JP4121309B2 - ネガ型レジスト組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性放射線(電子線、X線、又はEUV(Extreme Ultraviolet))の照射によるパターン形成用又はフォトマスク製造用のネガ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路はその集積度を益々高めており、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフミンクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必要とされるようになってきた。その必要性を満たすためにフォトリソグラフィーに用いられる照射装置の使用波長は益々短波化し、今では、遠紫外光やエキシマレーザー光(XeCl、KrF、ArFなど)が検討されるまでなってきている。更に、電子線またはX線により更に微細なパターン形成が検討されるに至っている。
【0003】
特に電子線あるいはX線は次世代もしくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられている。
電子線リソグラフィーは、加速された電子線がレジスト材料を構成する原子と衝突散乱を起こす過程でエネルギーを放出し、レジスト材料を感光させるものである。高加速化した電子線を用いることで直進性が増大し、電子散乱の影響が少なくなり高解像のパターン形成が可能となるが、一方では電子線の透過性が高くなり、感度が低下してしまう。この様に、電子線リソグラフィーにおいては、感度と解像性・レジスト形状がトレードオフの関係にあり、これを如何に両立し得るかが課題であった。
【0004】
また、リソグラフィー技術の加工精度は、焼き付け回路のネガの役割を果たすフォトマスクの寸法精度によって左右される。したがって、矩形の断面形状を有し、寸法精度の良いマスクパターンを得ることが、半導体集積回路の製造歩留まりを向上させる上で、重要な課題となっている。
更に進んだ露光技術では、光の波長以下のパターン寸法を半導体基板に焼きつけるために、フォトマスクの一部に光の位相を反転させるシフタを設けた位相シフトマスクが必要となる。その結果、フォトマスクにおいても、クォーターミクロンレベルの微細加工が必要とされ、高解像度を実現できるマスク製造技術の開発が必須となってきている。
【0005】
従来より化学増幅型ネガレジストについては種々のアルカリ可溶性樹脂が提案されてきた。特開平8−152717号には部分アルキルエーテル化されたポリビニルフェノールが、特開平6−67431号、特開平10−10733号にはビニルフェノールとスチレンの共重合体が、特許第2505033号にはノボラック樹脂が、特開平7−311463号、特開平8−292559号には単分散ポリビニルフェノールがそれぞれ開示されているが、これらのアルカリ可溶性樹脂では電子線あるいはX線照射下での感度と解像性の特性を両立し得るものではなかった。
【0006】
特開平10−282668号には分岐高分子からなり,該高分子鎖の末端に電磁波又は電子線照射により誘起される化学反応により架橋反応を起こす官能基を有する感放射線性樹脂材料が開示されており、具体的には、デンドリマー末端に二重結合を有する高分子を光ラジカル発生剤とともに使用する例、及び水酸基、メルカプト基、アミノ基をデンドリマー末端に有し、架橋剤を反応させる例が記載されている。しかしながら、末端二重結合や反応する水酸基、メルカプト基、アミノ基等官能基を持たないデンドリマーで、酸触媒反応による炭素・炭素結合形成を利用した化学増幅レジストはについては記載されていない。
【0007】
電子線レジストでは、まずバインダーが電子線を受け,ここから発生する二次電子を酸発生剤が受け取って分解し、酸が発生すると報告されている。バインダーに二次電子を発生しやすい構造、形態をとりいれることにより酸発生効率が高く、電子線レジストに有利と考えられる。
また、EUV(13nm)やX線レジストも同じく二次電子により酸発生剤が分解して酸が発生すると報告されており、バインダーに二次電子を発生しやすい構造、形態をとりいれることは同様に有効に作用するものと考えられる。
【0008】
J.Vac.Sci.Technol.,B(1998)16(6),3701には、画像形成用アクリルポリマーの幹に,帯電防止用の導電ポリマーの枝をグラフトしたグラフトポリマーを用いたネガ型レジスト材料によって電子線リソグラフィー時のパターンずれを防止する技術が記載されている。しかしながら,高感度と高解像力を両立するには不十分であった.
また,米国特許5055379号にはゼラチンを枝部としてグラフトした染料含有微粒子を含むネガ型ホトレジストが開示されているが,電子線あるいはX線露光において高感度と高解像力を両立するものではない。
また、Polymer(1990), 31(8)には,光架橋性シリコン含有グラフトポリマーを用いて架橋効率を向上した2層レジストシステムが記載されているが,電子線あるいはX線露光において高感度と高解像力を両立するのにはまだ不十分であった。
【0009】
特開平2−103215号には,アルキル基,ハロゲン置換されたアルキル基,アルキルエーテル基、あるいは、フェニルアルキル基を有するアクリルアミドポリマーあるいは、アクリルエステルポリマーを枝部に有するグラフトポリマーを有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物により支持体密着性が向上する技術が開示されているが、電子線あるいはX線露光において高感度と高解像力を両立するには不十分であった。
さらに、Indian J.Technol.,(1976)14(9)、444には、4−及び4'−グリシドキシカルコンに枝部として無水マレイン酸/スチレン交互共重合体をグラフトしたグラフトポリマーを有するUV架橋のネガ型ホトレジストが開示されているが、電子線あるいはX線露光において高感度と高解像力を両立するのにはまだ不十分であった。
また、これらの組成物やプロセスによって現像欠陥を改良することも十分ではなかった。
【0010】
また、従来の電子線及びX線用レジスト組成物は、高感度、高解像力とともに、現像欠陥を低減することは困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、半導体、フォトマスク製造等のための、活性放射線(電子線、X線、又はEUV)の照射によるパターン形成において、高感度、高解像力で、現像欠陥が低減されたネガ型レジスト組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明によれば、下記のネガ型レジスト組成物により上記目的が達成される。
【0013】
(1)(A)アルカリ可溶性樹脂、
(B)活性放射線の照射により酸を発生する化合物、
(C)酸触媒により炭素−炭素結合を生成する架橋剤、
(D)有機塩基性化合物、及び、
(E)界面活性剤を含有し、該アルカリ可溶性樹脂がジフェニルメタン骨格を有さないデンドリマー(アルカリ可溶性デンドリマー)であることを特徴とするネガ型レジスト組成物。
(2)該アルカリ可溶性樹脂が、繰り返し単位が共有結合によってのみ結合しているデンドリマーであることを特徴とする上記(1)に記載のネガ型レジスト組成物。
(3)該アルカリ可溶性樹脂が、エチレンイミンよりも塩基性が低い構造のみからなるデンドリマーであることを特徴とする上記(1)または(2)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
(4)該アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(1)で表わされる構造単位を含み、重量平均分子量が300,000以下であるデンドリマーであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
【0014】
【化2】
Figure 0004121309
【0015】
式中、R1及びR1’は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はハロアルキル基を表す。R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、あるいはアシル基を表す。R3及びR4は、同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、もしくはアリール基を表す。
Aは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、もしくはアリーレン基、又は−O−、−SO2−、−O−CO−R5−、−CO−O−R6−、−CO−N(R7)−R8−を表す。
5、R6、R8は、同じでも異なっていても良く、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、もしくはアリーレン基の単独又はこれらの基の少なくとも2つの組み合わせ、又はこれらの基とエーテル構造、エステル構造、アミド構造、ウレタン構造もしくはウレイド構造の群より選択される少なくとも1種が一緒になって形成した2価の基を表す。
7は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。
mは2又は3、nは0又は1、但しm+n≦3であり、Xは−CH2−、−O−、−S−を示す。また複数のR2、又はR2とR3もしくはR4が結合して環を形成しても良い。
【0016】
更に、好ましい態様を以下に挙げる。
(5)前記アルカリ可溶性デンドリマーが、重量平均分子量が300,000以下であって、下記条件(a)および(b)を満たすことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
(a)炭素数6以上20以下の芳香環を含む繰り返し単位を少なくとも一種有すること。(b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電子対の電子数の間に次の関係が成り立つこと。
