以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下においては、本発明に係る走行制御装置を、車両に搭載する構成を例示して説明する。
《第1実施形態》
図1は、本実施形態に係る走行制御装置100の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る走行制御装置100は、センサ110と、自車位置検出装置120と、地図データベース130と、車載機器140と、提示装置150と、入力装置160と、駆動制御装置180と、制御装置190と、通信装置170とを有している。これら装置は、相互に情報の授受を行うためにCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続されている。
センサ110は、自車両の走行状態を検出する。たとえば、センサ110として、自車両の前方を撮像する前方カメラ、自車両の後方を撮像する後方カメラ、自車両の前方の障害物を検出する前方レーダー、自車両の後方の障害物を検出する後方レーダー、自車両の側方に存在する障害物を検出する側方レーダー、自車両の車速を検出する車速センサ、および運転者を撮像する車内カメラなどが挙げられる。なお、センサ110として、上述した複数のセンサのうち1つを用いる構成としてもよいし、2種類以上のセンサを組み合わせて用いる構成としてもよい。センサ110の検出結果は、制御装置190に出力される。
自車位置検出装置120は、GPSユニット、ジャイロセンサ、および車速センサなどから構成されており、GPSユニットにより複数の衛星通信から送信される電波を検出し、対象車両(自車両)の位置情報を周期的に取得するとともに、取得した対象車両の位置情報と、ジャイロセンサから取得した角度変化情報と、車速センサから取得した車速とに基づいて、対象車両の現在位置を検出する。自車位置検出装置120により検出された対象車両の位置情報は、制御装置190に出力される。
地図データベース130は、各種施設や特定の地点の位置情報を含む地図情報を記憶している。具体的には、合流地点、分岐地点、料金所、車線数の減少位置、サービスエリア(SA)/パーキングエリア(PA)などの位置情報が、地図情報とともに記憶されている。地図データベースに格納された地図情報は、制御装置190により参照可能となっている。
車載機器140は、車両に搭載された各種機器であり、運転者により操作されることで動作する。このような車載機器としては、ステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダル、ナビゲーション装置、オーディオ装置、エアーコンディショナー、ハンズフリースイッチ、パワーウィンドウ、ワイパー、ライト、方向指示器、クラクションなどが挙げられる。車載機器140が運転者により操作された場合に、その情報が制御装置190に出力される。
提示装置150は、たとえば、ナビゲーション装置が備えるディスプレイ、ルームミラーに組み込まれたディスプレイ、メーター部に組み込まれたディスプレイ、フロントガラスに映し出されるヘッドアップディスプレイ、あるいは、オーディオ装置が備えるスピーカーなどの装置である。提示装置150は、制御装置190の制御に従って、後述する提示情報をドライバーに提示する。なお、提示情報の提示方法についても後述する。
入力装置160は、たとえば、ドライバーの手操作による入力が可能なダイヤルスイッチ、ディスプレイ画面上に配置されたタッチパネル、あるいは、ドライバーの音声による入力が可能なマイクなどの装置である。本実施形態では、ドライバーが入力装置160を操作することで、提示装置150により提示された提示情報に対する応答情報を入力することができる。なお、入力装置160により入力された応答情報は、制御装置190に出力される。
通信装置170は、車両外部の通信機器と通信を行う。たとえば、通信装置170は、他車両との間で車々間通信を行い、路肩に設置された機器との間で路車間通信を行い、あるいは、車両外部に設置された情報サーバとの間で無線通信を行うことで、各種情報を外部機器から取得することができる。なお、通信装置により取得された情報は、制御装置190に出力される。
駆動制御装置180は、自車両の走行を制御する。たとえば、駆動制御装置180は、自車両が先行車両に追従する場合には、自車両と先行車両との車間距離が一定距離となるように、加減速度および車速を実現するための駆動機構の動作(エンジン自動車にあっては内燃機関の動作、電気自動車系にあっては電動モータ動作を含み、ハイブリッド自動車にあっては内燃機関と電動モータとのトルク配分も含む)およびブレーキ動作を制御する。また、自車両が先行車両の追い越しなどの車線変更を行う場合には、ステアリングアクチュエータの動作を制御して、車輪の動作を制御することで、自車両の転回制御を実行する。なお、駆動制御装置180による走行制御方法として、その他の周知の方法を用いることもできる。
制御装置190は、自車両の走行を制御するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成される。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
制御装置190は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行することにより、自車両の走行状態に関する情報を取得する走行情報取得機能と、自車両の走行シーンを判定する走行シーン判定機能と、走行シーンに応じてドライバーに提示する提示情報を決定する提示情報決定機能と、ドライバーに提示情報を提示する提示機能と、提示情報に対してドライバーが入力した応答情報を取得する応答情報取得機能と、自車両の走行を制御する走行制御機能とを実現する。以下において、制御装置190が備える各機能について説明する。
制御装置190の走行情報取得機能は、自車両の走行シーンを判定するために、自車両の走行状態に関する走行情報を取得する。たとえば、走行情報取得機能は、前方カメラおよび後方カメラにより撮像された車両外部の画像情報や、前方レーダー、後方レーダー、および側方レーダーによる検出結果を、走行情報として取得することができる。また、走行情報取得機能は、車速センサにより検出された自車両の車速情報や、車内カメラにより撮像された運転者の顔の画像情報も走行情報として取得することができる。
さらに、走行情報取得機能は、自車両の現在位置の情報を走行情報として自車位置検出装置120から取得することができ、また、合流地点、分岐地点、料金所、車線数の減少位置、サービスエリア(SA)/パーキングエリア(PA)などの位置情報を走行情報として地図データベース130から取得することができる。加えて、走行情報取得機能は、運転者による車載機器140の操作情報を走行情報として車載機器140から取得することもできる。
制御装置190の走行シーン判定機能は、制御装置190のROMに記憶されたテーブルを参照して、自車両が走行している走行シーンを判定する。図2は、走行シーンの判定に用いられるテーブルの一例を示す図である。たとえば、図2に示すテーブルには、走行シーンの名称、走行シーンの判定条件、提示情報の優先順位、提示情報の提示条件、および提示情報の待機解除条件が、走行シーンごとに格納されている。なお、提示情報の優先順位、提示情報の提示条件、および提示情報の待機解除条件については後述する。
たとえば、図2に示す例では、「先行車両への追いつきシーン」の判定条件として、「前方に先行車両を検知」かつ「先行車両の車速<自車両の車速」の2つの条件が設定されている。この場合、走行シーン判定機能は、たとえば、前方カメラや前方レーダーによる検出結果、車速センサにより検出された自車両の車速、および自車両の位置情報などに基づいて、自車両が上記条件を満たすか否かを判断し、上記条件を満たす場合に、自車両が「先行車両への追いつきシーン」であると判定する。同様に、走行シーン判定機能は、シーン判定テーブルに登録された全ての走行シーンについて判定条件を満たすか否かを判定する。
制御装置190の提示情報決定機能は、走行シーン判定機能により判定された自車両の走行シーンに基づいて、ドライバーに提示する提示情報を決定する。本実施形態では、制御装置190のROMに各走行シーンに対応する提示情報が記憶されており、提示情報決定機能は、走行シーン判定機能により判定された走行シーンに対応する提示情報をROMから抽出する。
ここで、図3は、「先行車両への追いつきシーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。提示情報決定機能は、自車両の走行シーンが「先行車両への追いつきシーン」である場合には、図3に示すように、「先行車両がいますがどうしますか?」などのメッセージ情報とともに、「追従する」および「追い抜く」の2つの選択肢を含んだ提示情報をドライバーに提示することを決定する。
また、自車両の走行状態によっては、自車両の実際の走行シーンが、2以上の提示情報に対応する走行シーンにそれぞれ該当する場合がある。この場合、提示情報決定機能は、図2に示すように、テーブルに登録されたそれぞれの提示情報の優先順位を参照して、優先順位がより高い提示情報を、ドライバーに提示する提示情報として決定する。
たとえば、図2に示す例において、自車両の走行シーンが、「先行車両への追いつきシーン」に該当する場合において、さらに、「サービスエリアまたはパーキングエリアまでの到達時間が60秒以内」であり、「SA/PAに向かうシーン」にも該当する場合がある。このような場合、提示情報決定機能は、「先行車両への追いつきシーン」における提示情報の優先順位と、「SA/PAに向かうシーン」における提示情報の優先順位とを比較して、優先順位がより高い方の提示情報をドライバーに提示する提示情報として決定する。たとえば、図2に示す例では、「SA/PAに向かうシーン」における提示情報の優先順位「I」は、「先行車両への追いつきシーン」における提示情報の優先順位「A」よりも高いため、提示情報決定機能は、優先順位がより高い「SA/PAに向かうシーン」の提示情報を、ドライバーに提示する提示情報として決定する。
また、図2に示す例において、自車両の走行シーンが、「先行車両への追いつきシーン」および「合流地点に近づくシーン」に該当する場合もある。「合流地点に近づくシーン」における提示情報の優先順位「C」は、「先行車両への追いつきシーン」における提示情報の優先順位「A」よりも高いため、提示情報決定機能は、優先順位がより高い「合流地点に近づくシーン」の提示情報を、ドライバーに提示する提示情報として決定することができる。
なお、提示情報の優先順位は、各走行シーンにおけるドライバーの注意喚起度に応じて適宜設定することができる。たとえば、「緊急退避シーン」や「路上物体の回避シーン」などでは、ドライバーの注意を喚起する重要性は高いため、その分、優先順位を高く設定することができる。一方、「SP/PAに向かうシーン」や「合流地点に近づくシーン」などが、他の走行シーンに比べて、ドライバーの注意を喚起する重要性は高くないと考えれば、その分、優先順位を低く設定することもできる。たとえば、「SP/PAに向かうシーン」や「合流地点に近づくシーン」における提示情報の優先順位を、「先行車両への追いつきシーン」における提示情報の優先順位よりも低く設定することもできる。
制御装置190の提示機能は、提示情報決定機能により決定された提示情報をドライバーに提示する。具体的には、提示機能は、提示情報決定機能により決定された提示情報を、提示装置150に送信することで、提示装置150に、提示情報決定機能により決定された提示情報をドライバーに提示させる。
また、提示機能は、提示情報を提示するタイミングを定める提示条件を満たすか否かを判断し、提示条件が満たされたタイミングにおいて、提示情報をドライバーに提示する。具体的には、提示機能は、図2に示すテーブルを参照し、ドライバーに提示する提示情報の提示条件を取得する。そして、提示機能は、自車両の走行情報に基づいて、自車両が提示条件を満たすか否かを判断し、提示条件を満たしたタイミングにおいて、提示情報をドライバーに提示する。
たとえば、「先行車両への追いつきシーン」において、提示機能は、図2に示すテーブルを参照し、「先行車両への追いつきシーン」に対応する提示情報の提示条件を取得する。図2に示す例では、「先行車両への追いつきシーン」の提示情報に対応する提示条件は、「先行車両に対するTTC(Time To Contact)がS1以下」と設定されている。この場合、提示機能は、先行車両の車速および自車両の車速などの自車両の走行情報に基づいて、先行車両に対するTTCを算出し、TTCが所定値S1以下となったタイミングT1において、提示情報をドライバーに提示する。
また、本実施形態において、提示機能は、自車両の走行状態に基づいて、提示条件を変更し、提示情報を提示するタイミングを変更することができる。なお、提示条件の変更方法の詳細については後述する。
さらに、提示機能は、提示情報をドライバーに提示する前に、自車両の走行状態に基づいて、提示情報に含まれる選択肢の提示態様および最初に選択される選択肢(デフォルト選択肢)を決定する。たとえば、図3に示す例において、提示機能は、自車両の走行状態に基づいて、「追従する」および「追い抜く」の2つの選択肢のうち、「追従する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定し、これにより、図3に示すように、「追従する」の選択肢に、選択している状態であることを示す枠線を重畳した状態で、提示情報をドライバーに提示する。また、図3に示す例において、提示機能は、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、「追い抜く」の選択肢をグレーで表示して(「追い抜く」の選択肢の表示態様を変更して)、提示情報を提示する。なお、選択肢の提示態様の変更方法およびデフォルト選択肢の決定方法の詳細については後述する。
制御装置190の応答情報取得機能は、ドライバーに提示された提示情報に対して、ドライバーが入力装置160を介して応答情報を入力した場合に、ドライバーが入力した応答情報を入力装置160から取得する。たとえば、図3に示すように、「先行車両への追いつきシーン」においては「追従する」と「追い抜く」の2つの選択肢が提示情報としてドライバーに提示される。これに対して、ドライバーが入力装置160を操作して「追い抜く」の選択肢を選択した場合には、応答情報取得機能は、入力装置160から「追い抜く」旨の応答情報を取得する。
制御装置190の走行制御機能は、応答情報取得機能により取得された入力情報に基づいて、自車両の走行を制御する。たとえば、走行制御機能は、「先行車両への追いつきシーン」において「追い抜く」旨の入力情報が取得された場合には、先行車両を追い抜くための車線変更を行うように、駆動制御装置180に指示を送信する。
また、本実施形態において、走行制御機能は、提示情報がドライバーに提示された後に、後述する待機解除条件が満たされた場合には、ドライバーにより応答情報が入力されていない場合でも、現在選択されている選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する。具体的には、走行制御機能は、図2に示すテーブルを参照し、ドライバーに提示する提示情報に対応する待機解除条件を満たすか否かを判断する。そして、待機解除条件を満たす場合には、現在選択されている選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する。
たとえば、図3に示す例では、「追従する」の選択肢が最初に選択された状態でドライバーに提示されている。また、走行制御機能は、提示情報をドライバーに提示した後、図2に示すテーブルを参照して、「先行車両に対するTTCがS2(S2<S1)以下」との待機解除条件を満たすか否かを判断する。そして、走行制御機能は、「先行車両に対するTTCがS2以下」との待機解除条件を満たす場合には、ドライバーが「追従する」旨の選択肢を選択していない場合でも、「追従する」の選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する。
続いて、図4を参照して、本実施形態に係る走行制御処理について説明する。図4は、本実施形態に係る走行制御処理を示すフローチャートである。なお、以下に説明する走行制御処理は、制御装置190により実行される。
まず、ステップS101では、走行情報取得機能により、自車両の走行状態に関する走行情報の取得が行われる。また、ステップS102では、走行シーン判定機能により、ステップS101で取得された走行情報に基づいて、自車両の走行シーンの判定が行われる。
