JP5196172B2 - 硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物 - Google Patents
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- 0 C*CC[Si](C)(C1NC1)C([Si](C)(CC**)N(C)[Si](C)(C)CC*)=N Chemical compound C*CC[Si](C)(C1NC1)C([Si](C)(CC**)N(C)[Si](C)(C)CC*)=N 0.000 description 1
Description
(a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−CaF2aO−(式中、aは独立に1〜6の整数である。)の繰り返し単位を含む2価のパーフルオロエーテル構造を有する数平均分子量3,000〜10万である直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物 100質量部
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物 SiH基/アルケニル基=0.4〜5.0となる量
(c)ヒドロシリル化反応触媒として白金族金属又は白金族金属化合物 組成物全量に対して白金族金属換算で0.1〜1,000ppm
(d)BET比表面積が50m2/g以上で、かつビニル基及びパーフルオロアルキル基を含まないアルキル基含有シラザン化合物、パーフルオロアルキル基を含まないビニル基含有シラザン化合物及び以下一般式(1)
[(RfQ 1 ) a Si(R 1 ) b (NR 2 ) 4-a-b/2 ] l (1)
〔ここで、R 1 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R 2 は、水素原子又はアルキル基であり、Rfは、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数3〜20個のパーフルオロアルキル基であり、Q 1 は、炭素原子数2〜5の2価の有機基であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、但し、a+bは1〜3の整数であり、lはそれぞれ2〜5の整数である〕
で示される炭素数が3以上のパーフルオロアルキル基含有シラザン化合物により表面が疎水化処理されたシリカ微粉末 10〜40質量部
を含有してなる硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物が、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、撥水性、撥油性、低温性等に優れている上、圧縮永久歪特性に優れた硬化物を得ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
(a)成分の直鎖状フルオロポリエーテル化合物は、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価のパーフルオロアルキルエーテル構造を有するもので、数平均分子量が3,000〜10万であり、組成物のベースポリマーとして使用される。
(CaF2aO)q (4)
(式中、qは20〜600、好ましくは30〜400、より好ましくは30〜200の整数である。)
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
−CF2CF2CF2CF2O−
−CF2CF2CF2CF2CF2CF2O−
−C(CF3)2O−
これらの中では、特に下記単位が好適である。
−CF2O−
−CF2CF2O−
−CF2CF2CF2O−
−CF(CF3)CF2O−
CH2=CH−(X)p−Rf1−(X’)p−CH=CH2 (2)
CH2=CH−(X)p−Q2−Rf1−Q2−(X’)p−CH=CH2 (3)
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基であり、
(o,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基である。Rf1は二価のパーフルオロポリエーテル構造であり、上記式(2)、即ち(CaF2aO)qで示される繰り返し単位を含むものが好ましい。Q2は炭素数1〜15の二価の炭化水素基であり、エーテル結合を含んでいてもよく、具体的にはアルキレン基、エーテル結合を含んでいてもよいアルキレン基である。)、pは独立に0又は1である。]
これらの直鎖状フルオロポリエーテル化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
次に(b)成分の含フッ素有機ケイ素化合物は上記(a)成分の架橋剤、鎖長延長剤として作用するものである。(a)成分との相溶性、分散性を考慮して、1分子中に1個以上の一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオキシアルキル基、二価のパーフルオロアルキレン基又は二価のパーフルオロオキシアルキレン基を有していて、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個、好ましくは3個以上有する有機ケイ素化合物であれば特に制限されるものではない。
CgF2g+1−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
−CgF2g−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
−CH2CH2−
−CH2CH2CH2−
−CH2CH2CH2OCH2−
−CH2CH2CH2−NH−CO−
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(但し、Phはフェニル基である。)
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−
−CH2CH2CH2−O−CO−
等の炭素数2〜12のものが挙げられる。
(c)成分のヒドロシリル化反応触媒としては、遷移金属、例えばPt、Rh、Pd等の白金族金属やこれら遷移金属の化合物などが好ましく使用される。本発明では、これら化合物が一般に貴金属の化合物で高価格であることから、比較的入手しやすい白金化合物が好適に用いられる。白金化合物としては、具体的に塩化白金酸又は塩化白金酸とエチレン等のオレフインとの錯体、アルコールやビニルシロキサンとの錯体、シリカ、アルミナ又はカーボン等の担体上に担持された白金を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
(d)成分は、硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物の補強及び圧縮永久歪特性向上のために使用されるもので、このシリカ微粉末は、ヒュームドシリカと呼ばれている乾式法シリカ、沈降性シリカと呼ばれている湿式法シリカのいずれでもよく、機械的特性を向上させるためBET比表面積(窒素吸着法)が少なくとも50m2/gである粒子状のものである必要がある。
[(RfQ1)aSi(R1)b(NR2)4−a−b/2]l (1)
〔ここで、R1は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、非置換若しくは置換の1価炭化水素基であり、R2は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基であり、Rfは、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数3〜20個のパーフルオロアルキル基であり、Q1は、炭素原子数2〜5の2価の有機基であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、但し、a+bは1〜3の整数であり、lはそれぞれ2〜5の整数である〕で示される含フッ素シラザン化合物が最も好ましい。
(RfQ)aSi(R1)bX4−a−b (6)
〔ここで、R1、Rf、Q、a、b及びa+bは前記のとおりであり;Xはハロゲン原子、例えば、塩素、臭素である〕で示されるオルガノシランを、アンモニア及び第1級アミンから選ばれる少なくとも1種と反応させることにより製造することができる。
表面処理剤の配合量は、その処理剤に対する未処理シリカ微粉末の被覆面積から計算される量以上であればよい。
処理剤の使用量は処理剤の分子量によって変動するが、おおよその目安としては、非フッ素系の処理剤の場合、通常は未処理のシリカ微粉末100質量部に対して処理剤を1〜25質量部、フッ素系処理剤の場合、処理剤の分子量が大きくなるので、未処理のシリカ微粉末100質量部に対して処理剤を10〜80質量部が好ましい。
1)測定対象のシリカ微粉末を0.2g秤量し、遠沈管に入れる。(プロットしたい点数分+1本(全沈用)を用意する)
2)駒込ピペットにて濃度の異なるメタノール溶液を各7mL遠沈管に入れ、蓋をしっかり締める。(全沈用は上記疎水化度で決定されたメタノール濃度を用いる)
3)ターブラーミキサー90rpmで30秒間分散する。
4)遠心分離器にかける。(3500rpm、10min.)
