JP6391999B2 - 積層デバイスの製造方法 - Google Patents

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本発明は、複数のデバイスが積層された積層デバイスの製造方法に関する。
近年、新たな三次元実装技術として、ワイヤの代わりにSi貫通電極(Through−Silicon Via:TSV)を用いた実装技術が注目されている。TSV技術を用いると、配線長がワイヤより短いため配線抵抗やインダクタンスが大幅に低減でき、消費電力も大幅に低減できるというメリットがある。一方、半導体デバイスチップの積層方法として、複数の半導体ウェーハ同士を積層し、積層したウェーハを貫く貫通電極を形成してウェーハ同士を接続する積層方法が開発されつつある(Wafer on wafer:WOW、例えば特許文献1)。
WOWにて3枚以上の複数枚のウェーハを積層する場合、ベースウェーハに薄化した1枚のウェーハを貼り合わせて積層した後、エッチング処理等を行うことでウェーハに貫通電極を形成する。この貫通電極を形成した後、ベースウェーハに積層されたウェーハに対して別のウェーハを貼り合わせて積層し、かかるウェーハにも同様の手順で貫通電極を形成する。そして、ウェーハの積層枚数分、ウェーハの貼り合わせと、貫通電極の形成とが順次繰り返して行われ、ウェーハのデバイス同士が電気的に接続される。
特開2012−134231号公報
しかし、上記したウェーハの積層においては、ウェーハの積層枚数が増える程、ウェーハに貫通電極を形成する工程数が増えることとなる。この結果、エッチング処理に加え、エッチング処理に伴う露光、現像処理等の複数の処理を複数回繰り返すこととなり、プロセス数が増大してしまうという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数枚のウェーハを積層する際のプロセス数を減少することができる積層デバイスの製造方法を提供することである。
本発明の積層デバイスの製造方法は、複数の半導体デバイスが積層された積層デバイスの製造方法であって、基台と、基台の表面に形成された複数の半導体デバイスとを含むベースウェーハを用い、ベースウェーハにおける基台の表面側に、表面に複数の半導体デバイスが形成され且つ薄化された複数の半導体ウェーハの露呈する裏面を貼り合わせて積層ウェーハを形成する積層ウェーハ形成ステップと、積層ウェーハ形成ステップを実施した後に、積層ウェーハのベースウェーハを下側とした状態で、最上層の半導体ウェーハの半導体デバイスから最下層の半導体ウェーハの半導体デバイスまで一括で貫通する孔をエッチングで形成し、その後、孔に金属を充填して一括貫通電極を形成して、積層された各半導体ウェーハの各半導体デバイス間を接続する一括貫通電極形成ステップと、一括貫通電極形成ステップを実施した後に、積層ウェーハを個々の積層デバイスへ分割する分割ステップと、を備え、各半導体ウェーハの表面には、エッチングの際にエッチング剤に反応しない導電性部材で形成され且つエッチングがなされる開口を有し、各半導体デバイスに接続された導電性接続部が形成され、導電性接続部の各開口は、最上層の半導体ウェーハから最下層の半導体ウェーハに向かって徐々に小さくなるように形成されており、一括貫通電極形成ステップにおいて、積層ウェーハの上層から下層に向かって各開口の大きさでエッチング処理がなされることで、断面視で階段状に細くなるように孔が形成され、孔内に形成される一括貫通電極が各導電性接続部と接続し各半導体デバイス間が接続されること、を特徴とする。
この方法では、薄化したウェーハを所望枚数積層した後、一括貫通電極形成ステップによって、積層する半導体デバイス間を接続する一括貫通電極を一括して形成することができる。従って、積層する半導体デバイス間を接続するためのエッチング処理の回数を1回にすることができる。この結果、ウェーハを積層する度に貫通電極の形成を行う従来技術に比べ、エッチング処理の回数だけでなく、エッチング処理に伴う各処理のプロセス数も減少でき、積層デバイスの製造時間の大幅な削減を通じてスループットの向上を図ることができる。
