JP5468154B1 - 潤滑剤塗布具及び潤滑剤塗布装置 - Google Patents

潤滑剤塗布具及び潤滑剤塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】紙状部材の位置変動に際しても潤滑剤を安定して塗布することが可能な潤滑剤塗布具及び潤滑剤塗布装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る潤滑剤塗布具80及び潤滑剤塗布装置90は、略円柱状の毛細管繊維束30の周面で潤滑剤の塗布を行うとともに、毛細管繊維束30が弾性部材54によって紙状部材10側に付勢され紙状部材10の位置変動に追随して3次元的に動く。このため、紙状部材10の側面11が毛細管繊維束30の塗布面(周面)から脱落することが無い。また、紙状部材10に例えば捻じれのような位置変動が生じても、紙状部材10の側面11と毛細管繊維束30との接触状態(接触角度等)に大きな変化は生じない。これにより、潤滑剤の塗布を常に安定して行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤層を備えた紙状部材の側面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布具及び潤滑剤塗布装置に関するものである。
表面に印刷等が施され裏面に粘着剤層を備えたシールやラベルは、様々な商品や用途に幅広く使用されている。これらシールやラベルに用いる一般的な紙状部材10は、図3中の円で囲った部分拡大図に表すように、表面基材10aと粘着剤層10bとセパレータ10cとで主に構成される。表面基材10aは印刷等が行われる紙や合成樹脂製フィルムであり、裏面に粘着剤層10bが接着されている。また、セパレータ10cは一面側に離型処理が施された紙や合成樹脂製フィルムであり、離型処理面上に表面基材10aが粘着剤層10bにより仮粘着している。そして、印刷物の形成された表面基材10aを粘着剤層10bごとセパレータ10cから剥がし、粘着剤層10bを目的とする物品に粘着することで表面基材10aを物品に粘着する。
これら紙状部材10に対する印刷等の加工処理は、ロール状の紙状部材10(ロール原反)を巻き解きながら帯状のまま搬送し連続的に行うことが多い。このような紙状部材10の加工機器は、紙状部材10を位置決めするガイド部と、紙状部材10を搬送する紙送り手段と、を有している。しかしながら、紙状部材10の側面11には粘着剤層10bが露出しているため、紙状部材10の側面11と接するガイド部等には、粘着剤層10bの粘着剤が付着し紙状部材10の搬送に伴って徐々に堆積する。この粘着剤の堆積は紙状部材10の円滑な搬送の妨げとなる他、紙状部材10に対する印刷等の加工処理にも悪影響を与える。
従来、これら粘着剤の付着を防止する手法としてはシリコンスプレーの噴霧やベビーパウダーの散布が用いられてきた。しかしながら、これらの手法による付着防止効果は不十分なことに加え、作業者の吸引による健康被害や機器側への付着による不具合の発生等、実用上問題点が多い。このため、付着した粘着剤の除去は作業者の清掃により行われることが一般的で、この清掃作業は加工機器の稼働率を低下させる大きな要因となっていた。
この問題点に対し本願発明者は、下記[特許文献1]に記載の潤滑剤供給具及び供給方法に関する発明を行った。この[特許文献1]に記載の発明は、紙状部材10の両側面11に潤滑剤を直接塗布することで、粘着剤のガイド部等への付着を防止する。これにより、ガイド部等の清掃を頻繁に行わなくとも紙状部材10への連続加工が可能となった。
特許第4891447号公報
