JP2002311585A - 電子線又はx線用ネガ型レジスト組成物 - Google Patents

電子線又はx線用ネガ型レジスト組成物

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JP2002311585A
JP2002311585A JP2001114335A JP2001114335A JP2002311585A JP 2002311585 A JP2002311585 A JP 2002311585A JP 2001114335 A JP2001114335 A JP 2001114335A JP 2001114335 A JP2001114335 A JP 2001114335A JP 2002311585 A JP2002311585 A JP 2002311585A
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acid
carbon atoms
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Yutaka Adegawa
豊 阿出川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子線またはX線を使用するミクロファブリ
ケーション本来の性能向上技術の課題を解決することで
あり、電子線またはX線の使用に対して感度と解像性・
レジスト形状の特性を満足し、更にPBD安定性が優れ
た電子線またはX線用ネガ型レジスト組成物を提供する
こと。 【解決手段】 特定の繰り返し単位を構成成分として含
有するアルカリ可溶性樹脂、酸により架橋する架橋剤、
電子線またはX線の照射により酸を発生する化合物、及
びフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤、を含有す
ることを特徴とする電子線又はX線用ネガ型レジスト組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超LSIや高容量
マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプ
ロセスやその他のフォトファブリケーションプロセスに
好適に用いられるネガ型レジスト組成物に関するもので
ある。さらに詳しくは、エキシマレーザー光を含む、X
線、電子線等を使用して高精細化したパターン形成しう
るネガ型フォトレジスト組成物に関するものであり、特
に電子線またはX線等の高エネルギー線を用いる半導体
素子の微細加工に好適に用いることのできるネガ型レジ
スト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路はその集積度を益々高めてお
り、超LSIなどの半導体基板の製造に於いてはハーフ
ミクロン以下の線幅から成る超微細パターンの加工が必
要とされるようになってきた。その必要性を満たすため
にフォトリソグラフィーに用いられる露光装置の使用波
長は益々短波化し、今では、遠紫外光やエキシマレーザ
ー光(XeCl、KrF、ArFなど)が検討されるま
でになってきている。更に、電子線またはX線により更
に微細なパターン形成が検討されるに至っている。
【0003】特に電子線またはX線は次世代もしくは次
々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感
度、高解像かつ矩形なプロファイル形状及びPBD安定
性を達成し得るネガ型レジストの開発が望まれている。
ここでPBD(Post Bake Delay)安定性とは、照射後
の加熱操作から、現像を行うまでの間放置した場合の保
存安定性である。また、X線リソグラフィーも同様の問
題を有する。
【0004】従来より、化学増幅型ネガレジストについ
ては種々のアルカリ可溶性樹脂が提案されてきた。特開
平8-152717号公報には部分アルキルエーテル化されたポ
リビニルフェノールが、特開平6-67431号公報、特開平1
0-10733号公報には、ビニルフェノールとスチレンの共
重合体が、特許2505033号公報にはノボラック樹脂が、
特開平7-311463号公報、特開平8-292559号公報には単分
散ポリビニルフェノールがそれぞれ開示されているが、
これらのアルカリ可溶性樹脂では、電子線またはX線照
射下での感度と解像性、レジスト形状及びPBD安定性
の特性を両立しうるものではなかった。また、従来よ
り、化学増幅型ネガレジストについては種々の電子線ま
たはX線により酸を発生する化合物が提案されてきた。
特公平8-3635号公報には有機ハロゲン化合物が、特開平
2-150848号公報、特開平6-199770号公報にヨードニウム
塩、スルホニウム塩が、特開平2-52348号公報、特開平4
-367864号公報、特開平4-367865号公報にCl、Brを
含有する酸発生剤が、特開平4-210960号公報、特開平4-
217249号公報にジアゾジスルホン、ジアゾスルホン化合
物、特開平4-226454号公報にトリアジン化合物、特開平
3-87746号公報、特開平4-291259号公報、特開平6-23602
4号公報、US-5344742号明細書にスルホネート化合物が
それぞれ開示されているが、これらの酸発生剤では電子
線またはX線照射下での感度と解像性・レジスト形状及
びPBD安定性を満足できるものではなかった。
【0005】さらに、架橋剤についても、従来よりメチ
ロールメラミン、レゾール樹脂、エポキシ化されたノボ
ラック樹脂、尿素樹脂等が用いられているが、これらの
架橋剤は熱に対して不安定であり、レジスト液として時
の保存安定性に問題があり、更に電子線またはX線照射
下での高感度と高解像性及び矩形なレジスト形状の要求
特性を満足できるものではなかった。
【0006】更に、電子線描画装置には、照射と照射後
の加熱処理を同時に行なうものもある。この装置を使用
する場合、照射後の加熱処理から現像までの間が長くな
るので、その間にレジストの性能が変化してしまう。し
かし上記従来技術において、この問題について解決する
手段について、記載されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、電子線またはX線を使用するミクロファブリケーシ
ョン本来の性能向上技術の課題を解決することであり、
電子線またはX線の使用に対して感度と解像性・レジス
ト形状の特性を満足し、更にPBD安定性が優れた電子
線またはX線用ネガ型レジスト組成物を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は以下によ
って達成された。
【0009】(1)(A)下記一般式(1)で表される
繰り返し単位を構成成分として含有するアルカリ可溶性
樹脂 (B)酸により架橋する架橋剤、及び (C)電子線またはX線の照射により酸を発生する化合
物 (D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤 を含有することを特徴とする電子線又はX線用ネガ型レ
ジスト組成物。
【0010】
【化2】
【0011】一般式(1)において、R101は、水素原
子あるいはメチル基あるいはエチル基を表す。Lは二価
の連結基を表す。Ra、Rbはそれぞれ独立に、炭素数1
から12の直鎖状、分岐状、あるいは、環状のアルキル
基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、あるい
は水素原子を表す。Rc、Rdはそれぞれ独立に、炭素数
1から12の直鎖状、分岐状、あるいは、環状のアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、あるいはアラルキル
基を表す。また、これらは互いに連結して炭素数24以
下の5員以上の環を形成しても良い。l、mは0〜3ま
での整数を表し、l+m≦4、を満たす。p、qは0〜
3までの整数を表し、p+q≦4、l+m+p+q≦
7、を満たす。
【0012】(2) (C)成分の化合物が、スルホニ
ウム、又はヨードニウムのスルホン酸塩化合物から選択
されることを特徴とする前記(1)に記載の電子線又は
X線用ネガ型レジスト組成物。
【0013】(3) (C)成分の化合物が、N−ヒド
ロキシイミドのスルホン酸エステル化合物であることを
特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子線又はX
線用ネガ型レジスト組成物。
【0014】(4) 更に(E)有機塩基性化合物を含
有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか
に記載の電子線又はX線用ネガ型レジスト組成物。
【0015】(5) 更に、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテートを含有する溶剤を含有するこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の
電子線又はX線用ネガ型レジスト組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の“電子線またはX
線用ネガ型レジスト組成物”を構成する化合物について
説明する。
【0017】〔1〕(A)アルカリ可溶性樹脂 本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、水には不溶であ
り、アルカリ水溶液には可溶な樹脂(アルカリ可溶性樹
脂ともいう)である。アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶
解速度は、0.261Nテトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して20
Å/秒以上のものが好ましい。特に好ましくは100Å
/秒以上のものである(Åはオングストローム)。
【0018】より具体的には、本発明のアルカリ可溶性
樹脂は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を構
成成分として含有する。