本発明によれば、積層する半導体デバイス間を接続する一括貫通電極を一括して形成することができるので、複数枚のウェーハを積層する際のプロセス数を減少することができる。
実施の形態に係る積層デバイスの製造方法に用いる各半導体ウェーハ及びベースウェーハの概略斜視図である。 トリミングステップの説明図である。 サポート部材貼着ステップの説明図である。 薄化ステップの説明図である。 積層ウェーハ形成ステップにおける第2ウェーハ積層ステップの説明図である。 積層ウェーハ形成ステップにおける第3ウェーハ積層ステップ及びベースウェーハ積層ステップの説明図である。 積層ウェーハ形成ステップにおけるサポート部材剥離ステップの説明図である。 積層された各導電性接続部の説明用概略斜視図である。 図7のA部拡大図である。 一括貫通電極形成ステップにおけるレジスト膜形成ステップの説明図である。 一括貫通電極形成ステップにおけるエッチングステップの説明図である。 一括貫通電極形成ステップにおける絶縁膜形成ステップの説明図である。 一括貫通電極形成ステップにおける銅充填ステップの説明図である。 ベースウェーハ薄化ステップの説明図である。 分割ステップの説明図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る積層デバイスの製造方法について説明する。先ず、図1を参照して、各半導体ウェーハ及びベースウェーハについて説明する。図1は、各半導体ウェーハ及びベースウェーハの概略斜視図である。
図1に示すように、第1半導体ウェーハ10は、円板状のシリコンからなる第1基台11を備え、第1基台11の表面11aには格子状に交差する複数の第1分割予定ライン(ストリート)12が設定されている。図1の符号11bは、第1基台11の裏面11bであり、第1半導体ウェーハ10の裏面となる。第1半導体ウェーハ10は、LSI等からなる複数の第1半導体デバイス13を更に備え、第1半導体デバイス13は、第1分割予定ライン12によって区画された各領域に形成されている。第1半導体ウェーハ10の表面であって第1半導体デバイス13の表面には、第1導電性接続部14(図2及び図6参照、図1では不図示)が形成されている。第1導電性接続部14は、第1半導体デバイス13に接続されて電極として機能するものであり、形状等については後述する。
本実施の形態の製造方法では、第1半導体ウェーハ10に加え、第2半導体ウェーハ20及び第3半導体ウェーハ30と、ベースウェーハ110とを使用している(図6参照)。第1半導体ウェーハ10に対し、第2半導体ウェーハ20、第3半導体ウェーハ30、ベースウェーハ110は、材質や内部構造等が異なるものの、外観上は類似した構成となる。従って、第2半導体ウェーハ20及び第3半導体ウェーハ30の構成については、第1半導体ウェーハ10の各構成の名称の「第1」を「第2」、「第3」に変更し、符号の下二桁目の「1」を「2」、「3」に変更して図1中括弧内に併記することで、説明を省略する。また、ベースウェーハ110の構成については、第1半導体ウェーハ10の各構成の名称の「第1」を省略し、第1半導体ウェーハ10の各構成の符号の前に「1」を追記して図1中括弧内に併記することで、説明を省略する。
続いて、本実施の形態に係る積層デバイスの製造方法について、図2乃至図15を参照して説明する。図2は、トリミングステップの説明図、図3は、サポート部材貼着ステップの説明図、図4は、薄化ステップの説明図、図5乃至図7は、積層ウェーハ形成ステップの説明図である。図8及び図9は、各導電性接続部の説明図、図10乃至図13は、一括貫通電極形成ステップの説明図、図14は、ベースウェーハ薄化ステップの説明図、図15は、分割ステップの説明図である。なお、図2乃至図7、図10乃至図15に示す各ステップは、あくまでも一例に過ぎず、この構成に限定されるものではない。
まず、図2に示すように、第1半導体ウェーハ10に対してトリミングステップを実施する。このステップでは、切削装置(不図示)のテーブル50上に第1半導体ウェーハ10を保持する。第1半導体ウェーハ10は、表面11aを上に向けて第1半導体ウェーハ10の中心がテーブル50の回転軸に一致するように保持される。そして、高速回転する切削ブレード51で第1基台11の外周部分を切り込み、テーブル50を介して第1半導体ウェーハ10を1回転することで、第1基台11の外周部分を切削ブレード51によって除去する。この除去によって、円弧状の断面となる第1基台11の外周部分のうち、表面11aから厚み方向中間部までが除去され、裏面11b側の一部が残った形状に形成される。
