JP6413966B2 - キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置 - Google Patents

キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6413966B2
JP6413966B2 JP2015146785A JP2015146785A JP6413966B2 JP 6413966 B2 JP6413966 B2 JP 6413966B2 JP 2015146785 A JP2015146785 A JP 2015146785A JP 2015146785 A JP2015146785 A JP 2015146785A JP 6413966 B2 JP6413966 B2 JP 6413966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switch
inner cylinder
switched
outboard motor
entry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015146785A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017027840A (ja
Inventor
洋平 仲野
洋平 仲野
俊哉 片岡
俊哉 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2015146785A priority Critical patent/JP6413966B2/ja
Priority to US15/212,426 priority patent/US9884673B2/en
Publication of JP2017027840A publication Critical patent/JP2017027840A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6413966B2 publication Critical patent/JP6413966B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H21/00Use of propulsion power plant or units on vessels
    • B63H21/21Control means for engine or transmission, specially adapted for use on marine vessels
    • B63H21/213Levers or the like for controlling the engine or the transmission, e.g. single hand control levers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H20/00Outboard propulsion units, e.g. outboard motors or Z-drives; Arrangements thereof on vessels
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05GCONTROL DEVICES OR SYSTEMS INSOFAR AS CHARACTERISED BY MECHANICAL FEATURES ONLY
    • G05G1/00Controlling members, e.g. knobs or handles; Assemblies or arrangements thereof; Indicating position of controlling members
    • G05G1/04Controlling members for hand actuation by pivoting movement, e.g. levers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R25/00Fittings or systems for preventing or indicating unauthorised use or theft of vehicles
    • B60R25/01Fittings or systems for preventing or indicating unauthorised use or theft of vehicles operating on vehicle systems or fittings, e.g. on doors, seats or windscreens
    • B60R25/04Fittings or systems for preventing or indicating unauthorised use or theft of vehicles operating on vehicle systems or fittings, e.g. on doors, seats or windscreens operating on the propulsion system, e.g. engine or drive motor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H20/00Outboard propulsion units, e.g. outboard motors or Z-drives; Arrangements thereof on vessels
    • B63H2020/003Arrangements of two, or more outboard propulsion units
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H21/00Use of propulsion power plant or units on vessels
    • B63H21/21Control means for engine or transmission, specially adapted for use on marine vessels
    • B63H2021/216Control means for engine or transmission, specially adapted for use on marine vessels using electric control means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Switches With Compound Operations (AREA)
  • Lock And Its Accessories (AREA)

Description

本発明は、キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置に関する。特には、キーレスエントリーシステムの認証のためのスイッチと、エンジンの始動と停止を操作するためのスイッチとを有する船外機のスイッチ装置に関する。
従来、駆動力源としてエンジン(内燃機関)を有する船外機を操作するためのリモートコントロールユニットには、エンジンの始動と停止を操作するためのスタート/ストップスイッチが設けられる。一般に、このスタート/ストップスイッチは、ピンシリンダー錠に連動するスイッチなどのように、操作の際に機械式の鍵が必要となるスイッチが適用される。
一方、キーレスエントリーシステムを有する船外機のリモートコントロールユニットには、前述のスタート/ストップスイッチに加え、キーレスエントリーシステムに認証処理を行わせるためのエントリースイッチが設けられる。この場合、スタート/ストップスイッチとエントリースイッチには、操作に機械式の鍵を用いない(操作のために機械式の鍵が不要な)スイッチが用いられる。また、キーレスエントリーシステムを有する船外機のリモートコントロールユニットには、認証に用いる携帯機や電子キーがない場合において、ECMに電力を供給するエマージェンシー電源スイッチが設けられる。エマージェンシー電源スイッチには、船外機の盗難の防止の観点から、操作に機械式の鍵を用いる(操作のために機械式の鍵が必要となる)スイッチが適用される。
このように、キーレスエントリーシステムを有する船外機のリモートコントロールユニットには、エントリースイッチと、スタート/ストップスイッチと、エマージェンシー電源スイッチと、の3つのスイッチが設けられる。そして、エントリースイッチとスタート/ストップスイッチとには、機械式の鍵を用いずに操作するスイッチが適用され、エマージェンシー電源スイッチには、機械式の鍵を用いて操作するスイッチが適用される。したがって、キーレスエントリーシステムを有する船外機のリモートコントロールユニットには、鍵付単接点スイッチと、鍵無の2接点スイッチ(2ポジションスイッチ)が必要になる。
ところで、従来のサイドマウントリモコンと呼ばれる船外機のリモートコントロールユニットには、スロットルと、シフトレバーと、電源スイッチとスタート/ストップスイッチが一体化されたメインスイッチと、エマージェンシーストップスイッチとが設けられている。このため、さらに他のスイッチ、すなわち、キーレスエントリーシステムにエントリー動作を行わせるためのエントリースイッチの配置スペースの確保が困難である。したがって、サイドマウントリモコンと呼ばれるリモートコントロールボックスを用いる船外機には、キーレスエントリーシステムを適用することが困難であった。
なお、一つの操作ノブにより複数のスイッチを操作する構成として、特許文献1には、一つのイグニッションスイッチにより複数の船外機を操作する構成が記載されている。しかしながら、先行技術文献1には、鍵を用いて操作するスイッチと鍵を用いずに操作するスイッチとを共通の操作ノブにより操作する構成は開示されていない。また、先行技術文献1に記載の構成では、鍵を用いずに操作するスイッチには適用できないから、キーレスエントリーシステムを有する船外機には適用できない。
特開2012−1026号公報
