JP2007001201A - 非粘着構造、被覆シート、印刷装置用部材、非粘着構造の形成方法及び再生方法 - Google Patents
非粘着構造、被覆シート、印刷装置用部材、非粘着構造の形成方法及び再生方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】微細な凹凸構造による点接触作用により、離型効果をさらに向上させることができる非粘着構造及びその形成方法、非粘着構造再生方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る非粘着構造は、基材11上に粒子12を有する低表面張力被覆層13を形成してなり、微細な凹凸面の離型性表面を有するものであり、平滑表面に、塗布膜自ら微細凹凸構造を形成する事が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る非粘着構造は、基材11上に粒子12を有する低表面張力被覆層13を形成してなり、微細な凹凸面の離型性表面を有するものであり、平滑表面に、塗布膜自ら微細凹凸構造を形成する事が可能となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば枚葉両面印刷機の圧胴に外装するジャケット等に適用することができる非粘着構造、被覆シート、印刷装置用部材、非粘着構造の形成方法及び再生方法に関する。
一般に、両面印刷機では、先刷りの印刷面が圧胴に接触した後、1秒程度もしくはそれ以下で後刷りの圧胴に接触し印圧を受ける。このため、枚葉両面印刷機においては、未乾燥の先刷りインキが圧胴に取られ印刷面の濃度ムラ、白抜け及び圧胴に付着したインキが次の紙に逆転写して紙面が汚れる等、先刷り面と後刷り面での印刷品質上の不具合が生じる。
そこで、このようなインキの付着を抑制する対策として、圧胴の基材の表面に凹凸をつけ、印刷面と点接触効果でインキ付着を防止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、圧胴の表面に離型性の良い材料を用いる技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
また、凹凸で且つ低表面エネルギの(即ち離型性のよい)表面を有する圧着・移送用ローラも提案されている(例えば特許文献3参照)。
しかし、圧胴の基材の表面に凹凸をつける具体的技術としては、表面をブラストで荒らす、ガラスビーズコーテイングを施す、セラミック溶射、等の様々な方式が採用されているが、圧胴の基材の表面に凹凸を付けただけではインキに対する反発性(離型性)が弱いため、充分なインキ付着防止効果が得られていない。
また、上記の離型性の良い材料としては、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂を挙げることができるが、これらの樹脂のみを基材に塗布した場合には、耐摩耗性が弱く、耐久性が求められる圧胴には適用出来ないという不具合がある。
更に、前記凹凸で且つ低表面エネルギの(即ち離型性のよい)表面を有する圧着・移送用ローラの場合、溶射によってセラミック層を形成するため、表面形状(粗さ)の制御が困難である。それに加え、金属基板もしくはローラに直接溶射するので、製造設備コストが嵩むという欠点もある。
また、硬度が高く剛性の高い脆弱な凹凸セラミック表面に、摩擦強度、引裂き強度の低いレジンが直接コートされている表面構造は、高い圧力と剪断力のかかる圧胴としての用途では、表面構造の破壊が早期に訪れ、耐久性がない。
これを解決するために、図15に示すように、金属基材1の上層に設けられた合成樹脂基材2表面に接着層3を設け、該接着層3から露出した状態でセラミック粒子4を分散接着してなるセラミック粒子分散接着層5を形成し、該セラミック粒子分散接着層5の表面に低表面張力被覆層6を形成して、外表面に凹凸の離型性表面を有し、充分なインキ付着防止効果が得ることができる枚葉両面印刷機圧胴ジャケットを先に提案した(特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献4に開示の提案では、コーティングした合成樹脂基材2に形成された接着剤層3に、静電、落下によりセラミック粒子4を接着する為、セラミック粒子4の凝集接着が発生するような場合には、局所的に大きな凹凸構造が形成される場合があり、加圧下での点接触作用が良好に発揮できない場合がある。
また、接着層3のアンカー効果を利用するために、角張ったセラミック粒子4を使用する必要があり、部分的に仕上げ表面の摩擦抵抗が大きく、紙面の引っ掛かりが発生し、紙面を傷つける場合がある。一方、丸形状のセラミック粒子の場合には、アンカー効果が低くなることがあり、脱粒が発生する場合がある。
本発明は、前記問題に鑑み、微細な凹凸構造による点接触作用により、離型効果をさらに向上させることができる非粘着構造、被覆シート、印刷装置用部材、非粘着構造の形成方法及び再生方法を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、基材上に粒子を有する低表面張力被覆層を形成してなり、微細な凹凸面の離型性表面を有することを特徴とする非粘着構造にある。
第2の発明は、基材上に粒子を有する中間層と、該中間層の表面に形成してなる低表面張力被覆層とからなり、微細な凹凸面の離型性表面を有することを特徴とする非粘着構造にある。