トリミングステップを実施した後、図3に示すように、サポート部材貼着ステップを実施する。このステップでは、平板形状をなすガラス板等のサポート部材54の図3中上面に対し、仮接着剤56を介して、第1半導体ウェーハ10の第1半導体デバイス13側(表面11a側)を押圧して貼着する。仮接着剤は、UV照射や薬品処理等を行うことによって、接着力を失う性質を有する。
サポート部材貼着ステップを実施した後、図4に示すように、薄化ステップを実施する。このステップでは、サポート部材54に貼着された第1半導体ウェーハ10の図中二点鎖線で示す裏面11b側を研削装置(不図示)で研削し、第1基台11を所定の仕上げ厚みになるまで研削を継続して薄化する。この薄化では、トリミングステップで除去されなかった第1基台11の裏面11b側の外周部分が除去され、第1基台11の外周がナイフエッジ状になることが回避される。
薄化ステップを実施した後、図5乃至図7に示すように、積層ウェーハ形成ステップを実施する。積層ウェーハ形成ステップは、第2ウェーハ積層ステップ、第3ウェーハ積層ステップ、ベースウェーハ積層ステップ、サポート部材剥離ステップの順に行う。
図5は、第2ウェーハ積層ステップの説明図である。このステップを実施する前に、図5に示すように、第2半導体ウェーハ20に対し、上記したトリミングステップと同様の要領によって第2基台21の外周部分を除去しておく。
第2ウェーハ積層ステップでは、先ず、第1半導体ウェーハ10における第1基台11の裏面11b側に永久接着剤58を塗布する。永久接着剤58は、後工程や製品としての使用時においても接着状態を確保できる接着特性を有する。次に、真空中において、第2半導体ウェーハ20における第2基台21の表面21a側を、第1半導体ウェーハ10の裏面11b側(永久接着剤58側)に対面させる。次いで、第1半導体ウェーハ10と第2半導体ウェーハ20とのアライメントを行い、第1半導体デバイス13と第2半導体デバイス23とが上下方向に整列して対応した状態に位置付ける。この状態から、第1半導体ウェーハ10と第2半導体ウェーハ20とを永久接着剤58で貼り合わせる。永久接着剤58による貼り合わせ後、第2半導体ウェーハ20の露呈する裏面21b側を研削装置(不図示)で研削し、第2基台21を図中二点鎖線で示す所定の仕上げ厚みになるまで研削を継続して薄化する。
第2ウェーハ積層ステップを実施した後、第2半導体ウェーハ20の裏面21b側に第3半導体ウェーハ30(図6参照)を積層する第3ウェーハ積層ステップを実施する。このステップは、積層対象となるウェーハが異なるだけで第2ウェーハ積層ステップと同様の要領によって行われる。よって、ここでは説明を省略する。
なお、図6では、ベースウェーハ110の他に、第1半導体ウェーハ10から第3半導体ウェーハ30の3枚のウェーハを積層したが、第2ウェーハ積層ステップと同様の要領となる積層ステップを順次繰り返し行い、ウェーハの積層枚数を更に増やしてもよい。また、ウェーハの積層枚数を2枚として第3半導体ウェーハ30を省略してもよい。
図6に示すように、第2半導体ウェーハ20の裏面21b側に第3半導体ウェーハ30を積層した後、ベースウェーハ積層ステップを実施する。図6は、ベースウェーハ積層ステップの説明図である。このステップでは、ベースウェーハ110の外周をトリミングせずに、永久接着剤58でベースウェーハ110の表面111a側と第3半導体ウェーハ30の露呈する裏面31b側とを貼り合わせる。この貼り合わせの要領は、第2ウェーハ積層ステップと同様であるが、貼り合わせた直後にベースウェーハ110の薄化は行わない。
ベースウェーハ積層ステップを実施した後、図7に示すように、サポート部材剥離ステップを実施する。図7は、サポート部材剥離ステップの説明図である。このステップでは、ベースウェーハ110が下側に、サポート部材54が上側に位置する状態に配設してから、仮接着剤56に所定処理を施して接着力を失わせた後、第1半導体ウェーハ10からサポート部材54を剥離する。これにより、第1半導体ウェーハ10からサポート部材54と共に仮接着剤56が除去された積層ウェーハ60が形成される。積層ウェーハ60では、第1半導体デバイス13が露呈した状態となり、第1半導体ウェーハ10が最上層に位置し、ベースウェーハ110が最下層に位置する。
