図1乃至図5を用いて、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブについて説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1に示すように、ヘッド付サスペンション111は、サスペンション101と、サスペンション用基板1のヘッド領域2(より詳細には、ジンバル領域4)に実装されたヘッドスライダ112と、を備えている。このうちヘッドスライダ112は、後述するディスク123(図5参照)に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うためのものであり、後述するサスペンション用基板1のタング部12に接着剤を用いて接合されている。ヘッドスライダ112のスライダ端子(図示せず)は、半田によって後述するヘッド端子32に電気的に接続されている。
サスペンション101は、ベースプレート102と、ベースプレート102上に取り付けられたロードビーム103と、ロードビーム103に取り付けられたサスペンション用基板1と、を備えている。このうちベースプレート102およびロードビーム103は、いずれも、好適にはステンレスにより形成され、互いに溶接されて固定されている。ロードビーム103は、ヘッドスライダ112の側とは反対側からサスペンション用基板1に取り付けられている。より具体的には、ロードビーム103は、サスペンション用基板1の金属支持層10(後述)に、溶接により取り付けられるようになっている。
ロードビーム103には、治具孔107が設けられており、サスペンション用基板1には、当該ロードビーム103の治具孔107とアライメント(位置合わせ)を行うための治具孔5が設けられている。このことにより、サスペンション用基板1にロードビーム103を取り付ける際に、サスペンション用基板1とロードビーム103との位置合わせを行うことができるようになっている。ロードビーム103の治具孔107およびサスペンション用基板1の治具孔5は、図1に示す長手方向軸線X上に配置されている。ここでは、ヘッドスライダ112よりもテール領域3の側に2つの治具孔5が設けられている例を示しているが、このことに限られることはなく、一方の治具孔5は、ジンバル領域4よりも先端側(テール領域3の側とは反対側)に設けられていてもよい。
また、ロードビーム103は、サスペンション用基板1のジンバル領域4(後述するタング部12)の側に突出したディンプル部108を有している。このディンプル部108は、当該タング部12を揺動自在に支持するようになっている。また、ディンプル部108は、サスペンション101の長手方向軸線X上であって、ヘッドスライダ112の重心に対応する位置に配置されていることが好ましい。このことにより、ヘッドスライダ112を長手方向軸線Xに対して対称(左右均等)に揺動させることが可能となる。また、ディンプル部108は、曲面状に形成されていることが好ましく、例えば、半球状に形成されていることが好適である。
次に、サスペンション用基板1について説明する。
図1に示すように、サスペンション用基板1は、ヘッドスライダ112が実装されるヘッド領域2と、FPC基板(フレキシブルプリント基板、外部接続基板)131が接続されるテール領域3と、を有している。このうちヘッド領域2は、図2に示すように、ヘッドスライダ112と共にジンバル運動を行うジンバル領域4を含んでいる。サスペンション用基板1の長手方向軸線Xは、ジンバル領域4の中心を通るようになっている。ここで、ジンバル領域4とは、後述するタング部12を含むジンバル運動を行う領域に相当し、ヘッド領域2とは、ジンバル領域4と、その周囲のジンバル運動を行わない領域とを含む領域に相当し、ジンバル領域4を包含する概念として用いている。
ジンバル領域4には、ヘッドスライダ112に接続される複数のヘッド端子32が設けられている。一方、テール領域3には、図1に示すように、FPC基板131に接続される複数のテール端子33が設けられている。ヘッド端子32とテール端子33とは、後述する複数の信号配線31によってそれぞれ接続されている。なお、図1においては、図面を明瞭にするために、ヘッド端子32およびテール端子33は6つずつ設けられている例を示しているが、これに限られることはなく、ヘッド端子32およびテール端子33の個数は任意である。
図2乃至図4に示すように、サスペンション用基板1は、金属支持層10と、金属支持層10上に設けられた絶縁層20と、絶縁層20上に設けられた配線層30と、を備えている。すなわち、金属支持層10に、絶縁層20を介して配線層30が積層されている。絶縁層20と配線層30との間には、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、銅(Cu)からなり、約300nm厚さを有するシード層(図示せず)を介在させてもよい。この場合、絶縁層20と配線層30との密着性を向上させることができる。
絶縁層20上には、配線層30の後述する配線31、37を覆う保護層40(図3および図4参照)が設けられている。保護層40によって配線31、37が露出されることを防止し、配線31、37の腐食を防止している。なお、図1および図2においては、図面を明瞭にするために、保護層40は省略されている。
