JP6417238B2 - 非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法 - Google Patents

非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法 Download PDF

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Description

本発明は非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法にかかるもので、とくに台紙なしラベルや台紙付きラベルその他の帯状部材やシート部材などの粘着紙を移送するプリンターその他の機器における移送路に沿って、とくに台紙なしラベルなどを移送する際にその粘着剤層ないし粘着剤が貼り付きにくく、台紙なしラベルその他粘着紙の移送を安定化することが可能な非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法に関するものである。
従来から、ラベルの粘着剤層の裏面側に仮着する剥離紙(いわゆる台紙)を用いない台紙なしラベルが開発され、使用後には破棄されることになる台紙がないことから省資源材料として期待されている。
図7は、従来からの台紙なしラベル1をロール状に巻いた状態の斜視図であって、台紙なしラベル1は、図7中で、その一部を拡大断面で示すように、ラベル基材2と、裏面側の粘着剤層3と、表面側の感熱発色剤層4およびその上層側の透明な剥離剤層5と、を有する。
なお、ラベル基材2の裏面側に位置検出用マーク6をあらかじめ印刷してある。
また、ラベル基材2の表面側に必要に応じて、ラベル使用者のマークや名称その他のデザインなどの固定情報(図示せず)をあらかじめ印刷しておくこともできる。
この台紙なしラベル1は、切断予定線7において所定ピッチで切断することにより単葉のラベル片1Aとすることができる。
図8は、この台紙なしラベル1を装填し、商品についての価格やバーコードその他の商品情報や、物品あるいはサービスに関する管理情報などの可変情報を必要に応じて印字するためのサーマルプリンター8の概略側面図であって、サーマルプリンター8は、台紙なしラベル1の供給部9と、案内部10と、検出部11と、印字部12と、切断部13と、を有する。
供給部9は、ロール状の台紙なしラベル1を保持し、案内部10、検出部11、印字部12および切断部13方向に台紙なしラベル1を帯状に繰り出し可能とする。
案内部10は、ガイドローラー14を有し、繰り出された台紙なしラベル1を検出部11および印字部12方向に案内可能とする。
検出部11は、位置検出センサー15を有し、台紙なしラベル1の裏面側の位置検出用マーク6を検出して、印字部12に対する台紙なしラベル1(ラベル片1A)の相対的位置を検出可能とする。
印字部12は、サーマルヘッド16と、周面が非粘着性のプラテンローラー17と、を有し、この間に所定印字圧力で台紙なしラベル1を挟持し、一定速度でプラテンローラー17を回転駆動するとともに、サーマルヘッド16への印字データの供給により感熱発色剤層4を発色させ、台紙なしラベル1(ラベル片1A)に所定の可変情報を印字可能である。
切断部13は、必要に応じてこれを設けるもので、固定刃18および可動刃19を有し、この間に移送されてきた印字済みの台紙なしラベル1を所定ピッチによる切断予定線7の部分で切断して、ラベル片1Aを発行排出する。
このようなサーマルプリンター8における供給部9から切断部13までの台紙なしラベル1の移送路20に沿って、台紙なしラベル1の裏面および側面にはその粘着剤層3が露出していることになる。
したがって、たとえば図8中仮想線で示すように、供給部9においてロール状に巻かれた台紙なしラベル1の側面を押さえる左右一対(図中表裏面側)のラベル押さえ21を設けるとともに、このラベル押さえ21の表面(台紙なしラベル1のロール側面側)に付着防止用シート22(非粘着シート)を取り付けておくことにより、台紙なしラベル1が移送路20に安定して繰り出されるようにしている。
さらに、移送路20における、たとえば検出部11と印字部12との間の台紙なしラベル1の両側面側あるいは裏面側、および印字部12におけるプラテンローラー17の上流側および下流側における台紙なしラベル1の裏面側など、台紙なしラベル1の粘着剤層3が移送路20中で各種の部材ないし部分に接触して付着し、台紙なしラベル1の移送を妨げるおそれのある部位に上記付着防止用シート22を配置することが行われている。
この付着防止用シート22は、紙材にシリコーンオイルを含浸させた一般的な台紙(剥離紙)、あるいはベース基材にシリコーンフィルムなどを積層したシート材などがある。
