JPH09120827A - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

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JPH09120827A
JPH09120827A JP7275444A JP27544495A JPH09120827A JP H09120827 A JPH09120827 A JP H09120827A JP 7275444 A JP7275444 A JP 7275444A JP 27544495 A JP27544495 A JP 27544495A JP H09120827 A JPH09120827 A JP H09120827A
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JP
Japan
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fuel cell
membrane
sulfonic acid
perfluorocarbon sulfonic
solid
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JP7275444A
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Takuya Moriga
卓也 森賀
Isao Hirata
勇夫 平田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜化が可能で、かつイオン交換容量の大き
な電解質を用いることができる新規複合ポリマー膜を固
体高分子電解質膜として用いることによって電解質膜の
電気抵抗が低減された燃料電池を提供することを目的と
する。 【解決手段】 多孔質基体にパーフルオロカーボンスル
ホン酸樹脂を含浸させ、析出させた複合ポリマー膜を固
体高分子電解質膜として用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子電解質
型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質型燃料電池は、電解質
として固体高分子膜であるイオン交換樹脂膜を用い、こ
の膜の両面に電極を接合した構造を有する。この燃料電
池の主な特徴は以下の(1)〜(4)に示す通りであ
る。
【0003】(1)操作温度が最高で約100〜120
℃程度であり、ほぼ常温で操作できる。 (2)電解質膜を薄くすることによって、燃料電池の内
部抵抗を著しく低減できるため、高電流密度で運転でき
る。
【0004】(3)従って、電池がコンパクトになる。 (4)高分子膜が隔壁となり、アノード極とカソード極
とで操作圧力を任意に設定できる。
【0005】このように、この固体高分子電解質型燃料
電池は、高分子膜を電解質として用いているため、低温
操作、アノード極とカソード極間の差圧運転、及び高分
子膜を薄膜化することによる内部抵抗の著しい低減が図
られることが大きな特徴となっている。
【0006】この燃料電池用の高分子膜としては、開発
初期には、イオン交換樹脂膜として広く利用されていた
スチレン−ジビニルベンゼン樹脂を母核とし、これにイ
オン交換基を導入したものが用いられていた。しかしな
がら、このような高分子膜は、燃料電池の高分子膜表面
及び内部で生ずる電気化学的現象や反応に対して物理的
または化学的に不安定であったため、電池寿命が十分で
なかった。
【0007】そこで、近年になって、イオン交換基とし
てスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン樹脂が物
理的及び化学的な耐久性がより優れているために一般的
に利用されている。このイオン交換基としてスルホン酸
基を有するパーフルオロカーボン樹脂、すなわち、パー
フルオロカーボンスルホン酸樹脂は、次の化1に示す構
造を有する。
【0008】
【化1】
【0009】前記樹脂が膜状に成形されたものとして
は、従来より、Du Pont社製で商品名がNafi
onのパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂膜が用いら
れている。
【0010】ところで、燃料電池の性能は、一般に発電
時に電流を取り出すことによって生ずる電池内の電圧低
下(過電圧)の大きさによって評価され、この過電圧が
小さいほど性能が良いとされる。前述した固体高分子電
解質型燃料電池の理論電圧は約1.23Vであるが、電
流を取り出す際には電池内の過電圧によって電圧が低下
する。例えば、電流密度0.3A/cm2 のとき、電圧
は0.6〜0.8Vとなる。
【0011】このような過電圧の主なものは、以下の
(1)〜(3)に示す通りである。 (1)主にカソード極での酸素の還元反応速度に支配さ
れる反応過電圧。 (2)電極の電気抵抗と電解質膜のイオン移動抵抗に起
因する電気抵抗過電圧。
【0012】(3)電極内の反応ガスの移動抵抗に起因
する濃度過電圧。 これらの過電圧のうち、前記(3)の濃度過電圧は、主
に約1A/cm2 以上の高電流側で顕著となり、ガス拡
