JPH10158894A - 固体電解質の成膜方法 - Google Patents

固体電解質の成膜方法

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JPH10158894A
JPH10158894A JP8319976A JP31997696A JPH10158894A JP H10158894 A JPH10158894 A JP H10158894A JP 8319976 A JP8319976 A JP 8319976A JP 31997696 A JP31997696 A JP 31997696A JP H10158894 A JPH10158894 A JP H10158894A
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Japan
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solid electrolyte
ysz
film
forming
electrodeposition
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JP8319976A
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Masakatsu Nagata
雅克 永田
Mikiyuki Ono
幹幸 小野
Masataka Mochizuki
正孝 望月
Tsutomu Iwazawa
力 岩澤
Namiko Kaneda
波子 兼田
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緻密な組織構造の固体電解質膜を成膜する。 【解決手段】 この発明は、空気極又は燃料極をなす基
材24に対して、固体電解質としてのイットリア安定化
ジルコニア(YSZ)を電気泳動電着によって所望の膜
厚の被膜31を形成し、その後に焼成して固体電解質膜
32を成膜する固体電解質の成膜方法であって、電着原
料液にYSZゾルを用いて電気泳動電着によって被膜3
1を形成し、その後に焼成して固体電解質膜32を成膜
するものであり、電着原料液にYSZゾルを用いて電気
泳動電着によって被膜を形成し焼成するので、固体電解
質の表面を緻密な組織構造にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜平板方式の固体
電解質型燃料電池(SOFC)の固体電解質の成膜方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に薄膜平板方式のSOFCは図9に
示す構造であり、ランタンマンガネート系酸化物の多孔
質の空気極101上にイットリア安定化ジルコニア(Y
SZ)を成膜して緻密な固体電解質102を形成し、さ
らに固体電解質102に多孔質のNi、Ni合金あるい
はNiとYSZのサーメットの燃料極103を形成した
構造の電池単体104をインタコネクタ105を介して
積層して成る。そしてこの薄膜平板方式のSOFCで
は、高温度条件下でインタコネクタ105の空気極10
1に接する側の通気溝106に空気107を通流させ、
インタコネクタ105の燃料極103に接する側の通気
溝108に燃料ガス109を通流させ、改質反応と発電
反応によって起電力を得る仕組みである。
【0003】このような一般的な薄膜平板方式のSOF
Cにあって従来、特にYSZの緻密な薄膜である固体電
解質2を基材である空気極1上に形成する方法として、
YSZ懸濁液中に基材を浸漬して、電気泳動電着によっ
てYSZの被膜を形成し、焼成する固体電解質の成膜方
法が提案されている(「Electrophoretic Depositionof
2 3 - Stabilized ZnO2 on the porous L
0.8 Sr0.2 MnO3 cathode substrate for SO
FC」、Tatsumi Ishihara, Kuninobu Shimose, Toru S