第3の発明は、第2の発明において、前記中間層がシリコーン系材料からなると共に、
前記低表面張力被覆層が自己組織化単分子膜(SAM)からなることを特徴とする非粘着構造にある。
前記低表面張力被覆層が自己組織化単分子膜(SAM)からなることを特徴とする非粘着構造にある。
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、前記粒子が、樹脂又はセラミックスのいずれか一方又はこれらの混合物からなることを特徴とする非粘着構造にある。
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、前記粒子の平均粒径が0.1〜15μmであり、その表面粗度が0.05〜10μmであることを特徴とする非粘着構造にある。
第6の発明は、第1の発明において、前記低表面張力被覆層が、シリコーン系材料又はフッ素系材料のいずれか一方又はこれらの混合物からなることを特徴とする非粘着構造にある。
第7の発明は、第1の発明において、前記低表面張力被覆層の表面の表面張力が30〜8mN/mの範囲であることを特徴とする非粘着構造にある。
第8の発明は、第1乃至7のいずれか一つの非粘着構造を備えたことを特徴とする被覆シートにある。
第9の発明は、印刷装置の印刷紙面と接触する部材に、第1乃至7のいずれか一つの非粘着構造を備えたことを特徴とする印刷装置用部材にある。
第10の発明は、第9の発明において、前記印刷装置用部材が圧胴、サンプル台、真空吸引車であることを特徴とする印刷装置用部材にある。
第11の発明は、基材の表面に粒子を練り込んだ低表面張力被覆材料を塗布し、第1の発明の非粘着構造を形成する非粘着構造の形成方法にある。
第12の発明は、基材の表面に粒子を練り込んだ中間材料を塗布して中間層を形成し、該中間層の表面に低表面張力被覆材料を塗布して低表面張力被覆層とし、第2の非粘着構造を形成する非粘着構造の形成方法にある。
第13の発明は、基材の表面に粒子を練り込んだ低表面張力被覆材料を塗布し、第1の発明の非粘着構造を形成した後、所定期間使用した後、該非粘着構造を除去し、再度第1の発明の非粘着構造を形成することを特徴とする非粘着構造の再生方法にある。
第14の発明は、基材の表面に粒子を練り込んだ中間材料を塗布して中間層を形成し、該中間層の表面に低表面張力被覆材料を塗布して低表面張力被覆層とし、第2の発明の非粘着構造を形成した後、所定期間経過後、該非粘着構造を除去し、再度第2の発明の非粘着構造を形成することを特徴とする非粘着構造の再生方法にある。
第15の発明は、基材の表面に粒子を練り込んだ中間材料を塗布して中間層を形成し、該中間層の表面に低表面張力被覆材料を塗布して低表面張力被覆層とし、第2の発明の非粘着構造を形成した後、所定期間経過後、該低表面張力被覆材料を塗布し、第2の発明の非粘着構造を形成することを特徴とする非粘着構造の再生方法にある。
本発明によれば、基材表面に粒子を含む例えばシリコーン系材料又はフッ素系材料等の低表面張力被覆材料による被覆層を形成してなるので、基材表面に微細凹凸構造を形成することが可能となり、例えば印刷機の圧胴の表面に適用することで、インキ付着防止効果を奏することができ、印刷品質の向上に寄与することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
本発明による実施例1に係る非粘着構造について、図面を参照して説明する。
図1は、実施例1に係る非粘着構造を示す概念図である。
図1に示すように、本実施例に係る第1の非粘着構造10Aは、基材11上に粒子12を有する低表面張力被覆層13を形成してなり、微細な凹凸面の離型性表面を有するものである。
図1は、実施例1に係る非粘着構造を示す概念図である。
図1に示すように、本実施例に係る第1の非粘着構造10Aは、基材11上に粒子12を有する低表面張力被覆層13を形成してなり、微細な凹凸面の離型性表面を有するものである。
粒子12を有する低表面張力被覆層13を形成する方法としては、低表面張力被覆層13を構成する低表面張力被覆材料に、粒子を練りこみ、基材11表面に塗布又は噴霧するようにしている。これにより平滑な基材11表面に、塗布膜自ら微細凹凸構造を形成する事が可能となる。
また、この微細凹凸構造はその使用により劣化した場合には、洗浄等により除去し、再度新たな微細凹凸構造を形成することで、再生が容易となる。
ここで、前記粒子12は、樹脂又はセラミックス等を挙げることができる。また、これらの混合物であってもよい。
前記樹脂としては、例えばシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂等を挙げることができる。特に、非粘着作用を奏する樹脂微粒子を用いることが好ましい。また、これらの混合物を用いるようにしてもよい。
また、前記セラミックスとしては、例えばアルミナ、シリカ、クロミナ、チタニアなどの酸化物、又はこれら少なくとも二種の複合酸化物、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド等の炭化物若しくはチッ化物を挙げることができる。また、これらの混合物を用いるようにしてもよい。
前記粒子12の平均粒径は0.1〜15μm、より好ましくは0.5〜10μmとするのが好適である。これは、平均粒径が0.1μm未満では凹凸形成効果が乏しく、一方、15μmを超える場合には微細な凹凸構造とならず、共に好ましくないからである。