しかしながら、いずれの素材による付着防止用シート22も、その使用にあたって台紙なしラベル1との間の、常時ではなくても度重なる接触、滑動あるいは摺動により次第に摩耗し、比較的短期間にその剥離性ないし非粘着性を低下させてしまって、いわゆる糊溜まりを生じて移送の抵抗になるなど、耐久性ないし耐摩耗性に問題がある。
したがって、供給部9から台紙なしラベル1が正常に繰り出されなかったり、移送路20の途中において周辺の部分に付着してその移送を妨げるという問題がある。とくに、粘着剤層3の粘着剤が強粘着性の場合には、その傾向が顕著である。
さらに、サーマルプリンター8において印字発行を停止しているような場合には、台紙なしラベル1が移送路20内のいずれかの部位に付着したままの状態であると、その剥離が困難となるという問題がある。
このような諸問題は、台紙なしラベル1を移送印字する機器としてのサーマルプリンター8が卓上型か、あるいは携帯型かによらず、さらには、携帯式ラベル印字貼付け機や、あらかじめ印刷済みの粘着紙を装填、移送して繰り出し、任意の物品に貼り付けるための任意の機器(たとえば、貼付け器や剥離器(図示せず))などにも発生するものである。
したがって、一般的には、移送路20における各種部分の外周表面を清掃する作業、あるいは部品の交換作業などのメンテナンスを繰り返す必要が生じ、台紙なしラベル1その他各種の粘着紙について長期間にわたって安定した移送あるいは印字を可能とすることが要請されている。
すなわち、上述の台紙なしラベル1と同様に、台紙付きラベル、さらには、裏面側に粘着剤層あるいは接着剤層を有する紙やフィルムベースの帯状部材や単葉のシート部材など各種の粘着紙を移送あるいは案内する際にも、上述のような諸問題が発生することが懸念され、非粘着性あるいは剥離性とともに耐久性ないし耐摩耗性に優れた付着防止用シート(非粘着シート)および機器が要請されている。
特開2012−106178号公報
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、台紙なしラベルその他の粘着紙を安定して移送させることができるようにした非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法を提供することを課題とする。
また本発明は、プリンターや貼付け器その他の機器に装填される粘着紙が周辺部品あるいは部位などへの付着あるいは貼付きという不具合を解消可能とした非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法を提供することを課題とする。
また本発明は、プリンターや貼付け器その他の機器の内部に粘着紙が位置しているときの非付着性および耐久性を備えた非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、硬度を規定したシリコーン樹脂により凹凸部を形成して非粘着シートの外表面を被覆すること、すなわち、硬度(SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度、以下「C硬度」)を低くしたシリコーン樹脂による被覆層を設けることに着目したもので、第一の発明は、ベースフィルムと、このベースフィルムの上面側に形成するとともに、その表面にシリコーンゴム凹凸部を形成しているシリコーンゴム層と、このシリコーンゴム層の上面側に形成する被覆層と、を有するとともに、上記シリコーンゴム層は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度とし、上記被覆層は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂からこれを構成していることを特徴とする非粘着シートである。
第二の発明は、粘着紙を移送可能な機器であって、ベースフィルムと、このベースフィルムの上面側に形成するとともに、その表面にシリコーンゴム凹凸部を形成しているシリコーンゴム層と、このシリコーンゴム層の上面側に形成する被覆層と、を有するとともに、上記シリコーンゴム層は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度とし、上記被覆層は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂からこれを構成している非粘着シートを、その内部に配置していることを特徴とする非粘着シートを備えたプリンターその他の機器である。
第三の発明は、粘着紙を移送可能なプリンターその他の機器における非粘着シートの使用方法であって、ベースフィルムと、このベースフィルムの上面側に形成するとともに、その表面にシリコーンゴム凹凸部を形成しているシリコーンゴム層と、このシリコーンゴム層の上面側に形成する被覆層と、を有するとともに、上記シリコーンゴム層は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度とし、上記被覆層は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂からこれを構成している非粘着シートを、上記機器の内部に配置することを特徴とする非粘着シートの使用方法である。