【0019】一般式(1)において、 R101は、水素原
子あるいはメチル基を表す。Lは二価の連結基を表す。
Ra、Rbはそれぞれ独立に、炭素数1から12の直鎖
状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アラルキル基、あるいは水素原子を表
す。Rc、Rdはそれぞれ独立に、炭素数1から12の直
鎖状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケニ
ル基、アリール基、あるいはアラルキル基を表す。ま
た、これらは互いに連結して炭素数24以下の5員以上
の環を形成しても良い。l、mは0〜3までの整数を表
し、l+m≦4、を満たす。p、qは0〜3までの整数
を表し、p+q≦4、l+m+p+q≦7、を満たす。
【0020】Ra、Rbの例としては、水素、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基、アリル基、ベンジル基、フェニル
基、クミル基などが挙げられる。また、互いに連結し
て、メチル置換ジオキソール環、エチル置換ジオキソー
ル環、フェニル置換ジオキソール環、ジメチル置換ジオ
キソール環、ジオキサン環を形成するものも例として挙
げられる。
【0021】Rc、Rdの例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘ
キシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、アリル基、ベンジル基、フェニル基、クミ
ル基などが挙げられる。また、互いに連結して、メチル
置換ジオキソール環、エチル置換ジオキソール環、フェ
ニル置換ジオキソール環、ジメチル置換ジオキソール
環、ジオキサン環を形成するものも例として挙げられ
る。
【0022】Lの例としては、単結合、−CH2−、−
COO−、−COOCH2−、−OCH2CH2O−、−
OCH2−、−CONH−などが挙げられる。
【0023】これらの構造の好ましい具体例を以下に挙
げるがこれらに限定されるものではない。
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】本発明における、アルカリ可溶性樹脂は、
ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の公知の
方法によって合成できる。対応するモノマーを組み合わ
せてラジカル重合を行うのが最も簡便であるが、モノマ
ーによってはカチオン重合、アニオン重合を利用した場
合に、より好適に合成できる。また、重合開始種によっ
てモノマーが重合以外の反応を起こす場合には、適当な
保護基を導入したモノマーを重合し、重合後に脱保護す
ることによって望む重合体を得ることができる。また、
アルコキシを有する重合体については、対応する水酸基
を有する重合体の水酸基をエーテル化反応を行うことに
よっても望む重合体を得ることができる。重合法につい
ては、実験化学講座28高分子合成、新実験化学講座1
9高分子化学[I]等に記載されている。
【0029】また、本発明のアルカリ可溶性樹脂は、分
子量が3、000を超え、1,000,000以下であ
る。好ましくは、重量平均分子量が3,000を越え、
500,000以下である。より好ましくは、重量平均
分子量が3,000を越え、100,000以下である
ものが好ましい。
【0030】上記の合成方法により合成できるアルカリ
可溶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜
1.5であることが好ましく、これにより、特にレジス
トを高感度化することができる。なお、このような分子
量分布のアルカリ可溶性樹脂は、上記合成方法におい
て、リビングアニオン重合を利用すること及び分子量分
別を行なうことによって合成することができる。
【0031】また、本発明においては他のアルカリ可溶
性樹脂を併用してもよい。本発明に用いられる他のアル
カリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、水素
化ノボラツク樹脂、アセトン−ピロガロール樹脂、o−
ポリヒドロキシスチレン、m−ポリヒドロキシスチレ
ン、p−ポリヒドロキシスチレン、水素化ポリヒドロキ
シスチレン、ハロゲンもしくはアルキル置換ポリヒドロ
キシスチレン、ヒドロキシスチレン−N−置換マレイミ
ド共重合体、o/p−及びm/p−ヒドロキシスチレン
共重合体、ポリヒドロキシスチレンの水酸基に対する一
部O−アルキル化物(例えば、5〜30モル%のO−メ
チル化物、O−(1−メトキシ)エチル化物、O−(1
−エトキシ)エチル化物、O−2−テトラヒドロピラニ
ル化物、O−(t−ブトキシカルボニル)メチル化物
等)もしくはO−アシル化物(例えば、5〜30モル%
のo−アセチル化物、O−(t−ブトキシ)カルボニル
化物等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレ
ン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン
−ヒドロキシスチレン共重合体、カルボキシル基含有メ
タクリル系樹脂及びその誘導体を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
【0032】特に好ましい他のアルカリ可溶性樹脂は、
ノボラック樹脂及びo−ポリヒドロキシスチレン、m−
ポリヒドロキシスチレン、p−ポリヒドロキシスチレン
及びこれらの共重合体、アルキル置換ポリヒドロキシス
チレン、ポリヒドロキシスチレンの一部O−アルキル
化、もしくはO−アシル化物、スチレン−ヒドロキシス
チレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチ
レン共重合体である。該ノボラック樹脂は、下記の所定
のモノマーを主成分として、酸性触媒の存在下、アルデ
ヒド類と付加縮合させることにより得られる。
【0033】所定のモノマーとしては、フェノール、m
−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール等のク
レゾール類、2,5−キシレノール、3,5−キシレノ
ール、3,4−キシレノール、2,3−キシレノール等
のキシレノール類、m−エチルフェノール、p−エチル
フェノール、o−エチルフェノール、p−t−ブチルフ
ェノール、p−オクチルフエノール、2,3,5−トリ
メチルフェノール等のアルキルフェノール類、p−メト
キシフェノール、m−メトキシフェノール、3,5−ジ
メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノ
ール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノー
ル、m−プロポキシフェノール、p−プロポキシフェノ
ール、m−ブトキシフェノール、p−ブトキシフェノー
ル等のアルコキシフェノール類、2−メチル−4−イソ
プロピルフェノール等のビスアルキルフェノール類、m
−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−クロ
ロフェノール、ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノー
ルA、フェニルフェノール、レゾルシノール、ナフトー
ル等のヒドロキシ芳香化合物を単独もしくは2種類以上
混合して使用することができるが、これらに限定される
ものではない。
【0034】アルデヒド類としては、例えばホルムアル
デヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセ
トアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−
フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズア
ルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒド
ロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒ
ド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズア
ルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベ
ンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メ
チルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、
p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデ
ヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド、フルフラー
ル、クロロアセトアルデヒド及びこれらのアセタール
体、例えばクロロアセトアルデヒドジエチルアセタール
等を使用することができるが、これらの中で、ホルムア
ルデヒドを使用するのが好ましい。これらのアルデヒド
類は、単独でもしくは2種類以上組み合わせて用いられ
る。酸性触媒としては塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ
酸等を使用することができる。
【0035】こうして得られたノボラック樹脂の重量平
均分子量は、1,000〜30,000の範囲であるこ
とが好ましい。1,000未満では露光部の現像後の膜
減りが大きく、30,000を越えると現像速度が小さ
くなってしまう。特に好適なのは2,000〜20,0
00の範囲である。また、ノボラック樹脂以外の前記ポ
リヒドロキシスチレン、及びその誘導体、共重合体の重
量平均分子量は、2000以上、好ましくは2000〜
30000、より好ましくは2000〜20000であ
る。ここで、重量平均分子量はゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義さ