また、その表面粗度(Rz)は0.05〜5μmとするのが好適である。
これは、表面粗度が0.5μm未満であると、平滑な表面となってしまい、点接触作用効果を得ることができず、好ましくないからである。一方、10μmを超える場合には、凸部一個にかかる圧力が大きくなり、十分な非粘着効果が得られない点で好ましくないからである。
また、その表面粗度(Rz)は0.05〜5μmとするのが好適である。
これは、表面粗度が0.5μm未満であると、平滑な表面となってしまい、点接触作用効果を得ることができず、好ましくないからである。一方、10μmを超える場合には、凸部一個にかかる圧力が大きくなり、十分な非粘着効果が得られない点で好ましくないからである。
前記低表面張力被覆層13を構成する材料は、シリコーン系材料又はフッ素系材料のいずれか一方又はこれらの混合物とするのが好適である。
ここで、シリコーン系材料は、耐久性の向上に寄与し、一方のフッ素系材料は、非粘着性の向上に寄与する。
ここで、シリコーン系材料は、耐久性の向上に寄与し、一方のフッ素系材料は、非粘着性の向上に寄与する。
ここで、フッ素系材料100重量%とするのが非粘着性の付与には好ましいが、耐久性を付与するために、シリコーン系材料をその耐久性の程度に併せて配合するようにしてもよい。
ここで、フッ素系材料とシリコーン系材料との配合は、100:0〜50:50、より好ましくは、100:0〜80:20とするのがよい。
これは、フッ素系材料が50未満であると、非粘着性付与効果が発現しないからである。
ここで、フッ素系材料とシリコーン系材料との配合は、100:0〜50:50、より好ましくは、100:0〜80:20とするのがよい。
これは、フッ素系材料が50未満であると、非粘着性付与効果が発現しないからである。
前記低表面張力被覆層13の表面の表面張力は30〜8mN/mの範囲とするのが好適である。また、より好ましくは25〜8mN/mの範囲とするのがよい。これは、30mN/mを超えると各種合成樹脂、油脂類に近くなり離型性に乏しく、8mN/m未満の固体表面は実質的に実現が困難であるからである。
前記低表面張力被覆層13のフッ素系材料の具体的な材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(ジフルオロメチレン)、パーフルオロアルキルアクリレート、若しくはその複合材料を挙げることができる。
また、シリコーン系材料の具体的な材料としては、例えば、エポキシ変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、シリコーンオイル、シリコーンゴム、若しくはその複合材料を挙げることができる。
また、シリコーン系材料の具体的な材料としては、例えば、エポキシ変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、シリコーンオイル、シリコーンゴム、若しくはその複合材料を挙げることができる。
また、本発明の非粘着構造において、低表面張力被覆層13に含有される粒子12に例えばシリコーン系材料又はフッ素系材料を用いれば、使用中に凸部頂点部分の低表面張力被覆層が剥がれた場合に、該粒子12が非粘着性を有しているので、従来のような例えばセラミック等が露出する場合に比べて、良好な非粘着性を保持することができる。
本発明の非粘着構造は、基材を樹脂又は金属、若しくはその複合材とした被覆シートや被覆層、各種印刷装置用部材のインキ接触部、さらにはインキ以外の油、粘着剤等に対する非粘着部に用いることができる。
本発明の非粘着構造を適用する具体的な対象としては、例えば枚葉印刷機の印刷紙面が接触する圧胴、又は中間胴、輪転印刷機におけるガイドローラー、ターンバー等を挙げることができる。これ以外に、印刷機関係では、枚葉印刷機の真空吸引車、色調管理装置の吸着ボード、枚葉両面印刷機の連接シリンダ、インキドクター、インキトレー等に適用することができる。
また、印刷機以外においては、粘着テープ等の付着体の搬送ローラ、ビラ等の張り紙の裏面に形成する接着防止層等、インキ以外の油、接着剤等に対する非粘着部材等に適用することができる。
また、印刷機以外においては、粘着テープ等の付着体の搬送ローラ、ビラ等の張り紙の裏面に形成する接着防止層等、インキ以外の油、接着剤等に対する非粘着部材等に適用することができる。
本発明の非粘着構造とすることで、例えば印刷機の圧胴の表面を微細な凹凸面を付与した非粘着表面とすることができると共に、使用により劣化した場合にそれを除去して再生処理する事により、常に高い非粘着性能を維持する事が可能となる。
また、粒子を直接練り込んだ低表面張力被覆層とするので、従来のような接着層を介してセラミックスを固定する場合とことなり、微細な凹凸を一度に形成することができる。
また、粒子を直接練り込んだ低表面張力被覆層とするので、従来のような接着層を介してセラミックスを固定する場合とことなり、微細な凹凸を一度に形成することができる。
また、表面微細凹凸構造により、低表面張力被覆材料本来の非粘着性(表面エネルギー)の性能向上が期待でき、インキ非粘着性が向上する。
また、粒子を含むコーティング膜自体で凹凸構造が形成できる為、非粘着性能が劣化した場合においても、再生する場合の洗浄が容易である。
次に、第1の非粘着構造の再生方法について説明する。
