JP6002509B2 - 化合物、樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕式(I)で表される化合物。
QI1及びQI2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
nは、0又は1を表す。
X1は、単結合又は炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよいが、nが0のとき、X1は単結合ではない。
*2は、−O−CO−との結合手を表す。
R1は、水素原子又はメチル基を表す。
Z1+は、有機対イオンを表す。]
〔3〕前記式(I)のnが1であり、X1が単結合である、前記〔1〕又は〔2〕記載の化合物。
〔4〕前記式(I)のZ1+が、アリールスルホニウムカチオンである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の化合物。
〔5〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の化合物に由来する構造単位を有する樹脂。
〔6〕さらに、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る構造単位を有する、前記〔5〕記載の樹脂。
〔8〕さらに、塩基性化合物を含有する前記〔7〕記載のレジスト組成物。
〔9〕 さらに、溶剤を含有する前記〔7〕又は〔8〕記載のレジスト組成物。
〔10〕(1)前記〔7〕〜〔9〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
〔11〕前記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載の化合物を有効成分として含有する酸発生剤。
さらに、本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式の双方を含み、特に定義しない限り、鎖式及び脂環式の脂肪族炭化水素基が組み合わせられたものも包含する。また、これら脂肪族炭化水素基は、その一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、飽和の基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。
鎖式の脂肪族炭化水素基のうち1価のものとしては、典型的にはアルキル基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基(C1)、エチル基(C2)、プロピル基(C3)、ブチル基(C4)、ペンチル基(C5)、ヘキシル基(C6)、ヘプチル基(C7)、オクチル基(C8)、デシル基(C10)、ドデシル基(C12)、ヘキサデシル基(C14)、ペンタデシル基(C15)、ヘキシルデシル基(C16)、ヘプタデシル基(C17)及びオクタデシル基(C18)などが挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基及び2−メチルブタン−1,4−ジイル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基のうち1価のものとして、単環式の脂肪族炭化水素基は、以下の式(KA−1)〜(KA−7)で表されるシクロアルカンの水素原子を1個取り去った基である。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基(C1)、エトキシ基(C2)、プロポキシ基(C3)、ブトキシ基(C4)、ペンチルオキシ基(C5)、ヘキシルオキシ基(C6)、ヘプチルオキシ基(C7)、オクチルオキシ基(C8)、デシルオキシ基(C10)及びドデシルオキシ基(C12)などが挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基(C7)、フェネチル基(C8)、フェニルプロピル基(C9)、ナフチルメチル基(C11)及びナフチルエチル基(C12)などが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、典型的には、アリール基が挙げられる。
アリール基としては、フェニル基(C6)、ナフチル基(C10)、アントリル基(C14)、ビフェニル基(C12)、フェナントリル基(C14)及びフルオレニル基(C13)などが挙げられる。
芳香族炭化水素基も置換基を有することがある。このような置換基はそのつど定義するが、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、アルキル基及びアリールオキシ基を挙げることができる。これらのうち、アルキル基は、鎖式脂肪族炭化水素基として例示したものと同じであり、芳香族炭化水素基に任意に有する置換基のうち、アルキル基以外のものは、脂肪族炭化水素基の置換基として例示したものと同じものを含む。
式(I)で表される塩(以下「化合物(I)」という場合がある)は、式(I)で表される。
QI1及びQI2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
nは、0又は1を表す。
X1は、単結合又は炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよいが、nが0のとき、X1は単結合ではない。
Wは、式(Ia1−1)、式(Ia1−2)、式(Ia1−3)又は式(Ia1−4)で表される構造を表す。中でも、Wは、式(Ia1−1)又は式(Ia1−2)で表される構造が好ましい。
まず、式(I)で表される化合物を構成するスルホン酸アニオンから説明する。
QI1及びQI2はそれぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。このペルフルオロアルキル基としては、すでに例示した炭素数1〜6のアルキル基において、当該アルキル基に含まれる全ての水素原子がフッ素原子に置き換わったものが挙げられる。具体的にいえば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基などである。以上、ペルフルオロアルキル基を、その具体例を挙げて説明したが、QI1及びQI2はそれぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、QI1及びQI2はともにフッ素原子であることがより好ましい。
X1b2〜X1b13は、それぞれ独立に、アルカンジイル基を表すが、
X1b2の炭素数は1〜8の範囲であり、
X1b3及びX1b4の合計炭素数の上限は6であり、
X1b5及びX1b6の合計炭素数の上限は8であり、
X1b7及びX1b8の合計炭素数の上限は9であり、
X1b9及びX1b10の合計炭素数の上限は7であり、
X1b11、X1b12及びX1b13の合計炭素数の上限は5である。]
当該有機カチオンとしては、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオン等の有機オニウムカチオンが挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
RIZ4〜RIZ6は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。また、RIZ4とRIZ5は、一緒になってそれらが結合している硫黄原子と共に、ヘテロ原子をさらに有してもよい環を形成してもよい。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上の場合、複数のRIZ7は互いに同一でも異なっていてもよく、n2が2以上の場合、複数のRIZ8は互いに同一でも異なっていてもよい。
RIZ11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
RIZ9〜RIZ11において、アルキル基の炭素数は1〜12が好ましく、脂環式炭化水素基の炭素数は4〜12が好ましい。
RIZ12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよく、該アルキル基に含まれる水素原子は、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
RIZ9とRIZ10、及び/又は、RIZ11とRIZ12は、それぞれ独立に、互いに結合して、それらが結合している原子とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
LIZ11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。
