2モル%加え、
反応を開始させた。3時間反応させた後、再びV−60
1を2モル%加え、さらに3時間反応させた。反応混合
物をTHFで希釈し、大量のメタノール中に投入し、析
出させた。得られたポリマーを常法により塩酸酸性溶液
下で分解し、ヘキサン中に析出させ、さらに再沈殿精製
を二度繰り返し、減圧下乾燥して(P−1)を得た。T
HF溶媒GPC測定により、分子量(Mw:ポリスチレ
ン換算)、分子量分散度(Mw/Mn)を求めた。 2)モノマーを変更した以外は、ほぼ同様にして(P−
2)〜(P−4)を得た。
【0196】3)3−t−ブトキシスチレン17.6g
を−78℃の脱気乾燥THF中、s−ブチルリチウムを
開始剤としてリビングアニオン重合した。3時間の反応
の後、脱気したメタノールで反応を終了した。さらに、
大量のメタノール中に投入し、析出した粉体をろ過して
集め、さら再沈殿精製を2度繰り返し、減圧乾燥して樹
脂を得た。常法により塩酸酸性下、t−ブトキシ基を分
解して、(P−1’)を得た。
【0197】4)3,4−ジメトキシスチレン16.4
g(0.1mol)、4−t−ブトキシスチレン15
8.7g(0.9mol)を乾燥THFに溶解し、窒素
気流下70℃に加熱し、和光純薬製アゾ系ラジカル開始
剤V−601を前記モノマー総モル数の2%加えた。8
時間反応させた後、反応液をTHFで希釈し、ヘキサン
中で沈殿させ、精製してポリマーを取り出した。常法に
より酸で分解して(P−5)を得た。GPC測定によ
り、重量平均分子量(Mw)、分子量分散度(Mw/M
n)を決定した。上記と同様の方法、及び、保護したモ
ノマー(例:4−ベンジルオキシスチレン)を用いてB
3・EtO2によるカチオン重合とを使い分けて(P−
5')〜(P−42)を合成した。3,4−ジメトキシ
スチレン1.64g(0.01mol)、4−t−ブト
キシスチレン15.9g(0.09mol)を乾燥TH
Fに溶解し、封管中−78℃で1mmolのs−ブチル
リチウムを用い、ガラスシールを破って反応を開始させ
た。大量のヘキサン中に沈殿させ粉体を集めて精製し
た。定法により酸で処理して(P−5''')を得た。
【0198】(2)酸発生剤 1)ペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアン
モニウム塩の合成 ペンタフロロベンゼンスルホニルクロリド25gを氷冷
下メタノール100mlに溶解させ、これに25%テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液100gをゆ
っくり加えた。室温で3時間攪拌するとペンタフロロベ
ンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液が
得られた。この溶液をスルホニウム塩、ヨードニウム塩
との塩交換に用いた。
【0199】2)トリフェニルスルホニウムペンタフロ
ロベンゼンスルホネートの合成 ジフェニルスルホキシド50gをベンゼン800mlに
溶解させ、これに塩化アルミニウム200gを加え、2
4時間還流した。反応液を氷2Lにゆっくりと注ぎ、こ
れに濃塩酸400mlを加えて70℃で10分加熱し
た。この水溶液を酢酸エチル500mlで洗浄し、ろ過
した後にヨウ化アンモニウム200gを水400mlに
溶解したものを加えた。析出した粉体をろ取、水洗した
後酢酸エチルで洗浄、乾燥するとトリフェニルスルホニ
ウムヨージドが70g得られた。トリフェニルスルホニ
ウムヨージド30.5gをメタノール1000mlに溶
解させ、この溶液に酸化銀19.1gを加え、室温で4
時間攪拌した。溶液をろ過し、これに過剰量のペンタフ
ロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の
溶液を加えた。反応液を濃縮し、これをジクロロメタン
500mlに溶解し、この溶液を5%テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗浄した。有
機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮するとトリフ
ェニルスルホニウムペンタフロロベンゼンスルホネート
(I−1)が得られた。
【0200】3)ジ(4−t−アミルフェニル)ヨード
ニウムペンタフロロベンゼンスルホネートの合成 t−アミルベンゼン60g、ヨウ素酸カリウム39.5
g、無水酢酸81g、ジクロロメタン170mlを混合
し、これに氷冷下濃硫酸66.8gをゆっくり滴下し
た。氷冷下2時間攪拌した後、室温で10時間攪拌し
た。反応液に氷冷下、水500mlを加え、これをジク
ロロメタンで抽出、有機相を炭酸水素ナトリウム、水で
洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨ
ードニウム硫酸塩が得られた。この硫酸塩を、過剰量の
ペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニ
ウム塩の溶液に加えた。この溶液に水500mlを加
え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を5%テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗
浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨー
ドニウムペンタフロロベンゼンスルホネート(III-1)が
得られた。その他の化合物についても上記と同様の方法
を用いて合成できる。
【0201】(3) 架橋剤 架橋剤〔HM−1〕の合成 1−〔α−メチル−α-(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕ベンゼン20g(本州化学工業(株)製T
risp−PA)を10%水酸化カリウム水溶液に加
え、撹拌、溶解した。次にこの溶液を撹伴しながら、3
7%ホルマリン水溶液60mlを室温下で1時間かけて
徐々に加えた。さらに室温下で6時間撹伴した後、希硫
酸水溶液に投人した。析出物をろ過し、十分水洗した
後、メタノール30mlより再結晶することにより、下
記構造のヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体
〔HM−1]の白色粉末20gを得た。純度は92%で
あった(液体クロマトグラフィー法)。
【0202】
【化108】
【0203】架橋剤〔MM−1〕の合成 上記合成例で得られたヒドロキシメチル基を有するフェ
ノール誘導体〔HM−1〕20gを1リットルのメタノ
ールに加え、加熱撹拌し、溶解した。次に、この溶液に
濃硫酸1mlを加え、12時間加熱還流した。反応終了
後、反応液を冷却し、炭酸カリウム2gをを加えた。こ
の混合物を十分濃縮した後、酢酸エチル300mlを加
えた。この溶液を水洗した後、濃縮乾固させることによ
り、下記構造のメトキシメチル基を有するフェノール誘
導体〔MM−1〕の白色固体22gを得た。純度は90
%であった(液体クロマトグラフィー法)。
【0204】
【化109】
【0205】さらに、同様にして以下に示すフェノール
誘導体を合成した。
【0206】
【化110】
【0207】
【化111】
【0208】
【化112】
【0209】2.実施例 (1)レジストの塗設 下記表1及び2に示した成分をプロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート8.2gに溶解させ、これ
を0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターにより
ろ過してレジスト溶液を調製した。各試料溶液をスピン
コーターを利用して、シリコンウエハー上に塗布し、1
20℃、90秒間真空吸着型のホットプレートで乾燥し
て、膜厚0.5μmのレジスト膜を得た。
【0210】
【表1】
【0211】
【表2】
【0212】上記表1及び2に示した各成分の詳細を以
下に示す。 <樹脂>
【0213】
【化113】
【0214】
【化114】
【0215】
【化115】
【0216】
【化116】
【0217】
【化117】
【0218】
【化118】
【0219】
【化119】
【0220】
【化120】
【0221】
【化121】
【0222】
【化122】
【0223】
【化123】
【0224】
【化124】
【0225】 P−101: ポリ(p−ヒドロキシスチレン)Mw 10,000 Mw/Mn=1.4 P−102: ノボラック樹脂 m−クレゾール/p−クレゾール=45/55(モル比) Mw 6,500
【0226】
【化125】
【0227】
【化126】
【0228】(溶剤) PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート (有機塩基性化合物) B−1: 2,4,5−トリフェニルイミダゾール B−2: 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−
5−エン B−3: 4−ジメチルアミノピリジン B−4: 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
カ−7−エン B−5: N-シクロヘキシル−N'-モルホリノエチルチ
