JP6403574B2 - 薄膜リチウムイオンマイクロ電池の製造方法及びその方法により得られたマイクロ電池 - Google Patents

薄膜リチウムイオンマイクロ電池の製造方法及びその方法により得られたマイクロ電池 Download PDF

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Description

本発明は、電池、特に、マイクロ電池の分野に関するものである。それは、特に、全固体型のリチウムイオンマイクロ電池及びそのような薄膜マイクロ電池を製造するための新規な方法に関する。
近年、マイクロ加工技術の使用は、マイクロメートルサイズのセンサーを製造することを可能にしている。これらのセンサーは、大きな空間にわたってイベント又はパラメータを検出及び監視するために、ネットワークで用いられる。ネットワーク中に分配されたこれらのセンサーへの電力供給は、配線接続を介してだけ可能であるので、これらのセンサーの完全独立型を製造するための多くの開発がなされてきた。これらのセンサーには、10〜20年間動作可能な搭載電力及びエネルギー源が装備されている。
これらのマイクロセンサーは、長年の間、存在していたものの、マイクロエネルギー蓄積源は、未だ開発段階であり、最初の試作品が市場に登場し始めている。センサーにおいて、これらのマイクロ電池は、エネルギー生成素子と関連付けられる。ミニ太陽電池、並びに熱電及び圧電発電器は、電力が不足するので、センサーが動作可能なエネルギー及び電力の蓄積を与えるマイクロ電池と関連付けられなくてはならない。
マイクロ電池の大きさは、電子部品のサイズとほぼ同じでなければならないので、例えば、ボタン電池の製造に用いられるような従来の電池製造技術は、もはや用いることができない。これらの従来の製造技術は、ミリメートル未満のサイズの素子を製造するのに用いることができず、体積の減少、及びボタン電池の小型化は、エネルギー密度における指数関数的な減少をもたらす。
独立型のセンサーへの電力供給に関して、極めて薄いマイクロ電池の製造に有用な他の多くの応用がある。これは、主に、いわゆるスマートカード及びRFIDラベルの開発用の場合である。
さらに、これまでボタン電池を用いた全てのバックアップ電源の応用は、エネルギー蓄積素子のサイズを小さくする目的のために、充電可能なマイクロ電池を有利に用いることができる。
種々の真空蒸着技術は、薄膜マイクロ電池の製造に用いられている。特に、PVD成膜は、これらの薄膜マイクロ電池を製造するために最もよく用いられる技術である。これらの電池において、溶媒又はポリマー系の電解質の欠如は、電子ボード上でのウェーブソルダリング(噴流ハンダ付け)組み立て技術に必要な温度耐性を与える。有機電解質のこの欠如は、これらの素子を正確に動かすのに必要な低い電気抵抗率及び良好なイオン導電率を保証するために、無孔性で他の独立した欠陥のない薄膜を製造することを必要とさせる。
高密度薄膜を備えたそのような無孔性のマイクロ電池の製造は、電極の厚さに依存したままにもかかわらず、優れたエネルギー及び電力密度を備えたマイクロ電池をもたらす。
しかしながら、そのような膜を製造するために用いられる真空蒸着技術は、極めて高価であり、高い生産性で大きな領域にわたって工業的に実行することが困難である。
これらの技術はまた、電池が極めて小さい場合、電池のエネルギー及び電力密度を低減させる傾向のあるしばしば二酸化ケイ素系の基板上で働かせる必要がある。
原材料は、効率的に使用されないので、高価な成膜型板を使用することもまた必要である。真空スパッタ材料はまた、マスク上及び反応器の壁上に成膜される。
薄膜を製造するための現在利用可能な他の技術は、緻密な粒子の成膜物の固化に基づく具体的実例を含んでいる。これらの技術は、ゾル−ゲル法による成膜物の製造を含んでいる。この技術は、加水分解、重合及び縮合工程の後に得られた基板の表面上にポリマー格子を成膜することからなる。ゾル−ゲル転移は、表面の反応プロセスを加速させる溶媒の蒸発の間に起こる。この技術は、緻密な極めて薄い膜を製造するのに用いられ得る。このようにして得られた膜は、十分な耐久性を有する電池を提供するのに十分でない100ナノメートル程度の厚さである。
連続する工程は、クラック又はクレージングの発生のリスクを誘発させずに成膜物の厚さを増加させるために行われるべきである。したがって、この技術は、成膜物の厚さを増加させようとするとすぐ、工業的生産性の問題を引き起こす。
インキング技術は、2〜3μmの厚さの成膜物を製造することを可能にする。しかしながら、これは、流動性のインクを必要とする。インクの流動性は、乾燥抽出物の量、粒子のサイズ、並びに溶媒及びインクに溶解された任意の有機化合物の性質に依存する。インクの粘度は、粒子の密度の増加に伴って、又は特定の乾燥抽出物にとっては粒子のサイズの減少に伴って、増加する。さらに、溶媒量の増加は、乾燥の段階の間に成膜物中にクラック、空洞及びクラスターが形成されるリスクを増加させる。そういうわけで、成膜物は、緻密化が極めて困難である。成膜物の最終的な緻密化は、インクに含有された溶媒を蒸発させることにより得られる。この乾燥工程は、低い密度の領域が高い密度の領域よりも速く乾燥することによるので、制御することが困難である。乾燥する際のこれらの局所的な違いによって誘発される毛管効果は、共にグループに含浸されたままの高密度のゾーンをもたらすであろう。乾燥した後に、これは、空洞及びクラスターの形成に導く。緻密化によるこれらの欠陥を排除する唯一の方法は、(粒子のサイズが小さくなるとほど大きくなる必要な圧力の)極めて高い圧力下での緻密化、及び/又は粒子を形成する材料の融解温度付近の高い温度での焼成である。
したがって、極めて高い温度は、初期の多孔性構造を固化するために必要である。温度の上昇は、成膜物の厚さにおけるこれらの孔の充填を伴う収縮がクラックに導かない必要があるとすれば、制御することが困難である。さらに、全ての基板は、そのような温度に耐性がなく、そして、成膜物の厚さは、上述した現行の液相成膜技術を用いても、正確に制御され得ない。
真空蒸着技術に関して、良好な空間解像度を有する局所的な成膜物の製造は、成膜型板(ステンシル)を使用することを必要にする。インクは、その後、この型板で遮蔽された基板上に被覆され、そして、インクは、基板上、及びその基板を局所的に遮蔽するために用いた型板の表面上の両方に成膜される。
最後に、電気化学素子、特に電池における薄膜の材料を成膜するための別の代替策がある。これは、電気泳動的な粒子の成膜である。例えば、特許文献1(マサチューセッツ工科大学)には、電極の一方(アノード又はカソード)及び固体電解質が同時に得られ、他方の電極が電気泳動的成膜法により既に形成され、固体電解質がポリマー電解質である電気泳動法による薄膜電気化学素子(電池を含む)の製造が開示されている。多くのカソードの材料、特に、LiCoO2及びLiFePO4は、言及され、言及された固体電解質は、ポリマー電解質である。
特許文献2(カリフォルニア大学)には、固体状態で電気化学素子基板上にセラミック被膜を形成する方法が開示されている。成膜は、その後に乾燥及び焼成が続く、イソプロピルアルコール中のセラミック粒子の懸濁液の電気泳動法により行われる。その方法は、本質的に固体酸化物燃料電池(SOFC)に適用される。
特許文献3、特許文献4、特許文献5及び特許文献6(Infinite Power Solutions)には、真空蒸着以外の技術によって成膜されたカソードを備えた電気化学素子が開示され、特に、マイクロメートルサイズのLiCoO2粉末からの電気泳動法によるカソード膜の成膜が開示されている。しかしながら、このフィルムは、空洞を備えているので、高い温度での焼成によって固化されなくてはならない。電池の他の部分は、真空蒸着法により得られる。
特許文献7(3G Solar Ltd)には、TiOナノ粒子の懸濁液から出発する電気泳動法によるTiOからなるナノ多孔性電極の成膜が開示されている。その電極の厚さは、10μm程度である。
幾つかの文献には、薄膜電池の一部を製造するために電気泳動法を使用することが記載され、これらの文献に言及されているように、電気泳動法は、多孔性の膜に導く。
特許文献8(デンソー)には、活性材料の膜が電気泳動法により形成される、電池用の電極を製造する方法が開示されている。具体的に、この特許には、電荷コレクターが溶媒中の活性材料を備えた溶液に含浸され、電池用の電極を製造するためのより一般的な方法の一部になる方法が開示されている。溶液に含有される上記活性材料の電気泳動法は、この溶液中に電位勾配を発生させることにより行われ、活性材料は、コレクターの表面に活性材料の膜を形成し、上記コレクターの表面に固定される。この方法を用いるリチウムイオン電池用の多孔性カソード膜の製造が言及される。アノード及び電解質を製造するために用いる技術については、言及されていない。
特許文献9(デンソー)には、電池の電極上に固体電解質を成膜し、その成膜物が電気泳動法により製造される方法が開示されている。成膜の後に、固化は、行われなく、成膜物は、多孔性である。検討された電解質は、本質的にポリマー電解質及びヨウ化リチウムである。
米国特許第7662265号明細書 米国特許第6887361号明細書 米国特許出願公開第2007/184345号明細書 国際公開第2007/061928号パンフレット 米国特許出願公開第2008/286651号明細書 国際公開第2010/011569号パンフレット 米国特許第7790967号明細書 特許第4501247号公報 特開2002−042792号公報
本発明の第1の目的は、低い投資及び運転コストで高い成膜速度をもたらす方法を用いて、優れた幾何学的精度、特に精密に制御された厚さ、及び極めて少数の欠陥を有する膜を備えた全固体型の薄膜電池の製造である。
本発明の別の目的は、工業的に容易に実施され、且つ環境汚染をほとんど引き起こさない方法を用いて、薄膜電池を製造することである。
本発明の別の目的は、種々の化学組成を有する薄膜を製造する極めて簡単な方法を開示することである。
別の目的は、より良い電力密度及びより良いエネルギー密度を有する電池を製造することである。
さらに、別の目的は、劣化することなく高い温度への暴露に耐え得るより長い寿命の電池を製造することである。
さらに、別の目的は、充電式の電池を製造することである。さらに、別の目的は、20〜30又は200〜300マイクロメートルを超えない厚さであり、電子ボード、スマートカード、RFIDラベル、並びに他の小型及び/又は可撓性の素子に組み込まれ得る薄い電池を製造することである。
