JP2013061642A - レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 - Google Patents

レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 Download PDF

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幸司 市川
Akira Kamabuchi
明 釜淵
Takayuki Miyagawa
貴行 宮川
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Abstract

【課題】優れたパターン倒れ耐性(PCM)でレジストパターンを製造することができるレジスト組成物を提供すること。
【解決手段】アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂と、酸発生剤と、式(I)で表される化合物とを含むレジスト組成物。
Figure 2013061642

[式(I)中、
1a及びR1bは、同一又は相異なり、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよく、R1aとR1bが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。
及びRは、同一又は相異なり、置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、RとRが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物及び該レジスト組成物を用いるレジストパターンの製造方法に関する。
例えば、特許文献1には、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル及びα−メタクリロイロキシ−γ−ブチロラクトンを重合させて得られる樹脂と、トリフェニルスルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナートからなる酸発生剤と、2,6−ジイソプロピルアニリンからなるクエンチャーとからなるレジスト組成物が記載されている。
特開2006−257078号公報
従来から知られる上記のレジスト組成物は、レジストパターンの製造時のパターン倒れ耐性(PCM)が必ずしも十分に満足できるものではなかった。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂と、酸発生剤と、式(I)で表される化合物とを含むレジスト組成物。
Figure 2013061642
[式(I)中、
1a及びR1bは、同一又は相異なり、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよく、R1aとR1bが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。
及びRは、同一又は相異なり、置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、RとRが一緒になって置換基及び又はヘテロ原子を有してもよい環を形成してもよい。]
〔2〕式(I)で表される化合物が、式(I−1)で表される化合物である前記〔1〕記載のレジスト組成物。
Figure 2013061642
[式(I−1)中、
は、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表す。
及びRは、同一又は相異なり、置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、RとRが一緒になって置換基及び又はヘテロ原子を有してもよい環を形成してもよい。
mは、0〜4の整数を表し、mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。]
〔3〕Rが、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である前記〔1〕又は〔2〕記載のレジスト組成物。
〔4〕Rが、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である前記〔1〕〜〔3〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔5〕R及びRが、共に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である前記〔1〕〜〔4〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔6〕前記樹脂が、以下の式(a1−1)で表される構造単位を有する樹脂である前記〔1〕〜〔5〕のいずれか記載のレジスト組成物。
Figure 2013061642
[式(a1−1)中、
a1は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
a4は、水素原子又はメチル基を表す。
a6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。]
〔7〕前記酸発生剤が、以下の式(B1)で表される塩である前記〔1〕〜〔6〕のいずれか記載のレジスト組成物。
Figure 2013061642
[式(B1)中、
1及びQ2は、同一又は相異なり、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
〔8〕前記式(B1)のYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である前記〔7〕記載のレジスト組成物。
〔9〕(1)前記〔1〕〜〔8〕のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布されたレジスト組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
本発明のレジスト組成物は、優れたパターン倒れ耐性(PCM)でレジストパターンを製造することができる。
本発明のレジスト組成物は、
アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂(以下、場合により「樹脂(A)」という。)と、
酸発生剤(以下、場合により「酸発生剤(B)」という。)と、式(I)で表される化合物(以下、場合により「化合物(I)」という。)
とを含有する。
また、本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(以下、場合により「塩基性化合物(C)」という。)及び溶剤(以下、場合により「溶剤(D)」という。)を含有していることが好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」並びに「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は上述のとおり、アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる特性(以下、場合により「酸作用特性」という。)を有するものである。なお、「酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。
酸作用特性を有する樹脂(A)は、その分子内に酸に不安定な基(以下、場合により「酸不安定基」という。)を有する。このような樹脂(A)は、酸不安定基を有するモノマー(以下、このモノマーを場合により「モノマー(a1)」といい、該モノマー(a1)由来の構造単位を「構造単位(a1)」という。)を重合することによって製造できる。
酸作用特性を有する樹脂(A)を製造する際には、モノマー(a1)を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<酸不安定基>
「酸不安定基」とは、脱離基を有し、酸と接触すると脱離基が脱離して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸不安定基としては、例えば、式(1)で表される基(酸不安定基(1))、式(2)で表される基(酸不安定基(2))などが挙げられる。
Figure 2013061642
[式(1)中、
a1〜Ra3は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を表すか、Ra1及びRa2は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。*は結合手を表す。]
Figure 2013061642
[式(2)中、
a1’及びRa2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基を表し、Ra3’は、炭素数1〜20の炭化水素基を表すか、Ra2’及びRa3’は互いに結合して炭素数2〜20の2価の炭化水素基を形成する。該1価の炭化水素基及び該2価の炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又は硫黄原子に置き換わってもよい。*は結合手を表す。]
酸不安定基(1)のRa1〜Ra3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、以下の式(KA−1)〜(KA−7)で表されるシクロアルカンから水素原子を1個取り去ることにより形成される基が挙げられる。
Figure 2013061642
多環式の脂環式炭化水素基としては、以下の式(KA−8)〜(KA−22)で表されるシクロアルカンから水素原子を1個取り去ることにより形成される基が挙げられる。
Figure 2013061642
具体的な単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。具体的な多環式の飽和炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及び下記のような基(式中、*は結合手を表す。)等が挙げられる。式(1)では、脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜16である。
Figure 2013061642
a1及びRa2が互いに結合して2価の炭化水素基を形成する場合とは、−C(Ra1)(Ra2)(Ra3)で表される基が、以下のいずれかの基となる場合である。該2価の炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜12の範囲である。
Figure 2013061642
酸不安定基(1)としては、例えば、1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1〜Ra3がアルキル基である基、好ましくはtert−ブチル基)、2−アルキルアダマンタン−2−イルオキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2が結合することで、アダマンチル環を形成し、Ra3がアルキル基である基)及び1−(アダマンタン−1−イル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(1)中、Ra1及びRa2がアルキル基であり、Ra3がアダマンチル基である基)などが挙げられる。
炭化水素基は、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を包含する。脂肪族炭化水素基は、鎖式及び環式の双方を含み、特に定義しない限り、鎖式及び脂環式の脂肪族炭化水素基が組み合わせられたものをも包含する。また、これら脂肪族炭化水素基は、その一部に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよいが、飽和の基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。
鎖式の脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基としては、例えば、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基等が挙げられる。
鎖式の脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基としては、例えばアラルキル基であり、具体的には、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
酸不安定基(2)のRa1’及びRa2’の炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基、アルキル基と芳香族炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。アルキル基及び脂環式炭化水素基としては、それぞれ前記したものと同様のものが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基としては、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、イソボルニル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基等が挙げられ、アルキル基と芳香族炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基としては、前記アラルキル基が挙げられる。
a1'及びRa2'のうち少なくとも1つは水素原子であると好ましい。
酸不安定基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。
Figure 2013061642
モノマー(a1)は、酸不安定基と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーが好ましく、酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーがさらに好ましい。
