JP2000190280A - プリンタ用刃物のコーティング方法及びプリンタ用シートカッター - Google Patents

プリンタ用刃物のコーティング方法及びプリンタ用シートカッター

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JP2000190280A
JP2000190280A JP36734798A JP36734798A JP2000190280A JP 2000190280 A JP2000190280 A JP 2000190280A JP 36734798 A JP36734798 A JP 36734798A JP 36734798 A JP36734798 A JP 36734798A JP 2000190280 A JP2000190280 A JP 2000190280A
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JP
Japan
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blade
sheet
fixed blade
cutter
cutting
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Yuuichi Ooyane
裕一 大矢根
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OYANE RIKI SEISAKUSHO KK
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OYANE RIKI SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な処理でシートカッターに非粘着性に優
れたコーティング被膜を設ける。 【解決手段】 刃物の所定表面部分をブラスト加工など
により粗面化する工程と、当該部分に熱硬化性ケイ素系
ポリマーを塗布する工程と、当該部分を加熱し前記ポリ
マーを硬化させる工程を含むプリンタ用刃物のコーティ
ング方法である。熱硬化性ケイ素系ポリマーでコーティ
ングすると、そのコーティング被膜の表面にきわめて微
細な粒子が並ぶことできわめて微細な凹凸が形成され、
粘着物との接地面積が大幅に減少し、非粘着効果が著し
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種文書、デザイ
ン、グラフィック、写真などをプリントするプリンタ用
の刃物のコーティング方法、及びプリンタ用のシートカ
ッターに関し、特にラベル紙などの粘着性の強い被切断
物の切断に適用して好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】ラベル紙などの粘着性の強い被切断物を
切断する刃物は、従来、フッ素樹脂系のコーティング又
はセラミックコーティングが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フッ素樹脂系のコーテ
ィングは、簡単に行うことができるのであるが、非粘着
効果が十分でなく、粘着性に富んだ非切断物が刃物に付
着してしまうことがあった。セラミックコーティング
は、非粘着効果は優るものの、プラズマ溶着によりコー
ティング膜を生成するので、コスト高であり、刃物が高
温となり熱で刃物の表面が溶けたり刃物全体に歪みが生
じることがあり、歩留まりが悪かった。本発明は、簡単
な処理で容易に非粘着性に優れたコーティング被膜を設
けることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、刃物の所定表
面部分をブラスト加工などにより粗面化する工程と、当
該部分に熱硬化性ケイ素系ポリマーを塗布する工程と、
当該部分を加熱し前記ポリマーを硬化させる工程を含む
ことを特徴とするプリンタ用刃物のコーティング方法で
ある。
【0005】熱硬化性ケイ素系ポリマーでコーティング
すると、そのコーティング被膜の表面にきわめて微細な
粒子が並ぶことできわめて微細な凹凸が形成され、粘着
物との接地面積が大幅に減少し、非粘着効果が著しくな
る。ポリマーの塗布に先立って、刃物の当該部分をブラ
スト加工などにより粗面化すると、表面の凹凸が更に多
くなり、非粘着効果が更に大きくなる。
【0006】熱硬化性ケイ素系ポリマーとしては、例え
ばプレセラミックポリシラザンポリマーとシリコンオイ
ルとを混合したものを用いることができる。プレセラミ
ックポリシラザンポリマーは、ポリユリア樹脂などの熱
硬化性樹脂、シラザン(silazane=H3Si[N
HSiH2]nNHSiH3)、プレセラミックポリマーの
重合体で、例えば商品名「セラセットSNポリシラザン
ポリマー液」などである。このコーティング被膜の表面
にはプレセラミックポリシラザンの非常に微細な粒子が
