JP6390591B2 - 有機ケイ素化合物 - Google Patents

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本発明は、高い透明性を有する有機ケイ素化合物及びそのアミド誘導体(以下、アミド化合物という場合がある)、並びに該アミド誘導体の残基を含むパーフルオロポリエーテル系エラストマーに関する。詳細には、2級アミノ基と、ケイ素原子に結合されたビニル基を有し、窒素原子上にフェニル基等の芳香環を有さない有機ケイ素化合物及びそのアミド誘導体に関する。
2級アミノ基と、ケイ素原子に結合されたビニル基を有するケイ素化合物は、アミノ基の反応性を利用して、ポリマー、例えばパーフルオロポリエーテルの変性に使用でき、変性された、アミド結合を介して末端にケイ素原子に結合されたビニル基を有するポリマーは、Si−H結合を有する化合物とのヒドロシリル化反応により、ゴム材料や塗料及び離型剤として使用できることが、特許第5356129号(特許文献1)や特許第5246190号(特許文献2)等によって知られている。
特許文献1に記載される、[芳香環−アミノ基−アルキレン基−Si原子−ビニル基]の構造を有する有機ケイ素化合物は、芳香環に由来する近紫外域の光吸収が生じるため、該有機ケイ素化合物から誘導される、[側鎖に芳香環を有するアミド基−アルキレン基−Si原子−ビニル基]の構造を有するアミド誘導体(例えば、該構造を分子鎖両末端あるいは片末端に有するパーフルオロポリエーテルなど)は紫外線の吸収等により黄色に着色(黄変)し、該アミド誘導体を利用した材料、例えば、該アミド誘導体の残基を有するパーフルオロポリエーテルをベースポリマーとした含フッ素エラストマーなどは、黄変により外観が損なわれ、透明性が求められる用途、例えば光半導体封止剤用途(特許文献3)における利用に適さない。
特許第5356129号公報 特許第5246190号公報 特許第5298501号公報
従って、本発明は、高い透明性を有する有機ケイ素化合物、及び該有機ケイ素化合物から誘導されるアミド化合物、特に、高い透明性を有し、パーフルオロポリエーテル系エラストマーのベースポリマー等として有用なアミド化合物を得ることを目的とする。
斯かる実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を行った結果、2級アミノ基とケイ素原子に結合されたビニル基を有する有機ケイ素化合物であって、近紫外域の光吸収の原因であるフェニル基等の芳香環を有さず、従来の有機ケイ素化合物に比べ極めて高い透明性を有する有機ケイ素化合物を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記の有機ケイ素化合物及び該有機ケイ素化合物から得られるアミド化合物を提供するものである。
[1]
下記一般式(1)
Figure 0006390591
(式(1)中、Rは互いに独立に、ビニル基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数3〜6のアルキレン基、Rは互いに独立に、水素原子、またはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。)
で表される有機ケイ素化合物。
[2]
下記一般式(2)
Figure 0006390591
(式(2)中、Rは互いに独立に、ビニル基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数3〜6のアルキレン基、Rは互いに独立に、水素原子、またはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、Rfはパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表されるアミド化合物。
[3]
下記一般式(3)
Figure 0006390591
(式(3)中、Rは互いに独立に、ビニル基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数3〜6のアルキレン基、Rは互いに独立に、水素原子、またはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、Rfはパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロポリエーテル基である。)
で表されるアミド化合物。
[4]
がメチル基であり、Rがトリメチレン基であり、Rが水素原子である[2]又は[3]に記載のアミド化合物。