ステップS103では、提示情報決定機能により、ステップS102で判定された走行シーンに対応する提示情報が抽出される。そして、ステップS104では、提示情報決定機能により、ステップS103において2以上の提示情報が抽出されたか否かの判断が行われる。2以上の提示情報が抽出された場合には、ステップS105に進み、ステップS104で抽出された2以上の提示情報の中から、それぞれの提示情報の優先順位に基づいて、ドライバーに提示する提示情報の決定が行われる。その後、ステップS106に進む。また、ステップS104において、2以上の提示情報が抽出されてない場合にも、ステップS106に進む。
ステップS106では、提示機能により、ドライバーに提示する提示情報が有する各選択肢の提示態様が決定され、ステップS107では、提示機能により、提示情報に含まれる複数の選択肢のうち、最初に選択される選択肢(デフォルト選択肢)の決定が行われる。
また、ステップS108では、提示機能により、提示情報を提示するための提示条件の決定が行われる。提示機能は、図2に示すように、テーブルに登録された提示条件を、提示情報の提示条件として取得することができ、また、自車両の走行情報に基づいて、取得した提示情報を変更することもできる。そして、ステップS109では、提示機能により、ステップS108で決定された提示条件を満たしているか否かの判断が行われ、提示条件を満たしていない場合には、提示条件が満たされるまで、ステップS109で待機し、提示条件を満たした場合には、ステップS110に進む。
ステップS110では、提示機能により、提示情報の提示が行われる。具体的には、提示機能は、ステップS103で抽出した提示情報(抽出した提示情報が2以上ある場合には、ステップS105で決定された提示情報)を、ステップS106で決定された各選択肢の提示態様により、ステップS107で決定された選択肢が最初に選択された状態で、提示装置150に提示させることで、ドライバーに提示情報を提示する。
ステップS111では、走行制御機能により、ステップS110で提示した提示情報に対して、ドライバーが入力装置160を用いて、いずれか1つの選択肢を選択したか否かの判断が行われる。ドライバーが選択肢を選択した場合には、ステップS113に進み、一方、ドライバーが選択肢を選択していない場合には、ステップS112に進む。なお、ドライバーが選択肢を選択した場合とは、ドライバーが入力装置160を用いて、デフォルト選択肢とは異なる選択肢を選択する旨の応答情報を入力した場合、あるいは、デフォルト選択肢を許可する旨の応答情報を入力した場合が挙げられる。
ステップS111において、ドライバーが選択肢を選択していないと判断された場合には、ステップS112に進む。ステップS112では、走行制御機能により、待機解除条件が満たされているか否かの判断が行われる。待機解除条件が満たされていない場合には、ステップS111に戻り、ドライバーにより選択肢が選択されるか、待機解除条件が満たされるまで、ステップS111,S112の処理を繰り返す。そして、待機解除条件が満たされた場合には、ステップS113に進む。そして、ステップS113では、走行制御機能により、選択された提示情報の選択肢に基づいて、自車両の走行の制御が行われる。
次に、走行シーンごとの制御装置190の動作について詳細に説明する。まず初めに、「先行車両への追いつきシーン」における制御装置190の動作について説明する。
たとえば、制御装置190は、自車両の走行情報を取得し(ステップS101)、取得した走行情報に基づいて、自車両の走行シーンを判定した結果(ステップS102)、「前方に先行車両を検知」、かつ「先行車両の車速<自車両の車速」の2つ条件を満たす場合に、「先行車両への追いつきシーン」であると判定し(ステップS102)、「先行車両への追いつきシーン」に対応する提示情報をROMから取得する(ステップS103)。
そして、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図3に示す例において、「先行車両への追いつきシーン」に対応する提示情報は、「先行車両への追いつきシーン」において自車両が実行可能な「追従する」や「追い越す」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を、以下のように決定することができる。
たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転状態のうち、ドライバーの運転負荷に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合、あるいは、所定の基準範囲よりも低い場合には、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲内である場合に比べて、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
なお、制御装置190は、たとえば、エアコン・カーオーディオなどの車載機器140がドライバーにより操作されている場合や、ドライバーがハンズフリー通話を行っている場合には、ドライバーの運転負荷が高いと判断することができる。また、制御装置190は、たとえば、自車単独での走行時間が長いほど、ドライバーの運転負荷が低いと判断することができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、ドライバーの走行履歴に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの走行履歴に基づいて、ドライバーの運転傾向を判断し、ドライバーが追い越しを行わない傾向にある場合には、追い越しを行う傾向にある場合と比べて、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、目的地に向かうルートに基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、「追い越し」の選択肢を選択した場合に自車両が車線変更を行う方向が、目的地に向かうルートから離れる方向である場合には、「追い越す」の選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、目的地に向かうために次の分岐点を左折する場合において、追い越しをする際に右側の車線に車線変更することとなる場合には、自車両が車線変更を行う方向が目的地に向かうルートから離れる方向となるため、「追い越す」の選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、自車両の車速が周辺車両の車速よりも遅い場合には、周辺車両が自車両の周囲を高速で走行しており、自車両が車線変更に必要なスペースを見つけられない可能性が高いので、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の設定車速に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、自車両が先行車両を自動で追従する際の走行速度を「低速」、「中速」、「高速」の3つの設定速度から選択することができる場合において、設定速度が先行車両の車速よりも遅い場合には、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。設定速度が先行車両の車速よりも遅い場合には、追い越しに時間がかかることが想定されるためである。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路の混雑度合に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、道路の混雑度合が所定値以上である場合には、道路の混雑度合が所定値未満である場合と比べて、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易くなるように、各選択肢の提示態様を変更することができる。混雑度合の高い道路では、他車両が周囲を走行しており、自車両が車線変更に必要なスペースを見つけられない可能性が高いためである。
加えて、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路のレーン数に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路のレーン数が所定数未満である場合には、自車両が走行する道路のレーン数が所定数以上である場合と比べて、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。通行車両数が同じ場合、レーン数の多い道路では、各々のレーンにばらけて他車両が走っており、容易に車線変更スペースを見つけられることが想定されるが、レーン数の少ない道路では、他車は連なって走行しており、車線変更スペースを見つけにくいことが想定され、その分、先行車両を追い越す機会が少なくなることが想定されるためである。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路の種別に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路が地域の幹線道路である場合には、高速道路である場合と比べて、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。一般に、幹線道路は、高速道路に比べて規模が小さく、その分、追い越しの機会が少ないことが想定されるためである。
加えて、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路の形状に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、自車両が走行する道路の形状がカーブである場合には、直線である場合に比べて、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路規制や標識に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、追い越し禁止区間では、「追い越し」の選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。また、制御装置190は、自車両の走行レーンが道路の右端もしくは左端のレーンである場合には、それよりも外側を走行することは考えにくいため、「追い越し」の選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
また、制御装置190は、周辺の環境のうち、天候に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、雨の場合には、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。雨の場合は、見通しが悪いため、先行車両に追従する方が、ドライバーがより安心することが想定されるためである。
さらに、制御装置190は、周辺の環境のうち、時刻に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、時刻が夜である場合には、「追従する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。夜の場合は、見通しが悪いため、先行車両に追従する方が、ドライバーがより安心することが想定されるためである。
このように、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、「先行車両への追いつきシーン」において自車両が実行可能な「追従する」や「追い越す」などの各選択肢の提示態様を決定することができる。
なお、選択肢の提示態様を変更する方法は特に限定されない。たとえば、制御装置190は、選択肢を点滅し、選択肢をより目立つ色彩や色合いに変更し、選択肢の表示サイズを大きくし、選択肢を選択し易い位置に配置することなどにより、ドライバーが選択肢を選択し易いように、選択肢の提示態様を変更することができる。また、制御装置190は、図3に示すように、選択肢をグレーで表示するなどにより、ドライバーが選択肢を選択し難いように、選択肢の提示態様を変更することもできる。また、制御装置190は、複数の選択肢のうち一方の選択肢を選択し易くすることで、他方の選択肢を相対的に選択し難くすることもでき、反対に、複数の選択肢のうち一方の選択肢を選択し難くすることで、他方の選択肢を相対的に選択し易くすることもできる。なお、他の提示情報についても、同様に、ドライバーが選択肢を選択し易いよう(あるいは選択し難いように)に、各選択肢の提示態様を変更することができる。
続いて、「先行車両への追いつきシーン」において自車両が実行可能な「追従する」や「追い越す」などの複数の選択肢の中から、最初に選択される選択肢(デフォルト選択肢)を決定する方法について説明する。制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行状態に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
具体的には、制御装置190は、ドライバーの運転状態のうち、ドライバーの運転負荷に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合、あるいは、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも低い場合に、「追従する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合、あるいは、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも低い場合には、「追従する」の選択肢を選択することで、運転者の安心感をより高めることができるためである。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、ドライバーの追い越し履歴に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、ドライバーが過去1時間の運転で頻繁に追い越しを選択している場合には、ドライバーは先を急いでいることが想定できる。このような場合に、制御装置190は、「追い越し」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
さらに、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、目的地に向かうルートに基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、目的地に向かうために次の分岐点を右折する必要がある場合には、右側のレーンに車線変更して先行車両を追い越した後に、そのままのレーンで分岐点を右折して、目的地に向かうことができる。このような場合、制御装置190は、「追い越し」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
加えて、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の車速が所定速度以上である場合には、「追い越し」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。自車両の車速が速い場合には、いずれ先行車両に追い付くこととなり、先行車両に近づいた際に、ブレーキをかけて減速する必要が生じる。そのため、「追い越し」の選択肢をデフォルト選択肢とすることで、早めの車線変更をドライバーに促すことができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路の混雑度合に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路の混雑度合が所定値以下である場合には、「追い越し」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。比較的空いている道路では、車線変更を行い易いためである。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行している走行レーンに基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行している走行レーンが追い越しレーンである場合には、すでに追い越し状態であるため、「追従する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行している道路の種別に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行している道路の種別が、比較的規模の大きい道路(たとえば、幹線道路や高速道路)である場合には、「追い越し」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。比較的規模の大きい道路では、追い越しが比較的容易に行い易いためである。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行している道路の形状に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、自車両が走行している道路の形状がカーブである場合には、ドライバーは、カーブの膨らみを利用して追い越しを行うことが想定できる。そのため、制御装置190は、たとえば、提示情報が「右に車線変更して追い越す」の選択肢を有している場合において、カーブが右に膨らんだカーブである場合には、「右に車線変更して追い越す」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