ただし、潤滑剤供給具に送られる紙状部材10には製造ロットや乾燥状態、湿度、気象条件等でその都度異なるバタつきやズレ等の位置変動が発生する。しかしながら[特許文献1]に記載の潤滑剤供給具は、潤滑剤の塗布を比較的小径の円形フェルトにて行っているため、紙状部材10の位置変動が大きいと紙状部材10の側面11が円形フェルトの塗布面から脱落し潤滑剤が塗布できないという問題点がある。また、潤滑剤の塗布量は紙状部材10の側面11と塗布面との接触面積に左右されるため、[特許文献1]に記載の潤滑剤供給具では位置変動により潤滑剤の塗布量が左右されるという問題点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、紙状部材の位置変動に際しても潤滑剤を安定して塗布することが可能な潤滑剤塗布具及び潤滑剤塗布装置を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)粘着剤層10bと表面基材10aとを備えた紙状部材10の側面11に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布具であって、
細繊維で略円柱状に形成されるとともに毛細管現象により潤滑剤が浸潤し、周面と前記紙状部材10の側面11とが接することで前記側面11に潤滑剤を塗布する毛細管繊維束30と、
前記毛細管繊維束30に潤滑剤を毛細管現象を用いて供給する供給部40と、
前記毛細管繊維束30の周面が露出するように挟持するヘッド部50と、
前記ヘッド部50を3次元的に可動な状態で保持するホルダ部52と、
前記ホルダ部52と前記ヘッド部50との間に設置され、前記毛細管繊維束30の周面を前記紙状部材10の側面11側に付勢する弾性部材54と、を有することを特徴とする潤滑剤塗布具80を提供することにより、上記課題を解決する。
(2)ヘッド部50が複数の毛細管繊維束30を挟持し、前記複数の毛細管繊維束30の周面に紙状部材10の側面11が連続して接するとともに、前記毛細管繊維束30の個数を変化させることで前記紙状部材10への潤滑剤の塗布量を調節することを特徴とする上記(1)記載の潤滑剤塗布具80を提供することにより、上記課題を解決する。
(3)紙状部材10を搬送する紙送り手段(搬送ローラ20)を備えた機器100に設置され、前記紙状部材10の側面11へ潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置であって、
上記(1)又は(2)に記載の潤滑剤塗布具80が前記紙送り手段の上手側に互いに対向するように設置され、前記紙状部材10の両側面11が前記対向した潤滑剤塗布具80の間をそれぞれの毛細管繊維束30の周面に接しながら毛細管繊維束30の軸線と略直交する方向に移動し、さらに前記ヘッド部50が前記紙状部材10の紙送り時の位置変動に応じて3次元的に動くことを特徴とする潤滑剤塗布装置90を提供することにより、上記課題を解決する。
本発明に係る潤滑剤塗布具及び潤滑剤塗布装置は、略円柱状の毛細管繊維束の周面にて潤滑剤の塗布を行う。また、潤滑剤塗布具のヘッド部が紙状部材の位置変動に応じて3次元的に動く。これにより、紙状部材が塗布面から脱落することを防止することができる。また、紙状部材に位置変動が生じても安定した潤滑剤の塗布を行うことができる。さらに、毛細管繊維束の数によって潤滑剤の塗布量を調節することができる。
本発明に係る潤滑剤塗布具を示す図である。 本発明に係る潤滑剤塗布具の側面図及び断面図である。 本発明に係る潤滑剤塗布具及び潤滑剤塗布装置の使用状態を説明する図である。 本発明に係る潤滑剤塗布装置の適用例を示す図である。
本発明に係る潤滑剤塗布具及び潤滑剤塗布装置の実施の形態について図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る潤滑剤塗布具80を示す図である。また、図2(a)は潤滑剤塗布具80の側面図である。また、図2(b)は図2(a)のX−X断面図である。