図2に示すように、金属支持層10は、テール領域3から延びる金属支持層本体部11と、ジンバル領域4に設けられた、ヘッドスライダ112が実装されるタング部12と、タング部12の両外側に設けられ、細長状に延びる一対のアウトリガー部13と、を有している。アウトリガー部13は、金属支持層本体部11とタング部12とを連結し、タング部12をジンバル運動可能に支持している。すなわち、アウトリガー部13は、ジンバル運動を行わない部材として構成されている。なお、一対のアウトリガー部13は、タング部12の先端側(図2における上側)において互いに連結されている。
ここで、ジンバル領域4は、ヘッドスライダ112が実装される実装領域(タング部12に相当する領域)4aと、長手方向軸線Xに対して一方の側で実装領域4aの側方(図2における左側)に設けられた第1側方領域4bと、第1側方領域4bとは反対側で実装領域4aの側方(図2における右側)に設けられた第2側方領域4cと、を有している。このうち第1側方領域4bは、タング部12と一方のアウトリガー部13(図2における左側のアウトリガー部13)との間の領域を意味し、第2側方領域4cは、タング部12と他方のアウトリガー部13(図2における右側のアウトリガー部13)との間の領域を意味している。各側方領域4b、4cを、絶縁層20に支持された各種配線が通過している。
配線層30は、複数の信号配線31と、接地配線37と、を有している。各信号配線31は、タング部12に実装されるヘッドスライダ112のスライダ端子と電気的に接続されるヘッド端子32と、FPC基板131に電気的に接続されるテール端子33(図1参照)とを接続し、電気信号を伝送する。接地配線37は、ヘッドスライダ112の接地用のスライダ端子に接続され、ヘッドスライダ112の接地をとるためのものである。これら信号配線31、接地配線37、ヘッド端子32およびテール端子33によって配線層30が構成されている。
信号配線31は、一対の書込配線(第1書込配線71および第2書込配線72)と、一対の読取配線(第1読取配線75および第2読取配線76)と、電源配線77と、ヒータ配線78と、を含んでいる。このうち一対の書込配線71、72は、互いに逆位相となる電気信号を伝送する差動配線として構成されており、一対の読取配線75、76も、互いに逆位相となる電気信号を伝送する差動配線となっている。ここで、書込配線とは、後述するディスク123(図5参照)にデータを書き込んで記憶させるための電気信号を伝送するためのものであり、読取配線とは、データが記憶されているディスク123から読み取られた電気信号を伝送するためのものである。また、電源配線とは、ヘッドスライダ112に電源を供給するための配線であり、ヒータ配線とは、ヘッドスライダ112の書き込み素子部、若しくは読み取り素子部に設けられたヒータに電源を供給するためのものである。ヒータに電源を供給することによってヒータが加熱されて素子部が熱膨張し、素子部をディスク123の表面に接近させることができ、ヘッドスライダ112の浮上量に応じて、素子部とディスク123との距離を調整することが可能になる。なお、ヒータ配線78の代わりに、他の用途の配線、例えば磁気センサ用配線、熱アシスト素子用配線などが設けられていてもよい。ここで、磁気センサ用配線とは、ディスク123とヘッドスライダ112との接触を検出するためにヘッドスライダ112に設けられたセンサに接続される配線であり、熱アシスト素子用配線とは、ヘッドスライダ112に搭載される熱アシスト素子への電源を供給するための配線である。熱アシスト素子とは、ディスク123に光を照射してディスク123を加熱し、保持力の高い記録を可能とするためのものである。
図2に示すように、第1側方領域4bに、一対の読取配線75、76を構成する線路と、電源配線77を構成する線路と、接地配線37を構成する線路と、を含む第1線路群61が設けられている。第2側方領域4cに、一対の書込配線71、72を構成する線路と、ヒータ配線78を構成する線路と、を含む第2線路群62が設けられている。第1線路群61および第2線路群62は、配線層30を構成し、絶縁層20上に設けられている。以下に、各配線の構成についてより詳細に説明する。
書込配線71、72はインターリーブ構造を有している。すなわち、図2に示すように、第1書込配線71は、並列に設けられた、インターリーブ構造を構成する複数(図2においては2つ)の第1インターリーブ用線路(インターリーブ用線路)71aを有している。同様に、第2書込配線72は、並列に設けられた、インターリーブ構造を構成する複数(図2においては2つ)の第2インターリーブ用線路(インターリーブ用線路)72aを有している。これらの第1インターリーブ用線路71aと第2インターリーブ用線路72aとは、交互に配置されている。言い換えると、互いに隣り合う2つの第1インターリーブ用線路71aの間に、一の第2インターリーブ用線路72aが配置されている。また、第1インターリーブ用線路71aと第2インターリーブ用線路72aは、互いに沿って延びるように形成されている。
図2に示すように、第1書込配線71は、ヘッド端子32に接続された第1ヘッド側線路71bを更に有している。この第1ヘッド側線路71bは、第1ジャンパー部73において、第1インターリーブ用線路71aに接続されている。具体的には、図3に示すように、金属支持層10が、タング部12およびアウトリガー部13から分離されて電気的に絶縁された第1ジャンパー配線部15を有しており、第1ジャンパー配線部15に、絶縁層20を貫通する2つの第1書込用導電接続部(ビア)51が接続されている。各第1インターリーブ用線路71aのヘッド側端部は、対応する第1書込用導電接続部51に接続されている。このようにして、各第1インターリーブ用線路71aのヘッド側端部が、第1ジャンパー配線部15と第1書込用導電接続部51とによって互いに電気的に接続されている。