加えて、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行している道路のレーン数に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、同じ車両通行量であるならば、自車両が走行している道路のレーン数が所定数以上である場合には、レーン数が所定数未満である場合に比べて、他車がばらけて走っており、車線変更がより容易となると考えられるため、「追い越す」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
また、制御装置190は、周辺の環境のうち、天候に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、雨の場合には、晴れの場合に比べて見通しが悪いため、ドライバーが車線変更を望まないことが想定される。そこで、制御装置190は、夜間の場合には、「追従する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
さらに、制御装置190は、周辺の環境のうち、時刻に基づいて、「追従する」や「追い越す」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、時刻が夜である場合には、昼の場合に比べて見通しが悪いため、ドライバーが車線変更を望まないことが想定される。そこで、制御装置190は、雨の場合には、「追従する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
このように、「先行車両への追いつきシーン」において、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、自車両が実行可能な「追従する」や「追い越す」などの複数の選択肢の中から、最初に選択されるデフォルト選択肢を決定することができる。
続いて、「先行車両への追いつきシーン」における提示条件の決定方法について説明する。制御装置190は、図2に示すテーブルを参照して、「先行車両への追いつきシーン」における提示情報の提示条件を取得する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「先行車両への追いつきシーン」における提示情報の提示条件として、「先行車両に対するTTCがS1以下」を取得する。さらに、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、取得した提示条件を変更する(ステップS108)。
たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転状態のうち、ドライバーの運転負荷に応じて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合には、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲内である場合と比べて、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。たとえば、この場合、制御装置190は、「先行車両に対するTTCがS1以下」との提示条件を、「先行車両に対するTTCがS1’(S1<S1’)以下」との提示条件に変更することができる。ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合には、注意すべき対象が多く、追い越しの判断を行うためにより長い時間を要することが想定される。そのため、早めに提示情報を提示することで、ドライバーに余裕が生まれ、ドライバーをより安心させることが可能となる。また、制御装置190は、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも低い場合にも、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲内である場合と比べて、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも低い場合には、ドライバーは1つのことに注意を向けており、提示情報に気付くのにより長い時間を要することが予想されるため、早めに提示情報を提示することで、ドライバーの安心感を高めることができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、ドライバーの走行履歴に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、所定時間前から現時点までの間に、自車両が先行車両を追い越した度合が、所定の基準値より高い場合には、ドライバーが先を急いでいることが想定されるため、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。
さらに、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、目的地までの距離に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、目的地までの距離が所定距離以上である場合には、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。目的地までの距離が所定距離以上である場合に、早めに提示情報を提示することで、目的地の遠さによるドライバーの負担感を軽減することができるためである。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の車速が周辺車両の車速よりも速い場合には、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。自車両の車速が速い場合には、ドライバーが先を急いでいることが想定されるとともに、車線変更を行うためのスペースの選択肢が増える。そのため、このような場合に、提示情報をより早いタイミングで提示することで、早く追い越しを行いたいドライバーの意思に応じることが可能となる。
加えて、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、先行車両に対する相対速度に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、先行車両に対する相対速度が所定速度以上である場合には、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。自車両の先行車両に対する相対速度が速い場合に、提示情報をより早いタイミングで提示することで、その分、自車両が車線変更をより早いタイミングで行うことができ、その結果、先行車両に対するドライバーの安心感を高めることができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路の混雑度合に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、混雑度合が所定値以上である場合には、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。これにより、道路が混雑している場合でも、ドライバーに余裕が生まれ、ドライバーの安心感を高めることができる。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する走行レーンに基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行している道路が通常レーンと追い越しレーンとを有し、自車両が通常レーンを走行している場合には、自車両が追い越しレーンを走行している場合と比べて、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。これは、通常レーンでは、追い越しレーンと比べて、先行車両が遅い速度で走行している可能性が高く、早めに提示情報を提示することで、先を急ぎたいドライバーの意思に応じることが可能となるためである。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路の種別に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、比較的規模の大きい道路(たとえば、幹線道路や高速道路)では、比較的規模の小さい道路(たとえば、細街路や一般道路)と比べて、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。ここで、同じ車両通行量であれば、比較的規模の大きい道路では、規模の小さい道路に比べ、他車がばらけて走行している可能性が高いため、車線変更の自由度が高いと考えられる。そのため、比較的規模の大きい道路を走行する場合には、提示情報をより早めに提示することで、ユーザに余裕をもって追い越しを行わせることが可能となる。同様に、制御装置190は、自車両が走行する道路のレーン数が所定数以上である場合にも、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路の形状に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路の形状がカーブである場合には、直線である場合に比べて、提示情報をより早いタイミングで提示するように、提示条件を変更することができる。自車両が走行する道路の形状がカーブである場合には、直線である場合に比べて、ドライバーは運転に注意をより向けている可能性が高いため、その分、選択肢の選択に時間を要することが想定されるためである。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両の走行レーンの幅に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の走行レーンの幅が所定距離以上である場合には、自車両の走行レーンの幅が所定距離未満である場合と比べて、提示情報をより早いタイミングで提示するように、提示条件を変更する構成とすることができる。自車両の走行レーンの幅が所定距離以上である場合には、自車両の走行レーンの幅が所定距離未満である場合と比べて、同じ横速度であれば車線変更に要する時間が長くなることが想定されるためである。
さらに、制御装置190は、周辺の環境のうち、天候に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、雨の場合には、提示情報をより早いタイミングで提示するように、提示条件を変更する構成とすることができる。雨の場合には、晴れの場合に比べて、ドライバーは運転を慎重に行いたいと考えるものと想定されるため、提示情報を早めに提示することで、ドライバーの安心感を高めることができる。
また、制御装置190は、周辺の環境のうち、現在の時刻に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、時刻が夜である場合には、提示情報をより早いタイミングで提示することができる。夜で周囲が暗い場合には、提示情報をより早いタイミングで提示することで、ドライバーに余裕が生まれ、ドライバーの安心感を高めることができる。
このように、「先行車両への追いつきシーン」において、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、「先行車両の追いつきシーン」における提示条件を変更することができる。
そして、制御装置190は、提示条件が決定すると、決定した提示条件を満たすか否かを判断し(ステップS108)、提示条件を満たす場合には、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、提示情報に対してドライバーが応答情報を入力した場合には(ステップS111=Yes)、ドライバーが選択した選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
また、制御装置190は、ドライバーが応答情報を入力しない場合には、待機解除条件を満たすか否かを判断する(ステップS112)。たとえば、図2に示す例においては、「先行車両への追いつきシーン」における待機解除条件が「先行車両に対するTTCがS2(S1>S2)以下」となっている。この場合、制御装置190は、自車両が「先行車両に対するTTCがS2(S1>S2)以下」との待機解除条件を満たすか否かを判断し、「先行車両に対するTTCがS2(S1>S2)以下」を満たす場合には、デフォルト選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「先行車両への追いつきシーン」において、制御装置190は動作する。
次に、「料金所に近づくシーン」における制御装置190の動作について説明する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、自車両が「進路前方の料金所への到達時間が60秒未満」との判定条件を満たすか否かを判断し、この判定条件を満たす場合に、「料金所に近づくシーン」であると判定し(ステップS102)、「料金所に近づくシーン」に対応する提示情報をROMから取得する(ステップS103)。なお、図5は、「料金所に近づくシーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。
次いで、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図5に示す例において、「料金所に近づくシーン」に対応する提示情報は、「料金所のどのブースに向かいますか?」などのメッセージ情報とともに、「料金所に近付くシーン」において、自車両が進入可能な料金所のブースに対応する「1」、「2」、「3」、「4」の選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を、以下のように決定することができる。
たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転状態のうち、ドライバーの運転負荷に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を決定することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合、あるいは、所定の基準範囲よりも低い場合には、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲内である場合に比べて、自車両の走行レーンから近いブース(たとえば自車両の走行レーンからの距離が所定距離以内のブース)に対応する選択肢をドライバーが選び易いように、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。これは、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合、あるいは、所定の基準範囲よりも低い場合に、ドライバーが選択し易い選択肢を、ドライバーが選択する可能性の高い選択肢に絞ることで、その分だけ、ドライバーに余裕が生まれ、ドライバーの安心感を高めることができるためである。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、ドライバーの走行履歴に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの走行履歴に基づいて、ドライバーが利用した頻度が少ないブース(たとえば料金所の両端に配置されたブースなど)を特定することで、ドライバーが利用する傾向が少ないブースに対応する選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、目的地に向かう方向に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、料金所のブースのうち、目的地に向かうルートから離れた位置にあるブースに対応する選択肢をユーザが選択し難いように、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、目的地に向かうため、料金所を通過した後に右に分岐する道路を走行する予定である場合には、料金所のブースのうち、中央よりも左側に配置されたブースに対応する選択肢をユーザが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に応じて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、自車両の車速が周辺車両の車速よりも遅い場合には、自車両が周辺車両よりも遅く料金所のブースに到達することが想定され、また、周囲車両が自車両よりも先にブースに進入してしまうため、ブース周辺の状況が刻々と変化し、ドライバーの運転負荷が高くなることが想定される。そこで、このような場合に、制御装置190は、自車両の進路から近いブースに対応する選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。これにより、ドライバーを運転に集中させることが可能となる。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、ブース付近の混雑度合に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、混雑度合が所定値未満のブースに対応する選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。混雑度合の低いブースを利用させることで、ドライバーに余裕が生まれ、ドライバーの安心感を高めることができるためである。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、料金所のブースの数に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、ブースの数が所定数以上である場合には、中央から離れたブースをドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。これにより、料金所のブースの数が多い場合でも、ドライバーが選択しやすくすることができる。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路の種別に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路の規模が比較的大きい場合には、ブースの数も多くなるため、自車両の進路から外れたブースに対応する選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。これにより、料金所においてブースの数が多い場合でも、ドライバーが選択し易い選択肢を絞ることで、ドライバーがどの選択肢を選択するか迷ってしまうことを軽減し、ドライバーの安心感を高めることができる。
加えて、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路の形状に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路の形状がカーブである場合には、直線である場合に比べて、自車両の進路から外れたブースに対応する選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。直線に比べて、カーブでは、ドライバーが運転に注意をより向けている可能性が高く、選択肢の選択に時間がかかる可能性があるためである。
また、制御装置190は、周辺の環境のうち、天候に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、雨の場合には、自車両の進路に近いブースに対応する選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。雨の場合は、見通しが悪いため、自車両が比較的容易に進入することができるブースを選択し易くすることで、ドライバーに安心感を与えることができるためである。
さらに、制御装置190は、周辺の環境のうち、時刻に基づいて、各ブースに対応する選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、時刻が夜である場合は、自車両の進路に近いブースに対応する選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。夜では、暗く見通しが悪いため、自車両が比較的容易に進入することができるブースを選択し易くすることで、ドライバーに安心感を与えることができるためである。
このように、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、「料金所に近づくシーン」において自車両が進入可能な、料金所の各ブースに対応する選択肢の提示態様を決定することができる。
続いて、「料金所に近づくシーン」において自車両が進入可能な各ブースに対応する選択肢の中から、最初に選択される選択肢(デフォルト選択肢)を決定する方法について説明する。制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行状態に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
具体的には、制御装置190は、ドライバーの運転状態のうち、ドライバーの運転負荷に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合、あるいは、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも低い場合には、自車両の進路から最も近いブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、ブースの利用履歴に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、ブースの利用履歴に基づいて各ブースの利用頻度を求め、ドライバーの利用頻度が最も高いブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。たとえば、ドライバーが通勤で料金所を利用している場合に、ドライバーが利用する頻度が最も高いブースをデフォルト選択肢に選択することで、ドライバーの利便性を向上することができる。
さらに、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、目的地に向かうルートに基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、料金所を通過した後、目的地に向かうために、右方向に分岐したルートを進行する必要がある場合には、制御装置190は、中央よりも右側に配置されたブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。これにより、料金所を通過した後に目的地に向かい易くなり、また、ドライバーの安心感を高めることもできる。
加えて、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の車速が所定速度以上である場合には、自車両の進路から最も近いブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。自車両の車速が速い場合には、自車両の進路から離れたブースに向かう場合には、減速などを行う必要があるのに対して、自車両の進路から近いブースに進入する場合には、比較的容易であり、ドライバーに安心感を与えることができるためである。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、ブース付近の混雑度合に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、混雑度合が所定値以下のブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。なお、制御装置190は、前方カメラでブース周辺の様子や混雑度合を示す電光掲示板を撮影し画像処理することで、ブース付近の混雑度合を判断することができる。また、制御装置190は、通信装置170が路車間通信により受信したブース付近の混雑度合の情報に基づいて、ブース付近の混雑度合を判断することもできる。さらに、制御装置190は、通信装置170が車々間通信により受信した料金所で待っている他車両の速度を計測し、速度の遅い他車両が連なっているかどうかを判断することで、ブース付近の混雑度合を判断することもできる。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する走行レーンに基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の走行レーンから最も近いブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。自車両の走行レーンから最も近いブースには自車両が最短で到達することができるため、ドライバーが運転を得意ではないと感じる場合でも、ドライバーの安心感を高めることができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行している道路の種別に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行している道路の種別が、比較的規模の大きい道路(たとえば、幹線道路や高速道路)である場合には、中央付近のブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。これは、規模の大きな道路では料金所ブースの数も多く、ドライバーが選択がしやすいよう中央を選択しておくためである。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行している道路の形状に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行している道路の形状がカーブである場合には、カーブの膨らみを利用してブースに到達できるように、カーブの外周側のブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。これにより、ドライバーに加わる遠心力の変化を軽減することができるため、ドライバーの乗り心地を向上することができる。
加えて、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行している道路のレーン数に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行している道路のレーン数が所定数以上である場合には、中央付近のブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
さらに、制御装置190は、周辺の環境のうち、天候に基づいて、各ブースに対応する選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、雨の場合には、自車両の進路から最も近いブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。雨の場合には、晴れの場合に比べて見通しが悪いため、ほぼ直進することで進入できるブースをデフォルトに設定することで、ドライバーの安心感を向上することができる。また、同様に、時刻が夜の場合には、自車両の進路から最も近いブースに対応する選択肢をデフォルト選択肢として決定することもできる。
このように、「料金所へ近づくシーン」において、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、自車両が進入可能な各ブースに対応する複数の選択肢の中から、最初に選択されるデフォルト選択肢を決定することができる。
続いて、「料金所へ近づくシーン」における提示条件の決定方法について説明する。制御装置190は、図2に示すテーブルを参照して、「料金所へ近づくシーン」における提示情報の提示条件を取得する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「料金所に近づくシーン」における提示情報の提示条件として、「料金所への到達時間がS3以下」を取得する。さらに、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、取得した提示条件を変更する(ステップS108)。
具体的には、制御装置190は、「料金所に近づくシーン」において、「先行車両への追いつきシーン」と同様に、ドライバーの運転負荷、目的地までの距離、自車両が走行するレーン、自車両が走行している道路の形状、天候、および時刻に基づいて、提示条件を変更することができる。加えて、「料金所に近づくシーン」において、制御装置190は、以下のように提示条件を変更することができる。
すなわち、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、ドライバーの走行履歴に基づいて、提示条件を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が通過しようとする料金所をドライバーが過去に利用した経験が少ない場合には、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。これにより、ドライバーに余裕が生まれ、ドライバーの安心感を高めることができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、自車両の車速が周辺車両の車速よりも速い場合には、自車両が周辺車両よりも先にブースに到達することができるため、自車両が複数のブースを選択することができる可能性は高くなる。この場合、ドライバーが多くのブースの中から1のブースに対応する選択肢を選択する負担が増えるため、制御装置190は、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更する。これにより、ドライバーの安心感を向上させることができる。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、料金所の混雑度合に基づいて、提示条件を変更することができる。具体的には、制御装置190は、料金所の混雑度合が所定値以上である場合には、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。これにより、ドライバーは余裕をもってブースに進むことができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路の種別に基づいて、提示条件を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が比較的規模の大きい道路(たとえば幹線道路や高速道路)を走行している場合には、比較的規模の小さい道路(たとえば細街路や一般道路)を走行している場合と比べて、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。比較的規模の大きい道路ではブースの数が多くなる傾向にあるため、提示情報をより早いタイミングで提示することで、ドライバーは余裕をもっていずれか1つの選択肢を選択することができる。同様に、制御装置190は、自車両が走行する道路のレーン数に基づいて、提示条件を変更することもできる。
このように、「料金所に近づくシーン」において、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、「料金所に近づくシーン」における提示条件を決定することができる。
そして、制御装置190は、自車両が提示条件を満たしたタイミングで、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、提示情報に対してドライバーが応答情報を入力した場合には(ステップS111=Yes)、ドライバーが選択した選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。また、「料金所に近づくシーン」において、ドライバーが応答情報を入力しない場合には、制御装置190は、図2に示すように、たとえば、自車両が「料金所への到達時間がS4(S3>S4)以下」との待機解除条件を満たすか否かを判断し、この待機解除条件を満たした場合に、デフォルト選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「料金所に近づくシーン」において、制御装置190は動作する。
