JP6414281B2 - カッター装置、および、ラベル発行装置 - Google Patents

カッター装置、および、ラベル発行装置 Download PDF

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Description

本発明は、一方面に粘着層で形成された貼付面を有する用紙(ラベル)を切断するカッター装置、および、ラベル発行装置に関する。
一般的な台紙レスラベル発行装置は、台紙レスラベルを切断するために、一対の刃体からなる切断手段としてのカッター(カッター装置)を有する。このカッターは、一対の刃体の間に台紙レスラベル用紙を挿通した状態で、一方の刃が他方の刃に対して進退することで、台紙レスラベル用紙をせん断作用により切断する(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のカッターには、刃体に非粘着性のコーティング被膜が形成されている。
特開2000−190280号公報
しかしながら、特許文献1に記載のカッターのように刃に非粘着性のコーティング被膜を単純に設けた構造では、台紙レスラベル用紙の粘着層の糊、そのラベル用紙を切断した時に生じる紙粉、などの付着を防止することができない場合がある。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、刃体に糊や紙粉の付着を防止することができるカッター装置を提供すること、そのカッター装置を備えるラベル発行装置を提供すること、などを目的とする。
本発明のカッター装置は、相対的に摺り合わせて移動可能な一対の刃により、一方の面に粘着層を備える用紙を、せん断作用で切断し、前記一対の刃の一方の刃に接して付着防止剤を保持する保持体を有するカッター装置であって、
前記一方の刃に、前記一方の刃と他方の刃が摺り合う面で、且つ、前記他方の刃が摺動する方向に所定の長さを持つ、前記用紙の粘着剤が付着しないようにする前記付着防止剤を溜める有底の溝部を前記他方の刃が摺動する方向と直角な方向に間隔をおいて複数設け、前記複数の溝部の短手方向又は長手方向の端部は、前記一方の刃と前記他方の刃が摺り合う面に対して傾斜していることを特徴とする。
また、本発明のカッター装置は、相対的に摺り合わせて移動可能な一対の刃により、一方の面に粘着層を備える用紙を、せん断作用で切断し、前記一対の刃の一方の刃に接して付着防止剤を保持する保持体を有するカッター装置であって、
他方の刃に、前記一方の刃と前記他方の刃が摺り合う面で、且つ、前記他方の刃が摺動する方向に所定の長さを持つ、前記用紙の粘着剤が付着しないようにする前記付着防止剤を溜める有底の溝部を前記他方の刃が摺動する方向と直角な方向に間隔を置いて複数設け、前記複数の溝部の短手方向又は長手方向の端部は、前記一方の刃と前記他方の刃が摺り合う面に対して傾斜していることを特徴とする。
付着防止剤としては、ある程度の粘性を有する液状体であり、例えば、オイルやグリスなどである。
このカッター装置は、2枚の刃体のうち一方のみを駆動する方式、両方の刃体を駆動する方式の何れでもよい。
また、摺り合わせ面に僅かなオイルが塗布できればよいので、溝部の浅く、僅かなオイルが保持できるものであってもよい。
また、本発明のラベル発行装置は、上記カッター装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、刃の摺り合わせ面に溝部が設けられ、該溝部に例えばオイル等の付着防止剤が保持されるので簡単な構成で、刃体に糊や紙粉が付着するのを防止できるカッター装置を提供することができる。また、本発明によれば、上記カッター装置を備えることを特徴とするラベル発行装置を提供することができる
本発明の実施形態に係るカッター装置を採用した台紙レスラベル発行装置の概略を示す側面図。 本発明の実施形態に係るカッター装置の拡大図、(a)は正面図、(b)は縦断側面図。 本発明の実施形態に係るカッター装置の一例を示す斜視図。 本発明の実施形態に係るカッター装置の刃に設けられた溝部の一例を示す図、(a)は固定刃に設けられた複数の溝部が、可動刃の運動方向に対して斜めに形成されている一例を示す図、(b)は固定刃に設けられた複数の溝部が、可動刃の運動方向に対して斜めに形成されている他の例を示す図、(c)は固定刃に形成された複数の溝部が可動刃の移動方向に沿って形成されている一例を示す図。 本発明の実施形態に係るカッター装置の溝部の一例の断面図を示す図、(a)は溝部を備えた刃の正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図、(c)はB−B線に沿った断面図。 カッター装置の動作の一例を示す図、(a)は用紙切断前、可動刃と固定刃が離間した状態を示す図、(b)は可動刃と固定刃の間に用紙が搬送された状態の一例を示す図、(c)は用紙切断時の可動刃と固定刃の位置関係の一例を示す図。 カッター装置の他の例を示す図であり、オイル保持体と固定刃を上部に、溝部付き可動刃を下部に配置したカッター装置の一例を示す図、(a)は正面図、(b)は縦断側面図、(c)は用紙切断時、固定刃と可動刃が重なる状態の一例を示す図。 カッター装置の他の例を示す図であり、固定刃とその凹部に嵌合したオイル保持体を上部に、溝部付き可動刃を下部に配置した図、(a)は正面図、(b)は縦断側面図、(c)は用紙切断時、固定刃と可動刃とが重なる状態の一例を示す図。
