JP2015076107A - サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブ - Google Patents
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Abstract
【課題】アクチュエータ素子の位置ずれを抑制できるとともにアクチュエータ素子の一対の電極が短絡することを防止できるサスペンション用基板を提供する。
【解決手段】サスペンション用基板は、金属支持層20と、金属支持層20上に設けられた絶縁層10と、絶縁層10上に設けられ、アクチュエータ素子104の電極104a、104bに半田部材105を介して接続される素子接続端子45、46を有する配線層40と、を備えている。金属支持層20には、アクチュエータ素子104を収容する収容開口部25が設けられている。絶縁層10には、素子接続端子45、46を収容開口部25に露出させるとともに半田部材105が収容される端子開口部11が設けられている。端子開口部11の幅は、実装されるアクチュエータ素子104の幅の80%以上120%以下となっている。
【選択図】図4
【解決手段】サスペンション用基板は、金属支持層20と、金属支持層20上に設けられた絶縁層10と、絶縁層10上に設けられ、アクチュエータ素子104の電極104a、104bに半田部材105を介して接続される素子接続端子45、46を有する配線層40と、を備えている。金属支持層20には、アクチュエータ素子104を収容する収容開口部25が設けられている。絶縁層10には、素子接続端子45、46を収容開口部25に露出させるとともに半田部材105が収容される端子開口部11が設けられている。端子開口部11の幅は、実装されるアクチュエータ素子104の幅の80%以上120%以下となっている。
【選択図】図4
Description
本発明は、サスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブに係り、とりわけ、アクチュエータ素子の位置ずれを抑制できるとともにアクチュエータ素子の一対の電極が短絡することを防止できるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブに関する。
一般に、ハードディスクドライブ(HDD)は、データが記憶されるディスクに対してデータの書き込みおよび読み取りを行う磁気ヘッドスライダ(以下、単にヘッドスライダと記す)が実装されたサスペンション用基板(フレキシャー)を備えている。このサスペンション用基板は、ヘッドスライダが実装されるヘッド領域から、FPC基板(フレキシブルプリント基板)に接続されるテール領域に延びるように形成されており、金属支持層と、金属支持層に絶縁層を介して積層された複数の配線を有する配線層と、を備え、各配線に電気信号を流すことにより、ディスクに対してデータの書き込みまたは読み取りを行うようになっている。
このようなハードディスクドライブにおいては、ディスク上の所望のデータトラックにヘッドスライダを移動させるために、ヘッドスライダを支持するアクチュエータアームを回動させるVCMアクチュエータ(ボイスコイルモータ)を、サーボコントロールシステムによって制御している。
ところで、近年、ディスクの容量増大の要求が高まっている。この要求に応えるために、ディスクが高密度化されて、トラックの幅が小さくなっている。このため、VCMアクチュエータによって、ヘッドスライダを所望のトラックに精度良く位置合わせすることが困難な場合がある。
このことに対処するために、VCMアクチュエータとPZTマイクロアクチュエータとを協働させて、所望のトラックにヘッドスライダを移動させるデュアルアクチュエータ(Dual Stage Actuator:DSA)方式のサスペンションが知られている(例えば、特許文献1参照)。このPZTマイクロアクチュエータは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなるピエゾ素子(圧電素子)により構成され、電圧が印加されることにより伸縮し、ヘッドスライダを微小に移動させるようになっている。このようなデュアルアクチュエータ方式のサスペンションにおいては、VCMアクチュエータが、ヘッドスライダの位置を大まかに調整し、PZTマイクロアクチュエータが、ヘッドスライダの位置を微小調整する。このようにして、ヘッドスライダを、所望のトラックに、迅速に、かつ精度良く位置合わせするようになっている。
しかしながら、特許文献1に示すサスペンションにおいては、ピエゾ素子は、比較的厚さの厚いベースプレートに実装されている。このことにより、ピエゾ素子の厚さが厚くなり、ピエゾ素子のコストが高くなるという問題があった。また、ピエゾ素子の厚さが厚くなる場合、ピエゾ素子の質量が増大する。このため、ハードディスクドライブにおいてディスクを回転している間、ディスクの回転により生じる気流の乱れ(風乱)によって振動するサスペンションの振動特性が悪化するという問題もあった。さらに、この場合、サスペンションのロード時(動き出し時)、アンロード時(退避時)の耐衝撃性が低下するという問題もあった。
このようなことに対処するため、特許文献2および3に示すように、ピエゾ素子を、サスペンション用基板のヘッド領域に実装させたサスペンションが提案されている。この場合、ピエゾ素子の厚さを薄くすることが可能となる。またこの場合、ピエゾ素子をヘッドスライダの近傍に配置することができるため、ヘッドスライダの位置合わせの精度向上を図ることができる。とりわけ特許文献3においては、ピエゾ素子がヘッドスライダの下方に配置されるため、ヘッドスライダの位置合わせの精度をより一層向上させることが可能となる。