れる。
【0036】本発明に於けるこれらのアルカリ可溶性樹
脂は2種類以上混合して使用しても良い。アルカリ可溶
性樹脂の使用量は、レジスト組成物の全重量(溶媒を除
く)を基準として、通常30〜90重量%、好ましくは
50〜80重量%である。
【0037】本発明の特徴成分であるアルカリ可溶性樹
脂のみの使用量は、レジスト組成物の全重量(溶媒を除
く)を基準として30〜90重量%、好ましくは50〜
80重量%である。
【0038】〔2〕(B)架橋剤 本発明では、酸により架橋する化合物(以下、適宜、酸
架橋剤又は単に架橋剤と称する)として、フェノール誘
導体を使用することができる。好ましくは、分子量が1
500以下、分子内にベンゼン環を1個から6個有し、
さらにヒドロキシメチル基及び/又はアルコキシメチル
基を合わせて2個以上有し、そのヒドロキシメチル基、
アルコキシメチル基をその内の少なくともいずれかのベ
ンゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなる
フェノール誘導体を挙げることができる。
【0039】ベンゼン環に結合するアルコキシメチル基
としては、炭素数6個以下のものが好ましい。具体的に
はメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキ
シメチル基、i−プロポキシメチル基、n−ブトキシメ
チル基、i−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチ
ル基、t−ブトキシメチル基が好ましい。さらに、2−
メトキシエトキシ基及び、2−メトキシ−1−プロピル
基の様に、アルコキシ置換されたアルコキシ基も好まし
い。これらのフェノール誘導体の内、特に好ましいもの
を以下に挙げる。
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】(式中、L1〜L8は、同じであっても異な
っていてもよく、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル
基又はエトキシメチル基を示す。) ヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体は、対応
するヒドロキシメチル基を有さないフェノール化合物
(上記式においてL1〜L8が水素原子である化合物)と
ホルムアルデヒドを塩基触媒下で反応させることによっ
て得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐた
めに、反応温度を60℃以下で行うことが好ましい。具
体的には、特開平6−282067号公報、特開平7−
64285号公報等に記載されている方法にて合成する
ことができる。
【0047】アルコキシメチル基を有するフェノール誘
導体は、対応するヒドロキシメチル基を有するフェノー
ル誘導体とアルコールを酸触媒下で反応させることによ
って得ることができる。この際、樹脂化やゲル化を防ぐ
ために、反応温度を100℃以下で行うことが好まし
い。具体的には、欧州特許EP632003A1等に記
載されている方法にて合成することができる。
【0048】このようにして合成されたヒドロキシメチ
ル基またはアルコキシメチル基を有するフェノール誘導
体は、保存時の安定性の点で好ましいが、アルコキシメ
チル基を有するフェノール誘導体は保存時の安定性の観
点から特に好ましい。ヒドロキシメチル基またはアルコ
キシメチル基を合わせて2個以上有し、いずれかのベン
ゼン環に集中させ、あるいは振り分けて結合してなるこ
のようなフェノール誘導体は、単独で使用してもよく、
また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0049】このようなフェノール誘導体は、全レジス
ト組成物固形分中、3〜70重量%、好ましくは5〜5
0重量%の添加量で用いられる。架橋剤としての該フェ
ノール誘導体の添加量が3重量%未満であると残膜率が
低下し、また、70重量%を越えると解像力が低下し、
更にレジスト液の保存時の安定性の点で余り好ましくな
い。
【0050】本発明には、以下の他の架橋剤(i)、
(ii)を使用することもできるが、上記架橋剤と併用す
ることが好ましい。この場合、本発明の上記架橋剤と併
用しうる他の架橋剤の比率は、モル比で100/0〜2
0/80、好ましくは90/10〜40/60、更に好
ましくは80/20〜50/50である。
【0051】本発明に用いることのできる全ての架橋剤
の量は、全固形分に対し、2〜80重量%、好ましくは
5〜75重量%、特に好ましくは10〜70重量%の範
囲である。架橋剤の添加量は2重量%未満であると、現
像時の膜減りが大きく、また、80重量%を超えると保
存時の安定性の観点から好ましくない。
【0052】(i)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコ
キシメチル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有
する化合物 (ii)エポキシ化合物 これらの架橋剤については以下に詳細に説明する。 (i) N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル
基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物
としては、欧州特許公開(以下、「EP−A」と記載す
る)第0,133,216号、西独特許第3,634,
671号、同第3,711,264号に開示された単量
体及びオリゴマー−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物
並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第0,
212,482号に開示されたアルコキシ置換化合物等
に開示されたベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合
物等が挙げられる。
【0053】更に好ましい例としては、例えば、少なく
とも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキ
シメチル基、若しくはN−アシルオキシメチル基を有す
るメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が挙げられ、中で
もN−アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。
【0054】(ii)エポキシ化合物としては、一つ以上の
エポキシ基を含む、モノマー、ダイマー、オリゴマー、
ポリマー状のエポキシ化合物を挙げることができる。例
えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応
生成物、低分子量フェノール−ホルムアルデヒド樹脂と
エピクロルヒドリンとの反応生成物等が挙げられる。そ
の他、米国特許第4,026,705号公報、英国特許
第1,539,192号公報に記載され、使用されてい
るエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0055】〔3〕(C)電子線またはX線により酸を
発生する化合物(以下、酸発生剤ともいう) アルカリ可溶性樹脂とともに酸発生剤を用いる。アルカ
リ可溶性樹脂とともに用いられる酸発生剤は、電子線の
照射により酸を発生する化合物であればいずれの化合物
でも用いることができる。そのような酸発生剤として
は、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開
始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロ
レジスト等に使用されている公知の電子線の照射により
酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択し
て使用することができる。
【0056】例えば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム
塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム
塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合
物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル
型保護基を有する酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に
代表されるスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化
合物を挙げることができる。また、これらの酸を発生す
る基、あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導
入した化合物、たとえば、特開昭63−26653号、
特開昭55−164824号、特開昭62−69263
号、特開昭63−146038号、特開昭63−163
452号、特開昭62−153853号、特開昭63−
146029号等に記載の化合物を用いることができ
る。さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許
第126,712号等に記載の酸を発生する化合物も使
用することができる。
【0057】本発明においては、有機酸を発生するオニ
ウム塩化合物が好ましく、特に好ましくは下記一般式
(I)〜一般式(III)で示されるオニウム塩化合物で
ある。
【化13】 〔一般式(I)〜(III)において、R1〜R37は、水素原
子、アルキル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、ハ
ロゲン原子、又は−S−R38で示せる基を表す。−S−
38中のR38は、アルキル基又はアリール基を表す。R