なかでも、酸不安定基(1)及び/又は酸不安定基(2)を有するモノマー(a1)が好ましく、酸不安定基(1)及び/又は酸不安定基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマーが特に好ましい。
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)が好ましい。このようなモノマー(a1)を用いて得られる樹脂(A)は、脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を有するものとなるので、該樹脂(A)を含有する本発明のレジスト組成物の解像度が一層良好となる傾向がある。
<好適な構造単位(a1)>
かかる脂環式炭化水素基を有するモノマー(a1)を用いて得られる好適な構造単位(a1)を有する樹脂(A)について、さらに詳述する。該樹脂(A)の中でも、式(a1−1)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−1)」という。)又は式(a1−2)で表される構造単位(以下、場合により「構造単位(a1−2)」という。)を有する樹脂(A)が好ましい。かかる樹脂(A)には、構造単位(a1−1)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−2)を単独種で有していてもよく、複数種有していてもよく、構造単位(a1−1)と構造単位(a1−2)とを合わせて有していてもよい。
Figure 2013061642
[式(a1−1)中、
a1は、酸素原子又は*−O−(CH2k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
a4は、水素原子又はメチル基を表す。
a6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
m1は0〜14の整数を表す。
式(a1−2)中、
a2は、酸素原子又は*−O−(CH2k1−CO−O−(k1は前記と同義である。
)で表される基を表す。
a5は、水素原子又はメチル基を表す。
a7は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
n1は0〜10の整数を表す。
n1’は0〜3の整数を表す。]
a1及びLa2は、好ましくは、−O−又は*−O−(CH2k1−CO−O−であり、 La1及びLa2は、好ましくは、酸素原子又はk1が1〜4の整数である*−O−(CH2k1−CO−O−で表される基であり、より好ましくは酸素原子又は*−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
a6及びRa7の脂肪族炭化水素基のうち、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式炭化水素基であり、この炭素数の上限以下の範囲で、すでに例示したものと同じものを含む。Ra6及びRa7の脂肪族炭化水素基はそれぞれ独立に、好ましくは炭素数8以下のアルキル基又は炭素数8以下の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは炭素数6以下のアルキル基又は炭素数6以下の脂環式炭化水素基である。
m1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
n1’は好ましくは0又は1である。
構造単位(a1−1)としては、以下の式(a1−1−1)〜式(a1−1−8)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
Figure 2013061642
Figure 2013061642
これらの構造単位(a1−1)を誘導し得るモノマー(a1)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたものなどが挙げられる。
一方、構造単位(a1−2)としては、以下の式(a1−2−1)〜式(a1−2−6)のいずれかで表される構造単位が好ましい。これらのなかでも、式式(a1−2−1)〜(a1−2−4)及び式(a1−2−9)〜式(a1−2−10)のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a1−2−3)又は(a1−2−9)で表される構造単位がさらに好ましい。
Figure 2013061642
Figure 2013061642
構造単位(a1−2)を誘導し得るモノマー(a1)としては、例えば、1−エチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘプタン−1−イル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレート及び1−イソプロピルシクロペンタン−1−イル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
樹脂(A)が構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を有する場合、これらの合計含有割合は、該樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましく、20〜60モル%の範囲が特に好ましい。また、構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1)(特に好ましくは、構造単位(a1−1))を有する場合には、樹脂(A)中の構造単位(a1)の合計(100モル%)に対して、アダマンチル基を有する構造単位(a1)が15モル%以上であることが好ましい。このような含有割合で、アダマンチル基を有する構造単位(a1)を有する樹脂(A)は、該樹脂(A)を含有するレジスト組成物から製造されるレジストパターンのドライエッチング耐性が良好となる傾向がある。なお、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)の合計含有割合を、上述の範囲にするためには、樹脂(A)を製造する際に、全モノマーの使用量に対する、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマーの使用量を調整すればよい。
これらの中でも構造単位(a1−1)を樹脂(A)が有していると特に好ましい。
樹脂(A)は、好適な構造単位(a1)である構造単位(a1−1)及び構造単位(a1−2)以外の構造単位(a1)を有していてもよい。
樹脂(A)は、以下の式(a1−3)で表されるモノマー(以下、場合により「モノマー(a1−3)」という。)に由来する構造単位(a1)を有していてもよい。該モノマー(a1−3)に由来する構造単位(a1)を有する樹脂(A)は、その主鎖に剛直なノルボルナン環を含むものとなるので、このような樹脂(A)を含有する本発明のレジスト組成物は、ドライエッチング耐性に優れたレジストパターンを製造できる傾向がある。
Figure 2013061642
[式(a1−3)中、
a9は、水素原子、置換基(例えばヒドロキシ基)を有していてもよい炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基、又は−COORa13で表される基を表し、Ra13は、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子はヒドロキシ基などで置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。Ra10、Ra11及びRa12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基を表すか、或いはRa10及びRa11は互いに結合して環を形成している。該脂肪族炭化水素基及に含まれる水素原子はヒドロキシ基などで置換されていてもよく、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。]
a9の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基は典型的には、置換基を有していてもよいアルキル基であり、かかるアルキル基のうち、置換基を有さないアルキル基は、その炭素数が1〜8の範囲ですでに例示したものを含む。置換基、特にヒドロキシ基を有する脂肪族炭化水素基(アルキル基)としては、ヒドロキシメチル基及び2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。Ra13としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基及び2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
a10〜Ra12の脂肪族炭化水素基も典型的には、アルキル基であり、その具体例はRa9の場合と同じである。Ra10とRa11とが結合し、これらが結合する炭素原子とともに形成される環は、シクロへキサン環及びアダマンタン環などである。
モノマー(a1−3)としては例えば、特開2010−204646号公報に記載されたものが用いられる。これらの中でも、以下の式(a1−3−1)、式(a1−3−2)、式(a1−3−3)及び式(a1−3−4)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a1−3−2)又は(a1−3−4)で表されるモノマーがより好ましく、式(a1−3−2)で表されるモノマーがさらに好ましい。
Figure 2013061642
樹脂(A)が、モノマー(a1−3)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲がさらに好ましい。
樹脂(A)は以下の式(a1−4)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−4)」という場合がある。)に由来する構造単位(a1)を有していてもよい。
Figure 2013061642
[式(a1−4)中、
10は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
は0〜4の整数を表す。
11は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表し、lが2以上である場合、複数のR11は互いに同一であっても異なってもよい。
12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。
a2は、置換基を有していてもよい炭素数1〜17の脂肪族炭化水素基又は単結合を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又は−N(R)−(ただし、Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す)で表される基に置き換わっていてもよい。
a3は、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表す。]
「ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基」のうち、アルキル基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン原子を有するアルキル基としては、フッ素原子を有するアルキル基が好ましく、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。これらの中でも、R10としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
11のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基などが挙げられる。中でも、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
11のアシル基としては、
及びアシルオキシ基も、その炭素数が2〜4の範囲において、すでに例示したものを含む。
12及びR13の炭化水素基は、その炭素数が1〜12の範囲において、Ya3の炭化水素基は、その炭素数が1〜18の範囲において、すでに例示した脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基のいずれかを含む。
a2の脂肪族炭化水素基は2価の鎖式炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基又は、鎖式炭化水素基と脂環式炭化水素基とが組み合わさった2価の基であり、炭素数1〜17の範囲ですでに例示した基を適宜組み合わせた基を挙げることができる。
モノマー(a1−4)としては、例えば、特開2010−204646号公報に記載されたモノマーが挙げられる。中でも、以下の式(a1−4−1)〜式(a1−4−7)のいずれかで表されるモノマーが好ましく、式(a1−4−1)〜式(a1−4−5)のいずれかで表されるモノマーがより好ましい。
Figure 2013061642
樹脂(A)がモノマー(a1−4)に由来する構造単位を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位に対して、10〜95モル%の範囲が好ましく、15〜90モル%の範囲がより好ましく、20〜85モル%の範囲が特に好ましい。
他のモノマー(a1)としては、例えば、式(a1−5)で表されるモノマー(以下「モノマー(a1−5)」という場合がある)を用いてもよい。
Figure 2013061642
式(a1−5)中、
31は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
〜Lは、酸素原子、硫黄原子又は*−O−(CH2k4−CO−O−で表される基を表す。ここで、k4は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手である。
1’は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基であり、該アルカンジイル基中に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