o2、p2、s2及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上であるとき、複数のRIZ13は同一でも異なっていてもよく、p2が2以上であるとき、複数のRIZ14は同一でも異なっていてもよく、s2が2以上であるとき、複数のRIZ17は同一でも異なっていてもよく、t2が2以上であるとき、複数のRIZ18は同一でも異なっていてもよく、q2が2以上であるとき、複数のRIZ15は同一でも異なっていてもよく、r2が2以上であるとき、複数のRIZ16は同一でも異なっていてもよい。]
RIZ9〜RIZ12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基などである。
RIZ12の芳香族炭化水素基とアルキル基が結合したものは、典型的にはアラルキル基であり、ベンジル基などが挙げられる。
RIZ11とRIZ12との組み合わせが結合して形成する環としては例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環及びオキソアダマンタン環などが挙げられる。
例示した有機カチオンの中でも、カチオン(IZ−1)が好ましく、アリールスルホニウムカチオン[RIZ4〜RIZ6のいずれかが芳香族炭化水素基であるカチオン(IZ−1)]がより好ましく、以下の式(IZ−1−1)で表される有機カチオン〔以下、「カチオン(IZ−1−1)」という。〕がさらに好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(IZ−1−1)中、v2、w2及びx2のいずれもが0である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(IZ−1−1)中、v2、w2及びx2のいずれもが1であり、RIZ19、RIZ20及びRIZ21がいずれもメチル基である。)が特に好ましい。
RIZ19、RIZ20及びRIZ21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。また、RIZ19〜RIZ21から選ばれる2つは、一緒になってそれらが結合する2つのベンゼン環および硫黄原子と共に、ヘテロ原子をさらに有してもよい環を形成してもよい。
該脂肪族炭化水素基の炭素数は1〜12であると好ましく、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数4〜18の脂環式炭化水素基がより好ましい。置換基として、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基を有していてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上のとき、複数のRIZ19は同一でも異なっていてもよく、w2が2以上のとき、複数のRIZ20は同一でも異なっていてもよく、x2が2以上のとき、複数のRIZ21は同一でも異なっていてもよい。]
脱保護反応に用いる酸としては、塩酸などが挙げられる。
溶媒としては、クロロホルムやメタノールなどが挙げられる。
溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。
溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
式(IA−j)で表される化合物としては、例えば、以下で表される化合物などのビニルオキシ化合物が挙げられる。
溶媒としては、例えば、アセトニトリルなどが挙げられる。
溶媒としては、例えば、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
溶媒としては、例えば、トルエンなどが挙げられる。
式(IA−p)で表される化合物としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸が挙げられる。
本発明の樹脂(A)は、式(I)で表される化合物に由来する構造単位を含む樹脂である。
樹脂(A)は、酸に不安定な基を有するモノマー、特に、(メタ)アクリルモノマーに由来する構造単位を有する。また、この樹脂(A)は、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であることが好ましい。さらに、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂であることがより好ましい。「酸の作用によりアルカリに溶解し得る」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。
樹脂(A)における構造単位(I)の含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、通常1〜20モル%の範囲であり、好ましくは2〜15モル%、より好ましくは3〜10モル%の範囲である。
「酸不安定基」とは、脱離基を有し、酸と接触すると脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。このような酸不安定基は、前記塩(I)のR1において、保護基により保護されたヒドロキシ基として示したものと同じ基などが挙げられる。具体的に酸不安定基を挙げると、例えば、式(1)で表される基(酸不安定基(1))、式(2)で表される基(酸不安定基(2))などである。
Ra1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
Ra1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。]
Ra1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合とは、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基が下記いずれかの基となるものである。該2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12の範囲である。
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)が好ましい。このようなモノマー(a1)を用いて得られる樹脂(A)は、脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するものとなるので、該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物の解像度が一層良好となる傾向がある。
かかる脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)を用いて得られる好適な構造単位(a1)を有する樹脂(A)について、さらに詳述する。該樹脂(A)の中でも、式(a1−1)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−1)」という。)又は式(a1−2)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−2)」という。)を有する樹脂が好ましい。かかる樹脂には、構造単位(a1−1)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−2)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−1)と構造単位(a1−2)とを合わせて有していてもよい。
La1は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
Ra4は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
La2は、酸素原子又は*−O−(CH2)k1−CO−O−(k1及び*は前記と同義である。)で表される基を表す。
Ra5は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基のうち、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であり、この炭素数の上限以下の範囲で、すでに例示したものと同じものを含む。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜8の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
構造単位(a1−2)としては、以下の式(a1−2−1)〜式(a1−2−12)のいずれかで表されるものが好ましい。
