JPWO2009031422A1 - エレクトロクロミック表示素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

生産性に優れたエレクトロクロミック表示素子の製造方法を提供することを目的とする。本発明にかかるエレクトロクロミック表示素子の製造方法は、表示電極2と対向電極5との間に発色層3及び電解質層4を有するエレクトロクロミック表示素子の製造方法である。そして、表示電極2と対向電極5との間に、π電子系共役モノマーと電解質を含むモノマー含有電解質層8を形成する工程と、表示電極2と対向電極5に電圧を印加し、π電子系共役モノマーを電気化学重合させ、表示電極2又は対向電極5に選択的にπ電子系共役高分子膜を含む発色層3を形成する工程とを有する。

Description

本発明は、エレクトロクロミック表示素子の製造方法に関する。
近年、明るく色純度に優れ、かつ低消費電力でフルカラー表示が容易な材料への要望が高まってきている。例えば、従来においては、CRT、LCD、PDP、ELD等の発光型素子は明るくて見やすいという特徴を有しており、多くの技術の提案がなされてきた。しかしながら、上記各種発光型素子は、発光を直視しなければならないため、長時間観察すると視覚的な疲労を引き起こすという問題があった。さらに、携帯電話等のモバイル機器は、屋外で使用される場合が多く、太陽光下では、発光が相殺されて視認性が悪化するという問題もあった。また、LCDは、発光型素子の中でも特に需要が拡大している技術であり、大型、小型の、様々なディスプレイ用途に用いられている。しかしながら、LCDは視野角が狭いという問題を有しており、見やすさの観点からは他の発光型素子に比較すると改善すべき課題を有している。
一方、オフィスにおけるコンピュータの普及により、文書の保存や伝達用に使用される紙の量は減少してきているが、デジタル情報を閲覧する際、紙に印刷して読む傾向は依然として根強い。したがって、一時的に使用するだけで破棄される紙の量は、逆に近年増加する傾向にある。また、書籍・雑誌・新聞などに日々消費される紙の量は、資源・環境の面から脅威であり、これらは媒体が変わらない限り減少する見込みはない。しかしながら、人間の情報認識方法や思考方法を考慮するとCRT(cathoderay tube:ブラウン管)や透過型液晶に代表されるような"ディスプレイ"に対する"紙"の優位性も無視することはできない。
そこで近年では紙に代わる電子媒体として、紙の長所とデジタル情報をそのまま扱えるディスプレイの長所を融合した電子ペーパーの実現が期待されている。電子ペーパーに期待される必要な特性としては、反射型の表示素子であること、高白反射率・高コントラスト比を有すること、高精細な表示が出来ること、表示にメモリ効果があること、低電圧で駆動できること、薄くて軽いこと、安価であることなどが挙げられる。
電子ペーパーの表示方式としては、反射型液晶方式、電気泳動方式、2色ボール方式、エレクトロクロミック方式などがある。反射型液晶方式には、二色性色素を用いたG−H型液晶方式や、コレステリック液晶方式等がある。これらの方式は発光型液晶方式と比較して、バックライトを使用しないために低消費電力であるという利点を有している。しかし、これらの方式は、視野角依存性があり、また光反射効率も低いため、必然的に画面が暗くなってしまうという問題を有している。電気泳動方式は、白色顔料や黒色トナーなどが、電界の作用によって電極上に移動する電気泳動という現象を利用したものである。2色ボール表示方式は、半分が白色、半分が黒色などの2色に塗り分けられた球体からなり、電界の作用による回転を利用したものである。どちらの方式も低消費電力で、視野角依存性がないという利点を有している。しかし、これらの方式では、粒状体が入り込めるだけの隙間が必要であり、最密に充填できないことから高コントラストを得ることは難しい。また、フルカラー化を行う場合には、カラーフィルターを利用する並置混合法を適用するため、反射率が低下し、必然的に画面が暗くなるという問題を有している。
エレクトロクロミック方式は、電界印加によって可逆的な酸化還元反応が起こり、それに伴った発色/消色が起こることを利用したものである。また、従来においては、自動車の調光ミラーや、時計等にエレクトロクロミック(以下、ECと略称する。)素子が用いられている。このEC素子による表示は、偏光板等が不要であり、視野角依存性が無く、受光型で視認性に優れ、構造が簡易でかつ大型化も容易で、更には、材料の選択によって多様な色調の表示が可能であるという利点を有している。
EC素子でフルカラー表示を行うためには、減法混色に用いられるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の発色が可能な色素を適用し、C、M、Y発色層を積層した構成とする。これにより、フルカラー発色が可能な表示装置が得られる。例えば、黒色は、C、M、Yを混色することにより表示できる。そして、白色は、各色素を消色状態として透明にし、背景色を白色にすることにより表示できる。このようにEC素子は電気的に発色/消色を繰り返す反射型の表示素子であるため、その他の表示方式に対して、目に与える負担の点やコントラストの点などで有利と言える。
また、近年、発色層の材料としてπ電子系共役高分子と呼ばれる材料の研究が進んでいる。本材料の中にはエレクトロクロミック特性を示すものが知られている。従来のπ電子系共役高分子の製膜方法は、π電子系共役高分子を溶解もしくは高度に分散させた液を塗布し、乾燥させ製膜する方法、π電子系共役モノマーを電気化学重合して製膜する方法が一般的には用いられている。(特許文献1、2、3、4参照)。
特開2002−287173号公報 特開2006−208862号公報 特開2006−058617号公報 特表2004−527902号公報
しかしながら、π電子系共役高分子は、殆どの溶媒に不溶であるとともに凝集力が強い。そこで、従来、π電子系共役高分子を溶媒に可溶化もしくは分散させるために、置換基を導入したり、界面活性剤を添加したりする必要があった。このため、工程が増えるとともに、π電子系共役高分子の純度を低下させる原因ともなっていた。また、溶媒に可溶化もしくは分散させたとしても、その液を均一に塗布、その後乾燥して製膜するという工程を経ねばならず、工程が煩雑であった。さらには、煩雑な工程を経て得られたπ電子系共役高分子の膜も、緻密性に欠けるものであり、発色ムラなどの課題を未だ解決できていなかった。
一方、π電子系共役モノマーを電気化学重合して製膜する方法においては、緻密なπ電子系共役高分子膜が得られるものの、エレクトロクロミック表示素子として使用するには、予め電気化学重合によってπ電子系共役高分子が製膜された基板を別工程にて作成しておく必要があり、工程を煩雑にする原因となっていた。
そこで本発明は、前記の課題に鑑みてなされたもので、生産性の優れたエレクトロクロミック表示素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかるエレクトロクロミック表示素子の製造方法は、表示電極と対向電極との間に発色層及び電解質層を有するエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、前記表示電極と前記対向電極との間に、少なくとも1種のπ電子系共役モノマーと電解質を含むモノマー含有電解質層を形成する工程と、前記表示電極と前記対向電極に電圧を印加し、前記π電子系共役モノマーを電気化学重合させ、前記表示電極及び/又は前記対向電極に選択的にπ電子系共役高分子膜を含む前記発色層を形成する工程とを有するものである。これにより、生産性を向上させることができる。
