JP6249594B2 - 化合物、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

化合物、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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本発明は、化合物、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法に関する。
近年、半導体の微細加工技術として、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)等の短波長光を露光源とする光リソグラフィ技術が活発に検討されている。このような光リソグラフィ技術に用いられるレジスト組成物は、酸の作用によってアルカリ水溶液に対する溶解性が変化する樹脂と、酸発生剤とが含有されている。当該樹脂は酸に不安定な基を有する構造単位を有し、さらにレジスト組成物の特性を調整するため、種々の構造単位を有するものが検討されている。
例えば、特許文献1には、式(X)で表される構造単位を有する樹脂及び、該樹脂と酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト用感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)が記載されている。
特開2011−75750号公報
本発明は、特定の構造単位を有する新規な樹脂、該樹脂を誘導する新規化合物及び該樹脂を含有する新規なレジスト組成物を提供する。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕式(I)で表される構造単位を有する樹脂。
[式(I)中、
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
n及びmは、それぞれ独立に、0又は1を表す。
は、単結合、式(a−1)で表される基又は式(a−2)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
10及びA12は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。)
−O−(CH−* (a−2)
(式(a−2)中、lは1〜6の整数を表す。*はOとの結合手を表す。)]
〔2〕前記式(I)のnが1である前記〔1〕記載の樹脂。
〔3〕前記式(I)のnが1であり、かつ、Xが単結合である前記〔1〕又は〔2〕記載の樹脂。
〔4〕アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の樹脂。
〔5〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の樹脂と、酸発生剤とを含有するレジスト組成物。
〔6〕前記酸発生剤が、式(B1)で表される前記〔5〕記載のレジスト組成物。
[式(B1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該脂肪族飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
〔7〕前記式(B1)におけるYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である前記〔6〕記載のレジスト組成物。
〔8〕さらに、塩基性化合物を含有する前記〔5〕〜〔7〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔9〕さらに、溶剤を含有する前記〔5〕〜〔8〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔10〕(1)前記〔9〕記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
〔11〕式(IIa)で表される化合物。
[式(IIa)中、
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
nは、0又は1を表す。
は、単結合、式(a−1)で表される基又は式(a−2)で表される基を表す。
(式(a−1)中、
sは0又は1の整数を表す。
10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
10及びA12は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。)
で表される基を表す。)
−O−(CH−* (a−2)
(式(a−2)中、lは1〜6の整数を表す。*はOとの結合手を表す。)]
本発明によれば、レジスト組成物に有用かつ新規な樹脂、この樹脂を含有する新規なレジスト組成物及びこの樹脂を誘導する新規化合物が提供できる。
レジストパターンの(断面)形状の良否を模式的に表す図である。
本明細書では、特に断りのない限り、炭素数を適宜選択しながら、以下の置換基の例示は、同様の置換基を有するいずれの化学構造式においても適用される。脂肪族炭化水素基のうち、アルキル基のように直鎖状又は分岐状をとることができるものは、そのいずれをも含む。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。以下の置換基の例示において、「C」に付して記載した数値は、各々の基の炭素数を示すものである。
さらに、本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
炭化水素基とは、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を包含する。
脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式の双方を含み、特に定義しない限り、鎖式及び環式の脂肪族炭化水素基が組み合わせられたものも包含する。また、これら脂肪族炭化水素基は、その一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、飽和の基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち1価のものとしては、典型的にはアルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基(C)、エチル基(C)、プロピル基(C)、ブチル基(C)、ペンチル基(C)、ヘキシル基(C)、ヘプチル基(C)、オクチル基(C)、デシル基(C10)、ドデシル基(C12)、ヘキサデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキシルデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)及びオクタデシル基(C18)などが挙げられる。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち2価のものとしては、アルキル基から水素原子を1個取り去ったアルカンジイル基が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
環式の脂肪族炭化水素基(以下、場合により「脂環式炭化水素基」という)は、典型的には、シクロアルキル基を意味し、以下に示す単環式及び多環式のいずれも包含する。
脂環式炭化水素基のうち1価のものとして、単環式の脂肪族炭化水素基は、以下の式(KA−1)〜(KA−7)で表されるシクロアルカンの水素原子を1個取り去った基である。
多環式の脂肪族炭化水素基は、以下の式(KA−8)〜(KA−22)で表されるシクロアルカンの水素原子を1個取り去った基である。
脂環式炭化水素基のうち2価のものとしては、式(KA−1)〜式(KA−22)の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り去った基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよい。このような置換基としては、特に限定されない限り、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アリール基、アラルキル基及びアリールオキシ基が挙げられる。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C)、エトキシ基(C)、プロポキシ基(C)、ブトキシ基(C)、ペンチルオキシ基(C)、ヘキシルオキシ基(C)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などが挙げられる。
アルキルチオ基としては、メチルチオ基(C)、エチルチオ基(C)、プロピルチオ基(C)、ブチルチオ基(C)、ペンチルチオ基(C)、ヘキシルチオ基(C)、ヘプチルチオ基(C)、オクチルチオ基(C)、デシルチオ基(C10)及びドデシルチオ基(C12)などが挙げられる。
アシル基としては、アセチル基(C)、プロピオニル基(C)、ブチリル基、イソブチリル基(C)、バレイル基、イソバレイル基、ピバロイル基(C)、ヘキサノイル基(C)、ヘプタノイル基(C7)、オクタノイル基(C8)、デカノイル基(C10)及びドデカノイル基(C12)などのアルキル基とカルボニル基とが結合したもの並びにベンゾイル基(C7)などのアリール基とカルボニル基とが結合したものが包含される。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基(C)、ナフチル基(C10)、アントリル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)などが挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などが挙げられる。
アリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(C)、ナフチルオキシ基(C10)、アントリルオキシ基(C14)、ビフェニルオキシ基(C12)、フェナントリルオキシ基(C14)及びフルオレニルオキシ基(C13)などのアリール基と酸素原子とが結合したものが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、典型的には、アリール基が挙げられる。
芳香族炭化水素基も置換基を有することがある。このような置換基はそのつど定義するが、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アルキル基及びアリールオキシ基を挙げることができる。これらのうち、アルキル基は、鎖式脂肪族炭化水素基として例示したものと同じであり、芳香族炭化水素基に任意に有する置換基のうち、アルキル基以外のものは、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと同じものを含む。
<レジスト組成物>
本発明の新規なレジスト組成物は、樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)と酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)とを含む。
また、本発明のレジスト組成物は、さらに必要に応じて溶剤及び/又は当技術分野でクエンチャーと呼ばれる塩基性化合物を含有していることが好ましい。
以下、本発明のレジスト組成物の構成成分を樹脂(A)及び酸発生剤(B)の順に説明し、さらに任意の構成成分である塩基性化合物や溶剤等について説明する。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、上述した式(I)で表される構造単位(以下、「構造単位(I)」という場合がある)を有する。構造単位(I)を有する樹脂は、従来にはない新規な樹脂である。例えば、このような樹脂(A)を、レジスト組成物に用いることにより、優れた断面形状(以下、「レジストパターンの形状」という場合がある)のレジストパターンを製造することができる。