hiomitsu, and Yusaku Takita 、Solid Oxide Fuel Cel
l IV、1995年 6月発行、PP334-343 )。
【0004】また円筒方式の固体電解質型燃料電池には
縦縞方式と横縞方式の2種類がある。図10に示すもの
は、アメリカのWH社が開発した縦縞円筒方式の固体電
解質型燃料電池であり、1本の円筒型の多孔質体の上に
単セルが1個で構成されている。また図11に示すは横
縞円筒方式のもので、1本の円筒型の多孔質体の上に単
セルが複数直列に接続されている。
【0005】これらにおいて、単セルは、ニッケルと安
定化ジルコニアのサーメットから成る多孔質の燃料極1
11と、YSZから成る固体電解質112と、LSMか
ら成る空気極113と、例えばランタンカルシウムクロ
マイトなどから成るインタコネクタ114から構成され
ている。そして、このような円筒方式の固体電解質型燃
料電池における固体電解質の成膜方法として、本発明者
らは特願平8−92600号の出願発明において新規な
方法を提案している。それは、空気極又は燃料極をなす
円筒形状の基材を陰極とし、陽極に金属を用い、YSZ
の懸濁液中で電気泳動電着を行うことによってYSZの
固体電解質膜を陰極基材表面に成膜する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電気泳動電着法を利用した固体電解質の成膜
方法は、空気極となる基材上にYSZの電気泳動電着を
行う際、電着槽にYSZ粉末をアセチルアセトン液中に
混入した懸濁液を入れて、このYSZ懸濁液中に基材を
浸漬し、銅を陽極、基材を陰極にして両極間に直流電圧
を印加する方法であったため、次のような技術的課題が
なお残されていた。すなわち、電気泳動電着の電着原料
液にYSZ粉末の懸濁液を使用していたためにYSZ粉
末の粒径が大きく、図12に示すように泳動電着後に焼
成すれば基材120上の固体電解質膜121中にマイク
ロポア122が残りやすく、緻密性が不十分である問題
点があった。
【0007】そこで、固体電解質膜121を貫通するよ
うなマイクロポア122をなくす工夫として、電気泳動
電着と焼成工程を繰り返して所望の膜厚の固体電解質膜
121を成膜することが考えられるが、このような工程
の繰り返しは時間がかかる上にコスト的にも高くなる問
題点がある。加えて、固体電解質膜121の膜厚が増大
することによって内部抵抗が増大し、セル特性が低下す
る問題点もある。
【0008】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、膜厚が薄くてもより緻密な組織構造を
有する固体電解質を成膜することができる固体電解質の
成膜方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、空気
極又は燃料極をなす基材に対して、固体電解質としての
イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を電気泳動電着
によって所望の膜厚まで被膜し、その後に焼成して固体
電解質を成膜する固体電解質の成膜方法において、電着
原料液にYSZゾルを用いて電気泳動電着によって被膜
を形成し、その後に焼成して固体電解質の最終膜層を成
膜するものである。
【0010】この請求項1の発明の固体電解質の成膜方
法では、固体電解質の少なくとも最終膜層を成膜するの
に、電着原料液にYSZゾルを用いて電気泳動電着によ
って被膜を形成し、その後に焼成する方法をとることに
より、固体電解質の表面を緻密な組織構造にすることが
できる。
【0011】請求項2の発明は、空気極又は燃料極をな
す基材に対して、固体電解質としてのイットリア安定化
ジルコニア(YSZ)を電気泳動電着によって所望の膜
厚まで被膜し、その後に焼成して所望の膜厚の固体電解
質を成膜する固体電解質の成膜方法において、電着原料
液にYSZゾルを用いるものである。
【0012】この請求項2の発明の固体電解質の成膜方
法では、電着原料液にYSZゾルを用いて電気泳動電着
によって基材上にYSZの被膜を形成し、その後に焼成
する方法をとることにより、固体電解質を緻密な組織構
