JP6412699B2 - 剥離シート - Google Patents
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Description
一方、被着体に貼付した後、接着界面の空気を抜くことができる易貼付性粘着シート(接着シート)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この接着シートは、剥離シートを用いて製造され、複数の球面状凸部が設けられ、隣接する凸部間に空気流通経路が形成されてなる粘着剤層(接着剤層)を有し、被着体に貼付した後に接着界面の空気を当該空気流通経路を介して逃がすことで、当該接着界面に気泡が形成されないようにしている。
また、本発明のさらに他の剥離シートは、接着シートに一方の当接面が仮着される剥離シートにおいて、前記一方の当接面は、線状の1の最深部である第1線状最深部から離間したいずれの位置においても当該第1線状最深部側が外縁側に比べて深く設けられた第1凹部を有し、前記第1凹部は、被着体に線接触可能な1の第1頂線を1の接着シートの接着剤層に形成可能に設けられ、前記第1線状最深部には、前記接着シートが仮着されたときに、当該接着シートとの間に介在する空気を抜くまたは貯めることができる空気逃し部が設けられている、という構成を採用している。
さらに、点状または線状の最深部に、空気逃し部を設ければ、接着剤を第1凹部全体または第2凹部全体に入り込むように積層する際に、接着剤と第1凹部または第2凹部との間に存在する空気を空気逃し部から抜いたり空気逃し部に貯めたりすることで、接着シートの第1、第2頂点または第1、第2頂線から外縁にかかる部分に空気溜まりが形成され、接着剤層に凹凸が形成されてしまうことを防止することができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、各実施形態での同様の構成については、詳細な説明を省略する。
また、第1、第2実施形態および変形例において、X軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、第1、第2実施形態および変形例では、Y軸と平行な矢印AR方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
剥離シートRLは、接着シートASに一方の当接面RAが仮着されるものであって、一方の当接面RAは、点状の1の最深部である第1点状最深部DPから離間したいずれの位置においても当該第1点状最深部DP側が外縁EG側に比べて深く設けられた第1凹部HLを有し、第1凹部HLは、被着体に点接触可能な1の第1頂点TPを1の接着シートASの接着剤AD層に形成可能に設けられている。すなわち、第1凹部HLは、第1点状最深部DPが当該第1凹部HLの中央に位置し、当該第1点状最深部DPから外縁EG側に向けて側面視で直線状に傾斜し、接着剤AD層の接着面FAを形成するための略円錐面形状の接着面形成面FCと、接着剤AD層の側面FBを形成するための略円筒状の側面形成面FDとを備えている。これにより、一方の面と当該一方の面の反対側に位置する他方の面とを有し、一方の面が接着剤AD層とされ、接着剤AD層は、被着体に点接触可能な1の第1頂点TPを備え、当該第1頂点TPから離間したいずれの位置においても当該第1頂点TP側が外縁ED側に比べて肉厚に設けられた接着シートASを形成可能になっている。接着シートASは、他方の面が基材BSとされて被着体の形状に合わせた形状(例えば円形)に形成され、接着剤AD層は、第1頂点TPが接着シートASの中央に位置し、当該第1頂点TPから外縁ED側に向けて側面視で直線状に傾斜する略円錐面形状の接着面FAと、略円筒状の側面FBとを備えている。
なお、第1点状最深部DPには、接着シートASが仮着されたときに、当該接着シートASとの間に介在する空気を抜くまたは貯めることができる空気逃し部EXが設けられている。空気逃し部EXは、例えば、図1(B)中符号AAで示すような空気抜き用の貫通孔HAや、同図(B)中符号BBで示すような空気貯め用の有底穴HB等が例示できる。