また、エレクトロクロミック表示素子は素子全体として酸化還元により電子の授受が成立するため、表示電極及び対向電極の両者に同時に発色層を設ける方が好ましい。これにより、EC表示素子の寿命、応答速度などを高めることができる。また、表示電極及び対向電極の両者に同時に発色層を設ける場合、いずれかの発色層は発色−消色の色コントラストが極めて低いことが好ましい。2つの発色層がエレクトロクロミックにより大きな色変化を起こした場合、表示電極の発色層を透過して来た光が、対向電極の発色層を透過もしくは反射すると、色調を更に変化させてしまうことになるためである。
また、上述のエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、前記表示電極の全光線透過率が70%以上であってもよい。これにより、視認性に優れたエレクトロクロミック表示素子を得ることができる。
そして、上述のエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、前記π電子系共役モノマーがアニリン;主鎖にホウ素を導入できる構造を有するπ電子系共役モノマー;ピランからなる芳香環の一部の炭素が酸素に置換されたπ電子系共役モノマー;2,3−ジアルキルフェニル、2,5−ジアルキルフェニル、2,3,5,6−テトラアルキルフェニル、2,3−アルコキシフェニル、2,5−アルコキシフェニル、2,3,5,6−テトラアルコキシフェニル、2−(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、2,5−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、2,3−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、p−フェニレンオキシド、p−フェニレンスルフィド、p−フェニレンアミノ、p−フェニレンビニレン、及びフルオレンからなる群から選ばれるベンゼン誘導体;ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ナフチレンビニレン、ペリナフタレン、アミノピレン、及びフェナントレンからなる群から選ばれるアセン誘導体;N−アルキルカルバゾールからなるカルバゾール誘導体;ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラジン、キノリン、及びプリンからなる群から選ばれるピリジン誘導体;3−アルキルフランからなるフラン誘導体;N−アルキルピロール、エチレン−3,4−ジオキシピロール、及びプロピレン−3,4−ジオキシピロールからなる群から選ばれるピロール誘導体;チオフェンビニレン、アルキルチオフェン、エチレン−3,4−ジオキシチオフェン、プロピレン−3,4−ジオキシチオフェン、チエノチオフェン、チエノフラン、チエノピラジン、及びイソチアナフテンからなる群から選ばれるチオフェン誘導体;及びアセチレン、オキサジアゾール、チアジル、セレノフェン、テルロフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラン、ベンゾチアジアゾール、及びベンゾオキサジアゾールからなる群から選ばれるπ電子系共役化合物、からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含んでもよい。これらの材料を用いることにより、電気化学重合によって、緻密なπ電子系高分子膜を製膜することができる。表示電極及び対向電極の両者に同時に発色層を設ける場合、前記π電子系共役モノマーを2種類含んでいてもよい。また、それらの組み合わせとしては、例えば、酸化重合するタイプのp型と還元重合するタイプのn型の組み合わせであったり、重合電位の異なる2種類のp型またはn型であったりすればよい。
上述のエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、前記π電子系共役モノマーが、前記π電子系共役モノマーを含有する前記電解質全体に対して、0.001〜1.0[モル/l]の濃度であってもよい。また、上述のエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、前記電解質が、前記π電子系共役モノマーを含有する前記電解質全体に対して、0.01〜5.0[モル/l]の濃度で支持電解質を含んでもよい。これにより、特性に優れたエレクトロクロミック表示素子を得ることができる。
そして、上述のエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、前記発色層を形成する工程後に、未反応π電子系共役モノマーを紫外線照射、もしくは加熱処理によって失活させる工程を有してもよい。これにより、意図しない電極に、π電子系共役高分子が析出することを抑制することができる。
なお、上述のエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、前記電解質が、常温溶融塩を含んでもよい。これにより、高いイオン伝導度が得られ、エレクトロクロミック表示素子の応答速度が向上する。
本発明によれば、生産性の優れたEC表示素子の製造方法を提供することができる。
実施の形態にかかるEC表示素子の構成を示す概略一部断面図である。 実施の形態にかかるEC表示素子の駆動を示す概略一部断面図である。 実施の形態にかかるEC表示素子の製造方法を示す概略一部断面図である。
符号の説明
1 第1絶縁性基板、2 表示電極、3 発色層、4 電解質層、5 対向電極、
6 第2絶縁性基板、7 スペーサー、8 モノマー含有電解質層
まず、図1を用いてエレクトロクロミック(以下、ECと略称する。)表示素子について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるEC表示素子の構成を示す概略一部断面図である。
図1に示すように、本発明の基本となるEC表示素子は、視認側から順に、第1絶縁性基板1、表示電極(第1の電極層)2、発色層(EC層)3、電解質層4、対向電極(第2の電極層)5、第2絶縁性基板6が形成される。すなわち、表示電極2と対向電極5が対向配置され、電極間に発色層3及び電解質層4が挟持されている。そして、表示電極2と発色層3、発色層3と電解質層4、及び電解質層4と対向電極5とは、直接接触している。スペーサー7は、発色層3及び電解質層4を取り囲むように形成され、電極間を所定の間隔に制御する。また、本実施の形態では、スペーサー7は、接着層としても機能し、表示電極2と対向電極5、又は第1絶縁性基板1と第2絶縁性基板6とを接着する。発色層3は、電界印加によって可逆的な酸化還元反応が起こり、それに伴った発色/消色が起こるものである。本実施の形態では、発色層3として、π電子系共役モノマー由来のπ電子系共役高分子が用いられる。EC表示素子は、以上のように構成される。