並び、粘着物との接地面積を大幅に減らす。これにシリ
コンオイルを混合すると、更に非粘着性が向上する。シ
リコンオイル自体が非粘着性を有するからである。しか
も、シラザンはシリコンオイルを被膜層幅に平均的に分
散させて固定させる作用ガあるので、シリコンが被膜の
表層に集中し、これが蒸発したり剥離したりすることに
よる非粘着効果の劣化が防止され、耐久性に優れたもの
となる。混合割合は、プレセラミックポリシラザン10
0部に対してシリコンオイルを4〜8重量%程度が適当
である。シリコンオイルが4%未満だと、わずかに粘着
性が認められ、8%を越えても非粘着効果に大差が認め
られないためである。
【0007】このコーティング方法は、必ずしも刃物部
材全体に施す必要はなく、少なくとも粘着性の被切断物
と接する部分に施せばよい。対象となる刃物部材は、い
わゆるギロチン式、サークル式、ロータリー式のプリン
タ用シートカッターに適用できる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1のプリンタ用のシートカッタ
ー1は、いわゆるギロチン式で、直線状の刃先を有する
固定刃2と、逆V字状の刃先を有しほぼ直線方向(上下
方向)に移動可能な可動刃3とを有し、固定刃2に対し
て可動刃3をスライドさせ、相互に噛み合った刃先でシ
ート材を切断する公知のものである。固定刃2の前面2
a、上面2b及び背面2cに以下の手順によりコーティ
ング処理を施している。先ず、製造した固定刃2を検査
し傷や打痕がないことを確認する。次に、メチルエチル
ケトンなどの洗浄剤で固定刃を洗浄する。次に固定刃2
の当該部分にアルミナ(#60)でブラスト加工を行
い、表面を粗面化する。次に固定刃に高圧エアを吹き付
けブラストルーズの除去清掃を行う。次にポリユリア樹
脂、シラザン及びプレセラミックポリマーの重合体であ
るプレセラミックポリシラザンポリマー100部にシリ
コンオイルを6重量%を混合した熱硬化性ケイ素系ポリ
マーを固定刃2の当該部分に塗布する。塗布はエアース
プレーガンにて行い、被膜の厚みは10〜15μmとす
る。次に固定刃2をガス炉に入れ240℃で15分間加
熱する。次に自然徐冷を行い、最後に目視検査を行う。
このシートカッターは、固定刃のみコーティング処理を
行ったので、片面のみが粘着面となっているシートを切
断するのに適している。
【0009】上記のコーティング処理を行った固定刃に
ガムテープを接着させ、それを剥がすのに必要な力を計
ったところ、全く力を加えることなく(0g)剥がすこ
とができた。従来のフッ素樹脂(FEP樹脂)でコーテ
ィング加工を行ったものに同様の実験を行ったところ、
ガムテープを剥がすのに340gの力が必要であった。
これにより、本願の発明のコーティング方法の非粘着効
果が実証された。
【0010】図2のプリンタ用のシートカッター10
は、ほぼ直線状の刃先を有する固定刃11と、固定刃に
沿ってその刃先と噛み合いながら移動する丸刃12とを
有し、双方の刃先の間のシート材を切断するする公知の
サークル式のカッターである。丸刃12は、プーリ1
4、14に架け渡されたベルト15に接続されたキャリ
ッジ13に回転自在に軸着されている。固定刃11及び
丸刃12の全体に、上記の固定刃2と同様のコーティン
グ処理が施されている。このシートカッターは、固定刃
と丸刃の双方にコーティング処理が施されているので、
シートの両面が粘着面となっている場合にも適用でき
る。
【0011】図3のプリンタ用のシートカッター20
は、シート材Sの幅方向に相互に噛み合いながら移動す
る2枚の丸刃21、22を有し、双方の丸刃の刃先の間
のシート材Sを切断するする公知のサークル式のカッタ
ーである。丸刃21、22は、プーリ24、24に架け
渡されたベルト25に接続されたキャリッジ23に回転
自在に軸着されている。丸刃21、22の中心部分を除
く周囲部分には前記の固定刃2と同様のコーティング処
理が施されている。丸刃の中心部分はシートに接しない
ので、コーティング処理が施される必要がないからであ
る。双方の丸刃にコーティング処理が施されているの
で、このシートカッターもシートの両面が粘着面となっ
ている場合に適用できる。
【0012】図4、5のプリンタ用のシートカッター3
0は、直線状の刃先を有する固定刃31と、固定刃とほ
ぼ平行に軸着されたやはり直線状の刃先を有する可動刃
32とを有し、可動刃32を回動させることでそのほぼ
軸方向に形成された刃先を固定刃の刃先に噛み合わせ、
双方の刃先の間のシート材Sを切断するする公知のロー
タリー式のカッターである。固定刃31、可動刃32共
にL形に折り曲げられた断面を有する。固定刃の両端は
折り曲げられて支持端部33、34となっており、これ
に可動刃32の折り曲げられた両端が軸着される。図5
に示すように、実際には可動刃の軸芯Oと固定刃の刃先
31aとは若干傾いており、レバー35をモーター又は