式(I)において、Rのハロゲン原子は、すでに例示したものを含む。
の「ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基」のうち、アルキル基はすでに例示したとおりである。このアルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がハロゲン原子に置換されたものが、ハロゲン原子を有する炭素数1〜6のアルキル基に該当する。ハロゲン原子を有するアルキル基の中では、フッ素原子を有するアルキル基が好ましく、アルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子に置換されたペルフルオロアルキル基がさらに好ましい。このペルフルオロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
は、単結合、前記式(a−1)で表される基(以下、「基(a−1)」という場合がある)又は式(a−2)(以下、「基(a−2)」という場合がある)で表される基を表す。
における基(a−1)は、X10及びX11のように、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基等の原子又は原子団を含む。
10、A11及びA12の脂肪族炭化水素基は典型的にはアルカンジイル基であり、その具体例は炭素数が1〜6の範囲ですでに例示したものを含むが、中でも、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、1−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基等が好ましい。
10、A11及びA12における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。
酸素原子を有する基(a−1)としては、
などが挙げられる。
カルボニル基を有する基(a−1)としては、
などが挙げられる。
カルボニルオキシ基を有する基(a−1)としては、
などが挙げられる。
オキシカルボニル基を有する基(a−1)としては、
などが挙げられる。
基(a−2)としては、
などが挙げられる。
構造単位(I)は、なかでも、nが1(n=1)であるものが好ましく、さらに、n=1であり、かつ、Xが単結合であるものがより好ましい。
構造単位(I)としては、以下の構造単位などが挙げられる。
上記の構造単位(I)の具体例において、Rに相当するメチル基が水素原子に置き換わったものも、構造単位(I)の具体例として挙げられる。
以上の構造単位(I)の中でも、式(I−1)及び式(II−1)でそれぞれ表される構造単位(I)が好ましい。
構造単位(I)は、式(Ia)で表される化合物(以下、「化合物(Ia)」という場合がある)から誘導される。化合物(Ia)は、構造単位(I)を誘導し得る新規化合物であり、本発明は、この化合物(Ia)に係る発明を含む。
(式(Ia)中、R、n、m及びXは上記と同じ意味を表す。)
例えば、式(Ia)において、nが1、Xが単結合である式(IA)で表される化合物の製造方法を下記に示す。
(式中、m及びRは、それぞれ上記と同じ意味を表す。)
まず、式(IA−a)で表される化合物と式(IA−b)で表される化合物とを溶剤中で反応させることにより、式(IA−c)で表される化合物を得る。この反応で用いる溶剤としては、クロロホルム等が挙げられる。
得られた式(IA−c)で表される化合物と式(IA−d)で表される化合物とを、溶剤中で反応させることにより、式(IA−e)で表される化合物を得ることができる。
この反応で用いる溶剤としては、クロロホルム等が挙げられる。
式(IA−a)で表される化合物としては、以下で表される化合物等が挙げられる。
得られた式(IA−e)で表される化合物と水とを、酸存在下、溶剤中で反応させることにより、式(IA)で表される化合物を得ることができる。
酸としては、シュウ酸等が挙げられる。
この反応で用いる溶剤としては、アセトニトリル等が挙げられる。
特に、式(Ia)において、mが1である式(IIa)で表される化合物は新規化合物であり、例えば、以下の製造方法で製造することができる。
(式中、n、X及びRは、それぞれ上記と同じ意味を表す。)
この化合物の製造方法として、式(IIa)において、nが0、Xが−O−CH−CO−である式(IIA)で表される化合物の製造方法を下記に示す。
(式中、Rは、上記と同じ意味を表す。)
例えば、式(IIA−a)で表される化合物と式(IIA−b)で表される化合物とを、塩基触媒の存在下、溶剤中で反応させることにより式(IIA−c)で表される化合物を得ることができる。ここで用いる塩基触媒としてはピリジンが好ましい。溶剤としては、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
式(IIA−d)で表される化合物と式(IIA−c)で表される化合物とを、塩基触媒の存在下、溶剤中で反応させることにより式(IIA−e)で表される化合物を得ることができる。ここで用いる塩基触媒としてはジメチルアミノピリジンが好ましい。溶剤としては、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
得られた式(IIA−e)で表される化合物と水とを、酸存在下、溶剤中で反応させることにより、式(IIA)で表される化合物を得ることができる。
酸としては、シュウ酸等が挙げられる。
この反応に用いる溶媒としては、アセトニトリル等が挙げられる。
m=0である化合物(Ia)の具体例は、以下のとおりである。
m=0である化合物(Ia)(つまり、化合物(IIa))の具体例は、以下のとおりである。
上記の化合物(Ia)の具体例において、Rに相当するメチル基が水素原子に置き換わった化合物も、それらの具体例として挙げられる。
樹脂(A)は、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であることが好ましく、さらに、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であることがより好ましい。
ここで、「酸の作用によりアルカリに溶解し得る」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。
このような樹脂(A)は、構造単位(I)に加えて、酸に不安定な基を有する構造単位(以下、「酸不安定構造単位(a1)」という場合がある)、特に、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位を有することが好ましい。
樹脂(A)は、化合物(Ia)で表される化合物と、酸不安定構造単位(a1)を誘導するモノマーとを重合することによって製造することができる。この樹脂の製造において、酸不安定構造単位を誘導するモノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
このような樹脂(A)により、より優れた特性を有するレジスト組成物を実現できる。
樹脂(A)における構造単位(I)の含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常1〜50モル%であり、好ましくは3〜40モル%であり、より好ましくは5〜35モル%である。
〈酸不安定構造単位(a1)〉
「酸に不安定な基」とは、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離することにより、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基で保護された親水性基としては、例えば、式(1)で表される基(酸不安定基(1))又は式(2)で表される基(酸不安定基(2))等が挙げられる。
[式(1)中、Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
[式(2)中、Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の複素環基を形成し、前記炭化水素基及び2価の複素環基に含まれるメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子で置き換わっていてもよい。*は結合手を表す。]
a1〜Ra3のアルキル基及び脂環式炭化水素基の具体例は、炭素数が各々の範囲で、すでに例示したものを含む。該脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜16である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合わせた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた合計炭素数が20以下であることが好ましい。このような基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基等が挙げられる。
a1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)基としては、下記の基が挙げられる。*は−O−との結合手を表す。
該2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12である。
式(1)で表される酸に不安定な基としては、例えば、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1、Ra2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
a1'及びRa2'の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。これらの具体例は各々の炭素数の範囲で、すでに例示したものを含む。
a2'及びRa3'が結合して形成する2価の複素環基は、Ra1及びRa2が結合して形成する2価の炭化水素基の1つの炭素原子が1つの酸素原子と置き換わったものが挙げられる。
好ましくは、Ra1'及びRa2'のうち少なくとも1つが水素原子である。
式(2)で表される基の具体例としては、以下の基が挙げられる。
酸不安定構造単位(a1)は、好ましくは、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマーを重合して得られる樹脂を使用すれば、レジストの解像度を向上させることができる。
酸不安定構造単位(a1)は、好ましくは、酸に不安定な基(1)と炭素−炭素二重結合とを有する構造単位であり、より好ましくは酸に不安定な基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーから誘導される構造単位である。ここで、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを表す。
脂環式炭化水素基と酸不安定基(1)とを有する、酸不安定構造単位の中でも、式(a1−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1−1)」という場合がある)及び式(a1−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1−2)」という場合がある)が好ましい。
式(a1−1)中、
a1は、酸素原子又は*−O−(CH2k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
a4は、水素原子又はメチル基を表す。