このようなピエゾ素子の接続パッドは、特許文献3においては、導体層の接続パッドに半田接合されている。ここでは、半田は、導体層とピエゾ素子との間に介在された絶縁層に設けられた開口部に収容されている。
しかしながら、絶縁層の開口部の幅がピエゾ素子の接続パッドの幅より小さい場合、半田接合時にピエゾ素子が位置ずれするという問題がある。ここで、図12を用いて具体的に説明する。
図12(a)には、導体層200の接続パッド201を露出させる絶縁層210の開口部211の幅w1がピエゾ素子220の幅w2より小さい場合の接続構造が示されている。この場合、まず、導体層200の接続パッド201上に半田ペースト(クリーム半田ともいう)230が塗布される(図12(b)参照)。半田ペースト230は、微細な粉末状の半田粒231がフラックスによってペースト状に形成されたものである。続いて、ピエゾ素子220が所定の位置にセットされる。その後、半田ペースト230が加熱される。このことにより半田ペースト230の半田粒231が溶融してリフローし、導体層200の接続パッド201およびピエゾ素子220の接続パッドにそれぞれ溶着される(図12(c)参照)。このようにして、導体層200の接続パッド201がピエゾ素子220の接続パッドに半田接合される。
しかしながら、半田が絶縁層210の開口部211に適量供給されてリフロー時に溶融した場合、一般に半田は当該開口部211の幅以上に広がることはない。このことにより、絶縁層210の開口部211の幅がピエゾ素子220の幅より小さい場合、溶融した半田がピエゾ素子220の接続パッドの全体に濡れ広がろうとする力がピエゾ素子220に作用し、ピエゾ素子220が幅方向に移動し得る。そして、通常、ピエゾ素子220の接続パッドの縁が絶縁層210の開口部211の縁に達したときに、ピエゾ素子220の移動が停止する。このようにして、ピエゾ素子220が所定の位置からピエゾ素子220の幅方向に移動して位置ずれする場合がある。この場合、位置ずれ量の程度によっては、ピエゾ素子220の伸縮力が所望の方向とは異なる方向に作用し、ヘッドスライダを所望の位置に変位させることが困難になる。
一方、図13(a)に示すように、絶縁層210の開口部211の幅w1がピエゾ素子220の幅w2より大きい場合、溶融した半田によるセルフアライメント効果が働き、ピエゾ素子220の位置ずれを防止できる。
しかしながら、この場合、図13(b)に示すように、半田ペースト230が、ピエゾ素子220の幅方向外側にも塗布されるため、リフロー時に、図13(c)に示すように、ピエゾ素子220の幅方向外側に半田のフィレット232が形成され得る。ピエゾ素子220の側面にはピエゾ素子220の一対の電極が露出されているため、ピエゾ素子220の幅方向外側に半田のフィレット232が形成された場合、ピエゾ素子220の一対の電極が短絡(ショート)するおそれがある。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、アクチュエータ素子の位置ずれを抑制できるとともにアクチュエータ素子の一対の電極が短絡することを防止できるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブを提供することを目的とする。
本発明は、ヘッドスライダと、半田部材を用いて接続可能な一対の電極を有し、前記ヘッドスライダを変位させる伸縮可能なアクチュエータ素子と、が実装されるサスペンション用基板であって、金属支持層と、前記金属支持層上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられ、前記アクチュエータ素子の前記電極に前記半田部材を介して接続される素子接続端子を有する配線層と、を備え、前記金属支持層に、前記アクチュエータ素子を収容する収容開口部が設けられ、前記絶縁層に、前記素子接続端子を前記収容開口部に露出させるとともに前記半田部材が収容される端子開口部が設けられ、前記端子開口部の幅は、実装される前記アクチュエータ素子の幅の80%以上120%以下であることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
なお、上述したサスペンション用基板において、前記端子開口部の幅は、実装される前記アクチュエータ素子の幅の96%以上である、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記端子開口部の幅は、実装される前記アクチュエータ素子の幅と同一である、ようにしてもよい。
また、上述したサスペンション用基板において、前記端子開口部は、前記アクチュエータ素子が実装された場合に、前記アクチュエータ素子の伸縮方向の端面より前記アクチュエータ素子の外側に延びる、ようにしてもよい。
本発明は、上述したサスペンション用基板と、前記サスペンション用基板に実装された前記アクチュエータ素子と、を備え、前記アクチュエータ素子の前記電極は、前記端子開口部に収容された前記半田部材を介して前記素子接続端子に接続されていることを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明は、上述したサスペンションと、前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンションを提供する。
本発明は、上述したヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、アクチュエータ素子の位置ずれを抑制できるとともにアクチュエータ素子の一対の電極が短絡することを防止できる。
