JP6382781B2 - 半導体素子の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は高効率かつ大面積の半導体素子を製造するための製造装置、および製造方法に関するものである。
従来、光電変換材料または発光材料などの半導体素子は、蒸着法などの比較的複雑な方法で製造されていた。これら半導体素子を塗布や印刷で生産できるようになると、従来よりも低コストで簡便に作製できるため、そのような方法が模索されている。一方で、有機材料からなる、または有機材料と無機材料との組み合わせから成る材料を用いた太陽電池、センサー、発光素子などの半導体素子が盛んに研究開発されている。これらの研究は、光電変換効率または、発光効率が高い素子を見出すことである。このような研究の対象として、ペロブスカイト半導体は、塗布法が適用可能であり、また高効率が期待できることから、昨今注目されている。
本発明は、高効率で発電または発光できる半導体素子を、塗布または印刷により生産できる半導体素子の製造装置および製造方法を提供することにある。
実施形態による半導体素子の製造方法は、第一の電極と、第二の電極と、ペロブスカイト構造を有する活性層と、基板とを具備する半導体素子の製造方法であって、
前記活性層を、
ペロブスカイト構造の前駆体化合物と前記前駆体化合物を溶解し得る有機溶媒とを含む塗布液を前記第一の電極または第二の電極の上に、直接または間接に塗布して塗膜を形成させ、
前記塗膜中におけるペロブスカイト構造の形成反応が完了する前に、前記塗膜にガスの吹き付けを開始する
ことを特徴とするものである。
また、実施形態による半導体素子の製造装置は、第一の電極と、第二の電極と、ペロブスカイト構造を有する活性層と、基板とを具備する半導体素子を製造するための装置であって、
前記活性層を形成させる際に、ペロブスカイト構造の前駆体化合物と前記前駆体化合物を溶解し得る有機溶媒とを含む塗布液を前記第一の電極または第二の電極の上に、直接または間接に塗布することにより形成された塗膜に、ガスを吹き付けるノズルと
前記塗膜の、前記ノズルからガスが吹き付けられた部分の状態を観察する測定部と、
前記測定部において観察された情報に応じて、前記ノズルがガスを吹き付ける位置またはガスの吹きつけ量を制御する制御部と
を具備することを特徴とするものである。
実施形態により製造される半導体素子の構造を示す模式図であり、図1(A)は模式的立面図、図1(B)は模式的平面図、図1(C)は模式的側面図である。 実施形態による半導体素子製造装置の構造を示す模式図。 実施形態に用いられるノズルの断面図。 実施例1の素子の模式断面図。 第1の実施例による素子のエネルギーダイヤグラム。 半導体素子の製造装置におけるノズルの位置を示す説明図。 第1の実施例による素子のIV特性図。 第2の実施例における、ガス不吉科刑し時間と変換効率の関係を示す図。 比較例3の素子の光学顕微鏡写真。 第3の実施例による素子のIV特性図。 比較例4のペロブスカイト層のXRDプロファイル。 実施例4のペロブスカイト層のXRDプロファイル。 a=8.9、c=12.6、空間群I4/mcmに帰属される結晶のXRDプロファイル。 第5の実施例による素子のIV特性図。 第6の実施例による半導体の連続運転時の変換効率変化を示す図。 第7の実施例による素子のIV特性図。 第9の実施例による素子のエネルギーダイヤグラム。 第9の実施例による素子のIV特性図。 第9の実施例による素子の電圧と電力との関係を示す特性図。
図1(A)〜(C)は、実施形態の方法により製造される半導体素子の一態様である光電変換素子10の構成の一例を示す模式図である。基板16上に、第一の電極11、第一のバッファー層12、活性層13、第二のバッファー層14、第二の電極15が積層している。第一の電極11と第二の電極15は、陽極または陰極となり電気が取り出される。光電変換層13は、基板16と第一の電極11と第一のバッファー層12、または第二の電極15と第二のバッファー層14を通して入射した光によって励起され第一の電極11と第二の電極15に電子または正孔を生じる材料である。第一のバッファー層12と第二のバッファー層14は、光電変換素子と二つの電極との間に存在する層であり、実施形態において、必ずしも必須の構成材料ではない。さらに活性層13の一方向に、第一の電極11および/または第一のバッファー層12と、第二のバッファー層14および/または第二の電極15との両方が、相互に離間して配置された、いわゆるバックコンタクト方式の構造を有していてもよい。
なお、実施形態において、半導体素子とは、太陽電池、またはセンサーなどの光電変換素子と、発光素子とを意味するものである。そしてこれらは、活性層が光電変換層として機能するか、発光層として機能するかの差があるが、基本的な構造は同様である。
[半導体素子]
以下、実施形態により製造される半導体素子の構成部材について、光電変換素子を例に説明する。
(基板16)
基板16は、ほかの構成部材を支持するためのものである。この基板16は、その表面に電極を形成することができることが必要である。このため、電極形成時にかかる熱や、接触する有機溶媒によって変質しないものであることが好ましい。基板16の材料としては、例えば、(i)無アルカリガラス、石英ガラス等の無機材料、(ii)ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム等の有機材料、(iii)ステンレス鋼(SUS)、シリコン等の金属材料等が挙げられる。
基板16は、透明なものであっても、不透明なものであってもよく、目的とする光電変換素子の構造によって適切に選択される。基板16の表面から光が入射する場合には、透明な基板が使用される。また、基板16とは反対側の電極が透明または半透明である場合、不透明な基板を使用することもできる。
基板の厚さは、その他の構成部材を支持するために十分な強度があれば、特に限定されない。
基板16が光入射面側に配置される場合、光入射面には、例えばモスアイ構造の反射防止膜を設置することができる。このような構造とすることで、光を効率的に取り込み、セルのエネルギー変換効率を向上させることが可能である。モスアイ構造は表面に100nm程度の規則的な突起配列を有する構造をしており、この突起構造により厚み方向の屈折率が連続的に変化するため、無反射フィルムを媒介させることで屈折率の不連続的な変化面がなくなるため光の反射が減少し、セル効率が向上する。
(第一の電極と第二の電極)
第一の電極11と第二の電極15は導電性を有するものであれば、従来知られている任意のものから選択することができる。ただし、光入射面側の電極の材料は、透明または半透明の導電性を有する材料から選択すべきである。透明または半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。第一の電極11と第二の電極15は、一方または両方が複数の材料が積層された構造を有していてもよい。
