JP2013193263A - プラテンローラ、ラベルプリンタ、及びプラテンローラの製造方法 - Google Patents

プラテンローラ、ラベルプリンタ、及びプラテンローラの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】剥離性と搬送性を兼ね備えたプラテンローラ並びにプラテンローラの製造方法を提供する。
【解決手段】芯金の周面に弾性体23を被覆してなるプラテンローラ14において、前記弾性体23の表面は、複数の基材部30と、剥離材料からなる複数の剥離部32とで構成されると共に、前記剥離部32の硬度は前記基材部30の硬度よりも小さいように構成される。芯金の周面に弾性体を被覆してなるプラテンローラの製造方法において、前記弾性体の表面に溝を形成する溝形成工程と、前記溝が形成された前記弾性体表面に剥離材料含有塗布液を塗布して塗布層を形成することにより、前記溝に前記剥離材料を充填する塗布工程と、前記塗布層を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥後の塗布層を前記弾性体表面が露出するまで研磨する研磨工程と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、プラテンローラ、ラベルプリンタ及びプラテンローラの製造方法に係り、特に台紙無しラベルに適したプラテンローラの改良に関する。
サーマルヘッドを用いて印字を行うサーマルタイプのラベルプリンタとしては、インクリボンを用いた熱転写型のラベルプリンタ(例えば特許文献1)と、感熱発色層を有するラベル連続体を用いた感熱型(ダイレクトサーマル型ともいう)のラベルプリンタがある。
熱転写型、感熱型のいずれのラベルプリンタの場合も、ローラ部分がゴム等の弾性体で形成されたプラテンローラで帯状のラベル連続体の裏面を支持し、プラテンローラ表面の摩擦力によりラベル連続体を搬送すると共に、プラテンローラに支持されたラベル連続体の表面(印字面)にサーマルヘッドを当接させ、その発熱走査により印字を行う。
係る印字において、ラベル連続体に対してプラテンローラ周面のグリップ力が小さく滑り易いと、ラベル連続体が正しく搬送されず印字収縮等が生じて印字品質を損なうという問題がある(以下「搬送不良」という)。
逆に、ラベル連続体に対してプラテンローラ周面のグリップ力が大きく剥離性が小さ過ぎると、図10に示すようにプラテンローラ102とサーマルヘッド104とによりラベル連続体Lを挟持して印字搬送する際に、ラベル連続体Lがプラテンローラ102から剥離せずにプラテンローラ102に巻き込まれてしまうという問題がある(以下「剥離不良」という)。
したがって、ラベル連続体に対して高品質の印字を行うためには、プラテンローラはラベル連続体に対して適度な搬送力(グリップ力)と剥離力とを兼ね備えたローラ周面を有することが要求される。
一方、サーマルタイプのラベルプリンタに使用するラベル連続体としては、大別して、台紙有りラベルと台紙無しラベルとがある。
従来から使用されている一般的な台紙有りラベルは、帯状台紙に単体ラベルが等間隔で仮着され、単体ラベルの裏面の粘着層を保護する目的で帯状台紙が設けられている。したがって、台紙有りラベルがラベルプリンタ内を搬送される際には、粘着層は台紙に覆われている。これにより、台紙有りラベルを使用する場合には、プラテンローラの剥離力はそれほど問題になりにくい。
しかし、台紙有りラベルは、単体ラベルを被貼着物に貼着した後、帯状台紙は不要となりゴミとなる。また、台紙有りラベルや台紙無しラベルはロール状に巻回したロールとしてラベルプリンタにセットされるが、台紙有りラベルは台紙厚み分だけロール径が大きくなる。したがって、台紙有りラベルは同じロール径の台紙無しラベルに比べて単位ラベルの数が少なくなるので効率的でないという問題がある。
このため、近年は台紙が無い、台紙無しラベルが、環境問題や効率性の観点から多用されるようになってきている。
しかし、台紙無しラベルは、図10で説明したように、プラテンローラ102が接触する裏面に粘着剤層が形成されているため、剥離不良が生じ易いという問題がある。