なお、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)の合計含有割合を、上述の範囲にするためには、樹脂(A)を製造する際に、全モノマーの使用量に対する、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマーの使用量を調整すればよい。
R31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
L3〜L5は、酸素原子、硫黄原子又は*−O−(CH2)k4−CO−O−で表される基を表す。ここで、k4は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
Z1’は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基中に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。]
L5は、酸素原子が好ましい。
L3及びL4は、一方が酸素原子、他方が硫黄原子であると好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
Z1’は、単結合又は*−CH2−CO−O−が好ましい。
樹脂(A)は、酸不安定基を有する構造単位(a1)に加え、酸不安定基を有さない構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位」といい、該酸安定構造単位を誘導し得るモノマーを、「酸安定モノマー」という。)を有していると好ましい。該樹脂(A)中、酸安定構造単位は1種のみを有していてもよく、複数種を有していてもよい。
樹脂(A)が酸安定構造単位を有する場合、構造単位(a1)の含有割合を基準にして、酸安定性構造単位の含有割合を定めるとよい。構造単位(a1)の含有割合と酸安定性構造単位の含有割合との比は、〔構造単位(a1)〕/〔酸安定構造単位〕で表して、好ましくは10〜80モル%/90〜20モル%であり、より好ましくは20〜60モル%/80〜40モル%である。このようにすると、樹脂(A)を含有する本レジスト組成物から得られるレジストパターンのドライエッチング耐性がより一層良好になる傾向がある。
酸安定構造単位は、ヒドロキシ基又はラクトン環を有する構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(以下、「酸安定構造単位(a2)」という。)及び/又はラクトン環を有する酸安定構造単位(以下、「酸安定構造単位(a3)」という。)を有する樹脂(A)は、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜、又は塗布膜から得られる組成物層が基板との間の密着性に優れるため、良好な解像度で、レジストパターンを製造することができる。なお、ここでいう本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法に関しては後述する。まず、酸安定構造単位として好適な、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)に関して具体例を挙げつつ説明する。
酸安定構造単位(a2)を樹脂(A)に導入する場合、当該樹脂(A)を含有する本レジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定構造単位(a2)を選択することができる。すなわち、本レジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)を露光源とする露光、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光源とする露光に用いる場合には、酸安定構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)を樹脂(A)に導入することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする露光を用いる場合は、酸安定構造単位(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定構造単位を樹脂(A)に導入することが好ましい。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
La3は、酸素原子又は*−O−(CH2)k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表す。)を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。
Ra14は、水素原子又はメチル基を表す。
Ra15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。]
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
樹脂(A)が酸安定構造単位(a2−1)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、3〜45モル%の範囲が好ましく、5〜40モル%の範囲がより好ましく、5〜35モル%の範囲がさらに好ましい。
Ra30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
Ra31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一でも異なっていてもよい。]
Ra31のアルコキシ基の具体例は、炭素数1〜6の範囲で、すでに例示したものを含む。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
樹脂(A)が酸安定構造単位(a2−0)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜90モル%の範囲が好ましく、10〜85モル%の範囲がより好ましく、15〜80モル%の範囲がさらに好ましい。
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
La4は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
Ra21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−2)中、
La5は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra19は、水素原子又はメチル基を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
Ra22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−3)中、
La6は、酸素原子又は*−O−(CH2)k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
Ra20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
Ra23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は同一でも異なっていてもよい。]
La4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2)k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
Ra18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
Ra22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。なお、p1が2である場合、2つのRa21は互いに同一でも異なっていてもよく、q1が2である場合、2つのRa22は互いに同一でも異なっていてもよく、r1が2である場合、2つのRa23は互いに同一でも異なっていてもよい。
酸安定構造単位(a3−1)としては、例えば、以下の式(a3−1−1)〜式(a3−1−4)のいずれかで表されるものである。
上記の酸安定構造単位(a3)の具体例の中でも、式(a3−1−1)〜式(a3−2−4)のいずれかで表される酸安定構造単位がより好ましく、式(a3−1−1)又は式(a3−2−3)で表される酸安定構造単位がさらに好ましい。