図1、図2に示す潤滑剤塗布具80は、表面基材10aと粘着剤層10bとを備えた紙状部材10の側面11に潤滑剤を塗布するものであり、毛細管繊維束30と、毛細管繊維束30に潤滑剤を供給する供給部40と、毛細管繊維束30の周面が露出するように挟持するヘッド部50と、ヘッド部50を3次元的に可動な状態で保持するホルダ部52と、ホルダ部52とヘッド部50との間に設置された弾性部材54と、を有している。尚、ここで使用する潤滑剤としては、粘着剤の他部材への付着を防止するとともに摩擦抵抗を軽減する液体状のものを用いる。
毛細管繊維束30は細繊維を略円柱状に成形したものであり、細繊維自体もしくは細繊維同士の間隙が毛細管現象による吸水機能を有している。毛細管繊維束30に用いる材料は合成樹脂繊維、天然繊維等、如何なるものを用いても良い。尚、毛細管繊維束30の周面には紙状部材10の側面11が略直交方向に接しながら移動する。このため、毛細管繊維束30の周面には毛羽等がなるべく立たないよう、細繊維を円柱の概ね軸線方向(長手方向)に揃えるとともに、吸水機能を損なわない程度に樹脂等で固め、ある程度の硬度を持たせることが好ましい。
毛細管繊維束30に潤滑剤を供給する供給部40は、一端がヘッド部50内に設置された浸潤体42と接触し、他端が潤滑剤タンク12内に貯留した潤滑剤中に浸漬される。そして、供給部40は自身の毛細管現象により潤滑剤タンク12内の潤滑剤を吸水し、浸潤体42を介して毛細管繊維束30に供給する。尚、供給部40は毛細管現象による適度な吸水機能を有していれば、紐状、布状、帯状どのような形状であっても良い。また、毛細管繊維束30と同様に合成樹脂繊維、天然繊維等いかなる素材を用いても良い。この供給部40に好適な部材としては、安価で一般的に流通している綿紐が挙げられる。尚、供給部40はチューブ44内を通すなどして、潤滑剤の作業者等への付着や供給部40の汚れ等を防止することが好ましい。
浸潤体42は潤滑剤を供給部40側から毛細管繊維束30側に伝達するものであり、潤滑剤が浸潤するものであればフェルトやスポンジ等、如何なるものを用いても良い。尚、浸潤体42は一本の供給部40から複数の毛細管繊維束30に潤滑剤を伝達する際に特に有効であるが、浸潤体42を介さずに供給部40から直接、毛細管繊維束30に潤滑剤を伝達するようにしても良い。さらに、毛細管繊維束30の一端を潤滑剤に浸漬するようにして、毛細管繊維束30の一部が供給部40を兼ねるようにしても良い。
ヘッド部50は毛細管繊維束30の周面が露出するように挟持して保持するものであり、毛細管繊維束30の両端近傍を保持する略コの字形状もしくは略U字形状のものが好ましい。尚、ヘッド部50は毛細管繊維束30の周面を全周に亘って露出させる必要は無く、少なくとも紙状部材10との接触面側が露出していれば良い。よって、毛細管繊維束30の接触面と逆側の周面をヘッド部50の凹部底面に当接させて毛細管繊維束30を周面側からも保持し、紙状部材10の接触に伴う毛細管繊維束30の湾曲を防止するようにしても良い。さらに、ヘッド部50の凹部底面に毛細管繊維束30の周面と同等寸法の溝を形成し、これに毛細管繊維束30を部分的に嵌入して保持することで毛細管繊維束30の湾曲をさらに防止するようにしても良い。
また、ヘッド部50には毛細管繊維束30を複数並べて設置することが好ましい。この構成によれば、紙状部材10の側面11と毛細管繊維束30とが2点以上で接触するため、ヘッド部50が紙状部材10の側面11と略平行に維持される。これにより、ヘッド部50が紙状部材10の位置変動に追随して的確に動くことができる。
また、本発明に係る潤滑剤塗布具80はヘッド部50に設置する毛細管繊維束30の数を増減することで紙状部材10に塗布する潤滑剤の塗布量を調節する。毛細管繊維束30の増減は、毛細管繊維束30の設置本数が異なるヘッド部50を複数用意し、これを適宜付替えて行っても良いし、例えばヘッド部50を開閉式にして毛細管繊維束30の本数を増減可能としても良い。