ラベル連続体、特に台紙無しラベルに対する剥離力を向上する方法としては、プラテンローラ周面に溝を形成して台紙無しラベル裏面との接触面積を小さくすることが考えられる。例えば、特許文献2には、目的はサーマルヘッドの熱で記録媒体から放出されるガスを逃がすためで本願の剥離力向上とは異なるが、プラテンローラ周面に溝を形成することが開示されている。
特開平09−95018号公報 特開2005−231218号公報
しかし、特許文献2のように、プラテンローラ周面に溝を形成するだけでは、台紙無しラベルに対して充分な剥離性を確保することができないという問題がある。特に、単体ラベルに印字して発行した後、次の単体ラベルを印字して発行するまでに長い時間(例えば1時間以上)がある場合、台紙無しラベル裏面のプラテンローラへの接着が強くなる。この結果、次の単体ラベルを印字して発行するためにプラテンローラを回転する際に、剥離不良が生じ、台紙無しラベルがプラテンローラに巻き込まれるリスクが高くなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ラベル連続体、特に台紙無しラベルを使用した場合であっても、搬送不良や剥離不良が生じることがないプラテンローラ及び該プラテンローラを備えたラベルプリンタ並びにプラテンローラの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るプラテンローラは、前記目的を達成するために、芯金の周面に弾性体を被覆してなるプラテンローラにおいて、前記弾性体の表面は、該弾性体と同じ材料からなる複数の基材部と、剥離材料からなる複数の剥離部とで構成されると共に、前記剥離部の硬度は前記基材部の硬度よりも小さいことを特徴とする。
本発明に係るプラテンローラによれば、芯金を被覆する弾性体の表面が複数の基材部と、剥離材料からなる複数の剥離部とで構成されることにより、弾性体表面には搬送力に寄与する基材部と剥離力に寄与する剥離部とが混在することになる。また、弾性体表面に基材部と剥離部とを混在させることで、基材部のみの場合に比べて搬送力の低下が懸念されるが、剥離部の硬度を基材部の硬度よりも小さくし、剥離部の弾力性を大きくすることによって剥離性を維持したままラベル連続体をグリップし易くした。これにより、ラベル連続体、特に台紙無しラベルを使用した場合であっても、搬送不良や剥離不良が生じることがない。
本発明のプラテンローラにおいては、前記基材部はJISスプリング式硬さ試験機A型によるA硬度で40度以上60度以下であり、前記剥離部は前記A硬度で10度以下であることが好ましい。
これは、基材部と剥離部の好ましい硬度を規定したものであり、基材部と剥離部で構成される弾性体表面の硬度に上記のように大きな違いを発生させ、弾性体表面の不均質性を発生させることにより、本発明のプラテンローラは、より優良な搬送性及び剥離性を発揮する。
本発明のプラテンローラにおいては、前記剥離部を構成する剥離材料はゲル状材料であることを特徴とすることが好ましい。中でも、前記ゲル状材料はシリコーン系またはウレタン系であることを特徴とすることがさらに好ましい。
このように、剥離部を形成する剥離材料としてゲル材料を用いることにより、剥離部に顕著な弾力性をもたらすので、剥離性を維持したままラベル連続体を一層グリップし易くなる。
また、剥離部を形成する剥離材料としてゲル材料を用いることにより、剥離部の表面形状が剥離性にとって有効な形状になるものと考察される。すなわち、ゲル状材料である剥離材料を例えば溝に充填して剥離部を形成した後、弾性体表面の基材部と剥離部とを均等に研磨しても、ゲル材料で形成された剥離部表面が基材部表面よりも僅かではあるが盛り上がった形状になる。この盛り上がった剥離部の形状が本発明のプラテンローラの剥離性向上に寄与しているものと考えられる。剥離材料としてゲル材料を使用することで剥離性が向上するメカニズムの考察は後で述べることにする。
前記基材部は、前記弾性体と同じ材料からなることが好ましい。これにより、製造工程を簡略化し、後の研磨作業を容易にすることができる。
本発明のプラテンローラにおいては、前記剥離部は前記弾性体の表面に形成された溝に前記剥離材料が充填された構造であることを特徴とすることが好ましい。