ここで、第1書込用導電接続部51は、図3に示すように、絶縁層20に設けられた絶縁層貫通孔55と、配線層30に設けられた配線層貫通孔56と、保護層40に設けられた保護層貫通孔57とに、ニッケルめっきまたは銅めっきを施すことにより形成されている。また、第1書込用導電接続部51の上面は、保護層40から露出されており、プローブ等の電気検査器の先端を第1書込用導電接続部51に接触させることが可能になっている。
また、第1書込配線71は、テール端子33に接続された第1テール側線路71cを更に有している。この第1テール側線路71cに、第2側方領域4cより後端側(テール領域3の側)において、各第1インターリーブ用線路71aが接続されている。すなわち、後述する第2インターリーブ用線路72aの間に配置された第1インターリーブ用線路71aが、後述する第2書込用導電接続部52の間を通り、各第1インターリーブ用線路71aのテール側端部が、第2書込用導電接続部52よりもテール端子33の側に配置されて、第1テール側線路71cに接続されている。このようにして、各第1インターリーブ用線路71aが、第2側方領域4cより後端側において、互いに電気的に接続されている。ここでは、絶縁層20の配線層30の側の面において、第1テール側線路71cと各第1インターリーブ用線路71aとが電気的に接続されている。
このような構成により、第1書込配線71で伝送される電気信号は、2つの第1インターリーブ用線路71aを通って伝送されるようになっている。なお、上述した第1ジャンパー部73は、第2側方領域4cより先端側(テール領域3の側とは反対側、ヘッド端子32の側)に配置され、各第1インターリーブ用線路71aが、第2側方領域4cより先端側において互いに電気的に接続されることが好適である。このことにより、ヘッドスライダ112のジンバル運動が阻害されることを抑制できる。また、第1ジャンパー部73は、インターリーブ構造による電気特性改善の効果を高めるため、ヘッド端子32になるべく近い位置に配置されることが好ましい。
図2に示すように、第2書込配線72は、ヘッド端子32に接続された第2ヘッド側線路72bを更に有している。この第2ヘッド側線路72bに、第2側方領域4cより先端側において、各第2インターリーブ用線路72aが接続されている。すなわち、上述した第1インターリーブ用線路71aの間に配置された第2インターリーブ用線路72aが、第1書込用導電接続部51の間を通り、各第2インターリーブ用線路72aのヘッド側端部が、第1書込用導電接続部51よりもヘッド端子32の側に配置されて、第2ヘッド側線路72bに接続されている。このようにして、各第2インターリーブ用線路72aが、第1側方領域4bより先端側において、互いに電気的に接続されている。ここでは、絶縁層20の配線層30の側の面において、第2ヘッド側線路72bと各第2インターリーブ用線路72aとが電気的に接続されている。
また、第2書込配線72は、テール端子33に接続された第2テール側線路72cを更に有している。この第2テール側線路72cは、第2ジャンパー部74において、第2インターリーブ用線路72aに接続されている。第2ジャンパー部74は、上述した第1ジャンパー部73と同様の構成とすることができる。具体的には、タング部12およびアウトリガー部13から分離されて電気的に絶縁された第2ジャンパー配線部16に、絶縁層20を貫通する2つの第2書込用導電接続部(ビア)52が接続され、各第2インターリーブ用線路72aのテール側端部が、対応する第2書込用導電接続部52に接続されている。このようにして、各第2インターリーブ用線路72aのテール側端部が、第2ジャンパー配線部16と第2書込用導電接続部52とによって互いに電気的に接続されている。
このような構成により、第2書込配線72で伝送される電気信号は、2つの第2インターリーブ用線路72aを通って伝送されるようになっている。なお、第2テール側線路72cと第2インターリーブ用線路72aを接続する第2ジャンパー部74は、テール領域3に配置される、あるいはテール端子33になるべく近い位置に配置されることが好適である。このことにより、インターリーブ構造による電気特性改善の効果を高めることができる。
図2に示すように、各読取配線75、76は、それぞれ1本の線路として構成されている。すなわち、第1読取配線75は、第1読取線路75aによって構成され、第2読取配線76は、第2読取線路76aによって構成されている。同様にして、電源配線77は、電源線路77aによって構成され、ヒータ配線78が、ヒータ線路78aによって構成されている。これらの第1読取線路75a、第2読取線路76a、電源線路77a、ヒータ線路78aが、ヘッド端子32とテール端子33とに電気的に接続されている。