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、エントリースイッチとスタート/ストップスイッチの配置スペースの省スペース化を図ることである。
前記課題を解決するため、本発明は、キーレスエントリーシステムに認証処理を行わせるためのエントリースイッチと、エンジンの始動と停止を操作するためのスタート/ストップスイッチと、エマージェンシー電源スイッチとを有する船外機のスイッチ装置であって、使用者が、前記エントリースイッチのONとOFFとを切替える操作と、前記スタート/ストップスイッチのONとOFFとを切替える操作と、前記エマージェンシー電源スイッチのONとOFFとを切替える操作をするための一つの共通の操作部材をさらに有し、前記エントリースイッチと前記スタート/ストップスイッチと前記エマージェンシー電源スイッチは、前記一つの共通の操作部材の動きに応じてONとOFFとが切替わるスイッチであり、前記エントリースイッチと前記エマージェンシー電源スイッチは、前記一つの共通の操作部材の回転に連動してONとOFFとが切替わり、前記一つの共通の操作部材の前記エントリースイッチのONとOFFとが切替わる動作の方向と、前記エマージェンシー電源スイッチのONとOFFとが切替わる動作の方向とは、互いに異なることを特徴とする。
前記エントリースイッチは、前記操作部材の回転に連動してONとOFFとが切替わるスイッチであり、前記スタート/ストップスイッチは、前記操作部材の直線移動に連動してONとOFFとが切替わるスイッチである構成が適用できる。
前記操作部材が回転して前記エントリースイッチがONである場合には、前記操作部材が直線移動しても、前記スタート/ストップスイッチはOFFからONに切替わらない構成が適用できる。
前記操作部材が回転して前記エマージェンシー電源スイッチがONである場合には、前記操作部材が直線移動すると前記スタート/ストップスイッチのONとOFFとが切替わる構成が適用できる。
外筒と、機械式の鍵を挿抜可能な鍵穴が設けられ前記外筒に回転可能に収容される内筒と、を有するピンシリンダー錠をさらに有し、前記操作部材は、前記内筒を含み、前記内筒は、前記鍵穴に前記機械式の鍵が挿入されていないと、前記機械式の鍵を挿抜可能な位置から所定の一方向に回転可能であるが、前記所定の一方向とは反対方向には回転できず、前記鍵穴に前記鍵が挿入されていると、前記挿抜可能な位置から前記反対方向に回転可能となり、前記内筒が前記機械式の鍵を挿抜可能な位置から前記所定の一方向に回転すると、前記エントリースイッチはOFFからONに切替わり、前記内筒が前記機械式の鍵を挿抜可能な位置から前記反対方向に回転すると、前記エマージェンシー電源スイッチはOFFからONに切替わる構成が適用できる。
前記内筒に着脱可能で、前記鍵穴を覆い、前記内筒に一体に回転するように取り付けられる操作ノブをさらに有する構成が適用できる。
前記操作ノブが前記内筒から脱落することを防止する脱落防止機構をさらに有する構成が適用できる。
前記脱落防止機構は、前記シリンダー錠と前記操作ノブのいずれか一方に設けられる溝状の係止凹部と、他方に設けられ前記係止凹部に係止可能な係止凸部とを有する構成が適用できる。
本発明によれば、エントリースイッチとスタート/ストップスイッチを、共通の操作部材により操作される構成とすることにより、部品点数の削減を図り、スイッチ装置の小型化を図ることができる。エントリースイッチとスタート/ストップスイッチの配置スペースの省スペース化を図ることができる。
また、前記一つの共通の操作部材の回転に連動してONとOFFとが切替わるエマージェンシー電源スイッチをさらに有する構成においても、エントリースイッチとスタート/ストップスイッチとエマージェンシー電源スイッチを、共通の操作部材により操作される構成とすることができる。これにより、エマージェンシー電源スイッチを有する構成であっても、部品点数の削減を図り、スイッチ装置の小型化を図ることができる。
図1は、船外機が取付けられた船舶を模式的に示す図である。 図2は、リモートコントロールボックスの構成例を模式的に示す図である。 図3は、船外機の制御システムのうち、キーレスエントリーシステムと、船外機のエンジンの始動と停止のための構成とを示すブロック図である。 図4は、スイッチ装置の構成例を模式的に示す断面図である。 図5は、ピンシリンダー錠の構成例を模式的に示す図である。 図6は、ピンシリンダー錠の構成の別例を模式的に示す断面図である。 (a)は可動端子板に設けられる端子の構成例を模式的に示す平面図であり、(b)は固定端子板に設けられる端子の構成例を模式的に示す平面図である。 図8は、可動端子板の回転と、各スイッチのONとOFFの関係を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態に係るスイッチ装置は、スタート/ストップスイッチと、エントリースイッチと、エマージェンシー電源スイッチとを有し、これらが一体に構成される。そして、本実施形態に係るスイッチ装置は、使用者(操船者等)が船外機の操作に用いるリモートコントロールボックスに設けられる。説明の便宜上、スタート/ストップスイッチを「S/Sスイッチ」と、「エントリースイッチ」を「ENTスイッチ」と、「エマージェンシー電源スイッチ」を「EMAスイッチ」と、略して記すことがある。
<船舶および船外機の全体的な構成>
図1は、船外機2が取付けられた船舶1を模式的に示す図である。図1に示すように、船舶1の船体11の後部に位置するトランサムには、船外機2がブラケット装置を介して取り付けられる。図1においては、2基の船外機2が取付けられる構成を示すが、船舶1に取り付けられる船外機2の数は特に限定されない。それぞれの船外機2には、駆動力源であるエンジン25(内燃機関)と、このエンジン25を制御するECM21(エンジン・コントロール・モジュール)と、ECM21の制御によってエンジン25を始動させるスターターモーター22(図3参照。図1においては省略)が搭載される。また、船舶1の船体11の前寄りには、操船室12が設けられる。操船室12の室内の壁面には、使用者(操船者)が船外機2を操作するためのリモートコントロールボックス13が取付けられる。このほか、船舶1には、バッテリー24が搭載される。そして、バッテリー24とリモートコントロールボックス13とECM21とは、例えば、ケーブルによりバッテリー24からの電力を供給可能に接続される。なお、船外機2と、船外機2に設けられるECM21は、従来公知の構成が適用できる。したがって、説明を省略する。
<リモートコントロールボックスの構成>
図2は、リモートコントロールボックス13の構成例を模式的に示す図である。本実施形態では、リモートコントロールボックス13として、船舶1の壁面(垂直面)に取り付けられて使用されるサイドマウントタイプのリモートコントロールボックスを示す。図2に示すように、リモートコントロールボックス13は、リモコン筐体131と、リモコンレバー132と、本実施形態に係るスイッチ装置4と、エマージェンシーストップスイッチ133とを有する。なお、サイドマウントタイプのリモートコントロールボックスは、「サイドマウントリモコン」と呼ばれることもある。
リモコンレバー132は、リモコン筐体131に前後方向に傾倒(回転)可能に設けられる。エマージェンシーストップスイッチ133は、リモコン筐体131の後側の面に設けられる。エマージェンシーストップスイッチ133は、ロックプレートを挿抜可能なスイッチであり、ロックプレートの挿抜に応じてONとOFFとが切替わる。ECM21は、ロックプレートがエマージェンシーストップスイッチ133から抜け出たことを検出すると、船外機2のエンジン25を停止させる。なお、リモコンレバー132とエマージェンシーストップスイッチ133は、従来公知の構成が適用できる。したがって、説明は省略する。
<キーレスエントリーシステムの構成>
図3は、船外機2の制御システムのうち、キーレスエントリーシステム3と、船外機2のエンジン25の始動と停止のための構成とを示すブロック図である。船外機2のキーレスエントリーシステム3は、ID情報を無線送信(無線発信)可能な携帯機や電子キー(以下、「携帯機等34」と記す)を用いることにより、機械式の鍵を用いることなくECM21を起動させてエンジンを制御できる状態に遷移させるシステムである。図3に示すように、船外機2のキーレスエントリーシステム3は、キーレスコントローラー31と、無線通信部32と、ECM電源リレースイッチ33と、本実施形態に係るスイッチ装置4とを有する。さらに、本実施形態に係るスイッチ装置4は、S/Sスイッチ401(スタート/ストップスイッチ)と、ENTスイッチ402(エントリースイッチ)と、EMAスイッチ403(エマージェンシー電源スイッチ)とを有する。なお、後述するが、スイッチ装置4のS/Sスイッチ401とENTスイッチ402は、後述するピンシリンダー錠5に適合する機械式の鍵501を用いなくてもONとOFFの切替え操作が可能なスイッチである。これに対して、EMAスイッチ403は、適合する機械式の鍵501が無ければONとOFFの切替え操作ができないスイッチである。
キーレスコントローラー31は、後述する認証処理を実行する。キーレスコントローラー31は、CPUとROMとRAMとを有するコンピュータが適用される。ROMには認証処理を実行するためのコンピュータプログラムや、認証処理を実行するための各種設定や情報が、あらかじめ格納されている。CPUは、ROMに格納されるコンピュータプログラムを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて実行する。これにより、後述する認証処理が実行される。無線通信部32は、携帯機等34と無線通信を行う。無線通信部32は、例えば、送信する信号を変調する変調回路と、変調した信号を無線送信(発信)するアンテナと、受信した信号を復調する復調回路とを有する。そして、キーレスコントローラー31は、無線通信部32を介して、携帯機等34と無線通信による信号の送受信を行う。また、キーレスコントローラー31は、認証信号線305により、ECM21と信号を送受信可能に接続される。さらに、キーレスコントローラー31のキーレスコントローラー電源入力部313(例えば、電力の供給を受けるための端子)は、キーレスコントローラー電源線312を介して、バッテリー24に接続されるバッテリー電源線301に接続される。