これにより、本発明のプラテンローラにおいて、弾性体表面に基材部と剥離部を効率的に形成することが可能である。また、溝に剥離材料を充填することにより、剥離材料が弾性体表面から剥離するのを防止できる。
本発明に係るラベルプリンタは、前記目的を達成するために、ラベル連続体の裏面をプラテンローラで支持してラベル連続体を搬送すると共に、前記プラテンローラに支持されたラベル連続体の表面にサーマルヘッドを当接させることにより印字を行うラベルプリンタにおいて、前記プラテンローラは、請求項1〜6のいずれか1つに記載のプラテンローラであることを特徴とする。
本発明に係るラベルプリンタによれば、請求項1〜6のいずれか1つに記載のプラテンローラを使用するようにしたので、ラベル連続体、特に台紙無しラベルを使用した場合であっても、搬送不良や剥離不良が生じることがない。したがって、ラベル連続体の詰まりや印字づれを抑制することが可能となる。
本発明に係るラベルプリンタにおいては、前記ラベル連続体は台紙無しラベルであることが好ましい。
本発明のラベルプリンタは、ラベル連続体として台紙無しラベルを使用した場合において一層有効だからである。
本発明に係るプラテンローラの製造方法は、前記目的を達成するために、芯金の周面に弾性体を被覆してなるプラテンローラの製造方法において、前記弾性体の表面に溝を形成する溝形成工程と、前記溝が形成された前記弾性体表面に剥離材料含有塗布液を塗布して塗布層を形成することにより、前記溝に前記剥離材料を充填する塗布工程と、前記塗布層を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥後の塗布層を前記弾性体表面が露出するまで研磨する研磨工程とを備えたことを特徴とする。
これにより、剥離性の観点から有効な形状を持つ剥離部を効率良くプラテンローラの弾性体表面に作製することができる。
本発明に係るプラテンローラの製造方法において、前記剥離材料は前記乾燥によりゲル状に固化するゲル材料であることが好ましい。
このように剥離部を形成する剥離材料としてゲル材料を用いることにより、上述の通り、剥離部の表面形状が剥離性にとって有効な形状を形成することができる。
本発明に係るプラテンローラによれば、ラベル連続体、特にラベル連続体として台紙無しラベルを使用した場合であっても、ラベル連続体がプラテンローラに粘着してプラテンローラに巻き込まれてしまう事態を防止することができ、かつラベル連続体がプラテンローラ上で滑ってしまい印字品質の低下を招くことを抑制することが可能である。
また、本発明に係るラベルプリンタによれば、ラベル連続体の詰まりや印字づれが抑制することが可能である。
さらに、本発明に係るプラテンローラの製造方法であれば、効率的に剥離性及び搬送性を有するプラテンローラを製造することが可能である。
本発明の実施形態に係るラベルプリンタの全体構成を示す図 台紙無しラベルのロールの斜視図及び台紙無しラベルの断面図 プラテンローラを説明する斜視図 本発明の実施形態に係るプラテンローラの弾性体の構成を示す図 図4のB部における部分拡大図 基材部及び剥離部の一態様を示す概念図 基材部及び剥離部の別態様を示す概念図 剥離部の盛り上がりによる剥離向上のメカニズムを考察する印字部の拡大図 中間層を示す断面概念図 従来の印刷装置が有していた問題を示す図
以下、添付図面にしたがって、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るラベルプリンタ10の全体構成を示す図である。
図1に示すように、ラベルプリンタ10のラベルプリンタ本体12には、プラテンローラ14が配置され、プラテンローラ14に対向してサーマルヘッド16が設けられている。プラテンローラ14とサーマルヘッド16が印字部18を構成する。印字部18において、プラテンローラ14とサーマルヘッド16がラベル連続体20を挟み込むことにより、ラベル連続体20に印字を施すための一定の圧力を付与する。この印字を施す印字部18の上流側には、ラベル連続体20をロール状に巻回したロール22が給紙軸19に回転可能に支持される。ラベル連続体ロール22から、ラベル連続体20が巻き出され印字部18へと搬送される。そして、プラテンローラ14の回転軸28Aおよび弾性体23が矢印方向に回転することによって、ラベル連続体20はロール22から巻き出されて印字部18へと搬送される。符号Sは、印字タイミングを制御するために、ラベル連続体20に印刷されたタイミングマーク等を検出するセンサである。印字部18で印字が行われたラベル連続体20は、印字部18下流側に搬送される。