s1及びs1’は、それぞれ独立して、0〜4の整数を表す。
式(a1−5)においては、R31は、水素原子、メチル基及びトリフルオロメチル基が好ましい。
は、酸素原子が好ましい。
及びLは、一方が酸素原子、他方が硫黄原子であると好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0〜2の整数が好ましい。
1’は、単結合又は*−CH−CO−O−が好ましい。
モノマー(a1−5)としては、以下のモノマーが挙げられる。
Figure 2013061642
樹脂(A)が、モノマー(a1−5)に由来する構造単位を有する場合、その含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、1〜95モル%の範囲が好ましく、3〜90モル%の範囲がより好ましく、5〜85モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定構造単位>
樹脂(A)は、酸不安定基を含む構造単位(a1)に加え、酸不安定基を有さない構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位」といい、該酸安定構造単位を誘導し得るモノマーを、「酸安定モノマー」という。)を有していると好ましい。該樹脂(A)中、酸安定構造単位は1種のみを有していてもよく、複数種を有していてもよい。
樹脂(A)が酸安定構造単位を有する場合、構造単位(a1)の含有割合を基準にして、酸安定性構造単位の含有割合を定めるとよい。構造単位(a1)の含有割合と酸安定性構造単位の含有割合との比は、〔構造単位(a1)〕/〔酸安定構造単位〕で表して、好ましくは10〜80モル%/90〜20モル%であり、より好ましくは20〜60モル%/80〜40モル%である。このようにすると、本発明のレジスト組成物から得られるレジストパターンのドライエッチング耐性がより一層良好になる傾向がある。
次に、酸安定構造単位のうち、好ましいものを説明する。
酸安定構造単位は、ヒドロキシ基又はラクトン環を有する構造単位が好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a2)」という。
)及び/又はラクトン環を有する酸安定構造単位(以下、場合により「酸安定構造単位(a3)」という。)を有する樹脂(A)は、当該樹脂(A)を含有する本発明のレジスト組成物を基板に塗布したとき、基板上に形成される塗布膜、又は塗布膜から得られる組成物層が基板との間の密着性に優れるため、良好な解像度で、レジストパターンを製造することができる。
<酸安定構造単位(a2)>
酸安定構造単位(a2)を樹脂(A)に導入する場合、本発明のレジスト組成物からレジストパターンを製造する際の露光源の種類によって、各々、好適な酸安定構造単位(a2)を選択することができる。すなわち、本発明のレジスト組成物を、KrFエキシマレーザ(波長:248nm)を露光源とする露光、電子線あるいはEUV光などの高エネルギー線を露光源とする露光に用いる場合には、酸安定構造単位(a2)として、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位(a2−0)を樹脂(A)に導入することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ(波長:193nm)を露光源とする露光を用いる場合は、酸安定構造単位(a2)として、後述の式(a2−1)で表される酸安定構造単位を樹脂(A)に導入することが好ましい。このように、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は各々、レジストパターンを製造する際の露光源によって好ましいものを選ぶことができるが、樹脂(A)が有する酸安定構造単位(a2)は、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)1種のみを有していてもよく、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)2種以上を有していてもよく、或いは、露光源の種類に応じて好適な酸安定構造単位(a2)と、それ以外の酸安定構造単位(a2)とを組み合わせて有していてもよい。
酸安定構造単位(a2)の具体例の1つは、以下の式(a2−1)で表されるもの(以下、場合により「酸安定構造単位(a2−1)」という。)である。
Figure 2013061642
式(a2−1)中、
a3は、酸素原子又は*−O−(CH2k2−CO−O−(k2は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基(−CO−)との結合手を表す。)で表される基を表す。
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
a15及びRa16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0〜10の整数を表す。
a3は、好ましくは、酸素原子又は、k2が1〜4の整数である*−O−(CH2k2−CO−O−で表される基であり、より好ましくは、酸素原子又は、*−O−CH2−CO−O−であり、さらに好ましくは酸素原子である。
a14は、好ましくはメチル基である。
a15は、好ましくは水素原子である。
a16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
酸安定構造単位(a2−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2013061642
酸安定構造単位(a2−1)は、例えば、特開2010−204646号公報に記載された酸安定モノマーから誘導される。これらの中でも、式(a2−1−1)、式(a2−1−2)、式(a2−1−3)及び式(a2−1−4)のいずれかで表される酸安定構造単位がより好ましく、式(a2−1−1)又は(a2−1−3)で表される酸安定構造単位がさらに好ましい。
樹脂(A)が酸安定構造単位(a2−1)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、3〜45モル%の範囲が好ましく、5〜40モル%の範囲がより好ましく、5〜35モル%の範囲がさらに好ましい。
次に、ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位のうち、フェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定構造単位について説明する。該酸安定構造単位は、以下の式(a2−0)で表されるもの(以下、場合により「酸安定構造単位(a2−0)」という。)が好ましい。
Figure 2013061642
式(a2−0)中、
a30は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
a31は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアシル基、炭素数2〜4のアシルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
maは0〜4の整数を表す。maが2以上の整数である場合、複数のRa31は同一でも異なっていてもよい。
a30の「ハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基」における「炭素数1〜6のアルキル基」としては、前記したものと同様のものが挙げられる。「ハロゲン原子を有する炭素数1〜6のアルキル基」とは、該炭素数1〜6のアルキル基に含まれる水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換されたものである。ハロゲン原子の具体例としては、前記したものと同様のものが挙げられる。これらのうち、Ra30は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
a31のアルコキシ基の具体例としては、前記したものと同様のものが挙げられる。これらのうち、Ra31は、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
maは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
酸安定構造単位(a2−0)の中でも、以下の式(a2−0−1)、式(a2−0−2)、式(a2−0−3)及び式(a2−0−4)のいずれかで表されるものが好ましい。
かかる構造単位を誘導し得る酸安定モノマーは、例えば、特開2010−204634号公報に記載されている。
Figure 2013061642
p−ヒドロキシスチレンやp−ヒドロキシ−α−メチルスチレンといった酸安定構造単位(a2−0)を誘導し得る酸安定モノマー[以下、場合により「酸安定モノマー(a2)」という。]を、樹脂(A)製造に用いることにより、式(a2−0−1)又は式(a2−0−2)で表される酸安定構造単位(a2−0)を、樹脂(A)に導入することができるが、該酸安定モノマー(a2)にあるフェノール性ヒドロキシ基を例えば、アセチル基のような保護基で保護し、保護化酸安定モノマー(a2)とした後、この保護化酸安定モノマー(a2)を用いて樹脂(A)を製造することもできる。保護化酸安定モノマー(a2)に由来する構造単位を有する樹脂を脱保護処理して、保護基を脱離することにより、酸安定構造単位(a2−0)を有する樹脂(A)を製造できる。ただし、脱保護処理を実施する際には、他の構造単位(a1)を著しく損なわないようにして、該脱保護処理を実施する必要がある。
樹脂(A)が酸安定構造単位(a2−0)を有する場合、その含有割合は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜90モル%の範囲が好ましく、10〜85モル%の範囲がより好ましく、15〜80モル%の範囲がさらに好ましい。
<酸安定構造単位(a3)>
酸安定構造単位(a3)が有するラクトン環は例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環及びδ−バレロラクトン環のような単環式でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
酸安定構造単位(a3)は好ましくは、以下の式(a3−1)、式(a3−2)又は式(a3−3)で表されるものである。樹脂(A)は、これらのうち1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。なお、以下の説明においては、式(a3−1)で表されるものを「酸安定構造単位(a3−1)」という場合があり、式(a3−2)で表されるものを「酸安定構造単位(a3−2)」という場合があり、式(a3−3)で表されるものを「酸安定構造単位(a3−3)」という場合がある。
Figure 2013061642
[式(a3−1)中、
a4は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a18は、水素原子又はメチル基を表す。
p1は0〜5の整数を表す。
a21は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、p1が2以上の場合、複数のRa21は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−2)中、
a5は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a19は、水素原子又はメチル基を表す。
q1は、0〜3の整数を表す。
a22は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、q1が2以上の場合、複数のRa22は同一でも異なっていてもよい。
式(a3−3)中、
a6は、酸素原子又は*−O−(CH2k3−CO−O−(k3は1〜7の整数を表す。)で表される基を表す。*はカルボニル基との結合手を表す。
a20は、水素原子又はメチル基を表す。
r1は、0〜3の整数を表す。
a23は、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、r1が2以上の場合、複数のRa23は同一でも異なっていてもよい。]
式(a3−1)〜式(a3−3)において、La4〜La6は、式(a2−1)のLa3で説明したものと同じものが挙げられる。
a4〜La6は、それぞれ独立に、酸素原子又は、k3が1〜4の整数である*−O−(CH2k3−CO−O−で表される基が好ましく、酸素原子及び、*−O−CH2−CO−O−がより好ましく、さらに好ましくは酸素原子である。
a18〜Ra21は、好ましくはメチル基である。
a22及びRa23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
p1、q1及びr1は、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0又は1である。なお、p1が2である場合、2つのRa21は互いに同一でも異なっていてもよく、q1が2である場合、2つのRa22は互いに同一でも異なっていてもよく、r1が2である場合、2つのRa23は互いに同一でも異なっていてもよい。
酸安定構造単位(a3−1)の好適例は、以下の式(a3−1−1)、式(a3−1−2)、式(a3−1−3)及び式(a3−1−4)のいずれかで表されるものである。
Figure 2013061642
酸安定構造単位(a3−2)の好適例は、以下の式(a3−2−1)、式(a3−2−2)、式(a3−2−3)及び式(a3−2−4)のいずれかで表されるものである。
Figure 2013061642
酸安定構造単位(a3−3)の好適例は、以下の式(a3−3−1)、式(a3−3−2)、式(a3−3−3)及び式(a3−3−4)のいずれかで表されるものである。
Figure 2013061642
酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)は、特開2010−204646号公報に記載された酸安定モノマーにより誘導できる。上記の酸安定構造単位(a3)の具体例の中でも、式(a3−1−1)、式(a3−1−2)、式(a3−2−3)、式(a3−2−4)のいずれかで表される酸安定構造単位がより好ましく、式(a3−1−1)又は式(a3−2−3)で表される酸安定構造単位がさらに好ましい。
樹脂(A)が、酸安定構造単位(a3)を有する場合、その合計含有割合は、該樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜70モル%の範囲が好ましく、10〜65モル%の範囲がより好ましく、10〜60モル%の範囲がさらに好ましい。
また、酸安定構造単位(a3−1)、酸安定構造単位(a3−2)及び酸安定構造単位(a3−3)それぞれの含有量は、樹脂(A)の全構造単位(100モル%)に対して、5〜60モル%が好ましく、5〜50モル%の範囲がより好ましく、10〜50モル%の範囲がさらに好ましい。
<その他の酸安定構造単位>
樹脂(A)は酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位を有していてもよい。ここで、酸安定構造単位(a2)及び酸安定構造単位(a3)以外の酸安定構造単位(a4)という。以下、この酸安定構造単位(a4)を、当該酸安定構造単位(a4)を誘導し得る酸安定モノマー(以下、場合により「酸安定モノマー(a4)」という。)を示すことで説明する。
酸安定モノマー(a4)の具体例としては、以下の式(a4−1)で表されるモノマー(以下、場合により「モノマー(a4−1)」という。)が挙げられる。このモノマー(a4−1)は、後述するように、フッ素原子を有するものであると好ましい。
Figure 2013061642
[式(a4−1)中、
41は、水素原子又はメチル基を表す。
41は、式(a4−g1)で表される基を表す。
Figure 2013061642
(式(a4−g1)中、
ssは0〜2の整数を表す。
40及びA41は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を表す。
ssが2のとき、複数存在するA40は、互いに同一であるか相異なる。
40は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
ssが2のとき、複数存在するX40は、互いに同一であるか相異なる。)
42は、フッ素原子を有する炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。]
41の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状であっても、分岐していてもよい。例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
41としては、炭素数1〜6のアルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜4のアルカンジイル基がより好ましく、エチレン基がさらに好ましい。
式(a4−g1)で表される基(以下「基(a4−g1)」という場合がある)の具体例を以下に示す。各具体例において、*は結合手を表す。
酸素原子を有する基(a4−g1)としては、
Figure 2013061642
等が挙げられる。
カルボニル基を有する基(a4−g1)としては、
Figure 2013061642
等が挙げられる。
カルボニルオキシ基を有する基(a4−g1)としては、
Figure 2013061642
等が挙げられる。
オキシカルボニル基を有する基(a4−g1)としては、
Figure 2013061642
等が挙げられる。
42は、脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子のうち少なくとも一つがフッ素原子で置き換わった基である。脂肪族炭化水素基は、部分的に炭素−炭素不飽和結合を有していてもよいが、炭素−炭素不飽和結合を有さない飽和の脂肪族炭化水素基(脂肪族飽和炭化水素基)が好ましい。脂肪族飽和炭化水素基としては、アルキル基(直鎖及び分岐状)及び脂環式炭化水素基並びにアルキル基及び脂環式炭化水素基を組み合わせた脂肪族炭化水素基などが挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基などのシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基及び下記に示す基などが挙げられる。
Figure 2013061642
かかる脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子のうち少なくとも一つがフッ素原子で置き換わった基としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1−(トリフルオロメチル)−1,2,2,2−テトラフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2−テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1−ビス(トリフルオロ)メチル−2,2,2−トリフルオロエチル基、2−(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロペンチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロシクロペンチル基、2−(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5−デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が酸素原子又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、式(a−g2)で表される基が挙げられる。
Figure 2013061642
(式(a−g2)中、
13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜15の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
12は、酸素原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基又はオキシカルボニル基を表す。
14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1〜15の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
但し、A13又はA14はフッ素原子を有し、それらの炭素数の合計は17以下である。)
13のフッ素原子を有する2価の脂肪族炭化水素基とは、フッ素原子を有するアルカンジイル基及びフッ素原子を有する2価の脂環式炭化水素基(好ましくは、フッ素原子を有するシクロアルカンジイル基)が挙げられる。フッ素原子を有するアルカンジイル基は、アルカンジイル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものであり、フッ素原子を有する2価の脂環式炭化水素基とは、2価の脂環式炭化水素基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものである。
42がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であり、A41がエチレン基である化合物(a4−1)は、以下の式(a4−1−1)〜式(a4−1−22)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
Figure 2013061642
Figure 2013061642
42のフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基は、アルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子で置換されたペルフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基など)又はシクロアルキル基に含まれる水素原子の全部がフッ素原子で置換されたペルフルオロシクロアルキル基が好ましい。
42が、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシクロアルキル基である化合物は、上述の式(a4−1−3)、式(a4−1−4)、式(a4−1−7)、式(a4−1−8)、式(a4−1−11)、式(a4−1−12)、式(a4−1−15)、式(a4−1−16)、式(a4−1−19)、式(a4−1−20)、式(a4−1−21)及び式(a4−1−22)のいずれかで表される化合物が該当する。
42としては、ペルフルオロアルキル基がより好ましい。さらに好ましくは、炭素数が1〜6のペルフルオロアルキル基であり、さらにより好ましくは、炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基である。
42が、式(a−g2)である化合物(a)は、以下の式(a4−1’)で表されるもの(以下、場合により「化合物(a4−1’)」という)である。
Figure 2013061642
[式(a4−1’)中、A13、A14、A41、R41及びX12は、それぞれ前記と同義である。]
化合物(a4−1’)において、A13及びA14はともにフッ素原子を有することもあるが、A13がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であるか、または、A14がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であるものが好ましい。さらに、A13がフッ素原子を有する脂肪族炭化水素基であるものが好ましく、なかでも、A13はフッ素原子を有するアルカンジイル基であるものがより好ましく、ペルフルオロアルカンジイル基であるものがさらに好ましい。「ペルフルオロアルカンジイル基」とは、水素原子の全部がフッ素原子に置換されたアルカンジイル基をいう。
42がペルフルオロアルカンジイル基であり、A41がエチレン基である化合物(a4−1’)としては、以下の式(a4−1’−1)〜式(a4−1’−46)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
Figure 2013061642
Figure 2013061642
Figure 2013061642
13及びA14の炭素数は、それらの合計が17以下である範囲で任意に選択されるが、A13の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
14の炭素数は4〜15が好ましく、5〜12がより好ましい。さらに好ましいA14は、炭素数6〜12の脂環式炭化水素基であり、シクロヘキシル基及びアダマンチル基がさらにより好ましい。
*−A13−X12−A14(*はカルボニル基との結合手である)としては、好ましくは、以下の基が挙げられる。
Figure 2013061642
Figure 2013061642
このような基を有する化合物(a4−1’)は、上述した式(a4−1’−7)〜式(a4−1’−42)のいずれかで表される化合物が該当する。
樹脂(A)が化合物(a4−1)に由来する構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対して、通常、1〜20モル%であり、2〜15モル%が好ましく、3〜10モル%がより好ましい。
以上、樹脂(A)は、前記構造単位以外の構造単位を有していてもよく、かかる構造単位としては、当技術分野で周知の構造単位を挙げることができる。
また、ここに示すモノマー(a4−1)に由来する構造単位を有する樹脂を、樹脂(A)とは別に本発明のレジスト組成物に含有させることもできる。分子内に酸不安定基[構造単位(a1)]を有する樹脂(A)と、分子内に酸不安定基を有さず、モノマー(a4−1)に由来する構造単位を有する樹脂(以下、場合により「樹脂(X)」という。)とを組み合わせて、本発明のレジスト組成物に含有させることができる。
この場合、樹脂(X)における、モノマー(a4−1)に由来する構造単位の含有割合は、当該樹脂(X)の全構造単位(100モル%)に対して、80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
また、本発明のレジスト組成物は、酸作用特性を有する樹脂(A)と、酸作用特性を有しない樹脂(X)とを含有していてもよく、この場合の樹脂(X)として、モノマー(a4−1)に由来する構造単位を有する樹脂を用いることができる。さらにいえば、樹脂(X)は、モノマー(a4−1)に由来する構造単位の中でも、モノマー(a4−1’)に由来する構造単位を有していると好ましい。樹脂(X)の全構造単位に対する、モノマー(a4−1)〔モノマー(a4−1’)〕に由来する構造単位の含有割合は例えば、80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。樹脂(X)は、実質的にモノマー(a4−1)〔モノマー(a4−1’)〕に由来する構造単位からなるものであってもよい。なお、樹脂(X)が、モノマー(a4−1)に由来する構造単位以外に有していてもよい構造単位としては、上述の酸安定構造単位(a2)や酸安定構造単位(a3)などを挙げることができる。
樹脂(X)もモノマー(a4−1)〔モノマー(a4−1’)〕に由来する構造単位を有するものであれば好ましいが、酸不安定基を有しない構造単位からなるものであれば、当技術分野で周知の構造単位を、さらに有していてもよい。
<樹脂(A)の製造方法>
樹脂(A)は、構造単位(a1)を誘導するモノマー(a1)を、さらに好ましくは、該モノマー(a1)と、酸安定モノマーとを共重合させたものであり、より好ましくは、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー(a1)と、酸安定構造単位(a2)及び/又は酸安定構造単位(a3)を誘導する酸安定モノマーとを共重合させたものである。なお、本レジスト組成物を例えば、EUV露光用とするうえでは、構造単位(a1−1)及び/又は構造単位(a1−2)を誘導するモノマー(a1)と、酸安定構造単位(a2−0)を誘導する酸安定モノマーとを共重合させたものを挙げることができる。