図1乃至図9を用いて、本発明の実施の形態におけるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブについて説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1に示すように、ヘッド付サスペンション111は、サスペンション101と、サスペンション用基板1のヘッド領域2に実装されたヘッドスライダ112と、を備えている。このうちヘッドスライダ112は、後述するディスク123(図6参照)に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うためのものであり、後述するサスペンション用基板1のヘッド領域2に接着剤を用いて接合されている。なお、ヘッドスライダ112のスライダ端子(図示せず)は、スライダ用半田部材によってヘッド端子41に電気的に接続されている。
サスペンション101は、ベースプレート102と、ベースプレート102上に取り付けられたロードビーム103と、ロードビーム103に取り付けられたサスペンション用基板1と、サスペンション用基板1のヘッド領域2に実装された一対のピエゾ素子(アクチュエータ素子)104と、を備えている。このうちベースプレート102およびロードビーム103は、いずれも、好適にはステンレスにより形成され、互いに溶接されて固定されている。
また、ロードビーム103は、サスペンション用基板1の金属支持層20(後述)に、溶接により取り付けられるようになっている。なお、ロードビーム103には、治具孔(図示せず)が設けられており、サスペンション用基板1には、図1に示すように、当該ロードビーム103の治具孔とアライメント(位置合わせ)を行うための治具孔5が設けられている。このことにより、サスペンション用基板1にロードビーム103を取り付ける際に、サスペンション用基板1とロードビーム103との位置合わせを行うことができるようになっている。ロードビーム103の治具孔およびサスペンション用基板1の治具孔5は、図1に示す長手方向軸線(X)上に配置されている。
図1および図2に示すように、ピエゾ素子104は、長手方向(図2のP方向)に伸縮可能に構成されている。これにより、一対のピエゾ素子104は、ヘッドスライダ112をスウェイ方向(旋回方向、図2の矢印Q方向)に変位させることができるようになっている。
ここで、ピエゾ素子104の構造についてより具体的に説明する。図3に示すように、ピエゾ素子104は、一対の電極(第1電極104a、第2電極104b)と、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスからなる圧電材料部104cと、を有している。各電極104a、104bは、サスペンション用基板1の後述する素子接続端子45、46に接続される接続パッド(第1接続パッド104d、第2接続パッド104e)をそれぞれ含んでいる。一対の接続パッド104d、104eは、圧電材料部104cの絶縁層10の側の面において、伸縮方向(長手方向)における両端部に形成され、後述する絶縁層10の端子開口部11に収容された半田部材105を介して素子接続端子45、46に接続されている(図4参照)。
各電極104a、104bは、ピエゾ素子104の一方の端部から他方の端部に向って伸縮方向に延び、一方の電極104aと他方の電極104bとの間に所定のギャップを介在させるように形成されている。これらの電極104a、104bの間に、圧電材料部104cの材料が介在されている。電極104a、104bは、ピエゾ素子104の平面方向にも延びており、ピエゾ素子104の側面104f、104g(図5参照)で外部に露出されている。すなわち、接続パッド104d、104eを含む電極104a、104bは、ピエゾ素子104の全幅にわたって形成されており、接続パッド104d、104eの幅は、ピエゾ素子104の幅と同一となっている。
ところで、一対のピエゾ素子104の圧電材料部104cは、互いに180°異なる分極方向となるように形成されており、所定の電圧が印加されると、一方のピエゾ素子104が収縮すると共に、他方のピエゾ素子104が伸長するようになっている。すなわち、ピエゾ素子104は、電極104a、104b間に所定の電圧が印加されることにより図2の矢印P方向に伸縮可能な圧電素子として構成されている。
このようなピエゾ素子104は、図1に示すように、長手方向軸線(X)に沿って細長の矩形状に形成されており、その伸縮方向が、当該長手方向軸線(X)に平行となっている。また、ピエゾ素子104は、長手方向軸線(X)に対して互いに線対称に配置されており、各ピエゾ素子104の伸縮が、ヘッドスライダ112に均等に伝達されるようになっている。
半田部材105には、融点が低い材料を用いることが好適である。このことにより、半田部材を溶融させるために加熱する際、加熱温度を低減することができ、ピエゾ素子104の温度が上昇することにより圧電材料部104cの分極が消失されることを防止できる。このような半田部材としては、例えば、Sn(錫)とBi(ビスマス)とを含有するSn−Bi系半田材料により形成することが好適である。Biを含有させることにより、半田材料の融点を低くすることができる。例えば、Sn−Bi系半田材料のうち融点が180℃以下の半田材料としては、35重量(wt)%以上70重量%以下のBiを含有したSn−Bi系半田材料が挙げられる。また、融点が160℃以下の半田材料としては、50重量%以上63重量%以下のBiを含有したSn−Bi系半田材料が挙げられる。特に、半田部材は、58重量%(wt%)のBiを含有するSn−58Bi系半田材料により形成されていることが好適である。58重量%のBiを含有させた場合、Sn−Bi系半田材料の中でも最も低い融点(共晶点、139℃)を有する半田材料とすることができ、分極の消失をより一層防止することができる。なお、半田部材は、Sn−58Bi系半田材料以外にも、例えば、Sn−57Bi−1Ag系半田材料により形成されていてもよい。この場合、Ag(銀)を含有させることにより、融点の低い半田材料の強度を増大させることができる。