基材の表面に形成された非粘着構造はその使用により劣化し、非粘着性能が低下する。このため、所定期間経過後に、使用により劣化した非粘着構造を洗浄により除去し、再度非粘着構造を形成するようにしている。
この再生の期間はその使用頻度、使用圧力、また低表面張力被覆層13を構成する樹脂材料及び被覆層の厚さ等により左右され、適宜設定すればよい。
例えば印刷機の圧胴に適用する場合には、1〜5日ごと、30日ごと、6ヶ月ごと、1年ごとと設定することができる。
基材の表面に形成された非粘着構造はその使用により劣化し、非粘着性能が低下する。このため、所定期間経過後に、使用により劣化した非粘着構造を洗浄により除去し、再度非粘着構造を形成するようにしている。
この再生の期間はその使用頻度、使用圧力、また低表面張力被覆層13を構成する樹脂材料及び被覆層の厚さ等により左右され、適宜設定すればよい。
例えば印刷機の圧胴に適用する場合には、1〜5日ごと、30日ごと、6ヶ月ごと、1年ごとと設定することができる。
このため、頻繁に再生処理するような場合には、例えば印刷機の圧胴近傍に非粘着構造の再塗布のための塗布装置や、除去のための洗浄装置を設置するようにしてもよい。
ここで、本発明にかかる第1の非粘着構造の再生の工程について図4を参照して説明する。以下の説明では印刷機の圧胴に非粘着構造を適用した場合について説明する。
1)非粘着構造形成工程(S1)
先ず、基材の表面に粒子を練り込んだ低表面張力被覆材料を塗布し、所定条件で乾燥して図1に示すような第1の非粘着構造を形成する。
2)非粘着構造使用工程(S2)
所定期間に亙って、例えば印刷機械にて使用する。
3)非粘着構造除去工程(S3)
所定時間の経過後、古い非粘着構造を溶剤により除去する。
4)非粘着構造形成工程(S4)
圧胴の表面を溶剤にて洗浄する。なお、除去工程において同時に行ってもよい。
5)非粘着構造再生工程(S5)
再度、第1の非粘着構造を形成する。その後、この再生工程を繰り返すようにすればよい。
このように、本発明の非粘着構造は、簡易な方法により基材の表面に微細な凹凸面を再構成することができ、その再生処理も簡易である。
1)非粘着構造形成工程(S1)
先ず、基材の表面に粒子を練り込んだ低表面張力被覆材料を塗布し、所定条件で乾燥して図1に示すような第1の非粘着構造を形成する。
2)非粘着構造使用工程(S2)
所定期間に亙って、例えば印刷機械にて使用する。
3)非粘着構造除去工程(S3)
所定時間の経過後、古い非粘着構造を溶剤により除去する。
4)非粘着構造形成工程(S4)
圧胴の表面を溶剤にて洗浄する。なお、除去工程において同時に行ってもよい。
5)非粘着構造再生工程(S5)
再度、第1の非粘着構造を形成する。その後、この再生工程を繰り返すようにすればよい。
このように、本発明の非粘着構造は、簡易な方法により基材の表面に微細な凹凸面を再構成することができ、その再生処理も簡易である。
ここで、除去処理の溶剤としては、例えば表面張力が低く、浸透性の高い極性溶媒を用いるのが好適であり、例えばハイドロフルオロエーテル等を挙げることができる。
[試験例]
次に、本発明の非粘着構造の微細凹凸の粗度の相違による白抜け率の相違について試験した一例を説明する。
表面粗度の異なる金属基材上に、フッ素系樹脂を約10μm程度に被覆し、仕上表面粗度Rz5μm及びRz25μmとした試験品1及び2を作成した。
紙面上にインキを膜厚1μm転写する。
直ちに、紙を前記試験品と連続して5回接触させた。
紙面上の白抜け率を測定した。
試験品1の表面粗度5μmのものは、白抜け率が1%以下であったが、試験品2の表面粗度Rz25μmのものは、白抜け率が3%程度と悪かった。
これにより、表面粗度が5μm以下の微細な凹凸面とすることで、インキ付着率の抑制に寄与することが確認された。
次に、本発明の非粘着構造の微細凹凸の粗度の相違による白抜け率の相違について試験した一例を説明する。
表面粗度の異なる金属基材上に、フッ素系樹脂を約10μm程度に被覆し、仕上表面粗度Rz5μm及びRz25μmとした試験品1及び2を作成した。
紙面上にインキを膜厚1μm転写する。
直ちに、紙を前記試験品と連続して5回接触させた。
紙面上の白抜け率を測定した。
試験品1の表面粗度5μmのものは、白抜け率が1%以下であったが、試験品2の表面粗度Rz25μmのものは、白抜け率が3%程度と悪かった。
これにより、表面粗度が5μm以下の微細な凹凸面とすることで、インキ付着率の抑制に寄与することが確認された。
次に、本発明の非粘着構造を適用する枚葉オフセット両面印刷機の印刷部の一例について図6を参照して説明する。
図6に示すように、印刷機の印刷部には、刷版101aを装備しこの刷版101aにインキ供給部(図示略)からインキ供給ローラ(図示略)を介してインキを供給される版胴101と、この版胴101に圧接し刷版101aの絵柄部分に供給されたインキを転写されるブランケット胴(ゴム胴)102と、印刷用紙104を介してブランケット胴102と圧接する印刷胴としての圧胴(印刷胴,シリンダともいう)103とを備えた印刷ユニットが設けられている。
図6に示すように、印刷機の印刷部には、刷版101aを装備しこの刷版101aにインキ供給部(図示略)からインキ供給ローラ(図示略)を介してインキを供給される版胴101と、この版胴101に圧接し刷版101aの絵柄部分に供給されたインキを転写されるブランケット胴(ゴム胴)102と、印刷用紙104を介してブランケット胴102と圧接する印刷胴としての圧胴(印刷胴,シリンダともいう)103とを備えた印刷ユニットが設けられている。