樹脂(A)は、構造単位(a1)として、アダマンチル基を有する構造単位(a1−1)を有することがさらに好ましい。樹脂(A)は、上述したようなモノマーを公知の重合法(例えばラジカル重合法)に供し、重合(共重合)することにより製造できる。
一方、樹脂(X)は好ましくは、モノマー(a4−1)〔モノマー(a4−1’)〕を公知の重合法に供して重合させたものであり、かかる重合〔樹脂(X)の製造〕には、モノマー(a4−1)〔モノマー(a4−1’)〕に加えて、他の酸安定モノマー[例えば、酸安定構造単位(a2)又は酸安定構造単位(a3)を誘導するモノマー]を用い、これらを共重合させたものであってもよい。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下)である。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー分析により、標準ポリスチレン基準の換算値として求められるものである。この分析の詳細な分析条件は、本願の実施例に記載する。
一方、樹脂(X)を本レジスト組成物に用いる場合、当該樹脂(X)の重量平均分子量は、好ましくは、8,000以上(より好ましくは10,000以上)、80,000以下(より好ましくは60,000以下)である。かかる樹脂(X)の重量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
〈酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)〉
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類される。非イオン系酸発生剤としては、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)等が挙げられる。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、レジスト分野で使用される酸発生剤(特に光酸発生剤)だけでなく、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤又は光変色剤等の放射線(光)によって酸を発生する公知化合物及びそれらの混合物も、適宜、使用できる。例えば特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用できる。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)で表されるスルホン酸塩である。
Figure 2013061642
[式(B1)中、
1及びQ2は、同一又は相異なり、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
1及びQ2のペルフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
式(B1)では、Q1及びQ2は、同一又は相異なり、トリフルオロメチル基又はフッ素原子であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
b1の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基; シクロブタン−1,3−ジイル基、1,3−シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基シレン基、シクロオクタン−1,5−ジイル基、等のシクロアルカンジイル基等のアルカンジイル基である単環式の2価の脂環式炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、1,5−アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の2価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
b1における前記2価の飽和炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−6)が挙げられる。Lb1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれか、さらに好ましくは式(b1−1)又は式(b1−2)が挙げられる。なお、式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側でC(Q1)(Q2)−と結合し、右側で−Yと結合する。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
Figure 2013061642
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の2価の飽和炭化水素基を表す。
b4は、炭素数1〜13の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の炭素数上限は13である。
b5は、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。
b6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の2価の飽和炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の炭素数上限は16である。
b8は、炭素数1〜14の2価の飽和炭化水素基を表す。
b9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の2価の飽和炭化水素基を表す。
但しLb9及びLb10の炭素数上限は12である。
中でも、Lb1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれか、より好ましくは式(b1−1)又は式(b1−2)、さらに好ましくは式(b1−1)で表される2価の基である。特に、好ましくは、Lb2が単結合又は−CH−である式(b1−1)で表される2価の基である。
式(b1−1)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013061642
式(b1−2)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013061642
式(b1−3)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013061642
式(b1−4)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013061642
式(b1−5)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013061642
式(b1−6)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013061642
Yのアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
Yの脂環式炭化水素基としては、例えば、以下の式(Y1)〜式(Y11)で表される基が挙げられる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基で置き換わった基としては、例えば、アルキル基に含まれるメチレン基が酸素原子、カルボニル基又は酸素原子とカルボニル基とに置き換わった基、以下の式(Y12)〜式(Y26)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013061642
なかでも、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)又は式(Y19)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)又は式(Y14)で表される基である。
アルキル基及び脂環式炭化水素基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシ基含有炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j2−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。Yの置換基であるアルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアラルキル基等は、さらに置換基を有していてもよい。ここでの置換基は、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ヒドロキシ基含有アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
Yとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2013061642
なお、Yがアルキル基であり、かつLb1が炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基である場合、Yと結合する該2価の飽和炭化水素基のメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていることが好ましい。この場合、Yのアルキル基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わらない。
Yは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、さらに好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基又はオキソアダマンチル基である。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、好ましくは、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。以下の式においては、符号の定義は上記と同じ意味であり、置換基Rb2及びRb3は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは、メチル基)を表す。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
Figure 2013061642
酸発生剤(B)に含まれるカチオンは、有機オニウムカチオン、例えば、有機スルホニウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、有機ホスホニウムカチオンなどが挙げられ、好ましくは、有機スルホニウムカチオン又は有機ヨードニウムカチオンであり、より好ましくは、アリールスルホニウムカチオンである。
式(B1)中のZ+は、好ましくは式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオンである。
Figure 2013061642
これらの式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。Rb4とRb5が一緒になってイオウ原子を含む環を形成してもよい。該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b4とRb5が一緒になって形成してもよいイオウ原子を含む環としては、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよく、イオウ原子を1以上含むものであれば、さらに、1以上のイオウ原子及び/又は1以上の酸素原子を含んでいてもよい。該環としては、炭素数3〜18の環が好ましく、炭素数4〜13の環がより好ましい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m2が2以上の整数である場合、複数のRb7は互いに同一であるか相異なり、n2が2以上の整数である場合、複数のRb8は互いに同一であるか相異なる。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式炭化水素基を表す。
b11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b9〜Rb11のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜12であり、脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
b12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b9とRb10は、それらが結合する硫黄原子とともに互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、Rb11とRb12は、それらが結合する−CH−CO−とともに3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環に含まれるメチレン基は、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上の整数である場合、複数のRb13は互いに同一であるか相異なり、p2が2以上の整数である場合、複数のRb14は互いに同一であるか相異なり、s2が2以上の整数である場合、複数のRb17は互いに同一であるか相異なり、u2が2以上の整数である場合、複数のRb18は互いに同一であるか相異なる。q2が2以上の整数である場合、複数のRb15は互いに同一であるか相異なり、r2が2以上の整数である場合、複数のRb16は互いに同一であるか相異なる。
アルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキルアダマンタン−2−イル基、1−(アダマンタン−1−イル)アルカン−1−イル基、及びイソボルニル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、好ましくは、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基が挙げられる。