【0017】
【数1】
Figure 0004121309
【0018】
(ここで、Nπは、π電子総数を表し、Nloneは、該置換基としての、炭素数1以上12以下の、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基もしくはアラルキルオキシ基、または水酸基の非共有電子対の総電子数を表す。2つ以上のアルコキシ基または水酸基は隣り合う二つが互いに結合して5員環以上の環構造を形成してもよい。)
【0019】
(6)前記アルカリ可溶性デンドリマーが、以下の一般式(3)〜(6)のいずれかで表される繰り返し単位の少なくとも一つを構成成分として有することを特徴とする上記(5)に記載のネガ型レジスト組成物。
【0020】
【化3】
Figure 0004121309
【0021】
【化4】
Figure 0004121309
【0022】
一般式(3)〜(6)において、 L及びL’は、各々独立に、二価の連結基を表す。Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1から12の、アルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表す。また、これらは互いに連結して炭素数24以下の5員以上の環を形成しても良い。p,q,r,s,t,u,v,w,xは0〜3までの整数を表し、p+q+r=0,1,2,3、 s+t+u=0,1,2,3、 v+w+x=0,1,2,3を満たす。
【0023】
(7)(B)成分の化合物が、スルホニウム又はヨードニウムのスルホン酸塩化合物から選択されることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
(8)(B)成分の化合物が、N−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステル化合物であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
(9)(C)成分が、分子内にベンゼン環原子団を3〜5個含み、分子量は1200以下であり、ヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル基をそのベンゼン環原子団に2個以上有するフェノール誘導体であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
【0024】
(10)溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとプロピレングリコールモノメチルエーテルとの混合溶媒を含有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のネガ型レジスト組成物について説明する。
【0026】
〔1〕活性放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、酸発生剤ともいう)
本発明において用いられる酸発生剤は、活性放射線(電子線、X線又はEUV)の照射により酸を発生する化合物であればいずれの化合物でも用いることができる。
そのような酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の電子線またはX線の照射により酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0027】
例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表されるスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物を挙げることができる。
また、これらの酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した化合物、たとえば、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の酸を発生する化合物も使用することができる。
【0028】
本発明においては、有機酸を発生するオニウム塩化合物が好ましく、特に好ましくは下記一般式(I)〜一般式(III)で示されるオニウム塩化合物である。
【0029】
【化5】
Figure 0004121309
【0030】
〔一般式(I)〜(III)において、R1〜R37は、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、又は−S−R38で示せる基を表す。−S−R38中のR38は、アルキル基又はアリール基を表す。R1〜R38は、同一であってもよく、異なっていてもよい。R1〜R15の場合、その中から選択される二つ以上は互いに直接末端で結合しあい、あるいは酸素、イオウ及び窒素から選ばれる元素を介して結合しあって環構造を形成していてもよい。R16〜R27の場合も、同じように環構造を形成していてもよい。R28〜R37の場合も、同じように環構造を形成していてもよい。
-はスルホン酸のアニオンである。〕
【0031】
一般式(I)〜一般式(III)中のR1〜R37は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、または、−S−R38で示すことができる基である。
【0032】
1〜R37が表すアルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状でもよい。直鎖状又は分岐状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基など、例えば炭素数1〜4個のアルキル基を挙げることができる。環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など炭素数3〜8個のアルキル基を挙げることができる。
1〜R37が表すアルコキシ基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状アルコキシ基でもよい。直鎖状又は分岐状アルコキシ基としては、例えば炭素数1〜8個のもの例えばメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、オクチルオキシ基などを挙げることができる。環状アルコキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0033】
1〜R37が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。
1〜R37が表す−S−R38中のR38は、アルキル基、又はアリール基である。R38が表すアルキル基の範囲としては、例えばR1〜R37が表すアルキル基として既に列挙したアルキル基中のいずれをも挙げることができる。
38が表すアリール基は、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基など、炭素数6〜14個のアリール基を挙げることができる。
1〜R38が表すアルキル基以下、アリール基までは、いずれも基の一部に更に置換基を結合して炭素数を増やしていてもよく、置換基を有していなくてもよい。更に結合していてもよい置換基としては、好ましくは、炭素数1〜4個のアルコキシ基、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基を挙げることができ、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等も挙げることができる。その他、ハロゲン原子でもよい。たとえば、フッ素原子、塩素原子、沃素原子を挙げることができる。
【0034】
一般式(I)中のR1〜R15で示す基は、そのうちの2つ以上が結合し、環を形成していてもよい。環は、R1〜R15で示す基の末端が直接結合して形成してもよい。炭素、酸素、イオウ、及び窒素から選択される1種又は2種以上の元素を介して間接的に結びあい、環を形成していてもよい。
1〜R15のうちの2つ以上が結合して形成する環構造としては、フラン環、ジヒドロフラン環、ピラン環、トリヒドロピラン環、チオフェン環、ピロール環などに見られる環構造と同一の構造を挙げることができる。一般式(II)中のR16〜R27についても同様のことを言うことができる。2つ以上が直接又は間接に結合し、環を形成していてもよい。一般式(III)中のR28〜R37についても同様である。
【0035】
一般式(I)〜(III)はX-を有する。一般式(I)〜(III)が有するX-は、スルホン酸のアニオンである。アニオンを形成している酸は、アルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸の中から選択される酸であることが好ましい。酸には1以上のフッ素原子が置換しているとより好ましい。又はその酸は、そのフッ素原子とともにあるいはフッ素原子に代え、アルキル基、アルコキシル基、アシル基、アシロキシル基、スルホニル基、スルホニルオキシ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、からなる群から選択された少なくとも1種の有機基を有し、しかも、その有機基は少なくとも1個のフッ素原子を更に置換していることが好ましい。また、上記のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸は、フッ素以外のハロゲン原子、水酸基、ニトロ基等で置換されていてもよい。
【0036】
-のアニオンを形成するベンゼンスルホン酸などに結合するアルキル基は、例えば炭素数1〜12のアルキル基である。
アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状でもよい。少なくとも1個のフッ素原子、好ましくは25個以下のフッ素原子が置換している。具体的にはトリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、2,2,2−トリフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基、ヘプタフロロイソプロピル基、パーフロロブチル基、パーフロロオクチル基、パーフロロドデシル基、パーフロロシクロヘキシル基等を挙げることができる。なかでも、全てフッ素で置換された炭素数1〜4のパーフロロアルキル基が好ましい。
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合するアルコキシ基は、炭素数が1〜12のアルコキシ基である。アルコキシ基は、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状でもよい。少なくとも1個のフッ素原子、好ましくは25個以下のフッ素原子が置換している。
具体的にはトリフロロメトキシ基、ペンタフロロエトキシ基、ヘプタフロロイソプロピルオキシ基、パーフロロブトキシ基、パーフロロオクチルオキシ基、パーフロロドデシルオキシ基、パーフロロシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。なかでも、全てフッ素で置換された炭素数1〜4のパーフロロアルコキシ基が好ましい。
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合するアシル基は、炭素数2〜12、1〜23個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロアセチル基、フロロアセチル基、ペンタフロロプロピオニル基、ペンタフロロベンゾイル基等を挙げることができる。
【0037】
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合するアシロキシ基は、炭素数が2〜12、1〜23個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロアセトキシ基、フロロアセトキシ基、ペンタフロロプロピオニルオキシ基、ペンタフロロベンゾイルオキシ基等を挙げることができる。
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合するスルホニル基としては、炭素数が1〜12、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホニル基、ペンタフロロエタンスルホニル基、パーフロロブタンスルホニル基、パーフロロオクタンスルホニル基、ペンタフロロベンゼンスルホニル基、4−トリフロロメチルベンゼンスルホニル基等を挙げることができる。
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合する上記スルホニルオキシ基としては、炭素数が1〜12、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホニルオキシ、パーフロロブタンスルホニルオキシ基、4−トリフロロメチルベンゼンスルホニルオキシ基等を挙げることができる。
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合する上記スルホニルアミノ基としては、炭素数が1〜12であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホニルアミノ基、パーフロロブタンスルホニルアミノ基、パーフロロオクタンスルホニルアミノ基、ペンタフロロベンゼンスルホニルアミノ基等を挙げることができる。
【0038】
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合する上記アリール基としては、炭素数が6〜14、1〜9個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはペンタフロロフェニル基、4−トリフロロメチルフェニル基、ヘプタフロロナフチル基、ノナフロロアントラニル基、4−フロロフェニル基、2,4−ジフロロフェニル基等を挙げることができる。
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合する上記アラルキル基としては、炭素数が7〜10、1〜15個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはペンタフロロフェニルメチル基、ペンタフロロフェニルエチル基、パーフロロベンジル基、パーフロロフェネチル基等を挙げることができる。
アルキル基とともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合する上記アルコキシカルボニル基としては、炭素数が2〜13、1〜25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメトキシカルボニル基、ペンタフロロエトキシカルボニル基、ペンタフロロフェノキシカルボニル基、パーフロロブトキシカルボニル基、パーフロロオクチルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0039】
このようなアニオンの中で、最も好ましいX-はフッ素置換ベンゼンスルホン酸アニオンであり、中でもペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンが特に好ましい。
また、上記含フッ素置換基を有するアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸は、さらに直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、スルホニル基、スルホニルオキシ基、スルホニルアミノ基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基(これらの炭素数範囲は前記のものと同様)、ハロゲン(フッ素を除く)、水酸基、ニトロ基等で置換されてもよい。
【0040】
以下に、これらの一般式(I)〜(III)で表される化合物及びその他の具体例を示すが、これに限定されるものではない。また、以下の具体例の各化合物のカチオン部と別の化合物のアニオン部と組み合わせた化合物も、酸発生剤の具体例として例示できる。
一般式(I)で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0041】
【化6】
Figure 0004121309
【0042】
【化7】
Figure 0004121309
【0043】
【化8】
Figure 0004121309
【0044】
一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0045】
【化9】
Figure 0004121309
【0046】
【化10】
Figure 0004121309
【0047】
一般式(III)で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0048】
【化11】
Figure 0004121309
【0049】
【化12】
Figure 0004121309
【0050】
【化13】
Figure 0004121309
【0051】
式(I)〜(III)で表される化合物以外の化合物の具体例を以下に示す。
【0052】
【化14】
Figure 0004121309
【0053】
【化15】
Figure 0004121309
【0054】
【化16】
Figure 0004121309
【0055】
【化17】
Figure 0004121309
【0056】
【化18】
Figure 0004121309
【0057】
【化19】
Figure 0004121309
【0058】
一般式(I)、一般式(II)の化合物は、次のような方法で合成できる。例えば、アリールマグネシウムブロミドなどのアリールグリニャール試薬とフェニルスルホキシドとを反応させ、得られたトリアリールスルホニウムハライドを対応するスルホン酸と塩交換する。別の方法もある。例えば、フェニルスルホキシドと対応する芳香族化合物をメタンスルホン酸/五酸化二リンあるいは塩化アルミなどの酸触媒を用いて縮合、塩交換する方法がある。また、ジアリールヨードニウム塩とジアリールスルフィドを酢酸銅などの触媒を用いて縮合、塩交換する方法などによって合成できる。上記のいずれの方法でも、フェニルスルホキシドは、置換基をベンゼン環に置換させていてもよく、そのような置換基がなくてもよい。
一般式(III)の化合物は過ヨウ素酸塩を用いて芳香族化合物を反応させることにより合成可能である。
【0059】
また、本発明で使用される酸発生剤としては、N−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステル化合物が好ましい。
N−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステル化合物としては、例えば下記一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体が挙げられる。
【0060】
【化20】
Figure 0004121309
【0061】
60は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。A60は、置換基を有していてもよい、アルキレン基、環状アルキレン基、アルケニレン基、環状アルケニレン基、又はアリーレン基を示す。
上記一般式(PAG6)中、R60は、置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜18、具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、CF3、C49等が挙げられる)、又は、置換基を有していてもよいアリール基(好ましくは炭素数6〜14、具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる)を示す。
