JP6386969B2 - 粘着剤用アクリル樹脂およびそれを含む粘接着剤用アクリル樹脂組成物 - Google Patents

粘着剤用アクリル樹脂およびそれを含む粘接着剤用アクリル樹脂組成物 Download PDF

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本発明は、粘接着剤用のアクリル樹脂、およびそれを含む粘接着剤用アクリル樹脂組成物に関するものである。
アクリル系粘着剤材料は、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの他材料と比較し、粘着力、凝集力などの粘着性能、耐候性、耐熱性、耐溶剤性などの膜耐性に優れていることから広く使用されている。アクリル系粘着剤材料には、溶剤を媒体として重合する溶液重合で得られたアクリル樹脂溶液を主剤とする溶剤タイプや、水を媒体とする乳化重合で得られたアクリル樹脂溶液を主剤とする水系タイプがある。これらに加え、近年のVOC(排出溶剤規制)などの環境配慮の観点から溶剤を使用しない無溶剤タイプの材料が提案されている。この無溶剤タイプは、乳化剤を必ず含む影響で耐水性が劣るなどの水系タイプの問題も総合的に解決することができる。特に無用剤タイプは予備乾燥が不要で省エネルギーであるため適用される用途が増えてきている。
粘接着剤の用途には、汎用接着剤、粘着テープや粘着層付き加工品のような工業用粘接着剤の他に、半導体の基材への接着や、テレビ、タブレットPC、スマートフォンなどの電子情報端末の構成に用いられる光学用粘接着剤などが挙げられる。これら用途においては、種々異なる要求特性はあるものの、共通して粘接着剤には強い粘着性が必要とされ、その材料としては1品種で他種の基材に使用でき、かつ無溶剤であるものがより望ましいといえる。
引用文献1には、光学用粘着剤用途に特定の(メタ)アクリル酸エステルの組み合わせの溶剤型アクリル樹脂が提案されている。この溶剤型アクリル樹脂を使用することで耐久性、白ぬけ、リワーク性が良好であるが、多種基材に対して強い粘接着が必ず得られるものではないことが懸念される。実際の物性の発現は、引用文献1の実施例に記載されたように硬化架橋成分のポリイソシアネートやシランカップリング剤が不可欠と考えられ、ある程度の配合技術がないと使用しにくく、また、ポリマ自体が重合性を有しないこと、溶剤タイプであることからUV硬化を採用している用途には不向きな技術と考える。
一方、引用文献2には、特定構造の(メタ)アクリル基を構成単位とし、かつ側鎖にウレタン結合またはアミド結合を介してエチレン性不飽和基を導入したポリマを含む光学材料とそれを用いた光導波路が提案されている。この光学材料は、溶剤タイプではあるものの、ポリマ自体に重合基であるエチレン性不飽和基を有する点で、特にUV硬化で物性発現が期待できる材料である。しかし、粘接着性については実施例にも記載がなく、これも多種基材に対して強い粘接着が必ず得られるものではないことが懸念される。また、引用文献2の実施例にはアクリル樹脂にイソシアネート基を有するモノマを共重合した後、メタクリル酸等を付加反応させる製造例が示されているが、反応性の高いイソシアネート基がポリマ側鎖に残存すると製品の安定性が非常に悪くなることが懸念される。
引用文献3は、熱硬化、UV硬化に好適な無溶剤タイプで、かつ多種基材に対して強い粘着性を有するアクリル樹脂およびそれを用いた組成物を提案している。この技術は特定の構成単位の重合性アクリル樹脂と塩素化オレフィン樹脂を用いる無溶剤組成物である。しかし、塩素化オレフィン樹脂に起因して塩素を含有すること、重合性アクリル樹脂の必須成分にカルボキシル基を有する構成単位が含まれることから、特に電子材料用途では電気特性が低下することや腐食性の点が懸念される。
特開2005−314453号公報 特開2009−175244号公報 特開2014−196375号公報
本発明は、従来の技術では困難であった難接着性の基材を含む多種基材に対する優れた粘着性能を酸成分、塩素成分を含まずに実現し、さらにUV硬化材料に使用すると硬化速度を早くする粘着剤を与えるアクリル樹脂およびそれを用いた粘接着剤用アクリル樹脂成物を提供することを目的とする。
本発明の粘接着剤用アクリル樹脂は、下記一般式(I)で表される構成単位を有し、繰
り返し数a,b,cおよびdが付された繰り返し単位を構成単位A,B,CおよびDとするとき、構成単位Aの重量分率が10〜88.9重量%、構成単位Bの重量分率が10〜50重量%、構成単位Cの重量分率が1〜30重量%および構成単位Dの重量分率が0.1〜10重量%であることを特徴とする。
Figure 0006386969
(式(I)中、R1は炭素数4〜20のアルキル基、R2は炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有する置換基、R3は下記一般式(II)で表される2価の置換基、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、R5は水素またはメチル基であり、a,b,c,dは1以上の実数である。
Figure 0006386969
式(II)中、R6は炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜5の整数である。)
また、粘接着剤用アクリル樹脂組成物は、前記一般式(I)で表される粘接着剤用アク
リル樹脂を30重量%以上、下記一般式(III)で表される単量体Am、一般式(IV
)で表される単量体Bm、一般式(V)で表される単量体Cmおよび一般式(VI)で表される(メタ)アクリル酸エステルEmからなる単量体混合物を70重量%以下含有することを特徴とする。
Figure 0006386969
(式中、R1は炭素数4〜20のアルキル基である。)
Figure 0006386969
