JP5939468B2 - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブ Download PDF

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Description

本発明は、サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブに係り、とりわけ、アクチュエータ素子を実装する際にアクチュエータ素子の破損を防止することができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブに関する。
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込みおよび読み取りを行う磁気ヘッドスライダが実装されたサスペンション用基板(フレキシャー)を備えている。このサスペンション用基板は、磁気ヘッドスライダが実装されるヘッド領域から、FPC基板(フレキシブルプリント基板)に接続されるテール領域に延びるように形成されており、金属支持層と、金属支持層に絶縁層を介して積層された複数の配線を有する配線層と、を備え、各配線に電気信号を流すことにより、ディスクに対してデータの書き込みまたは読み取りを行うようになっている。
このようなハードディスクドライブにおいては、ディスク上の所望のデータトラックに磁気ヘッドスライダを移動させるために、磁気ヘッドスライダを支持するアクチュエータアームを回動させるVCMアクチュエータ(ボイスコイルモータ)を、サーボコントロールシステムによって制御している。
ところで、近年、ディスクの容量増大の要求が高まっている。この要求に応えるために、ディスクが高密度化されて、トラックの幅が小さくなっている。このため、VCMアクチュエータによって、磁気ヘッドスライダを所望のトラックに精度良く位置合わせすることが困難な場合がある。
このことに対処するために、VCMアクチュエータとPZTマイクロアクチュエータ(Dual Stage Actuator:DSA)とを協働させて、所望のトラックに磁気ヘッドスライダを移動させるデュアルアクチュエータ方式のサスペンションが知られている(例えば、特許文献1参照)。このPZTマイクロアクチュエータは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなるピエゾ素子(圧電素子)により構成され、電圧が印加されることにより伸縮し、磁気ヘッドスライダを微小に移動させるようになっている。このようなデュアルアクチュエータ方式のサスペンションにおいては、VCMアクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置を大まかに調整し、PZTマイクロアクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置を微小調整する。このようにして、磁気ヘッドスライダを、所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせするようになっている。
特許文献1に示すヘッドジンバルアセンブリにおいては、サスペンション用基板に実装されるヘッドスライダの近傍に、ピエゾ素子が実装されている。
特開2010−146631号公報
通常、ピエゾ素子の一方の電極に接続される素子接続端子と、他方の電極に接続される第2素子接続端子との間には開口部が形成されている。このことにより、一対の素子接続端子の間でピエゾ素子が柔軟に伸縮するようにして、ピエゾ素子の伸縮が阻害されることを抑制している。
しかしながら、ピエゾ素子を実装する際、ピエゾ素子は素子接続端子に押圧されて接合される。このため、上述のような開口部が形成されている場合、ピエゾ素子が撓み、破損するおそれがある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、アクチュエータ素子を実装する際にアクチュエータ素子の破損を防止することができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブを提供することを目的とする。
本発明は、第1の解決手段として、実装されるヘッドスライダを変位させる伸縮自在なアクチュエータ素子の一方の電極に接続される第1素子接続領域と、当該アクチュエータ素子の他方の電極に接続される第2素子接続領域と、を有するサスペンション用基板において、絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層と、前記絶縁層の前記配線層側の面に設けられ、当該配線層を覆う保護層と、を備え、前記絶縁層は、前記アクチュエータ素子と平面視で重なるように前記第1素子接続領域から前記第2素子接続領域に延びる補強部を有していることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
なお、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記補強部の一側方に、前記金属支持層、前記絶縁層、前記配線層および前記保護層を貫通するスリット部が設けられている、ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記補強部の両側方に、前記金属支持層、前記絶縁層、前記配線層および前記保護層を貫通するスリット部が設けられている、ようにしてもよい。
本発明は、第2の解決手段として、実装されるヘッドスライダを変位させる伸縮自在なアクチュエータ素子の一方の電極に接続される第1素子接続領域と、当該アクチュエータ素子の他方の電極に接続される第2素子接続領域と、を有するサスペンション用基板において、絶縁層と、前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層と、前記絶縁層の前記配線層側の面に設けられ、当該配線層を覆う保護層と、を備え、前記保護層は、前記絶縁層と異なる材料により形成され、前記保護層は、前記アクチュエータ素子と平面視で重なるように前記第1素子接続領域から前記第2素子接続領域に延びる補強部を有していることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
なお、上述した第2の解決手段によるサスペンション用基板において、前記保護層は、前記絶縁層の厚さより小さい厚さを有している、ようにしてもよい。