具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられる。特に、ITOまたはFTOが好ましい。
電極の厚さは、電極の材料がITOの場合には、30〜300nmであることが好ましい。電極の厚さが30nmより薄いと導電性が低下して抵抗が高くなる傾向にある。抵抗が高くなると光電変換効率低下の原因となることがある。一方、電極の厚さが300nmよりも厚いと、ITO膜の可撓性が低くなる傾向にある。この結果、膜厚が厚い場合には応力が作用するとひび割れてしまうことがある。なお、電極のシート抵抗は可能な限り低いことが好ましく、10Ω/□以下であることが好ましい。電極は単層構造であっても、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層した複層構造であってもよい。
電極を電子輸送層に隣接して電極を形成させる場合は、電極材料として仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。仕事関数の低い材料としては、例えば、
アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。具体的には、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、Na、K、Rb、Cs、Ba、およびこれらの合金を挙げることができる。また、前記した仕事関数の低い材料から選択される金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫などから選択される仕事関数が相対的に高い金属との合金であってもよい。電極材料に用いることができる合金の例としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、カルシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。このような金属材料を用いる場合、電極の膜厚は、1nm〜500nmであることが好ましく、10nm〜300nmであることがより好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、抵抗が大きくなり過ぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できないことがある。膜厚が厚い場合には、電極の成膜に長時間を要するため材料温度が上昇し、他の材料にダメージを与えて性能が劣化してしまうことがある。さらに、材料を大量に使用するため、成膜装置の占有時間が長くなり、コストアップに繋がることもある。
電極材料として有機材料を用いることもできる。例えばポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTということがある)などの導電性高分子化合物などが好ましい。このような導電性高分子化合物は市販されており、たとえばClevios P H 500、Clevios P H、Clevios P VP Al 4083、Clevios HIL 1,1(いずれも商品名、スタルク社製)などが挙げられる。PEDOTの仕事関数(またはイオンン化ポテンシャル)は4.4eVであるが、これに別の材料を組み合わせて電極の仕事関数を調整することができる。例えば、PEDOTにポリスチレンスルホン酸塩(以下、PSSということがある)を混合することで、仕事関数を5.0〜5.8eVの範囲で調製することができる。ただし、導電性高分子化合物と別の材料の組み合わせから形成された層は、導電性高分子化合物の比率が相対的に減少するため、キャリア輸送性が低下する可能性がある。ゆえにこのような場合の電極の膜厚は50nm以下であることが好ましく、15nm以下であることがより好ましい。また、導電性高分子化合物の比率が相対的に減少すると、表面エネルギーの影響で、ペロブスカイト層の塗布液をはじきやすいため、ペロブスカイト層にピンホールが発生しやすい傾向がある。このような場合には、窒素ガス等を吹きつけることで、塗布液がはじかれる前に溶媒の乾燥を完了させることが好ましい。なお、導電性高分子化合物としてはポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンが好ましい。
(光電変換層)
実施形態の方法により形成される光電変換層(活性層)13はペロブスカイト構造を有するものである。このペロブスカイト構造とは、結晶構造のひとつであり、ペロブスカイトと同じ結晶構造をいう。典型的には、ペロブスカイト構造はイオンA、B、およびXからなり、イオンBがイオンAに比べて小さい場合にペロブスカイト構造をとる場合がある。この結晶構造の化学組成は、下記一般式(1)で表すことができる。
ABX (1)
ここで、Aは1級アンモニウムイオンであり、具体的にはCHNH 、CNH 、CNH 、CNH 、およびHC(NH などが挙げられ、CHNH が好ましい。また、Bは2価の金属イオンであり、Pb2−またはSn2−、が好ましい。また、Xはハロゲンイオンであり、例えばF、Cl、Br、I、およびAtから選択され、Cl、BrまたはIが好ましい。イオンA、B、またはXを構成する材料は、それぞれ単一であっても混合であってもよい。構成するイオンはABX3の比率と必ずしも一致しなくても機能できる。
この結晶構造は、立方晶、正方晶、直方晶等の単位格子をもち、各頂点にAが、体心にB、これを中心として立方晶の各面心にXが配置している。この結晶構造において、単位格子に包含される、一つのBと6つXとからなる八面体は、Aとの相互作用により容易にひずみ、対称性の結晶に相転移する。この相転移が結晶の物性を劇的に変化させ、電子または正孔が結晶外に放出され、発電が起こるものと推定されている。
光電変換層の膜厚を厚くすると光吸収量が増えて短絡電流密度(Jsc)が増えるが、キャリア輸送距離が増える分、失活によるロスが増える傾向にある。このため最大効率を得るためには最適な膜厚があり、膜厚は30nm〜1000nmが好ましく、60〜600nmがさらに好ましい。
例えば光電変換層の厚みを個々に調整すれば、実施形態による素子と、その他の一般的な素子を太陽光照射条件では同じ変換効率になるように調整が可能である。しかし、膜質が異なるため200luxなどの低照度条件では、実施形態による素子は一般的な素子より高い変換効率を実現できる。
(第一のバッファー層12および第二のバッファー層14)
第一のバッファー層12と第二のバッファー層14は、光電変換素子と第一の電極または第二の電極に挟まれている。これらの層は、存在する場合には、いずれかが正孔輸送層として機能し、他方が電子輸送層として機能する。光電変換素子が、より優れた変換効率を達成するためには、これらの層を具備することが好ましいが、実施形態においては必ずしも必須ではなく、これらのいずれか、または両方が具備されていなくてもよい。また、第一のバッファー層12と第二のバッファー層14の両方または一方が、異なる材料が積層された構造を有していてもよい。