このような半田部材105を用いてピエゾ素子104の電極104a、104bを素子接続端子45、46に接続することにより、接合信頼性を向上させることができる。すなわち、半田部材105の代わりに銀ペーストを用いることもできるが、半田部材105の方が銀ペーストよりも接着力を向上させることができる。このため、半田部材105と素子接続端子45、46との接触面積が小さい場合であっても、半田部材105と素子接続端子45、46との接合信頼性を向上させることができる。また、銀ペーストを用いる場合には、銀ペーストを構成する銀フィラーが飛散して、ハードディスクドライブ121内の汚染源になる可能性があるが、半田部材105を用いる場合には、このような汚染を回避できる。
次に、サスペンション用基板1について説明する。
図1に示すように、サスペンション用基板1は、ヘッドスライダ112とピエゾ素子104とが実装されるヘッド領域(ジンバル領域)2と、FPC基板(外部接続基板)131が接続されるテール領域3と、を有している。ヘッド領域2には、ヘッドスライダ112に接続される複数のヘッド端子41が設けられ、テール領域3には、FPC基板131に接続される複数のテール端子(外部接続基板端子)42が設けられている。ヘッド端子41とテール端子42とは、後述する複数の信号配線43によってそれぞれ接続されている。
図1、図2および図4に示すように、サスペンション用基板1は、金属支持層20と、金属支持層20上に設けられた絶縁層10と、絶縁層10上に設けられ、複数の配線43、44を有する配線層40と、を備えている。すなわち、金属支持層20に、絶縁層10を介して配線層40が積層されている。絶縁層10上には、配線43、44を覆う保護層50が設けられている。上述したヘッドスライダ112は、サスペンション用基板1の保護層50の側(保護層50上)に配置され、ピエゾ素子104は、金属支持層20の側に配置されている。なお、図1および図2においては、図面を明瞭にするために、保護層50は省略している。
金属支持層20は、図2および図4に示すように、金属支持層本体21と、ヘッド領域2に配置され、ヘッドスライダ112が取り付けられたタング部22と、を有している。金属支持層本体21とタング部22とは、長手方向軸線(X)に沿って延びる中央連結部24によって連結されている。中央連結部24の幅は小さくなっており、これにより中央連結部24は柔軟性を有し、ヘッドスライダ112のピボット運動が阻害されることを防止すると共に、ピエゾ素子104の伸縮動作が阻害されることを防止している。
ヘッド領域2において、金属支持層20に、ピエゾ素子104を収容する収容開口部25が設けられている。収容開口部25は、中央連結部24の両側に配置されている。すなわち、一対の収容開口部25の間に中央連結部24が配置されている。本実施の形態においては、収容開口部25の外側(中央連結部24の側とは反対側)には、金属支持層20を構成する部材は形成されていない。しかしながら、ピエゾ素子104の伸縮動作に支障が無ければ、収容開口部25の外側に、金属支持層20を構成する部材が形成されていてもよい。
配線層40は、複数の配線、すなわち、一対の読取配線と一対の書込配線とを含む信号配線43と、ピエゾ素子104に接続される一対の素子配線44と、を有している。このうち、信号配線43は、ヘッド端子41とテール端子42とを接続しており、この信号配線43に電気信号が流されることによって、ヘッドスライダ112がディスク123(図6参照)に対してデータの書き込みまたは読み取りを行うようになっている。テール端子42から延びる素子配線44は、第2素子接続端子46に接続されており、ピエゾ素子104の第2電極104bに所定の電圧を印加するようになっている。
配線層40は、ピエゾ素子104の第1電極104aに接続される第1素子接続端子45と、ピエゾ素子104の第2電極104bに接続される第2素子接続端子46と、を有している。このうち、第1素子接続端子45は、ピエゾ素子104の第1電極104aの第1接続パッド104dを接地している。すなわち、第1素子接続端子45は、ピエゾ素子104の接地をとるためのものとなっており、後述の導電接続部60を介して、金属支持層20のタング部22に電気的に接続されている。第2素子接続端子46は、上述したように、ピエゾ素子104の第2電極104bの第2接続パッド104eに所定の電圧を印加するためのものとなっており、第2素子接続端子46には、素子配線44が接続されている。
図4に示すように、絶縁層10に、素子接続端子45、46を収容開口部25の側に露出させる端子開口部11が設けられている。素子接続端子45、46のうち端子開口部11に露出された部分に、ニッケル(Ni)めっきおよび金(Au)めっきがこの順に施されて形成されためっき層(図示せず)が設けられている。このことにより、素子接続端子45、46が腐食することを防止するとともに、ピエゾ素子104の電極104a、104bと素子接続端子45、46との接続抵抗を低減している。なお、ヘッド端子41およびテール端子42にも、同様にして、めっき層が設けられている。
図4に示すように、端子開口部11には、ピエゾ素子104と素子接続端子45、46とを電気的に接続する上述した半田部材105が収容される。端子開口部11に半田部材105を収容する方法としては、半田粒106(図7(a)参照)を有する半田ペーストを端子開口部11内に印刷法で塗布する方法が好適である。半田ペーストは、微細な粉末状の半田粒106がフラックスによってペースト状に形成されたものである。このような半田ペーストを半田部材105とすることができる。この場合、半田粒106が溶融することによって、ピエゾ素子104の電極104a、104bと配線層40の素子接続端子45、46とが電気的に接続される。