積層ウェーハ形成ステップを実施した後、一括貫通電極形成ステップを実施する。ここで、一括貫通電極形成ステップについて説明する前に、図7乃至図9を参照して、導電性接続部について説明する。図8は、積層された各導電性接続部の説明用概略斜視図、図9は、図7のA部拡大図である。
図7に示すように、積層ウェーハ60では、上から下に向かって順に第1半導体ウェーハ10、第2半導体ウェーハ20、第3半導体ウェーハ30、ベースウェーハ110が積層されている。従って、図8及び図9にも示すように、上から下に向かって順に、第1導電性接続部14、第2導電性接続部24、第3導電性接続部34、導電性接続部114が整列した状態で配置されている。各導電性接続部14、24、34、114は、後述するエッチングの際にエッチング剤に反応しない導電性部材によって形成され、特に限定されるものでないが、本実施の形態では、アルミ膜によって形成されている。第1導電性接続部14、第2導電性接続部24、第3導電性接続部34は、面内中央部に円形の開口14a、24a、34aを有している。各開口14a、24a、34aは、中心位置が同一鉛直線上に配置されている。各開口14a、24a、34aは、上から下に向かって徐々に開口面積が小さくなるように形成され、最上位の開口14aが最大となり、最下位の開口34aが最小となっている。なお、導電性接続部114の面内には開口が形成されていない。各開口14a、24a、34aの内部では、各半導体デバイス13、23、33が各導電性接続部14、24、34で被覆されないので、後述するエッチングの際にエッチング剤に反応する。
図10乃至図13は、一括貫通電極形成ステップの説明図である。一括貫通電極形成ステップは、レジスト膜形成ステップ、エッチングステップ、絶縁膜形成ステップ、銅充填ステップの順に行う。
図10は、レジスト膜形成ステップの説明図である。このステップを実施する前に、第1半導体ウェーハ10の表面11aに酸化膜(SiO膜)18を形成しておく。レジスト膜形成ステップでは、スピンコート法等により酸化膜18の上面にレジストを塗布してレジスト膜62を形成する。レジスト膜62の形成後、レジスト膜62をパターンに従って露光することで、露光した部分のレジスト膜62を化学変化させる。そして、化学変化したレジスト膜62を薬液によって除去して現像することによってマスク64を形成する。マスク64では、第1導電性接続部14の開口14a及びその周辺領域においてレジスト膜62が除去された状態となる。
レジスト膜形成ステップを実施した後、図11に示すように、エッチングステップを実施する。図11は、エッチングステップの説明図である。このステップでは、マスク64を介してエッチング剤を使用したエッチング処理を施す。エッチング処理では、3枚の半導体ウェーハ10、20、30のうち、最上層に位置する第1半導体ウェーハ10の第1半導体デバイス13から最下層に位置する第3半導体ウェーハ30の第3半導体デバイス33まで一括で貫通する孔66を形成する。つまり、1回のエッチング処理によって、マスク64及び各開口14a、24a、34aの内部を通過する孔66を形成する。また、エッチング処理は、積層ウェーハ60における上層から下層に向かって各開口14a、24a、34aの大きさで腐食が進行する。この腐食では、酸化膜18、各半導体デバイス13、23、33、各基台11、21、31及び3層の永久接着剤58がエッチング剤とそれぞれ反応する。積層ウェーハ60を断面視した孔66の形状は、下方に向かうに従って階段状に細くなるように形成される。孔66の下部は、電極114の上面に達するように形成される。孔66の形成後、薬液等によってレジスト膜62を剥離する。