図2に示すように、接地配線37は、互いに電気的に接続された複数(ここでは、2つ)の分岐接地線路81(接地線路)を有している。すなわち、接地配線37は、ヘッド端子32に電気的に接続されたヘッド側接地線路82と、ヘッド側接地線路82から分岐し、並列に設けられた2つの分岐接地線路81と、を有している。ヘッド側接地線路82と、2つの分岐接地線路81との接続箇所は、第1側方領域4bより先端側に配置され、2つの分岐接地線路81が、第1側方領域4bより先端側において互いに電気的に接続されている。ここでは、絶縁層20の配線層30の側の面において、ヘッド側接地線路82と、各分岐接地線路81とが電気的に接続されている。なお、2つの分岐接地線路81は、サスペンション用基板1の幅方向(長手方向軸線Xに直交する方向)に並列に配置されており、長手方向には並列配置されていないことが好ましい。この場合、ジンバル領域4の長手方向軸線Xに沿う寸法が増大することを防止できる。
また、2つの分岐接地線路81は、第1側方領域4bより後端側において、互いに電気的に接続されている。すなわち、第1側方領域4bより後端側において、図4に示すように、絶縁層20を貫通する接地用導電接続部(導電接続部、ビア)53が設けられ、各分岐接地線路81が、接地用導電接続部53に電気的に接続されている。このようにして、各分岐接地線路81が、接地用導電接続部53を介して金属支持層本体部11に電気的に接続され、接地されるようになっている。
上述のように各配線が構成されていることにより、図2に示すように、第1側方領域4bを、第1読取線路75aと第2読取線路76aと電源線路77aと2つの分岐接地線路81とを含む第1線路群61が通過している。読取線路75a、76a、電源線路77aおよび分岐接地線路81は、長手方向軸線Xに沿って延びるように形成されている。第2側方領域4cを、2つの第1インターリーブ用線路71aと2つの第2インターリーブ用線路72aとヒータ線路78aとを含む第2線路群62が通過している。インターリーブ用線路71a、72aおよびヒータ線路78aは、長手方向軸線Xに沿って延びるように形成されている。本実施の形態においては、第1線路群61の線路の本数は5本であり、第2線路群62の線路の本数も5本であり、第1線路群61の線路の本数と第2線路群62の線路の本数は同一になっている。
次に、各構成部材について詳細に述べる。
金属支持層10の材料としては、所望の導電性、弾力性、および強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、またはその他の銅合金を用いることができ、このうちステンレスを用いることが好適である。なお、金属支持層10の厚さは、一例として、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜25μmとすることができる。
絶縁層20の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層20の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層20の厚さは、5μm〜10μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層10と配線層30との絶縁性能を確保すると共に、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
配線層30の各配線31、37(より具体的には各線路)は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各配線31、37の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線31、37の厚さは、例えば5μm〜18μmであることが好ましい。このことにより、各配線31、37の伝送特性を確保すると共に、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。なお、ヘッド端子32およびテール端子33は、各配線31、37と同一の材料、同一の厚みとなっており、配線層30を構成している。
保護層40の材料としては、絶縁層20と同様に、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層40の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層40の厚さ(配線層30上の厚さ)は、3μm〜10μmであることが好ましい。
次に、図5により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ121について説明する。図5に示すハードディスクドライブ121は、ケース122と、このケース122に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク123と、このディスク123を回転させるスピンドルモータ124と、ディスク123に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク123に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うヘッドスライダ112を含むヘッド付サスペンション111と、を備えている。このうちヘッド付サスペンション111は、ケース122に対して移動自在に取り付けられており、ケース122にはヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112をディスク123上に沿って移動させるボイスコイルモータ125が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション111は、ボイスコイルモータ125にアーム126を介して取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション111は、ボイスコイルモータ125にアーム126を介して取り付けられると共に、ハードディスクドライブ121を制御する制御部(図示せず)に接続されたFPC基板131(図1参照)に接続されている。