上記有機ケイ素化合物は、フェニル基等の芳香族環を有さないために、紫外線等に対しても高い透明性を有し、これを使用することで、従来の有機ケイ素化合物を使用する場合よりも高い透明性を有するアミド誘導体、並びに該アミド誘導体の残基を含む高い透明性を有するパーフルオロポリエーテル系ゴムなどのエラストマーが得られる。
実施例1で調製した化合物AのH−NMRスペクトルである。 実施例2で調製したポリマーAのH−NMRスペクトルである。
上記一般式(1)において、Rは、互いに独立に、ビニル基又は1〜4のアルキル基、即ち、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基から選ばれる基であり、好ましくはビニル基又はメチル基である。Rは炭素数3〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基、メチルエチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基、メチルプロピレン基)、ヘキサメチレン基等)である。炭素数が前記下限値未満のものは合成が困難であり、一方で炭素数が前記上限値を超えるものは酸化され易くなるため耐熱性に劣る。好ましくは、Rはプロピレン基、特にはトリメチレン基である。
は、互いに独立に、水素原子、又はフッ素置換されていてよい炭素数1〜4のアルキル基(例えばメチル基、トリフロロメチル基など)である。Rは水素原子である上記一般式(1)の有機ケイ素化合物は製造時、蒸留精製が容易になるため、好ましい。
上記一般式(1)に包含される有機ケイ素化合物を以下に例示するが、本発明は、これらに限定されない。
Figure 0006390591
本発明の一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、下記に示す工程により製造することができる。
Figure 0006390591
Figure 0006390591
第1工程では、末端がハロゲン原子で置換されたアルキル基とケイ素原子上にハロゲン原子とを有するハロゲン化シラン、例えば3−クロロプロピルジメチルクロロシランに、ビニル基を有するグリニャール試薬、例えばビニルマグネシウムクロリドを反応させて、ケイ素原子上にビニル基を導入することにより、3−クロロプロピルジメチルビニルシラン等のハロゲン化アルキルビニルシランとする。ハロゲン化シランとして、3−クロロプロピルジメチルクロロシランの代わりに、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン又は3−クロロプロピルトリクロロシランを用いると、それぞれ3−クロロプロピルメチルジビニルシラン又は3−クロロプロピルトリビニルシランが得られる。反応は、ビニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液にハロゲン化シランを滴下して行うことが好ましい。反応温度は20〜75℃程度でよい。反応は発熱を伴うので、温度が上がりすぎる場合には冷却を行いながら反応させる。滴下終了後、さらに30分〜10時間撹拌を行い反応終了とする。反応終了後は希塩酸にて反応で生成したマグネシウム塩を溶解し、有機層を回収して精製することにより目的物の中間体であるクロロアルキルビニルシラン等のハロゲン化アルキルビニルシランが得られる。
第1工程で得られたビニルシラン、例えば3−クロロプロピルジメチルビニルシランに、水素原子がフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基で置換された、又は無置換のシクロヘキシルアミンを反応させることで、目的物である一般式(1)で表される有機ケイ素化合物が得られる。シクロヘキシルアミンの炭素原子上の置換基は、可視領域から近紫外域の光を吸収しない基であればよい。シクロヘキシルアミンが置換基を有する場合、反応で得られる目的物である有機ケイ素化合物の沸点が高く、精製の効率が低下するため、無置換のシクロヘキシルアミンが好ましい。反応は、水素原子が置換された、又は無置換のシクロヘキシルアミンと3−クロロプロピルジメチルビニルシランを混合し、70〜150℃の温度で1〜20時間加熱することで行う。反応終了後、塩酸塩を取り除きさらに精製することにより目的物である一般式(1)で表される有機ケイ素化合物が得られる。
上記の工程により得られた有機ケイ素化合物を使用して、別の化合物、例えば含フッ素カルボン酸ハロゲン化物と反応させることで、透明性が高く、ヒドロシリル化活性を有するアミド誘導体が得られる。例えば、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を下記一般式(4)で表される化合物と反応させると、一般式(2)で表されるアミド化合物が得られる。