端子開口部11は、図5に示すように、平面視で矩形状に形成されており、端子開口部11の幅w1は、実装されるピエゾ素子104の幅w2の80%以上120%以下となっている。とりわけ、端子開口部11の幅w1は、ピエゾ素子104の幅w2の96%以上、さらには、図5に示すように、ピエゾ素子104の幅w2と同一であることが好ましい。ここで、同一とは、厳密に同一という意味に限られることはなく、同一とみなすことができる程度の製造誤差等を含む意味として用いている。また、平面視とは、金属支持層20と絶縁層10と配線層40とが積層された積層方向から見た状態、より具体的には、図1、図2、図5などに示された状態を意味する。なお、図5では、一例として、第2素子接続端子46の側における端子開口部11とピエゾ素子104との関係を示しているが、第1素子接続端子45の側における端子開口部11とピエゾ素子104との関係も同様にすることができる(後述する図8、図10および図11も同様である)。また、図5では、第2素子接続端子46の下方に素子配線44が形成されている例を示しているが、図1および図2に示すように、素子配線44は、第2素子接続端子46の側方に形成されていてもよい。
また、本実施の形態においては、端子開口部11が全体的にピエゾ素子104で覆われるようになっている。すなわち、端子開口部11は、ピエゾ素子104の伸縮方向(長手方向)の端面104hよりピエゾ素子104の外側(図5における下側)に突出していない。
上述したように、第1素子接続端子45は、絶縁層10および第1素子接続端子45を貫通する導電接続部(ビア)60によって、金属支持層20のタング部22に電気的に接続されている。導電接続部60は、絶縁層10および第1素子接続端子45に形成された貫通孔(図示せず)にニッケルめっきまたは銅めっきを施すことにより形成することが好適である。このようにして、第1素子接続端子45が接地されるようになっている。
次に、サスペンション用基板1の各層を構成する材料について詳細に述べる。
絶縁層10の材料としては、所望の絶縁性を有する材料であれば特に限定されることはないが、例えば、ポリイミド(PI)を用いることが好適である。なお、絶縁層10の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。また、絶縁層10の厚さは、5μm以上10μm以下であることが好ましい。このことにより、金属支持層20と各配線43、44との間の絶縁性能を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての剛性が喪失されることを防止することができる。
配線層40の各配線43、44は、電気信号を伝送するための導体として構成されており、各配線43、44の材料としては、所望の導電性を有する材料であれば特に限定されることはないが、銅(Cu)を用いることが好適である。銅以外にも、純銅に準ずる電気特性を有する材料であれば用いることもできる。ここで、各配線43、44の厚さは、5μm以上18μm以下であることが好ましい。このことにより、各配線43、44の伝送特性を確保するとともに、サスペンション用基板1全体としての柔軟性が喪失されることを防止することができる。なお、ヘッド端子41、テール端子42および素子接続端子45、46は、各配線43、44と同一の材料、同一の厚みとなっており、配線層40を構成している。
金属支持層20の材料としては、所望の導電性、弾力性、および強度を有するものであれば特に限定されることはないが、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、ベリリウム銅、またはその他の銅合金を用いることができ、このうちステンレスを用いることが好適である。金属支持層20の厚さは、15μm以上20μm以下であることが好ましい。このことにより、金属支持層20の導電性、弾力性、および強度を確保することができる。
保護層50の材料としては、樹脂材料、例えば、ポリイミドを用いることが好適である。なお、保護層50の材料は、感光性材料であっても非感光性材料であっても用いることができる。保護層50の厚さは、配線43、44上において3μm以上10μm以下であることが好ましい。
次に、図6により、本実施の形態におけるハードディスクドライブ121について説明する。図6に示すハードディスクドライブ121は、ケース122と、このケース122に回転可能に取り付けられ、データが記憶されるディスク123と、このディスク123を回転させるスピンドルモータ124と、ディスク123に所望のフライングハイトを保って近接するように設けられ、ディスク123に対してデータの書き込みおよび読み取りを行うヘッドスライダ112を含むヘッド付サスペンション111と、を有している。このうちヘッド付サスペンション111は、ケース122に対して移動可能に取り付けられており、ケース122にはヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112をディスク123上に沿って移動させるボイスコイルモータ125が取り付けられている。また、ヘッド付サスペンション111は、ボイスコイルモータ125にアーム126を介して取り付けられると共に、ハードディスクドライブ121を制御する制御部(図示せず)に接続されたFPC基板131(図1参照)に接続されている。このようにして、電気信号が、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、制御部とヘッドスライダ112との間で伝送されるようになっている。
次に、本実施の形態によるサスペンション用基板1の製造方法について説明する。ここでは、一例として、サブトラクティブ方によりサスペンション用基板1を製造する場合について説明するが、アディティブ法により製造することもできる。