(式中、R2は炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有する置換基である。)
Figure 0006386969
(式中、R3は前記一般式(II)で表される2価の置換基である。)
Figure 0006386969
(式中、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、R5は水素またはメチル基である。)
本発明の粘接着剤用アクリル樹脂によれば、塩素化オレフィン樹脂などを使用しなくとも、重合性アクリル樹脂の構成単位を限定することにより、熱、UV等で硬化した場合に、PET、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のプラスチック基材、さらにはポリプロピレンなどのオレフィン樹脂基材に良好な粘着性を発現することができる。さらにこの粘接着剤用アクリル樹脂は、酸成分、塩素成分を含まないため、電子材料用や光学材料用に好適に使用することができる。
さらに、この粘接着剤用アクリル樹脂からなる無溶剤タイプの粘接着剤用アクリル樹脂組成物は、各粘接着剤用途で好適に使用できる。具体的に、溶剤、可塑剤を含まず、付加開裂型連鎖移動剤の存在下において、アクリル酸エステル単量体Am,BmおよびCmの混合物を部分重合することによって、アクリル樹脂とアクリル酸エステル単量体Am,BmおよびCmの混合物を一括で得た後、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルEmを反応させることにより粘接着剤用アクリル樹脂組成物を製造することができる。
本発明の粘接着剤用アクリル樹脂は、下記一般式(I)で表される構成単位を有し、繰
り返し数a,b,cおよびdが付された繰り返し単位を構成単位A,B,CおよびDとするとき、構成単位Aの重量分率が10〜88.9重量%、構成単位Bの重量分率が10〜50重量%、構成単位Cの重量分率が1〜30重量%および構成単位Dの重量分率が0.1〜10重量%である。
Figure 0006386969
(式(I)中、R1は炭素数4〜20のアルキル基、R2は炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有する置換基、R3は下記一般式(II)で表される2価の置換基、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、R5は水素またはメチル基であり、a,b,c,dは1以上の実数である。
Figure 0006386969
式(II)中、R6は炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜5の整数である。)
本明細書において、一般式(I)に記載された繰り返し数a,b,cおよびdが付され
た繰り返し単位を、それぞれ構成単位A、B、CおよびDというものとする。これらのうち構成単位A、BおよびCは、それぞれの構造的特徴を有する単量体Am、BmおよびCmを付加開裂型連鎖移動剤の存在下でラジカル重合することにより得られる。また構成単位Dは、構成単位Cへイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルEmを付加反応することにより得られる。この粘接着剤用アクリル樹脂を製造する際に、α―メチルスチレンダイマーに代表される付加開裂型連鎖移動剤を使用することによって、工業的にも安全な無溶剤重合を可能とし、さらに得られた粘接着剤用アクリル樹脂およびこの粘接着剤用アクリル樹脂を含む樹脂組成物が、粘接着剤の硬化速度を非常に速くすることができる。
本発明において、単量体Amは下記一般式(III)で表される。
Figure 0006386969
(式中、R1は炭素数4〜20のアルキル基である。)
上記一般式(I)および(III)において、R1は、炭素数4〜20のアルキル基、
好ましくは炭素数8〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基である。すなわち構成単位Aは、一般式(III)で表されるアクリル酸エステル単量体Amを重合することにより
得られる。炭素数4〜20のアルキル基を有するアクリル酸エステル単量体Amとしては、アクリル酸ノルマルブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、アクリル酸ノルマルオクチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ドデシル(アクリル酸ラウリル)、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸イソステアリルなどのアクリル酸アルキルエステル単量体が例示できる。これらの単量体は単独でも、2種類以上の混合物でもよい。中でも、粘着特性、沸点などのバランスから、R1は炭素数8〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基であるとよく、さらに入手しやすさも考慮すると、単量体Amとしてアクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。
構成単位Aは、一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂100重量%中、10
〜88.9重量%、好ましくは30〜73.9重量%、より好ましくは47〜78.9重量%である。構成単位Aが10重量%未満であると粘接着剤用アクリル樹脂のガラス転移温度が上昇し粘着性が損なわれる虞がある。また構成単位Aが88・9重量%超であると粘接着剤用アクリル樹脂の凝集力が不足し粘着性が損なわれる虞がある。
本発明において、一般式(I)における構成単位Bは単量体Bmを重合することにより