これらの目的は、アノードコレクターに電気的に接触するアノード材料の膜(アノード膜)と、固体電解質材料の膜(電解質膜)と、カソードコレクターに電気的に接触するカソード材料の膜(カソード膜)とを備えた全固体型の薄膜マイクロ電池を製造する方法であって、基板又はその導電性成分が上記電池電極(アノード又はカソード)のコレクターとして用いられ得る上記基板の導電性ゾーン上に第1電極膜(カソード又はアノード)を電気泳動法により成膜し、上記第1電極膜上に電解質膜を電気泳動法により成膜し、上記電解質膜上に第2電極膜(アノード又はカソード)を電気泳動法又は真空蒸着法のような別のプロセスにより成膜する方法を用いて成し遂げられる。
上記方法はまた、電気泳動法により成膜された膜の1つのいわゆる固化工程、又は電気泳動法による各成膜の後に続いて行われる幾つかのいわゆる固化工程を備える。これらの固化工程は、電気泳動法により成膜された膜の密度を増加させる効果を有する。その(それらの)固化は、カソード膜、電解質膜及びアノード膜の少なくとも1つの成膜の後に、行われてもよい。それ(それら)は、好ましくは、アノード膜が電気泳動法以外の技術を用いて成膜された場合、カソード膜の成膜の後及び/又は電解質膜の成膜の後に、あるいはアノード膜が電気泳動法により成膜された場合、アノード膜の成膜の後に行われる。
上記固化は、例えば、2つのローラーの間の通過による、加圧(好ましくは静水圧)による、衝撃による、熱処理による、又はこれらの組み合わせによる機械的なプロセスを用いて実行可能である。
ある実施形態において、熱的な固化工程及び場合によっては機械的な固化工程は、真空下又は不活性ガス下で行われる。
熱的な固化は、1つ又は幾つかの機械的な固化工程の前に又は同時に行われてもよい。
ある有利な実施形態において、上記固化工程は、
単一の膜の固化が必要な場合、電気泳動法により成膜された材料
互いに異なる化学組成を有する複数の粒子を含有する膜の固化が必要な場合、電気泳動法により共同に成膜された材料のうち、最低の融解する温度を有する材料
幾つかの膜が同時に固化されなくてはいかない場合、最高の融解する温度を有する膜中の材料
の融解又は分解する温度(℃表示)の0.7倍を超えない、好ましくは0.5倍を超えない(さらに好ましくは0.3倍を超えない)温度TRで行われる。
何れの場合においても、600℃を超えないことが有利であり、500℃又は400℃を超えないのが好ましい。
さらに特に、本発明の全固体型の薄膜電池の製造方法は、
粒子「P+」を含有し、「カソード材料」の懸濁液と呼ばれる第1コロイド懸濁液「SP+」を準備する工程(a)と、
粒子「Pn」を含有し、「固体電解質材料」の懸濁液と呼ばれる第2コロイド懸濁液「SPn」を準備する工程(b)と、
完全に又は部分的に導電性表面で覆われた絶縁基板を準備する工程(c)と、
対向電極の存在下でカソード材料の粒子「P+」を含有する上記第1コロイド懸濁液「SP+」の浴内で場合によっては絶縁性の型板によって局所的に遮蔽された上記基板を浸漬した後に、上記基板及び上記対向電極の間に電圧を印加することにより、上記基板上にカソード材料の粒子「P+」を含有する電気泳動的な成膜物を得て、第1中間生成物「BP+」を得る工程(d)と、
対向電極の存在下で電解質材料の粒子「Pn」の上記第2コロイド懸濁液「SPn」の浴内で絶縁性の型板によって局所的に遮蔽され得る上記第1中間生成物「BP+」を浸漬した後に、上記基板及び上記対向電極の間に電圧を印加することにより、上記第1中間生成物「BP+」のカソード膜の表面上に電解質材料の粒子「Pn」の電気泳動的な成膜物を得て、第2中間生成物「BP+Pn」を得る工程(e)と、
型板によって局所的に遮蔽され得る上記第2中間生成物「BP+Pn」の電解質膜上にアノード膜を真空蒸着法、又は「アノード材料」と呼ばれる粒子「P−」を含有する第3コロイド懸濁液「SP−」から出発する電気泳動法によって成膜することにより、第3中間生成物「BP+PnP−」を得る工程(f)とを備える。
マイクロ電池を終端させるための次の工程は、上記第3中間生成物「BP+PnP−」のアノード膜上にアノード電流コレクター膜を成膜することである。
アノードとしてリチウム又はリチウム合金アノードが成膜される場合、このアノードは、電流コレクターとしても用いられることができ、基板に予め成膜された終端への接続を行うことができる。
有利には、上記粒子「P+」、粒子「P−」及び粒子「P+」の少なくとも1つは、ナノ粒子である。
基板は、金属化ゾーンを備えた絶縁体であってもよい。これらの金属化は、電流コレクター又は電気的終端として用いられ得る。
ある実施形態において、電気泳動法による成膜は、1μm未満、好ましくは100nm未満、さらに好ましくは30nm未満の粒子のコロイド懸濁液を用いて好適に行われる。好ましくは100nm未満、さらに好ましくは30nm未満のナノ粒子の使用は、固化後に優れた密度の薄膜をもたらすことができる。この密度は、好都合に、固体物質の理論密度の85%、好ましくは90%、さらに好ましくは95%に到達する。
有利には、固化後の複数の膜の少なくとも1つの多孔性は、15%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。
本発明の方法において、アノード、カソード及び電解質材料の少なくとも1つにおけるナノ粒子の平均サイズD50は、1μm未満、好ましくは100nm未満、さらに好ましくは50nm未満、さらに好ましくは30nm未満である。これは、より低い温度での薄膜の熱的な固化を可能にする。このような理由によりほぼ球又は立方体形状の粒子が好ましい。
熱的な固化後のアノード、カソード及び電解質膜の少なくとも1つの平均粒子サイズは、1μm未満であり、これは、電池の局所的な不均衡を減少させるので、電池の寿命を増加させる。熱処理の持続時間は、粒子の過度の(「寄生的な」)成長のリスクを防ぐように適切になるべきである。
本発明の別の目的は、低い温度での固化を容易にするために、電気泳動法による成膜の後に高度に緻密で、特に、空洞、クラック及びクラスターのない膜を得ることである。
幾つかの実施形態において、工程(a)、(b)及び(c)で準備されコロイド懸濁液た「SP+」、「SP−」及び「SPn」の少なくとも1つのゼータ電位は、成膜された膜中の欠陥に導くこともあり得るいかなる粒子クラスターを含有しない安定な懸濁液を得るために、40mV超又は60mV超である。これらの懸濁液は、立体的又は好ましくは静電気的な安定化剤を含有してもよい。
ナノ粒子の電気泳動的な成膜は、粒子成膜工程の前に導電性バンド上のゼータ電位を低減させるように設計された化合物を成膜する工程によって、粒子「P+」、粒子「P−」及び粒子「P+」の少なくとも1つの成膜よりも前に容易にされてもよい。
本発明の別の目的は、成膜物の機能を増加させるために幾つかの相に関連付け得る極めて広範な種類の化学組成を有する薄膜の成膜である。この目的は、粒子混合物の懸濁液を用いて成膜を容易にする電気泳動的な技術を用いることにより成し遂げられる。
本発明の別の目的は、極めて正確に成膜厚さ(200〜300nmから20〜30μm又は約100μmまでに変化する厚さ範囲内で)を制御することを可能にすることである。より正確には、成膜物の全表面にわたって厚さの完全な均一性、優れた再現精度、及び工業規模での繰り返し再現性を保証する方法を持つことを必要とする。
さらに別の目的は、原材料の最大の節約を成し遂げることである。
これらの目的は、カソード膜、電解質膜、及び有利にはアノード膜をも作製する際に、電気泳動法による成膜の間に成膜電流を正確に制御して、電気泳動法を用いることにより成し遂げられる。ある有利な実施形態において、アノード及び/又はカソード膜の固化後の厚さは、20μm未満、好ましくは10μm未満、さらに好ましくは5μm未満である。
さらに別の目的は、硬質又は可撓性の基板上に、優れた信頼性、長い寿命及び低い自己放電性を有し、充電が可能で極めて高いエネルギー貯蔵密度を有する新規で容易に作製可能な薄膜ミクロ電池を開示することである。この目的は、上述した方法の実施形態及び変形例の何れか1つによって製造され、カソード電流コレクター上に成膜されたカソード電極膜、電解質膜、及びアノード電流コレクターに直接的に又は間接的に接続され得るアノード電極膜からなる膜の連続した積み重ねを備えた全固体型の薄膜マイクロ電池によって成し遂げられる。好ましくは、上記カソード電極、電解質及びアノード電解質膜の少なくとも1つ、好ましくはそれらの膜の3つ全ては、20%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満の多孔性を有する。
(a)、(b)、(c)及び(d)は、ほぼ等方性の形状の粒子を積み重ねることによって形成された膜を示す図であり、(e)は、PVD技術を用いて基板上に成膜された膜を示す図である。
図1(a)は、基板1上の粒子2の緻密な成膜を示す図である。全ての粒子2は、それらの隣り合った粒子2a、2b、2c、2dに接触している。粒子2の間には、孔3が存在している。
図1(b)は、本発明の方法を用いて得られるような粒子2の緻密な成膜を示す図である。
図1(c)は、基板上の欠陥を有する粒子2の成膜物を示す図である。これらの欠陥は、本質的にクラスター5の存在に関連する空洞6であるので、これらの空洞6は、極めて小さい幾何学的スケールのクラスター内空洞3と異なり、クラスター間空洞を形成する。本発明の方法を用いる成膜の場合、使用する懸濁液が十分に安定でないと、これらのクラスター5が形成される。
図1(d)は、乾燥後に発生したクラックを有する粒子の成膜物を示す図であり、これらのクラックは、開口した(スルー)クラック7又は内部(ノンスルー)クラック8であるかもしれない。
図1(e)は、PVD型の技術を用いて得られるような高密度の成膜物4を示す図であり、これらの高密度の成膜物は、粒子の積み重ねによって形成されないので、その多孔性は、0%に近くなる。
本発明の1つの実施形態を示す図であり、(a)、(b)、(c)、(d)は、電極が成膜された基板が金属化されたゾーンを有する絶縁基板である本発明による方法の別の特定の実施形態における互いに異なる工程で得られた生成物を示す図である。この実施形態において、アノードは、基板上に予め成膜された負の終端に接続される電流コレクターとして用いられ得る真空下で成膜されたリチウム膜である。 絶縁性型板を用いる電気泳動法による成膜方法を示す図である。 本発明の方法の典型的な実施形態を示す図である。 本発明の方法の別の典型的な実施形態を示す図である。 (a)、(b)、(c)及び(d)は、互いに異なる粒子集合体構造におけるリチウム拡散経路を示す図である。 (a)は、10g/Lの乾燥抽出物を有するLTO粒子の懸濁液のボルタンメトリー曲線を示す図であり、(b)は、2g/Lの乾燥抽出物を有すると共に2〜3ppmのクエン酸を含有するLTO粒子の懸濁液のボルタンメトリー曲線を示す図である。 懸濁液中の電解質粒子(Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3)のサイズ分布を示すDLS図である。