まず、金属支持層20と絶縁層10と配線層40とが積層された積層体(図示せず)を準備する。続いて、配線層40が、所望の形状にエッチングされて、ヘッド端子41、テール端子42、配線43、44、および素子接続端子45、46が形成される。このうちヘッド端子41および素子接続端子45、46は、ヘッド領域2に形成される。次に、絶縁層10上に、各配線43、44を覆う保護層50が所望の形状で形成される。続いて、絶縁層10が所望の形状にエッチングされる。この際、ヘッド領域2において、絶縁層10に端子開口部11が形成される。その後、金属支持層20が所望の形状にエッチングされて外形加工され、ヘッド領域2において、金属支持層20にタング部22および収容開口部25が形成される。このようにして、本実施の形態によるサスペンション用基板1が得られる。
次に、ピエゾ素子104を実装する方法を含む、本実施の形態によるサスペンション101の製造方法について説明する。
まず、ベースプレート102(図1参照)に、ロードビーム103を介して、上述のサスペンション用基板1が、溶接により取り付けられる。この場合、まず、ベースプレート102にロードビーム103が溶接により固定され、続いて、ロードビーム103に設けられた治具孔(図示せず)と、サスペンション用基板1に設けられた治具孔5とにより、ロードビーム103とサスペンション用基板1とのアライメントが行われる。その後、サスペンション用基板1の金属支持層20に溶接が施されて、ロードビーム103とサスペンション用基板1が互いに接合されて固定される。
次に、ピエゾ素子104が実装される。ピエゾ素子104の実装方法について図7を用いて説明する。
まず、図7(a)に示すように、端子開口部11に半田部材105が収容される。具体的には、端子開口部11内に、印刷法によって半田粒106を有する半田ペーストが塗布される。
続いて、図7(b)に示すように、金属支持層20の収容開口部25にピエゾ素子104が収容される。この際、ピエゾ素子104の接続パッド104d、104eが、塗布された半田部材105に接して平面視で重なるようにピエゾ素子104が所定の位置に配置される。
次に、図7(c)に示すように、半田部材105が加熱される。このことにより、半田粒106が溶融してリフローし、第1素子接続端子45上の半田粒106が、ピエゾ素子104の第1電極104aの第1接続パッド104dと、第1素子接続端子45に溶着される。このようにして、ピエゾ素子104の第1接続パッド104dが第1素子接続端子45に半田接合される。同様に、第2素子接続端子46上の半田粒106が、ピエゾ素子104の第2電極104bの第2接続パッド104eと第2素子接続端子46に溶着される。このようにして、ピエゾ素子104の第2接続パッド104eが第2素子接続端子46に半田接合される。
リフロー時、端子開口部11の幅がピエゾ素子104の幅の80%以上120%以下となっていることにより、ピエゾ素子104が、幅方向に位置ずれすることが抑制されるとともに、ピエゾ素子104の一対の電極104a、104bが短絡することを防止できる。
すなわち、端子開口部11の幅がピエゾ素子104の幅の80%以上100%未満である場合、リフロー時に溶融した半田が、端子開口部11の幅より大きい幅を有するピエゾ素子104の接続パッド104d、104eの全体に濡れ広がろうとする力が、ピエゾ素子104に作用してピエゾ素子104が移動する。ここで、図8に示すように、ピエゾ素子104が図8に示す左方向に移動した場合、ピエゾ素子104の移動は、ピエゾ素子104の移動方向とは反対側の側面104gが端子開口部11の縁に達したときに停止し得る。このような理論によれば、端子開口部11の幅がピエゾ素子104の幅の80%以上100%未満である場合、ピエゾ素子104の幅方向の移動量(位置ずれ量)をピエゾ素子104の幅の10%以内に抑制できるということができる。一般に、ピエゾ素子104の幅方向の位置ずれ量は、ピエゾ素子104の幅の10%以内であれば許容される。このため、ピエゾ素子104を許容範囲内に配置することができ、ピエゾ素子104が実装不良として扱われることを回避できる。
ここで、本実施の形態によるサスペンション用基板1に実装されたピエゾ素子104の位置ずれ量を測定した結果を図9に示す。図9では、各サスペンション用基板1の素子接続端子45、46にピエゾ素子104を半田接合し、ピエゾ素子104の幅方向の所定の位置(目標値)からの位置ずれ量をそれぞれ測定した。図9には、測定された位置ずれ量の絶対値が実施例としてプロットされており、合計で20個の測定データが示されている。
なお、ピエゾ素子104の幅は230μmとし、端子開口部11の幅は220μmとした。この場合、端子開口部11の幅は、ピエゾ素子104の幅の約96%となっている。
また、比較例として、端子開口部11の幅を140μmとした場合のピエゾ素子104の幅方向の位置ずれ量も本実施例と同様に測定して、合計で20個の測定データを図9に示すグラフにプロットした。比較例における端子開口部11の幅は、ピエゾ素子104の幅の約61%となっている。
図9に示されているデータには、ばらつきが見られ、ピエゾ素子104の位置ずれ量が、理論的に考えられる値よりも大きいデータが含まれているということができる。このばらつきは、何らかの理由により、ピエゾ素子104の側面104fまたは104gが端子開口部11の縁を越えて位置ずれを大きくする方向に移動したこと、ピエゾ素子104が傾いたことなどによるものと考えることができる。また、位置ずれ量の測定は、サスペンション用基板1の治具孔5(図1参照)を用いて行っているため、この治具孔5の位置や形状の精度によってもピエゾ素子104の位置ずれ量のデータにばらつきが生じ得るものと考えられる。