本発明の実施形態に係るカッター装置5を採用した台紙レスラベル発行装置100(ラベル発行装置)の一例を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るカッター装置5を採用した台紙レスラベル発行装置100の概略を示す側面図である。図2は図1に示したカッター装置5の拡大図であり、詳細には、図2(a)はカッター装置5の正面図、図2(b)はカッター装置5の縦断側面図である。図3は図1に示したカッター装置5の一例を示す斜視図である。
図1に示したように、台紙レスラベル発行装置100において、ケース1内にロール装填部2が設けられている。ケース1において、ロール装填部2にセットされる台紙レスラベルロール8のラベル用紙の繰り出し方向前方位置に、ラベル用紙送出手段3と、印字部4と、印字された台紙レスラベル用紙8’を所定長さに切断する切断手段としてのカッター装置5とが設けられ、更に、カッター装置5より前方に、切断送出された台紙レスラベル用紙8’を一時的に保持するラベル保持部7が設けられている。上記ロール装填部2には、台紙レスラベルロール8が回転可能に支持されている。
ラベル用紙送出手段3は、台紙レスラベルロール8から台紙レスラベル用紙8’を送出する。詳細には、ラベル用紙送出手段3は、ケース1の周壁に開設したラベル送出口9の上流側近傍に配置した上下一対のローラからなる下流側の用紙送出手段3bと、そのラベル用紙送出手段3より上流側に所定間隔をおいて配置した印字部4を兼ねた上流側の用紙送出手段3aと、を有する。
印字部4を兼ねた上流側の用紙送出手段3aは、台紙レスラベル用紙8’の下方(粘着層の形成された貼付面側)に位置するプラテンローラ4aと、台紙レスラベル用紙8’の上方(印字面側)に位置するサーマルヘッド4bと、を有する。プラテンローラ4aと下流側の用紙送出手段3bにおける下側のローラは、モータによって駆動されるように構成されている。
そして、台紙レスラベル用紙8’の上方に位置するサーマルヘッド4bと下流側の用紙送出手段3bにおける上側のローラはそれぞれ台紙レスラベル用紙8’を下側のローラ(用紙送出手段3bにおける下側のローラ、プラテンローラ4a)とで挟持するように下方に付勢され、それにより台紙レスラベル用紙8’を安定して送出し得るように構成されている。
また、印字部4のプラテンローラ4aと下流側の用紙送出手段3bにおける下側のローラは、それぞれの表面に剥離剤をコーティングした構造を有し、台紙レスラベル用紙8’の印字面に対して反対側の面に塗着されている粘着剤が付着しないように構成されている。つまり、印字部4のプラテンローラ4aと用紙送出手段3bにおける下側のローラとにより、台紙レスラベル用紙8’の送出が円滑に行われるように、台紙レスラベル発行装置100が構成されている。
尚、台紙レスラベル用紙8’の粘着層がローラに付着しにくくする構成は、上記構成に限られるものではなく、ローラ自体又はローラの最外周部分を易剥離性の部材で構成してもよい。
<カッター装置5>
切断手段としてのカッター装置5は、ラベル送出口9に向けて送出される台紙レスラベル用紙8’を所定長さの枚葉状に切断する。この台紙レスラベル用紙8’には、印字部4により商品情報などが印字されている。
カッター装置5は、ラベル送出口9より水平状に送出される台紙レスラベル用紙8’を挟むように配置した一対の刃体(刃ともいう)を有する。詳細には、図2(a)、図2(b)、図3に示したように、カッター装置5は、ラベル送出口9より水平状に送出される台紙レスラベル用紙8’を挟むように配置した上下一対の固定刃5aと可動刃5bとを有する。本実施形態では、固定刃5aは、刃体に一つまたは複数の取付孔5hが形成されており、固定ネジ(不図示)などにより、取付孔5hを介して台紙レスラベル発行装置のケース1などに固定されている。
本実施形態では、図2(a)、図2(b)、図3に示したように、固定刃5aは、台紙レスラベル用紙8’の印字面側(上方)に配置され、固定刃5aの刃先が同一幅で直線状に形成された帯刃(平刃)で形成されている。可動刃5bは、台紙レスラベル用紙8’の貼付面側(下方)に配置され、可動刃5bの刃部が正面視略V字形に形成されている。この可動刃5bが固定刃5aに対して進退することにより、台紙レスラベル用紙8’をせん断作用によって切断するように構成されている。この可動刃5bはモータ(図示省略)の駆動力によって進退動作するように構成されている。また、可動刃5bを駆動する駆動機構を構成するモータは、制御部(不図示)により制御される。
尚、上記実施形態では、可動刃5bは正面視略V字形状に形成されていたが、この形態に限られるものではない。例えば、可動刃5bは、刃先が正面視左右方向(水平方向を基準)に対して斜めに形成された斜め刃(平刃)であってもよい。
<溝部51>
図4は本発明の実施形態に係るカッター装置5の刃に設けられた溝部51の一例を示す図である。詳細には、図4(a)は固定刃5aに設けられた複数の溝部51が、可動刃5bの運動方向に対して斜めに形成されている一例を示す図である。図4(b)は固定刃5aに設けられた複数の溝部51が、可動刃5bの運動方向に対して斜めに形成され、溝部51の両端部のうち一端部と、隣接する溝部51の他端部とが、可動刃5bの運動方向に沿って重なり合うように構成されている一例を示す図である。図4(c)は固定刃5aに形成された複数の溝部51が可動刃5bの移動方向に沿って形成されている一例を示す図である。