得られる。単量体Bmは下記一般式(IV)で表される。
Figure 0006386969
(式中、R2は炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有する置換基である。)
上記一般式(I)および(IV)において、R2は、炭素数6〜8の環状炭化水素基を
1〜3個有する置換基、好ましくは二重結合を有しない環状炭化水素基を1〜3個有する置換基である。すなわち構成単位Bは、一般式(IV)で表されるアクリル酸エステル単
量体Bmを重合することにより得られる。炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有するアクリル酸エステル単量体Bmとしては、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ナフチル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸エステル単量体が例示できる。これらの単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。中でも、UV硬化で使用することを考慮した場合に硬化阻害が少ないという理由から、R2の環状炭化水素基は二重結合を有さないものが望ましい。さらに入手しやすさも考慮すると、単量体Bmとしてアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニルが好ましい。
構成単位Bは、一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂100重量%中、10
〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%である。構成単位Bが10重量%未満であると粘接着剤用アクリル樹脂の凝集力が不足し粘着性が損なわれる虞がある。また構成単位Bが50%超であるとガラス転移温度が上昇し粘着性が損なわれる虞がある。
本発明において、一般式(I)における構成単位Cは単量体Cmを重合することにより
得られる。単量体Cmは下記一般式(V)で表される。
Figure 0006386969
(式中、R3は下記一般式(II)で表される2価の置換基である。)
Figure 0006386969
(式(II)中、R6は炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜5の整数である。)
上記一般式(I)および(V)において、R3は、一般式(II)で表される2価の置
換基である。すなわち構成単位Cは、一般式(V)で表される水酸基を有するアクリル酸エステル単量体Cmを重合することにより得られる。アクリル酸エステル単量体Cmとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ε−カプロラクトン変性(n=1〜5)アクリレートなどのアクリル酸アルキルエステル単量体が例示できる。これらの単量体は単独で使用しても、2種類以上の混合物で使用してもよい。中でも、反応性が良く、液状でガラス転移温度を低くしやすいという理由から、一般式(V)で表される水酸基を有するアクリル酸エステル単量体Cmが、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ε−カプロラクトン変性(n=2)アクリレートが望ましい。
構成単位Cは、一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂(I)100重量%中
、1〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%である。構成単位Cが1重量%未満であると粘接着剤用アクリル樹脂(I)の凝集力が不足し粘着
性が損なわれる虞がある。また構成単位Cが30重量%超であると水素結合性の増大から硬度が高くなり粘着性が損なわれる虞がある。
本発明において、一般式(I)における構成単位Dは、構成単位Cを共重合により形成
した後、構成単位Cが有する水酸基に、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルEを付加反応することにより得られる。(メタ)アクリル酸エステルEは、下記一般式(VI)で表される。
Figure 0006386969
(式中、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、R5は水素またはメチル基である。)
上記一般式(I)および(VI)において、R4は、炭素数2〜4のアルキレン基、好
ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。またR5は水素またはメチル基である。イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルEとしては、アクリル酸2−イソシアナートエチル、アクリル酸3−イソシアナートプロピル、アクリル酸4−イソシアナートブチル、メタクリル酸2−イソシアナートエチル、メタクリル酸3−イソシアナートプロピル、メタクリル酸4−イソシアナートブチルの(メタ)アクリル酸エステル単量体が例示できる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは単独でも、2種類以上の混合物でもよい。中でも、硬化速度が速い特徴からアクリル酸エステルが望ましく、さらに入手しやすさも考慮すると、アクリル酸2−イソシアナートエチル、メタクリル酸2−イソシアナートエチルが好ましい。
構成単位Dは、一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂100重量%中、0.