散層を多孔質化することによって改善することができ
る。前記(1)及び前記(2)の過電圧は、電池性能の
向上に最も寄与するものである。これらの過電圧は電
極、電解質構成材料、電解質膜と電極との接合方法の改
良によって減少させることができる。すなわち、前記
(1)の反応過電圧は、酸素の還元反応速度を向上させ
れば小さくなる。前記反応速度は主に触媒の担持量、電
解質と触媒との接触面積(電気化学的反応界面積)、反
応部でのpH(水素イオン濃度)及び酸素分圧の影響を
受ける。このため、これらの値が大きいほど前記反応速
度が大きくなる。一方、前記(2)の電気抵抗過電圧
は、電極材料の電気抵抗及び電解質膜のイオン移動抵抗
を下げれば小さくすることができる。前記イオン移動抵
抗は、膜材料のイオン交換容量を上げると共に薄膜化に
よりイオン移動距離を短くすれば、小さくすることがで
きる。
【0013】前記(1)及び前記(2)の過電圧の低減
化は、従来より、次の(1)〜(5)に示す方法によっ
て行われている。 (1)担持触媒粒子径をできるだけ小さくすることによ
って単位触媒重量当りの反応界面積を大きくする。具体
的には、微粒子の白金を担持した親水性カーボンブラッ
クを用いて反応層を形成する。
【0014】(2)液状の電解質を反応層表面に塗布す
ることにより触媒との接触量を増加させる。 (3)白金との合金を触媒材料として用いる。
【0015】(4)電解質のイオン交換容量を増加させ
る。 (5)電解質膜を薄膜化する。 しかしながら、前記(1)〜(5)の方法は、それぞれ
次に示す問題点があった。すなわち、前記(1)の担持
触媒粒子径を小さくさせる方法は、白金の微粒子化に限
界があるという問題点があった。また、粒子径を小さく
すると、触媒粒子のシンタリングによる触媒活性の低下
が顕著になるという問題点があった。
【0016】前記(2)の液状の電解質を反応層に塗布
する方法は、反応界面積は増加するものの、反応層中に
含浸した電解質が反応ガス(酸素ガス)の触媒粒子上へ
の拡散を妨げるため、電流密度が上がるにつれて性能の
改善が見られなくなる。
【0017】前記(3)の触媒材料に白金との合金を用
いる方法は、耐久性等に課題がある。前記(4)の電解
質のイオン交換容量を増加させる方法は、イオン交換容
量を増加させるに従って電解質溶液から膜への成形性が
劣るという問題点があった。このため、イオン交換容量
の増加には限界があった。
【0018】前記(5)の電解質膜の薄膜化は、膜厚を
薄くするに従って、製膜時にピンホールが生成したり、
差圧運転時の耐圧性や、信頼性等に問題が生じるように
なる。このため、電解質膜をあまり薄くすることはでき
ない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薄膜
化が可能で、かつイオン交換容量の大きな電解質を用い
ることができる新規複合ポリマー膜を固体高分子電解質
膜として用いることによって電解質膜の電気抵抗が低減
された燃料電池を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る固体高分子
電解質型燃料電池は、多孔質基体にパーフルオロカーボ
ンスルホン酸樹脂を含浸させ、析出させた複合ポリマー
膜を固体高分子電解質膜として用いることを特徴とする
ものである。
【0021】また、本発明に係る別の固体高分子電解質
型燃料電池は、多孔質基体にパーフルオロカーボンスル
ホン酸樹脂と無機材料からなる絶縁体上に硫酸基を担持
した固体酸粒子とを含浸させ、析出させた複合ポリマー
膜を固体高分子電解質膜として用いることを特徴とする
ものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る固体高分子電
解質型燃料電池について説明する。前記燃料電池は、多
孔質基体にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を含浸
させ、析出させた複合ポリマー膜を固体高分子電解質膜
として用いる。
【0023】前記多孔質基体としては、例えば、厚さが
20〜100μm(好ましくは、20〜50μm)で、
細孔径が0.1〜0.3μm(好ましくは、0.2μ
m)で、空隙率が65〜85%(好ましくは、75〜8
0%)の多孔質なポリテトラフルオロエチレンシート
(PTFEシート)等を挙げることができる。
【0024】前記ポリテトラフルオロエチレンシートの
厚さを前記範囲に限定したのは次のような理由によるも
のである。前記厚さを20μm未満にすると、前記電解
質膜を製造する際に破損等の不良が生じる恐れがある。
また、燃料電池運転の際に水素及び酸素のクロスリーク
を生じる恐れがある。一方、前記厚さが100μmを越
えると、前記電解質膜の厚さが厚くなるため、電気抵抗
が大きくなって燃料電池の性能が低下する恐れがある。
【0025】また、前記範囲の細孔径及び空隙率を有す
るポリテトラフルオロエチレンシートは、前記パーフル
オロカーボンスルホン酸樹脂を含浸させるのに好適であ
る。前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂として
は、例えば、米国のAld−rich Chemica
