JP2013049146A - ローラ、搬送装置、および印字装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 裏面2に粘着剤層4を有した帯状の台紙なしラベルLをプラテンローラ20の周面21で支持しサーマルヘッド12により印字を行うことのできる印字装置Sにおいて、プラテンローラ20を、シリコーンゴムで形成し、その硬度Hを、40°≦H≦60°に設定し、プラテンローラ20の周面21に、その円周方向に沿う溝23を、プラテンローラ20の軸方向に沿って等間隔で複数設け、溝のピッチPを、0.5mm≦P≦3mmに設定し、且つ、台紙なしラベルLの裏面を支持する周面における該裏面が接触する接触面の接触面積率Sxを、60%≦Sx≦80%_設定した。
【選択図】 図2
Description
また、この台紙なしラベルLは、上層より透明なシリコン等からなる非粘着剤層1と、サーマルヘッドの加熱により発色する感熱発色層2と、該感熱発色層2の裏面に印字装置が図示外の光センサにより検知し帯状の台紙なしラベルLの搬送を制御するためのマーク3と、ホットメルト糊やエマルジョン糊等からなる透明な粘着剤層4とから構成されている。
また、帯状の台紙なしラベルLに印字する際は、サーマルヘッドの発熱体が帯状の台紙なしラベルLの表面(非粘着剤層1)に接し、非粘着剤層1を介して感熱発色層2が加熱されることにより発色し、ヒューマン文字やバーコード等の印字がなされるため、非粘着剤層1の層が厚過ぎると印字が掠れ印字品質が損なわれる原因となる。
よって、非粘着剤層1の非粘着力と粘着剤層4の粘着力のバランスが要求されるものであり、通常の台紙があるラベルとはその特性が異なるものである。
このような欠点を解消するために、例えば、プラテンローラの周面に、その円周方向に沿う溝を、プラテンローラの軸方向に沿って複数設け、プラテンローラの台紙なしラベルに対する接触面積を減らし、粘着剤層による粘着力を弱めて、台紙なしラベルを搬送することも考えられる。プラテンローラに溝を形成する技術は、その目的を異にするが、例えば、特許文献2(特開2005−231218号公報)に掲載されている。
仮に適用して考えても、単位長さ当たりの溝の幅が大きかったり溝の数が多くなって、プラテンローラの周面に対する台紙なしラベルの粘着剤層の接触面積率が小さくなりすぎてしまうと、その場合には、サーマルヘッドによる押さえが低下して、プラテンローラに対して台紙なしラベルの滑りが生じやすくなるので、台紙なしラベルが正しく搬送されず印字伸縮等が生じ、印字品質を損なう。
さらに、小型でハンディ型の上記印字装置では、台紙なしラベルの搬送機構がプラテンローラのみとなるため、上記の不具合が顕著に発生する問題があった。
上記周面に、その円周方向に沿う溝を、軸方向に沿って複数設け、且つ、上記台紙なしラベルの裏面を支持する周面における該裏面が接触する接触面の接触面積率Sxを、60%≦Sx≦80%に設定したことを特徴とする。
そして、必要に応じ、上記複数の溝を等間隔に設け、該溝のピッチPを、0.5mm≦P≦3mmにしたことを特徴とする。
そして、必要に応じ、シリコーンゴムで形成され、硬度Hが、40°≦H≦60°であることを特徴とする。
そして、必要に応じ、上記溝の深さDを、0.1mm≦D≦0.3mmにしたことを特徴とする。
そして、必要に応じ、上記溝を傾斜する鏡面対称の一対の側面を有したV字状に形成し、該一対の側面がなす角度αを、80°≦α≦100°にしたことを特徴とする。
そして、必要に応じ、上記記載のローラを有する搬送装置を特徴とする。
上記プラテンローラの周面に、その円周方向に沿う溝を、該プラテンローラの軸方向に沿って複数設け、且つ、上記台紙なしラベルの裏面を支持する周面における該裏面が接触する接触面の接触面積率Sxを、60%≦Sx≦80%に設定したことを特徴とする印字装置。
そして、必要に応じ、上記複数の溝を上記プラテンローラの軸方向に沿って等間隔に設け、該溝のピッチPを、0.5mm≦P≦3mmにしたことを特徴とする。
そして、必要に応じ、上記プラテンローラを、シリコーンゴムで形成し、該プラテンローラの硬度Hを、40°≦H≦60°にしたことを特徴とする。
そして、必要に応じ、上記溝の深さDを、0.1mm≦D≦0.3mmにしたことを特徴とする。