本発明の目的のために、「電気泳動的成膜」又は「電気泳動法による成膜」は、液体媒体の懸濁液に予め入れられた帯電した粒子を導電性基板の表面に成膜する方法によって成膜された膜に関連し、ここで、粒子の基板表面への移動は、一方の電極が表面に成膜物が形成される導電性基板を構成し、他方の電極(対向電極)が液相内に設置される、懸濁液内に配置された2つの電極の間に電界を加えることによって生じる。したがって、粒子の緻密な成膜物は、ゼータ電位が以下に示すような適正な値であれば、基板上に形成される。
本明細書の文脈において、粒子のサイズは、その最大の寸法を基準とする。したがって、「ナノ粒子」は、その寸法の少なくとも1つが100nm未満である粒子である。粉末又は一組の粒子の「粒子サイズ」又は「平均粒子サイズ」は、D50で与えられる。
懸濁液の「ゼータ電位」は、溶液の中心部と粒子の剪断面との間の電位差になると定義される。それは、懸濁液の安定性を表している。剪断面(又は流体力学的半径)は、粒子が溶液内を移動するとき溶媒が粒子と共に移動する、粒子周りの仮想球面に相当する。ゼータ電位の理論的根拠及び測定法は、電気泳動法による成膜を発展させる電気化学者に知られ、電気泳動易動度から導き出される。ゼータ電位の直接測定を行う市販の技術及び装置が幾つかある。乾燥抽出物が少ない場合、ゼータ電位は、マルバーン社(Malvern Company)製のゼータサイザーナノ(Zetasizer Nano)ZS型の装置を用いて測定される。この装置は、加えられる電界に応じて、粒子の移動速度を測定する光学素子を用いる。溶液は、光の透過が可能になるぐらい高度に希釈されなければならない。乾燥抽出物が多い場合、ゼータ電位は、例えば、コロイダルダイナミクス社(Colloidal Dynamics Company)製の「アコーストサイザー(acoustosizer)」と呼ばれる装置を用いて、音響泳動技術を用いて、測定される。それから、粒子の速度は、音響技術により測定される。
「分散剤」は、コロイド懸濁液を安定化し、特に、粒子を凝集させなくすることができる化合物を意味している。
ここに用いられるマイクロ電池という用語は、素子の全体の規模でなくむしろその厚さに当てはまる。リチウムマイクロ電池は、常にマイクロメーターのものであるものの、電力を供給する素子の要求に応じて、例えば、数ミリメートル又は数センチメートルのように、よりずっと長く且つ幅広くなってもよい。
本発明の方法は、本質的に、カソード、アノード及び固体電解質材料の粒子の電気泳動的成膜工程を備える。そのような方法は、公知の成膜方法で得られた量と比較して、得られた膜における特に大きな孔、空洞、クレージング及びクラスターの欠陥の量をかなり削減することができ、成膜された膜の性質は、成膜物をなす懸濁液が十分に安定である場合、より良好になる。
本発明の方法は、電極及び/又は電解質の薄膜を成膜するために用いられることができる。これらの膜の厚さは、たいてい約20μm未満、好ましくは約10μm未満、さらに好ましくは5μm未満である。
本発明の全固体型の薄膜電池の製造方法は、複雑で極めて高い投資コスト、及び極めて生産的でない機械を必要せず、高い成膜速度で容易に、0.1μmから数10又は100μmまで変化する広範な厚さ範囲にわたって(粒子のサイズに応じて)極めて正確に制御された厚さで大きな基板領域上に低い温度で極めて高い密度の成膜を行うのに用いられるという点で、公知な技術、特に、PVD成膜技術に有利に取って代わるものである。
図1(a)〜図1(c)は、本明細書で「孔」と呼ばれる粒子2の間のクラスター内空洞3と、「空洞」6と呼ばれるクラスター5の間のクラスター間孔6との違いを示す。
緻密な成膜物は、空洞又はクラックのない成膜物である。他方では、それは、百分率で表し、次のように計算される多孔性を有している。
多孔性(%)=[(固体状態の材料の密度)−(実密度)]/(実密度)×100
ここで、「実密度」は、成膜された膜で測定された密度であり、固体状態の材料の密度は、積み重ねたときに多孔性をもたらす粒子の存在を無視する成膜された材料の固体密度である。
次に、本発明の方法における各工程について説明する。
<懸濁液の準備>
成膜は、完全に均一な厚さを有し、荒さが無く、ほとんど欠陥が無く、電気泳動的成膜工程の後にできるだけ緻密な成膜物を得るために、極めて安定なコロイド懸濁液SP+、SP−、SPnから行われることが好ましい。懸濁液の安定性は、粒子P+、P−、Pnのサイズ、使用される溶媒、及びコロイド懸濁液を安定化させるために使用された安定化剤の性質に依存する。これらのコロイド懸濁液の準備は、本発明の方法の主な実施形態における工程(a)、(b)及び(c)に相当する。
「SP+」は、カソード膜を得るために用いる粒子「P+」のコロイド懸濁液を表し、「SP−」は、アノード膜を得るために用いる粒子「P−」のコロイド懸濁液を表し、「SPn」は、電解質膜を得るために用いる粒子「Pn」のコロイド懸濁液を表す。
ナノメートルサイズの粒子を含有するコロイド懸濁液は、必要であれば、成膜物の後の固化を容易にし、薄膜成膜物が極めて正確な厚さ及び断面(荒さ)を有して形成されることを保証することが好まれる。これらの粒子の平均サイズD50は、好ましくは100nm未満、さらに好ましくは30nm未満(特に、懸濁液が高融点の材料の粒子を含んでいる場合)である。小さい粒子を有する成膜物の固化は、成膜物が緻密である場合、かなり容易になる。平行六面体形状を有する粒子もまた用いられてもよい。
安定したコロイド懸濁液から電気泳動的成膜を行うことは、成膜物の固化に不利となる孔、空洞及びクラスターの形成を防止する。さらに、この技術を用いると、成膜された粒子のサイズにかかわらず、機械的な加圧及び解放を必ずしも使用することなく、優れた緻密さを備えた成膜物を持つことを可能にする。
成膜物のこの高い緻密性は、懸濁液が低い含量の乾燥抽出物を有して、高度に希釈されていても、得られる。
懸濁液の安定性は、それらのゼータ電位によって表される。本発明の文脈において、懸濁液は、40mVを超えると安定になり、60mVを超えると極めて安定になるとみなされる。他方では、粒子のクラスターは、ゼータ電位が20mV未満になると、発生し得る。したがって、成膜は、薄膜の良好な緻密性を保証するために、好ましくは40mVを超えるゼータ電位、さらに好ましくは60mV(絶対値)のゼータ電位を有するコロイド懸濁液から行われる。
電気泳動法で用いられることになるコロイド懸濁液は、有機溶媒、脱イオン水又は溶媒の混合物かもしれない電気絶縁性の溶媒と、成膜されるべき粒子とを含み、一つ又は幾つかの安定化剤を含んでもよい。
安定な懸濁液において、粒子は、成膜物における空洞、クラスター及び/又は重大な欠陥を引き起こすクラスターを生成する互いの凝集を伴わない。粒子は、懸濁液中で孤立したままである。また、本発明の一つの実施形態において、緻密な成膜物を得るために必要な懸濁液の安定性は、安定化剤の添加によって得られる。
安定化剤は、粉末の凝集、及びクラスターの形成を妨げる。それは、静電気的に又は立体的に作用する。静電気的安定化は、電荷間の静電気的な相互作用に基づき、溶液中の帯電した種(イオン)の分布により得られる。静電気的安定化は、イオン濃度によって制御され、その結果として、pHに依存するかもしれない。立体的安定化は、懸濁液に添加されると、粒子の表面で吸収され、粒子間の空間の密集による反発を引き起こす非イオン表面活性物質のポリマー又はタンパク質を使用する。2つの安定化機構の組み合わせもまた可能である。静電気的安定化は、実行が容易であり、可逆であり、費用がかからなく、その後の固化工程を容易にするので、本発明の目的にとって好ましい。
しかしながら、本発明者らは、本発明に用いられる電池材料のナノ粒子に対して、安定化剤を添加することなく、粒子間にクラスター及び/又は2〜3の粒子のクラスターが形成されない粒子の安定なコロイド懸濁液が得られることを確認した。粒子及び/又はクラスターは、好ましくは100nm未満であり、より好ましくは50nm未満である。
これらの懸濁液は、アルコール及び/又はケトン型の有機溶媒中において、2g/L及び20g/Lの間、好ましくは3g/L及び10g/Lの間、さらに好ましくは4g程度の少量の乾燥抽出物に対して得られた。これらの安定化剤を添加しない単分散の粒子の安定なコロイド懸濁液は、本発明にとって特に好ましい。
そのような懸濁液のゼータ電位は、たいてい40mV未満であり、さらに好ましくは25及び40mVの間である。これは、そのような懸濁液が不安定になる傾向があることを意味するものの、本発明者らは、電気泳動的成膜に対するこれらの懸濁液の使用が極めて良好な性質の成膜された膜に導くことを確認した。
このタイプの懸濁液を用いると、ナノ粒子は、負に帯電されるので、陽極泳動成膜と相性がよい。電気泳動の分極に適合させるようにナノ粒子の表面電荷を修正するための懸濁液への安定化剤又はカチオンの添加は、汚染された成膜物に導くかもしれない。低揮発性の有機安定化剤は、ナノ粒子を電気的に孤立させ、少しの電気化学応答もさせないかもしれない。
5V未満の成膜電圧は、使用する溶媒が水である場合、選ばれなくてはならない。水は、約5Vにおいて、電極上でガスの生成を引き起こし、成膜物を多孔性にし、基板上の結合を弱くする電気分解され得る。水媒体中のガルバニック反応はまた、成膜物を汚染し得る金属カチオンの形成を引き起こす。
ある好ましい実施形態において、成膜物は、溶媒相で形成される。したがって、より高い電圧で動作させて、成膜速度を増加させることが可能である。
本発明によれば、カソード薄膜を製造するために用いられるナノ粒子は、好ましくは、
(i)LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、LiMn1.5Ni0.5O4、LiMn1.5Ni0.5-xXO4の酸化物(ここで、Xは、Al、Fe、Cr、Co、Rh、Nd、他の希土類元素の中から選択され、O<x<0.1)、LiFeO2、 LiMn1/3Ni1/3Co1/3O4
(ii)LiFePO4、LiMnPO4、LiCoPO4、LiNiPO4、Li3V2(PO4)3のリン酸塩、