Figure 0006390591
(式(4)中、Rfはパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロポリエーテル基であり、Xはフッ素、塩素等のハロゲン、又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
上記一般式(4)で表されるパーフルオロジカルボニル化合物のカルボニル基当量に対して、1.0〜1.2モル当量の上記一般式(1)の有機ケイ素化合物を上記カルボニル化合物に加えて30分から3時間撹拌することにより、上記一般式(2)で表されるアミド化合物が生成する。
Xがハロゲンである場合、反応温度は20〜100℃の範囲であり、好ましくは35〜60℃であり、さらに好ましくは35〜45℃である。パーフルオロジハロゲン化物と上記一般式(1)の有機ケイ素化合物の相溶性を高めるため、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン等の溶媒を加えてもよい。上記反応終了後、1.2モル当量以上の炭酸カルシウムを加えて100〜150℃に加熱し、ハロゲン化カルシウムとしてハロゲン化物イオンを除く。次いで固形物を濾過して取り除き、未反応の有機ケイ素化合物や溶媒を除いて精製することで、目的物である一般式(2)で表されるアミド化合物が得られる。
Xがアルコキシ基である場合、反応温度は100〜200℃の範囲であり、好ましくは100〜150℃であり、さらに好ましくは120〜150℃である。パーフルオロジハロゲン化物と上記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の相溶性を高めるため、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン等の溶媒を加えてもよい。上記反応終了後、未反応の有機ケイ素化合物や溶媒、副生成したアルコールを除いて精製することで、目的物である一般式(2)で表されるアミド化合物が得られる。
また、上記一般式(4)で表されるジカルボニル化合物に代えて、下記一般式(5)で表されるパーフルオロモノカルボニル化合物を使用すると、一般式(3)で表されるアミド化合物が得られる。
Figure 0006390591
(式(5)中、Rfはパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロポリエーテル基であり、Xはフッ素、塩素等のハロゲン、又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。)
上記のように得られた、一般式(2)及び一般式(3)で表されるような、有機ケイ素化合物のアミド誘導体(アミド化合物)は、従来の様なフェニル基等の芳香環を有さないために紫外線等に対しても高い透明性を有し、ケイ素原子に結合されたビニル基を有するために、SiH基を有する化合物とのヒドロシリル化によって架橋反応やその他の誘導体への変換に利用可能である。特には、該アミド誘導体をベースポリマーとするパーフルオロポリエーテル系の含フッ素エラストマーの主剤等として有用である。
上記式におけるRfの例((6)〜(8))を以下に示す。
Figure 0006390591
(式(6)中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、p,q及びrは、それぞれp≧0、q≧0、0≦p+q≦600、好ましくは2≦p+q≦300、より好ましくは10≦p+q≦150、及び1≦r≦8、好ましくは2≦r≦6、より好ましくは2≦r≦4を満たす整数である。但し、p=q=r=0を除く。)
Figure 0006390591
(式(7)中、Yはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、v及びwは、それぞれ0≦v≦300、0≦w≦300、及び1≦v+w≦600、好ましくは2≦v+w≦300、より好ましくは10≦v+w≦150を満たす整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
Figure 0006390591
(式(8)中、zは1≦z≦600、好ましくは2≦z≦300、より好ましくは10≦z≦150の整数である。)
上記式におけるRfの具体例((9)〜(17))を以下に示す。
Figure 0006390591
(式(9)〜(11)中、p1,q1及びr1は、それぞれp1≧0、q1≧0、0≦p1+q1≦200、好ましくは2≦p1+q1≦150、より好ましくは10≦p1+q1≦120、及び1≦r1≦6、好ましくは2≦r1≦4を満たす整数である。)