電子輸送層は、電子を効率的に輸送する機能を有するものである。バッファー層が電子輸送層として機能する場合、この層はハロゲン化合物または金属酸化物のいずれかを含むことが好ましい。ハロゲン化合物としてはLiF、LiCl、LiBr、LiI、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、またはCsFが好適な例として挙げられる。これらのうち、LiFが特に好ましい。
金属酸化物としては。酸化チタン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化アルミニウム、酸化ニオブが好適な例として挙げられる。これらのうち、酸化チタンが好ましい。酸化チタンとしては、ゾルゲル法によりチタンアルコキシドを加水分解することによって得られたアモルファス性酸化チタンが好ましい。
電子輸送層には、金属カルシウムなどの無機材料を用いることもできる。
実施態様による光電変換素子に電子輸送層を設ける場合、電子輸送層の厚さは20nm以下であることが好ましい。これは電子輸送層の膜抵抗を低くし、変換効率を高めることができるからである。一方で、電子輸送層の厚さは5nm以上とすることができる。電子輸送層を設け、一定以上の厚さとすることで、正孔ブロック効果を十分に発揮させることができ、発生した励起子が電子と正孔とを放出する前に失活することを防止することができる。この結果、効率的に電流を取り出すことができる。
n型有機半導体としては、フラーレンおよびその誘導体が好ましいが、特に限定されるものではない。具体的には、C60、C70、C76、C78、C84等を基本骨格として構成される誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体は、フラーレン骨格における炭素原子が任意の官能基で修飾されていてもよく、この官能基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。フラーレン誘導体には、フラーレン結合ポリマーが含まれる。溶媒に親和性の高い官能基を有し、溶媒への可溶性が高いフラーレン誘導体が好ましい。
フラーレン誘導体における官能基としては、例えば、水素原子;水酸基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、チエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基等が挙げられる。具体的には、C6036、C7036等の水素化フラーレン、C60、C70等のオキサイドフラーレン、フラーレン金属錯体等が挙げられる。
上述した中でも、フラーレン誘導体として、[60]PCBM([6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル)または[70]PCBM([6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステル)を使用することが特に好ましい。
また、n型有機半導体として、蒸着で成膜することが可能な低分子化合物を用いることができる。ここでいう低分子化合物とは、数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwが一致するものである。いずれかが1万以下である。BCP(bathocuproine)、 Bphen(4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline)、 TpPyPB(1,3,5−tri(p−pyrid−3−yl−phenyl)benzene)、DPPS(diphenyl bis(4−pyridin−3−yl)phenyl)silane)がより好ましい。
正孔輸送層は、正孔を効率的に輸送する機能を有するものである。バッファー層が正孔輸送層として機能する場合、この層はp型有機半導体材料やn型有機半導体材料を含むことができる。ここでいうp型有機半導体材料とn型有機半導体材料とは、ヘテロ接合、バルクヘテロ接合を形成したときに、電子ドナー材料、電子アクセプター材料として機能できる材料である。
正孔輸送層の材料としてp形有機半導体を用いることができる。
p形有機半導体は、例えば、ドナーユニットとアクセプタユニットからなる共重合体を含むものが好ましい。ドナーユニットとしては、フルオレンやチオフェンなどを用いることができる。アクセプタユニットとしては、ベンゾチアジアゾールなどを用いることができる。具体的には、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、チエノ[3,2−b]チオフェン誘導体等を用いることができる。正孔輸送層には、これらの材料を併用してもよいし、これらの材料を構成する共単量体からなる共重合体を用いてもよい。これらのうちポリチオフェンおよびその誘導体は、優れた立体規則性を有し、また溶媒への溶解性は、比較的高いので好ましい。
このほか、正孔輸送層の材料として、カルバゾール、ベンゾチアジアゾールおよびチオフェンを含む共重合体であるポリ[N−9’−ヘプタデカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)](以下、PCDTBT(ということがある)などの誘導体を用いてもよい。さらにベンゾジチオフェン(BDT)誘導体とチエノ[3,2−b]チオフェン誘導体の共重重合体も好ましい。例えばポリ[[4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル][3−フルオロ−2−[(2−エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェンジイル]](以下PTB7ということがある)、PTB7のアルコキシ基よりも電子供与性が弱いチエニル基を導入したPTB7−Th(PCE10、またはPBDTTT−EFTと呼ばれることもある)等も好ましい。さらに、正孔輸送層の材料として、金属酸化物を用いることもできる。金属酸化物の好適な例としては、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化アルミニウムが挙げられる。これらの材料は、安価であるという利点を有する。さらに正孔輸送層の材料として、チオシアン酸銅などのチオシアン酸塩を用いてもよい。