上記シリコーンゴム層は、その厚さを250〜500μmとすることが望ましい。
上記被覆層は、その厚さを10〜150μmとすることが望ましい。
上記被覆層は、その表面に被覆凹凸部を有し、この被覆凹凸部は、最大深さが500μm未満の不規則な深さを有することが望ましい。
上記粘着紙の移送路に沿って上記粘着紙に対向して上記非粘着シートを配置することができる。
当該機器の内面に上記非粘着シートを配置することができる。
上記非粘着シートを上記粘着紙に対向するように配置することができる。
上記非粘着シートを上記粘着紙の左右側面に対向するように配置することができる。
本発明による非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法においては、シリコーンゴム層の上面側に形成して粘着紙に接触する可能性がある被覆層を、そのC硬度が30度以下のシリコーン樹脂から構成したので、シリコーン樹脂が粘着剤層に対して有する非粘着性ないし剥離性と、低い硬度(C硬度が30度以下)のゲル化した樹脂による粘着紙に対する必要な耐摩耗性と、を併せ持つことが可能となり、台紙なしラベルその他の粘着紙を安定して移送案内することができる。
とくに第一の発明の非粘着シートによれば、その表面にシリコーンゴム凹凸部を形成しているシリコーンゴム層と、シリコーンゴム層の上面側の被覆層と、を有するとともに、シリコーンゴム層は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度とし、被覆層は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂からこれを構成しているので、被覆層のシリコーン樹脂による剥離性(非付着性)およびC硬度が30度以下のゲルによる耐摩耗性を兼備するとともに、粘着紙が接触移送されてゆく被覆層の可撓性による接触抵抗の低減により、台紙なしラベルを付着させることなく、また、その他の粘着紙についても長期間にわたってその移送を安定化可能である。
とくに第二の発明の非粘着シートを備えた機器によれば、ゴム硬度を規定した上述の非粘着シートをプリンターその他の機器の内部に配置しているので、粘着紙として台紙付きラベルあるいは台紙なしラベルやその他の帯状部材やシート材にかかわらず、さらには、プリンターとしての機器における印字方式がサーマル紙を用いる感熱発色方式か、あるいは熱転写インクリボンを用いる熱転写方式か、さらには押印方式かなどにかかわらず、粘着紙が機器の内部の部品ないしは部位や壁面などに付着することを防止し、粘着紙を長期間にわたって安定的に装填使用することができる。
とくに第三の発明の非粘着シートの使用方法によれば、ゴム硬度を規定した上述の非粘着シートを、プリンターその他の機器の内部に配置するので、台紙なしラベルその他の粘着紙がその移送路、およびその周辺ないし付近の部品や壁面などに付着することを防止し、粘着紙を長期間にわたって安定的に移送案内することができる。
本発明の実施例による非粘着シート30の斜視図である。 同、非粘着シート30の拡大断面図である。 同、非粘着シート30の製造工程を説明するための概略側面図である。 同、サーマルプリンター40の印字部12における非粘着シート30の配置形態を示す概略拡大側面図である。 同、サーマルプリンター40の移送路20における非粘着シート30の配置形態を示す概略平面図である。 同、サーマルプリンター50の内部における非粘着シート30の配置形態を示す概略側面図である。 従来からの台紙なしラベル1をロール状に巻いた状態の斜視図である。 同、台紙なしラベル1を装填し、商品についての価格やバーコードその他の商品情報や、物品あるいはサービスに関する管理情報などの可変情報を必要に応じて印字するためのサーマルプリンター8の概略側面図である。
本発明は、シリコーンゴム凹凸部を形成しているシリコーンゴム層と、シリコーンゴム層の上面側の被覆層と、を有するとともに、シリコーンゴム層は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度とし、被覆層は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂から構成したので、台紙なしラベル、台紙付きラベルその他の粘着紙に対する非付着性および耐摩耗性を兼ね備えた非粘着シート、非粘着シートを備えた機器および非粘着シートの使用方法を実現した。