前記印刷用紙104はブランケット胴102と圧胴103との間を通過する際に、ブランケット胴102と圧胴103とで発生するニップ圧を加えられ、その一面(図中、上面)104aにブランケット胴102から絵柄に応じたインキを転写され、印刷を行われる。この印刷用紙104には、図示する印刷ユニットの上流部分で、他面(図中、下面)104bに図示しないブランケット胴102から一面104aと同様に対応する絵柄に応じたインキを転写されており、前記圧胴3には、この印刷用紙104の他面104bに転写されたインキが上記のニップ圧の下で接触しており、印刷用紙104の他面104bから圧胴103の表面にインキが極めて粘着しやすい状況にある。
このような圧胴103の表面に本発明の非粘着構造を適用することで、インキの剥離性が良好で、片面印刷等同等の印刷品質を保持できることとなる。
次に、このような圧胴103の周囲に、圧胴103の表面へのインキの粘着を防止する低表面張力被覆層13を圧胴103の表面に塗布する塗布装置200と、圧胴103の表面を洗浄する洗浄装置210とが配設される具体例について説明する。
なお、図7に示す塗布装置200及び洗浄装置210の設置位置は一例であって、これらは、適宜の位置に配置しうるものである。
なお、図7に示す塗布装置200及び洗浄装置210の設置位置は一例であって、これらは、適宜の位置に配置しうるものである。
ここで、塗布装置200や洗浄装置210によって処理される圧胴103の表面構造については、クロムメッキ等の処理による平滑面が形成されていることが好ましい。なお、メッキ処理とは、クロムメッキに代表されるクロムメッキ処理のほか、ニッケルメッキ処理、分散メッキ処理のメッキ処理も含まれる。
また、洗浄装置210による洗浄は、洗浄液等を用いて、塗布された粒子を含む低表面張力被覆層13を除去しながら、圧胴103表面の浄化を行なうようにすることが好ましい。
先ず、塗布装置200による圧胴103の表面への粒子を練り込んだ低表面張力被覆材料の塗布は、洗浄装置210により圧胴103表面を洗浄した後に行なうことが好ましい。
次に、塗布装置200を用いて、圧胴103の表面に塗布する一例を説明する。
塗布方法としては、樹脂材料を基材表面に塗布する公知の方法を適用すればよい。
図8の塗布方法は、スプレーノズルを用いて塗布装置である。
図8に示すように、塗布装置200は、粒子を配合した低表面張力被覆材料201を圧胴103表面に噴霧するスプレーノズル202が設けられている。このスプレーノズル202は、例えばスプレーノズル202を支持する支持部材203をトラバース装置204によって、圧胴103表面の近傍で圧胴103の軸心線方向に移動させることで、低表面張力被覆材料201を圧胴103の幅方向に隙間なく塗布することができるようになっている。もちろん、このトラバース装置204のスプレーノズル202を移動させる速度やスプレーノズル202の噴射量やスプレーノズル202の作動時間等は、所要量の低表面張力被覆材料201が圧胴103表面に均一に塗布されるように設定されている。
塗布方法としては、樹脂材料を基材表面に塗布する公知の方法を適用すればよい。
図8の塗布方法は、スプレーノズルを用いて塗布装置である。
図8に示すように、塗布装置200は、粒子を配合した低表面張力被覆材料201を圧胴103表面に噴霧するスプレーノズル202が設けられている。このスプレーノズル202は、例えばスプレーノズル202を支持する支持部材203をトラバース装置204によって、圧胴103表面の近傍で圧胴103の軸心線方向に移動させることで、低表面張力被覆材料201を圧胴103の幅方向に隙間なく塗布することができるようになっている。もちろん、このトラバース装置204のスプレーノズル202を移動させる速度やスプレーノズル202の噴射量やスプレーノズル202の作動時間等は、所要量の低表面張力被覆材料201が圧胴103表面に均一に塗布されるように設定されている。
かかる構成によれば、圧胴103を回転させながら適宜の時間スプレーノズル202及びトラバース装置204を作動させることで、単一のスプレーノズル202によって、圧胴103の表面に、容易で確実に、且つ所要の厚さに粒子を含む低表面張力被覆材料201を塗布することができる。
なお、本実施例は単一のスプレーノズルを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧胴103の軸心線方向に沿って複数設置されるノズルを用いて同時に塗布するようにしてもよい。または、ブラシ等や布による塗布であってもよい。
次に、圧胴103の表面に塗布された粒子12を有する低表面張力被覆層13を洗浄する洗浄方法について説明する。
図9乃至図13は、洗浄装置の洗浄液供給装置の構成を説明する模式的図である。
図9は洗浄装置の模式図であり、洗浄装置210Aは、洗浄布211を布押し当てパッド212によって圧胴103表面に押し当てて、圧胴103表面を払拭するようになっている。ここでは、洗浄布211は圧胴103の幅方向をカバーできるように所要の幅を持っており、リール213に巻回されていて、このリール213から適宜送り出され、もう一つのリール214に巻き取られるようになっている。したがって、常時、洗浄布211の汚れていない部分で洗浄をできるようになっている。また、圧胴103の回転方向に従い、リール213、214はそれぞれ逆の働きをする事も出来る。つまり、洗浄布211がリール214に巻回されていて、このリール214から適宜送り出され、もう一つのリール213に巻き取られるように出来る。
