JP6024469B2 - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブ Download PDF

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Description

本発明は、サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブに係り、とりわけ、一対の電極が容易かつ安価に形成されたアクチュエータ素子を実装することができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブに関する。
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込みおよび読み取りを行う磁気ヘッドスライダが実装されたサスペンション用基板(フレキシャー)を備えている。このサスペンション用基板は、磁気ヘッドスライダが実装されるヘッド領域から、FPC基板(フレキシブルプリント基板)に接続されるテール領域に延びるように形成されており、金属支持層と、金属支持層に絶縁層を介して積層された複数の配線を有する配線層と、を備え、各配線に電気信号を流すことにより、ディスクに対してデータの書き込みまたは読み取りを行うようになっている。
このようなハードディスクドライブにおいては、ディスク上の所望のデータトラックに磁気ヘッドスライダを移動させるために、磁気ヘッドスライダを支持するアクチュエータアームを回動させるVCMアクチュエータ(ボイスコイルモータ)を、サーボコントロールシステムによって制御している。
ところで、近年、ディスクの容量増大の要求が高まっている。この要求に応えるために、ディスクが高密度化されて、トラックの幅が小さくなっている。このため、VCMアクチュエータによって、磁気ヘッドスライダを所望のトラックに精度良く位置合わせすることが困難な場合がある。
このことに対処するために、VCMアクチュエータとPZTマイクロアクチュエータ(Dual Stage Actuator:DSA)とを協働させて、所望のトラックに磁気ヘッドスライダを移動させるデュアルアクチュエータ方式のサスペンションが知られている。このPZTマイクロアクチュエータは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなるピエゾ素子(圧電素子)により構成され、電圧が印加されることにより伸縮し、磁気ヘッドスライダを微小に移動させるようになっている。このようなデュアルアクチュエータ方式のサスペンションにおいては、VCMアクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置を大まかに調整し、PZTマイクロアクチュエータが、磁気ヘッドスライダの位置を微小調整する。このようにして、磁気ヘッドスライダを、所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせするようになっている。
このようなデュアルアクチュエータ方式のサスペンションにおいて、ピエゾ素子がヘッドスライダとともにサスペンション用基板のヘッド領域に配置されたものが知られている(例えば、特許文献1乃至3参照)。この場合、ピエゾ素子によるヘッドスライダの変位の精度を向上させることが可能となる。
特開2010−146631号公報 米国特許第7719798号明細書 特開2012−94237号公報
しかしながら、特許文献1に示すピエゾ素子の一対の電極(ピエゾ接続パッド)は、側面に形成されている。また、特許文献2及び3に示すピエゾ素子の一対の電極は、ピエゾ素子の同一平面上に形成されている。
ここで、例えば特開2010−182356号公報にも示されているように、一般的に、ピエゾ素子は、圧電材料の全面に金めっきを施した後に、ダイシングブレードによって切り分けて個片化されることにより得られる。
このため、特許文献1に示すように、ピエゾ素子の側面に電極を形成する場合には、個片化された後に、圧電材料の側面に改めて金めっきを施す必要がある。この場合、ピエゾ素子の電極の形成工程が煩雑化するという問題が生じる。また、この場合、直方体状のピエゾ素子の表面積の小さい側面に金めっきを施すことになるため、取扱中にピエゾ素子が破損するおそれもある。また、特許文献1乃至3に示すように、ピエゾ素子の同一面に一対の電極を形成する場合、一対の電極を絶縁するために、めっき用マスクなどを用いて、全面に施された金めっきを部分的にエッチングによって取り除くことが必要となる。この場合においても、ピエゾ素子の電極の形成工程が煩雑化するという問題が生じる。この結果、ピエゾ素子の電極を形成することが困難になるとともにピエゾ素子が高価になるという問題がある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、一対の電極が容易かつ安価に形成されたアクチュエータ素子を実装することができるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブを提供することを目的とする。
本発明は、第1の解決手段として、ヘッドスライダを変位させる伸縮可能な直方体状のアクチュエータ素子であって、互いに対向する面に設けられた一対の電極を含むアクチュエータ素子が、前記ヘッドスライダとともにヘッド領域に実装されるサスペンション用基板において、金属支持層と、前記金属支持層上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた配線層と、を備え、前記配線層は、前記アクチュエータ素子に接続される第1素子接続端子を有し、前記第1素子接続端子は、前記絶縁層の側とは反対側に設けられた、前記アクチュエータ素子の一方の前記電極に接続される接続面を含み、前記金属支持層は、前記ヘッドスライダを支持するタング部と、前記タング部から上方に延び、前記アクチュエータ素子の他方の前記電極に接続される第2素子接続端子と、を有していることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