1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。構成単位Dが0.1重量%未満であると粘接着剤用アクリル樹脂(I)を硬化させた際に硬化不足となり粘着性が損なわれる虞がある。構成単位Dが10重量%超であると硬化物の硬度が高くなり粘着性が損なわれる虞がある。
本発明の一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)
が好ましくは10万〜30万、より好ましくは10万〜25万、さらに好ましくは10万〜20万であるとよい。また、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnで表される多分散度が好ましくは2.0〜5.0、より好ましくは2.0〜4.5、さらに好ましくは2.0〜4.0であるとよい。重量平均分子量(Mw)が10万未満であると凝集力が不足し、粘着性能が損なわれる傾向がある。また重量平均分子量(Mw)が30万を越える場合は得られる無溶剤組成物の粘度が増大し、塗工が困難となる傾向がある。分子量の多分散度Mw/Mnが2.0未満であるとタック性(初期粘着性)が損なわれる傾向がある。また分子量の多分散度Mw/Mnが5.0を越えると凝集力が低下し、粘着性能を損なう傾向がある。
本発明の一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂は、ガラス転移温度が好まし
くは−60〜0℃、より好ましくは−55〜―10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃であるとよい。ガラス転移温度が−60℃未満であると凝集力が不足し、ガラス転移温度が0℃越の場合は硬化物の硬度が高くなり、それぞれ粘着性が損なわれる傾向にある。本明細書において、一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂のガラス転移温度は、構成単位A,B,Cの合計を基準としてFOX式で算出することができる。ここで、FOX式に適用するアクリル酸エステル単量体Am,Bm,Cmのホモポリマーのガラス転移温度は、各単量体の生産メーカーが公表している値を採用することができる。
本発明において、一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂は、単独で粘接着剤
材料として使用することができる。また粘接着剤用アクリル樹脂およびアクリル酸エステル単量体混合物を含む粘接着剤用アクリル樹脂組成物として粘接着剤材料に使用することもできる。
アクリル酸エステル単量体混合物は、一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂
における構成単位A,B,CおよびDを形成するための単量体Am,Bm,CmおよびEmの混合物である。これらの単量体は一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂に
おける構成単位A,B,CおよびDを形成するための単量体であれば、単量体Am,Bm,CmおよびEmの構成重量比は、必ずしも構成単位A,B,CおよびDの構成重量比と同一でなくともよい。
本発明の粘接着剤用アクリル樹脂組成物は、一般式(I)で表される粘接着剤用アクリ
ル樹脂を30〜80重量%、好ましくは40〜75重量%、さらに好ましくは50〜70重量%含むことが好ましく、同時にアクリル酸エステル単量体Am,Bm,CmおよびEmの混合物が20〜70重量%、好ましくは25〜60重量%、さらに好ましくは30〜50重量%の構成が望ましい。一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂およびア
クリル酸エステル単量体Am,Bm,CmおよびEmの混合物が上述した組成の範囲内であると、粘着性能、硬化速度が低下する傾向がある。
本発明において一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂の製造方法は、付加開
裂型連鎖移動剤を用いたラジカル重合で得ることができる。この製造方法は、無溶剤重合が可能で、さらに得られたアクリル樹脂の硬化速度が速くなる傾向があるため、特に望ましい。
本発明の粘接着剤用アクリル樹脂の製造方法で使用する付加開裂型連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー、2−シアノ−2−プロピルベンゾジチオネート、シアノメチルドデシルトリチオカーボネート、ビス(チオベンゾイル)ジスルフィド等が例示される。この中でも下記化学式(VII)で示すα−メチルスチレンダイマーすなわち、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが入手も容易で安価なことから特に好適に用いることができる。
Figure 0006386969