エッチングステップを実施した後、図12に示すように、絶縁膜形成ステップを実施する。図12は、絶縁膜形成ステップの説明図である。このステップでは、CVD法によって、酸化膜18及び導電性接続部14、24、34、114の各上面だけでなく、孔66の内部にもSiN膜又はSiO膜からなる絶縁膜を堆積する。その後、垂直性のドライエッチングを施すことによって、酸化膜18及び第1導電性接続部14の各上面に堆積された絶縁膜を除去する。また、垂直性のドライエッチングでは、孔66の底側で水平となる導電性接続部114の上面や、孔66の内部で水平方向に位置する第2導電性接続部24及び第3導電性接続部34の各上面に堆積された絶縁膜も除去する。これにより、孔66の内部において上下方向に延びる内周面だけに絶縁膜68が残存して形成される。
絶縁膜形成ステップを実施した後、図13に示すように、銅充填ステップを実施する。図13は、銅充填ステップの説明図である。このステップでは、最上層となる第1半導体ウェーハ10の上面側から、孔66内(絶縁膜68の内側)に銅をそれぞれ充填し、上端側を平坦に形成する。これにより、孔66の内部において、上端側が露出する一括貫通電極70が形成され、一括貫通電極70の周囲は絶縁膜68によって被覆される。一括貫通電極70は、孔66の内側形状に応じた形状となり、断面視で下方に向かうに従って階段状に細くなるように形成される。また、一括貫通電極70は、導電性接続部114の上面と、第1導電性接続部14、第2導電性接続部24、第3導電性接続部34の開口14a、24a、34aに隣接する上面に接触した状態となる。従って、一括貫通電極70によって、上下に並ぶ第1半導体デバイス13、第2半導体デバイス23、第3半導体デバイス33及び半導体デバイス113間が電気的に接続される。
一括貫通電極形成ステップを実施した後、ベースウェーハ薄化ステップを実施する。図14は、ベースウェーハ薄化ステップの説明図であり、図14Aはベースウェーハ薄化ステップの実施前、図14Bはベースウェーハ薄化ステップの実施後の状態を示す。ベースウェーハ薄化ステップでは、ベースウェーハ110における基台111の裏面111b側を研削装置(不図示)によって研削し、基台111を所定の仕上げ厚みに形成する。そして、研削後に、研磨装置(不図示)によって裏面111bを研磨し、裏面111bを平坦化する。
ベースウェーハ薄化ステップを実施した後、図15に示すように、分割ステップを実施する。図15は、分割ステップの説明図である。このステップでは、積層ウェーハ60におけるベースウェーハ110の裏面111bと環状フレーム80とにダイシングテープ81を貼着し、積層ウェーハ60を環状フレーム80で支持する。そして、ダイシングテープ81が貼着された状態の積層ウェーハ60を切削装置(不図示)のテーブル83上に載置してから、切削すべき第1分割予定ライン12を検出する。この検出結果に基づき、切削装置(不図示)の切削ブレード84を第1分割予定ライン12に沿って位置付ける。そして、切削ブレード84の下端がダイシングテープ81の厚み方向中間に達するように位置付けてから、高速回転する切削ブレード84と、積層ウェーハ60とを第1分割予定ライン12の延在方向に相対移動する。これにより、積層ウェーハ60がフルカットで切削加工され、積層ウェーハ60が全ての第1分割予定ライン12に沿って個々の積層デバイスDに分割される。
以上のように、本実施の形態に係る積層デバイスの製造方法では、各導電性接続部14、24、34に対し、大きさが異なる開口14a、24a、34aを形成したので、1回のエッチング処理で各半導体ウェーハ10、20、30及び永久接着剤58を貫通する孔66を形成することができる。また、孔66が下方に向かって階段状に細くなるので、1回の銅充填によって形成される一括貫通電極70が全ての導電性接続部14、24、34、114に接触し、それらを接続することができる。これにより、従来のウェーハを1枚積層する毎に貫通電極を形成する方法に比べ、エッチング処理や、露光、現像処理、電極用の銅を充填する処理等、種々の処理のプロセス数を削減することができる。この結果、積層デバイスDの製造に要する時間を短縮することができ、スループットの向上を図ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、分割ステップは、上記のように、切削ブレード84によるフルカットでの切削加工に限定されるものではない。