造にすることができ、また緻密な組織構造が得られるた
めにその膜厚を小さくすることができてコスト的に安く
でき、また製造時間も短縮でき、さらに内部抵抗を小さ
くできるためにセル特性を改善することができる。
【0013】請求項3の発明は、空気極又は燃料極をな
す基材に対して、固体電解質としてのYSZを電気泳動
電着によって被膜し、その後に焼成する工程を所望の膜
厚に達するまで繰り返して固体電解質を成膜する固体電
解質の成膜方法において、電着原料液にYSZゾルを用
いるものである。
【0014】この請求項3の発明の固体電解質の成膜方
法では、電着原料液にYSZゾルを用いて電気泳動電着
によって基材上にYSZの被膜を形成し、その後に焼成
する工程を繰り返すことにより所望の膜厚の固体電解質
を成膜するので、膜厚制御が厳密に行え、また固体電解
質の緻密性を高くすることができるために膜厚を薄くす
ることができ、成膜工程の繰り返し回数が少なくて済
み、コスト的に安くでき、また製造時間も短縮できる。
【0015】請求項4の発明の固体電解質の成膜方法
は、YSZ粉末の懸濁液中に空気極又は燃料極をなす基
材を浸漬して電気泳動電着によってYSZの一次膜を被
膜し、その後に焼成して前記一次膜を成膜し、その後、
前記YSZの一次膜が成膜されている前記基材をYSZ
ゾル中に浸漬し、前記一次膜上に電気泳動電着によって
YSZの二次膜を被膜し、その後に焼成して所望の膜厚
の固体電解質を成膜するものである。
【0016】この請求項4の発明の固体電解質の成膜方
法では、YSZ粉末の懸濁液中で基材に電気泳動電着に
よってYSZの一次膜を形成し、焼成した後、さらに基
材をYSZゾル中に浸漬し、一次膜上に電気泳動電着に
よってYSZの二次膜を被膜し、その後に焼成して所望
の膜厚の固体電解質を成膜するので、固体電解質の少な
くとも表面あるいは気孔部分を稠密な組織構造とするこ
とができ、それだけ内側部分のYSZ粉末による一次膜
を薄いものにしても製品として使用することができるよ
うになり、コスト的に安くでき、また製造時間も短縮で
き、さらに内部抵抗を小さくできるためにセル特性を改
善することができる。
【0017】請求項5の発明の固体電解質の成膜方法
は、YSZ粉末の懸濁液中に空気極又は燃料極をなす基
材を浸漬して電気泳動電着によってYSZを被膜し、そ
の後に焼成する工程を所定の膜厚に達するまで繰り返
し、その後、前記基材をYSZゾル中に浸漬して電気泳
動電着によってYSZを被膜し、その後に焼成する工程
を所望の最終膜厚に達するまで繰り返して固体電解質を
成膜するものである。
【0018】この請求項5の発明の固体電解質の成膜方
法では、YSZ粉末による固体電解質膜の成膜を所定の
膜厚になるまで繰り返し、さらにその上にYSZゾルに
よる固体電解質膜を繰り返し成膜するので正確に膜厚制
御することができ、また固体電解質の外側部分を緻密な
組織構造とすることができるので、それだけ固体電解質
膜を薄いものにしても製品として使用することができる
ようになり、コスト的に安くでき、製造時間も短縮で
き、さらに内部抵抗を小さくできるためにセル特性を改
善することができる。
【0019】請求項6の発明の固体電解質の成膜方法
は、YSZ粉末の懸濁液中に空気極又は燃料極をなす基
材を浸漬して電気泳動電着によってYSZを被膜し、そ
の後に焼成する一次工程と、前記一次工程を経た前記基
材をYSZゾル中に浸漬して電気泳動電着によってYS
Zを被膜し、その後に焼成する二次工程とを所望の膜厚
に達するまで繰り返して固体電解質を成膜するものであ
る。
【0020】この請求項6の発明の固体電解質の成膜方
法では、一次工程で成膜されたYSZ粉末による被膜
と、さらに二次工程で成膜されたYSZゾルによる被膜
とが交互積層構造となり、膜厚制御が正確にできると共
に、各膜層の外側部分を緻密な組織構造とすることがで
きるので固体電解質膜を薄いものにしても製品として使
用することができ、コスト的に安くでき、製造時間も短
縮でき、さらに内部抵抗を小さくできるためにセル特性
を改善することができる。
【0021】請求項7の発明は、請求項1〜6の固体電
解質の成膜方法において、前記空気極又は燃料極をなす