Figure 0006390591
(式(12)及び(13)中、p2及びq2は、それぞれ1≦p2≦100、1≦q2≦100、2≦p2+q2≦200、好ましくは10≦p2+q2≦150、より好ましくは20≦p2+q2≦120を満たす整数である。)
Figure 0006390591
(式(14)〜(17)中、v1、v2、w1、z1は、それぞれ2≦v1≦200、1≦v2≦100、1≦w1≦100、2≦v2+w1≦200、1≦z1≦200、好ましくは、それぞれ、5≦v1≦100、2≦v2≦80、2≦w1≦80、4≦v2+w1≦150、5≦z1≦100を満たす整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
上記式におけるRfの例((18)〜(24))を以下に示す。
Figure 0006390591
(式(18)中、aは1〜10、好ましくは2〜8の整数である。)
Figure 0006390591
(式(19)〜(24)中、kは1〜6の整数であり、n及びmは、それぞれ0≦m≦100、好ましくは1≦m≦60、0≦n≦100、好ましくは1≦n≦60、かつ1≦m+n≦100、好ましくは1≦m+n≦60を満たす整数である。各繰り返し単位同士はランダムに結合されていてよい。)
本発明の有機ケイ素化合物のアミド誘導体は、ヒドロシリル化反応を用いた架橋や変性に有用である。ポリマー、例えばパーフルオロポリエーテルの両末端に該有機ケイ素化合物のアミド誘導体を導入したポリマーは、含フッ素エラストマー用のベースポリマー(主剤)として有用である。そのエラストマーは、従来のSi−ビニル結合を有するアミド誘導体と同様に、自動車、化学プラント用部品、複写機、(インクジェット)プリンタ等のOA機器部品、半導体製造ライン、分析・理化学機器、医療機器用部品、航空機部品、燃料電池等の分野で使用される耐薬品性及び耐油性等が要求されるダイヤフラム、バルブ、弁、シール部品(O−リング、オイルシール、パッキン、ガスケット、ジョイント、フェースシール等)等のゴム成形品、ゲル材料、接着剤、(センサー)ポッティング材の用途、テント膜材料、シーラント、成形部品、押出部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、積層ゴム布、あるいは自動車用圧力センサーの保護材、車載用電子部品の保護、防振を目的とする材料として使用可能な他、透明性の要求される、光半導体素子の封止剤にも使用される。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
2Lフラスコ中のビニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液(1.6mol/L)800mLに、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン175gを30分かけて滴下した。滴下中、フラスコ内部は65℃まで昇温した。滴下終了後、4時間撹拌を続けて反応終了とした。フラスコ内容物を希塩酸中に投入して分液し、水洗を2回行った後有機層を回収した。これを蒸留し、上記第1工程の生成物である3−クロロプロピルジメチルビニルシラン123gを得た。3−クロロプロピルジメチルビニルシランの沸点は40mmHgにおいて80℃であった。
別途、300mLフラスコにシクロヘキシルアミンを仕込み、内部温度を130℃に加熱した。そこに上記中間体、3−クロロプロピルジメチルビニルシラン50gを40分かけて滴下した。滴下終了後、内部温度130〜135℃にて約6時間撹拌し、反応終了とした。反応終了後には白色の固形物が析出した。反応混合物を27℃まで冷却し、水酸化ナトリウムの30%水溶液200gを加えた。約3時間撹拌後、分液して有機層を回収し、蒸留することで沸点が125〜130℃/3mmHgの無色透明の留分36gを得た。留分をH−NMRで分析したところ、下記式(25)の化合物(以下「化合物A」という)であることがわかった。図1に、化合物AのH−NMRスペクトルを示す。
Figure 0006390591
H−NMR(化合物A)
δ0.0−0.1(−SiCH)6H
δ0.5−0.6(−SiCHCHCH−)2H
δ0.9−1.3(−NH−CH(CHCHCH)(axial)5H
δ1.4−1.5(−SiCHCHCH−)2H
δ1.5−1.9(−NH−CH(CHCHCH)(equatorial)6H
δ2.3−2.4(−NH−CH(CHCHCH)1H
δ2.5−2.6(−SiCHCHCH−)2H
δ5.6−6.2(−SiCH=CH)3H
[実施例2]
Figure 0006390591