なお、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記タング部は、前記アクチュエータ素子を介して前記ヘッドスライダを支持するタング本体を含み、前記第1素子接続端子は、前記タング本体上に配置されている、ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記配線層は、前記ヘッドスライダに接続されるスライダ接続端子を有し、前記タング本体上に、前記アクチュエータ素子を介して前記ヘッドスライダを支持する第1支持台座部及び第2支持台座部が設けられ、前記第1支持台座部は、前記第2支持台座部より前記スライダ接続端子側に配置され、前記第1支持台座部の上面は、前記第2支持台座部の上面より、前記タング部の側とは反対側に配置されている、ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記配線層は、複数の配線を有し、前記絶縁層上に、前記配線を覆う保護層が設けられ、前記保護層は、前記第1支持台座部を形成する第1保護層台座部と、前記第2支持台座部を形成する第2保護層台座部と、を有し、前記第1保護層台座部の厚さは、前記第2保護層台座部の厚さより厚い、ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記配線層は、複数の配線を有し、前記絶縁層上に、前記配線を覆う保護層が設けられ、前記保護層は、前記第1支持台座部を形成する第1保護層台座部と、前記第2支持台座部を形成する第2保護層台座部と、を有し、前記第1保護層台座部上に、第2の保護層が設けられている、ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記配線層は、複数の配線を有し、前記絶縁層上に、前記配線を覆う保護層が設けられ、前記保護層は、保護層開口部を含み、前記第1素子接続端子は、前記保護層開口部内に形成されている、ようにしてもよい。
また、上述した第1の解決手段によるサスペンション用基板において、前記第1素子接続端子に、前記アクチュエータ素子を当該第1素子接続端子に接続する導電性接着剤が充填される充填孔が設けられている、ようにしてもよい。
本発明は、第2の解決手段として、ロードビームと、前記ロードビームに取り付けられた上述した前記サスペンション用基板と、前記サスペンション用基板に実装された前記アクチュエータ素子と、を備えたことを特徴とするサスペンションを提供する。
また、本発明は、第3の解決手段として、ロードビームと、前記ロードビームに取り付けられた上述した前記サスペンション用基板と、前記サスペンション用基板に実装された前記アクチュエータ素子と、を備え、前記ロードビームは、前記サスペンション用基板の前記タング部を揺動可能に支持するディンプル部を有し、前記ディンプル部は、平面視で、前記第1支持台座部及び前記第2支持台座部のうちの一方に重なる位置に配置されていることを特徴とするサスペンションを提供する。
また、上述した第3の解決手段によるサスペンションにおいて、前記ロードビームは、前記タング部の揺動を所定の範囲内に規制するリミッタ部を有している、ようにしてもよい。
また、上述した第3の解決手段によるサスペンションにおいて、前記タング部は、枠状に形成された枠体部であって、前記タング本体と前記第2素子接続端子とを連結し、前記タング本体とともに金属支持層開口部を画定する枠体部を含み、前記ロードビームの前記リミッタ部は、前記金属支持層開口部を通って折り返されるようにU字状に形成されている、ようにしてもよい。
また、上述した第3の解決手段によるサスペンションにおいて、前記ロードビームは、2つの前記リミッタ部を有し、前記サスペンション用基板の前記第2素子接続端子は、平面視で、前記ロードビームの前記リミッタ部の間に配置されている、ようにしてもよい。
本発明は、上述した前記サスペンションと、前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンションを提供する。
本発明は、上述した前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、一対の電極が容易かつ安価に形成されたアクチュエータ素子を実装することができる。
図1は、本発明の実施の形態におけるヘッド付サスペンションの一例を示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるサスペンションにおいて、ヘッド領域を示す拡大平面図である。 図3は、本発明の実施の形態におけるヘッド付サスペンションとディスクとを示す側面図である。 図4は、図2のヘッド領域を示す断面図である。 図5は、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板において、ヘッド領域を示す拡大平面図である。 図6は、図5のヘッド領域において、保護層が省略された拡大平面図である。 図7は、本発明の実施の形態におけるサスペンションにおいて、ロードビームの一例を示す平面図である。 図8は、図2のヘッド領域において、ピエゾ素子が省略された拡大平面図である。 図9は、図8のロードビームのリミッタ部を示す拡大斜視図である。 図10は、本発明の実施の形態におけるハードディスクドライブの一例を示す斜視図である。 図11(a)〜(c)は、本発明の実施の形態におけるロードビームのリミッタ部の作用を説明するための断面図である。 図12は、図4の変形例(変形例1)を示す断面図である。 図13は、図4の他の変形例(変形例2)を示す断面図である。 図14は、図4の他の変形例(変形例3)を示す断面図である。
図面を用いて、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブについて説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1に示すように、ヘッド付サスペンション111は、サスペンション101と、サスペンション用基板1に実装されたヘッドスライダ112と、を備えている。このうちヘッドスライダ112は、後述するディスク123(図10参照)に対してデータの書き込み及び読み取りを行うためのものであり、サスペンション用基板1のヘッド領域2に実装されて、ヘッド端子(スライダ接続端子)41に電気的に接続されている。なお、ヘッドスライダ112は、図1に示すように、データの書き込み及び読み取りを行うリードライト部112aを有しており、リードライト部112aによってデータの受け渡しが行われる。このリードライト部112aは、ヘッドスライダ112のうちヘッド端子41の側に配置されている。
サスペンション101は、図1及び図2に示すように、ベースプレート102と、ベースプレート102上に取り付けられたロードビーム103と、ロードビーム103上に取り付けられたサスペンション用基板1と、サスペンション用基板1に実装された一対のピエゾ素子(アクチュエータ素子)104と、を備えている。このうちベースプレート102及びロードビーム103は、いずれも、好適にはステンレスにより形成され、互いに溶接されて固定されている。また、ロードビーム103は、サスペンション用基板1の金属支持層20(後述)に、溶接により取り付けられるようになっている。なお、図2においては、図面を明瞭にするために、ロードビーム103は省略されている。