また、酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)それぞれの含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%の範囲がより好ましく、10〜50モル%の範囲がさらに好ましい。
樹脂(A)が有する酸安定構造単位として、好適な酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)を説明したが、当該樹脂(A)は酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位を有していてもよい。ここで、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位(a4)という。以下、この酸安定構造単位(a4)を、当該酸安定構造単位(a4)を誘導し得る酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a4)」という。)を示すことで説明する。
Ra41は、炭素数1〜12の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜12の1価の芳香族炭化水素基を表し、該1価の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
Aa41は、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルカンジイル基又は式(a−g1)
sは0又は1を表す。
Aa42及びAa44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
Aa43は、置換基を有していてもよい炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又は単結合を表す。
Xa41及びXa42は、それぞれ独立に、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
ただし、Aa42、Aa43、Aa44、Xa41及びXa42の炭素数の合計は6以下である。)
で表される基を表す。
Ra42は、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を表す。該脂肪族炭化水素基は部分的に、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、炭素−炭素不飽和結合を有さない脂肪族飽和炭化水素基が好ましい。該脂肪族飽和炭化水素基としては、アルキル基(当該アルキル基は直鎖でも分岐していてもよい)及び脂環式炭化水素基、並びに、アルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせた脂肪族炭化水素基などが挙げられる。]
また、Ra42の脂肪族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよいが、Ra42は置換基を有する脂肪族炭化水素基であると好ましい。かかる置換基としては、ハロゲン原子(特にフッ素原子)及び式(a−g3)で表される基が好ましい。
Xa43は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
Aa45は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。]
Aa46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
Xa44は、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
Aa47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数3〜17の脂肪族炭化水素基を表す。
ただし、Aa46、Aa47及びXa44の炭素数の合計は18以下である。]
まず、ハロゲン原子を有する脂肪族炭化水素基について説明する。かかる脂肪族炭化水素基は典型的には、ハロゲン原子を有するアルキル基、及びハロゲン原子を有する脂環式炭化水素基(好ましくは、ハロゲン原子を有するシクロアルキル基)である。ハロゲン原子を有するアルキル基とは、該アルキル基を構成する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子に置換されたものである。同様に、ハロゲン原子を有する脂環式炭化水素基とは、該脂環式炭化水素基を構成する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子に置換されたものである。ハロゲン原子を有するアルキル基及びハロゲン原子を有する脂環式炭化水素基に含まれるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、或いはこれらを組み合わせた形式でもよいが、フッ素原子が特に好ましい。
すべての符号はいずれも、前記と同義である。]
一方、Aa47の炭素数は4〜15の範囲が好ましく、5〜12の範囲がより好ましい。特に好ましいAa47は、炭素数6〜12の脂環式炭化水素基であり、当該脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基及びアダマンチル基が特に好ましい。
この場合、樹脂(X)における、モノマー(a4−1)に由来する構造単位の含有割合は、当該樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
樹脂(X)もモノマー(a4−1)〔モノマー(a4−1’)〕に由来する構造単位を有するものであれば好ましいが、酸不安定基を有しない構造単位からなるものであれば、当技術分野で周知の構造単位を、さらに有していてもよい。
樹脂(A)は、式(I)で表される化合物に由来する構造単位と、構造単位(a1)を誘導するモノマー(a1)を、さらに好ましくは、式(I)で表される化合物に由来する構造単位と、構造単位(a1)と、酸安定構造単位を誘導する酸安定モノマーとを共重合させたものであり、より好ましくは、式(I)で表される化合物に由来する構造単位と、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー(a1)と、酸安定構造単位(a2)及び/又は酸安定構造単位(a3)を誘導する酸安定モノマーとを共重合させたものである。なお、本レジスト組成物を例えば、EUV露光用とするうえでは、式(I)で表される化合物に由来する構造単位と、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー(a1)と、酸安定構造単位(a2−0)を誘導する酸安定モノマーとを共重合させたものを挙げることができる。
一方、樹脂(X)は好ましくは、モノマー(a4−1)〔モノマー(a4−1’)〕を公知の重合法に供して重合させたものであり、かかる重合〔樹脂(X)の製造〕には、モノマー(a4−1)〔モノマー(a4−1’)〕に加えて、他の酸安定モノマー[例えば、酸安定構造単位(a2)又は酸安定構造単位(a3)を誘導するモノマー]を用い、これらを共重合させたものであってもよい。
一方、樹脂(X)を本レジスト組成物に用いる場合、当該樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは、8,000以上(より好ましくは10,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。かかる樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類される。非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
Q1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
Lb1は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Z+は、有機カチオンを表す。]
式(B1)では、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはトリフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイルに、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基等のアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、1,5−アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