カッター装置5は、一対の刃体(刃)の摺り合せ面52に、用紙としての台紙レスラベル用紙8’の粘着層の粘着剤の付着を防ぐ付着防止剤としてのオイル60を溜める有底の溝部51を有する。上述したように、台紙レスラベル用紙8’(用紙)は、一方面に粘着層で形成された貼付面8aと、反対側の面に形成された印字面8bと、を有する。
図3、図4に示した例では、固定刃5aの刃体において、固定刃5aと可動刃5bとの摺り合せ面52に溝部51が形成されている。詳細には、固定刃5aに複数の溝部51が形成されている。この溝部51は、固定刃5aに形成された取付孔5hの形成領域以外の場所に形成されている。
尚、付着防止剤としては、ある程度の粘性を有する液体などであり、例えば、オイル60やグリスなどを採用することができる。
図4(a)に示したように、固定刃5aには複数の溝部51が、可動刃5bの運動方向に対して斜め方向に沿って形成されている。図4(a)に示した例では、可動刃5bの運動方向に対して角度θだけ斜め方向に沿って溝部51が形成されている。この角度θは、例えば、0°以上、90°以下となるように形成されている。図4(c)に示した例は、固定刃5aに形成された溝部51の上記角度θが0°の場合を示す。
尚、固定刃5aの複数の溝部51は、可動刃5bの運動方向に対して斜め方向に沿って形成されていてもよいし、直交する方向に形成されていてもよいし、平行に形成されていてもよい。カッター装置5の動作時、固定刃5a、可動刃5bの刃の摺り合せ面にオイル60を塗布するように溝部51が構成されていればよい。
図4(a)に示した例では、可動刃5bの形状が、正面視略V字形状に形成されており、それに対応するように、固定刃5aに形成された複数の溝部51の傾斜方向が、左右対称にハの字状に形成されている。こうすることで、可動刃5bの刃先に広くオイル60を塗布することができる。
また、図4(a)に示したように、可動刃5bが正面視略V字形状に形成されており、つまり、可動刃5bの中央部が谷となる形状に形成されており、その谷付近(中央部)にラベルの糊などが比較的多く付着する場合がある。本実施形態では、固定刃5aに形成された複数の溝部51は、各溝部51の可動刃側の端部が他端と比べて、可動刃5bの谷部(中央部)に向かって近づくように傾斜するように形成されており、溝部51に溜まったオイル60が中央部に向かって流れることで、ラベルの糊などが付着しやすい部分(可動刃5bの谷部(中央部)付近)に、オイル60を十分に供給することができる。
また、図4(a)に示した例では、溝部51の一方の端部51a(可動刃5bに近い端部)と、その溝部51に隣接する他方の端部51b(可動刃5bから遠い端部)とが、可動刃5bの運動方向に沿って重ならないように構成されている。
図4(b)に示した例では、溝部51の一方の端部51a(可動刃5bに近い端部)と、その溝部51に隣接する他方の端部51b(可動刃5bから遠い端部)とが、可動刃5bの運動方向に沿って一部分だけ重なるように形成されている。こうすることで、可動刃5bの刃先に連続的に広くオイル60を塗布することができる。
尚、刃の表面張力がオイルの表面張力より十分に小さく、固定刃5aの表面が広範囲に亘ってオイルで濡れた状態であり、可動刃5bの刃先に連続的に広くオイル60を塗布するように、図4(a)に示したように、隣接する溝部51が、可動刃5bの運動方向に沿って重ならないように構成されていてもよい。
また、図4(a)、図4(b)、図4(c)に示したように、溝部51の一方の端部51a(可動刃5bに近い端部)と、他の端部51b(可動刃5bから遠い端部)は、固定刃5aの刃先5eや縁部5fよりも内側に位置するように形成されている。こうすることで、有底の溝部51は、オイル60を縁部5fより外側に溢すことなく、固定刃5aの縁部5fよりも内側の溝部51にオイル60を保持することができる。
図5は、本発明の実施形態に係るカッター装置5の溝部51の一例の断面図を示す図であり、詳細には、図5(a)は溝部51を備えた刃(固定刃5a)の正面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線に沿った断面図であり、図5(c)はB−B線に沿った断面図である。
図5(a)、図5(b)、図5(c)に示したように、固定刃5aにおいて、可動刃5bとの摺り合せ面52に形成された溝部51は、そのエッジ51gが、摺り合せ面52に対して直交(垂直)ではなく、緩やかな傾斜となるように形成されていることが好ましい。
このように溝部51のエッジ51gが緩やかな傾斜となるように形成されているので、用紙切断時、固定刃5aと可動刃5bとが摺合う過程で、可動刃5bについたゴミなどが溝部51に溜る量が比較的少ない。
また、溝部51のエッジ51gが緩やかな傾斜となるように形成されているので、用紙切断時、固定刃5aと可動刃5bとが摺合う過程で、可動刃5bについたオイル60が、エッジ51gにより削ぎ落とされる量が少ない。このため一対の刃の摺り合せ面52に、汚れ防止に十分な量のオイル60を保持することができる。
この溝部51のエッジ51gの傾斜角度は、摺り合せ面52に対して、例えば、1°〜45°の範囲、好ましくは、約10°程度となるように形成されている。また、溝部51のエッジ51gは、底部51pに近づくほど大きな角度となるように形成されている。
また、溝部51の底部51pは、図5(b)に示したように、略断面半円形状に形成されていてもよいし、図5(c)に示したように、平坦に形成されていてもよい。
<オイル保持体6>