つぎに本発明の実施例による非粘着シート30、および非粘着シート30を備えたプリンター40(機器)、さらには非粘着シート30の使用方法を図1ないし図6にもとづき説明する。ただし、図7および図8と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、非粘着シート30の斜視図、図2は、非粘着シート30の拡大断面図であり、非粘着シート30は、ベースフィルム31と、このベースフィルム31の上面側に形成するシリコーンゴム層32と、このシリコーンゴム層32の上面側に形成する被覆層33と、ベースフィルム31の裏面側に形成した粘着剤層34と、を有する。
ベースフィルム31は、たとえばPETフィルムなどからこれを構成し、その厚さをたとえば50〜100μmとしている。
シリコーンゴム層32は、その表面に不規則な深さのシリコーンゴム凹凸部35を形成しているとともに、その厚さを250〜500μmとしている。
シリコーンゴム層32としては、熱硬化性のシリコーンゴム、一液型RTV(Room Temperature Vulcanizing)ゴム、二液型RTVゴム、LTV(Low Temperature Vulcanizable)シリコーンゴム、耐油性熱硬化性ゴムなどの熱硬化性弾性材料を用いることができる。
シリコーンゴム層32は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度としている。
A硬度が40度未満では、台紙なしラベル1などの粘着紙を移送案内する非粘着シート30としては柔らかすぎ、すなわち、接触摩擦力が過剰となって、移送路20における台紙なしラベル1の移送機能に支障が生ずる。
A硬度が80をこえると、非粘着シート30として硬くなりすぎ、接触抵抗が増加する。
被覆層33は、その表面に上記シリコーンゴム凹凸部35の形状をなぞった、ほぼ同等の不規則な深さの被覆凹凸部36を形成しているとともに、台紙なしラベル1の粘着剤層3に対向して接触ないし摺動が可能である。
この被覆層33は、この被覆凹凸部36によりその表面が可撓性を有し、台紙なしラベル1(粘着紙)の被覆層33に対する接触抵抗を低減可能としている。
被覆層33は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂からこれを構成している。
C硬度が30度以下であれば、シリコーン樹脂はゲル状で適度に柔らかく、台紙なしラベル1はもちろん、台紙付きラベルその他の粘着紙に対して必要な耐摩耗性を有する。
したがって、非粘着シート30は、台紙なしラベル1や台紙付きラベルその他の粘着紙のいずれに対しても必要な剥離性および耐摩耗性を有し、安定した移送案内機能を発揮可能である。
C硬度が30度をこえると、被覆層33の弾性がゴム材のそれに近づくため、その表面の粘着性が急激に上がってしまい、摩耗しやすくなる。
シリコーン樹脂としては、たとえば、シリコーンゲルと呼ばれるシリコーン樹脂や、RTV(Room Temperature Vulcanizing)液状シリコーンゴム、LTV(Low Temperature Vulcanizable)液状シリコーンゴム、紫外線硬化型の液状シリコーンゴム、熱硬化性の液状シリコーンゴムなどを用いることができる。
シリコーン樹脂は、本来的に非粘着性ないし剥離性を有しており、台紙なしラベル1などを押圧して摺動するように移送しても台紙なしラベル1における粘着剤層3が貼り付いてしまうことを回避可能である。
熱硬化性のシリコーン樹脂は、熱硬化条件の調整および加工処理が比較的容易で、C硬度の設定も容易である。
被覆層33は、その厚さを10〜150μmとしている。
厚さが10μm未満では、被覆層33に厚さのムラが生じて、安定した剥離性および耐摩耗性を得ることが困難になる。
厚さが150μmをこえると、非粘着シート30の被膜として脆くなり、裂けやすくなる。
さらに被覆層33の被覆凹凸部36は、最大深さが500μm未満の不規則な深さを有している。この不規則な深さを有する被覆凹凸部36がその表面に分布していることにより、非粘着シート30は必要な可撓性を有し、これに接触、滑動ないし摺動してゆく台紙なしラベル1その他の粘着紙との間の接触抵抗を低減可能である。
図3は、非粘着シート30の製造工程を説明するための概略側面図であって、鉄製の下型37にベースフィルム31およびシリコーンゴム層32の素材を載置し、鉄製の上型38を所定圧力で押圧し、加熱処理する。
ただし、上型38の下面には、不規則な型凹凸部39を形成してあり、この型凹凸部39の形状がシリコーンゴム層32の素材上に転写され、シリコーンゴム層32の表面に、たとえば、深さ50〜500μmでシリコーンゴム凹凸部35が形成される。
深さが50μm未満では、非粘着シート30としての安定した可撓性および剥離性を得ることが困難になる。