また、spiro−OMeTADなどの輸送材料や前記p型有機半導体に対してドーパントを使用することができる。ドーパントとしては、酸素、4−tert−ブチルピリジン、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド (Li−TFSI)、アセトニトリル、トリス[2−(1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン]コバルト(III)トリス(ヘキサフルオロリン酸)塩(商品名「FK102」で市販)、トリス[2−(1H−ピラゾール−1−イル)ピリミジン]コバルト(III)トリス[ビス(トリスフルオロメチルスルフォニル)イミド](MY11)などを使用できる。
正孔輸送層としてポリエチレンジオキシチオフェンなどの導電性高分子化合物を利用することができる。このような導電性高分子化合物は電極層の項に挙げたものを用いることができる。正孔輸送層においても、PEDOTなどのポリチオフェン系ポリマーに別の材料を組み合わせて、正孔輸送等として適切な仕事関数を有する材料に調整することが可能である。ここで、正孔輸送層の仕事関数が前記活性層の価電子帯よりも低くなるように調整することが好ましい。
以上、本実施形態の方法で製造する光電変換素子の構造について説明した。ここで、ペロブスカイト構造を有する活性層は発光層としても機能しえる。このため、後述する半導体素子の製造方法では、同様の方法で光電変換素子だけでなく発光素子も製造することができる。実施形態においては、これらを総括して半導体素子という。
[半導体素子の製造方法]
実施形態による半導体素子の製造方法は、ペロブスカイト構造を有する活性層の形成に特徴がある。基板、第一の電極、第二の電極、必要に応じて形成させるバッファー層については、材料や製造方法に制限は無い。以下に実施形態による半導体素子の製造方法について説明する。
まず、基材上に第一の電極を形成させる。電極は任意の方法で形成させることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等から選択される方法が用いられる。
次に、必要に応じてバッファー層または下地層を形成させる。バッファー層も真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等から選択される方法で形成させることができる。下地層(詳細後述)は、通常、塗布法により形成される。
次に、電極上に直接、または電極上に、バッファー層または下地層を介して、活性層を形成させる。
実施形態による方法において、活性層は塗布法により形成される。すなわち、ペロブスカイト構造の前駆体化合物を含むと前記前駆体化合物を溶解し得る有機溶媒とを含む塗布液を、第一の電極または第二の電極の上に、塗布して塗膜を形成させる。
塗布液に用いられる溶媒は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチロラクトンなどが用いられる。溶媒は材料を溶解できるものであれば制約されない。
塗布液は、ペロブスカイト構造を形成する複数の原材料を1つの溶液に溶かしたものでもよい。また、ペロブスカイト構造を形成する複数の原材料を個々に溶液に調整して順次、スピンコーター、スリットコーター、バーコーター、ディップコーターなどで塗布してもかまわない。
塗布液は添加剤をさらに含んでいても良い。このような添加剤としては、1,8−diiodooctane (DIO)、N−cyclohexyl−2−pyrrolidone(CHP)が好ましい。
なお、一般的に素子構造にメソポーラス構造体が含まれる場合、活性層にピンホール、亀裂、ボイドなどが発生しても、電極間の漏れ電流が抑えられることが知られている。素子構造がメソポーラス構造を有しない場合には、そのような効果が得られにくい。しかし、実施形態において塗布液にペロブスカイト構造の複数の原料が含まれる場合、活性層形成時の体積収縮が少ないため、よりピンホール、亀裂、ボイドが少ない膜が得られやすい。さらに、塗布液の塗布後に、ヨウ化メチルアンモニウム(MAI)、金属ハロゲン化合物等を含む溶液を塗布すると、未反応の金属ハロゲン化合物との反応が進み、さらにピンホール、亀裂、ボイドが少ない膜が得られやすい。したがって、塗布液の塗布後に、活性層の表面にMAIを含む溶液を塗布することが好ましい。なお、MAI溶液の塗布は、後述するガス吹きつけの後に行うことがこのましい。
(ガス吹きつけ)
実施態様による方法では、塗布された塗膜中でペロブスカイト構造形成反応を速やかに進行させる必要がある。この反応を進行させるために、塗膜にガスを吹き付ける。
ガスの種類は特に限定されない。例えば、窒素や、希ガスに分類されるヘリウム、ネオン、アルゴンが好ましく用いられる。また、空気、酸素、二酸化炭素などを用いることもできる。これらのガスは、それらを単独で、あるいは混合して用いることもできる。窒素ガスは安価で大気から分離して利用することができるため好ましい。ガスの水分濃度は一般に50%以下、好ましくは4%以下であることが好ましい。一方、水分の下限値は10ppmが好ましい。
ガスの温度は30℃以下が好ましい。温度が高い程、塗布液中に含まれるペロブスカイト構造の原料の溶解度が高くなるため、ペロブスカイト構造の形成が阻害されてしまう。一方、基板温度はガス温度よりも低温であることが好ましい。例えば20℃以下であることが好ましく、15℃以下であることがより好ましい。
ガス吹きつけを行うと、アニールを行わなくても十分にペロブスカイト構造形成反応を促進することができる。このメカニズムは詳細に解明されていないが、自発的なペロブスカイト構造結晶化反応が促進されていると考えられる。ペロブスカイト構造が形成される過程で溶媒の排除も進むと考えられる。ガスの吹きつけにより、熱を加えなくともペロブスカイト構造形成反応が進むため、ピンホール、亀裂、またはボイドの形成が抑制される。また熱を加えないことで、塗膜表面の急激な乾燥が抑制されて、塗膜表面と内部との応力差が抑制される。このため形成される活性層表面の平滑性が高くなり、フィルファクターの改善や寿命の改善に繋がる。
ガスの吹きつけは、塗布液中でペロブスカイト構造の形成反応が完了する前に行う必要がある。すなわち、ガスの吹きつけにより反応を促進することが必要である。塗布液の液膜を形成した後、速やかにガスの吹き付けを開始することが好ましい。具体的には10秒以内が好ましく、1秒以内であることがより好ましい。塗布液が乾燥する過程では、ペロブスカイト構造の形成と同時に原料としてMAI、ヨウ化鉛などの単体の結晶も成長することがある。塗布液中に溶解分散した状態から速やかに乾燥させる程、ペロブスカイト構造を効率よく成長させることが可能である。実施形態による方法は、有機膜や格子不整合の大きい酸化物上にペロブスカイト構造を形成させる場合に有効である。