次に、「合流地点に近づくシーン」における制御装置190の動作について説明する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、自車両が「進路前方の合流地点への到達時間が60秒未満」との判定条件を満たすか否かを判断し、この判定条件を満たす場合に、「合流地点に近づくシーン」であると判定し(ステップS102)、「合流地点に近づくシーン」に対応する提示情報を取得する(ステップS103)。なお、図6は、「合流地点に近づくシーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。
そして、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図6に示す例において、「合流地点に近づくシーン」に対応する提示情報は、「前方で合流しますがどうしますか?」などのメッセージ情報とともに、「合流地点に近づくシーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を決定することができる。
たとえば、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両周辺に存在する他車両や障害物に基づいて、「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の側方に他車両が存在する場合や、自車両の側方に壁や縁石などの障害物が存在する場合には、他車両や障害物が存在する方向への車線変更に対応する選択肢を、ドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路規制や標識に基づいて、「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、追い越し禁止区間では、「右に車線変更」の選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行状態に基づいて、「合流地点に近づくシーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路が、他の道路と合流する合流レーンと、合流レーンに隣接し、他の道路と直接合流しない非合流レーンとを有する場合において、自車両が走行するレーンが合流レーンであり、かつ、非合流レーンが空いている場合には、非合流レーンに車線変更するための選択肢を、デフォルト選択肢として決定することができる。合流レーンから非合流レーンに車線変更を行うことで、他の道路から合流する他車両が自車両に接近する可能性が低くなり、ドライバーの安心感を高めることができるためである。なお、制御装置190は、上記以外の場合には、「そのまま走行」をデフォルト選択肢として選択することができる。
そして、制御装置190は、「合流地点に近づくシーン」における提示情報の提示条件を決定する(ステップS109)。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「合流地点に近づくシーン」における提示情報の提示条件として、「合流地点への到達時間がS5以下」を取得する。
そして、制御装置190は、自車両が提示条件を満たしたタイミングで、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、ユーザが応答情報を入力した場合、あるいは、「合流地点への到達時間がS6(S5>S6)以下」との待機解除条件を満たした場合に、選択された選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「合流地点に近づくシーン」において、制御装置190は動作する。
次に、「自車レーンの閉塞シーン」における制御装置190の動作について説明する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、自車両が「所定距離以内に自車両の走行レーンが消滅」との判定条件を満たすか否かを判断し、この判定条件を満たす場合に、「自車レーンの閉塞シーン」であると判定し(ステップS102)、「自車レーンの閉塞シーン」に対応する提示情報を取得する(ステップS103)。なお、図7は、「自車レーンの閉塞シーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。
そして、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図7に示す例において、「自車レーンの閉塞シーン」に対応する提示情報は、「自車レーンの閉塞ブースに向かいますか?」などのメッセージ情報とともに、「自車レーンの閉塞シーン」において自車両が実行可能な「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの各選択肢の提示態様を、以下のように決定することができる。
たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転状態のうち、ドライバーの運転負荷に基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合、あるいは、所定の基準範囲よりも低い場合には、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲内である場合に比べて、「自動減速する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。このように、ドライバーが選択し易い選択肢をドライバーが選択する可能性が高い選択肢に絞ることで、ドライバーに余裕が生まれ、ドライバーの安心感をより高めることができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、ドライバーの走行履歴に基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの走行履歴に基づいて、自車両が走行する道路がドライバーが通勤に用いている道路であるかを特定し、ドライバーが通勤に用いている道路において道路工事が一定期間続く場合に、道路工事により閉塞されているレーンを走行することとなる選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、目的地に向かうルートに基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、目的地に向かうルートを走行するために近い将来に右折する必要がある場合において、自車両の走行レーンの右隣のレーンが閉塞しない場合には、自車両が将来的に右側に車線変更することとなるため、「右へ車線変更」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
加えて、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の車速が所定速度以上である場合には、閉塞地点まで早く到達してしまうため、「自動減速する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を決定することができる。これにより、ドライバーが選択肢を選択する際の負担を軽減することができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、閉塞地点までの距離に基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、閉塞地点までの距離が所定距離以下である場合には、自車両が閉塞地点まで早く到達してしまうため、「自動減速する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を決定することができる。
また、制御装置190は、閉塞地点までの距離が短い(たとえば100m)の場合には、「右へ車線変更」のみを選択することができるように、各選択肢の提示態様を変更することもできる。また、制御装置190は、閉塞地点までの距離が長い(たとえば1Km)の場合には、「自動減速する」および「右へ車線変更」を選択することができるように、各選択肢の提示態様を変更することもできる。たとえば、閉塞地点までの距離が長い場合でも、車線変更を行う旨の選択肢しか選択できず、車線変更を行うことで、自車両がトラックで挟まれてしまうような場合でも、「自動減速する」の選択肢をドライバーが選択できるようにすることで、このような事態を適切に回避することが可能となる。
さらに、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路の混雑度合に基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、混雑度合が所定値未満の道路である場合には、「右へ車線変更する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。混雑度合が低い道路では、車線変更が比較的行い易いためである。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路のレーン数に基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、レーン数が所定数以上である場合には、車線変更を比較的行い易いため、「右へ車線変更」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
加えて、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路の形状に基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路の形状がカーブである場合には、直線である場合に比べて、「自動減速する」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。直線に比べて、カーブでは、ドライバーが運転に注意をより向けている可能性が高いため、「自動減速する」の選択肢を選び易くすることで、ドライバーが選択肢を選択する負担を軽減することができ、ドライバーにより安心して運転を行わせることができる。
また、制御装置190は、周辺の環境のうち、天候や時刻に基づいて、「自動減速する」や「車線変更をする」などの各選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、雨の場合には、晴れの場合に比べて見通しが悪いため、ドライバーが選択肢を選択する負荷を減らし、ドライバーを運転に集中させることが好ましい場合もありえる。そのため、制御装置190は、雨が降っている場合において、たとえば、近い将来に右に車線変更する可能性が高い場合などでは、「右へ車線変更」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。同様に、制御装置190は、時刻が夜である場合において、近い将来に右に車線変更する可能性が高い場合には、「右へ車線変更」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
このように、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、「自車レーンの閉塞シーン」において自車両が選択可能な「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の提示態様を決定することができる。
続いて、「自車レーンの閉塞シーン」において自車両が実行可能な「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、最初に選択される選択肢(デフォルト選択肢)を決定する方法について説明する。制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行状態に基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
具体的には、制御装置190は、ドライバーの運転状態のうち、ドライバーの運転負荷に基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも高い場合、あるいは、ドライバーの運転負荷が所定の基準範囲よりも低い場合には、「右へ車線変更」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、ドライバーの走行履歴に基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、ドライバーの走行履歴に基づいてドライバーが通勤に用いている道路を特定し、ドライバーが通勤に用いる道路において道路工事が一定期間続く場合には、道路工事により閉塞されているレーンを回避する「右に車線変更」の選択肢を、デフォルト選択肢として決定することができる。閉塞地点を回避するための選択肢がデフォルト選択肢として設定されるため、ドライバーは安心して運転を行うことができる。
さらに、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、目的地に向かうルートに基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、目的地に向かうルートを走行するために近い将来に右折する必要がある場合において、自車両の走行レーンの右隣のレーンが閉塞しない場合には、自車両が将来的に右側に車線変更することとなるため、「右へ車線変更」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
加えて、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の車速が所定速度以上である場合には、閉塞地点まで早く到達してしまうため、「右に車線変更」の選択肢をデフォルト選択肢に決定することができる。これにより、ドライバーの安心感を高めることができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路の混雑度合に基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路の混雑度合が所定値以下である場合には、「右へ車線変更する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。混雑度合が低い道路では車線変更が比較的行い易く、また、車線変更を予め行わせることで、ドライバーは安心して運転を行うことが可能となる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路のレーン数に基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路のレーン数が所定数以上である場合には、車線変更が行い易いため、「右へ車線変更」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
また、制御装置190は、周辺の環境のうち天候や時刻に基づいて、「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定することができる。たとえば、雨の場合には、晴れの場合に比べて見通しが悪いため、ドライバーは早めに車線変更を済ませておきたいと考える傾向にある。そのため、制御装置190は、雨の場合には、「右へ車線変更」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。また同様に、制御装置190は、夜の場合においても、「右へ車線変更」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
このように、「自車レーンの閉塞シーン」において、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、自車両が実行可能な「自動減速する」や「右へ車線変更をする」などの複数の選択肢の中から、最初に選択されるデフォルト選択肢を決定することができる。
続いて、「自車レーンの閉塞シーン」における提示条件の決定方法について説明する。制御装置190は、図2に示すテーブルを参照して、「自車レーンの閉塞シーン」における提示情報の提示条件を取得する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「自車レーンの閉塞シーン」における提示情報の提示条件として、「閉塞地点への到達時間がS7以下」を取得する。さらに、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、取得した提示条件を変更する(ステップS108)。