オウレア (界面活性剤) W−1: トロイゾル S−366(トロイケミカル社
製) W−2: メガファック F−176(大日本インキ化
学工業社製) W−3: メガファック R08(大日本インキ化学工
業社製) W−4: ポリシロキサンポリマー KP−341(信
越化学工業社製) W−5: サーフロン S−382(旭硝子社製)
【0229】(2)レジストパターンの作成 このレジスト膜に電子線描画装置(加速電圧50Ke
V)を用いて照射を行った。照射後にそれぞれ110℃
の真空吸着型ホットプレートで60秒間加熱を行い、
2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間
水でリンスして乾燥した。得られたパターンの断面形状
を走査型電子顕微鏡により観察した。
【0230】〔感度〕0.20μmライン(ライン:ス
ペース=1:1)を解像する時の最小照射量を感度とし
た。0.20μmライン(ライン:スペース=1:1)
が解像しないものついては限界の解像力を解像力とし、
その時の照射量を感度とした。 〔PBD安定性〕上記の方法により得られたレジスト膜
を電子線描画装置(加速電圧50keV)を用いて照射
を行った。照射後に110℃の真空吸着型ホットプレー
トで60秒間加熱を行い、この後120分放置してか
ら、2.38重量%TMAH水溶液で60秒間浸漬し。
30秒間水でリンスして乾燥した。得られたラインアン
ドスペースの断面形状を走査型電子顕微鏡により観察し
た。上記の方法により求めた最小照射量と同一の照射量
で解像できる最小のパターンサイズを求める。このサイ
ズと上記で得られた限界解像力が3%以内であるものを
PBD安定性合格(○)とする。3%を超え、5%以内
であるものをPBD安定性許容(△)とする。5%を超
えるものをPBD安定性不可(×)とする。
【0231】〔エッジラフネス〕ラインパターンの長手
方向のエッジ5μmの範囲について、エッジがあるべき
基準線からの距離を測長SEM((株)日立製作所製S
−8840)により50ポイント測定し、標準偏差を求
め、3σを算出した。3σが比較例1より小さいものは
○、同等のものは△、大きいものは×とした。表1及び
2のレジストの性能評価結果を、それぞれ、表3及び4
に示した。
【0232】
【表3】
【0233】
【表4】
【0234】〔評価結果の説明〕上記の結果は、本発明
に係る含窒素化合物、アルカリ可溶性樹脂、架橋剤と酸
発生剤を用いたレジスト組成物が、本発明以外の組成物
〔比較例1〜3〕よりも高感度で、PBD安定性も向上
し、優れた性能を有することを示している。また、実施
例5、9、25、28において、単分散のアルカリ可溶
性樹脂を用いると、更に感度が著しく向上することが判
る。
【0235】実施例1において、酸発生剤I−1〜I−
12、II−21〜II−23、III−64〜III−70
に変更して実施したところ、同様な効果が観察された。
尚、実施例1及び54において、有機塩基性化合物をB
−1から、それぞれ、B−2、B−3、B−4、B−5
に変更して実施したところ、同等の性能が得られた。ま
た、実施例1及び54において界面活性剤をW−1か
ら、それぞれW−2、W−3、W−4、W−5に変更し
て実施したところ、同等の性能が得られた。さらに、実
施例1及び54において、溶剤をプロピレングリコール
モノメチルエーテルに変更し、同様に実施したところ、
同様の結果が得られた。
【0236】[実施例4]実施例1及び54の各レジス
ト溶液を8インチシリコンウエハ上に、上記と同様に塗
布、処理を行い、面内均一性測定用のレジスト塗布膜を
得た。これを大日本スクリーン社製 Lambda A にて、塗
布膜厚をウエハ直径方向にそって十字になるように均等
に36カ所測定した。測定値の標準偏差をとり、その3
倍が50に満たないものを○、50以上のものを×とし
て評価した。結果は、すべて、○であった。
【0237】[実施例5]これらのレジスト評価におい
て、位置合わせ用マーク検出について全く問題が観察さ
れなかった。
【0238】また、X線投影装置を用いた評価において
も同様の効果が見られた。
【0239】
【発明の効果】本発明の電子線及びX線用ネガ型レジス
ト組成物により、感度、PBD安定性に優れ、エッジラ
フネスが小さく、マーク検出適性に優れたネガ型レジス
ト組成物を提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも(a)電子線又はX線の照射に
    より酸を発生する化合物、(b)アルカリ可溶性樹脂、
    及び(c)酸により架橋する架橋剤を含有するネガ型レ
    ジスト組成物において、(a)成分がカチオン部に非イ