反応の進行は塗布液または塗膜の吸収スペクトルによって観察することができる。すなわち、ペロブスカイト構造の形成に伴って、光の透過率が低下する。したがって、目視観察すると反応の進行に伴って塗膜が褐色に呈色していくのがわかる。このような色の変化を定量的に観察するために、塗膜の吸収スペクトルを測定する。このような観察を行う場合には、塗布液に含まれる原料の吸収の影響を受けにくく、かつペロブスカイト構造による吸収を観察しやすい波長の吸収スペクトルを測定することが好ましい。具体的には、波長が700〜800nmの領域の吸収スペクトルを測定することが好ましい。吸収スペクトルの測定は、この領域全体について行うことは必要なく、特定の波長、例えば800nmの吸収スペクトルを観察すればよい。
吸収スペクトルは、塗布液の塗布の段階で、基板および電極などが透明である場合には透過光で測定することができる。一方、十分な透明性がない場合には塗膜表面の反射光を観察することでも測定ができる。
実施形態による方法では、ペロブスカイト構造の形成反応が完了する前にガスの吹きつけを開始し、形成反応が完了したらガスの吹きつけを終了する。形成反応の完了は、700〜800nmにおける吸収スペクトルの変化がなくなった時点とする。一方、吹きつけの開始は塗布完了後、可能な限り早く行うことが好ましい。ガス吹きつけの開始が早いほど、ペロブスカイト構造が均一に形成され、素子性能が向上する。
ペロブスカイト構造を形成する原料を含有する塗布液が、有機材料を含む層、例えば第一の電極11、第一のバッファー層12、第二のバッファー層14、第二の電極15など、または後述する下地層に接する場合、ガスの吹き付け時間は45秒以上であることが好ましく、120秒以上であることがより好ましい。
ガスの吹きつけは、塗布された表面におけるガスの流速が早いことが好ましい。すなわち、一般的にはノズルを介してガスの吹きつけを行うが、ノズルの先端が塗布面に向いていることが好ましく、また、ノズルの先端が塗布面に近いことが好ましい。
実施形態の効果を得るためにはガスの流速の管理をすることが好ましい。塗膜表面に流れるガス流が早いほどペロブスカイト構造の形成反応の進行が早くなる傾向にあるので好ましい。一方、ガス流による塗膜表面のゆらぎを防ぐために、ガス流速は遅いことが好ましい。
ガス吹きつけの後、ペロブスカイト構造の前駆体を含む塗布液をさら1回以上に塗布してもよい。塗布はスピンコーター、スリットコーター、バーコーター、ディップコーターなどで行うことができる。このような場合には、最初の塗布で形成される活性層は格子不整合層となりやすいので比較的薄い厚さとなる様に塗布されることが好ましい。具体的にはスピンコーターの回転数が相対的に早い、スリットコーターやバーコーターのスリット幅が相対的に狭い、ディップコーターの引き上げ速度が相対的に速い、塗布溶液中の溶質濃度が相対的に薄い等の膜厚を薄くするような条件であることが好ましい。
なお、2ステップ法、またはシーケンシャルデポジション等と呼ばれる従来の方法では、ペロブスカイト構造形成反応の完了後、すなわち反応により十分な発色が起った後にガスを吹き付けるが、これは単に溶媒成分を乾燥させるために実施されているものである。これらのガス吹きつけはメソポーラス構造や酸化チタンや酸化アルミニウムなどの下地層を含む素子においては、それらによってペロブスカイト構造が結晶化しやすいために有効だが、それ以外の有機膜や格子不整合の大きい酸化物上でのペロブスカイト構造の形成反応には効果が小さい。これらの有機膜や格子不整合の大きい酸化物上にペロブスカイト構造を形成させる場合には、実施形態において示した様に、ペロブスカイト形成反応の完了前に、ガスを吹きつけてペロブスカイト構造の形成反応を促進することで、ピンホール、亀裂、ボイド等の欠陥構造の抑制が実現できる。
(下地層)
ペロブスカイト構造を有する活性層を形成するのに先だって、第一または第二のバッファー層に加えて、またはそれらの代わりに、電極の上に下地層を形成させておくことができる。
下地層は、低分子化合物からなることが好ましい。ここでいう低分子化合物とは、数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwが一致するものであり1万以下である。例えば有機硫黄分子、有機セレン・テルル分子、ニトリル化合物、モノアルキルシラン、カルボン酸、ホスホン酸、リン酸エステル、有機シラン分子、不飽和炭化水素、アルコール、アルデヒド、臭化アルキル、ジアゾ化合物、ヨウ化アルキル等の低分子化合物を含むものが用いられる。例えば4−フルオロ安息香酸(FBA)が好ましい。
下地層は、上記した様な低分子化合物を含む溶液を塗布し、乾燥することにより形成させることができる。このような下地層を形成させることで、ダイポールによる真空準位シフトを利用してペロブスカイト層から電極へのキャリアの収集効率を向上させたり、ペロブスカイト層の結晶性の改善、ペロブスカイト層のピンホール生成の抑制効果、受光面側の光透過量の増加などの効果が得られる。これにより電流密度の増加、フィルファクターの改善の効果があり、光電変換効率や発光効率を改良することができる。特に酸化チタンと酸化アルミニウム以外の格子不整合の大きな結晶系のバッファー層や電極上にペロブスカイト構造を形成させる際に、下地層を設けることにより、下地層自体が応力緩和層となったり、下地層に近接したペロブスカイト構造の一部に応力緩和の機能をもたせることができる。下地層によってペロブスカイト層の結晶性の改善だけでなく、結晶成長に伴う内部応力を緩和し、ピンホールの生成抑制や、良好な界面接合を実現できる。
さらに、下地層として、メソポーラス構造を有する下地層や、酸化チタン、酸化アルミニウムなどからなる下地層を形成させることができる。このような下地層を形成させることで活性層にピンホール、亀裂、ボイドなどが発生しても、電極間の漏れ電流が抑えられる。尤も、本実施形態の方法はそのような半導体素子に限らず、そのような下地層を有さないプレナー型の素子に好適である。
(保護層)
ペロブスカイト構造を有する活性層を形成させた後、その表面に、第一または第二のバッファー層に加えて、またはそれらの代わりに、保護層を形成させることができる。
保護剤は活性層の表面に形成される起伏構造のうち、隆起部分を研磨過程で露出できるものであれば特に制約されない。ハロゲン化合物、無機酸化物、有機低分子材料、高分子材料などが利用できる。さらにキャリア輸送性を有するものであれば、第一または第二のバッファー層の機能を発揮できるのでさらに好ましい。前記した第一のバッファー層12および第二のバッファー層14に用いられる材料を利用できる。
(研磨方法)
活性層を形成した直後、または保護層を形成させた直後に、表面を研磨することが好ましい。この研磨は形成された層の表面を平滑にするために行われる。特に保護層を形成させた後の研磨は、活性層の表面における凸部分のみを露出させる様な研磨を行うことが好ましい。
研磨方法は特に制約されない。また研磨で使用する研磨剤も特に制約されない。JIS R6111に記載の褐色アルミナ研削材、白色アルミナ研削材、淡紅色アルミナ研削材、解削形アルミナ研削材、人造エメリー研削材、アルミナジルコニア研削材、黒色炭化けい素研削剤、緑色炭化けい素研削剤等が使用できる。研磨用微粉の大きさは、JIS R6001に記載の#240、#280、#320、#360、#400、#500、#600、#700、#800、#1000、#1200、#1500、#2000、#2500、#3000等が使用できる。さらに、不識布やポリビニルアルコールのスポンジ等が使用できる。