また、ロードビーム103には、サスペンション用基板1の各治具孔5に対応して、ビーム治具孔(図示せず)が設けられており、サスペンション用基板1にロードビーム103を取り付ける際に、サスペンション用基板1とロードビーム103との位置合わせを行うことができるようになっている。なお、サスペンション用基板1の治具孔5、ロードビーム103の治具孔は、図1に示す長手方向軸線(X)上に配置されている。
ロードビーム103は、図1及び図3に示すように、ヒンジ部106を有している。このヒンジ部106は、ヘッドスライダ112がディスク123に近接するように予め折り曲げられているとともに、曲げ剛性を小さくするように形成されている。このことにより、後述するハードディスクドライブ(図10参照)121においてディスク123が回転する際、ディスク123の回転により生じた気流の影響を受けてヒンジ部106のたわみ量が変化し、ヘッドスライダ112がディスク123に所望のフライングハイトを保って浮上するようになっている。
各ピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112を変位させる伸縮可能な圧電素子として構成されている。すなわち、ピエゾ素子104は、図1の矢印P方向に伸縮可能であり、ヘッドスライダ112をスウェイ方向(旋回方向、図1の矢印Q方向)に変位させるようになっている。
各ピエゾ素子104は、図4に示すように、互いに対向する面に設けられた第1電極104a及び第2電極104bと、第1電極104aと第2電極104bとの間に介在され、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスからなる圧電材料部104cと、を有している。このうち圧電材料部104cは、直方体状に形成されており、その上面104d及び下面104eは、他の4つの面より表面積が大きくなっている。そして、第1電極104aは、圧電材料部104cの下面104eの全体に金めっきにより設けられ、第2電極104bは、圧電材料部104cの上面104dの全体に金めっきにより設けられている。この場合、各電極104a、104bの形成工程を簡素化し、電極104a、104bを容易にかつ安価に形成することができる。
一対のピエゾ素子104の圧電材料部104cは、互いに180°異なる分極方向となるように形成されており、所定の電圧が印加されると、一方のピエゾ素子104が収縮すると共に、他方のピエゾ素子104が伸長するようになっている。このようにして、ピエゾ素子104は、第1電極104aと第2電極104bとの間に所定の電圧が印加されることにより図1の矢印P方向に伸縮可能になっている。
このようなピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112とともにサスペンション用基板1のヘッド領域2に実装されている。本実施の形態においては、ピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112の下方に配置されている。すなわち、図4に示すように、ピエゾ素子104は、サスペンション用基板1の後述するタング本体23(より具体的にはタング本体23上の保護層50)とヘッドスライダ112との間に配置されている。
また、ピエゾ素子104は、図1に示すように、長手方向軸線(X)に沿って細長状に形成されており、その伸縮方向が、当該長手方向軸線(X)に平行となっている。また、ピエゾ素子104は、長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に配置されており、各ピエゾ素子104の伸縮が、ヘッドスライダ112に均等に伝達されるようになっている。
次に、サスペンション用基板1について説明する。
図1及び図4に示すように、サスペンション用基板1は、ヘッドスライダ112が実装されるヘッド領域2と、FPC基板(外部接続基板)131が連結されるテール領域3と、を有している。ヘッド領域2には、ヘッドスライダ112のスライダ端子112bに半田113を介して接続される複数のヘッド端子41が設けられ、テール領域3には、FPC基板131に接続される複数のテール端子(外部接続端子)42が設けられている。ヘッド端子41とテール端子42とは、後述する信号配線43を介してそれぞれ接続されている。
図4に示すように、サスペンション用基板1は、金属支持層20と、金属支持層20上に設けられた絶縁層10と、絶縁層10上に設けられ、複数の配線43、44を有する配線層40と、を備えている。すなわち、金属支持層20に絶縁層10を介して配線層40が積層されている。また、絶縁層10上には、配線層40の配線43、44を覆う保護層50が設けられており、保護層50の上方にピエゾ素子104が配置されるようになっている。
配線層40は、複数の配線、すなわち、一対の読取配線と一対の書込配線とを含む信号配線43と、ピエゾ素子104の第1電極104aに接続される一対の素子配線44と、を有している。このうち、信号配線43は、ヘッド端子41とテール端子42とを接続しており、この信号配線43に電気信号が流されることによって、ヘッドスライダ112のリードライト部112aがディスク123(図10参照)に対してデータの書き込み又は読み取りを行うようになっている。
また、配線層40は、素子配線44に接続された一対の第1素子接続端子45を有している。これらの第1素子接続端子45は、ヘッド領域2に設けられており、ピエゾ素子104の第1電極104aに接続されるようになっている。また、素子配線44は、第1素子接続端子45とテール端子42とを接続しており、ピエゾ素子104の第1電極104aに所定の電圧を印加するようになっている。
第1素子接続端子45は、絶縁層10の側とは反対側に設けられた接続面45aを有している。この接続面45aは、ピエゾ素子104の第1電極104aに接続されるようになっている。すなわち、第1素子接続端子45の絶縁層10の側とは反対側にピエゾ素子104が配置されるようになっている。この接続面45aには、金(Au)めっき層17が設けられている。金めっき層70とピエゾ素子104の第1電極104aとは、導電性接着剤(例えば、銀ペースト)105aによって電気的に接続され、第1電極104aに所定の電圧が印加されるようになっている。なお、金めっき層70は、ヘッド端子41及びテール端子42にも設けられている。