1〜R38は、同一であってもよく、異なっていてもよ
い。R1〜R15の場合、その中から選択される二つ以上
は互いに直接末端で結合しあい、あるいは酸素、イオウ
及び窒素から選ばれる元素を介して結合しあって環構造
を形成していてもよい。R16〜R27の場合も、同じよう
に環構造を形成していてもよい。R28〜R37の場合も、
同じように環構造を形成していてもよい。X-はスルホ
ン酸のアニオンである。〕
【0058】一般式(I)〜一般式(III)中のR1〜R
37は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキ
シル基、ハロゲン原子、または、−S−R38で示すこと
ができる基である。
【0059】R1〜R37が表すアルキル基は、直鎖状で
もよく、分岐状でもよく、環状でもよい。直鎖状又は分
岐状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t
−ブチル基など、例えば炭素数1〜4個のアルキル基を
挙げることができる。環状アルキル基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基など炭素数3〜8個のアルキル基を挙げることができ
る。R1〜R37が表すアルコキシ基は、直鎖状でもよ
く、分岐状でもよく、環状アルコキシ基でもよい。直鎖
状又は分岐状アルコキシ基としては、例えば炭素数1〜
8個のもの例えばメトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシ
エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブト
キシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、オクチ
ルオキシ基などを挙げることができる。環状アルコキシ
基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロ
ヘキシルオキシ基が挙げられる。
【0060】R1〜R37が表すハロゲン原子としては、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げるこ
とができる。R1〜R37が表す−S−R38中のR38は、
アルキル基、又はアリール基である。R38が表すアルキ
ル基の範囲としては、例えばR1〜R37が表すアルキル
基として既に列挙したアルキル基中のいずれをも挙げる
ことができる。R38が表すアリール基は、フェニル基、
トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基など、炭素
数6〜14個のアリール基を挙げることができる。R1
〜R38が表すアルキル基以下、アリール基までは、いず
れも基の一部に更に置換基を結合して炭素数を増やして
いてもよく、置換基を有していなくてもよい。更に結合
していてもよい置換基としては、好ましくは、炭素数1
〜4個のアルコキシ基、炭素数6〜10個のアリール
基、炭素数2〜6個のアルケニル基を挙げることがで
き、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキ
シカルボニル基、ニトロ基等も挙げることができる。そ
の他、ハロゲン原子でもよい。たとえば、フッ素原子、
塩素原子、沃素原子を挙げることができる。
【0061】一般式(I)中のR1〜R15で示す基は、
そのうちの2つ以上が結合し、環を形成していてもよ
い。環は、R1〜R15で示す基の末端が直接結合して形
成してもよい。炭素、酸素、イオウ、及び窒素から選択
される1種又は2種以上の元素を介して間接的に結びあ
い、環を形成していてもよい。R1〜R15のうちの2つ
以上が結合して形成する環構造としては、フラン環、ジ
ヒドロフラン環、ピラン環、トリヒドロピラン環、チオ
フェン環、ピロール環などに見られる環構造と同一の構
造を挙げることができる。一般式(II)中のR 16〜R27
についても同様のことを言うことができる。2つ以上が
直接又は間接に結合し、環を形成していてもよい。一般
式(III)中のR28〜R37についても同様である。
【0062】一般式(I)〜(III)はX-を有する。一
般式(I)〜(III)が有するX-は、スルホン酸のアニ
オンである。アニオンを形成している酸は、アルキルス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、又はアントラセンスルホン酸の中から選択される酸
であることが好ましい。酸には1以上のフッ素原子が置
換しているとより好ましい。又はその酸は、そのフッ素
原子とともにあるいはフッ素原子に代え、アルキル基、
アルコキシル基、アシル基、アシロキシル基、スルホニ
ル基、スルホニルオキシ基、スルホニルアミノ基、アリ
ール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、から
なる群から選択された少なくとも1種の有機基を有し、
しかも、その有機基は少なくとも1個のフッ素原子を更
に置換していることが好ましい。また、上記のアルキル
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン
酸、又はアントラセンスルホン酸は、フッ素以外のハロ
ゲン原子、水酸基、ニトロ基等で置換されていてもよ
い。
【0063】X-のアニオンを形成するベンゼンスルホ
ン酸などに結合するアルキル基は、例えば炭素数1〜1
2のアルキル基である。アルキル基は、直鎖状でもよ
く、分岐状でもよく、環状でもよい。少なくとも1個の
フッ素原子、好ましくは25個以下のフッ素原子が置換
している。具体的にはトリフロロメチル基、ペンタフロ
ロエチル基、2,2,2−トリフロロエチル基、ヘプタ
フロロプロピル基、ヘプタフロロイソプロピル基、パー
フロロブチル基、パーフロロオクチル基、パーフロロド
デシル基、パーフロロシクロヘキシル基等を挙げること
ができる。なかでも、全てフッ素で置換された炭素数1
〜4のパーフロロアルキル基が好ましい。アルキル基と
ともにあるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに
結合するアルコキシ基は、炭素数が1〜12のアルコキ
シ基である。アルコキシ基は、直鎖状でもよく、分岐状
でもよく、環状でもよい。少なくとも1個のフッ素原
子、好ましくは25個以下のフッ素原子が置換してい
る。具体的にはトリフロロメトキシ基、ペンタフロロエ
トキシ基、ヘプタフロロイソプロピルオキシ基、パーフ
ロロブトキシ基、パーフロロオクチルオキシ基、パーフ
ロロドデシルオキシ基、パーフロロシクロヘキシルオキ
シ基等を挙げることができる。なかでも、全てフッ素で
置換された炭素数1〜4のパーフロロアルコキシ基が好
ましい。アルキル基とともにあるいは単独で上記のベン
ゼンスルホン酸などに結合するアシル基は、炭素数2〜
12、1〜23個のフッ素原子で置換されているものが
好ましい。具体的にはトリフロロアセチル基、フロロア
セチル基、ペンタフロロプロピオニル基、ペンタフロロ
ベンゾイル基等を挙げることができる。
【0064】アルキル基とともにあるいは単独で上記の
ベンゼンスルホン酸などに結合するアシロキシ基は、炭
素数が2〜12、1〜23個のフッ素原子で置換されて
いるものが好ましい。具体的にはトリフロロアセトキシ
基、フロロアセトキシ基、ペンタフロロプロピオニルオ
キシ基、ペンタフロロベンゾイルオキシ基等を挙げるこ
とができる。アルキル基とともにあるいは単独で上記の
ベンゼンスルホン酸などに結合するスルホニル基として
は、炭素数が1〜12、1〜25個のフッ素原子で置換
されているものが好ましい。具体的にはトリフロロメタ
ンスルホニル基、ペンタフロロエタンスルホニル基、パ
ーフロロブタンスルホニル基、パーフロロオクタンスル
ホニル基、ペンタフロロベンゼンスルホニル基、4−ト
リフロロメチルベンゼンスルホニル基等を挙げることが
できる。アルキル基とともにあるいは単独で上記のベン
ゼンスルホン酸などに結合する上記スルホニルオキシ基
としては、炭素数が1〜12、1〜25個のフッ素原子
で置換されているものが好ましい。具体的にはトリフロ
ロメタンスルホニルオキシ、パーフロロブタンスルホニ
ルオキシ基、4−トリフロロメチルベンゼンスルホニル
オキシ基等を挙げることができる。アルキル基とともに
あるいは単独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合す
る上記スルホニルアミノ基としては、炭素数が1〜12
であって、1〜25個のフッ素原子で置換されているも
のが好ましい。具体的にはトリフロロメタンスルホニル
アミノ基、パーフロロブタンスルホニルアミノ基、パー
フロロオクタンスルホニルアミノ基、ペンタフロロベン
ゼンスルホニルアミノ基等を挙げることができる。
【0065】アルキル基とともにあるいは単独で上記の
ベンゼンスルホン酸などに結合する上記アリール基とし
ては、炭素数が6〜14、1〜9個のフッ素原子で置換
されているものが好ましい。具体的にはペンタフロロフ
ェニル基、4−トリフロロメチルフェニル基、ヘプタフ
ロロナフチル基、ノナフロロアントラニル基、4−フロ
ロフェニル基、2,4−ジフロロフェニル基等を挙げる
ことができる。アルキル基とともにあるいは単独で上記
のベンゼンスルホン酸などに結合する上記アラルキル基
としては、炭素数が7〜10、1〜15個のフッ素原子
で置換されているものが好ましい。具体的にはペンタフ
ロロフェニルメチル基、ペンタフロロフェニルエチル
基、パーフロロベンジル基、パーフロロフェネチル基等
を挙げることができる。アルキル基とともにあるいは単
独で上記のベンゼンスルホン酸などに結合する上記アル
コキシカルボニル基としては、炭素数が2〜13、1〜
25個のフッ素原子で置換されているものが好ましい。
具体的にはトリフロロメトキシカルボニル基、ペンタフ
ロロエトキシカルボニル基、ペンタフロロフェノキシカ
ルボニル基、パーフロロブトキシカルボニル基、パーフ
ロロオクチルオキシカルボニル基等を挙げることができ
る。
【0066】このようなアニオンの中で、最も好ましい
-はフッ素置換ベンゼンスルホン酸アニオンであり、
中でもペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン
酸アニオンが特に好ましい。また、上記含フッ素置換基
を有するアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸、又はアントラセンスルホン酸は、
さらに直鎖状、分岐状あるいは環状アルコキシ基、アシ
ル基、アシロキシ基、スルホニル基、スルホニルオキシ
基、スルホニルアミノ基、アリール基、アラルキル基、
アルコキシカルボニル基(これらの炭素数範囲は前記の
ものと同様)、ハロゲン(フッ素を除く)、水酸基、ニ
トロ基等で置換されてもよい。
【0067】以下に、これらの一般式(I)〜(III)で
表される化合物及びその他の具体例を示すが、これに限
定されるものではない。また、以下の具体例の各化合物
のカチオン部と別の化合物のアニオン部と組み合わせた
化合物も、酸発生剤の具体例として例示できる。一般式
(I)で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0068】
【化14】
【0069】
【化15】
【0070】
【化16】
【0071】一般式(II)で表される化合物の具体例を
以下に示す。
【0072】
【化17】
【0073】
【化18】
【0074】一般式(III)で表される化合物の具体例
を以下に示す。
【0075】
【化19】
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】式(I)〜(III)で表される化合物以外
の化合物の具体例を以下に示す。
【0079】
【化22】
【0080】
【化23】
【0081】
【化24】
【0082】
【化25】
【0083】
【化26】
【0084】
【化27】
【0085】一般式(I)、一般式(II)の化合物は、
次のような方法で合成できる。例えば、アリールマグネ
シウムブロミドなどのアリールグリニャール試薬とフェ
ニルスルホキシドとを反応させ、得られたトリアリール
スルホニウムハライドを対応するスルホン酸と塩交換す
る。別の方法もある。例えば、フェニルスルホキシドと
対応する芳香族化合物をメタンスルホン酸/五酸化二リ
ンあるいは塩化アルミなどの酸触媒を用いて縮合、塩交
換する方法がある。また、ジアリールヨードニウム塩と
ジアリールスルフィドを酢酸銅などの触媒を用いて縮
合、塩交換する方法などによって合成できる。上記のい
ずれの方法でも、フェニルスルホキシドは、置換基をベ
ンゼン環に置換させていてもよく、そのような置換基が
なくてもよい。一般式(III)の化合物は過ヨウ素酸塩
を用いて芳香族化合物を反応させることにより合成可能
である。
【0086】また、本発明で使用される(C)光酸発生
剤としては、N−ヒドロキシイミドのスルホン酸エステ
ル化合物が好ましい。N−ヒドロキシイミドのスルホン
酸エステル化合物としては、例えば下記一般式(PAG
6)で表されるイミノスルホネート誘導体が挙げられ
る。
【0087】
【化28】
【0088】R60は、置換基を有していてもよいアルキ
ル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示
す。A60は、置換基を有していてもよい、アルキレン
基、環状アルキレン基、アルケニレン基、環状アルケニ
レン基、又はアリーレン基を示す。上記一般式(PAG
6)中、R60は、置換基を有していてもよいアルキル基
(好ましくは炭素数1〜18、具体例としては、例え
ば、メチル基、エチル基、CF3、C49等が挙げられ
る)、又は、置換基を有していてもよいアリール基(好
ましくは炭素数6〜14、具体例としては、例えば、フ
ェニル基、ナフチル基が挙げられる)を示す。
【0089】A60は、置換基を有していてもよい、アル
キレン基(好ましくは炭素数2〜10)、環状アルキレ
ン基(好ましくは炭素数6〜14)、アルケニレン基
(好ましくは炭素数2〜10)、環状アルケニレン基
(好ましくは炭素数6〜14)、又はアリーレン基(好
ましくは炭素数6〜14、例えばベンゼン環、ナフタレ
ン環を含む2価の基)を示す。ここで、環状アルキレン
基としては、シクロヘキサン残基、ノルボルナン残基等
が挙げられる。環状アルケニレン基としては、シクロヘ
キセン残基、ノルボルネン残基等が挙げられる。また、
上記の基中で、環状構造を有するものは、環を構成する
炭素原子の代わりに酸素原子等を含んでいてもよい。
【0090】これら基が有していてもよい置換基とし
て、好ましくは、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数
1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、
塩素原子、沃素原子)、炭素数6〜10個のアリール
基、炭素数2〜6個のアルケニル基、シアノ基、ヒドロ
キシ基、カルボキシ基、炭素数2〜5個のアルコキシカ
ルボニル基、ニトロ基、樟脳残基等が挙げられる。
【0091】以下、一般式(PAG6)で示される化合
物の具体例を示す。本発明の内容がこれらに限定される
ものではない。
【0092】
【化29】
【0093】
【化30】
【0094】
【化31】
【0095】
【化32】
【0096】
【化33】
【0097】これらの化合物は、例えばG.F. Jaubert
著、Ber., 28, 360(1895)、D.E. Amesら著、J. Chem. S
oc., 3518(1955)又はM.A. Stolbergら著、J. Amer. Chc
m. Soc., 79, 2615(1957)等に記載の方法により製造さ
れる。環状N−ヒドロキシイミド化合物と、R60−SO
2Cl(式中、R60は前記と同じ意味を有する。)で示
されるスルホン酸クロリドとを、塩基性条件下に、例え
ば、L. Baucrら著、J. Org. Chem., 24, 1293(1959)等
に記載の方法に従い製造することができる。
【0098】本発明で使用する酸発生剤の含有量は、全
ネガ型レジスト組成物の固形分に対し、0.1〜20重
量%が適当であり、好ましくは0.5〜10重量%、更
に好ましくは1〜8重量%である。
【0099】〔4〕(D)フッ素系及び/又はシリコン
系界面活性剤 本発明のネガ型レジスト組成物には、フッ素系及び/又
はシリコン系界面活性剤を含有する。本発明のネガ型レ
ジスト組成物には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界
面活性剤及びフッ素原子と珪素原子の両方を含有する界
面活性剤のいずれか、あるいは2種以上を含有すること
が好ましい。本発明のネガ型レジスト組成物が上記成分
とともに上記界面活性剤とを含有することにより、パタ
ーンの線幅が一層細い時に特に有効であり、現像欠陥が
一層改良される。これらの界面活性剤として、例えば特
開昭62-36663号、特開昭61-226746号、特開昭61-226745
号、特開昭62-170950号、特開昭63-34540号、特開平7-2
30165号、特開平8-62834号、特開平9-54432号、特開平9
-5988号記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市
販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。使用で
きる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF30
1、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431
(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F1
76、F189、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS
−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子
(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル
(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面
活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリ
マーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界
面活性剤として用いることができる。
【0100】上記(D)界面活性剤の配合量は、本発明
の組成物中の固形分を基準として、通常0.001重量
%〜2重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%で
ある。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、
また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0101】上記の他に使用することのできる界面活性
剤としては、具体的には、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエー
テル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等の
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオ
キシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマ
ー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモ
ノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタン
トリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレ
ンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソル
ビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤等を挙
げることができる。これらの他の界面活性剤の配合量
は、本発明の組成物中の固形分100重量部当たり、通
常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
【0102】〔5〕(E)有機塩基性化合物 本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物
とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中
でも含窒素塩基性化合物が好ましい。好ましい化学的環
境として、下記式(A)〜(E)の構造を挙げることが
できる。
【0103】
【化34】
【0104】ここで、R250 、R251 及びR252 は、同
一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜6個のア
ルキル基、炭素数1〜6個のアミノアルキル基、炭素数
1〜6個のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20個
の置換もしくは非置換のアリール基を表し、ここで、R
251 とR252 は、互いに結合して環を形成してもよい。
253 、R254 、R255 及びR256 は、同一でも異なっ
てもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
【0105】更に好ましい化合物は、一分子中に異なる
化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化
合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のア
ミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もし
くはアルキルアミノ基を有する化合物である。
【0106】好ましい具体例としては、置換もしくは未
置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジ
ン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置
換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未
置換のインダゾール、イミダゾール、置換もしくは未置
換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換
もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプ
リン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしく
は未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジ
ン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換も
しくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げら
れる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル
基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールア
ミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロ
キシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水
酸基、シアノ基である。
【0107】特に好ましい化合物として、グアニジン、
1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テト
ラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダ
ゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル
イミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾー
ル、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−ア
ミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメ
チルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2
−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチル
ピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミ
ノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリ
ジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピ
リジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2
−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチ
ル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イ
ミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジ
ン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、
5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、
ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジ
ン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6
−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラ
ゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエ
チル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定され
るものではない。
【0108】これらの含窒素塩基性化合物は、単独であ
るいは2種以上一緒に用いられる。電子線またはX線に
より酸を発生する化合物と有機塩基性化合物の組成物中
の使用割合は、 (電子線またはX線により酸を発生する化合物)/(有
機塩基性化合物)(モル比)=2.5〜300 であることが好ましい。該モル比が2.5未満では低感
度となり、解像力が低下する場合があり、また、300
を越えると露光後加熱処理までの経時でレジストパター
ンの太りが大きくなり、解像力も低下する場合がある。
(電子線またはX線により酸を発生する化合物)/(有
機塩基性化合物)(モル比)は、好ましくは5.0〜2
00、更に好ましくは7.0〜150である。
【0109】〔6〕 本発明の組成物に使用されるその
他の成分 本発明のネガ型レジスト組成物には必要に応じて、更に
染料などを含有させることができる。
【0110】(6)−1 染料 好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具
体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#1
03、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オ
イルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラ
ックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−5
05(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタ
ルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレッ
ト(CI42535)、ローダミンB(CI45170
B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレ
ンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0111】(6)−2 溶剤類 本発明のネガ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解す
る溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する
溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラ
クトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メ
チル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エト
キシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン
酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリド
ン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を
単独あるいは混合して使用する。特に好ましい溶媒は、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及
びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
/プロピレングリコールモノメチルエーテルの混合溶媒
である。
【0112】精密集積回路素子の製造などにおいてレジ
スト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン
/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透
明基板等)上に、本発明のネガ型レジスト組成物を塗布
し、次に電子線またはX線描画装置を用いて照射を行
い、加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレ
ジストパターンを形成することができる。
【0113】本発明のネガ型レジスト組成物に適用する
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリ
ウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルア
ミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエ
チルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、
ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のア
ルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン
等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の
環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用すること
ができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピ
ルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活
性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0114】これらの現像液の中で好ましくは第四アン
モニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウ
ムヒドロオキシド、コリンである。
【0115】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明の内容がこれにより限定されるものでは
ない。
【0116】1.構成素材の合成例 (1)アルカリ可溶性樹脂の合成 (1−1)1−ビニルナフタレン19.5g(0.15
mol)、4−t−ブトキシスチレン149.6g
(0.85mol)を乾燥THFに溶解し、窒素気流下
70℃に加熱し、和光純薬製アゾ系ラジカル開始剤V−
601を前記モノマー総モル数の2%加えた。8時間反
応させた後、反応液をTHFで希釈し、メタノール中で
沈殿させ、精製してポリマーを取り出した。常法により
酸で分解して(P−1)を得た。GPC測定により、重
量平均分子量(Mw)、分子量分散度(Mw/Mn)を
決定した。 (1−2)上記と同様の方法、及び、保護したモノマー
(例:4−ベンジルオキシスチレン)を用いてBF3
EtO2によるカチオン重合とを使い分けて(P−2)
〜(P−31)を合成した。 (1−3)1−ビニルナフタレン1.95g(0.01
5mol)、4−t−ブトキシスチレン14.96g
(0.085mol)を乾燥THFに溶解し、封管中−
78℃で1mmolのs−ブチルリチウムを用い、ガラ
スシールを破って反応を開始させた。大量のメタノール
中に沈殿させ粉体を集めて精製した。定法により酸で処
理して(P−1')を得た。
【0117】(2)架橋剤の合成 (2−1)架橋剤[HM−0]の合成 p−アミノフェノール(1mol)、酢酸ナトリウム
(1mol)をアセトン(1リットル)と共にフラスコ
に入れ、イソ酪酸クロリド(1mol)を氷冷下、滴下
する。5時間後、氷水中に投入して結晶析出させ、結晶
をろ取し、HM−0−Xを収率80%で得た。このHM
−0−X(0.8mol)とKOH(0.8mol)、
水500m1、37%ホルマリン水溶液(4.8mo
l)をフラスコに入れ、50℃で5時間加熱後酢酸で中
和し、溶媒を減圧濃縮、得られた油状物を酢酸エチル/
メタノール=1/1に溶解し、SiO2カラムロマトグ
ラフイーにより分離し、目的物HM−0(L1=L2=C
2OH)を無色結晶として、全収率50%で得た。
【0118】
【化35】
【0119】(2−2)架橋剤〔HM−1〕の合成 1−〔α−メチル−α-(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル〕−4−〔α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチル〕ベンゼン20g(本州化学工業(株)製T
risp−PA)を10%水酸化カリウム水溶液に加
え、撹拌、溶解した。次にこの溶液を撹伴しながら、3
7%ホルマリン水溶液60mlを室温下で1時間かけて
徐々に加えた。さらに室温下で6時間撹伴した後、希硫
酸水溶液に投人した。析出物をろ過し、十分水洗した
後、メタノール30mlより再結晶することにより、下
記構造のヒドロキシメチル基を有するフェノール誘導体
〔HM−1]の白色粉末20gを得た。純度は92%で
あった(液体クロマトグラフィー法)。
【0120】(2−3)架橋剤〔MM−1〕の合成 上記合成例で得られたヒドロキシメチル基を有するフェ
ノール誘導体〔HM−1〕20gを1リットルのメタノ
ールに加え、加熱撹拌し、溶解した。次に、この溶液に
濃硫酸1mlを加え、12時間加熱還流した。反応終了
後、反応液を冷却し、炭酸カリウム2gをを加えた。こ
の混合物を十分濃縮した後、酢酸エチル300mlを加
えた。この溶液を水洗した後、濃縮乾固させることによ
り、下記構造のメトキシメチル基を有するフェノール誘
導体〔MM−1〕の白色固体22gを得た。純度は90
%であった(液体クロマトグラフィー法)。
【0121】同様にして、以下に示す架橋剤AL−1お
よびAL−2についても合成した。
【0122】
【化36】
【0123】(3)電子線またはX線により酸を発生す
る化合物 (3−1)ペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチ
ルアンモニウム塩の合成ペンタフロロベンゼンスルホニ
ルクロリド25gを氷冷下メタノール100mlに溶解
させ、これに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド水溶液100gをゆっくり加えた。室温で3時間攪
拌するとペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチル
アンモニウム塩の溶液が得られた。この溶液をスルホニ
ウム塩、ヨードニウム塩との塩交換に用いた。
【0124】(3−2)トリフェニルスルホニウムペン
タフロロベンゼンスルホネートの合成 ジフェニルスルホキシド50gをベンゼン800mlに
溶解させ、これに塩化アルミニウム200gを加え、2
4時間還流した。反応液を氷2Lにゆっくりと注ぎ、こ
れに濃塩酸400mlを加えて70℃で10分加熱し
た。この水溶液を酢酸エチル500mlで洗浄し、ろ過
した後にヨウ化アンモニウム200gを水400mlに
溶解したものを加えた。析出した粉体をろ取、水洗した
後酢酸エチルで洗浄、乾燥するとトリフェニルスルホニ
ウムヨージドが70g得られた。トリフェニルスルホニ
ウムヨージド30.5gをメタノール1000mlに溶
解させ、この溶液に酸化銀19.1gを加え、室温で4
時間攪拌した。溶液をろ過し、これに過剰量のペンタフ
ロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩の
溶液を加えた。反応液を濃縮し、これをジクロロメタン
500mlに溶解し、この溶液を5%テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗浄した。有
機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮するとトリフ
ェニルスルホニウムペンタフロロベンゼンスルホネート
(I−1)が得られた。
【0125】(3−3)ジ(4−t−アミルフェニル)
ヨードニウムペンタフロロベンゼンスルホネートの合成 t−アミルベンゼン60g、ヨウ素酸カリウム39.5
g、無水酢酸81g、ジクロロメタン170mlを混合
し、これに氷冷下濃硫酸66.8gをゆっくり滴下し
た。氷冷下2時間攪拌した後、室温で10時間攪拌し
た。反応液に氷冷下、水500mlを加え、これをジク
ロロメタンで抽出、有機相を炭酸水素ナトリウム、水で
洗浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨ
ードニウム硫酸塩が得られた。この硫酸塩を、過剰量の
ペンタフロロベンゼンスルホン酸テトラメチルアンモニ
ウム塩の溶液に加えた。この溶液に水500mlを加
え、これをジクロロメタンで抽出、有機相を5%テトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、および水で洗
浄した後濃縮するとジ(4−t−アミルフェニル)ヨー
ドニウムペンタフロロベンゼンスルホネート(III−
1)が得られた。以下に示す酸発生剤PAG−1および
PAG−2についても上記と同様の方法を用いて合成で
きる。
【0126】
【化37】
【0127】2.実施例〔実施例1−1〜実施例1−6
7、比較例1−101〜比較例1−108〕 (1)レジストの塗設 本発明を構成するアルカリ可溶性樹脂と比較用アルカリ
可溶性樹脂とを用いて、下記表−1に示す組成のフォト
レジスト組成物の溶液を調整した。各試料溶液を0.1
μmのフィルターで濾過したのち、スピンコーターを利
用して、シリコンウェハー上に塗布し、110℃、90
秒間真空吸着型のホットプレートで乾燥して、膜厚0.