本発明の付加開裂型連鎖移動剤の使用量は、重合しようとする粘接着剤用アクリル樹脂の設定重量に対し、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%使用することが好ましい。付加開裂型連鎖移動剤の使用量が0.1重量%未満であると重合反応速度が制御不能となり無溶剤重合できなくなる傾向にある。付加開裂型連鎖移動剤の使用量が10重量%超であると逆に重合反応速度が極端に遅くなるため生産性を著しく損なう傾向にある。
本発明での一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂の製造方法は、付加開裂型
連鎖移動剤を用いたラジカル重合を用い、好適な分子量及び多分散度、およびガラス転移温度が上記範囲を満たすように重合するものであれば、特に限定されない。無溶剤組成物またはアクリル樹脂単体を安全、かつ簡便に得ることを考慮すると、リビングラジカル重合を用いた無溶剤重合によって得ることが好ましい。具体的には、アクリル酸エステル単量体Am,BmおよびCmと付加開裂型連鎖移動剤の混合物に重合開始剤を投入して塊状重合を開始し、任意の量または全量を重合させることで構成単位A,B,Cの部分重合物または重合物を得る。その後、構成単位Cが有する水酸基に、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体Emを反応させることで、一般式(I)で表される粘
接着剤用アクリル樹脂とアクリル酸エステル単量体混合物Am,Bm,CmおよびEmの混合物、または一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂を製造することができる
本発明の一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂または一般式(I)で表され
る粘接着剤用アクリル樹脂とアクリル酸エステル単量体Am,Bm,CmおよびEmの混合物とからなる粘接着剤用アクリル樹脂組成物は重合反応によって硬化させることで粘接着性を発現する。硬化の方法は特に限定されないが、2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、ジベンゾイルパーオキサイドなどの熱によりラジカルを発生させる重合開始剤を加え、加熱して硬化させる方法、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどの紫外線を吸収してラジカルを発生させる重合開始剤を加え、UV照射して硬化させる方法などが例示でき、これら方法は単独でも組み合わせでも使用できる。また、前記ラジカル系重合開始剤以外にも重合反応を開始できるものとしてカチオン系重合開始剤、アニオン系重合開始剤も使用することができる。
以下に実施例で本発明の詳細を説明するが、本発明の粘接着剤用アクリル樹脂および粘接着剤用アクリル樹脂組成物はこれら実施例に限られるものではない。
以下の実施例および比較例では、測定方法、評価方法等を次の通りとした。また、百分率(%)は、特にことわりのない場合は重量%を表す。
1)重合転化率(単位:%)
アクリル樹脂を重合したときの重合転化率は、JIS K 5407:1997に従って加熱残分(%)を測定した。この重合転化率をアクリル樹脂組成物中の重合体(アクリル樹脂)の濃度(%)とた。ただし、加熱条件は温度140℃、時間は30分とした。
2)各単量体の濃度および単量体混合物の濃度(単位:重量%)
アクリル樹脂組成物を試料とし、逆相カラムを装備した液体クロマトグラフィー(SIMADZU製)で、溶離液にアセトニトリルおよび0.02M−リン酸水溶液を使用して測定した。各単量体は単量体Am,Bm,CmおよびEmを同条件で測定して得られた検量線により外部標準法で定量し、その値をアクリル樹脂組成物中の各単量体Am,Bm,CmおよびEmの濃度(%)とした。また、得られた単量体Am,Bm,CmおよびEmの合計をアクリル樹脂組成物中の単量体混合物濃度(%)とした。
3)アクリル樹脂の各構成単位の濃度および重合体濃度(単位:重量%)
各構成単位A,B,CおよびDの由来となる単量体Am,Bm,CmおよびEmの仕込み重量と、それぞれに対応する2)で求めたアクリル樹脂組成物中の単量体Am,Bm,CmおよびEmの含有濃度(未反応単量体濃度)より算出される重量より、下記のように算出した値を各構成単位A,B,CおよびDの濃度(%)とした。ここで、各構成単位中に複数の種類がある場合は、それぞれを算出して合算した。
構成単位A濃度(%)=単量体Amの仕込み濃度−アクリル樹脂組成物中の単量体Aの濃度
構成単位B濃度(%)=単量体Bmの仕込み濃度−アクリル樹脂組成物中の単量体Bmの濃度
構成単位C濃度(%)=[単量体Cmの仕込み濃度−単量体Emの仕込み濃度と等モルの単量体Cmの濃度]−アクリル樹脂組成物中の単量体Cmの濃度
構成単位D濃度(%)=[単量体Emの仕込み濃度+単量体Emの仕込み濃度と等モルの単量体Cmの濃度]−アクリル樹脂組成物中の単量体Emの濃度
4)重合体のガラス転移温度(単位:℃)