l Company,Inc.からNafionSol
utionとして販売されている5%のパーフルオロカ
ーボンスルホン酸樹脂(イオン交換容量が約0.9me
q/g)を含む低級脂肪族アルコール(10%の水を含
む)溶液等を挙げることができる。また、本発明は、イ
オン交換容量の大きなパーフルオロカーボンスルホン酸
樹脂に対しても適用できるものである。
【0026】前記燃料電池を構成する電極には、電極触
媒が担持された電極を用いることができる。かかる電極
としては、例えば、カーボンブラック及びポリテトラフ
ルオロエチレンの混合物を圧延によりシート状に成形し
た後、これに触媒成分を含有する溶液を塗布し、酸化あ
るいは熱分解・水素還元処理を施すことにより触媒を担
持した電極や、炭素繊維織物や炭素繊維を抄紙後、焼成
により成形された紙状のものなどの多孔質基体上にポリ
テトラフルオロエチレンと共に電極触媒粉末を担持した
電極や、高分子電解質をコートした電極触媒からなる電
極等を挙げることができる。なお、本発明に係る燃料電
池はこれらの電極に限定されるものではなく、いかなる
電極に対しても適用できるものである。
【0027】本発明の固体高分子電解質型燃料電池は、
多孔質基体にパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を含
浸させ、析出させることにより得られた複合ポリマー膜
を固体高分子電解質膜として用いる。その結果、電解質
膜の厚さを前記多孔質基体の厚さで制御することができ
るため、従来のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を
膜状に成形した電解質膜に比べて厚さを薄くすることが
できる。また、多孔質基体を電解質膜の支持体として用
いるため、電解質膜の強度を補強することができ、かつ
従来に比べてイオン交換容量の大きいパーフルオロカー
ボンスルホン酸樹脂を電解質として使用することができ
る。従って、電解質膜において薄膜化と、電解質のイオ
ン交換容量の増加とを達成することができるため、電解
質膜の電気抵抗を低減することができる。このため、前
記電解質膜を備えた燃料電池は、電流−電圧特性を向上
することができる。
【0028】以下、本発明に係る別の固体高分子電解質
型燃料電池を説明する。前記燃料電池は、多孔質基体に
パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂と無機材料からな
る絶縁体上に硫酸基を担持した固体酸粒子とを含浸さ
せ、析出させた複合ポリマー膜を固体高分子電解質膜と
して用いる。
【0029】前記多孔質基体としては、前述したのと同
様な厚さが20〜100μm(好ましくは、20〜50
μm)で、細孔径が0.1〜0.3μm(好ましくは、
0.2μm)で、空隙率が65〜85%(好ましくは、
75〜80%)の多孔質なポリテトラフルオロエチレン
シート等を挙げることができる。前記シートの厚さを前
記範囲に限定したのは前述したのと同様な理由によるも
のである。また、前記範囲の細孔径および空隙率を有す
るポリテトラフルオロエチレンシートは、前記パーフル
オロカーボンスルホン酸樹脂のみならず、前記固体酸粒
子を含浸させるのにも好適である。
【0030】前記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂
としては、前述したのと同様なものを挙げることができ
る。前記固体酸粒子としては、そのイオン交換容量が前
記パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂と同じかあるい
は大きく、かつその密度が前記パーフルオロカーボンス
ルホン酸樹脂より大きいものが好ましい。このような固
体酸粒子としては、例えば、TiO2 や、ZrO2 のよ
うな金属酸化物粒子上に硫酸基(SO4 2-)を担持させ
たものを挙げることができる。
【0031】前記燃料電池を構成する電極としては、前
述したのと同様なものを挙げることができる。本発明に
係る固体高分子電解質型燃料電池は、無機材料からなる
絶縁体上に硫酸基を担持させた固体酸粒子とパーフルオ
ロカーボンスルホン酸樹脂とを多孔質基体に含浸させ、
析出させることにより得られた複合ポリマー膜を固体高
分子電解質膜として用いる。その結果、電解質膜の厚さ
を前記多孔質基体の厚さで制御することができるため、
従来のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を膜状に成
形した電解質膜に比べて厚さを薄くすることができる。
また、多孔質基体を電解質膜の支持体として用いるた
め、電解質膜の強度を補強することができ、かつ従来に
比べてイオン交換容量の大きいパーフルオロカーボンス
ルホン酸樹脂を電解質として使用することができる。更
に、固体酸粒子として、そのイオン交換容量が前記パー
フルオロカーボンスルホン酸樹脂と同じかあるいは大き
く、かつその密度が前記樹脂に比べて大きいものを用い
ると、前記電解質膜の単位体積当りのイオン交換容量を
前記樹脂のみが多孔質基体に担持されたものよりも大き
くすることができる。例えば、TiO2 に硫酸基を担持
させた固体酸粒子はイオン交換容量が約2meq/gで