このようにして、電気信号が、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、制御部とヘッドスライダ112との間で伝送されるようになっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここではまず、サスペンション用基板の製造方法について、サブトラクティブ法により製造する場合について説明するが、アディティブ法によって製造することもできる。
まず、金属支持層10と絶縁層20と配線層30とが積層された積層体を準備する。続いて、配線層30が所望の形状にエッチングされて、配線31、37、ヘッド端子32、テール端子33および配線層貫通孔56が形成される。次に、絶縁層20上に、各配線31、37を覆う保護層40が所望の形状で形成される。この際、保護層40に保護層貫通孔57が形成される。続いて、絶縁層20が所望の形状にエッチングされる。この際、絶縁層20に絶縁層貫通孔55が形成される。次に、絶縁層貫通孔55、配線層貫通孔56および保護層貫通孔57に、例えばニッケルめっきが施されて各導電接続部51、52、53が形成される。その後、金属支持層10が所望の形状にエッチングされて外形加工され、金属支持層本体部11、タング部12、アウトリガー部13、ジャンパー配線部15、16等が形成される。このようにして、本実施の形態におけるサスペンション用基板1が得られる。
次に、上述のようにして得られたサスペンション用基板1を用いたサスペンション101の製造方法およびヘッド付サスペンション111の製造方法について説明する。
まず、ベースプレート102(図1参照)にロードビーム103が溶接により固定される。続いて、ロードビーム103に設けられた治具孔107と、サスペンション用基板1に設けられた治具孔5とにより、ロードビーム103とサスペンション用基板1とのアライメントが行われる。その後、サスペンション用基板1の金属支持層10に溶接が施されて、ロードビーム103とサスペンション用基板1が互いに接合されて固定される。このようにして、本実施の形態によるサスペンション101が得られる。
次に、サスペンション用基板1のジンバル領域4に、ヘッドスライダ112が実装される。この場合、ヘッドスライダ112は接着剤を用いてタング部12に接合され、ヘッドスライダ112のスライダ端子は、半田によってサスペンション用基板1のヘッド端子32に電気的に接続される。このようにして、本実施の形態によるヘッド付サスペンション111が得られる。
上述のようにして得られたヘッド付サスペンション111がハードディスクドライブ121のアーム126に取り付けられると共に、サスペンション用基板1のテール領域3に、FPC基板131が接続されて、図5に示すハードディスクドライブ121が得られる。
図5に示すハードディスクドライブ121においてデータの書き込みおよび読み取りを行う際、ボイスコイルモータ125によりヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112がディスク123上に沿って移動し、スピンドルモータ124により回転しているディスク123に所望のフライングハイトを保って近接しながら浮上する。この間、ディスク123の回転により生じた気流の影響を受けて、タング部12に取り付けられたヘッドスライダ112は、ロードビーム103のディンプル部108によって支持されながら揺動する。このことにより、ヘッドスライダ112は、ディスク123に対する所望のフライングハイトを維持することができる。このようにしてヘッドスライダ112が、ディスク123上でジンバル運動を行いながら、ヘッドスライダ112とディスク123との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1のヘッド端子32とテール端子33とを接続する信号配線31に電気信号が伝送される。書込配線71、72においては、インターリーブ構造を構成するインターリーブ用線路71a、72aを通って電気信号が伝送される。また、接地配線37においては、ヘッド側接地線路82と、ここから分岐した分岐接地線路81と、接地用導電接続部53とを介してヘッドスライダ112の接地用のスライダ端子が接地される。