本実施形態では、図2(a)、図2(b)に示したように、例えば、付着防止剤としてのオイル60を含浸し保持するオイル保持体6が固定刃5aに設けられている。
オイル保持体6から染み出たオイル60が、固定刃5aに設けられた溝部51に溜るように、このオイル保持体6が固定刃5aに設けられている。オイル保持体6は、その一部分が溝部51に重なるように構成されている。
オイル保持体6としては、スポンジなどを採用することができる。例えば、オイル補給手段としてのオイルタンクにそのスポンジが浸され、オイル60が毛細管現象により溝部51に染み出すことで、溝部51にオイル60が流れ、溝部51にて保持される。
また、オイル保持体6は、固定刃5aにおける可動刃5bが摺接する側面で、且つ、可動刃5bの移動領域内に取り付けられていてもよい。この場合、可動刃5bの進行により、その可動刃5bの刃先とオイル保持体6とが接触し、該可動刃5bの刃先にオイル60が塗布される。固定刃5aの溝部51にはオイルを含浸するスポンジ(オイル保持体6)から毛細管現象によりオイル60が補充されており、可動刃5bの摺接面にオイル60が塗布され、台紙レスラベル用紙8’の粘着剤やラベル用紙8’の切断によって生じる紙粉等が付着しないように構成されている。
また、可動刃5bは、オイル保持体6に対し刃先が僅かに食い込む位置まで移動した場合、オイル保持体6からオイル60が染み出てきて、その染み出たオイルが可動刃5bの刃先に塗布されるように構成してもよい。そして、オイル60が溝部51に溜まり、次のカットのための可動刃5bが固定刃5aに向けて移動した際に、溝部51に溜まるオイル60と可動刃5bとが触れるようになり、可動刃5bの先端および摺接面にオイル60が塗布されるようになる。
本実施形態では、可動刃5bの刃先が固定刃5aに形成された溝部51にまで移動した場合、溝部51に溜ったオイル60が可動刃5bおよび固定刃5aの摺り合せ面52に塗布されるように構成されている。
また、可動刃5bの進行により、その可動刃5bの刃先とオイル保持体6とが接触し、該可動刃5bの刃先にオイル60が塗布され、可動刃5bに台紙レスラベル用紙8’の粘着剤、台紙レスラベル用紙8’の切断によって生じる紙粉、などが付着しないように構成されている。
また、固定刃5aにおける可動刃5bの摺接面にオイル保持体6が位置しているので、可動刃5bの刃先がオイル保持体6に対して食い込むように作用する。オイル60が僅かにオイル保持体6から染み出て、固定刃5aにおける可動刃5bの摺接面にもオイル60が付着するようになる。
したがって、可動刃5bのみならず、固定刃5aの刃先の側面にも糊や紙粉が付着するのを防ぐことができる。つまり、オイル60は、切断されたラベル用紙の紙粉、糊などは固定刃5aや可動刃5bに付着しなくなるように作用する。
オイル保持体6は、例えば、連続気泡発泡体のスポンジ等の弾性体6aに、人体に触れるなどしても人体に悪影響を及ぼさない食品添加物であるシリコーン100%のオイル60を含浸させたものを採用してもよい。また、オイル保持体6の弾性体6aは、図2(a)に示すように、可動刃5bの正面視略V字形の刃先と対応する面が略V字形の刃形状と噛み合う略V字形(山形)に形成されることが好ましい。
オイル60を含浸したスポンジ等の弾性体6aを固定刃5aに取り付ける方法は、接着剤による固定、或いは固定刃5aに収容枠を取り付け、その収容枠内に弾性体6aを収容する等、何れでもよい。尚、弾性体6aを固定刃5aに接着によって固定する場合、可動刃5bが弾性体6aに進入する領域は非接着とし、弾性体6aに可動刃5bがスムーズに侵入するようにする。
また、オイル保持体6を構成するオイル60を含浸するスポンジ等の弾性体6aは、可動刃5bが正面視略V字形の刃先からなる刃体である場合、せん断作用により切断される台紙レスラベル用紙8’の粘着剤は略V字形の刃先のV部最深部(谷部分)に寄せられる。そのため、台紙レスラベル用紙8’の粘着剤は可動刃5bの正面視略V字形のV部最深部近傍に付着し易くなるため、オイル保持体6の弾性体6aは可動刃5bの刃幅と略同幅(図2(a)参照)とすることなく、可動刃5bの正面視略V字形の刃先のV部最深部近傍部分と対応する小幅の弾性体6a’としてもよい(不図示)。
このように、正面視略V字形の刃部形状に合うような、オイル60を含浸する弾性体6aや溝部51を備えることで、正面視略V字形の可動刃5bと固定刃5aとのせん断作用により用紙を切断する場合でも、正面視略V字形の刃先のV部最深部近傍に確実にオイルが塗布されるので、該部への糊、紙粉などの付着を防ぐことができる。
また、可動刃5bの形状と、オイル60を含浸する弾性体6aとが合うので、可動刃5bの移動に際して負荷にならない。
また、このように可動刃5bの刃部を正面視略V字形にすることで、台紙レスラベル用紙8’は幅方向両側方から中央に向かって切断されるようになるので、該可動刃5bの移動距離を少なくすることができる。それにより、カッター装置5をコンパクトなユニットにすることができる。
カッター装置5で切断された台紙レスラベルを一時的に待機保持するラベル保持部7は、ソロバン玉状の接触部材7aを備えた枠体7bが、ケース1の外側面に固定枠10を介して設置されている。このラベル保持部7に送出された台紙レスラベルは、貼付手段(アプリケータ)による自動貼り、或いはオペレータによる手貼りで商品に貼付される。
<カッター装置5の動作>