あり、前記Nafion Solution中のパーフ
ルオロカーボンスルホン酸樹脂の約0.9meq/gに
比べておよそ2倍大きい。また、前記固体酸粒子の密度
は、この樹脂に比べて約2.5倍程大きい。従って、単
位体積当りのイオン交換容量は前記固体酸粒子の方が約
5倍程度大きい。このような固体酸粒子と前記樹脂とを
多孔質基体に含浸させ、析出させた複合ポリマー膜から
なる固体高分子電解質膜は、薄膜化を達成することがで
き、かつイオン交換容量を飛躍的に増加させることがで
きるため、電気抵抗を大幅に低減することができる。従
って、前記電解質膜を備えた燃料電池は、電流−電圧特
性を飛躍的に向上することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を詳細に説明
する。 実施例1 厚さが50μmで、細孔径が0.2μmで、空隙率が7
5%のポリテトラフルオロエチレンシートを酸洗浄後、
脱イオン水で十分に洗浄することによりシートを清浄し
た。清浄なガラス容器に非プロトン性溶媒を収容し、こ
れに前記ポリテトラフルオロエチレンシートを浸した。
その中に5%のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂
(イオン交換容量が0.9meq/g)を含む低級脂肪
族アルコール(10%の水を含む)溶液(米国 Ald
rich Chemical C−ompany,In
c.製)を添加する。その後、昇温し150〜160
℃、4〜6時間で溶媒を蒸発させてポリテトラフルオロ
エチレンシートにパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂
を含浸、析出させて複合ポリマー膜を得た。
【0033】一方、紙状の多孔質炭素基体(厚さが0.
35mmで、空隙率が約75%)上に、予め高分子電解
質をコートした電極触媒及び疎水性カーボンブラックの
混合物を担持させて電極を得た。この電極の見掛け面積
当たりの白金触媒担持量は、0.5mg/cm2 であっ
た。
【0034】得られた複合ポリマー膜の両面に、前記電
極の触媒担持されている面を向けて130〜150℃の
ホットプレスで接合し、セルを作製した。得られたセル
の断面を顕微鏡で観察したところ、電解質膜である複合
ポリマー膜の厚さは約50μmで、膜中に貫通部のない
こと及びパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂がポリテ
トラフルオロエチレンシート中にほぼ均一に含浸されて
いることを確認した。 実施例2 イオン交換容量が約1.7meq/gのパーフルオロカ
ーボンスルホン酸樹脂を用いること以外は、実施例1と
同様な方法によって複合ポリマー膜を作製した。
【0035】得られた複合ポリマー膜の両面に、実施例
1と同様な電極を触媒担持されている面を向けて実施例
1と同様な方法で接合し、セルを作製した。得られたセ
ルの断面を顕微鏡で観察したところ、電解質膜である複
合ポリマー膜の厚さは約50μmで、膜中に貫通部のな
いこと及びパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂がポリ
テトラフルオロエチレンシート中にほぼ均一に含浸され
ていることを確認した。 比較例 固体高分子電解質膜としてイオン交換容量が約0.9m
eq/gで、厚さが50μmのパーフルオロカーボンス
ルホン酸樹脂膜(Du Pont社製で商品名がNaf
ion)を用いた以外は、実施例1と同様な構成でセル
を作製した。得られた実施例1,2及び比較例の燃料電
池の単セル発電試験を下記表1に示す発電試験条件で行
って電流−電圧特性を求め、その結果を下記表2に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表2から明らかなように、実施例1及び2
の燃料電池は、比較例の燃料電池と同等以上の発電性能
を有することがわかる。これは、従来のパーフルオロカ
ーボンスルホン酸樹脂を膜状に成形した電解質膜に比べ
て薄膜化でき、かつイオン交換容量の大きなパーフルオ
ロカーボンスルホン酸樹脂を電解質として用いることが
可能になったためである。 実施例3 厚さが50μmで、細孔径が0.2μmで、空隙率が7
5%のポリテトラフルオロエチレンシートを酸洗浄後、
脱イオン水で十分に洗浄することによりシートを清浄し
た。清浄なガラス容器に非プロトン性溶媒を収容し、こ
れに前記ポリテトラフルオロエチレンシートを浸した。
その中に5%のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂
(イオン交換容量が0.9meq/g)を含む低級脂肪
族アルコール(10%の水を含む)溶液(米国 Ald
rich Chemical C−ompany,In
c.製)と、酸化チタンを基材とした硫酸基を有する固
体酸粒子とを添加する。その後、昇温し150〜160
℃、4〜6時間で溶媒を蒸発させてポリテトラフルオロ
エチレンシートに前記パーフルオロカーボンスルホン酸
樹脂及び前記固体酸粒子の混合物を含浸、析出させて複
合ポリマー膜を得た。
【0039】一方、紙状の多孔質炭素基体(厚さが0.