置換基が芳香族炭化水素基であるアルキル基(アラルキル基)としては、ベンジル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基及びドデシルオキシ基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基などが挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
b9及びRb10が硫黄原子とともに形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
b11及びRb12が−CH−CO−とともに形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環などが挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2−1)であり、より好ましくは、式(b2−1−1)で表されるカチオンであり、さらに好ましくは、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0)又はトリトリルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=1であり、Rb19、Rb20及びRb21がいずれもメチル基である。)である。
Figure 2013061642
式(b2−1−1)中、
b19〜Rb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表すか、Rb19〜Rb21から選ばれる2つが一緒になってヘテロ原子を有してもよい環を形成してもよい。前記アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、前記脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
v2、w2及びx2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。
v2が2以上の整数である場合、複数のRb19の全部又は一部は同じであってもよい。w2が2以上の整数である場合、複数のRb20の全部又は一部は同じであってもよい。x2が2以上の整数である場合、複数のRb21の全部又は一部は同じであってもよい。
式(b2−1−1)において、アルキル基は、好ましくは炭素数1〜12であり、脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜18である。
b19〜Rb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(より好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基であることが好ましく、ヒドロキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表されるカチオンとしては、具体的には、特開2010−204646号公報に記載されたカチオンが挙げられる。
酸発生剤(B1)は、上述のスルホン酸アニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができ、好ましくは、式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)のいずれかで表されるアニオンと式(b2−1−1)で表されるカチオンとの組合せ、並びに式(b1−1−3)〜式(b1−1−5)のいずれかで表されるアニオンと式(b2−3)で表されるカチオンとの組合せが挙げられる。
酸発生剤(B1)としては、好ましくは、式(B1−1)〜式(B1−20)のいずれかで表される塩が挙げられ、より好ましくは、トリアリールスルホニウムカチオンを含む酸発生剤である、式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−3)、式(B1−6)、式(B1−7)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)、式(B1−14)、式(B1−18)、式(B1−19)及び式(B1−20)が挙げられる。
Figure 2013061642
Figure 2013061642
Figure 2013061642
Figure 2013061642
酸発生剤(B)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上)、好ましくは40質量部以下(より好ましくは35質量部以下)である。
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤(B)は、単独でも複数種の酸発生剤を含有していてもよい。
<化合物(I)>
Figure 2013061642
[式(I)中、
1a及びR1bは、同一又は相異なり、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよく、R1aとR1bが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。
及びRは、同一又は相異なり、置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、RとRが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。]
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれら基の2つ以上を組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基、ノルボニル基、アダマンチル基等が挙げられる。特に、脂環式炭化水素が好ましい。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、アントニル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
これら基の2つ以上を組み合わせることにより形成される基としては、アルキル−シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アラルキル基(例えば、フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等)等が挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、R1aとR1bが一緒になって置換基を有してもよい環を形成した化合物が好ましく、中でも、式(I−1)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2013061642
[式(I−1)中、
は、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表す。
及びRは、同一又は相異なり、置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、RとRが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。
mは、0〜4の整数を表し、mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。]
炭化水素基としては、R1a及びR1bの炭化水素基と同様のものが挙げられる。
脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ノニル基等のアルキル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基の具体例としては、単環式及び多環式のいずれでもよく、飽和及び不飽和のいずれでもよい。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロノニル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基、ノルボニル基、アダマンチル基等が挙げられる。特に、脂環式炭化水素が好ましい。
芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、アントリル基、p−アダマンチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
これら基の2つ以上を組み合わせることにより形成される基としては、アルキル−シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アラルキル基(例えば、フェニルメチル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニル−1−プロピル基、1−フェニル−2−プロピル基、2−フェニル−2−プロピル基、3−フェニル−1−プロピル基、4−フェニル−1−ブチル基、5−フェニル−1−ペンチル基、6−フェニル−1−ヘキシル基等)等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、シクロヘキサンカルボニル基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、上記アシル基にオキシ基(−O−)が結合した基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、上記アルコキシ基にカルボニル基(−CO−)が結合した基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
式(I−1)においては、Rは、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子が好ましい。
mは、0〜2の整数が好ましい。
式(I)においては、Rは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基であることがより好ましい。
式(I)においては、Rは、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基であることがより好ましい。
式(I)においては、R及びRが、共に、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であることが好ましく、置換基を有してもよいフェニル基であることがより好ましい。
化合物(I)としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2013061642
Figure 2013061642
〈塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)〉
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含むことが好ましい。塩基性化合物(C)はクエンチャーとして作用する。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物であり、例えばアミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミンとしては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。塩基性化合物(C)として、好ましくは、式(C1)で表される化合物〜式(C8)で表される化合物が挙げられ、より好ましくは式(C1−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013061642
[式(C1)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基及び該脂環式炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。]
Figure 2013061642
[式(C1−1)中、Rc2及びRc3は、上記と同じ意味を表す。
c4は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数5〜10の脂環式炭化水素又は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、複数のRc4の全部又は一部は同じであってもよい。]
Figure 2013061642
[式(C2)、式(C3)及び式(C4)中、Rc5、Rc6、Rc7及びRc8は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c9は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6の脂環式炭化水素基又は炭素数2〜6のアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表し、n3が2以上のとき、複数のRc9の全部又は一部は同じであってもよい。]
Figure 2013061642
[式(C5)及び式(C6)中、Rc10、Rc11、Rc12、Rc13及びRc16は、それぞれ独立に、Rc1と同じ意味を表す。
c14、Rc15及びRc17は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
o3及びp3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、o3が2以上であるとき、複数のRc14の全部又は一部は同じであってもよい。p3が2以上であるとき、複数のRc15の全部又は一部は同じであってもよい。
c1は、炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
Figure 2013061642
[式(C7)及び式(C8)中、Rc18、Rc19及びRc20は、それぞれ独立に、Rc4と同じ意味を表す。