金属支持層20は、ヘッドスライダ112を支持するタング部21と、タング部21から上方に延び、ピエゾ素子104の第2電極104bに接続される第2素子接続端子22と、を有している。このうち、タング部21は、図2、図5及び図6に示すように、ピエゾ素子104を介してヘッドスライダ112を支持するタング本体23と、枠状に形成された枠体部24と、を含んでいる。枠体部24は、タング本体23と第2素子接続端子22とを連結し、タング本体23とともに、矩形状の金属支持層開口部25を画定している。また、枠体部24は、柔軟性を有しており、ピエゾ素子104が伸縮した際、弾性変形するようになっている。このようにして、ピエゾ素子104のP方向(図1参照)の伸縮により、ヘッドスライダ112がQ方向に変位する。
第2素子接続端子22は、枠体部24のうちテール領域3の側の部分から上方に延びてピエゾ素子104の第2電極104bに接続されるようになっている。第2素子接続端子22と、ピエゾ素子104の第2電極104bとは、導電性接着剤(例えば、銀ペースト)105bを介して電気的に接続され、第2電極104bが接地される。なお、第2素子接続端子22は、折り曲げて形成することができる。図4においては、第2素子接続端子22は、2箇所で折り曲げられている。
本実施の形態においては、配線層40の第1素子接続端子45は、タング本体23上に配置されている。すなわち、タング本体23に、絶縁層10を介して第1素子接続端子45が形成されている。
また、タング本体23上には、図4に示すように、ピエゾ素子104を介してヘッドスライダ112を支持する第1支持台座部61及び第2支持台座部62が設けられている。このうち第1支持台座部61は、第2支持台座部62よりヘッド端子41の側に配置されて、第1支持台座部61の上面61aは、第2支持台座部62の上面62aより、タング部21(すなわち、タング本体23)の側とは反対側に配置されている。
絶縁層10は、図4及び図6に示すように、第1支持台座部61を形成する第1絶縁層台座部11と、第2支持台座部62を形成する第2絶縁層台座部12と、を有している。保護層50は、図4及び図5に示すように、第1支持台座部61を形成する第1保護層台座部51と、第2支持台座部62を形成する第2保護層台座部52と、を有している。すなわち、第1支持台座部61は、第1絶縁層台座部11と第1保護層台座部51とを有し、第2支持台座部62は、第2絶縁層台座部12と第2保護層台座部52とを有している。本実施の形態においては、第1保護層台座部51の厚さは、第2保護層台座部52の厚さより厚くなっている。この場合、例えば、第2保護層台座部52は、保護層50を、保護層50の材料を部分的に残すようにエッチングすること(例えば、ハーフエッチング)により形成することができる。
このような第1支持台座部61と第2支持台座部62とにより、ピエゾ素子104を、タング本体23に対して傾斜させることができる。なお、ピエゾ素子104は、図示しない非導電性接着剤を用いてタング本体23に機械的に接合される。この傾斜したピエゾ素子104上に、図示しない非導電性接着剤を用いてヘッドスライダ112が機械的に接合される。このことにより、ヘッドスライダ112をタング本体23に対して傾斜させて支持することができる。この場合、ヘッドスライダ112のリードライト部112aをディスク123の側に近接させることができる。
なお、本実施の形態においては、図2に示す折曲線Lによって、ヘッド領域2の先端部2aが、タング本体23に対して折り曲げられている。この折り曲げられた先端部2aには、金属支持層20が形成されていないため、容易に折り曲げることができるようになっている。このようにして、ヘッド端子41が、タング本体23に対して図4に示すように傾斜している。
第1保護層台座部51は、図4に示すように、保護層開口部53を含んでいる。第1素子接続端子45は、保護層開口部53内に形成されている。第1素子接続端子45上に設けられた金めっき層70の上面は、第1保護層台座部51の上面より下方に配置されている。
ところで、図3及び図4に示すように、ロードビーム103は、金属支持層20のタング本体23を揺動可能に支持するディンプル部107を有している。ディンプル部107は、平面視で、第1支持台座部61及び第2支持台座部62のうちの一方に重なる位置に配置されていることが好ましく、本実施の形態においては、ディンプル部107は、第2支持台座部62に重なる位置に配置されている。ここで、平面視という文言は、サスペンション用基板1をその積層方向から見た場合という意味で用いており、より具体的には、図1、図2等で示す平面図のように見た場合という意味で用いている。なお、ディンプル部107は、タング本体23に向って突出するように形成され、球面状に形成されていることが好適である。このことにより、ディンプル部107は、タング本体23を滑らかに揺動させることができる。このようなディンプル部107は、例えばプレス加工によって形成することが好適である。
次に、図7乃至図9を用いて、ロードビーム103のリミッタ部108について説明する。
図7乃至図9に示すように、ロードビーム103は、金属支持層20のタング部21の揺動を所定の範囲内に規制するリミッタ部108を有している。このリミッタ部108は、タング本体23と枠体部24とによって画定される金属支持層開口部25を通って折り返されるようにU字状に折り曲げて形成されている。すなわち、リミッタ部108は、枠体部24の下方に位置する基部108aと、金属支持層開口部25を通って延びる開口貫通部108bと、折り返されて枠体部24の上方に位置する折返部108cと、を有している。このうち、基部108aが、ロードビーム103の本体側に配置され、基部108aに開口貫通部108bを介して折返部108cが連結されている。基部108aと折返部108cとの間隔により、タング部21の揺動の規制範囲が画定されるようになっており、本実施の形態においては、基部108aと折返部108cとの間隔y(図11(a)参照)が、タング部21の枠体部24の厚さより大きくなっている。このようにして、リミッタ部108は、タング部21の揺動を所定の範囲内に規制するようになっている。本実施の形態においては、ロートビーム43は、3つのリミッタ部108を有しており、第2素子接続端子22の両側にリミッタ部108が配置されている。すなわち、第2素子接続端子22は、平面視で、リミッタ部108の間に配置され、リミッタ部108と第2素子接続端子22とが、交互に配置されている。
ここで、サスペンション用基板1の各層を構成する材料について詳細に述べておく。
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm〜30μm、とりわけ8μm〜10μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層20と各配線43、44との間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