(iii)V2O5、V3O8、TiS2、TiOySz、WOySz、CuS、CuS2のカルコゲニドの全てのリチウム塩
の材料の中から1つ又は幾つか選択される。
本発明によれば、アノード薄膜を電気泳動法により製造するために用いられるナノ粒子は、好ましくは、
(i)スズ酸窒化物(代表式SnOxNy)、
(ii)シリコン及びスズの混合酸窒化物(代表式SiaSnbOyNz、ここで、a>0、b>0、a+b≦2、0<y≦4、0<z≦3)(SiTONとも呼ばれる)、特にSiSn0.87O1.2N1.72、並びに式SiaSnbCcOyNz、SiaSnbCcOyNzXn及びSiaSnbOyNzXnの酸窒化物、ここで、a>0、b>0、a+b≦2、0<c−10、0<y<24、0<z<17、Xnは、F、Cl、Br、I、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、Ge、Pbの元素の少なくとも1つである、
(iii)SixNy(特に、x=3、y=4)、SnxNy(特に、x=3、y=4)、ZnxNy(特に、x=3、y=4)、Li3-xMxN(ここで、Mは、Co、Ni、Cu)型の窒化物、
(iv)SnO2、Li4Ti5O12、SnB0.6P0.4O2.9の酸化物
の材料の中から1つ又は幾つか選択される。
アノード又はカソードは、上述した材料、並びに特に黒鉛及び/又は電解質膜を製造するのに使用されるタイプのリチウムイオン導電性材料のナノ粒子に対して、電子伝導性材料のナノ粒子を添加することによって製造され得る。幾つかの電極材料は、不良なイオン及び電気導体であるので、成膜厚さが0.5μmを超える場合、その電極は、抵抗がありすぎて、もはや機能しない。1〜10μmの厚さは、良好なエネルギー密度の電池を有するために、電極にとって通常必要とされる。この場合、電極材料の粒子と、導電性粒子(イオン及び/又は電気)の共同成膜物が必要とされる。
アノード膜が電気泳動法以外の方法により成膜される場合、好ましくは真空蒸着によって行われ、成膜された材料は、好ましくはリチウム又はリチウム合金である。
電解質は、良好なイオン伝導体で電気絶縁体でなければならない。本発明によれば、電解質薄膜を製造するために用いられるナノ粒子は、好ましくは、
(i)式LiPONz、ここで、x〜2.8、2y+3z〜7.8、0.16≦z≦0.4、特にLi2.9PO3.3N0.46、式LiPONySz、ここで、2x+3y+2z=5=w、3.2≦x≦3.8、0.13≦y≦0.4、0≦z≦0.2、2.9≦w≦3.3、又は式LitPxAlyOuNvSw、ここで、5x+3y=5、2u+3v+2w=5+t、2.9≦t≦3.3、0.84≦x≦0.94、0.094≦y≦0.26、3.2≦u≦3.8、0.13≦v≦0.46、0≦W≦0.2の全ての変異体のリチウム及びリンの酸窒化物(LiPONと呼ばれる)系のリチウム化合物、
(ii)リチウム、リン及びシリコンの酸窒化物(LiSiPONと呼ばれる)系のリチウム化合物、特にLi1.9Si0.28P1.0O1.1N1.0
(iii)LiBON、LiBSO、LiSiPON、LiSON、チオLiSiCON、LiPONB型(B、P及びSは、ホウ素、リン及び硫黄をそれぞれ示す)のリチウム酸窒化物、
(iv)La0.51Li0.34Ti2.94、Li3.4V0.4Ge0.6O4、Li2O-Nb2O5、LiAlGaSPO4の化合物、
Li4SiO4、Li3PO4、Li2CO3、B2O3、Li2O、Al(PO3)3LiF、P2S3、Li2S、Li3N、Li14Zn(GeO4)4、Li3.6Ge0.6V0.4O4、LiTi2(PO4)3、Li0.35La0.55TiO3、Li3.25Ge0.25P0.25S4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3、Li1+xAlxM2-x(PO4)3(ここで、Mは、Ge、Ti及び/又はHfであり、0<x<1)、Li1+x+yAlxTi2-xSiyP3-yO12(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)、Li1+x+zMx(Ge1-yTiy)2-xSizP3-zO12(ここで、0≦x≦0.8、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6)特に、4.9LiI-34.1Li2O-61B2O3、0.30Li2S- 0.26B2S3-0.44LiI、60Li2S-40SiS2、0.02Li3PO4-0.98(Li2S-SiS2)、2(Li1.4Ti2Si0.4P2.6O12)-AlPO4、0.7Li2S-0.3P2S5系の配合物
の材料の中から1つ又は幾つか選択される。

[補正の理由等]
請求項5〜8、12〜14、17〜22、24〜27、29、30、32〜37の補正は、出願当初の請求項の選択的な記載を場合分けして明確にしたものです。また、請求項24(出願当初の請求項15)において誤記の訂正を行いました。ここで、訂正した「0.84≦x≦0.94」は、例えば、出願当初の明細書の段落番号[0090]に記載された「5x+3y=5」及び「0.094≦y≦0.26」から導き出され、出願当初の「0.94≦x≦0.84」の上限及び下限を入れ替えたものです。したがって、本補正は、出願当初の明細書等に記載した事項の範囲内においてするものです。
いったん必要な化学組成(すなわち、粉末又は混合粉末の性質)を設定すると、ナノ粒子が適切な液相中の溶液に注入される。幾つかの実施形態では、ゼータ電位が好ましくは40mVさらに好ましくは60mVを超えるような懸濁液を得るために、安定化剤が添加される。
しかしながら、有利には、使用される懸濁液は、少しの安定化剤も含まなく、特に低い含量(通常10g/L未満)の乾燥抽出物を有し、特に100nm未満、好ましくは50nm未満の粒子を含有する。この場合、懸濁液のゼータ電位は、たいてい25及び40mVの間である。
例えば、使用される溶媒は、ケトン、アルコール又はその2つの混合物に基づいている。
使用される立体的安定化剤は、特に、選択した有機溶媒に可溶なポリエチレンイミン(PEI)、ポリアクリル酸(PAA)、クエン酸及びニトロセルロースを含んでいる。
静電気的安定化剤は、酸又は塩基を添加したヨウ化物の添加によって準備される。懸濁液が溶媒相で準備される際に、溶液は、微量の水及び酸を添加することによって、酸性化又は塩基性化されてもよい。
懸濁液の電気伝導率は、誘電破壊のいかなるリスクをなしに2つの電極の間に大きな電位勾配を得るように制御されていてもよい。好ましくは、コロイド懸濁液の電気伝導率は、1及び20μS/cmの間である。少量の酸及び強塩基は、懸濁液の電気伝導率を制御し、粒子表面を荷電させるために、添加されてもよい。
粒子を凝集させずに、場合により(100nm未満又は30nm未満の平均サイズを得るために)粒子のサイズを調整し、サイズのばらつきを少なくするために、そして、クラスターのないナノメートルサイズの粒子を有する安定な懸濁液を得るために、懸濁液にナノ粒子を注入する前に、粉末の粉砕及び/又は分散工程を行う必要があるかもしれない。超音波もまた、凝集の解消及び懸濁液への粒子の注入を補助するために用いられてもよい。
粉砕及び分散工程の間に粒子に生じる欠陥は、機械的圧縮が行われたときと同様に、固化温度を引き下げることができる。
<膜の電気泳動的成膜>
本発明によれば、少なくともカソード膜及び電解質膜は、電気泳動法的に成膜される。粒子の電気泳動的成膜は、コロイド懸濁液中の帯電した粒子を移動させて基板上に成膜させるために、成膜物が生じる基板と対向電極との間に電界を印加することにより、行われる。粒子と共に表面に成膜されたバインダー及び他の溶媒の欠如は、結果として極めて緻密な成膜物を生じさせることができる。電気泳動的成膜により得られた緻密度、及び成膜物中の有機化合物の多量の欠如は、乾燥工程中の成膜物中のクレージングのリスク又は他の欠陥の出現を制限又は防止することができる。
さらに、電気泳動法により得られた成膜物がバインダー又は他の有機化合物を少しも含有しないという事実によれば、本発明の方法は、腐食性又は有害な化合物の焼成又は蒸発工程を少しも必要としない。経済的及び環境的な制約の増加は、大気への放出を減らすことを必要とするので、本発明は、これらの制約を満足する。
さらに、これらの有機化合物の焼成は、成膜物中において、後で充填され難い空のゾーン、空洞を引き起こす傾向にある。これらの非結合工程はまた、成膜された粒子の表面の汚染を引き起こすこともありうる。
さらに、成膜速度は、印加される電界、及び懸濁液中の粒子の電気泳動的移動度に依存して、極めて高くすることができる。200Vの印加電圧の場合、10μm/分程度の成膜速度が得られる。
図3は、電気泳動法による成膜の動作原理を示す。
本発明者らは、本技術が極めて広い領域に優れた均一性で極めて高い正確さで(粒子濃度及び電界が基板の表面にわたって均一になるように与えられて)成膜物を製造するために用いられ得ることを確認した。この技術はまた、三次元の表面を被覆するために用いられ得る。
カソード、アノード及び固体電解質膜の各厚さは、好ましくは1μm及び10μmの間である。
機械的な固化工程(例えば、加圧による)は、後の固化をさらに簡略化するように粒子を緻密化して粒子の変形を誘発するために、膜の成膜の後、及びある場合には熱処理焼成工程の前に行われてもよい。
電気泳動法による成膜は、「バッチ」(静止)型の方法又は連続的な方法に適用されてもよい。
電気泳動的成膜の間中、コロイド懸濁液中に位置付けられた導電性基板及び対向電極の間に電圧を印加するために、安定した電源が用いられてもよい。この電圧は、直流又は交流であってもよい。得られた電流の正確な測定は、成膜された厚さの測定、及びその厚さの正確な制御に有用である。成膜された膜が絶縁性であり、それらの膜の厚さが電界の値に影響を及ぼす場合、電流を制御する成膜方法が好ましい。電界の値は、界面の抵抗率に応じて変更される。
この成膜技術もまた、その形状及び荒さ欠陥の存在にかかわらず表面の完全な被覆を可能にする。その結果、それは、電解質膜の誘電特性を保証することができる。
電気を通さない又は電気をわずかにだけ通す材料が基板の表面に成膜される場合、あまりよく被覆されていない何れの領域でもよく導通するので、欠陥を相殺又は除去する傾向のある高い成膜速度が局所的に集中する。したがって、得られた成膜物の本質的な性質が優れ、欠陥がほとんどなく、成膜物が極めて均一になる。
図4の流れ図は、本発明の方法の典型的な実施形態を示し、この場合、各膜が示されている。