[半導体素子の製造装置]
実施形態による装置は、上記した半導体素子を製造するための装置である。図2は、実施形態による半導体製造装置の模式概念図の一例である。
この装置は、
(i)電極等の上に塗布された塗膜24にガスを吹き付けるためのノズル21、
(ii)ガスを吹き付けられた部分24aの状態、特にペロブスカイト構造形成反応の進行を観察する測定部22、および
(iii)測定部において観察された情報に応じて、前記ノズルがガスを吹き付ける位置またはガスの吹きつけ量を制御する制御部23
を具備している。
ノズル21は、任意の形状のものを用いることができるが、塗膜表面に流れるガスの流速が適切に制御できる形状であることが好ましい。塗膜表面に流れるガス流が早いほどペロブスカイト構造の形成反応の進行が早くなる傾向にあるので好ましい。一方、ガス流による塗膜表面のゆらぎを防ぐために、ガス流速は遅いことが好ましい。
具体的には、直進スプレーノズル、円錐スプレーノズル、扇型スプレーノズルなどが挙げられる。
そして、塗膜表面におけるガスの流速を早くするため、ノズルの先端が塗布表面に向いていることが好ましく、また、ノズルの先端が塗布面に近いことが好ましい。
より好ましい効果を得るために、ノズルは、図3の模式断面図に示したように配管31とツバ32(ガス流誘導部)を有するものであることが好ましい。ツバ32があることで、ツバ32と塗膜24の表面との間にガスの通路が形成され、ガス吹き出し口33から遠方であっても、十分に早いガスの流速を確保することができる。したがって、限られたガス量で塗布表面全体のガス流の早さを管理することができて、塗布表面の広い範囲で発明の効果を得ることができるので好ましい。ノズル部は複数有しても良い。
また、測定部22は、ガスを吹き付けた部分24aの状態を観察する。測定部が観察するのは、特にペロブスカイト構造形成反応の進行である。すなわち、ガスの吹きつけによって反応が促進されるが、反応の完了後にはガス吹きつけが必要なくなる。このような進行状況に関する情報が制御部23に送られ、制御部23は情報に応じて、ノズルからのガスの吹きつけを停止するか、あるいは、ノズルの位置を駆動したり、基板の位置を駆動または回転することによって、ガスを吹き付ける部分を反応の進行していない部分に変更する。反応の進行は、上記した通り吸収スペクトルにより観察できるので、測定部22には吸収スペクトル測定装置が組み込まれていることが好ましい。この測定部22は、ノズルによってガスが吹き付けられる部分の状態を観察するため、ノズル21と一体化することによって、構造が簡単になるので好ましい。測定部22は、反応の進行の他に、塗膜の厚さや、表面の平滑性などを同時に測定するものであってもよい。
なお、ガスの吹きつけの停止は、ペロブスカイト構造形成反応が完了した後に行うことが好ましいが、生産性向上のために、反応が完全に完了する前に停止することもできる。すなわち、反応の進行が70%以上であると、ペロブスカイト構造の基本的な構成が形成されるため、ガスの吹きつけを停止しても形成されるペロブスカイト構造の均一性への影響が小さいためである。したがって、ガスを吹き付けた部分の反応の進行が一定以上になったときに、ガスの吹き付け部分を変更していくように、ガス吹き付け部分を走査させていくように制御してもよい。
実施形態による装置は、上記の3つの構成部材を必須とするものであり、塗膜へのガス吹き付けをするための装置であるが、そのほかに基板を設置する基板固定部、塗布液を塗布するための塗布部をさらに具備してもよい。
さらに、基板上に電極など、半導体素子の他の構成部材を形成するための装置を組み合わせたものであってもよい。
従来、ペロブスカイト構造を利用した素子の評価は、発電エリアが2mm角程度の小さな素子で評価されていた。ペロブスカイト構造を利用した素子は結晶成長を伴う成膜で作製されるため、体積収縮などによる内部応力が発生するため、ピンホールの発生や層間剥離等を起こす問題がある。ゆれに、構造欠陥の少ない層構造の作製が困難であった。このために大量生産の場では、変換効率の再現性は低く、ばらつきは大きかった。このため、偶発的に一部で欠陥が少ない場合、特異的に高い変換効率が得られることがあったが、広い範囲で均一に高い変換効率を得ることは困難であった。
一方で、実用化のためには、より広い範囲で高い効率を実現できる素子を製造する必要がある。そのため以下の実施例は発電エリアが1cm角の素子を製造して比較検討を行った。塗布で作製される太陽電池は、通常幅1cm程度の短冊状のセルを直列構造にして作られる。ゆえに発電エリアが1cm角の素子は実際のモジュール性能の指標になる適切な大きさである。
[第1の実施例]
図4に示される構造の素子を作製した。このときのエネルギーダイヤグラムは図5のとおりである。まず、ガラス基板に上に第一の電極としてITO膜を形成させた。このITO膜の上に、PEDOT:PSSを含む下地層を形成させた。ここで、PEDOT:PSSは正孔輸送層としても機能する。PEDOT:PSSはAI4083(商品名、Heraeus社)を4000rpmでスピンコートした後、150℃で10分間乾燥させた。次に、活性層としてヨウ化メチルアンモニウムとヨウ化鉛から成るペロブスカイト層を形成させた。ペロブスカイト層の前駆体を含む塗布液はヨウ化メチルアンモニウムとヨウ化鉛を、DMFに溶解させて調製した。このとき、ヨウ化メチルアンモニウムは200mg/ml、ヨウ化鉛は578mg/mlになるように調整した。この溶液を下地層の上に5000rpmでスピンコートした。
塗布後、塗膜の吸収スペクトルがペロブスカイト構造の吸収スペクトルに変化する前にガスの吹きつけを開始した後、ペロブスカイト構造の吸収スペクトルが現れたら吹きつけを停止した。ガスは窒素ガスを用い、内径7.2mmのノズルから8L/分で吹き付けた。ノズルは、基板の中央部分の法線上にノズルの中心が位置する様に配置し、ノズルから基板までの距離は7.2cmとした。吹き付けは45秒間実施した。
PCBMの濃度が20mg/mlになるようにシクロベンゼン(CB)に溶解した溶液を調製し、形成された活性層の上に500rpmでスピンコートした。さらに、その上にBCPを真空蒸着で成膜した。このPCBM層とBCP層は電子輸送層として機能するバッファー層となる。
さらにバッファー層の上にAg真空蒸着して第二の電極とした。このようにして、実施例1Aの素子を作製した。
また、ガス吹き付けの際のノズルの位置を変更した素子も作製した。具体的には、ノズルの位置を、基板表面の法線上にあるが、基板の中央からずれた位置に配置したもの(実施例1B)およびノズルの先端を基板表面の無い部分に向けて配置したもの(比較例1A)を作成した。さらに、ガスの吹きつけを全く行わないで素子を作製した(比較例1B)。これらのノズルの位置を示す概念図は図6に示すとおりである。