q3、r3及びs3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表し、q3が2以上であるとき、複数のRc18の全部又は一部は同じであってもよい。r3が2以上であるとき、複数のRc19の全部又は一部は同じであってもよい。s3が2以上であるとき、複数のRc20の全部又は一部は同じであってもよい。
c2は、単結合又は炭素数1〜6のアルカンジイル基、−CO−、−C(=NH)−、−S−又はこれらを組合せた2価の基を表す。]
式(C1)〜式(C8)においては、アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルカンジイル基は、上述したものと同様のものが挙げられる。
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられる。
式(C1)で表される化合物としては、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン等が挙げられ、好ましくはジイソプロピルアニリンが挙げられ、より好ましくは2,6−ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
式(C2)で表される化合物としては、ピペラジン等が挙げられる。
式(C3)で表される化合物としては、モルホリン等が挙げられる。
式(C4)で表される化合物としては、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。
式(C5)で表される化合物としては、2,2’−メチレンビスアニリン等が挙げられる。
式(C6)で表される化合物としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
式(C7)で表される化合物としては、ピリジン、4−メチルピリジン等が挙げられる。
式(C8)で表される化合物としては、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げられる。
塩基性化合物(C)の含有率は、レジスト組成物の固形分量を基準に、好ましくは、0.01〜5質量%程度であり、より好ましく0.01〜3質量%程度であり、特に好ましく0.01〜1質量%程度である。
<溶剤(以下、「溶剤(D)」という。)>
本レジスト組成物は、さらに溶剤(D)が含有されていてもよい。溶剤(D)は、用いる化合物(I)の種類及びその量と、樹脂(A)の種類及びその量と、酸発生剤(B)の種類及びその量とに応じ、さらに後述するレジストパターンの製造において、基板上に本発明のレジスト組成物を塗布する際の塗布性が良好となるという点から適宜、最適なものを選ぶことができる。
溶剤(D)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等の環状エステル類が挙げられる。溶剤(D)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本レジスト組成物は、化合物(I)、樹脂(A)及び酸発生剤(B)並びに必要に応じて用いられる溶剤(D)及び塩基性化合物(C)以外の構成成分を含んでいてもよい。この構成成分を「成分(F)」という場合がある。かかる成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、樹脂(A)以外の高分子化合物、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤及び染料等が挙げられる。
<本レジスト組成物及びその調製方法>
本レジスト組成物は、通常、溶剤(D)の存在下で、化合物(I)、樹脂(A)及び酸発生剤(B)を混合することで調製することができる。さらに、上述のとおり必要に応じて塩基性化合物(C)及び/又は成分(F)を混合してもよい。塩基性化合物(C)を混合することが好ましい。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する際の温度は、10〜40℃の範囲から、用いる化合物(I)等の種類や化合物(1)等の溶剤(D)に対する溶解度等に応じて適切な温度範囲を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて選べばよく、0.5〜24時間が好ましい。混合手段は特に限定されず、攪拌混合等を用いることができる。
本レジスト組成物を調製する際に用いる各成分の使用量を選択することにより、本レジスト組成物中の各成分の含有量を調節することができる。
溶剤(D)の含有量は、化合物(I)の種類等に応じて適宜調節できるが、本発明のレジスト組成物総質量に対して90質量%以上があると好ましく、より好ましくは92質量%以上であり、さらに好ましくは94質量%以上であり、99.9質量%以下が好ましく、より好ましくは99質量%以下である。ここで、溶剤(D)の含有量が90質量%であるレジスト組成物では、組成物中の固形分の含有量は10質量%に相当する。
なお、本明細書において「組成物中の固形分」とは、後述する溶剤(D)を除いたレジスト組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分及びレジスト組成物に含まれる各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
溶剤(D)の含有量が上記範囲内であると、例えば後述するレジストパターンの製造方法において、厚み30〜300nm程度の組成物層を形成しやすい。
この溶剤(D)の含有量は、レジスト組成物を調製する際の溶剤(D)の使用量により調節可能である。
樹脂(A)の含有量は、レジスト組成物の固形分の総質量に対して、80質量%以上99質量%以下が好ましい。本レジスト組成物に樹脂(X)を含有させる場合、その含有割合は、樹脂(A)の含有量を基準として、0.1〜30質量%程度であり、より好ましく0.5〜20質量%程度であり、特に好ましく1〜15質量%程度である。
酸発生剤(B)の含有量は、レジスト組成物に含まれる樹脂(A)の総質量100質量部に対して、好ましくは1質量部以上であり、より好ましくは3質量部以上であり、好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは25質量部以下である。
化合物(I)の含有量は、レジスト組成物の固形分の総質量に対して、好ましくは、0.01〜5質量%であり、より好ましく0.01〜3質量%であり、さらに好ましく0.01〜1質量%である。
が好ましい。
本発明のレジスト組成物が塩基性化合物(C)を含む場合、その含有量はレジスト組成物の固形分の総質量に対して、0.01〜1質量%程度が好ましい。なお、上述のとおり、塩基性化合物(C)の含有量は、化合物(I)の含有量よりも低くしておくことが好ましい。
これら化合物(I)、樹脂(A)及び酸発生剤(B)並びに必要に応じて用いられる塩基性化合物(C)の各々の好適な含有量も、レジスト組成物を調製する際の各々の使用量により調節可能である。
なお、成分(F)を本発明のレジスト組成物に用いる場合には、当該成分(F)の種類に応じて、適切な含有量を調節可能である。
本レジスト組成物を製造するには、化合物(I)、樹脂(A)及び酸発生剤(B)並びに必要に応じて用いられる溶剤(D)、塩基性化合物(C)及び成分(F)を、それぞれ上記のような好ましい含有量で混合した後、孔径0.003〜0.2μm程度のフィルターを用いてろ過することが好ましい。
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)レジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布されたレジスト組成物を乾燥させて前記基板上に組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。以下、ここに示す工程の各々を、「工程(1)」〜「工程(5)」のようにいう。
工程(1)における本発明のレジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーター等、半導体の微細加工のレジスト材料塗布用として広く用いられている塗布装置によって行うことができる。塗布装置の条件(塗布条件)を種々調節することで、塗布膜の膜厚は調整可能であり、適切な予備実験等を行うことにより、所望の膜厚の塗布膜になるように塗布条件を選ぶことができる。本発明のレジスト組成物を塗布する前の基板は、微細加工を実施しようとする種々のものを選ぶことができる。なお、本発明のレジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄したり、反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜の形成には例えば、市販の有機反射防止膜用組成物を用いることができる。
工程(2)における乾燥は、基板上に塗布された本レジスト組成物、すなわち塗布膜を乾燥させて、溶剤(D)を除去する。乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いた加熱手段(いわゆるプリベーク)、又は減圧装置を用いた減圧手段により、或いはこれらの手段を組み合わせて、該塗布膜から溶剤を蒸発させて除去することにより行われる。乾燥条件は、本発明のレジスト組成物に含まれる溶剤(E)の種類等に応じて選択でき、例えばホットプレートを用いる加熱手段の場合、該ホットプレートの表面温度を50〜200℃程度の範囲にして行うことが好ましい。また、減圧手段の場合、減圧装置の中に、塗布膜が形成された基板を封入した後、該減圧装置の内部圧力を1〜1.0×10Pa程度にして行うことが好ましい。かくして塗布膜を乾燥させることにより、該基板上には組成物層が形成される。
工程(3)は該組成物層を露光する工程であり、好ましくは、露光機を用いて該組成物層を露光する工程である。露光は、微細加工を実施しようとする所望のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を介して行われる。露光機の露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。また、該露光機は液浸露光機であってもよい。また、露光機は、電子線、超紫外光(EUV)を照射するものであってもよい。本明細書において、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。
マスクを介して露光することにより、該組成物層には露光された部分(露光部)及び露光されていない部分(未露光部)が生じる。露光部の組成物層では該組成物層に含まれる酸発生剤(B)が露光エネルギーを受けて酸を発生し、さらに発生した酸との作用により、「アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に可溶となる樹脂」である樹脂(A)が有する酸不安定基が脱保護反応により親水性基を生じるため、露光部の組成物層にある上記樹脂(A)はアルカリ水溶液に可溶なものとなる。一方、未露光部では露光エネルギーを受けないため、上記樹脂(A)はアルカリ水溶液に対して不溶又は難溶のままとなる。露光部にある組成物層と未露光部にある組成物層とは、アルカリ水溶液に対する溶解性が著しく相違するため、アルカリ水溶液による現像によりレジストパターンを形成することができる。
工程(4)は露光後の組成物層を加熱する工程(いわゆるポストエキスポジャーベーク)である。該加熱により、露光部で生じうる脱保護基反応が促進される。加熱処理は前記工程(2)で示したホットプレートを用いる加熱手段等が好ましい。なお、工程(4)において、ホットプレートを用いる加熱手段を行う場合、該ホットプレートの表面温度は50〜200℃程度が好ましく、70〜150℃程度がより好ましい。
工程(5)は、加熱後の組成物層を現像する工程であり、好ましくは、加熱後の組成物層を現像装置により現像する。現像する工程で、加熱後の組成物層をアルカリ水溶液と接触させると、露光部の組成物層が該アルカリ水溶液に溶解して除去され、未露光部の組成物層は基板に残るため、該基板上にレジストパターンが製造される。
前記アルカリ水溶液としては、「アルカリ現像液」と称される本技術分野で公知のものを用いることができる。該アルカリ水溶液としては例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液や(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後は、好ましくは超純水等でリンス処理を行い、さらに基板及びレジストパターン上に残存している水分を除去することが好ましい。
<用途>
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)照射用のレジスト組成物又はEUV露光用のレジスト組成物、さらに液浸露光用のレジスト組成物として好適である。
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは”TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3+guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
樹脂(A)の合成
樹脂(A)の合成に使用した化合物を下記に示す。
Figure 2013061642
以下、これらの化合物をその式番号に応じて、「モノマー(a1−1−2)」などという。
合成例1:〔樹脂A1の合成〕
モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(a3−2−3)を、そのモル比〔モノマー(a1−1−3):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−1−1):モノマー(a3−2−3)〕が、30:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加した。これを73℃で約5時間加熱することにより重合した。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収した。再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が8.1×10である共重合体を収率65%で得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−3)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(a3−2−3)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A1とする。