基材として薄膜平板方式の空気極又は燃料極をなす基材
を用いたものであり、これによって薄膜平板方式の固体
電解質型燃料電池における固体電解質膜を緻密な構造に
成膜することができる。
【0022】請求項8の発明は、請求項1〜6の固体電
解質の成膜方法において、前記空気極又は燃料極をなす
基材として円筒形状のものを陰極として用い、陽極に金
属製円筒体を用い、前記陰極基材の同軸外周位置に配置
し、前記電気泳動電着によって固体電解質を前記陰極基
材の外周面に成膜するものであり、これによって円筒方
式の固体電解質型燃料電池において、空気極又は燃料極
をなす円筒形状の基材の外周面に固体電解質膜を緻密な
構造に成膜することができる。
【0023】請求項9の発明は、請求項1〜6の固体電
解質の成膜方法において、前記空気極又は燃料極をなす
基材として円筒形状のものを陰極として用い、陽極に金
属製棒材を用い、前記陰極基材の中心軸位置に配置し、
前記電気泳動電着によって固体電解質を前記陰極基材の
内周面に成膜するものであり、これによって円筒方式の
固体電解質型燃料電池において、空気極又は燃料極をな
す円筒形状の基材の内周面に固体電解質膜を緻密な構造
に成膜することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は電気泳動電着装置を示してお
り、電着槽21内に電着原料を混入した電着原料液22
を収容し、これに陽極板23と陰極電着基材として空気
極となる多孔質ランタンマンガネート系酸化物基材24
とを浸漬し、リード線25,26で直流電源27にこれ
らの陽極板23と陰極基材24を接続し、直流電圧を印
加する構造である。
【0025】そしてこの電気泳動電着装置により電着す
るための原料液22にYSZ粉末の懸濁液を用いる場合
には、YSZ微粉末(平均粒径0.2μm)をアセチル
アセトン液に10g/リットル程度の割合で混入し、さ
らにヨウ素を0.6g/リットル程度の割合で混入した
懸濁液を用いる。
【0026】また電着原料液22にYSZゾルを用いる
場合、溶剤としてエタノール、エチルセロソルブ、イソ
プソピルアルコール、エトキシエタノール、メチルプラ
パノール、オクチル酸又はプロピオン酸を用い、これに
上記YSZ微粉末を溶かし込んでゾルにしたものを用い
る。このYSZゾルの場合、溶液中のYSZの粒径はナ
ノミクロンオーダーという非常に微細なものである。溶
剤に対してYSZ粉末は約1mol%程度である。
【0027】そしてランタンマンガネート系酸化物基材
24にはランタンストロンチウムマンガネート(LS
M)を用いる。陽極23には金属板、例えば銅板を用い
る。
【0028】印加する直流電圧、通電電流、通電時間は
電着原料液の種類、濃度によって異なってきて実験的に
適切な条件を探り出すことになるが、一例を挙げれば、
20V、5mA、2分間程度とすることができる。
【0029】また電着工程の繰り返し回数も電着原料液
の種類、濃度によって異なり、また直流電圧印加条件に
よっても異なってくるが、1回の電気泳動電着工程と焼
成工程とで所望の膜厚の固体電解質を成膜することが望
ましい。
【0030】次に、固体電解質の成膜方法の実施の形態
について説明する。大きく分けて、固体電解質の成膜方
法には、電着原料液22にYSZゾルを用いた電気泳動
電着工程と、焼成工程とによって、あるいはこれらの2
工程を繰り返すことによって、膜全体が緻密な固体電解
質を成膜する方法と、最初に電着原料液22にYSZ粉
末の懸濁液を用いた従来の電気泳動電着工程と焼成工程
とを行い、マイクロポアが見られるYSZ粉末による固
体電解質膜の表面に、さらに仕上げ工程としてYSZゾ
ルを用いた電気泳動電着工程と焼成工程とを行って緻密
なYSZ膜を表面に形成してマイクロポアを封孔する方
法を採用することができる。
【0031】すなわち、次の(1)〜(5)の5通りの
成膜方法を任意に採用することができる。
【0032】(1)電着原料液としてYSZゾルを用い
た電気泳動電着工程により所望の膜厚までYSZ31を
被膜し、その後に焼成工程により所望の膜厚の固体電解
質32を成膜する方法(図2参照)。