35mmで、空隙率が約75%)上に、予め高分子電解
質をコートした電極触媒及び疎水性カーボンブラックの
混合物を担持させて電極を得た。この電極の見掛け面積
当たりの白金触媒担持量は、0.5mg/cm2 であっ
た。
【0040】得られた複合ポリマー膜の両面に、前記電
極の触媒担持されている面を向けて130〜150℃の
ホットプレスで接合し、セルを作製した。得られたセル
の断面を顕微鏡で観察したところ、電解質膜である複合
ポリマー膜の厚さは約50μmで、膜中に貫通部のない
ことと、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂と固体酸
粒子の混合物がポリテトラフルオロエチレンシート中に
ほぼ均一に含浸されていることを確認した。 実施例4 イオン交換容量が約1.7meq/gのパーフルオロカ
ーボンスルホン酸樹脂を用いること以外は、実施例3と
同様な方法によって複合ポリマー膜を作製した。
【0041】得られた複合ポリマー膜の両面に、実施例
3と同様な電極を触媒担持されている面を向けて実施例
3と同様な方法で接合し、セルを作製した。得られたセ
ルの断面を顕微鏡で観察したところ、電解質膜である複
合ポリマー膜の厚さは約50μmで、膜中に貫通部のな
いことと、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂と固体
酸粒子の混合物がポリテトラフルオロエチレンシート中
にほぼ均一に含浸されていることを確認した。
【0042】得られた実施例3,4の燃料電池の単セル
発電試験を前述した表1に示す発電試験条件で行って電
流−電圧特性を求め、その結果を下記表3に示す。な
お、表3には前述した比較例の電流−電圧特性を併記す
る。
【0043】
【表3】
【0044】表3から明らかなように、実施例3及び4
の燃料電池は、比較例の燃料電池と同等以上の発電性能
を有することがわかる。これは、従来のパーフルオロカ
ーボンスルホン酸樹脂を膜状に成形した電解質膜に比べ
て薄膜化でき、また、イオン交換容量の大きなパーフル
オロカーボンスルホン酸樹脂と固体酸粒子との混合物を
電解質として使用できることによるものである。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の固体高分子
電解質型燃料電池によれば、従来のパーフルオロカーボ
ンスルホン酸樹脂を膜状に成形した電解質膜よりも電解
質膜の厚さを薄くすることができ、電解質として従来に
比べて大きなイオン交換容量を有するパーフルオロカー
ボンスルホン酸樹脂を用いることができ、電流−電圧特
性を向上することができる等の顕著な効果を奏する。
【0046】また、本発明の別の固体高分子電解質型燃
料電池によれば、電解質膜の厚さを従来のパーフルオロ
カーボンスルホン酸樹脂膜からなるものよりも薄くする
ことができ、電解質としてイオン交換容量の大きなパー
フルオロカーボンスルホン酸樹脂及び固体酸粒子を用い
ることができ、電流−電圧特性を大幅に改善することが
できる等の顕著な効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質基体にパーフルオロカーボンスル
    ホン酸樹脂を含浸させ、析出させた複合ポリマー膜を固
    体高分子電解質膜として用いることを特徴とする固体高
    分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 多孔質基体にパーフルオロカーボンスル
    ホン酸樹脂と無機材料からなる絶縁体上に硫酸基を担持
    した固体酸粒子とを含浸させ、析出させた複合ポリマー
    膜を固体高分子電解質膜として用いることを特徴とする
    固体分子電解質型燃料電池。
JP7275444A 1995-10-24 1995-10-24 固体高分子電解質型燃料電池 Pending JPH09120827A (ja)

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JP7275444A JPH09120827A (ja) 1995-10-24 1995-10-24 固体高分子電解質型燃料電池

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JP7275444A JPH09120827A (ja) 1995-10-24 1995-10-24 固体高分子電解質型燃料電池

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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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