ECM電源リレースイッチ33は、ECM21の電源のONとOFFを切替えるリレースイッチである。ECM電源リレースイッチ33は、バッテリー24が出力する電力をECM21に供給する経路に設けられ、バッテリー24とECM21とが電気的に導通する状態としない状態とを切替える。図3に示す例では、バッテリー24に接続されるバッテリー電源線301とECM21の受電部212(例えば、電力を入力するための端子)に接続されるECM電源線304との間に設けられる。ECM電源リレースイッチ33は、キーレスコントローラー31によりON(閉じた状態)とOFF(開いた状態)とが切替えられる。ECM電源リレースイッチ33がONである場合には、バッテリー24が出力する電力は、バッテリー電源線301とECM電源リレースイッチ33とECM電源線304とを介して、ECM21に供給される。ECM21は、バッテリー24から電力の供給が開始されると起動し、ECM21からエンジン25の制御の許可が与えられると、電力の供給を受けている間は船外機2を制御する処理を実行する。
スイッチ装置4のS/Sスイッチ401は、船外機2のエンジン25を始動と停止を切替えるためのスイッチである。S/Sスイッチ401は、バッテリー24とECM21のS/S信号受信部211(例えば、信号を受信するための端子)とを接続する経路の中間に設けられる。図3に示す例では、S/Sスイッチ401は、バッテリー24に接続されるバッテリー電源線301とECM21のS/S信号受信部211に接続されるS/S信号線303との間に設けられる。そして、S/Sスイッチ401がON(閉じた状態)であると、バッテリー24の出力電圧は、バッテリー電源線301とS/Sスイッチ401とS/S信号線303とを介して、ECM21のS/S信号受信部211に印加される。一方、S/Sスイッチ401がOFF(開いた状態)であると、バッテリー24の出力電圧はECM21のS/S信号受信部211に印加されない。そしてECM21は、S/S信号受信部211の電位(または電位の変化)を検出することによって、S/Sスイッチ401がOFFであるかONであるかを検出できる。
なお、キーレスエントリーシステム3が、ECM21とは別に、S/Sスイッチ401がOFFからONに切替わったことを検出するS/Sスイッチ検出手段を有していてもよい。この場合には、S/Sスイッチ検出手段は、S/Sスイッチ401がOFFからONに切替わったことを検出すると、S/S信号を生成してECM21のS/S信号受信部211に送信する。なお、S/S信号は、S/Sスイッチ401がOFFからONに切替わったことを示す信号である。
スイッチ装置4のENTスイッチ402は、キーレスコントローラー31を、スリープ状態から認証処理を実行できる状態に復帰させる(起動させる)ための信号をキーレスコントローラー31へ送信するためのスイッチである。キーレスコントローラー31には、バッテリー24の電力が、バッテリー電源線301およびキーレスコントローラー電源線312を介してキーレスコントローラー電源入力部313に常時供給されている。そして、キーレスコントローラー31は、常時、ENTスイッチ402がOFFからONに切替えられたことを検出できるが認証処理は実行できない状態(スリープ状態)にある。そして、キーレスコントローラー31は、スリープ状態において、ENTスイッチ402がOFFからONに切替えられたことを検出すると、認証処理を実行できる状態に復帰(起動)する。
スイッチ装置4のEMAスイッチ403は、使用者が携帯機等34を所持していない場合や、携帯機等34が動作しない場合や、携帯機等34を使用できない場合であっても、ECM21に電力を供給してECM21の電源をONにするスイッチである。EMAスイッチ403は、バッテリー24とECM21の受電部212とを接続する経路の中間に設けられる。図3に示す例では、EMAスイッチ403は、バッテリー24に接続されるバッテリー電源線301とECM21の受電部212に接続されるECM電源線304との間に設けられる。EMAスイッチ403がON(回路が閉じた状態)であると、バッテリー24が出力する電力は、バッテリー電源線301と、EMAスイッチ403と、ECM電源線304とを介して、ECM21に供給される。なお、EMAスイッチ403は、OFF(開いた状態)とON(閉じた状態)の切替えの際に、後述するピンシリンダー錠5に適合する機械式の鍵501が必要となるスイッチである。
このほか、船外機2は、エンジン25を始動させるために、スターターリレースイッチ23と、スターターモーター22とを有する。スターターリレースイッチ23は、ECM21によりOFF(開いた状態)とON(閉じた状態)とが切替えられるリレースイッチである。スターターリレースイッチ23は、バッテリー電源線301とスターターモーター22との間に設けられる。スターターリレースイッチ23がONとなると、バッテリー24が出力する電力は、バッテリー電源線301とスターターリレースイッチ23とを介してモーターに供給される。スターターモーター22は、バッテリー24から電力が供給されると作動し、エンジン25のクランクシャフトを回転させてエンジン25を始動させる。
このように、船外機2の制御システムには、バッテリー24からECM21に作動用の電力を供給する経路として、ECM電源リレースイッチ33を経由する経路と、スイッチ装置4のEMAスイッチ403を経由する経路とが、並列に設けられる。このような構成であると、ECM電源リレースイッチ33をONにすることができなくても、EMAスイッチ403をONにすることができれば、ECM21の電源をONでき、ECM21を起動させることができる。
<キーレスエントリーシステムの動作>
ここで、キーレスエントリーシステム3の認証処理と、ECM21のエンジン25の始動の処理および動作について説明する。キーレスコントローラー31は、ENTスイッチ402がOFFからONに切替わったことを検出すると、スリープ状態から認証処理を実行できる状態に復帰(起動)する。そして、キーレスコントローラー31は、起動すると、無線通信部32を介して携帯機等34との認証処理を実行する。認証処理の内容は、次のとおりである。キーレスコントローラー31は、まず、無線通信部32を介してリクエスト信号を無線送信(無線発信)する。リクエスト信号が届く範囲に存在する携帯機等34は、リクエスト信号を受信すると、自己のID情報を含んだアンサー信号を無線送信(無線発信)する。キーレスコントローラー31は、無線通信部32を介してアンサー信号を受信し登録済みIDであることを確認し、更に受信したアンサー信号の電波の強度に基づき、携帯機等34が無線通信部32から所定の距離内に存在すると判断すると、ECM電源リレースイッチ33をONに切替えてECM21へバッテリー電源を供給し、ECM21を起動させる。ECM21が起動すると、認証信号線305を介してECM21が有するID情報を読み出し、キーレスコントローラー31に登録されているID情報とECM21に格納されるID情報とが一致しているか否かを判断する。そして、キーレスコントローラー31は、キーレスコントローラー31に登録されているID情報とECM21のID情報とが一致すると判断した場合には、ECM21がエンジン25を制御する許可を与える。これにより、ECM21は、船外機2のエンジン25を制御できるエンジン制御可能状態となる。
ECM21は、エンジン制御可能状態において、S/Sスイッチ401がOFFからONに切替わったことを検出すると、船外機2のエンジン25が停止している場合には、スターターリレースイッチ23をOFFからONに切替える。スターターリレースイッチ23がONに切替わると、バッテリー24が出力する電力は、バッテリー電源線301とスターターリレースイッチ23とを介してスターターモーター22に供給される。これにより、スターターモーター22が作動し、船外機2のクランクシャフトを回転させてエンジン25を始動させる。
また、ECM21にバッテリー24からの電力が供給されていない状態で、EMAスイッチ403がOFFからONに切替えられると、バッテリー24の電力は、バッテリー電源線301とEMAスイッチ403とECM電源線304と介してECM21に供給される。これにより、ECM21が起動する。その状態で、ECM21に対して所定の操作が行われると(すなわち、ECM21は所定の操作を検出すると)、ECM21はエンジン25を制御できるエンジン制御可能状態となる。したがって、使用者は、EMAスイッチ403をOFFからONに切替える操作を行い、その後、S/Sスイッチ401を操作することで、船外機2のエンジン25を始動させることができる。例えば、使用者が携帯機等34を所持していない場合や、携帯機等34が作動しない場合などにおいても、船外機2のエンジン25を作動させる必要性が生じることがある。具体的には、沖合で携帯機等34を紛失した場合や、携帯機等34の電池切れや故障した場合などが該当する。このような場合には、使用者は、EMAスイッチ403をOFFからONに切替えることによって、船外機2のエンジン25を始動させることができる。
なお、ECM21は、エンジン25が作動している状態において、S/Sスイッチ401がOFFからONに切替わったことを検出すると、エンジン25を停止させる。また、キーレスコントローラー31は、ECM電源リレースイッチ33がONである場合に、ENTスイッチ402がOFFからONに切替わったことを検出すると、ECM電源リレースイッチ33をONからOFFに切替え、ECM21の動作を停止させる。
なお、後述するが、ENTスイッチ402とS/Sスイッチ401は、いずれも、機械式の鍵501を用いずにONとOFFの切替えが可能なスイッチである。このため、使用者は、携帯機等34を所持していれば、適合する機械式の鍵501を用いることなく、船外機2のエンジン25を始動させることができる。一方、EMAスイッチ403は、適合する機械式の鍵501を用いることでONとOFFを切替えることができるスイッチである。したがって、使用者は、携帯機等34を所持していなくても、この適合する機械式の鍵501を所持していれば、船外機2のエンジン25を始動させることができる。
<スイッチ装置の構成>