第1絶縁性基板1は、観察者から発色層3を視認できる必要があるため、透明である必要があり、70%以上の全光線透過率を有することが望ましい。さらに好ましくは80%以上の全光線透過率を有することが望ましい。第1絶縁性基板1としては、ガラス基板や、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(MS)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、などの樹脂基板を用いることができる。
表示電極2は、上記と同様の理由によって、透明である必要があり、70%以上の全光線透過率を有することが望ましい。さらに好ましくは80%以上の全光線透過率を有することが望ましい。表示電極2としては、インジウム−錫酸化物(ITO)、アンチモンドープ錫酸化物(ATO)、アンチモンドープ亜鉛酸化物(AZO)、酸化亜鉛(ZnO)などの一般的に使用される金属酸化物からなる透明導電性膜を用いてもよい。さらには、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)、ダブルウォールカーボンナノチューブ(DWCNT)などの導電性炭化物、ポリ(エチレン−3,4−ジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリアニリン誘導体、ポリピロール誘導体、などの導電性高分子を透過率を低下させない程度に薄く積層したものを用いてもよい。
発色層3には、π電子系共役モノマー由来のπ電子系共役高分子が用いられる。π電子系共役モノマーは、電気化学重合によって製膜可能な化合物であれば特に限定されない。例えば、π電子系共役モノマーが、アニリン;主鎖にホウ素を導入できる構造を有するπ電子系共役モノマー;ピランに代表される芳香環の一部の炭素が酸素に置換されたπ電子系共役モノマー;2,3−ジアルキルフェニル、2,5−ジアルキルフェニル、2,3,5,6−テトラアルキルフェニル、2,3−アルコキシフェニル、2,5−アルコキシフェニル、2,3,5,6−テトラアルコキシフェニル、2−(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、2,5−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、2,3−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、p−フェニレンオキシド、p−フェニレンスルフィド、p−フェニレンアミノ、p−フェニレンビニレン、フルオレンなどのベンゼン誘導体;ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ナフチレンビニレン、ペリナフタレン、アミノピレン、フェナントレンなどのアセン誘導体;N−アルキルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラジン、キノリン、プリンなどのピリジン誘導体;3−アルキルフランなどのフラン誘導体;N−アルキルピロール、エチレン−3,4−ジオキシピロール、プロピレン−3,4−ジオキシピロールなどのピロール誘導体;チオフェンビニレン、アルキルチオフェン、エチレン−3,4−ジオキシチオフェン、プロピレン−3,4−ジオキシチオフェン、チエノチオフェン、チエノフラン、チエノピラジン、イソチアナフテンなどのチオフェン誘導体;及びアセチレン、オキサジアゾール、チアジル、セレノフェン、テルロフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾールなどのπ電子系共役化合物、からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
また、発色層3及び電解質層4は、後述するように、π電子系共役モノマーと電解質とを含むモノマー含有電解質層から形成される。ここで、π電子系共役モノマーの濃度は、モノマー含有電解質全体に対して、0.001〜1.0[モル/l]の濃度であればよく、好ましくは0.01〜0.5[モル/l]の濃度である。π電子系共役モノマーの濃度が0.001[モル/l]以下であれば、電気化学重合により製膜しても、発色層3として使用するのに不十分な膜厚であったり、製膜性に乏しかったりするためである。一方、π電子系共役モノマーの濃度が1.0[モル/l]以上であれば、電気化学重合により製膜されなかった未反応モノマーが多くなりすぎ、紫外線照射、もしくは加熱処理によって失活させる工程が必須になる。さらに、その失活工程においても残モノマーが出てしまった場合は、その後、順電圧・逆電圧をかけて発色/消色を繰り返す度に、意図しない電極側にも製膜されてしまうため好ましくない。
電解質層4としては、どのような形態の電解質であっても構わない。例えば溶液状のものならばイオン伝導度が大きいために応答速度、駆動電圧・電流を小さくすることが出来る。また、ゲル状及び固体状のものならば漏洩することがない信頼性の高い素子を提供することが出来る。溶液状の電解質としては、アセトニトリル、ブチロラクトン、炭酸プロピレン、テトラヒドロフランなどの有機溶媒に、支持電解質として、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBFなどのリチウム塩;(CBF 、(CPF 、NHBF 、NHPF などのアンモニウム塩;p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩、などを溶解させたものを用いることが一般的である。
上記のように、電解質中に支持電解質を含む場合、モノマー含有電解質全体に対して、0.01〜5.0[モル/l]の支持電解質濃度であればよく、好ましくはπ電子系共役モノマーの濃度の約5〜10倍である。支持電解質濃度が0.01[モル/l]以下であれば、イオン伝導が不十分であり、π電子系共役モノマーの電気化学重合を実行できない可能性がある。さらに、その後、順電圧・逆電圧をかけて発色/消色を繰り返す際に、応答速度が遅い、発色ムラが生じるなどの問題を起こす可能性が高いため好ましくない。一方、支持電解質濃度が5.0[モル/l]以上であれば、支持電解質が飽和状態になり易く、析出してしまう可能性が高く好ましくない。
また、電解質層4として、効率向上や安全性向上を目的に常温溶融塩(イオン液体)を用いてもよい。イオン液体としては、以下に示すアニオン及びカチオンの、任意の組み合わせのものを用いることが出来る。アニオンとしては、例えばテトラフルオロボーレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメチルスルホニルイミド、ペンタフルオロエチルスルホニルイミドなどを有する化合物が挙げられる。カチオンとしては、例えば、エチルメチルイミダゾリウムやメチルブチルイミダゾリウムなどのイミダゾリウム系カチオン、ブチルメチルピロリジニウムやブチルピリジニウムなどのピロリジニウム系カチオン、ブチルトリメチルアンモニウムやジエチルメトキシエチルメチルアンモニウムなどのアンモニウム系カチオンなどを有する化合物が挙げられる。イオン液体を用いることで、高速応答性、良好なメモリ性を実現することが出来る。