印字部18下流側には、剥離バー26が設けられている。これは、図1に示すラベルプリンタ10は、後述する台紙無しラベル20A及び台紙有りラベルにも対応可能に作製されているためである。即ち、ラベルプリンタ本体12には、プラテンローラ14に隣接して、断面三角形状の剥離バー26が設けられており、この剥離バー26により、台紙とラベルとを剥離できるようにして、台紙無しラベルのみならず台紙有りラベルにも対応できるようにしている。
特に、図2に示すような台紙無しラベル20A(ノンセパ(R)ラベル、ライナレスラベルなどとも言われる)をラベル連続体20として使用した場合には、本発明の実施の形態に係るプラテンローラは、搬送性、剥離性という観点より有効である。
図2(a)は、台紙無しラベル20Aが巻回されたロール22Aを示す。台紙無しラベル20Aは、台紙無しラベル20Aをロール状に巻回したロール22Aとして形成される。この台紙無しラベル20Aには、例えば一定間隔でミシン目Lmが形成されており、ミシン目Lmで区切られた部分が単体ラベルLaとして構成される。
なお、台紙無しラベル20Aに設けられているタイミングマークTは、単体ラベルLaの間隔で設けられており、裏面側に印刷された矩形状の黒色マーク等が用いられる。
また、図2(b)は、図2(a)のA−Aで切断した台紙無しラベルの拡大横断面図である。図2(b)に示すように、台紙無しラベル20Aは、上層より透明なシリコーン等からなる剥離剤層41と、サーマルヘッドの加熱により発色する感熱発色層42と、ホットメルト糊やエマルジョン糊等からなる粘着剤層43とから構成されている。
なお、図2(b)は感熱型のラベルプリンタに適用する台紙無しラベル20Aの例であり、インクリボンを備えた転写型のラベルプリンタに適用する台紙無しラベルは感熱発色層42が必要ない。
図2に示すような、台紙無しラベル20Aをラベル連続体20として使用した場合には、本発明の実施の形態に係るプラテンローラ14は特に有効に搬送性及び剥離性を良く発揮する。
なお、本発明の実施の形態に係るプラテンローラ14は、ダイレクト型(感熱型とも言う)にも、転写型(インクリボン型とも言う)のラベルプリンタに対応可能である。
図3は、プラテンローラ14を示す斜視図である。プラテンローラ14は、芯金28の周面に弾性体23を被覆してなり、弾性体23の左右に突出する芯金部分が回転軸28Aとして図示しない軸受に回転自在に支持される。これにより、ロール22から巻き出されたラベル連続体20の裏面を弾性体23の表面24により支持し、プラテンローラ14の回転軸28Aを図示しない駆動機構により回転させて、ラベル連続体20を搬送する。
そして、本発明の実施の形態に係るプラテンローラ14は、ローラ部分である弾性体23が、基材部と剥離部とにより構成されている。
図4は、本発明の実施形態に係るプラテンローラ14を示す図である。また、図5はプラテンローラ14を示す図4(a)中のB部分の拡大図である。図4において、弾性体23は、基材部30と剥離部32とで構成されている。本発明の実施の形態に係るプラテンローラ14は、基材部30と剥離部32とを有することによって、優れた剥離性と搬送性を有する。
図4に示す基材部30の材料は、特に限定されるものではないが、一般的にプラテンローラ14に使用される樹脂材料が好ましく使用される。また、一定の圧力をかけてラベル連続体20に印字を行うという観点より、例えば、シリコーン系またはウレタン系が使用される。本発明の実施の形態に係る基材部30の硬度Hは、JISスプリング式硬さ試験機A型による硬度で、40°≦H≦60°、望ましくは、45°≦H≦55°、より望ましくは、48°≦H≦52°に設定されている。基材部30の硬度Hが40°に満たないと、プラテンローラ14にラベル連続体20特に台紙無しラベル20Aが巻き付きやすくなる。逆に、基材部30の硬度Hが60°を越えると硬くなりすぎて、プラテンローラと台紙なしラベルとの摩擦係数が少なくなり、グリップ力が低下して滑りが生じやすくなる。すなわち、基材部30は、主として、プラテンローラ14に搬送力を付与するための部分として構成される。