図6はカッター装置5の動作の一例を示す図である。詳細には、図5(a)は用紙切断前、可動刃5bと固定刃5aが離間した状態を示す図であり、図5(b)は可動刃5bと固定刃5aの間に台紙レスラベル用紙8’が搬送された状態の一例を示す図であり、図5(c)は用紙切断時の可動刃5bと固定刃5aの位置関係の一例を示す図である。
図6(a)に示したカッター装置5は、固定刃5aに設けられたオイル保持体6に適度にオイル60を補給するオイルタンク61(オイル補給手段)を備えている。例えば、オイルタンク61にスポンジなどのオイル保持体6が浸されており、オイル60が毛細管現象により染み出して、固定刃5aに設けられた溝部51にオイル60が注油され、溝部51にオイル60が溜り保持されている。
尚、オイルタンク61から細管(チューブ)にてスポンジなどのオイル保持体6にオイル60を注油する構成であってもよい。
図6(b)に示したように、台紙レスラベル用紙に印字部により印字されると、台紙レスラベル用紙8’が固定刃5aと可動刃5bとの間に挿通される。
次に、図6(c)に示したように、制御部(不図示)の制御により可動刃5bが固定刃5aに近づくように駆動された場合、可動刃5bと固定刃5aのせん断作用により、台紙レスラベル用紙8’が切断される。
詳細には、固定刃5aの溝部51に一部分重なって配置されたオイル保持体6からオイル60が刃の表面および溝部51に僅かに流れ、刃の表面や溝部51に付着して濡れた状態で保持されている。このように、固定刃5aの表面(摺接面)および溝部51がオイル60により濡れた状態で、可動刃5bが固定刃5aの表面(摺接面)上に進入する。
オイル60は固定刃5aと可動刃5bとの間の極僅かな隙間(摺り合せ面)、溝部51に位置している。
そして、制御部(不図示)の制御により可動刃5bが固定刃5aから離間する方向(下方)に駆動された場合、上記摺り合せ面内に位置するオイル60が下方へ引きずられて移動する。そして、可動刃5bが固定刃5aから離間した場合、可動刃5bの摺り合せ面にオイル60が塗布されて濡れた状態となる。
つまり、固定刃5aと可動刃5bとが一部分重なる状態で、各刃の摺り合せ面の間に存在するオイル60のうち余分なオイル60が可動刃5bの移動とともに、可動刃5bに付着して移動する。よって、可動刃5bが下方へ移動するに伴い、各刃の摺り合せ面付近に存在するオイルのうち余分なオイルがそぎ落とされるようになる。
オイルタンク61(オイル補給手段)からオイル60が毛細管現象によりスポンジなどのオイル保持体6に染み出し、その染み出した分のオイル60が固定刃5aの溝部51に保持される。この溝部51に保持されているオイル60が可動刃5bの移動とともに、可動刃5bに一緒に付着しながら移動する。
<変形例>
前記実施例(図2参照)では直線帯状の刃体を固定刃5a、正面視略V字形の刃部を有した刃体を可動刃5bとし、溝部51を備えた固定刃5aにオイル保持体6を取り付けたが、可動刃に溝部51を設けてもよい。図7にその変形例を示す。図7はカッター装置5の変形例を示す図であり、詳細には図7(a)は正面図、図7(b)は縦断側面図、図7(c)は用紙切断時、固定刃11aと可動刃11bとが重なる状態の一例を示す図である。
図7に示すカッター装置11は、台紙レスラベル用紙8’の印字面側(上方)に、固定刃11aとして刃部が同一幅で直線状に形成された帯刃(平刃)を配置し、台紙レスラベル用紙8’の貼付面側(下方)には、可動刃11bとしての刃部が正面視略V字形に形成され刃体を配置し、可動刃11bにおいて固定刃11aとの摺接面に複数の溝部51が形成されている。可動刃11bが固定刃11aに対して進退することにより台紙レスラベル用紙8’がせん断作用によって切断されるようになっている。
そして、固定刃11aにおける可動刃11bが摺接する面にオイル保持体12(オイルを含浸したスポンジ等の弾性体)が接着固定されている。この場合、固定刃11aは帯刃であるため、オイル保持体12(前記弾性体)は、可動刃11bの刃部全域が一緒にオイル保持体12に接触するように、可動刃11bの横幅と略同じ幅の矩形状に形成されている。
固定刃11aの摺接面にはオイル保持体12からのオイル60で僅かに濡れた状態であり、可動刃11bの進行(上昇)により、図7(c)に示したように、可動刃11bと固定刃11aとが一部分重なり、可動刃11bの摺り合せ面側にオイル60が塗布されるとともに、可動刃11bの摺り合せ面側に形成された溝部51の一部分が固定刃11aの摺り合せ面に重なる状態となり、固定刃11aの摺り合せ面上のオイル60が可動刃11bの溝部51に保持される。
上記構成により、固定刃11aの表面にオイル60が濡れた状態で、正面視略V字形の可動刃11bの摺接によってオイル60が可動刃11bの摺接面に塗布されるので、可動刃11bへの糊、紙粉などの付着を防ぐことができる。なお、図7において、固定刃11aにも溝部51を形成することで、オイル保持体から僅かに染み出るオイルを保持するようにしてもよい。つまり、この場合は、固定刃11a、可動刃11b共に溝部51が形成されるようになる。
図8は、カッター装置5の他の変形例を示す図であり、詳細には図8(a)は正面図、図8(b)は縦断側面図、図8は用紙切断時、可動刃と固定刃とが重なる状態の一例を示す図である。
図8に示すカッター装置11は、台紙レスラベル用紙8’の印字面側(上方)に、固定刃11aとして刃部が同一幅で直線状に形成された帯刃(平刃)を配置し、固定刃11cの摺接面に凹部が形成され、その凹部にスポンジなどのオイル保持体12が備えられている。図8に示したように、スポンジなどのオイル保持体12の表面は、固定刃11cの摺接面と略一致するように形成されている。