【0062】
60は、置換基を有していてもよい、アルキレン基(好ましくは炭素数2〜10)、環状アルキレン基(好ましくは炭素数6〜14)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜10)、環状アルケニレン基(好ましくは炭素数6〜14)、又はアリーレン基(好ましくは炭素数6〜14、例えばベンゼン環、ナフタレン環を含む2価の基)を示す。ここで、環状アルキレン基としては、シクロヘキサン残基、ノルボルナン残基等が挙げられる。環状アルケニレン基としては、シクロヘキセン残基、ノルボルネン残基等が挙げられる。
また、上記の基中で、環状構造を有するものは、環を構成する炭素原子の代わりに酸素原子等を含んでいてもよい。
【0063】
これら基が有していてもよい置換基として、好ましくは、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5個のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、樟脳残基等が挙げられる。
【0064】
以下、一般式(PAG6)で示される化合物の具体例を示す。本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0065】
【化21】
Figure 0004121309
【0066】
【化22】
Figure 0004121309
【0067】
【化23】
Figure 0004121309
【0068】
【化24】
Figure 0004121309
【0069】
【化25】
Figure 0004121309
【0070】
これらの化合物は、例えばG.F. Jaubert著、Ber., 28, 360(1895)、D.E. Amesら著、J. Chem. Soc., 3518(1955)又はM.A. Stolbergら著、J. Amer. Chcm. Soc., 79, 2615(1957)等に記載の方法により製造される。
環状N−ヒドロキシイミド化合物と、R60−SO2Cl(式中、R60は前記と同じ意味を有する。)で示されるスルホン酸クロリドとを、塩基性条件下に、例えば、L. Baucrら著、J. Org. Chem., 24, 1293(1959)等に記載の方法に従い製造することができる。
【0071】
本発明で使用する酸発生剤の含有量は、全ネガ型レジスト組成物の固形分に対し、0.1〜20重量%が適当であり、好ましくは0.5〜15重量%、更に好ましくは1〜12重量%である。
【0072】
(他の酸発生剤)
本発明においては、上記一般式(I)〜一般式(III)で表わされる化合物または(PAG6)で表される化合物と共に、電子線、X線、又はEUVの照射により分解して酸を発生する他の化合物を併用してもよい。一般式(I)〜一般式(III)または(PAG6)で表わされる化合物とともに電子線、X線、又はEUVの照射により分解して酸を発生する他の化合物を用いる場合には、一般式(I)〜一般式(III)または(PAG6)で表わされる化合物と、電子線、X線、又はEUVの照射により分解して酸を発生する他の化合物との比率は、モル比で100/0〜20/80、好ましくは90/10〜40/60、更に好ましくは80/20〜50/50である。
【0073】
〔2〕アルカリ可溶性デンドリマー
本発明においてアルカリ可溶性樹脂として、水には不溶であり、アルカリ水溶液には可溶なデンドリマー(アルカリ可溶性デンドリマー)が使用される。
アルカリ可溶性デンドリマーのアルカリ溶解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20Å/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは200Å/秒以上のものである(Åはオングストローム)。
【0074】
本発明で使用されるアルカリ可溶性樹脂はデンドリマーである。
デンドリマーとは、規則正しい多分岐構造を有し、三次元ナノスケールでは球状構造を有する樹木状多分岐巨大分子(一般的に直径数nm〜十数nm)である。デンドリマーについては「デンドリマーの科学と機能、岡田鉦彦編著(2000)、アイピーシー」に記載されている。
デンドリマーにおいて重合度は、中心からの枝部分の繰り返し回数(世代ともいう)で表現される。本発明で使用されるデンドリマーは、3世代以上であることが好ましく、特に好ましくは3〜8世代である。
また、デンドリマーは、多分岐構造が規則正しいことから、分子量分布が狭い。デンドリマーの分子量分布(Mw/Mn)は通常1.0〜1.1である。
【0075】
本発明において使用されるデンドリマーはアルカリ可溶性であり、アルカリ可溶性基を有するものである。
【0076】
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸、スルホン酸、スルホンアミド等が挙げられるが、フェノール性水酸基が好ましい。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、フェノール誘導体、安息香酸誘導体、フェニルスルホン酸誘導体、スルホン酸アニリド誘導体などが挙げられるが、フェノール誘導体が好ましい。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位は、全繰り返し単位中、一般的に30〜90モル%、好ましくは50〜80モル%含有する。
尚、アルカリ可溶性基は、高次の世代により多く存在することが好ましい。
アルカリ可溶性デンドリマーの重量平均分子量は、通常1,000〜300,000、好ましくは1,200〜200,000である。
アルカリ可溶性デンドリマーの添加量は、レジスト組成物の全重量(溶媒を除く)を基準として、通常30〜90重量%、好ましくは50〜80重量%である。
【0077】
デンドリマーの合成方法としては、一般にAB2型のモノマーを出発原料とし、中心核分子から順次結合させて合成する方法(ダイバージェント法)とAB2分子から外部核を先に形成し、最後にこれを中心核に結合する方法(コンバージェント法)がある。
本発明におけるアルカリ可溶性デンドリマーはの合成方法としては、官能基の制御のため、コンバージェント法が好ましい。
デンドリマーの合成法については、「デンドリマーの科学と機能、岡田鉦彦編著(2000)、アイピーシー」及びその参考文献に記載されている。
【0078】
〔2−0〕本発明におけるアルカリ可溶性デンドリマーは、解像力の点で、繰り返し単位間の結合が、イオン結合、配位結合、金属結合等ではなく共有結合のみによってなされていることが好ましい。また、アルカリ可溶性デンドリマーがジフェニルメタン骨格(ジフェニルメタンにおける炭素原子によって構成される骨格、即ち、ベンゼン環−炭素原子−ベンゼン環構造)を有さないことも解像力の点で好ましい。
解像力とともに感度向上の点からは、アルカリ可溶性デンドリマーは、エチレンイミンよりも塩基性が低い構造のみからなることが好ましい。即ち、酸発生剤から発生する酸をクエンチしない塩基性が低い構造のみからなることが好ましく、具体的には、エチレンイミンよりも塩基性が低い構造のみからなることが好ましく、より具体的には、窒素原子を含有する構造を有しないか、窒素原子を含む構造を有する場合は、その構造はカルバゾール骨格、トリフェニルアミン骨格等の実質的に酸をクエンチしない構造であることが好ましい。
【0079】
〔2−1〕更に、本発明におけるアルカリ可溶性デンドリマーの好ましい態様の1つは、下記一般式(1)で表わされる構造単位を含有する樹脂である。
アルカリ可溶性デンドリマーが、下記一般式(1)で表わされる構造単位を含み、重量平均分子量が300,000以下であるアルカリ可溶性デンドリマーである。
【0080】
【化26】
Figure 0004121309
【0081】
式中、R1及びR1’は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はハロアルキル基を表す。R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、あるいはアシル基を表す。R3及びR4は、同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、もしくはアリール基を表す。
Aは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、もしくはアリーレン基、−O−、−SO2−、−O−CO−R5−、−CO−O−R6−、又は−CO−N(R7)−R8−を表す。
5、R6、R8は、同じでも異なっていても良く、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、もしくはアリーレン基の単独又はこれらの基の少なくとも2つの組み合わせ、又はこれらの基とエーテル構造、エステル構造、アミド構造、ウレタン構造もしくはウレイド構造の群より選択される少なくとも1種が一緒になって形成した2価の基を表す。
7は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。
mは2又は3、nは0又は1、但しm+n≦3であり、Xは−CH2−、−O−、−S−を示す。また複数のR2、又はR2とR3もしくはR4が結合して環を形成しても良い。
【0082】
また、式(1)において、R1〜R4、R7のアルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
2〜R4、R7のシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、また単環型でも、多環型でも良い。単環型としては炭素数3〜8個の例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を好ましく挙げることができる。多環型としては例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基等を好ましく挙げることができる。