また、上述した第2の解決手段によるサスペンション用基板において、前記補強部の一側方に、前記金属支持層、前記絶縁層、前記配線層および前記保護層を貫通するスリット部が設けられている、ようにしてもよい。
また、上述した第2の解決手段によるサスペンション用基板において、前記補強部の両側方に、前記金属支持層、前記絶縁層、前記配線層および前記保護層を貫通するスリット部が設けられている、ようにしてもよい。
本発明は、ロードビームと、前記ロードビームに取り付けられた上述したいずれかの前記サスペンション用基板と、前記サスペンション用基板に接続された前記アクチュエータ素子と、を備えたことを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明は、上述した前記サスペンションと、前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンションを提供する。
本発明は、上述した前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、アクチュエータ素子を実装する際にアクチュエータ素子の破損を防止することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヘッド付サスペンションの一例を示す平面図である。 図2は、図1の第1素子接続領域および第2素子接続領域を示す断面図である。 図3(a)は、図1のヘッド付サスペンションにおいて、サスペンション用基板を示す平面図であり、図3(b)は、絶縁層と金属支持層とを示す平面図であり、図3(c)は、金属支持層を示す平面図である。 図4(a)は、図1の裏面図であり、図4(b)は、図3(a)の裏面図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態におけるハードディスクドライブの一例を示す斜視図である。 図6(a)は、図4(b)の変形例を示す図であり、図6(b)は、図4(b)の他の変形例を示す図である。 図7は、図2の変形例を示す図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態におけるヘッド付サスペンションの一例を示す平面図である。 図9は、図8の第1素子接続領域および第2素子接続領域を示す断面図である。 図10(a)は、図8のヘッド付サスペンションにおいて、サスペンション用基板を示す平面図であり、図10(b)は、絶縁層と金属支持層とを示す平面図であり、図10(c)は、金属支持層を示す平面図である。 図11は、図9の変形例を示す図である。
図面を用いて、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブについて説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、ヘッド付サスペンション51は、サスペンション41と、サスペンション用基板1に実装されたヘッドスライダ52と、を備えている。このうちヘッドスライダ52は、後述するディスク63(図5参照)に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うためのものであり、後述するサスペンション用基板1のタング部31に接着剤を用いて接合され、ヘッド端子5に電気的に接続されている。
サスペンション41は、ベースプレート42と、ベースプレート42上に取り付けられたロードビーム43と、ロードビーム43に取り付けられたサスペンション用基板1と、サスペンション用基板1に接続された一対のピエゾ素子(アクチュエータ素子)44と、を備えている。このうちベースプレート42およびロードビーム43は、いずれも、好適にはステンレスにより形成され、互いに溶接されて固定されている。
また、ロードビーム43は、サスペンション用基板1の金属支持層11(後述)に、溶接により取り付けられるようになっている。また、ロードビーム43には、サスペンション用基板1の各治具孔25(後述)に対応して、ビーム治具孔(図示せず)が設けられており、サスペンション用基板1にロードビーム43を取り付ける際に、サスペンション用基板1とロードビーム43との位置合わせを行うことができるようになっている。このロードビーム43の治具孔は、図1に示す長手方向軸線(X)上に配置されている。
ピエゾ素子44は、ヘッドスライダ52をスウェイ方向(旋回方向、図1の矢印Q方向)に変位させるためのものであり、ヘッドスライダ52の両側に配置されている。各ピエゾ素子44は、一対の電極44aと、一対の電極44a間に設けられ、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスからなる圧電材料部44bと、を有している。なお、一対の電極44aは、互いに離間して圧電材料部44bに電圧を印加した場合に所望の伸縮量を得ることが可能であれば、任意の形状とすることができる。
一対のピエゾ素子44の圧電材料部44bは、互いに180°異なる分極方向となるように形成されており、所定の電圧が印加されると、一方のピエゾ素子44が収縮すると共に、他方のピエゾ素子44が伸長するようになっている。すなわち、ピエゾ素子44は、電極44a間に所定の電圧が印加されることにより図1の矢印P方向に伸縮自在な圧電素子として構成されている。このようなピエゾ素子44は、図1に示すように、長手方向軸線(X)に沿って細長の矩形状に形成されており、その伸縮方向が、当該長手方向軸線(X)に平行となっている。また、ピエゾ素子44は、長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に配置されており、各ピエゾ素子44の伸縮が、ヘッドスライダ52に均等に伝達されるようになっている。
次に、サスペンション用基板1について説明する。
図1に示すように、サスペンション用基板1は、ヘッドスライダ52が実装されるジンバル部2aと、FPC基板71が接続されるテール部2bと、を有している。ジンバル部2aには、ヘッドスライダ52に接続される複数のヘッド端子5が設けられ、テール部2bには、FPC基板71に接続される複数のテール端子(外部接続基板端子)6が設けられており、ヘッド端子5とテール端子6とが、後述する複数の信号配線13を介してそれぞれ接続されている。
また、サスペンション用基板1は、ピエゾ素子44の一方の電極44aに導電性接着剤48(例えば、銀ペースト)を介して接続される第1素子接続領域3aと、当該ピエゾ素子44の他方の電極44aに導電性接着剤48を介して接続される第2素子接続領域3bと、を有している。第1素子接続領域3aおよび第2素子接続領域3bは、ヘッドスライダ52の両側にそれぞれ配置されている。