次に、スイッチ装置4の構成例について説明する。図4は、スイッチ装置4の構成例を模式的に示す断面図である。スイッチ装置4には、S/Sスイッチ401と、ENTスイッチ402と、EMAスイッチ403とが、一体に纏められている。スイッチ装置4は、スイッチ筐体41と、ピンシリンダー錠5と、操作ノブ42と、可動端子板43と、固定端子板44と、付勢部材の例であるコイルバネ45とを有する。そして、図4に示すように、スイッチ装置4は、全体として略棒状の構成を有する。操作ノブ42は、スイッチ装置4がリモコン筐体131に組み付けられた状態において、リモコン筐体131の外部に位置する。操作ノブ42が設けられる側の反対側は、リモコン筐体131の内部に位置する。説明の便宜上、スイッチ装置4の操作ノブ42が設けられる側を「OUT側」と称し、その反対側を「IN側」と称する。
スイッチ筐体41は、例えば、中空の円筒状の構成を有する。スイッチ筐体41のOUT側寄りの外周面には、半径方向外側に突出するフランジ411が設けられる。そして、フランジ411よりもOUT側寄りの外周面には、取付けナット412を螺合するための雄ネジ部が設けられる。スイッチ筐体41は、雄ネジ部に締結された取付けナット412とフランジ411とでリモコン筐体131を挟むことによって、リモコン筐体131に固定される。
ピンシリンダー錠5は、外筒51と内筒52とを有する。外筒51は円筒状の部材であり、その軸線方向がスイッチ筐体41の長手方向と平行となる向きで、スイッチ筐体41の内部に収容される。外筒51は、スイッチ筐体41に対して軸線方向に往復動可能(すなわち、IN側とOUT側に直線移動可能)であるが、軸線回りに回転できない。例えば、外筒51とスイッチ筐体41とは、直接的に、またはアダプタなどの他の部材を介して、スプライン結合している。内筒52は、S/Sスイッチ401とENTスイッチ402とEMAスイッチ403のOFF(開いた状態)とON(閉じた状態)の切替え操作をするための共通の操作部材404の例である。内筒52は、円柱状の部材であり、外筒51の内部に外筒51と同軸に収容される。内筒52は、外筒51に対して軸線回りに回転可能であるが、外筒51に対して軸線方向に往復動(直線移動)できない。また、内筒52には、機械式の鍵を差し込むことができる鍵穴521が設けられる。一般的なピンシリンダー錠と同様に、内筒52の軸線方向のOUT側の端面には、鍵穴521の開口部が現れており、この端面の開口部から機械式の鍵を鍵穴521に挿抜可能である。なお、前述のとおり、内筒52は、外筒51に対して回転可能であるが、往復動(直線移動)はできない。このため、ピンシリンダー錠5がスイッチ筐体41に収容された状態では、内筒52は、外筒51およびスイッチ筐体41に対して軸線回りに回転できる。また、外筒51と内筒52とは、スイッチ筐体41に対して一体となって軸線方向に往復動(直線移動)できる。
(ピンシリンダー錠の構成)
ここで、スイッチ装置4のピンシリンダー錠5の構成例について説明する。スイッチ装置4のピンシリンダー錠5は、内筒52が外筒51に対して所定の回転方向位置(角度)に位置する場合に、内筒52に設けられる鍵穴521に機械式の鍵501が挿抜可能となる。そして、内筒52は、外筒51に対して、機械式の鍵501を挿抜可能な位置から時計回りと反時計回りのいずれの方向にも、所定の角度回転することができる。説明の便宜上、内筒52の外筒51に対する回転方向位置について、機械式の鍵501を挿抜可能な位置を「通常位置」と称する。また、「通常位置」から所定の一方向に所定の角度回転した位置を「エントリー位置」と称し、「通常位置」から前記所定の一方向とは反対方向に所定の角度回転した位置を「緊急位置」と称する。そして、スイッチ装置4のピンシリンダー錠5は、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に挿入されていない場合であっても、内筒52を通常位置からエントリー位置に回転させることができるように構成される。さらに、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に挿入されている場合には、内筒52を通常位置から緊急位置に回転させることができるように構成される。
図5は、ピンシリンダー錠5の構成例を模式的に示す図である。具体的には、図5(a)は、ピンシリンダー錠5を軸線方向に直角な面で切断した断面図であり、図5(b)は軸線方向に平行な面で切断した断面図である。図5(c)は、内筒52がエントリー位置に位置する状態を示す断面図である。図5(d)は、適合する機械式の鍵501が内筒52の鍵穴521に挿入された通常位置に位置する状態を示す断面図である。図5(e)は、内筒52が緊急位置に位置する状態を示す断面図である。なお、図5(a)(c)〜(e)は、OUT側、すなわち、使用者が機械式の鍵501を挿抜する側から見た図である。
ピンシリンダー錠5は、鍵穴521が設けられる内筒52と、内筒52が回転可能に収容される外筒51と、複数のドライバーピン54およびタンブラーピン55と、これら複数のドライバーピン54およびタンブラーピン55を内筒52の回転中心Cの側に向けて付勢する付勢部材56と、を有する。複数のドライバーピン54およびタンブラーピン55は、外筒51および内筒52の軸線方向に並べて配置される。そして、内筒52の側面に現れる鍵穴521の開口部と、複数のドライバーピン54およびタンブラーピン55との円周方向位置が一致すると、複数のドライバーピン54およびタンブラーピン55は、付勢部材56の付勢力によって、内筒52に設けられる鍵穴521の内部に入り込む状態となる。本実施形態では、内筒52のこの位置が「通常位置」となる。
図5(a)に示すように、外筒51の内周面には、ドライバーピン54およびタンブラーピン55が設けられる位置から所定の一方向(図5(a)においては、時計回りの方向)に向かって、他の部分よりも内径が大きい大径部511が設けられる。図5(a)に示すように、大径部511の内周面は、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に差し込まれていない状態において、全てのドライバーピン54の半径方向外側の端部の位置よりも、半径方向外側に位置する。このような構成であると、大径部511が設けられる範囲においては、ドライバーピン54と外筒51とが干渉しない。このため、図5(c)に示すように、内筒52は、タンブラーピン55およびドライバーピン54とともに、通常位置から外筒51に対して所定の一方向に回転することができる。内筒52が外筒51に対して前記所定の一方向に所定の角度を回転した位置が、「エントリー位置」である。なお、通常位置からエントリー位置までの具体的な回転角度は、特に限定されるものではないが、例えば30°が適用できる。
一方、外筒51の内周面において、ドライバーピン54およびタンブラーピン55が設けられる位置から前記所定の一方向とは反対方向(図5(a)においては反時計回りの方向)には、大径部511が設けられない。このため、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に差し込まれていないと、ドライバーピン54が外筒51と干渉するため、内筒52は通常位置から前記所定の一方向とは反対方向には回転できない。そして、図5(d)に示すように、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に差し込まれると、ドライバーピン54とタンブラーピン55との境界がシアライン53に一致する。換言すると、全てのドライバーピン54とタンブラーピン55との境界をシアライン53に一致させることができる鍵が、「適合する機械式の鍵501」である。そして、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に挿入されると、図5(e)に示すように、内筒52は、通常位置から前記所定の一方向とは反対方向に回転できるようになる。内筒52が外筒51に対して前記所定の一方向とは反対方向に所定の角度を回転した位置が、「緊急位置」である。なお、通常位置から緊急位置までの具体的な回転角度は、特に限定されるものではないが、例えば30°が適用できる。
以上説明したとおり、本実施形態のピンシリンダー錠5の内筒52は、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に挿入されていない場合には、内筒は、通常位置(機械式の鍵501を挿抜可能な位置)から所定の一方向に回転できるが、この所定の一方向とは反対方向には回転できない。そして、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に挿入されると、内筒52は、前記所定の一方向とは反対方向に回転できるようになる。したがって、使用者は、適合する機械式の鍵501が無くても、内筒を通常位置からエントリー位置に回転させることができるが、適合する機械式の鍵501が無ければ、内筒を通常位置から緊急位置に回転させることはできない。
なお、ピンシリンダー錠5は、次のような構成であってもよい。図6は、ピンシリンダー錠5の構成の別例を模式的に示す断面図である。それぞれ、図6(a)は内筒52が通常位置に位置する状態を示し、図6(b)は内筒52がエントリー位置に位置する状態を示す。この別例は、内筒52を通常位置からエントリー位置へ回転させる際に、「凹凸を有さない機械式の鍵502」を用いる構成である。ここでいう「凹凸を有さない機械式の鍵502」とは、鍵穴521に差し込むことができるという条件を満たすものうち、全てのタンブラーピン55の押し上げ量が最も大きくなる形状を有する鍵である。例えば、凹凸が切削加工により形成される前の「ブランクキー」のような鍵が適用される。
図6(a)(b)に示すように、この別例においても、外筒51の内周面に大径部511が設けられる。凹凸を有さない機械式の鍵502が鍵穴521に挿入されると、全てのドライバーピン54とタンブラーピン55が半径方向外側に移動する。この状態において、大径部511の内周面は、全てのタンブラーピン55の半径方向外側の端部位置よりも半径方向外側に位置するが、1つ以上のタンブラーピン55は、内筒52と外筒51の大径部511ではない部分に跨った状態となる。このような構成では、凹凸を有さない機械式の鍵502が鍵穴521に挿入されていないと、内筒52は通常位置からエントリー位置の側と緊急位置の側のいずれにも回転できない。そして、凹凸を有さない機械式の鍵502が鍵穴521に挿入されると、内筒52は通常位置からエントリー位置に回転できるが、通常位置から緊急位置には回転できない状態となる。一方、適合する機械式の鍵501が鍵穴521に挿入されると、内筒52は通常位置から緊急位置の側に回転できるようになる。