3及びR4のアルケニル基は、置換基を有していても良く、好ましくは炭素数2〜8個のアルケニル基であって、具体的には、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基を好ましく挙げることができる。
【0083】
2〜R4、R7のアリール基は、置換基を有していても良く、好ましくは炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましく挙げることができる。
2〜R4、R7のアラルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜12個のアラルキル基であって、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を好ましく挙げることができる。
【0084】
1のハロアルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜4個のハロアルキル基であって、具体的にはクロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、クロロブチル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基等を好ましく挙げることができる。
【0085】
2のアシル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜8個のアシル基であって、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を好ましく挙げることができる。
【0086】
A、R5、R6、R8のアルキレン基は、置換基を有していてもよく、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
A、R5、R6、R8のアルケニレン基は、置換基を有していてもよく、好ましくはエテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基等の炭素数2〜6個のものが挙げられる。
【0087】
A、R5、R6、R8のシクロアルキレン基は、置換基を有していても良く、好ましくはシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。
A、R5、R6、R8のアリーレン基は、置換基を有していてもよく、好ましくはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜12個のものが挙げられる。
【0088】
これらの基が有してもよい置換基としては、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものや、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、チオエーテル基、アシル基(アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基等)、アシロキシ基(アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。特にアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の活性水素を有するものが好ましい。尚、アリール基又は芳香環を有する基の芳香環については置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜5)を挙げることができる。
【0089】
また、複数のR2、又はR2とR3もしくはR4が結合して形成した環としては、ベンゾフラン環、ベンゾジオキソノール環、ベンゾピラン環等の酸素原子を含有する4〜7員環が挙げられる。
【0090】
本発明に用いられる一般式(1)で表わされる構造単位を含有するアルカリ可溶性デンドリマーは、下記モノマー(8)、必要により他の重合性モノマーを用いて合成することにより得ることができる。また、ZがCOOHの場合、連結後に還元を行うことによっても目的の構造単位が得られる。
【0091】
【化27】
Figure 0004121309
【0092】
一般式(8)に於けるR1、R1’、R2、R3、R4、A、X及びm、nは、一般式(1)に於けるR1、R1’、R2、R3、R4、A、X及びm、nと同義である。
Zはハロゲン原子、−OTS、−COOHを表し、Prは保護基である。
【0093】
アルカリ可溶性デンドリマーは、一般式(1)で表される繰り返し構造単位のみからなる樹脂であっても良いが、更に本発明のレジストの性能を向上させる目的で、他の繰り返し単位を共存させても良い。
【0094】
上記式(1)の繰り返し単位を含有するデンドリマーにおける他の繰り返し単位の含有量としては、全繰り返し単位に対して、50モル%以下が好ましく、より好ましくは30モル%以下である。
【0095】
以下に一般式(1)で表される繰り返し構造単位の好ましい具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0096】
【化28】
Figure 0004121309
【0097】
一般式(1)で表される繰り返し構造単位の含有量は、アルカリ可溶性デンドリマーの全繰り返し単位に対して、50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%である。
【0098】
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
【0099】
〔2−2〕 好ましいアルカリ可溶性デンドリマーとして、更に下記条件(a)および(b)を満たすアルカリ可溶性デンドリマーを挙げることができる。
【0100】
(a)炭素数6以上20以下の芳香環を含む繰り返し単位を少なくとも一種有すること。
(b)該芳香環のπ電子と芳香環上の置換基の非共有電子対の電子数の間に次の関係が成り立つこと。
【0101】
【数2】
Figure 0004121309
【0102】
ここで、Nπは、π電子総数を表し、Nloneは該置換基としての炭素数1以上12以下の、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基もしくはアラルキルオキシ基、または水酸基の非共有電子対の総電子数を表す。2つ以上のアルコキシ基または水酸基は隣り合う二つが互いに結合して5員環以上の環構造を形成してもよい。
上記アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基もしくはアラルキルオキシ基は、各々、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。
【0103】
特に、式(1)中のNπ+(1/2)Nloneは、10〜40の範囲であることが二次電子を発生しやすい構造であるため好ましい。好ましい芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ビフェニル等を挙げることができ、好ましい芳香環上の置換基としては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基等を挙げることができる。
また、π電子総数Nπが10以上となる芳香環(例えばナフタレン環、アントラセン環またはフェナントレン環、ビフェニルのような芳香環)であれば、この芳香環上の置換基は非共有電子対を有さない基(Nlone=0となる基)であっても良く、例えば、水素、飽和アルキル基などを挙げることができる。
【0104】
上記アルカリ可溶性デンドリマーとして、より具体的には、一般式(3)〜(6)のいずれかで表される繰り返し単位を構成成分として有するアルカリ可溶性デンドリマーが好ましい。
【0105】
【化29】
Figure 0004121309
【0106】
【化30】
Figure 0004121309
【0107】
一般式(3)〜(6)において、 L及びL’は、各々独立に、二価の連結基を表す。Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1から12の、アルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基を表す。また、これらは互いに連結して炭素数24以下の5員以上の環を形成しても良い。p,q,r,s,t,u,v,w,xは0〜3までの整数を表し、p+q+r=0,1,2,3、 s+t+u=0,1,2,3、 v+w+x=0,1,2,3を満たす。
ここで、上記アルキル基、アルケニル基、アリール基もしくはアラルキル基は、各々、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよい。
【0108】
Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rlの例としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基、クミル基などが挙げられる。Rd〜Rf、Rg〜Ri又はRj〜Rlは、ジオキソール環、メチル置換ジオキソール環、エチル置換ジソキソール環、フェニル置換ジオキソール環、ジメチル置換ジオキソール環、ジオキサン環を形成するものも例として挙げられる。
【0109】
L及びL’としては、単結合、−CH2−、−COO−、−COOCH2−、−OCH2CH2O−、−OCH2−、−CONH−などが挙げられる。
【0110】
Yの表す各芳香環における、主鎖に結合する結合手、あるいは置換基に結合する結合手の位置は芳香環上のいずれでも良い。
【0111】
上記条件(a)の繰り返し単位(好ましくは、一般式(3)〜(6)のいずれかで表される繰り返し単位)以外に他の繰り返し単位を含有してもよい。
上記条件(a)の繰り返し単位(好ましくは、一般式(3)〜(6)のいずれかで表される繰り返し単位)の含有量は、アルカリ可溶性デンドリマーの全繰り返し単位に対して、50〜100モル%、好ましくは70〜100モル%である。