これらの素子について、ソーラーシミュレーターでAM1.5の光を1000W/m照射したときのIV特性を測定した。得られた結果は表1および図7に示す通りであった。
それぞれの場合の変換効率ηは、実施例1Aで6.66%、実施例1Bで7.47%、比較例1Aで2.51%、比較例1Bで、0.01%であった。
次に、実施例1Bの条件と、比較例1Bの条件とで、変換効率のばらつきを評価した。比較例1Bの条件で4個の素子を作製したところ、4個中1個のみが高い変換効率を示した。一方実施例1Bの条件で4個の素子を作製したところ、4個の素子全てで高い変換効率が得られた。発電エリアが1cm角の素子を作製する場合には、ガス吹きつけによって再現性良く素子が作製できることが確認できた。
[第2の実施例]
活性層を塗布した直後の基板をスピンコーターに搭載して回転させ、ガスの吹きつけを行った。スピンコーターの回転を開始してからガスの吹きつけを開始するまでの時間を変更した場合の素子の特性は表2およびを図8に示した通りであった。その他の条件は実施例1Aと同じとした。回転開始後10秒以内に塗布すると高い変換効率が得られることがわかる。特に表2からわかるようにFFが向上している。ぺロブスカイト層の品質が向上していることがわかる。すなわち、塗布完了後、ガス吹きつけまでの時間が短いほど、素子の変換効率が高くなることが確認された。
[第3の実施例]
実施例1Aと同じ手順でPCBM層の形成まで行ったサンプルを作製し、ペロブスカイト層をガス吹きつけの有無による表面形状の違いを形状解析レーザー顕微鏡VK−X型(商品名、株式会社キーエンス製)で測定した。この結果、ガスを吹き付けたとき(実施例3)の高低差は1.0〜2.54μm、ガスを吹き付けなかったとき(比較例3)は1.5〜4.4μmであった。表面形状は平滑化が進むことがわかった。また、ガスを吹き付けなかった場合には、平滑面を有する窪地が多く現れていることがわかった。この窪地付近を光学顕微鏡(透過像)で観察すると、図9に示したとおり透過光が明るく見える場所であることがわかった。すなわちペロブスカイト層にピンホールがあることがわかった。
また、これらの素子を完成品としたときのそれぞれのIV特性と変換効率の関係は表3および図10に示したとおりであった。
[第4の実施例]
実施例1Aと同様の条件でペロブスカイト層の形成まで行ったサンプルを作製した。これらのをXRDで測定した結果を図11(比較例4:ガス吹きつけなし)および図12(実施例4:ガス吹きつけあり)に示した。ペロブスカイトに帰属できる回折ピークが複数確認できるが、14°と32°の回折ピークの強度比を比較すると、ガス吹きつけがあると強度比が高いことがわかる。つまり、32°の回折ピークに起因する結晶方位の生成が促進されていることがわかる。図13は、a=8.9、c=12.6、空間群I4/mcmに帰属される結晶のXRDプロファイルである。このXRDプロファイルは、ガス吹き付けありの場合のXRDプロファイルに、回折角、およびピーク強度比も良く一致している。ガス吹きつけを行うと、結晶核が多く形成され、その結晶核を利用してペロブスカイト構造の成長を促進していると考えられる。また、強度比が一致することから、特有の方位面に偏らない結晶成長が起きていると考えられる。
[第5の実施例]
実施例1AのPEDOT:PSSを含む下地層の代わりに4−フルオロ安息香酸(FBA)を含む下地層を塗布した。FBAはIPAに混合し、1mMの濃度に調整した後、40℃で均一に溶解してからスピンコートした。スピンコートの回転数は350rpmとした。この後、ペロブスカイト層を塗布する際にガスの吹きつけの有るもの(実施例5)と無いもの(比較例5)とを製造した。
表4および図14は、これらの素子のIV特性と変換効率の関係を示すものである。この図からわかるように、ガス吹きつけが無い場合、短絡電流密度(Jsc)が低く、ペロブスカイト構造が十分に形成されていないと考えられる。一方、ガス吹きつけを行うと、電流密度が増加して変換効率は0.49%から4.51%に増加した。そして、下地層にFBAを用いても優れた素子が形成できることが分かった。
第4の実施例で示したようにガス吹きつけを行うとペロブスカイト構造の形成が促進される。そして、ペロブスカイト構造が成長しにくいと考えられる下地層の上にもペロブスカイト構造を形成させ、短絡電流密度を増加させることが可能であることが分かった。このことから、実施形態の方法によって、従来採用されていた酸化チタンのような、製造時に高温処理が必要とされる下地層ではなく、低温で成膜可能な材料を下地層に用いてペロブスカイト構造を形成することができる。
[第6の実施例]
実施例1Aの素子(下地がPEDOT:PSS)、実施例5の素子(下地がFBA)と、下地層がTiOxであり、ガスの吹きつけを行わないで作成した素子(比較例6)をJIS準拠(JIS C 8938 アモルファス太陽電池モジュールの環境試験方法及び耐久性)の耐熱性試験に供した。比較例6の素子は、第一の電極にFTO、第二の電極に金を使用している点と、第二の電極とペロブスカイト層の間にはバッファー層として、Spiro−OMeTAD(2,2’,7,7’−テトラキス(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミノ)−9,9’−スピロビフルオレン)を成膜したことが異なる。この比較例6は従来用いられている光電変換素子の標準的な構成である。活性層の形成時には、ガスの吹きつけは行わなかったためペロブスカイト構造は、下地層のTiOxに起因して結晶成長する。
図15は、各素子の変換効率変化を示すものである。この図からわかるように標準構成では約100時間で初期効率の20%程度まで劣化した。それに対して本発明を適用した実施例1Aおよび実施例5の素子は耐久性が向上していることがわかる。結晶性の向上が耐久性の向上に寄与したと考えられる。また、相対的には実施例5の素子が実施例1Aの素子に比べて高い耐久性を有することがわかる。この原因は、PEDOT:PSSの塗布溶媒に含まれる水分がペロブスカイト層にダメージを与えているためと考えられる。また、素子の表面を目視観察すると、水によってペロブスカイト構造が崩れたことによって現れたと考えられる黄色い変色部分が認められた。
[第7の実施例]
実施例5と同様の手順で、ただし基板を冷却しながら、素子を製造した(実施例7A)。このとき、吹き付けるガスの温度は20℃、基板の温度は15℃であった。さらにPCBM層をスピンコートにより形成させた後、キムテックス(製品名、日本製紙クレシア株式会社製)で表面を研磨した。その後、再度、PCBM層を500rpmでスピンコートにより形成させた。