a6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
a2は、酸素原子又は*−O−(CH2k1−CO−O−(k1は前記と同義である。
)で表される基を表す。
a5は、水素原子又はメチル基を表す。
a7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。
a1及びLa2は、好ましくは、酸素原子又は、k1が1〜4の整数である*−O−(CH2k1−CO−O−で表される基であり、より好ましくは酸素原子又は*−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7の脂肪族炭化水素基のうち、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であり、この炭素数の上限以下の範囲で、すでに例示したものと同じものを含む。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数8以下のアルキル基又は炭素数8以下の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数6以下のアルキル基又は炭素数6以下の脂環式炭化水素基である。脂肪族炭化水素基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせたものであってもよい。アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合わせた基は、これらの合計炭素数が20以下であることが好ましい。このような基としては、式(1)のRa1〜Ra3の脂環式炭化水素基と同様の基が挙げられる。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は、好ましくは0又は1である。
ここで、構造単位(a1−1)の具体例を挙げる。
式(a1−1−1)〜式(a1−1−38)のいずれかで表される構造単位(a1−1)の具体例において、以下に示す部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも構造単位(a1−1)の具体例として挙げることができる。
以上の構造単位(a1−1)の具体例の中では、式(a1−1−1)、式(a1−1−2)及び式(a1−1−3)のいずれかで表される構造単位、並びにこれらの構造単位(a1−1)の部分構造Mが部分構造Aに置き換えられたものが好ましく、式(a1−1−1)、式(a1−1−2)及び式(a1−1−3)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a1−1−1)及び式(a1−1−2)でそれぞれ表される構造単位がさらに好ましい。なお、これら好ましい構造単位(a1−1)を有する樹脂(A)は、該樹脂(A)を製造する際に、2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート、2−エチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート又は2−イソプロピルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートなどを製造用原料(酸不安定構造単位(a1)を誘導するモノマー)として用いればよい。なお、これらモノマーは例えば、特開2010−204646号公報などに記載されている。
構造単位(a1−2)の具体例を示す。
式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)のいずれかで表される構造単位の具体例において、構造単位(a1−1)の具体例と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも構造単位(a1−2)の具体例として挙げることができる。
以上の具体例の中では、式(a1−2−1)、式(a1−2−2)、式(a1−2−4)及び式(a1−2−5)のいずれかで表される構造単位、あるいは、これらの構造単位(a1−2)の部分構造Mが部分構造Aに置き換えられたものがより好ましく、式(a1−2−4)及び式(a1−2−4)でそれぞれ表される構造単位、あるいは、これらの構造単位(a1−2)の部分構造Mが部分構造Aに置き換えられたものがさらに好ましい。このような構造単位(a1−2)を有する樹脂(A)を製造するためには、1−メチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレートなどを製造用原料(酸不安定構造単位(a1)を誘導するモノマー)として用いればよい。
樹脂(A)が構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を有する場合、樹脂(A)の全構造単位に対して、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)の合計含有割合は、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲が一層好ましい。構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)の合計含有割合を、このような範囲にするためには、樹脂(A)を製造する際に、全モノマーの使用量に対する、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマーの使用量を調整すればよい。
構造単位(a1)がアダマンタン環を有する構造単位、特に構造単位(a1−1)を含む場合、構造単位(a1)の総量(100モル%)に対して、構造単位(a1−1)の割合を15モル%以上とすることが好ましい。このようにすると、樹脂(A)を含有する本レジスト組成物から得られるレジストパターンのドライエッチング耐性がより良好になる傾向がある。
酸不安定構造単位(a1)を誘導する他の構造単位としては、例えば、式(a1−5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1−5)」という場合がある)が挙げられる。
[式(a1−5)中、
31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a1は、単結合又は*−[CH2k4−CO−La4−を表す。ここで、k4は1〜4の整数を表す。*は、La1との結合手を表す。
a1、La2、La3及びLa4は、それぞれ独立に、−O−又は−S−を表す。
s1は、1〜3の整数を表す。
s1’は、0〜3の整数を表す。]
式(a1−5)においては、R31は、水素原子、メチル基及びトリフルオロメチル基が好ましい。
a1は、酸素原子が好ましい。
a2及びLa3は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子が好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
a1は、単結合又は*−CH−CO−O−が好ましい。
構造単位(a1−5)を導くモノマーとしては、以下のモノマーが挙げられる。
樹脂(A)が、構造単位(a1−5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、1〜95モル%が好ましく、3〜90モル%がより好ましく、5〜85モル%がさらに好ましい。
<酸安定構造単位>
樹脂(A)は、構造単位(I)及び構造単位(a1)に加えて、酸不安定基を有さない構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位」という。)を有していることが好ましい。この場合の樹脂(A)は、1種の酸安定構造単位を有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
樹脂(A)が酸安定構造単位を有する場合、構造単位(a1)の含有割合を基準にして、酸安定性構造単位の含有割合を定めるとよい。構造単位(a1)の含有割合と酸安定構造単位の含有割合との比は、〔構造単位(a1)〕/〔酸安定構造単位〕で表して、好ましくは10〜80モル%/90〜20モル%であり、より好ましくは20〜60モル%/80〜40モル%である。
酸安定構造単位は、ヒドロキシ基又はラクトン環を有する構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(以下、「酸安定構造単位(a2)」という場合がある。)及び/又はラクトン環を有する酸安定構造単位(以下、「酸安定構造単位(a3)」という場合がある。)を有する樹脂(A)は、当該樹脂(A)を含有する本発明のレジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜、又は塗布膜から得られる組成物層が基板との間に優れた密着性を発現し易くなり、このような本レジスト組成物は良好な解像度で、レジストパターンを製造することができる。
<酸安定構造単位(a2)>
酸安定構造単位(a2)を樹脂(A)に導入する場合、樹脂(A)を含有する本レジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定構造単位(a2)を選択することができる。すなわち、本レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)を露光源とする露光、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光源とする露光に用いる場合には、酸安定構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)を樹脂(A)に導入することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする露光を用いる場合は、酸安定構造単位(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定構造単位を樹脂(A)に導入することが好ましい。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
<酸安定構造単位(a2−0)>
酸安定構造単位(a2)としては、以下の式(a2−0)で表されるもの(以下、「酸安定構造単位(a2−0)」という。)が挙げられる。
式(a2−0)中、
a30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は互いに同一又は相異なる。
a30のハロゲン原子を有してもよいアルキル基及びハロゲン原子の具体例は、式(I)におけるRで例示したものと同じである。これらのうち、Ra30は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
a31のアルコキシ基の具体例は、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
酸安定構造単位(a2−0)の具体例を、該酸安定構造単位(a2−0)を誘導するモノマー(以下、「酸安定モノマー(a2−0)」という。)を挙げることで例示する。
ここに例示する具体例において、ベンゼン環に結合しているメチル基やエチル基を、Ra31として例示したその他の置換基に置き換えたものも、酸安定モノマー(a2−0)の具体例である。