各配線43、44は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各配線43、44の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線43、44の厚さは、例えば1μm〜18μm、とりわけ9μm〜12μmであることが好ましい。このことにより、各配線43、44の伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。なお、ヘッド端子41、テール端子42及び第1素子接続端子45は、各配線43、44と同一の材料、同一の厚みとなっている。
金属支持層20の材料としては、所望の導電性、弾力性、及び強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、アルミニウム、ベリリウム銅、又はその他の銅合金を用いることができ、ステンレスを用いることが好適である。金属支持層20の厚さは、10μm〜30μm、とりわけ15μm〜20μmであることが好ましい。このことにより、金属支持層20の導電性、剛性、及び弾力性を確保することができる。
保護層50の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層50の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層50の厚さは、2μm〜30μm、とりわけ2〜6μmであることが好ましい。
次に、図10により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ121について説明する。図10に示すハードディスクドライブ121は、ケース122と、このケース122に回転自在に取り付けられ、データが記憶されるディスク123と、このディスク123を回転させるスピンドルモータ124と、ディスク123に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク123に対してデータの書き込み及び読み取りを行うヘッドスライダ112を含むヘッド付サスペンション111と、を有している。このうちヘッド付サスペンション111は、ケース122に対して移動可能に取り付けられており、ケース122にはヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112をディスク123上に沿って移動させるボイスコイルモータ125が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション111は、ボイスコイルモータ125にアーム126を介して取り付けられていると共に、ハードディスクドライブ121を制御する制御部(図示せず)に接続されたFPC基板131(図1参照)に接続されている。このようにして、電気信号が、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、制御部とヘッドスライダ112との間で伝送されるようになっている。
次に、上述した本実施の形態におけるサスペンション用基板1の製造方法について説明する。
まず、絶縁層10と、絶縁層10の一方の面に設けられた金属支持層20と、絶縁層10の他方の面に設けられた配線層40と、を有する積層体(図示せず)を準備する。続いて、配線層40が、所望の形状にエッチングされて、ヘッド端子41、テール端子42、配線43、44、及び第1素子接続端子45が形成される。次に、絶縁層10上に、各配線43、44を覆う保護層50が所望の形状で形成される。続いて、絶縁層10が所望の形状にエッチングされる。その後、金属支持層20が所望の形状にエッチングされて、外形加工され、タング部21、第2素子接続端子22等が形成される。金属支持層20が外形加工された後、金属支持層20の第2素子接続端子22の一部が上方に折り曲げられる。また、ヘッド領域2の先端部2aが、図2に示す折曲線に沿って折り曲げられる。このようにして、本実施の形態におけるサスペンション用基板1が得られる。
次に、本実施の形態におけるサスペンション101の製造方法について説明する。
まず、ベースプレート102に、ロードビーム103を介して、上述のようにして得られたサスペンション用基板1が、溶接により取り付けられる。この場合、まず、ベースプレート102にロードビーム103が溶接により固定される。続いて、ロードビーム103に設けられたビーム治具孔(図示せず)と、サスペンション用基板1に設けられた治具孔5(図1参照)とにより、ロードビーム103とサスペンション用基板1とのアライメントが行われる。この際、ロードビーム103のディンプル部107が、サスペンション用基板1の第2支持台座部62に平面視で重なるように配置される。次に、サスペンション用基板1の金属支持層20に溶接が施されて、ロードビーム103とサスペンション用基板1が互いに接合されて固定される。その後、リミッタ部108が、金属支持層開口部25を通って折り返されるようにU字状に折り曲げられて形成される。
次に、ピエゾ素子104が実装される。この場合、まず、サスペンション用基板1の第1素子接続端子45及び第2素子接続端子22に導電性接着剤105a、105bが塗布されるとともに、タング本体23の所定の位置に、非導電性接着剤(図示せず)が塗布される。続いて、ピエゾ素子104が、第1支持台座部61及び第2支持台座部62上に載置される。このことにより、ピエゾ素子104の第1電極104aが導電性接着剤105aを介して第1素子接続端子45に接続され、第2電極104bが導電性接着剤105bを介して第2素子接続端子22に接続される。また、ピエゾ素子104は、非導電性接着剤によってタング本体23に機械的に接合される。その後、導電性接着剤105a、105b、非導電性接着剤が加熱されて硬化される。
このようにして、本実施の形態によるサスペンション101が得られる。
その後、得られたサスペンション101にヘッドスライダ112が実装される。この場合、まず、ピエゾ素子104上に非導電性接着剤(図示せず)が塗布される。続いて、ピエゾ素子104上にヘッドスライダ112が載置される。このことにより、非導電性接着剤によってヘッドスライダ112がピエゾ素子104に機械的に接合される。その後、ヘッド端子41に半田113が供給されてヘッドスライダ112のスライダ端子112bが、ヘッド端子41に電気的に接続される。このようにして、本実施の形態によるヘッド付サスペンション111が得られる。
得られたヘッド付サスペンション111のテール領域3に、FPC基板131が連結され、その後、ヘッド付サスペンション111が、ハードディスクドライブ121のケース122に取り付けられる。このようにして、図10に示すハードディスクドライブが得られる。