また、固体状の電解質としては、Ta、MgFなどの固体電解質が用いられる。また、高分子固体電解質としては、ポリスチレンスルホン酸、ナフィオン(登録商標)などのようにイオン伝導を担う置換基を導入した高分子固体電解質を用いてもよいし、マトリクス(母材)高分子材料中に支持電解質を分散させたものを用いてもよい。マトリクス高分子としては、主鎖単位がそれぞれ−(C−C−O)−、−(C−C−N)−、−(C−C−S)−で表されるポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンスルフィドが挙げられる。これらを主鎖構造として、枝分かれがあってもよい。また、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンクロライド、ポリカーボネートなども好ましい。固体状の電解質によって電解質層4を形成する際には、前記マトリクス高分子に所要の可塑剤を加えてもよい。好ましい可塑剤としては、マトリクス高分子が親水性の場合には、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコールおよびこれらの混合物等が好ましく、疎水性の場合にはプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、スルホラン、ジメトキシエタン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドンおよびこれらの混合物が好ましい。また、前記マトリクス高分子中に分散せしめる支持電解質としては、LiCl、LiBr、LiI、LiBF、LiClO、LiPF、LiCFSOなどのリチウム塩;KCl、KI、KBrなどのカリウム塩;NaCl、NaI、NaBrなどのナトリウム塩;或いはホウフッ化テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライドなどのテトラアルキルアンモニウム塩を挙げることが出来る。上述の4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩)のアルキル鎖長は不揃いでもよい。
また、π電子系共役モノマーで形成される発色層3以外の発色層として、エレクトロクロミックを呈する材料であれば任意の材料を併用することができ、例えば無機系としてはIrO、NiO、WO、MoO、TiOなどが挙げられる。また、有機−無機複合材料としてはニッケルフタロシアニンなどが挙げられる。
第2絶縁性基板6としては、透明であっても不透明であってもよく、種々の材料をもちいることができる。例えば、第2絶縁性基板6として、石英ガラス基板、白板ガラス基板などのガラス基板、セラミック基板、紙基板、木材基板を用いることが可能である。さらに、これらに限定されず、第2絶縁性基板6として、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどのエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、酢酸セルロースなどのセルロースエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(テトラフルオロエチレン−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素ポリマー、ポリオキシメチレンなどのポリエーテル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマーなどのポリオレフィン、およびポリイミド−アミドやポリエーテルイミドなどのポリイミドなどの合成樹脂基板を用いることができる。これら合成樹脂を基板として用いる場合には、容易に曲がらないような剛性基板状にすることも可能であるが、可撓性をもったフィルム状の構造とすることも可能である。また、対向電極5が十分な剛性を有する場合には、第2絶縁性基板6を設けなくてもよい。
対向電極5としては、透明であっても不透明であってもよく、種々の金属材料、高分子材料、セラミック材料および半導体材料などの導電性材料を用いることができるが、一般的に高い電気伝導率に起因して、金属材料が好ましく、例えば、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、銀、金、銅、ニッケル、パラジウム、白金、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、ニッケル、コバルトおよびこれらの酸化物ならびにそれらの組み合わせまたは合金を用いることができる。もちろん、対向電極5の材料は、これらに限定されない。特に金、銀及び銅は高導電性及び化学的不活性なため、より好適である。
また、対向電極5の上に高反射率の材料を積層させてもよい。これにより、外部から入射した光の対向電極5側での光反射効率を向上させることができる。そして、EC表示素子の視認性を向上させることができる。
また、対向電極5の上に、表示電極2上の発色層3の酸化還元反応を補償する目的で、電圧印加により酸化還元反応を起こす材料層を予め設けても良い。エレクトロクロミック表示素子は素子全体として酸化還元により電子の授受が成立するため、表示電極2及び対向電極5の両方に、酸化還元反応を起こす発色層や材料層を設けたほうが好ましい。これにより、表示電極2及び対向電極5の両者で同時に酸化還元反応が起こり、EC表示素子の寿命、応答速度などを高めることができる。電圧印加により酸化還元反応を起こす材料としては、無機系、有機系、有機−無機複合体系のいずれでもよい。
例えば無機系としては、IrO、NiO、WO、MoO、TiO、RuO、Ag、AgCl、ZrO、CeOなどが挙げられる。また、例えば有機系としては、ビオローゲン誘導体、テレフタル酸誘導体などの低分子有機化合物;アニリン;主鎖にホウ素を導入できる構造を有するπ電子系共役モノマー;ピランに代表される芳香環の一部の炭素が酸素に置換されたπ電子系共役モノマー;2,3−ジアルキルフェニル、2,5−ジアルキルフェニル、2,3,5,6−テトラアルキルフェニル、2,3−アルコキシフェニル、2,5−アルコキシフェニル、2,3,5,6−テトラアルコキシフェニル、2−(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、2,5−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、2,3−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、p−フェニレンオキシド、p−フェニレンスルフィド、p−フェニレンアミノ、p−フェニレンビニレン、フルオレンなどのベンゼン誘導体;ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ナフチレンビニレン、ペリナフタレン、アミノピレン、フェナントレンなどのアセン誘導体;N−アルキルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラジン、キノリン、プリンなどのピリジン誘導体;3−アルキルフランなどのフラン誘導体;N−アルキルピロール、エチレン−3,4−ジオキシピロール、プロピレン−3,4−ジオキシピロールなどのピロール誘導体;チオフェンビニレン、アルキルチオフェン、エチレン−3,4−ジオキシチオフェン、プロピレン−3,4−ジオキシチオフェン、チエノチオフェン、チエノフラン、チエノピラジン、イソチアナフテンなどのチオフェン誘導体;及びアセチレン、オキサジアゾール、チアジル、セレノフェン、テルロフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾールなどのπ電子系共役化合物、からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物で構成される電子系共役高分子などが挙げられる。