図1および図2に示すように、サスペンション用基板1は、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面(接続されるピエゾ素子44の側の面)に設けられた金属支持層11と、絶縁層10の他方の面(ピエゾ素子44の側とは反対側の面)に設けられた配線層12と、を備えている。すなわち、サスペンション用基板1においては、金属支持層11に絶縁層10を介して配線層12が積層されており、金属支持層11の側にピエゾ素子44が配置されるようになっている。
配線層12は、複数の配線、すなわち、一対の読取配線と一対の書込配線とを含む信号配線13と、ピエゾ素子44に接続される一対の素子配線14と、を有している。このうち、信号配線13は、ヘッド端子5とテール端子6とを接続しており、この信号配線13に電気信号が流されることによって、ヘッドスライダ52がディスク63(図5参照)に対してデータの書き込みまたは読み取りを行うようになっている。また、素子配線14は、後述する第2素子接続端子16bを介してピエゾ素子44に所定の電圧を印加するようになっている。
配線層12は、第1素子接続領域3aに設けられた、ピエゾ素子44の一方の電極44aに導電性接着剤48を介して接続される第1素子接続端子16aを有している。第1素子接続領域3aは、ピエゾ素子44の対応する電極44aを接地するためのものであり、第1素子接続端子16aは、第1素子接続端子16aおよび絶縁層10を貫通する導電接続部(接地ビア)18を介して、金属支持層11の金属支持層本体30(後述)に電気的に接続されている。なお、導電接続部18は、ニッケルめっきにより形成することができる。
配線層12は、第2素子接続領域3bに設けられた、ピエゾ素子44の他方の電極44aに導電性接着剤48を介して接続される第2素子接続端子16bを有している。第2素子接続端子16bには、配線層12の素子配線14が接続され、ピエゾ素子44の対応する電極44aに、所定の電圧を印加するようになっている。
第1素子接続端子16aおよび第2素子接続端子16bは、各配線13、14と同一の材料により形成され、各配線13、14と略同一の厚さを有しており、ヘッド端子5、テール端子6および配線13、14と共に配線層12を構成している。
金属支持層11は、図3および図4に示すように、金属支持層本体30と、ヘッドスライダ52が実装され、金属支持層本体30とは離間したタング部31と、を有している。タング部31の両側に一対のアーム部32が設けられている。各アーム部32は、タング部31に沿って延びるように形成されている。タング部31に対して金属支持層本体30側とは反対側に金属支持層先端部33が設けられている。この金属支持層先端部33は、長手方向軸線(X)に対して直交する方向に延びて、タング部31およびアーム部32に連結されている。タング部31と各アーム部32との間には、ピエゾ素子44を収容する収容開口部34が設けられている。この収容開口部34は、第1素子接続領域3aから第2素子接続領域3bに延びるように、平面視で細長の矩形状に形成されている。
第1素子接続領域3aの第1素子接続端子16aは、金属支持層本体30に対応する位置に配置され、第2素子接続領域3bの第2素子接続端子16bは、金属支持層先端部33に対応する位置に配置されている。具体的には、図3(c)および図4(b)に示すように、金属支持層本体30は、第1支持部35を含み、第1素子接続端子16aは、この第1支持部35上に配置されて、当該第1支持部35に支持されている。また、金属支持層先端部33は第2支持部36を含み、第2素子接続端子16bは、この第2支持部36上に配置されて、当該第2支持部36に支持されている。なお、図3(c)および図4(b)においては、第1支持部35および第2支持部36の平面形状は、いずれもU字状になっているが、これに限られることはない。
図2に示すように、第1素子接続領域3aおよび第2素子接続領域3bに、素子接続端子16a、16bに接続される導電性接着剤48を係止する絶縁層係止開口部81がそれぞれ設けられている。この絶縁層係止開口部81は、対応する素子接続端子16a、16bを収容開口部34側に露出させている。また、絶縁層係止開口部81は、当該絶縁層係止開口部81に充填される導電性接着剤48を係止するようになっている。このことにより、ピエゾ素子44の接続時には流動性を有する導電性接着剤48が、ピエゾ素子44と絶縁層10との間から周囲に流出することを防止できる。なお、素子接続端子16a、16bのうち絶縁層係止開口部81から露出された部分に、めっき層(図示せず)が形成されていることが好ましい。この場合、めっき層は、ニッケル(Ni)めっき、金(Au)めっきを順次施すことにより形成されることが好適である。
図2に示すように、各ピエゾ素子44は、導電性接着剤48により素子接続端子16a、16bに電気的に接続されている。導電性接着剤48は、絶縁層係止開口部81内に充填されている。この絶縁層係止開口部81内に充填された導電性接着剤48が、ピエゾ素子44の対応する電極44aに接続されている。
また、各ピエゾ素子44は、非導電性接着剤46により金属支持層11および絶縁層10に接合されている。この非導電性接着剤46は、導電性接着剤48を覆うように塗布されている。一般に、非導電性接着剤46は導電性接着剤48より接合力が強いため、導電性接着剤48だけでなく、非導電性接着剤46を用いることにより、ピエゾ素子44と各素子接続領域3a、3bとの接合信頼性、すなわち接続信頼性を向上させることができる。
ところで、図2に示すように、絶縁層10の配線層12の側の面に、配線層12を覆う保護層20が設けられている。ここでは、各素子接続端子16a、16bが保護層20により覆われている。なお、図1および図3においては、図面を明瞭にするために、保護層20は省略している。
絶縁層10は、ピエゾ素子44と平面視で重なるように第1素子接続領域3aから第2素子接続領域3bに延びる絶縁層補強部(補強部)95を有している。この絶縁層補強部95は、ピエゾ素子44と略平行に延び、ピエゾ素子44と平面視で重なるように形成されている。図2においては、絶縁層補強部95は、ピエゾ素子44の下方に配置されている。なお、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間の領域において、配線層12および保護層20を貫通する貫通開口部37aが形成されており、サスペンション用基板1のジンバル部2aにおいて、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させている。