図9は洗浄装置の模式図であり、洗浄装置210Aは、洗浄布211を布押し当てパッド212によって圧胴103表面に押し当てて、圧胴103表面を払拭するようになっている。ここでは、洗浄布211は圧胴103の幅方向をカバーできるように所要の幅を持っており、リール213に巻回されていて、このリール213から適宜送り出され、もう一つのリール214に巻き取られるようになっている。したがって、常時、洗浄布211の汚れていない部分で洗浄をできるようになっている。また、圧胴103の回転方向に従い、リール213、214はそれぞれ逆の働きをする事も出来る。つまり、洗浄布211がリール214に巻回されていて、このリール214から適宜送り出され、もう一つのリール213に巻き取られるように出来る。
このような洗浄布211には、洗浄液を含ませることが有効であり、洗浄液供給装置を設置することが好ましい。この洗浄液供給装置を有する洗浄装置としては、例えば、図10〜図13に示すような構成のものが考えられる。
図10に示す洗浄装置210Bは、洗浄布211の外側から洗浄布211に洗浄液215を噴射する洗浄液供給ノズル(スプレーノズル)216を設けたものである。
図10に示す洗浄装置210Bは、洗浄布211の外側から洗浄布211に洗浄液215を噴射する洗浄液供給ノズル(スプレーノズル)216を設けたものである。
また、図11に示す洗浄装置210Cは、洗浄布211の内側から洗浄布211に洗浄液(図示せず)を噴射する洗浄液供給ノズル216を設けたものである。
図12に示す洗浄装置210Dは、洗浄液供給ノズル216aと、この洗浄液供給ノズル216aから噴射された洗浄液を受ける塗布ローラ216bと、塗布ローラ216bに付着した過剰な洗浄液を除去する液切りローラ216cとから洗浄液供給装置を構成してなる。そして、図10及び図11の装置のように、洗浄布211に直接洗浄液を供給するのではなく、図12に示すように、圧胴103表面に洗浄液を供給し、略一周回っている間に、洗浄液を馴染ませ、その後洗浄布211でこれをふき取りながら洗浄する構成になっている。
また、ここでは、洗浄液供給ノズル216aは、塗布ローラ216bと液切りローラ216cとの接触部に、その上方から洗浄液215を噴射し、過剰な洗浄液は、塗布ローラ216bと液切りローラ216cとの接触部の上方に滞留し、液切りローラ216cにより厚さを調整された所要量の洗浄液のみが圧胴(シリンダ)103の表面に塗布されるようになっている。
図13に示す洗浄装置210Eでは、洗浄液供給ノズル216aから直接圧胴103に洗浄液215を供給し、略一周回っている間に、洗浄液を馴染ませ、その後洗浄布211でこれを拭取りながら洗浄する構造になっている。
本実施形態の洗浄装置によれば、かかる構成により、圧胴103表面を確実に洗浄することができる。
なお、この洗浄液供給ノズル216aは、低表面張力被覆材料の塗布装置200と併用する事も可能である。
また、洗浄装置としてブラシローラを用いて除去するようにしてもよい。
本実施形態の洗浄装置によれば、かかる構成により、圧胴103表面を確実に洗浄することができる。
なお、この洗浄液供給ノズル216aは、低表面張力被覆材料の塗布装置200と併用する事も可能である。
また、洗浄装置としてブラシローラを用いて除去するようにしてもよい。
このように、本発明の非粘着構造を塗布する塗布装置と洗浄装置とを具備することにより、印刷胴を機上に使用状態に設置したままで、塗布装置によって印刷胴の表面にインキの粘着を防止する低表面張力被覆材料を塗布することができるようになり、印刷胴の表面への低表面張力被覆層の再生塗布を容易に行なえるようになる。
また、必要に応じて印刷胴の表面への低表面張力被覆材料の塗布を行なうことにより、印刷胴表面へのインキ付着防止効果を継続して得ることができるようになり、印刷品質を向上させることができる。
また、印刷胴の周囲に、印刷胴の表面を洗浄する洗浄装置を備えることにより、洗浄装置を用いて予め印刷胴の表面を洗浄した上で、印刷胴の表面に低表面張力被覆材料を塗布することができ、これにより、印刷品質を向上させることができる。
また、各色の毎に備えられた圧胴のインキ付着防止性能を均一に保つことも容易になる。また、セラミックジャケットを交換する方式に比べ、機械停止時間を大幅に短縮することができ、印刷機の稼働率を上げることができ、生産性を向上させることができる。
さらに、低表面張力被覆材料に、例えばフッ素系材料等の紫外線に対して活性のない材料を用いることで、UV印刷での使用が可能となり、低表面張力被覆材料に、シリコーン系樹脂等を用いた場合にも、再塗布することにより、性能が低下する前に材料をリフレッシュすることを容易に行なえる。
図14は第1の非粘着構造を適用する一例としての真空吸引車の概略図である。図14に示すように、真空吸引車110の吸着穴112を有する吸着パッド111の表面に本実施例にかかる第1の非粘着構造10Aを適用することで、印刷機の吸引停止を行うことができる。