このような酸安定モノマー(a2−0)を用いて、樹脂(A)を製造する場合は、該酸安定モノマー(a2−0)にあるフェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護されているモノマー(保護フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマー)を用いることもできる。ここでいう保護基としては例えば、アセチル基、ベンゾイル基などが好ましい。これらの保護基で保護されたフェノール性ヒドロキシ基は、酸又は塩基との接触により該保護基等が脱保護されるため、酸安定構造単位(a2−0)が得られる。ただし、樹脂(A)は上述のとおり、酸不安定基を持つ構造単位(a1)を有しているので、フェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基で保護されてなる前駆構造単位を脱保護する際には、構造単位(a1)の酸不安定基を著しく損なわないようにして、脱保護を実施する必要がある。
上述の酸安定モノマー(a2−0)の例示の中では、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンを用いて、樹脂(A)を製造する際には、これらにあるフェノール性ヒドロキシ基が適当な保護基により保護したものを用いることもできる。
樹脂(A)が、酸安定構造単位(a2−0)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜95モル%の範囲が好ましく、10〜80モル%の範囲がより好ましく、15〜80モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定構造単位(a2−1)>
酸安定構造単位(a2−1)の具体例は、以下の式(a2−1)で示されるものである。
式(a2−1)中、
a3は、酸素原子又は*−O−(CH2k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表す。)を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
a3は、好ましくは、酸素原子又は、k2が1〜4の整数である−O−(CH2k2−CO−O−で表される基であり、より好ましくは、酸素原子又は、−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定構造単位(a2−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
式(a2−1−1)〜式(a2−1−17)のいずれかで表される酸安定構造単位の具体例において、構造単位(a1−1)の具体例と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも酸安定構造単位(a2−1)の具体例として挙げることができる。
例示した酸安定構造単位(a2−1)の中でも、式(a2−1−1)、式(a2−1−2)、式(a2−1−13)及び式(a2−1−15)のいずれかで表される酸安定構造単位、並びにこれらの酸安定構造単位(a2−1)の部分構造Mが部分構造Aに置き換わったものが好ましく、式(a2−1−1)、式(a2−1−2)、式(a2−1−13)及び式(a2−1−15)のいずれかで表される酸安定構造単位がさらに好ましい。これらの酸安定構造単位(a2−1)を有する樹脂(A)は、3−ヒドロキシアダマンチタン−1−イル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンチタン−1−イル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチルなどを、樹脂(A)製造用の酸安定モノマーとして用いればよい。
樹脂(A)が、酸安定構造単位(a2−1)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、3〜45モル%の範囲が好ましく、5〜40モル%の範囲がより好ましく、5〜35モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定構造単位(a3)>
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
酸安定構造単位(a3)は好ましくは、以下の式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表されるモノマーである。樹脂(A)は、これらのうち1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。なお、以下の説明においては、式(a3−1)で表されるものを「酸安定構造単位(a3−1)」という場合があり、式(a3−2)で表されるものを「酸安定構造単位(a3−2)」という場合があり、式(a3−3)で表されるものを「酸安定構造単位(a3−3)」という場合がある。
[式(a3−1)中、
a4は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は互いに同一又は相異なる。
式(a3−2)中、
a5は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a19は、水素原子又はメチル基を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は互いに同一又は相異なる。
式(a3−3)中、
a6は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は互いに同一又は相異なる。]
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定構造単位(a3−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定構造単位(a3−2)としては、例えば以下のものが挙げられる。
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定構造単位(a3−3)は例えば、以下のものが挙げられる。
式(a3−1−1)〜式(a3−1−11)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−1)、式(a3−2−1)〜式(a3−2−11)のいずれかで表される酸安定構造単位(a3−2)及び式(a3−3−1)〜式(a3−3−6)のいずれかで表される酸安定構造単位において、構造単位(a1−1)の具体例と同様に、部分構造Mを部分構造Aに置き換えたものも、各々酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)の具体例として挙げることができる。また、この例示において、ラクトン環が有する置換基(Ra21〜Ra23)としてメチル基を有するものも例示したが、このメチル基を上述のような基に置き換えたものも、酸安定構造単位(a3)の具体例として挙げられる。
酸安定構造単位(a3−3)を有する樹脂(A)は、樹脂(A)製造時に、α−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイロキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイロキシ−β,β−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイロキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、(メタ)アクリル酸(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル及び(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルなどを酸安定モノマーとして用いればよい。
樹脂(A)が、酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)からなる群より選ばれる酸安定構造単位(a3)を有する場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜70モル%の範囲から選ばれ、10〜65モル%の範囲が好ましく、10〜60モル%の範囲がさらに好ましい。
また、酸安定モノマー(a3−1)、酸安定モノマー(a3−2)及び酸安定モノマー(a3−3)に由来する構造単位を含む場合、それぞれの含有量は、樹脂(A)の全構造単位に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましい。
<その他の構造単位>
樹脂(A)は、本発明の目的を著しく損なわない限り、上述したような構造単位以外のものを有していてもよい。
<樹脂(A)の製造方法>
樹脂(A)は、化合物(Ia)及び/又は化合物(IIa)〔構造単位(I)を誘導するモノマー〕を重合、好ましくは、化合物(Ia)及び/又は化合物(IIa)と、構造単位(a1)を誘導するモノマー(酸に不安定な基を有するモノマー)とを、より好ましくは酸安定構造単位を誘導するモノマーとを共重合させたものであり、さらに好ましくは、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー、酸安定構造単位(a2)及び/又は酸安定構造単位(a3)を誘導するモノマーとを共重合させたものである。
樹脂(A)は、構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)を有することがさらに好ましい。酸安定構造単位(a2)としては、ヒドロキシアダマンチル基を有する構造単位(a2−1)を用いることが好ましい。酸安定構造単位(a3)としては、γ−ブチロラクトン環を有する酸安定構造単位(a3−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定構造単位(a3−2)の少なくとも1種を有することが好ましい。
樹脂(A)は、上述したようなモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供し、重合(共重合)することにより製造できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下)である。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。この分析の詳細な分析条件は、本願の実施例に記載する。
<酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)>
レジスト分野に用いられる酸発生剤は、非イオン系とイオン系とに分類される。本発明のレジスト組成物に含有する酸発生剤(B)としては、非イオン系酸発生剤であっても、イオン系酸発生剤であっても、それらの組み合わせであってもよい。非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、レジスト分野で使用される酸発生剤(特に光酸発生剤)だけでなく、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤又は光変色剤等の放射線(光)によって酸を発生する公知化合物及びそれらの混合物も、適宜、使用できる。例えば特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用できる。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)で表される塩(以下、「酸発生剤(B1)」という場合がある)である。この酸発生剤(B1)のうち、正電荷を有するZは「有機カチオン」といい、該有機カチオンを除去してなる負電荷を有するものを「スルホン酸アニオン」ということがある。
[式(B1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該2価の脂肪族飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
1及びQ2のペルフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