なお、ピンシリンダー錠5は、内筒をエントリー位置から通常位置に自動的に復帰させる図略の復帰機構をさらに有する。そして、内筒52をエントリー位置に回転させる操作が行われていない場合には、内筒52は、この復帰機構によって通常位置に位置する状態に維持される。また、使用者により内筒52をエントリー位置に回転させる操作が行われた場合であっても、使用者が操作を止めると(例えば、操作ノブ42から手を離すと)、復帰機構によって、内筒52は自動的に通常位置に移動する。この復帰機構の構成は、特に限定されない。例えば、従来一般のピンシリンダー錠が適用されたイグニッションスイッチは、エンジンを始動させる「START位置」と、各部に電力を供給する「ON位置」を有するとともに、内筒を「START位置」から「ON位置」に自動的に復帰させる復帰機構を有している。従来一般のイグニッションスイッチにおける内筒を「START」位置から「ON」位置に復帰させる復帰機構を、本実施形態のピンシリンダー錠5において「エントリー位置」から「通常位置」に復帰させる復帰機構に適用すればよい。
(操作ノブの構成)
図3を参照し、操作ノブ42について説明する。操作ノブ42は、使用者が、スイッチ装置4を操作する際に取り扱う部材である。操作ノブ42は、ピンシリンダー錠5の内筒52に着脱可能に取り付けられており、ピンシリンダー錠5の内筒52と一体に回転し、ピンシリンダー錠5の内筒52および外筒51と一体に軸線方向に移動する。例えば、ピンシリンダー錠5の内筒52のOUT側の端部は外筒51から突出しており、この突出部分の側面には、半径方向中心側に窪む溝状の係止凹部522が設けられる。一方、操作ノブ42のIN側の端面には、ピンシリンダー錠5の内筒52のOUT側の端部を嵌め込むことができる嵌合凹部421が設けられる。そして、この嵌合凹部421の内周面には、嵌め込まれた内筒52の半径方向中心側に向かって突出する突起状の係止凸部422が設けられる。そして、操作ノブ42の係止凸部422が内筒52の係止凹部522に係止する(嵌まり込む)ことにより、操作ノブ42とピンシリンダー錠5の内筒52とは、回転方向および軸線方向について、相対的な変位ができなくなる。このため、操作ノブ42とピンシリンダー錠5の内筒52とは、外筒51およびスイッチ筐体41に対して一体となって軸線回りに回転する。また、操作ノブ42とピンシリンダー錠5の内筒52および外筒51とは、スイッチ筐体41に対して一体となって軸線方向に移動する。
操作ノブ42の具体的な形状は、特に限定されない。操作ノブ42は、使用者が指でつまんで回転させることができる形状であればよい。例えば、家庭用のガスの元栓のツマミと同様の形状が適用できる。
なお、溝状の係止凹部522が、操作ノブ42の嵌合凹部421に設けられ、この係止凹部522に係止可能な突起状の係止凸部422が内筒52の側面に設けられる構成であってもよい。すなわち、溝状の係止凹部522が操作ノブ42と内筒52のいずれか一方に設けられ、突起状の係止凸部422がいずれか他方に設けられる構成であればよい。要は、突起状の係止凸部422が溝状の係止凹部522に係止することにより、操作ノブ42と内筒52とが相対的に変位しない構成であればよい。そして、このような構成によれば、操作ノブ42が内筒52から脱落することが防止される。このように、溝状の係止凹部522と、この係止凹部522に係止可能な突起状の係止凸部422とが、操作ノブ42が内筒52から脱落することを防止する脱落防止機構を構成する。
また、操作ノブ42は、合成樹脂材料などから形成される。このため、使用者は、操作ノブ42を弾性変形させることによって、操作ノブ42を内筒52から取外すことができる。
このような構成であると、使用者は、操作ノブ42を取り扱うことにより、共通の操作部材404の例である内筒52を、通常位置からエントリー位置に回転させる操作と、通常位置から緊急位置に回転させる操作とを行うことができる。さらに、使用者は、操作ノブ42をIN側に押して直線移動させることによって、一つの共通の操作部材404の例である内筒52を、外筒51とともに、スイッチ筐体41に対して軸線方向に移動させることができる。
また、前述のとおり、操作ノブ42のIN側の端面には嵌合凹部421が設けられ、シリンダー錠の内筒52のOUT側の端部は、この嵌合凹部421に嵌め込まれる。内筒52のOUT側の端面には、機械式の鍵501を挿抜可能な鍵穴521の開口部が現れているが、操作ノブ42がスイッチ装置4のピンシリンダー錠5に取り付けられると、この鍵穴521の開口部は、操作ノブ42によって、外部から見えず、かつ、アクセスできないように覆われる。
(可動端子板および固定端子板の構成)
可動端子板43と固定端子板44とは、ピンシリンダー錠5の内筒52のIN側に設けられる。また、可動端子板43と固定端子板44とは、互いに対向する。可動端子板43は、共通の操作部材404の例である内筒52と一体に回転する。例えば、可動端子板43は、直接的に、または他の部材を介して、ピンシリンダー錠5の内筒52に結合される。なお、前述のとおり、ピンシリンダー錠5の内筒52と外筒51とは、スイッチ筐体41に対して軸線方向に往復動可能である。このため、可動端子板43は、内筒52と一体となって、スイッチ筐体41に対して軸線方向に往復動する。固定端子板44は、スイッチ筐体41に対して軸線回りに回転せず、かつ、軸線方向に相対的に移動できないように設けられる。例えば、固定端子板44は、直接的に、または他の部材を介して、スイッチ筐体41に固定される。このような構成であると、ピンシリンダー錠5の内筒52および外筒51がスイッチ筐体41に対して軸線方向に移動すると、可動端子板43と固定端子板44との距離が変化する。また、内筒52が外筒51およびスイッチ筐体41に対して軸線回りに回転すると、可動端子板43は固定端子板44に対して軸線回りに相対的に回転する。
可動端子板43は、付勢部材によって軸線方向のOUT側に向けて付勢される。このため、この付勢部材の付勢力以外の外力が掛かっていない場合には、この付勢部材の付勢力によって、往復動の可動範囲のOUT側の端部の位置に保持される。すなわち、可動端子板43は、その往復動の可動範囲内において固定端子板44から最も遠い位置に位置するように維持される。例えば、スイッチ筐体41の内部には、付勢部材としてコイルバネ45などが収容されており、可動端子板43は、このコイルバネ45によって、軸線方向のOUT側に付勢される。そして、操作ノブ42を介して内筒52がIN側に押されて直線移動した場合には、可動端子板43と固定端子板44とが接近する。
可動端子板43の固定端子板44に対向する面には、複数の端子が設けられる。同様に、固定端子板44の可動端子板43に対向する面にも、複数の端子が設けられる。これらの端子は、S/Sスイッチ401と、ENTスイッチ402と、EMAスイッチ403とを構成する。そして、可動端子板43と固定端子板44の軸線方向の距離や、相対的な回転角度に応じて、可動端子板43の端子と固定端子板44の端子との接触状態(すなわち、導通状態)が切替わる。これにより、S/Sスイッチ401と、ENTスイッチ402と、EMAスイッチ403とは、それぞれのON(閉じた状態)とOFF(開いた状態)とが切替わる。
(端子の構成)
ここで、図7を参照して、可動端子板43と固定端子板44に設けられる端子の構成例について説明する。図7(a)は、可動端子板43に設けられる端子の構成例を模式的に示す平面図である。図7(b)は、固定端子板44に設けられる端子の構成例を模式的に示す平面図である。なお、図7(a)(b)は、いずれも、軸線方向(すなわち、内筒52の回転中心線Cの延伸方向)をOUTの側から見た図(図5(a)(c)〜(e)と同じ側)から見た図である。このため、図7(a)は、透視図である。
図7(a)に示すように、可動端子板43の固定端子板44に対向する側の面には、第1の可動端子431と第2の可動端子433との2つの可動端子が設けられる。一方、図7(b)に示すように、固定端子板44の可動端子板43に対向する側の面には、2つのS/S端子441と、2つのENT端子442と、2つのEMA端子443とが設けられる。そして、第1の可動端子431と2つのS/S端子441とが、S/Sスイッチ401として機能する。第2の可動端子433と2つのENT端子442とが、ENTスイッチ402として機能する。第2の可動端子433と2つのEMA端子443とが、EMAスイッチ403として機能する。
図7(a)に示すように、第1の可動端子431には、固定端子板44の側に向かって突出する突起状の2つの第1の接触部432が設けられる。2つの第1の接触部432は、第1の可動端子431に一体に設けられており、互いに電気的に導通している。これらの2つの第1の接触部432は、軸線方向視において、内筒52の回転中心線C(すなわち、可動端子板43と固定端子板44との相対回転の中心線)に関して点対称の位置に設けられる。
第2の可動端子433は、内筒52の回転中心線Cと同心の円環状の構成を有し、第1の可動端子431を囲むように設けられる。第2の可動端子433には、固定端子板44の側に向かって突出する3つの第2の接触部434が設けられる。3つの第2の接触部434は互いに電気的に導通している。そして、これら3つの第2の接触部434は、内筒52の回転中心からの距離が等しく、かつ、円周方向に等間隔に設けられる。なお、第1の可動端子431と第2の可動端子433とは、電気的に導通していない。
3つの第2の接触部434の突出高さは、2つの第1の接触部432の突出高さよりも高い寸法に設定される。さらに、3つの第2の接触部434は、突出高さが弾性的に小さくなるように設けられる。例えば、3つの第2の接触部434は、可動端子板43に対して軸線方向に相対的に変位可能に設けられており、バネなどの付勢部材などによって固定端子板44の側に向けて付勢される。このほか、3つの第2の接触部は、弾性変形可能に構成され、軸線方向に押す力がかかった場合には、突出高さが低くなるように弾性変形する構成であってもよい。