このように本実施の形態によれば、ヘッドスライダ112が実装される実装領域4aの一の側方に設けられた第1側方領域4bを通過する第1線路群61の線路の本数と、第1側方領域4bとは反対側に設けられた第2側方領域4cを通過する第2線路群62の線路の本数が、同一になっている。このことにより、第1側方領域4bを通過する線路と第2側方領域4cを通過する線路とをバランス良く配置することができる。このため、ジンバル領域4の質量バランスおよび剛性バランスを向上させることができ、ジンバル運動の安定化を図ることができる。とりわけ、第1側方領域4bおよび第2側方領域4cにおいては、配線層30を構成する部材(すなわち各線路)が、金属支持層10を構成する部材よりも多く占めている。このことにより、第1線路群61の線路の本数と、第2線路群62の線路の本数を同一にすることにより、ジンバル領域4の質量バランスおよび剛性バランスを効果的に向上させることができる。更に言えば、金属支持層10の厚さ、絶縁層20の厚さおよび保護層40の厚さが薄い場合においても、配線層30の占める割合が増大するため、ジンバル領域4の質量バランスおよび剛性バランスを効果的に向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第1線路群61の線路の本数と第2線路群62の線路の本数とを同一にするために、ヘッドスライダ112の接地をとるための接地配線37を分岐させて2つの分岐接地線路81を設けている。このことにより、分岐接地線路81がアンテナとして機能して信号配線31に電気的な悪影響を与えることを防止できる。更に言えば、分岐接地線路81は、ヘッド端子32と金属支持層本体部11に電気的に接続されていることにより、接地配線37の断線検査を容易に行うこともできる。このため、サスペンション用基板1の電気特性が低下することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、第2側方領域4cを通過する一対の書込配線71、72は、インターリーブ構造を有している。このことにより、第1書込配線71と第2書込配線72との間の結合容量を大きくして差動インピーダンスを低減することができ、書込配線71、72の電気特性を向上させることができる。この場合、書込配線71、72をインターリーブ構造とすることによって第1側方領域4bと第2側方領域4cを通過する線路の本数のバランスが低下し得るが、本実施の形態によれば、上述したように、第1側方領域4bを通過する接地配線37を、2つの分岐接地線路81によって構成し、第1側方領域4bと第2側方領域4cを通過する線路の本数を同一にしている。このため、書込配線71、72の電気特性を向上させつつ、ジンバル領域4の質量バランスおよび剛性バランスを向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、分岐接地線路81は、第1側方領域4bより後端側において互いに電気的に接続されている。より具体的には、分岐接地線路81は、第1側方領域4bより後端側に配置された接地用導電接続部53を介して金属支持層本体部11に電気的に接続されている。一方、第1インターリーブ用線路71aおよび第2インターリーブ用線路72aは、第2側方領域4cより後端側において互いに電気的に接続されている。このことにより、第1側方領域4bを通過する線路と、第2側方領域4cを通過する線路とをより一層バランス良く配置することができ、ジンバル領域4の質量バランスおよび剛性バランスをより一層向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、分岐接地線路81は、第1側方領域4bより先端側において互いに電気的に接続されている。一方、第1インターリーブ用線路71aおよび第2インターリーブ用線路72aは、第2側方領域4cより先端側において互いに電気的に接続されている。このことにより、第1側方領域4bを通過する線路と、第2側方領域4cを通過する線路とをより一層バランス良く配置することができ、ジンバル領域4の質量バランスおよび剛性バランスをより一層向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、一対の書込配線71、72が、インターリーブ構造を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、一対の書込配線71、72は、インターリーブ構造を有していなくてもよい。この場合には、例えば、電源配線77を、第2側方領域4cを通過させることにより、第1線路群61の線路の本数と第2線路群62の線路の本数とを同一とすることができる。すなわち、接地配線37を分岐させることによって、第1線路群61の線路の本数と第2線路群62の線路の本数とを同一とすることができれば、第1線路群61の線路の構成と、第2線路群62の線路の構成は任意とすることができる。さらに、第1線路群61の線路の本数と第2線路群62の線路の本数とが同一であれば、書込配線71、72以外の配線がインターリーブ構造を有していてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、接地配線37が、ヘッド側接地線路82から分岐する2つの分岐接地線路81を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1線路群61の線路の本数と第2線路群62の線路の本数とを同一とすることができれば、ヘッド側接地線路82から分岐する分岐接地線路81は、3本以上設けてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、図6および図7により、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板、素子付サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブについて説明する。
