JP6358193B2 - 含フッ素硬化性組成物及びゴム物品 - Google Patents
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Description
で表される、ポリマー末端構造に、芳香環とケイ素原子が結合した部位[芳香環−Si原子]を有さない、なおかつ、アミド結合を有さない、特定のポリマー末端構造を有する数平均分子量1,000〜100,000の直鎖状の含フッ素ポリマーを用いることにより、低粘度で成形しやすく、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性及び機械的強度に優れ、特に耐酸性と耐アミン性と透明性に優れた硬化物を与える含フッ素硬化性組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
〔1〕
(a)1分子中に4個のアルケニル基を有し、下記一般式(1)
で表される数平均分子量1,000〜100,000の直鎖状の含フッ素ポリマー、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のヒドロシリル基(SiH基)のモル比が0.4〜5となる量、及び
(c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量
を含有することを特徴とする含フッ素硬化性組成物。
〔2〕
上記(a)成分、(b)成分、(c)成分に加え、更に(d)シリカ系充填材:(a)成分100質量部に対して1〜100質量部を含有することを特徴とする〔1〕に記載の含フッ素硬化性組成物。
〔3〕
上記式(1)において、Rfの2価のパーフルオロポリエーテル構造含有基が、下記式(2)
で表される構造を有することを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の含フッ素硬化性組成物。
〔4〕
上記式(1)において、Rfの2価のパーフルオロポリエーテル構造含有基が、下記式(3)〜(5)
で表される構造からなる群から選ばれる構造を含有することを特徴とする〔3〕に記載の含フッ素硬化性組成物。
〔5〕
上記(b)成分が、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロポリエーテル構造含有基、2価のパーフルオロアルキレン基、又は2価のパーフルオロポリエーテル構造含有基を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の含フッ素硬化性組成物。
〔6〕
上記(d)成分が、BET比表面積30m2/g以上で、表面が疎水化処理されたシリカ系充填材である〔2〕〜〔5〕のいずれかに記載の含フッ素硬化性組成物。
〔7〕
〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の含フッ素硬化性組成物を硬化させて得られるゴム物品。
(a)1分子中に4個のアルケニル基を有し、下記一般式(1)で表される数平均分子量1,000〜100,000の直鎖状の含フッ素ポリマー、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物、及び
(c)ヒドロシリル化反応触媒
を含有し、目的に応じて
(d)シリカ系充填材
を含有するものである。
本発明の(a)成分は、1分子中に4個のアルケニル基を有し、数平均分子量1,000〜100,000の直鎖状の含フッ素ポリマーであって、下記一般式(1)で表されるものである。
で表される多数の繰り返し単位を含むものが好ましく、例えば下記式(2)で表されるもの等が挙げられる。
なお、本発明におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定は、以下のような条件で行った。
[測定条件]
展開溶媒:ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)−225
流量:1ml/min.
検出器:蒸発光散乱検出器
カラム:東ソー社製 TSKgel Multipore HXL−M
7.8mmφ×30cm 2本使用
カラム温度:35℃
試料注入量:100μl(濃度0.3質量%のHCFC−225溶液)
分子鎖両末端に酸フロライド基(−C(=O)−F)を有する含フッ素ポリマーと、求核剤としてグリニャール試薬、溶剤として例えば1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン、テトラヒドロフランを混合し、0〜80℃、好ましくは50〜70℃、より好ましくは約60℃で1〜6時間、好ましくは3〜5時間、より好ましくは約4時間熟成する。
分子鎖両末端にこれらの基を有する直鎖状の含フッ素ポリマーとして、具体的には、下記に示すものが挙げられる。