単量体Am,Bm,Cmの仕込み重量の合計を基準として、FOX式を用いて算出した値を重合体のガラス転移温度とした。ここで、FOX式に適用する各アクリル酸エステル単量体のホモポリマーのガラス転移温度は、各単量体の生産メーカーが公表している値を採用した。実施例および比較例中の単量体のガラス転移温度については下記の値を使用している。
アクリル酸ブチル −55(℃)
アクリル酸2−エチルヘキシル −63(℃)
アクリル酸イソノニル −58(℃)
アクリル酸ラウリル 15(℃)
アクリル酸エチル −24(℃)
メタクリル酸メチル 105(℃)
アクリル酸シクロヘキシル 15(℃)
メタクリル酸シクロヘキシル 66(℃)
アクリル酸ジシクロペンタニル 120(℃)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル −15(℃)
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 55(℃)
アクリル酸4−ヒドロキシブチル −32(℃)
プラクセルFA−2D −40(℃)
5)重量平均分子量(Mw)/多分散度(Mw/Mn)
アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)「HLC−8220GPC」(東ソー(株)社製)で、溶離液に0.025Mリン酸−テトラヒドロフラン溶液を使用して測定した。数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は標準ポリスチレン換算で算出した。また、多分散度(Mw/Mn)は、重量平均分子量を数平均分子量で除して求めた。
6)硬化方法
本実施例、比較例で得られたアクリル樹脂およびアクリル樹脂組成物を以下の方法で硬化させ硬化性、透明性、粘着性を評価した。アクリル樹脂およびアクリル樹脂組成物の硬化はUV硬化で実施した。アクリル樹脂またはアクリル樹脂組成物100gに対して重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製ルシリンTPO)を1g配合し、完全に溶解するまで攪拌混合した。これを、任意の基材および厚さに調整し、UV照射機CS30R1−1(GS NIPPON DENCHI製高圧水銀ランプ)で、照射強度100mW/cm2,積算光量500mJ/cm2の条件で硬化させた。
7)硬化性の評価:硬化転化率(単位:%)
アクリル樹脂およびアクリル樹脂組成物を試料にし、照射強度100mW/cm2,積算光量500mJ/cm2の条件でUV硬化した際の硬化転化率(%)を硬化性とした。硬化転化率は前記条件でUV硬化さる前後の試料を、FT−IRで二重結合由来のピーク(810cm-1)の高さを測定し、硬化前の試料(粘着材料)の二重結合のピーク高さに対する硬化後の試料の二重結合のピーク高さを比べ、硬化による消失百分率を硬化転化率(%)とした。
同条件での硬化において硬化転化率は高いほど硬化速度が速いと判断できるため、本実施例、比較例の評価では97%以上を合格と判定した。
8)透明性の評価:全光線透過率(単位:%)/ヘイズ
2枚の厚さ1mmのフロートガラス(JIS R 3202規格:(株)パルテック製)に厚さ230μmとなるように、試料(アクリル樹脂またはアクリル樹脂組成物)を挟み、UV硬化させたものを試験片とした。測定は、ヘイズメーターNDH2000(日本電色工業(株)製)を使用し、D65光源でJIS K 7136規格に準拠した。測定値は上記フロートガラス1枚をブランクの試料として測定し、全光線透過率(%)およびヘイズを求めた。
全光線透過率は高いほど、ヘイズは小さいほど透明性が高いと判断できる。このため、本実施例、比較例の評価では、全光線透過率は98.0(%)以上を、ヘイズは0.5以下を合格と判定した。
9)粘着性の評価:剥離強度(単位:N/mm2)
JIS Z 0237に準じて180°剥離を速度300(mm/min)で測定した。PETフィルム上で硬化させた厚さ100(μm)、幅25(mm)の試料硬化物を、2kgローラーで基材に貼り付け試験片とした。試験に使用した基材は以下の4種類。
フロートガラス(JIS R 3202規格:パルテック製)
ポリプロピレン(JIS K 6921規格:パルテック製)
ポリカーボネート(JIS K 6735規格:パルテック製)
ポリメタクリル酸メチル(JIS K 6717規格:パルテック製)
剥離強度が高い程、試料硬化物の粘着力が高いと判定でき、本実施例、比較例の評価では5(N/mm2)以上を合格と判定した。
実施例1
窒素ガス導入管、還流冷却器、撹拌装置、仕込み口を有する0.5L四つ口フラスコに、アクリル酸2−エチルヘキシル 78.0g、アクリル酸ジシクロペンタニル 20.0g、アクリル酸4−ヒドロキシブチル 2g、α−メチルスチレンダイマー 2.0gを仕込み、窒素ガスでバブリングしながら攪拌し、混合物の温度を50℃に調節した。次に2,2´−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業製「V−70」)を1.2g投入した。温度を50℃に保ったまま2時間反応させた後、温度を85℃に昇温し、重合転化率が約98%となる時点で、フラスコ内の給気を窒素から空気に切り替えると共にp−メトキシフェノール 0.05gを投入して反応を停止させた。次に、アクリル酸2−イソシアナートエチル 0.5g、ジイソプロピルエチルアミン 0.05gを加え、95℃で攪拌し、FT−IRでのイソシアネート基(2260cm-1)のピークが消失するまで反応させ、実施例1のアクリル樹脂組成物を得た。