冷却をしなかった場合(実施例7B)、活性層はくすんだ色をしているが、冷却すると透明度が高くなった。くすみの原因は活性層と下地層の間に形成される界面構造の原因が大きいと考えられる。つまり、ペロブスカイトの結晶化による体積収縮で内部応力が蓄積し、下地層から活性層の一部が剥離して、光散乱構造を形成していると考えられる。冷却を行った場合、溶媒の乾燥速度が緩慢になり、内部応力を緩和しながらの結晶成長するために、光散乱構造の形成が抑制され、透明度が高い活性層が得られたと考えられる。
このときのIV特性は表5および図16に示す通りであった。図16からわかるように高いフィルファクターが得られることがわかった。フィルファクターは素子の構造に起因した暗電流特性の改善や、キャリア輸送過程でのキャリア再結合の低減による効果が確認できる。
また、冷却をした場合の素子と、冷却をしなかった場合の素子とを目視で観察した。冷却した場合、光散乱が低減されているため、受光面から観察すると背景が透過して見えた。しかし、冷却しなかった場合、光散乱のため、背景は見えなかった。このことより、冷却による接合界面の改良効果がわかった。
[第8の実施例]
実施例7Aと同様の方法で、2度目のPCBM層の塗布まで行ったサンプルを作成した。また、それに対して1度目のPCBM層の形成後、研磨を行わずに2度目のPCBM層を塗布したサンプルも作成した。2度目のPCBM層を塗布した後の外観も目視により観察した。この結果、研磨を行うことで、平滑でムラの無い膜面が形成されることが分かった。研磨を行わない場合は、PCBMを2度塗りしてもムラのある表面となることが分かった。ガス吹きつけを行った場合には、平滑性の高い活性層が得られるが、一部に隆起構造が残存していることがある。このような場合、活性層にPCBM層を形成させても完全には隆起を隠蔽できないため、ムラが発生すると考えられる。このため、PCBM層を塗布した後に研磨を行うことで、活性層の隆起した部分が取り除かれ、ムラの無い表面が得られるものと考えられる。そして、その結果、PCBM層を貫通するペロブスカイト層の隆起がなくなるため、活性層とて第2の電極との短絡部位が無くなり、優れた変換効率が得られるものと考えられる。
[第9の実施例]
実施例1AのPEDOT:PSSのAI4083の代わりにHIL1.1を使用した。HIL1.1をイソプロピルアルコール30%水溶液で2倍に希釈した後、5000rpmでスピンコートした。140℃で10分間加熱乾燥した。膜厚は10nmになった。このときのエネルギーダイヤグラムは図17のようになる。HILのイオン化ポテンシャルは−5.8eV、ペロブスカイト層の価電子帯は−5.44である。それぞれの測定にはYPS(大気中光電子分光装置)、UPS(紫外光電子分光法)等を利用できる。
表6および図18は、素子のIV特性と変換効率を表すものである。この図からわかるように同等の変換効率を維持して、Vocを向上させることができた。これらのデータから得られる電圧と電力との関係図(図19)からわかるように、最大出力(Pmax)のときの電圧は約600mVである。このときの短絡電流密度は図19から約8mA/cmだとわかる。この例による素子の最大出力が得られる短絡電流密度は11mA/cmである。電流値が大きいと、大型化すると電気抵抗の影響を受けやすい。高電圧化で変換効率を上げることはシステム全体でみた場合、有利である。
10 光電変換素子
11 第1の電極
12 第1のバッファー層
13 活性層
14 第2のバッファー層
15 第2の電極
16 基板
20 半導体素子製造装置
21 ノズル
22 測定部
23 制御部
24 塗膜
31 配管
32 ツバ
33 ガス吹き出し口

Claims (11)

  1. 第一の電極と、第二の電極と、ペロブスカイト構造を有する活性層と、基板とを具備する半導体素子の製造方法であって、
    前記活性層を、
    ペロブスカイト構造の前駆体化合物と前記前駆体化合物を溶解し得る有機溶媒とを含む塗布液を前記第一の電極または第二の電極の上に、直接または間接に塗布して塗膜を形成させ、
    前記塗膜中におけるペロブスカイト構造の形成反応が完了する前に、前記塗膜にガスの吹き付けを開始する
    ことを含み、
    前記ガスの吹きつけを行う間の前記基板の温度が、前記ガスの温度よりも低いことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. ガスの吹きつけを、前記塗膜の形成後、10秒以内に開始する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記基板の温度が15℃以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記塗布液が、有機材料を含む下地層を介して、前記第一の電極または第二の電極の上に塗布される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記有機材料が、低分子化合物である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記有機材料が、導電性高分子化合物であり、前記下地層の仕事関数がペロブスカイトの価電子帯よりも低い、請求項4に記載の方法。
  7. 前記ペロブスカイト構造の形成反応の完了後、形成された前記活性層の表面を研磨する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ペロブスカイト構造の形成反応の完了後、形成された前記活性層の表面を保護剤で被覆した後、研磨する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 第一の電極と、第二の電極と、ペロブスカイト構造を有する活性層と、基板とを具備する半導体素子を製造するための装置であって、
    前記活性層を形成させる際に、ペロブスカイト構造の前駆体化合物と前記前駆体化合物を溶解し得る有機溶媒とを含む塗布液を前記第一の電極または第二の電極の上に、直接または間接に塗布することにより形成された塗膜に、ガスを吹き付けるノズルと
    前記塗膜の、前記ノズルからガスが吹き付けられた部分の状態を観察する測定部と、
    前記測定部において観察された情報に応じて、前記ノズルがガスを吹き付ける位置またはガスの吹きつけ量を制御する制御部と
    前記塗膜に前記ガスが吹き付けられるとき、前記基板の温度が、前記ガスの温度よりも低温となるように制御する温度制御部と
    を具備することを特徴とする半導体素子の製造装置。
  10. 前記測定部が、前記ノズルからガスが吹き付けられた部分における吸収スペクトルを測定する、請求項9に記載の装置。
  11. 前記制御部が、前記測定部から得られる700nm〜800nmの範囲内の波長で測定された吸収率に応じて、前記ノズルがガスを吹き付ける位置またはガスの吹きつけ量を制御する、請求項10に記載の装置。
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