しかしながら、図9にも示されているように、比較例においては、ピエゾ素子104の幅方向の位置ずれ量の平均値が約24μmとなったが、これに対して本実施例においては、ピエゾ素子104の幅方向の位置ずれ量の平均値が約9μmとなった。このことにより、端子開口部11の幅を、ピエゾ素子104の幅に近づけることにより、実装されるピエゾ素子104の幅方向の位置ずれ量が低減され、ピエゾ素子104の幅方向の位置ずれ量を抑制できることが確認できた。
また、図9にも示されているように、比較例におけるピエゾ素子104の位置ずれ量のばらつき範囲よりも、本実施例におけるピエゾ素子104の位置ずれ量のばらつき範囲が小さくなっていることがわかる。言い換えると、本実施例においては、20回の測定により得られたピエゾ素子104の位置ずれ量の最大値が、約22μmとなっており、ピエゾ素子104の位置ずれ量を22μm以内に抑えることができている。一般に、ピエゾ素子104の幅が230μmの場合、ピエゾ素子104の位置ずれ量の許容最大値はピエゾ素子104の幅の10%である23μmとなるため、図9に示す結果によれば、全てのピエゾ素子104を許容範囲内に配置することができ、ピエゾ素子104が実装不良として扱われることを回避できる。すなわち、端子開口部11の幅を、ピエゾ素子104の幅に近づけることにより、ピエゾ素子104の位置ずれ量が、ピエゾ素子104の位置ずれ量の一般的な許容値であるピエゾ素子104の幅の10%を超えてばらつくことを抑制し、実装不良として扱われる確率を低減できる。
また、端子開口部11の幅がピエゾ素子104の幅の80%以上100%未満である場合、ピエゾ素子104の幅方向外側に、溶融した半田によるフィレット(図13(c)の符号232参照)が形成されることを防止できる。このため、ピエゾ素子104の側面104f、104gで露出する一対の電極104a、104bが、半田のフィレットによって短絡することを防止できる。
一方、端子開口部11の幅がピエゾ素子104の幅の100%を超えて120%以内である場合、端子開口部11の幅をピエゾ素子104の幅より大きくすることができる。このことにより、溶融した半田によるセルフアライメント効果が働き、ピエゾ素子104の幅方向の位置ずれは防止され、ピエゾ素子104を所定の位置に配置することができる。また、この場合、ピエゾ素子104の幅方向外側に半田のフィレット(図13(c)の符号232参照)が形成され得るが、端子開口部11の幅がピエゾ素子104の幅の120%以内であることから、形成されるフィレットの高さを低減することができる。このことにより、ピエゾ素子104の側面104f、104gで露出する一対の電極104a、104bが、半田のフィレットによって短絡することを防止できる。
さらに、端子開口部11の幅がピエゾ素子104の幅と同一である場合には、溶融した半田によるセルフアライメント効果が働き、ピエゾ素子104の幅方向の位置ずれは防止され、ピエゾ素子104を所定の位置に配置することができる。また、ピエゾ素子104の幅方向外側に、溶融した半田によるフィレット(図13(c)の符号232参照)が形成されることを防止でき、ピエゾ素子104の一対の電極104a、104bが短絡することを防止できる。
このようにして、ピエゾ素子104が、幅方向に位置ずれすることが抑制されるとともに、ピエゾ素子104の一対の電極104a、104bが短絡することを防止できるサスペンション101が得られる。
次に、上述のようにして得られたサスペンション101にヘッドスライダ112が実装されて、本実施の形態によるヘッド付サスペンション111が得られる。この場合、例えば、ソルダージェット法により、ヘッド端子41上に、溶融した半田材料が供給される。このことにより、ヘッド端子41上に供給された半田材料がヘッドスライダ112のスライダ端子とヘッド端子41に溶着されてスライダ用半田部材が形成され、ヘッド端子41にヘッドスライダ112のスライダ端子が半田接合される。このようにして、ヘッドスライダ112がサスペンション用基板1に実装される。
さらに、このヘッド付サスペンション111がハードディスクドライブ121のアーム126に取り付けられると共に、サスペンション用基板1のテール端子42にFPC基板131(図1参照)が接続されて、図6に示すハードディスクドライブ121が得られる。
図6に示すハードディスクドライブ121においてデータの書き込みおよび読み取りを行う際、スピンドルモータ124によってディスク123が回転し、ボイスコイルモータ125によってヘッド付サスペンション111のヘッドスライダ112がディスク123に沿って移動する。この際、ヘッドスライダ112は、ディスク123の回転により生じた気流の影響を受けて、タング部22と共にピボット運動を行いながら、ディスク123に所望のフライングハイトを保って浮上する。この状態で、ヘッドスライダ112とディスク123との間で、データの受け渡しが行われる。この間、サスペンション用基板1とFPC基板131を介して、FPC基板131に接続されている制御部(図示せず)とヘッドスライダ112との間で電気信号が伝送される。このような電気信号は、サスペンション用基板1においては、各信号配線43によって、ヘッド端子41(図1参照)とテール端子42との間で伝送される。
ヘッドスライダ112を移動させる際、ボイスコイルモータ125が、ヘッドスライダ112の位置を大まかに調整し、ピエゾ素子104が、ヘッドスライダ112の位置を微小調整する。すなわち、ピエゾ素子104の第2電極104bに所定の電圧を印加することにより、長手方向軸線(X)に沿った方向(図2の矢印P方向)に、一方のピエゾ素子104が収縮すると共に他方のピエゾ素子104が伸長する。この場合、ピエゾ素子104には、素子配線44、第2素子接続端子46および半田部材105を介して所定の電圧が入力される。