5)沈降容積を読み取り、全沈降容積(全てが沈降した容積)を100%としたときの各沈降容積(vol.%)を求める。すなわち、沈降容積(vol.%)は下式より定義される。
本発明の組成物には、(a)〜(d)成分の他に本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の各種の添加剤を配合することができる。このような成分としては、具体的に1−エチル−1−ヒドロキシシクロヘキサン、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、フェニルブチノールなどのアセチレンアルコールや3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のヒドロシリル化反応触媒の制御剤、酸化鉄、酸化セリウム、カーボンブラック等の顔料や、着色剤、染料、酸化防止剤、一部又はすべてがフッ素変性されたオイル状化合物等が挙げられる。なお、これら任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の組成物は、用途に応じて前記(a)〜(d)成分の必須成分全てを1つの組成物として取り扱う、いわゆる1液タイプとして構成してもよいし、あるいは例えば前記(a),(c)及び(d)成分を一方の組成物とし、(a),(b)及び(d)成分を他方の組成物とする、いわゆる2液タイプとして構成し、使用にあたってこれを混合してもよい。
本発明の組成物は種々の用途に利用することができる。即ち、フッ素含有率が高いため、耐溶剤性、耐薬品性に優れ、また、透湿性も低く、低表面エネルギーを有するため、離型性、撥水性に優れており、耐油性を要求される自動車用ゴム部品、具体的にはフューエル・レギュレーター用ダイヤフラム、パルセーションダンパ用ダイヤフラム、オイルプレッシャースイッチ用ダイヤフラム、EGR用ダイヤフラムなどのダイヤフラム類、キャニスタ用バルブ、パワーコントロール用バルブなどのバルブ類、クイックコネクタ用O−リング、インジェクター用O−リングなどのO−リング類、あるいはオイルシール、シリンダヘッド用ガスケットなどのシール材など、化学プラント用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、バルブ類、O−リング類、ホース類、パッキン類、オイルシール、ガスケットなどのシール材など、インクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体製造ライン用ゴム部品、具体的には薬品が接触する機器用のダイヤフラム、弁、O−リング、パッキン、ガスケットなどのシール材など、低摩擦耐磨耗性を要求されるバルブなど、分析、理化学機器用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、弁、シール部品(O−リング、パッキンなど)、医療機器用ゴム部品、具体的にはポンプ、バルブ、ジョイントなど、また、テント膜材料、シーラント、成型部品、押し出し部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布などに有用である。
[合成例]
処理シリカAの調製方法:
比表面積 300m2/gの未処理シリカ微粉末(品名 AEROSIL300:日本アエロジル(株)社製商品名)100gに1,3-ジビニルテトラメチルシラザン4.2g(0.023モル)、下記式(7)で示される含フッ素シラザン化合物35g(0.056モル)、及びヘキサメチルジシラザン5.4g(0.034モル)の混合物を添加し、温度200℃で120分加熱撹拌後に冷却し、調製した。
処理シリカBの調製方法:
比表面積 300m2/gの未処理シリカ微粉末(品名 AEROSIL300:日本アエロジル(株)社製商品名)100gに1,3-ジビニルテトラメチルシラザン1.1g(0.006モル)、上記式(7)で示される含フッ素シラザン化合物35g(0.056モル)、及びヘキサメチルジシラザン8.2g(0.051モル)の混合物を添加し、温度200℃で120分加熱撹拌後に冷却し、調製した。
処理シリカCの調製方法:
比表面積 300m2/gの未処理シリカ微粉末(品名 AEROSIL300:日本アエロジル(株)社製商品名)100gにヘキサメチルジシラザン18g(0.11モル)を添加し、温度200℃で120分加熱撹拌後に冷却し、調製した。
処理シリカDの調製方法:
比表面積 300m2/gの未処理シリカ微粉末(品名 AEROSIL300:日本アエロジル(株)社製商品名)100gに、上記式(7)で示される含フッ素シラザン化合物70g(0.11モル)を添加し、温度200℃で120分加熱撹拌後に冷却し、調製した。
処理シリカEの調製方法:
比表面積 300m2/gの未処理シリカ微粉末(品名 AEROSIL300:日本アエロジル(株)社製商品名)100gに1,3-ジビニルテトラメチルシラザン1.1g(0.006モル)、及びヘキサメチルジシラザン17.3g(0.108モル)の混合物を添加し、温度200℃で120分加熱撹拌後に冷却し、調製した
下記式(10)
で表される主ポリマーA(粘度5,500mm2/s、数平均分子量15,700)100質量部と処理シリカAを20質量部の配合比でプラネタリーミキサーに投入後、1時間混練りを行った。次いで、150℃で1時間混合減圧(−65〜−75cmHg)熱処理し、冷却後3本ロールにて分散処理してベースの製造を行った。
シリカ微粉末として処理シリカBを使用する以外は実施例1と同様の方法でベースの製造及び組成物の配合を行い、硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物を得た。