型凹凸部39の形成手法としては、任意のものを採用可能であるが、たとえば、上型38の下型37側の表面に、任意の素材による砥粒を塗布して焼き付ける手法がある。
砥粒の大きさとしては、50〜250μmのものを採用可能である。
上述のようにしてシリコーンゴム層32上にシリコーンゴム凹凸部35を形成したのち、被覆層33の材料となるシリコーン樹脂を噴射して被覆し、加熱処理によりゲル化させて、被覆層33上に被覆凹凸部36を形成する。
こうした構成の非粘着シート30は、たとえばサーマルプリンター8(図8を参照)と同様の構成を有するサーマルプリンター40(機器)内の移送路20に沿って移送される台紙なしラベル1(粘着紙)を安定して案内することができる。
たとえば、移送路20における台紙なしラベル1(粘着剤層3)の下面に対向するように配置可能である。
この一例として示す図4は、サーマルプリンター40の印字部12における非粘着シート30の配置形態を示す概略拡大側面図であって、プラテンローラー17の上流側取付け部41および下流側の下流側取付け部42にそれぞれ非粘着シート30を貼り付け、ないし任意の手段で取り付ける。
さらに、プラテンローラー17、上流側取付け部41および下流側取付け部42の下方部におけるサーマルプリンター40の内部における内底面43にも非粘着シート30を取り付けておくことができる。もちろん、サーマルプリンター40のその他の内部、たとえば内壁側面その他任意の部位(ともに図示せず)にも非粘着シート30を取り付けておくことができる。
こうした構成のサーマルプリンター40において、非粘着シート30は台紙なしラベル1(印字用紙)の移送路20に沿って台紙なしラベル1(粘着剤層3)の下面に対向可能に配置されており、台紙なしラベル1が非粘着シート30に接触案内されることがあっても、これに付着してしまうことを防止可能であるとともに、被覆層33の耐摩耗性により長期間にわたって台紙なしラベル1の移送を安定化可能である。
また、サーマルプリンター40の内面たとえば内底面43(および内壁側面その他任意の部位)にも非粘着シート30を取り付けておくことによって、サーマルプリンター40への台紙なしラベル1の装填時あるいは保守点検時などにおいて台紙なしラベル1がサーマルプリンター40内で必要以上にたるんだ場合、あるいはねじれたり蛇行したりした場合であっても、その内底面43(および内壁側面その他任意の部位)への台紙なしラベル1の不測の貼付きないし付着を防止することができる。
本発明による非粘着シート30は、サーマルプリンター40の移送路20における粘着紙(台紙なしラベル1)の幅方向左右側面に対向するように配置可能である。
この一例として示す図5は、サーマルプリンター40の移送路20における非粘着シート30の配置形態を示す概略平面図であって、印字部12の上流側に位置して台紙なしラベル1の左右側面の左側取付け部44および右側取付け部45に非粘着シート30を貼り付け、ないし任意の手段で取り付けている。
こうした構成のサーマルプリンター40においても、非粘着シート30が台紙なしラベル1(印字用紙)の両側面に規制されて、台紙なしラベル1が移送案内されてゆくが、既述のように、非粘着シート30の非付着性および耐摩耗性により台紙なしラベル1が非粘着シート30に接触してもこれに付着することなく、かつ長期間にわたって、台紙なしラベル1の移送安定化を保証可能である。
なお、本発明においては、プリンターその他の機器の内部の任意の部位ないし領域に非粘着シート30を配置することができる。
この一例として示す図6は、サーマルプリンター50(機器)の内部における非粘着シート30の配置形態を示す概略側面図であって、サーマルプリンター50においては、その供給部9、案内部10、検出部11および印字部12にかけてその左右内壁側面部51の全領域に非粘着シート30を取り付けるとともに、その内底面52にも非粘着シート30を取り付けている。
こうした構成のサーマルプリンター50においても、サーマルプリンター50への台紙なしラベル1の装填時あるいは保守点検時などに、サーマルプリンター50の内面(左右内壁側面部51、内底面52)に台紙なしラベル1が不用意に付着してしまうことを防止可能である。もちろん、台紙なしラベル1が内面に万が一付着したとしても、これを容易にはがすことができる。
また、サーマルプリンター50が携帯型である場合には、任意の態勢でこれを使用しても、その内部および内面の必要部位および領域に非粘着シート30を配置しておくことにより、台紙なしラベル1その他の粘着紙の付着を防止可能である。
なお、さらに、本発明の非粘着シートは、梱包ないし包装用の接着剤層付き帯状部材やシート部材、あるいは一般的な台紙付きのラベルを取り扱う各種の機器の内部に配置することもでき、いずれの場合にも既述の台紙なしラベル1の場合と同様に、安定した移送を長期間にわたって保証することができる。