3μmのレジスト膜を得た。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】表−1において使用した略号は下記の内容
を示す。 <本発明を構成するアルカリ可溶性樹脂>
【0131】
【化38】
【0132】
【化39】
【0133】
【化40】
【0134】
【化41】
【0135】
【化42】
【0136】
【化43】
【0137】
【化44】
【0138】
【化45】
【0139】
【化46】
【0140】<比較用アルカリ可溶性樹脂> P−101: ポリ−(p−ヒドロキシスチレン) Mw10,000 Mw/Mn=1.4 P−102: ノボラック樹脂 m−クレゾール/p−クレゾール=45/55(モル
比) Mw6,500
【0141】<本発明を構成する有機塩基性化合物> B−1:トリフェニルイミダゾール B−2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−
5−エン B−3:4−ジメチルアミノピリジン B−4:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ
カ−7−エン
【0142】(2)レジストパターンの作成 このレジスト膜に電子線描画装置(加速電圧50kV)
を用いて照射を行った。照射後にそれぞれ110℃の真
空吸着型ホットプレートで60秒間加熱を行い、2.3
8%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(T
MAH)水溶液で60秒間浸漬し、30秒間水でリンス
して乾燥した。得られたパターンの断面形状を走査型電
子顕微鏡により観察した。
【0143】また、感度は、0.20μmライン(ライ
ン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネル
ギーを感度とし、その照射量における限界解像力(ライ
ンとスペースが分離解像)を解像力とした。0.20μ
mライン(ライン:スペース=1:1)が解像しないも
のついては限界の解像力を解像力とした。
【0144】PBD安定性は、下記のように評価した。
上記の方法により得られたレジスト膜を電子線描画装置
(加速電圧50keV)を用いて照射を行った。照射後
に110℃の真空吸着型ホットプレートで60秒間加熱
を行い、この後120分放置してから、2.38%TM
AH水溶液で60秒間浸漬し。30秒間水でリンスして
乾燥した。得られたコンタクトホールパターンの断面形
状を走査型電子顕微鏡により観察した。上記の方法によ
り求めた最小照射量と同一の照射量で解像できる最小の
パターンサイズを求める。このサイズと上記で得られた
限界解像力が3%以内であるものをPBD安定性合格
(○)とする。3%を超え、5%以内であるものをPB
D安定性許容(△)とする。5%を超えるものをPBD
安定性不可(×)とする。
【0145】性能評価結果を表−2に示した。
【0146】
【表3】
【0147】
【表4】
【0148】〔評価結果の説明〕表−2の結果は、本発
明の組成物が高感度、高解像力、矩形なプロファイル且
つ優れたPBD安定性を示し、優れた性能を有すること
を示している。
【0149】[実施例2]実施例1及び2において、電
子線またはX線の照射により酸を発生する化合物を(I
−9)、(II−1)、(III−1)にかえて同様に実施
したところ、同様な効果が得られた。また、実施例1及
び2において界面活性剤を、メガファックR08,メガ
ファックF176,ポリシロキサンポリマーKP341
に変えて同様に実施したところ、同様な効果が得られ
た。さらに、実施例1及び2において、溶剤をプロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル=80/20(vol
/vol)に変更した同様に実施したところ、同様な効
果が得られた。また、X線投影装置を用いた実施におい
て同様の効果が得られた。
【0150】これらより、本発明の電子線またはX線用
化学増幅系ネガ型レジスト組成物は電子線またはX線リ
ソグラフィーに好適であることがわかる。
【0151】
【発明の効果】本発明の電子線またはX線用化学増幅系
ネガ型レジスト組成物により、感度、解像力に優れ、し
かも矩形なプロファイルを有し、更にPBD安定性が優
れるネガ型レジスト組成物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 503 G03F 7/004 503A 504 504 7/033 7/033 H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA03 AC05 AC06 AD01 BE00 CB06 CB42 CC03 CC04 CC20 FA03 FA12 FA17 4J002 BC131 BE041 BG071 CP032 EB107 EJ016 EJ026 EJ036 EJ066 EP016 EQ017 EV297 EV357 EW177 FD146 FD312 FD318 GP03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1)で表される繰り返
    し単位を構成成分として含有するアルカリ可溶性樹脂 (B)酸により架橋する架橋剤、及び (C)電子線またはX線の照射により酸を発生する化合
    物 (D)フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤 を含有することを特徴とする電子線又はX線用ネガ型レ
    ジスト組成物。 【化1】 一般式(1)において、R101は、水素原子あるいはメ
    チル基あるいはエチル基を表す。Lは二価の連結基を表
    す。Ra、Rbはそれぞれ独立に、炭素数1から12の直
    鎖状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケニ
    ル基、アリール基、アラルキル基、あるいは水素原子を
    表す。Rc、Rdはそれぞれ独立に、炭素数1から12の
    直鎖状、分岐状、あるいは、環状のアルキル基、アルケ
    ニル基、アリール基、あるいはアラルキル基を表す。ま
    た、これらは互いに連結して炭素数24以下の5員以上
    の環を形成しても良い。l、mは0〜3までの整数を表
    し、l+m≦4、を満たす。p、qは0〜3までの整数
    を表し、p+q≦4、l+m+p+q≦7、を満たす。
  2. 【請求項2】 (C)成分の化合物が、スルホニウム、
    又はヨードニウムのスルホン酸塩化合物から選択される
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子線又はX線用ネ
    ガ型レジスト組成物。
  3. 【請求項3】 (C)成分の化合物が、N−ヒドロキシ
    イミドのスルホン酸エステル化合物であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の電子線又はX線用ネガ型レ
    ジスト組成物。
  4. 【請求項4】 更に(E)有機塩基性化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子
    線又はX線用ネガ型レジスト組成物。
  5. 【請求項5】 更に、プロピレングリコールモノメチル
    エーテルアセテートを含有する溶剤を含有することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子線又はX
    線用ネガ型レジスト組成物。
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