JPH0876630A - 定着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒートローラの表面の磨耗を防止する。 【構成】 分離爪５を回転自在に設け、その先端部５ａ
を定着器カバ１０に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真プリンタや複
写機内などで使用され、用紙上のトナーを定着させる定
着装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真プリンタや複写機内など
で使用される定着装置は、加熱されたヒートローラとヒ
ートローラに圧接対向したバックアップローラとで構成
される。これは、加熱および加圧された一対のローラ間
に未定着トナー画像を表面に有する用紙を通過させるこ
とにより、瞬間的に熱を加えてトナーを定着させるもの
である。この方法による定着方法は、熱効率が非常に良
く、他の定着方法と比較して高速化が容易である点など
数多くの利点があるので、最近の電子写真プリンタのほ
とんどに用いられている。

【０００３】このような定着装置の回転可能なヒートロ
ーラには、回転自在のバックアップローラが圧接され
る。また、回動自在の分離爪がヒートローラの軸方向に
沿って複数個取り付けられ、分離爪の先端部は、圧縮ス
プリングによりヒートローラの表面に圧接している。こ
の分離爪の先端部がヒートローラに圧接する位置は、ヒ
ートローラとバックアップローラとの圧接位置よりも用
紙の排出方向側であり、分離爪の先端部がヒートローラ
に圧接する力は、用紙を分離するのに十分で、かつヒー
トローラの表面を磨耗させない程度に設定されている。

【０００４】また分離爪には、その先端部の近傍に、案
内部材としての回転自在のガイドローラが取り付けられ
る。ガイドローラは、その外周面が分離爪の先端部につ
ながる用紙すくい面よりも下側に突出するように位置付
けられる。

【０００５】加熱したヒートローラとバックアップロー
ラとの間に用紙が搬送されると、用紙に付着した未定着
トナーはヒートローラの熱により溶融し、粘着性を帯び
て用紙に定着する。ヒートローラとバックアップローラ
が回転すると、用紙はトナーの粘着性によりヒートロー
ラに貼り付いたまま分離爪の先端部が当接する位置まで
運ばれ、分離爪により分離される。次に用紙の先端は、
ガイドローラに当接し、ガイドローラの回転により排出
口方向へ案内されながら搬送される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の定着装置にあっ
ては、分離爪で分離された用紙がガイドローラに案内さ
れながら搬送されると、用紙とガイドローラとの当接面
にガイドローラをヒートローラ側へ押す力が発生し、ガ
イドローラは分離爪に設けられているので、分離爪がヒ
ートローラ側へ押されて、分離爪の先端部がヒートロー
ラの周面を圧接する力が通常よりも大きくなり、ヒート
ローラの表面の磨耗が早まって寿命が短くなるという問
題点があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の定着装置にあっては、ガイドローラを分離
爪とは別の固定部材に設けた。

【０００８】

【作用】上記のように構成された定着装置の分離爪で分
離された用紙がガイドローラに案内されながら搬送され
ると、用紙とガイドローラとの当接面にガイドローラを
ヒートローラ側へ押す力が発生しても、ガイドローラは
分離爪とは別の固定部材に設けられているので、分離爪
の先端部がヒートローラの周面を圧接する力は通常の大
きさに保持される。

【０００９】

【実施例】本発明の位置実施例について図面を参照しな
がら説明する。なお、各図面に共通な要素には同一の符
号を付す。図１は本発明の一実施例を示す側断面図、図
２は図１のＡ−Ａ断面矢視図である。

【００１０】図１において、定着装置１に設けられたヒ
ートローラ２は、中央にヒータ３を有している。バック
アップローラ４は、図示せぬ押圧手段により、ヒートロ
ーラ２に圧接している。ヒートローラ２は、アルミニウ
ムやステンレスなどの金属パイプからなり、ヒートロー
ラ２の表面には、フッソ系樹脂、あるいはシリコンゴム
などの非粘着性を有する物質が被覆加工されている。

【００１１】これは加熱されたヒートローラ２が未定着
のトナー画像に直接触れるので、ヒートローラ２がトナ
ーに対して十分な剥離性を有していなければならないか
らである。また、バックアップローラ４は、硬度の低い
シリコンゴムからなる。それゆえ、ヒートローラ２とバ
ックアップローラ４との圧接により、ニップゾーン（ａ
−ｂ点間）が形成されている。

【００１２】図示せぬ本体装置の筐体には、分離爪５が
軸６を中心にして矢印Ｂ−Ｂ´方向に回動可能に取り付
けられている。分離爪５は、ヒートローラ２に張り付い
た用紙を９をヒートローラ２から分離するもので、印刷
できる許容用紙サイズに応じてヒートローラ２の軸方向
に複数個（４〜６個）設けられている。

【００１３】分離爪５と筐体７との間には、分離爪５を
常に矢印Ｃ方向に引っ張り上げて、分離爪５の先端部５
ａをヒートローラ２の表面のｃ点に圧接させる圧縮スプ
リング８が取り付けられる。圧縮スプリング８は、先端
部５ａの圧接力が用紙９を分離するのに十分で、かつヒ
ートローラの表面を磨耗させない程度にその引張り力が
調節されている。

【００１４】なお、分離爪５は、機械的強度や耐熱性
（高温で変化しにくい）に優れた液晶ポリマー、ポリイ
ミドなどのプラスチックが基材として使用され、全面に
ヒートローラ２の表面と同様の非粘着性でヒートローラ
２を傷付けにくいフッソ系樹脂などが被覆加工されてい
る。