上記式(26)で表されるパーフルオロポリエーテル100gを100mLフラスコに仕込み、実施例1にて得られた化合物A7.5g、トリエチルアミン3.4g、及び1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン10gの混合液を30分かけて滴下した。滴下中、フラスコ内部は45℃まで昇温した。滴下終了後30分撹拌して反応終了とし、炭酸カルシウム4.0gを加えて100℃に加熱して4時間撹拌した。次いで、窒素バブリングを行いながら140℃/2mmHgで揮発分を除いた。冷却後、パーフルオロヘキサン100gと合成ケイ酸アルミニウムの粉末1.5gを加えて撹拌し、濾過により固形物を除き、パーフルオロヘキサンを留去することで、下記式(27)で表されるパーフルオロポリエーテルのアミド誘導体(以下「ポリマーA」という)95gを得た。
Figure 0006390591
H−NMRにてポリマーAのビニル価を測定したところ、2.86×10−4mol/gであった。図2に、ポリマーAのH−NMRスペクトルを示す。
H−NMR(ポリマーA)
δ0.0−0.1(−SiCH)6H
δ0.4−0.6(−SiCHCHCH−)2H
δ0.9−2.3(−SiCHCHCH−N−CH(CHCHCH)12H
δ3.0−3.6(−SiCHCHCH−)2H
δ3.8−4.2(−N−CH(CHCHCH)1H
δ5.5−6.2(−SiCH=CH)3H
[実施例3]
Figure 0006390591
上記式(28)で表されるパーフルオロポリエーテル100g及び1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン40gを200mLフラスコに仕込み、実施例1にて得られた化合物A3.1g、トリエチルアミン1.4g及び1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン10gを30分かけて滴下した。滴下中、フラスコ内部は35℃まで昇温した。滴下終了後1時間撹拌して反応終了とし、炭酸カルシウム1.6gを加えて100℃に加熱して4時間撹拌した。次いで、窒素バブリングを行いながら140℃/2mmHgで揮発分を除いた。冷却後、パーフルオロヘキサン100gと合成ケイ酸アルミニウムの粉末1.5gを加えて撹拌し、濾過により固形分を除き、パーフルオロヘキサンを留去することで、下記式(29)で表されるパーフルオロポリエーテルのアミド誘導体100gを得た。
Figure 0006390591
H−NMRにて上記パーフルオロポリエーテルのアミド誘導体のビニル価を測定したところ、1.20×10−4mol/gであった。
H−NMR
δ0.0−0.1(−SiCH)6H
δ0.4−0.6(−SiCHCHCH−)2H
δ0.9−2.3(−SiCHCHCH−N−CH(CHCHCH)12H
δ3.0−3.6(−SiCHCHCH−)2H
δ3.8−4.2(−N−CH(CHCHCH)1H
δ5.5−6.2(−SiCH=CH)3H
[実施例4]
Figure 0006390591
上記式(30)で表されるパーフルオロエーテル10.0g及び1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン30gを100mLフラスコに仕込み、実施例1にて得られた化合物A5.0g、トリエチルアミン2.3g及び1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン20gを30分かけて滴下した。滴下中、フラスコ内部は40℃まで昇温した。滴下終了後1時間撹拌して反応終了とし、炭酸カルシウム2.0gを加えて100℃に加熱して4時間撹拌した。次いで、窒素バブリングを行いながら110℃/250mmHgで揮発分を除いた。冷却後、パーフルオロヘキサン20gと合成ケイ酸アルミニウムの粉末0.4gを加えて撹拌し、濾過により固形分を除き、パーフルオロヘキサンを留去することで、下記式(31)で表されるパーフルオロポリエーテルのアミド誘導体100gを得た。
Figure 0006390591
H−NMR
δ0.0−0.1(−SiCH)6H
δ0.4−0.6(−SiCHCHCH−)2H
δ0.9−2.3(−SiCHCHCH−N−CH(CHCHCH)12H
δ3.0−3.6(−SiCHCHCH−)2H
δ3.8−4.2(−N−CH(CHCHCH)1H
δ5.5−6.2(−SiCH=CH)3H
[実施例5]
Figure 0006390591