剥離部32は、特に限定されるものではないが、一般に剥離材料として知られているものを使用することができる。例えば、シリコン系、シリコーン系、フッ素系、ワックス系、ポリエチレン系等が使用できる。中でも、シリコーン系の剥離材料を使用することが、ラベル連続体との相性により好ましい。例えば、台紙無しラベルの場合、シリコーンオイルにより構成された剥離部32は、優れた剥離性を発揮する。すなわち、剥離部32は、主として、プラテンローラ14に剥離力を付与するための部分として構成される。
また、剥離部32は、ゴム状及びゲル状であることが好ましい。特にゲル状であることが、ラベル連続体20との相性により好ましい。なお、本発明でいう、ゲル状とは、25℃において、ゾルにならず、定形性のある半固形状の状態をいう。ゲル状の剥離材料としては、例えば信越シリコーン社製、商品名:「シリコーンゲル」などがある。
剥離部32の硬度は、JISスプリング式硬さ試験機A型による硬度で、0度以上10度以下が好ましく、さらに好ましくは0度である。または、針入度(測定法はJIS K 2220 稠度試験法に準ずる)で、50以上100以下が好ましく、さらに好ましくは60以上90以下である。
図5に示すように、本発明の実施の形態に係るプラテンローラ14は、弾性体23表面に予め溝31を形成し、その溝31に剥離部32の材料である剥離材料を塗布して溝31を埋めることで、剥離部32を作製することができる。溝31は、弾性体23の表面24に規則的に配列をしていても良いし、不規則的に配列をしていても良い。プラテンローラ14の安定的な、搬送性、剥離性の発揮という観点から、溝31が規則的に配列していることが好ましい。
溝31が規則的に配列されている例としては、図4(a)に示したように、円柱状の弾性体23の円周方向に沿って溝31が複数設けられていても良いし、図4(b)に示したように、弾性体23の表面に溝31が菱形を形成するように配列されていても良い。また、菱形に限らず、例えば円形、三角形、四角形等、及びこれらの形状を混在させたものでもよい。
弾性体23に設けられる溝31の断面形状は、特に限定されず、V字型、凹型、U型、または波形等が考えられる。例えば、図5にV字型を示すように、溝31は傾斜する鏡面対称の一対の側面を有したV字状に作製されており、この一対の側面がなす角度αは、80°≦α≦100°、望ましくは、85°≦α≦95°に設定されている。αが80°未満である場合には、V字状が狭く上手く剥離材料が溝31に充填されないおそれがある。αが100°より大きいと、剥離部32が大きく成り過ぎてしまう。
図5に示す、弾性体23表面に設けられる溝31の深さDは、0.1mm≦D≦0.3mmであることが好ましい。深さDが0.1mm未満であると、剥離部32が直ぐに磨耗してしまったり、剥離部32が弾性体23表面から剥離して脱落してしまったりする問題が発生する。一方、深さが0.3mmより大きいと、剥離部32を形成する際に剥離材料を使用する量が増えてしまう。溝31の深さは、上記したV字型の溝に限定されず、凹型、U型、または波形等の場合も同様である。本発明の実施の態様に係るプラテンローラ14は、溝が剥離材料により埋められるため、印字の観点より、良好である。
本発明の実施の形態に係るプラテンローラ14は、剥離性に優れたプラテンローラである。ここでいう剥離性とは、ラベル連続体20のプラテンローラからの剥がれ易さである。剥離性が良くないと図10に示すように、ラベル連続体Lがプラテンローラ102に巻きとられてしまうという問題が発生する。
図6に示すように、弾性体23表面に、基材部30と剥離部32とを設けることにより、弾性体23表面には搬送力に寄与する基材部30と剥離力に寄与する剥離部32とが混在することになる。また、弾性体23表面に基材部30と剥離部32とを混在させることで、基材部30のみの場合に比べて搬送力の低下が懸念されるが、剥離部32の硬度を基材部30の硬度よりも小さくし、剥離部32の弾力性を大きくすることによって剥離性を維持したままラベル連続体20をグリップし易くした。これにより、ラベル連続体20、特に台紙無しラベル20Aを使用した場合であっても、搬送不良や剥離不良が生じることがない。