【0033】(2)電着原料液としてYSZゾルを用い
た電気泳動電着工程と、その後に焼成する工程とを固体
電解質が所望の膜厚に達するまで繰り返して固体電解質
32を成膜する方法(図3参照)。
【0034】(3)YSZ粉末の懸濁液を用いた電気泳
動電着工程によってYSZの一次被膜34を被膜し、そ
の後に焼成して一次膜35を成膜し、さらにその後、Y
SZゾルを用いた電気泳動電着工程によってYSZの一
次膜35上にYSZの二次被膜36を被膜し、その後に
焼成して所望の膜厚の固体電解質37を成膜する方法
(図4参照)。
【0035】(4)YSZ粉末の懸濁液を用いた電気泳
動電着工程によってYSZの粗被膜40,42を形成
し、その後に焼成して焼成膜41,43を形成する工程
を所定の膜厚に達するまで繰り返し、さらにその後、Y
SZゾルを用いた電気泳動電着工程によってYSZ密被
膜44,46を形成し、その後に焼成して焼成膜45,
47を形成する工程を最終膜厚に達するまで繰り返して
固体電解質を成膜する方法(図5参照)。
【0036】(5)YSZ粉末の懸濁液を用いた電気泳
動電着工程によってYSZの粗被膜50,54を形成
し、その後に焼成して焼成膜51,55を形成する一次
工程50Aと、YSZゾルを用いた電気泳動電着工程に
よってYSZの密被膜52,56を形成し、その後に焼
成して焼成膜53,57を形成する二次工程50Bとを
所望の膜厚に達するまで繰り返して固体電解質を成膜す
る方法(図6参照)。
【0037】次に、本発明の固体電解質の成膜方法を円
筒方式の固体電解質型固体電解質燃料電池における固体
電解質の成膜に使用する電気泳動電着装置について、図
7に基づいて説明する。この装置の特徴は円筒形状の空
気極をなす基材28を陰極とし、この陰極基材28に同
軸外周位置に金属管、例えば銅管29を陽極として配置
し、これらの間に直流電源27によって電圧を印加する
点にあり、用いる電着原料液22は図1に示した装置の
場合と同じであり、また印加電圧、電流についても同じ
条件である。そして、この装置によって空気極28の外
周面にYSZの固体電解質膜を成膜することができる。
【0038】また図8に示すように、円筒形状の燃料極
をなす基材210を陰極とし、この陰極基材210の中
心軸位置に金属棒、例えば銅棒211を陽極として配置
し、これらの間に直流電源27によって電圧を印加する
ことにより、燃料極をなす基材210の内周面にYSZ
の固体電解質膜を成膜することができる。
【0039】なお、これらの図7、図8に示す装置を用
いる場合も、上記平板方式の場合と同様に(1)〜
(5)の成膜方法によって緻密な固体電解質膜を形成す
ることができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0041】(実施例1)上記(1)、図2の方法に従
い、電着原料液22にメチルプロパノールを溶剤とする
YSZ1mol%のYSZゾルを用い、LSM板を基材
24とし、銅板を陽極23として白金リード線25,2
6で電着液中に吊した状態で、電極間を3cmに保ち、
直流電圧20V、電流5mAで10分間、電気泳動電着
を行い、YSZ被膜31を形成した。その後、室温にて
自然乾燥させ、これを1275℃、6時間の焼成条件で
焼成した。
【0042】得られた固体電解質膜32は、20μmの
厚さで、組織構造は緻密であった。
【0043】(実施例2)上記(2)、図3の方法に従
い、実施例1と同じYSZゾル、電気泳動電着装置を用
い、直流電圧20V、電流5mAで5分間、電気泳動電
着を行い、10μmのYSZ被膜31を形成した。その
後、室温にて自然乾燥させ、これを1250℃、6時間
の焼成条件で焼成して焼成膜32を得た。この後また、
同じ電気泳動電着条件で10μmのYSZ被膜31を焼
成膜32上に形成し、室温にて自然乾燥させた後、これ
を1275℃、6時間の焼成条件で焼成して焼成膜32
を得た。
【0044】得られた固体電解質膜32は、20μmの
厚さで、組織構造は緻密であった。
【0045】(実施例3)上記(4)、図5の方法に従
い、電着原料液22に粒径0.2μmのYSZ粉末を1
0g/リットルの割合でアセチルアセトンに混入した懸