上記式(32)で表されるパーフルオロポリエーテル100g及び1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン40gを200mLフラスコに仕込み、実施例1にて得られた化合物A3.1g、トリエチルアミン1.4g及び1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン10gを加え、150℃で2時間撹拌した。次いで、窒素バブリングを行いながら140℃/2mmHgで揮発分を除いた。冷却後、パーフルオロヘキサン100gと合成ケイ酸アルミニウムの粉末1.5gを加えて撹拌し、濾過により固形物を除き、パーフルオロヘキサンを留去することで、上記式(29)で表されるパーフルオロポリエーテルのアミド誘導体96gを得た。
H−NMRにて上記パーフルオロポリエーテルのアミド誘導体のビニル価を測定したところ、1.20×10−4mol/gであった。
[比較例1]
Figure 0006390591
化合物Aに代えて、上記式(33)で表される化合物(以下「化合物B」とする)8.1gを用いた以外は実施例2と同様の操作を行い、下記式(34)で表されるパーフルオロポリエーテルのアミド誘導体(以下「ポリマーB」という)を得た。
Figure 0006390591
透明性の評価
化合物A及び化合物Bの2種のアミノ基含有有機ケイ素化合物と、それぞれそのアミド誘導体である、ポリマーA及びポリマーBの2種のパーフルオロポリマーの透明性を、(株)島津製作所製紫外可視近赤外分光光度計UV−3600を用いて評価した。化合物A及び化合物Bは、2.0×10−2mol/Lのエタノール(99.5%)溶液を調製し、透過率(%)を測定した。ポリマーA及びポリマーBは、溶媒を用いずに測定した。評価結果は表1に示した。
Figure 0006390591
表1から明らかなように、本発明に記載の有機ケイ素化合物である化合物Aとそのアミド誘導体であるポリマーAは、従来の有機ケイ素化合物である化合物Bとそのアミド誘導体であるポリマーBに比べ、それぞれ高い透明率(%)を示した。したがって、本発明の有機ケイ素化合物及びそのアミド化合物は高い透明性を有することが明らかとなった。
本発明の有機ケイ素化合物から得られるアミド誘導体は、従来のアミド誘導体の用途にも利用可能であるが、その高い透明性から、光半導体封止剤等にも利用可能である。例えばパーフルオロポリエーテルの両末端に本発明の有機ケイ素化合物を誘導した場合、パーフルオロポリエーテルはヒドロシリル化反応によって架橋されるエラストマーの成分として有用であり、パーフルオロポリエーテルやパーフルオロエーテルの片末端に本発明の有機ケイ素化合物を誘導した場合、先述のエラストマーの粘度調整剤、軟化剤及び可塑剤等に使用でき、先述のエラストマーの架橋剤、反応制御剤及び接着助剤等を相溶化させるための修飾や、紛体の補強材あるいは熱伝導性フィラーを添加する際のウェッターの製造にも利用できる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0006390591

    (式(1)中、Rは互いに独立に、ビニル基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数3〜6のアルキレン基、Rは互いに独立に、水素原子、またはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基である。)
    で表される有機ケイ素化合物。
  2. 下記一般式(2)
    Figure 0006390591

    (式(2)中、Rは互いに独立に、ビニル基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数3〜6のアルキレン基、Rは互いに独立に、水素原子、またはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、Rfはパーフルオロアルキレン基又は2価のパーフルオロポリエーテル基である。)
    で表されるアミド化合物。
  3. 下記一般式(3)
    Figure 0006390591

    (式(3)中、Rは互いに独立に、ビニル基又は炭素数1〜4のアルキル基、Rは炭素数3〜6のアルキレン基、Rは互いに独立に、水素原子、またはフッ素置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、Rfはパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロポリエーテル基である。)
    で表されるアミド化合物。
  4. がメチル基であり、Rがトリメチレン基であり、Rが水素原子である請求項2又は3記載のアミド化合物。





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