【００１５】図２において、定着装置１の定着器カバ１
０には、ホルダ１０ａ、１０ｂ、１０ｃが設けられてい
る。支持部材であるワイヤ１１の端部１１ａ、１１ｂは
ホルダ１０ａ、１０ｂに、凸形状部１１ｃはホルダ１０
ｃにそれぞれ支持される。分離爪５は、このワイヤ１１
の凸形状部１１ｃの間隙内に位置する。

【００１６】分離爪５とホルダ１０ａ、１０ｂとの間に
挟まれた位置には、それぞれワイヤ１１に案内部材とし
てのガイドローラ１２ａ、１２ｂが回転自在に取り付け
られる。図１に示すように、ガイドローラ１２ａ、１２
ｂは、その外周面が分離爪５の先端部５ａにつながる用
紙すくい面５ｂよりも下側に突出するように位置付けら
れ、ヒートローラ２から分離された用紙９を排出口方向
へ案内する。

【００１７】上述したような一実施例の定着装置１の用
紙分離動作について説明する。図示せぬ本体装置の電源
を投入してヒートローラ２を矢印Ｄ方向に回転する。ヒ
ートローラ２の回転によりバックアップローラ４が矢印
Ｄ´方向に回転する。トナー画像を付着させた用紙９が
図示せぬ搬送ローラにより定着装置１に搬送されると、
用紙９はヒートローラ２とバックアップローラ４とによ
りニップゾーンで圧接挟持され、トナーはヒートローラ
２の熱により溶融し、粘着性を帯びて用紙９に定着する
と共にヒートローラ２にも貼り付こうとする。

【００１８】しかしヒートローラ２の剥離性により、定
着が終了した用紙９は、図１中のｂ点でヒートローラ２
から剥がれ、ヒートローラ２とバックアップローラ４と
の搬送力により、矢印Ｅ方向で示すｂ点における接線方
向へ搬送される。そして用紙９は、定着装置１から搬出
されて図示せぬ排出口へ搬送される。

【００１９】また、表面の平滑度が高く、厚さが薄く腰
の弱い用紙９にイラストや写真などのベタ黒のようにト
ナー像の占有面積の大きい画像を定着させる場合や、ヒ
ートローラ２の剥離性が低下している場合、定着時にヒ
ートローラ２と用紙９とのトナーとの接着力が通常の定
着時の接着力よりも増加し、定着後用紙９はヒートロー
ラ２から剥がれない。ヒートローラ２とバックアップロ
ーラ４は回転しているので、用紙９はヒートローラ２に
貼り付いた状態でｃ点まで運ばれ、ｃ点で分離爪５によ
り分離される。

【００２０】分離された用紙９は、ヒートローラ２に貼
り付いていたことにより、ヒートローラ２の形状に沿っ
てカールした状態でガイドローラ１２ａに当接する。ガ
イドローラ１２ａは、用紙９の搬送力により矢印Ｄ方向
に回転しながら用紙９をカール方向とは逆向きに湾曲さ
せ、カールを修正しながら排出口へ搬送する。

【００２１】この用紙９がガイドローラ１２ａ、１２ｂ
に当接し、カールを修正されながら搬送されるとき、用
紙９とガイドローラ１２ａ、１２ｂとの接触面には、ガ
イドローラ１２ａをヒートローラ２側へ押す力が発生す
る。ここで、ガイドローラ１２ａ、１２ｂは定着器カバ
１０に設けられているので、ガイドローラ１２ａ、１２
ｂの位置が移動することはない。また、分離爪５もガイ
ドローラ１２ａ、１２ｂの回転に力の影響を受けること
なく、その先端部５ａがヒートローラ２の周面を圧接す
る力は通常の大きさに保持される。

【００２２】このように、ガイドローラを定着器カバに
設けたことにより、分離爪の先端部がヒートローラを圧
接する力は、用紙がカールしていても案内部材がないと
きと同程度にすることができ、ヒートローラの表面の磨
耗を防止することができる。また、案内部材を定着器カ
バに設けることにより、他の固定部材を特別に設ける必
要がなく、定着装置の製造を簡単にすることが可能とな
る。また、案内部材を耐熱性、および非粘着性のあるロ
ーラで形成し、分離爪の先端部の近傍両側に用紙すくい
面からわずかに突出させて設けたことにより、分離した
用紙のガイドをより安定させることが可能となる。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００２４】すなわち、ガイドローラを分離爪とは別の
固定部材に設けたことにより、分離爪の先端部がヒート
ローラの周面を圧接する力が一定に保持されるので、ヒ
ートローラの表面の磨耗を防止して寿命を長くすること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面矢視図である。

【符号の説明】

１ 定着装置 ２ ヒートローラ ５ 分離爪 １０ 定着器カバ １２ａ、１２ｂ ガイドローラ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒートローラにより用紙上のトナーを熱
   定着させた後、先端部をヒートローラに圧接した分離爪
   により上記ヒートローラから上記用紙を分離し、上記分
   離爪の先端部の近傍に設けられた案内部材により用紙を
   ガイドする定着装置において、 上記案内部材を上記分離爪とは別の固定部材に設けたこ
   とを特徴とする定着装置。
2. 【請求項２】 上記固定部材は、定着器カバの一部であ
   る請求項１記載の定着装置。
3. 【請求項３】 上記案内部材を、上記分離爪の先端部の
   近傍両側に用紙すくい面からわずかに突出させて設けた
   請求項１、または請求項２記載の定着装置。
4. 【請求項４】 上記案内部材を耐熱性、および非粘着性
   のあるローラで形成した請求項１、または請求項２の定
   着装置。