工程1:懸濁液の準備。使用される粉末は、成膜される被膜(薄膜)の化学組成を有する。
工程2:コロイド懸濁液中への基板の浸漬。コロイド懸濁液は、基板の全表面を覆ってもよい。ある特定の実施形態において、懸濁液と接触する領域を制限して、成膜物の領域を減少させるために、基板の表面に型板を適用してもよい。
工程3:コロイド懸濁液中に位置付けられた基板及び対向電極の間への電界の印加。この電界は、一定及び/又は可変(交互)であってもよい。電界の平均方向、言い換えれば、電極に印加された電位差は、(陰極泳動又は陽極泳動で)成膜される粒子の電荷に適合する。
工程4:乾燥。乾燥条件は、成膜された厚さ及び溶剤の性質に依存する。
機械的な固化工程は、乾燥の前に、例えば、カレンダー又は静止した圧縮によって、濡れた膜上に行われてもよい。これは、乾燥固化に置き換えることなく、膜の性質を改善することを可能にする。
工程5:固化。固化は、機械的な固化及び/又は熱的な処理によって行われる。固化は、幾つかの膜上に各新しい膜を成膜した後に、同時に行われてもよい。
図5は、本発明の方法の別の実施形態を示す。
<成膜物の固化>
有利には、成膜された膜は、被膜の多孔性を減少させるために、固化される。
この成膜物の固化工程は、
機械的手段によって、特に静水圧圧縮によって、(幾つかの実施形態において、加えられる圧力は、250MPa又は400MPaを超える。しかしながら、有利には、加えられる圧力は、30及び100MPaの間、好ましくは40及び60MPaの間である。)
熱処理によって、(温度は、成膜される粉末の化学組成に密接に依存する。成膜された材料の性質に応じて、被膜の酸化を防止するために制御された雰囲気を保持することもまた有用である。)
熱的及び機械的手段の組み合わせによって、特に高圧焼成によって、
行われる。
基板は、金属化されて一般的な導電性のゾーンを有する絶縁材料からなる。酸化及び表面特性の低下のリスクを防止するために、電池の製造の間、高い温度に加熱されるのを避けた方が好ましい。表面酸化の減少は、特に、エネルギー貯蔵及び/又は生成装置の動作の重要なポイントになる電気接触抵抗を低下させるのに有益である。
上述したような極めて高い性質の電気泳動膜、及び特に緻密な膜は、均一なナノ結晶構造を得るために、熱処理の持続時間及び温度を低減し、これらの処理に関連する収縮量を制限することができる。これは、欠陥のない高密度の膜を得ることに寄与する。
本発明者らは、成膜された粒子のサイズが小さくなれば、熱処理温度が低下することを確認した。したがって、薄い又は比較的厚い膜の成膜物は、高い温度及び/又は長い熱処理時間を適用する必要なしに、10%未満、好ましくは5%又は2%未満の多孔性で製造され得る。低温成膜物に対するこの緻密化技術は、収縮のリスクを著しく減少させる。したがって、電池電極及び電解質成膜物を固化するために高度に複雑で高価な熱処理サイクルを用いることは、もはや必要でない。
機械的及び/又は熱的な固化段階の間、粒子間の固化メカニズムにとって有害になるかもしれない粒子表面における汚染の発生を防止するために、真空下又は希ガス雰囲気下で処理することが有利であるかもしれない。
本発明の方法に使用されるような粒子のサイズにとって、表面エネルギーの増加は、熱処理による固化の主な原動力になり、これは、粒子サイズが小さくなると、固化温度の大きな低下をもたらす。しかしながら、この固化温度の低下が有効になると、粒子がまず機械的に緻密化及び/又は緻密な積み重ねで成膜される必要がある。これらの粒子の間の機械的な接触の増加は、固化を引き起こす拡散工程を容易にする。したがって、圧縮は、成膜物を緻密化するために通常適用される。
クラスター及びクラスター間空洞の存在は、固化に影響を与える。空洞のサイズが大きくなれば、拡散距離もまた長くなり、良好な固化を得るために必要な固化温度が高くなる。
したがって、電気泳動法により成膜されたナノ粒子を用いて、機械的な緻密化工程なしで、球体の緻密な積み重ねの理論的幾何学的密度(74%)に近づけることができる。
そのような結果は、インク技術を用いて不可能である。上述したようにインク技術を用いるナノ粒子の成膜は、粒子のサイズの縮小が懸濁液の粘性を高めるので、極めて困難である。したがって、乾燥抽出物は、溶媒の割合を高めることによって、低減されなくてはならなく、この場合、溶媒の多くが未処理の膜から除去されると、孔及び空洞が誘発され、そして、極端な温度及び/又は圧力を使用しないで、それらを充填することは、事実上不可能である。
電気泳動法により得られた成膜物の高い緻密度、及び蒸発される溶媒の少ない量は、乾燥後のクラックの発現のリスクを減少させる。さらに、粒子の小さなサイズ、及びそれらの大きな特定の領域は、熱処理(本明細書において「焼成」と呼ぶ)による固化工程を容易にする傾向がある。したがって、成膜物は、近似的に、約0.7T、0.5T、又は0.3Tと同等の温度で固化されてもよく、ここで、Tは、成膜された粒子と同一の化学組成を有する固体材料の融解温度(℃表示)である。この場合の「融解温度」という言葉は、融点を有しない物質の場合の分解温度に当てはまる。
膜が材料の混合物からなる場合、熱処理温度は、最低の融解温度を有する材料の融解温度に対して選択される。機械的な圧縮もまた、固化温度のさらに低下させるために、緻密度のさらなる増加、及び/又は固化プロセスを加速させ、孔のない薄膜を得るのに寄与する孤立した欠陥を生成させるために、この成膜物に適用されてもよい。
薄膜を製造するそのような方法は、金属化ポリマー、低い融解温度を有するアルミニウム箔のような基板上に直接的に用いられてもよい。
しかしながら、ナノ粒子は、表面の汚染に対してかなり敏感であるので、これらの固化処理を、真空下又は不活性な雰囲気下で行うことが好ましい。
図2(a)は、基板の調達を示し、ここで、本発明の主な実施形態に対応して、金属膜68a、68bで部分的に被覆された絶縁板65の形をしている。図2(b)は、基板の金属部分68a上へのカソード63のナノ粒子の電気泳動的成膜を示す。図2(c)は、カソード63で被覆された基板の金属部分68a上への電解質66のナノ粒子の電気泳動的成膜を示す。
図2(d)は、アノード膜の成膜後の電池の断面を示す。
この例において、アノードは、アノードとして作用すると共に基板上に成膜されたアノード電流コレクターに電気的に接触する金属リチウム膜の蒸着により得られる。
図3は、金属化された表面45を有する基板44上の絶縁性型板46の周りにコロイド懸濁液42に含有するカソード材料のナノ粒子30を電気泳動的に成膜する方法を断面で示す。帯電した粒子31は、基板44の金属化された表面45上に電圧源47によって生じる電界の効果の下で成膜される。この図は、電気泳動的成膜の動作原理を示し、図2(b)に示された実施形態にも対応する。
図5は、図2に示されたものから派生する別の例の実施形態を段階的に示し、アノード膜21は、金属でなく、例えば、Li4Ti5O12からなる。接続線25は、アノード膜21上に成膜された典型的には金属膜のアノードコレクターと、電流が消費する要素に(例えば、機械的な接触又は金属要素との半田付けにより)伝えられる電気的な終端を与える金属成膜物28との間を電気的に接続し、第2の接触がカソード電流コレクターとして金属膜23に接続される。
図6(a)は、電解質を含浸させた粒子の緻密な積み重ねにおけるリチウム拡散経路を示す。粒子と孔内に含まれる電解質との間には、表面接触ゾーン76が存在する。拡散経路は、わずかに抵抗性がある。粒子の間には、点接触ゾーン77が存在する。この点接触におけるリチウム拡散は、制限される。
図6(b)は、固化の間における粒子間の界面の展開を示す。拡散経路78は、孔内の液体電解質を使用しないで、固体状態で成し遂げられる。
図6(c)は、融解可能な相79を含有する複合成膜物の固化後に得られる構造を示す。
図6(d)は、多孔性のタイプにおける固化の影響を示す。この点は、我々の電池の多孔性がどのように30%未満であることを正当化することができる。このレベルでは、孔が閉じられ、もはや電解質を含浸させられない
薄膜電池の性能(Wh/l、Wh/kg)は、多孔性が低いと、より良好になる。
電気泳動法は、真空プロセスによって得ることが困難な又は不可能な組成を有する膜を成膜することを可能にし、例えば、ポリマーを無機相の中に添加することができ、真空蒸着によって成し遂げることが困難なスピネル(LiMn2O4)、かんらん石(LiFePO4)型の化合物の成膜物を製造することができる。
次の膜(実際には、電解質又はアノード)の電気泳動的成膜の前に、カソード又は電解質の固化を行う場合、電気泳動的成膜が行われた表面にリチウムが移動するリスクがあることを留意すべきであり、電解質膜に印加される電位差は、特に、アノード膜を電気泳動的に成膜するために、形成された電池が破壊される帯電電位よりもかなり高くなる。
その結果として、成膜される粒子の表面電荷は、成膜された薄膜からのリチウムイオンの移動を防止するように電界の方向を適応させるべきである。
本発明の方法を用いて得られるマイクロ電池は、幾つかの構造的な点において公知の電池と異なっている。電解質は、完全に固体である。その膜は、真空蒸着法により得ることができない組成を有してもよい。膜の実密度と理論密度との間の比率で表されるアノード、カソード及び固体電解質膜の多孔性は、高く、0.9又は0.95に到達してもよい。その粒子サイズは、電気泳動法により成膜された膜がより緻密で低い温度で固化されるので、膜がインクで成膜された薄膜電池のものよりもずっと小さくてもよい。
有利には、本発明の電池において、全てのコレクターは、銅又は銀よりも高価でなく、より軽量なアルミニウムからなる。最先端の技術による電池においてアルミニウムの使用は、たいてい不可能であり、又はアルミニウムの使用は、それらの製造がアルミニウムの融点と比較して過度に高い温度を必要とし、若しくはアルミニウムアノードが成膜されたリチウム塩によって攻撃されるかもしれないので、カソードに限定される。特定の電池において、コレクター用に単一の材料が用いられるという事実は、リサイクルを容易にする。有利には、コレクターは、アルミニウム箔又はシートからなり、この箔又はこれらのシートは、それらの厚さを減じて表面を平滑にするために、電解研磨によって処理されてもよい。それらは、アルミニウム表面における抵抗性の酸化層の形成を防止するためにニッケルめっきを施されてもよい。
本発明の電池の別の構造的特徴は、電解質膜が少なくとも1つの側でアノード及びカソード膜の縁を被覆するということである。