そして、必要に応じ、上記溝を傾斜する鏡面対称の一対の側面を有したV字状に形成し、該一対の側面がなす角度αを、80°≦α≦100°にしたことを特徴とする。
上記プラテンローラの周面に、その円周方向に沿う溝を複数設け、且つ、上記台紙なしラベルと上記プラテンローラの接触面の接触面積率Sxを、60%≦Sx≦80%としたことを特徴とする。
そして、必要に応じ、上記台紙なしラベルの厚さは、0.1μm以上であることを特徴とする。
尚、本実施の形態の台紙なしラベルLは、図12(a)(b)に示したものを用いて説明するため、その詳細を省略する。
プラテンローラの硬度Hが40°に満たないと、プラテンローラに台紙なしラベルが巻き付きやすくなる。
逆に、プラテンローラの硬度Hが60°を越えると硬くなりすぎて、プラテンローラと台紙なしラベルとの摩擦係数が少なくなり、グリップ力が低下して滑りが生じやすくなる。また、プラテンローラとサーマルヘッドの発熱体との接触面積が少なくなるため、印字が正しくされるポイントが小さくなることから、台紙なしラベルの厚さや基材が変わる度にサーマルヘッドの発熱体とプラテンローラの当たり角度の調整が必要となるなどの煩雑さが生じる。
実施の形態では、H=50°に設定されている。
溝23は、傾斜する鏡面対称の一対の側面を有したV字状に形成されており、この一対の側面がなす角度αは、80°≦α≦100°、望ましくは、85°≦α≦95°に設定されている。
プラテンローラ20の溝23は、溝形状として凹型、U型、または波形等が考えられるが、印字を鮮明に行うためにサーマルヘッド12をプラテンローラ20に向けヘッド圧をかけた場合、上記プラテンローラ20の硬度Hの範囲、溝23のV字状、および角度αの範囲により、台紙なしラベル裏面の粘着剤層4がプラテンローラ20の周面21である溝23に入り込むことが無く、また、ヘッド圧により溝23が変形されにくいため、適度な摩擦係数となり、台紙なしラベルの搬送と印字を適切に行うことができる。
実施の形態ではα=90°に設定されている。
プラテンローラ20の溝23の深さDが0.1mmに満たないと、浅すぎて台紙なしラベルLの粘着剤層4が溝23に粘着し易くなり、0.3mmを越えるとプラテンローラ20の硬度Hが保てなくなる。
実施の形態では、D=0.15mmに設定されている。
溝23のピッチPが0.5mmに満たないと、接着面が多くなりプラテンローラに台紙なしラベルが巻き付きやすくなる。溝23のピッチPが3mmを越えると、溝23の幅が少なくなりすぎ、プラテンローラと台紙なしラベルとの摩擦係数が少なくなり、グリップ力が低下して滑りが生じやすくなる。これにより、溝23と接触面との分散の仕方が適正になる。
実施の形態では、P=1mmに設定されている。
接触面積率Sxは、例えば、1ピッチ(P=1mm)当たり接触面24の幅Eを0.4mmに設定した場合にSx=40%、幅Eを0.5mmに設定した場合にSx=50%、幅Eを0.6mmに設定した場合にSx=60%、幅Eを0.7mmに設定した場合にSx=70%、幅Eを0.8mmに設定した場合にSx=80%、幅Eを0.9mmに設定した場合にSx=90%、幅Eを1.0mmに設定した場合にSx=100%(溝なし)となる。
接触面積率Sxが60%に満たないと、プラテンローラ20の周面21に対する台紙なしラベルLの粘着剤層4の接触面積率が小さくなりすぎてしまい、その場合には、サーマルヘッド12による押さえが低下して、プラテンローラ20に対して台紙なしラベルLの滑りが生じやすくなるので、台紙なしラベルが正しく搬送されず印字伸縮等が生じ、印字品質を損なう。
一方、接触面積率Sxが80%を超えると、プラテンローラ20の周面21に対する台紙なしラベルLの粘着剤層4の接触面積率が大きくなりすぎてしまい、台紙なしラベルLの粘着剤層4のプラテンローラ20に対する粘着力が実質的に強くなるので、プラテンローラ20に巻き込まれてしまう事態をしばしば生じさせてしまう。
これにより、プラテンローラ20の周面21に対する台紙なしラベルLの粘着剤層4の接触面積率が適正な範囲に設定されることになる。
実施の形態では、1ピッチ(P=1mm)当たり接触面24の幅EがE=0.7mmに設定され、これにより、Sx=70%に設定されている。