この結果、従来では、真空吸引車の紙面との接触部については、紙面の印刷される場所以外の場所を選定して真空吸引車の設置位置を調整していたが、本発明における非粘着構造を適用することで、紙面への印刷の有無に左右されることなく、真空吸引車を任意の位置に設置しても紙面の停止を行うことができることとなる。
この結果、従来では、真空吸引車の紙面との接触部については、紙面の印刷される場所以外の場所を選定して真空吸引車の設置位置を調整していたが、本発明における非粘着構造を適用することで、紙面への印刷の有無に左右されることなく、真空吸引車を任意の位置に設置しても紙面の停止を行うことができることとなる。
本発明による実施例2に係る非粘着構造について、図面を参照して説明する。
図2は、実施例2に係る第2の非粘着構造を示す概念図である。
図2に示すように、本実施例に係る第2の非粘着構造10Bは、基材11上に粒子12を有する中間層21と、該中間層21の表面に形成してなる低表面張力被覆層22とからなり、微細な凹凸面の離型性表面を有するものである。
図2は、実施例2に係る第2の非粘着構造を示す概念図である。
図2に示すように、本実施例に係る第2の非粘着構造10Bは、基材11上に粒子12を有する中間層21と、該中間層21の表面に形成してなる低表面張力被覆層22とからなり、微細な凹凸面の離型性表面を有するものである。
粒子12を有する中間層21を形成する方法としては、実施例1の粒子12を有する低表面張力被覆層13を形成する方法と同様に、中間層21を構成する材料に、粒子12を練りこみ、基材11表面に塗布又は噴霧するようにしている。そして、本実施例ではこの微細な凹凸構造の表面に、低表面張力被覆層22を形成して非粘着性を付与するようにしている。これにより平滑な基材11表面に、微細凹凸構造の非粘着構造を形成する事が可能となる。
前記低表面張力被覆層22は実施例1で説明したのと同様な材料を用いることができるが、本発明ではさらに、自己組織化単分子膜(「SAM膜」ともいう。)を用いるようにしてもよい。
ここで、自己組織化単分子膜とは、基材の表面上に有機分子自身が集まり、規則正しく並んでできる単分子膜をいい、基材に直接ではなく、中間層21を介してその表面にSAM膜を形成するようにしている。ここで、前記中間層としては、例えばシランカップリング剤又は水ガラス等のシリコーン系材料を用いるようにすればよい。
ここで、自己組織化単分子膜とは、基材の表面上に有機分子自身が集まり、規則正しく並んでできる単分子膜をいい、基材に直接ではなく、中間層21を介してその表面にSAM膜を形成するようにしている。ここで、前記中間層としては、例えばシランカップリング剤又は水ガラス等のシリコーン系材料を用いるようにすればよい。
この第2の非粘着構造にかかる微細凹凸構造はその使用により劣化した場合には、前記SAM膜を構成する分子が脱離した部分を補うようにすればよい。
この一例を図3に示す。
図3に示すように、中間層21の表面にSAM分子22aが規則正しく形成されている。
使用によりSAM分子が脱離した部分(空隙部分)は非粘着性が低下する。
そこで、SAM分子を再塗布することで、空隙部分を埋める。なお、中間層と反応しなかったSAM分子は使用中に除去される。
この一例を図3に示す。
図3に示すように、中間層21の表面にSAM分子22aが規則正しく形成されている。
使用によりSAM分子が脱離した部分(空隙部分)は非粘着性が低下する。
そこで、SAM分子を再塗布することで、空隙部分を埋める。なお、中間層と反応しなかったSAM分子は使用中に除去される。
第2の非粘着構造10Bは、第1の非粘着構造に較べて、長期間に亙って、その非粘着性能を維持することができる。よって、再生処理も3〜12ヶ月ごととすればよい。
ここで、本発明にかかる第2の非粘着構造の再生の工程について図5を参照して説明する。
1)非粘着構造形成工程(S11)
基材の表面に粒子を練り込んだ中間層材料を塗布し、所定条件で乾燥し、基材の表面に粒子を含む中間層を形成する(S11−1)。
次に、該中間層の表面に低表面張力被覆層を形成し(S11−2)、図2に示すような第2の非粘着構造を形成する。
2)非粘着構造使用工程(S12)
所定期間に亙って、例えば印刷機械にて使用する。
3)非粘着構造除去工程(S13)
所定時間の経過後、古い非粘着構造を溶剤により除去する。
4)非粘着構造形成工程(S14)
圧胴の表面を溶剤にて洗浄する。なお、除去工程において同時に行ってもよい。
5)非粘着構造再生工程(S15)
洗浄後に、第2の非粘着構造を形成する。その後、この再生工程を繰り返すようにすればよい。
本発明の非粘着構造は、簡易な方法により基材の表面に微細な凹凸面を構成することができ、その再生も簡易である。
1)非粘着構造形成工程(S11)
基材の表面に粒子を練り込んだ中間層材料を塗布し、所定条件で乾燥し、基材の表面に粒子を含む中間層を形成する(S11−1)。
次に、該中間層の表面に低表面張力被覆層を形成し(S11−2)、図2に示すような第2の非粘着構造を形成する。
2)非粘着構造使用工程(S12)
所定期間に亙って、例えば印刷機械にて使用する。
3)非粘着構造除去工程(S13)
所定時間の経過後、古い非粘着構造を溶剤により除去する。
4)非粘着構造形成工程(S14)
圧胴の表面を溶剤にて洗浄する。なお、除去工程において同時に行ってもよい。
5)非粘着構造再生工程(S15)
洗浄後に、第2の非粘着構造を形成する。その後、この再生工程を繰り返すようにすればよい。
本発明の非粘着構造は、簡易な方法により基材の表面に微細な凹凸面を構成することができ、その再生も簡易である。