絶縁層補強部95の両側方に、金属支持層11、絶縁層10、配線層12および保護層20を貫通するスリット部96が設けられている。各スリット部96は、ピエゾ素子44と略平行に延びるように形成されている。
また、図1に示すように、サスペンション用基板1には、サスペンション用基板1をロードビーム43に取り付ける際に、ロードビーム43とアライメント(位置合わせ)を行うための2つの治具孔25が設けられている。各治具孔25は、長手方向軸線(X)上に配置されている。すなわち、当該長手方向軸線(X)は、各治具孔25を通っている。
次に、サスペンション用基板1の各層を構成する材料について詳細に述べる。
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm〜30μm、とりわけ8μm〜10μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層11と各配線13、14との間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
各配線13、14は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各配線13、14の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線13、14の厚さは、例えば1μm〜18μm、とりわけ9μm〜12μmであることが好ましい。このことにより、各配線13、14の伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。なお、ヘッド端子5、テール端子6および素子接続端子16a、16bは、各配線13、14と同一の材料、同一の厚みとなっている。
金属支持層11の材料としては、所望の導電性、弾力性、および強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、またはその他の銅合金を用いることができ、ステンレスを用いることが好適である。金属支持層11の厚さは、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜20μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層11の導電性、剛性、および弾力性を確保することができる。
保護層20の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層20の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層20の厚さは、2μm〜30μm、とりわけ2〜6μmであることが好ましい。
次に、図5により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ61について説明する。図5に示すハードディスクドライブ61は、ケース62と、このケース62に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク63と、このディスク63を回転させるスピンドルモータ64と、ディスク63に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク63に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うヘッドスライダ52を含むヘッド付サスペンション51と、を有している。このうちヘッド付サスペンション51は、ケース62に対して移動自在に取り付けられており、ケース62にはヘッド付サスペンション51のヘッドスライダ52をディスク63上に沿って移動させるボイスコイルモータ65が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション51は、ボイスコイルモータ65にアーム66を介して取り付けられると共に、ハードディスクドライブ61を制御する制御部(図示せず)に接続されたFPC基板71(図1参照)に接続されている。このようにして、電気信号が、サスペンション用基板1とFPC基板71を介して、制御部とヘッドスライダ52との間で伝送されるようになっている。
次に、本実施の形態によるサスペンション用基板1をサブトラクティブ法により製造する場合について説明する。なお、アディティブ法によって製造することもできる。
まず、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた金属支持層11と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線層12と、を有する積層体(図示せず)を準備する。続いて、配線層12が、所望の形状にエッチングされて、配線13、14、ヘッド端子5、テール端子6および素子接続端子16a、16bが形成される。この際、金属支持層11も同様にエッチングされて収容開口部34が形成される。次に、絶縁層10上に、各配線13を覆う保護層20が形成される。続いて、絶縁層10が所望の形状にエッチングされると共に、絶縁層補強部95が形成される。その後、金属支持層11がエッチングされて、外形加工され、タング部31などが形成される。このようにして、本実施の形態におけるサスペンション用基板1が得られる。
次に、本実施の形態におけるサスペンション41の製造方法について説明する。
まず、ベースプレート42に、ロードビーム43を介して、上述のようにして得られたサスペンション用基板1が、溶接により取り付けられる。この場合、まず、ベースプレート42にロードビーム43が溶接により固定され、続いて、ロードビーム43に設けられたビーム治具孔(図示せず)と、サスペンション用基板1に設けられた治具孔25とにより、ロードビーム43とサスペンション用基板1とのアライメントが行われる。その後、サスペンション用基板1の金属支持層11に溶接が施されて、ロードビーム43とサスペンション用基板1が互いに接合されて固定される。