例えば、有機−無機複合体系としては、アルミニウム、チタン、インジウム、カドミウム、マンガン、鉄、銅、銀、スズ、アンチモン、鉛、ナトリウム、ルテニウム、カルシウム、ニッケルなどの金属を含む配位子と、その配位子と水素結合、イオン結合、静電気的引力、原子間力などの結合によって結合する部位を少なくとも一つを有する有機化合物との複合体が挙げられる。有機−無機複合体系について更に詳細に例示すれば、プルシアンブルー誘導体、フェロセン誘導体などが挙げられる。
また、対向電極5上に材料層として発色層を設けてもよい。すなわち、表示電極2及び対向電極5の両方に、発色層を設けてもよい。この場合、対向電極5上の発色層は、発色−消色の色コントラストが極めて低いことが好ましい。2つの発色層がエレクトロクロミックにより大きな色変化を起こした場合、表示電極2の発色層3を透過してきた光が、対極電極4の発色層を透過もしくは反射すると、色調をさらに変化させてしまうからである。
また、表示電極2と対向電極5の間に、電極同士が接触しショートすることを防ぐ目的で、絶縁層を設けてもよい。絶縁層としては、電極間のバリアとして機能し得る任意の適切な材料を用いる。これにより、絶縁層は、電気バリアを提供し、電極間が電気的にショートすることを防ぎ得る。従って、絶縁層は、実質的にピンホールを含まず、そして約10Ωcm以上、好ましくは約1012Ωcm以上の電気抵抗を有する高抵抗率材料から作製されることが望ましい。また、適切な高抵抗率材料としては、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンおよびパリレン(parylen)が含まれるが、これらに限定されない。
次に、EC表示素子の駆動について図2を用いて説明する。図2は本発明の実施の形態に係るEC表示素子の駆動を示す概略一部断面図である。
図2に示すように、順電圧・逆電圧をかけることによって、電解質層4を通して発色層3のEC材料にイオンがドープ・脱ドープされ、発色/消色が繰り返される。具体的には、電圧を印加し、アニオンがドープされると、EC材料が酸化される。そして、逆方向に電圧を印加し、ドープされたアニオンが脱ドープされると、酸化されたEC材料が還元される。このように、電界印加によって可逆的な酸化還元反応が起こり、それに伴った発色/消色が起こる。EC材料には保持性があるため、電圧を切ったとしても発色/消色が変化することはない。このように、発色層3の色が変化することにより、表示を変化させることができる。
具体的には、外部からEC表示素子内に入射した光が発色層3を通過して対向電極5側で反射する。そして、反射した光は、再び発色層3を通過して視認側に出射される。発色層3を通過して視認側に光が出射することにより、発色層3の色が表示される。例えば、ドープ又は脱ドープによって、発色層3が発色した場合、発色層3の発色が表示される。そして、逆方向に電圧を印加することによって、発色層3が消色した場合、白等の背景色が表示される。このように、発色層3を酸化・還元させることにより、発色層3の色が変化し、表示を変化させることができる。
また、上記では、EC表示素子の一部について説明したが、発色層3をマトリクス状に配置し、それぞれの発色層3を選択的に酸化又は還元させて表示を行うこともできる。さらには、発色層3として、例えば減法混色に用いられるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の発色が可能な色素を適用し、C、M、Y発色層を積層した構成としてもよい。これにより、フルカラー発色が可能なEC表示素子が得られる。
本実施の形態にかかるEC表示素子では、発色層3として、π電子系共役モノマー由来のπ電子系共役高分子を用いる。この場合、電気化学重合によってπ電子系共役高分子を製膜することができるため、緻密な膜を得ることができる。これにより、EC表示素子の発色ムラがなく、優れたコントラスト、解像度、高発色効率を実現することができ、表示特性が良好なEC表示素子を得ることができる。
続いて、EC表示素子の製造方法を図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかるEC表示素子の製造方法を示す概略一部断面図である。
まず、第1絶縁性基板1上に表示電極2を形成する。具体的には、ガラス基板等の絶縁性基板上にITO等の透明導電性膜を形成する。また、第2絶縁性基板6上に対向電極5を形成する。具体的には、ガラス基板等の絶縁性基板上に金属等の導電性膜を形成する。そして、モノマー含有電解質層8及びスペーサー7を介在させて、表示電極2及び対向電極5を対向配置させる。換言すると、電極間に、モノマー含有電解質層8が充填された構成となる。このように、本実施の形態では、後述する発色層3を形成する前に、EC表示素子を組み立てる。これにより、製造工程を簡素化することができ、簡便にEC表示素子を製造することができる。ここでは、モノマー含有電解質層8として、少なくとも1種のπ電子系共役モノマーと電解質を含む層が設けられている。このモノマー含有電解質層8が後の工程で、発色層3及び電解質層4を形成する。また、後の工程で表示電極2及び対向電極5の両者に同時に発色層3を設ける場合、π電子系共役モノマーを2種類含んでいてもよい。また、それらの組み合わせとしては、例えば、酸化重合するタイプのp型と還元重合するタイプのn型の組み合わせであったり、重合電位の異なる2種類のp型またはn型であったりすればよい。以上の工程により、図3に示す構成となる。
次に、π電子系共役モノマーを電気化学重合(電解重合)させることにより、表示電極2及び対向電極5のうち、少なくともいずれか一方に選択的にπ電子系共役高分子膜を製膜する。本実施の形態では、表示電極2上にπ電子系共役高分子膜を製膜し、発色層3及び電解質層4を形成する。この際、用いるπ電子系共役モノマーの種類や製膜したい電極を加味した上で、表示電極2、対向電極5に順電圧・逆電圧のいずれを印加するか決定すればよい。具体的には、モノマー含有電解質層8を挟持する表示電極2及び対向電極5に電圧を印加する。これにより、モノマー含有電解質層8のπ電子系共役モノマーと表示電極2との間で電子の授受が行われ、重合反応が開始する。そして、表示電極2上に、π電子系共役高分子が析出し、π電子系共役高分子膜を含む発色層3が形成される。そして、π電子系共役高分子が析出し、残存するモノマー含有電解質層8が電解質層4となる。本発明における電気化学重合法では、電圧の印加を止めた後でも、モノマーが残存していれば再び電圧を印加することで重合反応を再開でき、またモノマーが残存していなければモノマーを追加注入して再び電圧を印加すれば重合反応を再開できる。これにより、π電子系共役高分子膜を含む発色層3の膜厚等を精度良く調節することができる。なお、発色層3及び電解質層4を形成した後に、必要に応じて、未反応π電子系共役モノマーを紫外線照射、もしくは加熱処理によって失活させてもよい。これにより、順電圧・逆電圧をかけて発色/消色を繰り返す際に、対向電極5にπ電子系共役高分子が析出されることを抑制することができる。