【0112】
これらは、下記(9)〜(12)のモノマーの単独重合、或いは必要により前記と同様の他の共重合モノマーとの共重合によって得ることができる。
【0113】
【化31】
Figure 0004121309
【0114】
【化32】
Figure 0004121309
【0115】
上記において、Rd〜Rl、p、q、r、s、t、u、v、w、xは、前記と同義である。
上記の内、分子内に水酸基を有するモノマーを使用する場合は、あらかじめ水酸基を保護しておき重合後に保護基を外す方法が好ましい。
【0116】
これらの構造の好ましい具体例を以下に挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0117】
【化33】
Figure 0004121309
【0118】
本発明のネガ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性デンドリマーとともに、他のアルカリ可溶性樹脂を含有してもよい。
本発明において用いることができる他のアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリヒドロキシスチレン、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミド共重合体、o/p−ヒドロキシスチレン共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メチル化物、O−(1−メトキシ)エチル化物、O−(1−エトキシ)エチル化物、O−2−テトラヒドロピラニル化物、O−(t−ブトキシカルボニル)メチル化物等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%のo−アセチル化物、O−(t−ブトキシ)カルボニル化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メタクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0119】
特に好ましい他のアルカリ可溶性樹脂は、ノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシスチレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体である。該ノボラック樹脂は、下記の所定のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデヒド類と付加縮合させることにより得られる。
【0120】
所定のモノマーとしては、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のクレゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3−キシレノール等のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、p−オクチルフエノール、2,3,5−トリメチルフェノール等のアルキルフェノール類、p−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジメトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノール等のアルコキシフェノール類、2−メチル−4−イソプロピルフェノール等のビスアルキルフェノール類、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ナフトール等のヒドロキシ芳香化合物を単独もしくは2種類以上混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラール、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール体、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール等を使用することができるが、これらの中で、ホルムアルデヒドを使用するのが好ましい。
これらのアルデヒド類は、単独でもしくは2種類以上組み合わせて用いられる。酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸等を使用することができる。
【0122】
併用するアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、1,000〜30,000の範囲であることが好ましい。1,000未満では照射部の現像後の膜減りが大きく、30,000を越えると現像速度が小さくなってしまう。さらに好適なのは2,000〜20,000の範囲である。
感度が特に優れている点で特に好ましいアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、2,000〜9,000の範囲であり、より好ましくは2,500〜9,000の範囲であり、さらに好ましくは3,000〜9,000の範囲である。
また、アルカリ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜1.5となる(単分散ポリマー)ほうが現像残さが少なくなり好ましい。感度が特に優れている点で特に好ましいアルカリ可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜1.4であり、より好ましくは1.0〜1.3であり、さらに好ましくは1.0〜1.2である。
ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
併用する場合、アルカリ可溶性樹脂の添加量は、アルカリ可溶性デンドリマーの重量に対して、通常0〜50重量%である。
【0123】
〔3〕酸触媒により炭素−炭素結合を生成する架橋剤
本発明のネガ型レジスト組成物では、アルカリ可溶性デンドリマー、酸発生剤とともに、酸触媒により炭素−炭素結合を生成する架橋剤(以下、適宜、酸架橋剤又は単に架橋剤と称する)を使用する。
(3)−1 架橋剤は、フェノール誘導体を使用することができる。
好ましくは、分子量が1200以下、分子内にベンゼン環を3〜5個含み、さらにヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、そのヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基を少なくともいずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるフェノール誘導体を挙げることができる。このようなフェノール誘導体を用いることにより、本発明の効果をより顕著にすることができる。
ベンゼン環に結合するアルコキシメチル基としては、炭素数6個以下のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、i−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基が好ましい。さらに、2−メトキシエトキシ基及び、2−メトキシ−1−プロピル基の様に、アルコキシ置換されたアルコキシ基も好ましい。
これらのフェノール誘導体の内、特に好ましいものを以下に挙げる。
【0124】
【化34】
Figure 0004121309
【0125】
【化35】
Figure 0004121309
【0126】
【化36】
Figure 0004121309
【0127】
【化37】
Figure 0004121309
【0128】
【化38】
Figure 0004121309
【0129】
(式中、L1〜L8は、同じであっても異なっていてもよく、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基又はエトキシメチル基を示す。)
ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物(上記式においてL1〜L8が水素原子である化合物)とホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具体的には、特開平6−282067号、特開平7−64285号等に記載されている方法にて合成することができる。
アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによって得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐために、反応温度を100℃以下で行うことが好ましい。具体的には、欧州特許EP632003A1等に記載されている方法にて合成することができる。
このようにして合成されたヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は、保存時の安定性の点で好ましいが、アルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は保存時の安定性の観点から特に好ましい。
ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を合わせて2個以上有し、いずれかのベンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるこのようなフェノール誘導体は、単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0130】
架橋剤は、全レジスト組成物固形分中、3〜70重量%、好ましくは5〜50重量%の添加量で用いられる。架橋剤の添加量が3重量%未満であると残膜率が低下し、また、70重量%を越えると解像力が低下し、更にレジスト液の保存時の安定性の点で余り好ましくない。
【0131】
〔4〕(E)有機塩基性化合物