接着剤AD層は、アクリル系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤で構成され、1μm〜5mmの厚みを有するものが例示できる。
剥離シートRLは、帯状または枚葉状に形成されていてもよく、上記基材BSで例示したものや、上記基材BSで例示したものに、シリコーン系剥離剤、アルキルペンダント系剥離剤、縮合ワックス系剥離剤、フッ素系剥離剤、ポリエステル系剥離剤などの剥離剤を積層したものや、シリコーン樹脂、アルキルペンダント樹脂、縮合ワックス樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂などそのものからなるものなどで構成され、1μm〜10mmの厚みを有するものが例示できる。
なお、これら基材BS、接着剤AD層および剥離シートRLの厚みは、技術常識に照らし合わせて前述した例示の厚み以上でもよいし、例示の厚み以下でもよい。また、第1点状最深部DPの深さDTは、1μm〜5mmのものが例示できるが、剥離シートRLの厚みを考慮してそれ以上の深さでもよいしそれ以下の深さでもよい。
また、接着剤AD層は、剥離シートRL上に積層するときや、被着体に押圧するときに流動性があることが好ましく、剥離シートRL上に積層するときに、接着面形成面FCに倣って第1凹部HLに入り込んだり、被着体に押圧するときに、当該接着剤AD層の凸形状が押し均されて厚みが略一様(略均等)になったりするとよい。なお、接着剤AD層は、加熱または冷却等の外力を加えることで流動性を発揮するものや流動性が向上するものでもよい。また、被着面側が変形可能なものである場合、接着剤AD層は、被着体に押圧するときに流動性が低くてもよいし流動性がなくてもよい。
接着シートASを被着体に貼付するときには、基材BS側から当該接着シートASを所定の平面からなる支持面を備えた支持手段で支持する。その後、被着体の被着面と接着シートASを支持した支持面とを略平行に配置し、支持面に略直交する方向に支持手段と被着体とを相対移動させて押圧する。これにより、初めに第1頂点TPが被着面に当接し、その後もそれらの相対移動により接着面FAが徐々に外縁に向かって貼付されてゆく。すなわち、第1頂点TPを被着体に当接させ、そのまま接着シートASを被着体に押圧するという1の動作によって、簡単に被着体との間に気泡が形成されないように当該接着シートASを被着体に貼付することができる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し説明を省略する。
図2(A)、(B)において、剥離シートRLAは、図示しない被着体(例えばガラス板)に貼付される接着シートASAの製造に用いられるものである。
剥離シートRLAは、接着シートASAに一方の当接面RAが仮着されるものであって、一方の当接面RAは、線状の1の最深部である第1線状最深部DLから離間したいずれの位置においても当該第1線状最深部DL側が外縁EG側に比べて深く設けられた第1凹部HLAを有し、第1凹部HLAは、被着体に線接触可能な1の第1頂線TLを1の接着シートASAの接着剤AD層に形成可能に設けられている。すなわち、第1凹部HLAは、第1線状最深部DLが当該第1凹部HLAの中央を通り、当該第1線状最深部DLから外縁EG側に向けて側面視で直線状に傾斜し、接着剤AD層の接着面FA1を形成するための2つの面が所定の角度で繋がる接着面形成面FC1と、接着剤AD層の側面FB1を形成するための側面形成面FD1とを備えている。これにより、一方の面と当該一方の面の反対側に位置する他方の面とを有し、一方の面が接着剤AD層とされ、接着剤AD層は、被着体に線接触可能な1の第1頂線TLを備え、当該第1頂線TLから離間したいずれの位置においても当該第1頂線TL側が外縁ED側に比べて肉厚に設けられた接着シートASAを形成可能になっている。なお、第1頂線TLは、接着面形成面FC1における2つの面の繋がり部によって形成される。接着シートASAは、他方の面が基材BSとされて被着体の形状に合わせた形状(例えば円形)に形成され、接着剤AD層は、第1頂線TLが接着シートASAの中央を通り、当該第1頂線TLから外縁ED側に向けて側面視で直線状に傾斜する2つの面が所定の角度で繋がる接着面FA1と、略円筒状の側面FB1とを備えている。