図10に示すハードディスクドライブ121においてデータの書き込み又は読み取りを行う際、まず、ディスク123がスピンドルモータ124によって回転する。続いて、退避位置に退避していたヘッド付サスペンション111が、ボイスコイルモータ125によってアーム126とともに旋回し、ヘッドスライダ112が、回転するディスク123上に移動する(ロード)。ヘッドスライダ112は、ディスク123上をディスク123に沿って移動する。
ヘッドスライダ112を移動させる際、ボイスコイルモータ125が、ヘッドスライダ112の位置を大まかに調整し、ピエゾ素子104が、ヘッドスライダ112の位置を微小調整する。すなわち、ピエゾ素子104の第1電極104aに、一方の素子配線44及び第1素子接続端子45を介して所定の電圧を印加することにより、長手方向軸線(X)に沿った方向(図1の矢印P方向)に、一方のピエゾ素子104の圧電材料部104cが収縮すると共に、他方の圧電材料部104cが伸長する。この場合、金属支持層20の枠体部24が弾性変形し、ピエゾ素子104に機械的に接合されているヘッドスライダ112がスウェイ方向(図1の矢印Q方向)に変位することができる。このようにして、ヘッドスライダ112を、ディスク123の所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせすることができる。
ヘッドスライダ112がロードされる際、ディスク123の回転により生じた気流の影響を受けてロードビーム103のヒンジ部106(図3参照)のたわみ量が変化する。このことにより、ヘッドスライダ112は、回転しているディスク123に所望のフライングハイトを維持しながら浮上することができる。また、ヘッドスライダ112は、ディスク123上に位置している間、ディスク123の回転により生じた気流の影響を受けて、ロードビーム103のディンプル部107によって支持されながら揺動する。このことにより、ヘッドスライダ112は、ディスク123に対するフライングハイトを維持することができる。このようにして、ヘッドスライダ112が、ディスク123上でジンバル運動を行いながら、ヘッドスライダ112のリードライト部112aとディスク123との間で、データの受け渡しが行われる。
なお、タング部21が、強い風乱を受けていない場合には(図11(a)参照)、金属支持層20の枠体部24がリミッタ部108に当接することなく、タング部21の位置が維持される。しかしながら、強い風乱を受けた場合、タング部21は大きく揺動し得る。例えば、ヘッドスライダ112のリードライト部112aがロードビーム103の側に振れた場合(図11(b)参照)、金属支持層20の枠体部24が、ロードビーム103のリミッタ部108の折返部108cによって係止される。また、図11(b)に示すように振れた後の反動により、ヘッドスライダ112のリードライト部112aがロードビーム103の側とは反対側に振れた場合(図11(c)参照)、金属支持層20の枠体部24が、ロードビーム103のリミッタ部108の基部108aによって係止される。このようにして、タング部21の過大な揺動を規制することができる。
データの受け渡しが行われている間、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、FPC基板131に接続されている制御部(図示せず)とヘッドスライダ112との間で電気信号が伝送される。このような電気信号は、サスペンション用基板1においては、各信号配線43によってヘッド端子41とテール端子42との間で伝送される。
データの受け渡しが終了すると、ヘッド付サスペンション111は、アーム126とともにボイスコイルモータ125によって旋回し、ディスク123から離れて退避位置に移動する(アンロード)。
このように本実施の形態によれば、金属支持層20の第2素子接続端子22が、タング部21の枠体部24から上方に折り曲げられて延びている。このことにより、ピエゾ素子104の一対の電極104a、104bのうちサスペンション用基板1の側とは反対側の第2電極104bに、第2素子接続端子22を接続することができる。この場合、ピエゾ素子104の第1電極104a及び第2電極104bを、圧電材料部104cの互いに対向する上面104d、下面104eに形成することができ、第1電極104a及び第2電極104bを、容易にかつ安価に形成することができる。すなわち、一対の電極104a、104bが容易にかつ安価に形成されたピエゾ素子104をサスペンション用基板1に実装することができる。
また、本実施の形態によれば、ピエゾ素子104の第2電極104bを、当該第2電極104bの上方に位置する金属支持層20の第2素子接続端子22によって部分的に覆うことができる。このことにより、ピエゾ素子104に、周囲の他の構造物等が直接接触することを防止し、ピエゾ素子104が破損することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、第1素子接続端子45は、タング本体23上に配置されている。このことにより、ピエゾ素子104上にヘッドスライダ112を実装することができ、ヘッドスライダ112のリードライト部112aをディスク123に近接させることができる。この場合、ヘッドスライダ112のリードライト部112aとディスク123との間におけるデータの受け渡しの精度を向上させることができる。また、この場合、ピエゾ素子104の伸縮力の伝達損失を低減し、ヘッドスライダ112を精度良く変位させることができる。さらに、この場合、ヘッドスライダ112を変位させるために必要なピエゾ素子104の伸縮量を低減することができ、ピエゾ素子104の伸縮に必要な電力量を低減することができる。とりわけ、本実施の形態によれば、ヘッドスライダ112は、ピエゾ素子104上に配置されていることから、ヘッドスライダ112をより一層精度良く変位させるとともにピエゾ素子104の伸縮に必要な電力量をより一層低減することができる。
また、本実施の形態によれば、ピエゾ素子104を介してヘッドスライダ112を支持する第1支持台座部61が、第2支持台座部62よりヘッド端子41の側に配置され、第1支持台座部61の上面61aが、第2支持台座部62の上面62aより、タング部21の側とは反対側に配置されている。このことにより、ヘッドスライダ112のリードライト部112aがディスク123に近接するように、ピエゾ素子104及びヘッドスライダ112を傾斜させることができる。このため、ヘッドスライダ112のリードライト部112aとディスク123との間におけるデータの受け渡しの精度をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、第2支持台座部62を形成する保護層50の第2保護層台座部52が、保護層50の材料を部分的に残すようにエッチングされ、当該第2保護層台座部52の厚さより、第1支持台座部61を形成する保護層50の第1保護層台座部51の厚さが、厚くなっている。このことにより、第1支持台座部61の上面61aを、第2支持台座部62の上面62aより、タング部21の側とは反対側に容易に配置することができる。