濁液を用い、LSM板を基材24とし、銅板を陽極23
として白金リード線25,26で電着液中に吊した状態
で、電極間を3cmに保ち、直流電圧20V、電流5m
Aで5分間、電気泳動電着を行い、10μmのYSZ粉
末の被膜40を形成した。この後、室温にて自然乾燥さ
せ、これを1250℃、6時間の焼成条件で焼成して粉
末焼成膜41を得た。この操作を2回繰り返した。
【0046】この後、YSZ粉末の焼成膜43上に実施
例1と同じYSZゾル、電気泳動電着装置を用い、直流
電圧20V、電流5mAで5分間、電気泳動電着を行
い、10μmのYSZ被膜44を形成した。その後、室
温にて自然乾燥させ、これを1275℃、6時間の焼成
条件で焼成して焼成膜45を得た。この操作も2回繰り
返した。
【0047】得られた固体電解質膜47は、30μmの
厚さで、組織構造は緻密であり、マイクロポアは見られ
なかった。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明は、従来のYSZ粉
末の懸濁液を用いた電気泳動電着に代えて、YSZゾル
を用いた電気泳動電着によって空気極又は燃料極をなす
基材上にYSZ被膜を形成し、さらに焼成してYSZの
固体電解質を成膜するのであるが、YSZゾル中のYS
Zの粒子径はナノミクロンオーダーであり、YSZ粉末
では小さくても0.2μm程度であるゆえに、本発明に
よれば基材表面に緻密な固体電解質膜を形成することが
できる。また固体電解質膜が緻密にできるために膜厚を
小さくすることができ、発電時の燃料利用率を向上させ
ることができる。
【0049】また本発明によれば、従来と同様にYSZ
粉末の懸濁液を用いた電気泳動電着で形成し、焼成した
YSZ膜の上にさらに、後処理としてYSZゾルを用い
た電気泳動電着によってYSZ被膜を形成し、焼成して
YSZの固体電解質膜を形成するので、YSZ懸濁液に
よる電気泳動電着では避けられなかったマイクロポアを
緻密なYSZゾルによる電気泳動電着被膜によって封孔
し、貫通ポアをなくすことができ、このために、従来で
は電着、焼成の工程を数多く繰り返していたものがその
繰り返し工程を少なくすることができ、それだけコスト
の低減を図ることができ、また膜厚を小さくして性能の
良い固体電解質を成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する電気泳動電着装置の説明図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の成膜方法の説明
図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の成膜方法の説明
図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の成膜方法の説明
図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の成膜方法の説明
図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の成膜方法の説明
図。
【図7】本発明に使用する電気泳動電着装置の説明図。
【図8】本発明に使用する電気泳動電着装置の説明図。
【図9】一般的な薄膜平板方式の固体電解質型燃料電池
の分解斜視図。
【図10】一般的な縦縞円筒方式の固体電解質型燃料電
池の斜視図。
【図11】一般的な横縞円筒方式の固体電解質型燃料電
池の断面図。
【図12】従来例の成膜方法の説明図。
【符号の説明】
21 電着槽 22 電着原料液 23 陽極 24 基材 25,26 リード線 27 直流電源 31 被膜 32,37,45,47,53,57 焼成膜 34,40,42,50,54 被膜 35,41,43,51,55 焼成膜 36,44,46,52,56 被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩澤 力 東京都江東区木場1−5−1 株式会社フ ジクラ内 (72)発明者 兼田 波子 東京都江東区木場1−5−1 株式会社フ ジクラ内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気極又は燃料極をなす基材に対して、