式(B1)では、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
b1の2価の脂肪族飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。これらのアルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基の具体例は、各々の炭素数の範囲ですでに例示したものを含む。
b1における前記2価の脂肪族飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−6)が挙げられる。式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側で−C(Q1)(Q2)−にある炭素原子と結合し、右側で−Yと結合する。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
b4は、炭素数1〜13の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の炭素数上限は13である。
b5は、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
b6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の炭素数上限は16である。
b8は、炭素数1〜14の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
b9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の炭素数上限は12である。
中でも、Lb1は、式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれかで表される2価の基が好ましく、式(b1−1)又は式(b1−2)で表される2価の基がより好ましく、式(b1−1)で表される2価の基がさらに好ましく、Lb2が単結合又は−CH−である式(b1−1)で表される2価の基が特に好ましい。
式(b1−1)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(b1−2)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(b1−3)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(b1−4)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(b1−5)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(b1−6)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Yのアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基である。
Yの脂環式炭化水素基としては、例えば、以下の式(Y1)〜式(Y11)のいずれかでで表される基が好ましい。
アルキル基及び脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、アルキル基に含まれるメチレン基が酸素原子、カルボニル基又は酸素原子とカルボニル基とに置き換わった基、以下の式(Y12)〜式(Y26)で表される基等が挙げられる。
なかでも、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)でそれぞれ表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)及び式(Y19)のいずれかで表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)及び式(Y14)で表される基である。
アルキル基及び脂環式炭化水素基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシ基含有炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j2−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。Yの置換基であるアルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアラルキル基等は、さらに置換基を有していてもよい。ここでの置換基は、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、すでに例示したもののうち、いずれでもよい。
ヒドロキシ基含有アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基の具体例は、炭素数1〜12の範囲ですでに例示したものを含む。
芳香族炭化水素基としては、典型的には置換基を有していてもよいアリール基であり、具体的には、フェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基及びアシル基の具体例も、各々の炭素数の範囲ですでに例示したものを含む。
Yが置換基を有する脂環式炭化水素基である場合、その具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
なお、Yがアルキル基であり、かつLb1が炭素数1〜17の2価の直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素基である場合、Yとの結合位置にある2価の脂肪族飽和炭化水素基の−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていることが好ましい。この場合、Yのアルキル基を構成する−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わらない。Yのアルキル基及び/又はLb1の2価の直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素基に含まれる水素原子が置換基で置換されている場合も同様である。
Yは、好ましくは置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、より好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基又はオキソアダマンチル基である。
酸発生剤(B1)を構成するスルホン酸アニオンとしては、好ましくは、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。以下の式においては、置換基の定義は上記と同じ意味であり、置換基Rb2及びRb3は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは、メチル基)を表す。
酸発生剤(B1)を構成するスルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
酸発生剤(B1)を構成する有機カチオン(Z+)は、有機オニウムカチオン、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、有機ホスホニウムカチオンなどが挙げられ、好ましくは、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンであり、より好ましくは、アリールスルホニウムカチオンである。
有機カチオン(Z+)は、好ましくは式(b2−1)〜式(b2−4)でそれぞれ表されるカチオンである。
これらの式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。Rb4とRb5が一緒になって硫黄原子を含む環を形成してもよい。該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上の整数である場合、複数のRb7は互いに同一又は相異なり、n2が2以上の整数である場合、複数のRb8は互いに同一又は相異なる。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。Rb9とRb10とは、それらが結合する硫黄原子とともに互いに結合して硫黄原子を含む3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)の脂環式炭化水素環を形成していてもよく、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子、−SO−又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。前記アルキル基に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記前記芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b11とRb12は、それらが結合する−CH−CO−とともに互いに結合して硫黄原子を含む3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、−SO−又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上の整数である場合、複数のRb13は互いに同一又は相異なり、p2が2以上の整数である場合、複数のRb14は互いに同一又は相異なり、s2が2以上の整数である場合、複数のRb17は互いに同一又は相異なり、u2が2以上の整数である場合、複数のRb18は互いに同一又は相異なる。q2が2以上の整数である場合、複数のRb15は互いに同一又は相異なり、r2が2以上の整数である場合、複数のRb16は互いに同一又は相異なる。
b4とRb5が一緒になって形成してもよい硫黄原子を含む環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよく、硫黄原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上の硫黄原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。該環としては、炭素数3〜18の環が好ましく、炭素数4〜13の環がより好ましい。
アルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。特に、Rb9〜Rb11のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜12である。
水素原子が脂環式炭化水素基及びアルキル基で置換されたアルキル基としては、例えば1−(アダマンタン−1−イル)1−アルキルアルカン−1−イル基等が挙げられる。 脂環式炭化水素基としては、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロデシル基が挙げられる。特に、Rb9〜Rb11の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
水素原子がアルキル基で置換された脂環式炭化水素基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基が挙げられる。
置換基が芳香族炭化水素基であるアルキル基(アラルキル基)としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基などが挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基に、アルキル基又は脂環式炭化水素基が含まれる場合は、炭素数1〜18のアルキル基及び炭素数3〜18の脂環式炭化水素基が好ましい。