例を挙げると、レーザビームを照射するアブレーション加工によるフルカット、切削加工やアブレーション加工によるハーフカット後ブレーキング装置を使用する割断、積層ウェーハ60内に改質層を形成した後、ブレーキング装置を使用する割断等で積層ウェーハ60を個々の積層デバイスDに分割するようにしてもよい。ここで、アブレーションとは、レーザビームの照射強度が所定の加工閾値以上になると、固体表面で電子、熱的、光科学的及び力学的エネルギーに変換され、その結果、中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスタ、電子、光が爆発的に放出され、固体表面がエッチングされる現象をいう。
また、上記銅充填ステップでは、孔66に銅を充填したが、電気的な導通を行える限りにおいて銅に代えて他の金属としてもよい。
また、サポート部材貼着ステップでは、仮接着剤56による貼着に代えて、常温接合によってサポート部材54と第1半導体ウェーハ10とを接合してもよい。この場合、サポート部材54は、第1半導体ウェーハ10と平面サイズが略同一となる円板状のシリコン基板を用い、第1半導体ウェーハ10の第1半導体デバイス13側に酸化膜(SiO膜)を形成する。そして、超真空中において、第1半導体ウェーハ10の酸化膜と、サポート部材54とを面接触するよう当接し、酸化膜のSiOと、サポート部材54のSiとの間で常温接合する。更に、永久接着剤58によるウェーハ間の貼り合わせについても、常温接合に代えてもよい。
また、上記の実施の形態においては、上記各ステップは別々の装置で実施されてもよいし、同一の装置で実施されてもよい。
以上説明したように、本発明は、複数のデバイスが積層された積層デバイスを形成する際に有用であり、複数枚のウェーハを積層する際のプロセス数を減少することができるという効果を有する。
10 第1半導体ウェーハ
11 第1基台
13 第1半導体デバイス
14 第1導電性接続部
14a 開口
20 第2半導体ウェーハ
21 第2基台
23 第2半導体デバイス
24 第2導電性接続部
24a 開口
30 第3半導体ウェーハ
31 第3基台
33 第3半導体デバイス
34 第3導電性接続部
34a 開口
60 積層ウェーハ
66 孔
70 一括貫通電極
110 ベースウェーハ
111 基台
113 半導体デバイス
114 導電性接続部
D 積層デバイス

Claims (1)

  1. 複数の半導体デバイスが積層された積層デバイスの製造方法であって、
    基台と、該基台の表面に形成された複数の半導体デバイスとを含むベースウェーハを用い、
    ベースウェーハにおける該基台の表面側に、表面に複数の半導体デバイスが形成され且つ薄化された複数の半導体ウェーハの露呈する裏面を貼り合わせて積層ウェーハを形成する積層ウェーハ形成ステップと、
    該積層ウェーハ形成ステップを実施した後に、該積層ウェーハの該ベースウェーハを下側とした状態で、最上層の半導体ウェーハの半導体デバイスから最下層の半導体ウェーハの半導体デバイスまで一括で貫通する孔をエッチングで形成し、その後、該孔に金属を充填して一括貫通電極を形成して、積層された各該半導体ウェーハの各半導体デバイス間を接続する一括貫通電極形成ステップと、
    該一括貫通電極形成ステップを実施した後に、該積層ウェーハを個々の積層デバイスへ分割する分割ステップと、を備え、
    各該半導体ウェーハの表面には、該エッチングの際にエッチング剤に反応しない導電性部材で形成され且つエッチングがなされる開口を有し、各該半導体デバイスに接続された導電性接続部が形成され、
    該導電性接続部の各開口は、該最上層の半導体ウェーハから該最下層の半導体ウェーハに向かって徐々に小さくなるように形成されており、
    該一括貫通電極形成ステップにおいて、該積層ウェーハの上層から下層に向かって各該開口の大きさでエッチング処理がなされることで、断面視で階段状に細くなるように該孔が形成され、該孔内に形成される該一括貫通電極が各該導電性接続部と接続し各該半導体デバイス間が接続されること、
    を特徴とする積層デバイスの製造方法。
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