台紙レスラベル用紙8’の貼付面側(下方)には、可動刃11dとしての刃部が正面視略V字形に形成され刃体を配置し、可動刃11dにおいて固定刃11cとの摺接面に複数の溝部51が形成されている。可動刃11dが固定刃11cに対して進退することにより台紙レスラベル用紙8’がせん断作用によって切断されるようになっている。
このように、図8に示したカッター装置は、固定刃11aの凹部にオイル保持体12が嵌合した状態でオイル60を保持し、固定刃11aの表面(摺接面)が濡れた状態となった状態で、正面視略V字形の可動刃11bの摺接によってオイル60が可動刃11bの摺接面に塗布されるので、可動刃11bへの糊、紙粉などの付着を防ぐことができる。
尚、可動刃、固定刃、溝部、オイル保持体などの位置関係は、カッター装置5やラベル発行装置100の使用条件などにより、適宜設定することが好ましい。
例えば、台紙レスラベル用紙8’の印字面側(上方)に、可動刃として刃部が同一幅で直線状に形成された帯刃(平刃)を配置し、台紙レスラベル用紙8’の貼付面側(下方)には、固定刃として刃部が正面視略V字形に形成され刃体を配置し、可動刃が固定刃に対して進退することにより台紙レスラベル用紙8’がせん断作用によって切断されるカッター装置を採用してもよい。
固定刃における可動刃が摺接する面(裏面)にオイル保持体12(オイルを含浸したスポンジ等の弾性体)が接着固定されている。この場合、可動刃は帯刃であるため、オイル保持体12の弾性体は、可動刃の刃部全域が一緒に弾性体に接触するように、可動刃の横幅と略同じ幅の矩形状に形成されている。
そして、上記構成により、正面視略V字形の固定刃の裏面に、可動刃の摺接によってオイル60が塗布され、正面視略V字形の固定刃の裏面に糊や紙粉等が付着するのを防ぐことができる。また、オイル保持体12が台紙レスラベル用紙8’の貼付面側に配置した固定刃に取り付けられているため、可動刃の進行(下降)によるオイル保持体との当接で染み出たオイル60は可動刃の退行(上昇)で固定刃の裏面に摺接塗布されるが、塗布されたオイル60は重力によって固定刃の裏面に沿って垂れ、オイル保持体12に吸収される。従って、オイルが無駄に垂れ落ちるのを防止することができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、相対的に摺り合わせて移動可能な一対の刃(5a、5b)により、一方の面に粘着層が形成された貼付面8aを備える用紙としてのラベル用紙8’を、せん断作用で切断するカッター装置であって、刃(5a、5b)の摺り合せ面52に、ラベル用紙8’(用紙)の粘着剤が付着しないようにするオイル60を溜める有底の溝部51を有する。一対の刃(5a、5b)のうち、一方または両方の刃(5a、5b)の摺り合せ面52にオイル60を溜める有底の略凹形状の溝部51が形成されている。
このように、刃自身の摺り合せ面52にオイル60を保持可能な溝部51を有するので、一対の刃(5a、5b)が相対的に移動する場合、刃の摺り合せ面52の溝部51に溜ったオイル60を刃(5a、5b)に塗布することができ、刃に糊や紙粉が付着するのを防止することができる。
また、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、可動刃11bの移動方向に対して、固定刃5a(または可動刃5b)に設けられた溝部51が斜め方向に沿って設けられている。
このため、刃の摺り合せ面52に形成された溝部51が、刃面の広範囲に亘って触れるので、刃面の広範囲に亘ってオイル60を塗布することができる。
また、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、溝部51のエッジ51gが、その溝部51を備えた刃の摺り合せ面52の縁部5fよりも内側に位置するように形成されている。
すなわち、溝部51に溜ったオイル60が、溝部51を備えた刃の摺り合せ面52の縁部5fから外側に垂れる量を少量とすることができ、オイル60を溝部51に確実に溜めることができる。
また、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、一対の刃が固定刃5aと可動刃5bとを有する。この固定刃5aに溝部51が設けられている。
このように固定刃5aに溝部51が形成されているので、可動刃5bに溝部を設けた場合と比較して、溝部51からオイル60が漏れる量を少量とすることができ、確実にオイル60を保持することができる。
また、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、刃の摺り合せ面52に形成された溝部51にオイル60を注油可能なオイル保持体6を備えている。
このように、オイル保持体6から、溝部51にオイル60を適宜注油することができる。
また、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、オイル保持体6にオイル60を補給するオイル補給手段としてのオイルタンク61を有する。
このように、オイル補給手段により、オイル保持体6にオイル60を適宜補給することができる。
また、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、一対の刃が正面視略V字形の刃体、平刃、または、のこ刃などを有する。この正面視略V字形の刃体、平刃、または、のこ刃の摺り合せ面52に溝部51が形成されている。このように、各種刃に対応して適宜溝部51を形成することができ、オイル60を確実に保持することができる。