求核剤の使用量は、ポリマーの反応性末端基1当量に対して、3〜8当量、より好ましくは3〜5当量、更に好ましくは約4当量用いることができる。
溶剤の使用量は、ポリマー100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは100〜200質量部、更に好ましくは約150質量部用いることができる。
を使用し、求核剤としてアリルマグネシウムハライドを使用した場合には、下記構造の末端に水酸基及びアルケニル基を有する直鎖状の含フッ素ポリマーが得られる。
上記のような末端に水酸基及びアルケニル基を有する直鎖状の含フッ素ポリマーと、シリル化剤とを、塩基の存在下、必要により溶剤を用い、0〜80℃、好ましくは40〜60℃、より好ましくは約50℃の温度で、1〜24時間、好ましくは2〜10時間、より好ましくは約3時間熟成する。
上記のような末端に水酸基及びアルケニル基を有する直鎖状の含フッ素ポリマーと、ヒドロシランとを、脱水素触媒の存在下、溶剤を用いて0〜60℃、好ましくは15〜35℃、より好ましくは約25℃の温度で、10分〜24時間、好ましくは30分〜2時間、より好ましくは約1時間脱水素反応を行う。
シリル化剤の使用量は、末端に水酸基及びアルケニル基を有する直鎖状の含フッ素ポリマーの水酸基1当量に対して、1〜10当量、より好ましくは1〜4当量、更に好ましくは約2当量用いることができる。
塩基の使用量は、末端に水酸基及びアルケニル基を有する直鎖状の含フッ素ポリマーの水酸基1当量に対して、1〜10当量、より好ましくは1〜4当量、更に好ましくは約2当量用いることができる。
溶剤の使用量は、末端に水酸基及びアルケニル基を有する直鎖状の含フッ素ポリマー100質量部に対して、10〜300質量部、好ましくは50〜150質量部、更に好ましくは約100質量部用いることができる。
ヒドロシランの使用量は、末端に水酸基及びアルケニル基を有する直鎖状の含フッ素ポリマーの水酸基1当量に対して、1〜5当量、より好ましくは1.5〜3当量、更に好ましくは約2当量用いることができる。
脱水素触媒の使用量は、末端に水酸基及びアルケニル基を有する直鎖状の含フッ素ポリマーの水酸基1当量に対して、0.01〜0.0005当量、より好ましくは0.007〜0.001当量、更に好ましくは約0.005当量用いることができる。
(b)成分の含フッ素有機ケイ素化合物は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiHで示されるヒドロシリル基)を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物であり、上記(a)成分の架橋剤(及び鎖長延長剤)として作用するものである。(b)成分の含フッ素有機ケイ素化合物は特に制限されるものではないが、(a)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等を考慮すると、1分子中に1個以上の1価又は2価の含フッ素有機基(具体的に、1価の含フッ素有機基としては、パーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロポリエーテル構造含有基等、2価の含フッ素有機基としては、2価のパーフルオロアルキレン基、2価のパーフルオロポリエーテル構造含有基等)を有し、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好ましくは3個以上有する有機ケイ素化合物が好ましい。
(c)成分のヒドロシリル化反応触媒としては、遷移金属、例えばPt、Rh、Pd等の白金族金属やこれら遷移金属の化合物等が好ましく使用される。本発明では、これら化合物が一般に貴金属の化合物であり高価格であることから、比較的入手しやすい白金又は白金化合物が好適に用いられる。
白金化合物以外の白金族金属化合物としては、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム系化合物等が知られており、例えば、RhCl(PPh3)3、RhCl(CO)(PPh3)2、RhCl(C2H4)2、Ru3(CO)12、IrCl(CO)(PPh3)2、Pd(PPh3)4等が挙げられる(なお、Phはフェニル基を示す)。
本発明の(d)成分は、シリカ系充填材である。シリカ系充填材としては、石英やガラスを粉砕した粉砕シリカ、一旦溶融してから球粒状に成形した溶融シリカ、ケイ酸ソーダに鉱酸を加えて製造される湿式シリカ、シラン化合物を燃焼させて製造される乾式シリカ等が挙げられる。これらのうち、機械的強度を向上させる観点から、BET比表面積が30m2/g以上、好ましくは50〜400m2/gのシリカ系充填材が好適に用いられる。なお、湿式シリカ、乾式シリカがこれに該当するが、吸着水分が少ない乾式シリカが好適である。ポリマー成分との濡れ性を考慮すると、シリカ系充填材表面が疎水化処理されたものが更に好ましい。シリカ系充填材表面の疎水化処理が施されていないと、十分な機械的強度が得られなかったり、組成物の粘度が異常に高くなったりする等の弊害が生じるおそれがある。