たとえば、制御装置190は、「自車レーンの閉塞シーン」において、「先行車両への追いつきシーン」と同様に、ドライバーの運転負荷、自車両が走行している道路の混雑度合、自車両が走行している道路の形状、天候、および時刻に基づいて、提示条件を決定することができる。加えて、「自車レーンの閉塞シーン」において、制御装置190は、以下のように提示条件を決定することができる。
すなわち、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、目的地に向かう方向に基づいて、提示条件を決定することができる。たとえば、自車両の走行レーンがこの先において閉塞し、隣のレーンを走行することで目的地に向かうことができる場合には、早めに車線変更を行うことで将来の状況の見通しが立てやすくなり、ユーザの安心感を高めることができる。そこで、このような場合に、制御装置190は、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。
また、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両の車速に基づいて、提示条件を決定することができる。たとえば、自車両の車速が周辺車両の車速よりも遅い場合には、車線変更を行うためのスペースを見つけることが困難となる。そのため、制御装置190は、自車両の車速が周辺車両の車速よりも遅い場合には、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更する。これにより、ドライバーの安心感を高めることができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する走行レーンに基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行している道路が通常レーンと追い越しレーンとを有し、自車両が通常レーンを走行している場合には、自車両が追い越しレーンを走行している場合と比べて、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。これは、通常レーンが閉塞する場合に、自車両は追い越しレーンに車線変更する必要があるが、追い越しレーンを他車両が走行する場合には、車線変更を直ぐに行うことが困難な場合があり、早めに車線変更を行えるようにすることが好適なためである。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両が走行する道路の種別に基づいて、提示条件を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が比較的規模の小さい道路(たとえば細街路や一般道路)を走行している場合には、比較的規模の大きい道路(たとえば幹線道路や高速道路)を走行している場合と比べて、提示情報がより早いタイミングで提示されるように、提示条件を変更することができる。比較的規模の小さい道路ではレーンの数が少なく、自車両の走行レーンが閉塞された場合に、自車両が車線変更を行うことができる車線が少なくなるためである。また同様に、制御装置190は、自車両が走行する道路のレーン数に基づいて、提示条件を決定することもできる。
このように、「自車レーンの閉塞シーン」において、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両の周辺の環境などの走行状態に基づいて、「自車レーンの閉塞シーン」における提示条件を決定することができる。
そして、制御装置190は、自車両が提示条件を満たしたタイミングで、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、提示情報に対してドライバーが応答情報を入力した場合には(ステップS111=Yes)、ドライバーが選択した選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。また、「自車レーンの閉塞シーン」において、ドライバーが応答情報を入力しない場合には、制御装置190は、図2に示すように、たとえば、自車両が「閉塞地点への到達時間がS8(S7>S8)以下」との待機解除条件を満たすか否かを判断し、この待機解除条件を満たした場合に、デフォルト選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「自車レーンの閉塞シーン」において、制御装置190は動作する。
次に、「路上物体の回避シーン」における制御装置190の動作について説明する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、「進路前方に歩行者、自転車、バイク、または路上の落下物が存在する」との判定条件を満たすか否かを判断し、この判定条件を満たす場合に、「路上物体の回避シーン」であると判定し(ステップS102)、「路上物体の回避シーン」に対応する提示情報を取得する(ステップS103)。なお、図8は、「路上物体の回避シーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。
そして、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図8に示す例において、「路上物体の回避シーン」に対応する提示情報は、「前方に障害物を検知しました」などのメッセージ情報とともに、「路上物体の回避シーン」において自車両が実施可能な「左に回避」、「自動減速する」、「右に回避」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を決定することができる。
たとえば、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両周辺に存在する他車両や障害物に基づいて、「左に回避」、「自動減速する」、「右に回避」などの選択肢の提示態様を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の側方に他車両が存在する場合や、自車両の側方に壁や縁石などの障害物が存在する場合には、他車両や障害物が存在する方向への車線変更に対応する選択肢を、ドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を決定することができる。
また、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行情報に基づいて、「路上物体の回避シーン」において自車両が実行可能な「左に回避」、「自動減速する」、「右に回避」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
具体的には、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、自車両の走行レーンに隣接する隣接レーンの混雑度合に基づいて、デフォルト選択肢を決定することができる。具体的には、制御装置190は、たとえば、左側の隣接レーンが比較的空いている場合には、「左に回避」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。また、制御装置190は、たとえば、自車両の左側および右側に他車両や障害物が存在する場合には、「自動減速する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
そして、制御装置190は、「路上物体の回避シーン」における提示情報の提示条件を決定する(ステップS109)。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「路上物体の回避シーン」における提示情報の提示条件として、「路上物体を検知」を取得する。
そして、制御装置190は、自車両が提示条件を満たしたタイミング、すなわち、路上に歩行者、自転車、バイク、または落下物を検知したタイミングで、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、ユーザが応答情報を入力した場合、あるいは、「路上物体に対するTTCがS9以下」との待機解除条件を満たした場合に、選択された選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「路上物体の回避シーン」において、制御装置190は動作する。
次に、「後方車両に追いつかれシーン」における制御装置190の動作について説明する。たとえば、制御装置190は、図2に示すように、自車両の走行情報に基づいて、「自車両の走行レーンに後続車両が存在し」かつ「後続車両の車速>自車両の車速」の判定条件を満たすか否かを判断し、この判定条件を満たす場合に、「後方車両に追いつかれシーン」であると判定し(ステップS102)、「後方車両に追いつかれシーン」に対応する提示情報を取得する(ステップS103)。なお、図9は、「後方車両に追いつかれシーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。
そして、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図9に示す例において、「後方車両に追いつかれシーン」に対応する提示情報は、「後方から早い車両が近づいています。どうしますか?」などのメッセージ情報とともに、「後方車両に追いつかれシーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を決定する。
たとえば、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両周辺に存在する他車両や障害物に基づいて、「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を決定することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の側方に他車両が存在する場合や、自車両の側方に壁や縁石などの障害物が存在する場合には、他車両や障害物が存在する方向への車線変更に対応する選択肢を、ドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を決定することができる。
また、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行状態に基づいて、「後方車両に追いつかれシーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
具体的には、制御装置190は、後方から近づいてくる後続車両が救急車などの緊急車両であり、左側または右側の隣接レーンが比較的空いていると判断した場合には、「左に車線変更」または「右側に車線変更」の選択肢を、デフォルト選択肢として決定することができる。また、制御装置190は、上記以外の場合には、「そのまま走行する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
そして、制御装置190は、「後方車両に追いつかれシーン」における提示情報の提示条件を決定する(ステップS109)。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「後方車両に追いつかれシーン」における提示情報の提示条件として、「後続車両に対するTTCがS10以下」を取得する。
そして、制御装置190は、自車両が提示条件を満たしたタイミングで、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、ユーザが応答情報を入力した場合、あるいは、「後続車両に対するTTCがS11(S10>S11)以下」との待機解除条件を満たした場合に、選択された選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「後方車両に追いつかれシーン」において、制御装置190は動作する。
次に、「緊急退避シーン」における制御装置190の動作について説明する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、「所定時間の間に、車載機器140の操作が行われていない」かつ「車内カメラによる撮像画像に基づいて、ドライバーが運転可能状態ではないと判定」の判定条件を満たすか否かを判断し、この判定条件を満たす場合に、「緊急退避シーン」であると判定し(ステップS102)、「緊急退避シーン」に対応する提示情報を取得する(ステップS103)。なお、図10は、「緊急退避シーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。
そして、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図10に示す例において、「緊急退避シーン」に対応する提示情報は、「運転が続けられなくなる可能性があります。どうしますか?」などのメッセージ情報とともに、「緊急退避シーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更し、路肩で停車」、「そのまま走行する」、「右に車線変更」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を決定することができる。
具体的には、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両周辺に存在する他車両や障害物に基づいて、「左に車線変更し、路肩で停車」、「そのまま走行する」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の側方に他車両が存在する場合や、自車両の側方に壁や縁石などの障害物が存在する場合には、他車両や障害物が存在する方向への車線変更に対応する選択肢を、ドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
また、制御装置190は、自車両の道路の状態のうち、自車両が走行する道路の路肩の幅に基づいて、「左に車線変更し、路肩で停車」、「そのまま走行する」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路の路肩が十分な幅である場合には、「左に車線変更し、路肩で停車」の選択肢が選択し易くなるように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行状態に基づいて、「緊急退避シーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更し、路肩で停車」、「そのまま走行する」、「右に車線変更」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
たとえば、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、路肩に接するレーンの混雑度合に基づいて、デフォルト選択肢を決定することができる。具体的には、制御装置190は、路肩に接する左側のレーンが比較的空いている場合には、「左に車線変更し、路肩で停車」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。また、制御装置190は、上記以外の場合には、「そのまま走行する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
そして、制御装置190は、「緊急退避シーン」における提示情報の提示条件を決定する(ステップS109)。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「緊急退避シーン」における提示情報の提示条件として、「緊急退避シーン」の判定条件を取得する。
そして、制御装置190は、自車両が提示条件を満たしたタイミング、すなわち、「緊急退避シーン」であると判定されたタイミングで、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、ユーザが応答情報を入力した場合、あるいは、「メッセージの提示後、所定時間が経過した」との待機解除条件を満たした場合に、選択された選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「緊急退避シーン」において、制御装置190は動作する。
次に、「目的地への車線乗換シーン」における制御装置190の動作について説明する。たとえば、制御装置190は、図2に示すように、自車両の走行情報に基づいて、「目的地が設定されている」かつ「目的地に到着するために必要な車線変更地点までの到達時間が60秒以内」の判定条件を満たすか否かを判断し、この判定条件を満たす場合に、「目的地への車線乗換シーン」であると判定し(ステップS102)、「目的地への車線乗換シーン」に対応する提示情報を取得する(ステップS103)。なお、図11は、「目的地への車線乗換シーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。