実施例2〜11
単量体Am,Bm,CmおよびEmの種類および仕込み量、付加開裂型連鎖移動剤および重合開始剤の使用量、重合転化率を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に作製し、実施例2〜11のアクリル樹脂組成物を得た。
以上の実施例における仕込み組成比を表1に示す。得られたアクリル樹脂組成物の組成分析の結果については表2に示す。またアクリル樹脂組成物の硬化物の硬化特性、透明性、粘着特性を評価結果した結果を表3に示す。
比較例1
窒素ガス導入管、還流冷却器、撹拌装置、仕込み口を有する0.5L四つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 100gを仕込み、窒素を通気しながら攪拌し、温度を80℃に調整した。そこへアクリル酸2−エチルヘキシル 76.0g、アクリル酸ジシクロペンタニル 22.0g、アクリル酸4−ヒドロキシブチル 2g、2,2‘−アゾビス(イソブチロニトリル) 0.2gを3時間で滴下し1時間攪拌後、温度を95℃に調整し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル) 0.05gを30毎に4回添加した後2時間攪拌した。次に、フラスコ内の給気を窒素から空気に切り替えアクリル酸2−イソシアナートエチル 0.4g、ジイソプロピルエチルアミン 0.04gを加え、95℃で攪拌し、FT−IRでのイソシアネート基(2260cm−1)のピークが消失するまで反応させ、比較例1の重合体を50%溶液の形で得た。
この50%重合体溶液 200gを80℃に調整した20Lの水中に投入し1時間攪拌した。その後、同量の水を5回入れ替えこれを繰り返した。得られたポリマ分を真空乾燥機に入れ、90℃で2日間乾燥し、比較例1のアクリル樹脂を得た。
比較例2
比較例1と同組成の重合体組成物において、単量体Em(アクリル酸2−イソシアナートエチル)を使用しない以外は比較例1と同様に合成し、比較例2のアクリル樹脂を得た。
比較例3〜4
実施例4と同組成のアクリル樹脂組成物において、単量体Em(アクリル酸2−イソシアナートエチル)の使用量を表4のように変更した以外は、実施例1と同様に合成し、比較例3〜4のアクリル樹脂組成物を得た。
比較例5〜12
実施例4と同組成の重合体組成物において、単量体Am,Bm,Cmの種類および/または仕込み量を表4のように変更した以外は、実施例1と同様に合成し、比較例5〜12の重合体組成物を得た。
以上の比較例における仕込み組成比を表4に示す。得られたアクリル樹脂およびアクリル樹脂組成物の組成分析の結果を表5に示す。またアクリル樹脂およびアクリル樹脂組成物の硬化物の硬化特性、透明性、粘着特性を評価結果した結果を表6に示す。
Figure 0006386969
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Figure 0006386969
Figure 0006386969
実施例1〜11のように、本発明の特定の構成単位を持つアクリル樹脂組成物が硬化性、透明性、粘着性の観点で非常にバランス良が良く、一般的に難付着性とされるポリプロピレンを含む多種基材において良好な粘接着性を有することがわかる。
一方、比較例1のように付加開裂型連鎖移動剤を用いずに合成したアクリル樹脂、比較例2および3のように構成単位Dを有しないアクリル樹脂またはアクリル樹脂組成物、比較例10〜12のようにメタクリル酸エステルを構成単位に導入したアクリル樹脂組成物は、実施例と比較して硬化性が低下していることがわかる。
また、比較例4〜7および11〜12の評価結果から、構成成分B,Cの種類、使用量、ガラス転移温度にも、多種基材に対する粘着性の観点で適切な範囲があることがわかる。

Claims (14)

  1. 下記一般式(I)で表される構成単位を有し、繰り返し数a,b,cおよびdが付され
    た繰り返し単位を構成単位A,B,CおよびDとするとき、構成単位Aの重量分率が10〜88.9重量%、構成単位Bの重量分率が10〜50重量%、構成単位Cの重量分率が1〜30重量%および構成単位Dの重量分率が0.1〜10重量%であることを特徴とする粘接着剤用アクリル樹脂。
    Figure 0006386969
    (式(I)中、R1は炭素数4〜20のアルキル基、R2は炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有する置換基、R3は下記一般式(II)で表される2価の置換基、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、R5は水素またはメチル基であり、a,b,c,dは1以上の実数である。