前述のとおり、可動端子板43が内筒52と一体に軸線方向に移動すると、可動端子板43と固定端子板44との軸線方向距離が変化する。特に、可動端子板43と固定端子板44との距離は、内筒52が軸線方向の可動範囲のOUT側の端部に位置すると最も大きくなり、IN側の端部に位置すると最も小さくなる。そして、3つの第2の接触部434の突出高さは、可動端子板43と固定端子板44が軸線方向に最も離れた場合であっても、固定端子板44の端子(ENTスイッチ402とEMAスイッチ403)に接触することができる寸法に設定される。すなわち、可動端子板43の3つの第2の接触部434は、可動端子板43と固定端子板44との距離にかかわらず、固定端子板44の端子(ENTスイッチ402とEMAスイッチ403)に接触することができる寸法に設定される。
これに対して、可動端子板43の2つの第1の接触部432の突出寸法は、内筒52が軸線方向の可動範囲のOUT側の端部に位置する場合には固定端子板44の端子(S/S端子441)には接触せず、IN側の端部に位置する場合には接触することができる寸法に設定される。
図7(b)に示すように、2つのS/S端子441は、内筒52の回転中心線Cに関して点対称の位置に設けられる。また、2つのS/S端子441の内筒52の回転中心線Cからの距離は、第1の可動端子431の2つの第1の接触部432の内筒52の回転中心線Cからの距離と同じ距離に設定される。さらに、2つのS/S端子441は、いずれも、内筒52の回転方向(円周方向)に所定の長さを有する。
2つのENT端子442と2つのEMA端子443の端子は、内筒52の回転中心線Cから等距離の位置に設けられる。また、これら4つの端子の内筒52の回転中心線Cからの距離は、第2の可動端子433の3つの第2の接触部434の内筒52の回転中心線Cからの距離と同じである。
2つのS/S端子441と、2つのENT端子442と、2つのEMA端子443のそれぞれの一方は、いずれもバッテリー電源線301を介してバッテリー24に接続される。2つのS/S端子441の他の一方は、S/S信号線303を介して、ECM21のS/S信号受信部211に接続される。2つのENT端子442の他の一方は、ENT信号線302を介して、キーレスコントローラー31のENT信号受信部311に接続される。2つのEMA端子443の他の一方は、ECM電源線304を介して、ECM21の受電部212に接続される(いずれも図3参照)。
可動端子板43が、共通の操作部材404の例である内筒52と一体となって固定端子板44に対して回転すると、2つのS/S端子441と2つの第1の接触部432との回転方向の位置関係が変化する。また、可動端子板43が内筒52および外筒51と一体となって固定端子板44に対して軸線方向に移動すると、可動端子板43と固定端子板44の軸線方向の位置関係が変化する。同様に、可動端子板43が内筒52と一体となって固定端子板44に対して回転すると、2つのENT端子442および2つのEMA端子443と3つの第2の接触部434との回転方向の位置関係が変化する。そして、可動端子板43と固定端子板44の軸線方向と回転方向の位置関係の変化により、S/Sスイッチ401と、ENTスイッチ402と、EMAスイッチ403とは、それぞれONとOFFとが切替わる。このように、S/Sスイッチ401と、ENTスイッチ402と、EMAスイッチ403とは、共通の操作部材404の例である内筒52の回転や軸線方向の移動に連動して、ONとOFFが切替わる。
(スイッチの切替え動作)
ここで、内筒52および可動端子板43の回転および軸線方向の移動と、各スイッチのONとOFFの切替えについて、図8を参照して説明する。図8は、可動端子板43の回転と、各スイッチのONとOFFの関係を模式的に示す図である。
図8(a)は、内筒52が通常位置に位置する場合での、可動端子板43と固定端子板44との位置関係を示す。内筒52が通常位置に位置すると、第1の可動端子431に設けられる2つの第1の接触部432のそれぞれは、内筒52の回転中心線Cの方向視において、2つのS/S端子441のそれぞれに重畳する。ただし、操作ノブ42が押されていないと、2つの第1の接触部432と2つのS/S端子441とは軸線方向に離れており、導通しない。このため、S/Sスイッチ401はOFFである。また、3つの第2の接触部434は、いずれも、2つのENT端子442と2つのEMA端子443のいずれにも重畳しない状態にある。このため、ENTスイッチ402とEMAスイッチ403は、いずれもOFFである。このように、内筒52が通常位置にあり、かつ、可動端子板43が往復動の可動範囲のOUT側の端部に位置していると、S/Sスイッチ401とENTスイッチ402とEMAスイッチ403は、いずれもOFFである。この状態で、操作ノブ42が押されてIN側に直線移動すると、可動端子板43が固定端子板44に接近し、2つの第1の接触部432は2つのS/S端子441のそれぞれと接触する。このため、2つのS/S端子441は、第1の可動端子431を通じ導通し、S/Sスイッチ401はOFFからONに切替わる。
図8(b)は、内筒52がエントリー位置に位置する状態を示す。内筒52がエントリー位置に位置すると、第1の可動端子431の2つの第1の接触部432は、いずれも、内筒52の回転中心Cの方向視においてS/S端子441と重畳しない。このため、内筒52がエントリー位置に位置すると、操作ノブ42がIN側に押されているか否かに係わらず、S/Sスイッチ401はOFFである。また、内筒52がエントリー位置に位置すると、3つの第2の接触部434のうちの2つの第2の接触部434が、2つのENT端子442のそれぞれに接触する。この状態では、2つのENT端子442どうしが第2の可動端子433を介して電気的に導通する。このため、ENTスイッチ402はONに切替わる。ただし、残りの1つの第2の接触部434は、2つのEMA端子443のいずれにも接触しない。このため、EMAスイッチ403はOFFである。
図8(c)は、内筒52が緊急位置に位置している状態を示す。内筒52が緊急位置に位置すると、内筒52の回転中心線Cの方向視において、第1の可動端子431の2つの接触部は、2つのS/S端子441のそれぞれに重畳する。このため、操作ノブ42が押されていIN側に直線移動すると、S/Sスイッチ401はOFFからONに切替わる。なお、2つのS/S端子441は回転方向に所定の長さを有しており、内筒52が通常位置から緊急位置に至るまでのいずれの位置においても、第1の可動端子431の2つの第1の接触部432は、2つのS/S端子441のそれぞれに重畳する。また、3つの第2の接触部434のうちの2つは、2つのEMA端子443のそれぞれに接触する。このため、EMAスイッチ403はONである。一方、3つの第2の接触部434のうちの残りの1つは、2つのENT端子442のいずれにも接触しない。このため、ENTスイッチ402はOFFである。このように、内筒52が通常位置から緊急位置に移動すると、S/Sスイッチ401とENTスイッチ402とはOFFを維持し、EMAスイッチ403はONに切替わる。そして、内筒52が緊急位置に位置する状態で可動端子板43が固定端子板44に接近すると、S/Sスイッチ401はONに切替わる。
このように、本実施形態に係るスイッチ装置4は、内筒52が通常位置からエントリー位置に回転する機械的動作と、内筒52が通常位置から緊急位置に回転する機械的動作と、内筒52および外筒51がスイッチ筐体41に対して軸線方向に移動する機械的動作との、異なる3つの機械的動作が可能である。そして、3つの機械的動作のそれぞれに、3つのスイッチのONとOFFの切替え動作が割り当てられる。すなわち、共通の操作部材404の例である内筒52の回転や軸線方向の移動に連動して、これら3つのスイッチのONとOFFとが切替わる。なお、S/Sスイッチ401を切替える機械的動作の方向と、ENTスイッチ402を切替える機械的動作およびEMAスイッチ403を切替える機械的動作の方向とは、互いに異なる。さらに、ENTスイッチ402を切替える機械的動作と、EMAスイッチ403を切替える機械的動作とは、いずれも回転動作であるが、向きが互いに反対である。
ここで、スイッチ装置4の操作と、操作に応じたキーレスコントローラー31の処理について説明する。本実施形態に係るスイッチ装置4のピンシリンダー錠5の内筒52は、外部から操作されていない場合には、通常位置に維持される。使用者が操作ノブ42を所定の一方向に回転させると、内筒52は操作ノブ42と一体に回転し、通常位置からエントリー位置に移動する。そうすると、図8(b)に示すように、ENTスイッチ402がOFFからONに切替わる。キーレスコントローラー31は、上述した動作でECM21を起動させ、エンジン25を制御できるエンジン制御可能状態に遷移させる。
その後、使用者は、船外機2のエンジン25を始動させるために、操作ノブ42とともに内筒52を通常位置に戻し、操作ノブ42をIN側に向けて押す。内筒52が通常位置に位置する状態において、操作ノブ42が押されてIN側に直線移動すると、可動端子板43と固定端子板44が接近する。そして、2つのS/S端子441が第1の可動端子431を介して導通し、S/Sスイッチ401がONに切替わる。ECM21は、船外機2のエンジン25が停止している場合において、S/Sスイッチ401がOFFからONに切替わったことを検出すると、スターターリレースイッチ23をONに切替え、スターターモーター22を作動させてエンジン25を始動させる。
このように、本実施形態に係るスイッチ装置4によれば、操作ノブ42を回転操作することによって、機械式の鍵501を用いることなく、ECM21を起動させることができるとともに、船外機2のエンジン25を始動させることができる。なお、図8(b)に示すように、内筒52がエントリー位置に位置している場合には、操作ノブ42がIN側に押されても、S/Sスイッチ401はOFFを維持する。そして、内筒52がエントリー位置から通常位置に戻らなければ、S/Sスイッチ401をONに切替えることはできず、エンジン25を始動させることができない。このように、本実施形態においては、キーレスコントローラー31に認証処理を実行させるために操作ノブ42および内筒52を移動させる方向と、エンジン25を始動させるために操作ノブ42および内筒52を移動させる方向とは、互いに異なる。さらに、キーレスコントローラー31が認証処理を実行するエントリー位置においては、S/Sスイッチ401はONに切替わらない。