そして、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図11に示す例において、「目的地への車線乗換シーン」に対応する提示情報は、「前方に分岐があります。目的地に向かうには左方向に進むと早く到着しますが、どうしますか?」などのメッセージ情報とともに、「目的地への車線乗換シーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を決定することができる。
たとえば、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両周辺に存在する他車両や障害物に基づいて、「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の側方に他車両が存在する場合や、自車両の側方に壁や縁石などの障害物が存在する場合には、他車両や障害物が存在する方向への車線変更に対応する選択肢を、ドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路規制や標識に基づいて、「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、車線変更禁止区間では、「左に車線変更」および「右に車線変更」の選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、「左に車線変更」又は「右に車線変更」を行い、分岐を左方向または右方向に進んだ場合に、目的地までの到達時間が所定時間以上遅れてしまう場合には、このような方向に向かう車線変更に対応する選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を決定することができる。たとえば、制御装置190は、右に車線変更を行い右側のレーンをそのまま走行した場合に、目的地までの到達時間が所定時間以上遅れてしまうこととなる場合には、「右に車線変更」の選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を決定することができる。
さらに、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行状態に基づいて、「目的地への車線乗換シーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
たとえば、制御装置190は、「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などのうち、目的地に向かう方向に自車両が進行することとなる選択肢を、デフォルト選択肢として決定することができる。たとえば、制御装置190は、右に車線変更を行い右側のレーンをそのまま走行した場合に、目的地に向かうことができる場合には、「右に車線変更」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
そして、制御装置190は、「目的地への車線乗換シーン」における提示情報の提示条件を決定する(ステップS109)。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「目的地への車線乗換シーン」における提示情報の提示条件として、「車線変更地点までの到達時間がS12以下」を取得する。
そして、制御装置190は、自車両が提示条件を満たしたタイミングで、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、ユーザが応答情報を入力した場合、あるいは、「車線変更地点までの到達時間がS13(S12>S13)以下」との待機解除条件を満たした場合に、選択された選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「目的地への車線乗換シーン」において、制御装置190は動作する。
次に、「SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)に向かうシーン」における制御装置190の動作について説明する。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、「SA/PAへの到達時間が60秒以内」の判定条件を満たすか否かを判断し、この判定条件を満たす場合に、「SA/PAに向かうシーン」であると判定し(ステップS102)、「SA/PAに向かうシーン」に対応する提示情報を取得する(ステップS103)。なお、図12は、「SA/PAに向かうシーン」において、提示装置150であるディスプレイの画面に表示される提示情報の一例を示す図である。
そして、制御装置190は、自車両の走行情報に基づいて、提示情報に含まれる各選択肢の提示態様を決定する(ステップS106)。たとえば、図12に示す例において、「SA/PAに向かうシーン」に対応する提示情報は、「左にパーキングエリアがありますが、どうしますか?」などのメッセージ情報とともに、「SA/PAに向かうシーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を決定する。
たとえば、制御装置190は、自車両の走行状態のうち、自車両周辺に存在する他車両や障害物に基づいて、「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を変更することができる。たとえば、制御装置190は、自車両の側方に他車両が存在する場合や、自車両の側方に壁や縁石などの障害物が存在する場合には、他車両や障害物が存在する方向への車線変更に対応する選択肢を、ドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を決定することができる。
また、制御装置190は、自車両が走行する道路の状態のうち、道路規制や標識に基づいて、「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の提示態様を決定することができる。たとえば、制御装置190は、車線変更禁止区間では、「左に車線変更」および「右に車線変更」の選択肢をドライバーが選択し難いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。
さらに、制御装置190は、サービスエリアまたはパーキングエリアが混雑しているか否かを判断し、サービスエリアまたはパーキングエリアが混雑している場合には、「そのまま走行」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。なお、制御装置190は、通信装置170による路車間通信などを利用して、サービスエリアまたはパーキングエリアが混雑しているか否かの情報を取得することで、サービスエリアまたはパーキングエリアが混雑しているか否かを判断することができる。
また、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および周辺の環境などの走行状態に基づいて、「SA/PAに向かうシーン」において自車両が実行可能な「左に車線変更」、「そのまま走行」、「右に車線変更」などの選択肢の中から、デフォルト選択肢を決定する(ステップS107)。
たとえば、制御装置190は、ドライバーが休憩を取らずに2時間以上連続して運転している場合であり、かつ、前方にサービスエリアまたはパーキングエリアが存在する場合には、サービスエリアまたはパーキングエリアに進入する側のレーンに車線変更を行うための選択肢を、デフォルト選択肢として決定してもよい。また、制御装置190は、上記以外の場合には、「そのまま走行する」の選択肢をデフォルト選択肢として決定することができる。
そして、制御装置190は、「SA/PAに向かうシーン」における提示情報の提示条件を決定する(ステップS109)。たとえば、図2に示す例において、制御装置190は、「SA/PAに向かうシーン」における提示情報の提示条件として、「SA/PAへの到達時間がS14以下」を取得する。
そして、制御装置190は、自車両が提示条件を満たしたタイミングで、上述した選択肢の提示態様において、上述したデフォルト選択肢が選択された状態で、提示情報をドライバーに提示する(ステップS109)。そして、制御装置190は、ユーザが応答情報を入力した場合、あるいは、「SA/PAへの到達時間がS15(S14>S15)以下」との待機解除条件を満たした場合に、選択された選択肢に基づいて、自車両の走行を制御する(ステップS113)。
このように、「SA/PAに向かうシーン」において、制御装置190は動作する。
また、本実施形態において、ドライバーは入力装置160を操作することで、図13に示すように、車線変更をドライバーに問い合わせる提示情報を、制御装置190に提示させることができる。たとえば、図13に示す提示情報は、「どちらの方向に車線変更したいですか?」とのメッセージ情報とともに、「左に車線変更」、「キャンセル」、「右に車線変更」などの選択肢を有している。この場合、制御装置190は、ドライバーの運転状態、自車両の走行状態、自車両が走行する道路の状態、および自車両周辺の環境などの走行情報に基づいて、各選択肢の提示態様を変更することができる。
たとえば、制御装置190は、自車両の側方に他車両が存在する場合や、自車両の側方に壁や縁石などの障害物が存在する場合には、「キャンセル」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。また、制御装置190は、自車両が車線変更禁止区間を走行する場合も、「キャンセル」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。さらに、制御装置190は、自車両の設定車速と先行車両の車速との差が10km/h未満である場合には、「キャンセル」の選択肢をドライバーが選択し易いように、各選択肢の提示態様を変更することができる。先行車両の追い越しに要する時間が長くなってしまうためである。
また、このように、ドライバーに車線変更を問い合わせる提示情報を提示させた場合に、制御装置190は、「キャンセル」の選択肢を、最初に選択されるデフォルト選択肢として決定することができる。
さらに、制御装置190は、ドライバーに車線変更を問い合わせる提示情報を提示した後に、たとえばN秒が経過したことを待機解除条件とすることができ、ドライバーにより応答情報の入力がない場合には、提示情報の提示からN秒が経過した後に、デフォルト選択肢に基づいて、自車両の走行を制御することができる。なお、制御装置190は、ドライバーが車載機器140を操作している場合には、待機解除条件のN秒を5秒程度延長することもできる。
以上のように、本実施形態では、自車両の走行状態に基づいて走行シーンを判定し、走行シーンに対応する提示情報をドライバーに提示し、ドライバーが提示情報に対して応答情報を入力した場合に、ドライバーが入力した応答情報に基づいて、自車両の走行を制御することで、ドライバーの判断に基づいた走行制御を行うことができ、走行制御を行う際のドライバーの違和感を軽減することができる。
また、本実施形態では、提示情報に優先順位が関連付けられており、自車両の実際の走行シーンが、2以上の提示情報に対応する走行シーンに該当する場合には、優先順位が最も高い提示情報を、ドライバーに提示することで、ドライバーが必要とする提示情報を、ドライバーに適切に提示することができる。
さらに、本実施形態では、各走行シーンにおいて、自車両の走行状態に適した選択肢をデフォルト選択肢として決定し、デフォルト選択肢が予め選択された状態で、提示情報をドライバーに提示することで、ドライバーが選択肢を選択する負担を軽減することができ、ドライバーの安心感を高めることができる。また、デフォルト選択肢が予め選択された状態で、提示情報をドライバーに提示した後に、ドライバーが応答情報を入力することなく待機解除条件を満たした場合には、デフォルト選択肢に基づいて、自車両を制御することで、ドライバーが選択肢を選択できない状況においても、自車両の走行を適切に制御することができる。
また、上述した実施形態では、自車両の走行状態に基づいて、提示情報に含まれる複数の選択肢のうちの一部の選択肢をドライバーが選択し易い(あるいは選択し難い)ように、各選択肢の提示態様を変更することで、それぞれの走行シーンにおいて、ドライバーが選択することが好ましい選択肢をドライバーが選択し易くすることができ(あるいは、ドライバーが選択することが好ましくない選択肢を選択し難くすることができ)、ドライバーが選択肢を選択する際の負担を軽減することができる。
加えて、本実施形態では、提示情報に関連付けられた提示条件を満たしたタイミングで、提示情報をユーザに提示することで、提示情報が長時間提示されることによるユーザの煩わしさを軽減することができる。また、本実施形態では、自車両の走行状態に基づいて、提示条件を変更することで、自車両の走行状態に適したタイミングで提示情報を提示することができる。
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係る走行制御装置について説明する。第2実施形態に係る走行制御装置100は、第1実施形態に係る走行制御装置100と同様の構成を有し、以下に説明するように動作すること以外は、第1実施形態に係る走行制御装置100と同様に動作する。
第2実施形態に係る制御装置190は、第1実施形態に係る制御装置190の機能に加えて、履歴情報記憶機能と、ドライバー状態推定機能と、特定走行制御機能と、をさらに備える。以下に、各機能について説明する。
制御装置190の履歴情報記憶機能は、提示装置150により提示された提示情報の提示回数を含む履歴情報を、制御装置190が備えるメモリに記憶する。また、履歴情報記憶機能は、入力装置160により入力された応答情報の入力回数を含む履歴情報を、制御装置190のメモリに記憶する。さらに、履歴情報記憶機能は、車載機器140から車載機器140の操作情報を取得し、ドライバーが車載機器140を操作した操作回数を含む操作履歴情報を、制御装置190のメモリに記憶する。
制御装置190のドライバー状態推定機能は、提示情報の履歴情報、応答情報の履歴情報、および車載機器140の操作履歴情報に基づいて、ドライバーの状態を推定する。たとえば、ドライバー状態推定機能は、制御装置190のメモリから、現時点から所定時間前までの一定期間(たとえば10分間)における、提示情報の提示回数Dおよび応答情報の入力回数Iを取得する。そして、ドライバー状態推定機能は、下記式(1)に示すように、一定期間における応答情報の入力回数Iを提示情報の提示回数Dで除した値(I/D)が、所定値T1以下であるか否かを判断する。
(応答情報の入力回数I/提示情報の提示回数D)≦ 所定値T1 ・・・(1)
なお、提示情報の提示回数Dがゼロである場合には、提示回数Dを1として、上記式(1)を算出することができる。
さらに、ドライバー状態推定機能は、車載機器140の操作履歴情報に基づいて、現時点から所定時間前までの一定期間(たとえば10分間)における、車載機器140の操作回数Hを取得する。そして、ドライバー状態推定機能は、下記式(2)に示すように、車載機器140の操作回数Hが、所定値T2以下であるか否かを判断する。
車載機器140の操作回数H ≦ 所定値T2 ・・・(2)
ドライバー状態推定機能は、上記式(1)および(2)の条件を満たす場合には、ドライバーが急病など、提示情報に応答できない緊急状態である可能性があるものと推定する。
制御装置190の特定走行制御機能は、ドライバー状態推定機能により、ドライバーが緊急状態である可能性があると推定された場合に、自車両を退避スペースに退避させるための制御を行う。たとえば、特定走行制御機能は、自車両が退避可能なスペースを探索し、走行制御機能に、自車両を退避スペースまで移動させ、退避スペースに自車両を停車させる。なお、特定走行制御機能による特定走行制御処理の詳細な内容については後述する。
また、第2実施形態において、制御装置190の提示機能は、ドライバー状態推定機能により、ドライバーが緊急状態である可能性があると推定された場合に、ドライバーに退避スペースへの退避を行うか否かを問い合わせる提示情報を提示する。ここで、図14は、第2実施形態に係る特定走行制御において、提示装置150により提示される提示情報の一例を示す図である。たとえば、提示機能は、図14に示すように、「所定期間の操作が検出されなかったため、緊急退避制御を行います。もしキャンセルしたい場合は所定時間内にキャンセルを選択して下さい。」とのメッセージ情報を提示情報に含めて提示することができる。さらに、提示機能は、「あと残り○○秒」などのように、退避制御をキャンセル可能な残り時間に関する情報を、提示情報に含めて提示することができる。