Figure 2013061642
合成例2:〔樹脂A2の合成〕
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)及びモノマー(a3−2−3)を、そのモル比〔モノマー(a1−1−2):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−1−1):モノマー(a3−2−3)〕が、30:14:6:20:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1.00mol%と3.00mol%となるように添加した。これを73℃で約5時間加熱することにより重合した。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収した。再度、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を2回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が7.8×10である共重合体を収率68%で得た。この共重合体は、モノマー(a1−1−2)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−1−1)、モノマー(a3−2−3)に各々由来する、以下の構造単位を有するものであり、これを樹脂A2とする。
Figure 2013061642
合成例3:〔樹脂A3の合成〕
モノマー(1−1−2)、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(a3−1−1)を、そのモル比〔モノマー(1−1−2):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−1−1)〕が、50:25:25となるように混合し、さらに、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のジオキサンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルとアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)とを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、1mol%と3mol%との割合で添加し、これを80℃で約8時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のメタノールと水との混合溶媒(質量比メタノール:水=4:1)に注いで、樹脂を沈殿させた。この樹脂をろ過・回収した。再度、得られた樹脂を、ジオキサンに溶解させ、大量のメタノールと水との混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、沈殿した樹脂をろ過・回収するという操作を3回行うことにより再沈殿精製し、重量平均分子量が約9.2×10である共重合体を収率60%で得た。この共重合体は、モノマー(1−1−2)、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(a3−1−1)に各々由来する、以下の各モノマーから導かれる構造単位を有するものであり、これを樹脂A3とする。
Figure 2013061642
合成例4〔樹脂A4の合成〕
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a1−2−3)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(a3−1−1)を、そのモル比(モノマー(a1−1−2):モノマー(a1−2−3):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1))が、30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×10の共重合体A4を収率78%で得た。この樹脂A4は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2013061642
合成例5〔樹脂A5の合成〕
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a1−5−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a3−2−3)及びモノマー(a3−1−1)を、そのモル比(モノマー(a1−1−2):モノマー(a1−5−1):モノマー(a2−1−1):モノマー(a3−2−3):モノマー(a3−1−1))が、30:14:6:20:30となるように混合し、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。この溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1mol%及び3mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量7.2×10の共重合体A5を収率78%で得た。この樹脂A5は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2013061642
合成例6〔樹脂X1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a4−1−7)を用い、全モノマー量の1.5質量倍のジオキサンを加えて溶液とした。当該溶液に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、0.7mol%及び2.1mol%添加し、これらを75℃で約5時間加熱した。得られた反応混合物を、大量のメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過した。
かくして得られた樹脂を再び、ジオキサンに溶解させて得られる溶解液をメタノール/水混合溶媒に注いで樹脂を沈殿させ、この樹脂をろ過するという再沈殿操作を2回行い、重量平均分子量1.8×10の樹脂X1を収率77%で得た。この樹脂X1は、以下の構造単位を有するものである。
Figure 2013061642
<レジスト組成物の調製>
表1に示す成分を、表1に示す質量部で、以下に示す溶剤に溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
Figure 2013061642
<樹脂>
樹脂の合成例で合成した樹脂A1〜A5、樹脂X1
<酸発生剤>
酸発生剤B1−3:
Figure 2013061642
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:2,6−ジイソプロピルアニリン
<式(I)で表される化合物>
I1:式(I−1)で表される塩
Figure 2013061642
I2:式(I−2)で表される塩
Figure 2013061642
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 265.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20.0部
2−ヘプタノン 20.0部
γ−ブチロラクトン 3.5部
<レジストパターンの製造及びその評価>
12インチのシリコン製ウェハ上に、有機反射防止膜用組成物[ARC−29;日産化学(株)製]を塗布して、205℃、60秒の条件でベークすることによって、ウェハ上に膜厚78nmの有機反射防止膜を形成した。得られた有機反射防止膜の上に、表1に示すレジスト組成物の各々を、乾燥(プリベーク)後の膜厚が110nmとなるようにスピンコートした。
レジスト組成物を塗布したウェハを、ダイレクトホットプレートで、表1の「PB」欄に記載された温度で60秒間プリベーク(PB)した。得られたウェハに、液浸露光用ArFエキシマレーザステッパー[XT:1900Gi;ASML社製、NA=1.35、HTM P90L45 DipoleX35 Y偏光 s=0.985/0.875]を用いて、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを液浸露光した。尚、液浸媒体としては超純水を使用した。
露光後、ホットプレート上にて、表1の「PEB」欄に記載された温度で60秒間ポストエキスポジャーベーク(PEB)を行った。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行い、レジストパターンを得た。
<パターン倒れ耐性(PCM)評価>
45nmのラインアンドスペースパターンにおいて、露光量をアップさせた時、線幅が38nmより細くなっても倒れ又は剥がれによるパターン消失が観察されない場合を○、38nm以上の線幅で、倒れ、又は剥がれによるパターン消失が観察される場合を×とした。
Figure 2013061642
本発明のレジスト組成物は、優れたパターン倒れ耐性(PCM)でレジストパターンを製造することができる。そのため、本発明のレジスト組成物は、半導体の微細加工に有用である。

Claims (9)

  1. アルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液に溶解し得る樹脂と、酸発生剤と、式(I)で表される化合物とを含むレジスト組成物。
    Figure 2013061642
    [式(I)中、
    1a及びR1bは、同一又は相異なり、炭素数1〜18の炭化水素基を表し、該炭化水素に含まれるメチレン基は酸素原子又はカルボニル基に置き換わってもよく、R1aとR1bが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。
    及びRは、同一又は相異なり、置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、RとRが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。]
  2. 式(I)で表される化合物が、式(I−1)で表される化合物である請求項1記載のレジスト組成物。
    Figure 2013061642
    [式(I−1)中、
    は、炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜7のアシルオキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表す。
    及びRは、同一又は相異なり、置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、RとRが一緒になって置換基を有してもよい環を形成してもよい。
    mは、0〜4の整数を表し、mが2以上の場合、複数のRは同じでも異なってもよい。]
  3. が、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である請求項1又は2記載のレジスト組成物。
  4. が、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
  5. 及びRが、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である請求項1〜4のいずれか記載のレジスト組成物。
  6. 前記樹脂が、以下の式(a1−1)で表される構造単位を有する樹脂である請求項1〜5のいずれか記載のレジスト組成物。
    Figure 2013061642
    [式(a1−1)中、
    a1は、酸素原子又は−O−(CH2k1−CO−O−(k1は1〜7の整数を表し、*はカルボニル基との結合手を表す。)で表される基を表す。
    a4は、水素原子又はメチル基を表す。
    a6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を表す。
    m1は0〜14の整数を表す。]
  7. 前記酸発生剤が、以下の式(B1)で表される塩である請求項1〜6のいずれか記載のレジスト組成物。
    Figure 2013061642
    [式(B1)中、
    1及びQ2は、同一又は相異なり、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
    b1は、2価の炭素数1〜17の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子又はカルボニル基で置き換わっていてもよい。
    Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は、酸素原子、スルホニル基又はカルボニル基に置き換わっていてもよい。
    +は、有機カチオンを表す。]
  8. 前記式(B1)のYが、置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式炭化水素基である請求項7記載のレジスト組成物。
  9. (1)請求項1〜8のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
    (2)塗布されたレジスト組成物を乾燥させて前記基板上に組成物層を形成する工程、
    (3)組成物層を、露光する工程、
    (4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
    (5)加熱後の組成物層を現像する工程、
    を含むレジストパターンの製造方法。
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