なお、第1線状最深部DLには、第1実施形態と同様の空気逃し部EX1が設けられている。空気逃し部EX1は、例えば、図2(B)中符号CCで示すような空気抜き用の貫通孔HA1や、同図(B)中符号DDで示すような空気貯め用の有底穴HB1等が例示できる。なお、貫通孔HA1、有底穴HB1は、第1線状最深部DLの長手方向の全体にわたって連続的にまたは断続的に1または複数設けてもよいし、一部のみに設けてもよい。
剥離シートRLAを用いて接着シートASAを製造する際も第1実施形態と同様にして製造することができる。
接着シートASAを被着体に貼付するときも、第1実施形態と同様にして貼付することができ、第1頂線TLを被着体に当接させ、そのまま接着シートASを被着体に押圧するという1の動作によって、簡単に被着体との間に気泡が形成されないように当該接着シートASAを被着体に貼付することができる。
さらに、本発明における剥離シートは、図3(B)に示すように、側面視で円弧状の最深部が第1点状最深部DPまたは第1線状最深部DLとされた接着面形成面FC3を含んで第1凹部HLCが構成された剥離シートRLCでもよい。
また、本発明における剥離シートは、図3(C)に示すように、第1点状最深部DPまたは第1線状最深部DLが第1凹部HLDの中心からずれた接着面形成面FC4を含んで第1凹部HLDが構成された剥離シートRLDでもよい。すなわち、接着面形成面がどのような形状であろうとも、そこに形成される第1点状最深部DPまたは第1線状最深部DLの位置は、第1凹部の中心や第1凹部の中心を通る位置であってもよいし、第1凹部の中心や第1凹部の中心を通らない位置であってもよい。
さらに、本発明における剥離シートは、図3(D)、(E)に示すように、傾斜面が側面視で凸状、凹状に湾曲した曲線状の略円錐状または角錐状の接着面形成面FC5、FC6を含んで第1凹部HLE、HLFが構成された剥離シートRLE、RLFでもよい。
また、本発明における剥離シートは、図3(F)、(G)に示すように、傾斜面が側面視で凸状、凹状に折れ曲がった折れ線状の接着面形成面FC7、FC8を含んで第1凹部HLG、HLHが構成された剥離シートRLG、RLHでもよい。
また、本発明における剥離シートは、図4(B)に示すように、第1線状最深部DLが第1凹部HLKの左右いずれかの一端縁と一致し、当該第1線状最深部DLから左右いずれかの他端縁側に側面視で直線状、曲線状または折れ線状に傾斜する1つの接着面形成面FC10と、側面形成面FD4とから第1凹部HLKが構成された剥離シートRLKでもよい。
さらに、本発明における剥離シートは、図4(C)に示すように、第1線状最深部DLが第1凹部HLLの中央を通り、当該第1線状最深部DLから側面視または正面視で左右および前後に直線状、曲線状または折れ線状に傾斜する4つの接着面形成面FC11と、側面形成面FD2とから第1凹部HLLが構成された剥離シートRLLでもよい。
また、本発明における剥離シートは、図4(D)に示すように、上述の剥離シートRLLにおける前後いずれの傾斜面を有さない接着面形成面FC12を含んで第1凹部HLMが構成された剥離シートRLMでもよい。
また、本発明における剥離シートRL、RLA〜RLPの第1凹部に、側面形成面FD、FD1〜FD5を設けなくてもよい。
さらに、本発明の剥離シートの第1、第2凹部の平面形状や接着シートの平面形状は、円形、楕円形、三角形や五角形などの多角形、その他の異形であってもよく、被着体の形状には何ら影響されることはなく、当該被着体の形状に合わせた形状でなくてもよい。
また、第1、第2点状最深部DP、DPPまたは、第1、第2線状最深部DL、DLLに空気逃し部EX、EX1を設けてもよいし、設けなくてもよいし、設ける場合には、1つでも複数でもよい。また、1の第1点状最深部DP、DPPまたは第1線状最深部DL、DLLに、貫通孔HAと有底穴HBとの両方を設けてもよい。