次に、ピエゾ素子44が第1素子接続領域3aおよび第2素子接続領域3bに接続される。この場合、まず、導電性接着剤48が、絶縁層係止開口部81に塗布される。続いて、ピエゾ素子44が収容開口部34に収容され、素子接続端子16a、16bに押圧される。このことにより、ピエゾ素子44の電極44aが、導電性接着剤48に接続される。ピエゾ素子44が押圧される際、絶縁層補強部95により、ピエゾ素子44の撓みが抑制される。次に、導電性接着剤48を覆うように、非導電性接着剤46が塗布される。その後、導電性接着剤48および非導電性接着剤46を硬化する。このことにより、ピエゾ素子44が、金属支持層11および絶縁層10に接合される。
このようにして、本実施の形態によるサスペンション41が得られる。
その後、得られたサスペンション41にヘッドスライダ52が実装されて、ヘッドスライダ52がヘッド端子5に接続され、図1に示すヘッド付サスペンション51が得られる。さらに、このヘッド付サスペンション51がハードディスクドライブ61のケース62に取り付けられて、図5に示すハードディスクドライブ61が得られる。
図5に示すハードディスクドライブ61においてデータの書き込みおよび読み取りを行う際、ボイスコイルモータ65によりヘッド付サスペンション51のヘッドスライダ52がディスク63上に沿って移動し、スピンドルモータ64により回転しているディスク63に所望のフライングハイトを保って近接する。このことにより、ヘッドスライダ52とディスク63との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1とFPC基板71を介して、FPC基板71に接続されている制御部(図示せず)とヘッドスライダ52との間で電気信号が伝送される。このような電気信号は、サスペンション用基板1においては、各信号配線13によってヘッド端子5とテール端子6との間で伝送される。
ヘッドスライダ52を移動させる際、ボイスコイルモータ65が、ヘッドスライダ52の位置を大まかに調整し、ピエゾ素子44が、ヘッドスライダ52の位置を微小調整する。すなわち、サスペンション用基板1の第2素子接続領域3bの側のピエゾ素子44の電極44aに、素子配線14および第2素子接続端子16bを介して所定の電圧を印加することにより、長手方向軸線(X)に沿った方向(図1の矢印P方向)に、一方のピエゾ素子44が収縮すると共に他方のピエゾ素子44が伸長する。この場合、金属支持層11のアーム部32が弾性変形し、タング部31に実装されているヘッドスライダ52がスウェイ方向(図1の矢印Q方向)に変位することができる。このようにして、ヘッドスライダ52を、ディスク63の所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせすることができる。とりわけ、ピエゾ素子44は、ヘッドスライダ52の両側に配置されている。このことにより、ピエゾ素子44をヘッドスライダ52に近接して配置することができ、ピエゾ素子44の伸縮力の伝達損失を低減し、ヘッドスライダ52を精度良く変位させることができる。
このように本実施の形態によれば、絶縁層10は、ピエゾ素子44と平面視で重なるように第1素子接続領域3aから第2素子接続領域3bに延びる絶縁層補強部95を有している。このことにより、ピエゾ素子44を押圧して実装する際、この押圧力を絶縁層補強部95が受けることができ、ピエゾ素子44が撓むことを防止できる。このため、ピエゾ素子44を実装する際にピエゾ素子44の破損を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、絶縁補強部95により、第1素子接続領域3aの第1素子接続端子16aと、第2素子接続領域3bの第2素子接続端子16bとを、略平行に維持することができる。この場合、ピエゾ素子44と素子接続端子16a、16bの接合信頼性を向上させることができる。また、この場合、ピエゾ素子44がサスペンション用基板1に対して傾斜することを防止でき、ピエゾ素子44の伸縮力の伝達損失を低減し、ヘッドスライダ52を精度良く変位させることができる。
また、本実施の形態によれば、絶縁層補強部95の両側方に、金属支持層11、絶縁層10、配線層12および保護層20を貫通するスリット部96が設けられている。このことにより、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間で、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させることができ、ピエゾ素子44の伸縮力をヘッドスライダ52に効率良く伝達させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1素子接続領域3aが、金属支持層本体30に対応する位置に配置され、第2素子接続領域3bが、金属支持層11の金属支持層先端部33に対応する位置に配置されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1素子接続領域3aは、金属支持層本体30に対応する位置に配置され、第2素子接続領域3bは、タング部31に対応する位置に配置されていても良い。
例えば、図6(a)、(b)に示す形態では、金属支持層11のタング部31は、金属支持層本体30、一対のアーム部32および金属支持層先端部33と離間しており、島状に形成されている。ここでの島状とは、タング部31が、金属支持層本体30、アーム部32、金属支持層先端部33と、金属支持層11を構成する部材では連結されていないということを意味している。そして、金属支持層本体30は、第1素子接続領域3aの第1素子接続端子16aを支持する第1支持部35を含んでいる。すなわち、第1素子接続端子16aは、第1支持部35上に配置されて当該第1支持部35に支持されている。また、タング部31は、その金属支持層先端部33側の部分に設けられた、アーム部32側に突出する突出部38と、この突出部38に設けられ、第2素子接続領域3bの第2素子接続端子16bを支持する第2支持部36と、を含んでいる。すなわち、第2素子接続端子16bは、第2支持部36上に配置されて当該第2支持部36に支持されている。なお、図6(b)に示すように、第2支持部36と突出部38は、タング部31のうち長手方向の中央部に配置されるようにしてもよい。図6(a)、(b)に示す形態では、タング部31は島状に形成されているため、サスペンション用基板1のジンバル部2aにおいて、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させることができ、ピエゾ素子44の伸縮によって、ヘッドスライダ52をより大きく変位させることができる。
