JP6391915B2 - Nd−Fe−B系磁石の粒界改質方法 - Google Patents
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Description
また、加熱処理工程は、磁石、重希土類金属源、及びカルシウム源を、カルシウム蒸気と反応しない金属材料で密閉した状態で行われることが好ましい。すなわち、磁石、重希土類金属源、及びカルシウム、水素化カルシウム(CaH2)、カルシウムおよび金属Aを含有する合金、カルシウム含有材料および金属Aを含有する材料を有する複合体、またはカルシウム含有材料と金属Aを含有する材料との混合物を、カルシウム蒸気と反応しない金属材料で密閉した状態で加熱処理を行うことがより好ましい。これにより、Ca蒸気が磁石周辺に留まり、重希土類金属源に効率よくいきわたる。このため、重希土類金属成分を磁石内部により効率的に拡散浸透させることができる。ゆえに、重希土類金属の磁石内部への拡散浸透が促進し、より高い濃度の重希土類金属が磁石の表層から内部に粒界拡散でき、保磁力をより向上できる。
(ア)上記3成分を不活性金属材料からなる金属箔で包む;
(イ)上記3成分を、不活性金属材料からなる1つの容器に入れる;
(ウ)上記3成分を、不活性金属材料からなる大小2種の箱形の容器を入れ子にして組み合わせた容器に入れる;
(エ)上記3成分を、不活性金属材料で内壁をコーティングした1つの容器に入れる;および
(オ)上記3成分を、不活性金属材料で内壁をコーティングした大小2種の箱形の容器を入れ子にして組み合わせた容器に入れる;
などが挙げられる。これらのうち、(ア)が好ましい。(ア)の場合には、一旦上記3成分を不活性金属材料からなる金属箔で包んだ後、別の容器に入れて減圧した場合であっても、Ca蒸気が金属箔から散逸することを抑制・防止する。このため、容器の内壁にCaが付着するのを抑制・防止できる。このため、容器の材質を自由に選択することができる。また、減圧処理後の容器を清浄な状態に保つことができ、容器の洗浄・清掃などを省略あるいは軽減することができる。なお、上記のようにして3成分を密閉状態にしたものは、そのまま減圧若しくは加熱処理されても、または密閉状態の3成分をさらに別の容器(例えば、減圧容器、加熱処理容器)に入れた後、減圧若しくは加熱処理されてもよい。なお、上記(ア)、(ウ)及び(オ)は、別の容器(例えば、減圧容器、加熱処理容器)に入れた後、減圧若しくは加熱処理することが好ましい。上記(イ)及び(エ)は、そのまま減圧若しくは加熱処理することが好ましい。
日本電磁測器製パルスB−Hカーブトレーサーを用いて磁化特性の測定を行い、保磁力(Hcj)及び残留磁束密度(Br)を求めた。
上記測定の磁束密度と磁界の大きさの積の最大値を、最大エネルギー積((BH)max)とする。
日本電磁測器製パルスB−Hカーブトレーサーを用いて磁化特性の測定を行い、保磁力(Hcj)及び残留磁束密度(Br)を求め、保磁力(Hcj)に対して残留磁束密度(Br)をプロットし、B−H減磁曲線を作成し、この曲線により角型性を評価した。
以下の方法に従って、Nd−Fe−B系磁石[組成:Nd2Fe14B;Br=1.48(T)、Hcj=1.01(MA/m)、(BH)max=370kJ/m3]を作製した。すなわち、Nd12.5Fe79.5B8組成の合金インゴットから、ストリップキャスト法によって厚さ約0.2mmの合金薄片を製作した。次に、この薄片を容器内に充填して300kPaの水素ガスを室温で吸蔵させた後に放出させることにより、大きさ0.1〜0.2mmの不定形粉末を得て、引き続きジェットミル粉砕をして約3μmの微粉末を製作した。この微粉末を金型に充填し、800kA/mの磁界を印加しながら100MPaの圧力を加えて成形し、真空炉に装填して1080℃で1時間焼結をした。この焼結体を切断加工して、約5mm×約5mm×約4.8mmの厚さ方向に異方性をもつ板状試料を複数個製作した。以下では、この板状試料を磁石(元磁石)として使用した。
実施例1〜3と同様にして、Nd−Fe−B系磁石を作製した。
実施例1〜3において、Ca金属を使用しない以外は、それぞれ、実施例1〜3と同様にして、比較磁石(4)〜(6)を作製した。