本発明の電池の最後の1つの構造的特徴は、それらの使用中の寸法安定性であり、真空蒸着法によって実現することが困難な幾つかのアノード材料(特に、Li4Ti5O12)に対して、リチウムの挿入が厚さの変化を引き起こさない。これは、電池、特に、幾つかの「コレクター/アノード/電解質/カソード/コレクター」の積み重ね構造によって製造される電池の寿命を延ばす。
本発明は、多くの有利な点を有する。アノード、固体電解質及びカソード膜を電気泳動法により製造するための方法は、容易で、時間がかからなく、高価でない。その方法は、湿度に極めて敏感なリチウム塩又は金属リチウムを使用する最先端の技術の方法とは違って、乾燥雰囲気中で用いられなくてもよい。得られた電池は、高い電力密度を有し、その極めて低い多孔性、及び電解質膜の薄さにより、高いエネルギー密度(公知のリチウムイオン電池の約2倍)を有する。電解質における腐食性のリチウム塩の欠如、金属リチウム系アノードを挿入金属に置き換える可能性は、電池の寿命を延ばし、内部短絡のリスクを減少させ、温度に対する抵抗性を向上させ、その結果、本発明の電池は、ウェーブソルダリング(噴流ハンダ付け)が可能になる。したがって、本発明による電池は、より安全になる。さらに、それらの自己放電速度は、電解質膜が欠陥又は多孔性を有してなく電極の縁を被覆するので、より低くなる。
本発明の方法は、次のように実行されてもよい。次の例は、説明のために与えられるものであり、本発明の範囲を制限しない。
<例1−電池の製造>
1−コロイド懸濁液SP+の準備
カソード材料のための粒子P+の懸濁液SP+を得るために、ナノ粒子のクラスターからなるLiMn2O4粉末が合成される。これは、論文「“Synthesis and Electrochemical Studies of Spinel Phase LiMn2O4Cathode Materials Prepared by the Pechini Process”、W.Liu、G.C.Farrington、F.Chaput、B.Dunn、J.Electrochem.Soc.、vol.143、No.3、1996」に記述されたPechiniの方法を用いてなされる。600℃での焼成工程の後に、その粉末は50nm〜100nmのサイズのクラスターを含有する。
その後、この粉末は、20g/lに等しいLiMn2O4の乾燥抽出物でエタノール中の懸濁液に注入される。
SP+懸濁液は、直径0.1mmのセラミックボールが予め詰め込まれたボールグラインダーの受け皿の中に注入される。10nmに等しいサイズ(D50)の粒子を含むコロイド溶液を得るために、例えば、ポリアクリル酸の200〜300ppmの錯化剤の存在下で2時間の磨り潰しが行なわれる。その懸濁液のゼータ電位は、約65mVに等しい。
2−カソード膜の成膜
その後、懸濁液中に含有されたLiMn2O4粒子は、基板の金属化された領域に成膜される(図2(b)参照)。その成膜は、絶縁性型板を用いて局所的に行われる(図2(b)及び図3参照)。その成膜は、コロイド懸濁液に両方が浸漬されて成膜物が作製される基板の金属化された領域と対向電極との間に100Vの電圧を5μmの厚さの成膜物が得られるまで印加することによって、行われる。その後、成膜物は、90℃で1時間乾燥される。
その成膜物は、加圧によって緻密化された後、500℃で900秒間アニールされる。
3−コロイド懸濁液SPnの準備
電解質粒子を含有するコロイド懸濁液を作製する最初の工程は、「“Thin-film lithium-ion battery derived from Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3sintered pellets”publication by Xiao and al、published in Trans. Nonferrous Me. Soc.China 16 (2006)、p.281-285」に記述された方法を用いて、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3のナノメートル粉末を合成することである。Li(CH3-COO)・2H2O及びAl(NO3)3・9H2Oの化学量論的量は、CH3OCH2CH2OHに溶解され、その後、PO(OC4H9)4は、この混合液に撹拌しながら添加される。アルコキシドの加水分解のために、化学量論的量の脱イオン水を添加した後に、懸濁液を140℃で4時間乾燥して、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3のゲルが形成される。その後、このゲルを900℃で2時間焼成して、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3の凝集した粉末が得られ、この粉末は、20g/lに等しい濃度でエタノール中の懸濁液に注入される。
その懸濁液は、直径0.1mmのセラミックボールが予め詰め込まれたボールグラインダーの受け皿の中に注入される。15nmに等しいサイズD50の粒子を含むコロイド溶液を得るために、錯化剤として作用する少量のポリアクリル酸の存在下で3時間の磨り潰しが行なわれる。その懸濁液のゼータ電位は、約60mVである。
4−電解質膜の成膜
懸濁液中で得られたLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3粒子は、コロイド懸濁液に両方が浸漬された基板と対向電極との間に100Vの電圧を1.5μmの厚さの成膜物が得られるまで印加することによって、LiMn2O4の固化された成膜物上に続いて成膜される。
カソード(LiMn2O4)は、電解質ナノ粒子の薄膜に被覆される。その電解質膜は、90℃で乾燥される。
その成膜物は、加圧によって緻密化された後、350℃で900秒間アニールされる。
5−アノード膜の成膜
カソード及び電解質成膜物を備えた基板は、その後、真空室内に置かれ、リチウムアノードは、電解質上の基板に成膜されたカソード及び電気的終端に向かう表面を被覆する表面に局所的に成膜される。
金属リチウムアノードが用いられる場合、電池セルを外的攻撃から保護するために、封入膜が成膜されなければならない。
<例2−アノード膜の製造>
1−基板の準備
厚さ15μmのアルミニウム箔が調達される。その箔は、巻き出し機内に置かれ、箔の折れなしでアルミニウム箔のための堅固な支持構造をもたらすために、支持フレーム上に置かれる。この支持フレームは、内部表面で電気的に接触し、絶縁性の外部表面を有するように設計される。これらの内部の導電性表面は、アルミニウム箔に接触して、それに電位差をもたらす。そのフレームの内側のアルミニウム箔は、その後、表面洗浄浴に浸漬される。この洗浄は、超音波下でのNGLテクノロジーにより作製された洗浄剤の浴への浸漬、それに続く蒸留水ですすぎによって行われる。
表面を一旦洗浄したら、我々は、無水エタノール80%、蒸留水13.8%及び70%過塩素酸6.2%の化学組成の溶液中で電解研磨処理を行った。そのアルミニウムは、リード対向電極との15V下での分極で電解研磨された。処理浴は、高い電流密度による過熱を防止するために、冷却された。他方において、浴の配合は、より良好な表面特性のために、例えば、EPシステムズによって供給されたEPS1250又はEPS1300型溶液系の浴が用いられてもよい。
電解研磨の後、その表面は、蒸留水ですすがれた。
2−コロイド懸濁液SP−の準備
このコロイド懸濁液は、電極の優れた純度を保証するために、安定化剤の添加なしで作製された。我々は、これをアルコール中のLi4Ti5O12のコロイド懸濁液を準備し、Li4Ti5O12ナノ粒子を磨り潰し及び分散することによって行った。
Li4Ti5O12ナノ粒子は、アルドリッチから購入され、その後、エチルアルコール中で10g/lの濃度で磨り潰された。この磨り潰し−分散工程の後、その懸濁液は、超音波が当てられた後、静置された。我々は、静置した後、100nmを超えるクラスターのないナノ粒子の懸濁液を確実に得るために、懸濁液の浮遊物を取り除いた。
このようにして、安定化剤を含有しない懸濁液が得られた。我々は、ナノコロイドの安定性が懸濁液中の粒子のサイズ及びそれらの濃度に大いに依存することを確認した。粒子のサイズが約10ナノメートルに近くなると、粒子は、安定化剤がなくても安定になることができる。これらの粒子の高い比面積及びそれらの低い質量は、コロイド結晶をもたらすように凝縮可能な実際のガスのように作用するシステムを相互作用が構築するという結果になる。これらのナノ粒子の電気泳動的成膜は、基板の表面におけるこの凝縮、いわゆるコロイド結晶相をもたらす。
3−アノード膜の成膜
Li4Ti5O12粒子の薄膜は、上記工程1で得られた電解研磨されたアルミニウム膜上に電気泳動法によって成膜された。
使用した成膜条件は、10V/cmであり、30秒だけの陽極泳動後の厚さが約0.5μmの緻密な成膜物が得られた。
その成膜物は、500℃で1時間アニールされた後に、50MPaで加圧された。
その結果、アノードが得られた。
リチウムイオンに関する挿入特性を確認するために、0.1V/秒でこの電極のサイクリックボルタンメトリー曲線を作図した。図7(a)は、得られた曲線の例を示す。
<例3−アノード膜の製造>
基板は、例2に示されたものと同じである。
粒子SP−の懸濁液を準備する方法は、Li4Ti5O12粒子の懸濁液が2g/lに希釈され、クエン酸が懸濁液に1×10−3Mの濃度で添加されたことを除いて、例2で用いた方法と似通っている。その懸濁液は、超音波が当てられ、静置された後に、浮遊物が取り出された。
粒子SP−は、例2と同じ条件で成膜された。その成膜物は、乾燥された後に、50MPaで固化された。
リチウムイオンに関する挿入特性を確認するために、0.1V/秒でこの電極のサイクリックボルタンメトリー曲線を作図した。その曲線は、図7(b)に示される。
このように得られた電極は、完全に固体であり、成膜物中にPVDF型のバインダーを添加せずに、基板に固着する。
<例4−カソード膜の製造>
1−粒子SP+粒子のコロイド懸濁液の準備
LiMn1.5Ni0.4Cr0.1O4のナノメートル粉末は、以下に述べる方法で合成された。
少量のLi2CO3の粉末をクエン酸及びエチレングリコールの70℃に加熱した混合物に溶解させる。CO2の放出は、添加された部分毎に確認される。混合物の温度を90℃に上昇させ、この最終溶液に化学量論的量のMn(NO3)2・4H2O、Ni(NO3)2・6H2O及びCr(NO3)2・9H2Oを添加し、その後、その混合物を140℃に上昇させて、硬質の泡立った塊を得る。その後、この塊を粉末が得られるまで250℃の乾燥炉内に置く。その後、その得られた粉末は、800℃で6時間焼成される。