このような構成によれば、キーレスコントローラー31が認証処理の完了に要する時間を確保できる。すなわち、キーレスコントローラー31は、認証処理において、携帯機等34やECM21とID情報を含む信号の送受信を行い、ID情報の照合と携帯機等34の距離の算出を行い、その結果に応じてECM21を、エンジン25を制御可能な状態に切替える、という処理を実行する。このため、ENTスイッチ402がONに切替わったことを検出してから認証処理を完了するまでには、ある程度の時間を要する。この場合、内筒52がエントリー位置に位置している状態でS/Sスイッチ401をONにできる構成とすると、使用者は、ENTスイッチ402をONに切替えてからごく短時間の後に、または同時に、S/Sスイッチ401をONに切替えることができる。そうすると、認証処理を完了させる時間を確保できない。そこで、本実施形態では、内筒52がエントリー位置に位置する状態ではS/Sスイッチ401がONに切替わらず、内筒52を通常位置に戻さなければS/Sスイッチ401がONに切替わらないように構成する。これにより、認証処理の完了までに要する時間を確保できる。
また、操作ノブ42は内筒52に着脱可能に取り付けられている。操作ノブ42を内筒52から取り外すと、内筒52のOUT側の端面が露出し、鍵穴521にアクセスできるようになる。適合する機械式の鍵501を内筒52に設けられる鍵穴521に差し込むことによって、内筒52を通常位置から緊急位置に回転させることができる。内筒52が通常位置から緊急位置に移動すると、EMAスイッチ403がOFFからONに切替わり、バッテリー24が出力する電力がECM21に供給され、ECM21が起動する。この状態で、内筒52が押されてIN側に直線移動すると、可動端子板43と固定端子板44とが接近し、S/Sスイッチ401がOFFからONに切替わる。ECM21は、S/Sスイッチ401がONに切替わったことを検出すると、スターターリレースイッチ23をONに切替えてスターターモーター22を作動させ、エンジン25を始動させる。このように、使用者は、携帯機等34を所持していない場合や携帯機等34が使用できない場合であっても、適合する機械式の鍵501を用いることによって、エンジン25を始動させることができる。
<作用効果のまとめ>
本実施形態によれば、S/Sスイッチ401と、ENTスイッチ402と、EMAスイッチ403と、のそれぞれのONとOFFとの切替えを、一つの内筒52の機械的動作により行うことができる。すなわち、複数のスイッチは、一つの共通する部材の機械的動作に連動して、ONとOFFが切替わる。このような構成であると、複数のスイッチのそれぞれがONとOFFを切替える部材を有する構成に比較して、スイッチ装置4を構成する部材の数を削減することができる。したがって、スイッチ装置4の小型化を図ることができる。また、本実施形態によれば、一対の可動端子板43と固定端子板44とに全てのスイッチの端子が設けられる構成である。このため、それぞれのスイッチが個別に可動端子板43と固定端子板44を有する構成に比較して、部品点数の削減を図ることができる。したがって、スイッチ装置4の小型化を図ることができる。そして、スイッチ装置4の小型化を図ることにより、リモートコントロールボックス13へのスイッチ装置4の搭載が容易となる。
また、船外機2の制御システムにキーレスエントリーシステム3を搭載するためには、リモートコントロールボックス13に、ENTスイッチ402とEMAスイッチ403を配置しなければならない。このため、リモコン筐体131に、これらのスイッチを配置するスペースが必要になる。しかしながら、特に、サイドマウントタイプのリモートコントロールボックスのリモコン筐体131は、スイッチ装置4などを搭載するスペースが小さいため、さらにキーレスエントリーシステム3のためのスイッチ装置4を搭載することが困難である。これに対して、本実施形態によれば、ENTスイッチ402とEMAスイッチ403とを有するスイッチ装置4の小型化を図ることができるから、サイドマウントタイプのリモートコントロールボックスへの配置が容易となる。したがって、サイドマウントタイプのリモートコントロールボックスを採用した船外機2にも、キーレスエントリーシステム3の搭載が可能になる。
また、本実施形態によれば、ENTスイッチ402をONにしてからS/Sスイッチ401をONにするまでに、ある程度の時間を確保することができる。キーレスエントリーシステム3においては、キーレスコントローラー31は、ENTスイッチ402がOFFからONに切替わったことを検出すると、認証処理を実行する。そして、この認証処理が完了してECM21がエンジン制御可能状態となるまでにはある程度の時間を要する。このため、ENTスイッチ402がONである場合にS/Sスイッチ401をONにできる構成であると、ECM21がエンジン制御可能状態になるよりも先にS/S信号が送信される場合が生じ、船外機2のエンジン25が始動しないおそれがある。本実施形態では、ENTスイッチ402とS/Sスイッチ401とのONとOFFの切替えのための機械的動作の方向を異ならせるとともに、ENTスイッチ402がONになる位置において、S/Sスイッチ401がONに切替わらないように構成される。このような構成によれば、ENTスイッチ402とS/Sスイッチ401とが同時にまたはごく短時間で連続的にONに切替わることが防止される。したがって、認証処理の完了に要する時間を確保でき、エンジン25を確実に始動させることができる。
本実施形態では、内筒52を通常位置から所定の一方向に回転させることによって、ENTスイッチ402をOFFからONに切替ることができ、通常位置から前記所定の一方向とは反対方向に回転させることによって、EMAスイッチ403を切替えることができる。そして、EMAスイッチ403をOFFからONに切替えるためには、適合する機械式の鍵501を要する。このような構成によれば、誤操作によってEMAスイッチ403がOFFからONに切替わることを防止できる。例えば、防犯目的のため、EMAスイッチ403がひとたびOFFからONに切替わった場合には、その後、ECM21に対して特殊な操作を行わなければ、船外機2を使用できないように構成されることがある。このような構成においては、誤操作によってEMAスイッチ403がONに切替わると、その後のエンジン25の始動操作が煩雑となるほか、エンジン25の始動に通常よりも時間を要することになる。本実施形態では、誤操作によってEMAスイッチ403がOFFからONに切替わることが防止されるから、このような事態の発生を防止できる。
EMAスイッチ403を操作するための鍵穴521の開口部は、操作ノブ42によって塞がれている。このような構成によれば、盗難抑止効果の向上を図ることができる。また、鍵穴521への異物の侵入を防止できる。さらに、鍵穴521が隠されるから、スイッチ装置4の見栄えの向上を図ることができる。
本実施形態では、内筒52と操作ノブ42の一方に設けられる係止凹部522と、他方に設けられ係止凹部522に係止可能な係止凸部422とが、操作ノブ42の脱落防止機構として機能する。このような構成によれば、操作ノブ42の紛失を防止し、操作ノブ42の紛失によってスイッチ装置4の操作ができなくなることを防止できる。また、脱落防止機構がこのような構成であると、操作ノブ42の着脱(特に取外し)のために別途工具などが不要である。このため、緊急時において速やかにEMAスイッチ403を操作できる。
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、前記実施形態では、リモートコントロールボックスとして、サイドマウントタイプを示したが、リモートコントロールボックスのタイプは限定されない。例えば、トップマウントタイプのリモートコントロールボックスにも適用できる。
本発明は、キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置に有効な技術である。そして、本発明によれば、3つのスイッチを1つのスイッチ筐体にまとめることができるから、スイッチ装置小型化を図ることができる。このため、リモートコントロールボックスへの搭載が容易になるから、船外機へのキーレスエントリーシステムの搭載が容易となる。
1:船舶、11:船体、12:操船室、13:リモートコントロールボックス、131:リモコン筐体、132:リモコンレバー、133:エマージェンシーストップスイッチ、2:船外機、21:ECM、211:S/S信号受信部、212:受電部、22:スターターモーター、23:スターターリレースイッチ、24:バッテリー、25:エンジン、3:キーレスエントリーシステム、301:バッテリー電源線、302:ENT信号線、303:S/S信号線、304:ECM電源線、305:認証信号線、31:キーレスコントローラー、311:ENT信号受信部、32:無線通信部、33:ECM電源リレースイッチ、34:携帯機等、4:スイッチ装置、401:S/Sスイッチ、402:ENTスイッチ、403:EMAスイッチ、404:操作部材、41:スイッチ筐体、411:フランジ、412:取付けナット、42:操作ノブ、421:嵌合凹部、422:係止凸部、43:可動端子板、431:第1の可動端子、432:第1の接触部、433:第2の可動端子、434:第2の接触部、44:固定端子板、441:S/S端子、442:ENT端子、443:EMA端子、45:コイルバネ(可動端子板と固定端子板とを離す付勢部材)、5:ピンシリンダー錠、501:適合する機械式の鍵、502:凹凸を有さない機械式の鍵、51:外筒、511:大径部、52:内筒、521:鍵穴、522:係止凹部、53:シアライン、54:ドライバーピン、55:タンブラーピン、56:付勢部材、C:内筒の回転中心線

Claims (8)

  1. キーレスエントリーシステムに認証処理を行わせるためのエントリースイッチと、エンジンの始動と停止を操作するためのスタート/ストップスイッチと、エマージェンシー電源スイッチとを有する船外機のスイッチ装置であって、