また、上述した本実施の形態においては、絶縁層補強部95の両側方に、スリット部96が設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、絶縁層補強部95の一側方のみにスリット部96が設けられるようにしてもよい。この場合、絶縁層補強部95の他側は、絶縁層10のタング部31に対応する部分または配線13、14を支持する部分に一体に形成される。この場合においても、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間で、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させることができ、ピエゾ素子44の伸縮力をヘッドスライダ52に効率良く伝達させることができる。また、絶縁層補強部95の両側方共にスリット部96が設けられていなくてもよい。この場合、ピエゾ素子44を実装する際にピエゾ素子44の破損をより一層防止することができる。
また、上述した本実施の形態においては、絶縁層10が、ピエゾ素子44と平面視で重なるように第1素子接続領域3aから第2素子接続領域3bに延びる絶縁層補強部95を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図7に示すように、保護層20が、ピエゾ素子44と平面視で重なるように第1素子接続領域3aから第2素子接続領域3bに延びる保護層補強部(補強部)97を有していてもよい。この場合においても、上述した絶縁層10の絶縁層補強部95と同様に、ピエゾ素子44を実装する際にピエゾ素子44の破損を防止することができる。とりわけ、保護層20が、絶縁層10の厚さより小さい厚さを有している場合には、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間で、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させることができ、ピエゾ素子44の伸縮力をヘッドスライダ52に効率良く伝達させることができる。この場合においても、絶縁層10のスリット部96と同様なスリット部(図示せず)が保護層20の保護層補強部97の両側方に設けられていることが好適である。
なお、保護層補強部97は、保護層補強部97の絶縁層10の側の面が絶縁層10の配線層12の側の面と略同一平面上に配置されるように形成される。また、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間の領域において、絶縁層補強部95が除去されるように、絶縁層10を貫通する貫通開口部37bが形成されており、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させている。
図7に示す形態においては、保護層20は、絶縁層10と異なる材料により形成されている。この場合、保護層20は、絶縁層10のエッチング液ではエッチングされない、若しくは絶縁層10よりもエッチング液への溶解性が低い材料により形成されていることが好ましい。例えば、絶縁層10がポリイミドにより形成される場合には、保護層20を、絶縁層10のポリイミドより高分子量のポリイミドであって、エッチング液に対して低溶解性のポリイミド、あるいは、エポキシ系などの熱硬化型樹脂で形成することが好ましい。このことにより、絶縁層10をエッチングする際、保護層20がエッチングされることを防止でき、保護層20の保護層補強部97を形成することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図8乃至図10により、本発明の第2の実施の形態におけるサスペンション用基板について説明する。
図8乃至図10に示す第2の実施の形態においては、アクチュエータ素子は配線層側に配置されている点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図8乃至図10において、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図8および図9に示すように、ピエゾ素子44は、素子接続端子16a、16bに対して絶縁層10とは反対側、すなわち、サスペンション用基板1の保護層20の側に配置されるようになっている。この場合、配線層12は、絶縁層10のピエゾ素子44の側の面に設けられている。なお、図8においては、図面を明瞭にするために、ロードビーム43および保護層20は省略している。図9は、第1素子接続領域3aおよび第2素子接続領域3bの断面を示しているが、図面を明瞭にするために、ピエゾ素子44と交差する配線13、14等は省略されている。
図10(a)〜(c)に示すように、金属支持層11は、金属支持層本体30と、ヘッドスライダ52が実装され、金属支持層本体30とは離間した島状のタング部31と、を有している。タング部31の両側には、一対のアーム部32が設けられている。各アーム部32は、タング部31に沿って延びるように形成されている。また、タング部31に対して金属支持層本体30側とは反対側に金属支持層先端部33が設けられている。金属支持層先端部33は、タング部31と離間しており、タング部31は島状になっている。ここでの島状とは、タング部31が、金属支持層本体30、アーム部32および金属支持層先端部33と、金属支持層11を構成する部材では連結されていないということを意味している。
図8および図9に示すように、第1素子接続領域3aの第1素子接続端子16aは、金属支持層11の金属支持層先端部33に対応する位置に配置されている。すなわち、第1素子接続端子16aは、金属支持層先端部33上に配置されて、当該金属支持層先端部33に支持されている。また、第1素子接続領域3aの第1素子接続端子16aは、第1の実施の形態と同様に、導電接続部(接地ビア)18を介して金属支持層の金属支持層先端部33に電気的に接続され、ピエゾ素子44の対応する電極44aを接地している。
第2素子接続領域3bの第2素子接続端子16bは、タング部31に対応する位置に配置されている。具体的には、図10に示すように、タング部31は、その金属支持層本体30の側の部分に設けられた、アーム部32の側に突出する突出部38を含んでおり、この突出部38上に、第2素子接続端子16bが配置されて当該突出部38に支持されている。この第2素子接続端子16bには、第1の実施の形態と同様に、素子配線14が接続されている。なお、本実施の形態においては、一対のピエゾ素子44に対応して、テール端子6から延びる2つの素子配線14が第2素子接続端子16bにそれぞれ接続されている例を示しているが、これに限られることはなく、テール端子6から延びる1つの素子配線14を一方の第2素子接続端子16bに接続して、当該一方の第2素子接続端子16bから他方の第2素子接続端子16bに他の配線(図示せず)を介して接続するようにしてもよい。