さらに、剥離部32を形成する剥離材料としてゲル材料を用いることにより、剥離部32の表面形状が剥離性にとって有効な形状になると考察される。すなわち、ゲル状材料である剥離材料を例えば溝31に充填して剥離部32を形成した後、弾性体23表面の基材部30と剥離部32とを均等に研磨しても、図7に示すように、ゲル材料で形成された剥離部32表面が基材部30表面よりも僅かではあるが盛り上がった形状になる。この盛り上がった剥離部32の形状がプラテンローラ14の剥離性向上に寄与しているものと考えられる。なお、図7では、剥離部32の盛り上がりが分かり易いように極端に図示してある。
図8は、剥離材料としてゲル材料を用いることで剥離性が向上するメカニズムの考察である。図7に示したように弾性体23の表面24の剥離部32が盛り上がった形状をしている場合であって、ラベル連続体20がプラテンローラ14とサーマルヘッド16とで挟み込まれて印字される時を示している。この時、剥離部32の盛り上がりは、挟み込まれる時のプラテンローラ14とサーマルヘッド16との押圧により潰れる。その後、盛り上がりが潰れた剥離部32が、プラテンローラ14の回転によりサーマルヘッドとプラテンローラとの押圧から解除されると、再び元の形状(盛り上がった形状)に戻る。この再び元に戻る時に、プラテンローラ14とサーマルヘッド16とに挟み込まれて弾性体23に貼り着いていたラベル連続体20が、弾性体23の表面24から剥離すると考えられる。さらに、前記のように剥離部32が盛り上がった形状をしている場合には、ラベル連続体搬送時、盛り上がった剥離部32とラベル連続体20とが主に接触するが、前記接触面での摩擦力は搬送性を向上させるのに十分であると考えられる。
本発明のプラテンローラ14は、搬送性が高いプラテンローラである。搬送性が高いとは、プラテンローラ14によってラベル連続体20を問題無く搬送できることをいう。ここでいう問題とは、ラベル連続体20がプラテンローラ14の表面24を上滑りしてしまい、ラベル連続体20を搬送できないことをいう。
本発明の実施の形態のプラテンローラ14において、弾性体23表面に形成される基材部30は、前記したように搬送力を発揮するに適した一定の硬度を有している。また、弾性体23表面に形成される剥離部32は、剥離材料で形成されているものの、基材部30よりも硬度が小さく弾力性がある。したがって、ラベル連続体20と弾性体23との間の摩擦力が働きラベル連続体20を精度良く搬送することが可能となる。特に、剥離部32の硬度は、上記したように、比較的低く設定されていることから、ラベル連続体20と剥離部32との摩擦力が十分になり、ラベル連続体20を搬送することが可能となる。
図9に示すように、本発明のプラテンローラ14は、芯金28と弾性体23の間に、1つまたは複数層の中間層34を設けてもよい。
本発明の剥離性及び搬送性に優れたプラテンローラを含むラベルプリンタ10は、上記説明したプラテンローラ14を備えているので、ラベル連続体の詰まり等の問題が発生しにくい。すなわち、本発明の実施の形態のプラテンローラ14は、剥離性が良いために、ラベル連続体20を巻き込むとうい問題が発生し難い。また、本発明の実施の形態のプラテンローラ14は搬送性に優れているため、ラベル連続体20がプラテンローラ14上を上滑りするような問題が発生しない。
本発明のプラテンローラ14は、例えば次のように製造することができる。
基材部30及び剥離部32を形成する前のプラテンローラ14の素材として、弾性体23の直径φ=10.1mmで、材質が市販のウレタン系樹脂材料で形成された硬度H=50°(重量12.5g)を用意し、この弾性体23の表面に深さD=0.15mmの三角形状の溝31を作製した(溝形成工程)。
次に、溝31が形成された弾性体23表面に、ゲル状材料からなる剥離材料(信越シリコーン社製、商品名:「シリコーンゲルKE−1052」)を含有する塗布液を全面塗布することにより、剥離材料を溝31内に埋め込んだ。