また、電圧を印加する時間は、用いる電極の導電性、π電子系共役モノマーの種類、電解質の種類などに応じて変わるので一概には言えないが、印加電圧とともに電流値、電流密度などを測定しておき、電流値が一定になってから十分時間経過させる程度とする。もしくは、電気化学重合により製膜が進むと着色が観察される場合、電圧を印加する時間は、分光光度計によって色変化を測定しておき、吸光度が一定値になってから十分時間経過させる程度とする。これによって、重合反応終了とみなすことが出来る。以上の工程により、発色層3及び電解質層4が形成され、図1に示されるようなEC表示素子が製造される。
上記のEC表示素子の製造方法によれば、EC表示素子を組み立てた後に、π電子系共役モノマーを電気化学的に重合させるため、π電子系共役高分子膜が製膜された基板を別途用意する必要がない。従って、本実施の形態にかかるEC表示素子の製造方法を用いることにより、生産性が向上する。また、高価なπ電子系共役モノマーの使用量を必要最低限に抑制できるため、低コスト化を実現することができる。更には、電気化学重合によって緻密な膜が形成されるため、発色ムラがなく、優れたコントラスト、解像度、高発色効率が実現される。
以下、製造例および実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[用いた試料]
ピロール(和光純薬)
アニリン(和光純薬)
3−メチルチオフェン(和光純薬)
2,5−ジクロロベンゾニトリル(和光純薬)
ブチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩(BMIM−BF)(和光純薬)
アセトニトリル(ACN)(和光純薬)
テトラヒドロフラン(THF)(和光純薬)
テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩(TBA−PF)(和光純薬)
ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(NHPF)(和光純薬)
p−トルエンスルホン酸(和光純薬)
ITO分散液(SUFP−HX:住友金属鉱山製)
PEDOT/PSS分散液(Baytron P HC V4:ティーエーケミカル製)
ITOガラス基板(ジオマテック製)
スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(S2002:クラレ製スチレン系熱可塑性エラストマー「セプトン」(登録商標))
[実施例1]
モノマー含有電解質層8の材料として、0.01[モル/l]のピロールを含むBMIM−BFを1ml調整した。すなわち、π電子系共役モノマーとしてピロール、電解質としてイオン液体であるBMIM−BFを用いた。なお、上記の濃度は、モノマー含有電解質全体、すなわちモノマー含有電解質層8の材料全体に対する濃度である。また、以下に示す実施例及び比較例においても同様である。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.01[モル/l]のピロールを含むBMIM−BF溶液を30μl注入し、2枚のITOガラス基板で挟み込んだ。すなわち、第1、第2絶縁性基板1、6としてガラス基板、表示電極2及び対向電極5としてITOを用いた。この2枚の電極に、1.5Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加し、ピロールの重合反応を開始させた。そして、電流計の電流値が一定値になるまで静置し、その後さらに5分間電圧印加し続けた。これにより、重合反応が終了し、陽極に黒色のポリピロール膜が形成されていることが確認された。すなわち、π電子系共役高分子膜としてポリピロール膜が形成されていることが確認された。確認後、順電圧・逆電圧を反転させると、直ちに陽極上のポリピロール膜はエレクトロクロミック性を示し、紫色〜黄色の色変化を示した。最後に、2枚のITOガラス基板を剥がし、陰極側を観察したところ、陰極側にポリピロール膜が形成されていないことを確認した。
[実施例2]
モノマー含有電解質層8の材料として、蒸留水に、0.05[モル/l]のアニリン、0.05[モル/l]のp−トルエンスルホン酸、0.1[モル/l]のNHPFを溶解させた混合液を1ml調整した。すなわち、π電子系共役モノマーとしてアニリン、支持電解質としてNHPFを用いた。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.05[モル/l]アニリン/0.05[モル/l]p−トルエンスルホン酸/0.1[モル/l]NHPFの水溶液を30μl注入し、2枚のITOガラス基板で挟み込んだ。すなわち、第1、第2絶縁性基板1、6としてガラス基板、表示電極2及び対向電極5としてITOを用いた。この2枚の電極に、1.5Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加し、アニリンの重合反応を開始させた。そして、電流計の電流値が一定値になるまで静置し、その後さらに15分間電圧印加し続けた。これにより、重合反応が終了し、陽極に紫色のポリアニリン膜が形成されていることが確認された。すなわち、π電子系共役高分子膜としてポリアニリン膜が形成されていることが確認された。確認後、順電圧・逆電圧を反転させると、直ちに陽極上のポリアニリン膜はエレクトロクロミック性を示し、紫色〜黄色〜緑色の色変化を示した。最後に、2枚のITOガラス基板を剥がし、陰極側を観察したところ、陰極側にポリアニリン膜が形成されていないことを確認した。
[実施例3]
モノマー含有電解質層8の材料として、ACNに、0.005[モル/l]の3−メチルチオフェンと0.05[モル/l]のTBA−PFを溶解させた混合液を1ml調整した。すなわち、π電子系共役モノマーとして3−メチルチオフェン、支持電解質としてTBA−PFを用いた。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.005[モル/l]3−メチルチオフェン/0.05[モル/l]TBA−PFのACN溶液を30μl注入し、2枚のITOガラス基板で挟み込んだ。すなわち、第1、第2絶縁性基板1、6としてガラス基板、表示電極2及び対向電極5としてITOを用いた。この2枚の電極に、1.5Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加し、3−メチルチオフェンの重合反応を開始させた。そして、電流計の電流値が一定値になるまで静置し、その後さらに15分間電圧印加し続けた。これにより、重合反応が終了し、陽極に赤色のポリ(3−メチルチオフェン)膜が形成されていることが確認された。すなわち、π電子系高分子膜としてポリ(3−メチルチオフェン)膜が形成されていることが確認された。確認後、順電圧・逆電圧を反転させると、直ちに陽極上のポリ(3−メチルチオフェン)膜はエレクトロクロミック性を示し、赤色〜濃青色の色変化を示した。最後に、2枚のITOガラス基板を剥がし、陰極側を観察したところ、陰極側にポリ(3−メチルチオフェン)膜が形成されていないことを確認した。
[実施例4]