図6および図7に示す第2の実施の形態においては、接地線路が、ピエゾ素子に電気的に接続される点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図6および図7において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図6に示すように、本実施の形態におけるサスペンション101は、サスペンション用基板1のヘッド領域2に実装された一対のピエゾ素子(アクチュエータ素子)104を更に備えている。本実施の形態においては、ピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112の両側に配置され、一方のピエゾ素子104は、実装領域4aと第1側方領域4bとの間に配置され、他方のピエゾ素子104は、実装領域4aと第2側方領域4bとの間に配置される。なお、図6においては、図面を明瞭にするために、保護層40は省略されている。
ピエゾ素子104は、長手方向(図6のP方向)に伸縮可能に構成されている。これにより、一対のピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112をスウェイ方向(旋回方向、図6の矢印Q方向)に変位させることができるようになっている。また、各ピエゾ素子104は、図7に示すように、一対の電極(第1電極104a、第2電極104b)と、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスからなる圧電材料部104cと、を有している。一対の電極104a、104bは、圧電材料部104cの絶縁層20の側の面において、圧電材料部104cのうち伸縮方向における両端部(第1素子端部104dおよび第2素子端部104e)に形成されている。すなわち、ピエゾ素子104は、伸縮方向における端部として、第1素子端部104dと第2素子端部104eとを有しており、第1素子端部104dに第1電極104aが形成され、第2素子端部104eに第2電極104bが形成されている。
図7に示すように、ピエゾ素子104の第1電極104aは、導電性接着剤105(例えば、銀ペースト)を介して、サスペンション用基板1の接地用素子端子35(後述)に電気的に接続されている。この接地用素子端子35は、素子用導電接続部54(後述)を介して、金属支持層10に接続されて接地されている。第2電極104bは、導電性接着剤105を介して、サスペンション用基板1の印加用素子端子36(後述)に電気的に接続されている。この印加用素子端子36は、後述する素子配線34に接続されており、印加用素子端子36には、ピエゾ素子104を伸縮させるために所定の電圧が印加されるようになっている。
各素子端部104d、104eには、非導電性接着剤(例えば、UV硬化樹脂)106が塗布されている。非導電性接着剤106は、ピエゾ素子104をサスペンション用基板1に機械的に接合するためのものである。
一対のピエゾ素子104の圧電材料部104cは、互いに180°異なる分極方向となるように形成されており、所定の電圧が印加されると、一方のピエゾ素子104が収縮すると共に、他方のピエゾ素子104が伸長するようになっている。すなわち、ピエゾ素子104は、電極104a、104b間に所定の電圧が印加されることにより図6の矢印P方向に伸縮可能な圧電素子として構成されている。
このようなピエゾ素子104は、図6に示すように、長手方向軸線Xに沿って細長の矩形状に形成されており、その伸縮方向が、当該長手方向軸線Xに平行となっている。また、ピエゾ素子104は、長手方向軸線Xに対して互いに線対称に配置されており、各ピエゾ素子104の伸縮が、ヘッドスライダ112に均等に伝達されるようになっている。
次に、素子付サスペンション用基板91について説明する。
素子付サスペンション用基板91は、サスペンション用基板1と、当該サスペンション用基板1に実装された一対のピエゾ素子104とにより構成され、上述したサスペンション101のうちベースプレート102およびロードビーム103が除かれた構成をいう。このため、上述したサスペンション101は、ベースプレート102と、ロードビーム103と、ロードビーム103に取り付けられた素子付サスペンション用基板91と、を備える構成となっている。
次に、本実施の形態におけるサスペンション用基板1について説明する。
サスペンション用基板1の金属支持層10には、ヘッド領域2において、ピエゾ素子104を収容する矩形状の収容開口部14が設けられている。すなわち、本実施の形態によるピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112の側とは反対側(金属支持層10の側)からサスペンション用基板1に実装される。
配線層30は、ピエゾ素子104に接続される一対の素子配線34を更に有している。素子配線34は、テール端子33と、後述する印加用素子端子36とを電気的に接続しており、ピエゾ素子104の第2電極104bに所定の電圧が印加されるようになっている。