これらのナノ粉末は、20g/lのLiMn1.5Ni0.4Cr0.1O4の懸濁液を得るために、磨り潰され、分散された。磨り潰し−分散は、懸濁液中の粒子のサイズが30nmになるまで行われた。この懸濁液は、5g/lの懸濁液を得るために、ケトン型の溶媒に希釈された。
<例5−電解質膜の製造>
1−コロイド懸濁液SPnの準備
電解質粒子を含有するコロイド懸濁液を作製するための最初の工程は、文献「“Thin-film lithium-ion battery derived from Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3sintered pellets”publication by Xiao and al、published in Trans. Nonferrous Me. Soc.China 16 (2006)、p.281-285」に記述された方法を用いて、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3のナノメートル粒子を合成することである。
Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3のナノメートル粉末は、磨り潰し−分散によって、エチルアルコールのコロイド懸濁液に注入された。10g/lの乾燥抽出物を有するコロイド懸濁液には、安定化剤が添加されなかった。このように得られた懸濁液は、完全に安定であった。
コロイド懸濁液中のナノ粒子の粒度分布は、マルバーンインストルメンツ製の市販のゼータサイザー装置を用いる光子相関分光法と呼ばれるDLS(Dynamic Light Scattering)によって測定された。その測定原理は、懸濁液中の粒子のブラウン運動に基づく。この測定技術は、溶液中の粒子の拡散速度を定量化して、それらの流体力学的半径を論理的に推理する。図8に示されたDLS測定は、懸濁液中の粒子のサイズ分布を図示する。
懸濁液中の粒子の平均サイズは、60nmである。すでに述べたように、我々は、少しのクラスターも取り除かないことが確実になるように、静置後の懸濁液の浮遊物に対してほぼ例外なく取り組んだ。
<例5−全アルミニウムコレクターを備える全固体型の薄膜電池>
1−カソードの製造
我々は、薄くその表面が電解研磨によって平滑化及び酸洗いされた初期厚さ15μmを有するアルミニウム基板上に、上記例2−aで準備したLiMn1.5Ni0.4Cr0.1O4ナノ粉末のコロイド懸濁液からのLiMn1.5Ni0.4Cr0.1O4ナノ粒子の陽極泳動成膜を行った。2〜3秒だけの陽極泳動後に約1ミクロンの成膜物をもたらす成膜条件は、90V/cmであった。
この成膜物は、乾燥された後に、短軸の圧力での加熱により固化された。
2−アノードの製造
我々は、優れた純度を有する電極を保証するために、安定化剤の添加なしに、Li4Ti5O12ナノ粒子及びカーボンブラックナノ粒子のコロイド懸濁液を作製した。この懸濁液は、アルコール中におけるLi4Ti5O12及びカーボンブラックナノ粒子の磨り潰し−分散によって準備された。Li4Ti5O12ナノ粒子は、アルドリッチ社から購入され、ケッチェンブラック型のカーボンブラックナノ粒子は、アクゾノーベルから購入され、それらは、10g/lの濃度のエチルアルコール中で磨り潰された。この磨り潰し−分散工程後に、懸濁液には、超音波が当てられ、静置される。我々は、100nmを超えるクラスターがないナノ粒子の単分散のコロイド懸濁液を得るために、静置後に、懸濁液の浮遊物だけを取り除いた。
我々は、この懸濁液から始めて、薄くその表面が電解研磨によって平滑化及び酸洗いされた初期厚さ15μmを有するアルミニウム基板上に、懸濁液に含有されたナノ粒子の陽極泳動成膜を行った。2〜3秒だけの陽極泳動後に1ミクロンよりもわずかに薄い成膜物をもたらす成膜条件は、10V/cmであった。
この成膜物は、乾燥された後に、短軸の圧力での加熱により固化された。
3−電池セルの組み立て
2つの電極は、例2−bに説明した懸濁液から電気泳動法により成膜された電解質薄膜で被覆された。このLi1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3ナノ粒子の膜は、30秒間の10V/cmの電界下で得られた。
電解質ナノ粒子の薄膜で被覆された2つの半分の電極は、電解質で共に被覆された2つの電極の各表面の適用、及びその後の短軸圧力下で300℃での熱処理の適用によって、組み立てられた。
このようにして、我々は、全アルミニウムコレクターを備えた全固体型の薄膜電池を作製した。
<例6−アノード及びカソード材料として用いられるナノ粒子の合成>
a)LiMn1.5Ni0.4Cr0.1O4
少量のLi2CO3の粉末をクエン酸及びエチレングリコールの70℃に加熱した混合物に溶解させる。CO2の放出は、添加された部分毎に確認される。混合物の温度を90℃に上昇させ、この最終溶液に化学量論的量のMn(NO3)2・4H2O、Ni(NO3)2・6H2O及びCr(NO3)2・9H2Oを添加し、その後、その混合物を140℃に上昇させて、硬質の泡立った塊が得られる。その後、この塊を粉末が得られるまで250℃の乾燥炉内に置く。その後、その得られた粉末は、800℃で6時間焼成される。その得られた粉末は、リチウムイオン型電池のカソード膜を準備するために用いられてもよい。
b)LiMnPO4
Li3PO4粉末及びMnSO4・4H2O粉末を化学量論的量で乳鉢内で磨り潰す。得られた磨り潰された粉末を190℃で12時間オートクレーブ内に置く。得られた生成物を洗浄及び遠心分離した後に、40℃で一晩乾燥する。その得られた粉末は、リチウムイオン型電池のカソード膜を準備するために用いられてもよい。
c)LiFePO4
Li3PO4粉末及びFeSO4・7H2O粉末を化学量論的量で乳鉢内で磨り潰す。得られた磨り潰された粉末を190℃で12時間オートクレーブ内に置く。得られた生成物を洗浄及び遠心分離した後に、40℃で一晩乾燥する。その得られた粉末は、リチウムイオン型電池のカソード膜を準備するために用いられてもよい。
d)Li2.9PO3.3N0.36/Li2.9PO3.3N0.46(LIPON)
高い温度の熱処理を少しも受けていないLi3PO4ナノメートル粉末を管状炉内に置かれたアルミナ製のスクープ内に置く。その後、その粉末をアンモニア雰囲気下で650℃で2時間熱処理する。このようにして得られた粉末は、リチウムイオン型電池の電解質膜を準備するために用いられてもよい。
1 基板
2,2a,2b,2c,2d 粒子
3 孔
4 PVD成膜により得られた膜
5 クラスター
6 空洞
7 開口したクラック
8 閉口したクラック
13 アノードコレクター
20 基板
21 アノード
22 電解質
23 金属膜
24 カソード
25 接続線
26 カソードコレクター
27 金属化された表面
28 アノード電気的終端
30 表面が荷電された粒子
31 電界の影響下で移動するナノ粒子
42 コロイド懸濁液
43 対向電極
44 基板
45 基板の金属性表面
46 型板
47 電圧源
63 カソード膜
65 絶縁基板
66 電解質膜
67 アノード膜
68a,68b 絶縁基板上の金属膜
76 粒子と孔に含有する電解質との間の表面接触ゾーン(低抵抗拡散経路)
77 粒子間の点接触ゾーン(この点接触で制限されるリチウムの拡散)
78 電荷(電子及びイオン)の輸送のために固体中の拡散経路の展開に導かれる固化の間での粒子の溶着
79 粒子が互いに固化される最低融解温度での相

Claims (35)

  1. アノード材料の膜(アノード膜)と、固体電解質材料の膜(電解質膜)と、カソードコレクターに電気的に接触するカソード材料の膜(カソード膜)とを備えた全固体型の薄膜マイクロ電池を製造する方法であって、
    導電性基板又は少なくとも1つの導電性ゾーンが上記薄膜マイクロ電池の電極電流であるアノード電流又はカソード電流のコレクターとして用いられ得る上記導電性基板又は上記少なくとも1つの導電性ゾーンを有する基板上に第1電極膜である上記カソード膜又は上記アノード膜を電気泳動法により成膜し、
    上記第1電極膜上に電解質膜を電気泳動法により成膜し、
    上記電解質膜上に第2電極膜である上記アノード膜又は上記カソード膜を電気泳動法又は真空蒸着法により成膜し、
    粒子「P+」を含有し、「カソード材料」の懸濁液と呼ばれる第1コロイド懸濁液「SP+」を準備する工程(a)と、
    粒子「Pn」を含有し、「固体電解質材料」の懸濁液と呼ばれる第2コロイド懸濁液「SPn」を準備する工程(b)と、
    完全に又は部分的に導電性表面で覆われた絶縁基板である上記導電性基板を準備する工程(c)と、
    対向電極の存在下でカソード材料の粒子「P+」を含有する上記第1コロイド懸濁液「SP+」の浴内で場合によっては絶縁性の型板によって局所的に遮蔽された上記絶縁基板を浸漬した後に、上記絶縁基板及び上記対向電極の間に電圧を印加することにより、上記絶縁基板上にカソード材料の粒子「P+」を含有する電気泳動的な成膜物を得て、第1中間生成物「BP+」を得る工程(d)と、
    上記対向電極の存在下で電解質材料の粒子「Pn」の上記第2コロイド懸濁液「SPn」の浴内で絶縁性の型板によって局所的に遮蔽され得る上記第1中間生成物「BP+」を浸漬した後に、上記絶縁基板及び上記対向電極の間に電圧を印加することにより、上記第1中間生成物「BP+」のカソード膜の表面上に電解質材料の粒子「Pn」の電気泳動的な成膜物を得て、第2中間生成物「BP+Pn」を得る工程(e)と、
    型板によって局所的に遮蔽され得る上記第2中間生成物「BP+Pn」の電解質膜上にアノード膜を真空蒸着法、又は「アノード材料」と呼ばれる粒子「P−」を含有する第3コロイド懸濁液「SP−」から出発する電気泳動法によって成膜することにより、第3中間生成物「BP+PnP−」を得る工程(f)とを備え、
    上記コロイド懸濁液中に存在する上記カソード材料、固体電解質材料及びアノード材料の少なくとも1つ中の電気泳動法により成膜されるナノ粒子の平均サイズD50は、100nm未満であり、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜は有機バインダーを含有せず、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜は、20%未満の多孔性を有していることを特徴とする方法。
  2. 請求項1の方法において、
    電気泳動法により成膜された少なくとも1つの膜の密度を増加させるための少なくとも1つのいわゆる固化工程を備えることを特徴とする方法。