シリカ微粉末として、処理シリカCを使用する以外は実施例1と同様の方法でベースの製造及び組成物の配合を行い、硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物を得た。
シリカ微粉末として処理シリカDを使用する以外は実施例1と同様の方法でベースの製造及び組成物の配合を行い、硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物を得た。
シリカ微粉末として処理シリカEを使用する以外は実施例1と同様の方法でベースの製造及び組成物の配合を行い、硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物を得た。
また、フッ素基は含有しないがビニル基を有する処理剤で表面処理したシリカ(比較例3)では、空気中の圧縮永久歪が改善されているが、EG中は比較例1ほどの改善は見られない。
これらに対して、実施例1及び2では、フッ素含有基とビニル基を有する処理剤で表面処理したシリカを使用することによって、空気中とEG中の圧縮永久歪みが大幅に改善されている。
Claims (4)
- (a)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に−CaF2aO−(式中、aは独立に1〜6の整数である。)の繰り返し単位を含む2価のパーフルオロエーテル構造を有する数平均分子量3,000〜10万である直鎖状パーフルオロポリエーテル化合物 100質量部
(b)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有する含フッ素有機ケイ素化合物 SiH基/アルケニル基=0.4〜5.0となる量
(c)ヒドロシリル化反応触媒として白金族金属又は白金族金属化合物 組成物全量に対して白金族金属換算で0.1〜1,000ppm
(d)BET比表面積が50m2/g以上で、かつビニル基及びパーフルオロアルキル基を含まないアルキル基含有シラザン化合物、パーフルオロアルキル基を含まないビニル基含有シラザン化合物及び以下一般式(1)
[(RfQ 1 ) a Si(R 1 ) b (NR 2 ) 4-a-b/2 ] l (1)
〔ここで、R 1 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、置換又は非置換の1価炭化水素基であり、R 2 は、水素原子又はアルキル基であり、Rfは、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数3〜20個のパーフルオロアルキル基であり、Q 1 は、炭素原子数2〜5の2価の有機基であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、但し、a+bは1〜3の整数であり、lはそれぞれ2〜5の整数である〕
で示される炭素数が3以上のパーフルオロアルキル基含有シラザン化合物により表面が疎水化処理されたシリカ微粉末 10〜40質量部
を含有してなることを特徴とする硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物。 - (d)成分において、アルキル基含有シラザン化合物が、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサプロピルジシラザン、1,3−ジエチル−1,1,3,3テトラメチルジシラザン又は1,3−ジメチル−1,1,3,3テトラエチルジシラザンであり、ビニル基含有シラザン化合物が、1,3−ジビニルテトラメチルシラザン、1,3−ジアリルテトラメチルシラザン、1,3−ジブテニルテトラメチルシラザン、1,3−ジビニルテトラエチルシラザン又は1,3−ジメチルテトラビニルシラザンであり、炭素数が3以上のパーフルオロアルキル基含有シラザン化合物が、下記式
- (d)成分のシリカ微粉末において、シリカ微粉末の表面処理剤は、炭素数が3以上のパーフルオロアルキル基含有シラザン化合物が30〜70mol%、ビニル基含有シラザン化合物が1〜40mol%、アルキル基含有シラザン化合物が10〜50mol%のmol比の割合で処理されたものである請求項1又は2記載の硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物。
- (a)成分が、下記一般式(2)または(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性フルオロポリエーテル系ゴム組成物。
CH2=CH−(X)p−Rf1−(X’)p−CH=CH2 (2)
CH2=CH−(X)p−Q2−Rf1−Q2−(X’)p−CH=CH2 (3)
[式中、Xは独立に−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−(但し、Yは−CH2−又は下記構造式(Z)で示される基であり、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基である。)であり、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR2−Y’−(但し、Y’は−CH2−又は下記構造式(Z’)で示される基であり、R2は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基であり、
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