ホルダ部52はヘッド部50を3次元的に可動な状態で保持するものであり、例えば略コの字形状を呈している。そして、例えばホルダ部52の両側壁に軸孔58を形成し、この軸孔58にヘッド部50の両側面に形成された保持軸56を挿入することでヘッド部50を保持する。このとき、軸孔58の大きさを保持軸56よりも十分大きく形成するとともに、保持軸56をホルダ部52から脱落しない十分な長さとすることで、ヘッド部50は保持軸56の可動範囲内で縦横斜め方向に自由に可動する。また、保持軸56の可動範囲内で自由に首振り動作する。
また、ホルダ部52とヘッド部50との間には、毛細管繊維束30の周面を紙状部材10の側面11側に付勢する弾性部材54が設置される。この弾性部材54にも特に限定は無く、板バネ、コイルバネ等、周知の弾性部材を用いることができる。そして、弾性部材54がヘッド部50を介して毛細管繊維束30を紙状部材10側に付勢することで、ヘッド部50が紙状部材10の位置変動に追随するように3次元的に動き、毛細管繊維束30の周面と紙状部材10の側面11との接触状態を安定的に維持する。
尚、上記の保持軸56と軸孔58、弾性部材54によるヘッド部50の可動機構は一例であり、特にこれに限定されるものではない。
次に、上記の潤滑剤塗布具80を備えた潤滑剤塗布装置90の構成及び動作を図3、図4を用いて説明する。尚、図4では潤滑剤塗布装置90を印刷機に適用した例を示すが、本願はこれに限定されるものではなく、紙送り手段を備えたあらゆる機器、例えば裁断機やスリッター機、打ち抜き機、オンデマンド印刷機、その他事務用機器等にも適用が可能である。また、本例ではセパレータ10cを備えた紙状部材10に潤滑剤を塗布する例を説明しているが、セパレータ10cを備えていない紙状部材10に対しても本発明は適用が可能である。例えば機器内にて粘着剤を塗布し、表面基材10aに粘着剤層10bを形成する型のシール印刷機では、粘着剤層10bが形成された後の紙状部材10の側面11に潤滑剤を塗布する。また、粘着テープ等の製造機器では、テープ(表面基材10aに相当する)に粘着剤層10bを形成した後に潤滑剤を塗布する。また、印刷物やその他の物品に粘着剤層10bを備えた保護フィルム(セパレータ10c無し)等を貼付する機器では、ロール状の保護フィルム(紙状部材10)を巻き伸ばした後に潤滑剤を塗布する。
図3、図4に示す本発明に係る潤滑剤塗布装置90は、紙状部材10を搬送する例えば搬送ローラ20等の紙送り手段を備えた機器100に設置するものであり、図3に示すように、潤滑剤塗布具80が機器100の紙送り手段の上手側に互いに対向するように配置される。このときの潤滑剤塗布具80の設置方向は、毛細管繊維束30の円柱の軸線が紙状部材10の送り方向と略直交する方向とする。尚、図3、図4では潤滑剤塗布具80を左右に一つずつ設置している例を示しているが、潤滑剤塗布具80の設置個数は特にこれに限定されるわけでは無く、潤滑剤の塗布量に応じていくつ設置しても構わない。また、潤滑剤塗布具80の設置個数によって、潤滑剤の塗布量を調節するようにしても良い。
潤滑剤塗布具80の機器100への設置箇所は紙送り手段の上手側であれば特に限定はない。ただし、異なる幅の紙状部材10に対応可能な機器100に潤滑剤塗布装置90を設置する場合には、紙状部材10の幅に応じて潤滑剤塗布具80間の距離を調整可能とする必要がある。潤滑剤塗布具80の位置調整機構の例としては、紙状部材10の幅方向にシャフトを設置し、このシャフトにホルダ部52を嵌入することで、潤滑剤塗布具80をシャフトに沿って移動可能とする構成が挙げられる。尚、紙状部材10の上手側の位置決めガイド部22に潤滑剤塗布具80を設置すれば、ガイド部22の位置調整時に潤滑剤塗布具80の位置調整も同時に行われるため特に好適といえる。