駆動機構を駆動して、プラテンローラ20を回転させ、ロールRから台紙なしラベルLを搬送して繰り出し、この繰り出された台紙なしラベルLの裏面(粘着剤層4)をこのプラテンローラ20の周面21で支持し、プラテンローラ20の周面21上の台紙なしラベルLの表面(非粘着剤層1)に当接させたサーマルヘッド12により印字を行う。プラテンローラ20は、印字が終了した台紙なしラベルLを外部に排出し、図示外の光センサによる台紙なしラベルLのマーク3の検知に基づいて、駆動機構を停止させ、台紙なしラベルLを所定位置に位置決めする。この状態で、ミシン目Lmを切断することにより先端の単体ラベルLaを分離する。印字した台紙なしラベルLを切断して取り出した後、残された最先端のラベルは、プラテンローラ20上に停止し、次の印字まで待機させられる。
次に、実験例について示す。この実験例では、図2および図3に示すように、シリコーンゴム製のプラテンローラ20の素材として、直径φ=10.1mm、周面21のある部分の長さMが47mmのもので、硬度Hは、硬度H=50°(重量12.5g)と、H=70°(重量13.0g)のものを用意し、上記の各硬度Hのプラテンに対し、角度α=90°、深さD=0.15mmの溝23を、種々のピッチPに形成して、接触面積率Sxを、40%,50%,60%,70%,80%,90%,100%(溝なし)のものを作成し、これらについて、各種実験を行った。
また、帯状の台紙なしラベルLとして、一般に用いられ、粘着剤層4が粘着力の比較的低い弱糊と比較的強い強糊との2種のものを使用した。
これは、台板上に弱糊の台紙なしラベルLの粘着剤層4を上面にして露出させ固定し、この粘着剤層4に、各プラテンローラ20を、2Kgで15秒間荷重をかけて接着させ、それから台板を傾斜させて、各プラテンローラ20が転動し始めるときの転がり角度θを測定した。気温条件は25℃、湿度条件は40%であった。
結果を、図4(硬度H=50°)及び図5(硬度H=70°)に示す。
これは、固定台上に弱糊及び強糊の台紙なしラベルLの粘着剤層4を上面にして露出させ固定し、この粘着剤層4に、各プラテンローラ20を、2Kgで15秒間荷重をかけて接着させ、回転軸22の両端から5mmのところを持ち上げて、粘着剤層4から離脱するときの荷重を測定した。気温条件は25℃、湿度条件は40%であった。
結果を、図4(硬度H=50°)及び図5(硬度H=70°)に示す。
各プラテンローラ20を、上記の印字装置Sに装着し、夫々において、印字を行い、印字の伸縮率を測定した。条件は低温(気温0℃)、常温(気温25℃、湿度40%)、高温(気温35℃、湿度75%)の3条件下で行った。結果を、図6(硬度H=50°)及び図7(硬度H=70°)に示す。
これは、接触面積率Sxが60%,70%,80%,90%,100%(溝なし)のプラテンローラ(硬度H=50°及び硬度H=70°)について、先ず、台紙なしラベルLの先端をプラテンローラ20とサーマルヘッド12で挟持し、所定時間、所定の環境で放置する。所定時間は、30分,1時間,3時間,6時間,12時間,24時間とした。所定の環境としては、低温(気温0℃),常温(気温25℃、湿度40%),高温(気温35℃、湿度75%))の3条件とした。
そして、この各所定時間の後、台紙なしラベルのフィード動作を行い、巻き込み等のジャムが無いかを見た。結果を、図8(硬度H=50°)及び図9(硬度H=70°)に示す。図中、○印は、正常に用紙がフィードされたことを示し、×印は、巻き込み等のジャムが発生したことを示す。
そのため、接触面積率Sxが、60%≦Sx≦80%の範囲において適正であると考えられた。また、硬度H=50°に比べ硬度H=70°の方が離反性が良いことが判る。
これは、各接触面積率Sxのものにおいて、所定の厚さの台紙なしラベルLにバーコードを印字し、印字結果をバーコード検証機にかけ、読み取り率を見てランク分けした。所定の厚さとしては、0.06μm,0.08μm,0.10μm,0.12μm,0.14μm,0.16μm,0.18μmの7種類を用意した。結果を、図10(硬度H=50°)及び図11(硬度H=70°)に示す。図中、A,B,C,Dは読み取り率のランク順を示し、Aランクは最高で、Dランクが最低になる。
よって、プラテンローラ20の硬度は、高い方(硬度H=70°)より低い方(硬度H=50°)が良いことが判った。
L 台紙なしラベル
La 単体ラベル
Lm ミシン目
R ロール
1 非粘着剤層
2 感熱発色層
3 マーク
4 粘着剤層
10 プリンタ本体
11 ロール収納部