手動で動かし、可動刃32を軸芯Oを中心に回転させる
と、可動刃の刃先32aは円Rの軌跡を描き、固定刃と
可動刃とは切り始め端Aから切り終わり端Bまで順次交
差して噛み合い、シート材Sを切断する。固定刃31、
可動刃32共に折り曲げられたL形断面を有するが、そ
の折り曲げられた折曲部を境にして刃先31a、32a
がある方の部分31b、32bには前記の固定刃2と同
様のコーティング処理が施されている。刃先31a、3
2aがない方の部分31c、32cは、シート材と接し
ないためにコーティング処理は施されていない。このシ
ートカッターもシート材の両面が粘着面となっている場
合に適用できる。
【0013】本発明のプリンタ用刃物のコーティング方
法は、従来のフッ素樹脂系のコーティングなどに比べ非
粘着性に優れ、また、セラミックコーティングのように
刃物が高温となり熱で刃物の表面が溶けたり刃物全体に
歪みが生じることがなく、容易に安定した高品質の非粘
着性のコーティング被膜を得ることができる。また、本
発明のプリンタ用シートカッターは、粘着性のシートを
切断してもシートが刃物部材に接着しないから、ジャミ
ングが生じにくく、製造も容易で歩留まりもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ギロチン式のシートカッター1の概略説明図で
ある。
【図2】サークル式のシートカッター10の概略説明図
である。
【図3】サークル式のシートカッター20の概略説明図
である。
【図4】ロータリー式のシートカッター30の概略説明
図である。
【図5】シートカッター30の固定刃と可動刃の関係を
示す説明図である。
【符号の説明】
1 シートカッター 2 固定刃 3 可動刃 10 シートカッター 11 固定刃 12 丸刃 13 キャリッジ 14 プーリ 15 ベルト 20 シートカッター 21 丸刃 22 丸刃 23 キャリッジ 24 プーリ 25 ベルト 30 シートカッター 31 固定刃 32 可動刃 33 支持端部 34 支持端部 35 レバー 

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 刃物部材の所定表面部分をブラスト加工
    などにより粗面化する工程と、当該部分に熱硬化性ケイ
    素系ポリマーを塗布する工程と、当該部分を加熱し前記
    ポリマーを硬化させる工程を含むことを特徴とするプリ
    ンタ用刃物部材のコーティング方法
  2. 【請求項2】 請求項1のコーティング方法において、
    熱硬化性ケイ素系ポリマーがプレセラミックポリシラザ
    ンポリマーにシリコンオイルを混合したものであること
    を特徴とするプリンタ用刃物のコーティング方法
  3. 【請求項3】 2つの刃物部材を相互に噛み合わせて両
    刃先の間でシート材を切断するシートカッターにおい
    て、上記2つの刃物部材の一方又は両方の少なくとも被
    切断シート材が接する部分に熱硬化性ケイ素系ポリマー
    のコーティング被膜を設けたことを特徴とするプリンタ
    用シートカッター
  4. 【請求項4】 請求項3のシートカッターが、固定刃
    と、ほぼ直線方向に移動可能な可動刃とを有し、固定刃
    に対して可動刃をスライドさせ、相互に噛み合った刃先
    でシート材を切断するギロチン式のカッターであること
    を特徴とするプリンタ用シートカッター
  5. 【請求項5】 請求項3のシートカッターが、ほぼ直線
    状の刃先を有する固定刃と、固定刃に沿ってその刃先と
    噛み合いながら移動する丸刃とを有し、双方の刃先の間
    のシート材を切断するするサークル式のカッターである
    ことを特徴とするプリンタ用シートカッター
  6. 【請求項6】 請求項3のシートカッターが、シート材
    の幅方向に相互に噛み合いながら移動する2枚の丸刃を
    有し、双方の丸刃の刃先の間のシート材を切断するする
    サークル式のカッターであることを特徴とするプリンタ
    用シートカッター
  7. 【請求項7】 請求項3のシートカッターが、固定刃
    と、固定刃とほぼ平行に軸着された可動刃とを有し、可
    動刃を回動させることでそのほぼ軸方向に形成された刃
    先を固定刃の刃先に噛み合わせ、双方の刃先の間のシー
    ト材を切断するするロータリー式のカッターであること
    を特徴とするプリンタ用シートカッター
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のいずれかのシートカッタ
    ーにおいて、熱硬化性ケイ素系ポリマーがプレセラミッ
    クポリシラザンポリマーにシリコンオイルを混合したも
    のであることを特徴とするプリンタ用シートカッター
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