Lb2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の合計炭素数の上限は13である。
Lb5は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の合計炭素数の上限は16である。
Lb8は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
Lb9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の合計炭素数の上限は12である。]
式(b1−1)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Yの脂環式炭化水素基としては、例えば、以下の式(Y1)〜式(Y11)で表される基が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基が酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、アルキル基に含まれるメチレン基が酸素原子、カルボニル基又は酸素原子とカルボニル基とに置き換わった基、以下の式(Y12)〜式(Y26)で表される基等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
Rb4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。Rb4とRb5が一緒になってそれらが結合している硫黄原子と共にヘテロ原子をさらに有してもよい環を形成してもよい。該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上の整数である場合、複数のRb7は互いに同一であるか相異なり、n2が2以上の整数である場合、複数のRb8は互いに同一であるか相異なる。
Rb9とRb10とは、互いに結合して硫黄原子を含む3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)の脂環式炭化水素環を形成していてもよく、該脂環式炭化水素環に含まれるメチレン基が、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Rb11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
Rb9〜Rb11において、アルキル基は、好ましくは炭素数1〜12であり、脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
Rb12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
Rb11とRb12は、それらが結合する−CH−CO−とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Lb11は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上の整数である場合、複数のRb13は互いに同一であるか相異なり、p2が2以上の整数である場合、複数のRb14は互いに同一であるか相異なり、s2が2以上の整数である場合、複数のRb17は互いに同一であるか相異なり、t2が2以上の整数である場合、複数のRb18は互いに同一であるか相異なる。q2が2以上の整数である場合、複数のRb15は互いに同一であるか相異なり、r2が2以上の整数である場合、複数のRb16は互いに同一であるか相異なる。]
置換基が芳香族炭化水素基であるアルキル基(アラルキル基)としては、ベンジル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
Rb11及びRb12が−CH−CO−とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環などが挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2−1)であり、より好ましくは、式(b2−1−1)で表されるカチオンであり、さらに好ましくは、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2、w2及びx2は共に0である。)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2、w2及びx2は共に1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)である。
Rb19〜Rb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表すか、Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になってそれらが結合している硫黄原子と共にヘテロ原子をさらに有してもよい環を形成してもよい。前記アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上の整数である場合、複数のRb19は互いに同一であるか相異なり、w2が2以上の整数である場合、複数のRb20は互いに同一であるか相異なり、x2が2以上の整数である場合、複数のRb21は互いに同一であるか相異なる。]
Rb19〜Rb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基であることが好ましく、ヒドロキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
カチオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたカチオンが挙げられる。
本レジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含有していると好ましい。塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、1級アミン、2級アミン及び3級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)で表される化合物〜式(C8)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Rc2及びRc3は、前記と同義である。
Rc4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4の全部又は一部は同じであってもよい。]
Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同義である。
Rc9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9の全部又は一部は同じであってもよい。]
Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同義である。
Rc14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同義である。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上であるとき、複数のRc14の全部又は一部は同じであってもよい。p3が2以上であるとき、複数のRc15の全部又は一部は同じであってもよい。
Lc1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同義である。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上であるとき、複数のRc18の全部又は一部は同じであってもよい。r3が2以上であるとき、複数のRc19の全部又は一部は同じであってもよい。s3が2以上であるとき、複数のRc20の全部又は一部は同じであってもよい。
Lc2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C3)で表される化合物としては、モルホリンなどが挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール及び4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン及び4−メチルピリジンなどが挙げられる。