    固体電解質としてのイットリア安定化ジルコニア(YS
    Z)を電気泳動電着によって所望の膜厚まで被膜し、そ
    の後に焼成して固体電解質を成膜する固体電解質の成膜
    方法において、 電着原料液にYSZゾルを用いて電気泳動電着によって
    被膜を形成し、その後に焼成して固体電解質の最終膜層
    を成膜することを特徴とする固体電解質の成膜方法。
  2. 【請求項2】 空気極又は燃料極をなす基材に対して、
    固体電解質としてのイットリア安定化ジルコニア(YS
    Z)を電気泳動電着によって所望の膜厚まで被膜し、そ
    の後に焼成して所望の膜厚の固体電解質を成膜する固体
    電解質の成膜方法において、 電着原料液にYSZゾルを用いることを特徴とする固体
    電解質の成膜方法。
  3. 【請求項3】 空気極又は燃料極をなす基材に対して、
    固体電解質としてのYSZを電気泳動電着によって被膜
    し、その後に焼成する工程を所望の膜厚に達するまで繰
    り返して固体電解質を成膜する固体電解質の成膜方法に
    おいて、 電着原料液にYSZゾルを用いることを特徴とする固体
    電解質の成膜方法。
  4. 【請求項4】 YSZ粉末の懸濁液中に空気極又は燃料
    極をなす基材を浸漬して電気泳動電着によってYSZの
    一次膜を被膜し、その後に焼成して前記一次膜を成膜
    し、 その後、前記YSZの一次膜が成膜されている前記基材
    をYSZゾル中に浸漬し、前記一次膜上に電気泳動電着
    によってYSZの二次膜を被膜し、その後に焼成して所
    望の膜厚の固体電解質を成膜することを特徴とする固体
    電解質の成膜方法。
  5. 【請求項5】 YSZ粉末の懸濁液中に空気極又は燃料
    極をなす基材を浸漬して電気泳動電着によってYSZを
    被膜し、その後に焼成する工程を所定の膜厚に達するま
    で繰り返し、 その後、前記基材をYSZゾル中に浸漬して電気泳動電
    着によってYSZを被膜し、その後に焼成する工程を所
    望の最終膜厚に達するまで繰り返して固体電解質を成膜
    することを特徴とする固体電解質の成膜方法。
  6. 【請求項6】 YSZ粉末の懸濁液中に空気極又は燃料
    極をなす基材を浸漬して電気泳動電着によってYSZを
    被膜し、その後に焼成する一次工程と、前記一次工程を
    経た前記基材をYSZゾル中に浸漬して電気泳動電着に
    よってYSZを被膜し、その後に焼成する二次工程とを
    所望の膜厚に達するまで繰り返して固体電解質を成膜す
    ることを特徴とする固体電解質の成膜方法。
  7. 【請求項7】 前記空気極又は燃料極をなす基材として
    薄膜平板方式の空気極又は燃料極をなす基材を用いたこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
    固体電解質の成膜方法。
  8. 【請求項8】 空気極又は燃料極をなす基材として円筒
    形状のものを陰極として用い、陽極に金属製円筒体を用
    い、前記陰極基材の同軸外周位置に配置し、前記電気泳
    動電着によって固体電解質を前記陰極基材の外周面に成
    膜することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の固体電解質の成膜方法。
  9. 【請求項9】 空気極又は燃料極をなす基材として円筒
    形状のものを陰極として用い、陽極に金属製棒材を用
    い、前記陰極基材の中心軸位置に配置し、前記電気泳動
    電着によって固体電解質を前記陰極基材の内周面に成膜
    することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    固体電解質の成膜方法。
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