本発明の組成物には、上記した(a)〜(c)成分及び任意成分である(d)成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、1−エチニル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、フェニルブチノール等のアセチレンアルコールや、1価のパーフルオロアルキル基又は1価のパーフルオロオキシアルキル基を有するクロロシランとアセチレン性アルコールとの反応物、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン、トリアリルイソシアヌレート、ポリビニルシロキサン、有機リン化合物等のヒドロシリル化反応触媒の制御剤、酸化鉄、酸化セリウム、カーボンブラック等の顔料、着色剤、染料、酸化防止剤、一部又は全てがフッ素変性されたオイル状化合物等が挙げられる。なお、これらの任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で任意とすることができる。
本発明の組成物は、用途に応じて上記(a)〜(c)成分の必須成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、あるいは、例えば上記(a)、(c)成分を一方の組成物とし、(a)、(b)成分を他方の組成物とする、いわゆる2液タイプとして構成し、使用にあたってこれを混合してもよい。
反応容器に、テトラヒドロフラン150g、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン450gを混合し、1.0Mのアリルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン溶液)80mlを滴下した。続いて、下記式(6)
で表される化合物300g(1.9×10-2mol)をゆっくりと滴下した後、60℃で4時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、1.2M塩酸水溶液300g中へ溶液を滴下し、反応を停止させた。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去することで、下記式(7)
で表される直鎖状の含フッ素ポリマー(数平均分子量=15,600)290gを得た。
δ2.2(−COH(CH2CH=CH2)2)1H
δ2.4(−COH(CH 2 CH=CH2)2)4H
δ5.1(−COH(CH2CH=CH 2 )2)4H
δ5.6(−COH(CH2CH=CH2)2)2H
反応容器に、テトラヒドロフラン150g、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン450gを混合し、1.0Mのアリルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン溶液)80mlを滴下した。続いて、下記式(8)
で表される化合物300g(2.0×10-2mol)をゆっくりと滴下した後、60℃で4時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、1.2M塩酸水溶液300g中へ溶液を滴下し、反応を停止させた。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去することで、下記式(7)
で表される直鎖状の含フッ素ポリマー(数平均分子量=15,600)285gを得た。
δ2.2(−COH(CH2CH=CH2)2)1H
δ2.4(−COH(CH 2 CH=CH2)2)4H
δ5.1(−COH(CH2CH=CH 2 )2)4H
δ5.6(−COH(CH2CH=CH2)2)2H
反応容器に、テトラヒドロフラン150g、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン450gを混合し、1.0Mのアリルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン溶液)230mlを滴下した。続いて、下記式(9)
で表される化合物300g(9.6×10-2mol)をゆっくりと滴下した後、60℃で4時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、1.2M塩酸水溶液300g中へ溶液を滴下し、反応を停止させた。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去することで、下記式(10)
で表される直鎖状の含フッ素ポリマー286g(数平均分子量=4,600)を得た。
δ2.2(−COH(CH2CH=CH2)2)1H
δ2.4(−COH(CH 2 CH=CH2)2)4H