図6および図7に示すように、配線層30は、ピエゾ素子104の第1電極104aに接続される接地用素子端子(第1素子端子)35と、ピエゾ素子104の第2電極104bに接続される印加用素子端子(第2素子端子)36と、を有している。このうち、接地用素子端子35は、ピエゾ素子104の第1電極104aを接地して、ピエゾ素子104の第1電極104aの接地をとるためのものである。印加用素子端子36は、上述したように、ピエゾ素子104の第2電極104bに所定の電圧を印加するためのものであり、印加用素子端子36には、素子配線34を介してテール端子33が電気的に接続されている。本実施の形態においては、ヘッド領域2に、一対のピエゾ素子104を実装するために、対応するピエゾ素子104に電気的に接続される接地用素子端子35および印加用素子端子36が、2つずつ設けられている。より具体的には、接地用素子端子35は、ジンバル領域4、すなわち金属支持層10のうちタング部12の近傍に支持され、印加用素子端子36は、ジンバル領域4の外側の金属支持層本体部11に支持されている。
図7に示すように、絶縁層20に、素子端子35、36をピエゾ素子104の側に露出させる端子開口部21が設けられている。素子端子35、36のうち端子開口部21に露出された部分に、ニッケル(Ni)めっきおよび金(Au)めっきがこの順に施されて形成されためっき層(図示せず)が設けられている。このことにより、素子端子35、36が腐食することを防止すると共に、素子端子35、36とピエゾ素子104の電極104a、104bとの接触抵抗を低減している。なお、ヘッド端子32およびテール端子33にも、同様にして、めっき層が設けられている。
絶縁層20に、一方(図6における右側)のピエゾ素子104の接地用素子端子35と金属支持層10を、互いに電気的に接続する素子用導電接続部(ビア)54が設けられている。この素子用導電接続部54は、上述した書込用導電接続部51、52や、接地用導電接続部53と同様に構成することができる。なお、図7に示す形態においては、素子用導電接続部54は、保護層40により覆われた例が示されている。
他方(図6における左側)のピエゾ素子104に対応する接地用素子端子35には、接地配線37が接続されている。すなわち、本実施の形態においては、ヘッド側接地線路82が、当該ピエゾ素子104に対応する接地用素子端子35に接続されている。このようにして、2つの分岐接地線路81は、ヘッド側接地線路82および接地用素子端子35を介してピエゾ素子104の第1電極104aに電気的に接続されている。
なお、本実施の形態においては、ヘッド端子32の近傍に、別途導電接続部(図示せず)を設けて、当該導電接続部に、ヘッドスライダ112の接地用のスライダ端子に電気的に接続されるヘッド端子32を接続して、ヘッドスライダ112の接地をとるように構成することが好適である。
本実施の形態において、ヘッドスライダ112を移動させる際、ボイスコイルモータ125が、ヘッドスライダ112の位置を大まかに調整し、ピエゾ素子104が、ヘッドスライダ112の位置を微小調整する。すなわち、ピエゾ素子104の第2電極104bに所定の電圧を印加することにより、長手方向軸線Xに沿った方向(図6の矢印P方向)に、一方のピエゾ素子104が収縮すると共に他方のピエゾ素子104が伸長する。この場合、ピエゾ素子104には、素子配線34、印加用素子端子36および導電性接着剤105を介して所定の電圧が入力される。ピエゾ素子104が伸縮すると、ヘッド領域2に実装されているヘッドスライダ112がスウェイ方向(図6の矢印Q方向)に移動する。
このように本実施の形態によれば、第1線路群61の線路の本数と第2線路群62の線路の本数とを同一にするために、ピエゾ素子104の第1電極104aの接地をとるための接地配線37を分岐させて2つの分岐接地線路81を設けている。このことにより、分岐接地線路81がアンテナとして機能して信号配線31に電気的な悪影響を与えることをより一層防止できる。更に言えば、分岐接地線路81は、接地用素子端子35と金属支持層本体部11に電気的に接続されていることにより、接地配線37の断線検査を容易に行うこともできる。このため、サスペンション用基板1の電気特性が低下することを防止できる。
なお、上述した本実施の形態においては、ヘッド領域2に、別々に形成された一対の(2つの)ピエゾ素子104が実装される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、互いに180°異なる分極方向を有する圧電材料部が一体に形成された単一のピエゾ素子がヘッド領域2に実装されていてもよい。この場合においても、本発明を好適に適用することが可能である。また、ピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112の側とは反対側からサスペンション用基板1に実装されていることに限られることはなく、ピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112の側からサスペンション用基板1に実装されていてもよい。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、素子付サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブは、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。
例えば、上述した第2の実施の形態のようにサスペンション用基板1にピエゾ素子104が実装される場合であっても、接地配線37は、上述した第1の実施の形態のように、ヘッドスライダ112の接地用のスライダ端子に接続されるヘッド端子32に接続されるように構成することも可能である。この場合、両方の接地用素子端子35が、素子用導電接続部54を介して金属支持層10に電気的にそれぞれ接続されて、接地されるようにしてもよい。