ピエゾ素子104が伸縮すると、ヘッド領域2に実装されているヘッドスライダ112がスウェイ方向(図2の矢印Q方向)に移動する。この場合、ピエゾ素子104は精度良く配置されて実装されているため、ヘッドスライダ112を、ディスク123の所望のトラックに、精度良く位置合わせすることができる。
このように本実施の形態によれば、半田部材105が収容される絶縁層10の端子開口部11の幅が、実装されるピエゾ素子104の幅の80%以上120%以下となっている。このことにより、端子開口部11の幅をピエゾ素子104の幅に近づけることができる。このため、ピエゾ素子104が幅方向に位置ずれすることを抑制できる。
また本実施の形態によれば、ピエゾ素子104の幅方向外側に溶融した半田によって形成され得るフィレットの高さを低減することができる。このことにより、フィレットによってピエゾ素子104の側面104f、104gで露出された一対の電極104a、104bが短絡することを防止できる。
また、端子開口部11の幅が実装されるピエゾ素子104の幅の96%以上である場合、ピエゾ素子104の幅方向の位置ずれ量をより一層抑制できる。さらに、端子開口部11の幅が実装されるピエゾ素子104の幅と同一である場合には、溶融した半田によるセルフアライメント効果によりピエゾ素子104の幅方向の位置ずれをより一層防止することができる。また、ピエゾ素子104の幅方向外側にフィレットが形成されることをより一層防止でき、ピエゾ素子104の一対の電極104a、104bが短絡することをより確実に防止できる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるサスペンション用基板、サスペンション、ヘッド付サスペンションおよびハードディスクドライブは、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上述した本実施の形態においては、端子開口部11が、ピエゾ素子104の伸縮方向(長手方向)の端面104hよりピエゾ素子104の外側(図5における下側)に突出していない例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図10および図11に示すように、端子開口部11が、ピエゾ素子104の伸縮方向の端面104hよりピエゾ素子104の外側(図10における下側)に突出していてもよい。この場合、ピエゾ素子104の伸縮方向の端面104hより外側に、溶融した半田のフィレット107を形成することができる。形成されたフィレット107は、ピエゾ素子104の伸縮方向の端面104hに付着して、ピエゾ素子104の伸縮方向移動を規制することができる。このため、ピエゾ素子104が伸縮方向に位置ずれすることを防止できる。
1 サスペンション用基板
10 絶縁層
11 端子開口部
20 金属支持層
25 収容開口部
40 配線層
45 第1素子接続端子
46 第2素子接続端子
101 サスペンション
104 ピエゾ素子
104a、104b 電極
104h 端面
105 半田部材
111 ヘッド付サスペンション
112 ヘッドスライダ
121 ハードディスクドライブ
10 絶縁層
11 端子開口部
20 金属支持層
25 収容開口部
40 配線層
45 第1素子接続端子
46 第2素子接続端子
101 サスペンション
104 ピエゾ素子
104a、104b 電極
104h 端面
105 半田部材
111 ヘッド付サスペンション
112 ヘッドスライダ
121 ハードディスクドライブ
Claims (7)
- ヘッドスライダと、半田部材を用いて接続可能な一対の電極を有し、前記ヘッドスライダを変位させる伸縮可能なアクチュエータ素子と、が実装されるサスペンション用基板であって、
金属支持層と、
前記金属支持層上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層上に設けられ、前記アクチュエータ素子の前記電極に前記半田部材を介して接続される素子接続端子を有する配線層と、を備え、
前記金属支持層に、前記アクチュエータ素子を収容する収容開口部が設けられ、
前記絶縁層に、前記素子接続端子を前記収容開口部に露出させるとともに前記半田部材が収容される端子開口部が設けられ、
前記端子開口部の幅は、実装される前記アクチュエータ素子の幅の80%以上120%以下であることを特徴とするサスペンション用基板。 - 前記端子開口部の幅は、実装される前記アクチュエータ素子の幅の96%以上であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
- 前記端子開口部の幅は、実装される前記アクチュエータ素子の幅と同一であることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション用基板。
- 前記端子開口部は、前記アクチュエータ素子が実装された場合に、前記アクチュエータ素子の伸縮方向の端面より前記アクチュエータ素子の外側に延びることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサスペンション用基板。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の前記サスペンション用基板と、
前記サスペンション用基板に実装された前記アクチュエータ素子と、を備え、
前記アクチュエータ素子の前記電極は、前記端子開口部に収容された前記半田部材を介して前記素子接続端子に接続されていることを特徴とするサスペンション。 - 請求項5に記載のサスペンションと、
前記サスペンションに実装された前記ヘッドスライダと、を備えたことを特徴とするヘッド付サスペンション。 - 請求項6に記載の前記ヘッド付サスペンションを備えたことを特徴とするハードディスクドライブ。
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170711 |