また、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、一対の刃のうち、溝部51の形成された刃における溝部51における溝方向に沿った両端部は、他方の刃側の一端部51aと、他端部51bとを有する。そして、溝部51の一端部51aと、その溝部51に隣接する溝部51の他端部51bとが、刃の相対的運動方向に沿って重なる、または、刃の相対的運動方向に直交する方向に沿って僅かに間隔をあけるように構成されている。
このため、例えば、固定刃5aと可動刃5bとが相対的に摺り合わせて移動する際、各刃先および摺り合せ面52の広範囲に亘ってオイル60を塗布することができる。
また、本発明の実施形態に係るカッター装置5は、刃に形成された複数の溝部51が、正面視ハの字形状に形成されている。このため、簡単な構造により各刃先および摺り合せ面52の広範囲に亘ってオイル60を塗布することができる。
また、本発明の実施形態に係る台紙レスラベル発行装置100は、上記カッター装置5を採用したので、簡単な構成で、印字部により印字された台紙レスラベル用紙を確実に切断することができるとともに、刃体に糊や紙粉の付着を防止することができる。
尚、上記実施形態では、カッター装置は固定刃と可動刃とを有し、固定刃5aにオイル溜め用の溝部51を備えていたが、この形態に限られるものではない。可動刃5bにオイル溜め用の溝部51が形成されていてもよい。また、可動刃5bと固定刃5aの両方に溝部51が形成されていてもよい。
また、上記実施形態のカッター装置では、可動刃5bが上下方向に沿って移動する形態であったが、この形態に限られるものではない。例えば、可動刃5bが水平方向や、水平方向に対して斜め方向などに沿って移動して、用紙(ラベル)を切断する形態であってもよい。
また、上記実施形態に係るカッター装置では、オイル保持体6に保持されたオイル60が溝部51に注油される形態であったが、注油器などにより手動にて溝部51に注油する形態であってもよい。
また、一対の刃は、正面視略V字形の刃体、平刃(帯刃や正面視斜めの刃先を有する斜め刃(水平方向を基準))、のこぎり刃、などの少なくとも一つを有していてもよい。
尚、上記実施形態では、カッター装置の可動刃と固定刃が装置における上下方向に沿って配置され、可動刃が上下方向に移動することで、可動刃と固定刃とのせん断作用により用紙を切断したが、この形態に限られるものではない。例えば、テーブルの上に置かれるラベル発行装置で可動刃と固定刃の刃先の長手方向がテーブルに対して垂直方向になるようラベル発行装置に取り付けられていて、可動刃の移動方向がテーブルの上面と平行する方向、つまり、装置の左右方向に移動することで、可動刃と固定刃とのせん断作用により用紙を切断するよう、本発明に係るカッター装置を採用してもよい。この場合、可動刃と固定刃の少なくとも何れ一方に溝部が形成された構成であり、装置内に設けられたオイルタンク61にスポンジなどのオイル保持体6が浸されており、オイル60が毛細管現象により染み出して、固定刃5aあるいは可動刃5bに設けられた溝部51にオイル60が注油され、溝部51にオイル60が溜り保持されるようになる。
すなわち、前記装置内に設けられたオイルタンク61、オイル保持体6と、可動刃5b、固定刃5aはいずれも同一の装置内の同一面に位置しているので、同一の高さに配置されることになる。この場合でも、オイルタンク61に浸ったスポンジなどのオイル保持体6から毛細管現象により溝部にオイル60が供給されるので、オイル保持体6と溝部との位置に高さ方向の違いが無い場合であっても、前記毛細管現象によりオイル60を溝部に確実に供給することができる。
また、上記実施形態における溝部51の深さは極浅いものであってもよい。つまり、例えば、図5(c)における可動刃5bの移動と共に可動刃5bの側面のうち、固定刃5aと摺動する側の先端部近傍に溝部51に保持されるオイル60が付着されるようなる。
これにより、可動刃5bの固定刃5aと摺動する側の側面先端にオイルが付着するようになるので、該部分に糊等が付着しづらくなる。
また、本発明に係るカッター装置5を電子秤装置などに採用してもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
一方の面に粘着層を備える用紙を、相対的に摺り合わせて移動可能な一対の刃によりせん断作用で切断するカッター装置であって、
前記刃の摺り合せ面に、前記用紙の粘着剤が付着しないようにする付着防止剤を溜める有底の溝部を備えることを特徴とする
カッター装置。
(付記2)
前記付着防止剤は、粘性を有する液状のオイルまたはグリスであることを特徴とする付記1に記載のカッター装置。これにより、溝部にオイルまたはグリスが保持されやすくなる。
(付記3)
前記溝部は、前記刃の移動方向に対して斜め方向に沿って設けられていることを特徴とする付記1または付記2に記載のカッター装置。これにより、刃の摺り合せ面に形成された溝部に溜まったオイルが、刃面に広範囲に亘って触れ、刃に広範囲に塗布される。
(付記4)
前記溝部のエッジが、該溝部を備えた刃の摺り合せ面の縁部よりも内側に位置するように形成されている付記1から付記3のいずれかに記載のカッター装置。これにより、オイルまたはグリスを刃の縁部より外側に溢すことなく、溝部にオイルやグリスを保持させることができる。