アルコキシ基、ハロゲン原子及びアシル基のそれぞれの具体例は、各々の炭素数の範囲で、すでに例示したものを含む。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b9及びRb10が硫黄原子とともに形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
b11及びRb12が−CH−CO−とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環などが挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2−1)であり、より好ましくは、式(b2−1−1)で表されるカチオンであり、さらに好ましくは、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0)、ジフェニルトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=0、x2=1であり、Rb21がメチル基である)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)である。
式(b2−1−1)中、
b19〜Rb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表すか、Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になって硫黄原子を含む環を形成してもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上の整数である場合、複数のRb19は互いに同一又は相異なり、w2が2以上の整数である場合、複数のRb20は互いに同一又は相異なり、x2が2以上の整数である場合、複数のRb21は互いに同一又は相異なる。
式(b2−1−1)において、アルキル基は、好ましくは炭素数1〜12であり、脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜18である。
b19〜Rb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基であることが好ましく、ヒドロキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
式(b2−1−1)で表されるカチオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたカチオンが挙げられる。
酸発生剤(B1)は、上述のスルホン酸アニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができ、好ましくは、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表されるスルホン酸アニオンのいずれかとカチオン(b2−1−1)との組合せ、並びに式(b1−1−3)〜式(b1−1−5)のいずれかで表されるスルホン酸アニオンのいずれかとカチオン(b2−3)との組合せが挙げられる。
酸発生剤(B1)としては、例えば、式(B1−1)〜式(B1−24)のいずれかで表される塩が挙げられる。中でもトリアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)、式(B1−14)、式(B1−21)、式(B1−22)、式(B1−23)及び式(B1−24)のいずれかで表される塩がより好ましい。
本発明のレジスト組成物における酸発生剤(B)の含有率は、該レジスト組成物に含有される樹脂(A)の総量を基準にして好ましい範囲が定められる。樹脂(A)の総量に対して、酸発生剤(B)の含有率は、好ましくは1質量%以上(より好ましくは3質量%以上)、好ましくは40質量%以下(より好ましくは35質量%以下)である。
酸発生剤(B)は、上述したように、酸発生剤(B1)とは異なる酸発生剤を含んでいてもよく、この場合は、酸発生剤(B)の総量における酸発生剤(B1)の含有割合は、70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。ただし、本発明のレジスト組成物における酸発生剤(B)は、実質的に酸発生剤(B1)のみであることがさらに好ましい。
<塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含むことが好ましい。塩基性化合物(C)はクエンチャーとして作用する。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)で表される化合物〜式(C8)及び式(C1−1)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
[式(C1)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
[式(C1−1)中、Rc2及びRc3は、上記と同じ意味を表す。
c4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4は、互いに同一又は相異なる。]
[式(C2)、式(C3)及び式(C4)中、Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアシル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9は、互いに同一又は相異なる。]
[式(C5)及び式(C6)中、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3又はp3が2以上であるとき、それぞれ、複数のRc14及びRc15は互いに同一又は相異なる。
c1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
[式(C7)及び式(C8)中、Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3、r3及びs3が2以上であるとき、それぞれ、複数のRc18、Rc19及びRc20は互いに同一又は相異なる。
c2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C1)〜式(C8)及び式(C1−1)においては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルカンジイル基及びアシル基は、上述したものと同様のものが挙げられる。
式(C1)で表される化合物としては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、特に好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
式(C2)で表される化合物としては、ピペラジン等が挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
本発明のレジスト組成物に塩基性化合物(C)を含有する場合、その含有率は、レジスト組成物の固形分量を基準に、好ましくは、0.01〜5質量%程度であり、より好ましく0.01〜3質量%程度であり、特に好ましく0.01〜1質量%程度である。
ここで、固形分とは、レジスト組成物から溶剤を取り除いたものをいう。固形分の本レジスト組成物総質量に対する含有割合は、液体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
<溶剤(以下「溶剤(D)」という場合がある>
本発明のレジスト組成物は、溶剤(D)を含有すると、後述するレジストパターンの製造がより容易となるので好ましい。この場合の溶剤(D)の含有率は、例えばレジスト組成物中90質量%以上、好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上であり、例えば99.9質量%以下、好ましくは99質量%以下である。
溶剤(D)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(D)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(D)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料等を利用できる。
<本レジスト組成物の調製方法>
本レジスト組成物は、樹脂(A)及び酸発生剤(B)並びに必要に応じて用いられる溶剤(D)、塩基性化合物(C)又はその他の成分(F)を混合することで調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。
混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂などの種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選べばよく、混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間が好ましい。なお、混合手段は特に限定されず、攪拌混合などを用いることができる。
このように、各成分を各々を好ましい含有量で混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
工程(1)において、本発明のレジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーター等、半導体の微細加工のレジスト材料塗布用として広く用いられている塗布装置によって行うことができる。塗布装置の条件(塗布条件)を種々調節することで、塗布膜の膜厚は調整可能であり、適切な予備実験等を行うことにより、所望の膜厚の塗布膜になるように塗布条件を選ぶことができる。本発明のレジスト組成物を塗布する前の基板は、微細加工を実施しようとする種々のもの(例えば、シリコンウェハ等)を選ぶことができる。なお、本発明のレジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄したり、反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜の形成には例えば、市販の有機反射防止膜用組成物を用いることができる。これによって基板上にレジスト組成物からなる塗布膜が形成される。
工程(2)において、基板上に塗布された本発明のレジスト組成物、すなわち塗布膜を乾燥させて、溶剤(E)を除去して、組成物層を形成する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いた加熱装置を用いた加熱手段(いわゆるプリベーク)又は減圧装置を用いた減圧手段により、或いはこれらの手段を組み合わせて、塗布膜から溶剤を蒸発させて除去することにより行う。乾燥条件は、本発明のレジスト組成物に含まれる溶剤(E)の種類等に応じて選択でき、例えばホットプレートを用いる場合、ホットプレートの表面温度を50〜200℃程度の範囲にして行うことが好ましい。また、減圧手段では、適当な減圧機の中に、塗布膜が形成された基板を封入した後、減圧機の内部圧力を1〜1.0×10Pa程度にして行うことが好ましい。
工程(3)において、得られた組成物層を露光する。露光は、露光機を用いて行うことができ、液浸露光機を用いてもよい。露光は、通常、微細加工を実施しようとする所望のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を介して行われる。露光機の露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域又は真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。露光機は、電子線、超紫外光(EUV)を照射するものであってもよい。本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光光源が電子線の場合は、フォトマスクを使用せずに、所望のパターンを直接描画してもよい。