    使用者が、前記エントリースイッチのONとOFFとを切替える操作と、前記スタート/ストップスイッチのONとOFFとを切替える操作と、前記エマージェンシー電源スイッチのONとOFFとを切替える操作をするための一つの共通の操作部材をさらに有し、
    前記エントリースイッチと前記スタート/ストップスイッチと前記エマージェンシー電源スイッチは、前記一つの共通の操作部材の動きに応じてONとOFFとが切替わるスイッチであり、
    前記エントリースイッチと前記エマージェンシー電源スイッチは、前記一つの共通の操作部材の回転に連動してONとOFFとが切替わり、
    前記一つの共通の操作部材の前記エントリースイッチのONとOFFとが切替わる動作の方向と、前記エマージェンシー電源スイッチのONとOFFとが切替わる動作の方向とは、互いに異なることを特徴とするキーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置。
  2. 前記エントリースイッチは、前記一つの共通の操作部材の回転に連動してONとOFFとが切替わるスイッチであり、
    前記スタート/ストップスイッチは、前記一つの共通の操作部材の直線移動に連動してONとOFFとが切替わるスイッチであることを特徴とする請求項に記載のキーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置。
  3. 前記一つの共通の操作部材が回転して前記エントリースイッチがONである場合には、前記一つの共通の操作部材が直線移動しても、前記スタート/ストップスイッチはOFFからONに切替わらないことを特徴とする請求項に記載のキーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置。
  4. 前記一つの共通の操作部材が回転して前記エマージェンシー電源スイッチがONである場合には、前記一つの共通の操作部材が直線移動すると前記スタート/ストップスイッチのONとOFFとが切替わることを特徴とする請求項またはに記載のキーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置。
  5. 外筒と、機械式の鍵を挿抜可能な鍵穴が設けられ前記外筒に回転可能に収容される内筒と、を有するピンシリンダー錠をさらに有し、
    前記一つの共通の操作部材は、前記内筒を含み、
    前記内筒は、前記鍵穴に前記機械式の鍵が挿入されていないと、前記機械式の鍵を挿抜可能な位置から所定の一方向に回転可能であるが、前記所定の一方向とは反対方向には回転できず、前記鍵穴に前記鍵が挿入されていると、前記挿抜可能な位置から前記反対方向に回転可能となり、
    前記内筒が前記機械式の鍵を挿抜可能な位置から前記所定の一方向に回転すると、前記エントリースイッチはOFFからONに切替わり、
    前記内筒が前記機械式の鍵を挿抜可能な位置から前記反対方向に回転すると、前記エマージェンシー電源スイッチはOFFからONに切替わることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のキーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置。
  6. 前記内筒に着脱可能で、前記鍵穴を覆い、前記内筒に一体に回転するように取り付けられる操作ノブをさらに有することを特徴とする請求項に記載のキーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置。
  7. 前記操作ノブが前記内筒から脱落することを防止する脱落防止機構をさらに有することを特徴とする請求項に記載のキーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置。
  8. 前記脱落防止機構は、前記シリンダー錠と前記操作ノブのいずれか一方に設けられる溝状の係止凹部と、他方に設けられ前記係止凹部に係止可能な係止凸部とを有することを特徴とする請求項に記載のキーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置。
JP2015146785A 2015-07-24 2015-07-24 キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置 Active JP6413966B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015146785A JP6413966B2 (ja) 2015-07-24 2015-07-24 キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置
US15/212,426 US9884673B2 (en) 2015-07-24 2016-07-18 Outboard motor switch device having remote handset system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015146785A JP6413966B2 (ja) 2015-07-24 2015-07-24 キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017027840A JP2017027840A (ja) 2017-02-02
JP6413966B2 true JP6413966B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=57836564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015146785A Active JP6413966B2 (ja) 2015-07-24 2015-07-24 キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9884673B2 (ja)
JP (1) JP6413966B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020113828A (ja) 2019-01-08 2020-07-27 ヤマハ発動機株式会社 船舶の制御システムおよび船舶用の携帯機

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4137657B2 (ja) * 2003-02-06 2008-08-20 株式会社東海理化電機製作所 エンジン始動・停止用スイッチ装置
JP4353753B2 (ja) * 2003-08-28 2009-10-28 株式会社ユーシン キーシリンダの操作ノブ
JP5221244B2 (ja) * 2008-08-22 2013-06-26 ヤマハ発動機株式会社 船舶用電源システム、船舶用推進システムおよび船舶
JP5266193B2 (ja) * 2009-12-09 2013-08-21 本田技研工業株式会社 駆動源搭載機器の盗難防止装置
JP5566784B2 (ja) 2010-06-15 2014-08-06 朝日電装株式会社 船舶用イグニッションスイッチ装置
JP2015074361A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 本田技研工業株式会社 車両用エントリシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017027840A (ja) 2017-02-02
US20170021905A1 (en) 2017-01-26
US9884673B2 (en) 2018-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100943928B1 (ko) 엔진 스위치 장치
KR100606483B1 (ko) 차량용 잠금장치
US8838341B2 (en) Electric drive steering locking apparatus
JP5342822B2 (ja) 電動ステアリングロック装置
JP2002308049A (ja) 車両用エンジン始動装置
JP6413966B2 (ja) キーレスエントリーシステムを有する船外機のスイッチ装置
EP3683816B1 (en) Switching device and associated switch
CN111377013B (zh) 车把锁定装置
EP3162642B1 (en) Steering lock device
JP2007015501A (ja) 車両用電源制御装置
CN111377014B (zh) 车把锁定装置
JP4584719B2 (ja) 自動車用盗難防止装置
JP4685892B2 (ja) エンジン始動・停止用スイッチ装置
JP7016793B2 (ja) ハンドルロック装置
KR101716994B1 (ko) 엔진 시동 장치
JP4274879B2 (ja) ステアリングロック装置
KR100818223B1 (ko) 전자인증시스템과 연동되는 스티어링 로크장치 및 그 제작방법
JP2007125970A (ja) 錠装置
JP6570171B2 (ja) エンジン始動装置
JP7223792B2 (ja) 車両用操作装置
JP2010161031A (ja) スイッチ装置及び電源システム
JP2004340109A (ja) スイッチ装置
JP2006046117A (ja) エンジン始動装置
JP2017081346A (ja) ステアリングロック装置
KR20170051621A (ko) 차량 이모빌라이저 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180917

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6413966

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151