12 サーマルヘッド
13 剥離バー
20 プラテンローラ
21 周面
22 回転軸
23 溝
24 接触面
また、この台紙なしラベルLは、上層より透明なシリコン等からなる非粘着剤層1と、サーマルヘッドの加熱により発色する感熱発色層2と、該感熱発色層2の裏面に印字装置が図示外の光センサにより検知し帯状の台紙なしラベルLの搬送を制御するためのマーク3と、ホットメルト糊やエマルジョン糊等からなる透明な粘着剤層4とから構成されている。
Claims (14)
- 台紙なしラベルと接触する円柱状のローラであって、
周面に、その円周方向に沿う溝を複数設け、且つ、上記台紙なしラベルとの接触面の接触面積率Sxを、60%≦Sx≦80%としたことを特徴とするローラ。 - 裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベルを搬送し、この搬送過程で該台紙なしラベルの裏面を回転軸を中心に回転可能な円柱状の周面で支持するローラであって、
上記周面に、その円周方向に沿う溝を、軸方向に沿って複数設け、且つ、上記台紙なしラベルの裏面を支持する周面における該裏面が接触する接触面の接触面積率Sxを、60%≦Sx≦80%に設定したことを特徴とするローラ。 - 上記複数の溝を等間隔に設け、該溝のピッチPを、0.5mm≦P≦3mmにしたことを特徴とする請求項1乃至2何れかに記載のローラ。
- シリコーンゴムで形成され、硬度Hが、40°≦H≦60°であることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のローラ。
- 上記溝の深さDを、0.1mm≦D≦0.3mmにしたことを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載のローラ。
- 上記溝を傾斜する鏡面対称の一対の側面を有したV字状に形成し、該一対の側面がなす角度αを、80°≦α≦100°にしたことを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載のローラ。
- 請求項1乃至6何れかに記載のローラを有することを特徴とする搬送装置。
- 裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベルを搬送し、この搬送過程で該台紙なしラベルの裏面を回転軸を中心に回転可能な円柱状のプラテンローラの周面で支持するとともに、上記台紙なしラベルの表面にサーマルヘッドを当接させて印字を行うことのできる印字装置において、
上記プラテンローラの周面に、その円周方向に沿う溝を、該プラテンローラの軸方向に沿って複数設け、且つ、上記台紙なしラベルの裏面を支持する周面における該裏面が接触する接触面の接触面積率Sxを、60%≦Sx≦80%に設定したことを特徴とする印字装置。 - 上記複数の溝を上記プラテンローラの軸方向に沿って等間隔に設け、該溝のピッチPを、0.5mm≦P≦3mmにしたことを特徴とする請求項8記載の印字装置。
- 上記プラテンローラを、シリコーンゴムで形成し、該プラテンローラの硬度Hを、40°≦H≦60°にしたことを特徴とする請求項8乃至9何れかに記載の印字装置。
- 上記溝の深さDを、0.1mm≦D≦0.3mmにしたことを特徴とする請求項8乃至10何れかに記載の印字装置。
- 上記溝を傾斜する鏡面対称の一対の側面を有したV字状に形成し、該一対の側面がなす角度αを、80°≦α≦100°にしたことを特徴とする請求項8乃至11何れかに記載の印字装置。
- 裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベルと、
上記台紙なしラベルを搬送し、この搬送過程で該台紙なしラベルの裏面と接触するプラテンローラと、
上記台紙なしラベルの表面に当接して印字を行うサーマルヘッドと、を有する印字装置であって、
上記プラテンローラの周面に、その円周方向に沿う溝を複数設け、且つ、上記台紙なしラベルと上記プラテンローラの接触面の接触面積率Sxを、60%≦Sx≦80%としたことを特徴とする印字装置。 - 上記台紙なしラベルの厚さは、0.1μm以上であることを特徴とする請求項13に記載の印字装置。
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