実施例1〜3と同様にして、Nd−Fe−B系磁石を作製した。
実施例1〜3と同様にして、Nd−Fe−B系磁石を作製した。
実施例4〜6において、Ca金属を使用しない以外は、それぞれ、実施例4〜6と同様にして、比較磁石(10)〜(12)を作製した。
アルミニウム粉末(Al粉末)およびカルシウム粉末(Ca粉末)をAl2CaまたはAl4Caの元素組成になるように配合し、グローブボックス中でアルゴン雰囲気においてアーク溶解して合金をそれぞれ、カルシウム−アルミニウム合金インゴットを得た。この合金インゴットを前記グローブボックス中で、乳鉢粉砕により粗粉砕した後、ジェットミルにより粉砕して、粒径10μm以下のカルシウム−アルミニウム合金粉末を得た。得られたカルシウム−アルミニウム合金粉末について、X線回折装置(XRD)を用いて相(固溶体、金属間化合物)を特定した。これらのX線回折パターンを図6に示す。図6から、得られたカルシウム−アルミニウム合金は、それぞれ、Al2CaまたはAl4Caの元素組成を有することが確認できる。
実施例1〜3と同様にして、Nd−Fe−B系磁石を作製した。
実施例1〜3と同様にして、Nd−Fe−B系磁石を作製した。
Claims (6)
- カルシウム蒸気の存在下で、Nd−Fe−B系磁石、ならびにプラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)およびホルミウム(Ho)からなる群より選択される少なくとも一種の金属のハロゲン化物、酸化物または酸ハロゲン化物を加熱処理することにより、前記金属を前記Nd−Fe−B系磁石の表層から内部に粒界拡散させることを有する、Nd−Fe−B系磁石の粒界改質方法であって、
前記カルシウム蒸気は、Ca蒸気源であるカルシウム、カルシウムおよび金属Aを含有する合金、カルシウム含有材料および金属Aを含有する材料を有する複合体、またはカルシウム含有材料と金属Aを含有する材料とを別々に、減圧下に保持することにより生成され(ここで、前記金属Aは、カルシウムと同程度またはカルシウムより融点が低く、かつNd−Fe−B系磁石の粒界相より融点が低いものである。)、
前記Nd−Fe−B系磁石、ならびにプラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)およびホルミウム(Ho)からなる群より選択される少なくとも一種の金属のハロゲン化物、酸化物または酸ハロゲン化物の加熱処理は、Ca蒸気源を減圧下に保持した状態で、系外と完全に機密密閉された容器内で行う、Nd−Fe−B系磁石の粒界改質方法。 - 前記加熱処理は、900〜1000℃で行われる、請求項1に記載の方法。
- 前記カルシウム蒸気は、Ca蒸気源であるカルシウム、カルシウムおよび金属Aを含有する合金、カルシウム含有材料および金属Aを含有する材料を有する複合体、またはカルシウム含有材料と金属Aを含有する材料とを別々に、1〜1×10−7Torrの減圧下に保持することにより生成される、請求項1または2に記載の方法。
- 前記Nd−Fe−B系磁石、前記金属のハロゲン化物、酸化物または酸ハロゲン化物、およびCa蒸気源であるカルシウム、カルシウムおよび金属Aを含有する合金、カルシウム含有材料および金属Aを含有する材料を有する複合体、またはカルシウム含有材料と金属Aを含有する材料との混合物を、カルシウム蒸気と反応しない金属材料で密閉した状態で系外と完全に機密密閉された容器内で加熱処理を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記Nd−Fe−B系磁石表面を前記金属のハロゲン化物、酸化物または酸ハロゲン化物で被覆した状態で加熱処理を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記加熱処理後、時効処理をさらに行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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