(付記5)
前記一対の刃は、固定刃と可動刃とを有し、
前記溝部は前記固定刃に設けられていることを特徴とする付記1から付記4のいずれかに記載のカッター装置。これにより、可動刃に溝部が付されていると、可動刃の移動によりオイルやグリース等が必要以上に溝部から漏れる虞があるが、固定刃に溝部が付いていると、前記のように必要以上に漏れる虞が少なくなる。
(付記6)
前記刃の摺り合せ面に形成された前記溝部にオイルを注油可能なオイル保持体を備えていることを特徴とする付記2から付記5のいずれかに記載のカッター装置。これにより、カッターの移動に伴い染み出すオイルが溝部に保持されるようになる。
(付記7)
前記固定刃に形成された溝部とオイル保持体とが一部分重なるように配置されるとともに、前記溝部の他の部分が前記可動刃の可動範囲内で一部分露出するように構成され、
カッター動作時、前記可動刃がオイル保持体に当接するとともに、前記固定刃の溝部と前記可動刃が近接するように構成されていることを特徴とする付記6に記載のカッター装置。
(付記8)
前記オイル保持体にオイルを補給するオイル補給手段を有することを特徴とする付記6または付記7に記載のカッター装置。
(付記9)
前記一対の刃は、正面視略V字形の刃体、平刃、または、のこ刃を有し、
前記正面視略V字形の刃体、平刃、または、のこ刃の摺り合せ面に前記溝部が形成されていることを特徴とする付記1から付記8のいずれかに記載のカッター装置。
(付記10)
一対の刃のうち、溝部の形成された刃における前記溝部における溝方向に沿った両端部は、他方の刃側の一端部と、他端部とを有し、
溝部の一端部と、該溝部に隣接する溝部の他端部とが、前記刃の相対的運動方向に沿って重なる、または、前記刃の相対的運動方向に直交する方向に沿って僅かに間隔をあけるように構成されていることを特徴とする付記3から付記9の何れかに記載のカッター装置。
(付記11)
前記刃に形成された複数の溝部は、正面視ハの字形状に形成されていることを特徴とする付記1から付記10のいずれかに記載のカッター装置。
(付記12)
印字部(サーマルヘッド)と、表面に剥離剤をコーティングしたプラテンローラとを有し、該サーマルヘッドと該プラテンローラとにより前記用紙としての台紙レスラベル用紙を挟持して前記カッター装置の一対の刃の間に送出し、
前記カッター装置は、前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとにより送出された前記用紙を切断することを特徴とする付記1から付記11のいずれかに記載のカッター装置。
(付記13)
付記1から付記12のいずれかに記載のカッター装置を備えることを特徴とするラベル発行装置。
1 ケース
2 ロール装填部
3 送出手段(用紙送出手段)
3a 用紙送出手段(ローラ)
3b 用紙送出手段(ローラ)
4 印字部
4a プラテンローラ
4b サーマルヘッド
5 カッター装置(切断手段)
5a 固定刃(帯刃)
5b 可動刃
5e 刃先
5f 縁部
5h 取付孔
6 オイル保持体
6a 弾性体
7 ラベル保持部
7a 接触部材
7b 枠体
8 台紙レスラベルロール
8’ ラベル用紙(台紙レスラベル用紙)
9 ラベル送出口
10 固定枠
11 カッター装置
11a 固定刃
11b 可動刃
11c 固定刃
11d 可動刃
12 オイル保持体
51 溝部(有底の溝部)
51a 溝部の端部
51b 溝部の端部
51g エッジ
51p 溝部の底部
52 摺り合せ面
60 オイル
61 オイルタンク(オイル補給手段)
100 台紙レスラベル発行装置(ラベル発行装置)

Claims (4)

  1. 相対的に摺り合わせて移動可能な一対の刃により、一方の面に粘着層を備える用紙を、せん断作用で切断し、前記一対の刃の一方の刃に接して付着防止剤を保持する保持体を有するカッター装置であって、
    前記一方の刃に、前記一方の刃と他方の刃が摺り合う面で、且つ、前記他方の刃が摺動する方向に所定の長さを持つ、前記用紙の粘着剤が付着しないようにする前記付着防止剤を溜める有底の溝部を前記他方の刃が摺動する方向と直角な方向に間隔をおいて複数設け、前記複数の溝部の短手方向又は長手方向の端部は、前記一方の刃と前記他方の刃が摺り合う面に対して傾斜していることを特徴とするカッター装置。
  2. 記複数の有底の溝部は、前記保持体が保持されている領域から該領域の外部まで伸びていることを特徴とする請求項1に記載のカッター装置。
  3. 相対的に摺り合わせて移動可能な一対の刃により、一方の面に粘着層を備える用紙を、せん断作用で切断し、前記一対の刃の一方の刃に接して付着防止剤を保持する保持体を有するカッター装置であって、
    他方の刃に、前記一方の刃と前記他方の刃が摺り合う面で、且つ、前記他方の刃が摺動する方向に所定の長さを持つ、前記用紙の粘着剤が付着しないようにする前記付着防止剤を溜める有底の溝部を前記他方の刃が摺動する方向と直角な方向に間隔を置いて複数設け、前記複数の溝部の短手方向又は長手方向の端部は、前記一方の刃と前記他方の刃が摺り合う面に対して傾斜していることを特徴とするカッター装置
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカッター装置を備えることを特徴とするラベル発行装置。
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