    Figure 0006386969
    式(II)中、R6は炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜5の整数である。)
  2. 重量平均分子量(Mw)が10万〜30万、かつ分子量の多分散度(Mw/Mn)が2.0〜5.0である請求項1記載の粘接着剤用アクリル樹脂。
  3. ガラス転移温度が−60〜0℃である請求項1または2記載の粘接着剤用アクリル樹脂。
  4. 下記一般式(III)で表される単量体Am、一般式(IV)で表される単量体Bm、
    および一般式(V)で表される単量体Cmを付加開裂型連鎖移動剤の存在下でラジカル重合することで得られるアクリル酸エステル重合体に、下記一般式(VI)で表されるイソ
    シアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルEmを反応させて得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の粘接着剤用アクリル樹脂。
    Figure 0006386969
    (式中、R1は炭素数4〜20のアルキル基である。)
    Figure 0006386969
    (式中、R2は炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有する置換基である。)
    Figure 0006386969
    (式中、R3は前記一般式(II)で表される2価の置換基である。)
    Figure 0006386969
    (式中、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、R5は水素またはメチル基である。)
  5. 1が、炭素数8〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基である請求項1〜4のいずれか記載の粘接着剤用アクリル樹脂。
  6. 2が、シクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜5のいずれか記載の粘接着剤用アクリル樹脂。
  7. 一般式(I)において、その構成単位中にカルボキシ基を有さないことを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか記載の粘接着剤用アクリル樹脂。
  8. 電子材料に使用する請求項1〜7のいずれか記載の粘接着剤用アクリル樹脂。
  9. 光学材料に使用する請求項1〜7のいずれか記載の粘接着剤用アクリル樹脂。
  10. 下記一般式(I)で表される粘接着剤用アクリル樹脂を30〜80重量%、下記一般式
    (III)で表される単量体Am、一般式(IV)で表される単量体Bm、一般式(V)
    で表される単量体Cmおよび一般式(VI)で表される(メタ)アクリル酸エステルEmからなる単量体混合物を20〜70重量%含有する粘接着剤用アクリル樹脂組成物。
    Figure 0006386969
    (式(I)中、R1は炭素数4〜20のアルキル基、R2は炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有する置換基、R3は下記一般式(II)で表される2価の置換基、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、R5は水素またはメチル基であり、a,b,c,dは1以上の実数である。
    Figure 0006386969
    式(II)中、R6は炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜5の整数である。)
    Figure 0006386969
    (式中、R1は炭素数4〜20のアルキル基である。)
    Figure 0006386969
    (式中、R2は炭素数6〜8の環状炭化水素基を1〜3個有する置換基である。)
    Figure 0006386969
    (式中、R3は前記一般式(II)で表される2価の置換基である。)
    Figure 0006386969
    (式中、R4は炭素数2〜4のアルキレン基、R5は水素またはメチル基である。)
  11. 溶剤、可塑剤を含まず。付加開裂型連鎖移動剤の存在下において、前記単量体Am、単量体Bmおよび単量体Cmからなる単量体混合物を部分重合してから、前記(メタ)アクリル酸エステルEmを反応させて得られることを特徴とする請求項10記載の粘接着剤用アクリル樹脂組成物。
  12. 有機酸および無機酸を成分として含まないことを特徴とする請求項10または11記載の粘接着剤用アクリル樹脂組成物。
  13. 電子材料用である請求項10〜12のいずれか記載の粘接着剤用アクリル樹脂組成物。
  14. 光学材料用である請求項10〜12のいずれか記載の粘接着剤用アクリル樹脂組成物。
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