マスクを介して露光することにより、組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では組成物層に含まれる酸発生剤(B)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸との作用により、樹脂(A)にある酸不安定基が脱保護反応により親水性基を生じるため、露光部の組成物層にある樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けないため、樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままである。露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違するものとなる。
工程(4)において、露光部で生じうる脱保護基反応の進行を促進するために、加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱処理は前記工程(2)で示したホットプレート等の加熱手段等を用いて行うことが好ましい。ホットプレートを用いて加熱を行う場合、ホットプレートの表面温度は50〜200℃程度が好ましく、70〜150℃程度がより好ましい。
工程(5)において、加熱後の組成物層を現像する。組成物層の現像は、通常、現像装置を用いて行う。現像方法としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げられる。現像温度は、例えば、5〜60℃が好ましく、現像時間は、例えば、5〜300秒間が好ましい。現像装置において、加熱後の組成物層をアルカリ水溶液と接触させると、露光部の組成物層はアルカリ水溶液に溶解して除去され、未露光部の組成物層は基板上に残るため、基板上にレジストパターンが形成される。
アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。アルカリ水溶液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像によって形成されたレジストパターンは、超純水等でリンス処理することが好ましい。また、基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
<用途>
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適であり、半導体の微細加工に利用できる。
本発明を実施例によって詳細に説明する。実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
実施例において、化合物の構造は、質量分析(LC;Agilent製1100型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより下記の条件で求めた値である。
装置:HLC−8120GPC型(東ソー株式会社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子ピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子ピークの値を「MASS」で示す。
実施例1:式(Ia−1)で表される化合物の合成
式(Ia1−a)で表される化合物8.39部及びクロロホルム100部を、反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌した後、式(Ia1−b)で表される化合物9.18部を添加した。その後、60℃程度まで昇温し、同温度で1時間攪拌することにより、式(Ia1−c)で表される化合物を含む溶液を得た。23℃程度まで冷却し、得られた式(I1−c)で表される化合物を含む溶液に、式(Ia1−f)で表される化合物7.45部を仕込み、23℃程度で12時間攪拌した。得られた反応混合物に、イオン交換水50部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。このような水洗操作を3回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮することにより、式(Ia1−g)で表される化合物11.14部を得た。
式(Ia1−g)で表される化合物5.32部及びアセトニトリル50部を仕込み、23℃で30分間攪拌し、シュウ酸0.5部及びイオン交換水5部の混合溶液を添加し、80℃で10時間攪拌し、濃縮した。得られた濃縮マスに、クロロホルム100部、イオン交換水50部及び28%アンモニア水1.5部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水50部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を5回行った。得られた有機層をろ過し、濃縮することにより、式(Ia−1)で表される化合物3.82部を得た。
MS:222.1
実施例2:式(IIa−1)で表される化合物の合成
式(IIa1−a)で表される化合物11.68部及びクロロホルム100部を、反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌し、式(IIa1−b)で表される化合物9.18部を添加した。その後、60℃程度まで昇温し、同温度で1時間攪拌することにより、式(IIa1−c)で表される化合物を含む溶液を得た。23℃程度まで冷却し、得られた式(IIa1−c)で表される化合物を含む溶液に、式(IIa1−f)で表される化合物7.45部を仕込み、23℃程度で12時間攪拌した。得られた反応混合物に、イオン交換水50部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。このような水洗操作を3回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮することにより、式(IIa1−g)で表される化合物12.84部を得た。
式(IIa1−g)で表される化合物6.50部及びアセトニトリル50部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、シュウ酸0.5部及びイオン交換水5部の混合溶液を添加し、80℃で10時間攪拌し、濃縮した。得られた濃縮マスに、クロロホルム100部、イオン交換水50部及び28%アンモニア水1.5部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水50部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を5回行った。得られた有機層をろ過し、濃縮することにより、式(IIa−1)で表される化合物4.22部を得た。
MS:280.1
実施例3:式(IIa−6)で表される化合物の合成
式(IIa6−a)で表される化合物10.89部及びクロロホルム100部を、反応器に仕込み、23℃で30分間攪拌し、式(IIa6−b)で表される化合物9.18部を添加した。その後、60℃程度まで昇温し、同温度で1時間攪拌することにより、式(IIa6−c)で表される化合物を含む溶液を得た。23℃程度まで冷却し、得られた式(IIa6−c)で表される化合物を含む溶液に、式(IIa6−f)で表される化合物7.45部を仕込み、23℃程度で12時間攪拌した。得られた反応混合物に、イオン交換水50部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。このような水洗操作を3回繰り返した。水洗後の有機層を濃縮することにより、式(IIa6−g)で表される化合物10.22部を得た。
式(IIa6−g)で表される化合物6.22部及びアセトニトリル50部を仕込み、23℃で30分間攪拌した後、シュウ酸0.5部及びイオン交換水5部の混合溶液を添加し、80℃で10時間攪拌し、濃縮した。得られた濃縮マスに、クロロホルム100部、イオン交換水50部及び28%アンモニア水1.5部を仕込み、攪拌、分液を行った。得られた有機層に、イオン交換水50部を仕込み、攪拌、分液を行った。水洗を5回行った。得られた有機層をろ過し、濃縮することにより、式(IIa−6)で表される化合物3.31部を得た。
MS:266.1
樹脂の合成
樹脂[樹脂(A)など]の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
以下、これらのモノマーを、それぞれ「モノマー(a1−1−1)」、「モノマー(a2−1−1)」、「モノマー(Ia−1)」、「モノマー(IIa−1)」、「モノマー(IIa−6)」及び「モノマー(X)」という。
実施例4〔樹脂A1の合成〕
モノマー(a1−1−1)8.21部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(a2−1−1)3.55部、モノマー(Ia−1)2.22部に1,4−ジオキサン28.58部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール300部とイオン交換水125部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン2.93部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.16部を加え中和し、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させ、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が3.3×10の共重合体19.98部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−1)、p−ヒドロキシスチレン、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(Ia−1)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
実施例5〔樹脂A2の合成〕
モノマー(a1−1−1)8.21部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(a2−1−1)3.55部、モノマー(IIa−1)2.80部に1,4−ジオキサン29.16部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール300部とイオン交換水125部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン2.93部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.16部を加え中和し、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させ、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が3.3×10の共重合体20.07部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−1)、p−ヒドロキシスチレン、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(IIa−1)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
合成例1〔樹脂A3の合成〕