δ5.1(−COH(CH2CH=CH 2 )2)4H
δ5.6(−COH(CH2CH=CH2)2)2H
反応容器に、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン300g、DBU5.9g(3.8×10-2mol)、下記式(7)
で表される化合物300g(1.9×10-2mol)を混合した後、トリメチルクロロシラン4.1g(3.8×10-2mol)を滴下した。続いて、50℃で3時間加熱した。加熱終了後、室温まで冷却し、1.2M塩酸水溶液300gを滴下した。分液操作により、下層であるフッ素化合物層を回収後、メタノールで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去することで、下記式(11)
で表される直鎖状の含フッ素ポリマー(数平均分子量=15,700)275gを得た。
δ0−0.2(−OSi(CH 3)3)18H
δ2.4−2.6(−CH 2CH=CH2)8H
δ5.0−5.2(−CH2CH=CH 2)8H
δ5.7−5.9(−CH2CH=CH2)4H
反応容器に、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン300g、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.05g(9.5×10-5mol)、下記式(7)
で表される化合物300g(1.9×10-2mol)を混合した後、トリエチルシラン4.4g(3.8×10-2mol)をゆっくりと滴下した後、25℃で1時間撹拌した。続いて、水を添加し、分液操作により下層であるフッ素化合物層を回収後、アセトンで洗浄した。洗浄後の下層であるフッ素化合物層を再び回収し、減圧下、残存溶剤を留去することで、下記式(12)
で表される直鎖状の含フッ素ポリマー(数平均分子量=15,800)280gを得た。
δ0.5−0.8(−SiCH 2CH3)2H
δ0.8−1.1(−SiCH2CH 3)3H
δ2.4−2.6(−CH 2CH=CH2)4H
δ5.0−5.1(−CH2CH=CH 2)4H
δ5.7−5.9(−CH2CH=CH2)2H
上記合成例1で得られた、下記式(7)
で表されるポリマー(ビニル基量0.0170モル/100g、数平均分子量=15,600)100質量部、R972(日本アエロジル(株)製、ジクロロジメチルシランで表面が疎水化処理された乾式シリカ、BET比表面積=110m2/g)20質量部をプラネタリーミキサーにより、120℃で1時間混合した。その後、3本ロールミル処理を施した。得られた混合物120質量部中100質量部に、下記式(13)
上記組成物を150℃、10分のプレス架橋(一次架橋)及び150℃、1時間のオーブン架橋(二次架橋)を行って硬化シート(170mm×130mm×2mm)を作製した。得られた硬化シートの物性(硬さ、引張強さ、切断時伸び)をJIS K6253−3:2012、及びJIS K6251:2010に準拠して測定した。
耐酸性:
上記硬化シートを40℃の温度条件下、3,000時間、98質量%濃硫酸に浸漬し、硬さの変化量、引張強さと切断時伸び変化量を観測した。
耐アミン性:
上記硬化シートを60℃の温度条件下、3,000時間、2−アミノエタノールに浸漬し、硬さの変化量、引張強さと切断時伸び変化量を観測した。
なお、硬化物のゴム物性の測定結果は表1に、耐酸性の測定結果は表2に、耐アミン性の測定結果は表3に記した。
上記合成例3で得られた、下記式(10)
で表されるポリマー(ビニル基量0.0653モル/100g、数平均分子量=4,600)100質量部、R972(日本アエロジル(株)製、ジクロロジメチルシランで表面が疎水化処理された乾式シリカ、BET比表面積=110m2/g)20質量部をプラネタリーミキサーにより、120℃で1時間混合した。その後、3本ロールミル処理を施した。得られた混合物120質量部中100質量部に、下記式(13)
上記合成例5で得られた、下記式(12)
で表されるポリマー(ビニル基量0.0167モル/100g、数平均分子量=15,800)100質量部、R972(日本アエロジル(株)製、ジクロロジメチルシランで表面が疎水化処理された乾式シリカ、BET比表面積=110m2/g)20質量部をプラネタリーミキサーにより、120℃で1時間混合した。その後、3本ロールミル処理を施した。得られた混合物120質量部中100質量部に、下記式(13)
上記合成例1で得られた、下記式(7)
で表されるポリマー(ビニル基量0.0170モル/100g、数平均分子量=15,600)100質量部、R976(日本アエロジル(株)製、ジクロロジメチルシランで表面が疎水化処理された乾式シリカ、BET比表面積=240m2/g)20質量部をプラネタリーミキサーにより、120℃で1時間混合した。その後、3本ロールミル処理を施した。得られた混合物120質量部中100質量部に、下記式(13)