本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることができる。
【0132】
【化39】
Figure 0004121309
【0133】
ここで、R250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数1〜6個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R251 とR252 は、互いに結合して環を形成してもよい。
253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
【0134】
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
【0135】
好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0136】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0137】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。電子線またはX線により酸を発生する化合物と有機塩基性化合物の組成物中の使用割合は、(電子線またはX線により酸を発生する化合物)/(有機塩基性化合物)(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。該モル比が2.5未満では低感度となり、解像力が低下する場合があり、また、300を越えると照射後加熱処理までの経時でレジストパターンの太りが大きくなり、解像力も低下する場合がある。(電子線またはX線により酸を発生する化合物)/(有機塩基性化合物)(モル比)は、好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
これら含窒素塩基性化合物の添加は、レジスト膜の引き置き経時安定性(PCD安定性及びPED安定性)を改善する効果がある。
ここで、PCD(Post Coating Delay)安定性とは、基板にレジスト組成物を塗布後、照射装置内あるいは装置外に放置した場合の塗膜安定性であり、また、PED(Post Exposure Delay)安定性とは、照射後に加熱操作を行うまでの間、照射装置内あるいは装置外に放置した場合の塗膜安定性である。
【0138】
〔5〕界面活性剤類
本発明のネガ型レジスト組成物は、界面活性剤を含有する。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173 (大日本インキ(株)製)、フロラ−ドFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等を挙げることができる。
尚、フッ素系及びシリコン系界面活性剤のうち少なくとも1種の界面活性剤が配合されることが好ましい。また、フッ素原子と珪素原子の両方を有する界面活性剤が配合されることも好ましい。これらの界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号、特開昭61−226746号、特開昭61−226745号、特開昭62−170950号、特開昭63−34540号、特開平7−230165号、特開平8−62834号、特開平9−54432号、特開平9−5988号、米国特許5405720号,米国特許5360692号,米国特許5529881号,米国特許5296330号,米国特許5436098号,米国特許5576143号,米国特許5296143号,米国特許5294511号、及び、米国特許5824451号記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。 市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル社製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
これらの界面活性剤の配合量は、本発明の組成物中の固形分100重量部当たり、通常、0.001〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。これらの界面活性剤の添加により、レジスト膜の面内均一性が増し、解像力が向上する効果がある。
【0139】
〔6〕溶剤
本発明のネガ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
特に好ましい溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶媒である。
上記混合溶媒の混合比(重量比)は、100/0〜50/50が好ましい。
溶剤の添加量は、塗布する塗膜の膜厚に依存するが、通常、レジスト組成物の固形分濃度として3〜20重量%となるように使用される。
【0140】
〔7〕染料
本発明のネガ型レジスト組成物には必要に応じて、更に染料などを含有させることができる。
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0141】
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上に、本発明のネガ型レジスト組成物を塗布し、次に電子線、X線、又はEUV描画装置を用いて照射を行い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
本発明のネガ型レジスト組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液(通常1〜10重量%)を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
【0142】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
1.構成素材の合成例
【0143】
(1)活性放射線の照射により酸を発生する化合物
(C1)ペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の合成
ペンタフロロベンゼンスルホニルクロリド25gを氷冷下メタノール100mlに溶解させ、これに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液100gをゆっくり加えた。室温で3時間攪拌するとペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液が得られた。この溶液をスルホニウム塩、ヨードニウム塩との塩交換に用いた。
【0144】
(C2)トリフェニルスルホニウムペンタフロロベンゼンスルホネートの合成
ジフェニルスルホキシド50gをベンゼン800mlに溶解させ、これに塩化アルミニウム200gを加え、24時間還流した。反応液を氷2Lにゆっくりと注ぎ、これに濃塩酸400mlを加えて70℃で10分加熱した。この水溶液を酢酸エチル500mlで洗浄し、ろ過した後にヨウ化アンモニウム200gを水400mlに溶解したものを加えた。析出した粉体をろ取、水洗した後酢酸エチルで洗浄、乾燥するとトリフェニルスルホニウムヨージドが70g得られた。
トリフェニルスルホニウムヨージド30.5gをメタノール1000mlに溶解させ、この溶液に酸化銀19.1gを加え、室温で4時間攪拌した。溶液をろ過し、これに過剰量のペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液を加えた。反応液を濃縮し、これをジクロロメタン500mlに溶解し、この溶液を5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮するとトリフェニルスルホニウムペンタフロロベンゼンスルホネート(I−1)が得られた。
【0145】
(C3)ジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウムペンタフロロベンゼンスルホネートの合成
t−アミルベンゼン60g、ヨウ素酸カリウム39.5g、無水酢酸81g、ジクロロメタン170mlを混合し、これに氷冷下濃硫酸66.8gをゆっくり滴下した。氷冷下2時間攪拌した後、室温で10時間攪拌した。反応液に氷冷下、水500mlを加え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を炭酸水素ナトリウム、水で洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウム硫酸塩が得られた。この硫酸塩を、過剰量のペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の溶液に加えた。この溶液に水500mlを加え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨードニウムペンタフロロベンゼンスルホネート(III−1)が得られた。
以下に示す酸発生剤PAG−1およびPAG−2についても上記と同様の方法を用いて合成できる。
【0146】
(2)アルカリ可溶性デンドリマー
1)3,5−ビス(t−ブチルジフェニルシロキシ)ペンジルアルコール12.32g(0.02モル)、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル1.68g(0.01モル)をTHFに溶解し、トリフェニルホスフインを加え、室温でジエチルアゾジカルボキシレートのTHF溶液を滴下した。室温で一夜攪拌し、溶媒を留去して、エーテルを加えた。析出物をろ過して除き、エーテルを留去した。残渣を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー分離精製を行い、中間体エステルAを得た。続いて、リチウムアルミニウムヒドリドによる還元を行い、定法の処理により、中間体アルコールBを得た。
中間体アルコールBと50モル%の3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルをTHFに溶解し、以下同様の操作により中間体エステルCを、さらに、中間体アルコールDを得た。