また、本実施の形態によれば、保護層50の保護層開口部53内に、第1素子接続端子45が形成されている。このことにより、第1素子接続端子45とピエゾ素子104の第1電極104aとを接続する導電性接着剤105aが、周囲に漏れて汚染することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、ロードビーム103のディンプル部107が、平面視で、第2支持台座部62に重なる位置に配置されている。このことにより、ディンプル部107は、比較的剛性の高い部材を介してヘッドスライダ112を揺動可能に支持することができる。すなわち、タング本体23にピエゾ素子104を接合するための非導電性接着剤の剛性の低さによって、ヘッドスライダ112のジンバル運動が阻害されることを防止できる。このため、ヘッドスライダ112が、ピエゾ素子104を介してタング本体23に支持される場合であっても、ヘッドスライダ112のジンバル運動が阻害されることを防止できる。
また、本実施の形態によれば、ロードビーム103は、金属支持層20のタング部21の揺動を規制するリミッタ部108を有している。このことにより、回転するディスク123の気流によって強い風乱が生じた場合であっても、タング部21の揺動を所定の範囲内に規制することができ、ディスク123に対するヘッドスライダ112の位置精度の低下を抑制することができる。とりわけ、本実施の形態によれば、リミッタ部108は、タング本体23と枠体部24とによって画定された金属支持層開口部25を通って折り返されるようにU字状に形成されている。この場合、折り曲げ位置を変えることにより、タング部21の揺動の規制範囲を調整することができる。なお、サスペンション用基板1の金属支持層20の第2素子接続端子22が、上述したように折り曲げられている場合、金属支持層20にリミッタ部108と同様の機能を有する部分を形成することは困難になるが、本実施の形態のようにロードビーム103にリミッタ部108を形成することにより、タング部21の揺動を規制する構造を容易に実現することができる。
さらに、本実施の形態によれば、金属支持層20の第2素子接続端子22は、平面視で、ロードビーム103のリミッタ部108の間に配置されている。このことにより、リミッタ部108は、タング部21の揺動だけではなく、横方向(長手方向軸線(X)に直交する方向)の移動をも規制することができる。このため、ディスク123に対するヘッドスライダ112の位置精度の低下をより一層抑制することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、第1支持台座部61を形成する保護層50の第1保護層台座部51の厚さが、第2支持台座部62を形成する第2保護層台座部52の厚さより厚くなっている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図12に示すように、第1保護層台座部51の厚さは、第2保護層台座部52の厚さと同一とし、第1保護層台座部51上に、第2の保護層80が設けられて、第1保護層台座部51と第2の保護層80とにより第1支持台座部61が形成されていてもよい(変形例1)。この場合においても、第1支持台座部61の上面61aを、第2支持台座部62の上面62aより、タング部21の側とは反対側に容易に配置させることができる。なお、このような第2の保護層80は、保護層50の第1保護層台座部51と同様の材料を用いて同様に形成することができる。また、第2の保護層80を設ける場合であっても、第1保護層台座部51の厚さが、第2保護層台座部52の厚さより厚くなっていても良い。ここで、同一とは、厳密に同一という意味に限られることはなく、製造誤差等を含めて実質的に同一とみなすことができる場合をも含む意味として用いている。
また、上述した本実施の形態において、例えば、図13に示すように、第1素子接続端子45に、ピエゾ素子104を第1素子接続端子45に接続する導電性接着剤が充填される充填孔90が設けられていてもよい(変形例2)。この場合、第1素子接続端子45と導電性接着剤との接触面積を増大させることができるとともに、第1素子接続端子45と導電性接着剤との接合強度を増大させることができる。また、この場合、図13に示すように、充填孔90内にも金めっき層70が形成されていることが好適である。
また、上述した本実施の形態においては、第1支持台座部61の上面61aが、第2支持台座部62の上面62aより、タング部21の側とは反対側に配置され、ピエゾ素子104及びヘッドスライダ112がタング本体23に傾斜して支持されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図14に示すように、第1支持台座部61の上面61aが、第2支持台座部62の上面62aと同一平面上に配置され、ピエゾ素子104及びヘッドスライダ112がタング本体23に平行に配置させてもよい(変形例3)。この場合、第1支持台座部61及び第2支持台座部62の製造効率を向上させることができる。ここで、平行とは、厳密に平行という意味に限られることはなく、製造誤差等を含めて実質的に平行とみなすことができる場合をも含む意味として用いている。
また、上述した本実施の形態においては、タング本体23に、ピエゾ素子104を介してヘッドスライダ112が支持される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、ピエゾ素子104が、ヘッドスライダ112に平面視で重ならないように、ヘッドスライダ112の両側方(平面視で長手方向軸線(X)の両側、図2における左右両側)に配置されるようにしてもよい。この場合、ピエゾ素子104及びヘッドスライダ112が実装されたヘッド領域2の厚さを低減することができる。
さらに、上述した本実施の形態においては、ヘッド領域2に、別々に形成された一対の(2つの)ピエゾ素子104が実装される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、互いに180°異なる分極方向を有する圧電材料部が一体に形成された単一のピエゾ素子をヘッド領域2に実装することも可能である。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション及びハードディスクドライブは、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 サスペンション用基板