  3. 請求項1の方法において、
    電気泳動法により成膜された全ての膜の密度を増加させるための少なくとも1つのいわゆる固化工程を備えることを特徴とする方法。
  4. 請求項2又は3の方法において、
    上記固化工程は、
    アノード膜が電気泳動法以外の技術を用いて成膜される場合、カソード膜の成膜後、及び/又は電解質膜の成膜後に行われ、
    アノード膜が電気泳動法により成膜される場合、アノード膜の成膜後に行われることを特徴とする方法。
  5. 請求項2〜4の何れか1つの方法において、
    上記固化工程は、機械的な固化及び/又は熱的な固化であることを特徴とする方法。
  6. 請求項5の方法において、
    上記熱的な固化工程は、本処理が適用される最低の融解温度を有するアノード、カソード又は電解質材料の融解又は分解する温度(℃表示)の0.7倍を超えない温度TRで行われることを特徴とする方法。
  7. 請求項5又は6の方法において、
    上記熱的な固化工程は、本処理が適用される最低の融解温度を有するアノード、カソード又は電解質材料の融解又は分解する温度(℃表示)の0.5倍を超えない温度TRで行われることを特徴とする方法。
  8. 請求項5〜7の何れか1つの方法において、
    上記熱的な固化工程は、本処理が適用される最低の融解温度を有するアノード、カソード又は電解質材料の融解又は分解する温度(℃表示)の0.3倍を超えない温度TRで行われることを特徴とする方法。
  9. 請求項5〜8の何れか1つの方法において、
    上記熱的な固化工程は、600℃を超えない温度TRで行われることを特徴とする方法。
  10. 請求項5〜9の何れか1つの方法において、
    上記熱的な固化工程は、真空下又は不活性ガス下で行われることを特徴とする方法。
  11. 請求項10の方法において、上記機械的な固化工程は、真空下又は不活性ガス下で行われることを特徴とする方法。
  12. 請求項1の方法において、
    アノード電流コレクター膜は、上記第3中間生成物「BP+PnP−」の上記アノード膜上に成膜されることを特徴とする方法。
  13. 請求項1の方法において、
    上記ナノ粒子の平均サイズD50は、30nm以下であることを特徴とする方法。
  14. 請求項1の方法において、
    上記第1コロイド懸濁液「SP+」、第3コロイド懸濁液「SP−」及び第2コロイド懸濁液「SPn」の少なくとも1つは、2〜20g/Lの乾燥抽出物を含有していることを特徴とする方法。
  15. 請求項1の方法において、
    上記第1コロイド懸濁液「SP+」、第3コロイド懸濁液「SP−」及び第2コロイド懸濁液「SPn」の少なくとも1つは、安定化剤を含有していないことを特徴とする方法。
  16. 請求項1の方法において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜は、10%未満の多孔性を有していることを特徴とする方法。
  17. 請求項1の方法において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜は、5%未満の多孔性を有していることを特徴とする方法。
  18. 請求項1の方法において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜は、2%未満の多孔性を有していることを特徴とする方法。
  19. 請求項1〜18の何れか1つの方法において、
    上記アノード材料の膜は、
    (i)スズ酸窒化物(SnOxNy)、
    (ii)シリコン及びスズの混合酸窒化物(SiaSnbOyNz、ここで、a>0、b>0、a+b≦2、0<y≦4、0<z≦3)、並びに式SiaSnbCcOyNz、SiaSnbCcOyNzXn及びSiaSnbOyNzXnの酸窒化物、ここで、a>0、b>0、a+b≦2、0<c−10、0<y<24、0<z<17、Xnは、F、Cl、Br、I、S、Se、Te、P、As、Sb、Bi、Ge、Pbの元素の少なくとも1つである、
    (iii)SixNy、SnxNy、ZnxNy(ここで、x=3、y=4)
    (iv)SnO2、Li4Ti5O12、SnB0.6P0.4O2.9の酸化物
    の材料の中から1つ又は幾つか選択されたナノ粒子の懸濁液から出発して成膜されることを特徴とする方法。
  20. 請求項19の方法において、
    上記アノード材料は、SiSn0.87O1.2N1.72であることを特徴とする方法。
  21. 請求項1〜20の何れか1つの方法において、
    上記カソード材料の膜は、
    (i)LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、LiMn1.5Ni0.5O4、LiMn1.5Ni0.5-xXO4の酸化物(ここで、Xは、Al、Fe、Cr、Co、Rh、Nd、他の希土類元素の中から選択され、O<x<0.1)、LiFeO2、 LiMn1/3Ni1/3Co1/3O4
    (ii)LiFePO4、LiMnPO4、LiCoPO4、LiNiPO4、Li3V2(PO4)3のリン酸塩、
    (iii)TiS2、TiOySz、WOySz、CuS、CuS2のカルコゲニドの全てのリチウム塩
    の材料の中から1つ又は幾つか選択されたナノ粒子の懸濁液から出発して成膜されることを特徴とする方法。
  22. 請求項1〜21の何れか1つの方法において、
    上記固体電解質材料の膜は、
    (i)式LiPONz、ここで、x=2.8、2y+3z=7.8、0.16≦z≦0.4、式LitPxAlyOuNvSw、ここで、5x+3y=5、2u+3v+2w=5+t、2.9≦t≦3.3、0.84≦x≦0.94、0.094≦y≦0.26、3.2≦u≦3.8、0.13≦v≦0.46、0≦W≦0.2の全ての変異体のリチウム及びリンの酸窒化物(LiPONと呼ばれる)系のリチウム化合物、
    (ii)リチウム、リン及びシリコンの酸窒化物(LiSiPONと呼ばれる)系のリチウム化合物、
    (iii)LiBON、LiSiPON、LiSON、チオLiSiCON、LiPONB型(B、P及びSは、ホウ素、リン及び硫黄をそれぞれ示す)のリチウム酸窒化物、
    (iv)La0.51Li0.34Ti2.94、Li3.4V0.4Ge0.6O4、Li2O-Nb2O5、LiAlGaSPO4の化合物、Li4SiO4、Li3PO4、Li2CO3、B2O3、Li2O、Al(PO3)3LiF、P2S3、Li2S、Li3N、Li14Zn(GeO4)4、Li3.6Ge0.6V0.4O4、LiTi2(PO4)3、Li0.35La0.55TiO3、Li3.25Ge0.25P0.25S4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3、Li1+xAlxM2-x(PO4)3(ここで、Mは、Ge、Ti及び/又はHfであり、0<x<1)、Li1+x+yAlxTi2-xSiyP3-yO12(ここで、0≦x≦1、0≦y≦1)、Li 1+z Ge1-yTiy) 2 SizP3-zO12(ここで、0≦y≦1.0、0≦z≦0.6)系の配合物
    の材料の中から1つ又は幾つか選択されたナノ粒子の懸濁液から出発して成膜されることを特徴とする方法。
  23. 請求項1の方法において、
    上記固体電解質材料は、Li2.9PO3.3N0.46であることを特徴とする方法。
  24. 請求項22の方法において、
    上記固体電解質材料は、Li1.9Si0.28P1.0O1.1N1.0であることを特徴とする方法。
  25. 請求項1の方法において、
    上記固体電解質材料は、4.9LiI-34.1Li2O-61B2O3、0.30Li2S-0.26B2S3-0.44LiI、60Li2S-40SiS2、0.02Li3PO4-0.98(Li2S-SiS2)、2(Li1.4Ti2Si0.4P2.6O12)-AlPO4、0.7Li2S-0.3P2S5系の配合物から選択されることを特徴とする方法。
  26. 請求項1〜25の何れか1つの方法を用いて得られる全固体型の薄膜の電池であって、
    カソード電流コレクター膜と、
    カソード膜と、
    電解質膜と、
    アノード膜と、
    アノード電流コレクター膜との連続した積み重ねを備えていることを特徴とする電池。
  27. 請求項26の電池において、
    全てのカソード電流コレクター膜及びアノード電流コレクター膜は、アルミニウムで形成されていることを特徴とする電池。
  28. 請求項27の電池において、
    全てのカソード電流コレクター膜及びアノード電流コレクター膜は、電解研磨されたアルミニウム箔で形成されていることを特徴とする電池。
  29. 請求項26〜28の何れか1つの電池において、
    上記電解質膜は、少なくとも1つの側で上記アノード膜またはカソード膜の縁を覆うことを特徴とする電池。
  30. 請求項26〜29の何れか1つの電池において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜の少なくとも1つは、20%未満の多孔性を有していることを特徴とする電池。
  31. 請求項30の電池において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜の少なくとも1つは、10%未満の多孔性を有していることを特徴とする電池。
  32. 請求項30の電池において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜の少なくとも1つは、5%未満の多孔性を有していることを特徴とする電池。
  33. 請求項26〜29の何れか1つの電池において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜の全ては、20%未満の多孔性を有していることを特徴とする電池。
  34. 請求項33の電池において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜の全ては、10%未満の多孔性を有していることを特徴とする電池。
  35. 請求項33の電池において、
    上記カソード膜、電解質膜及びアノード膜の全ては、5%未満の多孔性を有していることを特徴とする電池。
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