その後、塗布した塗布層を乾燥硬化した後、弾性体の表面24を研磨した。この研磨は、同一平面を作製するように行うが、基材部30と剥離部32との物質や硬度等の違いにより、研磨後の弾性体の基材部30と剥離部32とは、同一表面上になく、剥離部32が僅かに盛り上がった。
これにより、本発明の実施の形態のプラテンローラ14を作製することができる。
また、上記作製したプラテンローラ14は、図8で説明したように、弾性体23表面に形成される剥離部32の盛り上がりが、プラテンローラ14の剥離性向上に寄与することが考察される。したがって、本発明の実施の形態のプラテンローラ14を作製する際に、意図的に基材部30よりも剥離部32が盛り上がるように作製することも有効である。剥離部32の盛り上がり量の目安としては、ラベル連続体20をサーマルヘッド16とプラテンローラとで挟み込んだときに基材部30と剥離部32とが面一になる程度の盛り上がり量が好ましい。
なお、上記プラテンローラの製作において、上記プラテンローラ14の直径、周面のある部分の長さ、重量、及び溝の数等の条件は、必ずしもこれに限定されるものではなく、適宜変更して差し支えない。
10…ラベルプリンタ、12…ラベルプリンタ本体、14…プラテンローラ、16…サーマルヘッド、18…印字部、19…給紙軸、20…ラベル連続体、20A…台紙無しラベル、22…ラベル連続体のロール、22A…台紙無しラベル連続体のロール、23…弾性体、26…剥離バー、28…芯金、28A…回転軸、30…基材部、32…剥離部、41…剥離剤層、42…感熱発色層、43…粘着剤層、La…ミシン目、Lm…単体ラベル、S…センサ、T…タイミングマーク

Claims (10)

  1. 芯金の周面に弾性体を被覆してなるプラテンローラにおいて、前記弾性体の表面は、複数の基材部と、剥離材料からなる複数の剥離部とで構成されると共に、前記剥離部の硬度は前記基材部の硬度よりも小さいことを特徴とするプラテンローラ。
  2. 前記基材部はJISスプリング式硬さ試験機A型によるA硬度で40度以上60度以下であり、前記剥離部は前記A硬度で10度以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラテンローラ。
  3. 前記剥離部を構成する剥離材料はゲル状材料であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラテンローラ。
  4. 前記ゲル状材料はシリコーン系またはウレタン系であることを特徴とする請求項3に記載のプラテンローラ。
  5. 前記基材部は、前記弾性体と同じ材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のプラテンローラ。
  6. 前記剥離部は前記弾性体の表面に形成された溝に前記剥離材料が充填された構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のプラテンローラ。
  7. ラベル連続体の裏面をプラテンローラで支持してラベル連続体を搬送すると共に、前記プラテンローラに支持されたラベル連続体の表面にサーマルヘッドを当接させることにより印字を行うラベルプリンタにおいて、
    前記プラテンローラは、請求項1〜6のいずれか1つに記載のプラテンローラであることを特徴とするラベルプリンタ。
  8. 前記ラベル連続体は台紙無しラベルであることを特徴とする請求項7に記載のラベルプリンタ。
  9. 芯金の周面に弾性体を被覆してなるプラテンローラの製造方法において、
    前記弾性体の表面に溝を形成する溝形成工程と、
    前記溝が形成された前記弾性体表面に剥離材料含有塗布液を塗布して塗布層を形成することにより、前記溝に前記剥離材料を充填する塗布工程と、
    前記塗布層を乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥後の塗布層を前記弾性体表面が露出するまで研磨する研磨工程と、を備えたことを特徴とするプラテンローラの製造方法。
  10. 前記剥離材料は前記乾燥によりゲル状に固化するゲル材料であることを特徴とする請求項9に記載のプラテンローラの製造方法。
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