2 ヘッド領域
10 絶縁層
20 金属支持層
21 タング部
22 第2素子接続端子
23 タング本体
24 枠体部
25 金属支持層開口部
40 配線層
41 ヘッド端子
43 信号配線
44 素子配線
45 第1素子接続端子
45a 接続面
50 保護層
51 第1保護層台座部
52 第2保護層台座部
53 保護層開口部
61 第1支持台座部
61a 上面
62 第2支持台座部
62a 上面
80 第2の保護層
90 充填孔
101 サスペンション
103 ロードビーム
104 ピエゾ素子
104a 第1電極
104b 第2電極
105a、105b 導電性接着剤
107 ディンプル部
108 リミッタ部
111 ヘッド付サスペンション
112 ヘッドスライダ
121 ハードディスクドライブ

Claims (14)

  1. ヘッドスライダを変位させる伸縮可能な直方体状のアクチュエータ素子であって、互いに対向する面に設けられた一対の電極を含むアクチュエータ素子が、前記ヘッドスライダとともにヘッド領域に実装されるサスペンション用基板において、
    金属支持層と、
    前記金属支持層上に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層上に設けられた配線層と、を備え、
    前記配線層は、前記アクチュエータ素子に接続される第1素子接続端子を有し、
    前記第1素子接続端子は、前記絶縁層の側とは反対側に設けられた、前記アクチュエータ素子の一方の前記電極に接続される接続面を含み、
    前記金属支持層は、前記ヘッドスライダを支持するタング部と、前記タング部から上方に延び、前記アクチュエータ素子の他方の前記電極に接続される第2素子接続端子と、を有していることを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記タング部は、前記アクチュエータ素子を介して前記ヘッドスライダを支持するタング本体を含み、
    前記第1素子接続端子は、前記タング本体上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記配線層は、前記ヘッドスライダに接続されるスライダ接続端子を有し、
    前記タング本体上に、前記アクチュエータ素子を介して前記ヘッドスライダを支持する第1支持台座部及び第2支持台座部が設けられ、
    前記第1支持台座部は、前記第2支持台座部より前記スライダ接続端子側に配置され、
    前記第1支持台座部の上面は、前記第2支持台座部の上面より、前記タング部の側とは反対側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション用基板。
  4. 前記配線層は、複数の配線を有し、
    前記絶縁層上に、前記配線を覆う保護層が設けられ、
    前記保護層は、前記第1支持台座部を形成する第1保護層台座部と、前記第2支持台座部を形成する第2保護層台座部と、を有し、
    前記第1保護層台座部の厚さは、前記第2保護層台座部の厚さより厚いことを特徴とする請求項3に記載のサスペンション用基板。
  5. 前記配線層は、複数の配線を有し、
    前記絶縁層上に、前記配線を覆う保護層が設けられ、
    前記保護層は、前記第1支持台座部を形成する第1保護層台座部と、前記第2支持台座部を形成する第2保護層台座部と、を有し、
    前記第1保護層台座部上に、第2の保護層が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のサスペンション用基板。
  6. 前記配線層は、複数の配線を有し、
    前記絶縁層上に、前記配線を覆う保護層が設けられ、
    前記保護層は、保護層開口部を含み、
    前記第1素子接続端子は、前記保護層開口部内に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  7. 前記第1素子接続端子に、前記アクチュエータ素子を当該第1素子接続端子に接続する導電性接着剤が充填される充填孔が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のサスペンション用基板。
  8. ロードビームと、
    前記ロードビームに取り付けられた請求項1乃至7のいずれかに記載の前記サスペンション用基板と、
    前記サスペンション用基板に実装された前記アクチュエータ素子と、を備えたことを特徴とするサスペンション。
  9. ロードビームと、
    前記ロードビームに取り付けられた請求項3乃至5のいずれかに記載の前記サスペンション用基板と、
    前記サスペンション用基板に実装された前記アクチュエータ素子と、を備え、
    前記ロードビームは、前記サスペンション用基板の前記タング部を揺動可能に支持するディンプル部を有し、
    前記ディンプル部は、平面視で、前記第1支持台座部及び前記第2支持台座部のうちの一方に重なる位置に配置されていることを特徴とするサスペンション。
  10. 前記ロードビームは、前記タング部の揺動を所定の範囲内に規制するリミッタ部を有していることを特徴とする請求項9に記載のサスペンション。
  11. 前記タング部は、枠状に形成された枠体部であって、前記タング本体と前記第2素子接続端子とを連結し、前記タング本体とともに金属支持層開口部を画定する枠体部を含み、
    前記ロードビームの前記リミッタ部は、前記金属支持層開口部を通って折り返されるようにU字状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載のサスペンション。
  12. 前記ロードビームは、2つの前記リミッタ部を有し、
    前記サスペンション用基板の前記第2素子接続端子は、平面視で、前記ロードビームの前記リミッタ部の間に配置されていることを特徴とする請求項10又は11に記載のサスペンション。
  13. 請求項8乃至12のいずれかに記載の前記サスペンションと、
    前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンション。
  14. 請求項13に記載の前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブ。
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