ここで、除去処理の溶剤としては、例えば表面張力が低く、浸透性の高い極性溶媒を用いるのが好適であり、例えばハイドロフルオロエーテル等を挙げることができる。
また、再生処理工程には前述した図7乃至図13に示す塗布装置200と洗浄装置210を圧胴近傍に配設するようにしてもよい。
また、再生処理工程には前述した図7乃至図13に示す塗布装置200と洗浄装置210を圧胴近傍に配設するようにしてもよい。
また、古い非粘着構造の全てを除去する代わりに、図3に示すように、脱落したSAM分子を補うように、低表面張力被覆層22のみを再生するようにしてもよい。
第2の非粘着構造も前述した第1の非粘着構造と同様に、例えば枚葉印刷機の印刷紙面が接触する圧胴、又は中間胴、輪転印刷機におけるガイドローラー、ターンバー等を挙げることができる。これ以外に、印刷機関係では、枚葉印刷機の真空吸引車、色調管理装置の吸着ボード、枚葉両面印刷機の連接シリンダ、インキドクター、インキトレー等に適用することができる。
また、印刷機以外においては、粘着テープ等の付着体の搬送ローラ、ビラ等の張り紙の裏面に形成する接着防止層等に適用することができる。
また、印刷機以外においては、粘着テープ等の付着体の搬送ローラ、ビラ等の張り紙の裏面に形成する接着防止層等に適用することができる。
以上のように、本発明に係る非粘着構造は、粒子を含む低表面張力被覆層を基材に形成してなるので、例えばインキ等の付着防止機能を維持することができると共に、該機能が低下した場合には再生処理により再度インキ付着防止機能を復活することができ、例えば印刷機の印刷紙面に接触する部材等に用いて適している。
10A 第1の非粘着構造
10B 第2の非粘着構造
11 基材
12 粒子
13 低表面張力被覆層
21 中間層
22 低表面張力被覆層
10B 第2の非粘着構造
11 基材
12 粒子
13 低表面張力被覆層
21 中間層
22 低表面張力被覆層
Claims (15)
- 基材上に粒子を有する低表面張力被覆層を形成してなり、微細な凹凸面の離型性表面を有することを特徴とする非粘着構造。
- 基材上に粒子を有する中間層と、該中間層の表面に形成してなる低表面張力被覆層とからなり、微細な凹凸面の離型性表面を有することを特徴とする非粘着構造。
- 請求項2において、
前記中間層がシリコーン系材料からなると共に、
前記低表面張力被覆層が自己組織化単分子膜(SAM)からなることを特徴とする非粘着構造。 - 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記粒子が、樹脂又はセラミックスのいずれか一方又はこれらの混合物からなることを特徴とする非粘着構造。 - 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
前記粒子の平均粒径が0.1〜15μmであり、その表面粗度が0.05〜10μmであることを特徴とする非粘着構造。 - 請求項1において、
前記低表面張力被覆層が、シリコーン系材料又はフッ素系材料のいずれか一方又はこれらの混合物からなることを特徴とする非粘着構造。 - 請求項1において、
前記低表面張力被覆層の表面の表面張力が30〜8mN/mの範囲であることを特徴とする非粘着構造。 - 請求項1乃至7のいずれか一つの非粘着構造を備えたことを特徴とする被覆シート。
- 印刷装置の印刷紙面と接触する部材に、請求項1乃至7のいずれか一つの非粘着構造を備えたことを特徴とする印刷装置用部材。
- 請求項9において、
前記印刷装置用部材が圧胴、サンプル台、真空吸引車であることを特徴とする印刷装置用部材。 - 基材の表面に粒子を練り込んだ低表面張力被覆材料を塗布し、請求項1の非粘着構造を形成する非粘着構造の形成方法。
- 基材の表面に粒子を練り込んだ中間材料を塗布して中間層を形成し、該中間層の表面に低表面張力被覆材料を塗布して低表面張力被覆層とし、請求項2の非粘着構造を形成する非粘着構造の形成方法。
- 基材の表面に粒子を練り込んだ低表面張力被覆材料を塗布し、請求項1の非粘着構造を形成した後、所定期間使用した後、該非粘着構造を除去し、再度請求項1の非粘着構造を形成することを特徴とする非粘着構造の再生方法。
- 基材の表面に粒子を練り込んだ中間材料を塗布して中間層を形成し、該中間層の表面に低表面張力被覆材料を塗布して低表面張力被覆層とし、請求項2の非粘着構造を形成した後、所定期間経過後、該非粘着構造を除去し、再度請求項2の非粘着構造を形成することを特徴とする非粘着構造の再生方法。
- 基材の表面に粒子を練り込んだ中間材料を塗布して中間層を形成し、該中間層の表面に低表面張力被覆材料を塗布して低表面張力被覆層とし、請求項2の非粘着構造を形成した後、所定期間経過後、該低表面張力被覆材料を塗布し、請求項2の非粘着構造を形成することを特徴とする非粘着構造の再生方法。
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-
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- 2005-06-24 JP JP2005185368A patent/JP2007001201A/ja not_active Withdrawn
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