本レジスト組成物は、さらに、溶剤(D)を含有することが好ましい。溶剤(D)は、塩(I)や樹脂(A)などの種類及びその量に応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本レジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
本レジスト組成物は、樹脂(A)及び酸発生剤(B)並びに必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)及び溶剤(D)以外の構成成分を含有していてもよい。この構成成分を「成分(F)」という場合がある。かかる成分(F)としては、本技術分野で公知の添加剤、例えば、樹脂(A)以外の高分子化合物、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料などが挙げられる。
続いて、樹脂(A)、酸発生剤(B)及び溶剤(D)を含有する本レジスト組成物の調製方法を説明する。
本レジスト組成物は、通常、溶剤(D)の存在下で、樹脂(A)及び酸発生剤(B)を混合することで調製することができる。さらに、上述のとおり必要に応じて塩基性化合物(C)及び/又は成分(F)を混合してもよい。塩基性化合物(C)を混合することが好ましい。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、樹脂(A)などの種類や樹脂(A)などの溶剤(D)に対する溶解度などに応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5〜24時間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合などを用いることができる。
本発明のレジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量を選択することにより、本発明のレジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
本レジスト組成物に塩基性化合物(C)を含有させる場合、その含有割合は、本レジスト組成物の固形分に対して、好ましくは、0.01〜5質量%程度であり、より好ましく0.01〜3質量%程度であり、特に好ましく0.01〜1質量%程度である。
本レジスト組成物に成分(F)を含有させる場合、該成分(F)の種類に応じて、適切な含有量を調節可能である。
このように、樹脂(A)及び酸発生剤(B)並びに必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)、溶剤(D)又は成分(F)の各々を好ましい含有量で混合した後は、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
本レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法を具体的に示すと、
(1)本レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程
を含むものが挙げられる。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
工程(5)は、加熱後の組成物層を現像する工程であり、好ましくは、加熱後の組成物層を現像装置により現像する。現像する工程で、加熱後の組成物層をアルカリ水溶液と接触させると、露光部の組成物層を該アルカリ水溶液に溶解して除去させ、未露光部の組成物層は基板上に残るため、当該基板上にレジストパターンが製造される。
以上のような工程(1)〜工程(5)を含むレジストパターン製造方法によれば、本レジスト組成物は、優れたラインエッジラフネスのレジストパターンを製造することができる。
本レジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物として好適である。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す「%」及び「部」は、特記ないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは“TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL−M ×3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはAgilent製LC/MSD型)を用い、分子ピークを測定することで確認した。以下の実施例ではこの分子ピークの値を「MASS」で示す。
得られた有機層に、イオン交換水34.00部を加え、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。このような水洗操作を3回繰り返した。水洗後の有機層をろ過して不溶物を除去し、ろ液を濃縮することにより、式(I1−d)で表される化合物9.26部を得た。
その後、静置し、分液して有機層を得た。得られた有機層に、イオン交換水17.63部を仕込み、23℃で30分間攪拌した。その後、静置し、分液して有機層を得た。このような水洗操作を2回繰り返した。水洗後の有機層をろ過して不溶物を除去し、ろ液を濃縮することにより、式(I1−e)で表される化合物7.05部を得た。
MASS(ESI(+)Spectrum):M+ 263.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 407.1
MASS(ESI(+)Spectrum):M+ 305.1
MASS(ESI(−)Spectrum):M− 407.1
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(I−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1):モノマー(I−1))が30:14:6:14:30:6となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。
得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量6.8×103の樹脂A1(共重合体)を収率60%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(I−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−1):モノマー(a3−1−1):モノマー(I−1))が45:10:19:20:6となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.9×103の樹脂A2(共重合体)を収率54%で得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(X)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−1):モノマー(a3−1−1):モノマー(X))が45:10:19:20:6となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.8×103の樹脂A3(共重合体)を収率51%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−2)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−1)及びモノマー(a3−1−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−2):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−1):モノマー(a3−1−1))が50:12.5:12.5:25となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを77℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。
かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量8.1×103の樹脂A4(共重合体)を収率78%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(a3−2−3)を、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−1−1):モノマー(a3−2−3)〕が、30:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加した。これを73℃で約5時間加熱することにより重合した。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収した。再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が8.1×103である共重合体を収率65%で得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(a3−2−3)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A5とする。
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(1−2−9)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(I−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1):モノマー(I−1))が30:14:6:14:30:6となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。
得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.0×103の樹脂A6(共重合体)を収率65%で得た。この樹脂A6は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(1−5−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(I−1)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−5−1):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1):モノマー(I−1))が30:14:6:14:30:6となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。
得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.3×103の樹脂A7(共重合体)を収率63%で得た。この樹脂A7は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(1−2−9)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(I−7)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−9):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1):モノマー(I−7))が30:14:6:14:30:6となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。
得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量6.7×103の樹脂A8(共重合体)を収率58%で得た。この樹脂A8は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a1−1−3)、モノマー(1−5−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(I−7)を用い、そのモル比(モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−5−1):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1):モノマー(I−7))が30:14:6:14:30:6となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。
得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量6.8×103の樹脂A9(共重合体)を収率59%で得た。この樹脂A9は、以下の構造単位を有するものである。
モノマーとして、モノマー(a4−1−7)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。
かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.8×104の樹脂D1(共重合体)を収率77%で得た。この樹脂D1は、以下の構造単位を有するものである。
(レジスト組成物の調製)
表4に示す各成分を混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
<酸発生剤>
I−1:式(I−1)で表される塩
B1:
A1〜A5:樹脂A1〜樹脂A5
D1:樹脂D1
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、厚さ780Åの有機反射防止膜を形成した。次いで、前記の有機反射防止膜の上に、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。レジスト組成物を塗布したシリコンウェハをダイレクトホットプレート上にて、表4の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベークし、レジスト膜(組成物層)を形成した。レジスト膜が形成されたシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマレーザステッパー(XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、3/4Annular X−Y偏光)で、コンタクトホールパターン(ホールピッチ95nm/ホール径60nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。尚、液浸媒体としては超純水を使用した。
各レジスト組成物からのレジストパターン形成において、マスクホール径が60nmのマスクを用いて形成されたレジストパターンのホール径が50nmとなる露光量を実効感度とした。
実効感度において、前記マスクを用いて形成したレジストパターンを以下のようにして評価した。一つのホールにつき24箇所ホール径を測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一レジストパターン内について、同様の平均ホール径測定を400箇所測定し、それらを母集団として標準偏差を求め、以下の2水準でCDUを求めた。
これらの結果を表5に示す。
Claims (11)
- 前記式(I)のnが1である請求項1記載の化合物。
- 前記式(I)のnが1であり、X1が単結合である請求項1又は2記載の化合物。
- 前記式(I)のZ1+が、アリールスルホニウムカチオンである請求項1〜3のいずれか記載の化合物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の化合物に由来する構造単位を有する樹脂。
- さらに、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る構造単位を有する請求項5記載の樹脂。
- 請求項5又は6記載の樹脂と、酸発生剤とを含有するレジスト組成物。
- さらに、塩基性化合物を含有する請求項7記載のレジスト組成物。
- さらに、溶剤を含有する請求項7又は8記載のレジスト組成物。
- (1)請求項7〜9のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。 - 式(I)で表される化合物を有効成分として含有する酸発生剤。
[式(I)中、
Q I1 及びQ I2 は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
nは、0又は1を表す。
X 1 は、単結合又は炭素数1〜10のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよいが、nが0のとき、X 1 は単結合ではない。
Wは、式(Ia1−1)、式(Ia1−2)、式(Ia1−3)又は、式(Ia1−4)で表される構造を表す。
*1は、−O−(CO) n −との結合手を表す。
*2は、−O−CO−との結合手を表す。
R 1 は、水素原子又はメチル基を表す。
Z 1+ は、有機対イオンを表す。]
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