台紙付きのラベルについては、とくにその側面部に粘着剤層が露出する構成がある場合に有効である。
1 台紙なしラベル(粘着紙、印字用紙)
1A 単葉のラベル片
2 ラベル基材
3 粘着剤層
4 感熱発色剤層
5 剥離剤層
6 位置検出用マーク
7 切断予定線
8 サーマルプリンター(機器、図8)
9 供給部
10 案内部
11 検出部
12 印字部
13 切断部
14 ガイドローラー
15 位置検出センサー
16 サーマルヘッド
17 プラテンローラー
18 固定刃
19 可動刃
20 移送路
21 供給部9における左右一対のラベル押さえ
22 付着防止用シート
30 非粘着シート(実施例、図1、図2)
31 ベースフィルム
32 シリコーンゴム層
33 被覆層
34 粘着剤層
35 シリコーンゴム層32に形成したシリコーンゴム凹凸部
36 被覆層33に形成した被覆凹凸部
37 鉄製の下型(図3)
38 鉄製の上型
39 上型38に形成した型凹凸部
40 サーマルプリンター(機器、図4、図5)
41 上流側取付け部
42 下流側取付け部
43 サーマルプリンター40の内底面(内部)
44 左側取付け部
45 右側取付け部
50 サーマルプリンター(機器、図6)
51 サーマルプリンター50の左右内壁側面部
52 サーマルプリンター50の内底面

Claims (10)

  1. ベースフィルムと、
    このベースフィルムの上面側に形成するとともに、その表面にシリコーンゴム凹凸部を形成しているシリコーンゴム層と、
    このシリコーンゴム層の上面側に形成する被覆層と、を有するとともに、
    前記シリコーンゴム層は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度とし、
    前記被覆層は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂からこれを構成していることを特徴とする非粘着シート。
  2. 前記シリコーンゴム層は、その厚さを250〜500μmとしていることを特徴とする請求項1記載の非粘着シート。
  3. 前記被覆層は、その厚さを10〜150μmとしていることを特徴とする請求項1または2記載の非粘着シート。
  4. 前記被覆層は、その表面に被覆凹凸部を有し、この被覆凹凸部は、最大深さが500μm未満の不規則な深さを有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の非粘着シート。
  5. 粘着紙を移送可能な機器であって、
    ベースフィルムと、
    このベースフィルムの上面側に形成するとともに、その表面にシリコーンゴム凹凸部を形成しているシリコーンゴム層と、
    このシリコーンゴム層の上面側に形成する被覆層と、を有するとともに、
    前記シリコーンゴム層は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度とし、
    前記被覆層は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂からこれを構成している非粘着シートを、その内部に配置していることを特徴とする非粘着シートを備えた機器。
  6. 前記粘着紙の移送路に沿って前記粘着紙に対向して前記非粘着シートを配置したことを特徴とする請求項5記載の非粘着シートを備えた機器。
  7. 当該機器の内面に前記非粘着シートを配置したことを特徴とする請求項5記載の非粘着シートを備えた機器。
  8. 前記非粘着シートを前記粘着紙に対向するように配置したことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の非粘着シートを備えた機器。
  9. 前記非粘着シートを前記粘着紙の左右側面に対向するように配置したことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の非粘着シートを備えた機器。
  10. 粘着紙を移送可能な機器における非粘着シートの使用方法であって、
    ベースフィルムと、
    このベースフィルムの上面側に形成するとともに、その表面にシリコーンゴム凹凸部を形成しているシリコーンゴム層と、
    このシリコーンゴム層の上面側に形成する被覆層と、を有するとともに、
    前記シリコーンゴム層は、JIS K6253規格に規定するデュロメータータイプAによるゴム硬度を40〜80度とし、
    前記被覆層は、SRIS 0101規格に規定するスプリング式アスカーC型による硬度が30度以下のシリコーン樹脂からこれを構成している非粘着シートを、
    前記機器の内部に配置することを特徴とする非粘着シートの使用方法。
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