潤滑剤塗布具80が機器100に設置されると、供給部40が潤滑剤タンク12内に貯留している潤滑剤を毛細管現象によって吸水し、毛細管繊維束30に供給する。これにより、毛細管繊維束30には潤滑剤が浸潤する。
また、機器100にはロール原反13が回転可能に設置される。そして、ロール原反13の一端は巻解かれガイド部22で位置規制された上で、機器100内に帯状のまま連通される。尚、機器100にはガイド部22以外にも図示しないガイドが設置され、紙状部材10が機器100内で位置ズレすることはない。
機器100が起動すると、紙送り手段である搬送ローラ20が回転する。搬送ローラ20が回転すると、その分、ロール原反13が回転して紙状部材10が巻き伸ばされる。巻き伸ばされた紙状部材10は潤滑剤塗布具80の間を通過する。この際、紙状部材10の両側面11は潤滑剤が浸潤している毛細管繊維束30の周面に接しながら、毛細管繊維束30の軸線と略直交する方向に移動する。尚、毛細管繊維束30が複数設置されている場合、紙状部材10の側面11は複数の毛細管繊維束30に連続して接しながら移動する。これにより、紙状部材10の側面11には適量の潤滑剤が塗布される。
紙状部材10に潤滑剤が塗布されると、供給部40はその分だけ毛細管繊維束30に潤滑剤を補充する。尚、潤滑剤の補充は供給部40の毛細管現象により行われるため、塗布による潤滑剤の減量分のみが補充され、毛細管繊維束30に過剰供給されることはない。このため、例えば機器100が停止した状態では毛細管繊維束30への潤滑剤の補充は行われない。よって、潤滑剤の過剰供給による液垂れ等は発生しない。
潤滑剤塗布装置90により潤滑剤が塗布された紙状部材10は、ガイド部22で位置決めされた後、印刷装置などの各種加工装置側に搬送される。このとき、ガイド部22と紙状部材10の側面11とは接するが、側面11には潤滑剤が塗布されているため紙状部材10の粘着剤がガイド部22側に付着することはない。また、図示しないその他のガイド等にも紙状部材10の粘着剤が付着することはない。
次に、紙状部材10は加工装置としての例えば第1の印刷装置2aに送られ、紙状部材10の表面基材10aに対し第1の色による印刷が行われる。尚、一般的に表面基材10aの縁部に印刷は行わない。このため、紙状部材10の側面11に塗布された潤滑剤が、表面基材10aの印刷物に対し悪影響を及ぼすことはない。第1の色による印刷が行われた紙状部材10は第1の乾燥装置4aに送られ、印刷物の乾燥が行われる。尚、印刷装置2a、2b、2cが紫外線硬化インクを使用する場合、乾燥装置4a、4b、4cはUV照射乾燥装置となる。乾燥装置4aによる印刷物の乾燥が終了すると、紙状部材10は第2の印刷装置2bに送られ表面基材10aに第2の色による印刷が行われる。次に、紙状部材10は第2の乾燥装置4bに送られ、第2の色による印刷物の乾燥が行われる。次に、紙状部材10は第3の印刷装置2cに送られ表面基材10aに第3の色による印刷が行われる。次に、紙状部材10は第3の乾燥装置4cに送られ、第3の色による印刷物の乾燥が行われる。これにより、紙状部材10の表面基材10aには多色刷りされたカラーの印刷物が形成される。尚、機器100による紙状部材10の加工処理は必要に応じて前進、後退を繰り返しながら行う。
印刷物が形成された紙状部材10は、次に加工機器としての例えば外形切込装置6に送られる。外形切込装置6は、紙状部材10に施された印刷物の周囲の表面基材10a及び粘着剤層10bに予め設定された形状の切込みを入れる。この際、セパレータ10cは切断しない。切込みの入れられた紙状部材10は、次に剥離部7に送られシール外周の不要な表面基材10a及び粘着剤層10bが剥離除去される。剥離した不要な表面基材10a及び粘着剤層10bは回収ローラ24で巻き取られ廃棄される。これにより、セパレータ10c上には印刷物が所定の形状に切り抜かれたシールのみが残留する。次に、紙状部材10は裁断機8に送られ所定の長さに切断される。これにより、シールが完成する。