    オン性のBr、I、SeまたはTeを含有するオニウム
    塩化合物であることを特徴とする電子線又はX線用ネガ
    型レジスト組成物。
  2. 【請求項2】少なくとも(a)電子線又はX線の照射に
    より酸を発生する化合物、(b)アルカリ可溶性樹脂、
    及び(c)酸により架橋する架橋剤を含有するネガ型レ
    ジスト組成物において、(a)成分が、ベンゼン環上
    に、非イオン性のBr、I、Se又はTe、または非イ
    オン性のBr、I、Se又はTeを含有する置換基を有
    するN−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステルである
    ことを特徴とする電子線又はX線用ネガ型レジスト組成
    物。
  3. 【請求項3】 アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式
    (1)で表わされる構造単位を含み、重量平均分子量が
    3,000を超え300,000以下であるアルカリ可
    溶性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の電子線又はX線用ネガ型レジスト組成物。 【化1】 式(1)中、R1aは、水素原子又はメチル基を表す。
  4. 【請求項4】 アルカリ可溶性樹脂が、重量平均分子量
    が3,000を超え、300,000以下であって、下
    記条件(a)および(b)を満たすアルカリ可溶性樹脂
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の電子線又はX線用ネガ型レジスト組成物。 (a)炭素数6以上20以下の芳香環及び該芳香環に直
    接あるいは連結基を介して結合したエチレン性不飽和基
    を有するモノマーから誘導される繰り返し単位を少なく
    とも一種有すること。 (b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電
    子対の電子数の間に次の関係が成り立つこと。 【数1】 (ここで、Nπは、π電子総数を表し、Nloneは該置換
    基としての炭素数1以上12以下の直鎖状、分岐状、あ
    るいは環状のアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリ
    ールオキシ基、アラルキルオキシ基、または水酸基の非
    共有電子対の総電子数を表す。2つ以上のアルコキシ基
    または水酸基は隣り合う二つが互いに結合して5員環以
    上の環構造を形成してもよい。)
  5. 【請求項5】 アルカリ可溶性樹脂が、以下の一般式
    (3)〜(7)で表される繰り返し単位の少なくとも一
    つを構成成分として有することを特徴とする請求項4に
    記載の電子線またはX線用ネガ型レジスト組成物。 【化2】 【化3】 一般式(3)〜(7)において、 R101は、水素原子あ
    るいはメチル基を表す。Lは二価の連結基を表す。Ra、
    Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlはそれぞ
    れ独立に、炭素数1から12の直鎖状、分岐状、あるい
    は、環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ア
    ラルキル基、あるいは水素原子を表す。また、これらは
    互いに連結して炭素数24以下の5員以上の環を形成し
    ても良い。l,m,n,p,q,r,s,t,u,v,w,xは0〜3までの整
    数を表し、l+m+n=2,3、 p+q+r=0,1,2,3、 s+t+u=0,1,2,
    3、 v+w+x=0,1,2,3を満たす。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008290947A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 化合物、酸発生剤、レジスト組成物およびレジストパターン形成方法
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JPWO2018117167A1 (ja) * 2016-12-21 2019-10-31 東洋合成工業株式会社 感光性化合物、該感光性化合物を含有する光酸発生剤及びレジスト組成物、並びに、該レジスト組成物を用いたデバイスの製造方法

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