絶縁層10の絶縁層補強部95は、金属支持層先端部33に対応する位置に配置された第1素子接続領域3aから、タング部31に対応する位置に配置された第2素子接続領域3bに延びている。なお、本実施の形態における絶縁層補強部95は、配線13、14を支持する絶縁層10の部分と交差し、当該部分を越えて、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間で延びている。また、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間の領域において、金属支持層11を貫通する貫通開口部39aが形成され、配線層12および保護層20を貫通する貫通開口部39bが形成されており、サスペンション用基板1のジンバル部2aにおいて、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させている。なお、図8に示すように、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間の領域には、配線層12の配線13、14とこれらの配線13、14を保護する保護層20の部分がピエゾ素子44と交差するように形成されているが、図9においては、図面を明瞭にするために、これらの配線13、14および保護層20の当該部分は省略している。
絶縁層補強部95の両側方に、金属支持層11、絶縁層10、配線層12および保護層20を貫通するスリット部96が設けられている。各スリット部96は、ピエゾ素子44と略平行に延びるように形成されている。
図9に示すように、各ピエゾ素子44は、導電性接着剤48により素子接続端子16a、16bに電気的に接続されている。すなわち、素子接続端子16a、16bに、端子係止開口部83が設けられ、当該端子係止開口部83内に導電性接着剤48が充填されている。この端子係止開口部83内に充填された導電性接着剤48が、ピエゾ素子44の対応する電極44aに接続されている。
また、各ピエゾ素子44は、非導電性接着剤46により保護層20(または素子接続端子16a、16b)に接合されている。この非導電性接着剤46は、導電性接着剤48を覆うように塗布されている。一般に、非導電性接着剤46は、導電性接着剤48より接合力が強いため、導電性接着剤48だけでなく、非導電性接着剤46を用いることにより、ピエゾ素子44と各素子接続領域3a、3bとの接合信頼性を向上させることができる。
素子接続端子16a、16bのピエゾ素子44の側の面の一部には、保護層20が形成されていることが好適である。本実施の形態においては、図8に示すように、ピエゾ素子44は、各配線13、14と重なり合い、各配線13、14上に保護層20を介して配置されるようになるため、素子接続端子16a、16b上に保護層20の一部が形成されることにより、ピエゾ素子44を安定して取り付けることができる。なお、保護層20は、導電性接着剤48との接触面積が確保できれば、端子係止開口部83内の一部に形成されていてもよい。
本実施の形態において、一対のピエゾ素子44に所定の電圧を印加すると、一方のピエゾ素子44が図8の矢印P方向に伸縮すると共に、他方のピエゾ素子44が矢印P方向に伸長する。これにより、ジンバル部2aにおける絶縁層10および配線層12が弾性変形し、タング部31に実装されているヘッドスライダ52がスウェイ方向(旋回方向Q)に変位する。
このように本実施の形態によれば、絶縁層10は、ピエゾ素子44と平面視で重なるように第1素子接続領域3aから第2素子接続領域3bに延びる絶縁層補強部95を有している。このことにより、ピエゾ素子44を押圧して実装する際、この押圧力を絶縁層補強部95が受けることができ、ピエゾ素子44が撓むことを防止できる。このため、ピエゾ素子44を実装する際にピエゾ素子の破損を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、絶縁層補強部95により、第1素子接続領域3aの第1素子接続端子16aと、第2素子接続領域3bの第2素子接続端子16bとを、略平行に維持することができる。この場合、ピエゾ素子44と素子接続端子16a、16bの接合信頼性を向上させることができる。また、この場合、ピエゾ素子44がサスペンション用基板1に対して傾斜することを防止でき、ピエゾ素子44の伸縮力の伝達損失を低減し、ヘッドスライダ52を精度良く変位させることができる。
また、本実施の形態によれば、絶縁層補強部95の両側方に、金属支持層11、絶縁層10、配線層12および保護層20を貫通するスリット部96が設けられている。このことにより、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間で、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させることができ、ピエゾ素子44の伸縮力をヘッドスライダ52に効率良く伝達させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、絶縁層補強部95の両側方に、スリット部96が設けられている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、絶縁層補強部95の一側方のみにスリット部96が設けられるようにしてもよい。この場合、絶縁層補強部95の他側は、絶縁層10のタング部31に対応する部分または配線13、14を支持する部分に一体に形成される。この場合においても、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間で、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させることができ、ピエゾ素子44の伸縮力をヘッドスライダ52に効率良く伝達させることができる。また、絶縁層補強部95の両側方共にスリット部96が設けられていなくてもよい。この場合、ピエゾ素子44を実装する際にピエゾ素子44の破損をより一層防止することができる。