中間体アルコールDと33モル%の1,3,5−トリヒドロキシベンゼンを、同じくトリフェニルホスフインとジエチルアゾジカルボキシレートにて反応し、処理及びクロマトグラム精製によりデンドリマー前駆体を得た。過剰のテトラn−ブチルアンモニウムフルオリド/THFにより、t−ブチルジフェニルシリル保護基を脱保護し,アルカリ可溶性デンドリマー(P−1)を得た。GPC測定(ポリスチレンスタンダード)により、重量平均分子量Mw=3,900、分子量分散度Mw/Mn=1.05であった。
以下同様にして,アルカリ可溶性デンドリマー(P−2)、(P−3)、(P−4)を得た。
【0147】
(3) 架橋剤
架橋剤〔HM−1〕の合成
1−〔α−メチル−α-(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン20g(本州化学工業(株)製Trisp−PA)を10%水酸化カリウム水溶液に加え、撹拌、溶解した。次にこの溶液を撹伴しながら、37%ホルマリン水溶液60mlを室温下で1時間かけて徐々に加えた。さらに室温下で6時間撹伴した後、希硫酸水溶液に投人した。析出物をろ過し、十分水洗した後、メタノール30mlより再結晶することにより、下記構造のヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体〔HM−1]の白色粉末20gを得た。純度は92%であった(液体クロマトグラフィー法)。
【0148】
【化40】
Figure 0004121309
【0149】
架橋剤〔MM−1〕の合成
上記合成例で得られたヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体〔HM−1〕20gを1リットルのメタノールに加え、加熱撹拌し、溶解した。次に、この溶液に濃硫酸1mlを加え、12時間加熱還流した。反応終了後、反応液を冷却し、炭酸カリウム2gをを加えた。この混合物を十分濃縮した後、酢酸エチル300mlを加えた。この溶液を水洗した後、濃縮乾固させることにより、下記構造のメトキシメチル基を有するフェノール誘導体〔MM−1〕の白色固体22gを得た。純度は90%であった(液体クロマトグラフィー法)。
【0150】
【化41】
Figure 0004121309
【0151】
さらに、同様にして以下に示すフェノール誘導体を合成した。
【0152】
【化42】
Figure 0004121309
【0153】
【化43】
Figure 0004121309
【0154】
【化44】
Figure 0004121309
【0155】
【化45】
Figure 0004121309
【0156】
【化46】
Figure 0004121309
【0157】
2.実施例<電子線照射>
(1)レジストの塗設
表1に示す組成のフォトレジスト組成物の溶液を調製し、各々0.1μmのフィルターで濾過した。表1における複数使用の際の溶剤の比は重量比である。
各レジスト溶液をスピンコーターを利用して、8インチシリコンウエハー上に塗布し、120℃、90秒間真空吸着型のホットプレートで乾燥して、膜厚0.3μmのレジスト膜を得た。
(2)レジストパターンの作製
このレジスト膜に電子線描画装置(加速電圧50KeV)を用いて照射を行った。照射後にそれぞれ110℃の真空吸着型ホットプレートで60秒間加熱を行い、2.38重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間水でリンスして乾燥した。得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡により観察した。
(3)評価方法
〔感度及び解像力〕
感度は、0.20μmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射量を感度とし、その照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。0.20μmライン(ライン:スペース=1:1)が解像しないものついては限界の解像力を解像力とし、その時の照射量を感度とした。
〔現像欠陥数〕
上記のようにして得られたレジストパターンについて、ケーエルエー・テンコール株式会社製KLA−2112機により現像欠陥数を測定し、得られた1次データ値を現像欠陥数とした。現像欠陥が認められたものについて、現像欠陥数が1〜10個のものをA、11〜499個のものをB、500個以上をCとした。
その結果を表2に示す。
【0158】
【表1】
Figure 0004121309
【0159】
上記表1に示した各成分の詳細を以下に示す。
<樹脂>
【0160】
【化47】
Figure 0004121309
【0161】
【化48】
Figure 0004121309
【0162】
【化49】
Figure 0004121309
【0163】
【化50】
Figure 0004121309
【0164】
【化51】
Figure 0004121309
【0165】
P−101: ポリ(p−ヒドロキシスチレン)Mw 10,000
Mw/Mn=1.4
P−102: ノボラック樹脂
m−クレゾール/p−クレゾール=45/55(モル比)
Mw 6,500
【0166】
【化52】
Figure 0004121309
【0167】
【化53】
Figure 0004121309
【0168】
(溶剤)
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(有機塩基性化合物)
B−1: 2,4,5−トリフェニルイミダゾール
B−2: 1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
B−3: 4−ジメチルアミノピリジン
B−4: 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
B−5: N-シクロヘキシル−N'-モルホリノエチルチオウレア
【0169】
(界面活性剤)
W−1: トロイゾル S−366(トロイケミカル社製)
W−2: メガファック F−176(大日本インキ化学工業社製)
W−3: メガファック R08(大日本インキ化学工業社製)
W−4: ポリシロキサンポリマー KP−341(信越化学工業社製)
W−5: サーフロン S−382(旭硝子社製)
【0170】
【表2】
Figure 0004121309
【0171】
表2の結果から、本発明のレジスト組成物は、高感度、高解像力で、現像欠陥が軽減されていることがわかる。
尚、実施例1の組成物について等倍X線照射装置を用いた評価を行ったところ、同様の効果が得られた。
【0172】
【発明の効果】
本発明により、高感度、高解像力で、現像欠陥が低減されたネガ型レジスト組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂、
    (B)活性放射線の照射により酸を発生する化合物、
    (C)酸触媒により炭素−炭素結合を生成する架橋剤、
    (D)有機塩基性化合物、及び、
    (E)界面活性剤を含有し、該アルカリ可溶性樹脂がジフェニルメタン骨格を有さないデンドリマーであることを特徴とするネガ型レジスト組成物。
  2. 該デンドリマーが、3世代以上のデンドリマーであることを特徴とする請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
  3. 該アルカリ可溶性樹脂が、繰り返し単位が共有結合によってのみ結合しているデンドリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載のネガ型レジスト組成物。
  4. 該アルカリ可溶性樹脂が、エチレンイミンよりも塩基性が低い構造のみからなるデンドリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
  5. 該アルカリ可溶性樹脂が、下記一般式(1)で表わされる構造単位を含み、重量平均分子量が300,000以下であるデンドリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のネガ型レジスト組成物。
    Figure 0004121309
    式中、R1及びR1'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基又はハロアルキル基を表す。R2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアシル基を表す。R3及びR4は、同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。
    Aは、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、−O−、−SO2−、−O−CO−R5−、−CO−O−R6−、又は−CO−N(R7)−R8−を表す。
    5、R6、R8は、同じでも異なっていても良く、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、もしくはアリーレン基の単独又はこれらの基の少なくとも2つの組み合わせ、又はこれらの基とエーテル構造、エステル構造、アミド構造、ウレタン構造もしくはウレイド構造の群より選択される少なくとも1種が一緒になって形成した2価の基を表す。
    7は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表す。
    mは2又は3、nは0又は1、但しm+n≦3であり、Xは−CH2−、−O−、又は−S−を示す。また複数のR2、又はR2とR3もしくはR4が結合して環を形成しても良い。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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