下記式(14)
で表されるポリマー(ビニル基量0.0121モル/100g、数平均分子量=15,800)100質量部、R972(日本アエロジル(株)製、ジクロロジメチルシランで表面が疎水化処理された乾式シリカ、BET比表面積=110m2/g)20質量部をプラネタリーミキサーにより、120℃で1時間混合した。その後、3本ロールミル処理を施した。得られた混合物120質量部中100質量部に、下記式(13)
下記式(15)
で表されるポリマー(ビニル基量0.0119モル/100g、数平均分子量=15,800)100質量部、R972(日本アエロジル(株)製、ジクロロジメチルシランで表面が疎水化処理された乾式シリカ、BET比表面積=110m2/g)20質量部をプラネタリーミキサーにより、120℃で1時間混合した。その後、3本ロールミル処理を施した。得られた混合物120質量部中100質量部に、下記式(13)
上記実施例1において、R972(日本アエロジル(株)製乾式シリカ)を除く以外は実施例1と同様にして含フッ素硬化性組成物を得た。この組成物を使用して、以下の測定を行った。
上記実施例5で得られた組成物を2枚のガラス板で作られた厚さ2mmの隙間に流し込み、150℃、1時間のオーブン架橋を行って硬化シート(50mm×50mm×2mm)を作製した。得られた硬化シートの透明性を、(株)島津製作所製紫外可視近赤外分光光度計UV−3600を用いて測定した。測定結果は表4に示した。
上記実施例3において、R972(日本アエロジル(株)製乾式シリカ)を除く以外は実施例3と同様にして含フッ素硬化性組成物を得た。この組成物を使用して、上述した方法により透明性の測定を行った。
上記比較例1において、R972(日本アエロジル(株)製乾式シリカ)を除く以外は比較例1と同様にして含フッ素硬化性組成物を得た。この組成物を使用して、上述した方法により透明性の測定を行った。
上記比較例2において、R972(日本アエロジル(株)製乾式シリカ)を除く以外は比較例2と同様にして含フッ素硬化性組成物を得た。この組成物を使用して、上述した方法により透明性の測定を行った。
一方、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4及び比較例2で用いたアルケニル基含有含フッ素ポリマーは芳香環−Si結合を有していないため、この組成物の硬化物は濃硫酸浸漬後に物性が変化したものの劣化は少なかった。更に、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4で用いたアルケニル基含有含フッ素ポリマーはアミド構造を有していないため、この組成物の硬化物はアミン浸漬後もゴム物性を保った。また比較例2で用いたアルケニル基含有含フッ素ポリマーはアミド構造を有しているが、この組成物の硬化物はアミン浸漬後もゴム物性を保った。
一方、実施例5及び実施例6の組成物の硬化物は、上記の波長域において透過率の低下が小さく、特に酸素−ケイ素結合を有するアルケニル基含有含フッ素ポリマーを含有する実施例6の組成物の硬化物は、同波長域で透過率がより高かった。
Claims (7)
- (a)1分子中に4個のアルケニル基を有し、下記一般式(1)
で表される数平均分子量1,000〜100,000の直鎖状の含フッ素ポリマー、
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物:(a)成分中のアルケニル基に対する(b)成分中のヒドロシリル基(SiH基)のモル比が0.4〜5となる量、及び
(c)ヒドロシリル化反応触媒:触媒量
を含有することを特徴とする含フッ素硬化性組成物。 - 上記(a)成分、(b)成分、(c)成分に加え、更に(d)シリカ系充填材:(a)成分100質量部に対して1〜100質量部を含有することを特徴とする請求項1記載の含フッ素硬化性組成物。
- 上記式(1)において、Rfの2価のパーフルオロポリエーテル構造含有基が、下記式(3)〜(5)
で表される構造からなる群から選ばれる構造を含有することを特徴とする請求項3記載の含フッ素硬化性組成物。 - 上記(b)成分が、1分子中に1個以上の1価のパーフルオロアルキル基、1価のパーフルオロポリエーテル構造含有基、2価のパーフルオロアルキレン基、又は2価のパーフルオロポリエーテル構造含有基を有し、かつケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
- 上記(d)成分が、BET比表面積30m2/g以上で、表面が疎水化処理されたシリカ系充填材である請求項2乃至5のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物。
- 請求項1乃至6のいずれか1項記載の含フッ素硬化性組成物を硬化させて得られるゴム物品。
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