また、上述した本実施の形態においては、絶縁層10が、ピエゾ素子44と平面視で重なるように第1素子接続領域3aから第2素子接続領域3bに延びる絶縁層補強部95を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図11に示すように、保護層20が、ピエゾ素子44と平面視で重なるように第1素子接続領域3aから第2素子接続領域3bに延びる保護層補強部(補強部)97を有していてもよい。この場合においても、上述した絶縁層10の絶縁層補強部95と同様に、ピエゾ素子44を実装する際にピエゾ素子44の破損を防止することができる。とりわけ、保護層20が、絶縁層10の厚さより小さい厚さを有している場合には、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間で、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させることができ、ピエゾ素子44の伸縮力をヘッドスライダ52に効率良く伝達させることができる。この場合においても、絶縁層10のスリット部96と同様なスリット部(図示せず)が保護層20の保護層補強部97の両側方に設けられていることが好適である。
なお、保護層補強部97は、保護層補強部97の絶縁層10の側の面が絶縁層10の配線層12の側の面と略同一平面上に配置されるように形成される。また、第1素子接続領域3aと第2素子接続領域3bとの間の領域において、絶縁補強部95が除去されるように、金属支持層11および絶縁層10を貫通する貫通開口部39cが形成されており、ピエゾ素子44の伸縮に対する可撓性を向上させている。
図11に示す形態においては、保護層20は、絶縁層10と異なる材料により形成されている。この場合、保護層20は、絶縁層10のエッチング液ではエッチングされない、若しくは絶縁層10よりもエッチング液への溶解性が低い材料により形成されていることが好ましい。例えば、絶縁層10がポリイミドにより形成される場合には、保護層20を、絶縁層10のポリイミドより高分子量のポリイミドであって、エッチング液に対して低溶解性のポリイミド、あるいは、エポキシ系などの熱硬化型樹脂で形成することが好ましい。このことにより、絶縁層10をエッチングする際、保護層20がエッチングされることを防止でき、保護層20の保護層補強部97を形成することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブは、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、上述した実施の形態を、部分的に、適宜組み合わせることも可能である。
1 サスペンション用基板
3a 第1素子接続領域
3b 第2素子接続領域
10 絶縁層
11 金属支持層
12 配線層
20 保護層
41 サスペンション
43 ロードビーム
44 ピエゾ素子
44a 電極
51 ヘッド付サスペンション
52 ヘッドスライダ
61 ハードディスクドライブ
95 絶縁層補強部
96 スリット部
97 保護層補強部

Claims (10)

  1. 実装されるヘッドスライダを変位させる伸縮自在なアクチュエータ素子の一方の電極に接続される第1素子接続領域と、当該アクチュエータ素子の他方の電極に接続される第2素子接続領域と、を有するサスペンション用基板において、
    絶縁層と、
    前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、
    前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層と、
    前記絶縁層の前記配線層側の面に設けられ、当該配線層を覆う保護層と、を備え、
    前記絶縁層は、前記アクチュエータ素子と平面視で重なるように前記第1素子接続領域から前記第2素子接続領域に延びる補強部を有していることを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記補強部の一側方に、前記金属支持層、前記絶縁層、前記配線層および前記保護層を貫通するスリット部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記補強部の両側方に、前記金属支持層、前記絶縁層、前記配線層および前記保護層を貫通するスリット部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  4. 実装されるヘッドスライダを変位させる伸縮自在なアクチュエータ素子の一方の電極に接続される第1素子接続領域と、当該アクチュエータ素子の他方の電極に接続される第2素子接続領域と、を有するサスペンション用基板において、
    絶縁層と、
    前記絶縁層の一方の面に設けられた金属支持層と、
    前記絶縁層の他方の面に設けられた配線層と、
    前記絶縁層の前記配線層側の面に設けられ、当該配線層を覆う保護層と、を備え、
    前記保護層は、前記絶縁層と異なる材料により形成され、
    前記保護層は、前記アクチュエータ素子と平面視で重なるように前記第1素子接続領域から前記第2素子接続領域に延びる補強部を有していることを特徴とするサスペンション用基板。
  5. 前記保護層は、前記絶縁層の厚さより小さい厚さを有していることを特徴とする請求項4に記載のサスペンション用基板。
  6. 前記補強部の一側方に、前記金属支持層、前記絶縁層、前記配線層および前記保護層を貫通するスリット部が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載のサスペンション用基板。
  7. 前記補強部の両側方に、前記金属支持層、前記絶縁層、前記配線層および前記保護層を貫通するスリット部が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載のサスペンション用基板。
  8. ロードビームと、
    前記ロードビームに取り付けられた請求項1乃至7のいずれかに記載の前記サスペンション用基板と、
    前記サスペンション用基板に接続された前記アクチュエータ素子と、を備えたことを特徴とするサスペンション。
  9. 請求項8に記載の前記サスペンションと、
    前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンション。
  10. 請求項9に記載の前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブ。
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