また、この場合、提示機能は、退避制御の「実行」および「キャンセル」の2つの選択肢を提示情報に含めて提示することができる。また、「キャンセル」をデフォルト選択肢として提示することができる。ただし、第2実施形態において、特定走行制御機能は、ドライバーがいずれの選択肢を選択することなく、退避制御をキャンセル可能な残り時間がゼロになった場合には、自車両を退避スペースに退避させる退避制御(特定走行制御)を実行する。すなわち、第2実施形態では、ドライバーが退避制御の「キャンセル」を選択し易いように、デフォルト選択肢として「キャンセル」を設定するが、ドライバーの応答が一定時間ない場合には、デフォルト選択肢は選択されず、退避制御が実行されることとなる。
続いて、図15を参照して、第2実施形態に係る特定走行制御処理について説明する。図15は、第2実施形態に係る特定走行制御処理を示すフローチャートである。なお、以下に説明する特定走行制御処理は、たとえば、制御装置190により、第1実施形態に係る走行制御処理と並行して、実行することができる。また、特定走行制御処理は、一定の間隔で繰り返し行われる。
ステップS201では、ドライバー状態推定機能により、履歴情報の取得が行われる。具体的には、ドライバー状態推定機能は、制御装置190が備えるメモリから、提示装置150により提示された提示情報の履歴情報、入力装置160により入力された応答情報の履歴情報、車載機器140の操作履歴情報を取得する。
ステップS202では、ドライバー状態推定機能により、上記式(1)に示すように、応答情報の入力回数Iを提示情報の提示回数Dで除した値(I/D)が、所定値T1以下であるか否かの判断が行われる。値(I/D)が所定値T1以下である場合、すなわち、ドライバーが提示情報に応答する割合が低い場合には、ステップS203に進む。一方、値(I/D)が所定値T1よりも大きい場合、すなわち、ドライバーが提示情報に応答する割合が高い場合には、ステップS208に進む。ステップS208では、制御装置190により、図4に示す走行制御処理が継続して行われる。
ステップS203では、ステップS201で取得した車載機器140の操作履歴情報に基づいて、車載機器140の操作回数Hが所定値T2以下であるか否かの判断が行われる。車載機器140の操作回数Hが所定値T2よりも多い場合には、ステップS208に進み、図4に示す走行制御処理が継続して行われる。一方、車載機器140の操作回数Hが所定値T2以下である場合には、ステップS204に進む。
ステップS204では、応答情報の入力回数Iを提示情報の提示回数Dで除した値(I/D)が所定値T1以下であり、かつ、車載機器140の操作回数Hが所定値T2以下であるため、ドライバー状態推定機能により、ドライバーが、急病などの提示情報に応答できない緊急状態である可能性があると推定される。そこで、特定走行制御機能により、自車両を退避させるための退避スペースの探索が行われる。
たとえば、特定走行制御機能は、自車両が高速道路を走行している場合には、地図データベース130の地図情報に基づいて、最寄りのパーキングエリアやサービスエリアを、退避スペースとして探索することができる。また、特定走行制御機能は、路肩に停車できる道路では、センサ110に含まれる前方カメラや側方レーダーなどの検知結果に基づいて、自車両を停車可能な路肩のスペースを、退避スペースとして探索することもできる。
ステップS205では、提示機能により、図14に示すように、退避制御を行うか否かの提示情報がドライバーに提示される。なお、提示機能は、音声などにより提示情報を提示することもできる。また、提示機能は、提示情報を提示する際に、「キャンセル」の選択肢をデフォルト選択肢として設定する。
そして、ステップS206では、特定走行制御機能により、ステップS205で提示された提示情報に対して、ドライバーが退避制御(特定走行制御)の「実行」または「キャンセル」の選択肢を選択したか否かの判断が行われる。ドライバーがいずれかの選択肢を選択した場合には、ステップS207に進み、一方、ドライバーがいずれの選択肢も選択していない場合には、ステップS209に進む。
ステップS207では、ドライバーがいずれかの選択肢を選択していると判断されているため、特定走行制御機能により、ステップS205で提示された提示情報に対して、ドライバーが退避制御(特定走行制御)の「キャンセル」の選択肢を選択したか否かの判断が行われる。ドライバーが退避制御の「キャンセル」の選択肢を選択した場合には、図4に示す走行制御処理を継続するために、ステップS208に進む。一方、ドライバーが退避制御の「実行」の選択肢を選択した場合には、退避制御(特定走行制御)を実行するために、ステップS210に進む。
また、ステップS206において、ドライバーがいずれの選択肢も選択していない場合には、ステップS209に進み、特定走行制御機能により、ドライバーにより応答情報が入力されない状態で、ステップS205で退避制御(特定走行制御)を行う旨の提示情報を提示してから一定時間が経過したか否かの判断が行われる。一定時間が経過していない場合には、ステップS208に進み、図4に示す走行制御処理が継続して行われる。一方、ドライバーからの応答がなく一定時間が経過した場合には、退避制御(特定走行制御)を実行するために、ステップS210に進む。
なお、ステップS206,S207,S209においては、ドライバーが入力装置160を介して提示装置150のディスプレイに提示された「キャンセル」を直接選択しない場合でも、ドライバーが、たとえばステアリングやアクセルペダルの操作、車載機器140の操作などを行った場合には、退避制御(特定走行制御)の「キャンセル」が選択されたものと判断し、ステップS208に進むことができる。
ステップS210〜S212では、特定走行制御機能により、退避制御(特定走行制御)が実行される。すなわち、まず、ステップS210では、特定走行制御機能により、ハザードランプの点滅が開始される。ハザードランプを点滅させることで、周囲の車両のドライバーに、自車両のドライバーが緊急状態であること、および、退避制御を行うことを知らせることができる。そして、ステップS211では、特定走行制御機能により、ステップS204で探索した退避スペースまで、自車両を自動で移動させる退避制御が行われる。そして、自車両が退避スペースまで移動すると、ステップS212に進み、特定走行制御機能により、退避スペースでの停車が行われる。たとえば、特定走行制御機能は、パーキングブレーキを自動で動作させることで、退避スペースで停車を行うことができる。
以上のように、第2実施形態に係る走行制御装置100は、提示情報および応答情報の履歴情報、車載機器140の操作履歴情報に基づいて、ドライバーが提示情報に応答できない緊急状態の可能性があるか否かを推定する。そして、ドライバーが緊急状態である可能性があると推定された場合には、自車両を退避スペースに退避させる退避制御(特定走行制御)を行うか否かの提示情報が、ドライバーに提示される。そして、ドライバーが退避制御の実行を選択した場合、または、ドライバーが提示情報に応答できない場合に、自車両を自動で退避スペースに退避させる退避制御が行われる。これにより、第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、ドライバーが提示情報に応答できない緊急状態である場合でも、自車両を退避スペースまで移動させることができ、ドライバーを安全に保護することができる。
また、第2実施形態では、提示情報に含まれる選択肢のうち、「キャンセル」の選択肢を、デフォルト選択肢として設定することで、走行制御から退避制御(特定走行制御)への移行に対する、ドライバーの拒否の意思を迅速に反映することができる。
なお、第2実施形態では、退避スペースを探索し、自車両を退避スペースまで移動させる構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、自車両を現在位置の近傍、または、緊急時に路肩に停車可能であれば、自車両を路肩に停車させる構成とすることができる。この場合も、ドライバーが提示情報に応答できない緊急状態である場合に、ドライバーを安全に保護することができる。
《第3実施形態》
次に、第3実施形態に係る走行制御装置について説明する。第3実施形態に係る走行制御装置100は、第2実施形態に係る走行制御装置100と同様の構成を有し、以下に説明するように動作すること以外は、第2実施形態に係る走行制御装置100と同様に動作する。
第3実施形態において、制御装置190のドライバー状態推定機能は、提示装置150により提示された提示情報の履歴情報、入力装置160により入力された応答情報の履歴情報、および車載機器140の操作履歴情報に基づいて、ドライバーが居眠り状態(眠い状態を含む)である可能性があるか否かを推定する。たとえば、ドライバー状態推定機能は、上記式(1)および(2)の条件を満たす場合に、ドライバーが居眠り状態である可能性があると判断することができる。また、上記式(1)および(2)において、所定値T1,T2に代えて、所定値T1,T2よりもそれぞれ小さい値の所定値T3,T4を用いることで、ドライバーが居眠り状態であるか否かを判断する構成としてもよい。
また、第3実施形態において、制御装置190の特定走行制御機能は、ドライバー状態推定機能により、ドライバーが居眠り状態である可能性があると推定された場合には、ドライバーに運転を行わせドライバーの眠気を低減させるために、走行制御機能による自動走行を解除するように制御(特定走行制御)を行うことができる。
さらに、第3実施形態において、制御装置190の提示機能は、ドライバー状態推定機能により、ドライバーが居眠り状態である可能性があると推定された場合に、走行制御機能による走行制御を解除するか否かを問い合わせる提示情報を提示する。ここで、図16は、第3実施形態に係る退避制御において、提示装置150により提示される提示情報の一例を示す図である。たとえば、提示機能は、図16に示すように、「所定期間の操作が検出されなかったため、 自動走行制御を解除してもよろしいでしょうか? もし解除をしたくない場合は所定時間内に「解除を許可しない」を選択して下さい。」とのメッセージ情報を提示情報に含めて提示することができる。さらに、提示機能は、「あと残り○○秒」などのように、自動走行の解除をキャンセル可能な残り時間に関する情報を、提示情報に含めて提示することができる。
また、この場合、提示機能は、「解除を許可する」および「解除を許可しない(解除をキャンセル)」の2つの選択肢を提示情報に含めて提示することができる。また、「解除を許可しない(解除をキャンセル)」をデフォルト選択肢として提示することができる。これにより、ドライバーが「解除を許可しない(解除をキャンセル)」を迅速に選択することが可能となる。
続いて、図17を参照して、第3実施形態に係る特定走行制御処理について説明する。図17は、第3実施形態に係る特定走行制御処理を示すフローチャートである。なお、以下に説明する特定走行制御処理は、第2実施形態と同様に、たとえば、制御装置190により、第1実施形態に係る走行制御処理と並行して、実行することができる。また、特定走行制御処理は、一定の間隔で繰り返し行われる。
ステップS301〜S303では、第2実施形態のステップS201〜S203と同様に、履歴情報の取得が行われ(ステップS301)、応答情報の入力回数Iを提示情報の提示回数Dで除した値が所定値T1以下であるか否かの判断が行われ(ステップS302)、車載機器140の操作回数Hが所定値T2以下であるか否かの判断が行われる(ステップS303)。そして、応答情報の入力回数Iを提示情報の提示回数Dで除した値が所定値T1以下であり(ステップS302=Yes)、かつ、車載機器140の操作回数Hが所定値T2以下である場合(ステップS303=Yes)は、ドライバーは居眠り状態である可能性があると推定され、ステップS304に進む。
ステップS304では、提示機能により、自動走行の解除を行う旨の提示情報がドライバーに提示される。具体的には、提示機能は、図16に示すように、走行制御機能による走行制御を解除する旨の提示情報をドライバーに提示する。
ステップS305では、特定走行制御機能により、ステップS304で提示された提示情報に対して、ドライバーが走行制御の「解除を許可する」および「解除を許可しない(解除をキャンセル)」のうちいずれかの選択肢を選択したか否かの判断が行われる。ドライバーがいずれかの選択肢を選択した場合には、ステップS306に進み、一方、ドライバーがいずれの選択肢も選択していない場合には、ステップS308に進む。
ステップS306では、ドライバーがいずれかの選択肢を選択していると判断されているため、特定走行制御機能により、ステップS304で提示された提示情報に対して、ドライバーが走行制御の「解除を許可しない(解除をキャンセル)」の選択肢を選択したか否かの判断が行われる。ドライバーが走行制御の「解除を許可しない(解除をキャンセル)」の選択肢を選択した場合には、図4に示す走行制御処理を継続するために、ステップS307に進む。一方、ドライバーが走行制御の「解除を許可する」の選択肢を選択した場合には、走行制御を解除するために、ステップS309に進む。
また、ステップS305において、ドライバーがいずれの選択肢も選択していない場合には、ステップS308に進み、特定走行制御機能により、ドライバーにより応答情報が入力されない状態で、ステップS304で走行制御の解除を行うか否かの提示情報を提示してから一定時間が経過したか否かの判断が行われる。一定時間が経過していない場合には、ステップS307に進み、図4に示す走行制御処理が継続して行われる。一方、ドライバーからの応答がなく一定時間が経過した場合には、走行制御を解除するために、ステップS309に進む。
なお、ステップS305,S306,S308においては、ドライバーが入力装置160を介して提示装置150のディスプレイに提示された「解除を許可しない(解除をキャンセル)」の選択肢を直接選択しない場合でも、ドライバーが、たとえばステアリングやアクセルペダルの操作、車載機器の操作などを行った場合には、走行制御の「解除を許可しない(解除をキャンセル)」が選択されたものと判断し、ステップS307に進むことができる。
ステップS309では、特定走行制御機能により、走行制御処理の解除が行われる。すなわち、特定走行制御機能は、走行制御機能による走行制御を解除する。これにより、図4に示す走行制御処理が中断され、ドライバーは自身で運転を行うこととなる。
以上のように、第3実施形態に係る走行制御装置100は、提示情報および応答情報の履歴情報、車載機器140の操作履歴情報に基づいて、ドライバーが居眠り状態(または眠い状態)である可能性があるか否かを推定する。そして、ドライバーが居眠り状態(または眠い状態)である可能性がある場合には、図4に示す走行制御処理を解除する否かの提示情報を、ドライバーに提示する。そして、ドライバーが走行制御の解除の実行を選択した場合、または、ドライバーが提示情報に応答できない場合に、図4に示す走行制御処理を中断し、ドライバーに運転を行わせる。これにより、第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、ドライバーが居眠り状態(または眠い状態)である場合に、ドライバーに運転を行わせることができ、ドライバーの眠気を低減させることができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態では、「先行車両への追いつきシーン」に対応する提示情報が「追従する」と「追い越す」の2つの選択肢を有する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、「右に車線変更して追い越す」などの様々な選択肢を有することができる。また、他の走行シーンに対応する提示情報についても同様である。
また、上述した第2、第3実施形態では、特定走行制御を行うか否かをドライバーに問い合わせる提示情報の選択肢として、特定走行制御を「キャンセル」する旨の選択肢をデフォルト選択肢として設定する構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえば、特定走行制御を「実行」する旨の選択肢をデフォルト選択肢として設定する構成とすることができる。また、ドライバーがデフォルト選択肢である「キャンセル」の選択肢を選択し易いように、特定走行制御を「実行」する旨の選択肢、または、「キャンセル」する旨の選択肢の表示態様を変更する構成としてもよい。
なお、上述した実施形態のセンサ110は本発明の検出手段に、制御装置190の走行シーン判定機能は本発明の判定手段に、制御装置190は本発明の記憶手段に、制御装置190の提示情報決定機能、提示機能および提示装置150は本発明の提示手段に、入力装置160は本発明の入力手段に、制御装置190の走行制御機能および駆動制御装置180は本発明の制御手段に、それぞれ相当する。