モノマー(a1−1−1)8.21部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(a2−1−1)3.55部、モノマー(X)1.60部に1,4−ジオキサン27.96部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール300部とイオン交換水125部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン2.93部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.16部を加え中和し、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させ、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が3.4×10の共重合体18.46部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−1)、p−ヒドロキシスチレン、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(X)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A3とする。
実施例6〔樹脂A4の合成〕
モノマー(a1−1−1)8.21部、p−アセトキシスチレン14.60部、モノマー(a2−1−1)3.55部、モノマー(IIa−6)2.66部に1,4−ジオキサン29.16部を加えて溶液とし、87℃まで昇温した。得られた溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2.96部を添加し、87℃で6時間保温した。冷却後反応液をメタノール300部とイオン交換水125部の混合液に注いで重合物を沈殿ろ過した。得られたろ過物及び4−ジメチルアミノピリジン2.93部を、得られたろ過物と同量のメタノールに加えて15時間加熱還流した。冷却後、得られた反応液に氷酢酸2.16部を加え中和し、大量の水に注いで沈殿させた。析出した重合物をろ別し、アセトンに溶解させ、大量の水に注いで沈殿させる操作を3回繰り返して精製し、重量平均分子量が3.4×10の共重合体18.92部を得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−1)、p−ヒドロキシスチレン、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(IIa−6)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A4とする。
実施例7〜9及び参考例1
<レジスト組成物の調製>
実施例4、実施例5、合成例1、実施例6で得られた樹脂A1、樹脂A2、樹脂A3、 樹脂A4;
以下に示す酸発生剤B1;
以下に示す塩基性化合物C1;
の各々を表1に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
<樹脂>
A1:実施例4で得られた樹脂A1
A2:実施例5で得られた樹脂A2
A3:合成例1で得られた樹脂A3
A4:実施例6で得られた樹脂A4
<酸発生剤>
B1:特開2008−74843号公報に記載の化合物
<塩基性化合物:クエンチャー>
C2:東京化成工業(株)製
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 100部
γ−ブチロラクトン 5部
<電子線照射によるレジストパターンの製造>
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理し、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が0.06μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして、組成物層を形成した。このように組成物層を形成したそれぞれのウェハに、電子線描画機〔(株)日立製作所製の「HL−800D 50keV」を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
各レジスト組成物からのレジストパターン形成において、60nmのラインアンドスペースパターンの線幅が1:1となる露光量を実効感度とした。
<形状評価>
60nmのラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡で観察した。ラインアンドスペースパターンの(断面)形状をみたとき、図1に示すように、トップ形状及び裾形状が矩形に近く良好なもの(a)を○、トップ形状が丸い(b)又はT字型に近いもの(c)、または裾引きが見られるもの(d)を×として判断した。
<EUV露光によるレジストパターンの製造>
シリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した上で、表3のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が0.05μmとなるようにスピンコートした。
その後、ダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして、組成物層を形成した。このように組成物層を形成したウェハに、EUV露光機を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
各レジスト組成物からのレジストパターン形成において、40nmのラインアンドスペースパターンの線幅が1:1となる露光量を実効感度とした。
<形状評価>
60nmのラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡で観察した。図1に示すように、トップ形状及び裾形状が矩形に近く良好なもの(a)を○、トップ形状が丸い(b)又はT字型に近いもの(c)、または裾引きが見られるもの(d)を×として判断した。
本発明のレジスト組成物は、半導体の微細加工に利用できる。

Claims (12)

  1. 式(I)で表される構造単位を有する樹脂。
    [式(I)中、
    は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
    n及びmは、それぞれ1を表す。
    は、単結合、式(a−1)で表される基又は式(a−2)で表される基を表す。
    (式(a−1)中、
    sは0又は1の整数を表す。
    10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
    10及びA12は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表すが、炭素数6の脂環式炭化水素基を除く
    11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表すが、炭素数6の脂環式炭化水素基を除く。)
    −O−(CH−* (a−2)
    (式(a−2)中、lは1〜6の整数を表す。*はOとの結合手を表す。)]
  2. 式(I)で表される構造単位と式(a1−1)で表される構造単位とを含む樹脂。
    [式(I)中、
    は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
    n及びmは、それぞれ独立に、0又は1を表す。
    は、単結合、式(a−1)で表される基又は式(a−2)で表される基を表す。
    (式(a−1)中、
    sは0又は1の整数を表す。
    10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
    10及びA12は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表すが、炭素数6の脂環式炭化水素基を除く。
    11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表すが、炭素数6の脂環式炭化水素基を除く。)
    −O−(CH−* (a−2)
    (式(a−2)中、lは1〜6の整数を表す。*はOとの結合手を表す。)]
    [式(a1−1)中、
    a1は、酸素原子又は*−O−(CH2k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
    a4は、水素原子又はメチル基を表す。
    a6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
    m1は0〜14の整数を表す。]
  3. 前記式(I)のnが1である請求項2記載の樹脂。
  4. 前記式(I)のXが単結合である請求項1又は3記載の樹脂。
  5. アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る請求項1〜4のいずれか記載の樹脂。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の樹脂と、酸発生剤とを含有するレジスト組成物。
  7. 前記酸発生剤が、式(B1)で表される請求項6記載のレジスト組成物。
    [式(B1)中、
    1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    b1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表し、該脂肪族飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
    Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
    +は、有機カチオンを表す。]
  8. 前記式(B1)におけるYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である請求項7記載のレジスト組成物。
  9. さらに、塩基性化合物を含有する請求項6〜8のいずれか記載のレジスト組成物。
  10. さらに、溶剤を含有する請求項6〜9のいずれか記載のレジスト組成物。
  11. (1)請求項10記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層に露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程を含むレジストパターンの製造方法。
  12. 式(IIa)で表される化合物。
    [式(IIa)中、
    は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
    nは、1を表す。
    は、単結合、式(a−1)で表される基又は式(a−2)で表される基を表す。
    (式(a−1)中、
    sは0又は1の整数を表す。
    10及びX11は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
    10及びA12は、それぞれ独立に、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。
    11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を表す。)で表される基を表す。)
    −O−(CH−* (a−2)
    (式(a−2)中、lは1〜6の整数を表す。*はOとの結合手を表す。)]
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