モノマー含有電解質層8の材料として、THFに、0.01[モル/l]の2,5−ジクロロベンゾニトリルと0.1[モル/l]のTBA−PFを溶解させた混合液を1ml調整した。すなわち、π電子系共役モノマーとして2,5−ジクロロベンゾニトリル、支持電解質としてTBA−PFを用いた。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.01[モル/l]2,5−ジクロロベンゾニトリル/0.1[モル/l]TBA−PFのTHF溶液を30μl注入し、2枚のITOガラス基板で挟み込んだ。すなわち、第1、第2絶縁性基板1、6としてガラス基板、表示電極2及び対向電極5としてITOを用いた。この2枚の電極に、3.0Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加し、2,5−ジクロロベンゾニトリルの重合反応を開始させた。そして、電流計の電流値が一定値になるまで静置し、その後さらに30分間電圧印加し続けた。これにより、重合反応が終了し、陰極に茶褐色のポリ(ベンゾニトリル−2,5−ジイル)膜が形成されていることが確認された。すなわち、π電子系高分子膜としてポリ(ベンゾニトリル−2,5−ジイル)膜が形成されていることが確認された。確認後、順電圧・逆電圧を反転させると、直ちに陰極上のポリ(ベンゾニトリル−2,5−ジイル)膜はエレクトロクロミック性を示し、茶褐色〜薄茶色の色変化を示した。最後に、2枚のITOガラス基板を剥がし、陽極側を観察したところ、陽極側にポリ(ベンゾニトリル−2,5−ジイル)膜が形成されていないことを確認した。
[実施例5]
第1、第2絶縁性基板1、6としてのガラス基板上に、ITO分散液を塗布し、溶媒を乾燥させた後、120℃、30分間加熱して、表示電極2及び対向電極5としてITOを形成した。このITOが形成されたガラス基板の全光線透過率を測定したところ、85%であった。さらに、抵抗率計(ロレスターFP:三菱化学製)を用いて、四探針プローブ法にて表面抵抗値を測定した。測定試験片の面内任意の5点を測定したところ、得られた値の平均値は450[Ω/□]であった。
モノマー含有電解質層8の材料として、0.01[モル/l]のピロールを含むBMIM−BFを1ml調整した。すなわち、π電子系共役モノマーとしてピロール、電解質としてイオン液体のBMIM−BFを用いた。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.01[モル/l]ピロールのBMIM−BF溶液を30μl注入し、2枚の電極で挟み込んだ。この2枚の電極に1.5Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加し、ピロールの重合反応を開始させた。そして、電流計の電流値が一定値になるまで静置し、その後さらに10分間電圧印加し続けた。これにより、重合反応が終了し、陽極に黒色のポリピロール膜が形成されていることが確認された。すなわち、π電子系高分子膜としてポリピロール膜が形成されていることが確認された。確認後、順電圧・逆電圧を反転させると、直ちに陽極上のポリピロール膜はエレクトロクロミック性を示し、紫色〜黄色の色変化を示した。最後に、2枚の電極を剥がし、陰極側を観察したところ、陰極側にポリピロール膜が形成されていないことを確認した。
[実施例6]
第1、第2絶縁性基板1、6としてのガラス基板上に、PEDOT/PSS分散液を塗布し、溶媒を乾燥させて、表示電極2及び対向電極5としてのPEDOT膜を形成した。これらPEDOT膜が形成されたガラス基板の全光線透過率を測定したところ、80%であった。さらに、抵抗率計(ロレスターFP:三菱化学製)を用いて、四探針プローブ法にて表面抵抗値を測定した。測定試験片の面内任意の5点を測定したところ、得られた値の平均値は400[Ω/□]であった。
モノマー含有電解質層8の材料として、ACNに、0.01[モル/l]の3−メチルチオフェンと、0.1[モル/l]のTBA−PFを溶解させた混合液を1ml調整した。すなわち、π電子系共役モノマーとして3−メチルチオフェン、支持電解質としてTBA−PFを用いた。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.01[モル/l]3−メチルチオフェン/0.1[モル/l]TBA−PFのACN溶液を30μl注入し、2枚の電極で挟み込んだ。この2枚の電極に1.5Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加し、3−メチルチオフェンの重合反応を開始させた。そして、電流計の電流値が一定値になるまで静置し、その後さらに15分間電圧印加し続けた。これにより、重合反応が終了し、陽極に赤色のポリ(3−メチルチオフェン)膜が形成されていることが確認された。すなわち、π電子系高分子膜としてポリ(3−メチルチオフェン)膜が形成されていることが確認された。確認後、順電圧・逆電圧を反転させると、直ちに陽極上のポリ(3−メチルチオフェン)膜はエレクトロクロミック性を示し、赤色〜濃青色の色変化を示した。最後に、2枚の電極を剥がし、陰極側を観察したところ、陰極側にポリ(3−メチルチオフェン)膜が形成されていないことを確認した。
[比較例1]
モノマー含有電解質層8の材料として、ACNに、0.0001[モル/l]の3−メチルチオフェンと0.01[モル/l]TBA−PFを溶解させた混合液を1ml調整した。すなわち、π電子系共役モノマーとして3−メチルチオフェン、支持電解質としてTBA−PFを用いた。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.0001[モル/l]3−メチルチオフェン/0.01[モル/l]TBA−PFのACN溶液を30μl注入し、2枚のITOガラス基板で挟み込んだ。すなわち、第1、第2絶縁性基板1、6としてガラス基板、表示電極2及び対向電極5としてITOを用いた。この2枚の電極に、1.5Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加し、3−メチルチオフェンの重合反応を開始させた。そして、電流計の電流値が一定値になるまで静置したが、均一な電気化学重合膜、すなわちπ電子系共役高分子膜は得られず、斑点状に製膜された。
[比較例2]
モノマー含有電解質層8の材料として、ACNに、0.01[モル/l]のピロールと10.0[モル/l]のTBA−PFを溶解させた混合液を1ml調整した。すなわち、π電子系共役モノマーとしてピロール、支持電解質としてTBA−PFを用いた。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.01[モル/l]ピロール/10.0[モル/l]TBA−PFのACN溶液を30μl注入し、2枚のITOガラス基板で挟み込んだ。すなわち、第1、第2絶縁性基板1、6としてガラス基板、表示電極2及び対向電極5としてITOを用いた。この2枚の電極に、1.5Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加し、ピロールの重合反応を開始させた。そして、電流計の電流値が一定値になるまで静置し、その後さらに15分間電圧印加し続けた。これにより、重合反応が終了し、陽極に黒色のポリピロール膜が形成されていることが確認された。すなわち、π電子系高分子膜としてポリピロール膜が形成されていることが確認された。確認後、順電圧・逆電圧を反転させると、陽極上のポリピロール膜はエレクトロクロミック性を示し、紫色〜黄色の色変化を示した。このEC素子を一昼夜放置しておくと、支持電解質であるTBA−PFの白色物質が基板表面に析出しているのが確認された。