さらに、第1線状最深部DLは、正面視(図2のX軸方向から視て)下方に湾曲または折れ線状に曲がっていてもよいし、平面視(図2の上方から視て)湾曲または折れ線状に曲がっていてもよい。
また、第2線状最深部DLLは、正面視(図3(H)のX軸方向から視て)上方に湾曲または折れ線状に曲がっていてもよいし、平面視(図3(H)の上方から視て)湾曲または折れ線状に曲がっていてもよい。
また、剥離シートRLに複数の第1、第2凹部が設けられてもよいし、複数の第1、第2凹部は、それぞれ同じ形状の第1、第2凹部でもよいし、異なる形状の第1、第2凹部であってもよい。
さらに、各剥離シートRL、RLA〜RLPを用いて接着シートAS、ASA、AT等を製造する方法は、上記した方法以外でもよく、例えば、第1、第2実施形態のようにして接着シートAS、ASAを製造するときに、基材BSおよび接着剤AD層に切込を形成することなく帯状の接着シートとしてもよい。この場合、帯状の接着シートを被着体に貼付した後、任意の形状となるように当該帯状の接着シートを切断すればよい。また、上述のようにして両面接着シートATを製造するときにも、接着剤AD層に切込を形成することなく帯状の両面接着シートとしてもよい。この場合、帯状の両面接着シートを被着体に貼付した後、任意の形状となるように当該帯状の両面接着シートを切断し、その上に他の被着体を接着するようにすればよい。
AS、ASA…接着シート
AT…両面接着シート(接着シート)
DL、DLL…第1、第2線状最深部
DP、DPP…第1、第2点状最深部
EG…外縁
EX、EX1…空気逃し部
HL、HLA、HLB、HLC、HLD、HLE、HLF、HLG、HLH、HLJ、HLK、HLL、HLM、HLP…第1凹部
HLP…第2凹部
RA、RB…一方、他方の当接面
RL、RLA、RLB、RLC、RLD、RLE、RLF、RLG、RLH、RLJ、RLK、RLL、RLM、RLP…剥離シート
TL、TL1、TL2…第1、第1、第2頂線
TP、TP1、TP2…第1、第1、第2頂点
Claims (4)
- 接着シートに一方の当接面が仮着される剥離シートにおいて、
前記一方の当接面は、点状の1の最深部である第1点状最深部から離間したいずれの位置においても当該第1点状最深部側が外縁側に比べて深く設けられた第1凹部を有し、
前記第1凹部は、被着体に点接触可能な1の第1頂点を1の接着シートの接着剤層に形成可能に設けられていることを特徴とする剥離シート。 - 接着シートに一方の当接面が仮着される剥離シートにおいて、
前記一方の当接面は、線状の1の最深部である第1線状最深部から離間したいずれの位置においても当該第1線状最深部側が外縁側に比べて深く設けられた第1凹部を有し、
前記第1凹部は、被着体に線接触可能な1の第1頂線を1の接着シートの接着剤層に形成可能に設けられていることを特徴とする剥離シート。 - 接着シートに一方の当接面が仮着される剥離シートにおいて、
前記一方の当接面は、点状の1の最深部である第1点状最深部から離間したいずれの位置においても当該第1点状最深部側が外縁側に比べて深く設けられた第1凹部を有し、
前記第1凹部は、被着体に点接触可能な1の第1頂点を1の接着シートの接着剤層に形成可能に設けられ、
前記第1点状最深部には、前記接着シートが仮着されたときに、当該接着シートとの間に介在する空気を抜くまたは貯めることができる空気逃し部が設けられていることを特徴とする剥離シート。 - 接着シートに一方の当接面が仮着される剥離シートにおいて、
前記一方の当接面は、線状の1の最深部である第1線状最深部から離間したいずれの位置においても当該第1線状最深部側が外縁側に比べて深く設けられた第1凹部を有し、
前記第1凹部は、被着体に線接触可能な1の第1頂線を1の接着シートの接着剤層に形成可能に設けられ、
前記第1線状最深部には、前記接着シートが仮着されたときに、当該接着シートとの間に介在する空気を抜くまたは貯めることができる空気逃し部が設けられていることを特徴とする剥離シート。
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