尚、ガイド部22により規制される前の紙状部材10には、バタつきやズレ等の位置変動が生じる。しかしながら、本発明に係る潤滑剤塗布具80及び潤滑剤塗布装置90は、略円柱状の毛細管繊維束30の周面で潤滑剤の塗布を行うとともに、毛細管繊維束30が弾性部材54によって紙状部材10側に付勢され紙状部材10の位置変動に追随して3次元的に動く。このため、紙状部材10の側面11が毛細管繊維束30の塗布面(周面)から脱落することが無い。また、紙状部材10に例えば捻じれのような位置変動が生じても、紙状部材10の側面11と毛細管繊維束30との接触状態(接触角度等)に大きな変化は生じない。これにより、潤滑剤の塗布を常に安定して行うことができる。
さらに、本発明に係る潤滑剤塗布具80及び潤滑剤塗布装置90は、毛細管繊維束30の周面に紙状部材10の側面11がほぼ点接触の状態で接触する。このため、紙状部材10に位置変動が生じても紙状部材10と毛細管繊維束30との接触面積に大きな変動が生じない。これにより、常に安定した塗布量で潤滑剤の塗布を行うことができる。また、毛細管繊維束30の設置個数を変えることで潤滑剤の塗布量を容易に調節することができる。
尚、本例で示した潤滑剤塗布具80及び潤滑剤塗布装置90の構成は一例であり、各部材の形状、寸法、ヘッド部50の保持機構等は上記のものに限定されるものではない。さらに、本発明は本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更して実施することが可能である。
10 紙状部材
10a 表面基材
10b 粘着剤層
10c セパレータ
11 (紙状部材の)側面
30 毛細管繊維束
40 供給部
50 ヘッド部
52 ホルダ部
54 弾性部材
80 潤滑剤塗布具
90 潤滑剤塗布装置

Claims (3)

  1. 粘着剤層と表面基材とを備えた紙状部材の側面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布具であって、
    細繊維で略円柱状に形成されるとともに毛細管現象により潤滑剤が浸潤し、周面と前記紙状部材の側面とが接することで前記側面に潤滑剤を塗布する毛細管繊維束と、
    前記毛細管繊維束に潤滑剤を毛細管現象を用いて供給する供給部と、
    前記毛細管繊維束の周面が露出するように挟持するヘッド部と、
    前記ヘッド部を3次元的に可動な状態で保持するホルダ部と、
    前記ホルダ部と前記ヘッド部との間に設置され、前記毛細管繊維束の周面を前記紙状部材の側面側に付勢する弾性部材と、
    を有することを特徴とする潤滑剤塗布具。
  2. ヘッド部が複数の毛細管繊維束を挟持し、
    前記複数の毛細管繊維束の周面に紙状部材の側面が連続して接するとともに、
    前記毛細管繊維束の個数を変化させることで前記紙状部材への潤滑剤の塗布量を調節することを特徴とする請求項1記載の潤滑剤塗布具。
  3. 紙状部材を搬送する紙送り手段を備えた機器に設置され、前記紙状部材の側面へ潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置であって、
    請求項1又は請求項2に記載の潤滑剤塗布具が前記紙送り手段の上手側に互いに対向するように設置され、前記紙状部材の両側面が前記対向した潤滑剤塗布具の間をそれぞれの毛細管繊維束の周面に接しながら毛細管繊維束の軸線と略直交する方向に移動し、さらに前記ヘッド部が前記紙状部材の紙送り時の位置変動に応じて3次元的に動くことを特徴とする潤滑剤塗布装置。
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