[比較例3]
表示電極側及び対向電極側にITOガラス基板を用いた。すなわち、第1、第2絶縁性基板1、6としてガラス基板、表示電極2及び対向電極5としてITOを用いた。そして、表示電極側のITOガラス基板上に、PEDOT/PSS分散液を塗布し、溶媒を乾燥させてπ電子系高分子膜としてのPEDOT膜を製膜した。電解質層4の材料として、ACNに、0.01[モル/l]のTBA−PFを溶解させた混合液を1ml調整した。なお、ここでの濃度は、電解質全体に対する濃度である。次に、厚み40μmのS2002フィルムの1cm×1cmの面積をくり貫き、枠状になったものをスペーサー7兼接着層として用いた。そして、スペーサー7内に、0.01[モル/l]TBA−PFのACN溶液を30μl注入し、2枚のITOガラス基板で挟み込んだ。この2枚の電極に、1.5Vの直流電源と電流計をつないで回路を形成させた。このように、本比較例では、π電子系共役モノマーを用い電気化学重合によって発色層3を形成するのではなく、PEDOT/PSS分散液を塗布し、溶媒を乾燥させて発色層3を形成した。回路を閉じて、電極それぞれに順電圧・逆電圧を印加、反転させると、表示電極2上のPEDOT膜は、エレクトロクロミック性を示し、1分間ほどかけて濃青色〜薄青色の色変化を終えた。
上記の実施例、比較例の結果をまとめて表1に示す。比較例1に示されたように、モノマー含有電解質に対するπ電子系共役モノマー濃度が0.001〜1.0[モル/l]の範囲外であり、0.0001[モル/l]と少ない場合は、均一なπ電子系共役高分子膜が製膜できなかった。また、比較例2に示されたように、モノマー含有電解質に対する支持電解質濃度が0.01〜5.0[モル/l]の範囲外であり、10[モル/l]と多い場合は、支持電解質が基板表面に析出してしまった。そして、比較例3に示されたように、π電子系高分子を溶解もしくは高度に分散させた液を塗布し、乾燥させ製膜する方法では、良好なπ電子系高分子膜を製膜しにくいため、EC表示素子の応答が遅くなった。一方、実施例に示すように、モノマー含有電解質に対して、π電子系共役モノマー濃度が0.001〜1.0[モル/l]の範囲内であり、支持電解質濃度が0.01〜5.0[モル/l]の範囲内である場合は、品質、特性に優れたEC表示素子を得ることができた。
Figure 2009031422
本発明は、例えば、表示電極と対向電極との間に発色層及び電解質層を有するエレクトロクロミック表示素子の製造方法に利用される。

Claims (7)

  1. 表示電極と対向電極との間に発色層及び電解質層を有するエレクトロクロミック表示素子の製造方法であって、
    前記表示電極と前記対向電極との間に、少なくとも1種のπ電子系共役モノマーと電解質を含むモノマー含有電解質層を形成する工程と、
    前記表示電極と前記対向電極に電圧を印加し、前記π電子系共役モノマーを電気化学重合させ、前記表示電極及び/又は前記対向電極に選択的にπ電子系共役高分子膜を含む前記発色層を形成する工程とを有するエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  2. 前記表示電極の全光線透過率が70%以上である請求項1に記載のエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  3. 前記π電子系共役モノマーが
    アニリン;
    主鎖にホウ素を導入できる構造を有するπ電子系共役モノマー;
    ピランに代表される芳香環の一部の炭素が酸素に置換されたπ電子系共役モノマー;
    2,3−ジアルキルフェニル、2,5−ジアルキルフェニル、2,3,5,6−テトラアルキルフェニル、2,3−アルコキシフェニル、2,5−アルコキシフェニル、2,3,5,6−テトラアルコキシフェニル、2−(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、2,5−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、2,3−ジ(N,N,−ジアルキルアミノ)フェニル、p−フェニレンオキシド、p−フェニレンスルフィド、p−フェニレンアミノ、p−フェニレンビニレン、及びフルオレンからなる群から選ばれるベンゼン誘導体;
    ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ナフチレンビニレン、ペリナフタレン、アミノピレン、及びフェナントレンからなる群から選ばれるアセン誘導体;
    N−アルキルカルバゾールからなるカルバゾール誘導体;
    ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラジン、キノリン、及びプリンからなる群から選ばれるピリジン誘導体;
    3−アルキルフランからなるフラン誘導体;
    N−アルキルピロール、エチレン−3,4−ジオキシピロール、及びプロピレン−3,4−ジオキシピロールからなる群から選ばれるピロール誘導体;
    チオフェンビニレン、アルキルチオフェン、エチレン−3,4−ジオキシチオフェン、プロピレン−3,4−ジオキシチオフェン、チエノチオフェン、チエノフラン、チエノピラジン、及びイソチアナフテンからなる群から選ばれるチオフェン誘導体;及び
    アセチレン、オキサジアゾール、チアジル、セレノフェン、テルロフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラン、ベンゾチアジアゾール、及びベンゾオキサジアゾールからなる群から選ばれるπ電子系共役化合物、
    からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を含む請求項1又は2に記載のエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  4. 前記π電子系共役モノマーが、前記π電子系共役モノマーを含有する前記電解質全体に対して、0.001〜1.0[モル/l]の濃度である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  5. 前記電解質が、前記π電子系共役モノマーを含有する前記電解質全体に対して、0.01〜5.0[モル/l]の濃度で支持電解質を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  6. 前記発色層を形成する工程後に、未反応π電子系共役モノマーを紫外線照射、もしくは加熱処理によって失活させる工程を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック表示素子の製造方法。
  7. 前記電解質が、常温溶融塩を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエレクトロクロミック素子の製造方法。
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